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2014年5月11日 (日)

■「あの夏」も、小諸はきっとやさしかった。~1日目の2 -更新第923回-

オイサンです。

オッサン四人で巡る小諸、『あの夏で待ってる』の巡礼をかねた旅の記憶
「あの夏も、小諸はきっとやさしかった」、
その1日目の第2回目です。

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我々四人を乗せたジェントル号が、ようやく小諸に到着しました。
サテサテ、どんな町なんでしょうね小諸は。



□■□ 第二章 まちのかたち、しあわせのかたち □■□



藤岡のジャンクションで上信越方面へ分岐する際、
テラジさんの
「なんだよ! 
 なんでこんな長野方面行く車多いんだよ、絶対空くと思ってたのにwww!」
という悲鳴が車内に轟いたにもかかわらず、小諸ICで降りる車は少ない。
あのタイミングでは我々だけだったんじゃなかろうか。
みんなもっと小諸へ来いよ。
……いや、やっぱそんなには来なくていいやw

高速を降りると山からまちへ、一気に下るダウンヒルで、
最初の交差点で信号につかまった時、対角線の角の建つauショップに、
何故だろうか、皆見るともなく目を奪われていた


大きな地図で見る

「……ああいう一軒建てのケータイショップって、都心じゃもうあんまり見なくなりましたよね」
「あー見ないねー。しかもキャリアのね。まちの個人ケータイ業者屋さんじゃなくて」

言われてみるとそうだ。
1月に行った阿寒にも、レンタカーの事務所みたいにdocomoのショップが角にぽつんと建っていたっけ。

「それもそうと、あっちの中古ゲーム屋? も気になりませんw?」
「そうそうそうw 聞いたことない名前だ」

メガなんとかメディア、みたいな、ローカル展開のチェーン店だったと思う。
車中の誰もが、まだ見ぬ田舎の空気に胸を高鳴らせはじめている。
さあ、小諸。
……どんなとこなんだろ。

    テラジさんの握るジェントル号のハンドルが、
                少しいきり気味にうおんと大きく、左に切られた。



────。



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土曜の昼下がり。
目当てのそば屋が見つけられず、町なかを少し──かなり細めの道まで──さまよったあと、
やむなく少し外れた駐車場に、ジェントル号には入ってもらった。
外れたとはいっても、自分たちの降り立ったこの場所はまちの中心からそう遠い場所ではあるまい。
それなのに……なんだろうこの、のどけさ、静けさ。
人は少なく、車も少ない。空気をうならせるものが少ない。

でも、寂れた感じは受けない。うらぶれた感じがしない。
ただのどかなだけだ。しおれているわけでもない。活気は……感じる。
穏やかに、この静けさを受け入れている感じだ。
車道を横断するのでも、あくせくする必要がなくて、のたのた歩くのがすごくいい。

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セブンイレブンの奥まった先に見える
「茶ん須」とかいうセンスもヘッタクレも関係ない世界の喫茶店が見え、
その先にはレンタルビデオINOUEの看板が見えている。

  後で分かることだけど、レンタルビデオINOUEはもう営業していないようだった。
  中には色々とディスプレイとか残っているのだけど。
  ……しかし、このまちの中で他にレンタル店を見た記憶がないし、
  何にやられてしまったんだろうか。郊外のツタヤとかだろうか。

車を降り、初めにまちを見渡した瞬間から、その感じはもう始まっていた気がする。
身構えたり、探ったり……今回はお仲間も一緒だからかも知れないけど、
普段旅先ではどうしても身にまとってしまうそういう緊張感をまるで感じなかった。
新鮮な気持ちのまま、浮き足立たず、落ち着いて普通でいられている気がしていた。


オイサンの他の三人は、地図を見てそば屋さんを探している。
本当はオイサンもそこに参加して見つけようとするべきだと思うんだけどw、
空から眺めたまちの形とお店のだいたいの位置は頭にあったので、
なんかこう……ぶらっと行けばいいんじゃないかな、と思っていた。



  ●○● まちのかたち、しあわせのかたち ●○●

小諸のまちは、ワリときれいに区画が揃っている……ように見せて、
ところどころ通りがイレギュラーにたわんだり、途中で行き止まる辻が斜めにめり込んでいたりして、
分かったつもりで歩いていると突然行き止まりを喰らったり筋の違う通りに連れて行かれたり、
混乱を生むタイプだ。

