« ■味りん・ファンファーレ!~アニメ【ろこどる】舞台探訪・きわめて尋常なる初老が流山に行ってみた・5th -更新第1043回- | トップページ | ■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・2・歌の段~  -更新第1045回- »

2016年2月24日 (水)

■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・1・書物の部~ -更新第1044回-

年末から年明けにかけて、すっかり
ガルパンおじさん&ろこどるおじさんと化していたオイサンです。

知人のおじいさんが、その昔、高倉健の映画にエキストラ出演していたという話を聞いて
じゃあちょっと見てみようか、という気持ちになり、
ツタヤに行ったらついでで色々とインプットが増えた。



そうして、時には高倉健おじさんになり、
またある時にはtruetearsおじさんになり、
そしてまたある時は、またしても氷菓おじさんへと返り咲いていたり。

それとは別で、20116年1月のアニメも残りひと月ほどでおしまいなのに
なんの感想も述べてないので、
あんまり追いつけてもいないけど、見たとこまでの感想なんかを、
いつもの調子で、チョイと書き留めておきましょうか。



●○● 感想いろいろお品書き ○●○



以下の内容を順不同で。プラプラと書いてきます。
マークがついてるとこ、今回描きます。


 ■書物
  『ざるそば(かわいい)』
     MF文庫Jの新人賞かなんかとったざるそば。
  『追想五断章』
     米澤"氷菓"穂信センセイ作品の中でもドンケツの人気を誇るミステリー。友達から借りた。
  ・『描いて描いて描きまくる』
     浦沢直樹センセのインタビュー本。天才のバイブル。

 ■いくつかの歌
  ・『GoldenLife』
    今期のアニメ『アクティヴレイド』のOP。ものすごい。
  ・『いつか僕らのエピローグ』
    『氷菓』のWebラジオのED曲。とにかくかわいい、里志もえるたそも。
  ・『シャツとブラウス』
    『Wake-Up, Girls』のベスト版に入ってた。情景が美しい。

 ■映画・劇場アニメ
  ・『駅~Station』
     健さんムービー。知り合いのおじいさんがエキストラで出てるらしい。
     オイサンの健さん初体験。留萌・増毛が舞台で超さむそう。
  ・『百日紅』
     プロダクションIG制作の劇場アニメ。葛飾北斎の娘・お栄の半生記。
     てかコレ劇場でかかったの?

 ■2016年1月のアニメ
  『アクティヴレイド』 / 『この素晴らしい世界に祝福を!』
  『無彩限のファントムワールド』 / 『DimensionW』 / 『だがしかし』
  『大家さんは思春期!』 / 『おじさんとマシュマロ』 / 『紅殻のパンドラ』

  『うたわれるもの』 / 『てーきゅう7期』 / 『おそ松さん』 / 『鉄血のオルフェンズ』

  『這いよれギャル子ちゃん』 / 『魔法少女なんてもういいですから』
  『少女たちは荒野を目指す』 / 『灰と幻想のグリムガル』
  『蒼の彼方のフォーリズム』 / 『ハルタとチカは青春する』 / 『ブブキブランキ』



なんかとっちらかったセットリストみたいになったけどボチボチいきます。
2016年の1月~2月に取り込んだいろいろの感想。



●○● 本 ●○●



■『ざるそば(かわいい)』

先ずは本から。
『ざるそば(かわいい)』を、読んだんですよ。
ええ。

皆さんの、
「え? なんて?」
という声が聞こえてきそうです。

  御社「最近、なんか読んだ?」
  弊社「読んだ読んだ。『ざるそば(かわいい)』。」
  貴社「……。え? 何を読んだって?」
  当社「『ざるそば(かわいい)』。」
  お前「……ごめん、もう一回。なんて?」

みたいな会話になりそうなのでもう一度書こう。
私オイサンは、最近、『ざるそば(かわいい)』を読みました。
……どうかな? いいかな? 伝わったかな?

