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2012年7月の13件の記事

2012年7月29日 (日)

■些伽巳日記[SAGAMI-NIKKI]・六~日々と2012年7月期アニメの感想など -更新第794回-

オイサンです。

いやー……この土日は暑かった。特に日曜日。
ヤバかった。死ぬかと思った。
わりとシャレでなく、
ジョギングなんかしようものなら、
ウェアの全面びっしょり水を吸った状態になってましたからね。
袖の端、すその端までズックリ汗を吸った状態になる。
すごいもんです。

夕方頃にはなんとか気持ちが持ち直しましたが、
日中は暑くてなんかもう、日なたに出るたびに頭痛がして
アこれ今日はダメだな、と何度か思った。
いやあ恐ろしい。
そんなんで、特に何をしたというわけではないですけれども、
ひたすら疲労が積み重なった、そんな土日。

湿度がねえ。
異様に高い気がします。
今に始まったことじゃないけど、なんか異常。


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花の写真を撮っていたら……


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となりの花でハチだか虻だかがお食事を始めました。
この暑いのにようやるわ。
そんな私のゴハンは、


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サラダ風冷やし蒸し鶏。
土曜のですけど。

ソースがごまだれかと思ったら、味噌に梅酢をからめたもので
すごいさっぱりしてておいしかったです。
でもチョイおっさん向けかもね。
まあそういうお店だからいいのか。

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このきゅうりの古漬けが非常においしかった。
今夏は、妙にきゅうりの存在感を感じている気がする。
先日の南木曽のときといい、さっき食べた晩ゴハンのピリ辛きゅうりといい。
きゅうり良いよね。

屋台でチョコきゅうりとか売ればいいのに。
絶対買わないけど。
手に入れそびれていた『つり球』と『孤独のグルメ』のサントラも手に入って
善哉善哉。

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2012年前半の、2大音楽が良い作品ですからね。
スバラシイ。

ただ、このところちょっとお金の出が激しいのが気になる。
マ立て続けにいりようなことが続いたってだけなんだけど……
生活態度と合わせて、ちょっと紐を固くしないといかんなと、
たまにはそんなことも考えるオイサンですよ。

今期のアニメのコトでもちょっとだけ書きますか。

『トータル・イクリプス』
  一応見てる、という感じ。
  特に楽しみしているというワケでもないです。
  まだ様子見。

『輪廻のラグランジェⅡ』
  開店休業状態。録ってるけど見てない、という状態。
  多分、あとになっても見ないでしょうね。
  既にあまり興味が持てない。1話目は見ました。

『アルカナファミリア』
  話が面白いわけでは決してないのですが、
  ヒロインの"能登かわいいよ"フェリチータが可愛いので見てます。
  でもまあ……近々見なくはなるでしょう。

『人類は衰退しました』
  OPとEDがすごく好きで今のところ見てます。
  が、正直第3話4話のエピソードが感心しなかったので?マークが点灯中。
  岸監督の、
  「オタクが好きそうでユルめのエピソードを前に持って来てつかんどいて、
   本筋はあとからちょっとずつしっかりやる」
  というやり方は正解だとは思いますが、ちょっとどうにも。



『TARITARI』
  ゆるフワものかと思ったら思いの外、ベタな青春モノだったので面食らった。
  フツウに面白いですが、フツウの面白さです。
  そんな中でも不意にツボを突かれたりはする。

『超訳百人一首 うた恋い。』
  『人類は~』の真逆で、OP/EDはもう、不愉快レベルでスカンのですけど
  本編がとても面白いので見ざるを得ない。
  本編は言うことないです。
  しかしホント……OP/EDはなんとかならんのか。
  OPはまだいい、EDだけでもなんとか。

『ゆるめいつ3でぃプラス』
  前期から引き続き。相変わらずです。短いって、すてきやん?

『うぽって!!』
  面白いです。アタマおかしいですけど。
  今期のゆるふわ枠。銃のうんちくが面白いです。
  女の子がもちもち系なのがなんかイイ。
  話はふつー。

『ゆるゆり♪♪』
  相変わらず。まあ……面白い……のかなあ。
  呑気に緩くはみられるけども、結構飽きる。
  同じゆるふわ枠の『じょしらく』と『うぽって!!』に押し負けなければ見続けるでしょうが、
  ちょっと微妙かしら……。心惹かれるものはそんなになく、かつ新鮮味もないので
  ちょっとよわめ。

『夏雪ランデブー』
  今期の真面目っこドラマもの枠。
  話が面白いのはこれですが、それもどっちかというとドラマよりの面白さなので
  微妙にオイサンの好みからは遠のく感じ。
  それでも緊迫感はあるうえで安心してみられる感じ。
  オトナのお話ですけどね。ノイタミナ安定。

『じょしらく』
  ゆるふわ枠。割り切り方は面白いですけど、ドラマCDで十分なんじゃね?
  というのは、一度絵が動くところを見たあとだからか。
  たまに変化球として、ストーリーものの話が挟まっても面白いかも。
  ちょっと『夏のあらし!』の第二期に雰囲気は似ているかもしれない。
  EDの歌詞が押しつけがましくてちょっと好かん。
  言わんとするところは分かるけど。

『ココロコネクト』
  ドラマと萌え、バランスいいのはここでしょか。
  おもろい。
  けど、ちょっとミステリー色が強い感じでときどきげっぷが出る。
  楽には見られないかしら。やっぱり事件ありきで描かれる話なので。
  位置的には『氷菓』とかぶるんだけど、比べると『氷菓』の方が上かしら。

『境界線上のホライゾンⅡ』
  第二期。相変わらず設定てんこもりのドタバタ系で、
  全てをただしく理解しながら見ることはかなわないんだけども、
  それでも謎のトキメキがある。
  見てて、何かわからんけどすごいコトが起こっているらしい、ことだけは
  十分に伝わってしまうのは……これが重厚さという物なのか。
  バカとお色気もワンサカワンサなんだけど、それも許せてみられてしまうわ。
  すごいと思う。

『氷菓』『黒子のバスケ』
  前期から引き続き。特に変わることもなく、安定して面白いです。
  特に『黒子』の安定性はすごいなあ。


『ソードアート・オンライン』『だから僕は、Hが出来ない』『貧乏神が!』
  ぶった切りました。
  『SOA』はめんどくさいわりに楽しめなさそうだから。
  『だから~』は単純に面白くもなんともなかったから。
  『貧乏神が!』は、実はワリと面白く、ネタの種類も好きだったんだけど、
  なんかオイサンの好きなテンポと微妙なずれがあって、
  そこがどうしても引っかかるので、まあいいかなと。

『ちとせげっちゅ』『この中にひとり、妹がいる』『恋と選挙とチョコレート』
  興味はあるけど上の作品群と時間がかぶったりして
  みられていない枠。


ざっくりですが。
残っていきそうなのは
『TARITARI』『うぽって』『うた恋い』『夏雪』『ホライゾン』『じょしらく』と、
前期からの引き続き組。

今までのところ、正直言ってちょっとパッとしない期、という印象。
まあぼんやり行きたいと思います。

▼TARITARI・劇中歌 「心の旋律」




あーそうそう、
あんまり暑いのと、先日のオフでまそさんがお召しになってた
「かりゆしウェア」ってのが大層イイカンジだったので、
オイサンも一着買ってしまいました。
へへーん。

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あんまりこういうことはないんですけどね。

マそんな感じで一つ。
オイサンでした。

ぽよーん。



 

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2012年7月28日 (土)

■些伽巳・南木曽日記(二日目の続き) -更新第793回-

オイサンが、7月の連休にかこつけて、
フォロワーさんと会ったり長野県南の木曽路あたりをぶらついたりする、
些伽巳(SAGAMI)・南木曽日記の二日目の続きです。

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■南木曽・柿其渓谷へ




 ※ココから先、ちょこちょこと【南木曽・柿其渓谷 観光情報】が入ります。
   観光お役立ちっぽい情報をまとめて載っけます。

   なぜイチイチそんなことをするのか、という理由はのちほど、記事の中で。
   マあんまり気にしないで下さい。



南木曽は、正直、近いです。
すごく近い。
名古屋からなら特急使えば1時間。
なんなら旅行してる感が若干モノ足らないくらい。

東京方面からでも、名古屋までのぞみで1時間半だから
オイサンみたいに寄り道しなけりゃ、3時間足らずで来られてしまう。
そう遠いもんじゃない……っていうのは、
帰省で関西に帰ったりする人間の感覚ですかね。

  けど、こないだ行った未来都市さいたま新都心の方が
  よっぽど遠かったよ……(ボソ


 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その01】
  名古屋からは、特急の「ワイドビューしなの」で
  中継駅中津川まで45分くらい。
  そこから、乗り継ぎが悪くなければ15分程度で
  観光の中心駅となる南木曽や、
  オイサンの行った柿其渓谷の最寄である十二兼(じゅうにかね)に着けます。



  えーと、特急の停まるのが「中津川駅」で、
  観光の中心になるのが「南木曽駅」、
  柿其渓谷の最寄が「十二兼」です。
  いずれも、名古屋から近い順。
  こんな↓感じ。

  ▼名古屋
  |
  |45分くらい(特急)
  ◆中津川
  |
  |10分くらい
  ◆南木曽<タクシー・バス・商店あり>他の観光地への中継点
  |
  |5分くらい
  ▲十二兼<柿其の最寄>



 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その02】
  柿其渓谷の最寄りとなる十二兼の駅は、絵に描いたような無人駅で
  駅前には商店はオロカ、公共の交通機関の発着場もない。
  空と山と道と人家と、部屋とYシャツがあるだけですのでご注意。
  そういうものを利用しようと思ったら、南木曽で降りた方がいいです。



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 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その03】
  南木曽の駅前にはタクシー待合所があります。
  多分、一・二台は常駐してる。
  南木曽~柿其渓谷までは20分弱、3000円程度。
  お店もあります。コンビニはないです。
  ……そーいや、あのエリアにいる間、コンビニって一切見かけなかったな。



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 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その04】
  あとで分かることですが、南木曽駅にはコインロッカーもあります。
  中型300円、20個あったかなかったか、そのくらい。
  駅ではなく、駅を降りて道を渡った真向かいあたりにある
  タクシーの待合所(だったかな?)の中です。



 ▼お天道サマにはかなわない。

今回の旅では、正直、雨を覚悟してました。
現地の予報が、一週間前くらいからずっと雨と曇りマークの繰り返しで、
降水確率も40%~90%の間を行ったり来たりしてたんだもの。

  前述のまそサンとの約束があったんで完全にヤメにすることはないにせよ、
  南木曽行きは取りやめにして名古屋をブラついて帰るだけにしようかな、
  とは何度か考えたくらい。

  けどねー。
  雨に降られるのもまた旅のうちなんで、
  マ毎度の「お天道さまにはかなわない」の気構えで、
  雨なら雨で宿でのゴロゴロを楽しむなり、雨の風景を楽しむなりすればいいかと。
  だって、ねえ。
  ツマンナイじゃないの。
  照ってようが湿ってようが、その土地や町はそこにあって、
  人はずっと暮らしてるんだもの。
  晴れの景色ばかり知ってたって片手オチだなーと、
  ……まあ、娯楽としての旅行者としてはよくわかんねえ考え方ですけども、
  オイサンは思ってます。

  そんな肚もありつつ決行を決めたのですが、
  まあフタをあけてみればあからさまに降られたのはほんのわずかな時間で、
  折りたたみも、念のために持っていったカッパも、
  あまり出番はなかった。


マそんな予報だったもんで、晴れ間は逃すまいと、一応こちらも必死。

列車が南木曽に着く17時を過ぎる頃、空はキレイに晴れて夕焼けの光がなかなかキレイ。

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これはもしかしたら最後の好機なのかもしれないと思い立ち方針を変更。
当初は、電車で十二兼まで行ってそこから歩くつもりでいたのを、
電車は南木曽で降りてしまってタクシーをつかまえ
一気に宿まで行って一番のメインである
「牛ヶ滝」だけでも見てしまうことにしました。


 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その05】
  最寄となる十二兼の駅から、柿其渓谷の入り口に当たる民宿などのある地域までは
  徒歩で約4km、一時間弱。
  木曽川を渡るまでは平地とくだりですが、その先、のぼりが延々続きます。
  自販機なんかも入り口と目的地目前くらいにしかない
  (そして十二兼の駅周辺にも水分を補給できる場所はない)ので
  そういうのがダメな人はそれなりに備えて行って下さい。
  つったって、たかだか一時間ほど歩く間、ガマンすりゃいい話ですけどね。



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 木曽川の走る豪快な風景と、起伏に富んだのどかな田園風景が美しい道なので
 タイクツはしないでしょう。
 立体感あって新鮮だと思う。

南木曽の駅で列車を降り、もう二度と来ないかもしれないという思いもあって
辺りの風景をカメラに収め、タクシーでお宿まで。
運転手さんはとてもフレンドリーで、
道すがら、何かとステキ情報を教えて下さいました。

  「ここん家がホラ、こないだ役場の課長さんになった人の家」
  「アーそれでおクルマが3台もあるンすネー(シロメ」

……いや、
「誰がどこ住んでてどんな人かってコトが全員分把握できるくらい、
 近所付き合いが濃い(から大変だよ)」
っていう話の流れでそういうコト言ってたんだけどもw

  しかしこの運ちゃん、しまいにポロッと
  「あ、ここんちの娘さんね、タネは実はお隣のダンナね。
   知ってるのは奥さんと本人だけー」
  とか言い出しかねんな。

あ、あとなんか、町のお祭りをやってましたね。
ょぅじょがはっぴ着てましたかわいい。


 ▼民宿「いち川」さん

お世話になるのはこちらのお宿・いち川さん。
そうそう、このお宿のことを『花よりも花の如く』には書いてあったのです。
まあ正確に言えば、『花よりも花の如く』に書いてあったのは、

 ・このお宿のゴハンがおいしい。
 ・お風呂がいい。
 ・お宿から牛ヶ滝までは歩いて15分くらい。
 ・お宿から牛ヶ滝までは遊歩道があるが、アップダウンがあってハード。

ということくらいだったんだけど。

宿帳を書き、晴れてるうちに滝だけ見てきたいという旨を告げて、
お宿のご主人から簡単に道を聞いたら出発。
もうじき暗くなるのであまり時間がない。
急げ。
Timelimit! Timelimit! Timelimitはちーかーいー。




 ▼牛ヶ滝へ

昨日までの雨でぬかるみがちの林道を抜け、
つり橋と、清流の美しさにひとしきり興奮しつつもズンズン行きます。

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これはあとから気付くことなんですが、
この渓谷のあたりというのは、
もうどこからでも澄んだ清水がちょろちょろちょろちょろと湧いては流れ出ている。
岩の隙間から、ちょっとした斜面から。
『あめふりくまのこ』の世界。





そして、サミダレを集めてはやしナントヤラではないですが、
めいめい、柿其川に流れ込んでいる。
そんな水の流れのせいで足場の悪いところも多々あるのですが、
水がきれいなこともあって、その様子がとても美しい。
前日の雨のせいが大きいでしょうが、
空間全体が、一枚白い光の膜をかぶっているようなまぶしさがあります。
新鮮でもあり、懐かしくもある。

そうこうするうちに雲行きが怪しくなってきて、
とうとうポツポツと降ってきてしまいました。

そうなると、ところどころ土になる道はぬかるむし、
木道はぬるぬる滑って恐ろしい。
アップダウンは結構あるので体温はあがり、吐く息の湿気で眼鏡は曇るし、
道に迷って今本当に向かうべきところに向かっているかも定かでないしと、
のっけからハラハラでしたが……
そうして見えて来た滝は、いやあ……これがなんとも、スゴかった。
本当にスゴかったんです。


 ▼牛ヶ滝

本来の遊歩道を進んでいれば
渓流の流れに沿って次第に姿を現すはずだった滝は、
オイサンが何故か(コレマタ翌日になって分かったことですが)「山側の道」と呼ばれる、
遊歩道が整備される以前の、
山の上から流れに向かって降りていく道を行っていたために
突然目の前に姿を現すことになりました。

  翌日もう一度歩いてみたら、自分でも
  「なんでこんな、分かりやすい看板を見落としたんだろう?」
  と思うくらいババーンとした
  「遊歩道こっち!!」の看板が、
  つり橋を渡ったところに立ってたんですけども。
  いやー、人間ってフシギ。
  足元ばっかり見すぎたとか、先入観とか、色々あったんだろうなあ。

遊歩道を歩いていなくても、渓流の流れる水音は滔々と、
途切れることなく遠く近く響いている。
空は翳り、霧雨は肌にはりついて、夏だというのに湿気はありつつも肌寒い。
道は途中からただの獣道に変わって、
「これ迷うだろ!」「危ないな!」とツッコミを入れながら進まないとやってられん。

  そりゃそうだ、だって観光向けに整備された道じゃないんだもん。
  ただの山道だよ。
  道なんてモンじゃなくて、林の中に誰かが踏み固めたあとがあるだけだよ。

そのうち、下の方から静かに聞こえてきていた流れの音に、
どうどうという塊の叩きつけられるような厚みのある音が足されていく。

東屋が見えた辺りから土の獣道だったのが木道に変わり、
急な斜面を降りていく階段にかわる。
それも歩きやすいモンじゃなく、
ぬかるんで滑り落ちるのをかろうじてとどめてくれる程度で
なんとなれば、丸太の表面がぬるぬる滑って危ないッたらありゃしない。
手すりも設けてはありますが、こちらも滑るのナンノ。
軍手か、ナイロン製(水吸わない奴ね)の手袋くらいは持って来るべきでした。
反省。


 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その06】
  まあフツーといえばフツーなんですが、
  渓谷や山はあくまでも自然の一部であって、遊戯施設じゃありません。
  ので、足元の安全ががっちり保証されるほど整備されてるかといえば
  ンなことはなくスパルタンです。
  落ちたら死にますし、誰の管理責任も問えません。
  それなりの装備で臨むよーに。
  次の日、カカトの高い編み上げサンダルで歩いてきたオンナノコ連れ見たときは
  オイサンも目を疑いました。



そしてヒイヒイ言いながら見えてきた牛ヶ滝は……怖かった。
きれいだとか、迫力がどうだとか言う以前に怖かった。
畏怖、というんですかね。


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吸い込まれそうになる……と書くと陳腐ですが、
延々そこを流転する、膨大な流れの一部にまるで自分がなってしまったような、
いつの間にか、自分がもう落ちてるような気がして……
ずっと立っていると恐ろしくなってくる。

その時たまたま淡い霧雨が舞っていて、
あたり一面が水に支配されていたということも、無関係じゃないのかもしれない。
本当にもう、どんどんどんどんと、
自分が落ち続けているような錯覚に襲われた。


ドドドドドドドド、ドドドドドドドド、


という深くて分厚い音の塊が、押さえつけるみたいに頭の上から降ってくる感覚。
自分が今立つ物見台は、この音をずっと浴び続けてきて朽ちてはいないんだろうか、
組まれた丸太が今にもばらけて落っこちるんじゃないかと……怖い。

オイサンがこの滝のコトを知るきっかけとなった漫画
『花よりも花の如く』の中でも、
「野味溢れる、水量豊富でいい音をさせている滝が見たい!」
という理由で、
主人公たちは養老の滝では飽きたらずここを訪れその雄々しさにボーゼンとする、
というくだりが描かれます。

オイサン正直、観光地の滝にはそれほどの期待をしていなかった。

これまで見てきた滝というのは、
たとえば落差はあっても、
水は壁を這うようで、落ちるというよりも流れ降りてくるようであるとか、
落ちているにしても水量がさほどでもなくサラサラと舞い散るようであるとか
そういうものが多く、
自然の岩の口から、大量の水がゴバゴバと吐き出され、
轟音たてて放り投げられ続けるというのは、ついぞ見た記憶がない。

  雄壮だとか、壮麗だとか、そういうなめらかな言葉は当てはまっても、
  なんというか……らんぼう、というか。
  美しくはあっても、「高いところから大量の水が自由落下する」
  という、文字通り投げっぱなしの放埓なイメージと
  直結するようなものはなかなかお目にかかれない。

  ……そう思いません?

  滝を見に行くぜ! となって、行ってみて、
  「あー……ああ、まあ、うん、確かに、滝だわ。
   水が上から下に行ってるわ。そうだね、滝だ」
  ってなった憶えのある人、挙手。
  結構あると思う。

それがこう……ああそうだ、つまり、
「『まんが日本昔ばなし』に出てくる滝」。
それがここにあった。
そしたらそれは、思いのほか恐ろしいものだった。
こっちも『まんが日本昔ばなし』の人になって、
「はあぁー……こりゃぁ、おっ……ったまげたぁー」(CV:常田 富士男)
です。

  ……今の若い人には、もう伝わりづらいんだろうなあ……。

マそんな気分で、恐ろしいながらも
その圧倒的な存在から離れることもなかなか出来ず……
そりゃそうです、だってこのまま天気が崩れたら
明日は見に来られないかも知れないんですもの。
出来るだけ永いこと眺めていたいというのが人情です。
コワイ、でもまだ帰りたくはない、でもコワイ。

  マ結果的には翌日もそのまた翌日も、
  落ち着いて見に来られたんですけどね。

どのくらいそこにいたでしょう、ものの5分か10分だと思いますけども。
雨が激しくなろうものなら今以上に恐ろしいことにもなりかねないので、
後ろ髪を呑み込まれる思いで、物見台をあとにしたのでした。


 ▼再び、いち川さん。お風呂とお料理

そんなこんなで、ずるずる滑る山道を再びヒイコラ這い戻り、
汗と雨でズクズクになりながらお宿へ戻ります。

  フツーに遊歩道を行けばそんなことにはならないので
  ご安心下さいね。
  マそれでも、結構ハードですけどね。

そんなていだもんで、ゴハンの前にお風呂を戴くことに。
「お風呂が良い」「料理がおいしい」というのも、
前述の『花よりも花の如く』にあったんですけど、それも偽りナシ。

  ▼長野県木曽郡南木曽町 柿其温泉 渓谷の宿いちかわ
    http://www.kakizore.jp/
    公式ページ。お風呂の様子なんかはここを見てみて下さい。

お風呂は大浴場のみ。
超温泉。
超ひのき風呂。
でも広くはないです。
三人も入れば満員になるようなサイズ。
宿泊客は、オイサンの他は年輩のご婦人の二人連れのみ。
つまり男はオイサンだけです。

  ……多分ねえ、オッサンがひとりで来るのは珍しいトコなんじゃないかなあ。
  翌日来たのも、オバアサンと言っていい年齢のご婦人の三人連れでしたしね。
  マいいけど。
  大人数泊まってると、ちょっと鬱陶しいかも知れませんね。

そして男がオイサン一人だけだからか分かりませんが、
風呂のふたの開け閉めを自分でやるのにちょっとびっくり。
まあ湯が冷めなくていいけどさ。
あと、壁面が大ガラス窓になってて外から丸見えで若干ビビりました。
一応ブラインドが下ろせるようにはなってるんだけども、
何故か半分より下は下ろせない仕掛けになってる謎仕様。
ナンダコレ。
マ見えるったって思いっきり山の方を向いてるので
オッサンはそう気にしたものでもありませんが
女湯はどうなってるんだろうコレ。


  ▼山の幸。サチなんだかシアワセなんだか。

そうしてお風呂を戴きいよいよご飯、なのですが……
ゴハンがねえ。
良いワケです。
もう……なんていうか、無理なく山のもの満載!!

山菜に、獣の肉に、豆に、木の実に、川魚。

すばらしい。
本当に自分たちの手の届く範囲だけからかき集めてきた感満載で、
ああすごい、山で暮らすってこういうことかと改めて感じ入る次第。
おお、無理してない、運んできてない、流通してないぞ!
っていう感動がちょっとありました。

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それでまた、味噌やら豆やら、そして醤油やら、
そういうものがいちいち味が深くて美味しいのさ。
豆を、ただ酢でシメただけの飾らないものがあるかと思えば、
とうふに載ってるお味噌には山椒が絡めてあったり
ゴハンはゴハンで、朴葉に包んで香り付けがしてあったりしてね。
ひと手間かけても飾らないもので、
いやあ、美味しい。
実に美味しい。

『美味しんぼ』で、つるっぱげの京都のオッサンが
鮎食ったり味噌汁すすったりしただけで泣いたりしてましたが、
あのキモチがちょっと分かる。
これは泣きかねない。

街で食べる手の込んだゴハン……フレンチとか、
それこそこの間サキさんと食べたプチ懐石ゲな和食とか、
夕べのテレビでフットボールアワー後藤さんが食べてたイタリアンとか。
ああいうのはああいうので美味しい。

けどそれとはまた異質の味の世界が……広がってましたねえ。
ええ。

オイサンは「おいしい」にはふた通りあると考えてまして。
一つは、ラーメンとか豪快な肉料理のような、
熱とかアブラとか塩っけとかの快楽・生命直結の物質で脳天を直にたたきにくるおいしさの世界。
もう一つは、京料理のような、味覚嗅覚のうぶげの先端を
さわさわとくすぐっていくタイプのおいしさの世界。
言葉の上ではどちらも同じ「美味しい」で片付けられてしまいがちですが
異質なものだと思うのです。

命に直結するものが補給されたから否応なしにカラダが歓喜してしまう「おいしさ」と、
なくても即座に死にはしないけれども、
感覚器にとって嬉しい刺激として感じる「おいしい」。

これまたどっちが上・どっちがエライという話ではありませんけれども……
脳天のどこに行きついて「嬉しい」という感情が湧いてくるかのちがいなんじゃないかと。
今回の、このお宿のご飯はその真ん中辺りにいます。
多分。
ものっすごい感覚的な話で申し訳ないけど。

この日は、お味噌汁にウドをぶちこんだウド汁が美味しかった。
お替わりいただきました。
イヤほんとびっくりするぜ?


