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2015年4月の4件の記事

2015年4月26日 (日)

■ミッド越後ロマネスク ~オードリー・ヘップバーンは二度腹を鳴らす~(1) -更新第982回-




──エビフライを食べる──



ただそのためだけに日本を横断する不思議な遊牧民がいるという噂を聞いて俄然興味がわき、
彼らのことを追いかけていたら自分たちのことだった時の顔をしています、
オイサンです。

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●○● 誰がためにエビは揚がる ○●○



「エビフライ、美味しかったよねえ」
「また食べたいッスねえ」
「あれ、なんだったんだろうねえw?」



テラジさん(@teraji800)とよつさん(@yotsuaki)、そして私の三人が集まると、
こんな風にさいさいエビフライの話が俎上に載せられる。
なんだったも何も、エビフライだったんだけどさ。

2013年の春と夏の境い目のある日、
私たちはテラジさんの愛車・ジェントル号(マツダ・アクセラ)で、富山県は魚津へ向けて旅に出た。
目的は、隊長(@NOR_kankitsukei)を加えた4人でいつか向かうつもりにしている、
アニメ『true tears』の聖地巡礼となる城端への旅に備えたシミュレーション。

  ▼スンスンの河を越えて。~城端前哨戦・新潟・富山めぐり~
   その1http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/1-860--7602.html
   その2http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-b2a6.html
   その3http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/3-862--f052.html
   その4http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-1d7d.html
   その5http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-1b11.html
   その6http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/6-867--344d.html

その途上に新潟が地元のテラジさんに案内されて立ち寄った寺泊の食堂で、
エビフライという名の尾頭付き核弾頭に心を焼き尽くされたのだった。
頭はついてなかったけど。
核弾頭なのに。
↑ 上手いこと言えてはいない

余りにジューシー。余りにもフレッシュ。あまりにもスイート。
まるで、お刺身をお刺身のまま衣でくるんだようなその味と香りと食感に、
食い意地の張った三人は、心を奪われたのでした。

そして、今年。
「隊長の都合がついたら高山へ行こう(城端はどうした)
 でもそれはしばらく叶いそうにないから、それまでの繋ぎに軽くどこかへ出掛けないか?」
と、そんなノリで小旅行の話が持ち上がり、行き先を決めたのが、
「もう一度、あのエビフライを食べに行かないか」
という提案だった。
他にも2つのプランが提案されたが、私たちの頭の中には、もうエビフライしかなかった。

今、再びのエビフライへ。
これは、寺泊でジャンボエビフライをぶつけられた男たちの、
だらだらした一泊旅行の記録である。
そのままですね。



■第1章 ジェントル号乗組員は二度腹を鳴らす。 ~リリーヶ丘~アロー野口~長岡まで~  



作戦開始時刻 AM 06:00。

アラフォーの朝は早い。某新しくない百合ヶ丘にてジェントル号を待つ。
普段なら、ネオい百合ヶ丘のフィンランド的なパン屋さんで待ち合わせるが、
今回は渋滞という名のモンスターの追っ手を逃れるためのタクティクス。
あの、出発前にパン屋でだらっと茶を飲む時間も大好きなのだが
今回は心を鬼にして見送る。

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集合時刻より15分早く着いたので、入念にストレッチ。
早い時間のため人通りはまばらだが、時折行き過ぎる人々の目には
奇怪なポーズで関節を伸ばす私の姿がさぞ奇異に映ったであろうが、
こちとら6時間後にはエビフライと一騎打ちなのである。
ひと目を気にするゆとりはない。
エビフライは遊びじゃない。スポーツだ。

ほどなくして、紫電の如き精悍なジェントル号にまたがりテラジさんが到着。
笑顔でごあいさつ。
「良い旅にしよう」。
今回も、良い旅になる。

いつもなら、ここでひとしきりコーヒーなどすすりながら
(ノー)プランの確認と近況などを交し合うのだが、今回は摩央姉をオカズに……ちがった(ちがわない)、
間を置かずに次のポイントへ向かう。
次のランデブーポイントは、AM06:30、JRサウス武線・某アロー野口駅。
そこで今回の作戦の要、イケメン大巨人・よつさんを搭載する。
彼なくして本作戦の勝利はありえない。

以下の会話は、
新しくない百合ヶ丘~アロー野口までの間に私とテラジさんの間で交わされたものの抜粋であるが、
本作戦の概要をご理解頂くには適当かと考えるのでここに掲載する。


 テラジ 「奥さんにね、『今回、また柏崎まで行くんでしょ? 何して来んの』
      って聞かれたんですよ」

 オイサン「ああ、はい」
 テラジ 「うん、『エビフライ食ってくる』って言ったら『イヤそういうコトじゃねえ』と」
 オイサン「www」
 テラジ 「だから『あ、あとイタリアン(*1)も食ってくる』って言ったんだけど
       『だからそうじゃねえ!』と」

 オイサン「でもw他にないwwですもんねwww観光とか……」
 テラジ 「ないんですよw 『プラボ長岡(*2)も寄ってくるよ』って、言ってもねえ」
 オイサン「でも困っちゃいますよね……それで全部だもの。
      次の高山なんかだと、まだねえ。
      見る物もあるし、ほっといても色々あるんだろうけど……
      今回ばかりは……
      ちょっと面白い店員さんとかワリと頑張って拾っていかないと
      向こうからは何もないw」

 テラジ 「そうw! 我々が頑張らないとw! なかなか録りだかOKも出ないw!」
 オイサン「出ない出ないw 全部頑張って拾っていくよ!」

  *1:イタリアン……長岡市民のソウルフード。ほぼ焼きそば。詳しくはマおいおい。
               今すぐ知りたいせっかちさんは「イタリアン 長岡 フレンド」で。

  *2:プラボ長岡……長岡市民の娯楽の殿堂。ゲームセンター。


以上が、本作戦の概要となる。……食い倒れツアーです。

AM06:20 JRサウス武線、アロー野口駅前。
ロータリーにてやたらにじり寄ってくるうしろの車両におののきながら、
我らが最終兵器の到着を待つ。

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  こうして、何かを待つというのは、正直、キライじゃない。
  良い時間、豊かな時間だとさえ感じる。
  それは期待であり、高揚感に裏打ちされた醸成の時間だ。
  要するに、ウキウキワクワクする。

テラジさんがちょっとコンビニへ外した隙に、エース・よつサン登場。
……なんだその恰好は。
グレーの、まるでジャンプスーツの様な、薄いデニム生地っぽいツナギ。
うおう。
近くに来るまで、誰だか分かんなかったじゃないかよ。ビックリした。
パッと見た感じ、建設現場か自動車修理工場のおにいちゃん、
もしくはNHK教育番組のキャラクターのようだ。イカス。
ファッションのバリエーションが広い御仁だ……つくづくおしゃれさんだなあと感心する。
方向性が一つではないのがすごいよね。
どれもちゃんと似合っちゃうからすごいよな。
今日はカワイイ系。

これで役者はそろった。
いざ、日本横断のエビフライの旅へ。

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そしてまた、ここでいつもなら既にじわじわと忍び寄り、
気付いた時には手に追えない巨大なモンスターへと成長している渋滞という悪魔との戦いを
皆さんにお届けするところですが。
今回はワリと、というか、ほとんどご厄介になることなく、目的地の長岡へたどり着くことが出来た。
いつもよりずいぶん早く、そして出発点を先に置いたため、3、40分はアドバンテージがある。
それだけではないのだろうけど、何度か短い停滞に呑み込まれたくらいで
基本スイスイと快適に走ることが出来たのだった。

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途中立ち寄ったPA・SAは、狭山、赤城、山谷。
赤城で誘惑に負けてホットドッグをよつさんと半分こ。
そしたらなんと、山谷でも

 お  い  し  そ  う  な  ホ  ッ  ト  ド  ッ  グ  が  !!


  テラジ「山谷にはデイリーヤマザキがあるんですけど、
      そこでパン焼いてて、クソみたいに美味いっす」



見るからに赤城のよか美味しそうなんだもん。
クソウ。しかしさすがにここでは食べず。
だってあと一時間もしたら、長岡で第一お昼ゴハンの時間なんだもの。

  ……今、
  「なにその『第一お昼ゴハン』とかって新しい概念」
  などと考えた奴は我が隊には必要ない。今すぐ荷物をまとめて田舎へ帰るがいい。
  常識などという腐った鎖に縛られる者には務まらない。
  よく聴け、ここは飯田橋でたらふくイタリアン(=ホイコーロー)を食べて
  「いやあもう食えねえわ」と言いながらベローチェでスイーツを食べ、
  その帰りに駅で「お! サーティワンがある、食おう!」とか言い出す隊長が統べる隊、
  地獄のみかん隊だぞ!

