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2016年2月25日 (木)

■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・2・歌の段~  -更新第1045回-

ところで最近、妙に宇宙まわりがとみに騒々しくありません?
「重力波」を初観測した! というニュースが駆け巡ったと思ったら、
今度はその重力波が
「ブラックホール同士が衝突しても起こりえないくらいの大きな爆発の影響としか思えない」
ものだったことが分かったり、
今日は今日で、
「5次元ブラックホールの論理で考えると
 一般相対性理論が矛盾してるかもしれない」
みたいなニュースが流れ。

なんでしょうねえ。
これから先、これまで当たり前だったことが実は大間違いでした!
出来ないハズだったコトが、これからはすっごい簡単にできます!
みたいな世の中になっていくんだろうか。



サテ今回は前の続き。



●○● 感想いろいろお品書き ○●○



マークがついてるとこ、今回描きます。

 ■書物
  ・『ざるそば(かわいい)』
     MF文庫Jの新人賞かなんかとったざるそば。
  ・『追想五断章』
     米澤"氷菓"穂信センセイ作品の中でもドンケツの人気を誇るミステリー。友達から借りた。
  ・『描いて描いて描きまくる』
     浦沢直樹センセのインタビュー本。天才のバイブル。

 ■いくつかの歌
  『GoldenLife』
     今期のアニメ『アクティヴレイド』のOP。ものすごい。
  『いつか僕らのエピローグ』
     『氷菓』のWebラジオのED曲。とにかくかわいい、里志もえるたそも。
  『シャツとブラウス』
     『Wake-Up, Girls』のベスト版に入ってた。情景が美しい。

 ■映画・劇場アニメ
  ・『駅~Station』
     健さんムービー。知り合いのおじいさんがエキストラで出てるらしい。
     オイサンの健さん初体験。留萌・増毛が舞台で超さむそう。
  ・『百日紅』
     プロダクションIG制作の劇場アニメ。葛飾北斎の娘・お栄の半生記。
     てかコレ劇場でかかったの?

 ■2016年1月のアニメ
  『アクティヴレイド』 / 『この素晴らしい世界に祝福を!』
  『無彩限のファントムワールド』 / 『DimensionW』 / 『だがしかし』
  『大家さんは思春期!』 / 『おじさんとマシュマロ』 / 『紅殻のパンドラ』

  『うたわれるもの』 / 『てーきゅう7期』 / 『おそ松さん』 / 『鉄血のオルフェンズ』

  『這いよれギャル子ちゃん』 / 『魔法少女なんてもういいですから』
  『少女たちは荒野を目指す』 / 『灰と幻想のグリムガル』
  『蒼の彼方のフォーリズム』 / 『ハルタとチカは青春する』 / 『ブブキブランキ』



●○● お歌いくつか ●○●



■『シャツとブラウス』を聴く

ツタヤで健さんの映画を借りるとき、
レンタル屋なんか滅多に来ないんだから、なんか気になるものでもついでに借りていこう……
そのとき借りたものの中に紛れさせた『Wake-Up, Girls』のベスト盤に入っていた曲。
他にも良い曲があったけど、これは群を抜いてた。





「シャツ:男の子、ブラウス:女の子」という記号化・象徴化は、
まあありきたりなのだけど……そこから展開する歌詞がもう、なんとも奮っている。
甘酸っぱいっちゅうか、男の子の青い青い青青しいキラッキラの恋が
女の子の歌い手によって歌われている。

  ……コレは……なんだろうか。
  女の子は、こういう男の子に思われたい、
  男の子にこういう思われ方をされたいと思ってるってことでいいでしょうかね?
  それとも一周回って、
  「『こういう思われ方をすると嬉しい』と思っている女の子のことを、
   オトコは好きになりたい」
  なんだろうか?
  マそれはいいや。閑話休題。

▼シャツとブラウス



そのキラッキラ加減は突如、1番のサビでものすごい疾走感を伴って現れます。


 ♪ 負けたくなんかないよ! 風の中で
 ♪ キミの瞳 その視線を奪って先へと駆け抜けたい!