 ▼お部屋

ご飯を食べ終えたのが8時を回る頃で……さあ、田舎の夜です。
することなんかありゃあしません。

そうそう、最初部屋に通された時に「あ、ヤバイ」と思ったんですが、
このお宿は部屋にエアコンがない。
しかしこれは、必要ないからだということがイヤというほどわかりました。
窓辺に扇風機を置いて、外気を取り入れるように回せばエアコンは必要ありません。
すくなくとも、7月中旬においては。

宿のご主人曰く、「夏場でも必要ない」とのことだったのでそうなのでしょう。
まあワカル気はする。
よっぽど猛暑に見舞われてしまったらご愁傷様、
それもまた、お天道さまにはかなわねえとあきらめるコトが肝要です。

あ、当然。
LANや無線LANなんかありっこないので、
そういうものがないと死ぬ系の人は死なないように装備を整えていって下さい。
とりあえずdocomoは繋がりました。

事前に電話で、ケータイがつながるか失礼極まりない確認を一応したんですけれども、
そのとき
「……会社は?」
と聞き返されたところを見ると、どことは知れませんが、
キャリアによってはエリア外になる恐れがございます。
禿頭リンゴのマークがついた平べったい奴をお使いの諸氏は特に用心されたし。

オイサンはBBをモデムにしてWebしたりツイッターしたりしてました。
その辺は、不自由・ぬかりなし。
田村ぬかり。
ぬかりん。



■就寝~ベース・ノイズ



この日は、一体どんな形で眠りについたのだったか……。

朝から都会を走り、
昼には人と語らい、
夕べに列車に揺られて雨に降られて滝に圧倒され、
おいしいものをたらふく食べて、
温泉に浸かって畳と布団の上で横たわっていたら、
自然にすこんと眠りが降りてきて、気が付いたら明け方だった……
そんな気がします。

  そう、寝オチです。

窓の外には、町と違うまじりけのない闇が張り付いて、
光に誘われた小さな虫や蛾が時折こつこつとガラスをたたく。
その背後にはザアザアと一定の距離をたもった流れの音が途切れることなく、
山のひびきを伴って聞こえてくる。

土地土地には暮らしの底に常に流れるベース・ノイズがあるもんで、
霧多布でのそれは海鳴りだった。
夜、町を散歩してみたときにどこからともなく……否、
どこをどう歩いていても聞こえてくる、ごうごうという風と地面がいっぺんに鳴っているような
重い音の正体がわからなくて、不思議に思ったものだ。

  そしてそれが海鳴りだと気付いたのも、
  以前に成田美名子先生の『ナチュラル』を読んでいたからだったな。
  今思い出したw

ふるさとの町にはそれらしいものはないけれども、
強いていうなら1kmほど離れていても聞こえてくる、
遠く走る列車の轍の音だろうか。
ここでは、この渓流と水の落ちる音がそうなんだろう。
この里に生まれ育つ人たちはみんな、
この音を腹の底に蓄えながら年をとっていくんじゃろうねえ。

便利な町から遊びに来ただけの、くたびれ気味のイイ年こいたオッサンが言う
「いいところだねえ」
という安っぽい言葉にどれだけの真実味や価値があるか、わからないけれども。
こうして改めて文字にまとめてみて……
これだけのものがキチンとあって、揃って残っている、
ここはやっぱり、普遍的な意味で「いいところ」だと。

先ずは思いつつ、休みの二日目、
南木曾・柿其での一日目を終えるオイサンでした。





次回に続く。



 

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2012年7月27日 (金)

■些伽巳・南木曽日記(二日目) -更新第792回-

7月末の3連休(個人的には4連休)、
名古屋~南木曽は柿其渓谷を訪ねる小旅行、その2日目。

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前回は、金曜日に人間ドックを受け、
その晩に名古屋入りしたところまで書きました。
その続きから。



■2日目・土曜日



この日の予定。
AMは自由。名古屋の町をジョギングして、あとは書き物をしたい。
お昼から夕方にかけてフォロワーさんにお会いする。
夕方からはJR中央線で、今日の宿泊地である木曽郡南木曾へ向かいます。
そんだけ。

朝。
とりあえず起きて体を伸ばし、ジョギングる。
6時を回ったくらいでしたかね。
宿を出て先ずは南にある白川公園とやらに向かい、
そこでストレッチをしてから北上し、名古屋城を一周して返ってくるようなルート。

一昨年のGWにまた別なフォロワーさんに案内して戴いたときの記憶が残っていて、
名古屋城周りの風景とか、近くの県庁・市庁あたりは良く憶えておりました。
懐かしいな。

しかし、まだ日の高くなる前に走り出したのが失敗で、
ムッシムッシと暑いのなんの。
ちょっと日が高くなった頃合の方が蒸し度はマシでしたね。
ウェアが絞れるくらい汗でズックズクになりました。

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あと、聞いていた通り、名古屋は喫茶店やらカフェやらが多い。
本当に多い。
オサレなチェーンから個人経営の小さいのまで、
そして「朝は喫茶店でモーニング」という文化が根付いているせいか
開くのも早くて7時を過ぎた頃には、既にパラパラとお店が開き出しますね。
これに関しては羨ましい限り。
関東の喫茶店なんか、開くの10時11時がフツーですからね。
見習ってもらいたいものです。

お城・お堀の周りを走っている人はあまり多くありませんでしたが、
お城に隣接した公園の中には走ってる人がたくさんいました。


▼突撃!ホテルの朝ゴハン
デ、朝ゴハンです。
ホテルの朝ごはんは「楽しい」。
さほど美味しくはないかもしれないけれど、楽しい。
心躍ります。

R0049135

ガイジンの宿泊客さんがめっちょうれしそうに冷奴を食べてましたが、
どーにもこの、ただの食べ放題セルフサービスを「バイキング」と呼ぶことに
納得がいっていなかったご様子。

  この「バイキング」の呼称、ちょっと調べてみたところ、
  昔の帝国ホテルの人が勝手に決めた呼び方みたいですね。

  帝国ホテルのエラい人が北欧で、ビュッフェ形式食べ放題
  (スモーガスボード? と呼ぶらしい)を見かける
   → 日本でもやってみたら好評だったけど呼びにくい。
    → 名前募集。
     → 「北欧と言えばバイキングだろ」
      「映画の『バイキング』で見たメシのシーンが豪快だった」
      → んじゃそれ採用。


  だとさ。
  らんぼうにもほどがあるだろw
  別に、ビュッフェ形式の食べ放題が北欧発祥ってわけでもあんめえに。
  これが、帝国ホテルの人が最初に見かけたのが
  アラスカでだったら「エスキモー」だったかも知れないし、
  オーストラリアだったら「アボリジニ」だったかも知れない。
  あまつさえ、ゆかり王国で発見されていたら「ハンニャ」だtおや誰か来たようだ。

  どーでもいいけど、この
  「外国でやってたのがすごかったから日本でもチョイやってみる」
  てのが、この頃の人らはエネルギッシュだよな。


▼名古屋の地下街で名刀を愛でる
10時過ぎには宿を引き払って駅のロッカーに荷物をあずけ、
目をつけていた喫茶店を探してみるも、開店前で断念。
フツーのチェーンの喫茶でしばらく書き物など。

その際、移動には主に地下道を使っていたんですが、
名古屋の地下街はドコ歩いてても、
ドーナツだかマカロンだかの甘ったるい匂いが漂ってきて食欲を刺激されて仕方がない。
新宿やらの、
オシゴトのないノマドの人(……)と彼らの吐しゃ物の匂いしかしない
地下とはえらい違いです。
そんなお店に混じって突然、
備前長船のワザモノを150万円で売っている骨董屋が出現したりして
なかなかカオスでした。
名古屋さんは地下道さん、侮れません。

歩くのにワリと涼しいですもん。
地上は異様に蒸し暑いけど(しつこい)。



■パパは動画マソ



フォロワーさんとは12時に、
JR名古屋駅の待ち合わせのメッカその2、銀の時計ひろばでお待ち合わせ。

  前回、伝説のスキBADさんと待ち合わせたときは逆サイの金時計の下でした。
  ちひろパパさんは「ナナちゃんの股下」が良いと仰ってましたが、
  これか。
  ……よくわかんねえな、名古屋人のメンタリティ。
  マいいけど。

しかしこの銀時計
『ゼルダ』だったら間違いなく頭部を回転させながらビームで攻撃してきますね。
鏡の盾かなんか持ってなかったらやられるね。
新幹線降りてきて、見た瞬間ビクッてなったわ。
コレは京都に置いたらアカンね。


 ▼今夜の恋の相手は

お相手は『まそログ』の編集まそさん。

  ▼編集まそのまそログ。
  http://henshumaso.blog23.fc2.com/

どういう経緯でやり取りを始めたんだかもう憶えておりませんが、
にゃずいさんの前アカウントが健在で相互フォローだったときに、
その辺りの繋がりを介して知り合った……ハズです。
多分。
マ主なご縁は『TLS』『キミキス』『アマガミ』クラスタってことで。

何の面識もないオイサンの相手をして下さって、
ブログを読んで戴いてたのでその御礼がてらです。

目印が、
「(かりゆし風の)赤いシャツ、紺のジーンズ、黒い(アディダスの)バッグ、金髪」
とのことだったんでザラッと見渡してみたところ……。

おお、いたいた。それっぽい格好。



  ……でもアレ、どうみても黒人じゃん?



まさかの黒人さん?
黒人フォロワーさんと会うのは初めてだなあー……。
別に、日本語さえ通じてくれれば気にしませんが。
ただし
「珈琲は飲めないんで。あとサッカーも見ません」
って言ったらブッとばすウソですごめんなさい。
そういう決め付けは良くない。納豆嫌いな関東人もいますし。

  まあ本当は、上着が「かりゆし」だって言ってたんで、
  黒人さんTシャツだったし、違うの分かってたんですけどね。

その後首尾よく合流し、先ずはお蕎麦屋さんでお昼など。

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あまり名古屋っぽいお昼ではなかったですね。
道々、合流する前の黒人のくだりをお話したら、
「会ってみたら女の子だった、っていうのはないんですか?」
と聞かれましたが、いやー、夢見たことはありますが実際はまだねえです。
女の子かと思った人ならいますが。
元気にしてんのかな。
マ奴ぁ元気にしてる状態でビョーキの人だけど。

というわけで、オイサンのTLに隠れている
「男のフリしてるけど、実は女の子でっす♪」
というフォロワーさんは、今すぐオイサンにアクセス!
クッソ退屈な、モジモジした時間をお約束します!
ナマミ相手とか何しゃべっていいかわかんねえよ三択にして。

あー、どっかにだぼだぼの白衣着てジジイ言葉でしゃべる
ょぅじょのツイッタラーいねえかなー。

  ム、もしかしてアレか、
  オフでもこういう↑テンションのままいけば良いか?
  もっと脳みそラクにして望んだ方がいいのかなー。


 ▼見た感じから

で、お相手の御仁。
見た目がまったくオタクっぽくなくてびっくりしました。
それはファッション的にも、立ち居振る舞い的にも。

落ち着いてるし、なんていうか、オタ・非オタ関係なく、
怪しさ・ヤバさみたいなものをまったく感じさせませんでした。

  「黙っていればわからない」という言葉がありますが、
  それは、特定の話題に触れようがふれまいが、
  「しゃべりさえすれば」何らかのフンイキでもって、若干のヤバさや
  ヤバくはないにせよ「フツーじゃなさ」ってのは滲み出るってハナシですが、
  それもない。
  黙ってなくても特定の話題を持ち出しさえしなければ
  ホントにこっち側の人だと分からないと思います。
  いやあ、ここまで匂いのない人は、あんまり見ないなあ。

  かといってカジュアルってことも、全然ないと思うんですけどね。
  根っから、というか、魂の根っこまで、イッてる気はします。
  正直、会って色々話を聞いた後でも、
  いわゆるオタクとはまた違う人種のような気がしています。

マご自身で、
「出来るだけオタクっぽくない見えない雰囲気作りを心がけている」
とおっしゃってたのでその努力の賜物なのでしょうけれど、
出来れば、
手を加えなかったらどんな感じだったのか? というところを
見てみたかった気もします。

オイサンはどー見えてるんだろ。


 ▼話題

話の中心は……まあ、
このブログのオフ会ばなしをお読み戴いている方には毎度おなじみ、
若干湿ったアラフォートークでしたw

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  オイサンがブログに色々載せるのをご存知で、
  自分のデザートを被写体に差し出してくださるなんだそのお気遣いw


あんまりこう……

「俺たちはオタクだ! アニメだ! ギャルゲーだ! コポォォォォォウ!!

みたいな湧いたノリには……なりませんでね。
こっちの世界にはどんな門をくぐって入ってきて(まあ九割方修羅の門ですけど)、
どんな道を歩いてきて(まあ九割方修羅道ですけど)、
最近はもうメッキリですわあ、
そうですかそうですか、それはご苦労をなさいましたなあ
ところでカラダが最近もう動きませんでズズズ(←お茶音
みたいな、
イヤそこまで枯れてもいないけども、でもそれに近いものがある、そんな会話。

どうなんだろうなあ。
もっとリキリキとした、ギャルゲーへの愛をモリモリ語った方がいいんだろうか。
アツい話をしようとすると、
年寄りの昔話か、むさくるしい思い込みの愛か、愚痴になってしまいそうで。
いいのかなーそれで。

同世代のフォロワーさんの方々はわりあいキチンとご結婚なすってたりして、
シャカイテキなセキニンを負っていたり果たしてたりなさってたりするモンで、
多分彼らは「二択」になればそれをサクッと、
……メンタルはともかく、フィジカルには棄ててしまうコトが出来、
人間なんて一旦フィジカルがついていけばメンタルはそれは寄り添うモンで
(というのはオイサンの持論ですが)、
そのまま進んでいってしまえるのでしょうから、
多分その辺ちゃんとしてないオイサンとは話があわない、というか、
同じ土俵でお話することが難しい。

  まあそれでも背骨にツタの食い込んでる系の人たちなので
  遠くはないお話が出来るとは思うんですけどね。
  ただ事実を無視することは出来ないので、
  やっぱりちょっとこう、土俵でがっぷり四つというよりは、
  対戦台のコンソールを介した取り組みみたいになってしまうかなあと。

もしかすると、「その辺ちゃんとしなかったifの自分の姿」を、
同年代のオイサンに求めたかったりするのかなあと思ったりも致します。
リキリキと、モリモリと、
独りでも、熱く激しく二次元への愛を叫べる同年代のオタクから
何かしら得たいとお思いなのかも? と、それはまあ僭越ですけれども。

オイサンの肚が座ってねえってだけの話なのかなー。


 ▼オタとなり(ひととなりのオタ的なもの)

オイサンのことはまあいいとして、先方のオタとなりは、
『TLS』の『R』を入り口に『アマガミ』まで一通りの系譜を経て、
他には『アイマス』『プリキュア』に通じておられて、
主戦場となったのは『TLSS』と『キミキス』という、そんな感じ。

動画、いわゆるMADモノをこしらえることが先方の特殊アビリティで、
その方面で活躍されてたご様子です。
オイサンも、そんなにたくさんではありませんが、
先方のblogに貼られているのを見せてもらったりしますが、
なんていうか、「夢」ですよね。
自分の思い描く様に、音楽に合わせて画が動くというのは。

  未だに、
  「FIRE BOMBERの『TRY AGAIN』に合わせて展開する
   『エターナルメロディ』の番人とのラストバトル」という
  大学時代に思い描いた妄想を、たまに反芻するオイサンです。

文章で書くとどうしても野暮ったくなるところを
(そこを野暮くさせないのがインチキ物書きのウデマエなのですけども
 トホホでありすまぬ)、
スカッと切り取ってしまえるのが視覚表現ですがその分分かりにくくはなり、
そこにさらに分かりやすさや二重の意味を加えるコトが出来るのが、
動的な表現だったり、音楽表現だったりしますけども。
うらやましいなあ、と思ったりします。
軽やかで。

オイサンはPVとかアニメのOP動画なんかは大好きです。
短い時間でテーマを盛り込み、ドラマを、一つの物語の始まりから終わり、
そしてその先まで感じさせてくれるすごいものだと思っています。
「短い時間で」ってのがキモです。

今まで見た中で、パッと思い浮かぶ最強はコレじゃないかしら。

▼実況パワフルプロ野球9 OP



さまざまな表現物の中で、
時間当たりの表現率とでも呼べば良いのか、
作り手が現そうとするものをどれだけ込められるかというその精度・密度の高さと、
そこに込められた物を受け手がどれだけ正確に読みとることが出来るかという
やはり精度の高さ、
そしていかに広くそれが読みとられることが出来るかという大衆性の高さ、
結果として、
送り手が送りたいと思った物を、
より多くの受け手がより正しく受け止めることが出来る、
その成功した伝達の総量がもっとも多くなる物ではないかなあと思っています。

まそサンの動画も、
マ正直オイサンがプリキュアにもアイマスにもさほど通じているワケではないので
その真に意図するところを正しく解釈出来ている自信は持てないのですが、
元の作品から自分が受け取ったものを、
自分というカタパルトに乗せて再加速させて発射する……
もっと自分よりの解釈やメッセージにしたり、切り取り、増幅させるそのやり方は、
紛れもない作品への愛だったり、作品を愛する自分への愛だったりするんだなあ、
というところに、大変共感を覚えるものです。

  誰を、どこで可愛く見せようとか、アツく舞わせようとか。

アツい。
泣かせる。


 ▼くぎる(釘宮病を存分に発揮することではない)

デこの御仁のすごいところが、
2ちゃんの『TLS』がらみでコテハンをやっておられ、
なんだかんだの絡みで(悪い方向では全然なく寧ろ至極全うな志のつながりで)
公式の方とお知り合いとなり、
『アマガミ』では、公式のムック本であるところの「テックジャイアンイレギュラーズ」に
コメントを書いてくれとの依頼が来た、というところ。

  ちなみにオイサンは2ちゃんはもう殆ど全然ノータッチの人です。
  まとめサイトを見るくらい。
  キライなわけじゃ全然ないのですが、ノイズをさけて通るのがヘタなので、
  時間当たりの楽しめ度合いがすっごい低くてダメなのです。

なんていうか、それはそもそも、シリーズの熱烈なファンであるとか
何かが面白い、作るものがスゴい・スゴくないという以前に、
先ずは人として全うでないと、そういう依頼というのは来ないモンだと思うので。

その公式への参加が一つの、ご本人的には一つのやり切った感となって、
今では二次側の人間としての活動はちょっと抑え目にされてるとのことですが。
なるほど。
そういうものなのでしょうね。
分かる気もしますし、多分少しだけキモチの軸足の置き所が違うオイサンには、
分からない部分があるような気も、若干致したりいたします。

逆に悶々と……してしまいそうな気もするんだよな。

今やっているようなことをどこかで区切る日が、
いつか来るんだろうか。区切る必要がどこかにあるんだろうか。
趣味でやる限りはその必要はないだろうし、
ちひろパパさんみたいに一旦は手を止めても、
何かとの出会いをキッカケにまた走り出す、みたいなことがあっても
全然かまわないと思うけど。

逆に言えば、区切らない限りは、趣味より先のものにはならないのかもしれない、
などと考えたりもする。

……ホラ、やっぱり湿ったこと考える。
オイサンが湿ってるのか。

こんばんわ、ナメクジです。
わぁいうすしお、ナメクジうすしお大すkウボァー。


 ▼喫茶店「リッチ」

そこそこの時間に場所を移し、喫茶店「リッチ」さんへ。
ちょいと古風な、町の昔の純喫茶。

R0049145
ああ、あなたの笑顔が、カステラでカスんで見えない……


もっとガッツリオサレ系のお店を選んでも良かったんですが、
事前に先方にリサーチしたところ、
オサレ系の若者の中でオッサンふたり浮いてしまうことに若干抵抗があるようだったので
今回はもう一つの方向性、「昔の町の純喫茶」を楽しむ方向でチョイスしてみました。
ヲサレカッフヱーも好きなオイサンですが、
そういう昔ながらの喫茶店で、店員と町のおばさんの井戸端会議を盗み聞きするのも
大好きですのことですのよヲホホホホ。
せっかくの名古屋でもあるのでね。

  ですけども、
  当日のいでたちをお見受けするに、全然浮かないと思いますけどねー。
  あんなおしゃれなオッサン、なかなかいないと思いますよ。
  ヤリ過ぎ感も、無理してる感じもなかったですし。
  ナチュラルお洒落オッサンだったと思いますなあ。
  オイサンも見習おうと思った次第。

小指を立ててR-GRAYを戴きながら、
三段重ねのスコーンをむしゃこらいっても良かったんですが
今回はこのくらいで勘弁してやる。

ご自身のブログにも書かれてますが、
結局この日一番盛り上がったのは『修羅の門』の話だったっていうね。
ギャルゲー臭皆無。
何故かこう、ブラッド・ウェガリーへの愛を熱く語るアイマスPがここにいますよ。
ヘンナノ。
しかし言われてみれば、彼のお嫁であるところの桐屋里未さんは
『TLS』界のブラッド・ウェガリーと呼べなくもなくもない。
いや呼べない。
ゴメン無理でした。

「南米編が読みたいんですよねー。
 南米の戦場で、陸奥とウェガリーがこう、背中を守りあって戦うところが見たいんすよ!
 敢えて止めを刺さない陸奥が倒した敵を、
 ウェガリーが『甘いのはごめんだぜチャンプ!』とか言って
 倒して回るところとかねー!」

ウェガリーが好きだってのはわかります。
彼は良いキャラです。
そんなところを入り口にして、
果たして第弐門に登場するのか、するならどんな形で? みたいなことで
第弐門の話で盛り上がり。

  ちなみにオイサンは、案外ふつーにイグナシオが好きだったりします。
  試合で好きなのは、舞子の親父さん、陸奥 vs 龍造寺巌の戦いが好き。
  ただそれは試合内容そのものが好きというよりも、
  お話の流れ全体(第2部のね)の中で面白い位置にある試合だから、
  という意味合いが強いので、
  試合内容として好きなのは……マイケル・アーロン戦かなあ。
  そして実はどの場面よりも、エドワード・ヒューズとのやり取りが好きだっていうねw
  よくわかんない男です。
  結構第2部が好きなのねワシw

おおそうだ、『アイマス』の話をしようと思ってほとんどせなんだな。
ゲームの話はちょっとしたけど、アニメの話を出来なかった。

そんなこんなで約3時間半。
オイサンの南木曽行き列車の時間が16時だったので、15時半頃にお別れします。
きちょーなお時間をありがとうございました。

毎度のことながら、もーちょい上手くお話出来ると良かったんですけども。
次はもっとノーミソゆるくして参りますんで、
また遊んでくださいね。
楽しかった。



■南木曽・柿其渓谷へ



それでは、旅モードへ戻りましょう。

……と、思ったけど思いのほか長くなったので、
ここで一回、章を改めましょうか。


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次回へ続くー。


 

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2012年7月24日 (火)

■蝉の十三回忌 -更新代791回-

「で、ではあなたがあの、太宰治先生ですか!?」
 
「しゃよう」

 
 
……噛んだ。



オイサンです。

朝、今年はじめて蝉の死骸を見た。
クマゼミだった。

蝉の命は短いとは言うけれども、落ち着いて聞いて欲しい。
彼らはアレですぞ、
お日様の下に出て来てからは確かに一週間程度の命かも知れませんけれども、
その前に土の中で短くても3年、長い奴だと17年も生きるらしくて
虫ン中じゃどっちかというと長命な部類に入るんですぞ
(ってWikipediaさんに書いてある)!!


   だ   ま   さ   れ   る   な   !!


「でもでもぉ、やっとお日様の下に出てこられるようになってぇ、
 人生これから! って時に一週間しか生きられないなんて、
 やっぱりカワイソウで私、食べられませんプキュー!」


とか、まだ寝ぼけたスウィーツ(笑)(←この表記も最早懐かしいな)なコトおっしゃいますか?
しかし考えてもご覧なさい、
落ち着く個室でゴロゴロと、
ずーっと甘い汁(木の根から樹液を吸って生きるのだそうです)を吸って
生きてられるのですよ?

  ……ちなみに、上みたいなことを言ってるオンナほど
  地元の公園で野生のヤツを頭からバリバリいってる恐れがあるので気をつけろ
  (ファーブル調べ)。

ここはデジタルな堕落者の集う最後の楽園、『ゆび先はもう一つの心臓』。
ウチをご覧になってる皆さんなら……好きでしょ?
家から出ないでゴロゴロ寝て暮らすの。

ずーっと『ポケモン』の羽化作業とかやってても、
ずーっとプラモに色塗ってても、
ダラダラダラダラ今期のアニメ消化しててもネットやってても
だーれにも文句言われないんですよ?