  「YES!」のあとには必ず「いただきます」をつけろ!
  「NO!」のあとには必ず「ごちそうさま」をつけろ!
  ご飯の前には手を洗え! 外から帰ってきたらうがいをしろ!
  昼休みに電話はする奴は死ね! 東上線は息をしろ!
  DESTROY THEM ALL !!

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あ、ちなみによつサンはここでフレンチトーストと、
他に何か甘そうなパンを買ってたけど、
帰りのクルマで渋滞に巻き込まれるまで食べる機会を逸してた。

そんなわけで、かつてないほどスムーズに、関東を抜けて北上を果たした我々は、
予定していた11時には長岡市内に入っていたのです。

マそれだって、スタートからは5時間も走っているんだけど。
運転本当にお疲れ様です。


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■第2章 ローマの休日~長岡とイタリアのamico




渋滞にも捕まらずに済み、テラジさんのハンドルは至ってご機嫌だった。
車中には『アイドルマスター』系の曲が小気味よく流れ、
車窓に映るのも、昨日までのゴミゴミした街の風景から広く遠い山と川に入れ替わり、
心はそれこそ、春の空の様にはればれと穏やかに。
けれどテラジさんがご機嫌なのはきっとそんなことだけではなく、
これから行く長岡で、幼い頃からなじみ深い、懐かしい味を楽しめるからに違いありません。

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「今回、『イタリアン』が食べたいので寺泊に行く前に長岡に寄らせて下さい」
とは、計画当初にテラジさんから頂いたDMの内容。
イタリアン。
いいじゃないの。
オサレじゃないの。
子どもの頃からイタリアンに親しんでいたなんて、まさかテラジさんにそんなオサレ属性があろうとは。
シチリア島にファミリーでもいるんでしょうか。
なんだか今まで騙されていた様な暗澹たる気持ちになりそうですが、
皆様、ご安心ください。
通常皆様の間でイタリアンといえば飯田橋で食べるホイコーローのことを指すと思いますけど、
ここで言われるイタリアンはそうではありません。

私もついぞ存じ上げなかったのですが、新潟・長岡でだけ食べられるイタリアンが存在するのだとか。
……それは「ニイガタン」や「ナガオカン」であって、イタリアンではないのでは……。
マ細かいことはいい。国際問題に発展する可能性があるけど。

以下、我々が入手した、現地住民からの情報である。
つまりテラジさんが、ジェントル号の中でノリノリで話してくれた内容。

  テラジ「『イタリアン』は、そういう名前のファーストフードなんですよ。
      新潟と、長岡でしか食べられなくて。
      大体、新潟とか、長岡で暮らしてれば食べたことあるんじゃないかなー。
      麺ですね。
      今から行く喜多町店は「フレンド」の独立した店舗なんですけど、そういうのは珍しくて、
      大体、ショッピングセンターのフードコートなんかに入ってるのが多いです。
      「フレンド」っていうのがお店の名前で、
      もう一つ、イタリアンを出すお店の系列に「みかづき」があって、
      「フレンド」はそのイタリアンとソフトクリームと餃子、
      「みかづき」はイタリアンにフライドポテトをつけて出してます。
      あと今から行く「フレンド」の喜多町店は、日本で初めてドライブスルーを実現した店です。
      私が子どもの頃はもう、ファーストフードと言ったら、
      『フレンド』でイタリアン・餃子・ソフトクリームだったんです」


……カオス。
話がさっぱり見えてこないぞ。
つまりは……麺類?
そしてそれが、ソフトクリームと餃子と一緒に売られている。
餃子? ……イタリアン?
新潟で何が起こっているんだ。

マ実は、来る前にネットで調べて大体どんなものかは見て来てはいた。
見た感じから、スパゲティミートソースの和風アレンジ版みたいなものだろう、
と分かった気になっていた。
しかしそんな予測さえも真っ二つに両断されることになる……。
果たして、その謎料理の正体とは? 今しばらく、その謎に頭を悩ませてもらいたい。

  ▼「フレンド」ホームページ
    http://www.e-friend.co.jp/

……イヤ、でもさ、イタリアンで麺類っつったらさ、
そりゃ多少イナカのセンスで変化球ではあるかもしれないけど、
最低でもスパゲティだと思うじゃん?
まさか、ほぼ焼きそばだと思わないんじゃん! イタリアンぶる気、始めから一つもないんじゃん!
中華麺に、キャベツにモヤシに紅生姜て!


  焼  き  そ  ば  だ  よ  ー !!
  焼いた! そば!! だよー!!!



思わずポテンシャル上げて叫んでしまいましたが、
そう、「番号札3番でお待ちのお客様ー」と呼ばれて出てきたのは、
焼そばを買ってくるようゆっこに頼んだちゃんみおにも、黙って渡せばバレないくらいの、
ほぼ焼きそば。
almost 焼きそば。
そこにミートソースライクなひき肉あんがあしらわれ……
イナフ。
almost 焼きそば、イナフ。
アルゼンチンペソぶつけんぞ。

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誤解のないよう申し上げますが、コレ、とても美味しいです。
お味は文句なく美味しい。

見た目の色合いから、あの忌まわしきローメンまんを連想して一瞬イヤな予感がよぎったのだけど、
ローメンまんも良く知っているテラジさんの好物だというのだからそんなはずもなく。
あとをひく美味しさでした。



時間を、少し戻す。



長岡のICで関越道を降り、地元民・テラジさんによる
「ドンキができた」「あれはなんだ」「これが変わった」と、
という案内を耳に走るコト数分、
「お、アレですねアレですね」と、見えてきたのは青地に赤文字の「フレンド」の看板。
テラジさんも来るの初めてという独立店舗のフレンド喜多町店は、パッと見、ローカルなファミレスの様相。

広い駐車場にはそこそこお車が入っているし、
我々が到着して店に入るまでの間、ドライブスルーには車が何台かやって来ていたから、
テラジさんの「長岡市民なら一度は『イタリアン』を食べてるだろう」という言いっぷりも、
あながちネタや妄想ではなさそうです(疑っていたのか)。

お店に入ってみれば、先ほどの感想そのまま、ローカルなファミレスの様相。
ただしやはりファーストフードを謳うだけあって、先注文・先払いシステムのご様子。

テラジさんはプレーンなイタリアンを、
よつさんはイタリアンに餃子がついた「ペア」。
オイサンは、期間限定のうま辛イタリアンにしてみた。
他にも、
 ・カレーフレーバーのカレーイタリアン
 ・ハンバーグの乗ったハンバーグイタリアン

 ・塩分ひかえめ・薄味のアメリカンイタリアン

などがあります。最後のは微妙にウソです。

番号札を受け取って4人席に陣取って見渡してみる。
お店は広々としていて、ファミレスみたいにブースごとに壁が有ったりせず開放的な感じ。
雑誌・マンガ類も充実。
ご家族連れもいれば、カップルさん? もいますね。
ドライブスルーも、長蛇の列になるようなことはないにせよ、途切れなく車が入ってくる。
むう、愛されておるな。

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確かに、子どもの頃から親に連れてこられ、
学生時代に友だちと入り浸って、カレシカノジョと一緒に通って……ってやってると、
「この味で育つ」みたいなことになるのも頷ける。良い場所じゃないの。
好きよこういうの。

都会のカフェとかファミレスみたいに、勉強してる学生とか、
MacBookを開いてカタカタ・ッターン!! してるノマドも見当たらないけど……
普段は居たりするんだろうか?
居たりアン?
都会のカラオケみたいに、深夜には男女がイチャイチャ、エロエロ行為に及んでたりするだろうか?
若気のイタリアン? ← ばかにしすぎだ

