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2011年5月14日 (土)

■スキ間産業再生機構~オトメと童貞のポルカ(後編) -更新第672回-

天はおっぱいの上におっぱいを……
あ、もういいですか?

オイサンです。
じゃもう、サッサと続きに行きますね。


 ▼『オトメディウスX!』がこれまでとちがうとこ、……の、続きから。
   <前編>はこちら。 →  

今回『オトメディウスX!』では、
そのNormalモードの難易度をガックンと落として、
オイサンですらノーミスでクリア出来てしまうほどに、難易度を下げてきた。
上級者向けのExpertモードですら、何度かやられこそするものの、
コンティニューなしで一周出来てしまうくらいに調整されています。

オトメディウスX(エクセレント! ) オトメディウスX(エクセレント! )

販売元:コナミデジタルエンタテインメント
発売日:2011/04/21
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正直なところ、オイサンでさえ肩すかし、拍子抜けという感も否めなくはないですが、
STGを「楽しみたくて」買った人みんなが、
気持ちよく遊べるゲームになってるんじゃないかな、とオイサンは思います。

  うん。
  ヌルくて、フワフワしてて、厳しさとかと無縁で、
  「ゲームとは求道である!!」
  みたいな人にはさすがに向かないとは思いますし、
  貧乏性のオイサンなんかもちょっと不安に思ったりもしますけど。

……マここで言う「みんな」というのは語弊があって、
この「みんな」からは、従来の難易度を期待する、
これまでゲーセンのSTGを支えてきたプレイヤーが、バッサリと切り落とされてはいるんです。
これまで、一番の優良ユーザだった方々です。
ある意味で、一番やっちゃいけないこと……でもあるのかも知れません。
……が。
なんというか。


  ……さすがコナミさん、商売の鬼やでぇ……


と、これまで揶揄の意味でしか使われてこなかったフレーズを、
今回ばかりは本当の賞賛の意味で向けてもいいんじゃないかなと……オイサンは思うんです。
今まで最良のお客さんであった人たちを、バッサリと切り離す方針の転換。
痛みや勇気、計算高さ、残酷さ、冷酷さの必要な決断だと思います。
けれども、STGメーカー自身にしろ、
ジャンルにしろ、ユーザーにしろ、
全体を守るために、どこかで切らなければならない舵だったのではないかと思えるのです。

  まコナミさん自身は、
  そんなにアーケードの弾幕STGに首を突っ込んでお商売されてたわけではないので、
  そういったしがらみから自由で、こういう思い切った舵切りが出来た、
  という面もあるでしょう。外側の人間だから出来たことであると。
  ……それにしたって、
  「既存のお客さんにゴッソリそっぽ向かれるに違いない商品」
  をどーんと出して下さった、その決断はやはり勇気のあることに違いないと思います。

その……
「単純すぎる方法を導入して、代わりに何かをバッサリ犠牲にする」
なんてのは、見ようによっては下策に映ると思います。
考えが足らんと。
もっとやりようがあるのではないかと。

……ですけどねえ。

恐らくそれらの手段というのは、この10年間であらかた絞りつくされてしまったと、
オイサンには感じられます。

  この10年、オイサンはやっぱりSTGが好きで、
  面白そうな新作が出る度コンシューマなら買いもしましたし、ゲーセンへ足を運びもしました。
  でもやっぱり、自分にはマトモに遊べない、
  手加減してもらえないと楽しめないというモヤモヤがずっとつきまとっていたように思います。
  弾幕系の開祖である初代『怒首領蜂』をなんとかワンコインクリアして以来、
  次に無邪気に楽しめたのは『シューティング技能検定』じゃないかなあ、というくらい。

冒頭でご紹介した最新のSTG群……
『エスカトス』にしろ『弾魂』にしろ『ストラニア』にしろ、
そのギャップを埋めようとして考えられた様々な工夫が盛り込まれた跡が伺えるんです。
敵の弾を消せるだとか、一時的にバリアを張れるだとか。

けれども、やはり既にどこかで見聞きしたことのあるものであったりしますし、
逆にそれらのシステムそのものが、使いこなすことに一定のスキルを要求するものであったり……
してしまいます。
何より「やる前から難しそうに感じさせる」システムだと、オイサンでも思います。
「それが出来なきゃ楽しくないわけでしょ?」
という。



  これらのタイトルに、ワクワクや面白味以上に感じてしまったのは……
  その10年間の疲弊と、煩わしさでした。



なのでもう、ここらで一旦
「先ず『ふつー』にしてみようや」
という今回の大胆な「アイデア」は至極正しいものだと、オイサンは評価したいと思います。

これからまだまだ、既存の方向性で改善を重ねていくことも、勿論続けていくべきだと思います。
そちら道は、今まで修羅の道を歩き続けてきた猛者たちとその縁者たちが
歩き続けていくでしょう。

