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2015年12月の11件の記事

2015年12月31日 (木)

■道のりのシ点~Pray Back 2015~ -更新第1033回-

「年の瀬京子ー!」「杉浦綾乃ー!!」
言いたかっただけです、オイサンです。

毎度毎度、すっかり押し迫ってから本年最後のブログ更新でございます。

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いまここをお読みのような御仁にはきっと、
今年もすっかりお世話になったりご迷惑をおかけしたりの一年だったことでしょう。
全然カンケイない人には全然カンケイない知らないおじさんですけど。

全然カンケイない知らないおじさんといえば、
今日12月31日の朝になってイキナリ、また新しいフォロワーさんとお会いすることになって
また一人見知らぬワカモノを毒牙にかけて参ったのですけれども。

  よつばさん、押し迫った時期に、貴重な時間をありがとうございました。
  引き続き、こんなオッサンですが仲良くしてくださいね。
  また突然、「きんたまあり」に放り込んだりするかもしれないけど。

マ今後もまた、これまでにお会いした方々も、
初めてお会いすることになる皆さんも、
過度の期待はせず、かと言って諦めきりもせず、
こちらが達成できる程度の程よい期待感で接して戴けると、
お互い良好な関係を築けるのではないかと考えます(脅迫。

  こちとらもう四十ですからね。無理をするにしても限界がございます。

マそんな感じで、さして実のある話でもないですが、
個人的な一年のまとめでもして行きましょうかね。

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あ、合間合間にこんな風↑にお写真はさまりますけど、特に文面との関連はありません。
今年のお写真の中で、自分的に好きなのを挟んでいってるだけです。



■と、そうは言っても。

存外「1年をまとめる」というのは難しい。
してきたことや、触れたものについて頭から羅列することは出来るけれども、
それだとただの年表だなあと思うし。

年表だって別にいいんだけど、
振り返った時に出来事それぞれが最終的に得た境地に対してどんな意味を持っていたか?
といったことが言えると、今年一年が自分の方向性にとってどんな年だったか、
尚わかりやすい。

……と、思うけど、安易に短期的にそんなことを言い切ってしまったら、
それはそれで……なんつーか、安っぽいビジネス書のハナシみたいになりそうだな。
「今年一年の目標の達成度は!? 3年後・5年後の自分の姿を思い描いて云々!!」みたいな。
バッカじゃねえのw

  あー、どうでもいいけどこの間、
  ……最近、流行ってるんですかね? ブックカフェっていうんですか、
  本屋にスタバがくっついてるのに行ったんですけど。
  アレもまた、妙に意識高そうっつうか……率直に言うと、ムカつきますね
  別に怒らんでもエエんですけども。
  なんかムカつく。 ← 言いがかり
  まムカつきながらコーヒー飲んでたんですけども、
  左隣に座っていたトラ縞コートおばさんはなんかミニマリストの入門書みたいなのを読んでて、
  右隣のイケメンiPod音漏れドヤ顔マンは、
  正しい努力の方向性の選択がウンヌンみたいな本を読んでおられ、
  あまりのドヤっぷり濃度の高さに吐きそうでした。

  イヤいいんだけどさ。

  彼らはそうして得た知見でナニモノになっていくのでしょうか。
  マきっとオイサンよか立派に世の中に貢献されてはいるのだろうと思うけど。
  こちとらいんちきメルヘン書き物士ですからね。
  ひっかき回して均していくのがお仕事ですから。

まあプライベート的に、何か、目標や目的を定めて生きてるワケではないんで
転換点も分岐点もあったもんじゃないんだけども、
それでも今年一年、過ごしてきた中で得た、自分にとって重要だと思える大きな知見というと……。

いくつか、思い描けるところはある。

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▼一つは、
新潟に行って、小千谷の駐車場で持て余した時に撮られた写真に見た、
「旅の支点」を逃さない力を持つこと。

簡単に言えば、
ひとまとめにできるひと連なりの出来事のなかには、
必ず一点、「ここがこの出来事を言いまとめるポイントだ」と言えるような、
時間であったり、場所であったり、出来事・モノがある、ということです。

  旅で言えば、その旅を代表する印象的な時間が必ず存在する、ということで。

それは旅に限らず、もう一歩「日常の支点」ていうとこにも広げていけるなあなどと、
その後、思ったりしている。
そういうモノを逃さずに生きて行けば、自分の人生にとって大切なものを、
忘れたり、逃がしたりせずに行けるだろう、と思うのです。

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▼もう一つ、滝子山に登った時に知った、
初級⇔中級の山の違いは目が覚めるようなものだった。

初級 → 中級の壁の差は、長いとか、キツイとか、そういう要素も当然あるけれども、
それよりももっと大切なのは
「より自由度が広がってしまう」
ということにあるんだと思い知った。
色んな道、いろんな方法がある。
当然その分、ガイドは少なくなる。迷いやすくなる、事故を起こしやすくなる。

なんとなく、登りが急になるとか、時間的に長くなる(宿泊が必要になる)、
みたいな軸でしか考えていなかったので、これは目からウロコが落ちる思いだった。
山側のルールさえ守れば、安全であればどこ歩いてもいいんだったな、と、
山の「自由とその見返り」みたいなものを感じたわ。

 マこれは山に限らない話なのだろうけども。

山にはもう少し登りたいですなあ。
もっと慣れて、気楽に楽しんで登れるようになれば、視界も広がると思う。
山に関する教養を育まないとだ。

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▼そうだな、今年は「教養」と「知性」について、
殊更強いあこがれを抱いた年でもあった。
何をもって教養、何をもって知性と呼ぶか、それもまだ揺らいでいるのだけども。
その核を自分の中でしっかり定めて、それらを得るとっかかりとすることを、
来年の一つの目標に置きたいとは思う。
マもちろん、その形は世間で言われるような「教養」や「知性」ではないかも知れないけれども。
自分だけの教養、自分だけの知性を、しっかり見極めて拾っていきたい。

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▼他には、作品の鑑賞という点において、
舞台『ペルソナ3』の3部で見た、緩急の妙味と役者さんへの愛情、
『庶民サンプル』で見出した
「敢えてお約束に乗せることで、お約束の部分はお約束としてブッ飛ばし、物語としてのショートカットを可能にする」
という新しい物語の技術も、なかなか斬新な概念だったように思う。

  ……そういう意味では、個人的な今年のベストアニメは『庶民サンプル』になっちゃうんだよなあ……
  なんか抵抗あるぜ……(失礼)。

他に鑑賞方面だと大きかったのは、
『ガールズ&パンツァー 劇場版』のような作品を、泣くほど楽しんで見られるようになったことは
コレマタ一歩、楽しみの幅が広がったような気はしている。
その分、鑑賞の他方面の要素への関わりが薄まったりしてしまいそうだから
その辺はその辺で、失わないようにフォローしてかないとだけど。
最近そういうの、摂取できてないな。
『蒼樹うめ展』で感じた高揚と発汗も、得難いものだったかなあ。

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▼一つ目のことにカンケイあるけど、
写真を……もっと上手に撮れるようになりたいなあ、とは、
マこれは毎年思ってることだけど。

「上手い写真」を撮りたいわけじゃなくて、「写真を上手く撮りたい」んですね。
撮りたい像を、撮りたいように撮れるように。
機材的に追いつかない場合もあるのだけど、
道具がないならないなりに、代わりの手段を持てるように。

もっと考えて、思考錯誤する必要があるなあと思う。
安全に手堅く、それらしく見える手クセのお写真は撮れると思うけども
(と言えるほど基礎があるワケではないけれども)、
冒険して面白くとらえることや、
緊張感のある画面を作るにはどうしたらいいか、ほかの人のお写真も参考にして
真似していきたいなあと思う。

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●○● お出かけ関連 ●○●
今年は……たくさん出かけたなあ……。
大小取り混ぜてざっと挙げるだけでも、

 生駒山(1月・1人)
 青梅(1月?・2人)
 高松山(2月・1人)
 小諸8(2月・1人)
 武蔵五日市(2月・1人)
 秩父(3月?・1人)
 飯能(3月?・1人)
 岐阜(3月・1人)
 新潟・寺泊~柏崎~小千谷(4月?・3人)
 高山(5月・4人)
 隅田川下り~お台場(6月?・1人)
 稚内・旭川~美瑛(6月・1人)
 群馬・上野村~片品~入間(8月・3人)
 白州(8月・3人)
 滝子山(9月・1人)
 小諸9(9月・1人)
 白樺湖(10月・4人)
 蒼樹うめ展(10月・1人)
 奥多摩~大月(11月・3人)
 金沢・東尋坊(12月・2人)
 八王子~相模湖(12月・2人)


と、……遊びすぎだろ!!
そらお前、会う人会う人に「小諸にばっかり行ってる人」って言われるわ。
すみませんね真面目に生きてる皆さん。こんな大人もいるんですよ。

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とはいえ旅にも、
特に得るものはないけれど盛大に楽しいもの、
地味だけどじんわりと後々に響く力を持っていたもの、
ひとえに手慣れた、安らぎだけを求めていくもの……等々、
いろいろあるわけです。

前半戦はワリと迷走してる感じでモヤってしまった。
飯能とか秩父とか武蔵五日市は無理やり行ってしまった感じで、
何かをムリに得ようとして、数を撃って浪費していた。
書き物の着想を得るのには良かったけど。

青梅は、そこに行った体験があったから、小千谷であの感じを捕まえられたのだと思う。
青梅 → 武蔵五日市 → 小千谷 は、一本の流れになっているように感じる。
また一つ無情の階段を上ってしまっただけだけど……。
小諸よりも難易度高いよな。あの辺。

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全体的にみれば大充実の一年だった。
数を撃ちすぎて、自分の中の大切なポイントを見失わないようにだけ、
来年も引き続き気をつけよう。

  久しぶりの稚内は楽しかった。
  稚内空港は2度目の利用で、空港から、
  観光を意識した宗谷岬経由の市内行きバスが出ていたのがありがたかった。
  バスで隣りの席になったSNSハイテンション中国人のお兄ちゃんとか、
  バスの停留小屋で夜明かししようとしてた
  ズボンびりびり自転車白人お兄ちゃんはどうしただろうか。

  あと地味に、お台場でお巡りさんに「ガンダムがどこにいるか聞いた」ことは
  自分の中でエポックな出来事だったわー。
  佐藤聡美さんのホンモノを近くで見たのもね。
  やっぱあんとき、CD買ってサイン貰って来れば良かったなー。
  あんな偶然もなかなかないもんね。

楽しかったっす。
お付き合い下さった方、お誘い下さった方、ありがとさんでした。

今年はそうだ、
トルコ料理とスペイン料理をしっかり食べた、という点も大事だったかも知れない。
特にトルコ料理。地味だけどおいしかった。
ロシア料理は……ちょっと失敗したかな……。
後半は中華料理食べてることが多かったな。

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●○● アニメ界隈 ○●○
今年も、ただのオッサンにしては結構そこそこな本数見てると思うけど……
手堅く、2期目の作品で楽しんでしまった。
『のんのんびより』、『ごちうさ』、『青春ラブコメ』、『ゆるゆり』。
特に『ごちうさ』の爛熟ぶりは凄まじいものがあった。
あまりのかわいさ濃度の高まりに、脳のかわいさを処理する部分、
いわゆる「かわいい肝臓」が機能不全を起こしてかわいさ肝硬変を起こすこともしばしば。
やべえ。
あとから見返してみれば、いろいろと筋の通ってるところもアリで、
なかなかすごい作品になったなーと思う。

新しいところでは『血界戦線』『うまるちゃん』『庶民サンプル』『おそ松さん』
あたりを喜んで見てたんだけども、
なかなかこう……得るもの、あとに残る感動という意味では、
『庶民サンプル』『おそ松さん』が見せてくれた斬新さ、
目の付け所と料理の仕方が大きく、
かつそれは、なかなか技術として真似できるモンでもないので……。

ちょっと「見る」という意味ではラクをし過ぎたかな、と思わないではない。
もう少し「頑張って見る」を、来年は増やそうか。
見方に反省の多い年ではあった。
オリジナルものを粘り強く・積極的に楽しんでいく姿勢を、自分はもう少し背筋を正して持つべきだと思う。

その意味でも『ガルパン 劇場版』を楽しんで見られたのは収穫だったと思う。

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●○● Web ラジオ ○●○
しっかり聞いたのはこれ↓くらい。

 ・シドニアラジオ・綾と綾音の秘密の光合成 
 ・監獄ラジオ学園 
 ・ラジオウィッチーズ 
 ・血界戦線・技名を叫んでから殴るラジオ! 
 ・ガールフレンド(♪) 明音と文緒の聖桜学園放送部 
 ・砂雪と夕夏のしょこめざらじお 

中でも『シドニア』の洲崎綾と佐倉綾音の掛け合いは稀有なパワーを持ってたなー。
またどっかで、タッグが復活しないか期待したい。

『ラジオウィッチーズ』はいつの間にか、大安定のオバケ番組になりつつある……。
というのは、「つまんなくてもいい」っていう、すごい期待感をとりこんでしまったからだ。
特に今年、佐藤有世がゲストに来て以後と、中村繪里子が来た回はすごかった……
って、ゲストの手柄みたいになってるけどw
彼女ら、味のだっくだくに濃いゲストを緩やかに結びつけるのに、
大橋さんの薄味トークがひと役もふた役も買ってるんだろーな、ということに、最近気付いた。
何にしても、佐藤さん回と中村さん回はCD化してほしいわ。

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下2つはまだ聞き始めだけど、どちらも期待できそうで嬉しい。
『ガルフレ』は、三十路の女性声優が二人で円熟の話芸を
コレデモカコレデモカと披露する、ものすごい味わいのラジオ。
『しょこめざラジオ』は、花澤香菜とその後輩による、
若さあふれるキャッキャウフフで、
とりあえずもう……お肌ツヤツヤのぷるんぷるんな感じです。

マwebラジオはねw
難しいこと考えないで、ダラダラ聴けるのが一番いいやw
そんな中で、突如現れる中村繪里子さんみたいなトークエンタテインメントモンスターに、
ときおり横っ面ひっぱたかれる、くらいが嬉しいよ。

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●○● ゲーム界隈 ○●○
ゲームはほとんどやれてないです!

 『ドリクラ』
 『うまるちゃん』
 『ガールフレンド(仮)Vita』
 『ロデア』
 『ミラクルガールズフェスティバル』

ぐらい。
『ロデア』もなー。中途半端になってるしなー。
せめてWii版だけでもクリアしたいところ。
今は『ミラクルガールズフェスティバル』しかやれてねえ……。
しかしその辺も、ある意味「やってる」だけで……
活力にうまくつなげられているかといえばそうでもないので……
なんかね。浪費し続けるだけでは、寂しいよねえ。

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●○● 2015年のClosing ○●○



マそんなんでね。
他には、ワリと手書きで字を書くように心がけることを始めた、というのも
ちょっと大きい。
ZEBRAの水性ボールペン・SARASAが自分と相性よくって、
それで字を書くのが楽しいというのがきっかけになった。
なんかSARASAのいろんな色ばっかり買ってる年になってしまった。

今年は、任天堂の岩田社長とか、松来さんとか……
自分にとって、実は大きな存在感を発揮していた人たちが亡くなってしまって。
まだ時々、ボンヤリしてしまうことがあるけれども。

……そんなものを、上手に処理する、なんてことは出来ないので、
大事に、実直に、自分のものとして抱えていきたいと、その辺は思うです。

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四十歳。
不惑の年と言いますが、
それが「確固たること」なのか「諦めること」なのか、はたまた「覚悟を決める・決まること」なのか……
分からないけれども、
でも、なんか、そういうことの「どれも」なんじゃないのか、という感触を、
自分なりにつかみつつある。

今のところ、
「衰えつつある」ものの感触の方が大きくて、
「新たに爛熟を迎えるもの」を実感できず(或は本当にないのか……)に
少々不安の方を大きく感じてますけども。

不安に負けない、
「自分はまだまだ、これでやっていけるんだ」という強さなり、
その芽なりを、来年は自分の力でつかみ取り、自分に証明していかないといかんな、
などとそれっぽく考えてみるオイサンなのですよ。

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今年一年、お世話になりました。
来年もまたよろしくです。
よろしくなのです。

オイサンでした。
良いお年を。


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今年いちばんよく撮れたのはこの写真かなー。


 

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2015年12月28日 (月)

■FaceBookは味噌の味~気になる高山・『氷菓』の聖地を巡る・その6~ -更新第1032回-

先日友人と行ったカラオケで、友人が『ときめきポポロン』を入れたら
「ただいま大変混雑しているため配信できません」
的なメッセージが出て大変ビックリしました、
オイサンです。

そんなことあるんだ……あんなメッセージ初めて見た。
マあり得ることなんだろうけどさ。
なんかこう、
キャバクラに行って人気のあるお嬢さんを指名したら
順番待ちでお相手してもらえなかった

的な侘びしさが胸にきざしました。

 

_人人人人人人_
> スズキキザシ <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y ̄

 

  どうでもいいけど、「きざし」って「兆し」とも「萌し」とも書けますよね。
  あ、勿論キャバクラにも行ったことありません。


そっか……チマメ隊は忙しくって、オッサンの相手なんかしてられんか……
ごめんなあ……忙しいとこにさらに忙しくしてごめんなあ……
マヤちゃんは可愛いなあ……。
マヤちゃんがも少し大きくなって恋をして、言葉遣いとか服装とかに気を使ったり
コンプレックスを抱いたりするところを見守りたいなあ……。

  あとチノちゃんは駄目な男に引っかかるタイプ。

そんなオッサンのうす気味悪い妄想を横目に始まるのは、
そんなオッサンばかり4人も揃えたジェントル4騎士団が征く、
アニメ『氷菓』巡礼・2泊3日高山の旅。その2日目の4回目です。

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■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼13:
         遠回りする(のが好き過ぎる)アラフォー~駆け抜けろ、R361!


