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2015年10月11日 (日)

■焼きビーフンの描く夢~上野の森美術館で『蒼樹うめ展』を見るのこと~ -更新第1007回-

……秋ですね。
オイサンです。

秋と言えば、芸術の秋。
『ひだまりスケッチ』って、美術のマンガなんですよね。

……ここまで読んで、自然に阿澄佳奈さんの声が聞こえてきたあなたは出来る子。
そしてそこから今日の話題がなんなのかピンと来たあなたはやればできる子。

はい、よくできました。
そうです、上野の森美術館で開催されてる『蒼樹うめ展』に行ってきました。

オイサン、多分この美術館に来るのは2度目です。
過去、母に頼まれてピカソ展を見に来たのは、確かここだったと思う。
 1回目:ピカソ
 2回目:蒼樹うめ
だよ。すげえなウメス。

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マそんなことで、うめてんてーの世界に死ぬほど浸ってきたので、
夢のパステルワールドにご案内。
ちょっと刺激が強すぎて、いろいろあふれ出てしまってますけど、いいの。
そういう日記だから。

届かない北斗七星、ひしゃくのドラマ!



■□■ ウメス世界のなりたち □■□



曲がりなりにも美術的な展覧会なので、展示物の撮影はキホン出来ませんでした。
これがフツーなのかは知りませんが。
マ出来なくてフツーかな、となんとなく思う。

なので、先ずは大体の構成からご説明。

展示は作品分類で大きく4部にわかれていて、
その合間合間に純粋な作品展示とはちょっと違った
アトラクション的なお遊びコーナーがはさまってました。

 ▼▽▼ 展覧会構成 ▼▼▽
  1.~4.が、主たる作品展示の流れ、a.~e.が、アトラクション的な展示

  1. 神話前史~うめてんてーが蒼樹うめ先生になるまで
  2. 神、降臨。~『ひだまりスケッチ』の時代
   a. ゆのっち絵描きうたのコーナー
   b. 生原稿掲示のコーナー+ゆのっちの部屋再現コーナー
   c. うめてんてーの原稿が出来るまで(執筆過程を、ビデオで上映)
   d. うめてんてーのシゴトバ再現
   e. うめてんてー・ライブドローイングのコーナー
  3. 『魔法少女まどか★マギカ』の時代
  4. その他のオシゴト



■□■ 総評 □■□



デ、感想。

ものすごい月並みですけども、先ずは個人的に、
「自分はやっぱり『ひだまりスケッチ』が好きなんだなあ」
と、しみじみ感じた。
ウソ。
しみじみでは済まなくて、入り口のところで怒涛のように押し寄せてきて、
いきなり感極まってしまった。

  入場ゲートの前に立ったとき、ものすごい体温が上がって、
  なんかへんな汗がぶあーっと出ました。
  アタマがかーっとなってね……
  オイサンよく分かんねえけど、好きな子の部屋に初めて上がるときとか、
  きっとあんな感じなんでしょうね。
  ……ム。
  でも中学ンとき半分付き合ってたようなコの家に上がった時も
  ここまでの反応はしなかったな……。
  やはり俺の愛は壊れているのか。

もう随分長いこと近くにあるのでよく分からなくなっている部分もあって、
いつか終わるんだろうなとは思っているし、
死ともいえる、作品の停止を既に受け入れてる節もあるのだけど
(一度終わったようなものだし……)、
こうして久しぶりに「改まって面と向かう」機会を設けられると、未だにちょっと緊張してしまう部分がある。
あー、うわー、えーと、何着て行こう? ひ、ひさ、久しぶりやね、元気やった?
……みたいな感じ。

作品群は、しっかりと鑑賞。
オイサンの場合どうしても『ひだまりスケッチ』が中心になってしまいますけども、
「蒼樹うめ」の世界を存分に堪能。

作品点数がどのくらいだったかちょっとわかんないですけども……
(図録を数えるのが面倒くさい)、
見て回るのに、ざっと2時間弱。それも終盤、若干駆け足気味で。
ただし、人がとても多くて、一つの作品を見るのに時間がかかってしまう
(観覧に列などはないのだけど、作品の前に人垣が出来てしまうと見えるまでに時間を要する)
こともあったので、そういう時間も含む。

