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2012年1月22日 (日)

■銀幕ティータイム~映画『けいおん!』感想その一・ネタバレナシ編 -更新第752回-

『映画けいおん!』を見てきました。
公開当初から、これは劇場で見よう、と思っていたんですがずるずると。

デぼちぼち公開終了の声も聞こえてきたのでちょっと慌て気味に行って参りまして、
例によってその感想をまとめておこうかなあという次第です。

  マ需要があるのかどうかわかりませんけども。
  せっかく感じたことなので、
  作り手・受け手に何か参考になればという思いもあって残しておこうと思います。
  ダラダラと書く中に、一つ二つでも新しい視点が落ちてればめっけもん、
  くらいの気持ちで読んでもらえたら幸いです。

構成としては、

 ・今回 ネタバレを含まない大体の感想
 ・次回 ネタバレ・内容に突っ込んだ話

としようかと思います。
ホントはこの記事の前半・後半で終わろうと思ったんですが、
長くなったので記事を分けます。
ネタバレを気にしつつも評判を見てみたい方は今回だけ読んで下さい。



ほな、ボチボチいきまひょか。



■『映画 けいおん!』感想 ネタバレなし・概観編





えーと、まずは何のヒネリもありませんけど、面白かったです。
うん、面白かった。
TV版二期の『けいおん!!』が面白かったって人は見に行って損はない。

  オイサンはフツウにボロボロ泣いてましたけど、
  それは毎度のことなんでアテになりません。

オイサンは原作はほとんど全く読んでおらず、
テレビアニメの第一期・第二期を、テレビ放映分だけ見た人間です。
なので、BD/DVDについていた(らしい)、番外のお話なんかは知りません。
そのオイサンの目で見て、TV版と大体同じノリ、同じクオリティで、
面白かったと思いました。

ただその言い方も実は不正確でして、
TV版『けいおん!』ではなく『けいおん!!』、
つまり第二期の匂いの色濃い『映画 けいおん!』だった。

オイサンは実は第一期至上主義者でして、第二期はちょっと語り過ぎるし味も濃い、
と感じています。
第二期は、一期でぐぐっと盛り上がってお客さんも増え、
メジャーを意識した、
お塩をひとつまみ、あるいは生クリームと砂糖をひと匙ふた匙
多く入れた作品に仕上がっている、と感じてます。

  個人的には一期前半の、
  「え? ちょっとそれなに?」
  「今のどういう意味?」
  という、少し物議を醸す様な、不親切さの残る、
  けれども作り手の後頭部の見切れてしまう様な作りが好きだったんです。
  分かりきらないところが表現として残るもの。
  でも二期に入るとその分からなさは殆ど顔をのぞかせないんですね。
  親切。
  みんなに分かる。
  今回の『映画 けいおん!』は、その二期の色を濃く継いだ作品だったと思います。
  マ当然ですけどね。
  そこで一期にもどるわけはないんです。

「映画だから、TVからものすっごいパワーアップした面白さ!」
……ということも、特にはないです。
1700円払って、TV4本分の時間の、舞台がちょっとスペシャルな『けいおん!』を見る。
そういう気分でした。
うん。

……あのー、だから、
とてもよく出来ているし、面白いし、褒めたいんですけども、
褒めるのがすっごい難しいんですよね。
「TVとおんなじくらい!」というのが、褒め言葉に聞こえにくいかも知れない。
そこを細かく語ることは出来ませんし。

でも、『けいおん!』って、アホみたいにヒットして、ウケて、
受け容れられてる作品なワケですよ。
オバケ作品です。
TVからしてクオリティが一段高い。

  今日もびっくりしたもの。
  劇場入って椅子に座ってると、小学生か中学生くらいの女の子がぞろぞろ入ってくるのね。
  別にそれが日曜朝の『プリキュア』の映画だったらビックリしないんですけど、
  一応深夜アニメですからね。
  ウワサには聞いていましたけど、やっぱりちょっと、
  異次元の作品なんだなあと実感した次第です。

  ちなみにフツーの映画同様、
  開始前にはコレから公開される映画の番宣が色々入るんですが。
  ……そんないたいけな小中学生女子に、

  『ストライクウィッチーズ劇場版』の予告を見せるのは
  いかがなものか。

  ケモ耳スク水女子のお尻やお股をどアップで映すのは、
  裂けた方が良……否、
  裂けた方が良……否、裂けた方が良……否、
  避けた方が宜しいのではないでしょうか。
  微妙な笑いが聞こえてきましたよ。
  オイサンは何も悪くないのに!
  ルッキーニもバルクホルンさんも、
  何も悪くないのに(ドン!!



  話が剃れまし……否、話が剃(×3) 話が逸れました。

今となっては『けいおん!』は、ちょっと過大に評価されてる向きがないではないと
オイサンなんかは思いますけども、
それでもやっぱり、始まった当初は他とは一線を画すオーラを感じて
「なんだこれは!!?!」と釘づけになりましたし、
そのオーラ自体は、多分今も変わってない。

それがクオリティを落とさずに、新しい、
ちょっと大きめのエピソードをもう一回見られる。
これはそれだけで贅沢な出来事だと思います。思うんです。
だから「TVと(少なくとも)同じ『けいおん!』がまた、2時間も見られる!」
というのは、ワリと大きな賛辞だという思いで、
オイサンはこの言葉でお伝えしています。

作りは変わらず、何かと細やかです。
言葉にしないで伝わることは、言葉にしないで伝えよう、
アニメーションで伝えようと一生懸命なところがキチンと守られていると思います。
昨今のアニメには珍しく。
その労力、姿勢はやっぱりすごい。
オイサンは動画については相変わらず無頓着な方ですが、すごかったと思います。
TVと遜色なかったというのはそういう面でも。

