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2012年7月28日 (土)

■些伽巳・南木曽日記(二日目の続き) -更新第793回-

オイサンが、7月の連休にかこつけて、
フォロワーさんと会ったり長野県南の木曽路あたりをぶらついたりする、
些伽巳(SAGAMI)・南木曽日記の二日目の続きです。

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■南木曽・柿其渓谷へ




 ※ココから先、ちょこちょこと【南木曽・柿其渓谷 観光情報】が入ります。
   観光お役立ちっぽい情報をまとめて載っけます。

   なぜイチイチそんなことをするのか、という理由はのちほど、記事の中で。
   マあんまり気にしないで下さい。



南木曽は、正直、近いです。
すごく近い。
名古屋からなら特急使えば1時間。
なんなら旅行してる感が若干モノ足らないくらい。

東京方面からでも、名古屋までのぞみで1時間半だから
オイサンみたいに寄り道しなけりゃ、3時間足らずで来られてしまう。
そう遠いもんじゃない……っていうのは、
帰省で関西に帰ったりする人間の感覚ですかね。

  けど、こないだ行った未来都市さいたま新都心の方が
  よっぽど遠かったよ……(ボソ


 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その01】
  名古屋からは、特急の「ワイドビューしなの」で
  中継駅中津川まで45分くらい。
  そこから、乗り継ぎが悪くなければ15分程度で
  観光の中心駅となる南木曽や、
  オイサンの行った柿其渓谷の最寄である十二兼(じゅうにかね)に着けます。



  えーと、特急の停まるのが「中津川駅」で、
  観光の中心になるのが「南木曽駅」、
  柿其渓谷の最寄が「十二兼」です。
  いずれも、名古屋から近い順。
  こんな↓感じ。

  ▼名古屋
  |
  |45分くらい(特急)
  ◆中津川
  |
  |10分くらい
  ◆南木曽<タクシー・バス・商店あり>他の観光地への中継点
  |
  |5分くらい
  ▲十二兼<柿其の最寄>



 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その02】
  柿其渓谷の最寄りとなる十二兼の駅は、絵に描いたような無人駅で
  駅前には商店はオロカ、公共の交通機関の発着場もない。
  空と山と道と人家と、部屋とYシャツがあるだけですのでご注意。
  そういうものを利用しようと思ったら、南木曽で降りた方がいいです。



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 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その03】
  南木曽の駅前にはタクシー待合所があります。
  多分、一・二台は常駐してる。
  南木曽~柿其渓谷までは20分弱、3000円程度。
  お店もあります。コンビニはないです。
  ……そーいや、あのエリアにいる間、コンビニって一切見かけなかったな。



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 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その04】
  あとで分かることですが、南木曽駅にはコインロッカーもあります。
  中型300円、20個あったかなかったか、そのくらい。
  駅ではなく、駅を降りて道を渡った真向かいあたりにある
  タクシーの待合所(だったかな?)の中です。



 ▼お天道サマにはかなわない。

今回の旅では、正直、雨を覚悟してました。
現地の予報が、一週間前くらいからずっと雨と曇りマークの繰り返しで、
降水確率も40%~90%の間を行ったり来たりしてたんだもの。

  前述のまそサンとの約束があったんで完全にヤメにすることはないにせよ、
  南木曽行きは取りやめにして名古屋をブラついて帰るだけにしようかな、
  とは何度か考えたくらい。

  けどねー。
  雨に降られるのもまた旅のうちなんで、
  マ毎度の「お天道さまにはかなわない」の気構えで、
  雨なら雨で宿でのゴロゴロを楽しむなり、雨の風景を楽しむなりすればいいかと。
  だって、ねえ。
  ツマンナイじゃないの。
  照ってようが湿ってようが、その土地や町はそこにあって、
  人はずっと暮らしてるんだもの。
  晴れの景色ばかり知ってたって片手オチだなーと、
  ……まあ、娯楽としての旅行者としてはよくわかんねえ考え方ですけども、
  オイサンは思ってます。

  そんな肚もありつつ決行を決めたのですが、
  まあフタをあけてみればあからさまに降られたのはほんのわずかな時間で、
  折りたたみも、念のために持っていったカッパも、
  あまり出番はなかった。


マそんな予報だったもんで、晴れ間は逃すまいと、一応こちらも必死。

列車が南木曽に着く17時を過ぎる頃、空はキレイに晴れて夕焼けの光がなかなかキレイ。

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これはもしかしたら最後の好機なのかもしれないと思い立ち方針を変更。
当初は、電車で十二兼まで行ってそこから歩くつもりでいたのを、
電車は南木曽で降りてしまってタクシーをつかまえ
一気に宿まで行って一番のメインである
「牛ヶ滝」だけでも見てしまうことにしました。