あと、充実のガイド音声端末。
総収録時間、35分。
うめ先生ご自身と、ゆのっち役のアスミンと、まどか役の悠木碧さんが出演
(って言っていいのか……)されており、
一人での解説はもちろん、二人・三人でのおしゃべりで展開するという
美術展の音声ガイドと思えない構成でこれまたサービス満点。
よくやったなこれも。
入り口で借りられる。\700ナリ。
ただコレね、コレはコレで面白いんだけど、
作品を集中して見るには若干、うるさいかもしんないw
イヤ、聴き終えてからゆっくり見ればいいんだけどさ。
人も多くてあんまり立ち止まってもらんないし、鑑賞の環境は、あまり良くなかったと言える。
もったいない。



■□■1. 神話前史~うめてんてーが蒼樹うめ先生になるまで□■□



てきとーにゴツいタイトルにしましたけども、よーするに
『ひだまりスケッチ』以前、それも幼少期の作品から、プロ手前・美大での習作などが展示されてた。
小学校の時の謎の版画(6段の跳び箱を飛んでるがなぜか「5」の段がない)とか、
ゴジラっぽい怪獣を塗ってあるが、何故かレインボーとか。

  そしてそのレインボー怪獣をあしらったグッズが物販でソッコー売り切れてるあたり、
  蒼樹うめファンの「分かってる」具合がすごい。

お習字の作品とかね。
確かに、「蒼樹うめ」のルーツ過ぎるルーツを探るには重要な展示であるとは思う。
しかしうめてんてー、そのレインボー怪獣を自ら
「本展覧会の中で一番ハイセンスだと思う」
と言い切ってしまうのはどうなんだw
そんなだから売り切れちゃうんだろw!



■□■2. 蒼樹うめと『ひだまりスケッチ』□■□



オイサンの『ひだまり』との関わりはアニメ第1期開始からなので、
原作2巻が既に出ているくらいからのお付き合いですし
(それでも今のファンの中では前半分には入るくらいの古さだとは思うけど)、
「まんがタイムきららCarat」本誌も追いかけてるワケではないので、
『ひだまり』一つに絞っても、見たことのない絵・関連作品は多数。
また、展示にはかなりの割合でてんてー直筆のキャプションが付けられており、

  「わー、知らない絵だ!」
  「おー、知ってる画だけど元はこんな感じなのか」
  「コレ描いた時、てんてーこんなこと考えてたのか……」


の様な、発見はたくさんあった。
反対に、思い出すことも幾つか。

今でこそ宮子スキー・なずなスキーな私ですが、
今回、等身大抱き枕カバーが展示されているのを見て、
そういえば『ひだまり』で一番最初に好きになったのはヒロさんだったなあと思い出した。
ヒロさんのちょっとまくれ上がったスカートから除く、
他の3人(+1)と比べると明らかに「ぽちゃむちっ」とした太ももに、
ナゼか記憶が呼び覚まされた。
ナゼそれを見て思い出したし。分かんねえけど。

  どーでもいいけど、うめてんてーは「ぽちゃむち」を描かすと
  ものすごい火力を発揮しますね。
  今回の展示では、そんな絵ヂカラも再認識しました。
  すごかった。
  一度、渾身の力でつきたてのお餅を描いて、サトウ食品あたりにプレゼンしてみればいいんだ
  (おかしな提案をするな)。

またオイサンはコミケにも行かないタチなので、
コミケで売られるようなグッズとか、イラスト集に載るような画なんかとも面識がなく、
「ぎゃーなんだこれ!」
ってなるようなのも多々。
特に、背景までびちっとキマったイラスト集の絵なんかは見た瞬間へんな息がもれてしまいました。

  TwitterのTLでおなじみのアイコンの元絵も発見w
  あの人のあのアイコンが、原作2巻オマケの限定カレンダーのものだったとは……。
  全然知らないはずのグッズなのに、「む! これは……見たことあるなw!」
  と思えて楽しかった。

ガイド音声で「ひだまり荘周辺の地図設定もあります」と聴いて
ものすごい喜び勇んで探したのに、
「ざっくりですよw!」というガイド通りのざっくり加減でちょっと残念でした……
てんてー、これはお使い地図ですw!