  そもそも24時間営業なんかじゃ、絶対ないだろう。
  調べてみたら、19時閉店だった……。早すぎて逆にびっくりした……。

お店、オイサンはすごく好きな雰囲気でした。
空間の広さが、なんだかすごい散漫でゆとりに満ちている。
マ田舎のさらに郊外店ってこともあって、敷地が余ってるってだけなのだろうけど、
とても居心地の良い広さだった。
都会のファミレスとか、息苦しかったりするからね。
お店側がイメージしているのはやっぱり、ファミレスよりもファーストフードなんでしょう。
どう考えてもファーストフードではないんだけども。
出てくるのもそこそこ時間がかかったし、厨房にやたら人がいたのもびっくりしたな。
7、8人いたぞ。

そして出てきたイタリアン。手を合わせて頂きます。
ずぞぞぞぞぞぞぞ……。

  テラジ 「……どうですか?(若干不安そう)」
  オイサン「(モギモグモグ)……あ、(モグモグモグ)焼きそばですね」
  テラジ 「www」
  よつさん「ですねw
  テラジ 「wwwwww」

とはいえ、餃子も美味しいし、学生さんが部活帰りに寄ってだべって帰るのには
もってこいのボリュームとスペースだと思うわ。
あと、餃子の値段がなんかデタラメだったのも後々話題になった。
40個で1110円……だったかな。

ありがとう、フレンド。
さようなら、フレンド。

……しかし、ここまで色々知ってしまうと
今度はみかづきバージョンのイタリアンも食べたくなってしまうな。

  チラッと調べてみたところ、小千谷でもイタリアンが食べられたらしい。
  しかもフレンドのじゃなく、みかづきのバージョン。
  しまったな、帰り寄って来れば良かったじゃないか。
  帰りの胃袋にそんな余裕はなかったが。

フレンドやミカヅキの創業がいつだかわからないけど、
自分たちの売っているそれが決して「イタリアン」でないことが分かってしまった後でも
決して退くことなく「イタリアン」として提供し続ける、その姿勢には心を打たれる。
大人はウソはつかない。間違いを犯すだけなのだ。

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とはいえ、イタリアン。
イタリアの中心地がローマであるなら、さしずめ新潟・長岡は日本のイタリアであり、
ローマと呼んでも差し支えない。
まあ、新潟とイタリア、どことなく形が似ていなくもない……かな。

いっそのこと、フレンドとみかづきで統一キャンペーンガールでもでっち上げて、
オードリー・ヘップバーンの生まれ変わりとか言って盛り立ててやればいいんだ。
「日本のローマでイタリアンを食べて、本物のローマへ行こう!」キャンペーン実施中!
(してませんし「本物の」って言っちゃったよ)


そんなこんなの30分あまり。
食後、店の外でのおタバコタイムのあとは……メシ食ったらお前、ゲーセンだろ。
プラボ行くぞ!
学生か!


……というワケで、やってきましたプラボ長岡(本当にゲーセンに来た)。
まあ、来たいと言ったのは私ですが。
理由は特にない。イナカのゲーセンを見たかっただけ。

ゲームセンターというよりは、90年代以降にたくさん出来た大型のアミューズメントスポットですね。
中も広々。
うん、閑散としています(失礼だが事実だ)。
ビデオ:メダルが4:6くらいだろうか。
ビデオゲームとエレメカが合体した、ビデオエレメカみたいなのが結構あるなあ。
オイサンは純ビデオのSTGとかしかやらない人だから昨今ゲーセンからは足が遠のいているけど、
偶に入ってみるとメダルゲームとかこういう半エレメカゲームとか、
結構面白そうなんですけどね。

オイサンは、以前どこかで見かけて気になっていた『マッハストーム』をやってみた。
うーん、イマイチ。
大味だなあ。
釣られてやってみたよつさんも、ポッド筐体から出てきて首をひねる。
ああ、同じ感想なんだw
海外では売れ行き好調らしいですけど、日本向けな感じではないですね。
テラジさんは「頑張ってると思うけど、休みの午後にガラガラだったなー」と淋しそうでした。

以上、プラボ長岡からお送りしました。



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右肩に燦然と輝くnamcoのロゴは、僕らの夢の象徴だった。



といったところで、第一回はここまで。
SAで買い食いして、
長岡で焼きそば食って(イタリアンだっつってっだろ)、ゲーセンにいきました、と。

今日の中越は日本晴れ。
オイサンでした。


……なんかこの三人でいると、ちょっと『ゆゆ式』みたいだなあ。


 
 
 

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2015年4月12日 (日)

■心癒す鎌倉へ~オッサン、仏に救いを求める -更新第981回-

帯広で遊びほうけていたら乗らなければならない飛行機の時間を逃してしまい、
それどころか気付いたら深夜の一時を過ぎていて、
空港の営業時間なんかとうに終わってしまってて、
仕方なく帯広の駅前で宿を探す羽目になった。


……そんな夢を見ました。オイサンです。


『風雨来記3』をプレイしながら、帯広のシーンで寝オチしたせいだろうきっと。

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『風雨来記3』の画面。オイサンも実際に行った、島武威海岸に向かう交差点。

実際、2004年の5月に初めて帯広を訪れたとき、
スガイディノス帯広で『ケツイ』をプレイしてたら飛行機に遅れそうになったことがあるので、
その時のこととシンクロしたものと思われる。
今では20回を数える渡道歴の、2回目の時のことだ。

その深夜の1時に慌ててタクシーを捕まえ
(よくその時間にあの町にタクシーが走ってたなとも思う)、
「帯広空港……って、もう息してませんよね……?」
「そうねえ、もう閉まってますねえ」
と尋ねて笑われる、とかいう、変にリアルな夢だった。
やむなく車を駅前に向けてもらい、
明日仕事間に合わないなあ、また怒られるなあ、と宿を探しているところで目が覚めた。

帯広へは3回行ってるけど、なんかこう、毎度途方に暮れてしまう。
あそこは広すぎる。
食べ物は美味しくて、イヤなメに遭ったわけでもないのだけど、
訪れるととても漠然とした不安とむなしさに苛まれる土地だ。

また行きたい。
「はげ天」さんの豚丼と、広小路にある「みすず」のラーメン、
あと「インデアン」のカレーを食べに。



●○● オッサン、大仏に救いを求めるのこと ○●○



ここ3週ばかり、週末には鎌倉に出掛けてブラブラぼんやりしている。



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……などと、書いていると。



ただの呑気なおじさんのホンワカな休日に見えると思うんだけど。
けども、その内情って実はそんな優雅なモンじゃなくて、
ワリと切迫した気持ちの表れだったりすることを、
せめてここを読んでる人たちくらいには分かっていてもらいたいと思う。

自分でも最近、「なぜ自分は、休みの日にこんなに出掛けようとするのだろう?」と
不思議に思うところがあった。
そこで自分の行動を振り返ってみたところ、一つ、こういうことではないかという仮説に行き当たった。


  「休みにゆっくりした」という強い実感を得ておかなければ、
  平日の辛さ・忙しさに心が耐えきれないから、ではなかろうか。


分かりやすい形で「自分はゆっくりした時間をすごしたんだ」ということを
強く心に留めておかないと、最近時間の流れが速すぎて……
自分がいつ、
どこで、
どんな風にゆっくり過ごしたのか……、
それさえ分からなくなって、
疲ればかりが残る中、自分は本当にゆっくりしたんだろうか? と不安になる。

ただ家でゆっくりしたり、家の近所でゆっくりしたりするだけじゃ、形として、強度として……頼りない。

休んだ実感、ゆっくりした実感。
それらがすぐに埋もれて消えてしまいそうになるから、
分かりやすい形でどこかへ出掛けて、その痕跡もしっかり残しておきたい。
ここをあとで読み返して、
「ああそうだった、自分はこんなゆっくりした良い時間を過ごしたのだった、
 だから、今、ちょっとくらい気持ちがしんどくても大丈夫なはずだ」
っていう……自信っていうとおかしいけど……安心感に繋げるためにやってるトコが、実はある。
……んじゃないかと、自分で思うようになった。

強迫観念のようなもので……。

おかしな話だと笑うかもしれないけれども、その辺ほんと、ワリと切実でね。

だもんで、
「俺は休んでいるんだ! 愉快な休日を満喫しているんだ!
 だから俺は元気なはずだ、だいじょうぶなはずだ!」
……っていう、悲痛なオッサンの叫びだと思って、この先は読んでもらえると……
別に嬉しくはないな……。

