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2016年2月26日 (金)

■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・3・シネマの段~ -更新第1046回-

職場で、

 「ミーティングルームから、内線の子機がなくなった」

と聞いて、よッし、ここはヒトツ米澤穂信センセイよろしく、
消えた子機の行方をピタリ言い当てて、リアル折木奉太郎を気取ってみるか!
……と、しばらくアタマをひねってみたが、大したことは思いつけなかった……。
迷宮入り! 残念ッ!!
オイサンはミステリーには向かんなー。

結果、出てきた子機のありかは全然推論可能なレベルだったのに、
真実にたどり着けなかったのが歯がゆい。
ぐやぢい。
膏薬を貼っ付けるのも、カンタンじゃないぜ。

ちなみに正解は、

 「前に部屋を使ったヨソの部署の人が、
  うっかり自分トコの道具一式とまとめて持ち去ってしまっていた」


でした。
……ね? これくらいだったら思い付けそうなモンなのに……悔しいでしょ!?



●○● 感想いろいろお品書き ○●○



以下の内容を順不同で。プラプラと書いてきます。
マークがついてるとこ、今回描きます。


 ■書物
  ・『ざるそば(かわいい)』
     MF文庫Jの新人賞かなんかとったざるそば。
  ・『追想五断章』
     米澤"氷菓"穂信センセイ作品の中でもドンケツの人気を誇るミステリー。友達から借りた。
  ・『描いて描いて描きまくる』
     浦沢直樹センセのインタビュー本。天才のバイブル。

 ■いくつかの歌
  ・『GoldenLife』
    今期のアニメ『アクティヴレイド』のOP。ものすごい。
  ・『いつか僕らのエピローグ』
    『氷菓』のWebラジオのED曲。とにかくかわいい、里志もえるたそも。
  ・『シャツとブラウス』
    『Wake-Up, Girls』のベスト版に入ってた。情景が美しい。

 ■映画・劇場アニメ
  『駅~Station』
     健さんムービー。知り合いのおじいさんがエキストラで出てるらしい。
     オイサンの健さん初体験。留萌・増毛が舞台で超さむそう。
  『百日紅』
     プロダクションIG制作の劇場アニメ。葛飾北斎の娘・お栄の半生記。
     てかコレ劇場でかかったの?

 ■2016年1月のアニメ
  『アクティヴレイド』 / 『この素晴らしい世界に祝福を!』
  『無彩限のファントムワールド』 / 『DimensionW』 / 『だがしかし』
  『大家さんは思春期!』 / 『おじさんとマシュマロ』 / 『紅殻のパンドラ』

  『うたわれるもの』 / 『てーきゅう7期』 / 『おそ松さん』 / 『鉄血のオルフェンズ』

  『這いよれギャル子ちゃん』 / 『魔法少女なんてもういいですから』
  『少女たちは荒野を目指す』 / 『灰と幻想のグリムガル』
  『蒼の彼方のフォーリズム』 / 『ハルタとチカは青春する』 / 『ブブキブランキ』



●○● 劇場版 映画 the Movie ●○●



■『百日紅』

葛飾北斎の娘・お栄を主人公にすえたアニメーション。

 原作:杉浦日向子『百日紅』
 監督:原恵一(『河童のクゥと夏休み』『クレヨンしんちゃん』シリーズ)

というのが、どこ調べても感想見ても、この二つのデータがアタマに出てくる。
どちらもあまり存じ上げないし、作品も見たことないわ。

以前、どこか都心のまちへ研修かなにかで出かけたとき、
駅に貼ってあったポスターでこの映画を知ったのでした。
ポスターの趣旨は、「名作だけど埋もれてるこの映画の上映会をやる」みたいなんだったと思う。
そのときは、興味がわいたので、研修終わって時間があったら行こうと思ってたんだけど
帰りにはスッカリ忘れてしまってた。
今回ツタヤで偶然見かけたので、オッと思って借りてみた。

▼百日紅 予告編



内容は……
葛飾北斎の娘・お栄さんの半生記。

半生というほど長くもない、
絵描きであり、
天才絵描きの娘であり、
目の弱い病弱な妹のやさしい姉であり、
江戸っ娘であり、
女性でもあるお栄さんを取り巻く、一年ばかりの出来事。