けど、ツワモノひだまらーくらいなら、
内部資料はともかく、公式絵であればこの辺のものは全部網羅してても不思議はないかな?
というくらいの作品数でした。

まぁーでも、ここが膨大だったね。
芳文社を支えて10年だもんなー。

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あと全然関係ないけど、最近、新一年生の茉莉ちゃんと、『ドリクラGogo.』のノコタンシショーが
妙にかぶるときがある。
およーふく好き同志ってのもあると思うけど……なんでだろう。



■□■3. 『ひだまりスケッチ』以外□■□■



マそんな、うめてんてーと言えば『ひだまりスケッチ』メインでしか関わりを持っておらず、
その『ひだまり』でさえガチ勢に比せばユル目のオイサンなので、
それ以外の作品ともなると、面識はより希薄に。
初めて見る物のオンパレードでした。

メジャーな『まどか』でさえ、
公式メインビジュアルかその付近にあるものでもないとあんまり知らない、という事態が勃発。
そもそも、『まどか』でもうめテンテーはキャラデザインという立場でお仕事をされてるワケですが、
あくまでもデザインであって直に絵を描かれてるわけではないので、
展示を眺めながら
「……そういえば、「うめテンテーが描いた『まどか』」ものを見たことは
 ほとんどなかったかも」
と考えていた。

『まどか』に関しては、
自作のマンガではなくあくまでデザインとしての関わりであるがゆえに、
より細部に対しててんてーご自身が「意図」を込めておられたように思う。
その「意図」についての細かいキャプションが丁寧につけられていたので、
『ひだまり』を見るよりも発想の勉強にはなった。

  ああ、こんなこと考えてこういうフォルムにしたんだ、みたいなことです。
  実際「機能する」モノであれば、
  より深く……というか、持たざるを得ずして意味を持つのでしょうけども、
  「目を引く」「存在を象徴させる」辺りが機能のメインになる2次元世界のデザインは、
  より純粋に意図だけを映し出していて面白い。
  『ひだまり』は日常であるし、装丁よりもより振る舞いでキャラクターをデザイン出来るので、
  デザインに現れる密度は、画的にあまり高くないのかな、と思った。
  もちろん「らしさ」はしっかりと埋め込まれているのだけど。

  個人的には、杏子の、シンプルさと大胆さが上と下でがばっとせめぎ合ってる感じの
  バトルユニフォームが好きです。
  槍(と見せかけて節棍だけど)使いっていうのも好きなポイントだけども。
  マ「よく食べる聡明ながらっぱち」が好きなだけかもしれませんが。

『まどか』の他には、
『きららカリノ』だとか、絵師100人展に出展した絵だとかが展示されておって、
これらは本当に全く、オイサン未見。
こちらの方にもハッとさせられる作品が多数あって、イヤハヤほんとに。
いくらか見知ったつもりのお友だちの家に上げてもらったら、
なんかもう全然知らないことが色々見つかって、ビックリするし笑ってしまうし、
あっという間の2時間弱でした。

  そう、大体、全部見て回るのに2時間弱かけた。
  その後、物販で10分くらい。

しかしまあ、ホント
「かわいい女の子を描くのが好きなんだなあ……」
と、若干呆れかえってしまった。
砂糖菓子で出来てるのは、てんてー、あなた自身なんじゃないのか?
焼きビーフン食ってて大丈夫か?

……まあ、中身がオッサンだから可愛い女の子書くのが好きなのかもしれないけども。
どーなんだろ。中身。
その辺を、もうちょっと掘り下げるというか、上手く探り当てられる展覧会だと良かったなあ。
図録のインタビューにも、その辺に突っ込んだ話はなかったな。



■◇■3. アトラクション的なもの□◆□



最初に書いた通り、展示の間にちょっとしたアトラクションとかお遊びが挟まって、
それも面白く、ファンサービスとしては上々。

  ▼a. ゆのっち絵描きうたのコーナー

……のコーナーは、
モニターからうめてんてーの肉声で絵かきうたが流れ、
ゆのっちのへちょ絵が描けてしまうので
テーブルが用意されていて、展示の入り口で渡される用紙(なぜか2枚もらえる)に
描いてみよう! 描いた作品は、壁に貼っていこう!
……というもの。
オイサンもばっちり描いて貼ってきました。

てんてー曰く、
「自分の絵を余りにも見慣れてしまっているような、
 そんなありがたい人が来てくれたときに楽しめる展示ってなんだろう???
 と考えた結果、絵かきうたとかいれてしまった」
(図録のインタビューより)

のだそうなw そっかーw 入れてしまいましたかw

  ……どうでもいいけど、まだ会期中なのに、ネタバレしてしまっていいのかな。
  っていうか、美術展でネタバレってなんだよ。
  いい、イイ。書いたれ書いたれ

……いま書いててちょっと違和感があったぞ。
ファンサービス。そうか、ファンサービスか。
美術展に「ファンサービス」って……要るのかね……???

