2016年8月 1日 (月)

■天気雨の土日~日記と、『シン・ゴジラ』の感想~ -更新第1077回-

土曜日、映画『シン・ゴジラ』を見た。

日曜日は風が強く、空模様が不安定で、晴れているのに結構な勢いで雨が降ってきたり
おかしな感じでしたね。おかげで蒸し暑さがひどかった。

土曜日は朝夜ともに軽快にジョギング出来たのに、
そこでハリキリ過ぎたのか、日曜はさっぱり足が回らず重い重い。
そんなに無理をしたつもりもないのに、なんだかこのところ衰え方が加速している気がする。
40代ってこんなもんなんだろうか。
体重が増えてるのもあるし、また減らしたい。
右ひざの下から脛にかけて、時々触ってもしびれてるみたいに感覚がないときがあるんだが、
どこか神経がつぶれてるのかしらん。

おかげで日曜朝はジョギングじゃなくてウォーキング。
その途中で見かけた、祭りの余韻。


  そーいえば土曜の朝ジョギングの帰りに見かけた、
  ババシャツ・サンダル・おばさんパーマの三種の神器をフル装備した
  伝説のおばさんの血を引くと思われるザ・おばさんが、
  まだ開店前でなにも停まっていないパチンコ屋の駐車場をまっすぐ対角によこぎっていく様子が
  やけに印象的だった。ザ・土曜日ってかんじだ。

映画はたいてい海老名のイオンかTOHOで見るので、
映画の度に新しい昼ゴハンのお店を開拓してみているのだが、
今回のお店は、お店というよりも病院の食堂を一般にも開放している、みたいなところだった。
実際病院の敷地内にあり、知らずに行ったら入るのに二の足を踏んでしまいそう。
そのテの辛気臭さとか病院食っぽさはなかったけど、「どっかの施設の食堂」っていう感じだった。
おばちゃんがフツーの炊飯器からごはんよそってくれたりして。
料理は普通に美味しかったし、お値段もリーズナブルだったしで、
パンチやエッジはきいてはないけど安心できるおいしさ。

如何せん、そのあと見た『シン・ゴジラ』が見るのに大量のエネルギーを要する映画だったから、
見終わったらすっかり腹がグーグー鳴っていた。
もう少ししっかり食べてから臨むべきではあったかも知らぬ。
食べたのはホイコーロー。

  ホイコーロー、と言ったら『ワタモテ』のもこっちを思い出すなあ。
  彼女が1話で口に出した「ほいこーろー」はあまりに滑らかで、
  「こ、こんな自然に『ホイコーロー』って言える女性声優がこの世にいたのか!!」
  と戦慄するほどだった。感心するトコそこ?
  皆さんも是非聞いて欲しい。

土曜日は、空もきれいに晴れ渡って夏空だったので、海老名のはずれの田舎めいた風景には眩しかった。
稲の緑と空の青。

Dsc04553

Dsc04568

日曜は日曜で、雲が多くて風が強く、入道雲が遠くビルやマンションの間からもくもく湧いて、夏っぽかった。
風景と溶け込むのではなく、空自体に見応えがあった。

日曜日は散髪へ。

あと、家賃やら、電気ガス水道やらのインフラ料金を払い込みに行くミッション。
オイサンがいつも使っている散髪屋さんは、ものすごいこぢんまりとした町の個人店。
まさに床屋さん……という感じでもないか?
オイサンのイメージする「床屋さん」はワリと大きいな。
椅子が4、5台はあって、おじさん・おばさんが数人いて。
子どもの頃、親に連れられてお世話になってた散髪屋さんがそういうんだったから、
なんとなくそういうイメージだ。

今行ってるのは、オイサンよりチョイ年上くらいのオッチャンが一人でやってて、
椅子は一応2台あるけど、稼働してるのはヒトツだけ、っていう。
美容室ではなく、散髪屋。
おっちゃんとはよく喋る。
大体、ケータイ、PC、タブレットなんかの、デジタルガジェットの話が通じるのでそんな話をする。

「まだブラックベリー使ってんすか」
「Windows10のタブレット買っちゃった」

とか、そんな話。

昼ゴハンにいつもの割烹で食べた自家製ハムのバター焼きがグレイトに旨かった。
肉!って感じ。

最寄駅近くの中華屋さんに、カタ焼きそばがあるのを見つけた。
東秀がつぶれて以来、近くでカタ焼きを食べられるところがなかったので有難い。
今度試してみよう。
ビーフンも好きだが、かた焼きそばはもっと好きだ。

Dsc04573


■アニメ

朝のアニメには、土曜に『この美術部には問題がある!』、日曜は『あまんちゅ』を見た。
『美術部!』は、見込んだ通りの面白さ。
ラクに見られて、ほんのりドラマもある。懐にそっとしのばされているものもある。
間に挟まる主題歌CMの、水樹奈々の濃さにびっくりする。濃いなあ……アメリカ人か。

『あまんちゅ』は、今日が見るの初めて。例によって、第3話から見る。
これもまあ、まあ、十分に楽しめる内容。
如何せん、ちょっと味が濃すぎるな。水飴をじかに舐めたカンジ。
原作者さんか、制作陣の味かわからんが、『たまゆら』と同じクセが出ている。
音響監督にサトジュンさんのクレジット。お前か。
ちょっとした良いことを、ものすごい大げさに褒める・嬉しがる話なので、
うーん、マこれはそういう世界のお話なんだろうけど、ちょっとやり過ぎではないか、と思う。
間はいいんだけどね。
キャラ作り過ぎたメンドクサイ子か、ちょっとおつむの弱い子たちに見えてしまって悲しい。
慣れればなんとかなるか。
もう少しだけ、年齢なりのくすみや諦めがあったって良いのではないか? もう高校生だろ?

『斉木楠雄のψ難』とやらも見てみたけど、
やろうとしてることは10何年か前のギャグをもう一回、みたいな若者向けだったのでパス。
久々に桜井明弘カントクだったので期待したし、持ち味も出されてたと思うが、
マおっさんが改めて見るものではなかった感じだと思う。

今期、アニメはあんまり熱心に見てないです。
とりあえずいつもの、
3話まで貯めて、まず3話目だけをて、面白かったら続きを見るor遡って見る、という
「3話だけで判断するメソッド」を継続中。別に2話目でもいいんだけどね。
今までは、それでダメでもダラッと残していたりはしたけど、今期はもうバッサリいってます。

今のところ残っているのは上の2本と
『アクティヴレイド』2期、『甘々と稲妻』、あたり。『NEWGAME』も一応みてるぞい!
前期から『クロムクロ』『マクロス』『ジョジョ』は存命。
まだ見てないのも何本かある。『クオリディアコード』は見るかなー。


■いま何が面白いか

そうして、オモロイ・オモンナイを論じてると改めて考えてしまうけど、
いま、自分にとって何が面白いんだろう。
自分はどんなものを面白いと感じるだろう、どんなものを見たいだろう?
『シン・ゴジラ』は、聞こえてくる評判はほぼ100%絶賛だけど、
オイサンとしてはまあまあだった。
あまり特撮映画慣れしてないから、期待値の設定を間違ったのかなと思っている。
前半の政界サスペンスみたいなノリと、後半の怪獣映画ノリのギャップをほめてる人もいるけど、
オイサンとしてはどっちつかずに見えてしまった。
意図通りなんだろうけど、ワリカシ、見ながらそこが冷静に見えてしまった感はある。







  ※あー、そんなつもりなかったんだけど、以下、『ゴジラ』の感想はさんでたら
  ※そこそこネタバレが入ってしまったので、気にする人は気にして下さい。







オイサンが『シン・ゴジラ』の中で面白いと感じたのは、
失踪した博士の課した課題と動機の隠され方が巧妙だったことと、
それに対して日本が出した答え(核を用いず・受け入れず、日本人として戦う)と、
もし核を使っていたらゴジラはどうなっていたのだろうか? というifを想像させる面白さ。
あとはラストバトルでの発想の吹っ飛び方、「全力で、東京で殴る」という仕掛けの楽しさ。
最後のは、見てて思わずケタケタ笑っちゃったものw 劇場で笑ってんの自分だけだったけど。

東京の持てるすべてを使って殴る、という。

逆に言えば、ゴジラが襲ってきたのが東京で良かったよね。
日本の他のどこに来られても、殴るものがこれだけ潤沢な場所はないからw
放射能を恨んだ博士が、放射性廃棄物とその申し子に対して、何をどう「好きにやった」のか、
そしてその結果に対して、日本人にどういう答えを求めたのか……
中盤~終盤にかけて、するするっと頭の中で繋がっていくのが痛快だった。
日本という国が本当に「ああいう」国なのか、オイサンには実感がないのでわかんないけど。

前半で、ゴジラにいいだけ東京をぶっ壊されて、
後半は「もうこれだけ燃やされてスッキリしちゃったんだから、開き直って思いっきりやったれ!」
ってなっていく、あのお膳立ての自然さは素晴らしかったと思う。
なるほど、こうやって決戦の場をしつらえるというのはアリだな、と。

燃え盛る東京をバックに影絵になって浮かび上がるゴジラのカットは、
やはりとても印象的だった。

序盤に、進化前の四足ゴジラが上陸して暴れまわるシーンは、
「こいつはきっと、ゴジラに追い立てられて海から上がってきてしまった捕食対象の露払いで、
 このあと真打ゴジラさんが上がってきて
 『こいつにでも手こずったのに、まだこいつを食う奴なんかいるのか!!』
 と日本人二度ビックリ! なんだな、ナルホド」
なんて、勝手に考えてた。全然ハズレだった。チクショウ。

「この先、またなにか絶望的な事態が起こっても、日本人はまた総力を結集したら乗り切れるし、
 なにがぶっ壊れたって立ち直れるよ、そういう国だよここは」
っていう……庵野監督が実際どこまで本気でそう考えてるのか知らないけど、
そんな気持ちを与えてくれるお話だったな、とは思う。

でも……なんだろか。

カントクが本気でそう思ってるとは、どーも素直に思えない。
「かなり気を使って、そういう風に言った、体裁を繕った」ように見えて仕方がないのはなぜなんだろう???
「国のトップが余所の首相に頭を下げて時間を稼いでる間にゴジラをやっつける!」
っていう、ちょっと腰の引けた部分が本気のメッセージであることは
どことなく感じ取れるというのにw







  ※以上、『シン・ゴジラ』の感想っぽいパート終わり。
  ※ネタバレと言うか、先に知って困るような内容がある話でもないと思うけどね。







前半の緊張感とゴジラのでかさを眺めるにつけ、
「劇場のスクリーンが小さすぎてもどかしく、嫌になる」という感情を抱いたのは
初めてだった。
それが撮影者のねらい通りだったのか、失敗なのかは分からない。

印象に残った台詞はルー・カヨコ・大柴の「この国は好かれてるわね」。
フィクションでも、ちょっと嬉しかったな。
『ストライクウィッチーズ』の劇場版でも一番好きだったセリフが
「浮き輪履いてるぞ?! 扶桑の海軍はでたらめだ!!」
だったオイサンは、自分で自覚するよりもずっと日本が好きなのかもしれない。
日本が斜め上に褒められると嬉しいもんな。

マそんなんで、世間のするほど大絶賛、というわけじゃないけど、
十分に楽しめたし、インパクトあったし、
見終わったらキチンと腹も減ったしで、十分だったんじゃないでしょうか。

……脱線してフツーにゴジラの感想になっちゃったけど、
やっぱり自分はそういう「お話の出来ていく過程」みたいな要素が美しいものに感動するきらいがあるな。
それを純粋に「作品の面白さ」と言っていいのかわかんないけど。

ゲームも、なんかこう……そういう風に楽しめるものが見つかるといいんだけどなー。
最近、ゲームは楽しめてないなー。

ところで、
ドトールとかのカフェでアイスコーシーを「氷なしで」って注文すると、
氷の体積が減った分、見た目の量もキッチリ減らして入れる店員さんと、
氷ありのときと同じラインまで入れてくれる店員さんがいる
(どうもそれは店の指導ではなく店員さんに依るっぽい)が、
この日入ったタリーズでは「氷の分コーヒー増やせますがどうします?」ってきいてきてくれた。
何か感心した。


……。


そーいえば
『田中くんはいつもけだるげ』のサントラって出ないのかな、
まだ出てないのかな、『のんのんびより』と同じ水谷広実さんで、
川村・舞ノ海・竜さんもベース参加してて、気になってるんだけどな、と思っていたら、
とっくに出てた。うそーん。
なので、ポチって寝た。
明日にでもヨドバシに取りに行こう。


そんな土日。

……と思ったら、下品アニメの『庶民サンプル』もこの人の曲だったのか……。
えらくイメージが違うが。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年5月31日 (火)

■ガルムの森のオシイサン~映画『ガルム・ウォーズ』感想 -更新第1062回-

書くのを忘れていたけど、
先々週の週末、映画館で押井守カントクの『ガルム・ウォーズ』を見てきた。

なぜ書くのを忘れていたかと言えば……忘れてしまう程度の内容だったからなのだけど。
ストレートに言えば、面白くはなかったです。

 ▼映画『GARMWARS ガルム・ウォーズ』公式サイト
 http://garmwars-movie.com/jp/

 


ファミ通のクロレビだったら6・5・7・4くらいの感じの、95年頃のPSかSFCのRPGみたいな映画だった。
押井監督にしたらえらく素直な話だなあと思ってたらクレジットに樋口真嗣氏の名があったので、
9割がた彼が作って、監督は犬のキンタマと小便だけ撮ってたんではなかろか。
ラストシーンのわんこのカットが、
監督の「なんかごめんね」というメッセージに見えたけど、それはまあ受け手の勝手な妄想です。

もう少し具体的な感想を述べると、あらすじは……


 舞台はとある惑星、
 高位の(神様的な)存在に生み出され、クローニングによって繁殖し闘い続ける3つの部族の代表者が、
 なりゆきとはいえ手を取り合い、自分たちの存在の意義、その出自を追って
 禁断の地に足を踏み入れる……


 
というモノ。
……ね? なんかもう、あんまり面白くなさそう、というか、
「え? 90年代のハナシ?」って感じでしょ?
その感覚は正解で、99年に一度凍結になった企画を、再度復活させたプロジェクトなのだそうな。
シナリオはほぼ昔のままで、デジタル映像技術や枠組み(資金集め)の方法論などを
現代のやり方でやることに意義があった作品、らしい。

確かに、見た目はすごくきれいだったけど、
いまとなっては(少なくとも素人目には)目を見張るほどのものではなく、
資金集めとかは見る側には関係がない。
マその資金集めの仕組みを使うにはカナダで撮影をしないといけなかったらしいので
そういう意味では画面に表れているともいえる
(またその資金集めの仕組みを使うには、現地のスタッフやら労働文化に合わせなければならず
そういう意味でもまた、否が応にも画面の出来に表れてはいるのだろうけど)。

うーん。

押井監督のロジックで言えば、
そういう「やりたいこと」や「果たすべきミッション」が完遂出来、
且つ「黒字になって」「次回作のオファー」がくるようなら成功なのだろうから、
多分これも成功作品なんでしょう(黒字云々はまだわからないけど)。

入場前に売店でパンフ買おうと思い、
「『ガルム・ウォーズ』のパンフレット下さい」
とワリカシハッキリ目に言ったつもりだったのに、
どうやらその売店のお姉さんは非常に優秀な……相手の心を読んで接客をするタイプの方だったらしく、



  「はい!

 『ガールズ&パンツァー』

 のパンフレットですね!」




とほぼノータイムで差し出してきたのには驚いた。
が、もしかするとアレはお姉さんの
「悪いことは言わないわ、『ガルムウォーズ』はおやめなさい。
 『ガルパン』を見て帰りなさい。いい? 『ガルパン』よ、『ガルパン』を見るのよ。
 『ガルパン』はいいわよ」
と、暗に僕を救おうとしてくれた優しさだったのではないだろうか。
それを無にしてしまうなんて、僕はなんて愚かだったんだ。

とはいえ、コレをいま劇場で見ずにおき、
あとでなんとなく衝動的にブルーレイとか買ってしまうことなどを考えれば、
傷が1800円で済んで良かったのではなかろうか。パンフ代入れたら2800円だけど。

うーむ、事前にインタビューを読んだときに、監督自身
「衣装に金がかかった。あの衣装デザイナーとやれて良かった」
って衣装のことしか誉めてない感じだったのをもっとしっかり考えるべきだったw
監督親切だなw

  あと映画のパンフって、なんで本編の50%以上の値段すんの?
  映画本体の価値ってそんなモンなの?

いや、見る人が見れば面白いと思いますよ。
ただ、似たようなものをたくさん見てきてしまったオッサンから見たから
「ナンヤネン」て思ただけで。
マそれを言うなら、撮る人が撮った映画だから、そこまで考えるとやはり
「ナンヤネン」案件であることには変わりがないんですけど。
押井監督、なぜ貴方がいまコレなの? という驚きはある。

まあでも、「押井守監督の映画を見る」ということにはこういうことまで含まれているのでこれでいいのです。
ハズレじゃなくて、「こういう種類のアタリ」なわけです。
それは理解している。
今回も私はしっかり、押井守監督の映画を見た。
次回も見よう。

あと、予告編で流れた『FF15』のCG映画。
あれだけの映像が出せるなら、イケメンむちむちCG映画撮らないで『FF1』か『2』、
あるいは『5』あたりを映画にしたら、もっとお客が入るのでは。
それと、コレマタ予告編で『艦これ劇場版』の予告が流れたとき、
隣のオッサンがものすごいため息ついてたのがすげえ面白かった。

あと『シン・ゴジラ』は普通に面白そうです。
……何? 『エヴァ』のシン劇場版?
なあに、今更『エヴァ』が遅れたって、たとえ終わらなくったって、
別段誰も、驚きも怒りもしやしないさ。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年5月29日 (日)

■Kawasaki・春のパンでPeace祭り!・後篇~2016年春アニメ感想+『ガルパン劇場版』感想追加 -更新第1060回-

山陰にサインイン。(回文
オイサンです。

今回も2016年4月期のアニメ感想の続きですが、
オイサンお気に入りの『田中くんはいつもけだるげ』の聖地は広島なのだそうですな。
まだ竹原にも行ってないし、大学時代の友だちとも長らく会っていないし、
オバマさんも行ったし、そろそろ行くのも良いかなあ。

島根にも、また行きたいしねえ。
山陰をにょろにょろ旅して広島に至り、竹原をのぞいて友人と会って帰る旅でも組もうかしら。



●○● 2016年4月期 アニメ感想 お品書き ○●○



 ▼▽▼<前篇>▼▽▼
 『クロムクロ』
 『田中くんはいつもけだるげ』
 『パンでPeace!』
 『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』
 『マクロス⊿』
 『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』

 ▼▽▼<後篇>▼▽▼
 『ふらいんぐうぃっち』
 『くまみこ』
 『甲鉄城のカバネリ』
 『三者三葉』
 『ハンドレッド』
 『ばくおん!』
 『ハイスクールフリート』



■『ふらいんぐうぃっち』

 ▼公式サイト
 http://www.flyingwitch.jp/

 ▼アニメ「ふらいんぐうぃっち」PV第1弾・2弾
 
 


2016年4月期が誇る、珠玉ののんびりアニメ3傑の2本目。
のんびり力はその3本の中でも群を抜いて高い。
これといって泣けも笑えもしないのに何となく見てしまうのは、
「ふきのとうを獲ってきてただ揚げるだけ」みたいな、
魔法すら関係ない話を2話だか3話だかでいきなりぶつけてきた油断のならなさのせいだろうか。
魔法使いにだってそうそう出来る芸当ではありません。
よくわからない。