主人公のお栄さんは、葛飾応為(おうい)という名前で活動されていた実在の人物なのだそうな。
知らんかった。

アニメーションの画ヂカラとしては、非常に見応えを感じる。
人物はみな艶っぽく、
江戸の町の情景も、自然の風景も、とても細やかに描かれていて引き付けられた。

町の雑多で賑わう感じは、
「大都会・江戸」とはいえこの程度なんだな! と思わせながら熱量は高く、
かと思えば、雪に埋もれた郊外の、今の東京の面影もない、どこの田舎だよ! という顔も非常に以外で、
都心があまり得意でない自分でも、東京の街を見つめなおしに出かけたいと思わせる引力がある。

実際、江戸の風俗がどれほど正しく描かれているのかは専門家でないので判断しかねるけど、
「おー、こんなんだったんだー」と感心することしきり。

  ……マよー知りもせんで褒めると、
  お江戸文化ポリスにフォロー外から警告ナシで射殺されかねないので
  あんまり言いませんけれども。
  つるかめつるかめ。
  「非現在的風景の日常」を細密なリアリティで描いているなあ、という感心です。

浮世絵描きさんのお話なので、その画ヂカラの高さはいかんなく発揮され、
ときどき表現として顔を出すあやかし・モノノケの描写の類でも大活躍。
「この画ヂカラで以て『ネオまんが日本むかしばなし』でもやりゃあいいのに」
と、勝手なことを言ったりしながら見ていた。

反面、物語に一気通貫したものは感じられなかった。

絵描きとしての未熟さ・葛藤とか、女性としての淡い恋心とか、姉・家族としての屈託とか、
お栄さんの一つ一つの横顔・面影はとてもよく面白く、描かれていたのだけど、
個々のパーツを繋いで全体のカタチをなすエピソードが不在で、
映画の全体像としては何を伝えようとしたのか不鮮明。

1回見ただけなので読み解けていないだけかも知れないけれども、
マ上で書いた通り、
気風が良く、向こうっ気が強く、やさしくあたたかくもある魅力的なおんな絵師の日常を、
リアルな江戸風情とともに贅沢な動画で描き出そう!
……という、動画オリエンテッド系のアニメだと思うので、
そこが楽しめれば成功・正解なのだと思う。

カタルシスを求めると、カタ透かしを食らう。

終わって振り返ってみれば「なんだったんだ?」と思うけど、
それでも一つ一つのエピソードはハッとするほど細やかで麗しい。
強いて言うなら、お江戸日常系萌えアニメ、ということになろうか。
東京を見にもう一度でかけようという気にさせる、一見の価値はあります。



■風斬る双肩・タカクラ・ソード。『駅~Station』を見る

言わずとしれた、三千世界に名だたる日本の大俳優、ケン・タカクラのワンオブ代表作s。
エキストラとして出演している、知人のおじいさんを見るためにレンタル。


  ※尚、当方、健さんヴァージンであり、
    ご本人やムービーに関して一切外情報ナシのイメージと先入観のみで書いているため、
    感想の一部もしくは全編にわたって嘘・オオゲサ・紛らわしい、
    間違い・インチキ・適当・そもそもブンタ・スガワラと取り違えている などなど
    盛りだくさんの内容になっている可能性があります。
    なので、読む方もこの感想はフィクションだと思っててきとうに流してください。


ケン・タカクラの映画、想像してたよりずっとずっと娯楽性が強かった。
2時間刑事ドラマみたい。
クルマは爆発しないけど、内面でいろいろ爆発&誘爆する『インターナル西部警察』みたいだった。

人の心をじんわりと締め付けるようなものではあるのだけど、
その感情の素材を提示する過程で、ダウナーな事件やしがらみが狙ったように次から次へと健さんを襲うので、
まったくハッピーエンドではないのに、ある意味ではご都合主義的。
ご不都合主義、とでもいおうか。