  ▼b. 生原稿掲示のコーナー+ゆのっちの部屋再現コーナー

生原稿・ネタ帳は、ガラスケースに入れられての展示。
原稿のペンの線は、なんか見惚れてしまうかわいらしさでした。
線がね、可愛らしかったんですよ? 信じられます?
見ているときはあまり意識できず、
「この線の感じは……なんだろう???」
と思っていたのだけど、そうだ、いま思い返してみると、あれは「可愛らしかった」。

  オイサンはマンガとして好きな絵柄に、
  真っ先に挙がってくるのがみず谷なおき先生で、
  次いでゆうきまさみ先生、河合克敏先生、魔夜峰央先生などが挙がってくる。
  線がシンプルで、ひと目ですかっと決まっているのが、基本好き。
  その系統に、うめてんてーはおられると思います。

あと、ネタ帳。
ネタのメモやら、プロット的な物がずわーっと殴り書きされてるんだけども、
その最下段に気になる一言が。

  「NTT かげもとさん XXXの件?」 

先生w 電話メモです!!
くそう、オレもNTTに就職すれば良かった! かげもとさんうらやましい!!!
↑ お前はそんなとこばかり見てないでネタを見ろ

ゆのっちの部屋再現、は……ひだまり荘のゆのっち部屋を、
なんつーか、書き割りのような調度で再現しているコーナー。
ここは写真撮影OKだったんで、お写真を載せます!!


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あと、この部屋の中に大きい付箋が置いてあり、
てんてーへのメッセージを書き残していけます。
今晩のゴハンのリクエストとかが出来ます(応えてもらえるとは言ってない)。

※尚、筆記具のえんぴつが置いてあるのですが、
  いくらそのえんぴつが書きにくいからといって、
  持参したふでぺんを使って書いたりしてはいけません。

おじさんみたいに、係のお姉さんに
            やんわり注意されてしまいますよ!!

スミマセンデシタ……ダッテナンニモカイテナカッタンダモン……エンピツ、ミョウニカキニクカッタシ…

  ▼c.うめてんてーの原稿が出来るまで(執筆過程を、ビデオで上映)
      &
   d.うめてんてーのシゴトバ再現


ここでは、うめてんてーの原稿制作過程のビデオがループ上映されてます。
絵描きさんたちには垂涎の!やつ!!だったんではないでしょうか。
オイサンは……正直、あまりにも人がたかっていて、
見たい優先順位的にはそんなに高くなかったんで、チョイチョイ見てパスしてしまいました。

「シゴトバ再現」コーナーは、てんてんのオシゴト机がまんま再現されている、
とのことです。
モニターやら、タブレットやら、ティッシュカバーやらフィギュアやら。
どなたかが呟いておられましたが、
マウスパッド? だか コースター? だかは、
任天堂のポイントを貯めてもらえる景品だったそうなw
コースターそのものよりも、
てんてーがどんなげーむ買ってポイント貯めたかの方が気になるわwww

  ▼e. うめてんてー・ライブドローイングのコーナー

そして、本美術展最大の目玉展……大目玉!!(にほんごがあやまっている)、
てんてのライブドローイングステージ。
……って、オイサンは見られなかったんでどんなご様子だったのか知らないけど。

小さなステージの壁に大きなキャンバスがかかっていて、
日に何分か(何時間か?)てんてーご本人がやってきては、
イラストを少しずつ完成させていく……というシロモノ、……らしい。

  だって見てないんだもん!! 見たかったよう。

なんか見ていない者の身としては、
あの小さなうめ先生が壇上に現れて目の前で絵を描いていくとか、
にわかには信じられないので……そういうものらしい、ということだけお伝えしておきます。
こちらからは以上です。