  ※しかしそんな彼らも、まれにモグラやオケラの
    「突撃オレの晩ゴハン」訪問を喰らって食われたりするそうです
    オオコワイ。


ねえ。夢のようですよ。

しかしそれを思うと、我々人間のやってることって、
一体なんなんだろうナーと思ってしまいますね。

蝉の皆さんは、何かを考えたり作ったりしなくても、
地面というあったかいオフトゥンの中でただゴロゴロと5年10年ぬくぬくした挙句、
シメの一週間は燃えるような太陽の下でアバンチュールに身を焦がし、
ウッフンアッハンして亡くなっていきなさる。

そこに何があるかというと……
我々ブンメイジンの目から見れば、「なんもない」です。
ツイッターで見かける、
「床オナしてたら上半期終わってたorz」
的なのと、あんま変わんない。

  「お前、週末何してた?」
  と聞かれて、
  「メシ食って寝てエロスに身を任せて寝た」
  っていう人、いませんよね多分。
  「いやー特に何もしなかった」
  って言うでしょう。
  ホラ。
  何もしてないんですよそれは。

それが彼らは一生レベル。
すげえな。

……でもまあ、本来そうなんでしょうね。
だと思う。
「増えて残って残すために生まれて生きる、それだけをやる、
 無駄なコトはしない」。
地球レベルでは、それが正しい価値観なのでしょう。
それ以外のことは多分、無意味に星を汚して、浪費して、疲弊させる、
オロカな部類の行いだとガイアさんは思ってるに違いない。
「やめてくんねえかなあ」と。
多分ね、「もっと輝け」とか囁かない。
それ空耳。
お前の空耳。
うわーいハズカシーイ。

人間が調べなければ、「蝉が17年生きる」なんてことも
誰も知らなかったわけですし。
「それを知り、解き明かすことが高尚なのだ、素晴らしいことなのだ」
とヒトは言うけれども、
別に知らなくたって誰も困りゃしないわけです、
ぶっちゃけ。

ただヒトが、増えたり、増えたあとを維持したり、
あとは知っとかないとコワかったりするもんだから、
そういう自分の便利さのためにやっとるわけですよね。
アタマ良いと大変だ。
「もしかしたら蝉のことも、知っとけばあとで増やして食べられるかも知れないし」
みたいなことですよ。
イヤそれはそれで立派なことだとは思うけど。

結局のところ、増えすぎた自分たちが食うためにやってることを、
後付けで正当化してるだけなんだろうなー、
正当化しないとやってらんないからやってんだなー、
などと、
まあ全体として生きること・増えることが生き物としての衝動なのだとすると、
そうなることこそ当たり前なのだと思いますけどね。
人間は人間で、そうあることへの努力を最大戦速でやってるだけなんでしょうけど。
だからしゃーない。
だいたい合ってる。
マ余分も一杯あるけどね。
余分をやってる人はやってる人で、そうやって何かやってるフリをして、
それに見合ったゴハンを戴かないと生きていけないので、
それは「経済」のためにやっとかないといけないわけです。

増えすぎちゃったからそういう小難しいこともヤリクリしていかないと
立ちいかなくなっちゃった、っていうだけで、
デまたそれをやっていくうちに増えちゃって、という
なんというか、アタマ悪い感じですけど、
嬉しい悪循環に、ヒトは陥ってるんでしょうねえ。

……フシギだねえ。
何故なんだろうねえ。
何故命は、長らえて増えて残ろうとするんだろうねえ?



誰かそこ、ツッコんだれよ。



などと。



「朝、今年はじめて蝉の死骸を見た」ってただそれだけで、
こんだけの余分を撒き散らす、
実は一番面倒くさいタイプオイサンでした。


ツクツクホーシツクツクホーシ。



 

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2012年7月23日 (月)

■些伽巳・南木曽日記(一日目)~『白衣性恋愛症候群』の話とか -更新第790回-

連休の出来事を、ぼちぼちバラバラと書いていこうという感じで。
ここんとこの話題も交えつつ、フリーダムに。

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■連休のゴヨテイ



前々々回ちょっとお話しましたが、
名古屋から、電車で北へ一時間ほど行ったところにある木曽路の南の方、
南木曽の柿其渓谷というところへ滝を見に行ってまいりました。

途中、名古屋でフォロワーさんにお会いしたりして。
日程としてはこんな↓カンジ。

 ・1日目 神奈川から名古屋へ、新幹線で移動。
 ・2日目 名古屋でフォロワーさんとデート。
      その後、特急「ワイドビューしなの」にて中津川を経て、南木曽は柿其渓谷まで。
 ・3日目 柿其渓谷散策。
 ・4日目 南木曽の妻籠宿をブラブラ。んで帰る。

見てお分かり戴ける通り、世間のカレンダーでは三連休だったのですが、
こう見えて実はオッサンであるオイサンは金曜日に人間ドックが入っておりお休みで、
一応形の上では四連休でした。てへぺろ。



■連休初日 7/13(金)



 ▼犬人間オーバーホール

なので、初日は人間ドックからスタート。
つっても人間ドックでは
早起きはせなアカンわ前の晩から水も飲まれんゴハンも食べられんわで
あまりウレシイお休みではないんですけどもね。

つって、別に言われんでも起きるのは早いし
前の日もフツーにジョギングしてしまいましたけど。
アカンがな。
朝、水分が取れなくて難儀しました。カッサカサ。

ドックの受付で「受診後ゴハンが付きますけど」とメニューを見せられ、
うなぎの蒲焼にココロを奪われてうっかり
「じゃあ戴きます」と言ってしまったんですが、
出てくるものはとどのつまり病院食、食べる場所も病院の食堂だったので、
あんまり美味しい気分はしませんでしたね。
ちょっと失敗。

けど、昔、祖父が入院していた三十年くらい前に
ちょっと食べさせてもらった病院食よりは全然良くなっていると思いますけど。
イヤはっきりとは憶えてないけどもさ。

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その食堂で流れてた、若大将が散歩する番組がおーざっぱで良かったw
地井武男さんの後を狙ったのかねえ。
加山雄三さんも、なんかもう全然チカラ入ってなくて、
ゆるさで言えば『モヤさま』よりもまだゆるい。
なんていうか、さまぁーずは「見せるためのユルさ」を知ってか知らずか体得してますが、
加山さんはONかOFFかしかなくて、ほぼOFFのユルさで臨んでた感がある。
ちい散歩も見たことないけど、こんなんだったのかな。

ドックの結果はすぐには出ませんが、
とりあえず体重が思っていたよりも-3kgほど軽かったこと、
肺活量が、微減とはいえ以前の水準を保てていた(6500ml → 6380ml)ことがわかって
とりあえず満足。
減ったのは悔しいけど。
ぐぬぬ。


 ▼こまごました記憶

検診が8時15分からの受付で、隣駅の病院だったので歩いて行ったのですが
この日がまあ朝からぬっくいの何の、
でコチトラ朝ゴハンも食べられなければ水分も摂れないという三重苦。

  前日結構走っとんねんぞカラダに悪いわー!( ← 自業自得)

時間が時間だもんですから、
結構小学生さんとか中学生さんの登校に出くわしたりしましたが、
空腹とツラさのあまり危険な表情になっていなければ良かったのですが。
まあ通報はされずに済みつつ、
隣駅で見かけた美人さんの後ろをフラフラとついて行ったりしそうになりつつ。

しかしまあ、途中前を通った小学校なんかでは、
どーみてもオイサンより若く、
オーラのないフツーのあんちゃんが小学生に混じって遊んでやがるぞ!!
と思ったけどあーあれセンセイかー、
などと思ったり。
いやー。
センセイ、フツーの人間だなー。
あんな普通の人間がアレだけの数のコドモの相手とか、超大変そう。

学校の先生には、対多人数戦のための装備……たとえば散弾銃とか持たせt(ry
しかし無理っぽいですよ、丸腰で臨むのは。
あれでまた大人との付き合いもあるとかキツイだろうなー。
考えただけでも気が遠くなる。

検診終了後は町田で新しいジョギングシューズを物色して回ったり。
ジョギング用だけじゃなくて、普段用も新しくしたいんですけどね。
どっちも一足ずつしか持ってねえ。
そんな感じでぶらっとして、いつもの割烹でゴハン食べて帰りました。

 ▼名古屋へ

ドックを終えて家でこまごました用事をこなし、
夜からはいよいよ名古屋へ。
出がけにバタバタしてしまったのでゴハンを取れず、
新横浜でとりづくしの駅弁を買った。

R0049124

正直、あまり駅弁には心ときめかない人ですオイサンは。
フツーのお店であったかいゴハン食べた方が、やっぱ美味しいと思う。
キライではないですけどね。
特別おいしいとは思わないし、旅情が手伝って殊更おいしくなるとも感じない。
プリッツでいいじゃん? 的な。

なので、名古屋で降りてからちょっとパンチの利いた物を食べたくて
時間は遅かったのだけど駅できしめんを戴いてしまった。

R0049130

……ホテルが遠かった。
正直疲れた。
お値段と部屋の広さ、あとは翌朝ジョギングするのに
適当な分かりやすい目印とコースが近ければいいなと思って選んだのだが
思ったより遠かった……。暑かったってのもあるけど。

名古屋の町はやたらと「遠さ」を感じてしまいます。
以前来た時もそう思った。
地図上の距離では普段歩いているのとそう変わらないんだけど、
景色に変化が乏しいのかなんなのか、やたらダラダラ、長く歩かされている気になる。
そしてこれは以前も書いたけど、
町が蒸し暑い。
むあってする。

  Img00969201207132213
  駅からホテルまでの間に天竺があった。
  それくらい遠かった。

そんなこんなでホテルに着いたらなんかかんかしようかと思っていたんだけども、
PC開いてネット初めて、あとテレビで
フットボールアワーの後藤さんがイタリアに行く番組をボーっと流してたら
寝るのがただただ遅くなってしまった。
アカンがな。
イタリアのパスタうまそうだったな。

  ……なんだか、バラエティ番組を結構見てしまった的な
  一日っぽいなこれでは。


 ▼ヌンチャクでひと悶着

そうそう、名古屋の駅でな新幹線降りる時、なんだかひと悶着。
オイサンは乗車券を「新横浜~中津川」の一枚で買っていたんだけども、
それだと、まず名古屋では途中下車が出来ない
(乗車券が一枚だから途中下車扱いになるらしい)。

かつ、オイサン手持ちの乗車券だと、
南木曽へ向かう「ワイドビューしなの」へは、
何やら「名古屋よりも一駅南木曽寄りの駅から乗る」扱いになるみたいで、
一駅分の区間の運賃が足りてないらしい。
知らんがな。

新幹線の切符を買った時、
オイサンは新横浜~名古屋(新幹線)と、
名古屋~中津川(ワイドビューしなの)を別々で買おうとしたんですけど、
窓口の兄ちゃんが「じゃあ乗車券は一枚にしときますね」と言って
勝手にそうしてくれただけで、
名古屋で一旦降りて一泊することも、
切符買った窓口の兄ちゃんには伝えてあったんですが。

まあ仕方のない必要経費なのでフツーにお支払いしましたが。
出来れば事前に伝えてもらいたかった。
と、ここまでが初日のデキゴトでした。


次回二日目は、
愛知在住のフォロワーさんとお会いしたこと、
名古屋~柿其渓谷までのことを書いたり書かなかったりの予定。

キミの知ってるあの人が登場するかも!! ∑m9
多分しない!



■最近のお買い物~『白衣性恋愛症候群』・ジョギングシューズ



 ▼邪神から白衣の天使まで。

何で見かけたのか忘れたけども、
あすみんが主人公をやってるPSPのADVがあるというのでちょっと興味を持ち、
それを購入してみました。

デ特に深く考えずに購入してしまったのだが、
あすみんが「主人公」と言うことは女性視点、
ということは乙女ゲー? かと思いきや、百合ゲーだったご様子。
『白衣性恋愛症候群』。



オイサンの最近見かけた記事は、
最近リリースされた『白衣性恋愛症候群 リセラピー』という増補版の紹介記事だったご様子。
元祖のPSP版は昨年の9月に出ていて、
6月28日に上記の増補版が、
その他にもPCのパッケージ版やDL版がリリースされてるみたいです。

オイサンが買ったのは元祖のPSP版の方。
ブックオフで中古を買ってしまいましたが、
ウーム、これならPCのDL版でも買えば良かったかなと下調べを怠ったのをチョイ後悔。
マでも、PCでゲームするのには慣れてないのでいいんですが。
携帯機も得意じゃないけど、PCに比べればまだ。

マイナーなゲームかと思ってたんですが
Webで検索してみると結構色々出てきますし、そこそこの高評価。
大体作っているのがPC界隈では名の知れたチームらしい。
へー。

そもそも、あまりゲームの声優買いをしないオイサンが、
なぜ今回に限って「あー、あすみん主役か。買おうか」と思ったのか、とか、
調べてみたら舞台が鎌倉・由比ガ浜をモデルにしてるとか、
なんだか不思議なご縁の予感がしないではない。

現在プレイ時間1時間あまり。
デ、まだ選択肢一切ナシ。今んトコ読んでるだけです。
ただこのゲーム、頭オカシイのがオプションの効果音の項目に
「通常」「かおり」というのがあってですね。

なんじゃい『かおり』って、と思って選んでみたら
……ヒロインの名前でした。かおり。
つまり、あすみんが。
口で。
擬音をやる。

 「てっ」(カーソル移動)
 「ぷいん」(決定)
 「すン」(キャンセル)
 「しゅっ」(項目選択)

どこのどいつだこの仕様を考えたのは!!
お菓子を買ってやる!!!



しかし、いやー……。



……(言葉を喪っている)。



いや、いいんですけどね。




 ▼サッカニーと言ってもヒザの擦り傷のことではないってキミ
  それは擦過kneeやがな(長い)

ジョギング用の靴を新調。
今の靴のクッションが全体的につぶれてきてしまったようなので、
これはちょっとイカンなということで。

ジョギングをするようになってからというもの、
靴を見たり買ったりするのは楽しくなりましたね。
詳しいことはわからないのでキホン外見で選んでしまうんですけど。

しかしどうして靴のメーカーは、
自分とこのCIロゴを靴の側面の一番目立つところに、
若干デザインっぽくカムフラージュしたりして盛り込みたがるのでしょうかね。
アレ、露骨なのにヒクツでかっこわるいと思うんですけども。

アディダスあたりはまだシンプルなのでいいんですけど、
アシックス、Newbalanceあたりになるとモ一つ好きになれません。
「N!」って言われても。
ミズノは分かりにくいんでまだ好きな方ですが、
それでも、同じ様なデザインのものばかりになってしまうのがもったいないと思う。
もっとカッコイイの一杯作れんでしょって思うんだけど。
イヤ完全に個人的な感覚でモノ言ってますけど。

なので、ちょっと変化球的なデザインのものを捜していたんですが、
ABCマートで見つけたサッカニーというアメリカのメーカーのランニングシューズが、
ちょっと見たことなくてカッコも良かったんでそれに決定。
履き心地も悪くない。

こちらはWebでリサーチしてみたのですが
どうやらアメリカでも相当な老舗のメーカーらしく、
マあんまり売れ行きの方は芳しくないみたいで、
日本でもアキレスが販売代理店をやっていたのが一度撤退しているみたいです。
それをABCマートが細々と売っていたりするみたい。

ついでに、POPに書いてあった、
ランニングシューズの「上級者向け」「中級者向け」「初級者向け」が
一体何をもって区別されるのかがわからなかったので調べてみたところ、
上級者向けは基礎やフォーム出来ていて、走りなれていることを前提にクツが作られてるので
走りなれない人がイキナリそれを履いたら膝や足首をやられたりする、
ということのようです。

うーむ、分かるような分からんような。

ある程度、走ることの「衝撃」に耐性が出来ていて
蹴る・進む=速く走る・攻めることに重きを置くのか
速く走ることよりも先ずはカラダを壊さないこと=守ることに重きを置くのか、
ってことだと思いますが。

守ること・クッション性を良くすることと、
速く・長く走るための性能ってのが、どうやら相反するのでしょうね。
「長く走るためのスタミナの保全=出来るだけ軽く」する、
「速く・遠く走る=筋肉の力をよりダイレクトに地面に伝える=薄く小さく」する
と考えると、まあ分からないではないか。

マいずれにしても感心させられるのが、
どこのメーカーも、ランニングシューズってのはホント軽いね。
羽が生えたようだもの。
感動的だと思います、あの軽さは。
研究開発の成果だねえ。見事です。すごい。

デその新しいクツ、
ためしに履いて、いつもの9km・10kmのコースを走ってみましたけど、
うわあ、今までのクツと感触が全然違う。
今までのは、クツがしっかり押し出してくれるような感じがあったけど
(そしてそれが当たり前だと思っていたのだけれど)、
新しいのはスパルタン。
「自分で走れ!」って言われてるみたい。
スピードが全然出ず、
いつもは1時間で走れるコースを4分ほどオーバーしてしまった。

設計的には、
フツーのランニング靴がつま先とカカトの高低差を12mm持たせているのに対して、
新しいのは4mmで設計されているのだとか。
つまり、カカトから着地をして前に蹴り出すのに、
新しい靴はその傾斜がゆるくて勢いが付かない。
蹴り出すのも、つま先で蹴るのか、足の裏の真ん中あたりで蹴るのか
自分で意識しないとならない
(設計意図としては真ん中(ミッドフットと呼ぶらしい)を意図してるらしい)。

楽しんで走るための設計というよりも、
ふくらはぎとか、足の裏の筋肉を、本当に「鍛えるため」のものらしいです。
うわー大変だ。
高速で安定してくると走りやすいんですが、
おかげで走り終わると足がガチガチになります。効く。
マ体調もあるし、二、三回走っただけじゃわからないけども、
違いがあるのは確かだなあ。
こんなにちがうものなんですねえ。



などと、そんな感じでとりとめもなく。
ここんとこ妙に涼しい関東からお送りしました。
もうずっとこのまま冬になればいいのに。



オイサンでした。


 

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2012年7月22日 (日)

■稜・線・鼎・話 (後編) ~『アマガミ』SS・絢辻さん・薫・中多さん・~ -更新第789回-

 
前編はこちら
 
 
 
     ◆    £    ◇    ξ
 
 
 
「んーじゃあ、中多さんも、別にあたしに用事ってわけじゃない
のね?」
 棚町先輩は、うすぼんやりと黄色い蛍光灯の明かりの中でもき
びきびと、くせの強そうな髪の毛の一本一本まで輪郭をはっきり
させて、散らかった小間物を片付け片付け、帰りの身支度を整え
る。絢辻先輩はキャンバスのある一画からは離れて暗がりの中へ、
やっぱりその毛先や肩の縁を曖昧にしながら、窓や扉の鍵を確か
めて回っていた。
「はい、たまたまなんです。それで、素敵な絵ですねって、絢辻
先輩とお話をしてました……」
 改めて棚町先輩に尋ねられ、一人手持ち無沙汰な私はもう一度
キャンバスを眺めた。横長の画面に広く横たわる輝日東の峰の、
尾根筋の存在感はたっぷりと重厚感があって、奥から手前へと統
一された筆の流れが、なんだかそこから降りてくる風を表してい
るみたいに見えた。それは見ている私を導いてくれているようで
も、山の道のりの険しさから涼やかに私を守ってくれているよう
でもある。
「お? 嬉しいこと言ってくれんじゃないの。おだてたってなん
も出ないわよー」
 棚町先輩は、絢辻さんもてんきゅねーと、教室の殆ど対角線の
反対側にいた絢辻先輩の背中に向けて言った。暗くて遠くて背中
を向けて、様子はあまり分からなかったのだけれど、絢辻先輩は、
ガタガタッ! と、ちょっと乱暴なんじゃないかと思うくらいに
教室の前の扉に鍵がかかっていることを改めると、ううん、本当
のことだもの、と、いつもの鈴の鳴る様な透明な声で言った。そ
うして一通りの確認を済ませると明るい所に戻って来て、あっち
の扉、立てつけが少し悪くなってるみたいねと、やっぱり明るく
澄んだ声で言ったのだった。
「棚町さんの絵、見ていて、その……なんて言うか、ちょっとぐ
っときちゃった。よくは分からないんだけどね」
「そ。てんきゅ」
「分かりにくい感想でごめんなさいね」
「ううん、じゅーぶん。あたしだって、何を描いてるか言葉で上
手く説明出来るわけじゃないしね」
 ニカリと歯を見せて静かに笑った後、棚町先輩はすこし落ち着
いた調子で自分のキャンバスに目を移した。満足げでもありなが
ら、瞳を滑らせる先でところどころ厳しい表情になるのは、完成
が近いからだろうか。
「そういうものなんだ」
「まあね」
 絢辻先輩はそれにつられることもなく、もう改めてキャンバス
を見ることはしなかった。それってつまり、棚町先輩自身よく分
からずに絵に込めたものを、絢辻先輩がよく分からずに受け止め
たということなのだろうか。それとも、絢辻先輩はまったく違う
ものを掬い上げたのだろうか。少し静かな時間があった。窓ガラ
スに張り付いた外の冷気が、じわりと部屋の内側へと染み込んで
くるような間。絢辻先輩の繰り返した「分からない」という響き
は不思議とやさしくて、お二人のまなざしは別々の方を見ていた
けれど、ふたり丸い光の玉の中に収まって、同じように照らし出
され、同じように影を落としていた。
「案外さあ」
「うん?」
「あの、わた……あ、すみません」
 棚町先輩が切り出したのと、私が口を開いたのが殆ど同時で、
私は恐縮してしまった。棚町先輩は
「あ、ううん。中多さん、どぞ」
と優しく譲ってくれたけれど改まるとなかなかうまく言葉が出て
来ず、また少ししどろもどろを繰り返し、もう一度、どーぞ、と
棚町先輩に、そして絢辻先輩が「中多さん」と笑いかけてくれて、
私はようやく一つ深呼吸をすることが出来た。
「あの、私も……その、よくは分からないんですけど……広々と
して、涼しげで……厳しいけど、やさしい。なんだか、そんな風
に思います」
 棚町先輩の絵に感じるところは、最初に感じたことからそう変
わってはいなかった。素敵だけど結構普通で、その素敵さを言葉
にするとさっき見たまま、そんな感じだった。棚町先輩が何を込
めたのか、絢辻先輩が何を読み解いたのか、それは多分私には感
じ取れていないのだと思う。でも絢辻先輩が「分からない」と言
ったのを聞いて、自分も、何か少しでも言葉にしないと失礼なん
じゃないか……そんな風に思ったのだった。
「頼りがいがあるっていうか、あ……」
 自分の頭にあるぼんやりとした形をなんとかがんばって言葉で
くり抜いてみよう、そう一所懸命になってしまって、気が付くと、
絢辻先輩と棚町先輩がびっくりしたみたいに私のことを見ていた
から、私は慌てて体を二つに折った。
「あ、えっとあの、す、すみませんっ……」
「へえーっ」
 けれど、棚町先輩は楽しそうに、寒くて、細いのに、袖を捲っ
たすごく強そうな腕をぎゅっと組むと、イーゼルの上の自分の絵
を見て嬉しそうに何度も頷いた。そっかそっか。そうね。うん、
当たってる。独り言みたいに……もしかしたらそうだったのかも
知れないけど、繰り返して、その最後に私に向けて、グッと親指
を立てて見せてくれた。
「なんか、何描いてんのか、自分でも分かったような気がしてき
た。中多さん、やるじゃん」
 そうして窓の向こう、日も落ちてしまって峰のほんの縁だけを
かろうじてオレンジ色に光らせている、絵の中心にもなっている
のであろう山の方を、もう真っ暗なのにまぶしそうに見つめた。
「えと、はい……」
 私はただ、自分でもすごく間が抜けてるなあと思う返事しか出
来なくて、再び目を爛々と輝かせ始めた棚町先輩の横顔に置き去
りにされた。何か続きの言葉をかけようと、あ、えっと、とゆび
先を出したり引っ込めたりしていたらまた、隣の絢辻先輩がまた
一つ、長くて深い息をした。窓からすっと最後の光が引いてお日
様は完全に隠れ、ガラスがきりりと青黒い影を深めると、耳たぶ
や爪先に染み入る寒さが一段増した。
「良かったわね、中多さん」
 棚町先輩はいすに腰を下ろし、もうすっかりキャンバスの向こ
うの世界に行ってしまった。戸惑っていた私に絢辻先輩はとても
優しく微笑みかけてくれて、私が返事をするより早く、やれやれ
と一歩棚町先輩に歩み寄った。こんなとき、先輩の微笑みの、目
や唇の輪郭はとても滑らかで、昔パパと美術館へ見に行った、有
名な作家の切り絵を思い出す。ひたり、まるでそうなることが決
まっていたみたいでとても綺麗だと思う。
「それで棚町さん。案外、何?」
「え? ああ」
 棚町先輩はもう、半分面倒くさそうだった。
「あたしたち、好みは案外似てるのかもねーって。それだけよ」
「案外?」
「そ。それだけ」
 前のめりだった体を一旦起こしてそう言うと、棚町先輩はまた
深く、自分からキャンバスに飲み込まれにいった。絢辻先輩はそ
の後しばらく黙っていたのだけれど、両肘を抱える見慣れた立ち
姿で、こつ、こつ、こつと、棚町先輩の背中から、絵に描かれた
山をじっと覗き込んだ。しばらくの間、棚町先輩が鼻で息をする
音と、蛍光灯のかすかなうなりだけが聞こえていた。
「……そうね。そうかもね。そういう絵は好き。だから、そうい
う絵を描ける棚町さんのことは、すごく羨ましいと思う」
「ふーん? ……あたしはさ。絢辻さんの、その髪。羨ましいよ。
すっごく羨ましい」
 言葉のこぼれるぽろぽろという音が、そのときの切り絵の絢辻
先輩からは聞こえてくるようだった。棚町先輩は姿勢を変えなか
ったし、瞳も動いていなかったと思うけれど、真剣に結ばれてい
た唇は少しだけ、曲線の形を変えた。
「髪……」
「真っ黒なストレート。あたしってほら、くせっ毛だから」
 棚町先輩は後ろに立つ絢辻先輩を、肩越しに振り仰いで笑った。
 面喰らい、髪先を手のひらにさらりと掬い上げて、絢辻先輩も
それに応えて「そうね」と仕方なさそうに笑った。私にしてくれ
るときとは雰囲気の違う複雑な笑い。体の内側と外側から、細や
かなたくさんの繊維が引き攣れ合って、行き着いた先の面差しが
ほかにどうしようもなく笑顔だった……そんな戸惑い含みの下が
り方をした眉だった。髪を切るのにそれだけのための鋏がたくさ
んあるみたいに、切り絵にもそれ専用の鋏があるのだそうだ。パ
パと行った美術展にはその有名な切り絵作家が使っていた鋏も一
緒に展示されていて、そうなんだと感心したことを、頭の隅で思
い出していた。
「でも、棚町さんだって色は綺麗な黒じゃない。染めたりはしな
いのね」
「まあね。いじるつもりはないかな。それに、絢辻さんくらいま
とまって量があると迫力が違うじゃない?」
 ただでさえくるくる踊る毛先を追いかけて弄ぶ、棚町先輩のま
だ少し絵の具が残ったゆび先を見ていると、そのいたずらな感触
がなんだか私の指の節にも伝わってくるみたいでこそばゆい。な
あにそれ? 「迫力」と言う言葉がおかしかったのか、絢辻先輩
がクスリと笑って掬ったままだった髪の毛を手のひらの中で揺す
ると、その一本一本の隙間に蛍光灯の光が滑って黒が白に変わっ
ていく。黒は全部の光を吸い込むから黒く見えて、白は、全部跳
ね返すから白くなる。棚町先輩のキャンバスは白い。景色の絵な
のに、ところどころ、色を載せずに白いまま残してあるのは、ま
だ描きかけだからだろうか。それとも、何か意味があるのだろう
か。
「でも、これはこれでね」
「うん」
「面倒なのよ。結構」
 絢辻先輩が掌を傾けると、掬った髪はさらりと掌からこぼれる
ように、本当に水のこぼれるみたいに流れ落ちて、はらはらと、
まるで重さを感じさせずに静かに背中に帰って行った。そしてぴ
たりとまとまって、先輩の背中を覆い隠した。思わず拍手をした
くなるくらいに。
「面倒……ああ」
「うん。ケアとかね。これだけ長くて量もあると、放っておくわ
けにはいかないでしょう?」
「そっかもね。大変そう。あたしのだって、決して楽なワケじゃ
ないと思うけどさ」
 それは女の子なら誰だって思い当たる節のあることだ。棚町先
輩も上目遣いに何かを想像したあと、いっくらでもゴマカシはき
くし、と波打つ髪に掌をくぐらせて苦笑した。
「それは、そうかもだわ」
「それじゃあ、あたしはこれで退散するわね。中多さんはどうす
る?」
 絢辻先輩が、くるりと出口へ踵を返したのを見て私は慌てた。
二人は一緒に出るつもりだったんじゃなかったんだろうか。
「棚町さん、まだやっていくことにしたみたいだから」
 いつの間にそんな合意が得られていたんだろう? かわるがわ
る二人を見ていると絢辻先輩は丁寧に教えてくれて、棚町先輩は
ひらひらと、キャンバスの影から手だけを振って見せてくれた。
「そう……なんですか?」
「そういうこと。じゃね絢辻さん。また明日ー」
「はい。戸締まり、しっかりよろしくね」
「はいはい、がっちゃがっちゃ」
 傍らに置いてあった黒い当直日誌を抱え直し、絢辻先輩がもう
一度、今度は目で「どうする?」と問いかけてきたから、
「あ、か、帰ります」
私は小走りに駆け寄って、そのまま、絢辻先輩も、棚町先輩も、
互いを見ることはなくて、部屋の扉はあっけなくカラカラパシン
と音を立てた。



