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2012年5月15日 (火)

■巻尺テレビ -更新第770回-

このところ、どうも視力が落ちたような気がします。
……心のな!

オイサンです。

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みやこたんかわいいよみやこたん。

心の目でモノを見るちから……心眼。妄想の力。

お話や作品の端々にはみ出している物から何かを嗅ぎつけて、
先々のお話を自分好みに妄想したり、その上で作品に恋をしてみたり、し難くなっている。
心の筋力、瞬発力とでもいうんですかね。
その分持久力は上がってる気がしないでもないですが、
省エネ運転で引き延ばしているだけの気もするし。

この力が何によって伸ばされ、何によって衰えるのか。
日々、この力をどのくらい使ってるかってことくらいだろうなあ。



■テレビで我が身のサイズを量る



先週の土曜日は、夕方のジョギングにいつもと全然違うコースを走ったためか
なんだか普段よりも晩ゴハンの良い匂いがやたらと漂ってまいりまして……。

  ……あれか?
  いつも走っているコースよりも暮らし向きのいい家が多い道だったってことか?
  ブルジョワどもめ!

こちとらタマランわけですよ。
夕方のゴハン前に、チョイ空き気味のおなかで走っとるわけです。
いい匂いが空きっ腹に訴えかけてくる訳です。
こういうとき強烈なのが、
カレー、麻婆豆腐、オイスターソース、ごま油。
あとは揚げ物の香ばしい香りや、
ちょっと深めに焼いた焼き魚の匂い、メザシを焼いたときに出る、あの独特の香りです、
あれなんかもたまりませんな。

心なしか、揚げ物の匂いをさせているお宅が多かったように思いますが
麻婆豆腐の匂いがすごく心に残ってしまって、
走りながら「帰ったら絶対麻婆食べよう!!」と心に誓った次第。

デ実際近所の中華屋さん……ていうのか、他のメニューはアジフライ定食とかなので
どちらかといえばラーメン屋と呼んだ方が近いのかも知れないけど、
そこへ食べに行った。
前もいっぺんだけ行ったことのあった店で、
そのときはあまりお客が多くなかったのでゆっくり出来そうかなあと。
書った雑誌を読みながら、ゆっくり食べたかったもんでね。

  ところで、麻婆豆腐って、生粋、中華料理ですよねえ?
  先に覗いてみた、もう一軒の、本場チャイナのおっさんがやってる中華屋に、
  麻婆豆腐はなかったんですが。たまたまか?

その店のTVでは、何やらバラエティ番組がかかっており。
お兄ちゃん(元相撲取りの若乃花関)や、
「泣きながらストーブ抱えて戦闘機から逃げる」ことでおなじみの照英さんが、
東海道を何日もかけて、リレー形式で歩ききる、みたいな企画をやってました。
日本橋から箱根の関所までだったかな。

  ▼土曜スペシャル 東海道歩き旅 105km6日間ふれあい珍道中
  http://www.tv-tokyo.co.jp/sat/backnumber/20120512/
   これだな。 なんかもう、タイトルからして安っぽくてアレでしょ?



それが妙におかしくてですね。




多分、自室で一人だったらスルーしている類の番組ですよ。
見ない。
けど、店のおっちゃんとおばちゃんは、
オイサンにゴハンを出したあとは、水も出さずに二人でじーっと画面を見てるわけです。
たまにテレビに突っ込んだり、笑ったりして、
実に楽しそうにそのバラエティを見てらっしゃる。

  そもそも水はセルフの店なんだけど。
  でもまあ、他にお客の一人もいなかったら、出してくれそうなもんじゃん?
  出さないものw

オイサンもその雰囲気につられてしまったのか、
それとも番組の出来がいくらか良かったのか(こっちの可能性もワリとある気がしますが)、
ゴハンを食べ終えるまでのしばしの間
結構喜んでその番組を見てしまいました。
雑誌読めんかったw




で、ふっと、なんだかそのような時間が
やけに大切な物のように思われたのでした。




昨今、その番組のクオリティの低さややり方のマズさが相俟って、
巷では評判のよろしくないテレビの中身界隈ですけれども、
以前、自分のテレビを買い換えたときにもちょっと書きましたが、
オイサンはテレビという奴を、存外悪いと思ってません。

  ▼風穴の奥にモスクが見える。 -更新第183回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/-183--d7dd.html