高山の町から離れたスポットも手中に収め、ここから先は撤退戦。
次に目指すは本日の駐屯地、諏訪です。

……サテここで、皆さんは覚えておいでだろうか?
この旅の始まりにお話しした、長野と岐阜を結ぶ二つの道のことを。





かたや、国道158号線。
松本~高山間を比較的(あくまで比較論です)直線的に結ぶ、現在主要な足として使われている新しい道。
来るときはこっちを通ってきた。
かたや、国道361号線。
乗鞍を大きく南に迂回する、あなたと私を結ぶ愛のワインディングロード
(だからなに言ってんだって)。

飛騨一ノ宮駅の駐車場で、四騎士団は悩みます。
どちらの道で、長野へ戻ろうか?? 夕闇は、もう山のすぐ向こうまで迫っている。

来た道R158は、行程スムーズだったとは言えなかなかにトリッキーであり、
トラッピーでもあり、スパルタンといえば十分にスパルタンと言える道のりだった。
これから徐々に暗さの増す中、あの道を、疲弊も積もった状態でどこまで早く走り抜けられたものか……
正直、道を「知っている」だけに不安感はある。

そして未だ未知なる道、R361。アンノウン。
こちらも決して楽な道のりでないことは、下調べで大筋分かっている。
しかしなんだ、この……地図上で見たときの、ググッと大回りする感じ。
R158と比較するとトンネルもなく、ぱっと見の曲者感は薄い。
比較的なだらかな感じしねえ? 眺めも良さそゲじゃね?
道があまり、縦にも横にも急峻な感じがしない……気がする。

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そんなことを考えたかどうか、
ドライバーであるテラジさんに搭載されたハイパーアラフォーどんぶりエンジン(powered by オッサンのさじ加減)と、
ジェントル号の超AI(声がかわいい)、
そして経路検索(powered by Google)が弾き出した結論は、

「マとりあえず、361の方で行ってみましょう」

というものだった。
ああ、走りたいんだね。
まオイサンも、そっちの道を見てみたかったのでいいんだけど。
デ実際走るのは、テラジさんとジェントル号だけど。

実際のところ、有効な判断材料は
「R158は結構すごかったが夜走ってダイジョウブだろうか?」
というざっくりした不安と、R361に関する
「とりあえず険しいらしい、ワリと最近まで車みちが開通してない場所があったらしい」
という、ボンヤリした事前知識だけだったので、
「……実際オレたちはR158の険しさを見てきた。それは相当なものだった。
 アレよりさらに険しいということは、さすがにないんじゃないだろうか?」
という甘い憶測にすがってしまうのも、
アラフォーたちの弱い心を思えば無理からぬところであるのである、のである。
のであろうか。

かくて、運命の車輪は回り始めた。
ホイール・オブ・フォーチュン。

飛騨一ノ宮で収められた最後の写真に刻まれた時刻は17時チョイ前。
諏訪にたどり着いたとき時刻は21時をまわり、
山あいから見下ろす黒々と夜空を映した大きな湖のほとりに岡谷の街明かりを見たとき、
車内に歓声が上がったことを覚えている。

思えば、昼をまともに食べていなかった。
高山を発って最後に立ち寄った道の駅、ひだ朝日村では既にレストラン営業時間17時半を過ぎていて
そこでもまとまったメシにはありつけず、
次に店らしい店に立ち寄ることが出来たのは、長野側、
塩尻の手前までたどり着いた神谷入口でのことだった。
そのときも時刻は、19時半近かったように思う。

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  しかし今、改めて地図を眺めてみると、
  かなり救われた気分になったあのコンビニでさえ全行程のイイトコ5分の3、
  半分強程度だったのだな……。

最終的に、4時間あまり。
飛騨一ノ宮を出てから、諏訪の湖面を拝むまでの道のりは、なんというか……
『リッジレーサー』の高難度コースを数時間に渡って走り続ける、そんな道のりだった。

  あの、渋滞とか、コンビニ休憩とか、ほぼナシですからね。
  後半ちょっとだけありましたけど、ほぼ走りっぱなしでこの時間。

Night Mode <夜走> ……。
そんなモードが『リッジ』にあったかどうか知らないが、
日が落ちれば慣れない者にはとても走れなくなる、
そんな迫り来るTime-Upの恐怖から逃げ続ける、閉塞と呼吸困難のタイムトライアル。
TIME EXTENDなんていうおやさしい仕組みを、この峠は用意していない……
あるとすれば、それは諏訪についたときか……夜明け……
明日という、24時間のTIME EXTEND……。

  ……はっ! イカンイカン!
  うっかり、スーパー『レーシングラグーン』スーパーポエム劇場に迷い込んでしまった。





渋滞の数時間とどちらが良いかと問われれば、
……そりゃあ、曲がりなりにも景色の回り続ける、
窓を開ければすがすがしい山の空気を取り込むことの出来る、
その気になれば車を停めて休憩の出来る、
山の道の方が良い、とは思う。

しかしどうだろう、『リッジレーサー』にだって夜走モードはないし、
たとえ夜コースでも、街灯がほぼ皆無なんていう無茶は要求されない。
デビルカーやホワイトエンジェルだって、1台ずつでしか襲ってこない。
軽トラの形をした白いエンジェルが背後から固め撃ちで襲いかかってきたりはしないし、
ともすれば、急角に折れた上り坂の先から、
吹き飛ぶようなGを感じさせながら重トラックが対向してくるような仕掛けだってなかったはずだ。

そうだ、『リッジ』に対向車はいない。
素人目にはイイトコ1台半の道幅に、大きめのトラックが突然正面から割り込んでくるなんて、
初見殺しもいいところだ。
R361には全部ある。
それらが全部あって、どのギミックもオフには出来ない。
オンオフが出来るのはBGMと、己の命くらいのものだ。山は恐ろしい。

唯一、『リッジ』とR361の両方にあるものがあるとすれば、それは……。
それはきっと、突如現れる、思いも寄らない美しい眺めくらいのものだ。



▲▲△ On-Take-3 ▲△▲

R361に入ってから、まだそこまで長い時間のたたない頃。
『言うほど、ひどい道ではないのではないか?』
『この程度ならどうにかなるんじゃないか?』
『自分たちの選択は、そう大きく誤ってはいなかったのではないか』……
そんな風に、まだ騎士団の誰もが思っていた頃……。

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進行方向の左手、北方には乗鞍の分厚い体積を感じ、
右手には……雑木が生い茂った山の斜面か、断崖。
そんな道をしばらく走るうち、ときおり雑木の林が途切れる場所が目立つようになってきた。
視界を遮るいくつかの山の向こうに、チラリと稜線をのぞかせる大きな山がある。
頂き付近に、なぜかずっと白い雲がとどまらせている。
その山が何度目かに姿を現したとき、誰かが気付いて言った。

「アレ、御嶽山じゃない?」

言ったのはたぶん隊長だったと思う。地図を見ていて、位置関係に気付いたのだろう。
隊長は索敵班なので、後部シートにいるとき、大抵地図を見ている。
そうじゃないときは『ラブライブ』を見ている。
あと、ジェントル号に標準搭載されてるカールを食ってたりする。
大概、旅の最初のコンビニでスティックパンを一袋買って食ってる。
デ旅が終わる頃にはなくなってる。
オイサンもときどきもらう。うめえんだアレ。
この旅の時は確か、どっかでうまい棒の大量詰め合わせを買ってたんじゃなかったっけか。

  マそれはいい。
  隊長の食生活について言及すると、現代栄養学の根底が覆るおそれがある。

その山が、この旅の半年ほど前に突然噴火を起こしてたくさんの登山客や山関係者の心に爪痕を残した
御嶽山なんじゃないか? ってことに気付いたのが隊長だったんじゃなかったか?
ということだ。

「ほんとだ、そうだ」
「すげえ」
「煙噴いてる」

そこからまた少し走ると山と林が完全に途切れてなだらかな斜面がひろがり、
ほとんど御嶽山の北面と正対するような展望地に出た。

「……ちょっと停めましょうか」

このとき、きっと誰よりも先を急ぎたいハズのテラジさん
(なぜなら日が落ちて大変な思いをするのはドライバーだから)からそう言い出して、
当然誰の反対もあるはずもなく、皆少し興奮気味にジェントル号から飛び出した。

「寒い!!」

五月といえど、アルプスの南端をなめるように走るR361の日暮れ時は寒かった。
風もあった。
けれども、オレンジと淡い紫に染まりながら、もうもうと煙を吐き出す御嶽山の山容は美しく、
オッサンのような子どもたちを、車から引っ張り出すには十分な魅力があった。

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……マこんときは、まだ出てから一時間チョイといったところだったと思うので……
「こっちの道を選んで、間違いじゃなかった」
という言葉もチョイチョイ交わされていたのだけれども。
そして今振り返っても、この景色と引き替えにするなら悪い道じゃなかったな、と
思わないではないけれども。

コース終盤、諏訪湖が見えるまでの暗闇の道の上では、
「うーん……誰だ! こっちの道がイイなんて言ったの」
と、たとえ誰かが思っていたとしても、責められはしなかったんじゃないですかねw?

▲▲△ たま姉土下座事件 ▲△▲

R361の途上、もう一つ、印象深い事件があった。

  ……ていうか、もう少し何かしらあったと思うんだけど、
  あのね、よく覚えてないんだよw
  時間が経ったってのもあるけど、走ってる最中も、暗闇の中をぶんぶんぶんぶん、
  右へ左へして脳味噌はシェイクされるし、視界はろくに利かないし、
  旅ののちにテラジさんから出てきた
  「今だから言うけど、あのときは実は、随分トバしました」
  という告白の通り、
  本当に一刻も早く日が落ちきる前に山を抜けてしまわなければならないことで
  頭がいっぱいだったのです。

先ほどお話しした、高山を離れてから最初の休憩コンビニとなった神谷入口のセブンイレブン。
二俣尾の川のセブンとはワケが違う。薪は売っていません。
そこへ差し掛かる直前、ジェントル号が突如、私たちに警告を発し始めた。

  「ネズミ取りエリアですよ! 注意して下さいね!!」

レーダー探知機の液晶の中で、ドライバーであるテラジさんに向けてしなを作っているのは、
なんともだらしのないボディを惜しげもなくさらして横たわっている感じの、
たまんねえことでお馴染み、『ToHeart2』からのたま姉です。

  「ネズミ取りエリアですよ! 注意して下さいね!!」

  あ、ちなみに画像だけで、音声はフツウの……いや、完全にフツウではないのだけど、
  音声はちょっとかわいい感じなだけのものです。
  キャラ声とかではありません。
  レーダー装置の画像が、オーナーの趣味でちょっとだらしないだけです。

しかし……多少人里めいてきたとは言え、さっきまで山と森と湖しかない中を右へ左へ、
ぐるんぐるんとローリングしてきた我々。
考えることは皆同じです。
「こんなところにネズミ取りがいる筈がない」

  た、たま姉がおかしくなっちゃった……!!

そりゃそうです、こんなロクにクルマ通りもない、
なんならスピード違反で引っかかるというなら野生のチーターくらいだろってくらいの場所で、
「ネズミ取りレーダーだ!」
だなんて……あっちへこっちへ振り回し過ぎて
たま姉もおかしくなってしまったんだと思って当然。
しかし行けども行けどもたま姉は、

「ネズミが!」
「ネ、ネズミが!!」


うわごとのように繰り返すばかりなので、
「……たま姉、ちょっと具合が悪いみたいだから、
                   一旦電源切っちゃってもいいんじゃないか」

という案が提案されるくらいでした。
しかし。

「あ、いた! あそこ!」

誘蛾灯のごときコンビニの光に吸い寄せられ、
ジェントル号の鼻先をセブンの駐車場に向けたまさにそのとき、
天井を突き破って外の様子をうかがっていたよつさん(巨人)が声を上げました。

え、いたってナニが? どこに?

と、よつさんの指さした方を見てみれば、……なるほど確かに。
このあと我々が向かおうとするコースの先に、ネズミ取りらしき陰が!!

……いたらしいんだけど、オイサンからは見えなかったんですよねw
ごめんw 分かんなかったw いたらしい……です! はい!

そうか……たま姉はいつだって正しかった。
おかしくなりかかっていたのは俺たちの方だったんだ。
ごめんよたま姉、疑って……。



■いよいよ諏訪に到着

などと、いくつかの出来事を乗り越えて、諏訪のお宿に着いたのは21時を回る頃。

私たちは疲れていたが、それ以上にお腹を空かせてもいた。
諏訪はボクらのベースキャンプ、着いたら行く店は決まっていて、
諏訪の夜は既に深みに及びつつあったが、ありがたいことに、
その店はまだ客を受け付けていた。

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そこは以前も訪れたことのある店で、前回訪れたとき客は自分たちしかおらず、
一人で店を回していた愛嬌のある板さんが自分で料理を運んできながら
「この肉はね、とれる量が少ない珍しい部位だから。
   ……だからね、味見がまともに出来ないんすよw」
とか平気で言ってお料理を出してくれるお店ですw
大丈夫、おいしいからw

……とはいえ、正直この店での記憶もあまり残っていない。
店には2時間以上いたと思うのだが、
思い思いに料理を頼み、酒を飲み、エヘエヘと力のない笑いを繰り返していたように思う。
ただ、旅が終わった後にも、テラジさんは幾度も幾度も繰り返していた。
彼は今でもよく言う。

  「あのとき諏訪で飲んだ黒霧島が、人生でいちばん旨かった」


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ザ・黒霧島(お写真提供 テラジさん)

この日の道のりがいかほどのものであったのか、
それを一番深く知っているのはほかならぬテラジさんで、
旅の密度……道を踏む感触という意味では、
4人の中でも文句なくテラジさんの体験がもっとも濃いだろう。
自分の知らないその濃密なふれあいに、嫉妬を覚えないではない。

  そんなことを考えながら、おいしい地鶏の親子丼をモグモグしていたオイサンです。
  お、うめえなコレ。今日は味見したのかな。

悲しいかな、ハンドルも握らないし酒も嗜まないオイサンには、
その酒の、舌に体に、染み込む具合はいかんとも共有しがたいのだけれど、
この日彼の中で入った何か大きなスイッチは、
今もジェントル号のシャフトと強く繋がったままでいるようであると
最近のオイサンは感じるのでした。

店を出る頃にはもう日付が変わろうとしていて、
大きな水辺にある諏訪の空気がしんしんと身に染みた。
湖畔を少しだけ散歩したが、オイサンはもう、カメラを構える気分にもあまりならなかった。
よつさんはまだ、スローシャッターで対岸の夜景を収めようと一生懸命になれる元気があった。
\ワケェ/

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ザ・諏訪湖(お写真提供 テラジさん)


コンビニに立ち寄って、少し買い物をして、
そのあとどうしたのかはもうスッカリ覚えていない。
多分風呂に入って、すぐ眠ってしまったんだと思う。

さすがに、翌朝、湖の周りをジョギングするような時間も元気もなく……
いつもの旅より少し遅めの朝10時、宿を出て初めて、
向かいの建物がつぶれたストリップ劇場だったことを知ったのだった。

……あと、そのストリップ場の写真をTwitterに上げたら、フォロワーさんからほとんど即座に
「あーw 私らも先々週くらいその宿泊まったw」
と返信があって、皆でちょっと笑った。


次回で終わりです。


 

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2015年12月27日 (日)

■FaceBookは味噌の味~気になる高山・『氷菓』の聖地を巡る・その5~ -更新第1031回-

いやーもうすっかり年の瀬。
年の瀬京子。 ← 言いたかっただけ。

オイサンです。
『ミラクルガールズフェスティバル』ばっかやってます。

他にもちゃんと『うまるちゃん』とか『ガールフレンド(仮)Vita』とかやってますけど、
音ゲーはダメね。すぐ時間経っちゃうね。
音ゲー、あんまり得意ではないのだけども、
ほとんどが知ってる曲・好きな曲ばかりのゲームなので感情移入の度合いがすごいです。
イイ感じでクリアしたときにキャラから届くボイスメッセージにも
ムダに感情移入してしまいます。
遠くで暮らしてる孫娘から手紙貰ったみたいな心境。おじいちゃんか。

  自分の好きな曲のサビをハイテンションモードで迎えると
  (テンションゲージそこそこでサビに突入すると高得点モードになる)、
  これまたムダにテンション上がりますしね。
  ライブという設定なので、観客の歓声とかコールがうるさいけど。

『ぽっぴんジャンプ』くらいのテンポだとわちゃわちゃしないで遊べるので、
なんかずっと、ソロライブモードで『ぽっぴんジャンプ』ばっかやってます。
速過ぎる曲だと、自分が何やってるか分からなくなる。

あと、PVが可愛くて、印象の薄かったアニメ本編への興味が再燃したりしてます。
特に『未確認で進行形』。
いやー、ましろたん可愛い。


……とまあ、そんな話をしつつも、メインの話題は『氷菓』です。


オッサン4人で巡る、アニメ『氷菓』の聖地・高山巡礼2泊3日の旅。
今日はその、2日目の続き。

  ・宮川と橋
  ・バグパイプ(パイナップルサンド)
  ・江名子川周辺
  ・図書館
  ・喫茶去 かつて(一二三)
  ・斐太高校(神山高校)


を巡り、時刻はそろそろ昼下がり、夕刻へと下っていく時間。
ぼちぼちジェントル号と合流し、高山の市内から離れたスポットの拠点攻略へと、
作戦を移行しなければならない時間帯です。

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お話は、斐太高校の前から始まります。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼09:
                  クドリャフカの順番2~氷菓まんじゅうを求めて


「氷菓まんじゅうを買いたい」と、
隊長が至極まともな巡礼っぽいことを言うので、よし分かった買いに行こう、と騎士団は勇んで、
ジェントル号の待つ駐車場へ戻る前に、再び高山の町へ。

これがまた、見つかりそうで、案外見つかりませんでね。なんかRPGのクエストみたいで。
旬を過ぎてたんですかね。
2、3軒、お店の人に「ん?」みたいな顔をされるコトが続いてようやくゲット。
ん? じゃねえよ、豪農・千反田家のご息女謹製のおまんぜうだぞ。

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オイサンも買いましたが、これがなかなか美味しかった。
フツウにお宿で開けて食べちゃった。

マいたってフツウお饅頭なので、
千反田さんの鼻毛とか、摩耶花の爪アカとか、
折木さんのかさぶたとか、入須センパイの唾液とかは入っていないので
過剰な期待はしないように。

  ……今思いついたんだけど、
  中にビターチョコ味のお饅頭が一個と、ウイスキーボンボン風味のお饅頭が一個、
  それぞれ混じってるっていう仕掛けはどうでしょうね?
  『氷菓』っぽくね。

さあ隊長の希望も叶ったコトだし、目指せ次なるスポット。
サラバ高山の町。この、清く水流るる町並みとはここでお別れ。
名残惜しい……。

キチンとした予定があるワケではないけれども、
日の傾きも、何となーく思い描いていた予定より深くなりつつある。
そろそろ出ないと帰りの道、諏訪までの道のりがタイヘンなコトになりかねない。
イヤ大変なことになったんだけど。
「オモシロい事態」は大歓迎だけど、こちとら別に、自らすすんで危ない橋を渡りたいわけじゃないんだ。

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幾分歩調を速めながら大鳥居のたもとにある松井の駐車場へ戻ると、
例のあの番人が待ち構えていて開口一番に言うことには、


「7時間も何やってたのw?」


よけいなお世話だwwwww
何でそんなにフレンドリーなんだよw ヒマかw
それとも、俺らから「こいつらになら絡んでもいいオーラ」が出とんのかw

  ……マ確かに、
  出しなに彼がオススメしてくれたスポットへヒトツも立ち寄ってないのには、
  多少の申し訳なさがないワケではないけれどもだ。
  仕方がない。目的が違うのだ。我ら騎士団には使命がある。
  そんじょそこらのおノボリさんとワケが違うことを理解してもらいたい。

しかし彼が過剰に絡んできたのにはそれなりの理由があって、
なんでも、我らがジェントル号、この日・この時間までの最長駐車時間を記録しておったらしい。
「こいつら、7時間もなに見てんだろう???」と。
マ気持ちは分からんでもない。
その上で、

  番人「○○はどうだった? 見てきたんでしょ?」
  我ら「Non」
  番人「あれ? そうなの? じゃあ××は?」
  我ら「断じてNon」


ですから、それこそ「じゃあお前等は7時間もなにしてきたんだ」というのは、
この町の平和を守る番人からすれば、至極当然の疑問であるかも知れない。
お前ら、何か悪サしてきたんじゃないだろうな、と。
聖なる教団本部のあるこの町でだ。

そしてとうとう彼が言い出したのは、


「……このこと、FaceBookに書いていい?」


お前wwww! おかしいだろwwww
いいけどwwwwどう書くんだよwwwwww

なんなんだ、高山w
千反田さんより面白いヤツがいっぱいだよw
アニメの『氷菓』見ながら
「千反田さんって変わってるナー」、って思ってたけど、そっかー。
高山じゃあれくらいフツウなんだな。そうだったのかー。

  ※※※
  尚、2015年12月現在、彼のFaceBookアカウントは確認出来ておりません。
  ご存じの方は情報、お待ちしております。
  高山の駐車場で番人をしている、50~60代の男性です。
  ※※※




■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼10:
                  連峰は晴れているか2~アルプス展望公園スカイパーク


そうしてFaceBook番人と高山の町に別れを告げ、
次に向かったのは、アルプス展望公園スカイパーク
町からはずれ、車で少し西へ走ったところにある展望公園です。
ここは聖地でも何でもなく、
単純に眺めが良く、高山の町と飛騨の山々を一望できるということで純粋に観光で行ってみた。

  バカヤロウ! おのぼりさん気分か! 聖地巡礼は遊びじゃねえんだ!!
  ご飯もお茶も大変おいしかったです!!


