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2010年12月29日 (水)

■胸に輝く「M」マーク!! ~M-1グランプリ2010雑感 -更新第622回-

いやー。
今年も『M-1』が終わってしまい、オイサン的にはもう今年も終わったも同然です。

オイサンです。
つか実際あと二日で終わりだけど。

そんなことで今日は、例年通り。

今年で10回目を迎えつつ、その歴史に幕を閉じることになった
『M-1』グランプリ2010の感想をですね。
いつも通り、ナマクラおっとり刀を振りかざしつつ、お伝えして参ろうかと、
このように思う次第でございます。



■M-1グランプリ2010 総評



9組中、昨年から引き続いての出場が4組ということで、
ちょっとフレッシュさには欠けるだろうかという顔ぶれでしたけど、
知らない人ばっかでも見る動機を欠くので
まあこんなくらいでいいのかなーと思って見てました。

  ちなみにオイサンは、銀シャリとスリムクラブは全然知らなかったです。
  ピースはコント的な小ネタだけ見たことがあった。
  ……数日前のイロモネアで(笑)。
  ジャルジャルも、ピースと似たようなものかしら。
  カナリアはオンバトとかで見たことあったかなー、でも決勝来るほど面白かったかなー、
  という程度の認識。

レベルが高いとか低いとかはオイサンにはようわかりませんので置いておきますが、
「会場があったまるのが例年よりも早かったな」と、
テレビ越しには見ていて感じました。

そして、その反動か知りませんが、
テンションの最高値は例年ほど高くなかったかな、という気がします。
9割~9.5割くらいに抑えられてたんじゃないだろうか。
「熱しやすく冷めやすい」大会だった。

それも多分、台風の目であったスリムクラブが、審査員も言っていたように
「ホンマにオモロイんかどうか分からん」
というところにも一因があったでしょうし、
再出場組がかなりきれいに例年を踏襲してしまった「安定し過ぎる感」があったからかも知れません。
……なんというか、盤石過ぎた?

本当に盤石だったのは昨年満点を叩き出した笑い飯だけのハズで、
ナイツも、ハライチも、優勝を狙うのであればもっと変えて来なければいけなかったはずなのに
全く&想定の届く範疇でしか変化をさせてこなかったので、
その辺で「安心はするけど失速もする」ということが起こってしまったのではないかと思います。
「ああ、笑えた。でも同じか」
みたいな、安心と失望。

ネタ順も、5組目がナイツ、6組目が笑い飯、7組目がハライチと、
もし構成を組むのであれば
「この辺で見たことない奴らが第二次ロケットを点火して第二宇宙速度を突破!」
という中盤以降のノリを支えるタイミングで、
……ある意味まったり笑えてしまったので……
安心してしまったのかなあと。
8組目のピースにはその役割を果たせるほどの爆発力は感じませんでしたし。
その分9組目のパンクブーブーは、オイサン的には今大会で一番笑えました。

あとは、最終決戦の二組、パンクブーブーと笑い飯が、
まさかの一ネタ目と殆ど変わらないネタを持ってくるという、
守りの姿勢を見せたのでそこで盛り上がりに欠けてしまった、
というのがあると思います。

  そういう意味では昨年、一ネタ目で満点を叩きだしながら
  二ネタ目で伝説のチンポジを持ちだした笑い飯、
  彼らは生粋の「職業関西人」だなあと、感動せずにはおられません。

  フツーの関西人には怒られるかもしれませんけど。
  マ周りを見回して、てきとうに察して下さい。
  オイサンも関西人ですんでお気持ちは分かります。

マそんなことで。
有終の美を飾るには、ちょっと物足らない、
息切れを感じさせる幕引きだったように思います。

 ▼無冠絵日記

笑い飯の優勝について、Web上では例のごとく出来レースだなんだと取り沙汰されていますが、
道中での紳助の、ネタとはいえ投げやりなコメントや、
松っちゃんの最後の「とらしてやりたい」というコメントからも
そういう風に見られても仕方のない結末でもあったと思います。
そしてまた、たとえそうだったとしても
まあエエんとちゃうかなと……
所詮は第三者、娯楽の一環としてしか見ていないオイサンは「今大会に限り」思います。

そういう意識で揺れてしまっても仕方のない、
難しい最終決戦だったと思いますから。
過去9回は、そうだったらイヤですし、
真剣勝負、生活やお笑い人生を賭けて出場している人たちはイヤでしょうけどね。



■各論



マそんな感じで、以下、各コンビについて触れていきたいと思います。
例によってオイサン的な点数を10点満点でつけてますけど、
これも所詮はオイサンの目安としての印象点でしかないので
あんまり気にしないで下さい。

お腹がどのくらい一杯になったか、くらいの話ですよエエ。


 ▼カナリア

一組目にしては例年よりも笑えたし、ウケてもいたんじゃないかあ、と思います。
ただ中盤以降の繰り返しが、ちょっとしつこ過ぎた。
というより、『M-1』でやるには、切り替えが遅かった。
お客さんが引き始める真ん中チョイ過ぎあたりで切り替えて、
ドカンと笑いのとれる流れにしないとダメなんでしょうね。難しいなあ。
歌ネタは、モノによってはDVDになった時に音声を切られてしまうので
個人的にはあまり歓迎ではないのですが。