テレビはリビングなんていう日常のド真ン中にぽっかり空いた、
時間と視線を飲み込むブラックホールのようなもので。
自分の姿だけが映らないおかしなカガミみたいなものです。
ゆるくて、俗で。
衆生の赦しと救いがある。

そのウロと向き合う時間を、
世の意識高い系の方々は人生のムダ遣いだと切って捨てるでしょう。

しょーもない番組が大半なのはその通りだし、
テレビ業界なるものの内部構造が腐っているのも、なんとなく分かる。
今回の番組だって、どちらかといえば「しょーもない番組」のヒトツだと思います。
だって……なんの実もないもんな。

  その中身を作ってる人たちが、近年どのくらい一生懸命なのかってことには
  確かに疑念もありますわ。
  ただ、日々、その絶妙な「クダラナサ」を提供することを求めて
  知恵をお絞りになってはいるのだと思います。

  テレビが、その、意識高い系の人々とかカツマカズヨみたいなのにのっとられて
  弁当箱の端っこまでくだらなくなくなってしまったら……
  息が詰まっちゃうと思うんですよねえ。
  ヨノナカ。

  しかもまた、タダってのがいいじゃないですか。民放、地上波。
  くだらなくたって、見る側はナンも損しないんですもん。
  「イヤやったら見んかったらエエ」って中の人が言ってましたがその通りで、
  誰かが一生懸命、知恵を絞って汗水たらして、
  クダラナイものをこしらえてタダで配ってくれる。
  文句も言い放題でねえ。
  こんなイイ仕組み、そうそうないと思いますよ。
  面白いと思うんだけどなあ。
  「そういうもんだ」と分かってることが前提ですけどね。
  彼らはワザと、知恵と技術を駆使してクダラナイんだと。
  しかもこう、たまに当たりのちゃんとしたもの面白いものなんかもあったりして。
  文句ないじゃないですか。

  マそのせいで、国民の気骨が失われてるってのは弊害としてあると思いますけど……
  それは意識高い人たちがお好きな「悪いのは使う側で道具は悪くない」って
  リクツなんだと思います。

逆を言えば、その「実」を伴わないもの全てを無駄だと断じる今の風潮を、
オイサンはあんまり面白く思ってないってことなんだけど。
穴の淵の、じめっと柔らかい土にしか生えない草や花や苔だって、
あると思うんですよね。

どう申せばいいんでしょうねえ。
テレビであることが大事というよりは、
その何でもなさ・クダラナサをそこそこに楽しみ、
安らぎとして生きていける、その一生のスケール観が大事だというのか。
テレビを笑えて終わりに出来る、その納得の仕方、とでもいうのでしょうかね。

テレビの、その中へ行こうだとか、くだらないからその外側を求めようだとか、
そういうんではなくて、配られたそのテレビで納得出来る、
納得することの出来る自分を肯定する。
自分と、ヨノナカの距離感の量り方って言えばいいのか。
テレビとこの距離で仲良くできる自分の人生に落ち着けることが、
……なんかね。
今のニッポンには足りない気が、するんですよ。
もっと上へ上へか、もっと下へ下へか、どっちかしかない気がして。

「大半のみんなが同じようにテレビを見られる」
コトって、国として、豊かさとして、結構立派なことだと思うんですよ。
やっぱまだまだ豊かだなあと。
見られない人も多々おられるでしょうけど。
そこが増えてることが、今、問題ですけどね。

「『テレビごとき』で満足出来る自分を肯定する度量」というのか。
「下ンねえけど、おれはこれで十分だよ、いい毎日じゃないの」
っていう肚のすわり方は、大事だと思うんです。
それを量る装置として、今のテレビの在りようってのは
なかなか妙なる位置にあるんじゃないかなあと思ったり……まあ、した。

そんな気の持ちようを、横並びだとか、現状で満足していいのか、とか?
おケツに火をつけようとする言い方はいくらも出来ると思うんですけども。
リビングで、タダで、みんなに配られているもので、
地に足がついているというか、しっとりと落ち着いているというか……
それはもう、ちょっとした諦めみたいなものなんですけど。
そこで一つ、きれいな円が描けているような、緩やかな強固さを感じたのでした。
ジジくさいなあオイサンは。

向上心とかハングリーな気持ちは大事だと思いますけど、
いい加減トシとったらのんびりしたっていいと思うし、
ノンビリ生きたいなら若いときからノンビリしてたっていいと思うんですわ。
その線引きのヒトツとしてのテレビですかね。