しかしイザ近くまで行ってみると、
教団が異教徒を遠ざける結界でも張っているのか道がチョイ分からず、
どうも車で展望地のそばまでは行けなさそうだ、
急な山道の階段を結構登らなければならなさそうだ、となって、
ヒザに必殺の爆弾を抱えたヒザヒザマンであるところのテラジさんとジェントル号を麓に残し、
まずは三人で、上の展望地まで偵察に上がってみることに。

  これは恐らく、我がジェントル四騎士団の戦力を分散させようとする
  教団の狡猾な謀略に違いないとオイサンは最初から踏んでいましたけれど。
  エエ。



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これだもの。
絶景だもの。
これを……テラジさんだけ見られないというのは、後々ジェントル四騎士団の運営に遺恨を残しかねない。
「どうせ俺だけ、あのとき高山で絶景見てねえもん」
みたいなヒビが、我らの絶妙なチームワークに入りかねない。

  宿の部屋でフッと気付いて見てみると、
  一人はゲームしてるわ、
  一人はアニメ見てるわ、
  一人はiPad眺めてニヤニヤニヤニヤしてるわ、
  一人はなんか面白くもないブログ書いてるわ、
  誰一人、自分以外のことを気にしていないという我々の、絶妙のチームワークが……!!


それではいけない、教団側の思うツボである。
ジェントル4人騎士団は、いつもニコニコ現金払い、
競争や成長と無縁の最強仲良しクラブでなければならない。

バカヤロウ!! 真面目でやってんのか!! 仕事でやってんじゃないんだよ!!
こっちゃ命がけで遊び半分やってんだ、社会人気分持ち込んでもらっちゃ困るんだよ!!
いつまでも子ども扱いしろよ!!
おなか減った!! おしっこ!! ゲーム買って!! 帰りたくない!!

  ……マその希望が随分かなってしまって、
  雁首そろえておっ母さんに叱り飛ばされたり、昨夜はしてしまったわけですが。
  ゴメンよ母ちゃん。

どうにか、テラジさんをここまで引き上げる良い手だてはないものか……
と辺りを見回せば、……なんだ、フツウに駐車場があるじゃない。
どっかから車で上がって来られるんだな?

いま車から降りてきたばかりの手頃な親子連れをひっつかまえて紳士的な尋問にかけたところ、
大体のルートを教えてもらえました。
オイサンだけ進軍ルートをテラジさんに伝えに車まで戻ります。

そんな経緯を経て、めでたくジェントル号もアルプス展望パークに到着。
しばし、思い思いに飛騨の山々と高山の町を眺めたり、お写真に収めたり。
すると遠くの方から、

   バタバタバタ……

と、ヘリコプターの羽根の回る音が小さく聞こえてくる。
見れば、町が背負う山の方からスリムなフォルムのヘリが一機、
小さく空を横切って行くではありませんか。

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さすがにスコードロン……編隊こそ組んではいなかったものの、
コレではまるで『氷菓』後半を代表する名作エピソード、
「連峰は晴れているか」そのものではないですか。


  ■「連峰は晴れているか」……
  ある日の神山高校、古典部の四人が揃った放課後の部室。
  偶然、学校の上空を一機のヘリが通りがかり、
  ホータローとサトシ、二人の中学時代の、ある英語教師の思い出に話が及んだ。

  ホータローはその英語教師は、
  「ヘリが通ると授業を中断して空を見上げに窓辺へ駆け寄るほどの、ヘリコプター好きの変わり者」
  という印象を抱いていたが、サトシに言わせれば、彼にそんな特徴はなかったという。
  サトシはその英語教師のことを「雷に三度うたれたことがある」という、
  嘘ともまこととも知れない、武勇伝でしか記憶していなかった。

  ヘリに異様な執着を抱くことと、そして雷に三度もうたれたという奇妙な経験。
  それらに甘い関連性を見いだしたホータローは、
  二つの点を結ぶ道糸を確かなものにすべく、えるとともに図書館へ向かう。
  ホータローが求めたのは、あの日……英語教師・小木が、ヘリに興味を示した日の地方新聞だ。

  ホータローの推理通りに記事は見つかり、
  また、ホータローが推理した通りのことが書かれていた。
  山での遭難事故と、そして……死亡記事。

  英語教師・小木は地元の山岳会に所属しており、
  山の保護、登山者の安全を推進する活動にも従事していたのだ。
  いかに神山市(『氷菓』の舞台となる架空の町。高山市がモデル)が高地にあるとはいえ、
  雷に三度も打たれるとなると、それなりに特殊な状況に身を置くことが条件となる。
  ホータローはそれを登山と結びつけ、そうすれば自ずとヘリとの関係は導かれた。

  「救難だよ」
  真摯で深刻な面持ちで言うホータローの横顔に、えるは固唾を飲む。

  ヘリが飛んだ、その事実が遭難者の無事を示すものなのか、或いはその逆かは定まらない。
  けれども飛べないよりは飛べた方が、無事の可能性は高まるはずだ。
  小さく、山へ向けて遠ざかっていくヘリを目で追いながら小木がどんな思いでいたのか、
  今更こんなことを確かめて何になるのか--。

  「気を付けなきゃいけないことだからな。
   実際はああいうことがあったのに、『小木はヘリが好きだったなあ』なんて……
   気楽には言えない。それは「無神経」ってことだ。
   さすがに気を付けるさ。……『人の気も知らないで』、っていう感じだ」

  そう呟いたホータローに、えるのかけた言葉は。

  「折木さん、それって、とっても……! 
   ……。
   ……うまく言えません」

  えるの言葉の後を深く追うことはせず、ふたりは分かれ、家路につく。
  えるは何を言おうとしたのだろう?
  そんな思いを大切にするホータローの横顔に何を見出したのだろう。
  えるに記事探しを手伝ってもらったことを思うホータローの前で、
  ほどなく、信号が赤から青に変わったり、物語は幕を閉じる--。




パラパラパラパラパラ……。




白く精悍なフォルムのヘリがどこの所属だったか知らないけれど、
青い空によく映え、なにかの仕事に向かうひどく生真面目な面もちのもののように思われた。
隣で、同じくそれに気付いていた隊長が、

  「『連峰は晴れているか』みたいだねー」

と、ちょっとだけ笑って言った。

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日は傾き、あまりノンビリしていると、宿に着くのが遅くなる。
宿泊地は諏訪。
我々も、このあとアルプスを越えなければならない。
そこへ向かう道中、もう二つスポットを回る予定なのだった。
出発だ。
ジェントル号への向かいざま、振り返った空にはもうヘリの機影はなかった。
昨夜の高山は、ご存知の通り雨。
山の方がどうだったかは知らない。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼11:
                 あきましておめでとう~飛騨一ノ宮・水無神社



ジェントル号が次に向かった先は、
高山の隣駅、飛騨一ノ宮におわします飛騨一ノ宮・水無神社。
ここは『氷菓』本編のお正月・晴れ着回(水着回みたいに言うな)で、
折木さんとえるたそがミッシツに閉じこめられるというエピソードの舞台となった場所。

  ちなみに、そのときに出来た子どもが僕です。
   ↑言うに事欠いてどういう嘘をつくんだ

これがまた大層立派な神社様でありまして、
この日は特別な日でもなく、
また午後三時頃という中途半端な時間だったこともありましてひと気はまったくなかったのですが、
神事や祝い事のある日には大層にぎわっておいでだろうということが想像に難くありません。
それこそ、『氷菓』本編で描かれていたように。

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立派なお社、広く敷かれた参道、よつさんほどではないにせよ、
負けないくらい、大きな大きなご神木。

  このとき一人が、あるお願い事の絵馬をここで熱心に書かれていたようで、
  またそのお願いが、ココの神様にしてみれば
  「お前、それオレに頼む?」
  みたいな中身だったワケですが、どうやらそのお願いも叶えて下さったらしく。
  飛騨の神様の懐の深さが伺いしれます。

  ちなみに、オイサンも……なんだか若干皆さんお疲れが目立つような気がして、
  この先諏訪までの道のりがかつてないハードドライビンになりそうな予感もあり、
  差し出がましいと思いながらもコッソリと旅の安全を祈念するお守りを
  ここで購入したのでした。

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(お写真提供:テラジさん)

色々な気持ちを預けたら、次へ参りましょう。
次の目的地はここからすぐそこ、高山本線の駅を挟んだ向こう側にある、臥龍の桜です。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼12:
                    遠回りするアラフォー2~飛騨一ノ宮・臥龍桜


とてもひなびた感じの飛騨一ノ宮駅。
大通りの側から山の側へと跨線橋を渡って無人の駅舎を通り抜けると緑の公園があり、
臥龍と呼ばれる桜は、その一画にひっそりと、しかし堂々と横たわっています。

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マ実際は横になってるわけではなく、
その幹や枝のあまりに勇壮に延びる様が龍のようだということで
「臥龍」の名をいただいているということですが、
いや納得。

どうしてこういう姿になったのか、
縦よりも横方向に広く幹をのばしている姿は、確かに雲に乗って駆け渡る龍のよう。
時期が時期だけに花をつけておりませんでしたけれども、
春先に爛漫と花をつけた姿を思うと、
この公園に数多人が集ってその姿にため息を吐く、というのも、
なるほど容易に想像がつきます。

『氷菓』TVシリーズの最終話で、
この木をモチーフにした桜があでやかに狂い咲く下で、
さしもの省エネ主義・平穏主義者の折木さんも千反田さんを前にしておかしな気分になってしまったというのも、
頷けるお話です。
春は人間をおかしくしますからね。
気をつけたい。

  ……イヤ、しかしなんだ。
  こうして訪れてみると、本当に「なるほどそれでなのか」と
  心情的に納得のいくことがたくさん見つかりますね。すごいや。
  ……ロケハンをしている制作陣と視聴者側に、若干テンションの温度差が生まれるのは、
  致し方のないところなのかもしれない。

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(下 お写真提供:テラジさん)


アニメではこの桜は、
神山市街から千反田邸のある田園地帯へと向かう途中(つまりオイサンが朝ジョギング中に道を間違えた辺り)の、
小川の畔の畑のハタに生えていることになっていた。
そこはいかにも、日頃は気に留める者のない穏やかな場所のように描かれており、
この場所も、駅と線路のすぐそばとはいえ、
高山線の駅舎は今は訪なう人もなく、しんと冷え始めた薄紅の夕日を浴びて鎮まっている。
桜もいいが、場所もいい。

ひなびマニアのオイサンとテラジさんのアラフォーコンビは、
その静けさにすっかりやられてしまいました。

  なにせこの二人は
  「桜の名所へ、桜の咲いてない時期に行こう!」
  と出かけていって、大抵雨に降られて帰ってくるという、
  なんでしょうか、心が芯から冷えるような遊びが大好きですからね。
  そのうち砂漠とか行きそうですけども。

皆思い思いに、桜の山の麓を堪能したご様子。

……思えば、TVシリーズ最終話のラストシーンを飾った場所が
我らジェントル4騎士団の高山巡礼の最終地というのもまとまりの良い話だ。
らしくないとは思うけれども。

さあ、いよいよ日が傾いてきた。

いい加減、宿を目指さなければここがキャンプ地になってしまう。
原作では折木さんは、この『遠回りする雛』のエピソードの後、
春の寒気にあてられて風邪を引くことになっている。
アラフォーは風邪では済まず死にかねないので、暖かな宿を目指すのです。


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今日の宿泊地は……諏訪!!

続く!


 

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2015年12月26日 (土)

■FACEBOOKは味噌の味~気になる高山・『氷菓』の聖地を巡る・その4~ -更新第1030回-

毎度毎度のオイサンです。


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アニメ『氷菓』の舞台を巡ると見せかけて、
オッサンが好き勝手に旅行するだけのシリーズ第4回目。

お宿・かじ村を出、おっ母さんに紹介してもらった宮川の畔にある駐車場に
ジェントル号を入れようとしたら、
番人のオジサンが思いのほかファンキーだった、というところまでが前回のお話。

今回はいよいよ巡礼本番、
完全に一致班もエンジン全開、巡礼らしい聖地探訪が始まります。

先ずは宮川の川べりをぶらついて、なんとなくですが高山の雰囲気に再度カラダを慣らします。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼02:
                      手作りチョコレート事件~宮川近辺をめぐる


ジェントル号を置いて歩き出す、
まずは手近なところで、と宮川沿いのそれらしいスポットを拾いつつ、
バグパイプへ向かおうという話になった。

  ……特に段取りとか、無いワケです。ジェントル四騎士団には。オトナだから。
  計画とか、ない。

しかしそうでなくても、空はこれ以上ないというくらい青く晴れて広がり、
目の前を流れる宮川の、広く大きく、清く穏やかなことでしょう。
ここを離れてさっさとどこかへ向かおうと企んだとしても、
それは無理な相談というものです。
目を奪われずに済むわけがない。

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天気の良さがこの流れをより一層澄ませて見せていることに疑いはないけれど、
それにしても、
たったいま、飛騨の峰の空の近いところから溶けて流れ降りてきたような、
この水の清さ、滑らかなことは一体どうだろうか。
驚くばかりだ。

勿論、ただ川ばかり見ているわけでなく、
ほとりに立ってさっと見渡すだけでも見覚えのある眺めがいくつも見つかる。
オープニングに現れる弥生橋や、
『手作りチョコレート事件』の回で折木さんが、雪の降る中、
里志に対してらしからぬ男っぽさを垣間見せる不動橋
これまたオープニングでちょっとだけ現れる、流れの中に沈んだような石造りのオブジェクトなど、
この周りだけでもちょっと見所が多い。

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不動橋

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弥生橋

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流れの石段


その辺りの完全に一致スポットを把握しているのは
隊長とよつさんの完全に一致班のお二人で、
テラジさんとオイサンののんびりアラフォーチームは、どちらかといえばぼんやりと、
ああ、こういう景色の中であのお話は流れていたのねと感じるくらいだ。

  熱心な完全に一致班の二人。この情熱は本当にすごい。
  オイサンなんか、なんぼか場所を調べはするけれど、めんどくさくなっちゃいますもんねw
  だから平気で、朝ジョギングで道を間違えたりする

楽しみ方もそれぞれである。
対岸には、高山名物の朝市の列が延びている。
思い思いの風景を心に留めながら、川沿いを外れて町なかに入り、
足は自然と……バグパイプ、パイナップルサンドへと向かう。

折木さんと千反田さん、長き青春のはじまり。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼03:
                       事情あるアラフォーの末裔~バグパイプ


勇んでバグパイプに到着。
「おお、そのまんまだ!」と歓声が上がる。

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なるほど、そのまんまなのか! ← 外観とかあまり覚えていない。
オイサンは朝ジョグの時に外観のお写真は収めているので、
皆さんがひと盛り上がりするのをハタで眺めている。

その外観のシックなことに若干の気後れを感じながら、
さあ、いざ、ドアをくぐってみると……満席でした!


で  す  よ  ね  !


だってこのお店、超目抜き通りの交差点にある上に、超雰囲気良さゲで超目立つんですもの。
時刻は既に11時近い。
朝早くから町を巡っていた人々からしてみれば、ぼちぼち一段落して
あさのお茶のタイミングであるからして至極当然である。
そら大人気ですよ。
我ら四人も、昨日もほとんど前を通たハズなのに、なぜ誰も気付かなかったのであろうか。


  しかし、高校生のくせにこんな店を根城にしてる折木さんはホンマおっさんやな。


しかしさすが、GWに高山を訪れるようなハイソな方々はそのへん高いリテラシーをお持ちだ。
おなかを空かせた感じの謎のかわいいオッサンを中心に、
目つきの悪い巨人が一人
髭面の巨漢が一人
天を衝くようなさらなる巨人がもう一人、
という恐ろしい構成のパーティがじろりと店内をひと睨みすると、

「ソ、ソロソロ出ヨッカ……?」

と、そそくさと席をあけて下さった。
ありがたいことです。おやびん、席が空きやしたぜ。

  隊長 「わーい神席だー」

そう、空いた席というのが、
アニメ『氷菓』原作で、折木さんと千反田さんが座っていたのと同じ場所。
高山の神はなかなか粋な計らいをして下さる。これも我々四人の日頃の行いの賜といえよう。
別に、そっちの席を重点的に睨みつけたりしたワケでは決してない。
隊長もご満悦です。

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しかしこのとき、
お店が混んでいたのでとりあえず邪魔になってはならぬとそそくさと席に着いた結果、
オイサンが原作の千反田さん席についてしまったのは失態であった。
ここは隊長に千反田さん席に着いてもらうべきであったろう。
失敗失敗。
ちなみに折木さん席にはテラジさんが座った。

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しかしなんでオッサンども、揃いも揃っていちごショートよwww(お写真提供:テラジさん)


  ……そんな『氷菓』のド聖地にありながら、
  イチゴショートをつつきながらよつさんの放った
  「ああ、パンになる、ただの甘いパンになる」
  が一番面白かったのは反骨精神に過ぎると言うものだが。
  なぜここで『日常』ネタなのか。
  確かに『日常』は、同じ京アニ売れてないアニメ同盟の同志だけども。


さて十分に一服したら、お店も混んでいることだし次の場所へ向かいましょう。
レジでは『氷菓』のコースターやクリアファイルなんかを売ってます。
一応、その辺で貢献できてはいるのだな。嬉しいことだ。

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(お写真提供:テラジさん)


次は……折木さんが千反田さん邸へ向かうときに里志とチャリで走ったとされる道。
江名子川周辺。
オイサンが朝走った、たいそう美しかった町並みです。
町からはちょっと歩くね。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼04:
                     遠回りするアラフォー1~江名子川のほとり


人の多い中心街からは少し外れ、町の北東の方、江名子川沿いへ向かいます。
朝のジョギングでオイサンが特に理由もなく出くわし、
その美しさに心を奪われて皆さんにもチョイと見て頂きたいと具申したのでした。

しかしこの場所も、実はしっかりと『氷菓』の聖地だったんですな。
どうやら。
はっはっは、とうぜん知ってましたよ?

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どういう場所かは、まずはお写真をご覧頂いてなんとなく。
そう大きくもない江名子川をはさんで、ひなびた門構えの家並みが続いております。
特に作りが古いとか、文化的に意味のあるほどの古さではないですが、
良い意味のつつましさに満たされております。

  あ、いや、家が小さいとか汚いとかいうんじゃないですよ。
  ホントに。

川と道とは結構な高低差があって、道は広くないのに視界が広くて立体感があり、
不思議と広さを感じさせる。
高低差、立体感のある風景は、その中にいてとても楽しい。
高山の町の中心を流れる宮川ほどの包容感はありませんが、
特別ではない暮らしに寄り添ったふうで、
朝、
川べりや、川におりて掃除をされているご老人がたくさんいて、
この日はそういう日だったのかも知れませんけれども、
見ていてとても気持ちが良かった。

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千反田さん

オイサンは旅に出るとよくその先の風景を『ドラゴンクエスト』にたとえるのですが、
……というか、『ドラゴンクエスト』の世界の風景が、
あまりにも「日本のけしき」を凝縮しすぎているのですが、
ここもそれに似ていて、
しばらく川沿いに歩くと川面近くまで降りた場所に公園が設けられていて、
あそこへ降りたらなにかイベントが発生しそうな、
そんな予感のある町並みでした。

オイサンの勝手な気まぐれで提案した場所でしたが、
隊長とよつさんも楽しそうに完全に一致ポイントを探しながら歩いていたので
マ良かったのかなと一安心。
テラジさんとは、
「我々はあそこまで追いつめなくて、『ああ、だいたいこんな感じだったね』
 で終わらせてしまいますねw」
と、先をいく二人を後ろから眺めながらぶらぶらと写真を撮りました。

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上はオイサンの、下はテラジさんのお写真ですが、オイサンはテラジさんみたいな
緊張感のある画角で撮られたお写真が大変好みですね。うらやましいと思います。
トリミングすりゃいいんだけどさ。
(下:お写真提供 テラジさん)


聖地としては地味かもですが、ひなびた場所好きにはたまらない地域なんで
お好きな人は来てみるといいよ。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼05:
               連峰は晴れているか1~図書館~「かつて」に行こう!