やっぱり、オモロイおっさんのほんわかぱっぱダイアリーだと思って読んでくれた方がいいや。

三週間の土日のどっちか、3~5時間程度で鎌倉界隈を徘徊していたワケだけど、
マいつものように日ごとのことを時系列で書くのではなく、
こんな見どころ、楽しみ方がありますよ的に書いていこうかしら。

時間は大体、お昼過ぎから日暮れ前にかけて。
5時を過ぎると帰宅ラッシュにぶつかって、
江ノ電なんかは何本か待たないと乗れなくなってしまう。
遅くても4時半頃には引き揚げるようにしたいところだ。
まオイサンは大体、行きが江ノ電、帰りは横須賀線だけども。



●その一、 長谷の大仏様の楽しみ方~お膝元でボンヤリする



まずは超一級のメジャースポット、長谷は高徳院の大仏様。

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大仏様は鎌倉でも一、二を争うメジャースポットですから
当然人出もアホみたいに多いわけだけども、
鎌倉の大仏様は奈良や岐阜の大仏さまと違ってアウトドア派、つまり年中お外におられますから、
その周りが身動き取れなくなるほどギュウギュウになるなんてことは
新年でもない限りないんじゃないでしょうか。

だもんで、ひと気は多くても、人の多さによるストレスは案外なかったりする。

  長谷の大仏でストレスになるのは、駅から大仏様にたどり着くまでの道の方だ。
  クルマ通りの多い道の、せまい路肩程度しかない歩道を10分ほど、人で渋滞する中を歩くので
  ストレスが大きい。

  沿道にちょっと立ち止まって買うスナックみたいな食べ物屋……
  コロッケだったり、ソフトクムーリだったり……が多かったりするのが
  ここでの渋滞に一役買っている。
  オイサンの訪れた日は、運よくそんなに人は多くなかった。
  あまりに人が多いときは、一本裏手の道に入れば全然快適ですけどね。
  悪くない道ですよ。観光地っぽくなくて、地味だけど、鎌倉らしい良い道です。
  マ一回こっきり、観光に来る人たちはそんな道歩かないでしょうけど。

  ちなみにオイサンは「もっふる」とかいう、おモチで出来たワッフル的なものを食べてみた。
  どこのブリリアントパークのキャラ菓子だ。

   Img2015031500107 Img2015031500108


  なんというかこれは……レアお煎餅だな。
  外はさっくり香ばしく、中はしっとり普通に焼き餅だ。
  思ったよりぜんぜん軽く食べられる。ナイス。
  お店の人と「今日はあんまり人多くないっすね」などと言葉を交わすゆとりがあった。
  嬉しい。


大仏様に話をもどす。
大仏様の周りには、ベンチとか、石の台座とか、腰を下ろせる場所も結構豊富にありますし、
人もそれぞれ、マ15分も留まれば長居な方で、
皆さん案外あっさりとやって来てはあっさりと去って行かれるから人波が滞ることもない。

その辺にぼさっと腰かけて、大仏様と、それを詣でる人々を眺めていると、
これが思いのほか楽しいわけです。色んな人がいるからね。

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おじいさん、おばあさんに始まり、
若いカップル、ご家族連れ、孫からじいさんばあさんまで一緒の大きなご家族、
日本人から、黒人、白人、アジアの人々、
特に外国の方は、やはり見慣れないのか、感性が異なるのか、
すごく素直に、大仏様を「美しい」と思うようだ。

何よりも場所が場所だけに、大抵の人が笑顔で和やか。
譲り合いの精神に満ちててイザコザなんかが起こらない。
人は多いのに、放たれる負の瘴気がほぼゼロです。これはすごい。仏パワー。
同じ人群れでも、満員電車とは天と地の差です。

溢れんばかりの笑顔でいらっしゃいますね。
大変に微笑ましい思いです。
そりゃそうだな。特に外人さんたちは、海外旅行中だものな。
そりゃ楽しいよ。



……あとはまあ、アレだね。



舶来物のおねえさんが、ワリと惜しげもない感じハチ切れんばかりに歩いてらっしゃるので、
アリガタヤアリガタヤってなもんですよ、ええ。
さすがかの歌聖・与謝野晶子に「美男におわす」と言わしめた鎌倉随一のイケメン、
座ってるだけでもう、入れ食いですよ。
舶来お姉さんをチョチョイとイテコマスのなんてお手の物ですよ。
釈迦の掌で踊らされるとはこのことですよ(罰当たりすぎるだろ)。

まあそうやってボンヤリ小一時間ばかり、仏様のお膝元でボンヤリ過ごすのもいと楽し。
なにしてんだろうって感じですけども、
これだけでも、大仏様を眺め、鎌倉の森の空気を吸うだけで、気持ちはすこし、救われるんですよ。
少なくとも、自室にこもっているよりは。

皆さんも鎌倉にお越しの際は、大仏様のお膝元に小一時間、是非どうぞ。
時間を取る価値のある過ごし方ですよ。



●その二、八幡様はローアングルで~鶴岡八幡宮の楽しみ方



鎌倉へ三日きたうちの二日は八幡様に寄ったのだけど、
どちらの日も石段を上がった本殿までは参らず、その足下、舞殿の周りまで行って
おしまいにした。

下からの眺めが好きなんだよ。
……ローアングラーだから。
……むう。
そう考えたら、なんか興奮してきたぞ(マジでか)。

私はあの、三の鳥居のところから、
本殿までの大きな参道をずーっと眺めているのが好きなんだよ。
とても気持ちがいいんだ。美しい。

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鎌倉の、山と森は本当に気持ちが安らぐ。
鳶が何羽も、そう高くないところで輪を描いて気持ちよさそう。
奈良には鹿がいるけれども、鎌倉は鳶がいていいね。
鎌倉の空は、彼らがより広く、より高く見せてくれていると思う。
彼らがいるから自然と見上げることになるし、遠さ、深さがよく分かる。
……まあ、奴らは奴らで、虎視眈々と間抜けな人間の食べ物をねらっているのだけれども。
それを思えば、奈良の鹿は行儀がいいな。
ただの食性の問題かも知れないけど。

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ここには腰をかける場所もなく、往来も多い。
写真を撮ってる人も多いから、あまり邪魔にならない場所に陣取って、
人と空と森を意識に収めてボンヤリする。
ここもまた、人は多いし話し声は尽きないが、その高い空が全部まとめて吸い取ってくれるみたいに感じて、うるささはあまり気にならない。

話しかける対象が画面に出てきてない、昔のアドベンチャーゲームの画面みたい。



●その三、 円覚寺+北鎌倉と鎌倉を結ぶみち



北鎌倉~鎌倉間には見所になる寺社が多く、オサレ料理屋さんも多いので
歩くのも楽しいのだけども、
この道も人の歩ける幅が狭くて、人が多くて、いつもストレスになる。
私は鳶になりたい。

途中でソフトクリームやらお煎餅やらを買って、のんびり歩くのがよろしかろう。
イライラしても仕方がない。

中間点辺りにある建長寺さんの山門、
北鎌倉寄りに位置する東慶寺さん、円覚寺さんがお気に入りで、
今回は三日間のうち二日、円覚寺さんの山門わきにあるベンチに腰を下ろし
書き物にいそしむ。

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気候の良い時期の、天気の日だから出来ることだ。
あったかで、風が気持ちいい。
ああ、ありがたい。

石段の入り口に人を嫌わない猫がいて、やたらと人にかまわれていた。

そうしてオイサンが一人、ありがたーい気持ちで山門の傍らでちょうボンヤリしていると、
若干オサレ気味なカップルがやってきました。
まあ、カップルさんなんかはワリとおられますよ。
ええ。
若者でも、多い。
絶好のデートスポットですから。
しかし彼らは一味違っていた。
テンションが高い。
とにかく高い。

ただし、やかましいとか、周りに迷惑をかけるわけではない。
物静かなモンです。

ところがカレシさんがカノジョさんに
「じゃ、次『スッキリ』で!」というと
「『スッキリ』ね、こう?」
「おーいいねえ!」
と、なんの迷いもなくオモシロポーズをとって見せ、写真を撮っている。
イヤ、それだけなんだけど、カレシさんもカノジョさんも、
あまりに迷いがないもんだからなんかハタで見ててもすごく楽しそうで微笑ましかった。
高校生や中学生ではない、多分大学生でもないと思う。
成人して、公の場であのノリの良さ、テンションの高さはちょっと稀だなあ、プロかなあ、と、
見ていて羨ましくなるほどだった。