 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その05】
  最寄となる十二兼の駅から、柿其渓谷の入り口に当たる民宿などのある地域までは
  徒歩で約4km、一時間弱。
  木曽川を渡るまでは平地とくだりですが、その先、のぼりが延々続きます。
  自販機なんかも入り口と目的地目前くらいにしかない
  (そして十二兼の駅周辺にも水分を補給できる場所はない)ので
  そういうのがダメな人はそれなりに備えて行って下さい。
  つったって、たかだか一時間ほど歩く間、ガマンすりゃいい話ですけどね。



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 木曽川の走る豪快な風景と、起伏に富んだのどかな田園風景が美しい道なので
 タイクツはしないでしょう。
 立体感あって新鮮だと思う。

南木曽の駅で列車を降り、もう二度と来ないかもしれないという思いもあって
辺りの風景をカメラに収め、タクシーでお宿まで。
運転手さんはとてもフレンドリーで、
道すがら、何かとステキ情報を教えて下さいました。

  「ここん家がホラ、こないだ役場の課長さんになった人の家」
  「アーそれでおクルマが3台もあるンすネー(シロメ」

……いや、
「誰がどこ住んでてどんな人かってコトが全員分把握できるくらい、
 近所付き合いが濃い(から大変だよ)」
っていう話の流れでそういうコト言ってたんだけどもw

  しかしこの運ちゃん、しまいにポロッと
  「あ、ここんちの娘さんね、タネは実はお隣のダンナね。
   知ってるのは奥さんと本人だけー」
  とか言い出しかねんな。

あ、あとなんか、町のお祭りをやってましたね。
ょぅじょがはっぴ着てましたかわいい。


 ▼民宿「いち川」さん

お世話になるのはこちらのお宿・いち川さん。
そうそう、このお宿のことを『花よりも花の如く』には書いてあったのです。
まあ正確に言えば、『花よりも花の如く』に書いてあったのは、

 ・このお宿のゴハンがおいしい。
 ・お風呂がいい。
 ・お宿から牛ヶ滝までは歩いて15分くらい。
 ・お宿から牛ヶ滝までは遊歩道があるが、アップダウンがあってハード。

ということくらいだったんだけど。

宿帳を書き、晴れてるうちに滝だけ見てきたいという旨を告げて、
お宿のご主人から簡単に道を聞いたら出発。
もうじき暗くなるのであまり時間がない。
急げ。
Timelimit! Timelimit! Timelimitはちーかーいー。




 ▼牛ヶ滝へ

昨日までの雨でぬかるみがちの林道を抜け、
つり橋と、清流の美しさにひとしきり興奮しつつもズンズン行きます。

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これはあとから気付くことなんですが、
この渓谷のあたりというのは、
もうどこからでも澄んだ清水がちょろちょろちょろちょろと湧いては流れ出ている。
岩の隙間から、ちょっとした斜面から。
『あめふりくまのこ』の世界。





そして、サミダレを集めてはやしナントヤラではないですが、
めいめい、柿其川に流れ込んでいる。
そんな水の流れのせいで足場の悪いところも多々あるのですが、
水がきれいなこともあって、その様子がとても美しい。
前日の雨のせいが大きいでしょうが、
空間全体が、一枚白い光の膜をかぶっているようなまぶしさがあります。
新鮮でもあり、懐かしくもある。

そうこうするうちに雲行きが怪しくなってきて、
とうとうポツポツと降ってきてしまいました。

そうなると、ところどころ土になる道はぬかるむし、
木道はぬるぬる滑って恐ろしい。
アップダウンは結構あるので体温はあがり、吐く息の湿気で眼鏡は曇るし、
道に迷って今本当に向かうべきところに向かっているかも定かでないしと、
のっけからハラハラでしたが……
そうして見えて来た滝は、いやあ……これがなんとも、スゴかった。
本当にスゴかったんです。


 ▼牛ヶ滝

本来の遊歩道を進んでいれば
渓流の流れに沿って次第に姿を現すはずだった滝は、
オイサンが何故か(コレマタ翌日になって分かったことですが)「山側の道」と呼ばれる、
遊歩道が整備される以前の、
山の上から流れに向かって降りていく道を行っていたために
突然目の前に姿を現すことになりました。