「『かつて』に行こう」、

と隊長が言った。
『かつて』とは、原作『クドリャフカの順番』の一連で、
入須先輩が折木さんを連れ込んだ和風カフェのモデルとなったお店。
劇中では「一二三」という名前で登場。

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『氷菓』の聖地巡礼としては、バグパイプと同じくらいはずせないスポットではありますが、
……オイサンは見てしまったのです。
昨日、あのただでさえ広くない古い町並みの通りの出口辺りで、
店からお客をあふれ出させるほどに行列していた、「かつて」の姿を!!

あれは……どうかなー。今日行って入れんのかなー。
バグパイプも一杯だったくらいだしなー。
時刻はお昼の少し手前。
お茶よりはゴハンの時間帯に移りつつあるので、その谷間にうまく滑りこむことが出来れば
巻き込まれずに済むかも知れない。

いずれにしても、途中、図書館を経由して中心街へもどることに。

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図書館。
うーん。本当にアニメに出てきたままじゃないか。
そうと知らなければとても図書館と分からない外観だな。
しかしホレ、しっかりと門柱にも書いてある。「高山市図書館」と。
煥章館は「かんしょうかん」と読むようですな。
「煥章」の意味はワカリマセヌ。もとは「煥章学校」という学校だったらしい。

朝、ジョギングの途中でなにやらきれいな建物があるなと思ってふらっと覗いてみたら、
アニメと同じ建物だったんで、ああここが図書館かと偶然見つけただけ。
ホントによくわからないまま来てるんだな俺はw
それでも巡礼者か!

ム、隊長がトイレから戻ってきたのでぼちぼち参りましょう。

お店の前まで来てみると、奇跡的に「かつて」前に行列は見あたらず、
待ち時間なしで入店出来ました。
さすが隊長、ミラクルを呼び込みます。ザッツミラコゥ。
しかし残念ながら、4人席には空きがなかったので2―2で分かれることに。

  ちなみに作中で描かれるお店の様子は実際とは少し違っていて、
  「1階にあるお座敷風ブースが2階にあることにして、
   ちょっと隠れ家的な雰囲気を演出した」
  みたいなことを、BluーRayのコメンタリーで監督がおっしゃってました。

お二階席の、通りに面したカウンター席でゆたりとお茶。
ちいさなあんぱんにお抹茶のセット。
……むう、このうまさ。神懸かっておるわ。神に愛された町よ。
格子の窓から垣間見る人並みにも、景色が歯抜けになることで不思議な味わいが生じる。
乳母車の若夫婦、ハイカラな老人のカップル、サングラスの外人さん。

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隊長とよつさんは、何の話をしているのだろう。
なんか結構重たメの甘味を召し上がっておられた様子ではあるが。
甘いもの大魔王と、何でもよく食べる大魔王のコンビだからなーw


 ♪ チュロス一つで呼ばれたからは それが私のご主人様よ~。っとくらあ


サテ、さっきもバグパイプでケーキを食べ、こんな時間にまた甘い物をお腹に入れてしまった。

……こうして4人は順調に昼ゴハンを食べるタイミングを逸して行くわけですが、
まさかそのことがあとあとの行程をよりスパルタンに変えてしまうことを、
このときの4人はまだ知らずにいたのです……。
要するに、
昼メシ食わないまま、
高山~諏訪の4時間あまりのドライブをたんのーすることになってしまったのです……

今バラすことでもないのですが引っ張るのとかメンドクサイので
今言ってしまったのです……。

それはさておき、次行きましょう次。
次は、オープニングや本編中に登場する、町なかのおかしなオブジェクトや、
こまごました場面巡りです。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼07:
                        クドリャフカの順番1~町なかを巡る


で、ごめんなさい。

正直オイサンは、その辺のコマゴマしたオブジェクトそのものに強い関心はなかったので、
気に入ったところでは何もないところではシャッターを切ったし、
面白くなりそうなところであればそのモノを撮ったりしてたんで、
この辺、あんまり順番をよく覚えてませんw ホントにお前何しに行ったんだw

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鍛冶橋のたもとでわき水を飲んだり、謎オブジェクトを撮ったり。
この日は昨日の曇り模様とはうってかわって恐ろしく天気が良く、
5月だというのに少し歩くと汗ばむほどの陽気。
途中チョイチョイ水分を補給するも、
普段からムダに歩き、走りを繰り返すオイサンはともかく、
オイサンの目にはみなさん、ジワジワと消耗していっているようにお見受けした。

えー皆さん、ごくたまにしか役に立つことを言わないオイサンの、
役に立つこと講座の時間です。
他はともかく、よく聞いておいて下さい。
コレ以外は冗談聞いて笑っててくれれば十分ですので。
オイサンの冗談は面白いからちゃんと聞いて下さい。

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旅先で大事なのは、水分と塩分、糖分のこまめな補給です。
コレ大事。ちょう大事。
旅を楽しむには疲労は大敵ですし、何よりも

 「アタマが常に、良い気分であること」

が絶対条件の大前提。
計画とか判断ももちろん大事なのですが、
たとえ無計画で何も変わったモノが見られなくても、判断をあやまって不要の事態が起こっても、
気分さえ良ければ、それは楽しい思い出になります。
物事の端々に目が届く状態にアタマがなっていれば、なんか見つかります。
たとえチェーンのコンビニの中でも、旅先ならではのものが、
少なくとも自分にとってそうである「良さ」を拾うことが出来ます。
そのためには、水と糖分。これだけは必ず適度にとっていきたい。

なんにしてもジェントル四人騎士団は、さすが訓練が行き届いており、
聖地完全一致ポイントや、おかしな看板なんかを好き勝手に収集しており楽しむのが上手です。
みんながみんなそれぞれのペースと内容なのに、全然ケンカになったりしない辺り
なかなかものすごいな、と感心します。



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼08:
                           愚者のエンドロール~斐太高校


途中、おみやげ物屋を物色したりしつつ、町をひとめぐりして川沿い辺りに戻ってくる。

次なるターゲットは、折木さん・えるたそが通う神山高校のモデルとなった
岐阜県立斐太(ひだ)高校。
来年で創立130年を迎えるという、ムダに由緒ある学校です。

飛騨、ではなく、斐太。

「斐太」は、万葉集で「飛騨の国」を意味するというので、その由緒のほどが分かります。
間違ってても知りません。Wikipediaにそう書いてあった。Wikipediaに言って。

あのね、駅から結構歩きますよ。この学校。
折木さんの家(のロケーション)からだと……歩きで30分はかかるんではないですかね。
しかしそれを思うと折木さん、
家のある、町の裏手の神社のそばから市街地を抜け、
毎日この美しい宮川の流れを横目に高校に通う、というのは……
なんとも、なんともな高校時代ですね。

この日巡っていた最中は心が浮かれてしまってそこまで静かに思いをはせることが出来ずにいましたが、
今こうして高校生の自分がその暮らしをしていたと妄想してみると、
なんだかもう、むやみに胸が高鳴ります。

何が起こるだろう? 何も起こらないかもしれないけれども。
ただのありふれた日常が過ぎていくだけかも知れないけれども。
宮川に沿い、テクテクと歩いていく、もしかしたらこの日の俺たちは高校生だったのかも知れない。

「あー見えてきた」

少し大きめの交差点をはさんで川とそれをまたぐ橋が見え、
その向こうにコンクリートの校舎が見えてくる。
初めて見る、そして見覚えのある風景だ。

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そして横断歩道の向こうには、信号待ちをする、どうやら生徒さんとおぼしき半分ジャージ姿のお嬢さん。
今日はお休み、この時間に駅方向へ向かうということは部活だったのでしょうかね。
すれ違いざま思う、
お嬢さん、あなたはもしや千反田さんとおっしゃるのd……


 よつさん 「いますっごいいい匂いした! いますっごいいい匂いしましたよ!」
 テラジさん「(力強くうなずく)した!」



おまえら!! おっ母さん、こいつら叱ってやって下さい!!


 おっ母さん「女子高生の匂いを嗅いだのかッ!!」


斐太高校は、聖地ではありますがモチロンただの高校なので
関係者以外は立ち入ることまかりならん。
はっはっは、校門の外から、指をくわえてワカモノがイチャイチャするのを見ているがいい!
マ今日はお休みなんで、中で学生さんがイチャイチャはしてないと思いますけども、
体育倉庫の中とかは分かりませんけど。

門扉やバス停など、外からでも押えられるそれらしいオブジェクトを押えて、
ここは一旦撤退です。
いかに聖なる十字軍たる我々といえど、
これ以上下手に突っ込むと国家権力とかが黙っていません。

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門の前の道路が放映当時よりも新しくなっていたり、
ハンドボールらしきコートが出来て門に続く通路が少し狭くなっていたりと、
本編から少し時間が経ち、いくらかの変化が見られたものの
ここはオイサンでもすぐに分かるくらいの再現度合い。
そんな学校設備の整いっぷりに皆、「金持ってんだろうなあ」とおかしな感心。
ゲスいw

果たしてこの学び舎から、
未来の米澤先生とか、ひねくれ省エネつんでれ推論モンスターとかは生まれるのでしょうか。
高山のこの独特の、透き通った光あふれる水と空気から育まれる血とさまざまな化学物質は、
ワカモノを、どこへと運んでいくんだろうなあ。
うーん。

自分の学校の校歌にも、薄ボンヤリと、


  地元の空気と山と川に育まれる~♪


的な歌詞が盛り込まれていたけど、
それは実際に、人が育つ過程において決して無視できないファクターだったなあと
このトシになってようやく思う。
どうしてこういうことに、若い頃には気付けないんだろう。
ばかりか、大人に言われても全くピンと来ないのだろう?
大人はそれこそ口を酸っぱくして、切実に、鬼気迫るような思いで、
取り戻せない自分たちの過ちの分まで伝えようとしていたに違いないのに、
……気付けないんだねえ。それがどんなに尊い思いであっても。
ままならぬねえ。
大人はそれを通過してきて知っているから、
どうしても途中で伝えることを諦める……というか、
そういうものだと「正しく」理解しているのだろう。
学校。
そんな場所っす。

さあ、ジェントル号が待っている。
予定では、このあとはもう高山の町を離れることになります。

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(お写真提供 テラジさん)

サテ、また長くなってきたのでこの辺で一旦お別れです。
オイサンでした。


 

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2015年12月25日 (金)

■FaceBookは味噌の味~気になる高山・『氷菓』の聖地を巡る・その3~ -更新第1029回-

みなさんコンバンワ。
おっさんです。

愉快なジェントル4騎士団と行く『氷菓』聖地巡礼、高山の旅。
その2日目です。

前回までの初日は、とりあえず高山に到着し、宿でおっ母さんに対面し、
ラーメンを食べ、町を少し徘徊して
最終的にセガワールドで遅くまで遊んでコンビニでゴハンを買って帰ったら
おっ母さんに怒られた(怒られてはいない)、というところまででした。

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本格的な巡礼は今日ですが、その前に。
ん?
どうやらオッサンの一人が目を覚ましたみたいですよ……?



▲▲△ 水清き高山。2日目 ▽▼▼



■早朝~高山の町を早朝ジョギング

旅先恒例、早朝ジョギング大会~。

イカレた参加ランナーを紹介するぜ! オレ! 以上だ!

同行する騎士団の皆さまにおかれましては、毎度朝からお騒がせしており申し訳ない。
けどやめねえ(信念
現地の皆さまからのご参加も受け付けております
(おるかそんなもん ← たまに走ってる現地の方、おられますけどね

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起き出したのは、5時前。気温はまだまだ低く、冬装備で発進。
単独での斥候任務、朝ジョギングなので目的があるわけではないが、
あわよくば千反田邸があるという設定の地域(千反田邸らしき建物はない)まで行ってみることと、
喫茶・バグパイプの所在地を探しておくこと、くらいが斥候としての任務である。
大体のルートは頭に入れたけど、マてきとーに走りましょ。
そうしましょ。

出がけにおっ母さんとハチ合わせたので元気に挨拶(ビクビク。
帰ったらフロを使わせてもらって良いかお尋ねしたところ、
シャワーにボイラーはつけてくれるらしい。ありがてえありがてえ。

昼ひなかの、観光客でごった返した雰囲気とはまるで違う、高山の町は静謐そのもの。
こちらがこの町の本当の顔なのだろうと思うと身が引き締まる思いです。
マまだ寝起きの顔だけど。

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昨日も通った陣場前から、古い町並みを抜け、
まだ市の立たない宮川の、朝市の通りをテケテケ走る。
昨日大行列だった古い町並みの、喫茶去・かつての前にも当然人っ子一人おらず、
青く小さな鳥が、何がそんなに楽しいのかぴゅんぴゅんと飛び回っていた。
速すぎて撮れぬ。少し落ち着いてはくれまいか。

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宮川沿いに走り、川の分岐で支流側に沿って折れ、
市街部を大きく迂回するように走ると道は自然と南に向かう。
宝橋をわたって、江名子川に名前を変えた川縁に広がる町並みが、
それはもうひなびて趣に満ち、
住まっている人たちからすればナンダコノヤロウってなもんでしょうけど、
狭い路地を抜け出てその景色が目の前に広がったときには、
朝の光の澄んだことと相まって、オイサン思わず変な声出ちゃったよ。
アウウウンン!!

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  聖地巡礼は近隣の住民に迷惑のかからない範囲で、
  いかがわしい行為は慎んで楽しみましょう。千反田えるたそからのお願いです。

荏名(えな)神社の先で川を渡ると道がいくつにも分岐するのだが、ここで道を間違えた。
よくわかんないからテキトーに走ったのですこの人。
おおざっぱ過ぎんだろwww
黙って太い道に沿っていけばいいものを、川に近い細い方の道を選んだものだから、
よくわからない田舎道を延々走って坂を上り、
いよいよ目的地にたどり着かないので
「……マこの辺でいいか」
とタイムアップ。

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果たして、正しい道を走った先には、求める千反田邸にふさわしい風景がひろがっておったのでしょうか。
永遠の謎です。 ← もう一回ちゃんと調べて行け

帰りはひたすら元来た道をたどり、
市街地に近付いたあたりで朝ゴハンの時間が近付いていたので直に宿へ向かうコースに変更。
それが奏功した。
何だか綺麗な建物があるな、とちょっと寄り道したところ、
『氷菓』のエピソード、「連峰は晴れているか」で登場したあの図書館だった。
おお、偶然見つけてしまったぞ。さすがオレ、優れた斥候スキルだ。

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  この日はもう一つ、「連峰は~」を想起させる風景にたまたま遭遇するのだけれども
  それはまた後のお話。

さあ、そろそろ完全にタイムアップ。
急いで帰らないと、かじ村の怖いお母さんに

「朝からこんな時間まで、どこほっつき歩いてた!!
        コンビニか! コンビニに行ってたのか!!」


とかドヤされて朝ゴハン抜きにされてしまいかねない。
ひい。堪忍してカアちゃん。


  ※お宿かじ村にそんなサービスは用意されておりません


あとはまっすぐ宿へ戻るだけ……とペースを上げようとしたところへ、
ふっと兆す違和感。何か忘れている。
そうだ、バグパイプの場所。これを確認して帰らないと。

  「バグパイプ」は高山に実在する喫茶店で、
  アニメ『氷菓』では、主人公・折木奉太郎さんとヒロイン・千反田えるが
  初めて学外で落ち合い、その後の関係を確実な物にする重要な場所で、
  作中ではパイナップルサンドという店名で登場する聖地中の聖地。
  いわばド聖地です。

くそう、バグパイプ! 一体どこにあるんd……あ、あった。
ちょっと振り返ったらそこにありました。

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場所は鍛冶橋のたもと、交差点の一画。
こんな人通りの多い場所、日が昇ればすぐに人群れに埋もれてしまうのだろうから、
人影のない今のうち、たっぷり写真に収めておこう。

サテ、おっ母さんにドヤされる前に、さっさと帰りましょう。
テラジさんも起きて待っているに違いない。



■朝ゴハン。ただならぬ香気

無事宿に帰り着き、
やさしいやさしいおっ母さんにシャワーを借りて部屋へ戻る途中の廊下で、
オイサンは、宿中がただならぬ香気に満たされていることに気付いた……
っていうか、お宿中、イイ匂いでいっぱい。

ナンダコレ……朝ゴハンの匂い?

とても朝ゴハンのものとは思われぬ、高らかなる香気。

あまりの異常事態に急ぎ部屋へ戻り、隊員たちに警戒を呼びかけるのも斥候部隊の大事な役目。

 

 
  オイサン「気をつけろガス攻撃だ!! やつら、夕べのコンビニ飯を根に持って、
       俺たちを一網打尽にするつもりだ!!
       (訳:宿中、朝ゴハンとは思えないすっごいイイ匂いが充満してます)」

  テラジ 「……まじっすか」 ← つうじた
 

 

ホントにガス攻撃だったら死んでた。ムグンファだったら死んでた。
そのくらい、朝ゴハンとは到底思えない、
味わったことのないほどの香ばしさが宿中を満たしていたのです。

  ※この間、
    よつさんがなかなか起きないとか、
    
部屋のカギが全然ちゃんと閉まらないで十分くらいかかるとか、
    色々ありましたがさすがに割愛。


香りの正体は……じゃじゃ~ん! これでしたっ!(アホなグラビアアイドルのブログ風)

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ほおばみそ~!!(猫型風

な、なんじゃこら……。
うめえ……。

まあ真面目に言うとですね、これがものすごかったです。
更にぶっちゃけると朝ゴハンはほぼ、ご飯とコレだけみたいなモンですけれども、
コレだけでも4、5回昇天出来るくらい、おいしい、香ばしい。

これはもう、お味噌のボヤ騒ぎやー(ワリと旬を過ぎた芸人のモノマネ

  彦麿さんは芸人ではなく元はアイドルの出身です
  (松来未祐90'sアイドル大事典より)。

お味噌汁やらお漬け物やら、他のものも実にこう、なんというのか、
土の味の濃い、どっしりした味のものばかりで美味しかった……
ハズ、なんですけれども、もうね、コレの記憶しか残ってないくらい、
この人の存在感は群を抜いていた。

あと、お米がおいしい。ゴハンが異次元のおいしさ。
異次元のゴハン食べたことねえけど。多分美味しくない。異次元メシ。そうじゃなくて。
お膳についたときに置いてあったおヒツはもう半分くらいしかご飯が入っていなくて、
そちらを食べたときは、実は密かに

「(……そんな感激するほどウマい米ってワケでもないな)」

と思っていたのだけれども、一つ目のおヒツが底をつき、
運ばれてきた二つ目のおヒツのご飯は、食べてみて目をむくおいしさだった。
いやー、びっくりした。


そんなこんなで至福の朝食タイムを終え、恍惚のあまりしばらくその場を動けず
(訳:朝からおかわりし過ぎて動くのがめんどくさくなって)、
そうするとおっ母さんがやってきて

 「どうだ、コンビニのメシとどっちがうまい」

と言わんばかりのドヤ顔すみませんウソです、
お味噌の話や、ゴハンの話を色々としてくれました。

曰く、お味噌はどこの家、どこの宿も自家製で、全部味は違う。
刻み込んであるものや、寝かせ方。うちはうちでやはり独特なのだ、と。
だから、おみやげ物屋で朴葉みそのセットを売っているが、
買って帰ってやったって、同じにはならないのだと。
マ確かにねー。家でも同じになるとは思えないよ。
ワカル。

そんな話から、
飛騨牛のブランドの話になり、高山のまちの観光の話になっていく。

飛騨牛として認定されるには何やら難しい条件をクリアしなければならず、
本当にその条件を満たしているのはごくごく僅からしいのだが、
うち(=かじ村さん)では、その合格ライン一歩手前の味では全く見劣りしないものを仕入れて
安く出す工夫をしている、のだとか。
「だから晩ゴハンのメニューもこの値段でやっていけるのよ」と、
……夕べはコンビニ飯で済ませた我々に何故その話をしたのか
  その真意はさだかではないけれども……
色々と、お宿の裏話をしてくれました。


あと、我々が聖地巡礼を目的で来ていることを知ってか知らずか教えてくれるには、
高山には某新興宗教の総本山があって、
実は一番町が潤うのは、年に一度、その宗教の……なんつうんですかね、
総本山お参りの日があるんだそうで、
そのシーズンにはとても宿が取れる状態ではないのだそうな。

  ウーム……本物の聖地だったのか……。
  いってみりゃバチカン、エルサレムですからな。
  マでっかい寺院があって、そこが観光名所にまでなっているのは、
  事前にガイドを見て知っていたんだけど、まさかそこまでとは思わなかった。
  そうなんだよ、あの宗教、以前斜里(知床の根本)の町を歩いてたときも、
  雪景色切り裂いて突然でっかい道場が出てきたからびっくりしたんだよ。


……という話になったかと思ったら、
今度は宿が取りにくい話から宿の経営の話になり、

「楽天トラベルはねえ、登録すんの不親切なのよ!
 全部自分でやんないとだめ!
 その点、じゃらんは向こうでやってくれるから、ラク!!」


とおっ母さん、宿屋経営・旅行サイトのウラ話でオイサンたちを盛り上げてくれます。
ほほう、トラベルサイトにそんな違いがw!
高山観光情報とあんま関係ないですねw! 超面白いけど!