『ざるそば(かわいい)』(MF文庫J)。




ざるそばに改造された女の子・「姫ノ宮ざるそば」ちゃん(本名)が、
……ゴメン間違った、
ざるそばに改造された女の子・「姫ノ宮ざるそば(かわいい)」ちゃん(本名)と、
ざるそばの出前を頼んだ主人公ナントカ光太郎くんの、
ちょっぴりリビドーなスラップスティックSFラブコメディです。

  リビドーにもスラップスティックにもSFにもラブにもコメディにも怒られそうですけども、
  大体そんなカンジです。

ざるそば(かわいい)(麺類)と光太郎君(人類)のラブです。
ざるそば(かわいい)ちゃんはざるそば(麺類・人型)に改造された人類ですが、
ざるそば(動詞)出来る魔法少女です。

  ワリとこの辺で、もう読むのが本当にイヤな人もいると思う。
  「バカにされている」と思われそうで。
  しかし、気にせず進みます。当『ゆび先はもう一つの心臓』では頻繁に起こることです。
  ハイブロウでハイコンテクストで、
  ネクストジェネレーションに生きることを許された天才しか相手にしないときが、
  このブログにはままあります。
  凡俗にかかずらっていたのでは、ジンルイを次の段階に進めるという
  当ブログの崇高な目的は到底達成出来ません。
  そんな目的があったのか……知らなかった。
  なので、このまま進めます。

そんな改造魔法少女・姫ノ宮ざるそばちゃん(かわいい)が、
M・I・B(麺・イン・ブラック)や、ライバルつるぺた金髪ツンデレツインテール魔法麺類少女、
世話焼き関西弁幼馴染なんかと、
まあまあ、オタク向けのラノベっぽく、
いかにもラノベが好きそうなオタクの、
理解は超えつつも想像や期待は大きくは超えない範囲で絡んで、
ドタバタするオタク向けのラノベです。

  いいでしょうか。
  ここまでは大体ご理解いただけたでしょうか。

いつも巡回しているブログの広告スペースに挙がってて、
とりあえずパッと見の表紙絵がその時のオイサンハートにズッキュンショットだった
(何言ってんの)。

デ気にかかったのでアマゾンあたりのあらすじを見てみたら、
これがまたオイサンのツボをキュンキュンに刺激する内容だったので神速で購入決定。
そのオイサンのハートを握りつぶした売り文句のサワリだけでも、
ちょっと引用してみましょうか。


------------------------------------------------
■『ざるそば(かわいい)』 あらすじ


夏の日。ざるそばの出前を注文した笹岡光太郎のもとに、
自称麺類寄りの魔法少女・姫ノ宮ざるそば(かわいい)が届く。
光太郎が呆然としていると、いきなり ざるそば(かわいい)は麺類スポンサーの契約を解除されてしまう(かわいそう)。
そして、ざるs


------------------------------------------------

……ごめんなさい、ちょっと中断。
ここの「契約を解除されてしまう(かわいそう)。」
で一発目のビッグウェーブに飲まれてしまったのですが、
周到に第二波も用意されていました。続けます。


------------------------------------------------
■『ざるそば(かわいい)』 あらすじ(続き)


そして、ざるそば(かわいい)の超人類的かわいさに正気を奪われた光太郎は
スポンサー探しに身を投じてしまうことになるが……。
待ち受けるは謎のMIB(麺インブラック)。謎の秘密結社(ABOS)。謎の醤油ラーメン(美味い)。
謎の夏の甲子園(魔物)。
そして――謎の魔法少女(月見そば)。はたして人類と麺類は愛し合えるのか――?


------------------------------------------------


この「謎の夏の甲子園(魔物)。」でもうオイサンは完全に目がハートになってました。
マだいたい、この辺でどんなノリのラノベかも伝わったと思います。

「文字媒体であるのをいいことに、
 目に見え、耳に聞こえるあらゆる物理や論理はヒトマズわきに置いといて、
 ことばの持つ意味のをかさに着て
 『とりあえず字で書いてあることを理解しなさい』とゴリ押ししてくる」


タイプのやつです。
そういう作品です。

ストーリーはこぢんまりとしていながらも深奥は深く、
「アリの巣穴かと思って覗いてみたら、地底人が3LDKでメシ食ってた」
くらいの驚きはある。
破天荒でイキオイはある、けれども投げっぱなしでテキトウというわけではなく、
たたむ風呂敷はきっちり四隅を合わせてたたんでいく几帳面さは備えていて好印象。

