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2015年5月17日 (日)

■ミッド越後ロマネスク ~オードリー・ヘップバーンは二度腹を鳴らす~(5) -更新第986回-

日常炒飯事。
オイサンです。

もう決して若くない三人の男が、新潟を相手取って消化速度の限界に挑戦する、
一泊二日、長岡~寺泊~柏崎~小千谷の旅。
今回はその最終回。

二日目、柏崎の宿を発って昼ゴハンを食べるはずの小千谷に到着するも、
誰一人として腹が減っておらずとりあえず
サンプラザ小千谷と錦鯉の里に向かったところから、今回の話は始まります。

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つーか、錦鯉見てお土産買って、まさかの4㎞大渋滞にハマっておしまいです。
第三者が読んでも、面白いコトあんまりないよ!(ミも蓋もないな)



■テイルズ・オブ・錦鯉~小千谷・錦鯉の里



郊外から一旦市街方面へ戻り、
「こんな狭い道の先にそんな施設があんの!?」と、
カーナビさんにあらぬ嫌疑をかけつつ、たどり着いたのが小千谷サンプラザ & 錦鯉の里。

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サンプラザの建物にでかでかと垂らされた「牛の角突き!」の垂れ幕にビビりますが、
テラジさんは「ああー、なんかそんなんありますねえ」と地元民の余裕が垣間見える。
奈良県民でいう「鹿の角切り」みたいなものか。

  ちなみに某オイサンの父君は、
  「鹿の角切り(つのきり)」を「鹿のかくぎり」と読んだり、
  「天照大神(あまてらすおおみかみ)」を「テンテルダイジン」と読んだりと、
  ポップでキッチュなセンスを余すところなく発揮するエッジヤロウでした。

小千谷ちぢみのお土産はサンプラザの方に何かとある様なのですが、
ぐるりと見渡したその向かいの建物……
「小千谷・錦鯉の里」から発せられるただならぬオーラを感じ取った3人のZ戦士。
我らを出迎える看板からしてハイセンス加減が抑えきれない感じです。

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「『お写真をどうぞ』って書いてるから、写真を撮りましょう」

パチリ。

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(お写真提供:テラジさん)

ええい、たちの悪い中年め! トシを知れ!
いやあ、楽しいなあ……。
男がいつまで経っても大人になれないって本当だなあ……。
でも、この錦鯉の記念写真プレートは、さすがにあんまりだと思うけどね。
イヤいいんだけどさ。
寧ろなくならないで、なくさないで欲しいけど。こういうの。
大事だよ。

帰り際、

  「ところでこの看板、誰も
   『コレ、もういいんじゃないですか?』
  って言わないんですかねえ」

 「言わないんでしょうねえ。
  コレを、朝、表に出す当番とかがいて、特に何の疑問も持たず表に出すんでしょう」

 「出し忘れると怖い人が出てきて
  『オイ! 今日アレ出てねえぞ! 当番誰だ!
  アレ出さなきゃ始まんねえだろう!!』

  とかって言ったりするんでしょうねえ」

なんて言って笑ったけど。あながち、間違ってもいないんだろうなあ。
いつまでも大切にしてもらいたいです。
いつまでも素朴でありたい。
大げさな煽りや、華美に飾られた強い刺激は要らないよ。
全部そぎ落としたら、何もかもあの看板くらいに落ち着くんじゃないだろうか? この日本という国は。

……とか、勝手に素朴の象徴扱いしてるけど、
作った人的にはめっちょド派手にやらかしたつもりだったら申し訳ねえなw
「クレイジーだぜ! こいつぁRockだ!」って。
ねえか。
ねえな。

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錦鯉の里さん、オープニングの看板のみならず、中の石像やらもなかなか奮っている。
テラジさん、よつさんのウケも上々です。
果たしてお金を払って中の展示まで見に行ったものか若干躊躇しますが
お邪魔した地域にお金を落としていくのは我らが流儀。入場料をお支払いして奥へ進みます。