おっ母さん、話の合間にチョイチョイと
「あたしはねえ、"こっち""こっち"の方が苦手で!」
と、モニタを見ながらキーボードを打つジェスチャを交えてくるので
オイサンてっきり「PC・デジタル関連全般」が不得手なのだとお見受けしながらお話を伺ってたのですが、
お話の終盤、
「けどねえ、今はもう断然"こっち""こっち"が多いね! "こっち"は便利ね!」
と、タブレットをしゃっしゃっとなぞるジェスチャを加えてくる。

……あ、「キーボードは打てないけど、タブレットでやる分にはいける」
って話なんですね。わかりにく。

ちなみに、お宿のネット化やなんかは、
家を出てしまった息子さん……のお友だちのアドバイスに則って進められ、
データ登録なんかもその息子さんのお友だちにお願いしているのだそうです。

  ……コレは一見心温まる田舎エピソードですが、
  その息子さんのお友だち、はてな匿名ダイアリーかなんかで
  「知り合いのPCの相談とかセットアップとかはタダで受けちゃダメだ、
   あとあとめんどくさい」
  とかの記事でバズったりしてないか心配です。

そんな話好きなおっ母さんですが、お話の最後に役立つ観光情報をくれました。
……お前はアレか?
RPGなんかでたまに出てくる、無駄に長いメッセージを最後まで聞かないと
ストーリーの本筋に関わる情報が聞けない系NPCの末裔か?
もしくは番組の最後にならないとプレゼントのお知らせを流さないディレクターか?


 おっ母さん「車でしょ? このあと出るんだったら……ん~、
        もう町ん中の駐車場は埋まっちゃうかもしれないねえ。
        あのね、ここ!(地図を指さし)
        ここに駐車場あって、ここなら……10時くらいかなー、
        その前に行けたらまだなんとかなるかも!
        ちょっと待って」


と、その駐車場料金が宿モチになる紹介状を書いてくれました。
本当にRPGじみてきたな。

 おっ母さん「ちゅうしゃじょうには けいびをしている おとこがいる。
        そいつに これをみせな!
        きっと、ちからになってくれるはずだ」


サア、恒例のお部屋でしばらくのんびりタイムを過ごしたら、
マなんやかんやありつつ(あったハズだが忘れた)出発です。さらばお宿かじ村。
おっ母さんに見送られ、ジェントル号、発進!

  おっ母さん「行ってらっしゃい、気を付けて!」

二度と来るかバーカ! また来るぜ!! また来るまで元気でいろよ!



■シンプル1500シリーズ ザ・高山巡礼01:
                        バンニンの死角~松井駐車場にて


サテ先ずは、ジェントル号をおっ母さんに教えてもらった駐車場まで走らせます。
まちの中心を流れる宮川の、大きな鳥居の足下にある駐車場……
ああ、大きな鳥居は、朝ジョグ中に見たぞ。場所は大体分かる。
斥候部隊の面目躍如だ……と思ったら、
鳥居がデカすぎて、川沿いなら大体どこからでも見えました。

ありがたいことに、駐車場にはまだ空きがあった。
「10時前なら」と言っていた、おっ母さんの見立てに間違いはなかった。
昨日の人出や町なかの渋滞具合では、
10時でも危ないんじゃないかくらいに、慌て者のオイサンなんかは思ってしまってました。

  ちなみにこのあと、町を脱出する際ジェントル号は軽い渋滞に巻き込まれるのだが、
  町なかにある駐車場の案内サインはどこへ行っても満タンだった。
  すげえぜ高山。

ジェントル号を空きスペースに入れると、
ベースボールキャップにジーンズに、空色のシャツをまとった
ファンキー方向に振れたラフさで身を固めた痩身中背の男が、メモボード片手に近寄ってこられる。
なるほど、貴殿がここの番人か。
我々は、お宿・かじ村のおっ母……女主人の使いでやってきた、
ジェントル四騎士団と申す者。ここに紹介状もある。
おっ母さんのサインもあるぞ。

  番人「……?」

番人、軽くぽかーん。
女主人!話が違うではないか!!
なんか話は通ってはいなかったらしいが、
それでも事情は察したらしく、番人、ああ、ああ、かじ村のね、みたいな、
「マ大丈夫だろ」
くらいのノリでシャリシャリと手持ちのボードに処理を始めてしまった。
アバウトだな高山。
そういえば、おっ母さんが言っていた気がする。

  「ここの番人はねえ、飲むとしゃべるのよ。すっごいしゃべる。
   あたしなんかもう目じゃないくらい」


飲み友だちかよw
ていうか女主人、貴女よりしゃべるってコトは明石家さんまよりしゃべるってコトになるが
大丈夫かその評価軸は。

そんな与太話に水を向けてみると


 番人「え、かじ村で? そんなこと言ってた? うそだよ、そんなん無理だよw」


と、若干不名誉そうに謙遜なさる。高山の人はみんな奥ゆかしいなー。

 マこちらとしては、
 高山イチのおしゃべりチャンピオンか誰がなんてどうでもいいけどな!!
 飲み屋の学級新聞にでも書いておくといいよw!

マそんなこんなで無事オクルマも預けることが出来、
すべては良い方向に回っている。
何より……この天気!


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天運は我らにあり。
ジェントル4騎士団、巡礼開始!



……ってところで、一旦切りまーす。



(2日目のその2へ続く)




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2015年12月24日 (木)

■FaceBookは味噌の味~気になる高山・『氷菓』の聖地を巡る・その2~ -更新第1028回-

オイサンです。

アニメ『氷菓』の聖地巡礼で高山に行ってきた話。
その1日目の2回目です。

前回は、高山の町に着いたは良いものの、
町なかでいきなりその日最大の渋滞に遭いお宿に連絡を入れるところまででした。

今回はその続き、一先ずお宿へ向かい、
ジェントル号を駐車場に置かせてもらうところから。
お宿へ連絡を入れたものの、やたらと勢いのあるお宿のおっ母さんに気圧され
「あと15分で着きます!」
と定かでない約束をしてしまったオイサン。

果たしてジェントル号は制限時間内にお宿・かじ村へ着けるのか!?



▲▲△ 高山・一日目。おっ母さん登場! ▽▼▼

果たして、電話から15分以内で着けたのだったか、そうでなかったのか……
恐怖のあまり厳密に憶えてはいないけれども、
高山中心街の渋滞をどうにかやり過ごして「おやど・かじ村」に着いた。

「あれですかね」

一見ただの民家風のこぢんまりとした建物に、堂々とした面構えの看板に、
豪快な字体で「かじ村」の文字。
間違いなさそうだ。

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脇には数台分の駐車スペースがあり、……なんだろうか、おばさんが一人、
入り口の前で待ち構えているのだが、どっしりとした風格。
漂う曲者感。

おっかなびっくり、窓を開けて話しかけてみる。

「あの、先ほどお電話差し上げたジェントル4騎士団ですけども」

「あーあー。お待ちしてましたよ? ええ!
 町ん中、駐車場、もう駄目だった!? 駄目だったでしょう!」


……正直、細かい会話の内容は記憶してませんけども、
なんかこんな感じの会話だったように思う。
このおっ母さん、しょっぱなから色々勢いがある。
若干たじろぐテラジさん。

駐車スペースはあまり広くなく、クルマはどう停めておいたらいいのかと尋ねたところ
あとから来るお客もいるというので
(そうであろう、何しろ他の宿がいっぱいな中、この宿が一室だけぽっかり空いていたのだ)、
なるたけ詰めて、奥へと停めて欲しいというのでそのようにした。

サテこれで一先ず足回りの融通は確保できた。
腹ごしらえをして、近場で回れそうなところを回ろうか、と簡単な作戦会議。

歩き出して肩を回し、しかし、と高い空を見上げて思うのは、
冷やりと冴えた、高山のさわやかな風の冷たさなのであった。



■ヤクが切れた巨人と、えるたそがうなじで作った高山らーめん

宿を出、高山駅を経て、観光の中心街へ向かって歩く。
お土産物屋さんの店先にときどき見つかる『氷菓』のポスターだったりおみやげグッズだったりに
いい感じに目を奪われる。

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とはいえさすが高山さんほど横綱級の観光地ともなると
アニメ作品一本やり、激押し! ……というワケでもなければ、
殊更それを「貴様らの力など借りるまでもない!! 邪道である!」
と邪険に敬遠するでもなく、こういう楽しみ方もあるヨネー、
と一画において共存するような、懐の深さを感じました。

アニメで来た、と言っても居心地が悪いほどでなく、
グイグイおもてなしが過ぎて良い気になってしまうでなく、
とても良いバランスであったと思います。うん、このくらい、ちょうどいい。

  おお、そうそう。
  よつさんが、何やら既に過ぎ去ったと思っていた花粉症を再発して苦しんでおり、
  道中ずっと「薬局! 薬局!」とうなされておったのですが
  そんなイキなもんがあげな山奥にあるはずもなく、
  町に着くや、先ずは薬局を求めてさまようことと相成ったのでした。
  かじ橋のたもとに見つけた一軒のくすり屋で花粉症のお薬をゲット。
  良かったね。 ← その間にソフトクムーリ食べてたひと。


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我々が補給のためにラーメン屋に滑り込んだのが、
いつの間にそんなに時間が経っていたのか、ランチタイム終了の15時直前。
既にゴハンは売り切れで、とりあえず4人ともラメーンをチュモーン。

お店では、若い娘さんと、若くない娘さんと、年老いた娘さんが4人ほど、
甲斐甲斐しく働いておられました。
どれもえるたそです(どれもちがいます

終了ギリギリ滑り込みにもかかわらずイヤな顔一つされず、
なかなか気持ちの良い対応をしていただきました。
オイサンらより後から来たお客さんも、何組か受け入れておられましたね。

高山ラメーンは非常にシンプル、
さっぱりしていながら味は濃厚で、クセのない、万人受けしそうなラメーンであった
……と記憶しております。
東京・横浜あたりのパンチ利いたのをお好みの方にはちょっと物足らないかもしれません。
確か食べ終えたあと、よつさんと
「ご飯があるともっと味が映えたかもしれない」
という会話をしたと思います。
しょっぱかったのかな。
ちょっとしょっぱかったな。

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  尚、宿に戻ったあとで、お店のどの娘さんが可愛かった、どの娘さんがムチムチだった、
  みたいな話にちょっとだけなったのだけども、
  オイサンが「ひときわ無愛想だった娘さんが良かった」などと言ったら
  若干微妙な空気になってしまったことを付記しておく。
  どうせまた
  「(ああ、オイサンはドMだから)」
  くらいに思われていたのだろう。悪かったなその通りだよ。



■雨、陣屋前にて

腹ごしらえを済ませて目抜き通りを少しぶらつきますが、
……人が多い!
まともに歩けない程です。大げさでなく。
決して広くない歩道から、やはり広くない車道に人が溢れかえるほどで、
さらにその車道にも車が滞っている。
すげえな、観光地。小諸とはワケが違う(小諸に謝れ)。

とりあえず、今このメインストリートを攻略することは困難と判断し、
見所の一つである「古い町並み」(ほんとにこんな名前)を通り抜けて、
少しでもひと気のない方へ、いくらか広い場所へと向かうことに。
だってコレだもの。

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人波にめげずに写真撮ってるけど。
オイサンに身近な喩で言えば、天気の良い、秋の日の鎌倉の小町通くらいの混雑。
けれどもこの場所が、今ここにいる誰もにとって旅先であるせいか、
それとも自分のテンションが高いせいなのか、
これだけ人が溢れていてもそこまでイヤではありませんでした。
マとは言っても、あくまで「混雑度合いのワリには」ですけどね。
そら独り占めに出来た方が快適に決まっているさ。

「古いまち並み」を通り抜けざま、
聖地の一つである「喫茶去 かつて」さんの場所を確認しつつも、
この時は前を通過するだけ。
だってすっげえ並んでんだもん。

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  このお店は『氷菓』本編でも重要なお店の一つなので
  明日には是非一休みさせてもらいたい所存なのだけれども、
  明日も入れるのかどうか、不安になる混み具合。
  よっぽどタイミングを上手く調整しないと無理かもだぞ、
  とオイサンの脳裏に深く焼き付いてしまったのですが、
  ハテサテ……高山の女神は、我々を気にしてくれるのか?
  ヒダエルはオイサンたちに興味津々だったけど。
  つーかあいつは、こっちを仲間だと思ったに違いない。
  違うんだぞ、ヒダエル。

古いまち並みを抜け、中橋を渡ると陣屋前。
ここも、高山さんイチオシのメイン観光スポットの一つ。
……ではあるのだけども、『氷菓』的には強くフィーチャーされていないので
ジェントル四騎士団的にはフックがありません。スルー。

さっきラーメン屋さんでゴハンがなかった分なんか取り返そうと、
目についた屋台で飛騨牛串とコロッケをむさぼるジェントル四騎士団。
酒だ、酒を持ってこい! ← 荒くれ者 ← 飲めない
女を差し出せ! ← 荒くれ者 ← 2次元にしか興味がない


わー雨だー。


慣れない荒くれ方をしたせいか、雨がパラついてきました。
マ活動出来ない程じゃなし、もう少し寄り道をしてから宿へ戻りましょうそうしましょう。
小雨のそぼ降る中、次に向かったのは、
聖地の一つである折木さんのお住まいと、そのお向かいにある筈の神社。

  ……予めお断りしておきますが、
  この雨はこのあとも、特に雨足を増すワケでもなくパラついて終わったので、
  このあと、4人がズブ濡れになってオッサンのブラが透けてどどどどこ見てんのよ!!
  なんていうセクシー展開にはなりませぬのであしからず。
  ぱんつは履いたままで結構。



■折木家跡地(跡地ではない)

正直、オイサンは「こんな場所だったっけな?」と思いつつ、
索敵・完全一致班のうしろをついて行っただけなのだけど、
辿り着いてみればなるほど、そこは確かに作中で見た、折木さんのお住まいのあった場所だった。

目印に、丁度向かいにある神社はまるきりそのままで、折木邸の建て物は存在せず土地だけ。
作中での画角とパースのせいか、神社と折木邸を隔てる道幅はもっと広いものだと思っていた……というか、
神社と家の距離感が違ったので、もっと広い場所だと思い込んでいた。
精妙である。

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この時、我々の他にも若者の一団がいたのだけど、彼らは巡礼というカンジではなかったな。
我々のような、宗教的崇高さのカケラも感じさせない卑俗蒙昧の輩であった。
……なに? 飛騨牛串がもう一本食べたい? ちょっとくらいガマンしなさい、アラフォーなんだから。

雨のせいもありましょうが、
表通りの賑わいがうそのような、ひたりと静かな場所でした。
なるほどこんな場所なら、省エネ大魔神の折木さんも湧きそうだ。
聖地らしい、静謐な時間。



■隊長とスピーカー

その後はぶらぶらと町を眺めながら宿へ戻り、部屋でしばし思い思いの時間をすごした。

よつさんは部屋に戻るなり……寝た。
また余分に育って、ブラがはまらなくなっても知らんぞ。

隊長はこのたびの巡礼に備え、聖典(=『氷菓』アニメ本編のBD)鑑賞のために買ってきたという
BDドライブとBluetoothスピーカーのセッティングに余念がない。

  尚、聖典BDBOXはオイサンのお供え物です。

    


しかしこれがまたなんとも……隊長クオリティと言えばいいのか。
一筋縄では繋がってくれないファンキー&ロックなデバイスたちでして。
オイサンの持参したPCにアプリを色々インストールしたり、
繋ぎ方やら設定やら色々苦心惨憺した挙げ句、小一時間かけてようやく映るようになりました。
いやあ、良かった良かったw

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高山の宿でがんばってPCをセッティングするの図


マ隊長、ソレ使って何やったかって言ったら、
『氷菓』ほとんど見ないで、大体★『冴えない彼女の育て方』見てたんだけどなw!
隊長絶賛大ハマリなかだったからw 隊長www
ここw聖地wwあんたいま、絶賛邪教徒ww

テラジさんは……そうして苦心する隊長を、となりでゲラゲラ笑いながら見てたw
運転お疲れ様でしたw
オイサンはチョイチョイ隊長のお手伝いをしながら力のない声援を送ったりしてました。
たいちょーがんばってー。
だってPC取り上げられちゃったからやることなかったんんだもんw

そんな、思い思い過ぎる時間。
いやあ……気の置けなすぎる仲間たちだねえw

そうして隊長のワガママデバイスがどうにか繋がった頃、
よつさんがムクリと起き上がって言いました。
「おなかへった」
自由かw アメリカ人かw
さっきラメーン食べたでしょ。

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うつったーw 下にある鼠色の箱が隊長のわがままスピーカーです。



■ゲーセンで遅くなっておっ母さんに怒られる

サテ、よつさんがご空腹だ。晩ゴハンをどうしようか? という段になった。
特にプランはない。高山まで来ておいて。
失礼にもほどがあるなwもっとときめけよw

宛もなく出かけようとしたところへお宿のおばちゃんが暇そうにウロウロしていたので(失礼)、
適当に、いくつか周辺でおすすめのお店を聞いてみた。
フンフン、なるほど。

近場のお店をアタマに入れて、とりあえずぶらりと外に出る。空模様は未だ怪しい。
「ゴハンの前に、ちょっと行きたいところがあるんですよ」
と、テラジさん。
ああいいですよ、行きましょう行きましょう。


……。



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SEーGAー。

そうそう、高山来たんやったら行っとかなな。セガワールド。
高山の有名な見所の一つです。皆さんも是非お立ち寄りください、セガワールド高山。

……えー、なぜオッサン四人が高山くんだりまで来て、
この巨大ゲーセンに立ち寄ったのかと申しますとですネ、
アニメ『氷菓』本編中で、主人公・折木奉太郎さんとその友人の福部里志さんが、
セガの超名作対戦ロボットSTG『電脳戦機バーチャロン』で対戦する、という
白熱の名シーンがあるわけですが、
その舞台となったのが、このセガワールド高山。
と、いうわけでもないのです。

  あれー? なんでここに来ようって話になったんだっけ……。
  うーん、多分何となく、「ちょっと覗きたい」くらいの話だったと思います。
  長岡行ったときにプラボ長岡とか行ったので、その流れかもですね。

