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2015年5月 2日 (土)

ミッド越後ロマネスク ~オードリー・ヘップバーンは二度腹を鳴らす~(2) -更新第983回-

WiiUの『ロデア・ザ・スカイソルジャー』が、
オマケのWii版『天空の機士ロデア』よりどことなく残念でショックを受けてるオイサンです。
ガンバレ中裕司。
がんばれ、コンシューマゲーム業界。


2015年の春、新潟のイタリアン、寺泊のエビフライを求めてアラフォーがひた走る旅の記録。
その2回目です。

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前回、新潟は長岡で謎の絶品イタリアンに舌鼓をうったオイサンたちは、
針路を一路、寺泊へ向ける。

……と書いても、特に緊迫感もない道を走るだけなんだけど。
つって、した道なので高速道よりドライバーさんは大変かもだけどー。
でも俺乗ってるだけだしー。
着いたら起こしてー( ← さいてい)。



●◇● 第3章 夢と現のエビフライ 寺泊にて ●◇●



長岡から寺泊まではいなか道をトロトロ走る。
以前来たときも同じ道だったかは憶えていないのだけど、この辺りの道が、実はすごく好きだ。
大きめの川が流れているのと、
田んぼがと道の間に小川の様な川が流れているのと、その風景が交互に現れては消えする。
道は広くなく、左右に柵もない。
土手の様な、畑の畝の様な、アスファルトの外側は土が顔をのぞかせて草の生い茂る道だ。

たまらなくいい。
こんな道ならずっと走っていたい。
ていうか、この道をジョギングしたい。
ていうかこの道をしばらく歩いてぶらぶらしたい。

さっきまではずっと、北関東と東北・北陸を隔てる山の中を走っていたので
遠くに険しい山がずっと見えていたのだけど、
ここまで来ると、山よりは海を予感させる空の広がりが景色の大部分を占めるようになる。
日本は起伏に富んでいる。



さあ、この辺りで今回の旅の最大の目的を確認しておこう。



……あ、いっとくけど、ここからがもう、今回の旅のクライマックスですからね。
メインイベントですから。


寺泊のエビフライ。


テラジさん曰く、
「あのね、『寺泊 エビフライ』で検索したって、
 あそこの、あの店のエビフライが出て来る、なんてことはないんですよ」
とのことで、それについてはオイサンも賛成だ。
前回来たときだって、何のアテがあるでもなく、

  テラジ「……この辺にしましょうか?(とにかく腹が減った)」
  よ つ「そっすね(とにかく腹が減った)」

とてきとうに決めた店だったし、エビフライを選んだのだって、

  テラジ 「オイサン決まりました?(とにかく腹が減った)」
  オイサン「この……ジャンボ海老フライ定食で」

と、いい加減に決めた。
ただ一点だけ、自分でも本当に不思議なことだったので何度でも書くけれども、
普段自分はああいう場面でエビフライを頼むようなことはまずないし、
メニューのどセンターに鎮座している「おすすめ」のセットを頼むような、
素直な良い子ではないのだけれども、
あの日は、
あの日ばかりは、
なぜかそのド真ん中のド直球を打ちに行く気になった。

あれだけの海鮮の猛者が居並ぶ寺泊で、
敢えて浜焼きでもない、刺身や丼でもない、
ただのエビフライをセンターに据えたことに滲見だす、ただならぬ自信! 自負!
或は違和感。
そんなものを、感じ取ってしまったのかもしれない。

なんにせよ、あのエビフライはおそらく、寺泊という地において特権的な位置にあるものではない。

そうして、まさしく一期一会の出会いを物にして出てきたエビフライは、
いま再び日本を横断してまで食べに来てしまうほど、美味しいものであった。
その美味しさの事実に疑いはないのだけど、
ただ、今にして思えば果たして本当にそこまで美味しいものだったのか?
他と一線を画するほど違いのある物だったのか……そんな疑問も浮かんでくる。

美味しかった。
確かに美味しかった。びっっくりした。
ゆうても、エビフライやで、たかが。

  これを読んでいる人も、きっとそう思っていることだろう。
  エビフライだろう?
  俺のエビフライが、そうまで美味しいはずがない!
  略して俺海老。
  ソンナーピチーピーチーシナイデー。Claris!