笑うというよりは「ほほえむ」、
子どもが遊んでいるのを見守るような目で眺め、時々頬をゆるめてしまう、
そんな作品。

『よつばと!』的だという感想も聞くけど、まだ『よつばと!』の方が力が強いと思う。
『ふらいんぐうぃっち』は、それをもっとこう、ぬぺ~っと伸ばして塗ったような感じ。
トーストに染み込むバターのような。
『よつばと!』は、まだ厚みが残ってて、なんなら時々バターの固まりが口に飛び込んでくることがある……。
ストレス(=強い笑い・驚き)を予感させながらも「スカす」のが上手いのは分かるんだけど、
それだけでこんなに見てしまうものだろうか?
人を選ぶところはあると思う。
背景と音楽が特に美しい。お芝居も比較的抑えめ。
今期のどの作品よりも、見ているときのテレビ画面が広く感じる。

……しかしこう……なんだな。
「のどかであること」「おだやかであること」だけでこんなにも心に求められ、
娯楽になるということは、
現実の世の中でどれほどのどかさ・穏やかさが稀少な存在であるか、ということだな……。

世界はもう少し、おおらかさを取り戻さなければならないのではないか。
どっかの作家さんだかが、

「ラノベの裏表紙解説に
 『途中主人公が2、3回ピンチに陥りますが、それほどでもありません』
 って書いてる作品があったけど、みんな刺激が欲しくて物語に接するんじゃないの?
 どんだけストレス嫌なの?」


みたいなことを書いていたけど。
ホントにもう、スリルやヒリヒリ感は、毎日の暮らしでお腹一杯なんだと思うよ。
それを自分たちの尺度で
「ガマンが足らん」「軟弱だ」って言うのは簡単だけど、それは、ねえ?
「ワシらの若い頃は!」
ってドヤるご老人部隊と同じコトでしょ。
癒し系・日常系作品がもてはやされるのって日本くらいなんでしょ?
国がこぞって病気にかかっているのだと思うよ。

ここから何かを見出して現実に持ち帰るのは難しいと思うけど、
優しい気持ちになれればそれでもいいかな、という気はする。

聖地は弘前。
こんなこと↓↓↓も、もうやってるのかー。


 ▼ふらいんぐうぃっち 木幡真琴 車内アナウンス 1 ダイジェスト
 

 ▼ふらいんぐうぃっち 木幡真琴 車内アナウンス 2 ダイジェスト
 


こういうの、嫌いじゃないけど、ちょっとキャラとしてしゃべりすぎじゃないか?
巡礼者向けのサービスなのだろうか。地元の人はどう思ってるんだろ。



■『くまみこ』

 ▼公式サイト
 http://kmmk.tv/

 ▼「くまみこ」特報PV
 

2016年4月期が誇る、珠玉ののんびりアニメ3傑、最後の一本……
に、ウッカリ入れちゃったけど、ごめん、コレはのんびりアニメじゃないや。
クマと人間の少女との、食うか食われるか、限界のコミュニケーションを描く
ハートフル・デス・コメディだった。

「もふもふカントリーライフ」などと銘打たれてはいるけど、
これはきっとWEBラジオで安元さん(ナツ(=クマ)役)が言っていた通り、
編集さんが軽はずみに付けたキャッチなのでしょう。

動画的には、気負ったところや無駄な豪華さを押し出してくるところは感じないけど、
丁寧に細やかに、無理なくがんばっているのかな、と思います。
だからまあ、ハッとするような、すげえ、というようなことはない。
けれども、この作品最大のウリであるJC巫女のマチが垣間見せる、
田舎のJCらしい油断まるだしの健全エロス、素肌の瑞々しさだけで出来た
リビドーの釣り糸を描き出すには必要十分。つるっつるです。すべっすべです。
ぷにっぷにです。
クマの毛の質感? 知るか鮭でも食ってろ。

ところどころ、熊のナツを演じる安元さんが
「ものすごくマイク前で演技をしている」感じになっている気がする。
熊じゃない、オッサンの話声であることが丸見えになる瞬間があって(特に感情が高ぶるような場面)、
チョイチョイ醒めるのはいかがなものか。
職人肌・演技巧者の安元さんらしくない……マそういうディレクションのもとでやってんだろうから
こちらからとやかく言うことではないんだけど。
ん? ってなることが幾度かあった。

非常に後ろ向きな、「負の感情」で彩られている時間が長いアニメです。
怒り、妬み、蔑み、貶め、嘆き。
しかし如何せん、それを笑いに転化して、カワイイので見られてしまう。
ある意味、とんでもなくカムフラージュが上手で恐ろしいアニメです。
作ってる本人も気付いていないでしょう。
ただ、画を描いてる人たちだけは、自分たちがやけに
恐怖におののいて涙を流す女子中学生の絵ばかり気合い入れて描かされていることに
気付いてはいるでしょう。

コレ見てただ「かわいい~♪ 田舎~♪ 癒し~♪」って言ってると、
いつの間にか心を腐食させられている可能性が高い、
シロアリのようなアニメである、と断言して差し支えないでしょう(あるわボケ怒られろ)。

  イヤ、ダメだっつってんじゃなくてね。そういうポテンシャルを秘めてますよって話ですよ。
  いいじゃん、別にシロアリプリティもふもふカントリーライフ作品でも。
  それだって一つの機能・特長・才能だよ。
  尚、同様のオーラを帯びながら作り手も受け手もそのことに気付いていて、
  且つ隠そうともしていないのが『ばくおん!』です。
  パンでPeace! ← 言いたいだけ

webラジオが面白いので、それに引っ張られて見てる感はちょっとある。
目新しい面白さ、優れた表現は……ないと思うなあ。。
けど、実質4人のメインキャラだけで、これだけもたせてるのはすごいと思う。
クマがしゃべる、クマがITに強い、田舎ヘイト、JCがえろい……
要素はそんなもんだものね。

 ▼熊出村 村おこし放送
 http://www.onsen.ag/program/kmmk/

田舎ヘイトはいいけど、肝心の田舎の日常らしい日常があまり描かれないから
とっかかりのネタくらいにしかなっていないのが寂しい。
2話目のあの変なゴージャス自転車とその丁寧な壊れっぷりが異彩と悲しみを放っていたかな、と言うくらいだ。
それでも十分に楽しめてしまうのだけどね。

しかしまあ、最近のアニメは「どこへ向かう」っていう軸を本当に必要としない。
ていうか、よくこういうのに、視聴者である自分たちは付き合えているな、と
我がことながら感心する。
恐らく見る側として、識域下にも無意識にもなにも求めていないから、
何も無くても出てきた物に対して出てきたものなりの満足が出来て、
そして心にも残っていかない、ということなのだろう。
それを消費・浪費と呼べばいいさ。



■『甲鉄城のカバネリ』

 ▼公式サイト
 http://kabaneri.com/

 ▼「甲鉄城のカバネリ」PV第三弾_2016.03.17解禁
 


えー、……ガチで面白いやつです。
すごいですね、「まだテレビアニメでこんなの作れたんだ!」とびっくりしている。
ストーリーは重たいし、ぶちまけられる感情も極まって強烈なんだけども、
それが受け手に向けられたとき、存外ストレスにならないのは何故なのでしょう。

とりあえず驚いているのは、「この人ら『全部』やる気だ!」ということが垣間見えたから。
犠牲になる覚悟と、それでも捨てられる怒り呪いと、取り残されるかなしみの深さと、
救われた喜びと虚しさと、全部まとめて一人で5分で全部やる! 
と決めて、
不自然じゃないお話と心の流れを全部やって嘘くさくしないという……
それを見たときに本当に驚いた。
画ヂカラ、お話ヂカラ、音楽、どこをとっても。
こころで決まった何事かを、ストレートな言葉では表さず、態度と流れで心情を表現する細やかさ、その手続きもお見事。

  生駒がお姫さんの血をもらうシーンで、
  青侍に「早くしろッ!!」と叫ばせるのにはもう……背筋が震えました。
  くそう。すげえな、そういうことが出来るのか。

閉塞感のあるお話は苦手な私ですけれども、
それでも見られているのはそうした鮮やかさが上回っているからでしょうか。
正直よく分かりませんが、これはもう、圧巻。見るたびに圧倒される何かがある。

バトルシーンは壮絶だし流麗だし、静かなシーンも細やかで美しい。
ただこう、もうチョイ……落ち着きがあってもいいかな、とは思う。
見る人を引き付けるために息をもつかせない展開、というのは必要だと思うけども、
緩めろというんじゃなく、もっと長く息を止めさせる場面があっても好い。
あとはこのお話が娯楽以上の何を伝えようとしているのかを見極めるだけです。
まだ4話くらいまでしか見てないのでアレですが、
今のところ黒と灰色、あと赤の場面ばっかりの気がするので、
もっとたくさんの色彩の乗ったこの作品の場面を見たいなあと思っている。

いやー、すげえわ。



■『三者三葉』

 ▼公式サイト
 http://sansyasanyou.com/

 ▼三者三葉 第1弾PV
 


見ればそこそこ面白いんだけど、見始めるのにちょっと気合いを入れなければならない。
マ見て得られる楽しさ・面白さと、見るのにかかる労力のバランスが、自分的にイマイチということだろう。

主人公三人娘の、一見トラブルメーカーっぽい元気者が相対的に一番の常識人、
という配置の意外さがいい。こういうの好き。
荒井"みでし"チェリー先生っぽい抜けの作り方だなあと思う。
テンプレや、受け手の期待する(或いは身構えてしまう)緊張感に対して、
ちょっとした肩透かしをたくらんでくる感じですね。

動画的には大変気合の入っているのが見て取れて、カメラワークや構図がときどき妙に斬新。
すごい気概とかその意味とかが感じられて好いのだけど、見てて若干ドヤ感を感じて鬱陶しいw
ストーリーの密度も、いまの8割くらいに落としてくれたらもう少し楽しく見られた気がする。
頑張ろう頑張ろうとしている感じでちょっと息苦しいのでした。
疲れる・積極的に見ようという気持ちになっていかない要因はこの辺。
メイドのロリババアが出てくると途端に楽しくなるんだけど。
メインの3人だけだと、ちょっと弱い感じがする……。



■『ばくおん!』

 ▼公式サイト
 http://bakuon-anime.com/

 ▼「ばくおん!!」PV第2弾/「Bakuon!!」Official Trailer Part 2
 


パンでPeace!
……間違った。
ここまで全話見られている。
自嘲と傲慢、羨望とそねみに彩られたバイク乗りたちの日常を描く野心作。
スミマセン言い過ぎだったかも知れません。そうじゃないかも知れません。
近頃はだんだん慣れて来たけど、見始めの頃は
「バイク乗りの世界って、こんなにささくれだってイザコザしているのか……」
と、オートバイの楽しさよりもコミュニティの面倒くささばかりが鼻について
いつ見るのをやめようかとじりじり後ずさりするばかりだった。

パンでPeace!  ← 魔法の言葉

美少女成分でそのササクレ具合を緩和しているのか、
或いは美少女がやってるから違和感が際だつのか分からないが、
なんだか変に気になるのよね……。
扱われるネタは、恐らくは実際のバイクオーナーたちの間では了解済みのもので、
それらをどう消化するかまで決まった手続きのあるものなのだろうから
笑って済ませられるモンなんだろうけど。
ひと言で言うと「すごいめんどくさそうな世界だ」と言う感想に落ち着いた……。
楽しい! 気持ちいい! っていう面が……なかなか見えてこなかった。
ああ、この世界には入りたくないな、と思わされるばかりで。

それを救ってくれたのは、謎のカワサキ好きのフルフェイス先輩であった。
あの人を見てたら、ああそうか、それでも楽しいんだ、
愛し続けることが出来るんだということがひしひしと伝わってくる。
最後の良心(ほんなら名前くらい憶えたれや……)
だからまあ……語るパートと沈黙するパート、両方が必要だったのだろうけど。
面白い構成の仕方だなと思った。勉強になる。

あと、OPは好いですね。非常に好きです。
出だしのノリのいい鍵盤が心地好いですし、詞ではサビの

 ♪ 感じて こたえて 風になる

がオイサンの中で非常に秀逸。
「風の中で答えを見つける~♪」みたいな詞が定石だとオイサンは思っていたから、
そうか、こたえてから風になるのね、というのはちょっと新しめの発見でした。
詞を書いた人はバイクにも乗る人なのだろうか、
なんだかそういう実感がこもっているように見えた。



■『ハイスクールフリート』

2~4話くらい見た。
なんか直前に放映タイトルの変更?があったみたいですな。
おかげで私も1話目が録れませなんだ。マいいけど。

……不思議と何の感想もないな。
多分、『クロムクロ』と同じベクトルの作風で、『クロムクロ』よりもドウデモイイ指数が高いのだろう。
画はきれいだと思うのですけどね。

1話がすっ飛んだので、
そもそもどういう設定で、どういう事件が起こって、いまどういう状況なのか、
分からないまま見てきたせいもあるけれども
(マ普段から1話目を飛ばして見たりするから、そういうことには慣れっこだけど)、
いずれにしても、キャラクターの口から語られる言葉と醸し出される空気が
イマイチ噛み合っていないように感じていた。
あとキャラクターが多くて、まだ誰が誰なのか把握し切れていないのも原因かも知れない。
漂流モノは、どこへ向かうのかが規定されないまま話が進むから、
1話飛んでしまうと他のジャンルのストーリーよりもキツイのかも知れない。

うーん、OPやEDについても特に思い入れがないし、
マ気が向いたら見る枠。



■『ハンドレッド』

全話見てるけど、流し見。完全に冷やかし枠。
OPの冒頭が荘厳くさくて騙されそうになるけど、決して面白くはないです。
そしてそのOPも、荘厳なのは出だしだけで、
90秒のうちにみるみる残念になっていくというガッカリ仕様……すげえな。
ある意味親切なのか?
『IS』『キャバルリィ』枠。
何故にこう、ラノベの皆さんは異能者が集まる謎学園での序列バトルものがお好きなんでしょうか。
リアル学校の序列テストとかスクールカーストなんか大嫌いなハズなのに!

なんというかまあ、1クールに1つはあった方がなんとなく落ち着く、
買わないけどコンビニにないと落ち着かない……チロルチョコみたいな存在です。
コンビニのチロル、あれどのくらい売れるのかしら(よけいなお世話)。



……。



とまあそんな感じでして。
今期、短時間枠に元気がないな、と思ってたんですが、
どーやら『てーきゅう』のスピンアウト(『うさかめ』)とか、
『宇宙パトロールルル子』とか、なんかいろいろあったのね……見逃していたわ。
USAT枠を忘れていた……。

ちゃんと調べなさい俺。

とはいえ、それでなくても13本という結構な数を見ているのね。
まあ見ているような見ていないような、だけど。
そして楽しんで見ているハズなのに、こうして書いてみると文句が多いいw
マ見なければ文句も申せませんし、
見ればこそ惜しいところも目に付くと言うものよ。

今クールもあとひと月のラストスパートですが、
心に残り、体に刻まれる作品がヒトツでも多く現れてくれたら幸いです。



マ、そんな感じでヒトツ。



今クールこの先、
『カバネリ』でどんな熱いドラマが展開されようとも、
『ふらいんぐうぃっち』でどんな心を癒すあたたかなワードが囁かれようとも、
胸に残るのは『ネトゲ嫁』の「ざんねん、全裸でした!」なのかと思うと
物語作りの難しさ・残酷さに涙が止まらなくなるオイサンでした。


パンでPeace!

 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年5月28日 (土)

■Kawasaki・春のパンでPeace祭り!・前篇~2016年春アニメ感想+『ガルパン劇場版』感想追加 -更新第1059回-

劇場版の『ガルパン』、先日のBD発売直前に最後の3回目をまた劇場で見てきたんだけど、
やっぱ面白いね。

オイサンです。

「アニメっていいなあ」と、作る人の苦労もろくに考えずに思ってしまいました。
作ってる人たちは幸せになっているのかなあ。
水島監督は、アニメを作ることは幸せなんだろうか。
あの飄々としたコメンタリーの語り口の向こうでどんなことを思っているのだか。
マそんな小難しいこともともかく、新たに3つのことに気が付いた。

 ●その1●
 Aパートのエキシビジョン戦で生徒会チームが果たす初撃破、
 その不名誉な被弾の相手は、どうやらローズヒップさんの乗るクルセイダーだったらしいこと。
 いやあ気付かなかったw

 ●その2●
 廃校を通達された会長が最初にとった行動が「戦車の避難」だったことをご都合主義的に捉えてたけど、
 「戦車(と西住ちゃん)さえ手元にあれば、そこから状況をひっくり返せるかも?」
 と考えての策だった……とすると、腑にも落ちるし大変泣けること。
 やっぱり杏会長は最高です。

 ●その3●
 ローズヒップさんのクルセイダーは、あらゆる場面でもチョロチョロ落ち着きがなく、
 大変愛らしいことw
 かわええw 劇場版上映後やたら人気が出てたのでなんでだろうと思ってたけど、
 ラストのカットでお行儀悪く紅茶を飲んでるローズヒップさんも妙に印象的で、
 その秘密がなんとなく分かった気がした。

……デ今しがた、劇場版のBDを受け取ってきて見ていたんだけど、
スタッフコメンタリで監督とプロデューサーが
「ローズヒップの車だけ落ち着きなくて、なんか顔が見えるようですねw」
って言ってて笑ってしまった。

あと、アンツィオが助太刀するのに
どうして愛しのピヨピヨ(P40)じゃなくてCV33で来たんだろうかw? というのも気になったところ。
エンディングで意気揚々と帰る三人(これがまた可愛いんだけど)が、
CV33を軽トラにみたいなのにCV積んでるのを見て思った。
劇場版見たときは、まだアンツィオ戦見てなかったからな。
デカブツを運ぶお金と手段がなかったのかしらw?
トラックに積めちゃうCV33が、また可愛いんだけど。

……と、『ガルパン』の話ばかりになってしまいそうですが、
今回は2016年4月期アニメの感想なのですよ。



●○● 2016年4月期 アニメ感想 お品書き ○●○



 ▼▽▼<前篇>▼▽▼
 『クロムクロ』
 『田中くんはいつもけだるげ』
 『パンでPeace!』
 『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』
 『マクロス⊿』
 『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』

 ▼▽▼<後篇>▼▽▼
 『ふらいんぐうぃっち』
 『くまみこ』
 『甲鉄城のカバネリ』
 『三者三葉』
 『ハンドレッド』
 『ばくおん!』
 『ハイスクールフリート』



■『クロムクロ』

 ▼クロムクロ公式サイト
 http://kuromukuro.com/

 ▼TVアニメ「クロムクロ」PV第3弾
 

5話まで見た。ワリと好きです。
飛びぬけた新しさ・面白さがあるワケではないけれども、
呆れるくらいどうでもいいという程でもなく、
「面白すぎず、どうでも良すぎず」の完成度が好いです。
ストーリーものだけど、一生懸命見なくてもいい、ラクに見られる点で非常に有難い。

  自分でも、コレがOKで『キャプテンアース』がNGだったサジ加減は
  よくわかんないけど。
  『キャプテンアース』は売らんかな精神というか、
  必死すぎる感じが好きじゃなかったな。
  「ボクって変わってるでしょ」みたいな感じが鼻についた。

P.A.Worksさんが突然のロボットものだったので、なんで!?って思ったけど、
さすがの富山推しです。納得。
今回は、「話のそもそもの発端がこの土地の戦国武将だから」っていう、
地方性に必然性・意味を持たせてるところはちょっと良かったなと。
最近、アニメの聖地化について、
「この土地を推すためにアニメの舞台に使った」みたいな
土地オリエンテッドの聖地使用が目立つような気がして……
「作品の表現とか空気感に必要だから・マッチしたからロケした」というのが本来的なものかと思うので、
多少無理矢理でも必然性を持たせようとしたのは個人的に嬉しい。