しかしまあ、最近のゲーセンにオイサンの居場所はサッパリございませんで……
もともと、あまりゲーセンに居場所のあるタイプのオッサンではないのですよね。
やると言ってもシューティングくらいのものですから、
彩京さんの『ストライカーズ』シリーズだとか、ケイブものだとかそんくらいで、
あとは脱衣麻雀程度。
レトロなSTGが充実していればそこそこ時間はつぶせますが、
あまりゲーセンでお金をつっこんで夢中になった、という体験がございません。

  一番集中的にやったのでも『怒首領蜂』とか、一番最初の『ホットギミック』とか、『F-ZERO AX』など。
  クレーンゲームも、ほぼやりませんしね。ちょこちょこと嗜むくらいになら色々やりますが。

マそんなオイサンなので、
音ゲーとか大型筐体のカードゲームとか景品系ゲームが主軸になってしまった
昨今のアミューズメントには、ちょっと居場所がありません。

なんとなく小ネタになりそうな『ラブライブ!』のふりかけが景品になっているのを見つけて取ってみたり、
店のところどころに貼ってある『ラブライブ!』の幟のエロさにテレてみたり\キメェ/
何故か一個だけあった『のんのんびより』のこまちゃんぬいぐるみを
テラジさんに取ってもらったりして(彼女か)店内を徘徊。
やがて見る物もなくなって音ゲーの順番待ちテーブルでボンヤリすることにも飽き、
もう一度クレーンゲームコーナーを眺めていたら……
目に付いたのが、
今期隊長超絶推しアニメ『冴えない彼女の作り方』のバスタオルがあるじゃありませんか。
こ、これだ!!



  ~~~数十分前~~~



宿を出る前に誰かが気付きました。

「ここの風呂、バスタオルとか付いてないんじゃ……?」

迸る衝撃。そんなばかな。
柏崎のホテルは、フェイスタオルもバスタオルもお代わり無限だったぞ!?
こ、これが格差! アトミック・ニュークリアマネーの力だというのか!!

  いい加減怒られそうだからこのくらいにしよう。

要するに、お宿・かじ村さんは一応民宿なので、アメニティなどは自前がキホンなのです。
それをこの、イマドキの旅と親切なお宿に慣れてしまったもやしっ子たちは……
すっかり油断し、タオルも持たずに乗り込んできてしまったのです。
聖地に!!


  ---回想終わり---


……とまあそんな事情もあって、オイサンは

「クックック、ここで隊長超絶イチオシアニメ『冴え(ry)方』』のバスタオルを
 こっそり入手して帰還合流すれば、
 オイサンの株も上がって三人のアラフォー男性にモッテモテじゃぜ?」


と思いついたワケです。
まあ結局、取れなかったんですけどね(ぽてちん

オイサンひとりで悪戦苦闘しているうちに
他にやることもなくなって探しにきた3人にアッサリ見つかり、
4人がかりであーだこーだとUFOキャッチャーと格闘するも、

「片側のアームが極端にゆるい。
 アームの先端にセロテープが貼られてて、超滑る細工してある。
 ちょう厳しい。

 つまりセガワールド高山店さん……あなたの仕業です!!

と、体はオトナ、頭脳は子ども!! 真実はいつも一つ!!
なクレーンゲーム名探偵が見抜いてしまいました。
うーむ……皆さん、相当遊んでらっしゃるな。 ← 滅多にやらない人

というワケで、セガワールド高山店さん、もうちょっと易しくして下さい。

厳しさの理由が知りたい。
あと、せっかくなので『氷菓』グッズもいくらか仕込んでおいて貰えると巡礼者に嬉しい。
なんで『ラブライブ!』ばっかしなんだよw
ちょう可愛いじゃねえかよw

そんなんで、隊長のカワイイ子猫ちゃんをお持ち帰りすることは諦め
ゴハンはコンビニで何か買って帰って食べよう、という流れに。

……ああそうそう、上の方で、
「この雨が強まって、ずぶ濡れになったアラフォーの濡れスケ展開などはない」
と書いたな?

あれはウソだ。

ゲーセン出ようとしたら、先ほどまではそんなに強くなかった雨が土砂降りになっており、
絶句する4人の騎士。
目と鼻の先のコンビニへ駆け込んで買い物をしているうちに雨は収まったのですが。
なんなんだ。
デ、ゲーセンでの収穫はこれだけ。

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どうにか雨もやり過ごしほうほうのていで宿まで戻ると、
お宿のおばちゃんの温かいお出迎えが……

  「おかえりー。どう? なんか美味しいもん食べて来……
   (ここでコンビニの袋に気付くおばちゃん

   
コ ン ビ ニ で 済 ま せ た の かッ !!!」


ひい。
一喝されました。
イヤ、別に怒ってたワケじゃないんだけどね。
けど、声デカいんだよかじ村のおっ母さん。すっげえ声が通る。
ガイアさんかよ。

おっ母さんの喝に吹き飛ばされるように二階の部屋に逃げ込んで、
めいめい、コンビニ飯をむさぼるダメな4人のアラフォーの息子たち……。
だべりつつ、
スマホ見つつ、
PCから流れる『氷菓』を眺めつつ……。

  なんか昨日見た『おそ松さん』の光景みたいだな……。
  マ旅行中なんだから、部屋でダラダラしてたっていいんだけど。
  この、「おっ母さんに一喝されて部屋に逃げ込む」っていうシーケンスがよくないねw
  ダメ感満載。

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サテそんな感じで……このあと、特に何かをしたわけではない。
民宿のおフロはさほど広いわけでもないので二班に分かれて浸かった。
くふう、隊長の『冴えカノ』愛が染み渡る湯だぜ……。


  隊 長「あー白樺湖行きたーい」


……おk隊長、ここは高山だ。まずはここを攻略するんだ、
今はここに集中するんだ、いいな?

湯を上がり、部屋に戻って、その後何をしたのだったか……。
とにかくも畳の感触が心地よく、布団が柔らかく、あたたかく、
ああ、なんだか故郷のおっ母さんの顔が思い浮かぶようd……


 「コンビニで済ませたのかッ !!!」


ひい。
ごめんよおっ母さん。

そんな風に意識がまどろみに溶け落ちていく中、
となりの布団で隊長のイヤホンから漏れ聞こえてくる、
メロドラマの別れ話の如き『冴えカノ』のせりふが、いやに鮮明に届いてくるのだった。

 

 
  倫 理 君「だめです先輩、オレには何も言えない。
        オレは先輩の作品に責任は持てないッ!」


  霞ヶ丘詩羽「どうして倫理君!? どうして助けてくれないの!?
        どうして、何も言ってくれないの!!」


  倫 理 君『そんなことまで言わせるのかよ!
        言わなきゃわかんないのかよッ!
        大ファンだからに決まってるだろ!!!!』

 

 

熱いなあ……。おk、おk。
隊長、ここは高山だ……今は氷k……
明日は早起きしてジョギングしy……zzzz。



(2日目に続く)



 

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2015年12月23日 (水)

■FaceBookは味噌の味~気になる高山・『氷菓』の聖地を巡る・その1~ -更新第1027回-

オイサンです。

去る5月の4日から6日まで、高山に行ってきました。
勿論、『氷菓』の舞台めぐりです。


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行程は2泊3日、
メンバーは、銚子・小諸へ行ったジェントル四人騎士団です。

 ▼ジェントル四人騎士団 団員名簿(個人情報)
  ・NOR_kankitsukei:隊長。騎士団なのに隊長。隊長なのに索敵班。かわいい ← ?
  ・teraji800:テラジさん。車輛担当。
  ・yotsuaki:よつサン。補給担当(主に自分に大量に補給する)。あと完全に一致担当。索敵班。
  ・ikas2nd:オイサン。テラジさんの水分・たばこ補給係。ボケもツッコミも両方やります。
        斥候班(早朝に勝手に出ていく)。

ジェントル騎士団としては初の2泊行軍になるので、
団員間の軋轢や愛憎劇など、これまで以上に濃密な人間模様が期待できます。


出会い、別れ! 衝突、和解! 憎しみ! 愛! 嫉妬!
おなかすいた!
ねむい!
コンビニで済ませたのか!!
帰りたくない!
ごはん!
帰りたくない!!
ごはんまだ!?
フェイスブックに書いて良い!?
アルゼンチン! ペソしかないよ!!



▲▲△ 高山、水清き処 ▽▼▼

『氷菓』の聖地という名目で高山を訪れ、何より強く印象に残ったのは、
なんとも清く水が流れている、ということだった。
ひと言では言い尽くし難いけれども、ただ「水がきれい」というのではない。
「きれいな水が流れている」というのでもない。

水が、清く流れている。

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言葉遊びのようだけれども、そうとしか言い表しようを思いつかない。
なんていうのでしょうね、
水が勝手に、きれいなまま流れているということでは終わらない……
無論、水は元から、ひとりでに綺麗であったのだろうけれども、
そこから外れることを、人が人に許さなかった、
人の関わりによって人がそれを穢すことを許さず、
その美しさが、空間的にも、時間的にも、保たれている……
そういうことも含めて、あの町とあの町の水は美しかった。

川面からわき上がった光が町全体を包み込む、そんな美しさのある町だったのです。



▲▲△ 進軍ルート ▽▼▼

目的地・高山はその名の如く周囲を高い山に囲まれており、
また、あとから聞いたところによれば、とある教団の本部が置かれるほどの難攻不落の地形。
地の利をおさえ、よほど計画的に攻めこまなければ返り討ちは必死であろう。
熟考に熟考を重ねた、今回の進軍のルートは以下の通り。

 ●1日目 : ザ・百合ヶ丘 → 相模湖IC → 松本 → 国道158号線 → 高山
   ザ・百合ヶ丘を発ち、みちみち団員を拾い集めながらオンザ中央道。
   松本ICで中央道をおりたら、した道で高山へ。
   松本 ⇔ 高山間は、主に国道158号線と361号線の2ルートがあるが、
   どちらを選ぶかは気分と状況次第。果たして、選択は吉と出るか凶と出るか。

 ●2日目 : 高山 → 国道361号線(インフェルノ) → 諏訪
   高山にて目いっぱい聖地めぐり。
   夕方前には高山を発ち、やはりR158かR361を通って、諏訪湖畔まで戻って一泊。
   最終日のラストバトル(渋滞)に備える。

 ●3日目 : 諏訪 → 地獄
   諏訪湖畔をちょっとだけ巡って、諏訪姫ショップでもちゃもちゃして、帰途へ。
   わが騎士団最大・最強の敵、渋滞との死闘が予想される。

とまあ、大枠だけはあるけれど、キホン細部はいつもの行き当たりバッタリです。
そんななんで、帰りのコトを思うと出発前から、
早速帰りたくない気持ちで胸がいっぱいになりますが。
行かないことには帰りたくないと駄々もこねられません。
行きましょう行きましょう。
行ってから帰りたくなくなりましょう。



▲▲△ 一日目 ▽▼▼

初日、関東から高山までの移動は驚くほどスムーズに行った。
朝6時にザ・百合ヶ丘を出発し、よみうり・ザ・ワールドで隊長を、矢野口でよつサンと合流する。
八王子のあたりで渋滞が発生しつつあるのを察知して、
中央道に乗るのを相模湖ICまで引き延ばしたのが完全に功を奏した。

……なので、面白いコトはあまりない。
毎度おなじみ八ヶ岳のSAで一休みしたくらいである。

八ヶ岳SAでは、いつもお馴染みのベーコンを仕込んだパンを売っていたので、
それにつられてムダにカロリーを摂取してしまった。
ちなみにテラジさんも早速クムーリでカロリーアップ!

軒下にはツバメが憩い……そのすぐそばハチが巣を営んでいて怖かった。
アレ、SAの人は気付いてたんだろうか?
まだ作り始めみたいだったけど……。

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 ▼車中のおとも

道みちの車中のBGMには、テンションアップのために『氷菓』のドラマCDと、
BD/DVDのオマケに入っていたというミニドラマを流してた。

 


『氷菓』のドラマCDは2枚出ていて、オイサンも1枚目は買ったもののヒドかったんで2枚目は手を付けず。
あんまりヒドいんで、聴き終わるやツイッターで
「中学生が左手で書いた同人誌みたいだった」と感想を述べたら、
フォロワーさんから随分とお褒めの言葉を頂いた記憶がある。
まあ、そのくらいの内容だったんだよ。

ただ、BDBOXのコメンタリで、本編の脚本家・賀東昭二が
「BD/DVDのオマケのミニドラマは、僕が書いてて楽しく遊んでます」
みたいなことを言ってたんで、ちょっと気になっていた。

車中で流れていたドラマも、うーむ、これもイマイチだなあと思って聞いてたんだが、
それはなんと、自分が持ってるドラマCDの内容だった……。
1回しか聴かなかったから中身をすっかり忘れてたぜ……。
……賀東さん、もしかしてCDの方の脚本も、アナタが書いてたんじゃないだろうな。

  あ、ちなみにそのドラマを聴いたアラフォーも
  「ホントに中学生の同人誌みたいだw」と言ってたので多分間違いないw

あと隊長、
道行く迷彩柄にやたらと反応しなくても攻撃してきたりしませんよ。
戦争は終わったんだ。もう休んでいいんだ……。



■峠MAX・最速トンネルマスター

先の行程でも書いたように、長野側・松本と岐阜側・高山を繋ぐ道には大きく二つある。
国道361号線と、国道158号線がそうだ。




158号線は松本から高山までの間を、比較的(あくまでも比較的)直線的にむすぶ、
乗鞍岳の北側に位置する道。
現在では、こちらが主な交通の足場として使われているらしい。

一方の361号線は、乗鞍の南側を大きく南北にうねりながら走る、
あなたと私を結ぶ愛のワインディングロード(なに言ってんだ)。
結構最近まで自動車で通行不能な区間があって、そこが整備されて開通したらしい。

「どっちを使うのがいいですかねえ?」
「距離的に短くて便利がいいのはR158 の方みたいだけど、
 案外景色が良くて走りやすいのは、実はR361の方の気がしませんか?」
なぁんて……事前に、ツイッターで呑気に話していたりしたのだけど。

調べてみるとR158の方は、
観光シーズンには渋滞して3時間も動けなかったりしたこともあるらしい。
イヤだねえ、恐ろしいねえ。
まあ当日の様子を見て決めましょう、とか言っていたわけですが、
松本に着くまでコレと言った決め手になるような情報や渋滞があったわけでもなく、
マとりあえず、往路はスタンダードなR158で行ってみましょう、ということになった。



……特段、大きなトラブルはなし。



途中、雨が降って視界が悪かったり、
道全体がトンネルに次ぐトンネルでトンネルを抜けたら即カーブ!
短いS字を抜けたらまたトンネル! トンネル突入の直前で若干幅員が減少する!
トンネル内部で分岐する!

……なんていう、ホントどこのBrightestNights(*1)だ、
と思ってしまうようなトリッキーなコースレイアウトも頻発し、
ドライバーのテラジさんはさぞ神経をすり減らしたことと思いますが、
乗っているだけの身としては、道が混むでなし、気分が悪くなるでなし、
それなりにスリルはあるしで、退屈しない快適な道行きでありました。

  *1『R4』の終盤に出てくる上級コース。
   トンネル内部で幅員が減少してクラッシュしやすいレイアウトにしてある。


   ▼R4 Brightest Night
  


……。



高速をおり、R158に乗ってワリとすぐの段階で3度目の休憩をセブンイレブン・波田赤松店で取った。
そこでシンジ君(アラフォー)を待ち受けていたのは、人類に瓜二つの姿をした使徒だった。
次回、信州紀ヒダンゲリオン第参話「渋滞、逃げ延びたあと」。

この次も、サービス(エリア) サービス(エリア)ぅ!

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で、でかい!
小川町にも似たような奴がいたが……こいつ、仲間か!?

命名。ヒダエル。
道路を挟んで、セブンの斜め向かいに寂しげに佇んでいました。
おヒゲがキュートです。

いや、いいんだけどさ。
こういうの、誰が発案して、誰がGoサイン出すのよw
タダじゃないでしょ、コレこしらえるのも。
ねえ。

  ……創造の使徒:コシラエルのしわざかしら。

農協の若者駆り出したり、自分の農作業の手を止めてやったり、
なさるんでしょう。
とはいえ、まんまとこのケッタイな物体にココロ奪われて足を止めるアラフォーがここにいることもまた、事実。
うずく報道写真家魂を抑えきれず、オイサンとテラジさんは道を渡る危険を冒してまで接近し、
ガッシャガッシャと写真を撮った。
対岸へのもどり、クルマが途切れてくれず道を渡れなくて往生した。
使徒の精神攻撃です。

2015_05_09_07_45_56
お写真提供:テラジさん


  うーん、わしらアレやな、戦場で敵方のオモロイ兵器を撮りに接近して
  帰ってこられへんタイプやな。気をつけよう。

……まあ、行きの道程で、ことさら面白かったことなんかそのくらいです。
退屈だった・つまんなかったと言ってるんじゃない。
ただ、渋滞やトラブルが起こらなかったってだけだ。
大体アレだ、旅行記なのに、目的に着く前に何百行も紙幅を費やす方がおかしいんだ。
さあさあ、そうこうするうちに高山が見えて参りましたよ。



▲▲△ トンネルを抜けると、そこはえるたそだった。 ▽▼▼

やがて、トンネルを抜けるごとに少しずつ、景色から険しさがナリを潜めるようになっていった。
道の左右に田園が広がり、その向こうに民家も見え始める。
ちょっと雰囲気が変わった? と思ったら、
--そこは、もう高山だった。

それからさらに5分ばかり走ると……自分たちはもう、『氷菓』の町並みの中にあり、
そして、渋滞の中にいた。


  ナ  ン  ダ  コ  レ  。


高山到着、そしてまさかの本日一番の渋滞に遭遇。so good.

我々が高山市街にワープアウトしたのが、午後1時30分頃。
高山の目抜き通りは……人とクルマでごった返してた。


 ま  じ  で  か。
 こ   ん   な   に   か   。



いや、こんなにか、ってお前写真くらい撮っとけやって感じですね。
すみません。
リアルタイムのはないので、そのあとの古民家通りでのお写真でお茶を濁しますが、
マこの日はだいたい、町の中心地はどこへ行ってもこんな感じでしたよ。
すごかった。

Dsc1_00048


人通りだけでなく車もいっぱいで、『氷菓』のあの、雨にむせぶさみしげな町並みなんてどこへやら。
さすがに車が全く動かないってことはないけども、一列にかたまってノロリノロリとしか進まなかった。
なめてたわー。
「人が多いって言っても、ちょっとくらいでしょ?」
と思ってました。
大人気じゃないの。

しかし。
さすが我々。
旅慣れています。
エキスパートです。
ワンランク上の旅をご提案です。

これはもう町なかの駐車場はアカンと早々に見切りをつけ、
宿に連絡を入れて早めにチェックインをすませ、クルマだけ宿に停めさせてもらい
あとは足で回る、というプランに切り替えます。
そうと決まれば、超時空通信、セット・アップ!


   Trrrrr、 Trrrrr .....
  

(ガチャ)
オバチャン声「はい、『お宿 かじ村』」
オイサン「あ、もしもし恐れ入ります。ワテクシ、
      本日一泊で予約しているジェントル4人騎士団と申しますが(申しません)」

オバチャン声「ああはいはい、ジェントル4人騎士団さんねー(実際はちがいます)。
         承ってますよー。
どうしたの


  ……お。どうしたどうした。だいぶフレンドリーだな。

  随分とこう、イキオイがあるオバチャンだぞ。
  何万光年隔てていながら、曲者の匂いが漂ってくるじゃあないか。

「あのですね、チェックインの時間をX時でお願いしてたと思うんですけども、
 ちょっと早いんですが、これから伺ってもダイジョブですかね」

「え? あー。ダメ! ちょーっとまだ無理かな?」


  おっと。キタよコレ。良いイキオイよ。
  これまでの幾たびかの旅の中で磨き上げられた、
  オイサンのレーダーが敏感に反応します。


「あ、え、ダメですか? あの、ひとまずお部屋まではいいんですけど、
 車だけ置かせて頂けたらと思ってるんですが、難しいですか」

「ああ、車だけ? そんならダイジョブ。うん。いつ頃着く?」

  良かった。話せばわかるやないか。
  けど、なんだ。随分とキミはグイグイくるじゃないか。
  旅慣れたオイサンもたじたじよ?

「あ、はい、えーと、あと多分……15分くらいで着けr