●○● Closing~作家の個展を見に行く、ということ ○●○



とまあ……約2時間、うめ漬け・うめ尽くし。
空気が、色合いが、全部蒼樹うめで、思えば最初に感じた高鳴りを
「好きな子の家に上げてもらう」と表したのは正しかったのかもしれない。


  ウメテンテー「うめ時空にひきずりこむのだー」


ゲートからあっちはうめ先生の作品時空で……
てんてーの、原稿用紙だかPCだか分からないけど、パレットの中に入り込んだようで。
くぐる瞬間、心臓の具合がおかしくなるのもちょっと分かる気がする。
まるでうめてんてーがずっとそばにいて、あの声で語りかけてくるようだった……すげえ。

……と、思ったんだけど。

音声ガイドの密度がものすごくて、
入ってから出るまで、殆どずっとてんてーの声を耳元で流しっぱなしだったから
当たり前だったw。

リアルに囁かれっぱなし。

あと、上の方で書いててちょっと気になったんだけども……
今回のような美術展に、果たして「ファンサービス」は必要だろうか?

来場されるのは多かれ少なかれ、作家なり、作品なりに興味のある「ファン」なのだろうから、
それはあって決して悪いことではないのだけれども、
なんというか、
「これまでやってきたサービスの結果を、一度サービスの手を止めて集めて見せる」
場であって、今、なう、展の真っ最中に、それが重ねて行われることは、
この展自体がまた彼女の作品となってしまって、
何かまた渦が二重三重になってしまいそうな……そんな違和感を覚えた次第。
マ別にいいんだろうけどね。
サービス精神というか、
「それをやらずには不安で居ても立ってもおられない!!」
という可愛らしさもまた、うめてんてーの作家活動を支えるファクターであることに
変わりはないのだろうから。

運営については……もうねw
連日90分の待機列が生じ、日によっては180分、300分なんていうディズニー顔負けの待ち時間で、
物販も売り切れ・売り切れの連続で、ちょっと批判にさらされ気味かもしれません。

  オイサンもね。
  グッズは売り切れで、最低限のポストカードセットを2セット、マスキングテープを一つ、
  図録を2冊買えただけです。終わ郎手ぬぐい欲しかったよう。
  ……でもいいの。十分だよ。

けどまあ……ちょっと、客の入りは尋常じゃなかったね。
まさかこんなに!! って、思ってると思うよ。
確かにね『まどか★マギカ』は、すごかったと思うんだよ。作品力が。
けど、『まど★マギ』フィーバーに乗っかった人たちのどのくらいが、
「蒼樹うめ」を意識していたかと言われると、ワリと「?」だと思うのね。
じゃあ『ひだまり』はどーなんよ、と言われたら、
胸を張って「大ヒット作品です!!」って……ナカナカ、言うのも難しいんだよw
この感じは分かってもらえるだろうか。
4期もやってりゃアンタそりゃ、って思うかもだけど。武道館に8000人は集まるんだけど。
……ねえ。
『けいおん』じゃないんだよ、『ひだまり』は。
やっぱりこう……ゆのっちじゃないけど、
「いやいや、そんな私なんか!」
っていうキャラクターなんだと……思いますよ。
来場爆発は、ちょっと予測し得なかったと思う。ある程度、しゃあねえ。

ただ、入ってから、狭くて、流れが悪くて、落ち着いて見られないというのは
さすがにいただけない。
待たせて入れた分は、やっぱりゆっくり見られるように、
待ちと列をコントロールして欲しかった。
終盤の開催ではその辺は緩和されていたことを切に願う。

あと、展示情報として、
制作年や使用画材・素材がキャプションされてないっていう指摘があって、
それについては確かにちょっとアレだなとオイサンも思ったんで、そこは突っ込んどく。
図録も最後に年代順とか一覧がなくて。
その辺、ちょっと「美術展」としては片手落ちな感が否めず……
すべてが全て、従来のフォーマットに則ってないとだめだとは言わないけど、
その辺、参照性とかね、長所があってこそ連綿と受け継がれているものでしょうから、
イイトコは残しつつ、らしさは出していって欲しかったなーと、思う。

その辺の重厚さもあってこその美術展だとはまあ、思うのでね。
せっかくやるなら、ハクもつけていきたいじゃない?