  マその戦国武将も架空のお家のようなので確固たる必然ではないけど。

あと、GLAYさんの歌うOPは結構好きなんだけど、
GLAYさんのお歌ってのは、大体こんな感じなんですかね?
イイ感じに古臭く、すごいベタな歌詞でちょうあんしんして聞ける感じが
本編の風味とマッチして有難いのだけど、
拵えたGLAYさんはアニメソングだからと気を使って若干古め・ダサめに作ってくれた
(もしくはそういうオーダーだった)んだろうか。
それともこれが彼らの今のエッジなんだろうか? というところが不思議。

ながいこと第一線で活躍し続ける人ってのはやっぱりちがうな。すごいぜ。
変にカッコつけたり、エッジきかせたり、他にない何かを! みたいな必死さとかないもんな……。
面取りの仕方に職人芸というか、切れない個性、みたいなモンを感じた。すげえ。
絶対切れない安全日本刀で斬り合うママさんチャンバラみたいな感じなんですかね。
あとGLAYさん、どうせ気を回してくれるのだったら、
『クロムクロ』なのだから今回だけでもKROYとかに出来なかったのか(無茶言うな)。

バトルシーンも目を引くようなものではないし、
メカデザインも、なんの必然性があるのか変にハデハデしい上に野暮ったくて
30年前のガムのおまけみたいだし、
お色気をがんばるのかと思えばそんなこともないしで、大変に地味ですが。
それがくたびれずに見られる好いサジ加減になっているように思います。
この先も、変に熱血になったり鬱になったりしないで、
見る側の期待を越えない速度で、「ああやっぱりね」と言われるくらいで走りきってもらいたい。
チョイチョイ挟まるサトリナさんボイスが癒しです。



■『田中くんはいつもけだるげ』

 ▼TVアニメ「田中くんはいつもけだるげ」公式
 http://tanakakun.tv/

 ▼TVアニメ「田中くんはいつもけだるげ」PV
 


2016年4月期が誇る、珠玉ののんびりアニメ3傑のうち一本。
画的にハッとした瞬間は、今のところなかった……と思うので、
動画として格別な部分というのはそんなに無い、のだろう。
ひとえに雰囲気、テンポ、間、トーンが好みで、大変よろしい。
毎週一風変わった入り方をするOPのその間といい、
統一して一枚柔らかなフィルターをかませたような声(の演技)を持った役者さんの品ぞろえといい、
色調といい。
まあ何が素晴らしいって、
このアニメの軸を作っているのは間違いなく太田であって、
話の8、9割を占める太田の声と芝居のトーンが最高にノンストレスなのだと思う。
すごいぞ、太田。
えらいぞ、太田。

監督が川面"のんのんびより"真也さんであり、
音楽も水谷"のんのんびより"広美さんであり、
まあなんというか、『のんのんびより』1期1話に脱力ネタを盛り込んで毎週やってる、みたいなところがある。
これではオイサンが好きにならない理由がない。

  川面監督、『のんのんびより』の劇場版も作らないでどこで油を売ってるんだ!!
  と憤っていましたがこんな隠し球を持っていたのか……。
  なんだよー、先に言えよモー(憤ってもいないしなれなれしい

あと、音楽が水谷広美さんだと書きましたが、
ベースで川村"岩男潤子の辣腕プロデューサー兼ツッコミ兼おかかえ力士"竜氏が
参加しておられるようです。
ツイッターで自分で宣伝してた。

今期アニメ・嫁にしたいランキングダントツNo.1(*1)の女子力モンスター・太田といい、
生きる弾丸・宮野といい、ファッションヤンキーの越前といい、
癒し系人材の豊富な本作にあって、けだるげな主人公・田中くんが一人でゲスいという
ミスマッチな配置も面白く、練れた作品だなと思います。

  ちなみに、今期アニメ・嫁にしたいランキングNo.2(*2)
  『ふらいんぐうぃっち』のケイくんです。

   *1:男性部門・総合ともに
   *2:同上

しかしまあ、なんだ。
男子サイドも女子サイドも結構な人数がいるにも関わらず、
どっちを向いても同性同士のカップルしか誕生の匂いがなく……
まったく今の世の中というのは、ほんのりやおい・ほんのり百合を基準にできあがってしまっているのだなと
否が応にも実感させられずにはおりませぬ。
未だに異性婚のみを当たり前に考えて、そうせいそうせいと
言いそやす輩はキチンと時代に目を向けるべきである。

その上で人口を増やすことが必要なら、もはやシステムで対抗するしかないだろう。
それが現実なのだ、多分。
……何の話をしているんだ。アニメの感想を書け。

梅雨に入るか、入らないか……そう、ちょうど今頃の時期に縁側にすわり、
お抹茶で食べる塩大福のようなアニメかな、と思います。
1話・2話を録り落としたのが痛い……orz


■『パンでPeace!』

正直、面白いところはほとんどないのだが……
OPの曲が好きで、なんとなくたまに「パンでPeace!」って叫びたくなる(病気か)。
コレ原作面白いのかな。逆に気になる。

……うん。

なんか書くことあったかな、と思って、いまちょっと振り返ってみたけど。
やっぱり何もないな。面白さも可愛さも、特に。
みんなで叫ぼう、パンでPeace!


■『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』

 ▼公式サイト
 http://netogenoyome.com/

 ▼TVアニメ「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」 PV
 

1話以外は見た。意外と追いかけられている。
ストーリーもカッチリあるお話ではあるけど、そこに大して面白味は感じておらず、
ヒロイン・アコのアホさ加減、ストレートに恋する乙女ちゃん加減だけを楽しみに見ている。
いやー、かわいい。こういう子好きだなー。
「イタくて見とられん」ていう人の方が多そうだけど、
オイサンはこういう好き好き光線ダダ漏れの恋する乙女ちゃんは好きです。
ついでに働き者で養ってくれるんだったら、リアルでいてくれても全然いいのに!
アコは働かなそうだからリアルでいられると困る!(キッパリ

  5話目の次回予告の「残念、全裸でした!」ですっかりやられてしまった。
  オモロイやないかくそ。

ネタとかネットスラングがらみの小ネタがたまに想像の斜め上に行くので嬉しい。
メインキャラは皆いい人で、且つそれなりのエピソードを背負ってはいるものの、
破綻や目に見えた瑕疵がない分こぢんまりとまとまってしまって
お話の展開そのものに目新しさはないのでそこはオマケ程度。
オンラインゲーあるある的なもめ事とか引きこもりのマインドを絡めた小ネタとかは
コレと言って目新しいものではないから、
やはり一番のウリ、一点ものの面白さはアコのキャラクターかなあ、と。

OPが好きなんだけど、楽曲といい、画的な雰囲気といい、
なんだか『俺妹』にすっごい似ている気がする。
狙ったのかしらん。

何にしても、言葉のおもしろさイッパツで持って行けてしまうパワーがあるので、ツボにはまれば強いでしょう。
だめな人はもう、スッカリだめなタイプの作品です。

こちらもWebラジオが面白い。

 ▼豊永・南條の2人はラジオしないと思った?
 http://www.onsen.ag/program/netoge/

主人公役の豊永さんと、何故か猫姫先生役の南條ヨシノさんがやっておられる。
お二人とも三十路に入ったばかりとのことですが、
奔放に楽しそうにおしゃべりになるのが好感度高いです。
技術じゃないけど、息が合っててノリがいい。勢いがあるってすごい。


■『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』

 ▼ジョジョの奇妙な冒険 第4部ダイヤモンドは砕けない アニメ PV
 

第3部までとは趣を変え、2Dアニメ方向に舵を切ったご様子。
ウム、正直3部までの見た目は特に好きではなかったので、オイサンにとっては嬉しい変更。
やたらな擬音とか「わかりやすいジョジョっぽさ」に執拗にこだわらなくなったのは
好い変化なんじゃないかと思う。
なんていうか「ジョジョ好きのプライド」とか「分かってる感」みたいなものが
非常に押しつけがましくて、見ててシンドイ場面もあったので。

3Dじゃなくても画も(今のところ)十分きれいだし、、荒木タッチをアニメらしく再現してて好い。
億泰がこんなにかわいい萌えキャラだとは気付かなかった。
空が黄色!
もともとオイサン4部は好きで、お話にも無駄なパーツ
(トニオとか透明な赤ちゃんとか、本筋に関係ない思いつきみたいなネタ)も多くて
お話の完成度としてはあまり高くはないと思うんだけど、
その雑多な感じが、3部までのゴシックホラー!な面と打って変わってポップさを醸しているのが
非常に気楽でよろしい。
当時、いっそのこと『コナン』みたいにこの路線のまましばらく長くやったって良かったのになーと
思ったりもした。

今回はOPも、そのポップさに呼応するような曲でとてもマッチしている。
すばらしい。
……が如何せん、動きが足りなくて地味というか、エフェクトだのみで
ちょっと画的には手抜き感を感じまする。
ダンスっぽさ出してるんだからもっと動かせや。

制作の手が足りてないのかしら? と思っていたら、
第6話放映前後のWebラジオで、パーソナリティの二人が
「僕らまだ6話見られてません」って言っててオイオイオイ、大丈夫なのかと
尚のこと心配になるなど。
ラジオの収録をいつやってるか知らないけど……この先がチョイ心配。


■『マクロス⊿』

 ▼特番「マクロスΔ 先取りスペシャル」告知PV
 



5話か6話まで見た。ストレートに言えば物足らぬ。食い足りぬ。

マクロスなんだけど、マクロスだと思わなければ面白い。
楽しむためのお作法を押さえるまでにちょっと時間がかかってしまった。

『マクロス』という作品はキホン、「アタマオカシイ」ものだというのがオイサンの認識で、
それは要約すると
「見る側の想像を、ウケや狙いでなく、作り手の純粋な『面白い』という理想だけで
 ノーリミットで斜め上に超えてくる」
というものなのです。
作る側の強烈な妄想・アタマのオカシさが、見る側の微々たるアタマのオカシさを共鳴させ増幅させて、
「これだ! これなんだよアニキ!!」という気持ちにさせる作品である。
見る側の心の奥底に眠っている、無意識に抑え込んでいた本当に見たいものの妄想を呼び起こし、
「イヤ、しかしこれはさすがにアタマおかし過ぎるだろう……」
という気持ちを飛び越えて肯定させる力を持っているものだった。

……の、だけど……。

『7』『F』と、そのアタマのおかしさも徐々に弱まってきていたものの、
今回はすっかりおとなしくなってしまった感がある。
作り手の頭のおかしさが、すごい頑張ってやってる「頭を使って考えた頭のおかしさ」で……
天然モノでない、養殖の味わいでしかないように感ずる。非常に残念である。
まあでも、大変だとは思う。
歴史を重ねて、守るべきお作法を守りつつ斜め上をいかないといけない、というのは。

だからこう、もっと『Gガンダム』みたいな位置付けの『マクロス』を、
どっかで一回やってもいいと思うんだよね。

  ……と書きながら、
  「既に『マクロス7』が十分『Gガンダム』的だったな……」
  と気付くアラフォーですけども。
  それを思えば『マクロス7』はよくやったよ。
  いや、あの段階を踏むのはまだちょっと早すぎた気がするけど。
  アレをやるなら今だったかもしれない。
  なんていうかこう、黄門様が印籠から出るレーザーで悪人を薙ぎ払う、みたいなね。

今回も随分、突拍子もない設定の世界に広げていってはいるけれども、
おかしな方向に広がっちゃっただけなカンジ。
歌のファクターにアイドルグループを持ち込んできたことは当たり前だと思うし
(むしろ当たり前過ぎてそっちに驚いたというのはあるけど)、
歌の方にも、さほど力が入っているとは思えない。
OPの曲は、劇中歌としてはいいんだけど、主題歌っぽくない気がする。
今後、ストーリーとリンクするような要素があるだろうか。
たとえばもう、いっそのことクラシックの要素をぶち込むとか、
雅楽とか民族音楽を持ってくるとか。

映像表現や世界観にしても、
びっくりするようなことは今のところなかったように思う。
唯一引っかかったのはバルキリーの絵がなんかぬるっとしていることか。
これは多分意図しているのだと思うケド、どういう効果を狙ってるんだろうか。
ミクモさんが指で作るWのサインが「手マンの構え」って呼ばれてたのが妙にオモロイ。

どーなんだろな、
「アニメを作る人が、アニメばっかり見ててもしょうがない、つまんない、
 もっと外の色んなものを見て手に入れた驚きや感動を取り込んで欲しい」
みたいなことを、昔の年を取ったクリエイターたちがよく言っていたけど、
そういうことなのかも知れぬ。
勿論、他のモノを見てないなんて思わないけども、それ以上に
「足下の『マクロス』を見過ぎている」のではなかろうか、という危惧がある……。

いっそ「『Zガンダム』の続編を作ります!」って言っといて、
完成したら「実はコレは『マクロス』として発表します」
みたいな無茶苦茶でも……イヤそれはさすがに無茶苦茶だが、
しかしこの「イヤさすがにそれは」を取っ払ってくれてしまうのが
『マクロス』のモノ凄さだと思ってもいるので、次はさらなる限界突破を試みてもらいたい。

  ……とは言いつつも、『ガンダム』が平成に入って色々こしらえてる間も
  『マクロス』はワリと長いこと沈黙を守っていたワケで、
  それは案外賢い選択だったのかも知れんな、などと思いもする。
  ということを、いま上で至極当たり前のように「次」のことを書いてしまって思った。
  次なんかなくてもいいんだ。

マそうやって作った突拍子のないものは売れるように見えないから、
若手や実績のない人がやってもなかなか認めてはもらえないのだろうし、
そうなると
「実績のある、突拍子のない脳味噌の持ち主が作って認める立場の人間たちを黙らせる」
しか新しい物が出てくる道はないのだけども、
そうではなく、実績のあるモンスターの人たちが「認める」側に回って、
若手の考える突拍子のない物に
「よっしゃオモロイ、それやれ!」
と思い切りのいいハンコを押してあげる仕組みにならないといけないのかも知れぬ。

マそういう作り手が、管理する側、認める側に回ることも、
その気質上、難しいことだと思うけど。


……といったところで前篇おしまい。続きは後篇で。


どこか、カルロベローチェのチョロQ作ってくれないかなあ。
オイサンでした。
後篇に続きます。

 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年2月26日 (金)

■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・3・シネマの段~ -更新第1046回-

職場で、

 「ミーティングルームから、内線の子機がなくなった」

と聞いて、よッし、ここはヒトツ米澤穂信センセイよろしく、
消えた子機の行方をピタリ言い当てて、リアル折木奉太郎を気取ってみるか!
……と、しばらくアタマをひねってみたが、大したことは思いつけなかった……。
迷宮入り! 残念ッ!!
オイサンはミステリーには向かんなー。

結果、出てきた子機のありかは全然推論可能なレベルだったのに、
真実にたどり着けなかったのが歯がゆい。
ぐやぢい。
膏薬を貼っ付けるのも、カンタンじゃないぜ。

ちなみに正解は、

 「前に部屋を使ったヨソの部署の人が、
  うっかり自分トコの道具一式とまとめて持ち去ってしまっていた」


でした。
……ね? これくらいだったら思い付けそうなモンなのに……悔しいでしょ!?



●○● 感想いろいろお品書き ○●○



以下の内容を順不同で。プラプラと書いてきます。
マークがついてるとこ、今回描きます。


 ■書物
  ・『ざるそば(かわいい)』
     MF文庫Jの新人賞かなんかとったざるそば。
  ・『追想五断章』
     米澤"氷菓"穂信センセイ作品の中でもドンケツの人気を誇るミステリー。友達から借りた。
  ・『描いて描いて描きまくる』
     浦沢直樹センセのインタビュー本。天才のバイブル。

 ■いくつかの歌
  ・『GoldenLife』
    今期のアニメ『アクティヴレイド』のOP。ものすごい。
  ・『いつか僕らのエピローグ』
    『氷菓』のWebラジオのED曲。とにかくかわいい、里志もえるたそも。
  ・『シャツとブラウス』
    『Wake-Up, Girls』のベスト版に入ってた。情景が美しい。

 ■映画・劇場アニメ
  『駅~Station』
     健さんムービー。知り合いのおじいさんがエキストラで出てるらしい。
     オイサンの健さん初体験。留萌・増毛が舞台で超さむそう。
  『百日紅』
     プロダクションIG制作の劇場アニメ。葛飾北斎の娘・お栄の半生記。
     てかコレ劇場でかかったの?

 ■2016年1月のアニメ
  『アクティヴレイド』 / 『この素晴らしい世界に祝福を!』
  『無彩限のファントムワールド』 / 『DimensionW』 / 『だがしかし』
  『大家さんは思春期!』 / 『おじさんとマシュマロ』 / 『紅殻のパンドラ』

  『うたわれるもの』 / 『てーきゅう7期』 / 『おそ松さん』 / 『鉄血のオルフェンズ』

  『這いよれギャル子ちゃん』 / 『魔法少女なんてもういいですから』
  『少女たちは荒野を目指す』 / 『灰と幻想のグリムガル』
  『蒼の彼方のフォーリズム』 / 『ハルタとチカは青春する』 / 『ブブキブランキ』



●○● 劇場版 映画 the Movie ●○●



■『百日紅』

葛飾北斎の娘・お栄を主人公にすえたアニメーション。

 原作:杉浦日向子『百日紅』
 監督:原恵一(『河童のクゥと夏休み』『クレヨンしんちゃん』シリーズ)

というのが、どこ調べても感想見ても、この二つのデータがアタマに出てくる。
どちらもあまり存じ上げないし、作品も見たことないわ。

以前、どこか都心のまちへ研修かなにかで出かけたとき、
駅に貼ってあったポスターでこの映画を知ったのでした。
ポスターの趣旨は、「名作だけど埋もれてるこの映画の上映会をやる」みたいなんだったと思う。
そのときは、興味がわいたので、研修終わって時間があったら行こうと思ってたんだけど
帰りにはスッカリ忘れてしまってた。
今回ツタヤで偶然見かけたので、オッと思って借りてみた。

▼百日紅 予告編



内容は……
葛飾北斎の娘・お栄さんの半生記。

半生というほど長くもない、
絵描きであり、
天才絵描きの娘であり、
目の弱い病弱な妹のやさしい姉であり、
江戸っ娘であり、
女性でもあるお栄さんを取り巻く、一年ばかりの出来事。

主人公のお栄さんは、葛飾応為(おうい)という名前で活動されていた実在の人物なのだそうな。
知らんかった。

アニメーションの画ヂカラとしては、非常に見応えを感じる。
人物はみな艶っぽく、
江戸の町の情景も、自然の風景も、とても細やかに描かれていて引き付けられた。

町の雑多で賑わう感じは、
「大都会・江戸」とはいえこの程度なんだな! と思わせながら熱量は高く、
かと思えば、雪に埋もれた郊外の、今の東京の面影もない、どこの田舎だよ! という顔も非常に以外で、
都心があまり得意でない自分でも、東京の街を見つめなおしに出かけたいと思わせる引力がある。

実際、江戸の風俗がどれほど正しく描かれているのかは専門家でないので判断しかねるけど、
「おー、こんなんだったんだー」と感心することしきり。

  ……マよー知りもせんで褒めると、
  お江戸文化ポリスにフォロー外から警告ナシで射殺されかねないので
  あんまり言いませんけれども。
  つるかめつるかめ。
  「非現在的風景の日常」を細密なリアリティで描いているなあ、という感心です。

浮世絵描きさんのお話なので、その画ヂカラの高さはいかんなく発揮され、
ときどき表現として顔を出すあやかし・モノノケの描写の類でも大活躍。
「この画ヂカラで以て『ネオまんが日本むかしばなし』でもやりゃあいいのに」
と、勝手なことを言ったりしながら見ていた。