      ◆    £    ◇    ξ



『……切ろうかしら』
 半ば出し抜けな絢辻先輩の一言が、また私を驚かせる。
『中多さんは、どう思う──?』


 部屋を出てから、十歩も歩いたかどうか。
「──先輩は、いつから伸ばしてるんですか?」
 下りの階段へ向かいながら、自分でもびっくりするくらい自然
にそんな言葉が出てきた。私から話し掛けてきたことに絢辻先輩
もびっくりしたみたいで、何か考え事をしていたのか、えっ、と
珍しくすぐには答えが返ってこなかった。
「あ。えと。髪……です」
「そうね、いつからだったかしら」
 どうして、そんなことを訊こうと思ったのだろう? 我ながら、
当たり前の流れでなんとなくなのだろうけど、先輩の髪には不思
議と惹きつけられるものがあったのかも知れない。
 小学校に上がる前から、もう大体今と同じ髪形をしていたかな
あ、と普段の調子に戻って先輩は答えてくれた。それ以上、私も
何も考えていなかったから、そうなんですか、と返したらその先
には何もなくなってしまった。
「本当に、すっごく面倒なのよ?」
「先輩が言うんですから、相当ですね」
 煩わしさを強調するのが先輩らしくなくて可笑しくて、思わず
私がフフフと笑うと、先輩も合わせて笑ってくれた。
「でも、ずっと続けてるっていうことは、やっぱり気に入ってる
ってことですよね」
「それは……」
 私は至極当たり前のことを言ったつもりだったのだけれど、絢
辻先輩はハッと息をのむように言葉を詰まらせて、珍しく、一度
開いた口を閉ざしてから言い直した。
「そういうわけでも、ないんだけどね」
 何か、事情があったのだろうか。言葉に出来ないこと、しては
いけないこと、そんな筈ではなかったこと。たとえば私の髪だっ
て、この色この長さこの形に理由があったわけではないけれど、
理由はどうあれ一度そうしてしまったものは気が付くと自分をそ
こに置くための目印になってしまっていて、そこから離れるため
には何か新しい目印が、ないよりあった方が良い。思い描いた完
成形はいつも思わぬところが寸足らずで、立ったり座ったり、些
細に変わるバランスにふらつくことにも、その理由を人に説くこ
とにも、涙が出そうなくらいくたびれることがある。心臓の小さ
な私と違って絢辻先輩がそれを怖がるとは思えないけれど、ただ
先輩を映し出す切り絵の画面の多くを占める黒髪は、しゃきんと
ひとたび鋏を入れて落としてしまうと、二度と再び取り返しがつ
かない、そんな気がする。
「羨ましい、か」
 ポツンと繰り返したのが先輩自身の言葉だったのか……それと
も棚町先輩が言ったことだったのかは分からない。
 と突然、先輩が首を大きくぶんぶん! と左右に振ると、首す
じからほどけた髪は一度大きくらせん状にねじれて広がって、そ
してまた……ゆっくりと静かに、先輩の背中に集まった。それも
また、びっくりするくらい静かに、規則正しく。
「もう、切ろうかしら」
「え?」
「中多さんはどう思う?」
 髪を、ですか? 当たり前すぎて、私は飛び出しそうになった
言葉を慌てて飲み込んだ──。

 ──そうして、今に至っているのだけど。
「あの……きっと、似合うと思います」
 私は、さっきまでやっていたお芝居の衣装合わせみたいに髪を
短くした先輩を思い描き、そこにいくつかの小物や場面を当ては
めてみる。合うもの、合わないもの、棚町先輩の絵の景色はどう
しても背景に合わなかったけれど、あっと思える一つが思い浮か
んだときにそう答えてしまっていた。
「そう。ありがとう」
 さっぱりとした先輩の笑顔は多分、世間話のひとかけらを聞き
流すためのものだったと思うのだけど……自分の想像が間違って
いたら、どうしよう。私は急に怖くなってしまって、
「え、あの……。切るん、ですか?」
と、先輩の顔を覗き込みながら確かめてしまった。あまり軽々し
くそういうことを言ってはいけないと分かってはいたのだけれど、
そのとき自然に思い描かれた、今より少し年をとり、誰かの隣で
髪を短くした絢辻先輩の横顔が、シルエットが、とても穏やかに
笑っていた気がして、大した確信もなしに口走ってしまったのだ。
絢辻先輩は私なんかが言うまでもなく慎重で頭のいい人だから、
私の話なんかをそうそう真に受けたりはしないとは思ったのだけ
れど。
「そうね。もしかしたら、そのうちね」
「……そうですか」
 ああ、良かった。返ってきた答えが、自分が期待していたのと
そう変わらなかったからほっとする。
「いい時期がきたらね」
 ぽろりと継ぎ足された言の葉は、また、誰かに話しかけると言
うよりも言葉のメモを自分の胸の内側にピンで留めておくような
言い方で、そこに私の影はない。はあ、と相槌を打つことくらい
しか出来なかった。
「中多さんの」
「はい?」
「中多さんのハンカチは」
「あ、はい」
「とっても素敵だったけど、いつ頃から使ってるの?」
 スカートのポケットの中でこそこそ揺れるパパからもらったハ
ンカチは小学校の頃のおみやげだ。
「もうずっと、子供の頃からです」
 後から聞いた話では、そのときの出張は何か新しいお仕事を始
めるとかで、私はあまり覚えていないのだけれどとても長かった
らしい。その長かった分、このハンカチの他に洋服やおもちゃ、
おみやげではなく現地から送ってきた物もたくさんあったのだけ
ど、殆どは着られなくなったり遊ばなくなったりで、捨てるか、
どこかにしまい込むかしてしまった。今も元気で残っているのは
このハンカチと、部屋に飾った人形やぬいぐるみくらいだ。
「そう。大事にしてるのね。部屋が暗かったからかも知れないけ
ど、色が少しくすんで見えたから」
「そうなんです。だから、マ……お母さんもそろそろお払いにし
たらって言うんですけど、なかなかいい代わりが見つけられなく
て」
 自分の真横で揺れる二つのテールの穂先が気になって、ゆび先
で捕まえようとしてみても、ヒョコヒョコ弾んでうまく行かない。
「じゃあ、お父さんにまた、出張に行ってもらわなきゃね」
「そうですね。……あ、それもいいんですけど……」
 先輩の冗談に二人でクスリと微笑みあい、思い浮かべたことを
私が言葉に換えあぐねていると、先輩は私の考えていることを、
まるで全部分かっているみたいに
「そうね」
と頷いてくれた。
 行き着いた下り階段の下り口で、絢辻先輩はすっと明かりの落
ちた廊下の奥をゆび差した。
「それじゃあ私、まだこっちに用があるから」
「え? あ、はい……。しつれい、します……。暗いから気を付
けて下さいね……」
 そうして別れたのはいいけれど、背中を向けて気が付いた。先
輩の向かって行った方、その先には階段も曲がり角もなくて。あ
るのは既に明かりの消えた幾つかの教室と……開かずの扉、開か
ずの教室。あれっと思って振り返ってみても、絢辻先輩の姿はも
う、暗くて見えないだけなのか、それともどこか近くの部屋に入
ってしまったのか、サラサラほつれた髪の先から闇に編み込まれ
てしまったみたいに、消えてなくなっていた。
 そして翌朝、
「おはよう、中多さん」
「あ、おはようございます。何を見ていたんですか?」
桜坂の途中で会った先輩は、いつもの滑らかな笑顔で
「ううん、何も。先に行くわね」
と行ってしまったのだけれど、かすかに残った視線の跡を辿って
みるとその先には、小さく冠雪を頂いて、白と黒、昨日の夜には
見つけられなかった陰影を、ドレスのドレープのように細やかに
纏う、あの山の姿があった。
 
 
 
                        (おわり)
 
 
 

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2012年7月21日 (土)

■稜・線・鼎・話 (前編) ~『アマガミ』SS・絢辻さん・薫・中多さん・~ -更新第788回-

「ありがとう、中多さん。またお願いねー」
「あ、えと……はい。し、失礼、します……」
 そう言ってお辞儀をし、被服室の扉を閉めたら、がまんしてい
た深い深いため息が、はぁー……っと体から漏れた。ああ、緊張
した。
 遅い放課後の、廊下の窓から見える空にはもうあまりオレンジ
色の部分も残っていなかった。人の気配がほとんど消えたコンク
リートの校舎は十二月の空気に冷やされて、しんと染み入るその
冷たさがおへその奥まで届いた。
 一体、誰から噂を聞いたんだろう? 多分、美也ちゃんだと思
うのだけど……演劇部の人にお願いされて、お芝居の衣装作りを
手伝っていたらこんな時間になってしまった。今は冬だから時間
はまだそんなに遅くはないのだけれど、空がそんな色をしている
ものだから……人のまだいる教室には明かりが灯り、そうでない
ところはほとんど真っ暗闇。廊下の電気の灯り方もまだらになっ
ていた。
 被服室のおとなりと、そのまたとなりはもう暗闇で、そのまた
となり、美術室はなんだか不思議な明かりの灯り方をしているの
が気になった。普通の教室二つを繋げた広さのある部屋の、後ろ
半分の奥の方、窓側にだけ電気がついているみたいで、鈍くて遠
い、ぼんやりした光がちょっぴり怖い。きっと、熱心な部員さん
がまだ残ってお仕事をしているんだろう。
 その前を通り過ぎようとしたとき、明かりの消された奥の棟の
暗がりから、まるで黒い帳からほつれ出すみたいに歩み出てくる
人影があった。絢辻先輩だった。
「あら? えっと……中多さん?」
 手に黒くて大きな当直日誌を持って、いつも通り深い黒の制服
をきちんと着込んで髪も黒、けれどどの黒もしっかりと手入れが
行き届いて、その表面にはするすると、ときどき白い光が滑って
いく。いったいどうしたらあんな風に出来るのだろう? 私はい
つも不思議に思う。
 どうしたの、こんなところで? 絢辻先輩は、私が特に部活動
をやっているわけではないことを知っていて、こんな時間までこ
こに残っていることを不思議に思ったみたいだった。けれども挨
拶ついで、事情を説明すると納得してくれたようで、そう、と一
つ静かに頷くと、
「それじゃあ気をつけて、なるべく早く帰るようにね。中多さん
は、可愛……」
とそこまで言って、視線を一瞬だけ私の顔から……どこを見たの
か、チラリと下の方へ滑らせた。
「……凶悪」
「え?」
「ううん、なんでもないわ。……中多さんは可愛らしくて、魅力
的だから」
「え? あ、はい。……いえ、そんな……えっと……はい……」
 突然そんな風に言われて私は、またいつものしどろもどろに戻
ってしまう。一瞬だけ、先輩の笑顔の唇の端に苦々しい物がにじ
んだ気がしたのは、明るさと暗さのブレンドされた、黄昏の校舎
の光の加減だと思う。
 絢辻先輩はそれきりくるりと向きを変え、ぼんやり光りの灯る
美術室の扉に向き直った。まるでもう、私なんかここにいないみ
たい。あとから思えば私はその時点でもう帰ってしまって良かっ
たはずなのだけど……なんだかまだ、お話に続きがあるのかと思
えてしまって、立ち去ることが出来なかった。
 先輩はごく普通に教室の引き戸をノックして、失礼します、と
凛と通る滑らかな声で戸を引いた。

 ──部屋には、誰の姿もなかった。

 外から見たまま、明かりは教室の後ろの奥側にしか灯っていな
くて、四分の三は色をなくした闇の中。蛍光灯の弱い光がちらち
らと、かろうじて全体に届いてはいるけれど、たとえば隅の方に
何かうす気味の悪い物がうずくまっていたとしても、気付くこと
が出来なさそう。カーテンの裏、教卓の陰。唯一明かりのおりて
いる一画には──ここも遠くてあまりよくは見えなかったけれど
──出しっぱなしのイーゼルにキャンバスが載せられたままにな
っていて、脇に置かれたイスの上にも、画材のような小物と鞄が
置き去りになっているようだった。やっぱり、今の今まで誰かが
ここで絵を描いていたのは間違いないみたい。動く物のない部屋
では、普段は目にとまらない蛍光灯の瞬きが、なんだかそれらの
静物を生き物みたいに動かして見せていた。古い映画のコマみた
いに。
「ふむ……」
 私がそんなことを考えている間にも先輩は、部屋を見渡して鼻
の奥でつぶやくと、つかつかっと明るい一画に歩み入ってしまっ
た。私はといえば廊下から、多分私と同じ風に感じているのだろ
う、そこに取り残された物の様子を確かめる先輩の、ときどき暗
がりとの境目が曖昧になる髪と背中をただ眺めていたのだけど…
…ある瞬間、キャンバスに目を留めた先輩が「……へえ」と、感
心したような長い息を漏らしたのを聞いて、足が自然と前に出て
しまった。先輩は、そう呟いたきり、動かない。
「ど、どうかしたんですか?」
「あら?」
 まだいたの? そんな後半が省略された調子だった。私が近寄
って声をかけるまでの一分足らずの間、絢辻先輩はじっと絵に見
入っていて、今も私のことはちらりと見ただけで、すぐに瞳をキ
ャンバスに戻して言った。
「ううん、なんだか素敵な絵だなと思って」
「そうなんですか」
 先輩は何も言わずに少し身を開いてキャンバスの前をゆずって
くれたから、私はイーゼルの上で黄色い光を浴びてる画布を覗い
てみた。
「山……ですね。テラスの風景でしょうか」
 描かれていたのは遠く臨む山々の稜線で、多分、食堂のテラス
席からも眺めることの出来る輝日東の山側をぐるりと囲う尾根筋
をモチーフにしているのだと思う。そこへ本当の風景とは少し違
う、空の形や、木々や、雲や、風のようなたなびきが現実にはな
い色で足されていて、厚みとあたたかみ、不思議な奥行きを感じ
させた。でもそれは、
「こんな絵を描く人が、うちの学校にいたのねえ」
と、しきりに感心する絢辻先輩には悪いのだけれど、私にはなん
だかありふれた風景画に、変化を加えたもの以上には思えなかっ
た。なぜだろう? 私はこういう絵を見ることが取り立てて好き
なわけではないし、美術の成績もあまり良くないから……きちん
と分からないだけなのかも知れない。上手な絵に変わりはないし、
本当のことと印象のようなものが混ざり合って、少し夢を見るの
と似た気分にさせてくれる。それは確かに、少し特別な安心感を
与えてくれた。この感じを、私は他のどこかで感じたことがある。
どこだろう? それは分からなかった。
「中多さんは、どう?」
「え? わ、私ですか? 私は、えっと、その……」
 静かな調子を取り戻した先輩に尋ねられ、私はどう返していい
かわからなくてまたしどろもどろになる。私の性格を察してか、
先輩はふふっと微笑んで
「いいわよ。また、まとまったら聞かせて頂戴?」
と言ってくれたのだけれど、
「……はい。すみません」
それは、ちょっと違うんです。やっぱり、それが「格別なもの」
だとは思えなくて。私は、ただ俯いてしまった。
 先輩、ごめんなさい。
 その時だった。
「びゅんびゅんびゅん~あたしの絵筆はダイナマイト~♪ あた
しにかかれば~どんなモデルもイチコロよ~、っとお」
 静まり返っていた廊下から、ちょっと絵を描くことを表現して
いるとは思えない歌が聞こえてきた。聞き覚えのあるその声は、
どんがどんがどんがらがったと上機嫌なまま段々近付いてきて、
やがてその主が、
「あれ、絢辻さん。どしたの?」
「棚町さん」
と、開け放してあった扉の前に姿を現した。



      ◆    £    ◇    ξ



「あたしに、何か用事?」
 派手にウェーブした髪と、すらりと細身の体のライン。ハンカ
チで手を拭いながら教室に入ってきた、そのどちらかといえば可
愛いや綺麗というよりもかっこいいシルエットを持った女の先輩
は、先輩……美也ちゃんのお兄さんと一緒にいるところを何度か
見かけたことがあった。名前は多分、さっき絢辻先輩が呼んでく
れなければ思い出せなかったと思うけど。
「ううん、そういう訳じゃないの。美術部は全員帰ったはずなん
だけど、鍵が返ってないからついでに見てきてくれないかって」
 絢辻先輩はスラスラ応じ、なるほどそうだったんだと私も心の
中で掌を打った。その直前に一つ、先輩が長く、大きく息をした
のが気になったのだけれど……それはとても静かにだったから、
隣にいた私にしか分からなかったと思う。
「ああそっか、ゴメン」
「ううん、気にしないで。最後に戸締りをきちんとしてくれれば、
何も問題はないから……そっか。じゃあこの絵は、棚町さんが描
いたものだったのね」
 絢辻先輩の告げた事情に棚町先輩は悪びれる様子もなくて、ス
カートのポケットから捜し当てたホルダー付きの部屋の鍵をゆび
先でくるくる回し、その棚町先輩から視線をそっとキャンバスに
移した絢辻先輩の言葉は、尋ねるというよりも、どこかその事実
を心に馴染ませるために丁寧になぞるような節があった。そして
また、それを打ち消すみたいに、
「あたしの用事はそれだけ」
と、話を戻して締め括った。
「ん、まあね。あたしも、もう帰るつもり……で? 中多さんは、
あたしに?」
「え?」
 急に、自分の名前がポンと挙がったことにびっくりしてしまっ
て私はすぐに返すことが出来なかった。私が驚いたことに驚いた
先輩は、「どうかした?」といつでもパッチリした目をさらに丸
くした。
「あ、いえ……。私は、その、たまたま……なんですけど……」
「ふん。けど?」
「あの、すごいですね……。あんまり、お話したこともないのに
……」
 それは、私の素直な感想。
 お話をしたことは確かにあったけれど、それもほんの二言、三
言。その場には美也ちゃんがいて、美也ちゃんのお兄さんがいて、
私は美也ちゃんにつられて言葉を交わす、ほんのその程度のこと
だった。そうやって、すぐに人の顔と名前を憶えられる人を、私
はすごいと思う。
「ん? ああ。そりゃ、まあねー」
「え……」
 棚町先輩は背も高くて、少し言いにくそうに、そしてなんだか
引きつったような笑いを浮かべて私を見下ろした。見上げる私と、
視線が微妙にズレるのは何故だろう。不安になって窺った絢辻先
輩の表情も、棚町先輩の視線を追って、なんだかぎしりと音を立
てたような気がする。空気が軋んだ。
「……それだけ立派なのには、なかなかお目にかかれるモンでも
ないし……ねえ、絢辻さん?」
「立派……ですか?」
 首を傾げた私をよそに先輩たち二人は、ちょっと、棚町さん!
 だってぇ絢辻さぁーんと、咎め、ふざけあいを始めてしまって、
私はなんだか身の置きどころがない。棚町先輩が視線を落とした
襟や胸元を見てみても、いつも通り私の胸が邪魔なばっかりで、
これといって変わったところはなかった。けれど一つだけ、自分
でもあれっと思うワンポイントに目がいった。制服の胸ポケット
からのぞいた、白いアイレット刺繍のハンカチ。そういえばさっ
き被服室で、衣装の柄の参考にと持って来たのを両ポケットが塞
がっていたからとりあえずそこに挿し込んで、そのままになって
いたのだった。そのハンカチはパパがフランスに出張した時のお
土産で、小さくて可愛いからよく持ち歩いていたのだけれど、い
つかの機会に使っていたのを、棚町先輩も見ていてくれたのかも
知れない。やっぱり絵を描くような人はそういうところにも敏感
なんだろうなあと、私はまた感心をした。
「これは、パ……お父さんから、貰ったモノなんです」
 私は乱れたそれをポケットから抜き取ると、ふわりと広げて、
きちんと畳み直した。
「棚町さん、それはセクハ……え?」
「まぁーたまたそんなこと言ってぇー、絢辻さんだって本当は気
にな……は?」
 私が言うと、まだナンヤカヤと言い合っていたお二人はぎょっ
となってこちらを見た。『それは確かに、そう言えなくもないか
も知れないけど』。そんな風に言いたげだった。
「ヨーロッパ出張のお土産で……。あの、どうかしましたか?」
 私はまた何か、おかしなことを言ってしまったのだろうか? 
けれど二人とも、私の手の中のハンカチに気が付くと、ああ、と
なんだか白けたように息を揃えた。
「そう。お父さんに」
 絢辻先輩はふっとトーンを翳らせたけれど良かったわねと言っ
てくれ、棚町先輩には何故か「なんか、ゴメン」ときまり悪そう
に謝られたあとで
「ま、そういう物なら大事にしないとね!」
と、頭をがしがし撫でられてしまった。
 
 
 
                        (つづく)
 
 
 

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2012年7月16日 (月)

■些伽巳日記 [SAGAMI-NIKKI]・五 FOLLOWE ROAD -更新第787回-

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昔々あるところに、オイサンと……。


……。


オイサンが一人で暮らしておりました。寂しいですね(ほっとけ)。
ある三連休にオイサンが川へ洗濯(魂の)にでかけました、
するとなんと!
上流(階級)から、大きなムネの絢辻さんがドンブラコッコドンブラコッコ!
オイサンがその大きなムネの絢辻さんを川から拾い上げようとすると
水面から渓流の精がざばー!
 
