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2013年11月 1日 (金)

■はれんち探偵と、サラダ油の水面に映るとんかつ -更新第882回-

あすみさんは、ソフトふびじんで意識低めのやさぐれ系であるところが
業界内でも好かれている一因なのではないだろうか、というとても失礼な分析。
オイサンです。
 
一言、「親しみやすい」で済ませとけばいいのに、俺。
 
ナニをやってて見つけたんだか忘れましたけど、
ウッカリ発掘した『ささみさん@がんばらない』のWebラジオが異様におかしくて
ツボに入ってしまった。そればかり聞いてる。

この番組……あすみさんのテンションも相当おかしいがゲストもいい具合にトチ狂ってる。
収録中に「あたしもう眠いんだw」と言い放つ斉藤千和といい、
自らをハレンチ探偵と名乗る花澤香菜といい。
よもやオイサンの生きているウチに花澤香菜によるなかやまきんにくんの物真似が聞かれようとは……。
この世への未練がまた一つ減ってしまった。
香菜のこと、また一つ好きになったよ。








ん、くしゃみが出そうだ……ムズムズ……




 ヘックショーォーイあー結婚して欲しい!!(くしゃみ後の唸り)




ゥィーズズズ……。
風邪かなあ。

反面、一番お花畑だと思っていた野中藍さんが収録の間のトークは一番マトモで意外だった……。
あの人普通にアクティブにおしゃれなんだな。
フルマラソン走ったり、ボルダリングやったりとかしちゃうんだー。
へー。
ひとりバーに挑戦して失敗してみたりw


しかし、『ささみさん』って今年のアニメだったんだな……
なんかもっとずっと前だったような気がしてました。



■とんかつの明鏡止水



そんなあすみさんとは一切何の関係もなく、ブタの肉を油で揚げる話をします。

別段とんかつに対して、深い信仰を抱いているとか神聖視しているということもないのだけれども、
先日、外のとあるお店でとんかつを食べたとき、
とても不思議な、時の静かに巻き戻るような……
たゆたう水面に横たわるような心持ちになったので、そのことを書き留めておこうと思うのです。

ことさら腹が減っていた、というワケでもなくて、
むしろその前に結構な量のおやつをおなかに入れていて、
晩メシを入れるにはまだ少しおなかの準備が整ってないなあと感じるほどでした。





その日は、朝から雨でした。




Pa201516




十年に一度とまで評された26号台風が過ぎ去ったかと思いきや、
その雨も乾かんうちに、それより強い! という27号が南洋上に生まれて
気象庁さんもナニその少年マンガみたいな展開
こうなったら28号が「やあ」とピースサイン片手にガオーしてくれなければ恰好がつかん、
とボヤいたとかボヤかなかったとか、
マその台風の影響なのかどうか、
ともあれその日曜は、前の晩から雨だったのです。


  ……んだったんで、鎌倉まで出かけてみた。


とこう書くとですね、私がまるで頭オカシイ人みたいだがそうではない。
いや、アタマはオカシイのですけど。
オカシイんですけどこの日、風雨の中出掛けた理由はアタマおかしいからだけではなくて、
マ雨なら、さしもの秋の鎌倉さんでも多少は落ち着いているだろうと。
人の少ない、落ち着いた鎌倉を見ておきたかった。

せっかく近場に住んでて行こうと思えばいつでもいけるんだから、
別に雨でも痛くもかゆくもないんですよね。
また来りゃいいんだから。
これがわざわざアメリカから来てたんだったら、ガッデム雨かよってなモンですけども。
雨の景色を見ておくのも悪くないだろう、というハラもあった。
雨の景色というのは日常ですからね。


デ、その狙いはおおむね的中した。


途中、藤沢で寄り道して買い物をし、
そこから乗った江ノ電でも、人はすでにまばらでした。
晴れてたらアナタ、駅への入場制限がかかることもある路線ですよ。
それが西の終点から東の鎌倉まで、座席が終始、埋まらずにおりました。

Pa201520

人の少ないのは鎌倉に着いてみても変わりなく、
普段はまるで血管みたいに込み合ってるあの小町通りも、右へ左へ、自由に歩けるくらいには空いている。
これはありがたい。
行列が常の人気店へもいつでも出入り出来そうでした。
すばらしい。

車引きの車夫さんも手持無沙汰にしていて、
「今日は商売にならんね! がっはっは」
とかもう、道ゆくオッサンに言われんでもエエこと言われて苦笑いしてるくらいでしたが
オッサンもほっといたれよw
でもなんで営業してるんでしょうね。休めばいいのに。
雨降ってんだぜ。

そんな中を、やれコロッケだ、やれ焼きたてのせんべいだと
普段はなかなか思うままに覗くことのかなわない店に足を向けてはつまみ食いをして歩く。
楽しい。
これが天気の良い日だと「入れる見込みがない」「時間がかかる」という理由第一で
選択肢になりもしないよーなお店の様子なんかも、ブラブラ覗き見るゆとりが生まれ、
あーこんな場所にこんなお店があったのかー、というような発見も、いくつかあった。