「はい15分ねー。ほんじゃ私が外出て待ってますから。お待ちしてまーs」

  がちゃん!


「……(ツーツーツー」

……今、外出て待ってるっつったか? そして、自分から食い気味に切ったな。

 テラジ 「どうでした」
 オイサン「……あ、えーと、はい。大丈夫です」
 テラジ 「……。なんか、大丈夫ですか?(何か察したらしい)」
 オイサン「ええ、はあ、ぜんぜん。ワリと勢いあるおばちゃんでした。
      ……あの、15分くらいで着けますよねえ?」

 テラジ 「え? んー……たぶん! たぶん……」
 オイサン「(アレ、着かなかったら怒られるんじゃないか……?)」

オイサンの、なんとなく気が気でない思いをのせ、
ジェントル号は高山の渋滞をかき分けて進んでいくのであった。



……と、
まだなんもしてないけど、導入はこれくらい。
一旦ページを改めます。
次回に続く。



オイサンでした。



 

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2015年12月20日 (日)

■人生が変わる。64が変える。~デジタルのうたが変える人生の話~ -更新第1026回-

ちょっと前、Twitetrにて、
とあるフォロワーさんのフォロワーさんがどこかのエラい人に

「映画には人間の人生を左右する力があるが、ゲームにはそこまでの力はない」

と言われて悔しい思いをし、誰かの人生を動かせるくらいのゲームを作ろうと思ってその道に入った、
という旨のつぶやきをされていた。

フォロワーさんのフォロワーさんも、フォロワーさんもゲームが好きな方で
そのエラい人の言説には反対らしく、そんなことはない! と吼えておられ、
ただフォロワーさんの方はそういう

「人生を変えられる・人生の大事なことを学ばされるようなゲーム体験」

をされたことがない、ということで、若干の戸惑いを覚えてはおられたようだ。



■ここで取り沙汰されていた「ゲーム」が
ボードやカード、TRPGなどのアナログゲームなのか、
ビデオゲームなのか、それとももっと広義のゲームなのか厳密には分からないけれど、
言われようから判断してここではビデオゲーム・テレビゲーム・電子ゲーム、
特に家庭用ゲームのコトだとする。

オイサンもテレビゲーム大好きっ子でゲームには様々な影響を受けてきた方だから、
ていうかむしろゲームにしか影響らしい影響を受けてこなかった人だから、
エラい人の言ったことにはイヤイヤイヤ、ンなことないでしょ、と言いたい方だけど、
こと「人生が変わる」ということに関しては
何が原因だってコロッと起こるもんだと思っている。

それは、ことがゲームだからっていう話でもない。
どんなモンを見聞きしたって、人間の考え方とか、その「人生」ってやつだって何ぼでも変わるでしょ、
というのがオイサンの考え方。

ゲームに限定したって、それが『ドラクエ』だろうが『FF』だろうが
『カラテカ』だろうが『スペランカー』だろうが『スターソルジャー』だろうが
『スーパーモンキー大冒険』だろうが『東方見聞録』だろうが、
8bitだろうが16bitだろうが32bitだろうが、
32bitCPUを二つくっつけて「64bit級!!」って言い張ろうが、
任天堂だろうがセガだろうがSONYだろうがNECインターチャネルだろうが
松下だろうがプレイディアだろうがピピンだろうが、
……いやスマン、プレイディアとピピンはダメだな、
見る人が、見るタイミングで見れば、簡単に変わりますよ、そんなもん。

  『スペースインベーダー』を見ても変わらない人が『CoD』を見れば変わるかもしれないし、
  逆で、『スペースインベーダー』でないと衝撃のない人もあるでしょう。

音楽でも、本でも、ただの景色でも、海でも山でも船でも飛行機でも
虫でも猫でもタバスコでも、生き様でも死体でも、なんだってそうです。
何を見たって、それを見て感じ入る下地のある人間が見れば、変わる。
人の思いや考え方を変える原因として、モノは問われるもんじゃないと思う。

  ただし、全ての人が、どんなタイミングで見ても変わるなんていう奇跡はありません。
  見るべき人が、見るべきタイミングで出会うことが絶対条件で。
  180°だろうが1080°だろうが、コロッと一瞬で変わったって不思議はない。



■またそういう考え方とは別に
「それらの面白さに魅せられて」だとか「それらの技術に衝撃を受けて」でも、
「その道に進んで将来食っていこう!」と考えること自体が
「人生を変える」ことに他ならないし(ていうかそれ以上に顕著な例もあんまりないよね)、
そう考えるのであれば、
「産業」として成立している時点でその事物には人生を変える力が
すでに社会的に、客観的に成立している、と言えるだろうと思う。

ただ、そのエラい人の発言は、「ゲームと映画を力強く比較している」という点から考えて、
32bit機登場前後の話なのではないか? とオイサンは推測しますが、
それ以前の家庭用16bitマシンの……スーパーファミコン、メガドライブの……頃までは、
他のメーカーさんはともかく当時の業界の盟主的存在であった任天堂のトップは、
「所詮はオモチャの一品種、いつ業界がなくなっても不思議はない」
と考えていたといいますから、
もしかするとその時点では「まだ業界・産業として確立はされていない」、
つまり「それを職業として選ぶ人生の変わり方」は、なかったと言える……
かもしれない。

無論、それを求めてゲーム会社に入った人はいたのでしょうけれども。
その頃から既に、名の知れた人たちはたくさんいましたしね。
というか、ちょっと前まで名の知れた人たちというのは
そのころ以前にゲームメーカーに入った人たちばかりだった。

あと、人生の変わり方にも色々あって
上で書いたみたいな「職業として選ぶ」ような意味もあるし、
ゲームのせいで人生踏み外しました、身を持ち崩して今壁の中にいます、みたいなことだって、
「人生が変わった」と言えるでしょう。

たぶん、きっかけになったエラい人の言う「映画で人生が変わる人」の中にも、
そういう変わり方をした人だっていっぱいいるんじゃないでしょうかね。
映画を見てその気になってヤッチャッタとか、
映画業界入ったけど食ってけなくてヤラカシチャッタとか。



■とはいえ、素直にとらえるならば
そのエラい人の言う「人生を変える・学ぶ」っていうのは、
言い方から推測するに、
何かもっと、文化的に人間の心情的な根幹をなすことに関わる考えの作り方
(簡単に「考え方」ということも出来るのだけど、それだと少しニュアンスが異なる)
のことを言ってるのだろう。

たとえば生だとか、死だとか、愛とか。
家族 / 親子 / 兄弟 / 夫婦、戦争 / 平和、罪 / 徳 / 聖 / 俗、お金、
男 / 女 / それ以外の性 / 恋、思春期 / 成熟 / 老い、スポーツ / 宗教 / 文化、
国 / 国家 / 祖国 / 愛国
……ざっと思いついたところで、そんなこと。

その偉い人の言い方に照らせば、
「古くから映画がテーマにしてきたような、様々な人の営みに関する考え方と振る舞い方」
といえるだろうか。

そういう複雑怪奇なことがらについて、
それまでの考えを覆されたり、問い直させられたり、或いは全くなかった視点を与えられたりして、
世の中の見え方が変わるであったり、
より具体的に自分を取り巻く現象をとらえられるようになったりするということを、
「人生が変わる」ということだと考えましょう。

且つ「変わる・変える」というニュアンスから、
「ある程度、その人の人生・人生観が形成されたあとの段階で作用する」
ということも重要ではありましょう。

  ところで、それとは別に思うのが、
  映画をよく見てそこから何かを得た人たちがよく
  「映画から人生の全てを学んだ」みたいな言い方をなさるのは、
  多分その世代に「そういう言い方が流行った」ということがあるんだろうな、
  と思ったりはする。
  今だと、多様化・細分化が進んじゃって、
  迂闊に「人生のすべて」なんて言葉は使えず、使うほど胡散臭い目で見られる世代なので、
  若い人は使わず、「自分はこう思う」という言い方になっていくのだろうと思う。
  個が発信できる時代になってしまって、すぐに
  「自分はそうではない」っていう話が、微に入り細に入り出てきてしまいますからね。
  その辺、今はちょっとメンドクサイ。
  幹の部分の強さが形成されがたい時代ではあると思う。
  その表現の力の強さというのは、あくまでも時代的なものだろう。
  今言われる「人生のすべて」と、その時代に言われた「人生のすべて」は違うものだ。
  同じだとしても、「その人を構成する人生のすべて」ということでしょうね。
  「人の生とは須くこうあるべきだ」と語れる時代がかつてあった、
  ということです。

まあ、なんでしょうか、
そうした「人間が生きていく上で切り離せないものごと」の中には、
比較的変化のゆるやかな、見かけ上変わらないものも多々あるので、
そうしたものごとに関して鋭く切り込んで描いた作品の中には
普遍的な(少なくとも描かれた時代と現代とで変わらない)要素であり、
真理が描かれているものがある、ということは言えましょう。

それら普遍的な要素について、多くの映画から網羅する形で学び取り、思考が形成された、
ということはあっても不思議はないと思う。

そういう風に思うなら、
確かに現代のゲームは表現力が上がっているとはいえ、
それら普遍的要素についてすべて、
それぞれ何かのタイトルで一度でもテーマとして取り込んでいるだろうか? と問われると……
映画と比べたら、ラインナップは貧弱であるかもしれない。

ちゃんと拾い集めたわけではないから正確なところは分からないけれど、
ビデオゲームが基本的に「遊びであること」や「インタラクティブであること」、
はたまた「商業ベースであること」など、
場合によっては広がりや深みの助けになる要素が表現の上で縛りになってしまって、
描けていない・描くことが難しく(遊びと結び付け難い・単方向的でないと伝えにくい・売れない)、
取り込めていないテーマは残されている……かも知れない。

そう考えれば、
「人生を変える」という分野での総合力というか、広範囲性・網羅性において、
ビデオゲームが映画に一歩譲る、という言い方は妥当であるかもしれない。
その分、一点突破の集中性や、一度食らってしまったら二度と抜け出せない根の深さにおいては
勝るとも劣らない、とは……個人的な感想だが、思うけれど。

マきんたまの一つも握りつぶされれば世界の見え方なんて全面的に変わっちゃいますから、
全部の要素を持っている必要もないと思いますからね。
あ、きんたま無い系の人たちをハブる意図はないですよ。



■16bit機以前の世界では
ゲームの世界は人の想像力・妄想力を駆り立てるチカラをより強く持っていたと、
オイサンは思います。

人の心の、「隙間を埋めたい・埋められるんじゃないか?」とその気にさせる点において
8bit・16bitマシンが打ち込んでいく「点」の情報は絶妙な隙間を持っていて、
二つの点の間を線で結ばずにはいられない、そんな魅力を持っていた。

その隙間から湧き出し、読み取ることのできる「夢」は、
人間の人生を変えるのなんかワケもないくらい強い衝動を持っていた。
線や面を描けなかったことが、昔のテレビゲームに力を与えていたのではないか。

絶妙に打たれた二つの点の隙間を自分の心で結んで埋めていくのだから、
そこには主体性が生まれるし、出来上がったものは自分だけのものになるし、
それの結線や埋め込みが「成立する」ということは、大きな承認と成功体験を得るのと同じだ。
ゲームの包容力は底知れなかった。

またそれは同時に、深く深く自分の中へ入り込む作業でもあるので、
やっている最中は案外……自分の何が正しく、何が間違っているのかを
延々問うているような作業でもあって、
正否を認識しつつ、取捨するか、断罪するか容認するかは別問題なのだけど、
知る作業としては結構な力を持っていたと感じる。

32bit機以降、ゲームはより直接的な表現力をもつようになり、
人の妄想力を借りた形ではなく、
直接的な表現力で、映画にも負けない力を持つようになった。

  ちなみに、16bit機以前に、直接的な表現力で映画にも対抗しようとし、
  それをかなりなレベルで実現していた最右翼が『ファイナルファンタジー』あたりだと、
  オイサンは思います。

それは語り手の意図をより鮮明に表現・伝達出来るようになった、ということで……
受け手からしてみれば、情報はより限定的になり、自由度は下がってしまったとも言えて、
受動的に受け取る「人生の衝撃」は大きくなったけれども、
自発的に掘り起こす「静かな衝撃」は、随分減衰してしまったんじゃないかな、とは思う。

それでも、ゲームの持つ
「土台の欠落を自分の持ちモノ(思惟ややり方)で埋めていく」という要素は、
いくらか具体性を帯びてしまって嘗てのものほどの懐の広さ深さはなくなったけれども、
「プレイして初めて完成する」というゲームの特質上無くなりはせず、
テーマがある程度物理的に力を発する空間世界で、
問いかけをどのように受け止め、処理し、振る舞うかということでプレイヤーに委ねられるわけで、
限定的に、より濃密な問われ方をしているのではなかろうか。

作者がより雄弁になってしまって自由度が下がり、
選択的であることが増えたのは皮肉なことで、
作者とプレイヤーどっちが主役かわからなくなることもままある。

そういう風に限定的になるとまた、
「テーマのラインナップ」が重要性を増してくるワケで、
そこが貧弱になりつつある? 今の状況はちょっと残念ではある。



■ちょっととっ散らかっちゃったけど
ゲームに、誰か個人の生き方・考え方・在りようを変えさせる力があるかどうか?
ということについては、全方位的でこそないにせよ十分にあると思うし
(ていうかここを見に来るような御仁は皆さん絶対あると思ってる系男子だと思うけど)、
適正のある人に対するピンポイントのパンチ力は、
他のメディアと比べても群を抜いているというのが、自分の感触です。

自分の例で言うなら、……PS2の『北へ。』が最も大きかったと思う。
ゲームと書き物一辺倒で家から出なかった自分をいきなり旅の世界に連れ出したゲームでした。

他にも心に残るゲームや、考え方・世界の見え方……人生「観」を左右させたゲームはそれこそ数知れず、
『ときメモ』とか『俺屍』『ロマサガ』『マリオ』などなど、枚挙にいとまがありませんが、
どれも「ゲームが自分の軸にあること」を前提にした変化にとどまっており、
暮らしの軸にあったゲームをサブに押しやってしまった、
軸ごとずらせてしまったという意味で、
『北へ。』は自分の中のマキシマムインパクトだった。

  ……と、言い切ってしまうのは、
  感じた衝撃は『ときメモ』の方が大きかったから自分でも少し意外だし、
  ちょっとかなしいんだけど。

無論、体重を50㎏も減らし、
「カラダのつくり」そもそもを変えてくれた『アマガミ』は言わずもがな。
『アマガミ』『北へ。』がマキシマムで、他のゲームたちはその屋台骨を作ってくれた、
そんな感じだろうか。



■題名のない音楽会でゲーム音楽
余談。
先日の『題名のない音楽会』、
植松『ファイナルファンタジー』伸夫さんが出るのをすっかり忘れてて、
ほとんど見られませんでした。

最後の『ゼルダ』だけ聴いた。

バイオリニストの方が「僕の大好きな曲」と言って演奏されてましたけど、
思えば、ああそれがもう当たり前だよな、と思って聴いていた。

だってもう今のお子たち……否、
イマイマならずともオイサンより10年も下のお子たちの家にはきっと、
生まれたときからデジタルゲームがあって、
物心つく頃にはいじっているにちがいないのだもの。

一番初めに、意識的に聴く音楽がゲームの物であっても、なんら不思議はない。

  テレビの番組とかドラマとか映画とかよりも、
  ゲームの音楽って自分のやることに共鳴して鳴るから、
  すなわち自分でコントロール出来てしまうから、
  余計に意識的に聴いてしまうと思うんですよね。
  ゲーム好きのオイサンのひいき目ですけども。

そんな人たちが、例えば大きくなって今クラシックの第一人者になったとして、
そんな彼らがゲーム音楽に偏見をもつか、
くだらない、俗なオモチャの付属物だと下に見るかといったら、
マそういう人もいるかもしれませんけど、
大半の方は、そうではないんじゃないでしょうかね。

かのバイオリニストさんは、
別にゲーム音楽に魅せられて音楽家になったわけではないと思うけれども、
線であり、面であり、立体である音楽に触れ、作り出すことのできる御仁の心にも、
「素晴らしいもの」として「点」の音楽が根ざしていることに、
今回の話のヒントがちょっとあるんじゃないかなー、などと思うオイサンです。



……。



『ゼビウス』は、
敵の出現テーブルがランダムに、あるいはプレイヤーの行動によって変化するゲームだけれども、
なぜかある場面で必ず、一機だけで画面に現れ、一発だけ弾を撃って去っていくタルケンがいる。
彼の出現は固定されている。
タルケンには、有人機である、という設定が与えられている。
あのタルケンのパイロットはなぜ一機で来るのか、
なぜあのタイミングなのか、
あの一発には、何か意味があるのか……。

そんな妄想に、作者に表現の明確な意思があったとは敢えて思わないけれど、
そこに思いを馳せることが出来れば……
また、見え方の変わる世界も、きっとあるんじゃないでしょうか。


▼ゼビウス 1~7面プレイ




オイサンでした。
 
 
 

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2015年12月15日 (火)

■純喫茶「基準」~曲がらない電車を超電磁バリアーで破壊せよ!の巻 -更新第1025回-



  ※題名はこんなん↑ですけど、ワリカシ真面目な話です。



先日ある資料を読んでいたらこんな言い回しに出くわした。


 ・データAには、Bの合否についての判定基準を包含していなければならない。


イマ一つピンとこなかったんでこの文面の意図するところを確認してみたら、
オイサンが「こういうことを言いたいのだろうな」という推測が一応当たっていた。

当たってはいたのだが、文面からはやはりそこを直感的に理解出来ず、
解釈に一手間くわえないと(書き手の意図を汲まないと)本来の意図にたどり着けなかったので、
より平易な文面に直したらどうか? と提案したのだけども、
「その二つの文面の違いが分からない」と、書き手には言われてしもうた。
ハテサテフムー。

サテ上の文面の本来の意図は、


 ・アイテムA'に関するデータの塊Aには、
  アイテムA'が基準B'をクリアしているかどうかを判定するときに
  基準B'に照らし合わせるための値Bが載っていなければならない



ということだったのだけれども。
オイサンの「ピンと来なさ」が何に由来しているかはハッキリしている。
「判定基準を包含して」というところだ。
オイサンの第一次理解では、
「(判定)基準」というのは、「判定のためのクリアラインそのもの」ということに直結する
(それが一般的かどうかはチョイわからぬが)。

例を挙げれば、


 ・A'君は50mを9秒で走る。
 ・50m走の予選突破ラインは8秒である。



という情報があるとき、
「予選突破の判定基準」と書かれると、それは
「予選突破ラインは8秒である」ということそのものを指す、と、直感的に解釈してしまう。
判定の基準、比較のベースとなるのは「8秒」の方だ、と思うから。

 ・判断基準=予選突破のライン=8秒 という情報が欲しいのかな? となる。

ところが最初の文面が意図するところに照らすと、

 ・A'君について書かれた情報Aには、
  A'君が50m走の予選を突破できるかを判定するにあたって
  参照する値を載せておいて欲しい。


ということで、実際に欲しい値としては「9秒(=A'君の走力)」であるので、
一瞬「ん?」ってなるのです。意図と文面がチョイずれてるな、と思ってしまう。

  ただ、最初の文面はA'君に関する情報の話だから、
  欲しいのは「A'君が何秒で走るか」という情報であって、
  「予選突破ラインは8秒である」というより全体的な情報のことではないのだろうな、
  という推測はつくので修正は可能なのだけれども。
  やっぱりそこに、意図を汲むというひと手間が必要になる。

だもんで、文面を

  ・データ塊Aには、Bの合否を判定するのに必要な値
   (=基準と比較するための値)を含んでいなければならない


としたらいかがだろうか? と提案してみたのだけども、
「同じ意味にしか見えないし、クドイ」と言われてしまったので、
おー、そんなモンなのかな、と思ってしまった。

マ用語的・状況的な言葉の揺らぎのあったりなかったりもアッタリナカッタリなので、