 

  渓流の精「おまえがオトしたのはこの、ムネの大きな絢辻さんかい?
       それともこの、ムネのちいさな絢辻さんかい?
       三択です!

 
   オイサン「梨穂子はかわいいなあ!」
     スキBAD
 
   オイサン「胸の大きな絢辻さんです!」
     ムネのちいさな絢辻さん「イラッ(じゅー)」
      オ  イ  サ  ン 「ぎゃー!!」
       失明(スキBUST)
 
   オイサン「胸のちいさな絢辻さんです!」
     ムネのちいさな絢辻さん「イラッ(じゅー)」
      オ  イ  サ  ン 「ぎゃー!!」
       失明(スキBEST)

 
 
さあ、君の選択はどれかな?
どうも、オイサンです。
むう、目が見えないと打ち辛いな……。

それは冗談ですが(当たり前だ)、何の話かというとこの三連休のお話。
チョイとばかり遠出をしてきまして、
木曽の山奥の渓流へ、滝など見に出かけておりました。

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あとそれと、名古屋で御ひと方、もう随分前からお会いしようお会いしようと思っていた
Twitterのフォロワーさんと、
ほんの短い時間でしたが、ゴハンとお茶でお話を。
わざわざ出て来て戴いて、感謝感謝であります。

どちらも詳しい話はまた別途まとめようと思いますが、
先ずはご報告と……あとはまあ、上↑の小ネタを思いついたので、
使っとこうというw そんだけ。



■柿其渓谷



簡単にご紹介しておくと、行った先は長野県の木曽郡、南木曾(なぎそ)町。
一応、いわゆる木曽路に属する観光地の様です。
その中の柿其(かきぞれ)渓谷という渓流の流れる山間の集落の、
いち川さんという民宿に逗留してまいりました。

なんでまたそんな場所に、という疑問もありましょうが、
まあ毎度のごと、きっかけとなったのはマンガであります。
成田美名子センセの『花よりも花の如く』。
第二巻で、主人公の能楽師・ケントさんが、
滝を見たがったじっちゃん先生を養老の滝へ案内するも意にそぐわず、
慌てて探した第二候補、南木曾の牛ヶ滝の、あまりの勇壮さにボーゼンとなる、
というお話がありまして。

なんか知りませんけどその話がやけに印象的で、
いつか行こう、次回行こうと何度か画策するも実行に移すに至れなかったその旅を、
今回ようやく実行までこぎつけた、というわけです。

前述の名古屋のフォロワーさんとお会いするという
積年の希望も同時に叶えつつ。

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いやー、しかしね。
連休、さんざん雨が降る雨が降るという予報だった現地も、
ほとんど降られることもなく、
主目的だった滝も……もう、想像以上の勇壮さでド肝を抜いてくれました。
オイサンは成田先生のマンガは大好きですが、
その先生のマンガに対して
「いや先生、あんたの画力、ぜんぜん追いついてねえよ!!」
と突っ込んでしまう始末。

だってすごかったんだもの。滝。
そこへ至るまでの渓流の景観も美しく、気分はつりキチ三平です。
ゆりっぺウッヒョーです(違うことに聞こえるだろ)。

見所はそこばかりではなくて、
ハイキングコースの中に滝がいくつもいくつも出現し、
なかには若干身の危険を感じるようなスリリングな場所もありつつ
(雨に直に降られることはそんなになかったんですが、
 前日が雨で足場が悪かったりしたので)、
一つ一つが雄々しくも美しく、
いやあ……。


……あの、旅行ってのは毎度毎度、
その支度の面倒加減や不安を持ち出すと、出かける前には
「行こうかなあ……家でごろごろしてた方が良いんじゃないかなあ……。
 やっぱやめようかなあ……」
と思ってしまう物なんですけども。
毎回、下調べの段階では見えていないもの、
現地で肌に触れないとわからないこと、
予想や、アタマで食べた情報をさらっと上回ってくれます。

スカを食らうこともあるけれども、当たりの方が断然多い、
なかなかワリの良いギャンブルであるように思うオイサンです。
マそんな感じで今回も、
景色良し、
食べ物良し、
お風呂良し、
そして出会い良しのハズレなしの旅でした。

また、食べ物がねえ。
山のものがメインだったんですが、
米がうまい、味噌がうまい、醤油がうまい、豆がうまいというね。
川のお魚がうまいとか、お肉がうまいとか、ありましたけども。
ほんと、なんていうか……地力が違う、そんなおいしさでした。

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名古屋から電車で一時間ほどの、ほんと近いところですので
(まあ一旦入ってしまえば、車がないと脱出するのも難しいカンジですが)、
近場の皆さんは、是非一度行かれてみて下さいましよ。


マそんなカンジで、今日のところは簡単にヒトツ。
オイサンのお休み報告でした。


ももんが。



 
 

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2012年7月13日 (金)

■夏の影~『サマーウォーズ』感想など -更新第786回-

先日Twitter上で、
おミカンさんとおリンゴさん(どっちもID)がデートしているのをお見かけし、
「メルヘンやなあ」と思ってしまいました。

ところで、
こちとらリンゴやらみかんやらと言うと真っ先に
FC『ロードランナー』のボーナスフルーツを思い出してしまう昭和脳なワケですが、
なんだったでしょうね、あの絶妙な擬人化のされっぷりは。

漠然と「スイカが点数高かった」ということだけ憶えてましたけど、
そうだったそうだった。
ロボットをたくさん(5体?)埋めて、そのあとに金塊を取った場所に出るんだった。

しかし、うーん。
この、良い意味でざっくりとしたデザインといい、
何故かニンジンが一番点が高いという意味の分からなさといい。
この頃のゲームの、デザイン(意匠・設計両方の意味で)の自由さ、
放漫さというのは魅力的だなあ。

自由。
作ってる人がのびのびっとした感じがある気がします。

今のゲームはその点で窮屈な気がする。
というのは、オッサンの懐古趣味なんですかね。
まあ、その当のオッサンが、長い時間かけてウダウダと小難しい文句ばかり垂れてきたから、
ゲームが窮屈になっていったっていう側面も、きっと無いではないですしね。
自分で自分の首を、ゆっくりと絞めてきたのかなあ。



……そんなオイサンです(相変わらず前フリが長い)。



一昨日の朝、カブトムシを見ました。
オスの。
生きた奴。
ビックリした。オシゴト行く途中に。

場所は、都心も都心のど真ん中。
詳しくは申しませんが、日本武道館が見える坂の上、と言ったら
グーグルマップ先生が大体教えてくれるでしょう。
お写真これです。


Img00961201207110707 Img00964201207110708


右足が、片っぽなかったんですけどね。
どこに落として来たのやら。

  ……多分、たーぶーんー関係ないんですが、
  このカブトムシを見つけたすぐ近くに、

  山口事務所

  という、超謎の古びた建物がございまして、
  あくまでも「組」はついてないんですけれども、
  もしかするとこのカブトムシさんは何らかの下手をうって
  オトシマエをつけさせられたのかも知れませぬ。
  あなおそろしや。

しかしまあ、昨年は家の近所で羽化最中のセミに出くわすわ、
今日は今日でカタワのカブトムシさんに出くわすわで
近いうちにホンマ虫さんの恩返しに遭うかも知れませんな。

  ▼蝉の糸-更新第700回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/700-e958.html


別に、虫、そんなに好きじゃないんだけどなー。
ファーブルさんじゃあるめえし。
イヤ、神秘的だとは思いますけどね。
うん。
今日カブトムシさんをつまみ上げたときの、
あのゆび先にかかった恐ろしいほどの力感は、
一体どんな仕組みで生み出されてるのかとか、ホント脅威です。
カブトムシ、久しぶりに触ったけど……いやー。
あのパワーはすごいわ。
ミニ四駆くらいの感触はあったぜ?



■最近のお気に入りなど



 ▼コーヒーカップ

オイサンのたまにいくコーヒー屋さんは
希望すればカップを選ばせてくれます。

一応こんなオイサンでも定番が何客かあるのですが、
先日新たに見つけた青いカップさんがとても自分好みだったので
自分のものに決めた(※お店のものです)。

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持ちやすさも、厚みも、容量も、実に丁度良く、
見た目の色合いもステキでしてね。
すっかり気に入ってしまいました。

  自分で買えばいいのに、と自分でも思ったりしますが、
  如何せん自分ではそれに見合ったような美味しいコーヒーは入れられませんし、
  それに見合ったキレイな部屋でもございませんので、
  ある意味「ヨソ行き気分」の中で使う分には
  文字通りヨソにあった方がイイんでございますのよオホホホホ。
  マ自分で買ったカップを預かってくれる、
  ボトルキープならぬカップキープしてくれるようなお店があるなら
  自分で買ったりするかもですね。

カップって、
なんであんなに持ち手の部分が小さいものが存在するんでしょうね。
ありません? わっかに指が通らなくて、
わっかをつまんで持たないとダメな様なやつ。

いや、指が通る人もいるのかもしれませんけど、女性とか、
でもキホン、標準的なサイズの人間の指なら
通らないとまずいと思うんですが。

うーむ、そういうものは、
実用品としての側面よりも、
美術品・工芸品としての在り方の方を重視した結果なのかも知れんが。

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ちなみに、同じお店の珈琲アイスにも同時にハマっていたりする。


ところで最近、遅蒔きながら谷崎潤一郎の『細雪』を読んでいるのだけれども、
その中で、
コーヒーカップのことを「珈琲茶碗」と呼んでいて、
そう言えば実家の祖父母もそう呼んでいたなあ、ということを思い出した。
案外響きがいいですよね。こーひーぢゃわん。
ぢゃわん。


 ▼大戸屋のメニュー

大戸屋の、「四元豚と夏野菜の蒸し鍋定食」が美味しいのです。
美味しいだけじゃなくて、おなかにたまるし、カロリーが低めなのも嬉しい。
というかむしろそっちが嬉しいのだが、実際に美味しくもある。
まあ美味しいっつっても鍋自体特別味が付いてるワケじゃなくて
つけて食べるポン酢の味なのだけども。

R0049064

がっつり腹にたまって700kcal未満ていうのは、
外食チェーンの定食系じゃあ相当優秀な数値ですぜ。
若干お高めなのと、出てくるまでに時間がかかることが多いのがネックですが。

三日連続で食べたときは、ツイッターで若者から
「それ絶対、ヘンなアダ名付けられてますよ」
と言われてそうかもと思った。


 ▼澪っぺ

澪っぺといっても、オイサンが澪っぺと言ったら
秋山さんちの澪さんです。
よその澪さんは知らん。知ってても如月の美緒さんくらいだ。


なぜ「GO!GO!MANIAC!」なのかというと……
これの1分4秒あたりの澪っぺが一番かわいいと思うからだ!!


最近比較的早い時間……9時半とか10時とかに寝オチてしまうことが多く、
そーなると大体2時とか3時とかに目が覚めてしまう慢性老人症のオイサンですが、
先日、そのように真夜中に目が覚めて、
まあ眠れなかったワケでもないので大人しく寝りゃあ良かったんですが、
早くに寝付いてしまったのがもったいなくて
チョイと溜まってるアニメでも見るかと
気になっていた『ココロコネクト』を見てみました。

  なんとなくTLで盛り上がっていたのでね。
  気になってたのですよ。
  あとコレと『じょしらく』ね。
  マあからさまに盛り上がってたのは隊長だけだったんだけど。
  そしてその隊長も、別段内容に言及してたわけではなくて
  彼が大好きなeufoniusが歌うOPが好きだっただけみたいだけど。
  イヤ内容も好きなんだと思うけどね。
  マ感想は別途また書きます。

そんでまあ、なかなか面白く、
中でも、プロレス好き地味少年が、人格交代で
メインヒロイン? 級の元気娘の体に入り込んでしまって
「お」から始まる女の子純正のおまんじゅうを
セルフでもみしだくシーンの臨場感などは圧巻。
そんでまあまあ、満足して眠りについたのですが。

そんなもん見て浅い眠りについたりしたせいで……秋山さんちの澪さんと、
楽しくおデートする夢なんか見ちゃいましてね。
詳しい内容は覚えてないんですけども、
大層キャッキャウフフで楽しかったのだけは憶えておる。


……。


イヤ、もうじき四十になろうって男が見る夢じゃないとは思うんだけども。
しょうがないだろ。
見ちゃったんだから。
毎朝電車で会う生身の女子高生とかじゃないだけマシなんじゃないか?
……。
そっちの方がマトモだろうか。
わからないけど。

  ちなみに、その夢を見る前にゴキブリをやっつける夢も見たんだけども、
  象徴的に何か繋がりがあるのかは不明。
  あずにゃんぺろぺろ。

あ、ちなみにTL上でアラフォーにアンケートを取ってみたところ
約40%のアラフォーから「アニメキャラとデートする夢を今でも見る」
という回答が寄せられたのでオイサン入れると約半数がそういう夢を
「見る」という結果に!
あー良かった。
日本終わるな。
近々。

まあ何が言いたいかというと、
そのせいでこのところ澪っぺ熱が再燃して困ってます、ということです。
なんだろね。
本編見てたときよりも、多分気持ち的には盛り上がってる感じですよ。

思えば、2009年4月の第一期を見始めた当初は澪ちゃんのこと大好きだったんですけど、
なんか最初の合宿で海に行った辺り、つまりワリと最初の方で
なんとなくキャラ個人に向けられる熱は冷め始めて
そのまんま今まで来てるカンジなのですが。

  思い返すと、この年2009年4月の期は、空前の黒髪ロング豊穣の期でして、
  アニメじゃないですけど『アマガミ』で絢辻さんに出会ったのもこのときだし、
  同じ期には『夏のあらし!』のあらしさんもいました。
  同年の10月から始まる『レールガン』の佐天さんを加えた四人が
  オイサン的には黒髪ロング四天王です。
  現在、『黄昏乙女×アムネジア』の夕子さんを中心に
  「新・四天王」が形成されつつありますが
  組閣が決まり次第また発表します(せんでエエ)。

まあそんな感じなので(どんな感じですか)、
『けいおん』、見直したいなーと思ったりするオイサンです。

あ、そうそう。
長いこと中断してしまっていた『銀河英雄伝説』も再び見始めました。
見始めると面白いんだよなーコレ。



■夏の陣~映画『サマーウォーズ』感想



前々回? オフ会のときにウッカリ見た『サマーウォーズ』の感想を、
改めてまとめておきたいと思います。
本当に面白かったですからね。

しかし如何せん、オイサンの座った場所があまり良くなくて、
ずっと画面を見つめ続けるには到底不向きな場所だったもんで
絵的には見落としが結構あると思いますので、マその辺はお手柔らかに。

憶えている範囲で、「ここは素晴らしかった」と印象に残っていることばっかり
ざーっと書いていこうと思います。


 ▼絵ヂカラのすごさ

先ずは絵。
動画枚数がどうとか細かいことはワカラナイので書きませんが、
すごいなーと思ったのが、ネットワーク世界での出来事の描き方、
というか、具体化の仕方。

仮想世界で起こっていることを、
イマジネーションとして非常にわかりやすく画にしてくれていたことが、
本当に素晴らしいと思います。
現実世界に持ち出したとすればどれくらいトンでもないことが起こっているのか、
ということがわかるくらい、スケール感を損なわず、情感も豊かに描かれていて……
イヤ、他にもやりようはあるのでしょうけども、
すごかった。

欲を言うなら、背景(オンライン世界のね)がキホン真っ白けだったことで、
その辺にも何か新しい解釈を与えてくれたら良かったなーと思います。

音楽も、良かったとは思うのですが。
冒頭で流れたメインげなテーマ以外はあまり印象に残ってません。
マ劇判なんて、主題曲だけ印象的で
他は劇の邪魔にならない(劇とともにある)ことが一番なので、
多分、良かったんだと思います。


 ▼ストーリー

何が良かったって、やっぱ話が面白かった。
テーマがはっきりしていて、お話に登場するパーツが、
そのテーマの何を担っているのかが良く分かったし、
その上で、ジブリみたいに説教くささも薄い。
けど、逆にその辺がハッキリし過ぎてたせいで常に頭から離れず、
ちょっと頭が重たくなるようなときもありました。

前半は、コンピュータの、主に外側に存在するネットワーク、
いわゆる人同士の繋がりの力の強さがワキワキと描かれて、
中盤以降はそうして束ねられたチカラが、コンピュータの内側に存在するネットワークへと注がれていく、
という構図だったように思います。

デ、だからといって
「コンピュータネットワークなんて所詮はバーチャルなもので、
 本当は人同士の、ぬくもりのあるつながりが大事なんだよ」
っていうありきたりで安易なところに着地する……のではなく。
もうヨノナカがコンピュータネットワークがあることを前提に機能し始めていて、
それと人の生活は切り離すことができなくなりつつある、
その中には今、どんな人たちが関わっていて、
どんな喜び、どんな悲しみがありえるんだぞっていうことを
ただただ描いていたのが、見ていてすごく腑に落ちました。

今こうして感想を書いていて、
「リアルの」とか「仮想の」みたいな言葉を使って書いてしまいそうになるんだけども、
あの作品の中ではその言葉的な切り分けが既に通用しないことが、
書きながら分かるんです。
その書き分けはこの作品にはまったくそぐわない。
なぜなら、この作品では
「コンピュータネットワークの世界」「オンラインの世界」「(いわゆる)仮想世界」も、
全て確実に「現実世界」として存在していて、
「リアル」の反対語にはならないからだと思います。
リアルの別の層でしかないことを、きちんと扱っているから。

  別に、それはとっくに当たり前のことなんですけどね。
  言葉の上の問題だけで。

よってこの先、文中では
「コンピュータネットワーク内のこと」を「論理レイヤー」、
「コンピュータネットワーク外のこと」を「物理レイヤー」
と書いていこうと思います。
それもまた可分ではないので正しくはないと思いますし、
他分野での同じことばの用いられ方と齟齬はあると思いますけども、
今パッと、他に表しようを思いつかないので。

お話の前半では、
論理レイヤーで起こる出来事が物理レイヤーに深刻な影響を与えることが説明され、
お話の上での物理レイヤーにおける(文字通りの)「マザー」である
おばあちゃんを中心に、論理レイヤーへの対抗手段が整えられて、
おばあちゃん退場。

  この、おばあちゃんがしっかり退場してしまうあたりがまた心憎いですね。
  加えて、おばあちゃんの退場にともなって、
  その位置に収まる次の世代が(おばさんかお母さんか)、
  地味に機能し始める辺りの描き方も、見てて面白かった。

  そしてまたそのおばあちゃんの退場のきっかけにも必然性があり、
  かつテーマともきちんと絡んでいる。
  物語のありように、過不足がほとんど見られませんでした。
  その整合性の高さ、拡散と収束の鮮やかさといったら見事の一語につきる。

  余談ですがオイサンは、このおばあちゃんの退場劇も、
  もしかするとおばあちゃんの仕組んだ狂言なんじゃないかと勘ぐったのですが
  それは大野暮でした。反省。

全ての要素が、この「おばあちゃんの誕生日」という日に、
必然的に集約して物語が成立しているのがまた、運命的で面白いですね。

  ……あーでも、肝心のAI暴走がどうしてこの日だったのか?
  ということは、特に関連づいてないのかな。
  それは惜しいかも。
  なんかあったのかもしれませんけど。

中盤以降、そうしておばあちゃんの忘れ形見として結成された
「田舎の地球防衛軍」で論理レイヤーの反乱に立ち向かうのですが、
論理レイヤー内での人同士のつながり、
新しい時代の、ぬくもりや物理的な距離や心的なふれあいを必ずしも伴わない
ある意味「論理的な絆」が、
冷たく無味乾燥なもの・価値の低いものとして描かれるのではなくて、
最終局面では物理レイヤーでのつながりと概ね等価のものとして
(或いは今後そうなっていくであろう希望的観測をこめて)描かれていたのが、
新しく、印象的でした。


 ▼物理と論理の天秤

そんな風に、
従来はステレオ的に悪役として描かれてきた「論理レイヤー」をフォローし、
立場・印象の底上げを行うのと並行して、
「物理レイヤー」の絆のあり方の穴、悪い面を遠まわしに浮き彫りにして、
「どっちもイイトコばっかじゃないんだよ、いい面悪い面、両方あるんだよ」
ということを謳っていたのも……いやもう、ホント素晴らしい。
ここが一番、感心したかもしれない。

それがどこかというと、暴走AIを生み出したワビスケおじさん……
彼が、これまでは基本的に良しとされてきた
「物理レイヤー」の絆の被害者として描かれていたこと。

よーするに、
妾の子? だったかな、細かい位置はおぼえてないけど、
大家族の面々から「純然たる親族の者」として認められない存在として生れ落ち、
実際どのような迫害(めいた扱い)を受けたかは分からないけれども、
彼をああいう心の在り様に導いたのは、他ならぬ「大家族の絆」であり、
「物理レイヤー」の光に生み出された影の部分だったってことで。

「和」っていう、自分のチカラではどうしようもないものの外側に
一旦生れ落ちてしまったらもうどうしようもない目に見えないチカラがあって、
それを打ち消すことが出来るのは「和」に参加する全員でしかないのに、
そこに手を差し伸べたのは、マザーであるおばあちゃんとヒロインだけだった、
だからワビスケさんは、ああならざるを得なかった。

だからお前、「ぬくもり」「つながり」「きずな」つったって、
イイコトばっかじゃないんじゃぜ、その一歩外側は地獄じゃぜ?
っていう、影を見つけることを忘れてない、そこにすごく感心した。

で、起こっているコトの重大さを、「頭で」理解することが出来さえすれば、
ヨソモノのすることだろうがその身を投げ出すことも厭わない「論理レイヤー」の面々の、
ドライなのかもしれないけどアツサが並行して描かれる。


 ▼暴走AI・ワビスケさんのかなしみ

そこにもう一個……象徴的に描かれていたのが、暴走AIの行い。
これも面白かったなあ。

彼(暴走AI)は、オンライン世界のIDをどんどん奪って、
世界の実権を握ると同時に肥大化していくんだけども。
己の出自の曖昧さ・根っこのなさに揺らぐワビスケさんの生み出したAIが
(或いは彼自身、実態を持たないAIとして)、
物理レイヤーの人々の、論理レイヤー内でのアイデンティティに近い
(つっても実際はただの管理番号的なものでしかないからアイデンティティとは程遠い空虚なものだけど)
IDを欲しがって集め、奪ってゆくっていう構図が、
実に象徴的で、なによりもかなしみに満ちていて、
あー、ここまで計算して描いてるんだったらすっげえなあと、
こればっかりはもう、
ただただ面白いのではなくて……悔しかった。
この画は悔しかった。
くそう。
何故俺はこの構図を思いつけなかった。
うん。
ひたすら、見ていて悔しかったですね。
僭越この上ないんですが、そのくらい面白かったです。


 ▼「わからないひとたち」へのいとおしさ

デ最後に。

そうして存在感を増していく論理レイヤーについて、
無理解であったり、理解が追いつかない人ってのはまだまだ確かにいて。

彼ら(あるいは我ら)をどうしよう? ということもまた、描かれている。
そんも代表が、最初っから最後までぎゃーぎゃーうるさい、
ヒロインの従兄弟? だったかな、お巡りさんの、お兄さんなんだけども。

彼は話の冒頭からヒロインと(形式上)懇意の主人公に嫉妬していて、
物語終盤では「田舎の地球防衛軍」の作戦に致命的なピンチを呼び込んでしまうという
お話上での役割を担っていて、
「論理レイヤー側の障害」として描かれてしまうのだけども。

今回は、オイサンにしては珍しく、大勢の人と一緒に作品を鑑賞する機会だった
(オフ会中ですからねw)わけですが、
その、彼がピンチを呼び込むシーンで、周りからボソボソッと
「あー、こいつクズだなー」
という感想が上がったのを聞いて、ああ面白いなーと思ったのです。

今回のオフ会のメンバーなんてのは、基本、
論理レイヤーの出来事をざっくり以上に理解出来て、
如何様にしてその世界が物理的に仕組まれているのかを分かっている人たちの集まりなので、
そのシーン……
「主人公たちが暴走AIに論理レイヤーの戦いで対抗するために構築した
 巨大サーバーを冷却するための氷を彼が勝手に(ある目的で)運び出してしまい、
 結果、サーバーが熱暴走を起こしてしまう」
という場面での、彼のその行いは「愚かしさ」であって、
同席した皆さんにとってはおそらく、ひと目で「悪」なのですが。