  翌日もう一度歩いてみたら、自分でも
  「なんでこんな、分かりやすい看板を見落としたんだろう?」
  と思うくらいババーンとした
  「遊歩道こっち!!」の看板が、
  つり橋を渡ったところに立ってたんですけども。
  いやー、人間ってフシギ。
  足元ばっかり見すぎたとか、先入観とか、色々あったんだろうなあ。

遊歩道を歩いていなくても、渓流の流れる水音は滔々と、
途切れることなく遠く近く響いている。
空は翳り、霧雨は肌にはりついて、夏だというのに湿気はありつつも肌寒い。
道は途中からただの獣道に変わって、
「これ迷うだろ!」「危ないな!」とツッコミを入れながら進まないとやってられん。

  そりゃそうだ、だって観光向けに整備された道じゃないんだもん。
  ただの山道だよ。
  道なんてモンじゃなくて、林の中に誰かが踏み固めたあとがあるだけだよ。

そのうち、下の方から静かに聞こえてきていた流れの音に、
どうどうという塊の叩きつけられるような厚みのある音が足されていく。

東屋が見えた辺りから土の獣道だったのが木道に変わり、
急な斜面を降りていく階段にかわる。
それも歩きやすいモンじゃなく、
ぬかるんで滑り落ちるのをかろうじてとどめてくれる程度で
なんとなれば、丸太の表面がぬるぬる滑って危ないッたらありゃしない。
手すりも設けてはありますが、こちらも滑るのナンノ。
軍手か、ナイロン製(水吸わない奴ね)の手袋くらいは持って来るべきでした。
反省。


 【南木曽・柿其渓谷 観光情報・その06】
  まあフツーといえばフツーなんですが、
  渓谷や山はあくまでも自然の一部であって、遊戯施設じゃありません。
  ので、足元の安全ががっちり保証されるほど整備されてるかといえば
  ンなことはなくスパルタンです。
  落ちたら死にますし、誰の管理責任も問えません。
  それなりの装備で臨むよーに。
  次の日、カカトの高い編み上げサンダルで歩いてきたオンナノコ連れ見たときは
  オイサンも目を疑いました。



そしてヒイヒイ言いながら見えてきた牛ヶ滝は……怖かった。
きれいだとか、迫力がどうだとか言う以前に怖かった。
畏怖、というんですかね。


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吸い込まれそうになる……と書くと陳腐ですが、
延々そこを流転する、膨大な流れの一部にまるで自分がなってしまったような、
いつの間にか、自分がもう落ちてるような気がして……
ずっと立っていると恐ろしくなってくる。

その時たまたま淡い霧雨が舞っていて、
あたり一面が水に支配されていたということも、無関係じゃないのかもしれない。
本当にもう、どんどんどんどんと、
自分が落ち続けているような錯覚に襲われた。


ドドドドドドドド、ドドドドドドドド、


という深くて分厚い音の塊が、押さえつけるみたいに頭の上から降ってくる感覚。
自分が今立つ物見台は、この音をずっと浴び続けてきて朽ちてはいないんだろうか、
組まれた丸太が今にもばらけて落っこちるんじゃないかと……怖い。

オイサンがこの滝のコトを知るきっかけとなった漫画
『花よりも花の如く』の中でも、
「野味溢れる、水量豊富でいい音をさせている滝が見たい!」
という理由で、
主人公たちは養老の滝では飽きたらずここを訪れその雄々しさにボーゼンとする、
というくだりが描かれます。

オイサン正直、観光地の滝にはそれほどの期待をしていなかった。

これまで見てきた滝というのは、
たとえば落差はあっても、
水は壁を這うようで、落ちるというよりも流れ降りてくるようであるとか、
落ちているにしても水量がさほどでもなくサラサラと舞い散るようであるとか
そういうものが多く、
自然の岩の口から、大量の水がゴバゴバと吐き出され、
轟音たてて放り投げられ続けるというのは、ついぞ見た記憶がない。

  雄壮だとか、壮麗だとか、そういうなめらかな言葉は当てはまっても、
  なんというか……らんぼう、というか。
  美しくはあっても、「高いところから大量の水が自由落下する」
  という、文字通り投げっぱなしの放埓なイメージと
  直結するようなものはなかなかお目にかかれない。

  ……そう思いません?

