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2015年1月11日 (日)

■暗峠(くらがりとうげ)にサヨナラを。~2015年・新年の帰省・その二~ -更新第966回-

オイサン・オブザイヤー受賞、オイサンです。
皆さん、おとそ気分継続してますか?
継続は力です。
最期までしっかりおとそ気分で走り抜けましょう。

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……私ですか?


私は、年末年始8日間かけてリフレッシュした鋭気を、
出勤初日に9割がた削られもはや打つ手がありません。
一つ前の町まで戻ってレベル上げをしたいところですがそうもいかない。
手詰まりです。

その年末年始のリフレッシュの模様の続きです。
今回の帰省のメインイベント(帰省にそんなものがあるのか)、生駒山・暗峠登山の様子など。

……だいたいさ、このオッサン、
正月休みだっつうのにちょっと時間が空いたらジョギングだなんだ登山だなんだ、
ちょっとはぐうたらしろというんだ。
なんなんだよ、少し落ち着け。

あ、でも、帰省時恒例・『ダイの大冒険』か『帯ギュ』を読み返そうキャンペーンは
怠らずに実施してきましたよ。今回は『帯ギュ』読んできた。

あと関係ないけど、母に薦めた『山賊ダイアリー』を父も読んでいることを知りちょっと嬉しかった。
父はあんまりマンガ読まないからね。
教えてくれたミズハスに感謝したい。



●○● 1月1日(木) ○●○



じゃきんと賀正、のツイートも板についてきた5年目の正月
果たしていつまで、こんな風にTwitterを使い続けることだろう?
もう随分と、辺りの景色も違ってきているしな。

初日の写真はそこそこに、地元の町を見下ろす名山(と勝手に思っている)、
生駒山が初日を浴びている姿を収められる場所を探してテクテク歩く。
……と、偶然、町も山も見渡せるとても良い場所を発見。

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おーそうか、なるほど。こんな場所があったか。盲点だったワイ。
初めてのパノラマ撮影にも挑戦してみる。

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我が家のおせちは、数年前から色んなところのを買って済ませている。
百貨店とか、どっかの料亭とか。
今年は京都・下鴨茶寮のおせちらしい。
写真を撮って残しておくのはオイサンの仕事。
お雑煮は、母の実家・岡山風雑煮と、父の実家・島根の雑煮が交代で出てくる。

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どっちも大好きである。ンマイ。

そうしてゴハン食べてゴロゴロしたら、一家で初詣。
奈良住まいだから、春日大社とか、ナントカ神宮とか、豪勢な初詣を期待されてしまいそうだが
ウチは地元のこぢんまりとした氏神様で事足りる。
てくてく歩いて20分たらず。
子供の頃はこんなこともしてなかったと思うけどね。確か。

降雪は夕方からに順延になったらしい。
ではそうなる前に、とワルいカオをする私。
降り出す前にジョギングに出る。平城宮跡(平城京の跡地)まで、ざくざくジョギング。


大きな地図で見る

夕方から降り始めた雪は結構な勢いで、
西側と北側の窓は、雨戸を閉めようとしてもレールに雪が詰まってキチンと閉じない始末。
苦労した。

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実家に帰ると食後の洗い物はオイサンの仕事(勝手にやってるだけだけど)で、
片付けをしながら、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを聴く。
実は近いウチに、2000字しばりで短いここなちゃんSSを書くことを自分に課しているのだけれども、
なかなか良い案が浮かばない。
ウィーンフィルのシュトラウス一家がモチーフにしている様々なことから何か拾えないかと、
かつてないくらい一生懸命演奏に耳を傾ける。

  「入間川のほとりから~飯能の謝肉祭」

などと、タイトルだけは思いつくのだけど、話の方がサッパリだ。
飯能河原でバーベキューする話にしかなんねえよw

そんな自分の才能のなさに悶々としながら更けてゆく、
2015年最初の夜。そんな調子で今年もよろしく。
尚、その自分に課したミッションの方針は未だ固まっていない。



●○● 1月2日(金) ○●○



雪は夕べのうちに止み、空は晴れ。

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今日は母方の親戚の叔母が遊びに来る。
昨日の朝写真に収めたお山……生駒山の中腹には神社があって、
叔母とそこへお参りに行くのが毎年の恒例行事になっている。

