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2014年8月23日 (土)

■美しさのかなしさの理由~2014年の盆休み・2日目/3日目 -更新第944回-

2014年、盆休みの二日目からの話。



●○● 8月14日~このまちだいすき ○●○

夜、一家そろって豆腐料理を食べに出かけた以外はこれと言って何もしなかった日。
珍しくロクに外へも出なかった。
朝ジョギングをしたのと、外食前に小一時間、近所の写真を拾いに出たくらい。
暑いのはともかく……一歩外に出ると虫が多くて。

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奈良は海なしの盆地だから、雲の具合が関東よりは小諸とかに似る。
あんなに山深くはないけども。

他に何をしたかはあまり覚えてない。
のんびり。
のんびりした。
て言うか、朝のジョギングが思いのほかヘヴィで、
ゴハン食べて帰ってきたらぐったり寝てしまったんだけど。

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引き上げ湯葉

皆、郷里の町には自分の縄張りがあると思う。
行動範囲というか、どこまで、或いはどの通りが自分の通りであるか、とか。
郷里を離れてみると、住んでいた時のその範囲が思いのほか狭いことに驚く。
決まりきった範囲の中でも、決まりきった道しか歩かない自分がいたことに気付く。
たまにこうして帰ってくると、それまで出向いたことのなかった先や、
歩いたことのなかった道を網羅して、その土地をより自分の物にしようとしている自分がいる。

自分の場合は、ジョギングとか、カメラとか、
クルマに乗ったりするワケでもないから小回りの利きはそのままにより機動力が上がって、
且つ歩き回ることが楽しくなる道具を持ったから余計にそういうことを楽しんでいるのだろうけど。
これまでは、行っても徒歩で30分ぐらいまでだったところを、
今は走って一時間とか平気で動くから、駅で言ったら2駅3駅、
電車の走っていない方面へも足で出かけて帰って来られる。
そうなると、地続きなのに新鮮な風景がたくさん手に入って、芋蔓式にこの土地が愛おしくなってくる自分がいる。

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我が家のお惣菜オンパレードその1


いいまちだ。
ここはいいまちだよ。

兄が一日中『FF14』をやっている。
普段はPS4でやってるらしいが、帰ってきてからはPCでやってるらしい。
……ということは、セーブデータって共有できるのか。
へー。
兄とはあまり口を利かない。
仲悪いワケじゃないと思うんだけど。

実家で聴く『ヤマノススメ』ラジオの楽しいことよ……。
あすみんが振り切れてんなー。松来さんと組んだときともまた異なるテンションの高さよ。
ちょろっとだけ、『宗像教授伝奇考』を読み返したりする。
これは面白いマンガだよなあ。
気難しいハゲのヒゲが怒鳴りまくるマンガなのに。



とある怖い話スレで知った「両面宿儺」という物のことを調べていて、
このマンガにたどり着いたのが読み始めたきっかけだった。
オススメのマンガです。
気難しいハゲのヒゲが怒鳴りまくるマンガですけど。



●○● 8月15日~釣り堀と夢の国 ○●○

もう帰る日。早いなー。

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夕方には関東へ向けて引き揚げるのだけど、
小学校時代のエターナルフレンドの都合がこの日しか合わなかったので遊びに出かける。
朝から落ち合って奈良方面へ。

「奈良に住んでる」と言ったら、
大仏のある家から出てきて鹿の闊歩する道路を歩いて学校へ行く、
みたいなイメージをもたれるかもだけど、
それは沖縄の人がみんな石垣とシーサーのある開放的な平屋に住んでると思うようなもんで
(すみません僕です)、
ウチがあるのはそういういわゆる奈良奈良しいエリアから何駅も離れた
どちらかといえば大阪のベッドタウンみたいな地域です。
だからいわゆる奈良奈良した場所までは結構距離がある。

  ……それを思うと、京都はかなり全域に渡って京都京都している気がする。
  奈良県民から見ても感じる。

明確な目的地があったワケではないけど、ドライブがてら、
奈良奈良しつつも観光地からは外れた場所へ車を向けてもらった。

奈良も京都に負けないくらい駐車場事情はよくない。
友人もそれを気にしていたので、大きな陸上競技場がある方へ。
どうも大会的なことをやっているっぽく、駐車場はそこそこ埋まっていたがなんとか空きを見つける。

適当に、入れそうなお店のありそうな方へ向かうと、つぶれた遊園地に行き当たった。
廃墟好きの間ではそこそこ有名な、「ならドリームランド」の跡地。
本当にほったらかしなんだな。もう少し近付きたいところだけど。

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遠くにかすかに施設が見える。


すごく適当に選んだのに、イタリア料理屋がなかなかのアタリ。
ランチバイキングの基本メニューにパスタやピザをつける形式なのだが、
バイキング基本メニューだけでも十二分に美味しくて豪華。
しかしアレだな、明らかに自分よりよく食べる人を久しぶりに見た。


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うぇーい!……いや、自分よりよく食べるってこの子じゃないっすよw

帰り道、水辺が見たくて、ちょろっと付近の古墳を回って欲しいと無茶を言い、
ナントカ天皇陵とかをいくつかハシゴする。
どうだ、奈良っぽいだろう。


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その途中、朽ちて半分水没した桟橋のある池を見つけ、なんだコリャ危ないな、と思ったら
潰れた釣り堀だった。
うーむ、これは……すごい味わいだな。
その名も「水上釣り天狗」。
時代がかった素晴らしいネーミング。
「天狗」ってのはアレだ、人間離れして突出した、っていう褒め言葉だろ?
今じゃどう考えても通じないもんねえ。
まわりに家もある、町もそれほど遠いわけではないのに、静かでいい雰囲気。
心休まる。