それとは別に、こちらの道から歩き出し、
また新しい進化をたどる人たちも、また出てくると思います。
二つの道がいずれ交わるのか、
それとも違うジャンルの物として異なる樹系図を描くのかはわかりませんが……
STGの、ゲームの世界をまた一つ豊かにしてくれるのではないかと、
オイサンは、老舗・KONAMIの決断を、意義にある物として受け止めていきたいと思います。



■で、簡単になったのはいいんだけども。



サテ、ここまで調子よく褒めてきたんですけど、
客観的にゲーム全体をざっくり見渡してみると……。
言っときますよ。
決して、デキのいいゲームじゃないですからねコレ(どないや)。

それは「難易度が極端に低い」とは無関係で、
全体的なバランスが滅茶苦茶なのです。
機体によっては、ボスでもタメ撃ちで瞬殺出来るとか、
兵装の強さにアホみたいに偏りがあって、やたらと使える武器と、
「コレどうやって使うねん」という武器に分かれてしまうとか。

結構、ヒドい。

オイサンはそういう荒さ・ヒドさが楽しかったりするクチなので
(特に「ボスが通常攻撃で瞬殺出来る」というのはポイント高かったりします)、
それも含めて「楽しい」と言ってますけど。
ストイックにSTGを楽しみたい人には、
多分「ナンジャコレ」と言われてしまうと思いますコレ。

うん。
ヤバイ。

なので、STG初心者の人が低難易度に惹かれてやってきたは良いものの、
この荒さに辟易して「STGっていい加減でツマンナイ」と言われてしまうのが
ちょっと心配ではあります。

うーむ。
ままなりなせんね。



■世の中はばかみたい



と、いうのがシステム周りのお話。
ここからは世界観のお話です


 ▼『オトメディウス』の世界

謎の地球外生命体バクテリアンに攻め込まれている地球があって、
それと秘密裡に交戦している地球の組織『G』があって、
『G』にはバクテリアンと戦うための女の子
(なんで女の子なのかは書かれてないけど)「天使」が
地球のみならず「色んな」ところから集められていて、
メインヒロインは地球の聖グラディウス学園の女子高生で、
ビックバイパー的な乗り物に乗って戦う……、っていう。

すごく……ばかみたいです。
いい意味で、と言いたいところですが、ばかみたいに良いも悪いもあったもんじゃない。


▼オトメディウスX(エクセレント!) OPムービー



ただその「ばかみたい」なことがオイサンは大好きで、
あまり細かなことを考えず「面白そう!」と思った素材をとりあえずのイキオイで寄せ集め、
空いちゃったスキ間にはオヤクソクという緩衝材をふんわりと詰めて出来上がった、
この感じ。

俗っぽいというか、雑多というか。

  『オトメディウス』のヒロイン(=自機)には、
  地球人の女子高生をはじめとして、
  他の星の人もいれば、異次元の人もいれば、
  ロボットみたいなのとか、おとぎ話から出てきたようなのもいます。

  そんな風に、「雑多」がただの「雑多」で終わっておらず、
  構成するそれぞれのパーツの個性が大きく振り切れていて、
  気軽に「アホかwwwこれはアカンわwww」と
  笑い飛ばせる力を持っていることが大事なのだと思います。
  オイサンの感覚では、そういうものに捕まることは
  ジャイアントスイングでブン回されるコトに似ている。
  受け取る側がウッカリ真顔になってしまうスキを与えない、
  一撃で諦めをつけさせてしまう遠心力が必要、と言い換えても良い。

  求心力ではなくてね。
  求心力は、人を真顔にさせます。

  似たような構造のモノも世の中には結構あると思いますが、
  面白い/物足りないを分けるのは、その遠心力の力の差だと思っています。

ただ、個々が好き勝手なままにおいておくとそれはただの散漫なものにしかならないので、
世界が空中分解を起こさないように一つ、
そのカオス全てを許容する超然とした存在を配置して、
個々のパーツを緩やかに繋ぎ合わせてある。

  この……なんつうか、駄々っ子大家族を、
  お父さんまで含めて抱きしめるお母さんのようなおおらかな感じ。
  息苦しさは感じさせず、放漫すぎもしない。

構造自体は恐らくSFに近いのですが、
コアにあるものがSienceと呼べるほどのものではなく、
オヤクソクや萌えやアホタレ要素に置き換わっている感じなのでしょう。

そう、まさに『ドリームクラブ』も同じですね。
アンドロイドだとか未来人だとか、ウソかまことか魔女っ子だとかが混じっていて、
それらの存在の根幹を考え始めると色々つじつま合わせが大変になってくるものを、
そこには言及せず、ただ雑多に詰め込んである。