小千谷という土地が錦鯉で有名というのはここに来るまで知らなかった、
というか忘れていたのだけど、
そういえば中越地震の時、何千万円の鯉が死んだとかなんとかニュースで聞いた覚えがある。
あったな、そういうの。

最初の展示室には、錦鯉の体の柄による系統立てた分類とか、どこから来た品種かというような
アカデミックな展示がされていて興味深い。

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ベーシックな赤白のものから、黒の斑紋混じり、黄色一色、白一色、黄黒のブチ……エトセトラ、エトセトラ。
それらの色と紋の入り方でそれぞれ名前がついていて、
中にはドイツ産のものなんかもいるらしい。

  他の国の名前は見かけなかったと思うから、
  日本とドイツでしかお盛んではないのだろう。

そして奥の水槽! ていうか、プール!
一体何匹いるんだか、直径10mはあろうかという円に近い多角形のプールに、
ワンサカワンサと押し寄せる、色とりどりの鯉、また鯉。
よつさんがエサを買ってきてバラ撒くと、もう地獄の餓鬼のように群がってくる。

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その光景を見てテラジさんもテンションがあがったご様子。
おお、二人とも妙なところに反応するな。
変態だ変態だとは思っていたがどんな性癖だ。

あとどうでもいいけど、鯉の皆さんは相当バカなのか、
エサを持った人間に反応して群がっては来るのだけど、
エサを投げ込んでもその落下地点には気付かずにずっと人間の方を見ている、という
クックック、所詮は魚類よのう……一生エラで呼吸をしているがいい!!
(言われなくても一生エラ呼吸です)
などと言ってあげたくなるトンチキ仕様。

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以前、珍しい模様の鯉にウン百万円の値が付くとか、
好みの模様の鯉を育てるのに何十年もかけるとか聞いたことがあり、
人様の趣味に難癖を付けるつもりはないけど
その面白さは今ヒトツ理解出来そうにないと思っていたのだがこうして眺めていると確かに、
自分の好きな色合い・カッコイイ斑紋を持ったものを育てられたら確かに楽しいかも知れないと、
そこにちょっとしたミニ四駆的な楽しみを見出してしまうのは
オトコノコの業なのでしょう。
ちなみにオイサンはこの黄色い模様みたいな子が結構好きかもです。

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二人も、エサを撒き、鯉の写真を撮るのに結構夢中。
ムウ。
期せずして、なかなかおもしろい場所だったな。

広島カープにも頑張ってもらいたいものです(余計な一言)。



■小千谷サンプラザのラーメン、塩沢石打の越後もち豚



「うーん面白かったな。で、なんでしたっけ?」
そう、我々は……て言うかオイサンがこの場所を慌て者のお姉さんから聞き出したのは、
鯉を見るためではなく、小千谷ちぢみを見るためなのだす。
そしてそれは錦鯉の里ではなく、お向かいのサンプラザの方にあるのであった。
おみやげなんかもね。

サンプラザ小千谷、1Fには小千谷ちぢみの歴史とか器具とか体験コーナーとか、
ちょっとした資料館のようになっている。
染めた織物を雪の時期に雪に晒すという工程があるらしいというのは何かで聞いたことがあったけど、
テラジさん曰く
「そういえば、子供の頃、雪の中でこういうのやってるのを普通に見かけてましたねえ」

とのこと。
ああ、やっぱり本当にやってるんだ。
それが日常の風景にとけ込んでいる地域も、当たり前だけどあるんだなあ。
なにやら感慨深い。

2Fは物販コーナー。
ここで小千谷ちぢみの巾着と手ぬぐいなんかを購入。
テラジさんは、訛のキツイ地方へ行くとたまに見かける、
その土地の代表的な方言が書かれた手ぬぐいを購入しておられた。ブレぬ男よ。

そうして2Fもひと巡りし終えたところで、もう一人のブレぬ男・よつさんが
「さっきからずっと、美味しそうな匂いしてますね」
と言い出す始末。
その通り。
この小千谷サンプラザに入った時からずっと、
どこからともなくラーメンのダシの香りがずっと漂ってきていた。
「こっちですね」
当たり前のように彼の先導した先には、既に数人、並んで待っている
一軒のラーメン屋がのれんを垂らしていた。

  よつさん「小腹が空いてきました」

ブレない。
しかし確かに、腹がそれほど減っていなくてもこのダシの香りは食欲中枢に訴えてくる。

しかしこのとき、我々は既に心に決めていたのだ……
塩沢石打のSAで、クソ旨いしょうが焼きを食べると!!