  滝を見に行くぜ! となって、行ってみて、
  「あー……ああ、まあ、うん、確かに、滝だわ。
   水が上から下に行ってるわ。そうだね、滝だ」
  ってなった憶えのある人、挙手。
  結構あると思う。

それがこう……ああそうだ、つまり、
「『まんが日本昔ばなし』に出てくる滝」。
それがここにあった。
そしたらそれは、思いのほか恐ろしいものだった。
こっちも『まんが日本昔ばなし』の人になって、
「はあぁー……こりゃぁ、おっ……ったまげたぁー」(CV:常田 富士男)
です。

  ……今の若い人には、もう伝わりづらいんだろうなあ……。

マそんな気分で、恐ろしいながらも
その圧倒的な存在から離れることもなかなか出来ず……
そりゃそうです、だってこのまま天気が崩れたら
明日は見に来られないかも知れないんですもの。
出来るだけ永いこと眺めていたいというのが人情です。
コワイ、でもまだ帰りたくはない、でもコワイ。

  マ結果的には翌日もそのまた翌日も、
  落ち着いて見に来られたんですけどね。

どのくらいそこにいたでしょう、ものの5分か10分だと思いますけども。
雨が激しくなろうものなら今以上に恐ろしいことにもなりかねないので、
後ろ髪を呑み込まれる思いで、物見台をあとにしたのでした。


 ▼再び、いち川さん。お風呂とお料理

そんなこんなで、ずるずる滑る山道を再びヒイコラ這い戻り、
汗と雨でズクズクになりながらお宿へ戻ります。

  フツーに遊歩道を行けばそんなことにはならないので
  ご安心下さいね。
  マそれでも、結構ハードですけどね。

そんなていだもんで、ゴハンの前にお風呂を戴くことに。
「お風呂が良い」「料理がおいしい」というのも、
前述の『花よりも花の如く』にあったんですけど、それも偽りナシ。

  ▼長野県木曽郡南木曽町 柿其温泉 渓谷の宿いちかわ
    http://www.kakizore.jp/
    公式ページ。お風呂の様子なんかはここを見てみて下さい。

お風呂は大浴場のみ。
超温泉。
超ひのき風呂。
でも広くはないです。
三人も入れば満員になるようなサイズ。
宿泊客は、オイサンの他は年輩のご婦人の二人連れのみ。
つまり男はオイサンだけです。

  ……多分ねえ、オッサンがひとりで来るのは珍しいトコなんじゃないかなあ。
  翌日来たのも、オバアサンと言っていい年齢のご婦人の三人連れでしたしね。
  マいいけど。
  大人数泊まってると、ちょっと鬱陶しいかも知れませんね。

そして男がオイサン一人だけだからか分かりませんが、
風呂のふたの開け閉めを自分でやるのにちょっとびっくり。
まあ湯が冷めなくていいけどさ。
あと、壁面が大ガラス窓になってて外から丸見えで若干ビビりました。
一応ブラインドが下ろせるようにはなってるんだけども、
何故か半分より下は下ろせない仕掛けになってる謎仕様。
ナンダコレ。
マ見えるったって思いっきり山の方を向いてるので
オッサンはそう気にしたものでもありませんが
女湯はどうなってるんだろうコレ。


  ▼山の幸。サチなんだかシアワセなんだか。

そうしてお風呂を戴きいよいよご飯、なのですが……
ゴハンがねえ。
良いワケです。
もう……なんていうか、無理なく山のもの満載!!

山菜に、獣の肉に、豆に、木の実に、川魚。

すばらしい。
本当に自分たちの手の届く範囲だけからかき集めてきた感満載で、
ああすごい、山で暮らすってこういうことかと改めて感じ入る次第。
おお、無理してない、運んできてない、流通してないぞ!
っていう感動がちょっとありました。

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それでまた、味噌やら豆やら、そして醤油やら、
そういうものがいちいち味が深くて美味しいのさ。
豆を、ただ酢でシメただけの飾らないものがあるかと思えば、
とうふに載ってるお味噌には山椒が絡めてあったり
ゴハンはゴハンで、朴葉に包んで香り付けがしてあったりしてね。
ひと手間かけても飾らないもので、
いやあ、美味しい。
実に美味しい。

『美味しんぼ』で、つるっぱげの京都のオッサンが
鮎食ったり味噌汁すすったりしただけで泣いたりしてましたが、
あのキモチがちょっと分かる。
これは泣きかねない。

街で食べる手の込んだゴハン……フレンチとか、
それこそこの間サキさんと食べたプチ懐石ゲな和食とか、
夕べのテレビでフットボールアワー後藤さんが食べてたイタリアンとか。
ああいうのはああいうので美味しい。

