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2014年5月21日 (水)

■アめノ なかニ いマス。 ~ヨミビトシラズ・土曜日に、鎌倉で~ -更新第926回-

 
三月三十日、雨。
人に会う。

先方が「出来れば、土曜日に鎌倉で」と言ってくれていたにも関わらず、
私の方で直前まで見通しがたたなかったので、
万が一仕事が入ってしまったとしても短時間なら抜けて会いに行くことも出来るようにと、
日曜日の御茶ノ水で会うことにしてもらった。

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そうしたら折り悪く雨。
気温の上がる季節の前だったのは幸いだったかもしれないが、
春の終わり、灰色の町に降る雨は冷たかった。

前日の土曜日は関東一円天気が良かったから、
その鎌倉で落ち合っていればまた気分の上がったデアイになっただろうけど、
好天の鎌倉では私がウカレてしまうから、この日ほど腰を落ち着けた話は出来なかったのではないかな、とも思う。
どっちが良かっただろう。

待ち合わせ場所への道すがら、
目星をつけていた喫茶店のうち前に入ったことのある一軒がまだ開いていないのを確認し、
ちょっとした賭けにはなるが、初めてになる店の方を使うことに決めながら歩いた。

神保町の駅の口で待っていたのは、ふらりとしたシルエットの若者だった。

  いきなり話がずれるが、私はこの御茶ノ水界隈で、今回含め、三人の若者を迎え撃っている。
  いずれ劣らぬ曲者ぞろい……高学歴ぞろいだ。
  この際、「高学歴」という言葉に揶揄はない。
  そのまま「聡明である」に直結してもらって構わないと思う。
  ほならそう言うたれや、というツッコミが聞こえてくるようだが、
  そうした揶揄の含みさえも面白おかしく取り込んでしまえるチカラの持ち主たちだから、
  そう呼ばせてもらっている。
  オモシロイから。
  アフガンの砂漠に放り出されてもワリカシ生きて帰ってくる、
  そういう「高学歴」たちだと思っている。

  あ、そういう風に見取って書いてる当の本人の目玉とノーミソがお粗末なので、
  そこで見誤っていたらすみませんですハイ。

彼と知り合ったのは5年前、私がここで語る出会いの多分に漏れず、ツイッターの上でだ。
その時の彼はまだ大学受験を控えた高校生だったけれども、
そうと言われなければ実年齢をはかりかねる程度には堂々とした、
思考と行動規範の輪郭の持ち主だった。

初めて入ったちょっとサイケな内装の喫茶店で、彼は
「成績上がったのは、絢辻のおかげですよ」
と笑っていた。
数学の話だったかな。

彼が絢辻さんのことを「絢辻」と呼び捨てにするのが私にはとても印象的だったし、
すこしうらやましかった。
きっと『アマガミ』プレイ当時高校生だった彼にとって、
絢辻さんは、教室のどこか触れられない場所に座りながらも
リアルな同級生・リアルなクラスメイトと近いところにいる、
呼び捨てにする方が自然な存在だったんだろう。

  そのことだけでも彼が私と同じような深度で、
  「あの冬」「あの教室」にいたんだなということを、何となく感じ取ることが出来たように思う。

かく言う私は2009年にはとうの昔にオッサンで、
高校の教室というもはや日常からかけ離れた場所へ意識を送り届けるには
ゲームの主人公の心と体を借りなければならなかったから、
どうしても設えられた呼び方そのままに落ち着いてしまった。
他のヒロインについても同様であるように。

  絢辻さん、梨穂子、薫。
  七咲、中多さん、森島センパイ。

他に何の話をしたか……
毎度のことだが、こうして人と会うと相手の求めるレベルで会話が出来たかどうかは不安で、
今回も相当ヤバイレベルでお応え出来てなかったんじゃないかなと思うワケだけど
マそれはしゃあない。
これがスなんです。
もともと、人と話をするのは苦手なので。

  こことかTwitetrに書いてある内容や恰好から、
  どんな絵を期待してお声をかけて下さるのか、不安なんですけどね。
  しかし、裏を返すと。
  自分で毎回お会いした後に「うーん……ダメだったような」と思ってしまうということは、
  自分では、実際会ってしゃべっている自分よりもここに書いてある自分の方が面白いだろう、
  と思ってるってことで……それはそれで恥ずかしいなあ。キャー///。

そんなオイサンにとって今回一番大切だったトピックは、
ずっとスキBADの一味だと思っていた彼が、実は絢辻さんのスキBADには触れていなかった、
という事実で、なぜそう思いこんでしまったのかは分からないが、
これは実に大変、長い間申し訳ないことをしていたな、と思う。

  もしかすると今回、彼はその誤解を解くためにやってきたのではないか? と思うくらい。

だから、最初地下鉄の出口にふらっと立っていた彼を見た時に感じた違和感、
「あれ? なんか思ったよりフツーの奴来たぞ?」
という違和感は、遠からず当たっていたということなんだろう。

雨に降られながらもどことなくカラリとした空気を感じさせて、
今まで見てきたスキBAD党の戦士たちが纏っていた、
ムン! と匂い立つようだったり、
オン! と垂れ込めるようだったりしたスキBADの膜の様なものが、
先ずは感じられなかったのである。

超アタマのいい学校にイチゲキで受かった
(そしてそうするために窓から『アマガミ』を投げ棄てた)ような人だから、
それだけでも、もう少し「むわっ」としているかな、と思ったのだけど
それもなく……良い意味でとてもフツーの人が来たな、と感じた。

  少なくとも、上で書いた御茶ノ水三傑の中では一番しっとりしている。
  三人とも全員キレイにタイプが違うなあ……サンバルカンみたいだ。
  どっちがブルーでどっちがイエローか分からないけど、
  レッドは間違いなくあいつだ。そうキミm9だ。