……まあいいよ! 反省を活かして、次をやればいいよ。
ホラ早くやりなさいよ!

もうアレだよ、真冬のエルミタージュ当たりでやればいいよ、てんてん展。
泊もつくし、さーすがに、早朝から4時間も5時間も並べねえだろ。

▼エルミタージュびじつかんはここです。


エルミタージュでうめ先生のサイン会……ペチカが熱くなるな……

……。



ところで。



皆さんは美術展に行くとき、どんな目的・どんな動機で臨まれますかね?
今回は「蒼樹うめ展」ということで、
「『ひだまりスケッチ』の世界展」ではなく、
「『魔法少女まどか★マギカ』の世界展」でもなく、
蒼樹うめという、マンガ家であり、絵描きであり、イラストレーターであり、
クリエイターでありアーティストさんの展覧会だったわけです。
蒼樹うめを知るための展示、と言って差し支えない。

  ただしあくまでも、「視覚方面」の作品に限定しての展示ではあったけど。
  オイサンの知っている「マルチタレント」兼「神」の蒼樹うめは、
  うた歌ったり踊ったりしてましたからね。
  あれらのパフォーマンスだって、うめてんてーのオシゴト・作品であることにはかわりがない。
  ……と、思うけどご本人がイヤがりそうだからやめておきましょうねw

オイサンは、ここまで書いてきた通り、
『ひだまりスケッチ』こそ大好きでここ10年近く来たけれど、
『まどか』を始めとする他のうめてんてーのオシゴト群にはあまり明るくない。
言ってしまえば、
蒼樹うめというマンガ家の、美術的バックボーン、
この展覧会の開催側のテーマであるところの「蒼樹うめ自身」に強い興味があったのか?
と問われれば、
……実は、というか、ああやっぱりねという感じだと思うんだけども、
さほど興味はナイ・ナカッタわけです。
多分。
少なくとも会場を訪れる動機としては、それはなかった。

  ……マそれはそもそも、
  「美術展を見に行くというのは、総体としてどういうことか」
  をちゃんと考えなかったせいでもあるのだけど。

どうして今回、この「蒼樹うめ展」を見に行こうと思ったか、ショージキ分からない。
直前まで「行かなくてもいいや」と、ある程度思っていたのも、また事実。
ペペッと簡単に思い浮かぶ動機なんて、至極シンプルに、
「『ひだまりスケッチ』だいすきー!! うめてんてーはかわいいー!!
 だから見に行く!!」
っていう、それだけなんだけども。

  ダメじゃない、ダメじゃないよ? 勿論それはダメじゃない。
  そういう来方をしてる人たちを否定する話じゃない。
  自分がそれに納得してるかってだけだ。

ある作家さん単独の美術展を見に行く動機として、
「自分が価値を認める作家の、作品の系譜(それは時系列でないかもしれない)を知り、
 考えることで、創作的・作品的なバックボーンを探りたいと思う」
ということがあるのではないだろうか、と思う。
勿論、好きな作品の実物を目の当たりにしに行く、だって良い。
目的はそれぞれで構わないのだけども、
開催が、その「作家という系」を提示しているのであれば、
受け手の目的も、ある程度そこに寄り添って良いはずだ。

……でも、オイサンにはそのどっちも無かった。
特にナマで見たい絵があったワケじゃなし、作家の総体に興味があったワケじゃなし。
ミーハー気分だったのかなあ。

見終わって、あとから考えて気が付いた……というか、
この展覧会を見に行ったことの自分にとっての意義として、

「アニメ『ひだまりスケッチ』の作品世界、
 この子たちは一体どこからやってきたんだろうか?
 ということを知ろうとすることが出来た」

ということがあるな、と思いました。
ちょっと言い方が回りくどい(ちょっと?)けれども。

自分の中心にはやはり、アニメ『ひだまりスケッチ』への興味があって、
ちょっとおかしな逆説になるかも知れないけれども、
そのパーツとして「原作」「原作者」があって、
さらにその先に「原作者が作った別の作品」がある。

今となっては原作とアニメの境目がオイサンの中では随分失われているけれども、
そのこともどうやらオイサンには、
アニメから流入した多数の要素を取り込んで、原作が今の形になっているように見える。
もしかしたら、それは原作者・蒼樹うめ先生には失礼な言いぐさなのかもしんないけれどもだ。

