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2016年6月15日 (水)

■ジャパニーズCURRY式目 -更新第1069回-

オシゴトの帰り、夕ご飯を食べにカレー屋に寄った。

オイサンがオシゴト帰りによるカレー屋は主に2軒あり、
1軒はパンチマハル、もう1軒はチェーン店で、具だくさん・色々トッピング出来る系カレー屋さん。

  ちなみに、ここ一番でがんばるタイプとか、イケイケゴリラな感じのお店ではない。

  パンチマハルさんは、オイサンの理想のカレー屋……というか、
  もはやカレー屋という認識すらなく、出されるのはカレーの一種なんだけど、
  他のカレーとは一線を画した美味しい料理を出してくれるお店ということで、
  「今日はカレー食べよう!」ではなく、「今日はパンマハ食べよう!」というアタマになる、
  オンリーワンな、特殊なお店である。掛け値なしに美味しい。

  ……つっても、お味的にもお店的にも結構クセはあるので、
  なかなかヒト様に、無防備にお勧めすることも難しい。
  ご主人はぶっきらぼうな印象だし(実はそうでないことはわかる)、
  少し遅い時間になったら色々と売り切れてることも多いし。
  「それでもいいからあの美味しいものを食べたい」と思わせるチカラを持ったカレーだ。

デ本題なのだが、この日寄ったのは、そのパンチマハルでない方。
この店はお野菜やらとうふやら、キノコやら加えられ、ルーも大盛りに出来てうれしい。
辛さのチューニングも可。
パクチーも別トッピングが出来るのだけど、残念なことにあまり美味しいパクチーではない。
ていうか、この店のパクチーと、また別な店のパクチーとの差に気付いて、
パクチーにもウマいマズいがあることを知った。

  パクチー、ちょっと前まで苦手だったのだけど、
  『血界戦線』のラジオで小山力也さんと宮本充さんの50歳コンビが
  唾を掛け合ってまで取り合うくらい好きだという話を聞いて、
  なんだか無性に好きになってしまった(なんなのだその理由は)。

  

この店が混雑しているところに、オイサンはあまりぶつかったことがない。
平日の夜にしか行かないから、
特に人気店・有名店でもないカレー屋が混む時間帯からは外れているのだろう。



しかし、この日は様子が違った。



カウンターに12、3席の店なのだが、オイサンが入った時点で既に3、4人の客がいて、
(今日は人が多い方だな)と思いながら店に入った。

席について注文を終えたあたりで、
ガタイの良い、肌の色が濃くて彫りのガッツリ深い顔立ちのオッチャンが入ってきた。

「8人なんですけど……」

おお、流暢なジャッパニーズだ。

  オイサンいっつも思うケド、ガイジンさんで日本語使う人、すごいよね。
  この↑「けど……」のニュアンスをただしく使いこなせるようになるのって難しいと思うぞ。
  いくらオイサンが英会話を勉強したところで、
  英語でその「けど……」的な位置付けのニュアンスを使えるようになるとは、
  到底思えないもの。
  マそれは余禄。閑話休題。

「カウンターのみで、席が分かれてしまいます」

というお店の人の説明に彫りの深いオッチャンからOKが出され、
ぞろぞろ入店してくるアラビアン・ファミリー、
総勢8名。
パッと見の感じ、日本を観光旅行中のご家族という風情だが真相はワカラヌ。
日本語がイケるのは、オッチャン(父)とオバチャン(母)だけのご様子。
オイサンのとなりには……いくつなんだろ、高校生くらいだと思うんだけど、
若いお兄ちゃんが座った。
持ってた財布が、カエルの顔の形をした布製のガマグチだったから
実はもっと幼いのかも知れない。その辺のカルチャーはワカラヌ。
辛さをどうするか聞かれてアタフタしてたのがちょっと可愛らしかった。



……。



……ところで、カレー食べるときって、どうすんのがスタンダードなんでしょうね。
ご飯とカレーを、

  1.  全く混ぜずに、ご飯をすくってカレーに漬けるように食べたり、
  2.  そのとき食べる部分だけをちょっとずつ混ぜて食べる、を繰り返したり、
  3.  イキナリ全部混ぜたり、


……など、さまざまな流派、お作法があるようだが。

  そういえば、先日聴いた『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』のwebラジオでも
  その件が話題に挙がっていた気がする。違う番組だったかな? マいいや。
    ↑ 最近たくさん聴き過ぎててどれだったか……。

  そこでは、上記の3.はマイノリティとされ、
  最終結論では2.がスタンダードで良いとされたのだけど、
  その「ちょっとずつ混ぜる」行為を「カレーを耕す」と表現していたのが
  非常にこう、役者さんというか、表現者らしくてよろしかった。
  「カレーはちょっとずつ耕して食え!」なのだそうな。

サテ、コンロが4口しかない(3口だったかな)この店に、そんだけ一時に、
大量にお客に入られるとお店の側はおおわらわなワケだけども、
ちょっとでも早くに入れていて助かった。とりあえず自分の分は、そこそこ素早く出てきた。
ナマステ。いただきまーす。

パンチマハルもこの店も、カレーとご飯は器を分けて盛られてくる。
なので、上記の「耕す」を自然に行うことは不可能で、
ご飯さんの方からカレーさんちに垣根を越えてお邪魔するか、
カレーさんちからご飯さんちにコンニチワするかしないと、
両者が出会うことは永遠にない。国交断絶。

