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2012年1月15日 (日)

■真夜中の無邪気 -更新第749回-

結局一昨晩は、心の凹みに耐え切れず、
ここ一年ばかりは連絡をとっていなかった、大学時代の友人に電話をしてしまった。

  へこむ、というよりも陥没に近かった。

時刻は、日付を跨ぐかという頃合。

その友人も激務系で夜が遅い人だと知っていたし、
勿論イキナリではなくて、
前もってメールであとで電話しても良いか聞いておいたので、
すんなりと繋がることが出来た。

こっちが電話する前に向こうから電話してきてくれて、
これまた気の良い人です。

  そのあたり、オイサンは世間的にはどう見えてるんだろ。
  自覚的には、自分勝手で人付き合いが良くない。
  自分の都合のいいときにしか絡もうとしないし、
  相手が何かをして欲しいときには、多分上手く助けになってあげられていない。
  そんなんなので、「おいしいトコ取りめ」と、
  煙たがられてるんじゃないのかなあといつも不安に思っている。

電話したからといって特段何の話をする気もなく、
弱音を吐いたり、グチをぶつけたりするつもりもなく、
誰かと他愛のない会話をしたかった。
実際、オイサンが話すよりも彼のしゃべりのテンポの方が全然上で、
変わってないなぁ、と思わされた。
オイサンは相槌を打ったり、時々話の流れを変えたりするくらい
(そうしないと彼の話はなんだか分からない方へすごい勢いで流れ続けるので)だったが
心はとても休まった。
ものの30分ほど、互いの近況を交換し合う、それだけの話。

  1、2年ロクに連絡してなかったと思うけど、
  お互いほとんど変化がなかった。
  似たペースで生きてる人とは、それだけで気が合う。
  その分、それがずれた時のショックはでかいけど。

大体そんなペースで、
大学に入学してすぐの頃にほんの偶然出会って以来……
かれこれ、もう15年近いお付き合いになるのだけれども。

  思えば出会い方からして、彼とのその後の付き合いを象徴していると思う。
  大きなつながりや接点があるわけではない、
  けれども、
  良く似たサイクルと流速で生きているからこそそこで出会ったのだし、
  その後も付き合いが続いているような……
  なんというか、お互い、出会ったときから古女房みたいな関係である気がする。
  かゆいところに手が届くわけじゃないけど、
  まあ俺らじゃあしょうがないか、みたいな、
  許し方・諦め方の出来る間柄。

そんな感じなんだけども、
……正直、
オイサンは彼のことをあまり良く知らないというか、
理解できていないのだと思う。
これまた呑気な話だけど。

『ARIA』とか『たまゆら』とか、『いぬかみ』とか、
その辺の癒し萌え系作品が好きで、
いつの間にか一眼レフで写真撮るようになってて、
でも撮った物にはそれほど興味も無いみたいで、
昔はそこそこゲームもしてたけど、近頃はさっぱりみたい。
WebとかPCとかにも、ほぼ関心ない感じ。

  自分のPCのLANが無線か有線か、通信カードを使ってるかいないか、
  同年代でそういう用語が通じ難いという状況はちょっと想像してなかった。
  そのレベルで関心がないみたいです。
  「何かがささってないと、インターネットって使えないの?
   ささってさえすれば、使えるの?」
  と聞かれて、しばし面食らった。なるほど、そうなのか。
  自分が一番うといくらいかと思っていた。

  そういえば、クリスマスにちひろパパさん、JKPさんと話しをしたときも、
  「世間の人間は、自分たちが考える以上にIT的なものについて関心がない」
  と言っていたが、こういうことなんだな。
  うちは母はカラキシだが、親父殿はそこそこではあるがいけるクチなので
  60代であれが標準かと思っていたが、
  あれは相当デキるレベルと思っていいようだ。
  兄は異次元。
  ハニワ氏はゴルベーザ。

  ……まあ、分かる気がするわ。
  関心があるのはIT的なことじゃなく、
  IT的なものがもたらしてくれる情報をこそ、フツーの人は欲しいはずだもんな。
  テレビの仕組みなんか知りたくもないわけだ。オイサンだって、
  知らずに困らずに快適にいられるならそれで十分というクチだもんなー。基本は。
  そこまで知ろうというのは、変わり者であるのかも知れない。
  多分彼も、フツーの人なんだ。
  ついでに言うと彼の場合は、そのIT的なことの向こうにある情報も、
  さして必要としていないみたいで。
  だから尚のこと……なんだろうなあ。

  その昔ファミ通に連載されていたマンガ、『ドラネコシアター』で、
  にゃんこ先生(作者)のおばあちゃんがインターネットのことを聞かされて
  「そいつはすごいねえ。
   で、あんたは世界に用事でもあるのかい?
   あたしゃ世界になんぞ用がない」
  と言ってたっけなあ。
  まオイサンもワリとそうだわ。