オイサンが、あの物語の中で一番いとおしいと思えて、
一番感情移入出来たのが、実は彼でした。
彼の気分が一番よく分かる。

彼は物語の上では、確かに主人公の障害なんですけれども、
人として、オトナとして、
これからますます進んでいくであろう論理と物理の二層で成り立つ世界にとって、
悪なのかといったら、そんなことは全然ない。
論理の側の人間から言えば困った人ではあるのだけども。

まあ彼は、主人公にヤキモチ焼いてた訳ですけども、
別に彼を妬んで意図的に作戦を邪魔したわけでもなんでもない。
それをやってたら悪ですが、彼にとっては、
今なんかワケの分からないことが起こってて、
いけ好かない奴がよく分からないことをやってはいるけども自分はそこには参加できない、
だからそこにあったものを使って自分に出来る正しいことを実行しただけだった。

多分、その作戦の骨子は、彼に説明されてなかったと思います。
お話上、画面上で。オイサンが見逃してただけかも知れんけど。
そこに置かれた氷が何故そこに置かれていたのかも、多分、彼には分からない。
ストーンヘンジやモアイ像が、何故あそこにあの形で置かれているのか、
現代の我々には図りえないのと同じレベルで、彼らには分からない筈です。
そりゃ、私が彼なら、同じことを多分しますよ。

やっぱね。
わかんないんですよ。
わかんないです。
論理レイヤーで何が起こっているのか。
自分たちの住む世界と「具体的に」どうリンクしているのか。
そのレイヤーがどのような物理的な仕組みで保全されているのか。

頭で、理屈で、文字通り「論理で」理解出来たって、皮膚感覚で分からない。
そして彼らは、皮膚感覚で分からないこと、
頭で「だけ」理解出来たことっていうのは、やっぱり「分からない」んです。
そしてそれを分かった様に振る舞うことは、出来ないことはないにしても、
自分たちの皮膚感覚上の正義を妨げてまで行使することではないんです。
優先順位が違う。
そしてそれは、「悪」ではないと、オイサンは思います。
悪でも、罪でもないし、そこに優劣もないと思ってます。

  いや、社会経済的に、何かが出来る・出来ないという選択肢の多さで、
  優劣は付けられてしまうと思いますけどね。
  それはシャカイさんのシクミさんなので仕方がない。
  そこは我慢してもらいましょう。

結果的にアレでミッションが失敗していたとしても……彼を責められないし、
彼のせいでミッションが失敗したバージョンの物語があっても面白いと思います。
そしてそれでも、この物語は完成していると思う。
そのくらい、この物語は揺るぎないと思います。

彼にそれが分からない、そのように振る舞えないのは、仕方のないことだと思います。
それはオイサンに、あの家族の中に依然と渦巻いているであろう、
血族の血の重みみたいなものが「分からない」のと同じです。

幸い、オイサンはたまたま、彼らサイドの人間が大切にする「そういう」ものを
「頭でなら理解する」ことが出来る
(それは本当の理解ではないかもしれないけど分かったフリをすることは出来る)し、
「頭で理解した」ことは、とりあえず分かったものとして、処理をし、
それを阻害しないように振る舞うことが出来ると思います
心から評価して参加することまでは、残念ながら出来ませんが。
それを、知性と呼ぶのか。
それが人間らしさや、オトナであることや、誠実さであって、
優れているのかと言われたら、それは違うかもしれない、と思ってます。

逆に、それが出来ることが、
悪や、間違いや、罪である可能性があるのかもしれない、と思ったりします。
根拠はありません。
ありませんが、それは不自然なことだと思うからです。
まあ、マイナスの敢えて価値を持たせるのは違うかもしれませんが、
何かに反することであって、様々なねじれを生んでいて、
畢竟自分たちを苦しめるストレスの大きな要因となっていると、つねづね感じています。

まあその辺りの評価はオイサンの個人的なものではありますが、
彼らを単純に、「分かる側の視点と論理」だけでもって
「これからの世界の困ったチャン」としてしまうのはあまりにも傲慢だと思いますし、
分かるからと言って、上から目線になるのもおかしな話だな、
ということを、
このお話の視点は語っているな、と感じた次第。

彼らは、分からないことを、分からないまま、
分かるところだけ今まで通りに我慢しないで行おうとしますが、
それを妨げることもやっぱりちがうよな、と思うのです。

  そんな彼の職業が「村のおまわりさん」だっていうのは、なんだか象徴的ですねw
  すごくいいと思う。

それはつまるところ、アボリジニを蹂躙したイギリスの植民船団の様なもので、
ある種、歴史において致し方ない面はあるにしても、
在る者・持つ者が必ずしも正義じゃないだろってコトを分かるコトが、
まずは正義なのではないかな? と思ったのでした。

彼は物語上の障害ではありますが、あの世界の純粋な良心の一つでもあります。
障害としての役割以上に、あの世界の欠かすべからざる、一つのパーツ。
あの作品で一番魅力を感じた人物であり、
言葉は素直すぎてヒドイときがあるけども、
オイサンが役者であったなら一番演じたいと思わせる役どころでした。
彼には、彼のままの彼のことを理解してフォローしてくれる相手が見つかって
幸せになって欲しいなあと思います。


 ▼彼はジャイアン?

また彼は最後の局面でジャイアン的転換を遂げます。
よく分からないなりに、「田舎の地球防衛軍・論理班」の支援者に回って声を張り上げる。
それがなんでかっていうと、
「ブン殴られたから」
だっていうのがまた、よく分かって面白い。

「あ、今コイツら、人を殴るほど怒れるくらい、
 画面の向こうのよくわかんねえこと目ぇむいてやってやがんだ」
ということを、感情を形にされてようやく理解したことがよく分かる。

結局、感情を形にされて伝達されて、初めて「肌で理解」出来たって場面。
まあこれが正しい会話なのかと言われたら分からないですが、
細田監督の答えがここにあったと思うと、非常に興味深いし、
オイサンも他の答えは思いつかない。
自分がこの答えにたどり着いても、お話に答えとして提示できるかと言われたら
二の足を踏みます。

これはちょっと余談になりますが、
人には誰しも自分の中心となる感情というのを持っていて、
最終的にはそれをもって、人との関係や伝達を量っているのではないかなあと
オイサンは思っていたりします。
それがオイサンの場合は「笑い」で、彼の場合は「怒り」。

彼は「殴られないと分からないバカ」なのでは、またなくて、
伝えるときも、伝えられるときも、
怒りの量や、質や、方向でもって子細を表現するというだけなのではないかと。
だから彼の場合は、
「殴られないと分からない、殴らないとわかりあえないバカ」
に見えるのであって、
オイサンの場合だと、次第によっては
「不真面目でへらへらしているバカ」
に見えたり、するのかも知れません。
イヤそれを言いワケにするつもりはないですケドも。

……まあ……だからといって、
そうやって「怒り」で会話をしようという人人のことを、
好きか、得意かと言われたら、そんなことはないんですけどね。
あまりお近づきにはなりたくはない。
です。
こわいもん。



■Closing



マそんなことで。
毎度のごと、長くなってしまいましたが……

あのね、ホント面白いから。
面白かった。

もっとしっかり見れば、穴も見つかってくるのかも知れませんけども、
そんなの気にならないくらい、
ていうかお話の筋をただただ追うだけでも、それはそれで十分に面白いですし、
オイサンみたいに野暮ったく、色々解釈を追いかけようとしても、
そこに、伝え手のいろんな思惑が見えてきて、実に楽しい。

久しぶりに大変に良い物を……しかも、良い人たちと、いい場所で見ることが出来て
大変に幸せでした。

つって、もう6年? も前の作品みたいなんで、
おっさん今頃ナニ言ってんの、って感じでしょうけれども、
今見ても十分に耐えうる設定や展開など、ある意味『パトレイバー』的な、
太い骨子を持った作品だとお見受けします。

  我ながら奇しくも『パトレイバー』と言うコトバが出てきてしまいましたが、
  オイサンの好きな『攻殻機動隊』の押井カントクが語ろうとする、
  デジタルの重さやかなしみといった内容についても、
  実に明るく、軽やかに、説明臭くなく語っている
  (かつそれを意識しないで楽しめる)作品でもありますね。
  暴走AIがIDを集め始めた時に、オイサンは、
  『攻殻機動隊』で人形遣いが口にした
  「フロッピーディスク……。
   人間は、データをデジタル化して持ち出せるようになったとき、
   その意味をもっと深く考えるべきだった」
  という台詞を思い出していました。

ちょっとこれは、BDで買って持っておくのも十分にアリ。
マそんな感じでヒトツ。


オイサンでした。



 

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2012年7月 5日 (木)

■勢い -更新第785回-

朝、一人の女の子と目が合った。



道幅にして六歩か七歩、
大きな神社の裏手にあたる、歩行者用の信号もないその小さな交差点を渡るとき、
私は、明るい黄色のカバーをかけたランドセルを背負い、
時代がかった学校指定のセーラー服にストローハットをかぶった姿で
対岸の歩道を歩いてくる彼女の姿に、これといった注意を払ってはいなかった。

それよりも、
自分の進行方向に一致する車両用の信号が、
最初の一歩を蹴り出す一呼吸前に青から黄色に変わったことを眦で拾い、
一瞬躊躇っていた。



けれどもそのままの勢いで、
一、二、三、四、五、六、七。



最後のつま先が対岸の歩道にかかるかというところで
光がパッと赤へと移ったのをほとんどこめかみで確認し、私は注意を前方よりに戻した。
そのときようやく、私の目は彼女をまともにとらえた。

彼女も、丁度歩道のふちまでたどり着こうとしていたところで、
時速四キロに満たない勢いをまだ手足の短い体にいくらか残したまま、
はるかに背のある私に向けて、ふっと視線を上げた。



──。



ひと二人がどうにかすれ違うことの出来る広くも無い歩道を、
たいてい五、六人で塊を作りながらめいめいが流れ星のように歩いてくる
この近所の女子高に付属するその小学校の女生徒たちは
私にとっては常からわずらわしい存在だったのだけれども、
その中に、まれにまったく群れに属さない空気をまとって歩く子がいて、
彼女はまさにその位置を持った子だった。

前の団体からも後ろのグループからもあるやなしやの距離を保った彼女の
ハットのつばの影から覗く目は三白気味のやぶにらみで、
ふてぶてしく、値踏みをするように、
或いは何か確信を得つつ敢えて問い質すように私を捉えている。

黒い瞳のふちが、ぐる、ぐると渦を巻いたような深みを持っていて、
その印象の強いあまり、彼女が眼鏡をかけていたかそうでなかったかが思い出せない。
鼻の印象は薄く、口元は、ものの由来を疑う古道具屋の親父の結び方をしていた。

私は勿論、立ち止まることはしなかった。

ただ、数歩、彼女の瞳が私から何を探ろうとしたのかが気になった。
そしてそれはすぐに見つかった。
すれ違いざまの彼女がちいさなちいさな体に残していた、
前のめりの、
背中の影がわずかに尾を引くような勢いがそれを教えていた。
躊躇ったのだ。
そして誰とも知らない、
ただその時たまたま向かいから歩いてきただけの一人の大人がそれを咎めるか、
窺ったのだ。

……私には、何の構えもなかったから、
そのとき彼女の気持ちに見合う表情を作ることが出来なかった。
ただ自分が渡った時のことを思い出し、右にも左にも車両の影がなかったことに頷いた。
私は振り返らなかった。



あの直後、彼女は道をわたっただろうか。






 

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2012年7月 4日 (水)

■ガンダーラより来たる友のこと~町田・馬の陣 / 夏の陣~<後編・『ストライクウィッチーズ劇場版』感想など> -更新第784回-

ハイ後編です。
オイサンです。

  前編はこちら。



■いきなり 劇場版『ストライクウィッチーズ』感想



まあそんな経緯もあってですね。
見てきましたよ。
『ストライクウィッチーズ』劇場版。
家の近所でやってるうちに行っておけば良かったのですが一館また一館と上映を終了し、
しかたなく、オシゴトの帰りに角川シネマ新宿さんで見てきました。


▼『ストライクウィッチーズ』劇場版



  すっげえ小さい劇場。席数56とかでしたよ。
  スクリーンも、ちょっと気の利いた液晶TVくらいしかなくて。
  マ空いてたので、ヒトんちのホームシアターで見たと思えばいいんだけどさ。
  今回ので場所がわかったので、たまに見に行ったりするかもです。
  場所的には便利ですしね。

内容は、マなんというか、以前も何かのアニメ映画を見たときに書きましたが……
あれは『けいおん!』のときだったかな……
やはり、「OVAを劇場でかけた」みたいな感じです。
映画映画していないというか。

面白さは「フツー」です。
ミもフタもないけど。
つまんないというわけでは全然なく、よくまとまっていたと思います。
けど、驚きや感動があるかと言われれば、それもまたウーン……。

宮藤さんをセンターに、501部隊の皆にそれぞれ見せ場があって
(やっぱり人気によってなのか、非常に分かりやすい偏りがあったと思いますけど
それはそれで健全w)、
新キャラがいて、笑いどころ泣き所が用意されていて、
という非常にソツのない作り。
90分なりという時間から逆算して、それ用にお話を磨き上げたなあという、
紛う方無き職人のシゴトです。
計算しつくされているという意味でとてもレベルは高かった。
ただ、如何せん、教科書通り過ぎて面白味は無い。
そんなところです。

……まあ、世間ではそれを「タイクツ」と呼ぶのでしょうが、
そんでも、タイクツまではいかせないところに凄みがあった。
ある意味で、こういう劇場作品の教科書フォーマットとして
配ってしまってもいいんじゃないかというくらいです。

画ヂカラは掛け値なし。
自然とか、欧州の美しい町の風景とか、お得意の戦車・軍艦に始まる軍用装備とか。
少なくとも、リアルト橋とライン川を見に、欧州へ行ってみたくなりました。
特に、両岸を深い森に挟まれて蛇行するライン川は……ちょっと魅力的ですねえ。
実際空から見てみたくなる美しさを呈していました。
お見事。

しかしまあ毎度のことながら、
空戦シーンになるたびに、マンベンなく全てのヒロインの
おシリやらおマタやらが必ず一回はアップになる、
あのカメラワークを考えた御仁は間違いなく変態であり、
エジソン以来の発明王でしょう。

  ……おっとイカン、
  その前に『シスプリ』メソッドを思いついた天才がいたわい < 発明王

アレを見せられる度に気持ちが一回リセットされて、
些末な疑問は吹き飛ぶというものすごい効果をもっていますね。
麻薬。
ぱんつ麻薬。

時々突き抜けたバカっぽさも挿入されるのですが、そもそも
「スク水女子が戦闘機を履く
 ケモノの耳と尻尾が生えて剥き身で空を飛んで戦える」
などという、土台からしてブッ飛び過ぎてる作品ですので
(皆さんお忘れかと思いますけどフツーじゃないですからねあんなの)、
多少のバカ要素じゃ驚きを感じられない。
もっともっと、もーーーーーーっと、
超ド級の大バカを盛り込まないと釣り合いがとれないんじゃないかと思います。

  それこそ、劇場版『マクロスF』くらいの。
  マあれはあれで、こぢんまりといえばそうなんだけども。

しかし如何せん、このマンガはそういう土台部分を除くと
どちらかといえば生真面目なリアル志向、SFに寄り添おうという性質がありますんで、
あんまりな無茶も出来ないのでしょう。
これがその作品らしさでもあるんですけどね。

ラスト近くで、
宮藤さんの危機を救いに駆けつけた坂本さん率いる部隊が
バトルシップYAMATOにライン河をさかのぼらせてるのを見た誰かが


  「う、浮き輪つけてるぞ!? 扶桑の海軍はデタラメだ!!」


と叫ぶシーンでは、ちょっとだけ日本人であることを誇りに感じてはしまいました。
涙出たw。
ただ、もー少しだけ大胆に、
もー少しだけわかりやすい狂言回しでも良かったような気はします。
じっくりタメを作ってもったいぶって、
笑えるくらいバカみたいに登場させて欲しかったです。

……ウム。

我々日本人は、もうチョイガンバらなアカン。
合理・効率に縛られた西洋式のビジネスにかぶれるばかりやのうて、
自己犠牲とか精神論「ではない」カミカゼのスピリットで、
欧米どもを、もっとこう……ビックリさしたらなアカン。
せやないと向こうさんの土俵で戦ってたかて勝たれへんで。
イヤホンマ。

 ▼謎の客層X

そうそう、なんかサキさん曰く、地元岡山で上映されたのを見に行った時、
劇場は「老若男女」で賑わっていたのだそうです。
……「老若男女」ですよ?

『老』 若 男 『女』

ウッソダァー、って思うじゃないですか。
ホントーに、お婆ちゃんとか見に来てたんですって!
ビックリしますよね。
ばあちゃん、『ストライクウィッチーズ』の何見るんだよ!?
じいちゃん……は、まだ、ギリ、わからんでもないよ。

デ嘘か真か知りませんが、その見に来たばあちゃんが
「あたしらの戦争のときとそっくりだねえ」
と言っていたとかいないとか……

うそこけババア!!

孫がまだフンベツつかねえと思ってテキトーこいてんじゃねえぞ!
どこの世界の歴史に、スク水ケモ耳戦闘機が活躍した第二次大戦があるんだ、


俺はその世界線に移動するぞ、

  
JoJoーーーーーーーーーーッッッ!!!

       
(ドッギャァァァァーーーーーーーーン!!!)



いいか、お前らなんかもう近いうちエンマ大王の前に行くことになるんだから、
ボチボチ嘘もほどほどしとかないとソッコー舌抜かれるんだからな!!

  閻 魔「ハイ次の人ー。佐藤ウメさん(97)、ね。
       なになに、
       孫に「ストライカーユニットを履いてネウロイと交戦経験アリ」
       と話した経歴アリ、と。

       ダウトーーーーーーーーー!!!

   婆 「それがーさだーめーでーもねー♪ あーらーがーうよー♪」

  閻 魔「抗ってもダメ!」

ホントもう、事実はラノベよりも奇ナリ、とは
よく言ったものナリよキテレツ。
でも長生きしろよ( ← 毒蝮)。



■町田・馬の陣(第一次町田会戦)



……というようなお話で、
サキさんとオイサンが二人っきりで美味しいモノ食べながらいちゃいちゃしたのが
木曜日までの出来事。
そこから一日あけた土曜日、
町田に現れた彼は……馬肉と戦う、いっぱしの戦士の顔つきをしていました。

  ……大丈夫かな。

  勉強しに、わざわざ東京まで来てたはずなんだけど、
  そっちの方に支障はなかったのだろうかと若干心配になる
  馬肉イエローことオイサンです。
  岡山帰ってから、人に言われてないだろうか。
  「おかえり……おお、見違えるようだ!
   随分引き締まった顔つきになって帰ってきたな!」
  「はい、もうどんな馬肉にも負ける気がしません!」

  「あ゙?(怒」


火曜日の時点でサキさんに馬肉退治の話が漏れ、
また、馬肉レインボーことパパさん(ID:@hm13chibi)が、
どーもサキさんとお話したっぽそうだったこともあってお誘いしてみたんですけどね。

場所は、町田の柿島屋さん。
近辺では有名な、老舗の馬肉料理屋さんです。
メンツは上でも少しお伝えした通り、
以前の未来飲料祭りをともに戦った四人の戦士とサキさん。

……マ何をしたってこともなく、ただただ、
鍋だ、
刺身だ、
メンチだ冷しゃぶだサラダだ豆腐だと、
次から次へと襲い来る馬肉をちぎっては食べちぎっては食べ。
みんな、そんなに馬との戦いに餓えていたのか。

R0048967 R0048962

レッドとブルーに至っては、オイサンがぽろっとこの企画……否、
作戦を提案して以来、開戦はまだですか、連中さっさとやっちまいましょう! と、
不良マンガの下ッパみたいに突き上げてくる。
この日は五人チームだったのですがテーブルが(というか鍋のコンロが)二つに分かれ、

 ▼テーブル「アルファ」:
   レッド(430cさん)レインボー(ちひろパパさん)ホワイト(サキさん)

 ▼テーブル「ブラボー」:
   ブルー(wibleさん)イエロー(オイサン)


と編成されたのですが……


  ブルーのまあ、 食 べ る こ と 食 べ る こ と 。


進軍ラッパも鳴り終わらないうちから大盛りの米のメシを頼み、
部活終わりの高校生かっつうくらい、
もくもくと、
もりもりと、
馬のムクロの山をむさぼる姿は、まさに生ける初号機。
う、馬を食ってる……!!(ここではみんなそうです)
貴様、そんなに野菜ばっかり食ってると肝心の馬と対峙したとき存分に戦えぬぞ!

ツーマンセルを組まされたオイサンは、
自分のレーションまで食われやしないと気が気でなくペースを上げ、
勢いブラボーテーブルの鍋は減るスピードが尋常ではなかった。
ウオオン、俺はまるで人間発電所だ。

  イヤ確かに、ブルーは『孤独のグルメ』の原作者に似てるんだけども。
  徳の高そうなとことか。

  ▼孤独のグルメ 久住昌之先生
  

食べるのに忙しいわ、
お愛想で頼んだブルーベリー酒が思いの外強いわでオイサン変なテンションに。
なのでこの日は、サキさんとは殆どしゃべれてませんw
ごめんwww

マその辺は、一方のアルファテーブルがワリカシ和気あいあい、
新兵のサキさんをジョークでリラックスさせつつ、
彼の好きな色やデザインの話を本職知識交えてつつで
戦果もそれなりに上げていた様なのでメデタシメデタシ。

いやー、しかし。
この店はやっぱりいいわ。
メンチが品切れで一皿しかないと言われたときはどうなるかと思いましたが、
お鍋にそば入れて食べるのが、これまた異様にうまかった。

鍋にそばを投入したあとのブルーはもうずーっとヘヴン状態のカオしてまして、
トイメンに据わるオイサンは、

 「嗚呼、僕はどうして、ご住職の昇天ガオをオカズにご飯を食べてるんだろう?
  嗚呼、僕はいつ頃オトナになるんだろう?」

と、
答えのない問いを武田鉄矢先生に投げかけつつ、
馬肉の冷しゃぶをつついていたのです。もぐもぐ美味しいなコレ。

▼少年期



しかし前回の未来飲料祭りのときと言い、ブルーはホント、
お酒入るとすっごい幸せそうで見てて嬉しくなりますね。
サキさんも真っ赤だったけど。



■INTERMISSION & Debriefing



そんなこんなで、二時間あまり。
途中、オイサンのいい加減極まりないサキさんクイズなぞを差しはさみ、
終戦(21:00)まであっという間でした。

いやあ……なんかねえ。

途中、冗談で、ブルーを部活帰りのお兄ちゃんに見立てた
ご家族寸劇なんかが入ったりしたんですけど、
ホント、ちょっとした家族のだんらん風景みたいになってましたねえ。

 「お兄ちゃんご飯もういいの?」
 「パパ、ビールもう一杯いる?」
 「お義父さん、食事中にこっそり僕のツイートRTするのやめてもらえませんか」
 「母さん、今のはメラゾーマではない……メラだ」
 「こらサキ! ぱんつじゃないから恥ずかしくないもんするときは
  ちゃんとツインテールにしなさい!!」

……すみません、三つ目からは今考えました。

美味しかった楽しかった。
楽しいご飯はうれしいですね。
是非またやりたいです。

こうして、幸いにも誰一人欠けることなく
アットホームな第一次会戦を生き延びた馬肉レンジャーだったのですが。
嗚呼、なんという運命のイタズラでしょう、
彼らをさらなる戦争──「WARS」が待ちかまえていようとは。

たてがみ一本残っていない焼け野原をあとにし、
我々は、
傷ついた心と体(主に胃腸と肝臓)をどこで癒すかと相談した結果
近くに地ビールを飲ませる店があるからとそこへ向かいました。
しかし残念ながらその店は貸し切り満員。
我々はトホーに暮れました。




  ──思えばこのとき、運命の女神の見えざる手は、
     我々を既に、次なる戦場へと導いていたのかも知れません。




実は、ブルーから前もって提案されていたのです。
「一軒、気になっている店がある」、と。
彼のホームから遠く離れたこの地に、
なぜか古くから自分をフォローしてくれている店があるのだと。

  思うだに不思議です。
  なぜ、そんな遠くから?
  なぜ、この町だったのか?
  それもまた運命……だったのでしょう。

しかし我々は深く考えることもせずに、
「じゃあ『せっかくだから』」と、ブルーの案内でその店へむかったのです。
まるで人目を避ける様に盛り場を抜け、
雑居ビルの狭い階段を上った先にあった小さな扉。



「『せっかくだから』、俺は赤い方を選ぶぜ」。
銃聖として名高い、コンバット越前の言葉です。


開いた扉の先に待っていたもの、それは……




    ──沈黙という名の、戦場でした。




■町田・夏の陣 (第二次町田会戦)



いや、なんかっつったら要するに、
うぃぶれさんが連れてってくれた二軒目のバーが、
大きなパブリックビューイングのあるお店だったんですよ。
デね、オイサンたちがお店に入ったとき、丁度、
ホントに丁度、『サマーウォーズ』を流し始めたところで、
レッド以外誰もキチンと見たことがなかったモンだから、
そのレッドも『サマーウォーズ』大好きだったモンだから、
みんなもうすっかり真面目に見入っちゃって……
お店に入ってから、……あの作品90分くらいですかね、
五人ともほっとんどクチをきかずに、ずーッと『サマーウォーズ』を見てた、
っていう、
ホントそれだけのお話です。

もうホント、みんなクチきかないの。
じーーーーーーーーーーーーーー…………っと、
画面見てね。
お店の人も戸惑ったと思うよ。
飲みモンたのむ前からえらい食いつきようでしたからね。
「ナニこいつら」って思ったんじゃないでしょうか。
変な集まりですよホント。
こいつら仲悪いのか、ああこれが噂に聞くコミュ障か、
くらいに思われてたに違いない。

途中から他のお客さんが入ってきたからいいようなものの、
もしアレで他に人がいなかったら、あそこはただの
「美味しい酒が飲める、スクリーンのちょっと小さい映画館」
になっているところでした。
危ない。

すっげえ面白かったんでイイんですけど。
全員大満足。
すげえな『サマーウォーズ』。


 第二次会戦 「町田 夏の陣」戦果報告
 「『サマーウォーズ』は傑作です」


以上、そういう結論! 地球は救われた!