そこでオイサンはどうするか。
基本、ゴハン帝国とカレー共和国の国交は認めない。
両者は断絶したまま、歴史は終焉へ向かうことになる。混ぜない。

この店でカレーを食べるときは、ルーを大盛りにする。
しかもトッピングもわんさか盛る。
そうするとサラダボールみたいな器に、ほとんど汁物みたいになって出されてくる。
それをもう、別物の汁物のおかずと見立てて、ご飯は別で食べることにしている。
カレーライスというよりも、
「具だくさん野菜カレースープ鍋+ごはん」の構え
である。

またこの店では、嬉しいことに、
カウンターに福神漬けとらっきょうが、それぞれこぶし大ほどの大きさの小甕に入れて置かれておって、
おかわり自由である。

我らがジェントル騎士団のエース風に言い習わせば、無限である。



無限福神漬け拳である。


さて、歴史というものは

 カレー → ご飯+福神漬け → カレー → ご飯+福神漬け

の繰り返しであるからして、
だからと言うわけでもナイが、上記の食べ方をすると、イキオイ福神漬けの量は増える。
毎回、甕がほぼ空になるまで食べてしまう。

  「あんた、食べ過ぎよ、もうその辺に……」
  「ばかやろィまだ全然だー! もう一甕もってこーい! ヒック!」

などと、さすがに甕をおかわりするような真似はしないが、
まあオイサンの座した席の近くの福神漬け甕には、草の根一本残らぬのが常だ。
悪く思うな。

そんな風にオイサンが、カレー帝国とゴハン共和国の国交を認めぬまま
福神漬け民族の根絶やし政策を強硬に推し進めているうちに
となりの席のアラビアンボーイにも所望のカレーが運ばれてきた。

のだが、どうも彼の目にはオイサンの食べ方が如何にも奇異に映ったらしく、
その深い彫りの奥からガン見してくる。
特に福神漬けの甕を開ける頻度が気になるようだ。
驚愕の色さえうかがえる。


  (コイツ……マダ漬ケモン食ウノカヨ!
       コレガ、Japaneseノカレー作法ダトイウノカ……!?)



クックック……怖いか? 坊主……。
世界は広い。貴様の知るカレーが、カレーの全てではないのだよ。
国に帰ったら伝えるがいい、遠き東の島国には、福神漬けモンスターがいるとな!!
……まあもしかしたら、


  (そんなに食ったら俺の分がなくなるだろうが)


という非難の視線だったのやも知れぬ。
そっちにもあるだろ。お父さんに取ってもらいなさい。これは私のだ。 ← 違います

ちなみに彼は、レベル2の辛さを選んでいたようなのだが、
どうもこれは彼にとって結構な冒険だったらしく、スプーンにすくったカレーの辛味を、
舌先でチョイチョイ確かめてから食べていたのが妙にプリティだった。

  オイサンは思うのだが、
  インドではカレーは大層お辛いらしく、朝から晩まで食卓にカレーが並ぶと聞き及ぶ(マジでね)が、
  インドに生まれて辛いの苦手だったら生きるのツラいだろうな。
  日本のサラリーマンがお酒が苦手だったらツラいのと同じか。

ところで、彼らがカレーの王子様ご一行かどうかはわかりませんが
(インド人っぽくはなかったけど)。

日本人旅行者がドイツで一人で飲んでいたら、
現地の人たちは歓迎して一杯おごってくれたりする、という話を聞いたことがある。
それが本当か冗談なのかはオイサンは行ったことがないからわからないけれども
(確か行った知人からも土産話に聞いた気がするので、恐らく本当だと思うが)、
本当なのだとしたら……
日本で、海外からの旅行者がそういう粋なふるまいを受けたとか、
そういうことをしてやった、という話はあまり聞いたことがなく、
それは果たしていかがなモンだろうか……と、このとき、空になった福神漬けの甕の底を見ながらふと思った(結局たいらげたんかい)。

マ国民性が違うんで、
無理してヨソの国の振る舞いの真似事をしたっておかしなことになるだけなんだろうけども、
なんか、ねえ?
遊びに来てる外人さんに、より喜ばしい気持ちで帰ってもらえたらこちらとしても楽しいかもしれぬ。

国同士とか、エラい人同士の中が悪くなる日が来たとしても、
「イヤ日本はいい国だよ、あいつらはいい奴らだよ、俺は好きだね」
と言ってくれる人たちが相手の国の中に大多数いたら、
多少なりとも風向きは変わるんではないか、という気もするし。

  ……マ日本のホスピタリティは、
  海外の人から見ればベースからしてビックリするほどユートピアらしいので
  個人がわざわざなんかせんでも十分喜んでもらえるのかもしれないけどさ。
  ウォシュレットが素晴らしいとか、タクシーの運転がクソ丁寧だとか、
  町も宿も気ちがいじみてきれいだとか。
  いつの時代に受けた評価かはわかんないけど、そうらしい。

マそういう風に振る舞ってみたい、とはいえ、
あの店で8人分もカレーおごった日にゃ1万円ちかくになってしまいかねない
(オイサンレベルでトッピングしたらだけど)ので、ご勘弁願いたいが。


ナマステナマステ。


 

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