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2015年11月 3日 (火)

■つらさも正しさも量れない冷たい天秤

昼メシ食ってたら松来さんが亡くなった。
オイサンです。


不謹慎かもだけど本当にそんな、降ってわいたような知らせで
シゴトバでゴハン食べようと思ってケータイでツイッター開いたら、そんなことになっていた。
TL中、そんな感じだった。


自分はこういうことにはドライな方だと思っていたのだけども、
不思議なもので、
一度気分を落ち着けてオシゴトを進めようとするのだけども、
ちょっと手が止まった瞬間とかに
「あの」「松来さんが?」
という思いとともに首から上、肩から先の力がフッと抜けて進めなくなる感覚に、
午後には繰り返し陥った。
今も休み休み書いてる。


「いや、でも」とか「なんでだ」「わからん」っていう気持ちが背中から順番に上ってくる感じで
手先が落ちる、みたいなことが、気を抜くと起こる。
こんな風になるか。


「なんで」「あの」「松来さんが」、っていう思いが強い。
いまもまだ「え、なんで?」が繰り返し浮かんでくる。
この手のことに、なんでもなにもあったものじゃないんだけど。


元気とか健康とか、よく食べるとか、そういうこともあるけども、
なにより松来さんが、清く無邪気で愛らしい女性だったから、というのが大きいと思う。
病気で療養されていたのは知ってたけど、
影や悲しみとは無縁のところにいたように……少なくとも自分の居場所からは……
見えてしまっていた。

  そしてどうやら、それは近しい立場にあった人たちにとっても似ているようで、
  ツイッターに上がってくるお仕事仲間の皆さんからのコメントには、
  うそだ、信じられない、絶対返って来るものだと、というのが並んでいた。

だから「そういうもの」と縁が出来るには、もっともっともっとずーっと
フツーの人の何倍も時間が必要だろうと、高をくくってたんだと思う。
だってあの人、いつまでたっても生まれたてみたいだったんだもん。


無論オイサンなんかは一ファンでしかなく
なんならファンと名乗ることもおこがましいくらいの薄さしか持ってなくて、
松来さんのコトは必ず一枚、何らかの「お仕事」を通してしか存じ上げない。
松来さんの何でもないし、
ご本人の心や、生い立ちや、日ごろの暮らしの姿を知っているものじゃありません。
こういう風になってしまって、何かがいけなかったのか、
何もいけなくなかったのか、知る由もない。


肺のご病気だった、と聞いています。
肺の病気というのは想像を絶して辛く苦しいと聞きます。
きつかったと思います。
思います、っていうのがもう、お前はわかってない、って言われるのもわかってるくらい
きつかったんじゃないかと想像します。
ほんとにもう、何が何だかわからないくらい。


無邪気とか愛らしいとか、よく知りもしないで書いたけど、
生身の人間ですから、まったく、一切、「わるいこと」(広い意味でね)に関わらないで生きていけるわけもなく、
たぶんきっとご本人は、取るに足らない日々のわるいことや、間違っていたかもしれないこと、
だらしのないことを一つ一つ拾い上げて、
「私はよくないことをたくさんした。だから死ぬんだ」
と、思ったりしたかもしれない。

もっとも願わくば、松来さんがそんな疑いとも無縁に
「自分はちゃんとやった、それはちゃんと届いた」
という思いとともにあったということで、それがあってくれれば
こんなオイサンの文章は無用です。読まれんでいい。
ただこれはちょっと、自分の疑いや迷いを晴らすためでもあるんで、書くのは書く。
あとはまあ、「自分の分」を届けたいがために書く。


3.11のときから思っていたのは、
善人も、悪い人も、「何かあれば」人はじゅっぱひとからげにあっさり死ぬ、ということで、
日ごろの行いがいいとか悪いとか、そんなことにはもう、「何か」はいちいち取り合ってくれない。


もちろん、本当に悪い人にはそれ専門の罰が下るけど、
「何か」が起きた時には人は分け隔てなく死ぬ。
良くても悪くても。
良くても悪くても。
合ってても間違ってても死なされてしまう。
病気はその「何か」の一種、手下みたいなもんだと思う。


松来さんが亡くなったと聞いて本当に思った、
「あんな人がこんな形で死ななければならないんだったら、
 じゃあ一体、人間はどんな風に生きればいいんだろう、報われるんだろう」と、
3.11のときに感じた理不尽な思いが真っ黒になって詰まった。
どうしろってんだと。