初出場にしてトップバッター、かつラストチャンスという……
まあ、恵まれませんでしたけど、そこそこ面白かったと思います。
7点。


 ▼ジャルジャル

今時の人たちですねー。オイサンの好みのすごく外。
序盤はまさかこのまま終わらんだろうとは思ったけど案の定ひねってきた。
ヒネったあとも然して面白くならなかったので……いいところじゃないでしょうか。
第一回大会で麒麟が出てきたときと似たモヤッと感。
麒麟はきっちりマクっていきましたけどね。
オイサン的にはこの人たちがベッタ(最下位)。
5点。


 ▼スリムクラブ

漫才……よりも、コントに近いような気がしますねえ。
面白かったというよりは「笑ってしまった」という感覚に近くて、
もう一回見たい、という感じにならない。
やっぱり判断には困るなあ。
松っちゃんとかこういうの好きだろうな、と思って見てました。

こういうネタとスタイル、予測は確かにつかないんですけど、
「つく筈の予測がつかない」のではなくて、
「何でもアリ、無軌道過ぎてつかない」ので、見てる側としてはもう「諦めるしかない」んですよね。
そうなると、オイサンの欲する面白さからは少しずつかけ離れていくわけで、……うん。
なんか笑わされちゃったなあ、という感じ。

最終決戦二本目のネタは、オイサンの感覚では、
途中から「ヘンな人」から、「正視にたえない人」「心配になる人」になってしまって、
ちょっと笑えなかった。
ナンちゃんが「突っ込みの方はつっこんでないよね、説得だよね」
と評していてその通りだなと思いましたけど、
よく考えるとボケの方も「ボケ」らしいボケはあんまりしてなくて、
「カーッ」「歌うのバラードだろうな」くらいじゃないだろうか。
「面白い」よりも「おかしい」、そんな言葉がしっくりくる気がします。
……7点? 8点? そんな感じ。


 ▼銀シャリ

面白いしゃべくり漫才。
完成形とか、『M-1』の系譜としては、ブラマヨ、U字工事のラインでしょうか。
それにもっと古びのウェザリングを施して、王道化させた感じ。
オイサンは好きなスタイルなんですが、王道の中にも何か一つ破壊的な要素がないと、
ただの模倣になっちゃいますね。
どちらかといえば、その模倣の罠に片足を突っ込んだくらいのバランスになってしまっている気がします。

  ブラマヨは新しい方に傾いていて、そこがすごかったし、勢いを感じた。

こういうコンビに、オイサンは勝って欲しかったりはしますけど、
これはこれで、このままでは勝てんというか。
案の定な結果に終わってしまうもやむなしかと。
7点。


 ▼ナイツ

これと言って書くこともないなあ。
……例年通り?
ちょっとネタの感じを変えては来られましたが、全体としてのパンチの質が変わらないから、
勝てはしないんだろうと思って見ていました。
クスリとはきますし、手堅いというか、クリーンナップには入るのでしょうけど、
4番にはなれませんよねえ、というのが素直な感想。
試合を決める一発が、やっぱりない。
バルカン砲では破れない壁があるみたいなんですよねえ……。
6点……?


 ▼笑い飯

去年の続きでネタをやるって言う……ある意味で王様にしかできないことをやってのける。
いつだったかの大会、出だしの挨拶で

 「優勝候補ですお願いしまーす!!」

って言ってのけて笑いを取った西田さん、
その力強さと繊細さが、このコンビの生命線だなあとつくづく思う。
ネタは昨年の恐怖のファンタジー漫才シリーズその2で……
意外と「鳥人(とりじん)」が、造形として、キャラクターとして優秀だったんだなあと
思いました。
シルエットがシンプルで想像がしやすい・直感的に恐怖と笑いを感じられるという意味で。

サンタウロスもいいとは思うんですが、ちょっとだけ、
直感的に思い描くには複雑だったような。
その複雑さが西田さんのボケ、
「内臓は草食動物だから」とか、「お尻にバイ菌が入ってこうなった」とか、
さらに複雑でブラックなネタにつながって、そこはすごく面白かったんだけど。

あとのパンクブーブーも同じだけど、
やはり二本目殆ど同じネタをやる、というのはちょっとどうかと思う。
今回は、笑い飯もパンクブーブーもどちらも守りに入ってしまったから、
「一本目の順番が先だった(一本目~二本目の間が開いた)」、
「若干だけ、一本目とネタに差をつけた(一本目の逆手をとるネタにした)」
という要因(と、9年連続という安定感と……人情?)で、
辛うじて笑い飯が勝ちを拾った格好になりましたが、
これでパンクブーブーがちょっとでも攻めに出て、かつそれがハマッていたら、
笑い飯の勝ちはなかっただろうなあと思います。
チンポジをやれとは言いませんけど、
以前のロボットとか、ハッピーバースデーとか、
あのテのネタが出てきても良かったんじゃないかと思います。