  閑話休題。

一時期彼女がいたみたいだけど今はフリーのご様子で
別に彼女欲しい、結婚したい、みたいな、リア充的嗜好もないっぽい。

大学時代、とにかく生真面目で、勉強は良くできたらしい。
あと一歩で卒業式で学部の総代を務めるところだったって聞いた。

でも、何を考え、何を愛し、何になりたくてどんなことをしたくて、
今そこにいるのかってことがよく分からないんだ。
彼は。
色々と話を聞こうとしたこともあった気がするけど、
照れ隠しなのか何なのか、結局
「いやー、別に、何もないなあ」
と、濃いめの関西弁でお答えを戴くのが常だった。

手がかりとしてあるのは、
郷里である奈良や飛鳥の寺社史跡を見て回るのが好きだということや、
今彼の住んでいる四国・中国地方の、わりかしベタな、
けれども風景の美しい観光地を巡ることが好きらしい、
ということくらい。
それも別に、特段「そこが好きで」というわけではなく、
近くだから、という理由のようだ。

  あ、竹原にも行ったみたいです。

ある意味、彼のあれは自然体なのだろうと思うのだけど。

寧ろ、
「こういうものが好きな人」「こういうことが得意な人」という、
分かりやすい記号のようなものを貼り付けないことには
その人の姿を上手く掴めないオイサンが、
どこかゆがんでいるのかも知れないけれど、
そういうペルソナのような物、
心が形をとった物事を、彼からはあまり感じられないのだった。

なんていうのかな。

生きるうえで日々澱り積もっていく疲れや傷を、
美しいものややさしいものに触れて鎮め、
また日々に帰っていくという、
すごく原初的な姿を、時間の流れとともに体現している人のように思う。
彼の歩いた後こそが、彼の心の姿なんだろう。
自然な人だなあ。
隊長にちょっと似てるかも。

  法律用語では意図的であること、何かを知っていることを「悪意」と呼ぶけども
  (厳密な定義は違うと思うけど)、
  凡そそれは、普く正しいことなのかも知れない。
  人の意図は常に、邪気なのかも。

  今現在、たとえ尊大でなくとも確固とした思い
  (フツーに女房子供を食わすため、とかね)を持って
  社会に参加しているわけではなくて、
  自分のへばりついている岩がどんな大きさどんな形、
  どんな性質をしているのかもよく分からないまま、
  とりあえずゆびのかかる場所があるからへばりついてみている蟻のような、
  そんな感じであるように、話している限りでは感じる。

  それが悪いというんじゃない。
  そういう感じだ、というだけ。
  オイサンもそうだ。

だから全然イヤじゃないし、
退屈もしないし、キレイだなあと思う。
無邪気だなあとも思う。
そう見せてるだけなのかもしれないけど。

  呑気もんのオイサンには、そのままに見えるよ。

逆に、そういうスタンスで生きている彼からは、
わりとガチガチに好き嫌い・得意不得意が分かれて見えるに違いないオイサンは、
どんな風に見えていて、理解できてると思ってくれてるのだろうか、
それともよくわかんないなと思っているのだろうか。

女性から見たら、彼はどんな風に見えるんだろう。



などと。


近頃、ひとのことを考え始めるととりとめがないな。
何故だろう。



オイサンでした。

 

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コメント

■紫@_sorrel_さん
毎度こんちわ。お世話になってます。
 
あの時は、オイサンの「電話しちゃおうかな」みたいな呟きを
リアルタイムに拾ってお返事を下さったのでしたっけね。
その節はありがとうございました。
ああして誰かに拾ってもらえるだけでも、
ああいう時はホッとするものですね。
 
以前オタクの友人が、
オタクであることを隠して全然オタクでない奥さんをもらったのを見て、
果たして、自分の核にある価値観を用いられない状況で、
相手とどうやって価値観の擦り合わせをやったんだろう?
と不思議に思っていたのですが……
通じる相手というのは、たとえ同じ他愛ない天気の話をするのだって、
その「気分」が伝わって、安心できてしまうものなんですよねえ。
ホント不思議な話ですが。
 
またよろしくお願いします。
 

投稿: オイサン | 2012年1月17日 (火) 00時37分

件のご友人、その様な方でしたか。
不思議と気の合う友人って何故かいますよね。不思議。ペースが似てるか、ベクトルが真逆か…そんな感じでしょうか。
私も他人からどう見えているのか、余り気にしない様で気にしますねぇ…そしてその方のアニメ趣味が同じで(笑

世間のフツーの人は、ソレをしている自分とは知識や認識に物凄い格差があるってよくよく思います。

投稿: 紫@sorrel | 2012年1月15日 (日) 02時26分

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