デその山にオイサンも登るのだが、
昨年『ヤマノススメ』にワリカシやられてしまったオイサンとしては、
例年通りただ参道を登ってお参りして降りてくるだけでは、チョイともの足らぬ。

なので、今回の帰省イベントその3
(その1は小諸からの連携、その2は奈良の町歩きで、いずれもミッション未達成)として、
「生駒山に大阪側から登って山頂を踏み、奈良側に降りてくる」。
を設定。

生駒山は標高642m。
昨年登った高尾山は599mなので、一人で登った山としては一番高い山、ということになる
(人と一緒に登ったのでは、尾瀬の至仏山が2200mで最高だけど、
開始地点が1600mくらいらしいので標高差では今回の方が上みたい)。

  と思ったら、高尾山から縦走した小仏城山は670mあるらしいので
  そっちの方が高いのか。

高さはともかく、子供の頃から見守られ、見上げ続けてきた山なので、
いっぺん自分の足でキチンと登って、そこからの眺めを味わっておきたい、
という欲求。

  小諸で言ったら、この山は奈良市民にとっての浅間山みたいなものじゃよ。
  ……たぶん。

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うまくタイミングが合ったら、奈良側から登って降りる予定の親父・叔母チームと合流する、
というオマケ付き。
コースは、


   枚岡駅 ~ 暗峠 ~ 山頂(生駒山上遊園地) ~ 宝山寺 ~ 生駒駅


を予定。
ちなみにこの生駒山、山上には「生駒山上遊園地」というのがあって、
この辺の子供はたいていここに遊びに来るのではないだろうか。
最近はそうでもないのかな。
オイサンの子供の頃は、
ここともう一つ「あやめ池遊園地」がこの近辺の遊園地二大巨頭で
(さらにそれ以前には「ならドリームランド」があったが、
こちらは割と早い段階で廃墟になってしまった)、
まあ大体どっちかに遊びに行く感じではあったのだけど、
最近のお子さん事情はワカラヌ。
USJまで足を延ばしたりするんだろうか。

デ、山頂マークも、その山上遊園地の中にある……らしい。
遊園地には何回か来たことがあるはずだが、ちょっとそこまで覚えてないな。

まあともかく、低山ぶらぶら歩きを趣味に加えつつあるオイサンとしては、
地元の名山を登って帰りたい、という気持ちがあったのさ。
ここなちゃんが天覧山を登るようなものだよ。


 ▼▼暗峠(くらがりとうげ)の伝説

雪の降ったあとのことでもあるし、
地元でも有名な「暗峠(くらがりとうげ)」というスポットを経由することもあって
親父殿はあまり行って欲しくなかったようだが、マそこはちょっと譲ってもらった。

この暗峠、正直、なんで有名なのか、よう分かっていない。
曰く、怖い人が出る(要するに不良とか悪人のたまり場である)とか、
曰く、勾配が激しすぎて(最大斜度37%?)事故やらなんやらがよく起きる、とか、
あとは、マわかりやすく、曰く、心霊スポットであるとか。
そもそも名前からしてドスがきき過ぎていて
名前のイメージが先行してたんじゃないか? とは思う。
必要以上に危険な場所として認識されている模様。

  日本の道路百選とかにも選ばれているようだし。

  ▼暗峠 検索結果
  https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=%E6%9A%97%E5%B3%A0

山登りとしては、
なんのことはない舗装もされたハイキングコースレベルの代物でしかないので、
ちゃんと準備さえしていれば、そこまでビビるレベルのものではない。
……と、思っていた時期が、俺にもありました(刃牙の目)。
けど、アレなのね。
登り始めからしばらくしてTwitterでもらった情報によると、
クルマ道としては全国的にも1、2を争う、スパルタンな、いわゆる「酷道」なのだそう。

国道だとはつゆ知らず、
またまさか、こんなトコ車で来る奴もおらんだろうと思って歩いていたら、
結構な数のクルマ・バイクが上から下からやってくるので
さすが、河内のオッサンおばはんは洒落が分かってるなあとつくづく感心していたものです。
だって、あの傾斜で……雪もあるのよ?
正気の沙汰じゃねえ。

……と思っていたら、フォロワーさんが実際、バイクで登ったときの動画を送って下さったので、
せっかくだから載っけておきたいと思います。


 ▼TDM900で関西随一の酷道、暗峠を走ってみた
 

  3分30秒あたりから、まさにこの道を歩きました。
  しっかしズルイよなあ、10分足らずでテッペンだもの。
  オイサン、1時間半くらいかかったんじゃないだろうか。
  エンジンめ!