  アニメはやはり、制作陣が原作を解釈して、
  また再構成(再創作と言ってもいいのかもしれない。その程度には色々だろう)
  するものだと思いますから。
  無論そこには、原作への敬意と最低限守るべき線はありますよ。

どーしてだか自分がこんなにも好きなアニメ『ひだまりスケッチ』の正体、
それを好きな感情の衝動の正体を知りたくて、
自分はこの展覧会に足を運んだんだなあと、いまこうして気持ちを整理しながら腑に落ちている自分がいる。

  ……ワリとね、掘り下げて考えてみて、ショックだったりもするんですよ。
  「え? アレ? 俺、うめてんてーのこともワリと好きだったつもりでいたんだけど、
   そうでもない? 『ひだまり』が主で、うめてんてーが従だ?
   え、まじで?」
  と、結構な衝撃を受けている。

既に行かれた方、コレから行こうと考えておられる方、
もしかしたら今まさに入場待機列に並んでおられる方。
皆さんはどうですかね。
何を以て訪れ、何を持って帰られますかね。

自分がうめてんてーのどこから入ってどこから出て行こうとするのか、
これを機に、キチンと考え直してみるのは良い機会だと思います。



しかしまあ、面白いモンでね。



こうして掘り下げて考えながら図録を眺め、
『ひだまりスケッチ』以外の作品、会場で目と心を奪われた作品たちを改めて眺めていると、

「うめてんてー、男の子・男の人を描きたいという欲求や衝動はないのかなあ?」
とか、
「いま描いてるものは、どのくらい描きたいものなんだろうなあ?」

なんていう、絵描きであり、クリエイターであり、アーティストであるてんてーの心が
どっちを向こうとしているのかにも興味がわいてくるので、
それだけでも「蒼樹うめ展」は成功だったのではないかな、
意味をなしているのではないかなと思います。
エエ。
バッチリとね。

自分がこの先、蒼樹うめという作家と付き合っていくのか、
それともやっぱり『ひだまりスケッチ』ありきのうめてんてー……
どこまでいっても緑色のあんちくしょうなのか。

そんなややこしく考えず、ただ楽しく笑ってればいいのかもしれませんが、
人生のひとときに寄り添っただけのものとして消費してしまうには……
自分にとって『ひだまりスケッチ』は、ちょっと大きくなり過ぎちゃったように感じるので、
メソメソとこんなことを書いてる次第。
それでも重たくはなんないのがすごいトコだけどね。

てんてーご自身が気にしてらした
「来てくれた人は楽しんでくれるのだろうか???」
ということに関してはバッチリでしたし。

……動悸がして、呼吸がヘンになるくらいは楽しめましたよ。
ホントに。
ゆのっちの部屋再現とか、やばかったですからね。
絵かきうたに悶え、
生原稿の線の可愛らしさに悶え、
幼少期の版画、5段目だけがない跳び箱の謎に悶え。

……なんか、幸せだったなあー……。
初老のおっさんだけど、ドキドキしたし、キラキラしたし、ふわふわした。

恋愛とか性愛は、どうしたって最後に、下っ腹に来るじゃない?
生き物だから。マシーンだから。\ダダッダァー/

好きな子の家に上がり込んだ、みたいなことを書いたけど、
その下っ腹の熱がない恋をしたような。そんな時間でした。



……以上!! きりがないので、ここまで!



蒼樹うめ展のあまりの盛り上がりぶりに当てられてとうとう買ってしまった
『ひだまりスケッチ×☆☆☆』のBD-BOX、そのオーディオコメンタリーで、

  小見川「こないだお姉ちゃんに会ったら、お姉ちゃんガス爆発を起こしたらしくて……」
  ミズハス「お姉さんはガスなの?」
  あすみん「気体!!??」

ってやりとり聞いて、
君ら、普通のオーディオコメンタリーかキャラクターコメンタリーか分からんやないかwwww
と思ってしまったオイサンでした。

Pa070074
図録&チケット!

楽しくおいしく ラララ 書いた日記でした! オチなしごめんね!
(ウメス福音書[ひだまり・ひだまれ・ひだまりるん]より)


 

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