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2015年8月21日 (金)

■1980年のデジタル・カメラ~夏の帰省と過去を映すカメラ(1) -更新第996回-

帰省中、実家近くの道をトロトロと早朝ジョギングしていたら、
畑のハタに腰を降ろしていたバアサマが突如、立ち上がって追いかけてきた。
なんだなんだと思って速度を上げたところ
「兄ちゃん! ライター持ってへんか!!」
と叫びかけてきた……。

これがいま地元で噂になっているという、妖怪ライター持ってへんか婆さんか……。
まさか自分が追いかけられることになるとは。

オイサン@2015年夏休み堪能中。

今回の帰省では、地元の空がやけに広くて驚いた。
前回までとそんなに風景が変わっている筈はないのだが。

奈良から最寄り駅のある大阪方面へ向かう途中、
空があまりにも横へ、奥へ、広いことに驚いた。
自分は本当に、ずっとこの景色の中で暮らしていたのだろうか。
なぜこの、広さ・すがすがしさに気付かずにいたのだろうか。

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列車の中を見回せば誰もこの景色を特別だと、美しいと、心に留める様子もない。
嗚呼、ここではこれが当たり前なのだと、当たり前のことに今更気付くのだった。



■帰省1日目



朝7時過ぎの新幹線をとっていたが、
駅には30分ほど早く着いて、席が空いていたら早めてもらおう、という策をとる。
が、その途上の横浜線で
「大雨の影響で小田原~新横浜間で運転見合わせ中・遅れアリ」
とのアナウンスが入った。

……ジーザス。


マ致し方なし。
確かに、家を出てから最寄り駅までの間に足下を濡らした雨も、
想像以上に粒が大きく、勢いも激しかった。
こういうこともあるか。

オイサンが新横浜に着くのとほぼ同時に試験運転が再開され、
それで問題がなければ全面的に運転を再開する、というアナウンスが入った。
朗報朗報。
いずれにしても、すぐに窓口に並んで列車を早めてもらう手続きをとった。
お天道サマのなさることに、いちいち目くじらをたててもどうにもならぬ。
列車到着までしばし待つ。

そんなことよりも問題は、朝ゴハンを食べた最寄りの吉野家で、
謎のバアサマに「席をいっこ詰めてくれ」と頼まれたことの方が妙にカンに障っていて、いけない。
オイサンよりちょっと遅れて入ってきたそのバアサマは、
早い時間で席は他にいくらでも空いているにも拘わらず、
ややつまり気味のオイサンの席の隣にやってきて「一つ詰めて欲しい」と頼んできたのだった。
理不尽な要求であったのも確かなのだけれど、
別段腹を立てるほどのことでもないそのお願いが妙に神経に障っている自分を、
ちょっといただけないと思っていた。
マ睡眠不足もあったし、前日に些細なコトで得体のしれない老人に絡まれたことも尾を引いていて、
アテツケの様に、席をつめるのではなくて遠い別な席に移動してしまった。
うーむ、大人ゲがなかった。
しょうもないことで怒りを発生させるのはなんとも品に欠ける。
もっと心を寛く持とう。

結果、もとは7時過ぎだった列車を、6時20分頃の列車に変えてもらった。
オイサンの駅到着時点で時刻は既に6時30分頃だったのだが
雨のせいで6時20分の便はまた新横にたどり着いておらず、
結局30分遅れの6時50分頃に入線してきた。

当初より20分ほど予定を早めた計算になる。ちょっとややこしいが、マほぼ想定通りだ。

6時50分にやってきた新幹線は、その後特に差し障りもなく、
いつもの京都に到着。9時くらい……だったかな。

今回、名古屋から三重県経由の南回りで帰るという想定もあったのだけど、
前日までの予定とか、天気の問題もあって今回は見送った。
京都に着いた時点では雨もなかったので、
京都を少しブラついていこうかとか、奈良を見て帰ろうかとか、
余計な欲が出てしまうが……それも今回は見送る。
本屋に寄るために、乗換駅でいったん降りてみたくらいか。

奈良の暑さは、思いのほかマシだった。
涼しいというわけではないけど、地獄の釜の底の熱気を想像していたのに比べれば涼風も同然。
フム。
私の新幹線を遅らせた雨のせいだろうか。
最寄り駅についてからは寄り道もせず、生家到着。

Dsc05207
お昼ゴハンは焼きビフーン


午後、私の四十路の祝いにと、ジョギング用のウェアを上下で買ってもらう流れに。
近場にイオンタウンと称するいわゆる郊外型の中流ブランド店舗の寄せ集めエリアが出来たらしく、
中にはスポーツショップがあるらしい。
そこではスポーツウェアだけでなく、登山・アウトドア用品なんかも扱っているようで……
ムウ、しまった。
こんなことなら、夏山用のウインドブレーカーは自分で買わずにおいて、
買ってもらえば良かったじゃないか……。
ミスったず。

父の運転する車に乗せられ、そのイオンのまちへ。
「別なスーパーに買い物へ行く」という母を搭載し、途中のスーパー近くでパージする。
空模様が気になるところだ。

  むらびと「ようこそ! ここは いおんのまち だよ!」
  ゆうしゃ「ここもか!」

  ……ストーリー中盤以降、出てくる町の名前に「イオンのまち」が増えていき、
  終盤になるとほとんど全部、序盤に出てきた町の名前も変わったりして、
  辿り着いた最後のボスがイオンの経営者だった、みたいなRPGどうすかね。
  僕はやりたくないです。

スポーツショップは思いのほか広くかつ手広く、結構目移りしてしまった。
ウェアだけじゃなく、お気軽トレーニンググッズなんかもちょっと欲しくなってしまった。
ゼリー状の材質で出来たエキスパンダー的なものとかが面白い。
帰ったら探してみよう。

買い物を終えて店を出ると、ガチャガチャの器械が目に付いた……
こ、これは……!! 