はしゃいでる感じではなく、落ち着いてるんですね。
テンションは高いけど、落ち着いている。
ただ、キレが違う。
テレがない。

ファッションモデルさんなんかは、撮影の現場では、
着替えるために迷いなくスパッとハダカになると聞き及びますが、そんな感じです。
山門のところで2、3ポーズを決め、少し進んで本殿前でポーズを決め。

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あ、ただ、それを見てて思ったんだけど、
「キミら別に、鎌倉こんでも、どこでもおんなじようにオモロイんとちゃうのw?」
ということで。
せっかく観光地に来ても、彼ら自身が主役であって、
彼らの方が多分、彼らにとってはオモロイんとちゃうかなあと。



●その四、 小町 in the DOGS



ぶらりと流すだけの小町通り。
いつも決まって立ち寄る帆布の店に寄った以外何をしたわけでもないけれども、
あれだけ人の多い日でも、ちょっと入れば、人っ子一人いない道も、実は見つかる。
小町と若宮大路の間には細かい道がチョイチョイ走っているから、
様子を伺いつつ道を選べば、静かなところも歩くことは出来る。

もちろん、メインストリームほどお店なんかは多くないけどね。。
そんな小道をウロウロする間に一軒、
昭和で時の止まったような喫茶店を見つけた。
ただ古めかしいだけの喫茶店なら特に惹かれもしなかっただろうけども、
表に「ホットドッグセット」と……わざわざ貼り出されていては、心が躍る。

二週目の時に発見したのだがしかい、その日は来る直前にお昼をいただいてしまってたのでスルー。
三週目の時に入店した。

  ていうか、実は三週目に鎌倉に来たのは、このお店が目当てだったんだけど。
  二週目の日、以前食べてもう一回食べに行こうと思っていた
  中央林間の駅ソバの、なめこおろしそばリベンジを漸く果たしたのでした。
  こちらも美味しかったよ。
  そして美しかった。

このお店のホットドッグは、
市販のバターロールサイズのパンに、
ケチャップたっぷりのソーセージに玉葱どっさりのオリジナリティ溢れる、
っていうか、お店のマスターの「実家の味」なのではないかと思わせる
家庭味たっぷりの代物でちょう美味しい。

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セットでついてくるスープもぴったりでとても嬉しい代物でした。
今度から知人を鎌倉に案内するときにはこのお店を使おう。
間違いなく空いてるだろうし、ちょうど良い。

  ちょっと狭いのと、喫煙OKなのが、たばこを吸わないオイサンにはちょっとつらいけど、
  たばこのみには喜ばれそうだ。

昭和のお友達みたいな常連さんが入れ替わりやってきてマスターは忙しそう。
オイサンみたいな飛び込みの客の方が珍しいかもしれんね。
でもゆっくりしてても放っておいてくれる雰囲気がありがたい。

帆布の店では、チェーンリールの付いた春っぽい色のストラップを買おうかどうか
さんざん迷ったけど買わなかった。



●Closing



まあそんなことで、既に何度訪れたか、同じ道を何度歩いたかもう定かでない鎌倉でした。
いいところです。
これだけの回数訪れると、観光地としてよりも、日常生活が垣間見え始めて
違った楽しみになってくる。

江ノ島や江ノ電沿いの風景は近年のアニメでよく使われていたし、
オイサンとしてのお付き合い始めは1998年発売のPSソフト
『NOeL~la neige』で舞台になってからだから、かれこれ17年。

なれないうちは人の多いところはやっぱりイヤだったけども、
最近は、人出が多いなら多いなりに、
少ないところを選んだり、多いことも楽しみに組み込んだり、
ちょっと複雑な楽しみ方も出来るようになってきた。

それには勿論、近場に住んでいて見るべきところは既に見終わっているだとか、
ダメでもまたくればいいとか、
リピート前提の考え方が出来る環境があればこそで、
遠方から来られるド観光目的の人にはなかなか同じことを要求することは出来ないけれども。

……デ、まあ、冒頭の話に戻るのだけど、
最近、自分の心はまだ大丈夫だろう、
すっかり平気ではないにせよ心が異常を来たすほどではないだろうと思いながら
日々の勤労をどうにかやっているんだけども、
ときどき、ふとした弾みに、
「もしかするとこれは、心が荷重に耐えられなくなりつつあるサインなんじゃないか」
と感じる瞬間に出会うことがある。

すごく緩やかだった幼い時代のことや、
ごく近い過去の穏やかな時間、ジョギング中の風景などを無意識のうちに思い出し、
白昼夢を見ていたようにぼーっとしてしまっていた
……という瞬間がそれで。

  不思議と、ジョギング中の風景って異様に細かく思い出せる。
  時系列に沿って思い出していくと、
  どの曲がり角でどんな人とすれ違った、
  どの信号で捕まって、そのときどんな車が走っていったかなど、
  ちょっとフックのある風景ならだいたい思い出せる。
  そしてそれを順を追って思い出していると、
  そのとき辛いことを一瞬隅に追いやって、心が回復する時間稼ぎをする事ができるんだ。

数年前のある一時期、心がものすごい辛い時期があり、そのときにに気付いたのだけど、
昔の穏やかな時間や自分があるがままの状態でいられた時間のことを思い出すことには、
どうしようもなく辛い気分のときでも少しだけごまかして
また続きへ向かうことが出来るようになる、という効能があるらしい。

思い出しているときは、
ホットケーキの断面にメープルシロップが浸潤していくように
こころがじんわりと落ち着いていく様子を感じることが出来る。

これは……なんだろうか、
この行為は回復なのか逃避なのか、どういう言葉を当てはめるかはともかく、
短期、短期にそういうリフレッシュを差し挟まないとやり過ごせないような状態なのか自分は……
と思うと、少し恐ろしい。

そんなこともあって、
少しでも強く確かな「ゆっくりタイム」を心の中に確保しておきたくて、
……これもまた半分は無意識なのだろうけども……
あちこちへゆっくりしに出かけている……のではなかろうか、自分は。



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そんなんで、鎌倉。



「目をつぶっていても歩き回れる」は物の喩えだとしても、
あまり意識を集中せず、時間もさほど気にしないで、
ぼんやりしていたって行って帰ってくることは出来る位の場所にはなっているから、
リラックスするには持ってこい。

最近小諸づいてちょっと足の遠のいていた感もあるけど、
まだ聖地巡礼が聖地巡礼と呼ばれる前の時代からの
自分の巡礼の原点のような場所でもあるので、
そういうコトの出来る場所の一つとして、また見直して行きたい所存。

かわいい彼女を三人も囲っている楽しみもありますしね。
あの子等とも長い時間が経つけど……印象深い子たちだねえ。


オイサンでした。






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2015年4月 5日 (日)

■そして僕らは、河に出合う。~巡礼・岐阜を巡る -更新第980回-





───思えば、あれは再発見の一週間であったかもしれぬ。




岐阜の旅の最中には、カズオ・イシグロの『日の名残』を読み返す時間を得、
その素晴らしさ、精彩にちりばめられながら、オイサンの盆暗な脳味噌が見落としていた
いくつかの意図を再発見することが出来たし、岐阜へ旅立つ直前に、
それまでなんとなく渋っていた『氷菓』のBD-BOXを勢いで注文し、
それを見返すことで、
これまたずっと放映初見時にそのファーストエピソードに対して抱いていた
「どことなくかったるい」という印象を180°覆すほど、
鮮烈な印象を再発見することが出来た。
なかなか嬉しい一週間だったと言える。

さて、岐阜である。


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アニメ『僕らはみんな河合荘』のロケ地、岐阜県岐阜市の、長良川あたりへ出掛けてきた。

唐突だが、小学校の時分に社会の授業で習った川の名前をどのくらい憶えているだろうか。

  石狩川、木曽川、信濃川。
  最上川、利根川、四万十川。
  北上川、阿賀野川、阿武隈川。

「一番長い!」とか「流域面積が一番どうとか!」とか「ガミラスより青い!」とかで、
なにかしら憶えさせられたと思うのだが、いかがだろう?