また別のフォロワーさんのお父上が、ここまでの道とは知らずクルマで挑みかかって
死ぬ思いをした、というお話も聞けました。
うーん、有名になるのも分かる気がしてきたぞ……。
伊達や酔狂、名前だけのイメージ先行ではなく実力も伴っていらしたご様子……
マそれも、クルマ乗り・バイク乗り中心でしょうけど。
歩きでも、雪が重なると滑って転んで、斜度のすごいところでは滑り落ちそうでかなり怖かったけどね。


今回の生駒山登山イベントは、自分としては
そういう子供の頃からの幻影たちに実体を与えよう、という意味合いも持っている訳ですよ。
思えば、初日の「奈良を観光地として見て回る」ことにも、同様の意味合いがある気がする。


 ▼▼登り出し

10時半、枚岡(ひらおか)駅。

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沿線の、徒歩で巡るスポットを近鉄が紹介している「てくてくまっぷ」というのがあって、
生駒山のハイキングコースもそれに載っている。
駅でマップを配っているので、それをもらって歩き出す。
駅員さんもとてもフレンドリー。

  ▼近鉄沿線ハイキングマップ てくてくまっぷ
  http://www.kintetsu.co.jp/event-hiking/sansaku/tekumap.htm

コンビニで飲み物と、一応いざというときのための食料などを調達していこう……
と思えど、駅前にコンビニなどなかった。
さすが東大阪の片田舎……。田舎だなあ。イヤ、無いことはないのだろうけど。
代わりにといってはナンだけど、枚岡神社が初詣客でにぎわい、出店が出ていたので
そこで回転焼きを二つ買った。
飲み物は自販機で調達。

  枚岡という駅は降りたことなかったけど、この神社はそこそこ有名らしい。

しばらく線路沿いに歩き、国道308号線とクロスするところで登り始める。
出だしからすごい勾配。
雪の影響は、この時点ではほぼない。ただ急な坂道。
ただしその「急」加減が尋常ではなく、急なままで延々続く。
つづらに折れたりもせず、無茶な斜度をほとんどストレートに登っていく。
これはひどい。
うおお。道敷いたヤツ誰や。

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最初のうちは、この辺りではワリとよくある急な斜面に出来た住宅街という印象だが、
徐々に周りの風景が鬱蒼としてきて山に入ったのだなあと知る。
ところどころ、寺社が現れたりお地蔵さんがおられたりするけれど、見所らしい見所はなし。
穏やかさ、のどかさとは無縁で、全体的に「雰囲気がある」。
おどろおどろしく、何か出そう、潜んでいそう、という本能の恐怖に訴えかけてくる感じ。
宗教的な意味での「お山」感が満載。
今日の天候にも依るところがあるのかもしれないけど、
うーん、やはりどこか、人を畏れさせるものを持った場所ではあるのかも知れない。

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 ▼▼暗峠

サテ、そんな道をひたすら登りに登り、暗峠にたどり着いた。

間に面白いコトなんかなかったのでとばしたけど、
雪が薄く残って濡れていたり、シャーベット状に凍っているところはかなり緊張した。
あの斜度でバランスを崩したら、危ない転び方をすることは目に見えてる。
滑り落ちてどうこうするということはないと思うが、
踏ん張れはしないだろうし、おかしな転び方をしそうだ。

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そういう箇所で結構時間を食ってしまった。滑ること、転ぶことが恐ろしく、慎重になってしまう。
これまでの山ではそういう「落ちる」心配はほとんどしてこなかったけど、
今回初めて、雪山とかでの滑落という危険を、ちょっと味わうことが出来た。
大げさかもだけど、山で「こわい」と思うことはほとんどなかったので
新鮮だった。
ホント、偏にスパルタンな坂道・山道。
気難しい、頑固なおじいさんと一緒にいるような場所だ。

