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2015年8月22日 (土)

■1980年のデジタル・カメラ~夏の帰省と過去を映すカメラ(2) -更新第997回-

実家で揚げ出しとうふを食べてきたので、ついつい買ってきてしまったゆゆ式6巻。
後ろのカバー折り込み部分を見て「んふっ!!///♪?」って声出てしまった。





オイサンです。
相川さん、刺激が強すぎます。



2015年、夏の帰省日記、2日目。



盆や暮れに実家に帰るたび、結構な枚数の写真を撮る。
今回は総じて天候がすぐれなかったせいもあってそれほど多くもなかったが
それも私の尺度であって、4日で250枚強。
少ない方なのです。

Dsc05243

何をそんなに撮るモノがあるのだと問われるが、
結局のところ、いま目に映るあらゆるモノが、やがて形を失い、
たよりない、あまりにもたよりない記憶という厳然たる幻の事実の中にしか残らないことを思うと、
いくら撮っても撮り足りない……と思うのは、私だけだろうか?
……などと考えるのが実におこがましいことも、実はわかっている。
自分だけのはずがない。
みんなそう分かっているに決まっているのだ。
やらないだけで。
めんどくさいか、諦めているか、もっと何か素敵な理由かで。

時間を見つけては、町内や、公園や、かつての通学路をぶらつきながら
ハタハタとシャッターを切って回る。
場所はもちろん、同じ場所でも時間帯を変えて。天候を変えて。

見慣れ見飽きたはずの、何の価値もないはずの、
全くもってどうでも良い品々の数々。
ドレッサー、タンス、壊れたフック、くすんだガラス、
今はこうして帰ってくれば、それは当たり前のようにそこにあるから
何の心配も要らないのだけれども、
ほんの些細なことでこれらは……手を伸ばす暇もなく失われることだろう。
それらがそこにあったことさえ、その時から先、思い出すこともないような「それら」。

Dsc05266x


そんなとるに足らない……否、まさに「撮るに」足らないモノを撮って残して
それこそ一体何になるのか、が問題なのだが、
別に「なにかになる」ために生きてるわけではないので、
いま気になったことや愛おしいと思ったものを残しておくことにためらいはない。

このタイミングを逃したら、二度とお目にかかれないかも知れないからな。
オイサンは非合理的なのです。
緋桑折。

そうして写真を撮り歩いていて、
自分が本当に撮りたいモノは、どうやら既に失われた風景なのだと気が付いた。
マンションが建つ前にあった田んぼとか、
その田んぼの向こうにあった剣道の道場とか、
造り直される前の橋と交差点の風景、
なにを造っていたのか分からずじまいだった工場、
給水塔。
それらが立ち並んだ下り坂の先にそびえる里山の風景全部。

Dsc05236


となり町の駅舎とか、新しくなる前のスーパーとか、
そこに入っていた模型屋さんとか池とかもう、
数え上げればキリがない。
切絵ちゃんがない。
……いや、切絵ちゃんはある! ぼくのこころにいきてる!
何の話だ。
まだ幼かった自分の行動半径なんかたかが知れたものであったはずなのに、
それでも枚挙に暇のないくらい、多くのモノが姿を変えたり失ったりしている。

自分が記憶する一番ふるい景色の町を……収めたい。
郷里に帰ったときのカメラは、そのためにシャッターを切っている気がする。
撮っても撮っても。
最低限、いま撮ったモノは何十年後かに幾ばくかの価値を、
自分にとっても、他の誰かにとっても、持つだろうけど。

  そしてまた面白いことに、そうした過去の情景を求める気持ちは、過去に繋がる痕跡……
  それは町を見下ろす山そのものであったり、
  工場の脇を流れ、裏手へと回り込んで暗渠へ消えていくドブのような水路であったりという
  遺構のようなものへとレンズを向ける導線になっている。
  そのものではなく、そのものが内に抱いている過去の風景への溶融の気配が、
  どうやらオイサンを引きつけている……らしい。

早くデジカメに、過去に遡った景色を写し撮る機能がつかないだろうか?


Dsc05295


……。



そんな帰省の二日目は、三人でゴハンを食べに行こう、という話になった。
ちなみに、今夏はオイサンがおかしなタイミングで帰ってきてしまったので
兄とはすれちがいになってしまったので家族4人揃わない。
タイミングの悪さをすまなく思う。

母は、冷麺が食べたいという。
父によれば、何か目当ての店があるはずだという。
なんかどっちも断片的な要望、断片的な情報しか出してこないから、
二人の希望をうまいこと叶えるのがなかなか難しい。
交互に情報を引き出し、それぞれにぶつけてみないとそれらが正しいかどうかは分からない。

