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2011年8月11日 (木)

■主人公の視線 -更新第696回-

買い物をしてお会計するときに、
こちらが商品をカウンターの上に置くより早く店員に先に手に取られる
(つまり商品を一度カウンターに置こうとしたのに手渡しした格好になってしまう)と
若干イラッとします。

オイサンです。

何故イラッとするかはわからないけど「カンジ悪っ」と思ってしまいます。

別にカンジ悪い要素ないはずなんだけどなんでなんだろう。
急かされたような気分になるからだろうか。
我ながら不思議なんですけどね。



■怪談~オルニチンの夜に



最近電車ン中で、キリンの車内広告をよく見かけます。

夏場だから、体力のつくものを食べましょう、
キリンじゃこういうものを出してますよ、というチラシで、
なんかもう……オッサンとオバチャンがもう、ものっすごいウソくさい笑顔とポーズで
ウレシソーに働いたり遊んだりしてる写真満載のやつです。

  もうね、アレすっごいキライ。
  自分でもなんか分かんないくらいキライ。

しかしキライなものほど見てしまうわけで( ← 思う壺)、
その広告で紹介されている商品の中で一つ、気になるものがありました。

ヨーグルトらしいんですが、うたい文句に
「しじみ900個分のオルニチン配合!」
とある。

……ふむ。
オルニチン。
聞いたことがある。
が、どういうものかはよく知らん。
まあ、カラダには良いものなのだろう。
しかし……しじみ900個て。
一生のうちに、しじみ、そんなに食べるものだろうか。
それにそんなに摂取して、逆に悪影響はないものなんだろうか。
そもそも、しじみ一個にはどのくらいオルニチンが含まれているんだ?

まぐろの刺身一切れでしじみ20000個分含まれてます!
とかだったら900個でも1000個でもあんまり意味がなかろう。

……というわけでちょっと調べてみました。
調べたっつってもWebで検索かけただけだけど。

参考にさせて戴いたサイトさんはこちら。

  ▼オルニチンと大人のヨーグルト
   http://topics.foodpeptide.com/?eid=1283317
  ▼オルニチン早分かりガイド
   http://www.divafest.org/
  ▼オルニチン研究会
   http://ornithine.jp/


で、大体まとめた結果がコレ↓。

▼オルニチン
 大体の効能:
  ・肝機能の増進
  ・脂肪の燃焼促進(?)
  ・成長ホルモンの活性化(筋力増強・新陳代謝の促進)

 食物の含有量(/100g) シジミが多い
  ・シジミ(10mgチョイ~15mgチョイ)
  ・キハダマグロ(2mg弱~7mg強)
  ・チーズ(0.7mgチョイ~8.5mg弱)

 副作用・多量摂取の悪影響
  ないっぽい。もともとカラダの中にあるもんなので。
  蓄積されることもないっぽい。

みたいな感じでした。

……いいじゃん。

ダイエットとか筋力増強とかの文句に、メッポウ弱いオイサンですよ?
というワケでキリンさん、あのいやらしいチラシで
ヨーグルト一個売ることに成功。
アレをこしらえた広告屋さんはヤリ手認定です。
くそう。

というワケで、
オルニチンヨーグルトを肴にヘルシア緑茶で一杯やってる騙されやすそうな大人をみかけたら
それがオイサンです。

高濃度茶カテキンとオルニチンで中毒起こして
皆様の前に目も当てられない死に様をさらす日を
従業員一同心よりお待ち申しております

あ、タイトルに「怪談」とつけましたけど嘘です。
別に怖い話じゃありません。
ごめん。( ← てきとう)


オイサンでした。
コンガリータ。



■視線交錯時代の主人公のあり方



って、終わらないよ。ここからが今日の本題です。

アニメを見ての感想の話なのですが、
先日Twitterにて、
「個性がなく、ドラマのない主人公にはあまり興味が持てない」
という意見をお見かけしました。

デその例として『アイドルマスター』のプロデューサーが挙げられていた
(正しくは『アイマス』を見てそういう感想をお持ちになってた)んですが、
これはまた、オイサンとは違う解釈だな、面白い題材ではあるな、と思ったので
ひとくさり唸っておこうかという次第でございます。