  なお、色気を出して挑んだ梅しそ風味のコロッケは正直感心できる味ではなかったので
  これをお読みの諸氏は注意されたい。
  チャレンジ全てがよい結果につながるわけではないのです。




……雨は、まあ、降ってました。




着いて三十分ほどはさらさらと、
傘ナシでも気にしないで歩けるくらいで視界は白く、鼠色の幕に斜線が走るかなあという程度。
途中見かけたバザーの会場では屋台が普通に営業していて、
雨の湿った空気に漂うイカ焼きの個性的な香ばしさは
どことなくエキセントリックな気分にさせました。

  なんでイカ焼きはそのまま焼くだけなのに、そのまま焼くだけのタコ焼きはないんだろう。
  おいしいと思うんだがなあ。タコ。

通りを抜け、鶴岡八幡宮までやって来て、
バアサマの一団につかまってシャッターを頼まれるなどしているうち
雨脚は少しずつ強まってまいりました。

  むう。
  舞殿わきの無料休憩所でアメリカンドッグ食べたかったのに。

Pa201563


しかしこれ以上強くなられるとさすがに面倒なので、
参拝を済ませて引き揚げようと、
何年か前の台風で、シンボルだった大銀杏を根こそぎ持っていかれた景色の、
未だになじまない石段を登ろうと足をかけると、びちゃっと渓流の岩のような音を立てた。

ぽちぽちと写真をおさめて手短に参拝を済ませ、
足早に小町へ戻ると行きがけに目を付けた喫茶に逃げ込んで茶をすすります。
ンマイ。

いい時間になってきたので、どうせこの雨だ、今日は帰っても日課のジョギングも出来そうにない、
ついでに晩ゴハンも、どこかこの辺りで済ませて帰ろうと考え出した。
腹は減っていなかったが、あまり遅くなるのもよくないと思ったのでした。



Pa201600



たまたま目についたのがとんかつ屋だったんです。
結構高かったんですよ。
そのとんかつ屋さん。


デ、
高いからうまいだろうとか、
高かったからうまく感じたとかそういうことにもあらず、
どちらかといえば
「たかがとんかつごとき、多少値の張ったところでそうそう味が変わるものでもあるまい、
 だまされねえぞ!」
という、…逆に貧乏くさい発想にとらわれていたことは否めない。
どこまで行ってもメンドクサイおっさんである。

お品書きには、似たようなメニュー……同じヒレ、同じロースでも
松やら梅やら400円刻みぐらいで値段の違うものが並ぶ。
ちょっと品のいいお店のおばさんに理由を尋ねてみると、
お肉の大きさ、あとは味噌汁がわかめかなめこか、そんな違いがあるのだとやたら丁寧に教えて下さった。
ふむう。
結局たのんだのはカキフライとヒレカツのセット。

実際、味がズ抜けて良かったわけではないと思います。
ふつうよりもちょっと美味しい、
大手チェーンのとんかつ専門店などよりは味がある、というものでした。
まあ、美味しかった。

ただ、……なんというんでしょうねえ。
このお店の方々は、豚肉をただただ油で揚げて、
千切りのキャベツに味噌汁を添えて出すという商売を、
もう延々この値段でやってるんだろうなあということになんだか凄みを感じてしまって、
そんなことを考えると、心が水を打ったように平らかになっていくのを感じたのでした。

実に不思議な心もちでした。

なんかこう……意識はあるんだけど、カラダが勝手に運ぶんです。
とんかつを。
スッスッスッスッと、
普段だったらこういう順番の食べ方しないのにな、と自分で思いながら、
ごはん、とんかつ、ポテトサラダ。
キャベツ、味噌汁、お新香、
食べてましたね。
スッスッスッスッと。

  多分あのときのオイサンなら、大地斬で岩を切れてましたね。
  アバン先生も納得の刀殺法。
  むう、お店でナイフ借りて、アバンストラッシュ撃ってみりゃ良かったな。 ← 叩き出されます

マンネリって言っていいのかわかりませんけど、
多分あのお店は結構な老舗ですよ、
もう何十年と、あの値段で(物価は変わってるでしょうから割合として同じ値段で)、
とんかつを商ってるんだろうなと、すごく不思議な気持ちでした。
飽きもせず。
わさわさとね。
キャベツの千切りを食べながら、考えてました。

静かでねえ。

テレビはかかってるんだけど。
外は雨が降っていて、さらさらと、湿った空気が忍んでくるんだけども、
熱いお茶が美味しくてですねえ。
大手のチェーンのとんかつ屋さんなんかだと、
あ、さっきから和幸さんのことですけど、
食べ終わるとほうじ茶を出してくれたりして、アレはアレで嫌いじゃあないんですけども、
それがなんだか空々しいとさえ思えるくらい、
そのお店の渋茶がおいしいわけです。
飽きない。
お店のおばちゃんが自分で入れてるんでしょうけども、
なんかね、
もうコレだけでお金取った方がいいんじゃないかってくらいお茶が美味しい。
澄み切っているわけです。
澄み切ってしぶい。
あと、お新香がものすごい糠くさい。
半端じゃない。自家製でしょうね。
その糠くささが……糠くさい。
糠くさいとしかいいようがないくらい糠くさい。
糠くさいという事実が、これが事実というものの重みだ! と語りかけてくるような糠くささなわけです。
糠くさい、だからどうだとか、
まるでナニナニのような糠くささだとかではなく、
鼻を染める糠の匂いがこの世界のすべてになる。
お前コレ毎回必ずトイレ出て手え洗わないで混ぜてるだろう! っていう重みです。
お茶がうまい、お新香が糠くさい、とんかつ、ごはん、味噌汁。