けどそれとはまた異質の味の世界が……広がってましたねえ。
ええ。

オイサンは「おいしい」にはふた通りあると考えてまして。
一つは、ラーメンとか豪快な肉料理のような、
熱とかアブラとか塩っけとかの快楽・生命直結の物質で脳天を直にたたきにくるおいしさの世界。
もう一つは、京料理のような、味覚嗅覚のうぶげの先端を
さわさわとくすぐっていくタイプのおいしさの世界。
言葉の上ではどちらも同じ「美味しい」で片付けられてしまいがちですが
異質なものだと思うのです。

命に直結するものが補給されたから否応なしにカラダが歓喜してしまう「おいしさ」と、
なくても即座に死にはしないけれども、
感覚器にとって嬉しい刺激として感じる「おいしい」。

これまたどっちが上・どっちがエライという話ではありませんけれども……
脳天のどこに行きついて「嬉しい」という感情が湧いてくるかのちがいなんじゃないかと。
今回の、このお宿のご飯はその真ん中辺りにいます。
多分。
ものっすごい感覚的な話で申し訳ないけど。

この日は、お味噌汁にウドをぶちこんだウド汁が美味しかった。
お替わりいただきました。
イヤほんとびっくりするぜ?


 ▼お部屋

ご飯を食べ終えたのが8時を回る頃で……さあ、田舎の夜です。
することなんかありゃあしません。

そうそう、最初部屋に通された時に「あ、ヤバイ」と思ったんですが、
このお宿は部屋にエアコンがない。
しかしこれは、必要ないからだということがイヤというほどわかりました。
窓辺に扇風機を置いて、外気を取り入れるように回せばエアコンは必要ありません。
すくなくとも、7月中旬においては。

宿のご主人曰く、「夏場でも必要ない」とのことだったのでそうなのでしょう。
まあワカル気はする。
よっぽど猛暑に見舞われてしまったらご愁傷様、
それもまた、お天道さまにはかなわねえとあきらめるコトが肝要です。

あ、当然。
LANや無線LANなんかありっこないので、
そういうものがないと死ぬ系の人は死なないように装備を整えていって下さい。
とりあえずdocomoは繋がりました。

事前に電話で、ケータイがつながるか失礼極まりない確認を一応したんですけれども、
そのとき
「……会社は?」
と聞き返されたところを見ると、どことは知れませんが、
キャリアによってはエリア外になる恐れがございます。
禿頭リンゴのマークがついた平べったい奴をお使いの諸氏は特に用心されたし。

オイサンはBBをモデムにしてWebしたりツイッターしたりしてました。
その辺は、不自由・ぬかりなし。
田村ぬかり。
ぬかりん。



■就寝~ベース・ノイズ



この日は、一体どんな形で眠りについたのだったか……。

朝から都会を走り、
昼には人と語らい、
夕べに列車に揺られて雨に降られて滝に圧倒され、
おいしいものをたらふく食べて、
温泉に浸かって畳と布団の上で横たわっていたら、
自然にすこんと眠りが降りてきて、気が付いたら明け方だった……
そんな気がします。

  そう、寝オチです。

窓の外には、町と違うまじりけのない闇が張り付いて、
光に誘われた小さな虫や蛾が時折こつこつとガラスをたたく。
その背後にはザアザアと一定の距離をたもった流れの音が途切れることなく、
山のひびきを伴って聞こえてくる。

土地土地には暮らしの底に常に流れるベース・ノイズがあるもんで、
霧多布でのそれは海鳴りだった。
夜、町を散歩してみたときにどこからともなく……否、
どこをどう歩いていても聞こえてくる、ごうごうという風と地面がいっぺんに鳴っているような
重い音の正体がわからなくて、不思議に思ったものだ。

  そしてそれが海鳴りだと気付いたのも、
  以前に成田美名子先生の『ナチュラル』を読んでいたからだったな。
  今思い出したw

ふるさとの町にはそれらしいものはないけれども、
強いていうなら1kmほど離れていても聞こえてくる、
遠く走る列車の轍の音だろうか。
ここでは、この渓流と水の落ちる音がそうなんだろう。
この里に生まれ育つ人たちはみんな、
この音を腹の底に蓄えながら年をとっていくんじゃろうねえ。

便利な町から遊びに来ただけの、くたびれ気味のイイ年こいたオッサンが言う
「いいところだねえ」
という安っぽい言葉にどれだけの真実味や価値があるか、わからないけれども。
こうして改めて文字にまとめてみて……
これだけのものがキチンとあって、揃って残っている、
ここはやっぱり、普遍的な意味で「いいところ」だと。

先ずは思いつつ、休みの二日目、
南木曾・柿其での一日目を終えるオイサンでした。





次回に続く。



 

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