 ▼主人公という言葉の難しさ~物語の主人公なのか、「プレイヤー」なのか。

まずオイサンは、アニメ『アイマス』における主人公を、
あのメガネの男性プロデューサーだとは思っていません。
少なくとも、現時点では。
主人公はあくまでも765プロのアイドルたち個々人であり、
且つ、現時点では、13人一まとめで主人公だなあ、と捉えています。

今の……主観的ゲーム作品と、客観的物語映像作品の交錯する……ご時勢、
「主人公」というポジションは案外面倒で、何種類かそのありようがあると思うんですね。
ここでは大きく、3種類考えたいと思います。

 1) 物語の中心に据えられる対象。「受け手に、主として観察される」対象です。
 2) 受け手が入り込み、なり切るための対象。
 3) 受け手に対して視点・視線を提供・中継する存在。

1)は、上でも書いたように今回例にとった
『アイマス』のアイドルたちがこれに当たると思います。
大勢いるので分かりにくいかもしれませんが、
大人気アニメ(w『まどかマギカ』だと、ほむらがここに当てはまると思います。
個々にハッキリとした人格とドラマを持っています。

2)の型の主人公は、アニメや小説・映画など、単方向のメディアではあまりいないと思います。
コレは多分、(演者として関わる)演劇や、TRPG、テレビゲームなど
双方向メディアに特有の存在ではないでしょうかね。
ゲーム版『アイマス』のプレイヤーキャラとしてのプロデューサーや、
『ドラクエ』の主人公なんかはこのへんでしょう。
いわゆる「無色透明の君」とされることの多い人。
最近の『FF』の主人公なんかはここには入らず、1)にいくでしょうね。
案外『まどかマギカ』のまどかは、これに近い気はしますが。

3)は1)と2)の折衷で、定まった人格や個性はあるけれども、
お話の中で立たされる位置が受け手に限りなく近い。
主人公としての「彼(or彼女)」はある程度「彼個人」として振舞うけれども、
受け手がそこに入り込む余地もある、という存在です。
基本的には作り手が
「こいつはこいつだけど、見る側の人はこいつの見る方を見てくれよ、
 見ててくれればとりあえず間違いないよ」
という存在。視線の導き手・ガイド役のようなものです。

  マ2)と3)は与えられる個性や役回りの濃度の問題ではありますね。
  1)と2)も、ハイブリッドな役どころというのはあります。
  入り込みながら観察する、受け手に極めて近い(と思い込ませる)役どころを作り上げることで
  それは可能にされます。
  面白いモンで、『エヴァ』のシンジ君とか、『FFⅦ』のクラウドとか。
  自己陶酔・没入・内省型の主人公に多い気がしますね。

  『ロウきゅーぶ!』だとどうだろう。
  女バスの五人が1)で、ロリコーチはやっぱり3)かなあ。
  ……え? な、なんでイキナリ『ロウきゅーぶ!』の話になったか……だと?
  し、知るかバカモン///!!

  マ他にも今期のアニメで言えば、
  『神様ドォルズ』なんかは1)としてしか成立しないと思うんですよね。
  受け手は、お話を舞台の外側から眺めることしか出来ない。
  受け手の立場としては、ヒビノさんが近い(「村」の事情が分からずに巻き込まれる)ですが、
  主人公はキョウヘイであって、観察されるのはウタオでしょうから。

アニメ『アイマス』のあのメガネ男は、
3)に近い存在として描かれていると思います。
限りなく薄い3)か、ちょっと色づけされた2)か、というところ。
いずれにせよあのメガネは、「プレイヤー」ではあるが「物語の注視点」ではない。
主人公であるアイドルたちを観察するための、
受け手の視線の中継点として据えられた、カメラのようなものだと思います。

見た目やスタンスなど「外側の環境」はガッチリ定められているのに
中身だけが用意されていない、みたいな例もあります。
それは型としては2)なのですが、外側が固まっている以上決まった動きしかすることが許されず、
まるで中身があった人間のように描かれたりもします。
それはつまり本来の意味での「ロールプレイ」を作品が受け手に要求してくる場合ですが、
案外、今回の『アイマス』もその例なのかも知れません。

  オイサンの経験した中で、そのもっとも鮮やかだった例が
  PSのゲーム『女神異聞録ペルソナ』の主人公でした。
  あのゲームにはすっかりやられた……というか、「やらされた」。
  特に予期もしていなかった役どころを、見事に演じきらされたと思っています。