あと、何が面白かったって……コンビ紹介Vのラストエンペラーが面白かったよw
9点。


 ▼ハライチ

「新しい俺たちを見せつけてやりますよぉー!」
……って、前フリのVでは吠えてましたけど。
去年とまんーま、すっかりおんなじでしたね(笑)。

  イヤいいんだけど。好きだから。

これも多分カナリヤと同じで、中盤過ぎ、多分2分45秒あたりから違う流れに乗り換えて、
バルカン砲から大砲に切り替えるスタイルをつくらないと、『M-1』では勝てないんでしょうね。
もうチャンスはないけど。
鉄鍋でバーンが好きだった。
6点。


 ▼ピース

ツッコミが……下手だねえ。
流れに乗れてないというか、緊張していたのか。
キャラクターはあるんだけども、ネタの構成が弱いというか。
決勝まで上がってこられたのがちょっと不思議。
全てにおいて地味だったと思います。
華が感じられなかった。
5点。


 ▼パンクブーブー

いやー……。言っておくと、今年の『M-1』で一番笑ったのは、彼らの一本目のネタでした。これはその、スリムクラブと逆。
予測のつく筈の展開をぐりぐりと曲げていくタイプのネタですね。
新しいと思いますし、それなのに粗削りでなく洗練されていて、すごかった。
素晴らしかった。
昨年とは違う面白さだったし、明らかに昨年よりも面白かったから、
100点あっても不思議はないなと思って見ていました。
脚本としての面白さがあった。

笑い飯と同じで、2本目が戴けませんでしたね。
同じ料理をお皿だけ変えて出したら、そりゃ怒られますよ。
新しくてインパクトがあっただけに……
余計、二連発のあざとさが増してしまった気がします。
惜しい。
ネタの構成・脚本自体が一つのネタだと自覚して、
「一回の舞台ではこの系統の脚本は二回は使えない」
ということを考えないといけなかったと思います。

それを思うと……歴代で最強の戦いをしたのはチュートリアルだったかも知らんなあ。
9点。



■Closing



……とまあ……。
こうして書いてきて思いますが、10点をつけたくなるコンビがいなかったですね。

「あーもう、腹抱えて笑った笑った!」

とならなかった。
8点、というのもいない。
6点・7点のトーンで終始進み、ときどきポンと盛り上がる、
そんな感じでした。
だもんで満腹感に乏しく、「ああ、終わっちゃったなあ……」というカタルシスや寂しさもなかったので……
冒頭でああ書きはしたものの、
今年が終わっちゃった感、年末に突入した感じも、実はそんなになかったりします。
ちょっとさみしい、不完全燃焼。

10年やってきてラストイヤーがこれではちょっと勿体無い気がしますが、
なんというか……大学受験みたいになってきてしまった昨今、
良い節目かもしれません。

『M-1』流と言うか、「『M-1』で勝つにはこうしないとだめだ」という風潮が出来てしまい、
「漫才」ではない「M-1」というものに変わってきてしまったように思うのです。
たとえば4分という時間や、審査員の好み。
ヴァーリトゥードのように見えて、やはりそのルール専用の戦い方が確立されてきてしまったので……
『餓狼伝』や『刃牙』じゃありませんが、
武道における実戦のような、
スポーツではない、日々全てが戦場となりうる全方位型のお笑い、
どんな舞台においても人を笑わせることの出来るようなものを目指す
強い舞台ではなくなって来てるので。

……マ別に『M-1』の本懐がそんなところにあるとはいいませんけど、
キャッチコピーにあるような「爆笑の女神」「俺たちが一番面白い」には、
なんかそんな気概を、オイサンは感じてしまうので。
『M-1』前夜に松っちゃんが『松本紳助』にて紳助に言っていた、

  「別に小道具も舞台もなんも持たんとフラッと舞台に上がってきて、
   ドカーンドカーンと笑いとってってね、
   『ほな!』って帰るのが一番カッコエエ、憧れますねえー」


というスタイル、
それはもしかしたら『すべらない話』に受け継がれているのかもしれませんが
(『すべらない話』の現在がどうなっているかオイサンは知りませんけど、
オイサンの見た1~3あたりまでで考える限り)、
そういう徒手空拳、最強の笑いのスタイルを求道する姿が、
やっぱり『M-1』にもあるのかなあと……思いますし、あって欲しいとも思いますし。

  マそれはオイサンの夢ですね。
  お笑いに、お笑い芸人に見る夢。
  歌手なんかでもそうですけどね。
  アカペラとか、ギター一本とか。

それから外れ始めた今、完全にやめてしまわないにしても、
一回お休みをして、足元を見直す時期に来ているとは思います。

なので、またね。

『M-1』が、『ドリフ』や『ひょうきん族』のようなレジェンド級の番組になったとは思いませんけど、
昔語りのタネくらいにはなったと思うので、
何かの折、何年かに一度甦り、
カッコイイお笑い芸人さんたちの姿を見せてくれると嬉しいなあ、とは……
……かなしみと同じくらい、笑いの好きなオイサンは思うのでした。



最期に一個、疑問点。





巨人師匠、なんで審査員外れちゃったの?





オイサンでした。




 

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