  読みながら、
  「あんがい宇宙っていうのも、こうやって爆散・拡大していき、
   縮むときはシュッとすぼまっちゃうんだろうな」
  と感じていました。

それはつまり、風呂敷のカタチにお話の線が引かれているということでもあって、
そこには感心すると同時に、小粒感が否めないではない。

やっぱりちょっと、バカでバカでバカでバカでバカで、
バカでバカでバカでバカでバカでバカでバカでバカでバカでバカで、
バカでバカで理解困難なことが展開されててそれを読み進めながらも、
どこか風呂敷のカタチがボンヤリと見えてしまうというそらぞらしさはあって、
贅沢を言うなら、風呂敷のカタチを感じさせないか、
或は見たことのない形の風呂敷を感じさせてほしかった、というのはある。

秀才がバカのフリをしているのは、
やはりちょっと「大変そうだなあ」という感想につながってしまうので。

デ、そういう題材・ストーリー・ノリの勢いとバカバカしさだけの作品かと思いきや、
上でもちょっとだけ

「文字媒体で、意味だけがあって具象がナイのをいいことに、
 物理的・論理的ムリを押し通して好き勝手やってる」


と書いた通り、ノベルである利点を案外うまいこと使っています。
「文字ダケ」にしか出来ない表現やテンポ感が散見され、
不覚にも「あ、オレ文字屋で良かった」と思わせてくれるチカラがありました。
忘れていた文字屋だけのワザを思い出させてくれる。 スバラシイ。
この「はしゃぎたさ」と「いとしさ」を、アタマでなく、
言葉の皮膚感覚で共有できるのなら読んでみて損はない。

何故なら、ざるそばをざるそば出来る世界一かわいいざるそば(かわいい)には、
この『ざるそば(かわいい)』の中でしか出会えないのだから……。


この勢い、馬鹿さ加減、そして日本語操作の見事さから、
もしかすると『ドクロちゃん』に肉薄してくれるかな? と思ったけど、
さすがにそこまでは届かなかったですけども。
かなりイイセン行ったと思います。

サテ、いい具合に「ざるそば」と「かわいい」がゲシュタルト崩壊してきたところで
次にまいりましょう。



■『追想五断章』

ここで雰囲気はグッと変わります。

友人が貸してくれた、
米澤"『氷菓』"穂信センセイによる、シクシクと胸に降り積もる、日常系ミステリー。





なんでもこのタイトルは、17だか19だかあるという米澤先生の作品の中でも
1、2を争う不人気作なのだそうですが、
それをさも嬉しそうに
 「オイサンオイサン! これきっとオイサン好きですよ!
  オイサンは楽しめると思いますよ!」

と言って貸してくれる友人も友人なら、
まんまと呑みこまれるように読み耽っているオイサンもオイサンです。
……が、なんだろう。ひどい侮辱を受けたような心持ちがする。