ちょっと機嫌を損ねるとすぐにけっ飛ばされる、そんな感じ。

  にしても、あの日、あの天候で、あの場所をクルマで往来しようというんだから
  来てた人たちは肝が据わっているなあと感心する。

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一応、この碑を収めたくてここまで登ってきたけれど、
このルートではどうやらここが最頂点らしく、この先下りが始まる。
今回の目的に「生駒山の山頂を踏む」があるので、これを素直に下るわけにいかない。
ここから一つ手前の分岐に引き返し、生駒山上へ向かうルートに乗り換えなければならない。

  ……さっき、クルマでここに来る人がどうとか言ってたけど、
  こんな日にそこまでしてテッペンに向かおうだなんて、アンタも大概だよ。

というわけで、暗峠の最高点から少し引き返し、
広めのクルマ道の分岐を慈照寺方面へ歩く。
これまたおそろしい傾斜の、細い下りを歩くと小さな集落に出た。

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暗峠もそうだけど、ここに人が住んでるんだものなあ……
なにか事情でもあるのだろうか、と思わざるを得ないけど、
普通に暮らしているだけなんだろうなあ。

  なんかね。
  北海道とか、地方とか、そういう田舎に暮らしているというならいざ知らず、
  奈良とか大阪とか、特にここなんかはちょっと下れば
  もう結構な町なわけで、そこを下らないでここにずっと居を構えているというのは、
  なんだか不思議な気がするのだけど。
  でも、ホントただ、「普通」であるだけなんだろうなあ。

このあたりから、下ってくる人とすれ違う頻度が上がったように思う。
この辺りで、生駒山を取り巻くいくつかのルートが縦走コースをハブにして繋がっているから
交通量が多くなるのかもしれない。
間を置かず、しっかりした登山ルックの、オイサンよりも年上の男性ばかり数人、
濡れた雪道、土道をホイホイと下ってくる。
物好きはいるもんだなあ。

信貴生駒スカイラインをくぐると、山頂まではもうすぐ。
大きな電波塔・テレビ塔がいくつも見えてくる。
ひさびさに人間の文明らしきものに触れて、ちょっと安心する。


 ▼▼生駒山上(山頂)

たどり着いた山上遊園地は……閉園中!
Jesus……マジかよ。
入れないのか。ということは、園内にあるという山頂マークにはたどり着けんのか。マジかー。
入場だけならタダだと聞いていたから、そこだけ覗いて帰ってこようと思っていたのだが。


まあ開いてないものは仕方がない(アッサリ)。また来よう(また来るのか)。


サックリと諦め、下りに向かう……のだけど、道が分からないな。
コレどっち行ったらいいんだ?
いい加減くたびれたし、下りはコワイし、
奈良側から登って来てる親父殿たちは、途中、道が凍ってるとかでケーブルカーを使って
既に合流予定地点だった宝山寺まで着いてるらしいから、
なんならケーブルカーを使って下ってしまおうかとか考えていたのだけども。

遊園地が休みってことは、ケーブルカーもここまでは運行してないんじゃないのか
(山上遊園地が登りの終点)。
……仕方ないな、歩いて降りるか。

暗峠より少し下に差し掛かった辺りから空がうっすら翳り始め、風も吹いてきた。
ときどき、ささやかながら雪も降りてくる。
うーむ、なんかしんなりしてきたぜ。気分が沈む前に動こう。


 ▼▼生駒山上~宝山寺(下山)

道ばたにあった案内板を確認……よくワカラン。
しかしハタと、その近くにあった「鶴林寺」という鳥居の傍に、「宝山寺→」という矢印もある。
ああ、ここが登山道になっているのか。
なんかもう完全に山だな。
鳥居をくぐってちょっと下るとT字になっていて、右へ折れると鶴林寺、
左が宝山寺。

目的地は宝山寺(=下山)なので当然左なのだけど、折角だから鶴林寺とやらも覗いてみるか。

なんかすげえ鳥居だなオイ。

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  ちょっと調べてみると、ここはもう、うち捨てられた跡地らしい。
  今はもう少し人気のあるところに移されているのだとか。
  だってココちょっと怖いもの。ヒト来ないよ。

サテ、ここから先は、ホントにただの山道けもの道で、人が通った踏みあと程度の道がついているくらい。
ハッキリ言って、怖かったです。
場所によっては、道……というか、足場が片足分くらいしかない斜面もあり、
しかもそこが水を吸ってグズグズになっている。
ズルッといったらそのまま斜面をいくらか滑り落ちること必至。
無駄に緊張感があった。まさかここまでデンジャーだとは。

人の、新しい足跡がしっかり残っていたのは心強かった。
恐らく、先ほど頂上付近ですれ違った人たちだろうけど……イヤ、ほんと、お互い物好きですね。
何が楽しいんだ?