『サマーウォーズ』の感想は、
あまりに色々素晴らしく、また見た環境が良かったため色々あるので
別記事でまとめます。

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ちなみに二軒目のこのお店は、
あまり広くはありませんでしたが飲み物は美味しく、
マスターもカンジの良い、フレンドリーな方でした。

  カンジワルイのは、
  入ってきたきり口もきかずにずっとアニメ見てたヘンな客の方でした。
  カンジ悪いなあもう。

ポップコーン美味しいです。
オイサンはもうアルコールが入らない感じだったので
ノンアルコールのカクテルとトニックウォーターなんぞを飲んでいましたが、
他の方々のお酒関係はどうだったんでしょうね?
聞くの忘れちゃった。
美味しかったんだと思います(てきとう)。



■Closing



そんなこんなで、解散は22時半を回る頃。

路線はバラバラですので(オイサンに至っては徒歩ですし)、
三々五々、傷ついた体で家路につきます。
二軒目で癒すハズが、第二回戦始まっちゃいましたからね。

ブルーことうぃぶれさんは、
明日も別の戦場へ転戦とのことでホームまで戻る間もなく町田で一泊、
一人二軒目の店に残っていきました。
さすが若き戦士。
自分で殺っといてお弔いも自分で出来るという自転車操業ぶりです。

明日、果てしない大都会へ帰るというサキさんとも
存分に別れを惜しみます。

しかしまあ。
こんなんで良かったんですかねw?



……良かったんでしょうね。
大体こんな感じだし。



二軒目の90分ダンマリ一本勝負は、
「イヤあんなのはさすがにねえよw」
と、レッドは言ってましたけど。
オタクなんてこんなモンだよ。アリアリ。

ゴハンがアレだけ楽しくて、
映画もあれだけ面白くて、デートとしては上出来の部類だと思います。
オイサンが楽しんでどうすんだw

サキさんは、楽しかったですか?
……とお尋ねしても、「楽しかったです」としか言ってくれないと思うんですよね。
フツーのこととして。
けど、これはエゴなのかもしれませんが、
楽しんで、
喜んでくれたと、
普段色々自信のないオイサンですが、
今回ばかりはなんとなく、思えたのでした。

  そんなことなかったらゴメンナサイw
  そんときゃ次回でリベンジだ。

次回は、また。
オイサンがメガロポリス岡山へ赴いて、
きび団子というきび団子を殲滅する、そのお手伝いをしたいと思います。
その時までどうかお元気で。

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いただいたお土産、大手まんじゅう。ガツンと餡子なのに甘すぎずに美味しい!

お会い出来て良かった、うれしかった。
無邪気に純粋にそう思えた一週間でした。


マそんな感じで一つ。
オイサンでした。





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……またね!



 

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2012年7月 3日 (火)

■ガンダーラより来たる友のこと~町田・馬の陣 / 夏の陣~<前編> -更新第783回-

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「saki」を名乗る未知なる知性体から最初の接触を受けたのは、
確か2010年の10月頃だったと記憶している。

原点の記録がローカルのコンピュータにもネットワークにも残っていなかったので
正確なところはわからないが、誤差があったとしても、プラスマイナスひと月か、数週間か。
そのもっと以前からこちらを観察されていた可能性は否定出来ないが、
私がツイッターを始めた時点まで遡ったとして……
こちらの行動に大きな変化はないから、大きな問題にはならないだろう。
なにせこちとらには成長がない。
ザマヲミロとはこのことだ。
どのことだ。
泣くな俺。気持ち悪い。

──始めは、何が起こったのかと思った。
突如、爆撃を受けたのだ。
ふぁぼ爆撃。
favstarのログが、「saki」(ID:@eliskip)のアカウントによるfav、
つまりお気に入り登録に埋め尽くされていた。
凡そお気に入りに値するとも思えない、
日常の些細なうめきのような呟きさえ、「saki」は好んで収集した。

  後に、私を介してやはり「saki」に侵食されたID:@hm13chibi
  私とまったく同じ感想を漏らすのを聞いて、私は笑いを抑えることが出来なかった。
  「何が起きたのかと思った」、と。
  ププー!! ふぁぼられただけデスよw?

  ……すみません。

いつフォローされたのか? どんな発言を契機としてフォローされたのか?
いかなる基準で、発言をふぁぼっているのか──。
そんなことさえ定かでない、この不気味な「しゅきしゅき攻撃」の前に私は当惑を禁じえず、
杳として知れない目的に戦慄をおぼえ、
いくつかの思考の末、私はある一つの決断を下した。

地球人類を代表して、この未知なる、そして奇妙な生命体「saki」とコンタクトをとるのだと。
「分からないことは、本人に直接きけ」。
これは、今は亡き祖母の教えだ。
「ソープへ行け」。
これは北方謙三先生の教えだ。



■The First Contact



記録に残る「saki」とのもっとも古いコンタクトは、
驚くべきことに、「saki」から私へのメッセージで始まっていた。

朝、「がばっ」と起床ツイートをキメた私に、
「saki」が「あはは、純一あさはやーい♪」 と返しているが、


1


これにはどうやら前フリとして、私が誤爆した経緯があるようだ。
(「saki」ではない)誰かのネタツイートに対し「あはは、純一おもしろーい(白目」と
とカマそうとした私は、誤ってID:@patoranka(通称パトやん)に誤爆してしまったのだ。


2


「saki」はそれを観測しており、
したたかにも、そのままカウンター的に私に浴びせてきたのだ。

  誤爆してんなよ俺。シッカリ見られてんじゃないですか。恥ズカシィー///!!

  そしてその誤爆の喰らい先がパトやんというのも、なんとも味わい深い。
  やはり彼はアレですな。モッてますな。
  ハリウッド映画とかで、トボけた役回りなんだけど
  最後の最後で物語の謎を解く重要なヒントを主人公にポロッと閃かせるような、
  そんな役回りですよ。
  MMRにおけるナワヤですよ。
  人類のキーマンにちがいない。
  そんなパトやんのモッってっぷりが、
  やがてリアルな人類の救済や、宇宙滅亡の片翼にぽつりと関わるであろうことを
  期待せずにはおられません。
  閑話休題。

いや、これは単なる誤爆ではなかった。
私の巧妙なるワナだったのだ。
「saki」が高度なコミュニケーション能力を保有すると見込んだ私は、
「saki」自らが、こちらに対して「なんか言うたれ」と思わせるように仕組んだのだが、
まんまとうまく運んだというわけだ。
うそじゃないぞ。
ホントにそのつもりだったんだからな。
ぱ、パトやんにもナイショだったんだ。
敵を欺くには先ずパトやんからって言うだろ!!
うっせうっせばーか。

……いずれにせよ、
かようにオイサンは「saki」との対話の嚆矢を放つことに成功したのだが、
このあと「saki」は恐るべき獰猛さで、我々地球人類……否、
アヤツジストを脅かすことになる。
その危険な攻撃性は、こちらのツイートにニョジツに現れている。


3


なんと恐ろしい!!
「子猫ちゃん、ヘタに俺にちょっかいかけるとヤケドするぜ?(ドヤ顔」
と言わんばかりである。(ドヤ顔
そしてその脅威に、カンゼンと立ち向かった私の呟きがこちらだ。


4


ラブラブか俺は(呆。

いや、えーと。
別にオイサンとサキさんのラブいところを見せ付ける話じゃなくてですね、
斯くしてコンニチまで、およそ「友情」と呼びうる関係を維持してきたのであるが……
いよいよもって、直接「saki」と邂逅する機会を我々地球人類は持ちえたんですよって言う、
そんな風に持っていく予定だったんだけど
もうイイやどうでも。


──これは、謎の生命体「saki」と、ある一人のついったらーの、
  文明と種族を超えた邂逅の記録であり、
  オイサンと岡山からなんか研修で関東に出てきたサキさんがオフ会しましたよっていう
  オフレポです。


オイサンです。

ここまで前置きね。長かろ?



■あらすじ



ざっとまとめます。
サキさんは大都会岡山で、なんだか難しい、おクスリ関係の研究をなさっている方です。

おおむね、上で書いたような経緯があり、
オイサンとは結構前から相互フォローの関係です。

始まりはあんまりよく憶えてませんが、
サキさん曰く、絢辻さん関係でオイサンのブログを見つけて下さり
あちらからフォローして下さったということみたいです。

オイサンのフォロー/フォロワーさんには、
どんなことが話題の中心に来る人か(どんな話題をきっかけにしてフォローし合ったか)、
つまり何クラスタの人かという傾向が大体ありますが
(といってもオイサンが勝手に識別のために貼り付けてるだけですが)、
その主なところは

  ・ 『アマガミ』『キミキス』から入ったギャルゲー周辺
  ・ 『ひだまりスケッチ』周辺
  ・ その他のアニメ・マンガ・ゲーム周辺

みたいな感じです。
あとはそれに必ずしも属さない「ノンジャンルかわいいツイート」の使い手の方々。
世間一般的には「ネタクラスタ」に属するのかもしれませんけれども。
面白いこと、かわいらしいこと、
心の和むツイートを信条とされているような方々。

サキさんに関しては絢辻さんをフックとして通じ合ったため、
オイサンも彼のことを『アマガミ』成分をベースに
ノンジャンルの成分を多めに持ってらっしゃる方だと思っていました。
その後のツイートを見る限り『ストライクウィッチーズ』あたりが好きなんかなー
と思ってた。

デそのサキさんが、先週一週間、
お勉強のために関東にこられるということだったので
都合をつけてお会いしましょうという運びになりました。

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お写真は、木曜のゴハンの時のもの。前菜とお椀ー。

最初はフツーに一日だけの予定だったのが、
結局、火曜から土曜までの五日間のうちなんと三日。

  予定していた木曜の都合が一時怪しくなったため、急遽火曜日に短くお会いして、
  結局木曜日も確保出来たので今度は長めにゴハンを食べて、
  デ、そこでおしまいになるハズだったんですけれども、
  以前未来飲料博覧会のメンツで画策していた
  町田・馬肉せん滅作戦の決行が土曜日に決まっておりまして。

   ▼戦え未来戦士~エクリプス未来飲料まつり -更新第773回-
   http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/-773--5400.html

  うっかりその作戦を漏らしてしまったところ、
  「参戦したい」という申し出をサキさんから戴きました。
  ムムウ。
  何せ敵は強大です、戦力は少しでも多い方が良い。
  とはいえ、迷いました。
  彼はまだ若い。二十代前半です。
  馬肉の四戦士は、一番若い馬肉ブルー(※1)も二十代後半、
  オイサン含むあとの三人に至ってはアラフォーです、
  いつ死んでも惜しくはない(※2)
  彼の様な若い命を、危険な馬肉の戦場に赴かせても良いものか。

  しかし彼の真剣なまなざし、
  切れ長の、ときどき眠そうな目(アカンがな)を見ていると
  無下に突っぱねることも出来ず、
  危なくなったらすぐに逃げるようにと約束をして、参戦を許可しました(※3)

   ※1:wibleさん。
   ※2:惜しいです。
   ※3:町田・柿島屋さんは安心・安全な馬肉料理屋の老舗です。
      メンチが絶品!


とまあそんないきさつで、土曜日にも合流することとなり、
計3回、時間にして約のべ9時間、お会いしてお話をしたりしたのでした。
ラブいなー。

  ふうアブねえ、もう少しで結婚するところだったぜ。
  求婚はした(ガチ)。
  しかし日本の婚姻制度が追いついて来なかった。

マ終盤の二時間はお話も何もなかったんですけどねw
詳しくはのちほど。
馬肉せん滅戦も含め、なかなか楽しく濃いい一週間でありました。



■知的生命体「saki」~その血統~



実際お会いして話をしてみると……いやー、到底かなわんわ。

もともとオタク系の人かと思いきや、
オタク系のカルチャーを取り込み始めたのはここ数年のご様子で、
ギャルゲーにいたっては『アマガミ』が初なのだとか。
だってPS2も持ってないっていうんだもん。
ゲーム自体そんなにおやりにならんとのこと。

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コロッケと焼き物。 !謎の生命体のすがたが!!

もともとは本を読むのが好きで、
原作に触れずに二次創作を楽しむという一風変わった楽しみ方をなすっているあたり、
やっぱりちょっと未知の生命体です。

  マそういうのもアリだとは思います。
  原作ラノベを読まないでアニメ版だけガリガリ見ているオイサンが
  びっくりするところではないかもね。

それよりびっくりさせられたのは、
サキさんの、趣味的なモノゴトに対するときの姿勢でした。
なんかもう、それは趣味や遊びというか、
一種の勉強やオシゴトめいた取り組み方のようで……

先方が『ストライクウィッチーズ』がお好きらしいことは知っていたので、
オイサン先週の月曜日、見に行くのを伸ばし伸ばしにしていたその劇場版を
とうとう見に行ったのですけども(感想は以下↓で)、
その話をちょっと振ってみたら……
なんだかアニメの色使いの話に始まり、
「『ストパン』では水の色が一風違っていて、
 画像から色を引っ張ってきて比べてみた」
とか、
ウオーなんじゃそらと。
ひたすらアホみたいに画面を眺めて「ライン川きれいだお」状態だったオイサンは
なんかもう死ねってカンジ。

まあオイサンだって、興味の湧くこと、疑問の湧くことが
趣味の分野で無いではないですけれども、
よっぽどでないとそこまではいたしません。
サキさんは、色に関しては趣味で何かと調べたりベンキョーしたり、
資格まで取られてる(!)ご様子なんですが、
趣味の域を超えてるところがやっぱりおありになる。
突き詰め方が違う気がする。

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揚げだしドウフとデザートの枝豆のアイス。どっちもとてもおいしい。

他にも作曲に興味がある? とかで、
この上京中に音楽系のフォロワさんと会って話を聞いてきただとか、
ネット麻雀もたまにやってはるなー、
ずっとやってはるんかなーと思いきや、始めたのはやっぱり最近で、
強い麻雀ソフトを作るアルゴリズム?的なものをどっかから引っ張ってきては
そのメソッドを実践して、どのくらい勝ち負けを均せるか
(実際は「勝つ」打ち方ではなく、「効率的に」「負けすぎない」か、
みたいなものらしいんですけど)
みたいなことを試しておられたり……。

趣味における快感の感じどころが、
多分オイサンとは異なるところにあるのだろうなと、
お話を伺っていて思いました。

たとえば、オイサンは麻雀をろくに打てませんが、
仮に趣味で打つとしたら、やはり「気持ちよく勝つ」ことを求めてしまうと思うのです。
あんまり考えず、ラクな自分のまま、勝てることがキモチいい。
それがサキさんはそうではなく、そこにある仕組みのようなものが
解き明かされていくことが、キモチいいのではないかと思う。

音楽にしても、オイサンが曲を作るのであれば……多分、
アホみたいに時間をかけてしまうと思います。
オタマジャクシの書き方並べ方から始まって、
まずは自分の書きたいものを、
自分で考えて書いたり消したりしてみて、
それを重ねていく過程の中で、
恐らくは既存の概念の中で体系化されたことにも触れていき、気付き、
ようやく自分らしいものにゆび先をかける……そんな効率の悪いことをすると思います。
それはオイサンが、とりあえず手を動かしていないと不安な焦り屋サンだからです。

多分、サキさんのスタートラインはもう少し上からになるでしょう。
じっくりと、既存のものをよく見つめて学び、
差分をとるようなところから始まって、
「まだとられていない差分」を見つけようとするのではないでしょうか。
イヤわかんねえけど。
想像ね。

  まあ、勉強の仕方としては普通なのかも知れませんけども。
  ……オイサンが怠慢なだけか?
  案外、むこうがビックリしてたりして……。
  ……ありえるなあ。

オイサンの場合、ひとたび他人の理論から入ってしまうと
それをなぞった確認だけで終わってしまい、
そこから抜けられなくなってしまう恐れがあるので
意識的にそれを避けようとしているという理由らしい理由も、
まあないではないのですが。

それだと先達の体系的な知識に触れようとしない分、
「基礎」は失われますし時間はかかります。
ゆえに、たどり着くものも、ぐにゃっとした、
上澄みをねじっただけみたいなもので終わってしまう危険性も高いわけです。
幾らか独創性のようなものも出るかもしれませんが、
土台のしっかりしないヘンな形のタワーみたいなもので、
上の方のカタチは見たことないキレイな物に出来たとしても、
ちょっとした地震で倒れてしまうことウケアイ。
うーむ。
昔っからこんなカンジのヒトなんだよなあ自分は。

  ……別にオイサンの話はいいんだよ。
  まあこんな風に、ヒトとの出会いは、
  自分のことを振り返るきっかけにもなるのが面白いところですけどね。

他にもサキさんは、字があまり得意でなかった幼い頃、
字のうまい友人の文字をかっぱらってきて
それをなぞって矯正しようとしたといいます。
やっぱ、その姿勢が立派だと思うんですよね。
趣味の中にも学びの姿勢がとてもとても感じられて、なんかこう……
そういう風に育てられたのでしょうかね。
あまりご家族のお話まではお聞きしませんでしたけれども、
そういう姿勢や「それが当たり前である」考え方の源泉が果たしてなんだったのか、
その辺をお聞きすれば良かったなあと、
『サマーウォーズ』の感想かいてる場合じゃなかったなとw、
ちょっと思ったのでした。

  なんでここで『サマーウォーズ』が出てきたのか?
  それについては「後編~町田・夏の陣」でw


 ▼他の顔

まあそんなんで、お会いする前はワリと典型的な
「オタク趣味の理系のヒト」だと思い描いていたのですが前提からして崩され、
寺社巡りをしたり、
写真も撮ったり、
昔ながらのラノベが好きで、歌も歌うし絵も描くしという、
ますます地球に何をしに来たのかよく分からない知的生命体になって
宇宙(=岡山)へと帰っていったのでした。

あ、でもゆるふわ系アニメが好きってのは間違ってなかったみたいです。
あと豆腐が好き。

なんかそのー、ね。
ちひろパパさんなんかは「オタク趣味の理系のヒト」というシルエットで、
そこそこはみ出さないで、スッキリまとまってくれるのですよ。
ワリカシね。
ただその材質が、アルミかと思ったらイリジウムだった、
くらいのギッシリ具合はあるにせよ。
輪郭からははみ出ない。

オイサンはまだまだサキさんのシルエットを、
大体どんな言葉のフレームで捉えて良いか感じあぐねているのです。
多分。

けれども彼の、何かにカチンとぶつかったときに、
全身から探査用の触手みたいな物がみゃーっと伸び出してワサワサと調べ上げ、
それと楽しく仲良くなるために、何か方法を考え、
思いつくことを試していこうというその姿勢こそが、
今のところオイサンに見えている彼のコアなのではないかなあと思えます。

  まさにノンジャンルかわいい系。

……マそもそも、人を捉えるのにそういう風にしか出来ないのが
オイサンのあまり良くないトコロなのかもしれないな、
とは思うのですが。

どーしてもねー。
人を、その、外形のようなものに入れ込みたがるんですよね。
なぜだろう。

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これは何だっけ。ナントカとエシャロット。しゃきしゃきしててこれまた美味しいです。


ああそうそう、これは余談なのですが。
木曜日にサキさんをお連れしたのは
御茶ノ水の「いるさ」という和食のお店でした。
事前のリサーチで、サキさんが豆腐がお好きだということがわかっていたので
多少それっぽそうなお店を探してみました。
デ、そのお店を探す過程で、
サキさんが主に茗荷谷を中心に活動するということを聞いていたので
その近辺のお店も当たってみたところ……


なんと。


ロシア料理「ソーニャ」などという、
神様のイタズラとしか思えない店が見つかってしまい、
二人でうろたえまくったのも今では良い思い出です
(オイサンが見つけるより先に、サキさんも見つけていたらしい)。
マ結局今回は見送ったんですが。
でもサキさんは、お昼に一人でボルシチとピロシキ食べに行ったらしい。
ずるいぞ。

▼キルミーベイベー ED

金髪ツインテがソーニャちゃんです。そのくらいわかれよな!


……と言ったところで、ちょっと長くなってきたので一旦CM入りまーす。
「後編~町田・夏の陣(『ストライクウィッチーズ』劇場版・感想など)」へつづく。




 

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2012年7月 1日 (日)

■しゃーなし人生、気になります!~2012年4月期アニメ感想 -更新第782回-

ゆるキャラが目から媚薬出したりするか!!!


皆さんこんばんわ、このたび、世界根も葉もないツッコミ選手権、
日本代表に選ばれましたオイサンです。

六月も終わりったというのにここ数日の涼しさ、
ヘタすりゃ肌寒ささえ感じるこの気候は何事でしょうかね。
あ、都下の話ですけど。
えらい涼しかったんですよ、先週何日か。
今もかなり空気ひんやりですしね。
そんな気候だモンで、まさかもう春アニメが終わり夏アニメが始まろうだなんて……!!