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これまた無理を言って近所で評判のケーキ屋に寄ってもらい、自分と、来週誕生日を迎える母のケーキを買って帰る。
無論、父・兄含めた4人分だが、家に着くと兄は何ともう発ってしまったらしい。
せっかちさんめ。
彼の地元はこれから雨が降るようで、激しくなる前に帰りたかったんだろう。
挨拶も出来なかったな。

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お陰でケーキが一個余ってしまった。
翌日、母と父で分けて食べたそうだが、「4個の中で一番おいしかった!!」と言ってた。
やはりそうか……そうじゃないかと思ったんだ。
失敗したぜ。



●○● 夏は一年に一度 ○●○

二日目の夜、
「明日は友だちと会うんだけど、荷物持って出て、そのまま京都から帰ろうか知らん」
と話したら、父は
「いや、一回家に戻ってきた方がええやろ」「な」
と言った。
理由は分からない。

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昔から、あまりちゃんとした理由を言わない、理屈を説明しない、
多分理屈がなく、感覚と感情で判断するから説明ができない人だった。

そもそも父は、「(自分が)こうしたい」「(自分が)(私に)こうして欲しい」時にも、
「こうしたい」「こうして欲しい」とは言わずに、
「こうするか?」「こうした方がええんとちゃうか?」という言い方をする。
ついでに、念を押すように
「な」
とつけることもある。
その言い方は、希望なのか、はたまた推奨なのか分かりにくいし、
父自身の希望を述べているのに、さもこちらが選択したような答えを求める言い方なので
(「こうするか?」と問われたら、答える側は「こうする」と言うことになる)、
こちらのムシの居所次第ではイラッとなることだってある。

ちょっと前までなら、その頭ごなしな理屈のなさにカチンときて、こちらも意地で
「いや、その方が時間がとれるし都合がいいから」
などと理屈をつけ、父の希望に沿わない方へ行動することもあった。

……んだけども、最近はもう、
父が「こうするか?」「こうした方がエエんちゃうか?」ということには、
理屈を求めず「『そういうこと』なんだな」と受け止めて
「こう」することにしている。

それが「喜ばしいこと」なら、理由はそれで十分だ。
摩擦や軋轢なく、父と私とのインターフェースが無理なくすっと渡っていく。
おそらく父も、昔だったら文句の一つもつけたいはずの私の行動を、
きっと色々見逃してくれているに違いない。


春先から母の体調があまり良くなく、今回の帰省はその具合をちょっと確認しに行くという意味も強かった。
しかし蓋を開けてみると、少なくとも見かけ上母は元気で、
どちらかというとバテ気味なのは父の方だった。
一週間ほど前に受けた検査で膵臓の値が良くなかったらしく、
盆明けに受ける再検査のことが気になって仕方がない、というか……
ちょっと身近に膵がんが見つかった人がいて、その方は幸い手術で食い止めたものの、
その衰弱ぶりを見ていたから、どうしてもナーバスになってしまったのだと思う。

「その先にあること」を恐れているのが、目に見えて伝わってきた。
直接的に口には出さないのだけど、その様子は、
見ているこちらの肌がやすりでこすられるように感じるほどだった。
年齢や環境から考えても、無理からぬことなのかもしれない。

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我が家のお惣菜オンパレードその2。品数が多くて楽しいんです。これに慣れると大変だけど。

兄弟の多い父なのだけど、その兄弟、つまりオイサンの伯父叔母たちにここ数年で立て続けに不幸が訪れていて、
もとより田舎の少年で、人とのつながりの中に生きる人だから、
友だちとか、ご近所さんとか、自分よりも少し上とか、同じくらいの知人が一人また一人と減っていくと、
次はいよいよ、みたいに思っても無理はない。

  やっぱり怖いんだな。
  当たり前だけど。
  そんなの当たり前のことなのに、ああ、やっぱり怖いんだ、と改めて思っている自分もちょっと滑稽だ。

ヘタに元気な分、覚悟とか諦めが付きにくいのかもしれない。
そろそろ覚悟しろとか、諦めろと言うんじゃない。
そういうことなんだろうな、と。
どうにかして上げようがあるのか、わからなかった。
分かるはずがない。
だったら世界中の人間がもっと楽に生きてるよ。

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どこからか来たような雲。

空気がそんな風になってくると、自分たちを取り巻く何気ない出来事のひとつひとつが何かを象徴し、
あるいは物語のパーツとなって浮き上がって来るようで、
そこはもうオイサンの、インチキ書き物士としての悪いクセなんだけど、
なにを転がしてもかなしいことに繋がってしまうようでやりきれない。

自分がそんなことでツブれてもしかたないんだけど、
だからまあ、あんまり気にし過ぎないようにした。

段々と、一年一年、半年、ひと月、一日一日の重みが増してきていると感じる。

勿論、増しているのは父や母の、或いは父母と私が関係する時の私の時間であって、
オイサン単体の時間の重みはまださほど増しはしないのだけど。

けどそこにずんとした重量感を感じるということは、
自分の中で父と母の占める割合がとても大きいのだなあと変に再確認してしまった。
そんな盆だった。



……。



夏休みはこのあと2日ほどあったのだけど、
長くなってきたので、ここで一旦お別れです。
……しかしまさか、この日友人と潰れた遊園地を眺め、潰れた釣り堀に心を癒したことが、
翌日への序曲<プレリュード>になっていたとは。

つまりこの翌日も、ひと気のない場所をさまよいます。


次回へ続く。
逆襲へ。オイサンでした。



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