まちの規模は大きくなく、スケール感はファミコンのRPGの町とかと似て箱庭的だ。
すみから隅まで歩いてみても、密度もないし、多分そう大したことはない。
そこはちょっと稚内に似てる。

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JRの駅を中心……と言っても円ではなく、百八十度の扇形の中心……に置き、
山に抱かれて町を作っている。
扇形の背中側は川だ。千曲川が横たわっている。

つまり、駅から北方面は浅間山を筆頭にした山へ向かう上りの斜面で、
反対の南側は下って千曲川へ向かう。
起伏があって、まちもところどころ立体的になっているから、
こぢんまりと箱庭的でありながら歩いてみるとボリュームが感じられる。
そういう面白い町だった。

これは二日目の朝に一人で二時間、みっちり町をジョギングしてみて思ったことだ。
本当に面白い。
「かわいらしい」と言ってもいい。
かわいらしい町だったなと思う。



  ●○● かわいいおそば屋さん・そば七 ●○●

目指したそば屋は「そば七」さん。
テラジさんが見つけてきて下さったお店だ。
マ間違いはないでしょう。

のれんをくぐると、「コレ誰が描いたんだ?」っていうくらいの、
『あの夏で待ってる』手描きイラストが貼られたコルクボードがお出迎え。
イキナリの先制パンチ!
店先からかー。いいのかこれ。

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お店の中には、観光地らしく小諸の観光マップなどが置かれているのだけど、
そこには小山田先生のキャラクターがあしらわれていたり、
小山田の絵はがきが売られていたりする。
当然、『あの夏で待ってる』のグッズ……下敷き? も売られていた。

そんなキャラクター攻めに反して、お店の他の部分は、とても落ち着いた雰囲気。
抑えめの明かりに、BGMのない店内。
そのギャップが、尚のこと「いいのかなあ……」というオイサンのヘタレな部分に垂れ込める。
なんか無理させちゃってるんじゃないですかね? なんていう。
そしてお席に着くと……これだもの。

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至れり尽くせり。これも手描きだけど、お店の人が描いたんだろうか?

そしてまた、イラストだけでなく至れり尽くせりというか考えられているなあと感心したのが、
巡礼者向けに、小さいサイズのおそばがリーズナブル価格で提供されているところですな。

他にも巡礼でまわりたいお店もあるだろうし、
夏には加盟店舗をまわってカードを集めるカードラリーなんてこともやっているようなので、
ここだけで満腹になってしまわないようにという配慮なのでしょう。
マ上の方でキッチリ仕切っている方がおられるのでしょうね。
これだけでも、このまちの本気度合が伝わるというものです。
売り上げの面とか、少量で多品を提供しないといけないというのはお店の側では結構な手間のはずですが。
それをキチンとやって下さってるというのはうれしいですね。

席に通されて注文。
オイサン以外の御三かたは皆冷たいおそば。
つけツユが温かかったり、辛味大根が入っていたりとバリエーションはありますが。
オイサン一人だけ温かいかけそばで、お豆腐と辛味大根の入ったみぞれそばを頂きます。

サテ、ここでオイサンはちょっとトイレに外しまして、
ついでに小山田先生のポストカードを物色させてもらいましょう。
メンバーの中で、小山田先生に強い関心があるのはオイサンだけですからね。
あとで余分な時間を取らせるわけには参りませぬ。

トイレを出て絵はがきを物色。束になった中から絵柄をチョイスします。
あと関係ないけど、この「そば七」さんを描いた切り絵風の絵はがきも、
素敵なので一枚戴いていきましょう。
この小山田先生ポストカードは、
以前は、このあと行くつもりの桜井写真商会で無料配布していたこともあるらしいけど、
どうやら今は販売になっているようですね。

  ……しかし、コレが物わかりの良すぎるオイサンの勝手な思いこみであることが、
  あとあと判明するのでした。

じゃあコレとコレとコレで……
ああチョイと娘さん、これでいくらになりますかね?