この「負けたくない」気持ちは、彼女へのリスペクトなのか、ライバルたちへの対抗心なのか。
ライバルを置き去りにしたいのか、風よりはやく走って、彼女の視線を独り占めにしたいのか。
たぶん、どっちもです。
両方に解釈できることで、一節で両方を想起させ、多数の人物を歌詞の世界に登場させている。

  ……しかし、たぶんね、この彼の思い相手のオンナ、大したことないと思うんですよ。
  全然。
  すっごいフツーだと思いますよ。
  「なにお前、あんなのいいの!?」って、仲間ウチで言われてると思います。
  ライバルとか、実はそんなにいない。
  けど、若い彼は神聖視してしまっているのでしょうね。
  彼の中で彼女は、尿も大もしないと思います。
  自慰しかしないと思います。
  自慰はしますよ、彼の中でも。そりゃするでしょ。
  尿も大もした方が実はプレイの幅が色々広がることを彼はまだ知らnまあそれはいいです。
  キラッキラしてます。
  歌詞と歌詞のスキ間から木漏れ日が見えます。
  新海誠のアニメのような光です。

そして1番のシメ。


 ♪ 欲しいものはそうさ すごい笑顔 オリーブの枝が揺れる
 ♪ 微笑んだ天使のリボンに見とれちゃってた



笑顔とか瞳とかじゃなく、「リボン」に見惚れちゃうんですね彼は。
サイコーです。
ココ。
ココですね。
この歌の主人公であるところの彼が、思い人である彼女を
「尿も大もしない」と思っていると分かるのはココです。
ここはなんかワカランけどサイコーです。

そして2番はまた、全編に渡って凶悪です。
きらめき高校の卒業生たちを一網打尽に殺しに来ています。
……イヤ、間違い。きらめき高校の在校生ですね。
卒業出来ちゃった奴はコレでは死ねません。
コレで死ねるのは、いまだ在校してる私のような優秀な人材です。
私なんかは、先生がどうしても院に残ってくれって言うから残ってあげてるんですが。


 ♪ にわか雨に降られて シャツとブラウスは、いま
 ♪ 青い雨上がりの空の下 乾くのをならんで待ってる
 ♪ 放課後 グラウンド みんなお揃いのスニーカー
 ♪ キミのサイズの小ささにいとしくなる

    ……(中略)……

 ♪ 違うことを認めあえる やさしさが愛にかわっていく



ここは、実に象徴的ですね。
「にわか雨」とあるけど、実際は雨以上に何か、
二人揃って凹む出来事があった、ということが読みとれる。
恋する二人の仲を阻む、或いは二人で共有し、育む何かを阻んだ何かです。
けれどもその阻害の一番激しい時期が過ぎて、
どうにかまた二人で歩きだせる、そんな二人の決意までの時間がなんとも見事に描きだされている。
スバラシイ。
しびれます。

スニーカーが小さいくだりは……
「シャツ⇔ブラウス」と同じで、
あとに繋がる「(彼と彼女が)ちがうこと」の照り返しだけども、
もしかすると、彼女は女の子の中でも特に足のサイズが小さいのかも知れませんね。
みんなお揃いの女子のスニーカーの中でも、
一番サイズの小さいたった一人彼女のことを見つけ出せてしまう彼は、
……ヘンタイですね、きっと。
この彼なら、ワリと早い段階で尿や大をする彼女を受け容れ且つ
毎日のプレイをより彩り鮮やkまあそれは良いとして。

そして最後の一節


 ♪ 違うことを認めあえる やさしさが愛にかわっていく


この曲を最初に聞いたとき、ズガーンとやられたのはこの一節だった。
すごいですね。
スゴイ。
「ああ、コレはホントのコトだなー」と、すごく素直に腑に落ちた一節だった。
耳の穴から手ぇつっこまれて、ノーミソわしづかみにされた感じ。
それをされることで繰り返しこの歌を聴くことになって、
ここまで書いてきたみたいな歌詞世界を感じるに至ったわけで、
とにかく一発目で拿捕するこの歌詞パワーはすごかった。

……にしてもまあ、男子中学生か高校生のキラッキラな恋が詰まってしまった歌なので、
好き嫌いは分かれると思うけど。
オイサンは好きでしたねえ。



■『いつか僕らのエピローグ』
 
~カラオケBOXにて~

 
 
 
  里 志「!♪!♪!♪!♪!!
  千反田「♪♪!♪♪!♪♪♪!