彼らがそれぞれどういうパーソナリティを持っているのかについては、
……それをこそ重要な情報として教科書に記憶させられておきながら……
正直とんと自信がないが、
少なくとも、上で書いた名前くらいは記憶にぼんやりと残っている。
ただ、長いとか、デカいとか、そういう特徴を忘れ文字列になってしまったら
どれも同じようなものにしか見えてこない。

「大きな、有名な川なんだな」というイメージていどしか残らず、
ましてや実際に彼らの横たわる姿やまわりの景色、
そこに人がどんな風によりそっているかに想像が及ぶなど、望むべくもない。
どこを流れているのかもあやしい。



●○● 河と出合う旅 ○●○



2004年の1月に初めて北海道・旭川に行ったとき、『北へ。』で紹介されていた旭橋を見に行った。
その時、橋については「これがそうかあ」程度の気持ちだったのだが、
ハタと、橋の下を流れる川のことが気にかかった。

「もしかしてこの、下を流れている川は、小学校のときに社会で習った石狩川だろうか?」

教科書に名前が載っていて、憶えておくように言われ、なんとなく憶えてはおいたけれども、
まさかその実物を見ることになるとはまったく考えていなかったから、
変な感慨があったのをよく覚えている。
そうか、これがあの有名な石狩川さんか、と、
有名人とか、歴史上の偉人に会った……そんな感覚に近かった。。

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  そもそも自分の意志で旅らしい旅をしたのはそれが最初だったから、
  そういう予想外の「出会い」がそこで起こったのも、無理からぬことだった。
  あの旅は生涯忘れられない、昂揚感に満ち満ちたものだった。

二度目は、南木曽の柿其渓谷へ、牛ヶ滝を見に出かけた時。
成田美名子先生のマンガ『花よりも花の如く』に登場したその滝を見、
同作で紹介されていた宿に泊まったその帰り、ついでの足で南木曽駅で寄り道をして妻籠宿を見に行った。
南木曽の駅で帰りの電車を待つ間、
いくらか時間があったので少し下って近くを流れる木曽川を見に行って、
その勇壮さにまんまとやられて帰ってきた。
正直、妻籠宿のことはほとんど憶えてない。全部、木曽川の眺めに持って行かれてしまった。

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そして最後はごく最近、小諸で千曲川。
石狩川、木曽川に比べれば、クックック……奴は最弱、と言われても致し方ない知名度ではあるかも知れないが、
その名前は字面と響の面白さからよく覚えていて、
ダムのほとりで車を降りた時、なんとなくほっこりした気持ちになったものだった。

アニメ『僕らはみんな河合荘』のロケ地が、岐阜県の岐阜市、
長良川を跨ぐその名もずばり長良橋の付近だとは、放映中にTwitterで知ったことだった。
アニメの映像を見て、出てくる水辺はどうも川のようなのだけど、
あんなにたくさん舟が浮かんでいるのは一体どういうことだろう? と、不思議に思っていた。

木曽川にも、石狩川にも、大きな川とはいえあんなに舟が浮かんでいる光景は、
少なくとも自分の見た範囲では想像しがたかったからだ。

  川に船の浮かんでいる光景で憶えているのは、
  地元神奈川の境川が江ノ島あたりへ向けて注ぐ、もう海と川の境い目が無くなるくらいの地点でしかなかった。

長良川も、小学校のときに習ったかどうかはさておき名をよく聞く川ではあるし、
歌なんかにもなっている。
そんなことで興味は持っていた。

それでまあ、最近の自分の信州ブーム、プチ遠出ブームにかこつけ、
『河合荘』の聖地巡礼を兼ねて岐阜まで行ってみたのだった。
マ巡礼っつっても、例の如く、積極的に作品との完全一致を狙うようなことはしないで
「その辺」をボンヤリ歩くだけなんだけどね。



●○● 一日目。 ○●○



  ▼▼▼岐阜へ……岐阜駅~長良橋まで歩く▼▼▼

先ずはじめに、名古屋 ⇔ 岐阜の近さに驚く。
関東圏からのぞみで名古屋まで、約1時間半。
名古屋駅から、電車で30分かからないのね。各停でも快速でも、時間はそんなに変わらない。
ウチから新宿とかよりよっぽど近い。
もし何かで名古屋へ勤めることになったら、家は岐阜において通うというのも全然射程内だなあ。

名古屋~岐阜間の車窓の風景は、特筆することの見当たらない、郊外的田舎の風景。
住宅街、工場。
こんなかんじなのかー、とちょっとテンションは上がらない。

岐阜に着くと、駅にはそう長くとどまらずすぐ移動を開始した。
降り出した雨がまだ行動できる強さのうちに早く宿に着き、宿の周りでも歩きたいという気持ちが強かった。
今思えば、どうせもう雨もパラついていたのだし、駅ビルの中でも少し探索したら良かったと思う。

  帰りに駅ビルの中を眺めてみて思ったのが、郊外臭が強い。
  メジャーなチェーン店の集合体で、
  まち独自の店やその活気というのが感じられなかった。

  そうだな、小諸が異質なのは、駅前にメジャーなチェーンが見当たらないことなのかもしれない。
  それなのに、物さみしい、うらぶれた感じがしないのは特異である気がする。
  実際のところは結構うらぶれているはずなんだけど。

宿は、JR岐阜駅から長良川を跨いだ反対側にある。
駅前付近で昼ゴハンを食べ、あとは歩くか、タクシーでも捕まえようと考えていた。

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一応昼ゴハン向けにピックアップしておいた店に向かって
JRの駅からメインストリート周辺を数ブロック歩いてみたのだけど、
すぐに閑散とした雰囲気に包まれ始めた。
アパレル、繊維系の問屋みたいな店舗がたくさん軒を連ね……
がらんどうの空間にシャッターをおろしている。
なるほどなあ。

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目当ての店はランチタイムを終えていて入れず、たまたま見かけた喫茶・軽食の店で頂く。
おかずも美味しいけどゴハンも美味しい。
そしてゴハンの量が、関東圏よりも多めな気がする。
お店の性格なのか、地方の特質なのか分からないけど、なんとなく地方的な物のような気がする。
いきなりこんな店でゴハン食べる観光客、あんまりいないだろうな。
デカい荷物持ってたしカメラ下げてたし、どんなふうに見られただろうか。

  ▼▼▼タクシーが捕まらない▼▼▼

この日は、薄い雲からときおり小雨がぱらつくような空模様だったので、
途中でタクシーをつかまえて先ずは宿まで一気に行ってしまおうと考えていたのだけども、
なんとしたことか、タクシーがほとんど見当たらない。
曜日のせいか、それとも歩いた道が悪かったのかわからないけど、
そこそこ交通量のある通りを歩いたにもかかわらず
JRの駅から長良川を越えるまでの1時間ほどの間に見かけたタクシーの台数は5台程度だった。
地元の人は車を持っているのだろうし、見た感じバス路線がしっかりしているようだったので
あまり需要は無いのかもしれない。
京都みたいな超観光都市でもないわけだし、日常的に、そこまでの需要があるわけではないのだろう。
特にこんな、花があるわけでもない、観光の谷間の季節には。

結局、小雨の落ちてくる中を重たい荷物をかついでガッツリ5㎞歩くことになってしまった。
スパルタンである。
けど、まちの様子はよく分かったし、
若宮町の交差点あたりで町の東側に突然山が現れる様子にびっくりも出来たので良しとする。
はじめての町は歩いてナンボだ。大雨だったらさすがにイヤだけど。

「とりあえず北へ向かえば長良川にぶつかり、それを渡れば宿には着く」
というかなり適当なプランで歩いていたにもかかわらず、
今回の散策ポイントの一つである川原町にたどり着く(迷い込む?)ことも出来た。
雨も降っていたし、荷物もあったのでゆっくり見て回ることは出来なかったけど。
しっかり見て歩くのは明日だろう。

  ▼▼▼1日目の終わり▼▼▼

宿に着くころから雨が本格的になってしまい、この日の活動はこれでほぼおしまい。
夜は、岐阜城の建つ金華山を川越しに眺めることの出来るゴハン屋さんでゴハン。
ゴハンがおひつで出てくる変わったお店。
感激するほどおいしい、というほどではなかったけど、おいしかったし楽しめた。
満足満足。
そぼ降る雨に煙る岐阜城を見上げながら、夜の長良川沿いを歩いて宿に戻る。

  雨だし夜だしで、そんなに眺めがいいわけではないんだけどね。
  ライトアップされてたけど、そんなに派手ではない。

闇の中でも、雨で水を増した川が怪しくうねっているのが見える。
明日の朝までには雨は上がり、午前中は晴れて暖かくなるというからそれに期待しよう。
水が多めで、大きな川の川らしい姿が見られたらうれしい。