そんな、枯葉と薄い雪に覆われた野道をえっちらおっちら、1時間半ほど。
ゆけどもゆけども宝山寺に下り着かず、
漸くケーブルの駅が見えたと思ったら霞ヶ丘駅だったり、
舗装路に出たら出たで、
アホみたいな勾配の斜面に雪やら落ち葉やら、山が俺にもっと転べとささやいてくる。
濡れてたり、落ち葉があったり、雪をかぶってたりしなければここまで恐ろしいこともないのだろうけど、
まあとにかくタイミングが悪すぎた。
そもそもこの霞ヶ丘駅自体、無人で利用者がほとんどいないらしい。
つまりは、この梅屋敷~霞ヶ丘間は、一般人の歩く道としては使われていないんだろう。

足を取られたらおしまい、という緊張感で体をほぼ真横にしてソロリソロリと歩きながら、
なんとなく、「こういう世界もあるんだな」とぼんやり思っていた。

生駒山上~宝山寺までのくだりは、本当にもう恐ろしいばかりで
面白さはなかった。ケガしないで帰るコトが第一目標の、緊張の連続。
難度の高い崖とか、冬山とかに登る人っていうのは、こういうのを楽しみにしているんだろうか。


 ▼暗峠・生駒山登山 総括
  ・大阪側の斜面、登りはまだ比較的ラク。
  ・案外クルマが通る。すげえ。
  ・眺めは総じてよくない。中腹あたりから少し見えるくらい。大阪側も奈良側も。
  ・とにかく山上からのくだりが怖い。
   山上~霞ヶ丘までの山道も大概恐ろしいが、そこから先の舗装路も、雨雪重なると牙をむく。

 ▼結論
  何にせよ、用もないのに雨雪のあとに来るところじゃない。


すっかり山登りの話にばかりなってしまったけど、結局叔母・親父組とは合流できず、
駅に着いたら何食わぬカオで電車に乗って帰った。
家ではしばしの談笑のあと、4時過ぎから早めの晩ゴハン。
カニ+鴨の鍋。らんぼうだな。

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叔母は、今もうは引退しているが大学の教授をやっていて、
かつては学会やら研究やらで世界中を飛び回っていた。
そういえば以前、「ペルーへナスカの地上絵なんかを見に行った」と言っていたことを思い出し、
アルゼンチンペソを持っていないか訪ねてみたが駄目だった。
無念。

その後はこれといって何をするでもなく、叔母を見送って、父と話をして、就寝。
取り留めなく始まり、取り留めなく過ぎてゆく今年の年末~新年の帰省。
明日はもう最終日。



●○● 1月3日 ○●○



帰省最終日。帰りたくないでござる。

朝から、小学校時代の友人Pとブラリでかけるのだが、
如何せん、彼とは昨年、『ペルソナ3』の舞台を2度も見に行ったり、『ディーふらぐ』のイベントに行ったり、
朗読劇を見に関東までやって来た彼と晩ゴハンだけでも一緒しようと、
ランチがおいしいと評判の九段下の割烹の前で入るかどうか躊躇していたら、
突然現れたナゾの腰の曲がったお婆さんに
「あら、入らないの? ここは美味しいのよ。
 さあどうぞどうぞ、大将、お二人さんよ」

と、頼んでもねえしバアさん店の人間でもねえのに客引きをされてしまったり、
結構、しかも年の後半にご一緒したので、懐かしいとか久しぶりとかいう感覚がない。

  ちなみにその「妖怪客引き老婆」は、九段下辺りでは有名な97歳のお婆さんなのだそうな。
  97て。

どうでもいいけど、この友人Pと一緒にいると、
何故かこういう若干面白いことに出くわすんだよねえ。何故だろう。
目の前で、タクシーのホイールカバーが外れて坂道を一人で転げて行ったり、
カレー屋が停電したり。
なんかモってんだろうなあ。
いや、彼一人がっていうんじゃなくて、彼と私が一緒にいると、
そういう世界への扉を開く鍵のピースが組み上がってしまうんだろう。
そうに違いない。