一意的な解釈の正しい/正しくないの話ではないのだけど。
自分が細かいのか、言葉の理解の仕方がおかしいのか?
と感じた一幕。

どーなんだろ。



……あーあとねえ、小田急のロマンスカーのアナウスンも、
毎回「ん?」ってなるんだよねえ。
アナウスン。

  「特急券をお持ちでないと、ご乗車になれません」

っていうの。

イヤ乗れるじゃん!

……って思うの。
乗っちゃダメなだけで、乗れるのは乗れるじゃん! って思っちゃうの。
だからってオイサンが券なしでムリヤリ乗るわけじゃないよ?
言葉の意味の上の問題ね。

  「人は殺せません」というのと、
  「人は殺してはいけません」というのの違いだ。
  殺しちゃダメなのはわかってるけど、殺せるよね、殺しちゃダメだけど。

特急券を持たずに乗ろうとしたら乗車口にある超電磁バリアーが作動して
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

……ってなって100%死に至るんだったら、
「特急券をお持ちでないと、ご乗車になれません(死にます)」は正しいと思うよ?
でも、乗れんじゃん! ……って、感じちゃうのよ。
ネタや冗談ではなくね。え? 乗れるよね? ってなる。

「ご乗車を許可できません」「ご利用いただけません」とかなら
「よしその通りだ!」って思うんだけど。

  マその辺、言葉のトゲの問題もあるからそのままの文言でやれとは言いませんよ?
  それはまた別問題ね。

「ご乗車になれません」がNGで「ご利用いただけません」がOKな線引きの感覚には
自分もちょっと、「お? この差はなんだ?」と思うんだけど、

 ・「利用する」=「契約と合意の上でサービスを受ける」

というイメージがあるので、
「特急券を持っていない=合意を成立させていない=(正式な)『利用』ではない」
という言葉の図式が、「(サービスの)利用」という言葉の意味のイメージが、
自分の中で組み上がっているのだと思う。

マこっちの方は、細かすぎる・イチャモンっぽく受け取られてしまうかもなあ、
という感覚はあるのだけど。
それでも直感的には、オカシイ……と思ってしまうのは事実。
上で書いた「基準」の話は、結構な重度で理解が曲がる感じがあるんだけどなー。


……その昔、大阪地下鉄の急カーブ地点で流れる
「電車が曲がります、ご注意ください」というアナウスンに
「電車は曲がらへんやん! まっすぐやん! 曲がっとんのはレールやん!」
という違和感が訴えられて、より厳密に
「電車がカーブを通過します」に変えられた、
という話があった。
この「電車が曲がる」には、オイサン自身はさほどの違和感はないのだけども、
イザこうして修正されてみると、
ナルホドこっちの方がより精確に事実を表していると思わないではないし、
不自然さ・クドさも感じない。
言われて、「そういえば二通りの取り方があるな」と気付くぐらいだけど。




オイサンの感覚も、これと似たようなレベルなのかもしれぬ。

ムウ。奥が深い。
オイサンでした。

アナウスン。 ← 気に入った



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2015年12月 4日 (金)

■Open the Book, Close your Eyes. ~本を開いてそこから目を逸らす -更新第1024回-



 ▼やっぱり本を読まない人はバカなのでしょうか?|オモコロ
   http://omocoro.jp/kiji/66907/


読み方によると思います、以上。
いかにもあたまいいふりしてあたまわるそうな回答。


以下、上の記事の本文とはかなり関係ない内容だけど、
タイトルから触発されて考えてしまったコトをダラダラと。

  別に、読むことを推奨するのでも、読まないことも賞賛するのでもないハナシなので、
  「ほなお前どっちやねん!」という人が読んでもつまらないと思います。

「本を読むという選択肢を持っている人」と
「     〃     持っていない人」とがいて、
それ以外はまったく同じスペックだったとしたら、
持っている人の方により広く可能性が広がるであろう……ことはボンヤリと予測できるが、
持っていないことによって生まれる刺激や信号
(知らないがゆえに考える機会であったり、違った発想や思考過程)もあるので、
可能性の広がり方が変わるだけ、ということも出来る。
と思う。

  何もないところから何かが生まれることはそうそうないとは思うが、
  上で挙げた二例の人たちはどちらも何かを考えようという姿勢の土壌や
  考えそのものの土壌はある程度持っている人たちであることを前提としている。
  「選択肢を持つ・持たない」の解釈をさらに進めて
  「本を読もうとする態度」を持つ人間とそうでない人間の「成育過程」にまで話を広げるなら、
  ちょっとここでは扱いきれない。

上記の二人の人は元が同じスペックで差分が「本を読む」という選択肢の有無だけなのだから、
選択肢を持っている人は、持っていない人と同じ発想を得た上で尚本を読むのだと考えれば、
選択肢を持っている人は、持っていない人+αの結果を必ず得るのではなかろうか?
と、思うは思うが、しかし、
「目の前に本が開いてること・開く可能性があることによって、閉ざされる可能性・閉ざされるもの」
もまたあるのではなかろうか、と考える。
というか、それは必ずあると思う。

本で読んだことを「ひとまず横に置いておいて真っサラに考える」ことは……
「ゼロから何かを生み出す」ことと同じくらい、人間には難しい、稀な才覚だと思うからだ。

マそんなことで、
その人がそもそも何かを考えたり思ったりするクセのある人であれば
(そしてそのような性質が何によって培われるかはオイサンは知らんが)、
「本を読む/読まない」は、本質的には「性質の違う頭の良さ」を分けるだけだ、と思う。

この際、「頭が良い」というのは、
一般的・従来的な意味に阻まれて正確に伝わらなさそうなので、
「頭がかっこいい」とでも言い換えたいところだが、またなんか怒られそうなのでやめておく。
が、マここで言っている「頭が良い」は、
そういう「頭がかっこいい」的な意味だと思ってもらえばいい。

本を読む人とそうでない人で何が違ってくるかといったら
言葉で表現するなら、
本を読む人は、たとえば考えが「広い」「厚い」であったりするかも知れないが、
読まない人は、「鋭い」「深い」であったりするかもしれない。

  別に読む人が「浅い」と言ってるわけじゃないんで、
  しっぽだけ捕まえて煙吹いたりしないように。

話をもっと一般的におとせば、
「本を読む・読もうとする」態度を持っている人が、持っていない人と比べて
「より賢明である」場合は多い、とは、感じるところではある。

……などとまあ、しち難しい感じでえらそうに書いてきたけど、
ホント、考える土壌のある人だったら、
「それが本である/ナイ」に関わらず、様々な刺激に対して何かを考えるから、
……「考えることのやり方」が正しいかどうかってのはまた別問題であるとして……
「頭が良い/悪い」に関係ない、と思うんですよね。

  アタマが悪くたって、思う・考える人は、
  音楽聞いてたって考えるし、空を見てたって考えるし。
  萌えアニメ見てたって考えるだろうし。

  ……イヤ、知りませんよ? それが「正しい」のかどうか、
  ジンルイシャカイにとって価値があるかどうかなんて。
  なんならその人本人にとっても価値があるのかどうかも分からない。
  頭が良いことと、善悪もまた関係ないハナシですしね。

ただ、「本を読む」ことが多くの場合で「思考の近道」になるとは思う。
既に長い時間降り重なった知の層の、どの段階から思考を開始するかを選べるであったり、
材料を増やすであったりを選べるという意味で、
それをすることが既に「賢い」選択肢である、とみなされる場合は多いと思うし、
そのことに異論はない。
それは要するに効率化ですよね。

  そうなると同じ時間でより多彩な思考に取り組め、
  たくさんの結果を出せることにはなるんでやはり本を読む人の方がより賢く見え、
  また「多種」の経験を得るから、やはり広く、厚く、ということにはなるかもしれない。
  ただやはり、多数・多様・多種の結果が「頭の良さ」の証明になるかと言われたら、
  それもやっぱりそうではない、と思う。

賢いことは頭の良さの一部でしかなくて、
ゼロから考えることは非効率で、その意味ではバカのやることではあるのだけども、
そこからでないと見つからない結論もあるわけで、
同じ結論に行きつくにしても、一味違っていることが多いだろうし、
全く同じであっても、その人にとってその過程は価値のあることだと思いますよ。

  考える姿勢・態度があるのであれば、それはもう概ね「頭はいい」んであって、
  「本を読んでる・読んでない」は、土台、思考の出発点をどこに置くかって話だ。
  無論、さまざまな前提を必要とする話をするのであれば
  それを得ずにその話の場に臨むべきではナイし、
  知らないことによって他者とのインタフェースが滞る場合もあろうけど。
  そして「前提話が通じない」場合、その人は多くの場合「アタマが悪い」に分類されるが、
  それは案外、単純にそういうわけではないだろうと思う。
  ただ「場にそぐわない」だけで。
  そういう意味では「本」が概ね必須の場というのはある。

既存の選択肢を理解した上で、
ゼロから考え直すことが出来ればそれがベストなのかもだけど、
ある曲がり角の存在を知ってしまったために、
その先にある曲がり角にたどり着けないということは往々にしてあるだろう。
それなりの覚悟があるのなら、既存は無視して進むのも良い、とは思う。
マ周りからは話が通じないと嫌われるだろうし、
変人扱いにはなるでしょうけども。

コトは、
「考える」ひとが、
「どういう考え方」を求め、
「どういう結果を得ることを望むか」の問題なんではなかろうか。

本を読まない考え方を望み、
その方法によって得られる、より特殊となるであろう結果を求めたとしても、
そのような結果にたどり着くかどうかは誰にもわからないので、
それは一種の賭けでしかないけれども。
実は、本を読むことでしか、その人の求めた結果は得られなかったかもしれません。

ただオイサンが思うのは、「本を開かない」ことも一つの経験であって、
人間の思考や閃きなんてものは蓄積された経験からはじき出されることがほとんどだ
(と一般的にはされている)ということで、
本を開いた瞬間に「本を開かなかった自分」が永遠に失われる、
ということは、意識の片隅にあってもいいんじゃないか、ということだ。

賢明であることを捨て去る賢さというものが……まあ、あるよね、という感じ。

あー、でもね、
本から得ずにゼロから考えることを選択すると、
社会が求めるところの、年齢なりの年の取り方、まともな成長の仕方は
概ね出来なくなるものと、諦めた方が良いかもしれない。



以上、
なんとなく「読書と頭の良さ」観でした。

よもう! コミックビーム!



 

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2015年12月 2日 (水)

■ほほえみの第2射[Toinen kuori]!!~『ガールズ&パンツァー 劇場版』鑑賞2回目の補足! -更新第1023回-

『ガールズ&パンツァー 劇場版』の2回目を見てきてしまったので、
前回の感想からちょっと進んだ内容、気付いたこと・思ったことを補足しておこう。


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1回目の鑑賞時にゲットした物品



■戦況の情報について

試合の戦況に関する情報が、実は結構な頻度で試合中に提示されていたんだなあ、
ということに改めて気が付いた。

セリフはもとより、観戦モニターだとか、戦場を俯瞰するカット、選手らが手元で書いているメモなど、
色んな見せ方で結構頻繁に提示されていた。

……しかしそれでもなお、
オイサンの目とアタマではその後の展開に繋げて理解出来るほどにはならなかった。
それら提示カットの一つ一つの時間が短くて。
2回目でも、まだ無理。

恐らく、今でも十分長い2時間10分という上映時間におさめるために、
切り詰めて切り詰めて、ギリギリのバランスでこうなっているのだと思う。
そうした戦況説明的カットを映す時間がそれぞれあと0.3~0.5秒ずつ長いだけでも
(そしてそれを継ぎ足すことで随分長さは増してしまうと思うけど)
理解にはかなり近づくのではないだろうか。

  もう一回見たら、いいセンいけるんではないかと思う。

なので、Blurayのリリース時には、是非とも、
縮めたカット・削ったカットをいくらか戻したディレクターズカット版を併録してもらいたいと
強く希求するものである。



■知波単学園と継続高校の「その後」についての希望と妄想

上の説明カット時間が短いハナシと合わせて書いてしまうけど、
知波単と継続高校の参戦は、今回のお話の上では必ずしも必要なファクターではなかった
……と、オイサンには見える。

  あの2校がいないと30輌という大編成の中でキャラの立つメンバーが足らず、
  長い間尺の戦闘で間が持たない・退屈になるとか、そういう都合はあったかも知れないが。
  見せ場を偏らせずに、かつ定期的に差し挟むために必要だったのかもしれない。

  ところで、知波単も継続も、テレビの本編でチョイチョイ、
  その存在と名前くらいはほのめかされていたのね。
  過去に西住どのが練習試合で当たってたとか、黒森峰に負けてた、とか。

  これだけの情報量で、一発でピンと来た人がいたらすごいなw
  マ多分、結構な人数いるんだろうけど、このテのアニメにはww

デ上でも書いたみたいに、
今回の映画ではいっぱいいっぱい血の滲む思いで削ったカット・縮めたカットがあったであろうという状況の中で
「出演が絶対条件ではない人たち」を投入した、ということは……
彼女らにはなんらかの「今後」が用意されていて、
その今後のために今日ここで皆さんにお披露目しておく必要があったんではないかなあ……と、
妄想する次第。

  ……なんだけども、上でチラ出(で)していた過去があると分かってしまうと、
  「過去に存在をチラ出しさせた、その清算」
  として今回メイン級での出演と相成った、と考えた方が自然な気がまたしてきてしまった。
  なんてことだw

しかし継続高校のミカさん? でしたっけ、彼女の言動は魅惑的ですね。
落ち着いて見直すとオイサンには随分刺さるものがありました。

 「この作戦に意味があるとは思えない。だが、協力しようじゃないか」

なんというカッコ良さ!!
彼女の個人的な資質なのかも知れないけど、
フィンランド人の人生哲学に、非常な興味がわいてきますな。

あと、縮めなければならない尺の中でも、
OPであの曲(戦車行進曲・パンツァーフォー!)をバックに
戦車たちがぞろぞろと進んでいくのを真横からのカメラでとらえるシーンを
がっつりと残したのは、イヤハヤなんとも、覚悟の決まったことだなあと
改めて感心するばかり。

この音楽、この一連の謳うところはつまり、
「これから2時間大変なことは起こるけど、
 悲惨なこと、悲しいことは起こらないぞ、起こさないぞ、明るくまっすぐがんばるぞ!」
という作品の宣言であって。
ここを削ったり、変に巻いたりしないで死守するキモの太さは、まことお見事だと思います。


■散りばめられた言動と、風に消されたマホ姉の言葉

最後に、ストーリーに関するいくつかの思いについて。

前回の感想で、

「ストーリーが変わり映えしない、立ちはだかる障害がまた廃校」

と書いた責任上、「では何か、代わりになるような、彼女らに迫りくる障害と立ち向かう絵面」
を思いつくだろうか? と考えてみたところ、
 「廃校に反抗した大洗の面々が学校・学園艦にたてこもり、
  排除の強硬策に出た文科省配下の戦車軍団と大洗での焦土戦」!

……とか思いついたんだけど、
多分一昔前のアニメ業界ならやったかもしれないけど、
それをやったらもうこの作品は死ぬなーとか、我ながら思ってしまった。
大体さっき、上で「悲惨なことは起こさない」って書いたばかりじゃないかw
それこそネウロイみたいな、謎の敵性存在でも出さないと難しいわ。

ほかには、今回2度目の鑑賞で、1度目には気付けずにいた幾つかの言葉遊びやヒントに気が付けた。
けど、そんくらいは一回目に気付いとけよ自分、と言う感じ。
聖グロリアーナの
「もうすぐサンドイッチが出来る(挟撃体制が整う)」とか、
「お茶会への誘い(大洗の苦境を助けに集まる)」とか。
なんてシャレオツな人たち。

そうそう、1年生チームが観覧車をブッ飛ばすシーンで、
「観覧車と言えば?」
「そうか!」

のやりとりだけで合意が取れ、「ミフネ作戦!」と言ってアレをやらかしたのを見るにつけ、
この子らにはそれで通じるだけの共通の元ネタがあったのかな?
と思って調べてみた。

どうやら、スピルバーグの「1941」という映画の中にそういうシーンがあるご様子。
「スピルバーグ 1941 観覧車」とかで検索したら出て来ます。
そういえば試合の前夜に映画か何か見てるシーンがあったような、なかったような?
1年生ズは映画が好きなんでしたっけ?


……そして、ラストシーン。


エンディングテーマとスタッフロールのバックで
西住どの姉妹が、少し楽しげに、すこし寂しげに語り合うシーン。
曲が流れているから二人の声は聞こえない。
暫くのやり取りのあと、ためらいがちに口を開く西住姉と、
それを聞いて少し驚いたみたいにする西住どの……。

初見時は、「コレなに言ってんだろうなあ?」と、サッパリ分からずにいたのだけど。
……自分のニブさに乾杯だ……。
これはハズカシイ。何かしらが読み取れないといけません。

 ま「みほ。その……戻ってこないか、黒森峰に。今のお前なら……」
 み「お姉ちゃん……。ううん、ごめん。私には、大洗のみんながいるから」
 ま「そうか……そうだな。忘れてくれ」

リップシンクとか、尺は合わないと思うけど。
大体こんな感じだろう。
個人的な希望としては

 ま「それにしても、家へは時々帰ってこい」

くらいが付け加わってくれたら……うれしいなあと、
思い入れたっぷりに思うオッサンでした。
デ、この会話が聞き取れた瞬間に、ぶわっと泣いてしまった。
まほ姉のことが随分好きになってしまったよ。


マ大体そんな感じな『ガールズ&パンツァー 劇場版』、鑑賞二回目。
お値段分以上に十分楽しめたと思います。

ともすればミリタリーバカアニメに出来るのに、
そうはせずに頑なに実直スポコンアニメの線を守ってるのが、なんだかいいねえ、
と思えるようになった。

「『戦車道』『学園艦』っていう設定はバカじゃないというのか」
という向きもあるとは思うけども、
設定・世界の吹っ飛び方は作品の住人の責任ではないワケで、
そこに暮らす人々が、現実の我々と近い目線で真面目に生きてる、という意味だと思いねえ。
バカがバカの上でバカをやるんじゃなくてね。


■パンフが良かった+オマケ

前回来たときはパンフレットが売り切れで悲しい思いをしたので、
今回は開場直後くらいに先に売店にだけ行って、確保しました。
(会場08:45、オイサンの見た回13:10~)。

  パンフが手に入らなかったのを嘆いたオイサンのつぶやきを見て、
  名古屋のズベ公に「パンフいる?」と気を使われるありさま。
  ズベ公のサイン入りだったら倍値で買うよ!

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「かなりな数のキャストの一口コメントが載っている」という触れ込みに偽りなく、
読むだけでえらい時間かかりました。
戦車に関するバックボーンなんかも書いてあって
満足感の高い1冊。
そんなパンフレットの一番の突っ込みどころは……

フィンランドの戦車研究家、Jukka Purhonen氏のコメント!

原文ママ(English?)で乗っかってて、
       ナニ言ってっかさっぱりわかんねえwwww

なんで原文ママだよw! 訳せよw!
ご本人の希望、とかなのでしょうか。
だったら別にいいんだけどw どういう意図なんだろう。

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こちらは、劇場で回せたクリアファイルダス(カードダスのクリアファイル版みたいなの)の獲物。
実はまほ姉がダブりました。武部さん欲しかった……。

マそんなんで。
3回目、BD購入も十分視野のオイサンでした。


Photo

忙しいズベ公に無理言って描いてもらった武部さん!
かわいい!


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