ホータロー「……
摩 耶 花「折木、ちょっとおしぼり取ってよ

ホータロー「……。
摩 耶 花「おれき!
ホータロー「……ん。ああ、すまん。おしぼりか

摩 耶 花「なにボーッとしてんのよ。
      まあ、アンタがぼーっとしてるのなんか? 今に始まったコトじゃないけど。
      カラオケ来てまで、そんなアホ面晒さなくたって……


ホータロー「なあ、伊原。
摩 耶 花「なによ。(ん、このマンゴージュース、結構おいし)

ホータロー「……俺たち、付き合ってみんか
摩 耶 花「ブッ!!!

ホータロー「うおっ、汚いな。制服にかかったらどうする
摩 耶 花「ブッ、ケホッ、ケホッ! あ、お、折木!
ホータロー「そんなに驚くことか。

摩 耶 花「驚いたんじゃない、怒ってるのよ!!
ホータロー「何を怒ることが……。
摩 耶 花「怒るに決まってるでしょ! 
      なんなのよ藪から棒に、冗談にしてもたちが悪すぎる!


ホータロー「そうは言ってもだな。見てみろ、あの二人を。
摩 耶 花「二人って……


  里 志「!♪!♪!♪!♪!!
  千反田「♪♪!♪♪!♪♪♪!


摩 耶 花「フクちゃんと、ちーちゃん? ……楽しそうじゃない。
ホータロー「そうだ、楽しそうだな。
      もはや『楽しそう』なんて簡単な言葉でくくるのも難しいくらいだ。
      息が合い過ぎてる。俺たちのことなんか見えてないぞ。


摩 耶 花「何が言いたいの。

ホータロー「そう睨むな……いや、何な。
      あれを見てたら、あいつら二人がくっつくのがいっそ自然なんじゃないかと
      思えてきたんで、あぶれた者同士、くっついてみるのも面白いかと思ったとか、
      ……そういうワケでもないはずなんだが……。


摩 耶 花「何が言いたいのか、サッパリわかんない。
ホータロー「そうだな。すまない。忘れてくれ。気の迷いだ
摩 耶 花「ちゃっちゃと忘れたいけど……
      なんかそのままなかったことにするのも癪だから、
      あとでちーちゃんに話してからにする。

ホータロー「……。
      お前もなかなかだな。

摩 耶 花「なによ、なかなかって……。
 
 
 
  (おしまい)
 

 
イキナリ何を始めたのか? とお思いでしょうけども、
これはアレです、
『氷菓』のWebラジオの主題歌であるところのこの曲、
『いつか僕らのエピローグ』を聴いたときにイッパツで思い浮かんだ光景を
そのままSSにしたものです。

カラオケで超楽しそうにこの曲をデュエットする里志と千反田さん、
それをハタで所在なげに眺めているホータローさん。






この曲は、ラジオのパーソナリティを務めていた
坂口大助さん演じる福部里志と、
佐藤聡美さん演じる千反田えるのデュエットソングなのだけど、
なんともハヤ、この二人が楽しそうで。
イッパツで気に入ってしまい、CDを買おう! と探したところ、
如何せんもう4年も前の、
しかも京アニ作品の中でもウレテナーイ四天王にクレジットされる名作中の名作『氷菓』さんの、
本編のOPでもEDですらない、webラジオのタイトルソングだもんで。

いやー……見当たらんでね。データ売りなんかも、当然してナイ。
新品のCDは通販で8800円とか、
マキシシングル風情が昔のコーエーのゲームみたいな値付けしてやがるので、
さすがにちょっとそんな金額は出せぬと中古で買ってしまいました。
それでも新品よか高かったんだぞ。

けれども、それだけの価値のある歌だと思ってます。
良い歌。

とにかく、とにかくもう可愛らしい歌です。
多少だったら、凹んでるときでもコレ聴きながら腕を振って歩けばちょっと元気になれる。
千反田さんはモチロンのこと、あの屈託シニカル大魔王の里志も超かわいい。
しかしこの歌の真骨頂は、テンション高いところから入る坂口大助ではなく、
ラストのコーラスで


 ♪ 一!進!一!退! ナンデモカンデモ楽しいッ♪


と歌う千反田さんの、本当に楽しそうなかわいらしさです。
いやー、参ったなー。
千反田さんって本編では、4人の中ではまだ明るい顔も見せる方ではあるけど
それでもウェットな表情の場面が多いから気付かずにいたけど……
本気でアタマに血が上って楽しんでるときは、凶悪にかわいい感じだな。
そんな姿を見たコトあるヤツが学年にどれだけいるか知らないけど、
もしいたら、フツーの高校生なんかコロッとイカれちゃうだろうなあ。