……。



その中華屋のご夫婦にだって、これまで色々あったハズですよ。
それらのことも乗り越えた上で、今オイサンちの近くでお店を構え、
……特別美味しいってわけでもないんですよw?
そのお店の麻婆豆腐だって。
フツーの美味しさです。
美味しい。マイニチというレベルで美味しいんです。
バラエティ番組見ながら食べられちゃうようなお味ですよ。

色々あって、がんばって、乗り越えて、生き延びて、
「それでも」たかだかバラエティ番組見て笑える程度に落ち着いて、
これから先、あの御夫婦にどれだけの時間が残されてるかオイサンには知る由もありませんが、
恐らくはもうゴールに近いところまで来てて、
それでもテレビ見て笑ってるくらいしか出来なくて、それより上は、多分ない。
それをきっと、あの御夫婦は「良い人生だ」って言うと思うし、
オイサンもいいなあって思う、思った。
そういうワケです。

テレビでお兄ちゃん(若乃花さんですよ)見て笑ってられる人生のよさ。
何もかもを難しく考えなくても、そーゆーのもきっとあるんすよ。
カツマカズヨ? 死ね!(えっ


 ▼余談~お兄ちゃんが泣きながら横綱審議会から逃げ出してる画像下さい~

その番組見てて思ったんですが、
若乃花お兄ちゃんにせよ照英さんにせよ、
ああいう系統の番組で発揮されるバラエティタレントとしての性能の高さには驚かされますね。
すごいわ。

カメラやら音声やらのスタッフ数人引き連れて東海道沿いにひたすら歩いていき、
道々、一日一回手持ちのものを出会った素人さんと物々交換してもらって、
その日どこまで歩くかはタレントが決めて、
一日の終わりには宿交渉もタレントがする、
という企画だったんですけど。

  マそれもあくまでも体裁上は、なのでしょうけど。
  どこまでガチかは存じません。
  いずれにしても『水曜どうでしょう』の影響が強いなあと思いますけどね。

お二人とも(※)、イカニモなテレビ的面白さを端々に挿し挟みつつ、
素人さんに失礼のない程度に接触・交渉・イジリもこなし
番組制作側へのグチも忘れない、けども愛想は良くて、
スタッフにも気を使うし、感じが悪くない。
どこまでが作りかはわかりませんけど、
とりあえず見てて無邪気なオッサンかわいいなあと思えました。
それでいて、小ズルイところはちゃんと発揮しますしね。そのへん安心感がある。

  ちょっと照英さんは自分のキャラを理解し過ぎているのか
  (或いはディレクションなのか?)、
  終盤イロイロ拵えすぎてたような気はしますけども。
  あとナレーションもね。
  エエ話へ持っていこうとし過ぎw
  そんなん、あの期に及んではイランやろ。

  ※ホントは三人いて、二人の間に女性歌手がいたんだけどその人はモ一つだった。

毒気のなさというか。
最近のお笑い芸人ではなかなかああはいかないでしょう。
若干落ち目ってのも上手い具合に働いてるのかもしれませんね。
テレビ側よりは一般人に近いスタンスを残してる感じ。
「テレビの人」としての踏ん張り方が、あんまり見えなかったように思います。
それが良かった。
「土曜のゴールデンに、このオーラのない人たちでいいのかなー」
などとホンマ要らんことをオイサン考えてしまったくらいなんだけど、
なんか絶妙な人選だったように思えました。
美味しいもん食べるでもなし、イベントが起こるでもなし。
ただお金かけずに作りたかったんだろうなー。

久しぶりに楽しいバラエティを見た気がしましたよ。
家帰ってから、続きちょっと見ちゃったもの。



■トゥルー・鶴・ストーリー~Remembe My Pearl Harbor



にちようび!

R0047904

土曜日に、どこか天気のいい日に気持ちよく出かけられそうな場所を探していて、
真鶴という場所を見つけました。
小田原からちょっとだけ西に進んだ、
伊豆半島ののどちんこ見たいな出っ張りです。

  ……今改めて地図で見て、
  こんなスケールの小さい場所だったかと初めて認識した。
  いいねえ、ケチくさくてw

  
大きな地図で見る

デそのケチくさい真鶴(ひとぎきがわるい)ですが、
家から1時間チョイで行けてしまう気安さがあるのにかなりな別世界感があって、
なかなか落ち着けました。
鄙びているのに便利が悪くもなく、途中小田原に寄れるのもうれしいですね。