旅の幻が生み出した美しき思い出補正……という可能性は、大いにある。
マそれならそれでそっとしておくのが大人のたしなみというものでもあるのだけど、
別に、自分たちの記憶のウソや間違いを咎めようという意図はない。
「美味しかったんだし、ついでにもう一回行こうぜ」
というのが、このおっさん三人の本当のところだ。
あのガンダーラの幻のごとく美味しかったエビフライをもう一度食べたい。

細くうねって下る道に海を感じ、やがて前回も走ったような気がする道にでる。
さて着いた、寺泊(アッサリ)。
前回来た時とほぼ同じ? 場所で車を降りる。
ああ、こんな場所だったこんな場所だった。

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駐車場の垣に植わった桜の木には、ちょうど良い頃合いの花が開いている。
派手すぎず、どこか素朴な味わいの桜だ。

  「今日はそんなに人が多くないですね」とか言いながら
  市場の方へ歩いて行ったらフツーに大盛況でした。
  恐らくは、観光ツアーバスなんかのお決まり買い物スポットになっているのでしょう。
  地元の人も少なくはないのだろうし。
  テラジさん曰く、「年末はモノスゴイ」と。
  分かる。
  大阪で言うなら鶴橋とかみたいなもんなのだろうな。
  今の鶴橋の様子は、オイサンもよくは知らないけど。

お二人はお店の名前や場所まではあまり覚えていなかったみたいだけど、
オイサンはよく覚えていた。

そう、我らの目指すエビフライは、たっちゃんが目印!!

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この辰っちゃんが置いてあるお店!
……の、向かっていっこ右隣りの階段を上がったお店が、お目当てのお店です。
辰っちゃん超噛ませ犬。

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辰っちゃん「……」 (お写真提供:テラジさん)

まあ、辰っちゃんも随分奥まった場所に追いやられてるから、
そんなに目立つかっつったら気を付けてないとカンタンに見落とすんだけど。
さあさあ、そんな旬の過ぎ去った東映ニューフェイスなんてどうでもいいから、
エビフライエビフライ。
エビフライ行きましょう。

大体のキオクを頼りに人波をよけながら進んでいくと、
真っ先に、巨人・よつさんの目に留まる物があった。
「あ、ここですね。ここですここです」
表に貼り出されたメニューにも、センターにでっかく
「オススメ・ジャンボエビフライ定食」。
良かった。
変わってなかった。
メニューから消えてたらどうしようかとか、実は密かに心配していた。
しかし、こうして見てみるとやはり不思議なのは、
どう考えても普段の自分なら、このど真ん中のエビフライ定食を頼むとは思えない。
あの日の自分が一体どうしてこれをたのんだのか、本当に不思議なんだ、自分には。



■寺泊幻魔大戦~ハルバゲドン接近



階段を上がると入り口で軽く渋滞している。
オイサンらの前に一組……いたっけ? そんなくらい。十分ほど待つ。
待つうちに、オイサンらの後ろにはエビフライの匂いに引かれたダボハゼどもががワラワラと群れを無し
(言い過ぎだし彼らは多分エビフライ目当てではない)、
結構な列が形成され始めた。

「三名さまー、少々お待ちくださーい」

と抑揚のない、いかにもぞんざいな対応ののち、
2、3組のお客が会計を済ませて出ていくのだが、入る方は中々案内が進まない。

そんな出ていく方向のお客の中に、
なにか対応が気に食わなかったのか、ロレツの怪しいおじい様がゆっくりと丁寧な口調で

  「くぁwせdrftgyふじこlp」

と、ゆっくりしゃべって尚内容の聞き取れない、何やら因縁めいたクレームをつけていたのだけれども、
そこはアナタ、
さすが漁師町で客商売なんかやってるともう年季が違います、
カウンターで対応してたお嬢さんはお年なんかはまだまだお若い感じでしたけれども
荒くれ者のあしらいは実に手慣れたモンでして、

 「あー、はいー。どーもすいませーん」

と、一切の謝意が感じられない一言で切って落とします。
おじい様とそのゴカゾク、軽く唖然。
こっちは平静を装うので手一杯です。
オモシロイw
おじい様、自分の怒りを相手に分かってもらうことは諦めたのか、
振り上げたこぶしを鞘におさめ(どういうウェポンだ)、
この後の予定について、周辺の観光情報を彼女に求めるも……

  おじい様「くぁwせdrftgyふじこlp?(水族館まで行きたいんだが、タクシーは呼べないか?)」
  看板娘 「そーですねー、来ないですねー」
  おじい様「……くぁwせdrftgyふじこlp?(歩いて行ったら20分くらいかかるか?)」
  看板娘 「そーですねー、20分くらいですねー」