  かっこよく言うと、「運命が交錯する……」。みたいな感じ。
  うわお。

しかしこの作品は、ミもフタもない言い方をすれば、
健さんがサイコーに切ない顔をするための場を設えるための劇なので、
それはそれで良いのだと思う。
言い切ります、
如何にして合法的に、健さんをやりきれない地獄に叩き込むかが勝負の映画です。
そんで健さんに、最高のタメ息をつかせるのがスタッフの仕事。
けど多分、やくざ映画でない健さんムービーって、大方そうなんでしょうね……多分ね。
健さん凹ませて、凹んだ健さんを見て楽しむかという……
ちょっと聞くといかにもシュミがワルイ。

  無論健さんファンは「健さん、頑張って!」「負けないで、健さん!」という気持ちで見てるのでしょうが、
  お前らが見に行かずにおいたら健さん、
  次の映画は方向性が変わってそんな思いを繰り返さずに済んだかもしれないんだぞ。

寒い寒い、道北は留萌・増毛の地で、罪の意識や人のしがらみに揉まれ揉まれて、
やりきれないヤリキレナイ思いにかられながらもじっと黙って堪え続ける健さんを見て、

 「ああ健さん! 人の世はつらいな、せつないな! でもどうしようもないんだよな!」

……って、弱虫どもが自分を納得させるためのギミックです、これは。
コンバンワ、ワンオブ弱虫です。

けどね、なんかコレ、クセになるわ。
わかる。好きな人がハマるの、すごくわかる。
そりゃ2時間近く、ほとんどずっと同じようなカオでだまーってガマンし続ける高倉健を見つめ続ける
高倉健見つめ主義ムービー見てたら、そりゃ見てる方も高倉健になるよ。
オイサンも多分、見終わってしばらくは完全に高倉健の顔になってたと思うもん。
気持ちイイよこれは。
よく出来ていると思います。

  一時期、「エンディングに欧陽菲菲が流れるようなギャルゲー」を夢見たことがありますが、
  テレビゲームにもこういう世界があってもいいのにな、と思いました。

  ▼欧陽菲菲 Love is over ...
  


マそんなだもんで、ドラマをこしらえるためのディティール一つ一つは……ワリと雑。
雑っていったらアレだけど、……おおらか?

大事なのはそこじゃなく、どうやって健さん凹みポイントを作るかなので、
状況的に殺さなくても良さそうな凶悪犯を、人が誰も見てないのをいいことに射殺し
犯人の母親が叫ぶ「人殺しィー!」の声が耳から離れず苦悩する健さんを見て、
「イヤそりゃおまえ、半分は自業自得じゃねえか」
などと考えるのは野暮ってモンです。

  ……だってあのシーン、殺さなくてもなんとかなってたもんな……。

いいんです。健さんはいいんです。
辛かったんです。

刑事として生き、射撃でメキシコオリンピック代表にまでなったにも関わらず、
仕事一筋過ぎたせいで奥さんに浮気されて独り身になって凹み
人下手がたたり、数年後には警察内部での政治から
射撃選手としてもコーチとしても地位を滑り落ちて凹み
狙撃班に回されて凶悪犯を撃ち殺す役目を負わされ、犯人の親族からは人殺しと泣きすがられ凹み
自分が投獄した犯人の親族が孤独にさみしく暮らすさまをまざまざと見る羽目になって凹み
その犯人が刑に処される直前に送ってきた手紙に凹み
そうして打ちひしがれているときに運命的にであった女性が
自分の先輩刑事を殺した犯人の愛人だったりして、辛かったんです(そら辛いわ)。



凹!