けども今回ばっかりは、確信が一つあって、
だから、なのか、それでも、なのかは分からんけど、
松来さんが色んなものを(それこそ本当に色んなものを)削って頑張っていたおかげで、
ぼくは私はオイサンは、
とてもとてもものすごく面白かったし愉しかったし幸せでした。
幸せなことがいっぱいありました。
松来さんが燃やしてくれた色んなもののおかげで、どれだけ笑ったか知れない。
オイサンの、昨日のお昼にいたTLはそんな人たちばっかりだった。今日初めて知った。
昨日のお昼のTLは、ほんとに大変だった。


だから、なんていうんだろうか、
つまり松来さんはなんにも悪くなかったし間違ってもなかった。
良い悪いじゃなく、
ごめんなさい、うまく言えないけども、
じゃあどうして松来さんだけそんな思いをしなければならなかったんだと、
それにはオイサンはまだお答え出来ないんだけど、
ただ、ただ、松来さんが頑張った分、間違いなくオイサンとかTLの面々は幸せだったんだから、
これまでの松来未祐さんを嘆かないでほしいなと、
痛かったり辛かったり苦しかったりしたんだろうし、
何がいけなかったのかと思うこともあったかもしれないし、
それら辛かったことに対してもう何もお返しできないけども、
間違ってなかった、嘆かないで欲しいと、無責任だけどもお伝えしたい。
その生きるやり方は正しかったということをお伝えしたい。
オイサンなんかが言うまでもないことかも知れないけど。
本当に本当に嬉しかったし愉しかった時間が、たくさんあったんです、
それは松来さんがそういう風に生きていてくれたおかげです。


向こうでも愉快で楽しく頑張ってください、ご冥福をお祈りします、
とか、書くところなんだけど、
……むこう、なんていう場所があるのか……
松来さんがこんな風になってしまったおかげで、ちょっともう私にはそれすら信じられず、
そんな仕組みを思いつくセンスのある奴がさまざまのお裁きを仕切ってるのなら
松来さんがこんな風にはきっとならないと思うので
「冥福なんてあるかクソッタレ」
と、今まで、もしかしてとボンヤリ思ってたことが、今日ばかりは口をついた。


だから、なんかもう、そういうのは無い気持ちで書きます。
そういうものがあった方が生きている者としてはいくらかの希望が残ると分かっているし、
もしもあったのなら当の松来さんにも嬉しいことなのかもしれないけど、
奇しくも、松来さんがこういう風になってしまってしまったことが、
そんなセンスいい仕組みはないんだと、自分の中でなんとなく感じられてしまった。


だからもう、ぜんぶ終わってしまった、という確信で書く。


……だってそう思うだろ。
松来さんが死んだんだぞ。
お前おかしいだろって思うだろ。
どこ見てんだ、何見てきたんだって思うだろ。
お前はそれでもあれか、それでも、なんかそういうのをさばく専門家か、
何年のたくってんだ基礎からやり直してこい、そんでやり直せって、ふつう思うだろ。
松来さんだぞ。
あの松来さんだぞ。おかしいだろ。どう考えたっておかしいだろ。


どうしたらよかったんだろう、何がいけなかったんだろう、
あんなにあんなに一生懸命がんばったのに、
そんな風に思ったかも知れないけど、
大丈夫だ、松来さんは間違ってなかった、
なんにも悪くない、
なんにも間違ってない、
最高だった、そう松来さんは最高だった、
けどこうなることもあるんだと、
もう届かないんだけども、なんでそれを一回でもメールで番組やらに送んなかったんだとも思うんだけど、
それだけどーしても叩き込んでおきたくて、
四十のオッサンがこんな風に書きました。


今は亡き松来未祐さんのためであるのはもちろんのこと、
なんだか迷ってしまいそうだった自分のためにも書いた。


大好きだったし大好きだし、昨日のお昼にTLで困ってた人たちはみんなそーに違いない、
だったらそれはもう、本当に間違ってなかった。
亡くなってしまったこと、もうあのなんやかんやが聞かれないことは残念でならないけども
それは結果でしかなくて、
そういう結果になるのは、じゃあどうしたらいいんだ、
あの松来さんですらそうなのにどうしたら正しいんだと、
けどそれはそういうことじゃない、
松来さんは最高だったんだからアレはアレで良かったんだ、
それとこれとはもう、どこかで断絶して、少なくとも人の目には映らない、
あずかり知れないことなのだと知ろう。
疑っちゃ駄目だ、奴らは計り知れない。
だからまあ、なんか、「しっかりやっていく」しかないんだよなあ、きっと。