またアニメの『アイマス』では、
敢えてあのメガネ男を改めて役として立てる必要もなかったんじゃないかな? とも思います。
案外、あそこに律っちゃんをほりこんでしまうことも、多分出来たはず
(この先の展開で、メガネを絡めた恋愛成分とかが展開するなら別ですが)。

まあ、律っちゃんには強い個性があってしまうので、
お話を転がしやすい方へ転がすことは難しくなると思いますし、
あそこにいるのが律っちゃんだったのでは、
これまで「男性プロデューサー」として『アイドルマスター』の世界に関わり続けてきた
たくさんのプレイヤーたちが、
やはり「その世界での自分のあり場所」として、視点を預けることは難しい。

  「彼女の中に入って、自分の気持ちもコミで役割を演ずることが難しい」
  と言い換えてもいい。

あのメガネ男は、視聴者が彼に「なり切ったり」、彼が視聴者を「代弁したり」、
という、そこまで万能で、視聴者にフィットする存在ではないと思いますが、
「視聴者の誰もがその中に入って、演じることの出来るギリギリの居場所」が、
あのメガネ男なのだと思います。
視聴者が
「ああ、うん……まあ、許す。そういう役なら、やってやる」
と、言える役どころ。

  多分オイサンが作ってたら、
  安易に律っちゃんをあの位置に据えて話を作ろうとして、
  自分は苦労するわ、作品の評価は低いわで
  えらい失敗になっていたと思います。

なのでまあ、あのメガネを主役として観察をしていても、
今のところタイクツだとは思います。
後々、アイドルたちがビッグになっていって、



……。



 絢  辻「どうしたの? 急にだまって」


絢辻さん。……いや、別に……。


 絢  辻「……」


……。


 絢  辻「……黙ってちゃわからないでしょ?
      まあどうせ、アナタのことだから?
      『今時、「ビッグ」て……。言わないよなあ……。オッサンだなあ、自分』
      とか思って、一瞬へこんじゃったんでしょ?」



モロバレやないですか。
閑話休題。

えーとですね、後々、アイドルたちがメジャーになっていって、
自分の力量の及ばなさにへこんだりとか、
アイドルたちとの間に仕事上のパートナー以上の感情が芽生えたりとか、
そういう葛藤を抱えるようになればスポットライトが当たることもあるかもですが。
今のところはあの男のメガネのレンズを通して、
主人公・ドラマの核としてのアイドル達を見守っておればよいのではないかと思います。

そうしているうちに彼の気持ちと受け手の気持ちは近づいて、
やがて彼もがドラマの核の一つとして立ち居振舞うときには
まさに彼になり切り、同じ痛みを感じつつ彼のことを観察できるような、
そういう存在になるのではないかなーと、そんな風に思っておりますよ。


 ▼765プロの行く先

マ件の『アイマス』も、まだまだ話が始まったばかりで、しかもいきなり登場人物が多い。
この先一体誰がお話の中心になっていくのか? ということもまるで見えてきません。
オイサンは、冒頭でも書いた通り、
765プロという場とそこで生まれるドラマが主軸になっていくと思っていますので、
主人公は「765プロ全体」だと思ってます。
まあ、中でもクローズアップされるヒロインはある程度限定されていくでしょうけどね。
マいわゆる群像劇というやつで、
登場人物を乗せた宇宙船がどこに辿りつくのか、
行き先がどうやって決められるのか、が大事なのだと思います。

そして視聴者が視点を預けるのは眼鏡プロデューサー。

彼が男を見せる場面は……まあ、あるにはあると思いますけど、
それでも主体となっていくのは、プロダクションの他の面々でしょうねえ。
竜宮小町の三人と律っちゃんプロデューサーが始動してアタマ一つ抜け始めることを契機に、
それを見て奮起する子、
焦る子、
挫折する子、
動じない子が分かれてきて個性を見せ始め、
そこでまたドラマが生まれていくんでしょうけど。

  ……メガネ一人じゃ、到底回せそうにないな。
  ライバルになるプロデューサーとか、入ってこないとしんどそう。マいいか。

分かりやすい位置にポンと置かれて受け手の目を引くのが主人公だとすれば
『アイマス』の主人公は間違いなくメガネですが、
彼の役目はあくまでも、そうして引き付けられた目線を
アイドルたちの所作の方へとポーンとトスするだけのことだと思いますんで、
あんまりあの、取り柄のなさそうな兄ちゃんをジロジロ見て上げるのは
チョイと気の毒な気がしますね。