Dsc05222


『飛び出し注意君』!!

  子どもの飛び出しをドライバーに注意喚起する目的で生み出されたが、
  その実、この看板自体の熱狂的なファンを生み出してしまい、
  道ばたにこの看板があると
  「あっ!! 飛び出し注意くんだ!!」
  と目を奪われている隙nキキーッ!!ドーン!!……ピーポーピーポー……

  ……という悲劇を全国で生んでいる(などという事実は一切ない)という……。
  その瞳を塗りつぶす漆黒は、かなしみの闇を表しているという(などという事実は一切ない)……。

オイサンの身近にも一人好きな人がいるので、一回回していってあげようそうしよう。
尚、父はその近くにいるのがとても恥ずかしかったそうです。
すまない父よ、これが現代の、友情というか、私の人付き合いなのだ。

そうこうするうち、家を出たときにはまだ明るかった空がどんどん暗さを増し、
ザクザクと、ビックリするくらい大きな音を立て雨粒を落とし始めた。
なんということだ。
途中、スーパーでパージした母はどうしただろうか?
傘は持っていたはずだと父は言うが……ちょっと心許ない。
携帯電話も、母は持っていない。
そのスーパー経由で帰り、母がまだいたならピックアップして帰るルートを父に進言した。

マ結果としては、オイサンらがスーパーに着く頃には母は既に帰り着いていることが、
家に電話をすることで判明したのだが。
ウーム、家に電話することをもっと早くに思い付くべきであった。
母が電話を持っていないことに気を取られすぎたわい。

  尚、迎えに行った先のスーパーで母を探す際、
  ウッカリ母の姿を探すことを忘れ、
  キラキラかわいい『プリパラ』のゲーム筐体に何度か目を奪われたことはヒミツである。
  違うんだよ!
  うちのオカンそっくりなんだよ、『プリパラ』のヒロインの子に! ← 色々怒られる言い訳

晩ゴハンは、父がゴルフコンペで獲ってきたという牛肉でさいころステーキ。
ンマイ。


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……しかし、なんだな。



私はもう、マザコン・ファザコンなんじゃないかってくらい両親のことが好きで、
年老いていくのを見るのが忍びない……ということはなく、
老いることは致し方ないと諦めているのだけれど、
年老いるのなら、少しでもそのかなしみの負担の少ないように、
貧しさや苦しみの汲々とした気持ちからはできるだけ遠いところで暮らして欲しいと思っている。

何か欲しいものがあるとか、したいことがあるとかするのであれば、
お金や時間に束縛なく、憂いのないようにサポートしてあげたいと思う。
今まで自分や兄を育て、自分たちの両親を支えてくることに力を注いできたのだから、
そういう束縛から放たれて、もっと人生を楽しむ権利を彼らは手に入れるべきだと
思うからだ。

  それはもしかすると、彼らと同じ老境に達したとき
  自分にも同じ時間が訪れるようにと願う卑しい心の表れかも知れないけれども、
  マそれはそれとして、だ。

父は未だに私のことを思って色々アドバイスをくれたり教えてくれたりするし、
母に至っては私が帰省するたびごとに新しい服を買っておいておいたり、
部屋のエアコンを付け替えたりしようとしてくれる。
それはさすがに、年に1、2度しか使わないのに、無駄だから、
もったいないからやめろと言ってもきかないから、
もうそう言うコトは諦めて、そこまでしなくていいとことわった上で、
ありがたく利用させてもらい、ありがとう、助かると伝えることにしている。

二人とも年とって、頭もそれなりに固いし、
こちらの言っていることが伝わらなかったり、
あちらの言っていることが辻褄が合わないというか不合理であることは多々あるのだけれども、
老いるとはそういうことなのだと思って、
細かいことはなるたけ差し置き、二人がなるたけ寛く、心地よく過ごせることを第一にしたい。

  マそれもまた……年長者に対する手心のような、上からの視線であることも事実で、
  失礼と言えば失礼、なのかも知れない。
  それは互いがどのように生きたいか依るのだとは思う。

ありがたいことに、そうしておいても人に迷惑をかけたり
人の道にはずれるようなことを思いつかない人たちだから、
何かを強く言う必要も、今のところない。
マ何かを思ったにしても、強い力を持っていない人たちでもあるから……
言葉は良くないが、そういう意味では無害な人たちだ。

……と、そんなことを思い、
毎日を切に、何かをお返し出来るように過ごしていきたい、
という自分の気持ちにはそれなりの自負があるのだけれども、
やっぱりこう……どうあがいても、彼らの私を思う気持ちには到底おいつかないなあというかなしみが、
実家に帰って二人に触れるたび、強くなる。
こればかりはどうしようもない。
くやしい。

何かをしてあげることで二人を喜ばせ、
何かをせず、逆にしてもらうことでまた二人を喜ばせる……
その当たりを上手にやりくりして行きたいなあと
切に思う、四十路のオッサンなのですよ。

いや、そりゃもうね……わかってるんだけど。
そこは言いっこナシよ。考えないではないけど。

そんなことを考えながら洗い物をしているうちに初日終了。
郷里のまちは時間の流れがゆるやかだ。



→ 2日目に続く。




 

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