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活動開始は日の出と同じ、6時15分。
時間に余裕があるわけではないけど、あんまり汲々としないでゆったりした気分でいたい。
のんびりしたいよ。

夜も、明日の朝も、ジョギングするつもりで装備は一式持ってきたんだけどね。
流石に雨ではなあ。



●○● 二日目。 ○●○



朝、6:15。活動開始。
長良川沿いを、1㎞ほど上がってみる。
空はまだ曇り気味で日も昇りきっていないのでほの暗い。

うねって登る川の行く先は、こんもりと見えるいくつかの小さな山の合間を縫って消えていく。
その先は靄に煙って、白い水蒸気の隙間から、オレンジ色の朝日が差すようになっていた。
空にはまだ雲が多かったが、少しずつ晴れ間も覗いてきておりこのあとは十分期待が持てる。
イカス。

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流れる川の水は、一つの大きな塊がただうねっているだけのようにも見える。
ゆく川の流れはウンチャラカンチャラで、元の水に非ずしてウンチャラカンチャラであり、
月日はハクタイの過客にして行き交う人もまた旅人なのです。
どうも、旅人です。

川沿いから逸れて、町なかの方を歩いて宿の方、長良橋の方へ戻る。
途中、大きめのお寺を見かけて立ち寄る。
さほど静かなわけではないのよね。
小諸の静けさを知ってしまうと、どうしてもなあ。
あそこは異常だもの。
ただ「物音がしない」というだけではなくて(実際物音は結構あるはずなんだけど)、
生まれた物音が、何かに吸収されるのか、空気に溶けて空気の中の真綿のような物質にくるまれて消えていくのか、
そういう不思議な静けさが、小諸にはあるんだ。

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長良橋の上から長良川を臨む。
舟を係留している川縁の辺りは流れの影響を受けにくいようになっているらしく、
水面がとても静か。
鏡のようになって、空や景色を映していたのが印象的。

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ちょっとだけ足を伸ばし、
岐阜公園から、金華山へ登るハイキングコースの一つ・七曲り登山道入り口を覗いて、
岐阜大仏のおわす正法寺さんへ。

 ▼▼▼岐阜公園・正法寺▼▼▼

岐阜公園は、岐阜観光のメインスポットの一つである、
かつて信長の居城であったという岐阜城が建つ金華山へ至るための玄関口。

岐阜城は金華山の山頂にあってロープウェーで登れるが、
いくつかあるハイキングコースを使って登山にすることも出来る。
時間があれば登山をしたいと思っていたけど、今回は見送りかな。

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なんかロボットみたいな水門だなあ、と思って面白がって写真撮ってみたけど、
そもそも「ロボット水門」としてデザインされたものだった。
そりゃそうか。
頭の角、何の実用性があるんだってはなしだよなw
強いて言うなら鳥よけだろうか。

岐阜大仏のある正法寺さんは、
奈良・鎌倉と並ぶという日本三大仏のお一方の大仏様がここにおられるとたまたま知って、
ちょっと覗いてみようという気になった。

朝のこのときは、まだ時間が時間なのでオネムだったご様子。
また、時間があったら後でこよう。
なんだね、わざわざ大仏なんか見に来るかねこのオジサンは。
しかしこの正法寺さんは、あまり手入れが行き届いておらず、ちょっとみすぼらしい感じ。
マ増改築バリバリで、ピッカピカの鳥居なんかを持っているお寺よりかはご利益がありそうな感じはするけど、
なんかこう、経営に苦労してそうな感じだな。
折角いいものを持っているのに。
どんな大仏様なのだろう。

……と、朝ゴハンの時間があるのでこの辺りで引き返す
(と言っても既に予定時間オーバー)。
長良橋のたもとまで戻ってくると、空と川とがえも言われず美しい。
心が洗われる。川は良い。

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 ▼▼▼岐阜の喫茶のモーニング▼▼▼

一旦宿に戻って部屋を引き払う。荷物を出発までフロントに預かってもらうのはいつものやり方。
朝ゴハンはついてないので、探しておいた近くの喫茶でモーニング。
「あるてあ」さんです。

広々と開放的なお店に、まるで歌舞伎役者のようなイケメンロマンスグレーのマスター。
なんて素敵な人生なんだろう。
珈琲を淹れるマスターの動きには迷いがなく、そこもまた、歌舞伎や能の役者さんのような居住まいを感じさせる。
なぜか右手には、ボウリングのプロテクタのようなグラブをはめておられる。
ドリップ専用プロテクタだwかっこいいww

モーニングも、コーヒーも、大変に美味しかった……。

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ところで、あとから気付いたんだけど。

「あるてあ」さんでモーニングを頂いたわけですが、
その昔『グッドモーニング アルテア』ってOVAがあったなあ、なんて振り返ってしまうオッサンオタクなのです。

 ▼グッドモーニング アルテア
 

次はもう少しゆっくりしたい。
広々として落ち着ける良いお店でした。

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サテ、腹ごしらえが済んだら、またしばらく長良橋のたもとで水と戯れ、
岐阜城・金華山へゴー。
ま別に、岐阜城を見に来たわけではないのだけど。


 ▼▼▼金華山▼▼▼


岐阜公園からロープウェーに乗って、山頂駅まではものの5分。
そこから10分ほど歩いて登るけれど、大した山道ではない。

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麓から足で登ってくる登山者も結構いた。
ご家族連れとか、トレーニング目的っぽい人とか。
お城は復元されたもので、中は博物館。
ものすごい小ぢんまりしたお城だったのだけど、サイズもしっかり復元されてるんだろうかコレ。
ワンルームを三つか四つ重ねただけ、くらいの大きさしかなかった。

  帰ってきてから、シゴトバの人とちょっとだけ岐阜城の話をしたのだけど、
  「あそこに行くと、信長でなくても天下統一とかしたくなるね」
  と言われて「お、おう……」ってなった。
  いやー、あんまりそんなロマンはないなあ。
  て言うか、あんな狭いお城ではちょっとなあ。

天守閣は展望フロアになっていて、眺めは重畳。
長良川や日本アルプスの眺めはもちろんのこと、
こんもりと小さな山々がいくつか連なっている様がとても愉快だった。
飽きない眺めです。

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一周20メートルもない天守に巡らされた展望廊下を何周も何周も、
一時間近く過ごす。
八ヶ岳方面もよく見渡せて、登山グループの人たちが、
どの山に登ったとか、どの山が雪山の練習用にいいとか、
そんな話で盛り上がっていた。楽しそう。

そろそろ大仏様もおっきした頃だろうか、正法寺さんへ向かう。

 ▼▼▼岐阜の大仏様▼▼▼

岐阜にも大仏様がおられるとは知らなかった。
岐阜の観光案内を見ていて偶然知り、
奈良の大仏様も、鎌倉の大仏様も両方知っている身としては、
こりゃコンプしない手はない、くらいの非常に罰当たりな思いで見に行くことにした。
  ガイドブックにも、地図の中にちょろっと書かれているくらいしか
  情報がなかったんだよ。
  地味すぎる。

正法寺さんの外観は、
ちょっと日本のお寺っぽくない、どちらかといえばチベットとかカンボジアとか、
より大陸系・オリエンタルなテイストを感じる以外は
お世辞にも立派だとか荘厳だとかという言葉の似合わない……
よく言えば素朴、悪く言えば貧相な印象を受けるものだった。

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「日本三大仏」というキャッチがあちこちに踊っているのは、なんとなく
「あまり有名でないから単品では勝負できない、
 メジャーな二人に並べることでハクをつけよう」
という、自信のなさのようにも見えた。

  実際、知りませんでしたしね。
  日本三大仏。三つ目。
  牛久大仏は……入らないのかね。

そんな無礼な気持ちで拝観料をおさめて敷居を跨いだ瞬間、
思わず「うおっ」と声が出た。

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思いのほかデカい!
見た目のインパクトは十分だ。
そして受ける印象は、清貧、という言葉がしっくりくるものであったように思う。
落ち着きがある。
威厳もある。穏やかだけどどこか怖い、
怒ったことは無く、誰も怒ったところを実際に見たことはないのだけど怒ったら怖いらしい、
みたいな伝説のオジイサンみたいな感じだ。