三人ともぐっと腕組みをして黙り込んでしまう。
二人の様子を見、オイサンは考えていた。
なんということだ。二人とも、今回の旅で一番真剣な顔をしているぞ。
大人の男って、真面目に遊ぶとホントどうしようもないな。

結局、何が決め手になったのかよく分かんなかったけど、
ここでラーメンは食べずに引き揚げることになった。
さっき決めた通り、塩沢石打のSAで、オイサンは越後もち豚の野菜炒め定食を、
よつさんは越後もち豚のしょうが焼き定食を、テラジさんはたれカツ丼を食べ、
それらは本当に驚くほどの美味しさで、
もち豚もさることながら、お米の美味しさと、生卵で作った卵かけゴハンの美味しさといったら
言葉を失うほどだった。

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ただのSAのゴハンがこんなに美味しいのか……。
Terrible……Terrible, Japanese……。

小千谷のラーメンの味がどれ程の物であったか、それは気になるところではあるのだけれども、
あそこでラーメンを選択しなかったのは、
多分このSAの美味しさを知ってたテラジさんが、
もうどうしてもたれカツ丼を食べたい胃袋になってただけ
なんだとなんとなく思う。
一度ハンドルを切ってしまった胃袋は、そう簡単に別ルートを選択することは出来ないものだ。

さあ、帰ろう。
旅は終わりに近づいている。着実に。



……。



ハズだった。
ハズだったんだよ。
あとはもう、スンナリおうちに着くだけのハズだったんだ。

先に残る高速道の渋滞は、関越道が中央道に合流する八王子のあたりにほんの4、5km、
赤いマークがついている……それだけだったんだ。
けれど、その4kmが、無限の、永遠の4kmになるとは……この時、三人の誰もが予想しえなかったのです。



●◇● 終章 終わらない、無限の4km ●◇●



「索敵班! どうなっているんだ!」
「わかりません! 敵はたった4㎞の筈です!」
「4㎞だと!? では一体なぜ、これだけの艦隊が足止めを食らっているんだ!!」

ジェントル号車内に緊迫した檄が飛ぶ。

塩沢石打でおいしい卵かけご飯を食べ、とても幸せな気持ちで最後の高速道に乗ったのが13時を過ぎた頃。
そのあと、16時頃に一度寄居のPAでトイレ休憩をとった。
そして、今。
いつの間にかとっぷりと日の落ちた闇の中、周囲に停滞する無数の超時空ビークルの赤いランプの海に浮かぶように、
ジェントル号は八王子のJCTを通過できずにいた──。



事故渋滞です。



「もう2時間近くロクに進んでない……。このままでは……」

固唾を飲む二人のクルー。

『日常』が、終わってしまうぞ……!!」

高速に乗ってから流し始めた2クール・26話ある『日常』も、残り話数が少なくなりつつある。
CM抜いて1話20分チョイだとして、26回で8時間。
カーナビの画面では、天井から降ってきた蛍光灯にトランプのピラミッドが押しつぶされている……
こんなはずではなかったのに……!