先ずは簡単に、オイサンが読んだところのあらすじなど。


~~~~あらすじ~~~~~~~~~~~~~~

古書店に居候する主人公(まずしい)のもとに、
若い女からの奇妙な依頼が舞い込んだ(あやしい)。
「死んだ父が残した五篇のリドル・ストーリーを探して欲しい」(めんどくさい)。
リドル・ストーリーとは、結末を明らかにせず読者にゆだねる形式のミステリーの呼称らしいが(ずるい)、
依頼人の元には、それぞれのストーリーの結末が一行ずつ残されているという(わかりにくい)。

一篇あたり十万という報酬に目が眩み店主に黙って掌編さがしに乗り出す主人公だが(がめつい)、
一篇、また一篇と散らばった掌編を集めるうち、
次第に五つの物語の影に隠されていた作者の抱える屈託(せつない)と、
依頼人が真に求めた「物語」と向き合うことになる(ひげき)。

そしてその物語は、悲劇と無関係なはずの境遇にある主人公をも、
その無関係さゆえに強く締め付ける(くるしい)――。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

……どうですよ。
さっきまでとは雰囲気が全然ちがうでしょ?
ぐっとアカデミック。ぐぐっとロマンティック。

オイサンはミステリーを読んだ経験はほぼ皆無で、
例外として同じ米澤先生の『遠回りする雛』『二人の距離の概算』(『古典部』シリーズ」)、
『ボトルネック』を読んだことがあるだけなので、
この作品のミステリーとしてのクオリティの高さや、客観的・歴史的な価値について
コメントすることは出来ません。

ただ、「謎」が「謎」として独り歩きせず、
常に人の心に寄り添ってあり続けるつくりのおかげで、
謎を謎として意識せず、最後まで楽しんで読むことが出来た。
それはミステリーとして良いことなのかどうかわかりませんけども、
オイサンは「一般文芸としても楽しめる懐の深さ」として評価したい。

一般文芸としてでもクオリティはとても高いと思いますし。

終盤の謎解きフェイズに入ると、やはりどうしてもバタバタバタッ!と風呂敷がたたまれ始めるので
そこにはミステリーっぽさを感じざるを得ませんが、
たたみ終わったあとにも世界が続いて行く、謎が全てではないんだという
日常との地続き感が約束されていて、それが大変好ましかった。
全然ハッピーではないんだけど、この一つの事件は、毎日の中のちょっと歪なピースにすぎなかった、
という位置付けであるのがとても好き。

あと、この作品を読んで何よりも強く感じたこと。



語彙力、大事。超大事。



いやー。まいった。
300ページ弱の、決してそんなに長くない文庫なんだけど……
日本語には、まだこんなに多彩な表現や単語があったんだな!!
と驚かされるくらい、ワリとよく知ってるなじみのある事象を、
なじみのない、しかしそれでいてちゃんと伝わってきてかつより広く深く暖かい雰囲気を有する言い方で
表現することが出来るとは……!!

圧巻です。
すばらしい。
最高です。
反省した。
俺はなんてバカなんだと反省した。

自分は日本語のことをなんーにもわかってない、
なんーにも知らない、
分かったつもりで、小手先で逃げ回っているだけの小僧っこなんだなあということを
心底思い知らされた気分です。
まいった。日本語はすばらしい、美しい。

これまで自分が操っていたと思っていた日本語像が、
遠くから見上げた雄峰・名峰であるなら、
この作品で用いられていたのは、
そこに繁る草木や、息衝く生き物や、土や、
ひとつひとつの鉱石さえ言い表すためのもの
であって、
雲を撫でつけるようなことをしていたのでは到底この境地には及ばないと
心底思い知らされました。
いやあー……圧巻。
世の中には言い尽くせぬ情感とか、まだ名前のない感情や感覚があると思ってきたけど……
恥ずかしい。
自分が知らなかっただけで、そう思った様々のことの中にも
もうとうのとっくについた名があったものも、きっとあったに違いない。

そんな言葉で書かれているから、というワケでもないのでしょうが、
この作品世界は、埃っぽいのに、どこか艶がある。
水の気配、瑞々しさがある。
それは時にはじっとりとした重い湿度に変わることがありますが、
そこはそれ、水分は水分。
かと思えば、湿気が天敵の古書店で店番をしている描写では
不思議とカサッとした感じが表れており、いやはや、いったいどんな魔法なのだろう。

まあまあ、そんなことでして、
お話として存分に楽しめて、
表現として多彩に素晴らしく、
まだまだ勉強が出来る、この世界を吸収できれば、果たして自分のダッサイ文章も
それだけでナンボほど価値が上がろうかというモチベーションさえ与えてくれる、
これはもう丸儲けに素晴らしい作品だった。

きっと我が友人は、

「オマエ似たような言い回しばっかりでごまかしてないで、
 ちっとはこれでも読んで語彙増やせよマンネリヤロウ。
 読まされるこっちの身にもなってみろ」

という激励の思いでコレを貸してくれたのだと思う。
ありがとう。
今度ちょっとツラ貸せや。小一時間……否、小六、七時間メシでも食おうぜ。
否とは言わせねえ。


……マそんなんで、今回はこの辺で。
次は最近聴いたお歌のことでも書こうかねえ。

オイサンでした。


 

|

« ■味りん・ファンファーレ!~アニメ【ろこどる】舞台探訪・きわめて尋常なる初老が流山に行ってみた・5th -更新第1043回- | トップページ | ■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・2・歌の段~  -更新第1045回- »

[ご意見]」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

>ちっとはこれでも読んで語彙増やせよマンネリヤロウ

これはまた随分な言いがかり(ひどい)
私はそんなこと微塵も思ってもいません(かわいそう)
……うん、癖になるかも知んないw


>今度ちょっとツラ貸せや

よろしい、ならば戦争だ

投稿: JKP | 2016年2月28日 (日) 00時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/55967/64128054

この記事へのトラックバック一覧です: ■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・1・書物の部~ -更新第1044回-:

« ■味りん・ファンファーレ!~アニメ【ろこどる】舞台探訪・きわめて尋常なる初老が流山に行ってみた・5th -更新第1043回- | トップページ | ■真冬図書館~2016年、たくさんの見聞き・2・歌の段~  -更新第1045回- »