  あの、おばさんがメニューを教えてくれたときの口調も、
  思えば、
  なんだか若干回りくどい様な、ゆっくり懇切丁寧で、
  一言で終わることに二言三言、言葉を費やして下さるワケです。
  このお店でオシゴトをしていても、ひと様に何かを説明することなんて
  そのくらいしか発生しないんでしょう。
  それがすべての世界。
  それが、彼女の世界のすべて。
  すごい。
  すごいんです。
  すごい世界です。

もうそんなだもんですから、
水を打ったような淀みのない空気の中、スッスッスッと行くしかない。
ごはんも、特段ほめる必要のあるものではないです。
フツー。
フツーのごはんです。
何十年と、飽きずに、疲れずに、といで炊いて、出し続けることの出来るごはんです。
がんばってない。
多分。
中には、めんどくさくて手を抜いた日もあったんじゃないでしょうか。
細心の注意を払って、その日の気温とか湿度とかによって水加減を変え、
お客様がいちばん求めている状態のご飯をお出ししよう、とか、してない。
お茶も多分、おばちゃんが手癖でてきとうに淹れてるので
まあ大きくブレはしないでしょうけど毎日同じものではないでしょう。

デまあ、そんな力の抜き具合の甲斐もあって、
繰り返しになりますが、ものすごく美味しかった、わけじゃあないです。

お店、他にお客はワリと年季の入ったご夫婦だけでしたね。
なんかしゃべりながら食べてて、話全部聞こえて来てたんだけど中身忘れちゃった。
湿った会話でした。
なんだったかなあ。
娘が……だったか、姪が、だったか。
なにをしたとかしないとか、そんな話。

良い時間でした。
ほんの短い時間だったはずです。三十分はいなかった。オイサン食べるの早いですからね。
でもなんだろ、10年くらいはあそこにいたような気がします。

初めて関東に出てきて、『NOeL la neige』の影響で鎌倉にあこがれ、
埼玉の小手指から遊びに来てみて。
それから何度か訪れた鎌倉。
大仏の前でじいちゃんばあちゃんを囲んで写真を撮る、
ちょっとめんどくさそうな顔をしてる孫たちの家族を見た時に、
大仏様がそこに座ってることの意味を知ったように感じた、あの日に帰ったような心持がしたのでした。


高かったんですけど、あの感じをまた味わえるなら
もう一度いってもいいなあと思える、そんなひとときでした。

静かなるとんかつ。
サイレンス。
とんかつ・ザ・サイレンス。



■ENDING



……。
ディングです。 ← ぱくった


マそんな感じでヒトツ。

こないだの記事で、「れんちょんの家は両親が不在で」とか書いたけど
そういえば一話で「おとーさんとおかーさんは畑に出てるん」みたいなこと言ってたな。
すみませんでした。
同じ村は村でも、農業メインの人々と、あそこから町に出て第三次産業従事メインの方々とで
お付き合いの境界線みたいなものがあるのだろうな。

むう。

けれども、町で働くひとたちってあの村に残っているだろうか?
「畑や山のくらししかない家」と「町のくらしと畑・山のくらしの両方がある家」だけが
おそらくあのエリアには残っていて
(あとは村の公的な立場にある人たちと、さらに特殊な事情の人たちか)、
町のくらししかない人たちは多分町へ出て行ってしまっているのだろうから
子供が5人しかいない(高校生以上は多少いるのだろうけど)ような事になっているのだろうし。
奥が深い。



オイサンでした。




……。




サイレンス。 ← 気に入った






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コメント

■Dすけさん
お返事がすっかり滞ってて申し訳ありません、オイサンです。
2014年もあけてしまいました。おめでとうとゴザイマス。
今年もよろしくお願いいたします。
 
90ですか、すごいですな……自分でとんかつ食べたりするんですかね。
生活のためなのか、職人としての気概なのか、
はたまた既に趣味なのか知りませんが、
何かモチベーションがあるんでしょうねえ。
 
とんかつは立派な日本料理だと思います。
 

投稿: オイサン@ikas2nd | 2014年1月 1日 (水) 09時22分

御無沙汰しております。
名古屋にもあります、老舗のとんかつ屋さん。
腰の曲がった90近い感じのおじいちゃんが毎日毎日、とんかつを揚げ続けております。
なかなかの人気店なので結構なスピードでかつ丁寧にあげております。
あれこそ、職人なのかなと思います。

投稿: Dすけ | 2013年11月 2日 (土) 02時47分

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