反面、物語に一気通貫したものは感じられなかった。

絵描きとしての未熟さ・葛藤とか、女性としての淡い恋心とか、姉・家族としての屈託とか、
お栄さんの一つ一つの横顔・面影はとてもよく面白く、描かれていたのだけど、
個々のパーツを繋いで全体のカタチをなすエピソードが不在で、
映画の全体像としては何を伝えようとしたのか不鮮明。

1回見ただけなので読み解けていないだけかも知れないけれども、
マ上で書いた通り、
気風が良く、向こうっ気が強く、やさしくあたたかくもある魅力的なおんな絵師の日常を、
リアルな江戸風情とともに贅沢な動画で描き出そう!
……という、動画オリエンテッド系のアニメだと思うので、
そこが楽しめれば成功・正解なのだと思う。

カタルシスを求めると、カタ透かしを食らう。

終わって振り返ってみれば「なんだったんだ?」と思うけど、
それでも一つ一つのエピソードはハッとするほど細やかで麗しい。
強いて言うなら、お江戸日常系萌えアニメ、ということになろうか。
東京を見にもう一度でかけようという気にさせる、一見の価値はあります。



■風斬る双肩・タカクラ・ソード。『駅~Station』を見る

言わずとしれた、三千世界に名だたる日本の大俳優、ケン・タカクラのワンオブ代表作s。
エキストラとして出演している、知人のおじいさんを見るためにレンタル。


  ※尚、当方、健さんヴァージンであり、
    ご本人やムービーに関して一切外情報ナシのイメージと先入観のみで書いているため、
    感想の一部もしくは全編にわたって嘘・オオゲサ・紛らわしい、
    間違い・インチキ・適当・そもそもブンタ・スガワラと取り違えている などなど
    盛りだくさんの内容になっている可能性があります。
    なので、読む方もこの感想はフィクションだと思っててきとうに流してください。


ケン・タカクラの映画、想像してたよりずっとずっと娯楽性が強かった。
2時間刑事ドラマみたい。
クルマは爆発しないけど、内面でいろいろ爆発&誘爆する『インターナル西部警察』みたいだった。

人の心をじんわりと締め付けるようなものではあるのだけど、
その感情の素材を提示する過程で、ダウナーな事件やしがらみが狙ったように次から次へと健さんを襲うので、
まったくハッピーエンドではないのに、ある意味ではご都合主義的。
ご不都合主義、とでもいおうか。

  かっこよく言うと、「運命が交錯する……」。みたいな感じ。
  うわお。

しかしこの作品は、ミもフタもない言い方をすれば、
健さんがサイコーに切ない顔をするための場を設えるための劇なので、
それはそれで良いのだと思う。
言い切ります、
如何にして合法的に、健さんをやりきれない地獄に叩き込むかが勝負の映画です。
そんで健さんに、最高のタメ息をつかせるのがスタッフの仕事。
けど多分、やくざ映画でない健さんムービーって、大方そうなんでしょうね……多分ね。
健さん凹ませて、凹んだ健さんを見て楽しむかという……
ちょっと聞くといかにもシュミがワルイ。

  無論健さんファンは「健さん、頑張って!」「負けないで、健さん!」という気持ちで見てるのでしょうが、
  お前らが見に行かずにおいたら健さん、
  次の映画は方向性が変わってそんな思いを繰り返さずに済んだかもしれないんだぞ。

寒い寒い、道北は留萌・増毛の地で、罪の意識や人のしがらみに揉まれ揉まれて、
やりきれないヤリキレナイ思いにかられながらもじっと黙って堪え続ける健さんを見て、

 「ああ健さん! 人の世はつらいな、せつないな! でもどうしようもないんだよな!」

……って、弱虫どもが自分を納得させるためのギミックです、これは。
コンバンワ、ワンオブ弱虫です。

けどね、なんかコレ、クセになるわ。
わかる。好きな人がハマるの、すごくわかる。
そりゃ2時間近く、ほとんどずっと同じようなカオでだまーってガマンし続ける高倉健を見つめ続ける
高倉健見つめ主義ムービー見てたら、そりゃ見てる方も高倉健になるよ。
オイサンも多分、見終わってしばらくは完全に高倉健の顔になってたと思うもん。
気持ちイイよこれは。
よく出来ていると思います。

  一時期、「エンディングに欧陽菲菲が流れるようなギャルゲー」を夢見たことがありますが、
  テレビゲームにもこういう世界があってもいいのにな、と思いました。

  ▼欧陽菲菲 Love is over ...
  


マそんなだもんで、ドラマをこしらえるためのディティール一つ一つは……ワリと雑。
雑っていったらアレだけど、……おおらか?

大事なのはそこじゃなく、どうやって健さん凹みポイントを作るかなので、
状況的に殺さなくても良さそうな凶悪犯を、人が誰も見てないのをいいことに射殺し
犯人の母親が叫ぶ「人殺しィー!」の声が耳から離れず苦悩する健さんを見て、
「イヤそりゃおまえ、半分は自業自得じゃねえか」
などと考えるのは野暮ってモンです。

  ……だってあのシーン、殺さなくてもなんとかなってたもんな……。

いいんです。健さんはいいんです。
辛かったんです。

刑事として生き、射撃でメキシコオリンピック代表にまでなったにも関わらず、
仕事一筋過ぎたせいで奥さんに浮気されて独り身になって凹み
人下手がたたり、数年後には警察内部での政治から
射撃選手としてもコーチとしても地位を滑り落ちて凹み
狙撃班に回されて凶悪犯を撃ち殺す役目を負わされ、犯人の親族からは人殺しと泣きすがられ凹み
自分が投獄した犯人の親族が孤独にさみしく暮らすさまをまざまざと見る羽目になって凹み
その犯人が刑に処される直前に送ってきた手紙に凹み
そうして打ちひしがれているときに運命的にであった女性が
自分の先輩刑事を殺した犯人の愛人だったりして、辛かったんです(そら辛いわ)。



凹!



  ……おまわりさんなんていう商売やってるとこんなにも不幸というか、
  事件に頻繁に遭遇するモンなのかなあ。知りませんけども。
  それにしてもまあ、考えつく限りの湿りきった出来事を次から次へと呼び寄せる健さん。
  毛色のちょっと違うコナンくんみたいですね。

にしても健さんは、射撃のオリンピック代表なんていうのび太みたいなキャラ設定のせいもあって
2時間ばかりの間に結構なペースで人を撃ちます。

ラストバトル(VS 冒頭で先輩を殺した犯人で恋人の愛人)で
結構なアクションをしながら撃った銃弾が一発で犯人の心臓をぶちぬくところなんか、
健さんすげえな、と思いますが
この湿り切った映画でこのアクションって果たして相応しいものかな、と考えてしまう。

……などとまあ、面白おかしい視点から、
初めての健さんムービーを見た感想をお届けしましたけども、
落ち着いたシーンの一つ一つは本当に、さりげなく、美しく、
異議を差し挟ませないかっこよさがある。
「健さんのキャラクターがかっこいい」かどうかは人それぞれの美学に依るところが大きいとは思うけど、
……なんでしょうねえ、こういうカッコよさをなんと呼べばよいのか、
「日本人的」と言っても最近の人には当てはまらないし理解できない、
なんなら若干嘲笑のまとにもなりかねないと思うし、
「前時代的」「昭和の」と言ったら、それだけでもう古くさい、
時代にそぐわないもののニュアンスが強すぎて、
カッコ良さについて語ろうとしていることが表に立ってこない。
全要素が「普遍的」なものでは決してないのは分かっているのだけど、
普遍的である部分も、潜んでいるとは思うのです。

男の、なのか、オスの、なのかはわからないけど、
男的性(おとこてきせい)に端を欲する悲哀に見出す美学。

それを「美」として捉えることに否定的な人も昨今多いとは思うけども、
根ざすもの……オトコ、オスである以上どうしても付きまとうものは忌避しがたく存在するワケで、
その、そのままでは到底容れ難い「かなしいもの」をどうにか肯定的に
「そうあることが美しいのだ」と我々に受け容れさせるために舞い降りた昭和のアイドルが
健さんであったのだろうかと。

オイサンとしては、別に前時代的な価値観をそのまま、
コレがかっこいい、コレが美しいというんではなく、

「望んで生まれてきたわけではないけれども、生まれた以上、死ぬのは恐ろしく、生きていかねばならず、
 背負ったかなしみがかなしいままではやり切れないから、
 滑稽でもせめて、かなしみまでも肯定しなければならないかなしみ」

みたいなものが……滑稽でいいなあ、と思うんですね。
そういう意味で、それを背負ってスクリーンの中でわざわざ吹雪に立つ健さんは、
犠牲者然としてかっこいい。
そんな風に思い、風を切る双肩に大変な見応えを感じました。

そういう風に考えると、
このころのムービースターっていうのは、
それぞれ違う時代的な役割を負っていたのかもしれないなあ。



マそんな感じで、今回はここまで。
次は今期アニメの感想かにゃー。
オイサンでしたよ。


 

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2015年11月21日 (土)

■シンプル・イズ・エベレスト。~映画『エベレスト3D』感想 -更新第1020回-

映画、『エベレスト』の3D、日本語吹き替え版を見てきましたです。

『エベレスト』は、1996年にエベレストで実際にあった遭難事故をもとにした、
ドキュメンタリータッチのフィクション映画。
……と言ってしまって、良いよな?


▼映画『エベレスト 3D』 特報


今回の記事の性質上あらすじは省くけども、
作品でなく、元となった事件のあらましはWikipediaの記事なんかで詳しく見られよる。

 ▼1996年のエベレスト大量遭難(Wikipedia)
 http://qq1q.biz/pmFm

  ところで映画とWikipediaでいっこ食い違ってるのはロブ(主人公・遭難死)の遺体について、
  最終的に映画では「まだエベレストに残されている」と
  ラストのモノローグで語られていたけれども、
  Wikipediaの記事では「荼毘にふされた」とあることか。
  細かく見たら色々違っているのだろうけど。

何年か前にヤングジャンプで読んだマンガ版の『孤高の人』(原作:新田次郎、マンガ化は坂本眞一)に魅せられて以来、
『神々の山嶺』(原作:夢枕縛 マンガ化は『孤独のグルメ』の谷口ジロー)やら、『岳』やらを読んでいると、
やはりどうしても……
世界に14座あるらしい、8000m峰というモノへのあこがれが湧いてくる。

まオイサンが実際やる山登りなんていうのはハイキングから毛が抜けた程度のもので、
上記の2作品よりも『ヤマノススメ』に近く、
『ヤマノススメ』に比べても全然レベルが下のものでしかないので、
8000m峰の登山なんてアンタそんなモン、おこがましいというか危ないというか、
ほとんど「空を飛びたい」というのと同じくらい
「あっはっは、そりゃあ出来たらいいね」というレベルの話。

しかし、その世界がいったいどんな場所なんだろうか、
どうやって辿り着いて、人間の体や気持ちはどんな風に変化して、
どんな風景が広がっているのだろうか、
踏みしめる足もとはどんな感触なのだろうかということへの興味は尽きない。

『孤高の人』『神々の山嶺』にはその辺のことまで
ドラマ含めて克明に描かれていて大変似興味深いのだけれども、
より以上のリアリティや情報、臨場感、現地の空気を知りたいと思って、
今回この映画を見に行った次第です。

  8000mに至ると(というか6500mあたりを超えると)人間の体がどうなっていくのか、
  何を持っていき、何を食べ、どのように眠るのかの類の話は
  ホント想像を絶する領域で大変に面白い。

強いていうなら、「エベレスト登山の疑似観光」。

エベレスト登山のルートとはどんなものなのか。
アイスフォール、ヒラリーステップ、イエローバンド、軍艦岩など、
よく名前を聞く「名所」が、どんな形、どんな大きさ、どんな存在感で、どんな風に目に見えるのか。耳に聞くのか。
ベースキャンプや途中のキャンプがどんな場所なのか、
エベレストに辿り着くまでのネパールのカトマンズやナムチェバザールなどの人里がどんな雰囲気なのか。
そういう場所の空気を見聞したい。

なので大きな目的は、お話を楽しむというよりは、
その周辺の映像や音響であって、
「エベレスト登山」にまつわる視覚・聴覚への刺激を取り込むことが主。
お話は、面白かったら儲けモノくらいのスタンス。

それにお話といってもこの『エベレスト』という作品は、冒頭でも書いた通り、
実際に起こったツアー登山の遭難事故を元にしたドキュメンタリー調のフィクションなので、
過剰なドラマの演出や演出は出来ない……と思うので、
それも今回の目的にマッチしているであろう、と見込んでのこと。

あと、オイサンは今回3D映画初挑戦です。
また、オイサンは洋画を見る際大抵字幕版を見ますが、
「3D映画では、字幕が映像の臨場感を殺ぐ(文字が浮き上がって興ざめする)」と聞いてたので、
吹き替え版を選んだ。
主人公の声が小山力也さんだったので、氏の外画での仕事ぶりを見てみたかった、
というのもちょっとアリ。
最近は『血界戦線』のクラウス、『うしおととら』のとらなんかでワリと声を耳にするご縁があったので
ご縁を深めておこうかと。
オイサンをパクチー好きにしてくれた人でもある。
宮本充さんの舞台も見に行ってみたいんだよなあ。余談。



■感想



前置きはそのくらい。デ、肝心の映画の感想は……全体的にイマイチ。
娯楽的な意味でも、ドキュメンタリー的な意味でも、上で書いたような目的の意味でも、
全般的に中途半端だった。

「事実をもとにしたフィクション」というものを、
ドキュメンタリー寄りにとらえるか、娯楽寄りに捉えるかという問題はあって、
オイサン的には基本ドキュメンタリー寄りでとらえている。

それに照らせば、この『エベレスト』はドキュメンタリーとしての情報量が少なく、
特に中盤以降の遭難劇が始まってからはドラマ方面へ軸足をシフトしてしまうため
視点がミクロで興味深さに欠く。

では、ドラマの力を借りて、ミクロさの中に推論や解釈が持ち込まれるのかと言えばそうでもなく、
そこでは律儀にドキュメンタリーしようとするから、
見えない部分だけが増えて、見せられたい部分は見えないまま、うっすら淡々としか描かれない。

  なんかね、選別と強調の手を抜いてるように見えるのよね。

見たかった周辺の山を含めたエベレストの様子や広がる風景、地形や気候のこと、
それらへの人体のリアクションなど、
取り巻く要素に関する客観的に揺るぎのない情報を知りたかったけど、
そういう映像的な内容は限定的だった。

さらに、娯楽とドキュメンタリーのはざまでの揺らぎが、
ある程度物語・映像を盛り上げないといけない都合上カメラワークやらを介在させてしまうわけで、
それがまた邪魔だった。
ドキュメンタリーほど客観的な情報を具に語ることも出来ず、
エンタテインメントほど面白く盛り上げることも許されず、
半端、半端に削れ落ちた挙句、求める満足感はどちらからも得られなかった。

今回初体験の3D効果にしても、ごく一部のシーンでちょっと臨場感が増すくらいで、
開始時の違和感や目の疲れを考えるとトータルでマイナスくらい。
そんなにありがたいものではなかった。
ベックさんが倒れこむシーンで、背後に見下ろす山々の背景にすごく深みがあったところが
一番効果的だったと思う(しかしそれはシーンのメインではない)。

自分にとってはこういう映像の臨場感より、
『神々の山嶺』で語られた「ことば」の方がよほど上手くヒマラヤの持つ空気を
心の中に思い描かせてくれるものだったと実感する。


  「成層圏の風を岩が呼吸している。
               雪が凍てついた大気の中で時間を噛む」



であるとか、


  「テントの遙か上空で風がうねっている。
   この瞬間にも青い微光を放つ巨大なヒンドゥーの神々がしずしずと天より降り立ち
   成層圏の気流を呼吸しながら舞っているのかも知れない」



だとか。
山の静謐と喧騒、凶暴さと荘厳さを併せて隠し持つ様子を、とても端的に表して、
感じさせてくれると思った。
もちろんマンガの画面と相まって、であるけれども、
色彩や大きさ、深さ遠さまで語ってくれているのを受け止めることができる。

映画には、映画ならではの動的な広がりをうまく使って、
マクロからミクロまでエベレストの様子をとらえたモノを見せて欲しかったし、
スポットスポットには説明を交えて知らせて欲しかった。

しかしそういう限定的な映像情報からでも思ったのは……
「おお、こらアカン。オイサンには登れんわ」
という、当たり前ながら実感的な感想だった。

ムリ。
むり無理。

コレを見る前は、実は、
ツアー登山が組まれるようなノーマルルートのガイド登山であればもう少し緩くて、
かつ『孤高の人』や『神々の山嶺』で描かれていたような
「無酸素単独」とか「未踏高難度ルート開拓」とかのスパルタンな縛りを無くせば
あわよくばオイサンにも頂を踏むチャンスくらいはあるんじゃないか……
とか思っていたんだけれども。

いやいやイヤいやイヤ、全然ダメでした。
無理だ。
ていうかお前、そんな大それたコト考えてたのか。

イヤもうね、こらアカン、の世界でした。
天候とか条件とか、そういうものの善し悪し抜きにしても、
デフォルトの地形の時点で自分には無理だw
少しでも8000m峰とか登ってみたいと思ってた自分がバカだった。

クレバスに梯子を渡すとか、ヒラリーステップのロープがどうとか、
文字やマンガの情報では知ってたけども、
実際に映像で動いてる人間が登ってるところを見るともうね、
いや、まあ、
そりゃヒマラヤの何千mの山なんだからあのくらい当たり前なんだろうけど、
いやー。
無理だった。すみません(謝っちゃった

まあ、「登ってみたい」と思わないことには
登れる可能性はさすがにいつまで経ってもゼロのままなんだけども。
それにしても、だったわw
きんたまキューどころの騒ぎじゃない、
あんなとこにずっといたら、きんたまが極限まで収縮した挙句
質量が無限になって重力崩壊してなくなるわ。

というワケで、映像的な恩恵がまるでなかったかと言えばもちろんそんなことはない。

色々と、この映画というか、この遭難事故そのもの・登山について言えるコト・感じたコト、というのはある。
山では利己的であるべきか、利他的であるべきかとか、
ロブって人の判断はどうだったんだとか、ベックさん一体何で出来ているんだとか。

事故後に巻き起こった批判についてであるとか。

その辺のことも、今回の記事の性質上、特に言及しない。
あんまり目新しいことが言える話でもないし、既に言い尽くされてることでしょう。

この事故では実際8人が亡くなっているらしいのだけど、
それを聞いた感想は不謹慎ながら
「あ、そのくらいなんだ?」
ということでした。
イヤ、ホント不謹慎だし、数で測れるものでもないのだけど。
世界一のエベレストで大量遭難っていうから、
ひとたび何かが起ころうものならもっとドバっと
それこそケタが違うくらいやられるものだと、無根拠なイメージを持っておりました。

それを思うと……こちら↓の、2009年の北海道・トムラウシでの遭難事故というのは
相当だったのだな。

 ▼トムラウシ山遭難事故 [Wikipedia]
 http://qq1q.biz/pmFj

マどっちにしたって、現場や当事者たちは、
ものすごい悲惨な思いをしたに違いないんですけども。


▼映画『エベレスト 3D 』メイキング映像





……マそんなことで。



ちなみに余談なのだが、
オイサンがコレを見に映画館に足を運んだのはおフランスのテロがパリで大変なことになっていた日で、
予告編が流れ終わり、さあこれから本編が始まるぞというあたりでふと
「そういえば、パロのテリは、スタジアムやら劇場やらが襲撃されたんだったな……」
と、徐々に落ちていく明かりの中で、急に恐ろしくなってしまった……。

今回のパロを主催したのが世界同時多的発なパロをアレすることが出来るほどの規模だったか知りませんが、
マそれが行われたってなに不思議は……無いヨノナカなワケで、
何もこんな日に、好き好んで真っ暗な閉鎖空間にノコノコやってこなくても良かったんでないかと、
ビクビクしてしまいましたよくっくやしいでもビクンビクン。