大体、ヤツが個性をバリバリに発揮して大活躍のモテモテのウハウハになってしまったら
各所から抗議のおたよりが殺到しそうだ。
泣く子も出てくるでしょうし、きっとタダではすまない。

ゲームからの映像化だと、登場人物も多かったり、
受け手が誰の目線で、誰を見るのか? ということにも
そもそもの前提(ゲームの主人公の存在)があったりするので混乱しがちです。

お気に入りのキャラクターがいたりしたらそこに感情が入ってしまったりして、
送り手の意図とすれちがってしまったらもう、
多分まともにはそのお話は受け取れないでしょうし。
そうして「つまらない」とされてしまう作品も、多々あるでしょうね。

  ……まあ正直な話、あのメガネが無個性なせいで、
  話がのっぺりとつまんなくなってるむきもあったりしますけどね。
  お祭りの回とか。
  その辺はもうチョイ、何か救いがあってもいいかと思います。
  後のドラマへの伏線として。

今回の『アイマス』ではオイサンはもう完全に門外漢の立場から入れたので
その辺ニュートラルに見られることは幸運だったかなと思います。
オムニバスでなく、群像物として見られることも、とても嬉しい。

マ多分この先も「真の主役の座」争いがきっと起こって混乱していくと思いますが、
誰に入って、誰を見れば良いのか、
上手に導いていって欲しいと思います。
色んな視点・色んな視線が楽しめるのは、群像物の醍醐味ですしね。


マそんな感じでヒトツ。
オイサンでした。



Are You Ready ?


 

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コメント

■編集まそさん
これはこれは先生! ようこそのお越しで。

理想的、というか、平均的(SLG系)ギャルゲー主人公の姿、という気はいたしますね。
第6話での凹みっぷりは見ていて非常に身につまされるものがあり、
若干ワロエナイ気分に浸らせてくれるところも、恐らくは語り手の思う壺なのでしょう。
「お前らもあんだろ? このくらいの気持ちになったこと!」
っていう、ニヨニヨ笑いが目に浮かぶようです。くそうw
あの話で、視聴者とメガネの距離はぐっと縮まったんじゃないでしょうか。
 
 若干、記事を載せるタイミングが良く無かったですね。
 ドンピシャ過ぎた。
 
お話の方は本当に、仰る通り、全員にバランスよく比重が配分されていて、
丁寧に、気を使って作られているなあと感じます。
その分まだお話にのっぺりとした印象は拭えませんが、
そんな中でも、ミキミキのように「キャラとして自然に」前に出てくる子がいて、
その自然さにはイヤミがなく。
「ああ、愛を持って作られているな」
と感じます。
竜宮小町と彼女がトリガとなって、これからお話がむにょーんと前に出てくるんでしょうね。
楽しみです。
もともとどの子も、いつメインになっても耐えうるよう
パーソナリティが与えられているのでしょうし、
「オムニバスに逃げない」(笑)、群像系のお話作りのお手本となるよう
頑張って戴けるといいなあ、と思います。
 
 

投稿: ikas2nd | 2011年8月19日 (金) 21時15分

冴えないメガネのあんちゃんで、見た目は野暮ったくて派手ではなくて頼りないんだけど、でも多分、やるときゃやる…大勢の垢抜けぬオタク諸氏(含む俺)が自分と重ねたくなる、ある意味理想的な姿、なんじゃないのかなぁ、と思いました。
自分があの世界にプロデューサとして存在するなら、ファッションキメキメで敏腕でバリバリ仕事こなすイケメンよりも、あれくらいの容姿で、最初は情けないんだけど段々とアイドルたちとの距離を詰めていけるキャラでありたい。…そういう姿を、多くの(多分)アイマスファンが思い描いていて、その最大公約数的なキャラとして生み出された、ような気がします。
ゲームのアイマスでは、プレイヤーは新米駆け出しプロデューサーからスタートするので、そこに重ねたということももちろんあるのでしょうけれど。

今とこアイドルの描写が誰に偏るでなく、全員のファンが公平に楽しめるようにと、丁寧に…というか、親切に作られているなという印象を受けます。ファンに優しい、といってもいいかも。
これからどう物語が転がっていくのか、楽しみです。

投稿: 編集まそ | 2011年8月17日 (水) 09時17分

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