▼消える本屋

ここ数日、一人でだったり父と一緒にだったり、郷里の町をぶらついたところ、
なんか色んなものがなくなっていた。
特に、町から本屋が消えていた。
あるにはあるのだが、さびれたスーパーの中に一軒だけ、あとは隣駅のショッピングビルの中に一軒。

それだけあれば充分だろ、と感じる人もあろうけれど、
かつてこの駅周辺には、最多時で大小取り混ぜて9軒の本屋があったのだ。
先ほど上げた隣駅(十分徒歩圏内である)まで含めると10軒以上にのぼる。




   その町から、本屋が消えた。




母が不思議がっていた。
一体みんな、どうやって本を読んでいるんだろう? と。

近隣の本読みたちは恐らく、奈良、大阪あたりの大きめの本屋や郊外の書店で手に入れるか、
デジタルがOKな人はAmazonやKindleで欲求を満たしているのだろう。

母は活字もマンガも大好きで、本屋LOVE、図書館激Loveなパルプ少女(66)なのだが、
最近出歩くのがちょいと不自由で、
とてもじゃないが郊外の本屋へアクセスするには親父殿のアシがないと無理なご様子。
親父殿は、先にも書いた様に、バッタ一匹でテンション鰻登りの
「書を捨てよ、町にも行くな、野山を駆け回れ!」を地で行く人なので、
中々その辺りの利害や頻度が一致しないし、
母は遠慮しいなので、なかなか好きに、本の園に赴けずにストレスになっていやしないかと心配である。

  父も母も、もう少しわがままになっても良いようなものだが。

AmazonやKindleは本屋に母が求める機能と本質的に異なるので代替機能たりえない。
そもそもさ、中高生なんかは、参考書とか問題集とか、どこへ買いに行くんだ?
マンガやらなんやらは、それこそなんとでもなると思うけど、
その辺の本って、現物を見られないと結構困ると思うのだが……
どうしてるんだろう。

ついでに言えば、レンタルビデオ店もなくなった。
こちらも3軒あったのだが、ツタヤが出来て2軒が撤退し、
そのツタヤも、夏からこっちのうちに無くなったらしい。
ご丁寧にツタヤは、隣駅からもきれいに撤退したらしい。
さすが、コンビニエンスなカルチャーを標榜するだけあって振る舞いも軽やかだ。
テメエにカルチャーを名乗る資格はねえ。

この町は、いつの間にかカルチャーの砂漠だ。
音楽ショップもない。

しかし10軒近くあった本屋が一気にゼロになるとは、なんとも極端な話だ。
さよなら、ジャパンブックス。
ジャパンブックスのないわが町が、果たして私にとってわが町たりえるのか……
そしてこれを機に本やマンガへのアクセスが手薄になった母が
一気にボケたりしてしまわないか、正直、ワリと深刻に危惧している。

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……とまあ、そんな事情もあって、近隣の本屋をWebで探してみた。
比較的近くに一軒、しかし結局クルマ・電車がないと行かれない場所だったが、
中規模の書店が見つかったので、その友人にクルマを出してもらって視察に行ってみることにした。
アシがわりにしてしまって、なんとも申し訳ない気がするが。

結果から言えば、まあまあ。

入った瞬間は、ちょっと「おっ」と思ったのだけど、一通り眺めて回ると、
雑誌は充実しているがコミックス・小説系はモ一つだ。
新刊ハードカバーの文芸書なんかがほとんど見当たらないのは売れないからなんだろうか。
天井が結構高いのに書架が低いので、
もう少し頑張ってデカイ書架を入れ、品ぞろえを増やしてくれたらいいのになあ、とか思ったが
店からしたらそんなのリスク以外の何ものでもないのだろうな。