ヒトツ例を挙げると、
ある二人が、
ある行いをするにあたって、
ある二つのタイミングで真逆の反応を示すのですが、
その対比がすごく効果的で、グッときました。
細かいことはあとのネタバレあり編で書きますけど、これはすごかったなあ。

うん、いつもの放課後ティータイムだったと思いますよ。

とはいえ、お話的には肩に力が入っていたところも見えました。
第二期ベースだから、ということの延長でもありますが。
エピソードが大きく四つ盛り込まれているんですけど、
コレ、三つで良かったんじゃないかな、サービスし過ぎたんじゃないかな。
そんな風に感じます。
これも詳しくは後半のネタバレあり編で書こうと思いますけど……
やっぱ、映画って難しい。
2時間を過不足なく見せるには、見せるものを絞り込んで、
受け手をそこに惹きつけていかないともたないんだと、
それを、あくまで受け手としてですが、実感しました。


 ▼映画という体裁


……。



うーん。



でね。



今この映画って、アニメとしては異例のヒットを記録してるそうじゃないですか。
ジブリの向こうを張る、とまでは言わないものの、
それに次ぐくらいの動員数、興行収入を上げている。

でオイサン思うのが、映画としてのこの作品の面白さが
その数字に見合うものかと言われたら、それは実はそうでもないんじゃないかな、
とは、思います。
具体的な根拠はありません。
なんとなく、なんとなくです。
百万人の人間が手を叩いて、
「すげえ!面白え!」
とおひねりを投げるような「映画」かと言われたら違う気もする。
……まあそれは、『けいおん!』という作品の持つ体温の問題でもあるのですけど。

逆に、この平熱のアニメに対して百万の人間が喜んで帰るというのが今の時代であり、
その時代の映画という媒体の置かれた位置だっていうことなんでしょう。
オイサンの物差しがちょっと古いって話ですねこれは。
忘れて下さい。

ただその、「映画」を見に来た人がこれを見てお腹一杯になって帰れるかって言うと、
そうではないな、と思ったという感じです。
「けいおん!」を見に来た人は満足して帰るだろうけど。
映画映画してない、って言いますかね。
多分、『けいおん!』にイカニモ映画映画することは出来ないだろうし、
作り手もそこは狙ってなかったと思いますけども。

それでも『「映画」 けいおん!』を見に行った者としては、
……「話として肩の力が入り過ぎてた」と言ったのとは色々矛盾するんですが、
ちょっと食い足らなかった。
そんなことです。

これがね。

OVAでリリースされていたら全然違和感はないのですけど、
オイサンのような世代には、映画って、気持ち的に特別なイベントですんで。
もしかしたらそこは、「映画」という体裁をとってしまったことで
ちょっとソンしたかもしれないなあと、ボンヤリ思うオイサンです。
『ドラゴンボール』の映画みたいになってもヘンだと思うしね。

難しいな。


あーあとねー。
どうでもいいけど、テレビの番宣CMで流れる、コマギレのエピソードというか、
小ネタの数々は、概ねオイサンの思った通りの展開で出てきましたねw
それを狙って作られた予告編だったのでしょうけど、
面白いくらいにw
その快感も計算づくだったんだと思います。
これは上手いと思ったなあ。

あ、でも、「サイドビジネス!」だけは予想外だったww
あれはガチで吹きました。面白かった。

予告編の作りはすっごい上手いと思うわ。
特にいい話を強調したお話でもないのに、アレ、すっごいいい話みたいに見えますからね。
別モンだもの。


そんなことなので、
『ストライクウィッチーズ』の劇場版も
楽しみにしたいと思います。



サテ、ネタバレなしの感想概観はここまで。
ここから先は、本編の風景なんかを盛り込んで、
ちょっと細かくお話していこうかと思います。

いや、でも、結論は「面白かった」なんですけどね。

ほなまた。



 

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コメント

■430cさん
こちらでは初めまして……でしたっけ?
ようこそのお越しで。
twitterではいつもお世話になっております。

 >なるほど「映画化!」という看板のニュアンスが最近は変化しているのかもしれないですね。

ですねえ。
昨今のアニメの「映画化!」は、OVAのちょっとエラい版みたいな位置づけに見えます。
まあアニメに関しては、一部のファミリー向けと気合の入ったタイトル……ジブリとか、東映ナントカ祭りとか、押井作品とか……を除けば
昔からそうかも知れませんね。
OVAとだと、どっちが回収率が良いんでしょうか。

 >それでも興行収入に繋がっているのは驚異的ですね。

知人のお子さんとか学生さんに聞くところによると
やはり裾野は広いみたいですよ。
オイサンも今回劇場で確かめるまでは半信半疑でした。

ただ、これを「見に行きたい!」という
小さな子供の手を引いて親が連れて行くという展開は
さすがに望めそうもないので、このさらに上のレベルは難しいでしょうね。
でも『プリキュア』とか『ライダー』とかよりも入ってるのかなあ。

投稿: ikas2nd | 2012年2月 5日 (日) 11時02分

なるほど「映画化!」という看板のニュアンスが最近は変化しているのかもしれないですね。
ボクの中での映画は「劇場版単体でも万人に対応でき、元からのファン向けのちょっとしたスパイスがあるもの」ですが、
映画けいおん!はオマケであるはずのスパイスが全面に押し出されていた感じ。そんな印象でした。
完全にファン向けに作られた作品…映画というよりはライブ・イベントに近いのかな?
それでも興行収入に繋がっているのは驚異的ですね。

投稿: 430c | 2012年1月22日 (日) 12時01分

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