周辺に居並ぶ塑像のみなさんも、その威厳に一役買っている。

どういうつもりのサービスなのかわからないけど、
大仏様の真正面にパイプ椅子が数脚並べてあって、しばらく座って眺めて行けるようになっている。
……なんか、気持ちは分かる。
じっと仏様と向かい合って、言葉を交わすなり、心を鎮めていきなさい、という
無言の設えなのだろう。

ああ、なんだろうこれは。
お寺っぽい。
すごくお寺っぽいぞ。

どうでもいいけど、この大仏様、「フラッシュ撮影禁止」とはなっていたのだけど、
前提として「撮影禁止」にしたいんじゃないのかな、という気がしてきた。

あとで調べてみたら、一応ウェブサイトはあった。

 ▼岐阜大仏・正法寺さんのHP
 http://gifu-daibutsu.com/index.html

そして地味に面白い、「主な大仏比較」。

「像高」……大仏様としての像の大きさを比較したいのはまあいいとして
「耳長」「眼幅」って、競うのそこなんだw?
仏像の価値ってその辺で決まるの?
いやあ、なんか……良い世界だなあ。
応援したくなってしまう。この素朴な感じ。
大好き。

ジブン、奈良県出身の身でありながら
奈良の大仏様よりも鎌倉の大仏様の方が好きだと言ってきたんだけど、
岐阜の大仏様はその上を行ったかもしれない。

大仏と聞いて、ごくなんとなく見に行ってしまったけど、行って良かった。
なんだか心がとても穏やかになりました。

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あと、断面図があったりして、なんか岐阜の大仏様はちょっと
「怪獣大百科」的なノリが好きなんじゃないかという気がした。


 ▼▼▼川原町付近を歩く▼▼▼


大仏様を眺めてありがたい気持ちになったあとは、
昨日も迷い込んで少しだけ歩いた川原町のあたりを少し歩く。

  カワラマチと言っても、京都の河原町ではなく、川原町。

アニメ『ぼくらはみんな河合荘』のメイン舞台である下宿屋・河合荘のある
正にその辺り。今回唯一、聖地巡礼っぽい場所。
マ長良橋や長良川は死ぬほど出てくるけど。

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デその川原町と河合荘、
作中では「イマドキこんな時代がかった家があるんだ」みたいな扱いだったと思うが、
その河合荘さんでさえ霞んで見えるほど、どの建物も挙ってみんな時代がかって古めかしい。

中に入ってくつろいだりする時間はなかったのだけど
(そもそも大概はふつうの民家だし)、
カフェなんかにしているところに入ってみて、中も見てみれば良かったなと
今更ながらに後悔。



●○● 聖地としての岐阜・長良 ○●○



そんな感じで訪れてみた岐阜・長良川辺りだったけれども、
アニメ『僕らはみんな河合荘』の、影も形もありませんでした。
鵜飼。織田信長。大仏。ときどき文豪。以上。
観光地として、人を呼ぶのに特段アニメの力をとりこむ必要はないというか、




そうやってより多く人を呼ぶことも大事なのだろうけど、
もっとほかのものを持っているこの土地としては、それよりも大事にするものがあると思っている
(のか、作品自体を知らないか、魅力を感じていないか……)のかなあ、と思った。

  マ『僕らはみんな河合荘』は、
  ちょっと性的にエッジの効いた話もある作品ですから、抵抗を感じる人もあるでしょう。
  『けいおん』『ヤマノススメ』『ガルパン』ほど健全前向き一本やりの作品ではないですからな。

観光案内所なんかを覗く機会がなかったので、
もしかするとその辺へ行けば何かあるのかも知れないけど、
ちょっと何の気配もなかったな。

大洗や飯能が、『ガルパン』や『ヤマノススメ』といった作品を取り込む以前の姿がどうであったのか知らないけど、
それまで大切にしてきたものがあったかどうか、
あるのであれば、それまでのものと、新しいものとが並んだときにケンカをしないかどうか、
ケンカをするなら、どういう要素を大切にするべきなのか……
そういうことをよく考える必要があるのだろうなあ。
あくまでも観光資源としての一選択肢として。

  鵜飼のような伝統の……
  なんなんだろう、芸能じゃないだろうし、漁法っていうのが正しいんだろうけど……
  業があってそれで人を呼ぶのなら、それを大事にすることの方が先なのかもしれないけども、
  実際のところ、最早鵜飼は実践技術ではなくて実用的な意味としては形骸化していて
  見世物として残っているだけなのかもしれないんで、
  もしそうならそのために残し続けるのもどうなんだってハナシもあるかもしれぬ。
  文化財としては残しておく意味はあるのだろうけど。

どういうアプローチで、作品と土地が歩み寄っていくべきなのかというのは
それぞれの場合で異なるのだろうけども、
個人的には、
地域に思い入れのある人間の関わった作品がその愛によって地域に根付いた表現……
たとえば、その土地の風景をそのまま作品に投影するのをはじめ、
その土地をイメージした音楽を作って乗せるとか、
土地ゆかりの有名人をとっかかりにした物語にするとか……
を提供し、それに地元が共感してのっかる、というのが理想的かなと思う。

もちろん作品は地元に、自分の愛以上に媚びる必要もおもねる必要もなく、
互いがアリモノでもって無理せず受け入れあうことが良いだろう。
ただそれで、「経済が回るか」は知らんけど。

『河合荘』は作品の方でも岐阜らしさをことさら前に出す感じでもなかったし、
大仏はおろかお城も山も出なかったんで
川べりのあの風景だけあればよかったのかもしれない。
周辺の風景だけは、さりげなく、ふんだんに出てくるのだけどね。

webで検索すると、巡礼に行ってる人は結構いるみたいなのだけどね。
けど、地元の人が何にも知らないというのであれば、
それはちょっと寂しいかもしんないな。



以上、岐阜からなんとなくお届けしました。
気まぐれに計画し、駆け足気味で行ってしまったので、
次はもうチョイ見どころを準備していきたい所存。

川と山がとても印象的で、それだけでも十分に気持ちの良い場所なので、
名前しか知らない長良川さんにご挨拶に伺うだけでも、
あなたの日本が、多分、ちょっとだけ広くなる。深くなる。


マお暇があれば。
オイサンでした。
 
 
 





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2015年4月 4日 (土)

■お漬け物の家~SS『ヤマノススメ』・ここなちゃん編 あとがき -更新第979回-

どうも、オイサンです。
またしても突然の『ヤマノススメ』SSだったわけですが、いかがでしたでしょうか。

これを書こうと思い立ったのは今年のはじめ。
きっかけは……何でもいいから、2000字くらいの短めで一本書いてみよう、
というのが、その……当初の目標でした。
「当初の」ね。当初の。

前回の『のんのんびより』SSがあまりに長く、
Pixivの方でも、多分ほとんど読まれていないように思えたので、
Pixivで他の人の作品をざっと眺めてみたところ、
だいたい2000字~6、7000字くらいが多いみたいで、
10000字を越えるのはそんなに多くないようでしたんで、
少しそういう方面に近寄ってみたものは書けないだろうかと思ったから、でした。

結果的には15000字近くになったけどな。
仕方ないだろ。
それだけ必要な話になったんだから。

最初はたくあんおいしい!だけの話だった。
鳥じゃねえのかよ。
デあまりに『ヤマノススメ』関係なさ過ぎるだろってんで、
鳥の話が出てきてこうなった……。

デキがどうなのかっていう評価は、読んで下さった方に勿論委ねるコトになるでして、
私の口からは自分がどう思っているかについてよう言いませんけども、
思いついたこと、
持ち込んだものについては、全力を傾けられたんではないかと思うし、
他はともかく、一点、書き終えた後に、とにかく美味しいたくあんが食べたい、
美味しいたくあんでゴハンを一膳ん食べたい、と思えたので、
そこだけはとりあえずマシだったんじゃないかと思っておるです。

やっぱり長くなってしまったことと、
最後の最後がひなたの話になってしまったことは反省材料だなあと思っておるです。

目指したもの、憧れたカタチには及ばざるコト山の如し(間違い)なのでアレだが、
その辺は次があったらもうチョイうまくやれる気がしておる。

マそんな感じなので、
ご意見、ご感想、ここなちゃんの残り湯などございましたら、
コメント・メール、宅急便なんかでお送りいただければ幸いです。
抽選でなんか上げるかも知れない。
抽選ですらないかも知れない。

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