別にそれは、今日パロでテリがあったからって今日明日起こるってアレでもなく、
それは明日かも知れんし一週間後かも知れんし、ひと月、半年、一年後かも知れん。
昨日起こってたかも知れん。
ので、今日明日警戒してドキッとすることに大した意味はなく、
且つ、それを警戒して今日見られる映画を明日明後日に延期することにも
大した意味はないというか、
それを考えてると畢竟、核シェルターの中で膝を抱えて生きていくしかないワケで、
ホナお前どないせえっちゅうねん、というハナシなわけです。

まあ……どうしようもなくね?
何か起こったときの心構えと、少しでも戦い生き残れるような心身づくりと。

テリ屋さんがどこでどんな風においしいパロを焼いているかは、
最近はやっこさん、PS4で情報交換をやられているとかいないとかで、
専門の諜報機関でもそうそう簡単に察知できるモノでもないらしく、
素人がその動向をつかんで用心する、なんてトテモトテモ。

天気予報みたいなんでもあればまだ、ねえ。でもねえ。

実効的な対策にどんなことがあるのか、
まだ真剣に考えてないので「ない!」と断ずるのは尚早なのかも知れませんが、
なんつーか、こう、今のところ「気合い入れて生きる」とかいう
すごいバカなフレーズしか思いつきませぬ……。
トンチキな大人ですみません。



最後の方、映画の感想カンケイなくなっちゃったけども。
そんなにピンとくる映画ではなかったです……ああそうそう、
ツアー客の一人だったダグ・ハンセンが登頂後に前後不覚に陥ってしまって
ちょっと目を離した隙に滑落してしまい、
自分も下山不能に陥ったロブさんの、直後のB.Cとの交信での、
小山力也さんの絶望にとらわれた声のお芝居、そこはとても印象に残っている。

  「ダグは……死んだ! 落ちた!」

他にもヒマラヤ登山系の映画はズバリ『ヒマラヤ』とかあるんで、
見たいと思ってツタヤに足運んだりするけどなかなか置いてないのですよね。






マそんな感じでヒトツ。
ボロは着てても心はチョモランマ。(なに言ってんだ
オイサンでした。



| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015年8月14日 (金)

■復権の『A』~甦りし女王は、畳の目を数えるか。'15年夏アニメ・中間感想(2)~ -更新第994回-

そうそう、思い出した。

この間、ちょっと思うところがあって風呂で『NOeL la neige』の攻略本を読んでたんですよ。

知ってますか? 『NOeL la neige』。
初代プレイステーションの会話アドベンチャーですよ。
カマクラが舞台ですよ。

▼ノエル ラ・ネージュ プレイ動画

このときの水樹奈々、ヘッタクソだなあw まあデビュー作みたいなもんですしね。


そうするとですね、やっぱりこう……思うワケじゃないですか。
「ああ、この女子高生ヒロインたちも、
 今じゃすっかりオバサンなんだろうなあ……時の流れは残酷だなあー」
なんてね。
なにせ1998年のゲームですからね。
もう17年も昔のゲームですよ。
絶望しかありませんね。

しかしですね、奇蹟っていうのは起こるもんですね。
なんとこのゲーム、時代設定は2014年だったんですねえ。

ビジュアルフォンなんていう、携帯テレビ電話が当たり前に普及した時代ですからね。
近未来!
1998年の近未来感ですよ。
そうするとアレです、ヒロインの彼女たちは……まだ、
あれ(=ゲームの中身)から1歳しかトシとってない計算になります!
19歳。女子大生になったばっかですよ。ぴっちぴちやで。

そう考えると……希望も湧いてきますよね。
捨てたもんじゃない。
オイサンです。


 


はいはい、四十ナリタテほやほやの初老の戯言で始まりますよ
『ゆび先はもう一つの心臓』。
前回の続き、7月から始まったアニメの中間感想の続きです。

マたいして目新しいコトも、斬新な分析も書いてませんよ、エエ。
一介のオッサンの感想ですからね。
それでも良ければ読んでいけばいいよ。
はいどうぞ(そんな運びがあるか)。



■◇■ 今期見ているアニメの話……の続き □◆□



■『干物妹うまるちゃん』

あーキチャッタ。
あらふぉー、垂涎の、やつ!
き、切絵ちゃんかわいい!! うす気味わるい!
……失礼、取り乱しました。

学校では才色兼備・文武両道、
けど家ではぐうたら放題・オタク放題のダメ妹=干物妹(ひもうと)うまるちゃんの
ドタバタコメディ……というかギャグ漫画か。

番宣CMを見て、原作を本誌でちょっとつまみ読みして何となく期待するも、
始まってみるとワリと普通の、
ギャグ・妹モノ・ギャップもの・オタクニートカルチャーもの、という要素を持った
ちょっと昔のアキバ系マンガくらいのものでなんだか乗り切れず。
突出して面白いか、目新しい成分があるかと言われたら……うーん? という感じ。

そうしてぞんざいにしか見ていなかったところへ! 天使が舞い降りた!!
3話で登場した挙動不審ストーカー女子・本場切絵ちゃんによって気分的に盛り返した。

世間的には本厚木ちゃん……じゃないや、海老名ちゃんのウケ
( ↑ どうしても一回間違える小田急ユーザー)が随分良いようですが、
ガッハッハ、なんのその程度、子どもの遊びよ(何がだ)。
切絵ちゃん、挙動不審な描写は必要十分で言わずもがな、
嬉しいときもせつないときも気まずいときも、
張り付けたようにニヘニヘと笑顔を浮かべているのがたまらなく気色ワルい。
かわいい。

なんていうか、この……
人ンち遊びに来て、その友だちの妹(という設定の本人w)がタブレットでゲームしてる脇に放置されて、
それでも文句ひとつ言わず、退屈するでもなく、
「レアガチャ回すから一緒に見よう」と言われてそれにも付き合って、
ボーッとしていられる
切絵ちゃん

という描写がたまらなく好きだ。

ええい、この毒婦め!!(褒めコトバ

  「遊びに来た友達と、レアガチャを回すのを一緒に見る」というカルチャーが最早、
  自分にとって相当なエポックであるけど。
  ガチャ回しって「見て楽しむ」ものなのかw

何か言おうとしてやっぱり諦めるときの、それでもちょっとニヤついた表情とか。
たまらぬ。

  ラストでカレーを食べるときに最終的にスプーンを右手で持つにも関わらず
  「まず右手でスプーン(柄の先端)を持つ
    → 一旦左手に、首の部分を摘まむようにして受け渡す
    → さらに右手でバランスよく持ち直す」

  という手順を踏むのだが、これって何か意味があるんだろうか。
  と首をひねっていたが、フォロワーさんに言われて
  「お箸を手に取るときの正しい手順」と同じ仕草なんだと気付いた。
  なんだそれw
  それをスプーンでやっちゃうところがまたアレですね。
  なんにせよ、決然とゼロの表情でカレーを食べる切絵ちゃんが、
  その結末を知りたくないくらいにいい雰囲気なワケですね。

マこのテのパーソナリティ持ちのヒロインをやたらと愛でてしまう自分の性向は、
あまり深く分析すると自分にとって都合の悪い結論が導かれそうなのでしないけどw
好きになっても振られちゃうしね……このテの子はね……。
2次元相手でも普通にフラれることの出来るスキルを持つオイサンです。

P8060701 P8060704

P8060705 P8060712
臆面もなく再掲。

……イカン、『うまるちゃん』の作品評ではなく、ただの切絵ちゃんカワイイ評になってしまった。
マそのくらい、良い描写で見せてくれるってことだ。

おバカのシルフィーもおバカで可愛いです。
でもおバカなんだよねー。

あと、うまるが「禁断のアレをやるよ!」と言い出したかと思えば、
ポテチとコアラのマーチを同時に開けて食べ始め、

「この甘いのとしょっぱいののコラボレーションがたまんないよ」


とか言っているのを見て、

「俺、コレとほとんど同じ食べ方するアラフォーを一人知ってる!!」

と思ったオイサンですが、おみかん隊長はいかがお過ごしでしょうか
僕はあなたの影響で、最近ときどきうまい棒を買って食べてしまいます。
これ進研ゼミで出た食べ方だ!!

……っていう、上で書いたみたいなカルチャー的な驚きとか、
なんか突然ボンヤリと投げっぱなしで終わったりするので、
そういう面ではワリと油断が出来ない作品。
白石晴香。



■『ミスモノクローム』

前に出たい系アイドル女子、モノクロームさんも貫録の第3期突入。
よく続くなあ。
ユイホリエさんにほどよく収入をもたらして上げて欲しいと思います。 ← ユイホリエの潜在的ファン。

相変わらずです。ホント相変わらず。ぶれない。
けど、モノクロームさん以上のボケキャラ(CV:まさかの阿澄佳奈)がフィーチャーされたことで、
モノクロームさんが若干良識人めいてくる、という思わぬハプニングが発生。
以前に比べてちょっと人間くさくなっている……かな?
それ以外は大安定に情緒不安定なモノクロームさんです。
愛おしい。
収録現場で藤原啓二さんとユイホリエがどんな会話をしているのかの方が気になるわ。
ラジオ、やってくれねえかなあ。
まあショートアニメにはそんな予算もないか……。

  ▼OPジングルの素晴らしいイケてなさ

どっちかっつうとこっからが本番。
この番組は単発でなく、
『ウルトラスーパーアニメタイム』などという、
如何にも適当に風の狙って付けたタイトルの短時間アニメ枠に3本セット
(『ミスモノクローム』『うーさーのその日ぐらし』『わかばガール』)でぶち込まれており、
OP/EDはそれぞれ個別に持つという形式を取っている。

  みなさんもよくご存知の『藤子不二雄ワイド』と同じような体裁ですな。
  ↑快調に若者を置き去りにするスタイル。

   ▼藤子不二雄ワイド グランドOP
   
 

デそれらとは別に、冒頭に『ウルトラスーパーアニメタイム』としてのOPジングルが入るのだけど……
これがまた!
イケてない!!
素晴らしくイケてない!
いやーもうね!
イケてないね!
イケてない!
そもそも「イケてる/イケてない」っていう言葉自体
ボチボチ通じなくなってきてると思いますけれども、
そういう言葉で語られることが丁度お似合いなくらいにイケてない
わけです!
そのくらい分かれよな!





タイトルの
「わざとバカみたいな名前にしてみましたぁ~? えっへっへ~?」
というノリの、見え透いた加減も相当イケてませんが、
それに合わせたのか、それとも本気で作ったけどこうなってしまったのか(多分後者)、
二人のボカロっぽいロボットが踊るこの画ヅラは……
なんかもう、
キャラは可愛くないし、
表情は死んでるし、
動きも面白くないし、

往年のYYGアニメーションGKINの卒業制作を見るようなアレであり、不愉快なレベル!
素晴らしい。
逆にちょっとクセになって来てしまい、時々リピートして見ています(アカンがな)。
すごいですねえ……何を以てこれにOKが出たのか……それともそもそも
「あー、なんか適当でいいですよ」くらいのオーダーだったのか。
マそんなトコだろうな……うん。

しかし、このテのダンスものの振り付けって、
どこかにテンプレがあるのを引っ張ってくるんだろうか。
振り付けから自分で考えるわけでもあるまいし……
振付師がコレ用に新たに作っているにしては、目新しさもオシャレさもなく、
すごい「どっかで見た」感にあふれている。

何にせよ、本編の3本のアニメは別に見なくてもいいから、
どうか是非、このOPだけでもご覧ください。
多分、オイサンが言うほどヒドくはないと思います。
堀江由衣。



■『アクエリオンロゴス』

『アクエリオン』シリーズの……なんだろうか、ちょっと派生作品みたいな匂いのする本作。

最早「アクエリオンとは」「ベクターとは」みたいな説明も一切なく、
アクエリオンがある、
それを持っている組織があってパイロットもいる、
敵の存在も目的も、ざっくり明らかになっている、
という既にそれらの舞台立てが存在し、それらが色々うまく回っていないところへ
何もかも悟ったようなちょっとノリのおかしな主人公がひょっこり強引にやってきて、
独特のマイペースで強引なノリで色々うまく回し始める、というお話の構成。
雑な紹介。

今回の敵……というか道具立ては、「文字(特に漢字)のあふれかえった世界」。
「文字・漢字の意味をおかしくさせる能力を持った敵」がいて、
漢字一文字の持つ意味が暴走するとその意味の乱れが現実世界にも影響する
(「巻」が暴走すると巻かれている物がほどけたり、首に巻いたマフラーに首を絞められたりする)ので
その暴走を止めるアクエリオン! みたいな話です。

マその絵面が面白いか……テンションを保てるかは別として、
その着想には毎回感心するわけです。
世相から感じ取ったゆがみをお話のテーマに乗っけてくるやり方、
お題の見つけ方、感じ取る能力が、やはり河森カントクは素敵ですね。

ケータイ・スマートフォン・SNSやらメッセージアプリの登場で、
いつの時代にもまして膨大な量の文字がやりとりされていることに、今回は目をおつけになった。
それを面白いと思っているのか、不気味さを覚えているのか……分かりませんが。
いずれにしても、狂った文字の力を敵に据えるなら、
今ほどその破壊力が最大化される時代はない、という思いがあるのでしょう。
そのテーマの面白さだけで見始めたようなものだ。

あとは……OPの歌詞の吹っ飛び具合ね。
「ヤマイダレdarlin'」って何だよ。部首かよ。

  尚、一話が始まる前になぜか、
  前作・前々作でどうやら未解決だったらしい人間関係を繋ぐための
  伏線エピソードみたいな話が30分別番組として挿入されていて、
  オイサンはすっかりそれを『アクエリオンロゴス』だと思ってみてしまっていたので、
  それを30分見終えた後、画面に「このあとは『アクエリオンロゴス』」と出たのを見て
  「……フム、それでは私が今まで見ていた物は一体何だったのかね?」
  ってなってしまいました。
  イヤおかしいとは思っていたんだよ?

録画してしばらくほったらかしにしてあり、5話くらいたまったところで見始めて、
抵抗もなくその展開を眺めていたけども、
改めて考えてみるとお初の人たちはすっかり置き去り。
マその辺はさすがに、端から相手にしてないのだろうけども
(3期みたいな意識なのだろう)。

バトルシーンなんかも淡白で、あまり画的に見ごたえのあるものではない……かな。
印象に残っていたり、釘付けになったりしたシーンがない。
上で書いた着想の面白さを除けば、面白いところははしばしの小ネタと独特のテンションくらいで
幹の部分にさして面白味・新鮮味はない感じ。
ぼんやり見てます。
淺井孝行。



■『うしおととら』

ジャンプが『JOJO』を時を越えてアニメ化させるなら……
サンデーには『うしおととら』があるじゃないか!!
……と言わんばかりのタイミング。
傑作だけど、名作だけど、当時の状況では色々あってアニメに出来ず、
かといって、今更アニメ化してもビジネスとして成り立つかなあ……
そんな不安を『JOJO』が払拭してくれたので踏み切った。
そんなところではないだろうか。

マ経緯はともかくとして、オッサンの青春時代の名作が、
こうして新しい世代の耳目にも、大きな形でふれていくことは非常に喜ばしい。
時代で左右される類の面白さではない作品だったからね。

  むしろ、こういう作品の「系譜」が、今どういう辺りに受け継がれていっているのか
  とても気になる。
  『結界師』とか『ムシブギョー』とかはこの辺だったんだろうか。

正直、原作は断片的に(符呪師とか、かまいたちとか、ふすまとか、高千穂空屋敷とか)しか覚えておらず、
再現性・忠実度について言及することは出来ない。
感想としては「昔の少年サンデーで看板背負ってたマンガみたいなアニメだ!」というのが素直なところ。
まんまやがな!
結構なホメ言葉のつもりだけどね。
ジャンプの看板は「アツさ」で、
マガジンの看板は「エロさ」で、
それぞれある程度ごまかしながら背負えるけど、
サンデーの看板は「丁寧さ」がないと背負えない……と、なんとなくだけど、
オイサンは思っているので。
他の二誌に比べると、サンデーはしめりけ多め。

アニメの方はもう少し……画ヂカラがあってもいいかなあ、とは思う。
『JOJO』ほどはパワーを感じない。原作の方が絵が動いてる感じがするぞ。
この先も一生懸命追いかけて見ようと思うか? と言われたら……
それもまた『JOJO』と同じで、キホン見るけど、気が向かなかったら飛ばす、
ぐらいではないだろうか。
なんつうか、……面白いことは分かり切っていて、面白さの質もよく心得ているし、
無理に全話見る必要もない、という信頼感。
改めて摂取し直すかというと……思い出すために、という目的になる。
なにか忘れてることを拾い集められれば、それで良いかなあ。
そういう意味で、前回の記事で書いたみたいにOPが良かったことはとても実りがありましたね。

あとは、とら役の小山力也さん。
『血界戦線』で「今年はこの作品一本に懸けますよ!!」みたいなコト言ってたのにw
ちょうデカい役決まってたんじゃないですかwww
てきとうだw じつにてきとうだww



■『監獄学園』

書店なんかでコミックスを見て、
「絵が綺麗」「女子が可愛い・エロい」「売れてるんだなあ」
くらいのことをボンヤリと感じていたけど……こういうマンガだったのか……。

あまり真面目に見る気はなく、
身の回り話題にあがったときなどにつまみ食いしようという程度。
非常にバカバカしいパンチ力で時折人を虜にするので……
そのときだけ拾おうかな、という具合です。

ベースラインにあるバカバカしさはそこまで好みの物ではなく、
このトシになると「どこかで見たことがある」という感じのテンションなので新鮮味は感じない。
とても丁寧だとは思う。

本編を差し置いてラジオが面白いですw
『ディーふらぐ』『シャア』でおなじみの小西克幸兄さんががんばってます。
ゲヒン全開だけど、番組とか演技の話……シゴトの話をさせると、
真面目というか、アツい話をし始める。

 ▼監獄ラジオ学園
 http://www.onsen.ag/program/prison/

男性声優が集うラジオっていうのは、女性声優ばかりのラジオと違って演技論に花が咲くことが多い気がする。
すごく「シゴトバの男たち」の会話になるのはなぜでしょうね。
女性陣が集まって、いくらかそんな話をさせようとしても、結構薄めで終わることが多い印象なのだが。
やっぱり男っていうのはどうしてもそういう風になってしまうんでしょうかね。
四十がらみの男たちが互いのおシゴトについて認め合うのを聞くのは
なんだか悪い気がしない。
いやー、乱世乱世。
小西克幸。



■『ドラゴンボール超』

劇場版『復活のF』を見て以来DBづいてるオイサンです。
デその『復活のF』に出ていた破壊神ビルス様が気になってしまい、
一作前の劇場版『神と神』も、BDを借りて見た。
これが『復活のF』とは違って絵ヂカラがしっかりしていて見応えがあった。
お話は……まあ、まあ。『ドラゴンボール』の映画だな、って感じ。

デ、新TVシリーズ『超』だけれども……
なんだ、完全新作かと思っていたのに『神と神』の焼き直しだ。
少なくとも、今のところは。
ビルス様が超サイヤ人ゴッドを探して地球にやってくる、という展開までは同じ。
恐らく、悟空のゴッド化 → ビルス様とのバトルに、その後の+αがあるのだろうけど。