朝10時前くらいにJR真鶴の駅に着き、半島(というほど大きくないですが)をほぼ全部、
ぐるっと一周して約5時間。

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起伏に富み、海がきれいで、緑の豊かな場所でした。
港町なんですねえ。
地形的な成り立ちとしては島と大体おんなじで、
陸地の中央部が山になっており、外縁、つまり海に向かって低くなっていく。
その山の部分を主に歩きながら、岬方面に進むに従い海辺に近づくように歩いてきました。

このあたりの海は思いのほかキレイなんですね。
磯遊びをする家族連れ、釣り人、ダイバー、ひたすら肉を焼き酒を飲む人など、
海に親しむ姿がたくさん見られました(最後のはなんだ)。

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海もいいんですけど山がこれまたすごくて、
樹齢のすごそうな、背が高くでかい樹が多い。ちょっと圧倒されます。
普通に岬に続く道を歩くだけでも、
その脇に惜しげもなく馬鹿でかい松や楠が生い茂っていて
コレデモカとアーチをつくってます。
道もうねうねと登ったり下ったりして退屈しない。
疲れるけど。車だったら酔いそう。

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背の高い樹木が空に向かって伸びていると空の高さが目で量り易くなり、
空間をより広く、高く、感じます。
天井の高い吹き抜けの中にいるような開放感。

山の上を歩いていると、
低くなってる海辺の方、港の地形や家並みが見下ろせてダイナミックで面白い。

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風景としての面白さもさながら、生活観の密度が感じられてちょっと怖いですな。
びっしりとね。
みんな、海から糧を得て生きてるんだというのが分かりやすい。
『ドラクエ』の町みたいなんですよね。

  こう言っちゃなんだけど、
  この辺も大きな地震とかきちゃったらもう……イッパツだなあ。
  大丈夫なのかなあ。

こういう場所ではクロネコヤマトさんが超大変そうです。
都市部では都市部なりの苦労があるのでしょうが、
この辺では車で入りきれないところとか、山の上とか谷の底とか。

R0047949

「あんな場所にある家どうやって配達すんだよ!!」
みたいな、宝箱見えてるのに取りに行けねえ! 的な地形ロックに引っかかりまくりそうです。
マ手馴れた人が配達にくるんでしょうけども。

  「センパイすんません、ちょっと教えてもらっていいッスか」
  「おー、どした」
  「『りゅうおう』さんトコって、どうやって行くンすか?」
  「あー。あそこン家『にじのしずく』持ってかないと入れねえよ。
   キーボックスに入ってっから」

  「やっぱそうなんスか。あざーす」

みたいな(どんなだ)。
歩くうち、同じ宅配車と何度か抜きツ抜かれツしました。

あと、ちょっと面白かったのが……

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THE TAK×××××」

モザイクのところは苗字が入るんですけど。
固有名詞にTHEはダメだろw 神様みたいになっちゃってるよw
ジッサイ、この写真のおうちからちょっと行ったところに
もう一軒TAKxXxXxさん家があったんだけど、
そのTAKxXxXxさんはどう思ってるんだろうかw
マこういう土地ですから、おんなじ苗字の家なんか大概縁戚関係で、
THE TAKxXxXxさんの家がご本家なのかもしれないけど(そんな宗家があるか)。

ゴハンは港近くの、飲み屋長屋みたいなお店の一軒で金目のアラ煮定食。

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脂が乗り過ぎてて心配になるくらいぷりぷりの金目でした。
ゴハンとおしんこと味噌汁と魚だけなんですが、
魚だけでおナカがパンパンになるってのは稀有な体験だったな。
美味しいんだけど、塩っ辛い魚のボリュームに比してゴハンが少なめで、
後半ちょっと飽きたかな。

マそんなんで。
ほんの5時間足らず、行って歩いてゴハン食べて、でおしまいのショートトリップでしたが
リフレッシュするには十分だったかなあと。
正直、足はくたびれるよ。
喫茶店とかカフェとか、小洒落たものはありませんからね。
そういうお店の一軒もあれば(探せばあんだろうけど)もう少し落ち着けた感。

今回はあわただしく回ったけど、次回があれば、もっとのんびり、
きれいで静かな場所にだけ、ぼんやりと留まれるような訪問にしたいなあと思う。
多分、ここはいいところだ。
近いし。
なかなか魅力的です。



マそんな感じでヒトツ。



R0047999



オイサンでした。



 

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