一点マジメなことを言うと、1番のサビのおしまいの部分。


  ♪ 気まぐれキミのカーテンコール 照れ笑いして手を振るんだ
  ♪ 『僕らはひとりじゃなくて良かったよ』って……



というところ、この「良かった『よ』」の『よ』です。
これが素晴らしい。
大抵の歌だと、ここは「僕らはひとりじゃなくて良かった『ね』って」です。
ソレを

 「ひとりじゃなくて良かった『よ』

としたことで何が生まれているか。
「よかった『ね』」は、他者へのより明確な問いかけ、語りかけになる。
そこに相手がいて、返事を促すことで「そうだね」との返事を得て、
初めて「僕」が「僕」でなく「僕ら」になれ、
一人ではないことが確認出来て問いが完結し、
「良かった」の安心が得られる、まだまだ他者からのレスポンスを必要とする不安定な状態になっている。

「良かった『よ』」にも、相手はいる。
いるが、相手との確認は、もうこれ以前の時点でとれていることがうかがえる。
語りかけは自分へと向けられ、より内省的にことが処理されています。

「僕らはひとりじゃなくて良かったよね」という確認を相手と既にとり終わった状態で
「いやあ、やっておいて良かった」という安心感は、
相手からの意思表示を得なくとも、すでに手に入っている状態がうかがえるわけです。
「よかったよ」は、既に手の中にある事実の再確認の手続き。
二人の関係は、「よかったね」より長く時間を経、より強固なものになっていて、
且つ、自答的で、内省的な方向へ心は向かっている。
その背景には既に閉じられ、より秘密めいた、暗黙的な状態の二人の関係があるわけです。

これです。この機微。これが『氷菓』です。
これをポチンとさりげなく放り込んできているこだまさおりさんの作詞力。
すばらしい。完全です。



■『Golden Life』

『アクティヴレイド』のOP、GoldenLifeを買ったんだけど……コレすげえな。
こういう歌い方する人の歌にやられたことってこれまであんまりなかったけど、これはすげえわ。

ものすごいハイトーンボイスで高速で歌うのにぶれていない。
マ専門的なことは分からないけど、素人耳には新手の楽器のようだ。





ものすごい高速で筆をブンブン振り回してるのに、
筆先の一番細いところを正確に使ってすごい数の円やら弧やらを重ねて描いて
万華鏡みたいな柄を描いてるような、そんな歌い方。
ここまでものすごく歌えたら楽しい……というか、なんかよくわかんない境地に達してしまいそうだ。

▼アクティヴレイド

2分くらいからOP

上手いかどうかがちょっとワカラン。
生で歌ったらどうなるかもワカンナイけど、上手いかどうかわからんところで、
ものすごさにとりあえず圧倒される。
「ものすごいな!」
と思ってしまった。こどもか。

歌詞の内容はワリとどーってことないのだけど、
この声と歌い方で歌われた途端にすごい説得力を感じてしまった。
この声と喉と、勢いとテクニックで歌うから「斬新」で、
その斬新なフィジカルがあるから、ありきたりな歌詞にも説得力が乗る。
フィジカルがマインドに実効性を与える……
「力なき正義は無力!」みたいな話だ。
こういうことってあるんだな。





すごい無理してうたってたら体には悪そうだけど……
とりあえず、無理せず(頑張ってはいるだろうけど)歌ってて、生でもこれでいけるって言うなら
ちょっとものすごいと思う。
マ好き嫌いは分かれると思うけど。

今期は『だがしかし』のOPと『おそ松さん』の2クール目OPがカッコイイと思ってたけど、
『だがしかし』よりもこっちの方がいいなあ。
生はどうかともかく、少なくとも音源レベルでの歌唱力は勝負にならん。

アニメ『アクティヴレイド』の感想はまた別で書くけども、
アニメを見てると、たまに
「この主題歌の後に続く物語を、もっと長いこと見ていたい」と思わせる主題歌に、
ときおり出くわすのだけど……
この『Golden Life』も、そのたぐいの歌だなあ。


 

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