  残念でならない、という取り澄ました書き方がもう残念でならないのだけど、
  ちくしょう、とか、なんでだ、とか、わからない、とか、
  なんかもう色々なんです。
  おかしいだろ、っていうのが一番かもしれない。

喪失感、というのはあるものだね。
遙か遠くの、面識もロクにない方を失って喪失感というのもおかしな話だと思うんだけど、
オイサンの今年の年末はいくつかの楽しみ事と合わせて例年より穏やかに迎えられそうな見通しでいて、
11月、12月はなんとなく暖かなオレンジ色のイメージでいたのだけど、
すごいもので、松来さんの喪われたことをしばらくじっと考えていたら、
血の気の引くみたいに2ヶ月分のカレンダーが鼠色に変わった気がした。
その先は見えてない。


いま頭の中では、松来さんが存命の暖かなオレンジ色のこの先の時間と、
松来さんのいないグレーがかったこの先とが交互に現れるような感じで、
よく「世界が色を失う」という表現がされるけれども、
あれはこういう見え方のことを言っていたのか、
目の前がバンと白黒に変わるわけではないのだね、
頭の中に描いていた道の先の方に見えるものが、一つのスイッチが押されて分岐して、
その先の道に色がない、ということだったのかと実感している。
自分の感じてる、これが喪失感というやつなのかと、
……いやらしいねえ、心に留めようとしている。


自分の頭の中で、
松来さんがどこかで生きてたはずのこれから少し先の世界と、
そうではなくなってしまった世界の見通しの風景が両方あって、
それが交互に自ずと思い浮かびながら、「差分」をはかって見せてくるようなことが起こっている。
やめてくれんか。


ドライを自覚する、おおむね無縁の四十のオッサンがこうまであわてている、
そのことが多分、松来未祐さんの存在が、生涯のおしごとが、
純白で鮮烈だったことの証しになってくれるんじゃないだろうか。
っていうか、証しにするその隅っこにでも一役買えればいい。


亡くなってしまった方のことはご本人しかわからないので(生きてる人だってそうだけどさ)
あまり憶測で、ああだったに違いないこうだったかも知れないと
美化したり貶めたりするのは良くないんだけど、
書こうとするともう止まらなくなって……良くないね。



なんでもう、そろそろこの辺にします。失礼があったらすみません。



ことさら大げさに書く気もないです。
松来さんが死んでしまった、お亡くなりになったことへの哀悼と、
自分に起こっていることを遺してみたらこうなった。


安らかに、っていう言い方が、松来さんの前では空々しい気がして、
安らかにお休みください、って言いたくないっていうか、
きっとまだ安らかしたくなーーいって思ってるんだろうなと勝手に思うからだけど、
だったらもう安らかに休まなくていいから、出てきたかったら出てくればいいと、
不謹慎なのかもしれないけど、
人が死んでこんな風に色々思うのは初めてで自分でもなんなんだよと思うけど。


さようならです松来さん。
まだ眠くなかったですか。もっとたくさん楽しみたかったですか。
オイサンはまだまだ色々聴いてたかった。
次のクールもその次のクールも、
そういう単位でしか時間を計れない距離からだったけど、
名前を見つけて、「おっ」っと思って再生ボタンを押したり、
「予約する」ボタンを押したりしたかった。
魔界の王子様には会いたかったってラジオで言ってましたね。
それはなんども聞いてます。
残念です。
でもまあ……。
どうなんでしょう。

誰か、知ってたら教えてください。

あとからあとから申し訳ないんだけど、
本当にもう、なんでだろう、なんでだろうばっかりなんだけど。

ふっと、
「なんでこんないい人が」
って思う傍らで、大概の人間は誰かにとって「こんないい人」なんだろうなあと思うと、
生かすことも死なせることも、
誰にあっても公平なのかも知らんね。わかんねえけど。
いま言うこっちゃないな。



謹んで、哀悼の意にかえて。



辛かったかも苦しかったかも知れないし、
こんなことならもうやめたいと思ったりしたかも知れないけど。
松来さんは最高の松来さんでした。
オイサンにとって。
安心してほしかった。そんだけです。

オイサンでした。



 

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