が、それしきのコトで苛立ったりしてはいけない。
相手はとにかく、年季の入った人間だ。
コレがヒトの完成型により近い姿で、正しき方向性なのだろう。
不合理、非効率、どんとこい。
ダメならダメでいいんだから。

デ、父から引き出した「多分ここだろう」という店の情報を母にぶつけてみると、
母からは、違うそこじゃない、こっちの店だと、鈴木雅之みたいな調子で、
またそれっぽい情報が出てくる。
……ムウ、変なRPGのシティアドベンチャーをやってる気分になってきたぞ。
むらびとは二人だけだけど。




ともあれ、店が決まっているなら何ら問題はない。

昼からその店へ行くことになり、午前中、父はジムへ出掛けてしまった。
が、気になってwebで調べてみたところ、その店はどうやら、本日はホリデー丸出しだ。
よくあることである。父が戻る前に代わりになる店を探しておかねばなるまい。
検索条件としては

 ・元の店と近いクラス(雰囲気・価格帯)の店であること
 ・とりあえず冷麺があること
 ・車で行ける範囲であること


くらいか。
どうにかそれに合致する店を捜し当て、まずは母の様子をうかがう。
あとは父が帰ってきたら、眼鏡にかなうか聞いてみれば良い。

  ……どうだ~い? めんどうだろう~?
  ……。
  スマン。いまどき杉ちゃんはないわな。

結果、父はその店のサイトを見て「担々麺がうまそうだ」と納得して合格。
あとから母に聞いたところだと、父は最近担々麺づいていて、
どこへ行っても汗だくになって辛い担々麺をすするのが好きなのだそうな。

そういう好みも先に伝えておいてくれれば条件に加味することも出来たのだが、
それを持ち出さないのもそれで一つの美徳なのだろう。

……あと、ついでに「汁ナシ担々麺はNG」なのだそうな。
イカすぜ。
そんなこと、聞かなければ中華料理の神様でさえ知る由もない!
汁ナシだけにな! がっはっはっは!!

そうして探り当てた新しい中華料理屋さんはなかなかの当たりであった。
やるなあ俺。


特に母の注文したほうれん草を練り込んだ具の豪勢な冷麺は
一口でハッとするほどの美味しさで、なかなかに希な体験でありました。
サービスも雰囲気も良かったし、何かの折りにまた行こう。
収穫である。
結構古くから、この奈良あるお店なのだそうな。知らなかったなー。
晩ゴハンの材料を買って帰宅。

Dsc05274

Dsc05277
激ウマ冷麺。びっくりした。

夕方からはぽこぽこと、写真を撮りに表をぶらつく。
今年の正月に帰省したとき見つけた撮影ポイントは近所の墓地の中にあり、
小さな丘を削るように造られた霊園の最高点から、
西にそびえる奈良と大阪を隔てる郷里の山をきれいに一望できる。

小太りの少年がなぜか一人、起伏に富んだ墓地の中を飛んだりはねたり遊び回っている。
彼の表情は決して明るくない。
ぶすっとして、何か用事や目的があるようでもなく……
たぶん向こうも同じ様なことをこちらに思っているのだろう。
お互い様子をうかがうように距離をとりあっていたように思う。
まあこちらは写真という歴とした目的があるのだけれども。

しかしあの小太り具合に、黒いタンクトップに半ズボン、坊主頭。
小学生の頃の自分を思い出す。
幼い頃の自分の影との邂逅……というのは手堅くまとまりすぎて面白味を欠く妄想だが、
せっかくだから、ゴールドオーブの一つも持ってくれば良かった。

  ぼうや、これからどんなにつらいことがあっても、
  けっしてくじけてはいけないよ。

カバンに入っているのはイイトコ、昨日回したガチャガチャのカプセルくらいのものだ。
これは友人へのみやげとなる大事な『飛び出し注意くん』だ。
彼にあげることはできない。
オイサンが茂みに紛れた大きなバッタを撮るのに夢中になっている間に、
少年の姿は黄昏と夕焼けの隙間に溶けるように見えなくなってしまった。
さすが、体の大半がラードで出来てるような小デブはとろけて消えるのが上手い。

Dsc05332

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晩ゴハンは赤魚の塩焼き。
鱸が食べたいとリクエストしたのは、ちょっと難しかったかな。

天気が良かったのはこの日まで。
3日目からは雨勝ちで、ロクにジョギングも出来なくなった。
冒頭に書いた、早朝ジョギングの途中でライターよこせ婆さんに絡まれたのもこの日だ。
思えばあれは、マッチ売りの少女のなれの果てだったのではないだろうか。

そんなおかしなモノばかりじゃなく、
近所の雑木林では、竹をコツコツと突くコゲラの姿も観察された。
あんなのもいるんだなあ。拓けてきたとはいえ、まだまだ田舎だなあ、この辺。



→ 3日目・4日目に続く。



 

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