 「はい、あー、えっとー、
     ……はい、これは、あのー、おいくらでしたっけ?
///w


おねえちゃん、絵はがきのお値段を把握していないwww
いいよ、いいよ! そういうのすごくいいよ!
ユルく行こうじゃないの。
小山田先生のは一枚80円って書いてたよ!
切り絵は160円だったよ!

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サテ席に戻って、そば茶を飲み、お通しのそば揚げを食べながらお料理の来るのを待ちます。
……メニューを眺めていて、目についたものが、二つ。

  「……よつさん」
  「はい?」
  「この、そば屋のだし巻きって……」
  「気になります」
  「ふむ。こっちの、豆腐の味噌漬けって……?」
  「気になりますねぇ」

……おかしいな。
『あの夏で待ってる』で小諸に来たはずなのに、
となりに飛騨から出張してきた千反田さんがいる気がするぞ?
えるたそ、こんなにデカかったっけ? 
まあよろしい、ジャイアント千反田さんと意見が一致した所で、
とりあえずそのそば屋のだし巻と豆腐の味噌漬けを追加でオーダーします。

お蕎麦到着。
おおう、結構なボリュームがあるな……。こりゃ確かに、ミニサイズがないと2軒目は回れんわ。
とてもおいしいおそばです。
太めで、味も香りもすごくある。歯ごたえもがっしりしている。
おダシ・つゆも良いけど、それよりもそばの味や香りを楽しむタイプだ。
小諸そばは、あの太さが仕様なのなのだろうか。

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私の食べた「みぞれ」、辛み大根がとてもおいしい。辛いだけじゃない。
一緒に乗っていた崩れた豆腐も、豆腐の味も香りもとても濃厚で
そばやそばつゆに負けていない。
大根や豆腐のおいしい土地なんだろうか。
水がよいことだけは間違いない。

豆腐の味噌漬けはチーズみたいで、塩っ気たっぷりで超ねっとりの濃厚系。
お酒のみのお二方は日本酒を恋しがっておられました。
ここ、お酒も揃っているので夜は飲み屋さんになるんだろうけど、
そこでのおつまみなんだろうね。
だし巻き卵はがっしり巻かれたこれまたミッチリ系。
アニメへの対応は柔軟だけど、お料理はガチムチハードなスパルタン性向です。
本格派!

あと、このお店はBGMがいっさいかかっていないんですよね。
無音。
それがオイサンにはとてもうれしかったです。

  気になることがヒトツ……。
  東京に「小諸そば」という名前の立ち食いチェーンあるんですが、
  オイサンはあのチェーンに、あまり良い印象を持っていない。
  お蕎麦はへなへなだし、おダシはゆるいし。店舗に依るところもあるのだろうけど。
  あのお店は一応、この小諸そばを模す、イメージを借りる意味であの名前なのだろうか。
  だとしたら……訴えてもいいんじゃないか?
  もっとお蕎麦で推すことも出来るような気がするが、ああいうものがのさばっていると
  「本場の小諸そばを食べにいこう!」なんていう機運も起こりにくい気がする。
  イメージが良くない。

  ……などと、よそ者が外野から煽ることではなく、
  恐らくここの人たちは、郷土のウリがどうだとか、訴えるとか、
  そんなことにあまり関心がないのだろうということを、このあと思い知ることになる。

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そんなおいしいおそばも頂いて会計も終え、
出しなに、店頭ディスプレイのイラストをカメラに収めていると、
お店の女将さんとおぼしき年輩の女性がオイサンにすすすと歩み寄ってきて
ウィスパー気味に囁くには。

  「この絵の作者、誰か知ってる?」

とお尋ねになる。え、この「コルクボードに貼ってある絵」の作者、ですか?
誰が描いたんだろう……やってきた巡礼の方々とか?
答えあぐねていると女将さん、自分を指さし、

  「私」

へ? お、おかみさんが?
オイサンがびっくりしてろくなコメントも出せずにいる間に、
女将さんはまたすすすすすと音もなくお店の中に引っ込んで行ってしまった……。
な、なんてシャイなんだ……。

  「本当にシャイなら自分で言いに来ないと思うけど……」

とは、あとでこの情報をお伝えしたときに3人の反応。
マせやな。


  ○●○ アニメと暮らす取り組み ○●○

しかし、あそこまでガッツリアニメ推しで、
何も知らない一般のお客さん、お年寄りとかは引かないのかな?
そこまで強力に引かれなくなったとか、
「ああこういうのあるのね」「こういう盛り上げを今やってるのね」という理解が
一般にもされ始めたのが、こういう興しが成功しやすくなった原因の一端ではあるのだろう。