マ自分としては、ビルス様のキャラクターが面白いからそれで良いけどね。
にしても、悟空がやっぱりオッサンと子供の間で揺らいでいる。
なんだかハラハラするぜ。
特筆する面白さは……やはりビルス様のキャラクター造形か。
「わがまま・気まぐれ」という人格に、いかに理屈や論理を持たせないまま、
自然に意志を貫かせることが出来るか、という点に注目したい。
あとは悟空という人格のゆらぎについて、
どういうつもりで作り手が描こうとしているのか、
生みの親であるところの鳥山先生はどのようにとらえているのか、
その辺を……連載当初から見てきた者として見届けていきたい。
バトルシーンのカメラワーク、重み・速さ・すごさの画ヂカラを期待したい。
何十年もやってるんだからさ。
ほかでは追いつけない、『ドラゴンボール』ならではの描写を見せて欲しいよ。
山寺宏一。



■『城下町のダンデライオン』

えー、この辺からはもう真面目に見てないので、段々いい加減になってきます。
じゃあ書くなよw

OP・EDがなんとなく気に入っているだけで、まったく真面目に見ていない。

 ♪ 右手に勇気を 左手に愛を 他には何も要らない

という、多分忙しいから何も考えずに適当に作っただけの歌詞がやけに胸に沁みます。
ずるいぞチクショウ、こんなので金稼ぎやがって。

ただ、なんだろうか、
「今さほど面白くなくても最後まで見ておけば後々じんわり心に残る枠」の気がしている。
設定からして何一つ面白いとは思えないんだけどね。
細かいことはヌキにして、キャラクターが幸せに生きていることを見つめることが視聴者の幸せになり始めたら、
それはもう作り手の勝ちだと思う。
花澤香菜愛(め)で枠 兼 小倉唯のCM見る枠(CMメインか)。



■『若葉ガール』

『モノクロームさん』と同じ、
ウルトラスーパーアニメタイムの枠に押し込められた10分弱のショート作品。
かわいい女の子4人が織りなすキャッキャウフフな日常……のフォーマットなのだが、
ちっともフックがない……
なんだこのスッカスカの感覚は……どこかで見たぞ……!?
と思ったら、原作が、ユイ=『きんいろモザイク』=原だった……。
なるほど納得。オーソリティかよ。

……などと書くとdisっているようにしか見えないと思うが、
この場合の「面白くない」は貶めにあたらない。
寧ろ誉めているぞ。
すごいなこの人。狙ってここに落ち着けてるんだろうなあ。
もう一度言いますが、決して面白くはないです。
かわいさ出力もそこそこ以下です。
なんというか、
あらゆるウリを自ら60%くらいに抑えることで特長を出し、
且つそこを売り物にしている、
昨今に置いては実に巧妙な、高等技術の一つ
だと考えます。
いや、真面目にね。
アリだと思うんですよ、ワザと薄めにしてスカすの。
これに目を付けてモノにしている人、喜んでいる人がいることが何よりの証左。
この調子で、まるで渋川先生の武のような、
その面白道を究めてもらいたい。
その先にはきわめて日本的な、こう……穴の形に美しさを愛でるような、
新しい喜びの現象が現れるに違いない。
形のある詩、みたいなね。(詩人におこられろ



■『GATE』、『ClassroomCrisis』、『六花の勇者』、『白雪姫』

残り4作品まとめて。
つまり、録ってはいるけど見ていない。
そして恐らくこの4作品も、録られたことに気付いていないだろう……。

  いや、『GATE』と『ClassroomCrisis』は、1話ずつは見たけど。
  決して面白くないワケじゃなく……なんかこう、エンジンがかからない。

とはいえ今後全く見るメがないかと言われれば、
どれもワリと気になったまま置いてある感じなので、
多分期のうちの、どっかのタイミングで見る……と、思う。
『うまるちゃん』みたいな、突然変異を起こして繰り返して見てしまう作品が別でまた生まれて、
他に割く時間がなくなる……ということがなければ、だが。



……。



マそんな感じで、ブーブーがたがた言いながらも楽しんでおります、
2015年夏のアニメ。

エエ加減ご都合主義だなんだを言うのも野暮だとは思うのですが、
何が一番ご都合主義かって、うしろの方でモブがしゃべってる
「ねえねえ、駅前に新しいクレープ屋が出来たんだって、みんなで行ってみない?」
みたいな会話だなあ、と思ったりするオイサンでした。

そんな都合よく駅前にクレープ屋が出来るわけないだろう!!
駐車場とか美容室とか、ヘンな会計事務所とかばっかりできやがって!

ねえねえ、駅前に新しい法律事務所が出来たんだって!
みんなで相談に行ってみない!?
(斬新



オイサンでした。
あー知床行きてえ。



Ardsc04962

Ardsc04994

写真は、冒頭で書いた『NOeL la neige』の聖地鎌倉。
ゲーム中にも出てくる、「シーエフ」と呼ばれる場所と、鶴岡八幡宮さんです。


 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年8月13日 (木)

■復権の『A』~甦りし女王は、畳の目を数えるか。'15年夏アニメ・中間感想(1)~ -更新第993回-

しかしまあ……今年の暑さは、アタマおかしい感じですね。
太陽はバカじゃないのか。
太陽は罪なヤツだし、月は無慈悲だしで、地球はもう八方ふさがりだな。





オイサンです。
全部太陽のせいにします。

こう暑いと北海道あたりへ逃げたくなるけれども、
いかんせん肝心の北海道さんもやたらとお暑いご様子。
一体ナニゴトなのか。
しかしこんな異常気象も、
あまりの暑さにどうやら赤道さんが北へ逃げていらしたのだと考えれば
すべての辻褄が合います。
論理的思考。


……ところで北海道と言えば、
先日テレビで知床の話をやっていたのだけれども。

 ▼森重久彌のてきとうさに驚く

びっくりアラフォーシリーズ(シリーズ化すんな)。

……のだけれども、
XX年代の知床ブームは加藤登紀子さんの歌った「知床旅情」で火がついたのだそうな。
今も昔もやることは変わらんのだな。
それは聖地巡礼じゃないか。




しかしその知床旅情にはオチがあった。
作詞・作曲はかの有名な大俳優、モリモリシゲ・ヒサヒサヤ大先生なのだが、
羅臼でドラマだか映画だかの打ち上げイベントをやったとき、
元々あった「オホーツクの舟歌」という曲を即興で「さらば羅臼よ」とかの替え歌にして歌ったらウケたので、
タイトルを「知床旅情」にしてカバーさせたんだそうな。

それだけならいざ知らず、ヒサヒサヤ先生、
その羅臼からの帰り道に寄り道した阿寒で、ウケが良かったからつって同じように
歌詞の知床関連の地名を「阿寒」に変えて歌ったら
同じようにウケたんだとかw
大御所wwてきとうすぎるだろw



……などという。



かように、本日も実にどうでもいい北海道小咄を枕に幕を開けます、
『ゆび先はもう一つの心臓』。
知床あたりと函館まわりは、まだ行ってないんですよねえ。
オイサンがダイヤモンドダストを見られるのはいつの日か。

……ピロートークで爆笑とってお金をもらうような芸人の興業形態を
枕営業っていうの、どうですかね?
「ゆび先はもう一つの心臓」は、みなさまへの新しいビジネスモデルのご提案を忘れません。



■◇■ 今期見ているアニメの話 □◆□



今期見てるのは……下に書いた、1、2、3……17本。
17本!? 多いな!
まあ見ているとはいえ、下に行くほど真面目に見てる率・消化率は落ちていくので、
実質しっかり見ていると言えるのは『監獄学園』くらいまで。
それぞれどういう見方・気概で見てるかについて、ちょっとまとめてみた。

▼消化・視聴パラメータ
 1軍 消化順調 / ガン見 / 期待度:高
 2軍 消化順調 / ガン見 / 期待度:低
 3軍 消化順調 / ザラ見 / 期待度:高
 4軍 消化滞りがち / ザラ見 / 期待度:低
 5軍 ほぼ未消化

--------▼1軍▼--------
●『のんのんびよりりぴーと』
●『ギャングスタ』
●『WORKING』3期
●『干物妹うまるちゃん』
●『がっこうぐらし』

--------▼2軍▼--------
●『うしおととら』
●『アクエリオンロゴス』
●『ドラゴンボール超』

--------▼3軍▼--------
●『実は私は』
●『ミスモノクローム』
●『監獄学園』

--------▼4軍▼--------
●『城下町のダンデライオン』
●『若葉ガール』

--------▼5軍▼--------
●『GATE』
●『ClassroomCrisis』
●『六花の勇者』
●『赤髪の白雪姫』


……我ながら、「ガン見してるのに期待度は低い」(2軍)とかってなんだよ、と思うんだけど、
あるんですよ。「あんま面白くねえな」と思いながらも、画面からは目が外せない奴って。
画ヂカラはあるけどハナシはイマイチとか、既知の原作ものだから、とか、理由はある。
逆に、「存分に楽しんでいるのに見方は適当」(3軍)、みたいなのもある。
4軍以下は今の所ちょっと、という感じ。
4軍はダメダメだけど、5軍は見てないだけでこの先、見たら引きつけられるってことは十分に考えられる。

まず全体的な総括から入ると……
今期は、結構高い水準で「楽しんで」はいるけれども、
お話的な意味で、本当に面白いモノには出会えていない。
そんな感じ。

スポット的にガツンと……
『のんのんびよりR』の1話目みたいにしっかりとした面白さを見せてくれるモノは、ある。
けれどもそれが、1クールなり全編通して構成され、管理され、
作り上げられたモノがあるかと言われると……ちょっとどうかなあ、と思う。
『ギャングスタ』『WORKING!!!』が、近い位置にはいるだろうか。
『WORKING!!!』を1期から3期まで一気見すると何か変わるかも知れない。

12話なら12話……20分×12の4時間で一本のお話として、
面白く心をとらえ続けてくれるような作品に出会いたいモノです。
テレビアニメじゃなく、もっと劇場に足を運ぶべきなのかも知れないなあ。

まあ自分がいいだけオッサンで、長い時間・長い期間の「おもしろさ」に耐えられるだけの体力がない、
というのも一因にあるのは自覚している。
面白さを、集中して自分の中に維持しておくことが難しい。
……マそれは体力の問題だけでなく、日常の些事に邪魔される中で、
心のリソースをそちらに割き続けることが出来ないということもあるけれども。

完成度の高いひとつらなりの物語を、3か月かけてじっくりと楽しめる……
そんな贅沢なときが、また訪れると良いなあ。

絵に関しては、『うしお』『監獄』『ギャングスタ』が飛びぬけているように思う。
『のんのん』は背景はすごいけど、細かく動かすという点においては
(作品の性質もあいまって)あまり力を入れていない感じ。
見ているラインナップからして、自分があまり、作画のすごい作品を見たがっているとも思えない、
という気もするw
好みとしては、ゆっくり、たっぷり、大げさでない細かい芝居を、
巧みなカメラワークを介して見ることが好きなのだと思うので、
そういうのがいいなあ。あるのかそんなの。

音響については、地味に『うまるちゃん』が良い気がしている。
『六花』『赤白』の大島ミチル劇判が良い、という噂も聞いている、
ケドまだ見てないから分かんない。

あと個人的に着目すべきなのは、久々の阿澄佳奈まつりクールだということか。
『のんのん』『WORKING!!!』『Classroom』『モノクロームさん』の4本にレギュラー出演という、
女王復権ぶりをアッピール。

小娘どもよ、しかと見よ! これが時代を背負うということだ!!


……と、マイク前に立つその背中が、多分言ってないと思いますけど。
見るがいい、そして恐れるがいい、背中から立ち上るもう帰りたいオーラを!!
あすみんだ!
俺たちの阿澄佳奈が帰ってきた!
また俺たちのために、畳の目を数えてくれ!

ほな個別にいきましょ。




■『のんのんびよりりぴーと』

1期同様、1話目のオリジナルエピソードがピークのカントリー神作品。
マ田舎うんぬんはスパイスでしかなくなっている気はする。
1話目以外は原作に忠実で、
やたら贅沢に間を取ること、背景の美しさ、音楽の良さ・使いどころの的確さなどが
見応えに繋がっているものと思われる。

すごく新しいとか、すごく刺激的だとかいうことはないけれども
丁寧さとかわいらしさ、ばかばかしさのバランスの良さがウケているのでしょう。
オイサンはもう、ときどき1話みたいなデキの話がはさまるだけで十分です。
個人的には、今期一穂姉ねえの活躍が多くて嬉しいけどね。
もっとオリジナルな場を彼女に与えて欲しい。

せっかくの二期目なのだから、
キャラクター一人一人をメインに据えた、
15分くらいのオリジナルショートエピソードを1話目のノリで作ってもらいたい。
それならOVAで出されても買う。
1話目のクオリティが約束されるのであれば、の話だけど。

あと、ほたるさん。
いやらし過ぎます。
宅配便を受け取るためのおルス番中、
ヒマを持て余してひとり居間でテレビゲームをする姿とか、
ソファに横たわる姿とか、
完全にヒマ以上の何かを色々もてあましている昼下がりの若奥さんじゃないですか。
ダメだ、ほたるん!
その顔のまま玄関を開けたら、さしものペリカン便のお兄さんも
「奥さん……本当に、もてあましているのはヒマだけなんですか……?」
とかナントカ、
赤ちゃんのタネを運んできたコウノトリ便に変身してしまうぞ!

……いやあ、
彼女の転校の理由が、実は親父さんのシゴトの都合などではなく、
彼女が学校にいると教師ふくめて校内に性風俗の乱れが生じるから、
頼むから田舎の学校に転校してくれと、都の教育委員会から泣いて頼まれた、
という事情にあったのではないか? などと邪推してしまいますね!

ね! じゃねえわ。邪推過ぎるだろ。
ほたるんのせいで、4人の教諭が離婚に追い込まれています。うち男性は3名。

まさに蛍の名に相応しい魔性のJS。
どんな小学生だ。
名塚佳織。



■『ギャングスタ』

珍しく、アウトローなギャング・バディものを喜んで見ている。

無法の街に生きる男二人、殺人・ドラッグ・売春なんでもござれの便利屋の物語。

世界観というのか、主人公たちが立っている少なくともその足元の地面がやたらしっかりと描かれており、
安心して見ていられる。
こういう作品は、モノゴトの切り捨て方が上手なのでしょうね。
全てを事細かに描くのではなくて、必要最低限の部分をしっかりと見せる。
「え、じゃあこの世界ではこういうことはどうなってんの?」
という受け手の疑問・不安を差し挟ませない、
見えていない部分も当然あるのだけど、気にさせない情報量。
バックグラウンドの見せ方については、詩的、という表現が正しいかもしれない。
そういう雰囲気をかもしやすい題材ではあるのだろう。
美学的というか、悪徳的なのかもしれないけど。
ViceなのかVirtueなのかは分からぬ。

自分にしては珍しいチョイスかな? と思ったけれども、
『L/R』が好きで見ていたことを思えば不思議でもなんでもないか。
あちらがスマート方向なら、こちらはバイオレンス性向というだけで。

 ▼『L/R』
 
 うえだゆうじのお芝居が良い。

しかしまあ、耳が聞こえない・しゃべれないキャラクターを出してくるとは。
よくアニメ化したなあ。面白いです。
今期一番、新鮮味があって刺激があるのはこれかも知れない。
ただし、直接的でこそないものの暴力・SEX描写上等なので耐性ない人はご注意。
能登真美子。



■『WORKING』3期

安定の第3期。
改めて特筆の必要もない安定加減。

ここまで引っ掻き回されてきた色んな関係ゴトがじわじわと収束へ向かっていく気配が感じられ……
物語が「閉じていく」ということは、やはりなんだかとても悲しいなあ、淋しいなあと
改めて実感させられます。
良い物語である証左だと思う。

と同時に、いままでこれだけ片付かなかったことが、
ものすごい些細なきっかけでバタバタと片付きの予兆を見せていることに、
ちょっと予定調和的過ぎる不自然さを感じずにはおられない。

  安定感はあるのに世界は相変わらず不安定で、刺激もある。
  原作の力だと思うけど、巧み、巧みです。

マそんな安定の本編は置いておくとして、相変わらずEDが良い。
OPも勿論、1期以来の雰囲気を完全継承して良い。
しかし切なさ含みのEDの良さが際立つ。
関係するペア同士を強調して描くスタイルがやけにせつない。
恋愛関係を差し挟みはするものの茶化し傾向が強かった2期までとは
空気感・距離感が変わっている。気がする。
八千代さん・伊波さんのステップの可愛さ。
スプーンでバランスとりながら歩く山田も可愛いけどな。
ラストのカットくらい、店長も仲間に入れてやれよ……。
OP/EDともに楽曲購入候補。
……なんだけど、このシリーズってCD出さずに全部円盤のおまけにつけやがるんだっけ?
阿漕なことしやがる……。

あと、山田が誰かに似ていると思ったら……『ドリクラGogo.』の鈴凜だった……。
ダメダメ属性まで瓜二つだ……。

▼Dragon Lady




尚、このタイミングで何となく『見えるひだまりラジオ特別編・もうすぐハニカム』を見返したら、
主演女優がこんなこと↓言ってて吹いてしまった……。


Queen

今後のスタントシーンに期待がかかります。
3期がなぜこの時期までズレ込んだのかは分かりませんけど、
スタジオの事情とか、固定キャストの事情とか、そういうんでしょう。
多分。


 ♪ 逢魔が時が コトを起こすとき!

って歌詞もワンダフルだよねえ。


 ♪ そろそろいこうぜ 冥府魔道!