  ……おまわりさんなんていう商売やってるとこんなにも不幸というか、
  事件に頻繁に遭遇するモンなのかなあ。知りませんけども。
  それにしてもまあ、考えつく限りの湿りきった出来事を次から次へと呼び寄せる健さん。
  毛色のちょっと違うコナンくんみたいですね。

にしても健さんは、射撃のオリンピック代表なんていうのび太みたいなキャラ設定のせいもあって
2時間ばかりの間に結構なペースで人を撃ちます。

ラストバトル(VS 冒頭で先輩を殺した犯人で恋人の愛人)で
結構なアクションをしながら撃った銃弾が一発で犯人の心臓をぶちぬくところなんか、
健さんすげえな、と思いますが
この湿り切った映画でこのアクションって果たして相応しいものかな、と考えてしまう。

……などとまあ、面白おかしい視点から、
初めての健さんムービーを見た感想をお届けしましたけども、
落ち着いたシーンの一つ一つは本当に、さりげなく、美しく、
異議を差し挟ませないかっこよさがある。
「健さんのキャラクターがかっこいい」かどうかは人それぞれの美学に依るところが大きいとは思うけど、
……なんでしょうねえ、こういうカッコよさをなんと呼べばよいのか、
「日本人的」と言っても最近の人には当てはまらないし理解できない、
なんなら若干嘲笑のまとにもなりかねないと思うし、
「前時代的」「昭和の」と言ったら、それだけでもう古くさい、
時代にそぐわないもののニュアンスが強すぎて、
カッコ良さについて語ろうとしていることが表に立ってこない。
全要素が「普遍的」なものでは決してないのは分かっているのだけど、
普遍的である部分も、潜んでいるとは思うのです。

男の、なのか、オスの、なのかはわからないけど、
男的性(おとこてきせい)に端を欲する悲哀に見出す美学。

それを「美」として捉えることに否定的な人も昨今多いとは思うけども、
根ざすもの……オトコ、オスである以上どうしても付きまとうものは忌避しがたく存在するワケで、
その、そのままでは到底容れ難い「かなしいもの」をどうにか肯定的に
「そうあることが美しいのだ」と我々に受け容れさせるために舞い降りた昭和のアイドルが
健さんであったのだろうかと。

オイサンとしては、別に前時代的な価値観をそのまま、
コレがかっこいい、コレが美しいというんではなく、

「望んで生まれてきたわけではないけれども、生まれた以上、死ぬのは恐ろしく、生きていかねばならず、
 背負ったかなしみがかなしいままではやり切れないから、
 滑稽でもせめて、かなしみまでも肯定しなければならないかなしみ」

みたいなものが……滑稽でいいなあ、と思うんですね。
そういう意味で、それを背負ってスクリーンの中でわざわざ吹雪に立つ健さんは、
犠牲者然としてかっこいい。
そんな風に思い、風を切る双肩に大変な見応えを感じました。

そういう風に考えると、
このころのムービースターっていうのは、
それぞれ違う時代的な役割を負っていたのかもしれないなあ。



マそんな感じで、今回はここまで。
次は今期アニメの感想かにゃー。
オイサンでしたよ。


 

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コメント

■Dすけ氏
 
載せたよ!

投稿: オイサン@ikas2nd | 2016年3月13日 (日) 00時53分

■Dすけ氏
ども、オイサンです。
残業っすかー。オシゴト、楽しいですか?
楽しいなら言うことないんですけど、Dすけ氏ほどのエネルギーの持ち主が、
キョーミないことで消耗するんだったら、それはちっと勿体ないなーと思うオッサンです。
 
ところでSSの件に関しては、送ってもらったときのメルアドに、
今しがたメッセージをお返ししました。
結論から言うと「チョイ時間下さいw!」なのですけども。
ごめんなさいね。

そのメルアドはもう使ってない! とかあったら、またご連絡ください。

投稿: オイサン@ikas2nd | 2016年2月27日 (土) 23時05分

オイサン
お久しぶりです、残業付けなDすけです。

ブログ内容と関係ないことを書きます…

日曜日に赤岳で亡くなられた方が知り合いでしたのでショックが大きいです。
オイサンも山登りは気をつけてください…

と、本題というかなんというか、
だいぶ前に、オイサンに私が作ったSSを送ったと思うのですが、
物書きの大大先輩であるオイサンの感想をいただきたいなぁとずっと思っております笑笑
四年越しとかですが、よければ感想をください←

図々しいですが、久々にアマガミをプレイして思い出しましたので、感想を楽しみに待っております。

それでは。

投稿: Dすけ | 2016年2月27日 (土) 00時21分

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