2時間弱? 喫茶でお話をして、店を移してゴハンを食べ。

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しかし彼ら聡い者たちは、軽やかに色々なことをする。
ジャグリングだったり、チャネリングだったり(チャネリングはしない)。
新しいことに手を出し、古いもの・不要のものを手放すのに、躊躇いや戸惑いがないように見える。
当然彼なりにあるのだろうが……キチリと行動に示して見せるその様はとても鮮やかで。
そのどちらもが苦手で、前に進めず、古いものにまみれて身動きが取れずにいる自分には眩しい限りだ。

  何かを切り捨てる痛みに慣れることは若さのどこかで身につけておくと
  先々の人生が軽やかになるだろう。
  小学校中学年の夏、休みの間だけ親に通わされたスイミングスクールで、
  大キライだったコーチが言っていた。
    「人間、息を吸うのは勝手にやるから、
            息継ぎの時は息を吐くことに意識を集中するといい」
  と。
  奴のことは大キライだったが、今思えば中々大事なことを教えていてくれたのかもしれない。
  奴について憶えているのは、大キライだったという気持ちとその言葉だけだ。

彼はこの日に至るまでの数日の在京で、
他に数名のフォロワーさんと会ってお話を済ませてこられたのだそうで、
どうやらアカデミックな成分はそっちで補充し終えていたようだから
オイサンとはあのくらいの、ゆるくて他愛ない内容で丁度良かった……と、思おう。

そういえば、前の晩、彼は私とも共通のフォロワーさんを交えた飲み会に出ていて、
殆ど(完全に?)徹夜だと言っていた。
大人しかったのはそのせいもあったのかもしれない。

食事を終え、彼を駅まで見送って、
この数週間忙しかったとはいえ、手土産の一つも用意出来なかったことを恥じながら
もし彼が完調だったらと考えるとすこし恐ろしく、
こちらもそれなりに武器を持ち、地の利を考えて戦わねばなるまい、と考えていた。

  初めてTwitter上で出会ったとき、彼はヨミシラ(詠み人知らず)と名乗っていた。
  「受験が近いから」と、『アマガミ』をプレイし終えるや窓から投げ棄て
  (言葉通りの行動だったのかはこちらからは分からなかったが、多分そうだったのだろう)、
  Twitterのアカウントごと姿を消した。
  その時私には彼が本当に帰ってくるつもりがあるのかどうかも分からなかったが、
  帰ってきて欲しい、と、ワリと強めに願ったものだ。
  結果的に彼は大学に合格し、
  名前を変えて今日も元気にTL上でアイマスアイマス言ってるわけだけど
  (正直、彼がなぜそこまで『アイマス』に惹かれるのかは私には分からない。
   『アイマス』を低く見るわけではないが、
   彼が「実は(思ったより)普通だった」ことと関係はあるかも知れない)、
  もし帰って来ていなかったとしても、時々「どうしているだろうか」と思い出して、
  似たような文字列でアカウントを検索したりしていたに違いないと思う。
  彼が姿を消す前……まだ高校生だった時に使っていたアカウントの、
  ソーダ水色のバックにふらりと不安定なタッチで描かれた白い棒人間(だと思う)のアイコンを、
  実はこっそり保存して持っているくらいだから、それは多分、間違いないだろう。
  キモチのワルイおっさんである。

    ※訂正。白い棒人間じゃなくて、ちゃんと学生服を着て、
      手に何か本のようなものを持った人間のアイコンでした。

だからもし、また会う機会を得られたなら。
次は、是非。
土曜日に、鎌倉で。


P3301476z



オイサンでした。


 

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コメント

■Dすけさん
毎度コメント返しが後手後手気味ですみません。
いつもありがとうございます。

  >サンバルカン、三傑、一度そろってみたいですww
  >わしはイエローですかね、おそらく。

マ敢えて誰が何色なのかはいいませんけどw
ホント、なんだか頭のいい人が多くて恐縮してしまいます。
こんなオッサンのアホみたいな文章読んで、響くところがあるのか常々疑問に思っていますが、
アタマを休めるのにお役に立ててればいいなと思いますです。

  >古いものを捨てるでなく、置いておくの方が僕には正しい気がします。
  >目の前のことに夢中になってしまう性格なので・・・
  >それでも、懐かしく目に入ったら手に取りたいのでww

どうするのが正しいのかはひとそれぞれなのでしょうね。
私はどうも色々とっておき過ぎ、
その全てにずっと同じように時間を割こうとし過ぎるのでよろしくない。
もっと目の前のことに飛びついて、古いものは必要な部分だけ残して枝葉をシェイプして行ければなあと思います。
人生は短い。

  >ともかく、またゆっくりとお話ししに行きたいので、関東に行く際は連絡します。
  >名古屋方面にいらっしゃるときは連絡ください!!

はいな、こんなオッサンでよろしければ、また面白いお話を聞かせて下さい。
シンガポール(だっけ? マレーシア?)やらカナダやら、
お写真なんかもあれば合わせて聞かせてもらえたら嬉しいです。

投稿: オイサン@ikas2nd | 2014年6月 4日 (水) 23時08分

どもです。

サンバルカン、三傑、一度そろってみたいですww
わしはイエローですかね、おそらく。
専門が森林で林業の勉強もしておりますので・・・


古いものを捨てるでなく、置いておくの方が僕には正しい気がします。
目の前のことに夢中になってしまう性格なので・・・
それでも、懐かしく目に入ったら手に取りたいのでww

ともかく、またゆっくりとお話ししに行きたいので、関東に行く際は連絡します。
名古屋方面にいらっしゃるときは連絡ください!!

投稿: Dすけ | 2014年5月30日 (金) 14時50分

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