に比肩する。
阿澄佳奈。



■『実は私は』

原作はチャンピオン連載の、ファンタジードタバタラブコメ。
ヒロインがバンパイアで、そのことを隠して学校に通ってきているのを、
ヒロインのことが好きでなんでもすぐ顔に出てしまう主人公が知ってしまう、
というお話。

原作の絵柄が好みでいつか読もうと思っていたのだけど先にアニメになってしまった。
チャンピオンらしい昔ながらのマンガ、という気がします。
昔ながらのマンガをベースに、イマドキのヒロインの品ぞろえと萌え要素を足しこんだ感じ。

  なんでしょうね、この差は。
  昨今のラノベとか、イマドキのマンガ雑誌に載ってくる同系統の作品だと、
  イマドキヒロインの品ぞろえ・萌え要素ありきのところにお話がくっついているように見えるのに、
  『実は私は』のようなチャンピオン作品になると、主従が逆転している感じがする。
  自分がどっちが好きかと問われれば、チャンピオン風味の方が好きなのでいいんだけど。
  『実は私は』ってタイトルも、ねえw 今っぽくないよねえ。良いわあ。

ベタもベタもベッタベタなドタバタで、
ギャグの部分に「まあまあまあwマンガですからwギャグですからw」と
フォローされないとお話が成立してないような作品だけど
その勢いが良い。
ヒロインのボケっぷりも、真面目っ子委員長の崩れ方もとてもかわいらしいです。
委員長は宇宙人兼ロボットです。
幼なじみの外道新聞部女子のキャラがイマイチかな……。
イキオイの良さとかわいさ、あとは昭和ノリの雑なコメディの安心感で見ている。
脇の男性陣にもっと魅力がでると幅と深みが出てより嬉しいですね。

画的には……まあ少年誌のギャグ漫画らしい画のトバし方をしていて、
贅沢ではないけど上手くごまかせているのではないかと。
細緻で贅沢なバージョンも見てみたいけどね。
原作絵の、ちょっと濃い目な感じをもう少し出してほしかった、とは思う。

あと、明らかにメインターゲットは少年なのに、
OPが男性グループボーカルなのが潔いですね。
好感度高い。購入候補。

しかし、EDはなぜラップ調にしてしまうんでしょうね。
仮にラップとしてのクオリティが如何に高かったとしても(高いかどうかはオイサンには分かりかねますが)、
オタクウケが良くないのは分かっていると思うのだけど。
それ以外の方面で集客に役立つと思ったのでしょうか。
或いは何らかのタイアップが条件だったのか。
アニメのOP/EDで、ラップで、評判良かったのって見たことないよ。
芹澤優。


■『がっこうぐらし』

「1話のひっかけがヒドイ!」と巷で大評判の本作。
まあ……なんでしょうね。ていうか、原作通りなのでしょうけど。
ニトロプラスさんは、すっかりこのテのオーソリティですね。

  ていうか、「なんでこの絵柄でニトロプラス? 今度は誰が死ぬんだ?」
  みたいなことが、当初から言われてたようです。
  面が割れてると大変ですね。

1話のひっかけ展開については個人的には特にどうという感想もなく、
まあこういうのもアリでしょう、というくらい。

授業中なのに、イキナリ周りも無視して教室に特攻してくるみーくんとか、
同じく授業時間なのに、りーさん先輩が屋上で菜園を丹精しているとか、
「いったいこの学校は???」
と思わせる要素が十分に提示されてはいて、ある意味納得の展開ではあった。
引っかけを、隠し通しつつ怪しさを匂わせるた手管は丁寧で良いと思います。

見せ方は刺激的だけど、
展開されている内容はそれほど目新しくはない、飛び道具みたいなもんだ。
絵的には、綺麗だし動きも可愛く、はしょりかたも効果的で言うことナイと思います。

不思議と悲壮感もない。
ドン底に突き落とされた感じがしません。
この状況になってから一体どのくらい経ってるんだろうなあ。
ゆきちゃんがぶっ壊れているせいか、
状況としては逼迫しているハズなのに閉塞感を感じず、ラクに見られてしまう。
食べ物とか水とか着るものとか、
マ状況を細かく提示していないから、今後いくらでも作り手の都合よく
ピンチにしたり誤魔化したりできちゃうからね。

恐らくはそれも狙い通りで、閉塞感・緊迫感は極力抑えて
視聴者へのストレスは軽減していくスタイルなのでしょう。
ユキちゃんを演じる水瀬のいのりんのお芝居も非常にアッケラカンとしている。

だもんで、先の展開とか謎とかは気にせず、
普通に日常系萌えアニメとして見ているオイサンです。
あまり、強い引きを感じて毎週楽しみに見ている、という感じではない。
気が向いたら見る、くらい。
とりあえずOPが可愛いのでそれでいいです。
ダ・イ・ス・キ!
OPは買った。
水瀬いのり。



……ムウ。



想像以上に行数を使ってしまったな。
ここで一旦切るか。
モリモリシゲヒサヒサヤとか意味分からないこと言ってるからだろ。

すぐに続きいきますけど一先ずページを分ける。
では皆さん、また後ほど。

……ジングル画像でも作るかな。
誰か曲作って下さい。

ここはひとまずオイサンでした。
 
 
 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年6月27日 (土)

■BE YOUR TRUE MIND. ~舞台『ペルソナ3 第三部・蒼鉛の結晶』に酔いしれる -更新第989回-

最近受けてる英語のレッスンで例文に、
「彼女は友だちからトモチャンと呼ばれている」

とか出てきた日には、
ぼっち・ザ・オーソリティ、夜空さんの声が頭に響いて授業がサッパリ頭に入ってきません。

オイサンです。

夜空さんはいいぼっちだったなあ……彼女はホンモノのぼっちだった。
救い難かった……。腐ってた。
ぼっちはああでないとなあ。
ちょっと見た目が良すぎるのが玉に瑕だが、マほかがヒド過ぎるからな。
目を瞑ろう。


▼夜空さん名言集

いつ見ても心にしみるぜ痺れるぜ……


それでは皆さんも、どうか良いぼっちライフをお過ごしください。
SEE YOU NEXT ちがうちがう
夜空さんの腐臭の話をしたかったんじゃないんだ。


昨年9月に続き、マイフレンドに誘われて、
舞台『ペルソナ3 -the weird Masquerade-』の第3部「蒼鉛の結晶」を見てきました。

それがですねえ。えー……




めちゃめちゃ面白かったです。






困ったな(何がだ)。

自分でもびっくりするくらい「面白かった」と思っている。
「お前なんかもうチョイ捻くれたコト言えや、言えるやろ」と思いながらも、
その辺ぶっちぎって
「細けえことは良いんだよ!面白かった!!」
と感じていて……ビックリしました。
ヤラレタ。

過去に上演された第一部、第二部ともに劇場で見ていて、
第一部は正直イマイチ、
第二部で随分良くなって素直に面白いと思え、
第三部で円熟! という感じです。
イヤ、すごい。タフだ。



■全体的な感想



終わった時、ものすごいドキドキワクワクしてたんですね。
感想の第一声が、「あー、気持ち良かった」だった。

舞台にいる役者さんたちと同じように声を張り汗をかいたのと同じような錯覚を覚えておったのだと思う。

「面白い」というだけならヨソの物でもワリと感じられる感想なのだけど、
この「気持ち良い」という感想、
全身にまで緊張と解放が伴う感覚は、他ではちょっと味わうことのなかった感覚だった。
自分が実際に参加したとか、体を動かしたとか、
そういうことで得られる類の快感があって……ビックリした。

  あまりやったことはないけど、車とか、
  ゴーカートとかですごいスピード出して走ったとか。
  自転車でもいいや、
  もしかするとジェットコースターなんかの遊園地のアトラクションでもいいのかもしれない。
  それらと似ているであろう快感が全身にどっと押し寄せてきた。
  さすがに汗が噴き出したりはしないけど、それに近い感動と快感。
  否、快感による感動。開放感。

これはもう、役者さんが目の前で躍動するからこそ得られるものなのだろうなと、
無理やり納得したのだけども。
「はー、気持ち良かった」と言える娯楽。
素晴らしかったです。
時間は、約2時間半。
ちょっとお長めだけど、それをそうと感じさせなかった。
いや、お見事。

  取ってもらった席も良かったね。ありがとう、ペ氏。

何によってその良さが構成されていたのか、それについては正直よく分かりません。
強いて言うならば、

 ・お話が分かりやすく、かつテーマとの繋がりがとてもしっかりしていたこと。
  ストーリー全体から見たらそう長くもないパートにも関わらず、
  お芝居一回分を費やして丁寧に描いていたこと。

 ・演出装置(特に舞台装置)がお話のテーマと寄り添ったものになっていたこと。

 ・全体の構成が、見る側のストレスに配慮された疲れにくいものになっており、
  結果、長丁場にも関わらずアタマが最後までフレッシュに働いて、
  楽しむこと・理解しようとすることの助けにもなっていたこと。


なんかが、観劇しながら感じ取れたこと。

  あと、これはもう第一作目から高次元で実現されていたことだけど、
  役者さんと劇中の人物の一体感が素晴らしく、
  現実に引き戻されるようなことが起こりにくかったことも大きな要因。
  まいどまいど、全キャラクターとも、
  本当にゲームから出てきたんじゃないかってくらい、
  声といい、見た目といい、恐ろしい完全に一致加減だったと思う。

お芝居の中身そのもののレベルの高さもさながら、
それを包むガワの部分の質を丁寧に高めてきていた……そんなイメージ。

 ▼ストーリーとテーマ

正直にいうと、今回で完結するものだとばかり思っていた。
こんなにエピソードが残っていると思ってなかった。
マゲーム本編の展開を忘れてたってだけなんだけど……。
けど、4月から始まって1月に終わる期間の10月か11月かあたりまでを
前回までで終わらせていたハズで、
ストーリー的に大きく区切っても、2/3は終わっていたハズだ。

その残り1/3の半分程度を……今回の2時間半を使って描いてきた。
これは意外だった……。
そしてその中身が、主人公たちの絶望からの再出発という、
バトルではない、心情劇の部分だものだから、まあ、丁寧。
そのテーマをじっくりと描いてくれた。

デ特に今回、オイサン自身の気持ちがそのテーマにうまく乗っかれたものだから、
共感深く、興味深く、見られたことも大きかった。

今回のお話では、冒頭で、
指導者であった学校理事長・幾月に裏切られ(というよりも利用されていたことを知り)、
これまで自分たちがしてきた活動が自分たちが求めてきたのとは真反対の結果を生むことを知って、
やってきたことの意味や、これからどうすれば良いのかについて、
特別課外活動部の面々は、苦悩することになります。
お先&お後真っ暗です。



  ……そんな時、どうすればいいだろうか?



舞台の上で煩悶する彼らを眺めながら、オイサン自身はワリと冷静に自分に置き換えて、
「んあー、こんな状況だったら……
 とりあえず自分たちが手に入れられる範囲の情報を集めて、
 そこから考えられる限りのこと考え、
 それを元に手さぐりで進んでいく……しかないよなあ」
と、ワリとさっぱり(勿論他人事だからってのもあるけど)考えていた。

このときの彼らにその指針を照らし合わせるなら、

 ・これまでの活動サイクルから、次の大型シャドウの出現時期を予測する。
 ・未だ現れるタルタロスに登り続けて、行けるところまで行ってみる。


……だろうか。
+αを求めるなら、

 ・幾月の遺した情報の中に使えるものが残ってないか?
 ・美鶴センパイの力で、桐上グループから報を引き出せないか?


くらいかなあ、と。

けれども、それぞれが興奮して、混乱して、分散して、
「特別課外活動部は、しばらく休止にする」と真田センパイが言ったとき、
「あー、いま休みにしちゃうのか。
 先延ばしになってしまうような気がするけど、今は休まないと駄目なのかもなー」
などと思い、
ああそうか、高校生の彼らには、
そういう風に考えて、とりあえず割り切って動く力というのがまだないんだなー、
と考えていた。

そういう風に(他人ごとだとしても)思える自分は、
「彼らの頃の自分よりは、多少は余計に何かを出来る自分」に
なってしまっているのかもしれないなあ。

  真田センパイ・美鶴センパイあたりは、
  あそこまで自分に差し迫ったことでさえなければ、
  そのくらいの判断はきっと出来ると思うのだけど。
  やはり人間、自分のこととなるとどうしても弱いですね。

これはつまり言うなれば、
保護者・幾月の言われるままに進めば良かった時期が終わり、
自分の五感で必要と思えることを拾い集め、考え、進まなければならない段階に入るという……
マ学生時代の終わりとでもいうんでしょうかね、
思春期の終わりと言えばいいんでしょうか。
そういう「区切り」が実に鮮やかに……ちょっとロコツだけど……表されている。
よく出来ている。

けれど逆に、そういう意味では、
ここまで差し迫った時期になって幾月の企みがババーンと暴かれて全員がテンパるよりも、
もう少し手前で幾月のボロに因って企みが漏れ出してしまい、
そこから進むのか? 戻るのか? を主人公たち自身が選び取ることを演出した物語でも、
なお面白くなった……かもしれない。
寧ろそういう、論理・理屈ではない、
道というか、生き方のような決断・判断が必要になったところでは
(後述するけれども、主人公の存在意義がとても薄くなってしまっているこの作品としては)、
主人公の存在意義を打ち出す良い材料になったのではなかろうか。

ちなみに、その中で真っ先に「いま出来ること」を見つけて動き出したのが、
チームの索敵・分析・引っ込み思案担当だった風花だったというのは、
パッと見意外な様でありながら非常に納得のいく、
大変よく出来た部分だな、と思いました。
今回の物語全体を通して、地味ながら、出色の鮮やかな部分だと思う。

物語当初の印象では、性格的にはここで「気がつける」子でありながらも
「踏み出せる」子ではなさそうだったのだけど、
役割として(無自覚だろうけど)、
というエクスキューズが後押ししてそこに手をつけることが出来、
それによって周りがドライブされていった、という図式はとても鮮やかだった。

大魔道士ポップ氏も言っておられましたけど、
「魔法使いってのはパーティの中で一番クールじゃなきゃいけねえんだ」
っていう、あの感じを、このときの風花さんからは感じましたね。
エエ。

  この辺のくだりって、原作のゲームにもあったんだっけか???
  だとしたら、なかなかよく出来たゲームだったんだな、『ペルソナ3』って
  (なんだと思っていたのだ)。

あとでまたちょっと書きますけども、この辺の感じとか、
修学旅行の温泉ではっちゃける感じで、
今回かなり風花嬢にはハートを捕まれましたよ、ええ。

……ただ、ただね。
そのポジションを風花にやられてしまうと、
主人公はますますやることがなくなるよね、このお話w
難しいところではあるけど。
ホント主人公は何のためにいるのか……イマイチ分からない。
ストーリーの大動機の部分と、リョウジ(=ファルロス)がこの人自身だから、
というトコにしか、「ゲームでなくなったこのお話」には不要な気がする。
だからそこを演じなければならない主役二人は、尚のこと大変だろうなあと思う。

演出は、この二人にどういうディレクションを授けてるんだろう???
気にかかる部分。

 ▼緩急の妙味

かつ、このお話の点については上で3番目に上げた「全体の構成が良い」こととも
深くリンクしていたと感じる。

重たくシリアスなパート、
苦悩する特別課外活動部の面々の様子を
観客の心もまだまだ元気な前半でドシンと終わらせておいて、
中盤~終盤のアタマあたりまでは新キャラ登場(こいつがまた軽い・明るい)含めた
軽い日常パートでリラックスさせ、
終盤、またシリアスに寄りつつバトル演出でスピード感高く盛り上げて、
希望に満ちたラストでしめる、という、実に巧妙に練り上げられた構成だった。

一体、どの段階から「第三部はここまででやろう」という話になっていたのか知らないけれども、
これは今回の第三部だけに限らず、『ペルソナ3』というお話全部を全何回でやろう、
それで各部でどのパートをやろう、という作戦が、
全体通してキチンと練られてないと出来ないことだと思うので……
これはもう、トータルコーディネイトをやってた人のお手柄だと思う。
お見事でした。



■Actor's High~役者さんに惹かれる



役者さんが良いのは、第一部から変わらないところ。
ただマ正直なところ、演技の善し悪しについてはオイサンはうまく評価出来ません。
細かいところはワカラヌ。
舞台の演技というのは独特なので(アニメの声芝居もそうだと思うけど)、
お約束ごとが如何に上手に守られているかとか、
感情が最低限、しっかり見る者に伝わってくるか、ということくらいで、
繊細な表現力なんかについては……ちょっとわからない。

しかし見ていて、感心してしまうことはしきり。
特にやはり躍動感、体のキレの部分。

オイサンは1作目以来、順平役の大河元気くんのファンなのですが
(つってもこれ以外見てないけど)、
日常で行うようなアクションを支える一つ一つの数値がデカくて、
あのくらいスムーズに動けるというのは、まあ楽しいだろうなあと思います。

どういうことかと言えば、たとえば、
日常で飛び降りることのある段差は高くても30㎝程度だと思うけど、
それが1mに拡大されてもまだゆとりを持って差し支えなく行えるだとか、
急に走り出して急に停まることが、短い距離で無理なく出来るだとか
そういう「日常の延長にある体の滑らかさ」が感じられて、はーすげえなー、と。

関節の可動域、筋肉の伸縮の限界値が、日常の遙か先にある。

オイサンのする運動は、十何キロも走り続けるとか、腹筋が何回できるとか、
日常から少し離れたところにある決まった型のコトをこなすものなので
それによって日々の細々したことのスムーズさは、目に見えて増すものではない。

日々の暮らしの中のアクションが、ああいう風にふわっと大きく行えたら気持ちが良いだろうな
と、見ていて思うわけです。
憧れる。

  彼らが日常で無意味に大きく動いているであろう、という意味ではないですよ。
  やろうと思えば出来て、
  日常を、いっぱいいっぱいなのではなく、
  可動域にまだまだすごく余裕を残した範囲で暮らしているのだろう、
  くらいの意味です。

  どうやってああいう身体力を獲得して入手してるんだろう?
  と思って、元気くんのブログとかTwitterを見てみたら……
  ……見てみたらものすごいインドア派なのであった……。
  なんだよ、フルスクラッチでペルソナ「ヘルメス」をモデル化するとか……
  すごすぎるじゃねえかよ……
  あとカラダは固いらしい。そうなのか……信じられん。

あと、今回株を上げたのが、風花役の田上真里奈さん。
なんか可愛い。
なんだろうねえ。
1作目からずっと出ていたのを見て来て、
今まで特に何とも思っていなかったはずなんだけど。
なんか今回から異様にかわいらしく見えて来てしまいましたね。
マ今回、キャラの方がやたらとはじけ気味になってきてたからかな。
オイサンの場合、実際の所は「風花役の田上真里奈さん」が可愛いと思っているわけではなく、
「田上真里奈さんが演じる風花」が可愛い、と思っている
のだろう。

マ何にしても……可愛いからいいや。
可愛い。
ホンマにチョロいおっさんやで。

あと、そうだそうだ、
学校の先生役の女優さんの声としゃべりが特徴的で聞き覚えがあり、
誰だっけな、後で調べようと思っていたのだけど、
どうもパフォーマー(ダンサー)さんの一人であったようだ。
松井菜桜子っぽいと思っていたのだけど。
とても印象に残るお芝居でした。
アンケートに書けなかったのでここに書いておく。



■「俺が俺が」ではない脚本・演出



最後に、舞台装置に込められた意図が前回とハッキリ違っていて、
それが分かるのが非常に印象深かった。

第二部と第三部では、キモとして描かれるエピソードの性質が違い、
それによって舞台装置の趣が一変していた

第二部は筋立ての重きがバトルに置かれ、
ペルソナ召喚の演出(舞台上のパネルにペルソナの映像が投射される)が一番ハデに、
映えるような舞台装置設計になっていた。
今回の第三部では、バトル・ペルソナ召喚にはさほど力を注がず投射パネルの大きさやバリエーションは控えめで、
人のお芝居が広く立体的に展開出来るようなものになっていた。

小さな段差、大きな段差、スロープ、落とし穴。

第一回の装置はあまり覚えていないのだけど、
ペルソナ召喚の投射演出を使いこなすのが精一杯、みたいな感じだったと思う。
それが色んなコトに気を回すゆとりが生まれてきていて
お芝居全体のバランスやトータルコーディネイトの質が高まっていると思います。
ハラショー。

当たり前のハナシだけれども、しっかり考えられていますな。



■Closing



オイサンの見に行ったのは最終日の最終回、いわゆる千秋楽だった。
『P3』は主人公が男と女のダブルキャストで、
他にもエリザベス役や半ズボン(名前忘れたw)がダブルキャストだったりするのだけど、
ともかく女主人公、阿澄ンの回だった。

  第一部の公開当初、オイサンは阿澄ンの人気しか知らないから
  「コレ男主人公版と女主人公版で客の入りにすごい差が出るんじゃないか」
  と要らぬ危惧をしていたものですが、
  今となっては他の役者さんの人気なんかも相まって、
  阿澄ン一人のいる・いないで
  客入りが左右されるようなものではなくなっているように思いますね。
  ……どうでもいいけどイゴールは出ないのか……

デそのオーラスで阿澄ンがメインの舞台挨拶があったんだけど、
これがまた面白くてですね。

オーラスということで出てきた男主人公役の役者さんの、
なぜかジャケットに
「これジャケットでしょ? おしゃれねえ……」
といつものおばちゃん調で食いついて、時間が押してると叱られてました。
照れ隠しなのか、ああやってトークを回すテクニックなのかもしれないけど、
変わらない人だねえ。

ラストの歌の、キッカケづくりでこけるとか、
某ラジオの時のフリーダムノリが抜けていないのではないだろうかw

劇中で、ちょっと面白めのアドリブっぽいせりふで笑いを誘っていた
ファルロス・綾時役の役者さんの挨拶が、
思いの外アッサリ・サッパリで、しゃべり方もちょっとぶっきらぼうだったのが
とても意外だった。
ああいうの、なんかイイ感じ。

今回もチケットを取ってくれたマイフレンド・ペ氏は、
他の回ならまだ月光館シート(かぶり付きの良い席)も取れる可能性があったらしいのだけど、
この大千秋楽の舞台トークが聞きたくて、この回に回したらしい。
なんだか彼もいつの間にか、随分とツウな楽しみ方を覚えたなあ。
ほんの何年か前までは、
そりゃゲームこそヘヴィにやるものの、アニメとか声優方面については
一般的な人だと思ったのだが。
何が彼を覚醒させたというの……?