  ……そういえば小諸で本屋に行ったことがないな。

どっちにしても、あの程度の規模では
母が一人で歩いて行けないのではあまり意味がなかったかな。
一応、父に場所と名前だけはインプットしてきたけど。



……。



そんな感じで友人には本屋に付き合ってもらい、
帰ってくるといつも二人でお邪魔しているオサレカフェでゴハンとお茶。
美味しい。
特に、さつまいもを使ったチーズケーキがグレイトなうまさであった。
ゴハンも美味しかったんだけど、なんだろう、ちょっと物足りなかった。
量が少ないワケではないんだけど、満足感がもう一つ。
カフェのゴハンてそういうとこあるよね。
何が違うのかしら。

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どんな話をしたかあまり覚えていないけど、とりとめのない日常のことだったように思う。
ケータイがどうしたとか、Vitaがどうしたとか。
そうそう、3DSで撮った、ウチの娘たち(=フィギュア)の立体写真のウケが思いのほか良かった。
確かにあれ、奥行きじゃなく、ちゃんと飛び出して見えるからビックリするんだ。
面白いし。
ちなみにこの日は、彼といても特におかしなことは起こらなかった。
神通力が切れたのだろうか。



家に帰ったら、バタバタと片付け、帰り支度をしているうちに
あっという間に家を出なければならない時間に。

やがてはこの家も失われるのかと思うと、胸がつぶれそうになる。
まあ自分が帰って守ればいいんだけどさ。
そうだなあ。
そうするのもありかなあ。
全然イヤじゃないしなあ。

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本屋がなくなって、今回の帰省はなんだかやたらと淋しさが募るものになった。
こうまで気持ちがさみしいのは、家を出て、2度目に帰省した帰りの時以来ではなかろうか。
時は経つし、人は老いる。
仕方のない当たり前の営みで、
古くから人はずっとこの思いと共に生きてきたに違いないし、
自分だけがそこから自由であれるはずもない。
自分は特別だが、そこまで特別じゃない。
自分の特別は、誰もが特別であるのと所詮は同レベルの特別でしかない。
特別であることにかわりはないけど。


荒れ模様の天候でもあるし、新幹線が混みまくりなのも分かっていたから、
指定券はあるけど少し早めに着くように家を出る。


毎度、家を出る時の父の動きは忙しなく、
その父の落ち着きのなさを母と二人で笑うのも毎度の手続きだ。
母と無意味にハグをして、父に呆れられるのも毎度のこと。

今回は去り際のオイサンの足に母が取り付いてきて、
「! ふくらはぎがふとい! なにこれ!」
と驚いてたのが帰り際のハイライト。
そこかよw

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昨年、父が車を買い替えた時、なんとなくほっとした。
思えば、あれは、多分。
父も男の子らしく、新しいクルマにはときめきがあるし、
買ったものを信じ、贔屓にしたいという気持ちが強いらしい。
わかる。
男の子はいつまでも、わかりやすく男の子なんだなあと、そんな父をみていると実感する。

そういう分かりやすい気持ちは、はたして女の子で言えばどのような部分が該当するのか分からないけれども、
きっと女の子にも、幼い時分から年老いるまで変わらない、
核になる感情のようなものがあるのだろうと思う。
それがいったい何なのか、誰か教えてくれないか?

帰りの新幹線でなんとなく聴いていた
『ときめきメモリアル サウンドコレクション3』。
もう20年近く昔のCDだ。
PS版『ときメモ』の、劇中BGMをアレンジ再録したCDで、
客観的に聴けば大したことのないものなんだろうと思う。

けれどもその大したことのないメロディにサウンドが、こうも豊かに心に響くのは、
他ならぬ、当時の……ハタチそこそこの瑞々しい細胞に保存されたが故のことなんだろう。

今回の帰省で、父も母も、やけに年老いたことで衰えた様々なことを強調してきた。
物忘れの激しさ、覚えの悪さ、体の動かなさ、長持ちのしなさ。
けれど、どうなんだろう?
もうじき七十に手が届きそうな彼らは、
ハタチから半世紀の時を過ごそうとしている彼らでも、
ハタチそこそこの頃に瑞々しい細胞にとりこんだ言葉や文字や光の像は、
今でも鮮やかさを心に止めているんだろうか。

今でも口ずさんだり、聞き返したりするのだろうか。
ハテサテふむー。


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オイサンでした。




 
 
 

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