けど、アレを前に出すことによって来る人と来なくなる人のトレードオフだってきっとあるはずで、
その引き算部分が小さくなったから、あれが成立するようになったんだろうなあ。

あともう一つ、
聖地目的で来るお客さんは夏がメインらしく、他の季節に来ることは少ないみたい。
そういう「こっち側」のピークではない時期にも関わらず、
作品を押し出し続けることの出来る継続力は、なんというか……
とても「ありがたい」と思う。
だって、来るかどうかも分からないお客のためにそういう準備も毎日、
そう、
地元のみなさんは「毎日」やって下さってるワケです。
それって、ものすごく「面倒くさい」と思うんです。

「ブームの峠も超えたみたいだし、
 コレ目当ての客が来なさそうな時期はやらなくてもいんじゃね?」
ってなったってフツウだと思うんです。
そうなるのを責めることは出来ないと思います。
けど、それをやって下さっている。
自分たちのためでもあるでしょう。
努力なのかも知れないし、惰性なのかも知れない。
既に沁みついてしまったものなのかも知れない。
ただ土地の性分として、コレと言って考えるでもなくのんきに何となく続けてしまっているのかも知れません。

それにしても、ああいうイラストボードとか看板とかを
毎日店に出したりしまったり、
それだけのことかも知れないけど、
それを続けてもらえてるということには感謝してもいいんじゃないかなと、
楽しませてもらっている側としてはちょっと思ったのだった。

以上。
かわいいおそば屋さん『そば七』さんからのレポートでした!


  ●○● らーめんはうすの親父さん ●○●

「そば七」さんを出、待っていたお仲間にあの絵の作者がおばさんだったことを告げると
やはり彼らも驚いたご様子。マそりゃそうだわな。

P4121757 P4121761

サテひとまずお腹も落ち着いたところで、お宿へ向かいましょう。
道すがら、ところどころに貼ってある『あの夏で待ってる』のポスターにいちいち感心し
写真を撮ったりなどなどしていると、
「旅行? 残念だね、桜、まだなんだよねえ」
と、70がらみのご老人に声をかけられた。

この方は、このとき我々がちょうど前を通りかかった
「らーめんはうす 樹古里」の方……だと思われる。
「定休日」と札の下がったそのお店から出てきたので。
皆、不意を突かれてちょっとビックリしている。
だってイキナリすごいフレンドリーに話しかけられたんだもん。

このご主人は手に、今取ったばかりとおぼしき桜の枝を入れた袋を提げていて、
今年の桜の開花の様子のことをお話ししてくれました。
確かに、来る途中で寄った横川のSAの桜が見頃に満開で、
それよりも寒い地域に当たるこの辺りはまだ見頃には達していなくて当然だ。
チラ見してきた懐古園の桜も、そんなに咲いているという感じではなかった。

「桜ねえ、そこから見えるのが早いんだよ。
 コレも、今そこから取ってきたばっかりでね。良かったら見ていってよ。
 これからコレも、観光案内所に持って行くから」

自分のお店の裏手から枝を伸ばしている桜の木の枝と、
手に提げた桜の枝を交互におすすめしてくるご主人。
なんというサービス精神。

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お写真提供:テラジさん

そんな謎のプチ観光案内にお礼を告げて、一旦クルマへ戻り、ホテルへ向かいます。
しかし、なんだな。
お店の休みに、自分トコの桜の枝を持って観光案内所へ持って行くのか。
なんだろう。
普通に町ぐるみのつながりが出来てるんだなあ、とちょっと感心した出来事のヒトツ。
ここにいた二日間、そんな些細なことがじわじわと心を穏やかにしてくれた気がしますよ。

  ……マ遊びに来てるこっちも、
  多分日頃の5割6割り増しで良い人になっているに違いないんだけどね。

サテそれでは宿に向かいましょう。そうしましょう。




ってなところでまた紙幅が……。
クルマ停めて蕎麦食っただけじゃねえかよ!
でも続く!!



……オイサンのモノローグが長いのか。
減らすか。


 

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