マ何にせよ、良い回・良い席を用意して下さってありがとう。
次回もよろしくです。


 ▼『ペルソナ』シリーズは、プレイヤーの物語である。

デこれは余談なんだけども。
上で書いた、今回のお話ストーリーのキモである、
「これから先、とりあえずどう動いていいか分からない」状態に陥った劇中の彼らを眺め、
「……こうするしか、今はないんじゃん?」
と呟いたアタマの中の自分の言葉が、週明けからの自分の振る舞うべき振る舞いに……
そのままポンと当てはまることに気付いて、ものすごくハッとしたのです。
あ、そうか、そのやり方でイイんじゃん、と。
月曜からはヒトマズそれでいこう、と。

……なんてことを、劇を見ながら考えていたらですね、
シメの挨拶であすみんがいつもの調子で、
「また明日から、みなさん、これで元気になってくれ……たり、するんですかねw?
 えっへっへwwww」
みたいなことを言い出すし、美鶴センパイ役の田野アサミさんからも
「お前たち! また明日から、歩き出す覚悟はあるか!!」
って喝が入るしで、
なんだかもう心の中を見透かされてしまったようで、
ものすごく心に力の入るお言葉が続いた。

思えばそう、PS版の初代『女神異聞録ペルソナ』でも、
ラスボス戦で敵の猛攻に幾度も心が折れそうになるも、
手持ちのアイテムと能力を使い切る覚悟で手を尽くして戦い抜き、
勝った暁にボスから出た言葉が
「あなたたちは……なぜ諦めないの……?」
だったという、背筋に電気が走るような、一体感を感じることが起こったのを思い出す。
……似たようなことが起こるものだな。

『ペルソナ』という作品は、
私にとってきっとどこかで、そういう星の巡りの上にあるものなのだろう。

ペルソナに運命を左右された兄弟たちの、うんめーの歯車がいま、回りはじぇやす!!



……。



マそんな感じで、なかなかに希有な楽しみをいただきました、
今回の舞台『ペルソナ3 -the weird Masquerade-』第3部。

実は今回、入場前に寄贈されたお花を見ていて
「……なんでアトラスからの花があるんだろう? 関係あったっけ?」
などとですね、恐ろしく失礼なことを考えてしまったオイサンなのですよ。
原作元だろ!!

なんかちょっと、原作のゲームにもう一度触れ直したいと思う、
そんな舞台でした。
まだ『ペルソナ3 FES』の方は、買ったきり手をっつけていないので……
コレを機にやろうかしらねえ。
風花たんといちゃいちゃしてえ(そこか)。
前回プレイしたとき、女性系コミュは誰を極めたんだっけなあ……。

ああそうそう、
あと、今回のお舞台は第一部のときと同じ、東京ドームCity内の劇場でやったのですが、
同じ日、お隣のドームでは阿澄さんたちの露払いとして
ジャニーズの、光GENJIだかイモ金トリオだかのリサイタルが開かれていたおったようです。
まあ、ナマミの女性の多いこと多いこと。
なんでしょうねもう、ムンムンとしておりまして、フィレモンって言うんでしょうか、
なんか……やられてしまいましたね。

いや、いい方に。
なんというか、元気が出た。
イヤ、体の一部が変形することの隠語ではなくて、
マこの日はなんか、どっか調子がおかしかったんでしょうね、わたし。
この時点で変にテンションが上がってしまっていました。

或は、お芝居を見るというのでテンションが上がり気味で普段は鈍ってる感覚器がよく働いてしまって、
普段なら感じ取らないような気配まで、うっかり感じ取ってしまっていたのかもしれない。
マなんにせよ、ああいう感じもちょっと久しぶりで、ナカナカ面白かったですね。
ナマミを感じ取る感じ。
新鮮でした。


以上、オイサンがお伝えしました。
 
 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年8月 2日 (土)

■in JAPAN, but Not JAPANESE. ~『思い出のマーニー』感想~ -更新第939回-

焼きおにぎりにスク水型の日焼け跡が残せるアルミホイル下さい。
オイサンです。

うーむ、もしあったら、それでもどうにかできそうな自分が恐ろしいぜ……。
腐ってやがる! キモすぎたんだ!



●○● 土曜日のマーニー ○●○



先週の土曜日。
渋谷でやる、舞台版『ドリームクラブ』(というかライブステージ)を見に行こうと思っていたんだけど、
webサイトを確認してみたら形式がオールスタンディングとなってて
観客がサイリウムを振ってるお写真(前回の様子だろうか)が載ってたので、
このノリは多分自分には無理だなーと思い直して断念。
見てはみたいけど、無理しても仕方ない。

となるとサテ、お昼の時間がぽこっと空いたのでどうしようかと思案したところ、
ジブリの新作の公開が始まっていたことを思い出した。
『思い出のマーニー』。
どうもあまり、お客の入りは芳しくないらしい。

Dsc00627











※以下、音速でめっちょネタバレするので、
    ダメな人はもう諦めて読んで下さい(飛ばせといわない)※※











  ▼『思い出のマーニー』はジブリの最期になるのか。

ジブリという組織は、今の興行ペースと作品クオリティだと
1作品あたり興行収入が100億はないと回っていかないのだそうで
(それもスゴイ計算の話だけども)、
ブランドとしての宮崎駿が劇場公開作品制作からの引退を表明したことで
この先それだけの実入りを期待し続けて行けるかもわからず、
制作スタジオとしては解散、今後はIP管理だけを続けていく、
なんて話もワリと生々しく聞こえてきている。
「もしかするとこの『マーニー』がラストかも……」
とか、半分は宣伝含みなんだろうけど、そんなハナシ。


  ▼米林監督~動画描きの遺伝子と、ほとばしるもの

今回の『思い出のマーニー』の監督の米林さんの前作、『借り暮らしのアリエッティ』は、
アニメーション……「動画」としてはとても精緻ですごかったんだけども、
お話としてはどーも、従来のジブリを期待している人たちの期待に沿えず、
「地味」「つまらない」「わからない」の烙印を押されているので、
その影響もあって今回の不入りに繋がってるのでしょう。

以前読んだ、ジブリの鈴木敏夫プロデューサーのインタビュー集によると、
米林さんはアニメーション作家……「動画描き」としては宮崎駿の血をもっとも色濃く継いでいる、
ネクストジブリの旗手だというけど。
それは、言われてみてみると、何となく納得する。
宮崎駿の本質が、ストーリーテラーではなく、絵描きなのだと知っていれば、すとんと腑に落ちる。
しかし、不遇だ。
あの髭のじいさんほどの、なんというか、馬力というか、
熱量は持ち合わせていないように、作品からはお見受けいたす。
怒りのエネルギーというか。
同じくらい深くて広い海を持っているのかも知れないけど、
荒れ狂わない、静かな海の持ち主であるよう。
絵本作家さんがまるまま動画屋さんになったようなイメージ。
宮崎駿は、猛獣使いと猛獣を一人二役やるひとが動画屋やってる感じ。

  あとでも書きますけど、宮崎駿の描くものは、どんなに見た目の文化や時代を異にしても、
  根底にはどうしようもない日本くささがむんむんとしてたとオイサンは感じるけど、
  米林監督のは、今回の『マーニー』にしろ『アリエッティ』にしろ、
  舞台をわざわざ日本に置き換えてもどこか違う国の出来事に見えます。
  それは多分、宮崎駿という人が、
  日本というものを好きで好きで嫌いで嫌いでどうしようもないからそんな風になるんでしょう。

マそんな、公開しょっぱなから不遇の気配シャバダバな『思い出のマーニー』ですが、
流石に公開開始翌週の昼間の回の、良い席が余ってることはないだろうと思って
TOHOシネマの座席予約を覗いてみたところ……
あらら。
ガラガラだわ。
すごいいい席いっぱい残ってるわ。
こらアカンわ。
アカンやつや。

殆ど劇場ド真ん中の良い席がぽてちんと残っていたので、
そこを拾って午後からお出かけすることにしました。

ホンマに大丈夫か、ジブリ。


 ▼『思い出のマーニー』感想

デ感想。
面白かったです。ものすごく面白かった。

もらわれっ子で喘息持ちのJC・杏奈が夏の間だけ療養にやってきた道東のド田舎で、
湿地のほとりに建つ謎の洋館に住んでいるらしい謎の金髪美少女マーニーと出会い、
ひと夏のシャバダバをドゥビドゥワする話。

  アちなみに、マーニーの正体は杏奈の亡くなった祖母の、幼少時代の姿です。
  杏奈の祖母・マーニーは、両親からは構われず、
  いけずなお手伝いさんたちにいびられる辛い幼少時代をその洋館ですごします。
  やがて幼なじみの日本人と結ばれ娘をもうけるも、夫が早くに亡くなり、
  折り合いが悪く勝手に結婚して出て行った娘も事故で無くしてしまいます。
  マーニーは孫(=杏奈)を引き取りなんとか育てようとしますが、
  長きにわたる心労でやがて自分も逝去、杏奈は今の養父母に引き取られた……
  というところから、今回のお話は始まってたんですよ、ってハナシ。

杏奈の見るマーニーの夢(?)とウツツが不規則にクロスオーバーする描かれ方をするので、
どーして杏奈がそんな頻繁に夢の世界へダイヴしてしまのうのかとか、
その間の杏奈はどういう状態なのかとか、
物語と表現の整合性みたいなことを言い始めると「よくわからん」し、
明確な意味や「何がどのように起こったのか?」は説明出来ないつくりなのだけど、
主題の描かれ方、謎の明かされ方はとても鮮やかで、
中盤に至るまでの、杏奈とマーニーのふれあいが続く流れでは
もうずーっと、胸がドキドキしてました。

  お陰で、見終わって映画館を出ると、ドッ……と疲れた……。
  ずっと心臓がパクパクいってたんだもの。走ってるのと変わらんよ。
  見ている間に3回鳥肌がたちました。
  最初は、マーニーの登場シーン。
  真ん中はわすれたw
  最後は、マーニーが杏奈の祖母だと分かった瞬間……これは、
  人によってタイミング違ってくるんじゃないだろうか。
  オイサンは嵐のサイロに向かう途中、メガネっ子に呼び止められたところだった。


物語がはらんでいる謎も、その謎をより不可思議に見せるための演出も押しつけがましくなく、
最初から最後まで、見る者のペースでとても興味深く見られる作品でした。
素晴らしかった。

何より、テーマ自体はとても静かに水面下でだけ展開するのが良かった。
説教臭さがほぼゼロ。

自分という小さな存在と、世の中のさまざまなものとの「折り合い」に苦しむ杏奈は、
マーニーと出会うことでちょっとだけ元気を取り戻すのだけど、
マーニーは杏奈に「頑張れ」とも「強くなれ」とも言わず、
杏奈も「頑張ろう」とか「おばあちゃんの気持ちを受け継いで強く生きよう」とか、
殊更考えたりしない。
屋敷で辛い時代を過ごす(そしてその後もつらい人生を過ごすことになる)マーニーと、
クサクサとコミュ障人生を送っていた杏奈が知り合って、
仲良くなって、通じ合ってなんとなくお互いを励みにしてちょっとだけ元気になる、そんだけ、
っていう、それがすごく良かった。
淡々と事実だけが紡がれて共有されていくんですね。
事実の影で芽生えた気持ちとか、だからどうしたっていうメッセージが直截には語られない。
「生きろ」とか、言わないわけです。
うるさくなく面倒くさくなく説教臭くない。押しつけがましくない。

結構自分で考えて解釈しないと伝わってこないので「わかりにくい」んだけど、
それはテーマのお話で、ストーリーラインはすごく素直。
「ストーリーは分かり易く、埋め込まれたテーマはそれなりに」という、
絶妙なバランスになっていたと思う。
説教臭いのは、ジブリ映画の悪いところでしたからね。
米林さん、上手に処理したなあと思います。

  一つフシギだったのは……
  杏奈はこうしてマーニーと出会ったけれど、
  当の幼いマーニーは、屋敷で辛い生活を送っていた時……
  杏奈と出会っていたんだろうか???
  辛い暮らしの中で、杏奈を励みにしていたんだろうか???
  マーニーが一方的に杏奈の前に幻として現れただけなのか、
  それともあの不思議時空は二人に共有のものだったのか。
  後者だったらより面白いなあ、とオイサンは思う。
  それも全く語られないので、見る人の解釈の自由。
  意識してか分からないけど、多分、そういう風にとっておいてあるんだと思う。
  見せようと思えば、久子さん(※)の画の中に杏奈を象徴するものが描かれている、
  など、ほのめかし方はいくらでもあったはずだから。

   ※幼少時代のマーニーのリアル友だち。
    湿原のほとりでマーニーを懐かしみ、洋館の絵を描いているところを杏奈と知り合う。
    彼女の画が洋館から見つかることで、過去と現在が繋がることになるキーマン。
    あ、あと一つステキだなーと思ったのは、
    久子さんみたいな自分のおばあさんの友達とお友だちになれるっていうのは
    なんだかステキだなーと思いました。
    この作品、キービジュアルが出たときから、百合だ百合だと騒がれてましたが、
    オイサンにしてみりゃ、杏奈とマーニーの関係より、
    この杏奈と久子さんの関係の方がよっぽど百合いと思ってみてました。
    ウッフン。( ← ?)

テーマはきっと、「ゆるし」ということだと思います。
悪いことをした誰かや何かを許す、という狭い意味ではなくて、
「受け入れる」「あきらめる」に近い、とても広い意味での「ゆるし」。

自分の弱さ、他人の弱さ、或いは他人の強さも、世の中の理不尽も不公平も、
ひっくるめて「ゆるす」。
そうすることでもっと世界は生きやすくなるよ、っていう、
とても優しい物語だったと思います。

これは多分、怒りの塊のようなものである宮崎駿には描けなかったテーマなんじゃないだろうか。
やつぁきっと「許さねえ!」で終わりますよ。

比較的似た雰囲気を持つお話としての『トトロ』とか『紅の豚』でさえ、
やっぱり彼の場合はガツガツした凶暴さがありましたからね。男くさいというか。
そうそう、男くさい、男の子くさいんだよ、宮崎さんのは。

あと、英国文学が原作のこのお話を、わざわざ日本に舞台を移し、
日本向けのアレンジを加えているにも関わらず……
どーも、何もかもが日本に見えない。
ニッポンという名前の、西洋風ファンタジーに見えて仕方がない。
逆に、宮崎駿が描くと、『トトロ』『もののけ』『千尋』は言わずもがな、
『ハウル』『紅の豚』みたいな作品でさえ、どこか日本めいている。
人物が日本の顔をしているというか。根っこの気分が、日本人くさい。
色の具合とかは同じなんだろうかなあ?
印象に引っ張られているのかもだけど、風景の色味のせいの気もちょっとしたのだけど。

けど、多分、画の感じはジブリとしてはずっと統一したものをもってるのだと思うので
(『猫の恩返し』もやはり日本には見えなかった)、
この日本っぽくない画に日本の魂というか、泥臭さを吹き込んでいたのは、
きっと宮崎監督独特の気質なのだろうなあ、と思う。
テンポとか、縁起とか、登場する事物たちの振る舞いとか。

本作は、上でもちょっと書いたみたいに、
原作はえげれすの児童文学作品から借りてきているらしいけど。
これを原作を借りてこず、フルスクラッチの日本作品として『トトロ』を削り出せてしまう、
宮崎駿という男は、やはり破格の創造者だったんだなあとつくづく思う。

今後は、絵描きとしての筆頭は米林さんでいいと思うけど、
そういう創造者、イメージメーカーとしての宮崎さんを凌ぐパワーの持ち主が、
新しいジブリに合流してくれればいいのになあと思うオイサンです。

そうなると、また……米林さんの良さは消えて、
怒りの作品群になっていってしまうのかもしれないけど。


  ▼生き残ってくれジブリ。

しかしまあ……ジブリかあ。
昨年、ジブリ周り、鈴木敏夫プロデューサー周りの書籍を結構読んで、
こんな人たちだったのか、
こんなむちゃくちゃな組織だったのかと驚きながらも
あそこまでのものを作るには、このくらいの無茶苦茶でフレキシブルな体制じゃないとダメなのかも知れないなあと
納得したりしてたんだけど。

逆に、ここまで無茶苦茶が出来る組織体制で、
無茶苦茶が許される社会的な地位を得ていても(「ジブリだから、宮崎だから仕方がない」みたいな)、
宮崎駿や高畑勲の全力は出せないんだ!? と愕然とした。
ここまでやっても、彼らには縛りが課せられる。
なんてこった。

だからこう……せめて、無茶な環境ならば化け物みたいな力を発揮できる人間の受け皿として、
ジブリには存続していてもらいたいなあと思うんですけども。
日本アニメーションの未来と芸術のために。
いると思うんですよねえ、そういう人。
無茶な環境でないと馬力の出せない、社会性は欠落してるけど能力のある人間。

……けどそれは、組織の力ではなくて、
どちらかといえば鈴木敏夫個人の資質なのだろう。

あとは、ジブリが残っていればいい、鈴木敏夫がいればいいっていう話でなくて、
日本の社会とか、文化とか、国民性の問題で。
そういう規格外の人間の活躍の場を、如何に許容するかということになるように思う。
今の世の中は、先ず第一に組織や規格にはまれることが存在が許されるための第一関門であって、
如何にすごいパワーを持っていてもそれが出来ないとなにも許されない、
型にハマりながら型破りの力を出しなさいっていう
イカした禅問答に答えられる人が残ってる、みたいなところがある気がする。

  まあ、いよいよ、そういう人でも自己プロデュース能力さえあれば
  個人でなんとかできる時代がきてるとは思うけど。
  それも持ってる人ってのはまたまれだと思いますしね。

……けど、まあ、社会性に欠けてるパワーキャラは、
きっと昔から淘汰はされてきたのでしょう。
ときおり、やっぱり鈴木敏夫みたいなプロデュース気質を持った人とか、
王様みたいなパトロンにに見いだされ気に入られた者だけがたまたま生き残ってきた、
みたいなところがあるんだろう。

それが、知恵を駆使してどうにか組織の体でコーティングして、
だましだまし30年も生き残ってきたのがジブリという組織の正体なのかも知れぬ。
鈴木さんみたいな無茶な手腕の持ち主が、まだ無茶の利く時代に生まれて全盛期を過ごし、
年をとっても顔を利かせてどうにかこうにかアチコチ調整つけて。



……マそんなことで。



とても優しく、興味深く見られる動画だったので……
オイサンは、このままジブリが終わって欲しくない、終わらせるのは惜しい、
もう何作か、宮崎駿のいないジブリ作品を見たいなあと思わせる、
それだけの力を秘めた作品だったと思います、
『思い出のマーニー』。

マーニーと二人で出かけた嵐のサイロに杏奈だけが取り残され、
さすがに怒ってしまった杏奈が問い詰めに屋敷へ向かうシーンの、
屋敷の全景が捉えられたカットのスピード感と、
そのシーンの主要人物であるはずなのにほんの小さくだけ描かれた窓辺に立つマーニーの姿。
あのカットは、宮崎カントクではちょっと見た覚えのないカットだった。

  ……マ『もののけ姫』からあとは、そんなに真面目に見たわけじゃないから
  見落としてるだけかもだけど。

これから先の新生ジブリの片鱗を、色々と見せてくれたと思う。
すごい良いと思うんだけどなあ。
確かに「宮崎アニメ」ではなかった、けれど「ジブリ」だった。
それって、エエことやと思うんですけどね。

Biwase
『マーニー』では釧路・厚岸・根室でロケハンが行われたらしいですが、
写真はオイサンが訪れた、霧多布湿原の琵琶瀬展望台からの眺め。(2007年)



オイサンでした。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)