……というわけで、例によって、さらっとですが、
今期(既に前期か)の作品の簡単な感想なんぞ書いておこうかと思います。

今期、結局真面目に見たのは、以下の13本でした。多いなー。

 『黒子のバスケ』
 『これはゾンビですか?of the DEAD』
 『坂道のアポロン』
 『戦国コレクション』
 『黄昏乙女×アムネジア』
 『つり球』
 『夏色キセキ』
 『氷菓』
 『モーレツ宇宙海賊』
 『ゆるめいつ3D』

 -------- キリトリセン --------

 『シャイニングパン屋』
 『謎の彼女X』
 『這いよれ!ニャル子さん』


キリトリセンから下は見たり見なかったり、流したり。
それ以外の並びは50音順です。
あと、『咲』は全部録ってあるので、多分ぼちぼち見るでしょう。
……といいつつ、前期の『LASTEXILE』もまだ見てないので微妙でしょう。


■総評

今期は面白いものが多かったですね。
そうでなきゃそもそも10本も見ませんが、特段無理をしたというワケでもなく、
あーアレ見ないと、コレも見ないと、と楽しんで見ているうちに期が過ぎ去ってしまった。
ですんで、上位十本はそれなりに、
最後まで何か尖った良さを持っていたということになるでしょうね。
やっぱり、テレビアニメの全体的なレベルが上がっているように思います、昔に比べて。
マ私がオッサンになって、
(これでも)色々許容出来るようになってしまったってのもあるかも知れません。

今期特徴的だったと思うのが、
面白さの度合いの描く曲線が、作品によって顕著にまちまちだったこと。

  冒頭スタートダッシュでそのまま逃げを打つもの、
  中盤あたりでダッシュをかけるもの、
  特別どこで盛り上げるというわけでもなく、終始同じペースで、
  しかし常に平均以上の馬力で走り続けるもの、
  色々でした。

逃げタイプとしては『つり球』『アムネジア』、
中盤ダッシュが『氷菓』『これはゾンビですかOTD』、
平均タイプが『モーレツ宇宙海賊』『黒子』、
個人的な受け取り方ではありますが、そんな印象。

逃げとかダッシュとか言っても、
ダッシュ時以外がつまらないかと言えばそんなことも決してなく、
特に力を入れているポイントがどこに見えるか、というだけですが。
2クールものでまだ終わらないものも混じってますけども。

だもんで、
「こっちの作品が一息ついてる時はこっちが盛り上がってて」
みたいな状況が幸運にも期せずして生まれ、
全体の時間を通せば全部が鎮まっている時期がなくて、全体通してタイクツしないで済んだ。

あと、理解しがたい面白さのものが複数あったことも特徴的でした。
どれかというと、『戦国コレクション』、『これゾン』、そして『つり球』。
『つり球』は、
最終的には王道青春ストーリーに落ち着いてワケが分からなかったのは前半だけですが、
それでも、あれだけイミが分からないのに中盤まで面白く見られたのは
やはりよく分からない。
『戦国』に至っては
「一話目のフンイキが、なんか良かった」としか言いようがない。
合間合間に不条理劇がはさまったりして、
たまにハズレの回があっても最後まで毎週見る気にさせてくれた。
『これゾン』は……
ふりきれた言葉選びとテンション、これに尽きるので、
その振り切れ具合が肌に合わない人はもうついていきようがないでしょう。
マ「原作ファン向け」といってしまえばそれまででしょうかね。
オイサンは運が良かった。

作品それぞれについては以下で書いていきますが、
ホント、バリエーションに富んでて実に楽しい期でした。

以下、作品個別に。



■うれしいのか、かなしいのか? 『つり球』

『つり球』は、序盤は面白いというよりも
意味の分からなさと画面の美しさで引き込んでくれて、
中盤以降、実は王道だったということが見えてきて安心感にかわるという
あまり感じたことのない流れで見せてくれました。
非常に面白かったしノリ易かった。
音と絵が非常に自分の好みに合っていたというのがラッキーでした。



冒頭のぶっ飛び具合において行かれてしまった人も多々おられたようなので
ちょっとやり過ぎだったのかも知れませんけれども。
また画的に「輝度彩度が高すぎて目にツライ」と言う方もおられて、
おおそういう欠点もあるのか、と思いましたが、
確かにそういう方にはあの画はツラそうです。
特徴的といえばそうだし、クセが強いといえばそう。
今期の『アポロン』や『放浪息子』同様、見た目的な、分かりやすい表現のカタチってことで。
自分にはスカッとハマってうれしかった。

ちょっと残念だったのは終盤。
ハルと敵の、正体と目的が明かされるくだりで、
真実がアキラとハルの間でしか共有されておらず(あとアキラの正体もか)、
その後何度も語られなければならなくてテンポが悪かったこと。
視聴者には既知の事実を作中の人物のつじつまを合わせるために
何度も聴かされるのは、ちょっとなーと思いました。
それと、ユキがハルに操られてイキナリ名古屋まで距離を置かれる展開も、
盛り上げるためのムリヤリ感、ご都合臭はぬぐえない。
惜しいです。

けど、10話でハルがユキにキレるシーンと、そのあとのユキの
「俺、釣り大好きになっちゃってんじゃないかよ」
っていう台詞はさりげない上にも名ゼリフ・名演技だったと思います。
泣ける。コレ書いた脚本家さんはすごい。
あとケイトばあちゃんは主演女優賞w ババア大活躍w
やっぱ女の子向けを意識しているのか、
若い女性陣がちょっとパンチ効いてなかったのが、残念といえば残念かなー。
キャラデザインが好きなだけに。
まあこれであんまり萌え萌えされても引くかもだけど。
クラスメイトの女の子、大して活躍しなかったくせに
ラストバトルではメインどころに混じっててちょっと?マーク。
ほんとはもっと、前に出てくる予定だったんでしょうね。

細かくさらってみれば、
アキラの感情の波にちょっと無理があるんじゃないかとか、
序盤ナツキがさらっとイイ奴になり過ぎじゃないかとか、
あるといえばあるんですが、
その辺はワケの分からなさに戸惑ってるうちにごまかされてしまった感があります。
キホン、絵と音の良さ、声優さんのお芝居のイキの良さで楽しませてくれた作品ですが、
いやあ、
こういうパワフルなの好きです。
面白かった。

点数つけよっかな、どうしよっかな……。
まあ今期の作品同士の間での比較くらいの、目安のイミでつけましょうか。
『つり球』、9点。



■てーいち君になりたい。『黄昏乙女×アムネジア』

『アムネジア』は、出だしのおばかでえっちでゆるゆるな展開でノセながら、
且つ、オカルトで行くのかコメディでいくのかという思わせぶりな展開を作っておいて、
後半のシリアスな流れに導きいれるという……
まあ大方予想通りの構成だったわけですが
(……だったので、後半のシリアス展開に入ってからは結構積んでしまった)、
その構成のおかげで、ソツがなく、隙もなく、
毎話毎話タイクツしないすばらしさでした。



……あのですね、20数分×11~13話というフォーマットで、
如何に視聴者をタイクツさせず、盛り込みつつ、盛り上げてオトすか、
という技術が、色んなカタチで成熟してきているのを感じます。
それが今期、様々なカタチで実を結んだ感じですね。
『アムネジア』はその、現時点での集大成に近いんじゃないでしょうか。

  そんな中で、
  原作のチカラによっかかって昔のままのつくりで勝負してきた『ニャル子さん』を、
  オイサンがあまり楽しめなかったのはまあ当然と言えば当然、な気がします。

面白い。
むやみに重過ぎず、むやみにえっち過ぎず、むやみにバカ一本でもない。
コミカルさと、緊迫と、えっちくささを程よくブレンドして
「どれ」と言わせないスタンスを自ら作っていたと思います。
まあ前半のノリから根っからのコメディを最後まで期待した人とか、
ゴッスゴスのオカルト展開をもっと早くから望んだ人には
このどっちつかずなブレンド具合は、裏切り行為としか映らなかったかもしれませんが、
オイサンとしては前半の流れから予測した通りでして、
その上で尚面白かったので大変に素晴らしかったと思います。

終盤の展開なんかについてはもう、うらやましい・悔しいくらいで。
オイサンが過去に書こう、書きたいと思ったことが、
オイサンなんかが描くよりもよっぽど上手く面白く描けていてうわーってなってました。
夕子さんの痛み苦しみ恐れ、すごかった。

最終話はなんだかあまり評判がよくなかった? みたいですけど、
個人的に、特に不満はなかったです。
夕子さんが最終的にあのおバカな姿に落ち着いたのなら、
ああいうことはあるだろうな、と思えたので……ヘタに綺麗にまとめるよりは
ああいう素っ頓狂な終わり方が、ベタではあるけどよかったかなと。

いやあ。
今期はホント豊作。実りのクールだったと思います。
『黄昏乙女×アムネジア』、9点。



■人生まとめて、しゃーなしだ! 『これはゾンビですか?OTD』

化けたというワケではなく、オイサンが見落としていて
「あ、コレやっぱ面白かったんだな」と中盤で気付かせてくれた『これゾンOTD』。
3話目か4話目の、プラモ壊されてメイドカフェに行く回で完全に虜にされました。
面白すぎるよw



いやー……。ホント、意味わかんない。
「こんなん面白いハズがない!」
と、今でも思っているのだけど、事実、心から面白いからどうしようもない。
大好き。

『アムネジア』と違いこちらは基本コメディですが、
ときどきちょっとスプラッタ描写やしんみり展開でシメて見せ、
あとはラノベお得意のお約束とえっちい感じで楽しませてくれました。
さりげなく音楽も良いし、テンポがいいし、
その緩急のテンポと、あとはネタのひねくれ方が
オイサンの生理にマッチしてたってことでしょう。

シメどころも、所詮はコメディのオマケと割り切ったあっさりさで
面倒くさくならない程度。職人芸だなあと感心します。
正直、シリアスやしんみりはなくても問題ない要素だったと思うのですが、
ずーっとあのバカノリを続けるだけでは
コッテリし過ぎてしんどいだろうし、アユムの人柄もうまく出せないしで、
緩急づくりのためには必要なパーツだったのだろうなあと思います。
そもそも、原作通りなのでしょうしね。

今期、キャラクター皆を、
いわゆる萌えアニメ的な意味で愛せたのはこの作品だけですね。
ユーも葉っぱの人もセレスも大好きなんだけど、
竹を割ったようなハルナがやっぱり一番かわいいと思います。
でも「ポイントカードくそ虫」とか「くそダーリン」とかは言われたいです。
見ててホント楽しかった。
「くそダーリン」はオイサン的ツボ台詞大賞受賞。
ハルナの「しゃあなしだ!」「だーよなー!」が聴けなくなるかと思うと寂しい。
終わらないで欲しいです。
OPもムダにかっこいいし、次回予告もアホくさくて面白い。
存在自体が隙なのだけども、それを除けば隙がない。
足元をしっかり捉えて己を貫いた、100点満点を上げたい作品です。

  同期に『ニャル子さん』がいたのが不遇ですね。
  決して『ニャル子さん』の方が面白い・デキが良いというんではなく、
  話題性では敵わない、ということです。

なんとなく終盤になって、
この先、永遠に(?)死ぬこともなく、年をとることもなく、
一人生きていかないといけないアユムのことを思って
胸を痛めえてさえいる自分がいました。
そういう作品ではないんですけどね。
底抜けなオバカ加減の端っこに、何故かそういう隙間風を感じてしまうのです。
9点。



■そんなに気になりますか? 僕はなりません。『氷菓』

途中でゴロンと氷菓が変わったのが『評価』。

  逆だろ。
  すみませんわざとです。

前半の、長い古典部の部誌のエピソード、
あれを抜けて1話2話構成の短い話に入ってからが急に面白くなってびっくりした。
千反田さんがネタキャラ扱いと言うか、
「気になります!」が彼女のお家芸、お話を始めるための様式美として
発射されるようになり、且つ、
ホータローさんが……これもまた「芸」として……
それを「ぼやき芸」で処理するようになった辺りから、
つまり、各人が「人物」としてよりも「キャラクター」として
自らを機能させるようになってから、ようやく面白くなった。
これはやっぱり「ラノベ」、キャラクター小説であって、
一般文芸作品としては不十分なんじゃないだろうか、と思いました。
マそれでもそうなることでアニメ作品としては見やすく面白くなったので
いいんですけど。
そこからは面白かったです。

まあそれもこれも、
オイサンがそもそもミステリーを得意としないからってのは大きいのですが。  
いかがでしょ、ミステリーとしての評価は。
コレ面白いの?
まだ終わってませんけど、現時点での評価は8点。
上がりそうな気がします。



■次回予告が面白かったのだよ。『黒子のバスケ』

文字通りのダークホースというか。
我ながらびっくりしつつ面白がって見てるのが『黒子のバスケ』。
最初はホント、ジャンプ作品とは思わずに見始めて、途中で気付き、
「俺がジャンプアニメを楽しんでみている!?」
とびっくりするなど。

  別に毛嫌いしてるわけじゃないけども、今まであまりなかったことなので。
  大体、マガジンのマンガだとばっか思ってましたよ。

主人公がツートップだけっていう頼りなさがなんか新鮮です。
チーム全員個性派とか、四人組くらいが最近の定石な気がしてたんで、
カガミくんと黒子っちが出てきた後も
「もっと色々濃いいのが出てくんだろ」と思ってたんだけど
主役格でスーパーマンなのはこの二人だけ。
あとはワリと地味な(一応キャラは与えられてるけど)先輩方で周りを固めるという、
「バディ&周辺」のキャラ配置がなんだか新鮮です。



二人だけで話がもつのかな、と不安に思ってましたけどちゃんと面白いです。
その分、カントクや敵キャラでスパイスを効かせてる。

お話の展開はいかにもジャンプというか、
週刊少年マンガ誌のいいところをきっちり集めた、これまた職人芸ですね。
肩の力を抜いて筋トレしながら見られる、娯楽作品のお手本みたいでした。
難しいことを考えなくても、意外性も何もなく、
こちらの考えた通りにしかならないのでラクに見られます。

あーそうそう。
カントクは、
「ヒーヒー言わされながらぐっちゃぐちゃにいたされて欲しいヒロイン」
部門の今期No.1です。
……イヤな部門賞だな。
夏のビックサイトでひどいめにあえ!
エロ同人みたいに!(←「みたい」じゃねえだろ)
7点。



■勉三さん、まだ学生やりよると? 『坂道のアポロン』

『アポ道の坂ロン』は……こないだ書いたからいいや。
面白いです。
音は言わずもがなすばらしく、絵もきれい。
でも……っていうね。
完成度が高すぎて、ほころびがすごく目立ってしまった感じです、ホント。
文句つけることじゃないと思うんだけど。
出来る子に対して、欲を出してやたら叱ってしまうえらい人の気持ち。
うーん。

なんだろう、ホントにねえ……この三人には色々と、矢継ぎ早に起こり過ぎで、
「この中に『おうごんのつめ』を隠し持っている者がいる、出てきなさい!」
と、先生に持ち物検査をされても文句が言えないレベル。
九州の高校生の青春は波乱万丈だな!
サン・アターーックッ!(波乱万丈違い)
もう少しだけ、穏やかに生きてもらいたい。
ドラマがありすぎです。

総じて悪い評価は聞かれず、最終話にしてもそうだったのですが、
オイサンは中盤以降の展開は、やはり詰め込みすぎで、
ラストがああいう形で落ち着いてしまったのは食い足りなさが残りました。
8年という時間が軽く扱われすぎてしまった感。

あせらずに、もっと小さいところで話を区切ってしまって良かったんではないかなあ、
と思いつつ、それはそれで、この作品のテーマとしては絶対に不十分だよなあ、
とわかりつつ。
どのエピソードも必要で、それぞれもこれ以上は縮められなくて。
じゃあどうすんだ……話数増やすしかないだろ、って結論ですよね。
「11、2話で作るならこれがベスト」って言い方は出来るんですけど、
そんなもんベストでもなんでもないと思ってしまいます。
ベターでさえなくて、レッサーグッドというか、
一番目と二番目に強いやつが出てない大会で優勝、みたいなカンジ。
ポジティブに捉えるのは、この際間違いだと思う。
これに対しては
「面白かった! すばらしかった! お疲れ様! 
 けど足りねえ、分かってると思うけど!」
って言うのが、やっぱり正しいんだと思う。
「楽しめたのだけど楽しみきれなかった」という、
後ろ髪引かれる思いを残してしまったのは、やはり失敗なのだ、と言いたい。
デ、その上でやっぱり、面白かったです。
ノイタミナ枠すごいなー。
8点。
もったいなかったです。


■これも戦国ぅー。『戦国乙女』

イミわかんねえといえばこの人です。
乙女じゃねえよ。『戦国コレクション』。
いやー……後藤圭二、侮りがたし。
オムニバスって、上手にやればこんなに面白かったんだなー。

正直、ナカミとしちゃあそんーな面白いモンでもないと思うんですよ。
イヤほんと。
「ギャル化した戦国ファンタジー武将が現代に飛ばされてきてダラダラする」
っていう、ナンジャソレ。
一話一話の中身は、不条理なものは不条理だったりして面白いこともあるけども、
キホンべったべたですしね。
面白いものじゃあないんだ。

けどそれを、
普通にかわいらしかったり、アクションで見せたり、
さっぱりもってイミ分かんねえことをさせてみたり、
ありきたりな人情話にしてみたりっていう、幕の内弁当みたいな、
次何があるか分からない的なものにすることでとりあえず見せ切ったということと、
それをしっかり計算して構成したことに価値があるんだと思います。
引き出しの一つとして、このやり方は憶えておきたい。

後藤カントクとしては、あまり新しいアタマは使わないで、
過去の引き出しを漁って出てきたものを並べ替えて、
「あとは大体、これコレこーいう感じで!」っていう、
比較的、ラクではないけどおいしいお仕事だったんではないかなあ、
というのはオイサンの勝手な妄想。

言うなれば、
美味しいお惣菜を売ってるスーパーを数軒見つけてあって、
そこから買ってきたお惣菜を詰め替えてお弁当をこしらえた、みたいな、
そんな出来栄え。
いいんですよ、飽きずに最後まで食べられるんだから。
「美味しいお惣菜を売ってるスーパーをたくさん知っている」ってことだって、
イマドキ大事な価値だと思います。

あとは、お店の入り口と出口(OP/ED)、トイレをキレイにしてね。
古い喫茶店をカフェに改装しましたみたいな、そんなんだったような気がします。
面白いと言うか、くつろげるっていうのが正しいのかな。

『アマガミ』に、『SS』や『SSplus』から入ってきた人たちの気持ちが、
今なら分かる気がします。
これで『戦国コレクション』をやろう! とは思いませんけど、
こういうことだったんだなー。
ところで驚いたことにコレも2クールやるんですね??!?
コナミさん金持ってんなー。
8点。



■ダメだけど、ダメじゃなかった! ダメだけど!! 『ゆるめいつ』

えーとね。面白かったです。
OP入れて5分もない? すっげえ短いので、
毎回「もうちょっと見たい」と思わせられてそれが良かった。
コレを30分でやられたら、多分見なくなってた。
エピソードもう1本足して5分やるか、
1本のもう少し長くして7、8分でやるかくらいが
毎回の満腹感もあってよかったんじゃないかなあとは思いますが。
でも楽しかったです。
10分あっても良かったんじゃないかしらね。
点数? 難しいな。7点。




■『夏色キセキ』

うーんw マとりたてて、面白くはなかったですね。
『夏色』は終始一定したテンションだったとは思います。
ただそもそものコンセプトは、オイサン向けではなかったです。
どーなんだろ、売り物として、あの作品の目指した平熱と、
求める層……つまりスフィアファンの皆さんの嗜好が合致すんのか、
というところが疑問。

なんか、りぼんとかなかよしとか、
低年齢層向けの少女マンガ雑誌の内容だと……思うンスけどアレ。
程度が低いというんではなく、
キャラクターとしての女子の描かれ方とかメッセージの伝え方が。

『プリキュア』的な、子供にも分かるプリミティブな
(プリミティブゆえに大人にも通用する)強さ熱さを磨き上げたものでなく、
かといって、純粋に大きなお友達向け日常系のテンションでもなく。
ヒロインの彼女らに憧れるような年齢の女の子が見て
ようやく楽しめるものである気がいたします。

ちょっと……よく分からなかったなー。
いかがです、スフィア好きの皆さん。
オイサンは別にスフィアであるところのスフィアには興味ないので
よく分かりません。

お話の筋自体も、さほど好きにはなれませんでした。
『たまゆら』と似た感じかなー。
話の仕掛け自体が面白いわけでもなく、話の外側の雰囲気が取り立てて良いでもなく。
あまり感心はしませんね。
6点……かなー。



■『這いよれニャル子さん』

うーん……。楽しめませんでしたねえ。
正直なところ、なぜここまで話題性があったのか、それが先ず謎な『ニャル子さん』。
原作人気なんでしょうか。声優人気なんでしょうか。
OPの歌がすごくキャッチで、
イッパツ目で見ている側のテンションを上げたっていうのが、
なんとなくですが、大きい気がしてます。
オイサンの中では。

台詞のマクシタテのスピード感押しとパロネタが主たる売りモノだと思いますが、
あの速度が、オイサンは結構しんどかった。
テンポが良いのではなくて、オイサンにとってはテンポがちぐはぐで、
悪いものをムリヤリ押しこまれている感じが強く、それでしんどかった。
早いもの、まくしたてるものは決して嫌いではないので、
何か、速さ以外の違う要因があるのだと思います。

その一因としておそらく、『ニャル子さん』は「画が動かない」。
「動画枚数・カットが少ない」という物理的なイミにおいて
飛びぬけて動いていないワケではないのだと思いますが、
印象として、まくしたてられる言葉にこめられた情報量との対比として、
画が本当に動かない印象が強かった。
だから見ていてすごくタイクツだった。
言葉によって流される時間と、その間に目で見える動きに差がありすぎて。
それはもう見せ方のウマイヘタの問題で、
動画枚数で定量的に評価できるものではないと思います。

  だからもしかすると、ドラマCDとかだったらいくらか違ったのかも知れない。

カット割りとか、レイアウトとか、技法的なことは詳しくありませんけど
その辺のことが良くなかったのではないだろうか、と思っています。
マンガで言うところのコマ割りとコマ運びが単調だったんじゃないのかなあ。
頑張ってないわけじゃないと思うんですけど。
エンディングの、横長画面を真横いっぱいタテにつかうのとか、
結構好きだったんですけど。

毎エピソード、
話の基礎部分(起承転結など?)は生真面目に守って作られていたと思うのですが、
その中身に工夫や意外性はなく、
あとはアスミンのがんばり(=キャラクターのキャラ性能)と
パロディネタがすべてだった。
というか、これは「そういう作品」なんでしょうね。

あとは、
見栄えよくその世界に退屈させずに引き込む見せ方があった……
んじゃないかと思うんですけど、
それを最後まで見つけられずに終わってしまった感じです。
それを求めるのは贅沢なのかしら。
うーん。
5点……か。



■モーレツ宇宙海賊

えーと、故あって放映終わったんですけどまだオイサン4話くらい残してます。
最後のひと盛り上がりの手前ですね。

んだけども、すげえ面白いんですよ。
SFベタなオイサンが、「あSFってこういうもんか。すげえな」と思うくらい。

けど不思議なことに、ご本人(=作品自体)は「え?何が?」っていう顔をしている。
格別、何を盛り上げようとしている気配も感じないのです。
どういうことなんだろうこれは。
すごく淡々としているように見えるんですね。
演出が地味というか、起こっている出来事以上に演出しようとしていない、というか、
ああ、登場人物が演技をしていないっていうのかしら。
イヤ、声優さんは演技をしてるんですよモチロン。
ただキャラクターの皆さん、
アニメの中の世界を、物語ではなく生活の舞台としているキャラクターの皆さんが、
そこで起こる出来事に対して過剰に反応していない、
狂言回し的に振舞っていない、と言えばいいのでしょうか。
そんな風にお見受けします。

我々がこの世界で起こったことに対してびっくりする時、
我々は演技をしてません。
しかしフツーのアニメにおいては、キャラクターの皆さんは、
画面の向こう(=キャラクターにとっては日常の舞台)で起こる出来事に対して、
我々がこの世界で起こることに対してする以上に、
+αして感情的に過剰な反応をして「見せて」くれているように感じますが、
その+αが、この作品の方々からはさほど感じない。

……そんな気がいたします。
その分、ジミではあるのですが、それでもなお飽きさせずに、
2クール最後まで引っ張ってつれてきてくれた地力はホンモノだと、
僭越ながらSFの大御所に対して、オイサンは思ってしまったのでした。
いやあ。
みんあ。
ホンモノって、すごいぞ。
9点。



■『シャイニングパン屋』

原作ゲームが持っていた意外性、
「こんなに真剣にパン焼きを極めることになると思わなかった」
というポイントをそのままアニメ化してしまったことと、
狂気のエンディング。
それにつきるんじゃないでしょうかね。
そして狙い澄ましたように、少しずつ微修正されていくエンディング……。

今週は、パン焼き以外のことをするのか?
今週は、エンディングがどう変化するのか?

その二つを見守るための作品だった。
ウム、きっとそうに違いない。
……と書いてしまうくらい、スミマセン本筋はあんまり真面目にも見てないですが、
リックが酒場の姐さんだかに説教されるシーンは
結構グッと来てしまった覚えがあります。
ほかはえーと、別に。
6点? 5点?



■謎の彼女X

これも……ねえ? あんまり面白く見られなかったんですよ。
OPは大好きだったんですけど。
おとなしかったなー。
謎だ謎だと言われつつ、
ヒロイン卜部さんの謎っぷりがあんまり際だたなかったというか、
インパクトなかった。

言葉でいろいろ言われるんですが、画ヂカラが足らなかったように感じます。
アクションとして動いたりはするものの、
それは物理的なすごさかっこ良さであって、
謎という一面に直結せず、ノーミソが興味を引っ張られない。
『氷菓』における、あまり好評ではないにせよ、あの文字演出のような
言葉をイマジネーションに、イマジネーションを画に置き換えたことでの伝達が、
もっとされても良かったみたいに思う。
要するにこう、口先だけでスゴイスゴイいって盛り上げようとしてる様に見えてしまうのですね。

  あ、『ニャル子さん』もそれに近いものがあります。

ただの高校生男子の妄想日記で終わってしまった感じですね。
原作読んでませんけど、
植芝センセの過去作品から察するに、もっとゴズンと重たい画ヂカラが、
そこにはある前提で成立する作品なんじゃないんだろうかなー。

5点か、やっぱ4点か。



■Closing



マ大体こんな感じで。

まだキッチリと見終わってないもの、
途中から真面目に見られなかったもの、
そもそも2クール作品でまだ終わってないものとかありますけども、
でも、本当によく楽しめたクールでした。

『アムネジア』のところで書いた、
「1クール制の中で、どれだけ楽しめるように構成するかという技術・手法の成熟」
って言うのは本当に感じます。
プロってすごいなー、みんなアタマ使ってるんだなー、と感心する。

また同様に、それを、諦めるというか、手放すことも一つの選択肢ではあると思います。
そうした方が最終的には良いモノが出来ることもあると思う
(『アポロン』みたいに、下手に押さえ込むよりも、
 暴発させてしまった方が良いこともあるのではないかと思う)。

気になるのは、もしかすると今後
「1クールアニメにするために都合の良い原作作品が、
 使い勝手の良い、優れた作品としてもてはやされることになる」
ことが起こり得るんじゃないかなあということで、
「アニメにすることを前提として考えられていて、
 コンパクトにまとめられたモノが良いものなんだよ」
という、オトナの事情でコンテンツの良い悪いが丸め込まれてしまうのは、
イヤな流れだなあと思ったり、した。
もういくらも起こってることなのでしょうけど。
「もっとこうじゃなきゃだめだ、売り物にならない」
みたいなことを言われかねないのかなあという不安。

しかしそんな中でも、そういうタイプではない『モーレツ宇宙海賊』みたいなものがチャンと面白くつくられ、
どうやらBD・DVDの方も売れ行き好調のようなので、
安易にそんな方向に流れないでいって戴けると嬉しいですな。

その辺、アニメ、まんが、ゲーム、ラノベは独立性を守りつつ、
お互いをうまく結びあうインタフェースを確立していって欲しいなあと思います。
そもそも別物なんだからねえ。



やっぱ長くなってしまったけどれども、マそんな感じで一つ。
オイサンでした。



 

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