と、やなぎに風、のれんに腕押しとはこのことで、
お嬢さん、
ちょっとした合気の達人でもこうはいかないだろうってくらいの受け流し力を発揮します。
おじい様、絡めば絡むほど全部のダメージが倍になって自分に返ってくることに気付いたのか、
彼女とのバトルはそこで諦めてご退場なさいます。

いやあ、スゴかったw
ここまでスゴイと、帰りに
「水族館までって、歩いたら30分くらいですか?」
って聞いてやろうか、とかしょーもないイタズラ心も芽生えようってものです。
イヤア、エビフライ前になかなか面白いショウを見せてもらいました。

うしろに並んでいたカップルさんもコレマタちょっとスゴかったんですけど、
こっちの方はなかなかその凄さは伝え難いので割愛。
いやあ、観光地ってアレだね、猛者が集まるよね。
これだから旅はやめられない。
人生は旅とはよく言ったもんだ。

予期せぬディナーショウ観覧のあとはつつがなく席に通され、さあご注文です。
ご注文はエビフライですか?
いいえ、エビフライです。

 オイサン :焼き魚定食+エビフライ(単品)
 テラジさん:エビフライカレーセット
 よつサン :ジャンボエビフライ定食(ゴハン大盛り)+エンガワのにぎり(単品)+赤魚の煮付け(単品)

流石はエース、ワカモノ一人で孤軍奮闘です。
おっさんらはさっきのイタリアンもあって、限界間近やでエ……。

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さて、テーブルに並んだ、今回の旅のクライマックス。
エビフライ。
同じテーブルにジャンボなエビフライが二尾ずつ乗ったお皿が三つ並ぶ様は若干異常です。
三人とも、サク、サク、サクと一口食べてみて、ウン、ウンと深くうなずく。

思い出補正や記憶違いではなかった。
むしろ記憶より鮮明に広がる味の世界。

身がとにかく甘い。デカいのに大味さもない。
そこから立つ香りがまた甘く、みずみずしい。
衣が厚い。なのに油くささは皆無で、サクサク歯ごたえと油の喜びだけが脳に響く。
旨いぞ。
全く異なる生い立ちを経てきた三人だけれど、もはや疑いない、
これは三人全員にとっての人生ベストエビフライだ。

エンガワ大好きなよつサンはエンガワの握りをたのみ、
「このエンガワは確かにエンガワだが、私の知らなヤツである」
と、まるでモネを評したセザンヌのような言葉を残した。

隣りの席では、さっき入り口で後ろに並んでいたカップルさんが
「やだあーエビー、ちょう美味しいー」
などとまあ、コレマタかなりのシュリンプぶりを発揮されており超シュリンプ。

都会の乾いた風に慣らされた肌に、
遠方からやってきた我々をカタトキも退屈させまいとする寺泊さんの手厚すぎるおもてなしが染み入ります。
やだあーほくりくぅーちょうあったかぁーいミタイナァー。

お店も常時混雑しており長居は出来ません。
食べ終わったら速やかに退散しましょう。
我々がここで粘ることによって、入り口でまた、見るに堪えない異能バトルが勃発しないとも限りません。

  マあのお嬢さんの武の極まり具合からすれば、
  バトルにすらならないのが常でしょうが、
  そんじょそこらの異能者では、赤子をあやすよりもたやすく退けてしまうに違いない。

ごちそうさまでした。
やっぱり美味しかったです、寺泊のジャンボエビフライ。
夢や幻でない、それよりしっかりとした美味しさ。
バカップルも大満足、寺泊のジャンボエビフライ。
現実も捨てたものじゃない……そんな気分にさせてくれるエビフライ。
お店の名前は書かない。辰っちゃんのとなり。

皆さんも寺泊にお立ち寄りの際は是非どうぞ。
「新潟まで来てエビフライ?」なんて言わず、だまされたと思って。


食後は、寺泊の海をしばし眺めて出発。


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そんな感じで……どーしよ、旅のメインイベントが終わってしまった。
エビフライのことよりも、なんかジイサンと面白店員のバトルがメインになってるし。
マいいか。

ありがとう寺泊。
多分、死ぬまでにきっともう何回かは来る。




続きます。
このあとは宿でひと風呂浴びた後、回転ずしを食べます。
オイサンでした。




 

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