  『ドリクラ』もホストガールにフツーの女の子しかいなかったのであれば
  多分オイサンは、ここまで入れ込んでいないと思います。
  且つその無謀な集合を許容する受付さんという特異点と
  『ドリームクラブ』という場そのものが
  その雑多さを緩やかに結びつける神秘的な器として介在して初めて、
  オイサンはあのゲームを魅力のあるものとして認識出来たような気がしています。

『ドリクラ』にせよ『オトメディウス』にせよ、
最近そういう「ばかみたいなもの」への慈しみというか、
面白みを感じる心がここ数年に比べて随分甦ってきたという感触があり、
今『戦国乙女』みたいなものを面白がって見ていられるのも、
その変化というか、揺り戻しのおかげかと思います。

逆にそこをキメキメに埋めて来る『バーチャロン』なんていう
変態的な世界もあって、それはそれで好きなのですけど。


 ▼スキ間産業再生機構

そんな風に、
ばかばかしい物を無理やり寄せ集めた挙げ句に振り回したりするモンですから、
個々の合間には、やはりスキ間が空きます。
それはもう、どうしたって。
デそのスキ間には

 「まあまあまあ、お互いオトナなんですから、
  オヤクソクってコトで勘弁して下さいよ」

と書かれた紙がまるめて詰めてあったりするんですけども、
オイサンみたいなのは、それを引っ張り出して丸めてポイして、
勝手に書いたお話を、替わりに丸めて詰め込んでおきたくなったりするわけです。
「よくぞこの、絶妙な穴を残してくれた!」
というような喜びです。
その穴の空いた場所であったり、形であったり。
その間隙の心地よさをこそ、愛でていきたいようです、この人は。

イヤ、実際難しいと思うんですよ。
意図して、絶妙な穴を残すということは。
穴を残す場所を間違えると野暮になったり、お話そのものが理解できなくなりますし、
その大きさも、小さ過ぎると埋め甲斐が無く、
大きすぎると面倒くさいというか、手出しのしようがなくなるワケで。

受け手がギリギリ補い得て、
且つそれなりに違う解釈も生まれて幾つかの世界が生まれ得る、
そういう穴の残し方。

  ちなみに、お話が語り終えられる前から穴をちらつかされ、
  それを餌にされるのは苦手です。
  所謂「謎解き」「ミステリー」モノは好かんっちゅうこってす。
  作者にさえもう語る余地の無くなった、語ることを赦されなくなったあとに残る
  結末の一部としての穴が好きなんです。

  余談ですが、『アマガミ』については……
  絢辻さん編に空いた穴と、
  その穴の生み出す渦があまりに素晴らしかったモンですから
  そこにばかり執着してきましたが、
  それ以外の部分に関しては、ワリと無頓着ですね。
  他に対してもああいうのを期待したかったし、してしまったんですが、
  それは野暮だったなあと反省してます。

  まあ『アマガミ』絢辻さん編に空いた穴は
  「おおらかに」放埓にされたわけではなく、
  狙い済まして空け残された針の一穴だと思うので、
  ここでいう「ばかみたいなもの」とはそもそもの質が違いますが。
  あれはもう、穴の大きさこそ針穴ですが、
  その形、数が絶妙すぎて、オイサンは完全にヤられてしまいました。

穴をどこに空けるのか、
どんな大きさで空けると素晴らしいのか、ということは……
未熟なオイサンにはまだまだようワカランのですが、
或いは穴から考えるのではなくて、
結局は「実をどこまで詰めるのか(その結果どこに穴が開くかを計算する)」
で考えるしかないのかも知れませんけども、
『ドリクラ』にせよ『オトメディウスX!』にせよ、
オイサンを魅了して止まないステキな穴……っていうと何か妙にゲヒンなので、
スキ間をお持ちですよと、
そんなことを言いたかっただけなんだけど、
ナンダコレ、
えらく長いな。



……。



まあ、なんというか。
オイサンのギャルゲー遍歴……というか、二次元の愛の足跡は、
PS版『ときめきメモリアル』に始まり、
今のところ、『アマガミ』『ドリームクラブ』ときて、『オトメディウスX!』で閉じている。

この先まだまだ続くと思いますケド。
なんかオイサン、一生童貞らしいから。
……。
泣いてないよ?


まあね、それはさておき、
その愛の歴史のアタマとおしりが今、同じ点で結び合ったこのタイミングは
何かトクベツな時刻なんじゃないか知らん? と……
フッと思ったので。



こんなことを長々と、考えてみたのさ。

こんな、長い上にイミわかんねえの誰が読むんだ。
シンジ君、あなたが読むのよ。
オイサンでした。



 

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