ゴハンを食べて高速に復帰するタイミングでも、
渋滞ポイントに到着する直前でも、
道路状況をチェックしたとき、いいとこ4、5km程度の赤い印が確認出来る程度で
渋滞らしい渋滞はほとんど察知できなかった。
しかしその4kmが、よもや無限の4kmだったとは。

面白がって無限無限言うもんやから、無限さまの罰があたったんや……。

  これは後で分かったことだが、
  事故は、上りの中央道と関越道が合流するまさにその合流ポイントで起こっており、
  その両道ともがギッチリと詰まった状態だったご様子。

おかげで『日常』の視聴が随分はかどってしまったワケだが、
そもそもこの3人、『日常』はもう何回見たか分からないくらい見てるんで
今さらはかどったってナンボノモンジャイなんですけども。
大体のエピソードをオチまで記憶しているので、始まった時点で

「あ、面白いやつキタw」
「この話好き」
「だめだ、もう笑いそう」

みたいな会話を、動かない車中でずっと続けていた。
オエー! ナンツッテ! オエー!
お陰で渋滞の辛さも随分軽減されたのではないかと思う。
ありがとう、『日常』。
ありがとう、京都アニメーション。
ガッツリ2時間足止めを食った後、通過する事故現場に一台の大型バイクが横たわっているのが見えました。

後にテラジさんは、
「俺、こんな心に沁みる『ヘッドライトテールライト』は聴いたコトないっすよ!!」
と語ったという……。

  ※『日常』終盤のある話数の中で、かかるシーンがあるんです。
   魚雷跳び誕生の瞬間である。

あと、よつサンも、この渋滞にハマっている間に、
行きの山谷SAで買ったフレンチトーストを食べる機会をようやく得たらしい。
まあ長かったもんね……。お腹ぐらいすくさ。

やがて事故処理が終わり、ウソのように流れ出した中央道をしばらく走った後、
石川のPAで、ぐったりと凝り固まった体をほぐしながら厚い息をつく。
いやあ。
最後の最後に疲れてしまった。
これだから旅は分からない。
きっと、あのブッ壊れたバイクの持ち主さんも、
……今やご存命かどうかわからないけど……
気分良くどこかへ向かう途中だったに違いないのだから。

超美味しかった寺泊のエビフライを、もう一回食べに行こう。
そんなシンプルな動機から始まった今回の旅も、もうおしまい。


「オイサン、ここから山が見えますよ」


塩沢石打でゴハンを食べたあと、
小雨のぱらつき始めた中を所在なくさまよっていたらテラジさんが教えてくれた。
まだところどころ雪が残っていて、滑らないように歩くのに、気を使う。

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SAの裏手から高速道を隔てて見渡す山は、
曇天の下に青みがかった灰色の靄をうっすらとまとって、
まるで自分もろとも蜃気楼の向こうに飲み込むようだった。


「山が見えますよ」


何故だろう、そのなんでもない一言が、
というより、その時に限ってなぜかテラジさんがそう教えてくれたことが
心にぶら下がっている。
いつもとちょっと、違った気がしたのだ。
どうしてだろう。
疲れているように見えたのだろうか。
退屈そうに見えたのだろうか。
そんなことはなかった。
ただ、満腹のけだるさがあったのだ。
そのとき自分も、「ああ、はい」とやけに気のない返事を返してしまった気がして申し訳ない気分になる。


「ここから山が見えますよ」


今さら何を言っているんだ。どこからだって、まわり、山しかないじゃないか。


「山が見えますよ」


どこからだって当たり前に山が見える。なんて素晴らしいんだろう。
山が見える。
新潟は美しかった。
山を見て海を見て空を見て雨に降られ、また山を見て。
もしかしたら、見て欲しかったのかも知れない。
それでまた美味しいのだから言うことがない。

小雨と曇天の下にある、飽き足りた満腹の幸せ。

イタリアのエビフライはあんなに美味しいだろうか。
イタリアに、ナガオカンはあるだろうか?
それはイタリアに行ってみないと分からない。

私たちはオロカだから、いつかまたきっと、誰かが言い出すに違いない。

「あそこのエビフライ、また食べたいっすねえ」
「美味しかったですよねえ?」
「……行く?」

そのときまで。
新潟が、いついつまでも新潟でありますように。
イタリアンを、いついつまでもイタリアンだと言い張れますように。

うーん。
しかし今回はさすがに食い過ぎた。気がする。


  よつさん「無理っす」


オイサンでした。
 
 
 
 

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