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2010年12月の20件の記事

2010年12月31日 (金)

■嘆く天使の子守唄 -更新第624回-

 


 「なのは完売」!
 


 ……その第一報を聞いたのが一体いつだったか知れないが、気が付けば、もう今
年が終わろうとしている。

 世のオタク界隈ではなのは完売の声で冬コミの(夏もだが)の訪れを知り、その終
幕を以って今年と翌年の境目を知るというが、如何せん、昨年までコミケになどつ
いぞ縁も興味もなかったオイサンにはどうにもそんな作法は馴染まず、ただただそ
の訪れを聞き逃して気付いてみればこの体たらくである。先の日記にも書いたが今
年はM-1もあの有様であったので、オイサンは年の瀬、ひいては新年の接近を感
知し損ねたというわけだ。これでは今年すべきと打ち立てた目標を達成しておらず
とも致し方なしと言い訳も立つというものだった。

「どうしたの?」
 絢辻さんが、そんなオイサンの不遜な考えを見透かしでもしたかのように、かけ
ていた映画のDVDをわざわざ止めて訊ねかけてくる。いやなんでもないよとやり
過ごして、オイサンは、彼女がスクリーンの向こうに帰って行ったのを見届けてか
ら、またキーボードへ向かった。

 思えば、あれをやろう、これもしようと考えていたことが、果たして昨年の今頃
に考えていたことであったのか、それとも最近になって来年の予定として考えてい
たことだったのかその境目も判然としない。恐らくは半々ずつ位でない交ぜになっ
ているものと考えるが、いずれにせよ、そのどれをも達成していないのだからどれ
がどれでも大した差はない。来年以降に片端から片付けなければならないのに変わ
りはないのであるから。こうして人生の後半が切羽詰っていくのだろう。

 そもそもどうしてこんなに今年は手をつけようと思っていたことにゆび先がかか
らなかったのかといえばもうTwitterの仕業に他ならない。そしてその波に
乗ってしまったのは、これまた他ならず、『アマガミ』そのものと、そのWebラ
ジオ『良子と佳奈のアマガミカミングスウィート』の公開録音に当選してしまった
ことが、一方でオイサンの人生のレールを少しだけゆがめ、他方では正しい方向へ
導いてくれた結果といえるだろう。その二つはオイサンにとって表裏一体で、切り
離すことの出来ない抱き合わせだった。

 年の第一四半期、一月から三月にかけては例年と大した違いのない幕開けだった。
違っていたことと言えば、前年、つまり『アマガミ』、絢辻さんとの出会いとの余
波で、いつになく前向きで、勢いが無駄にあるばかりではあったが、それでも何か
前へ進もう、何かしら為そうという姿勢があり、それはそれで自分としては好まし
くとらえていた。
 この時期には『ひだまりスケッチ×☆☆☆』が放映されていて、主に作品的に傾
倒していたのはこれと『ソラノヲト』の二本だけだったように思う。ゲームもさほ
ど手を付けてはおらず、絢辻さんのSSを書くことに空いた時間の大半を捧げてい
た。
 音楽としては、偶然行き当たった『カナリア』の『ナニカ』。この歌詞の持つ生
きた隙間の良さはやはり今聴いても胸に詰まるものがある。勢いに乗って作詞家氏
の小説にも手を出してみたものの、そちらの方は今一つ以下でがっかりしたのも良
い思い出である。そして『バカテス』のOPだった『Perfect-Area 
Complete』。畑亜貴さんの底力を見せつけられた、今なお謎に満ち満ちた
一曲だと思う。









 ゲームでは、主題歌の『夢であるように』に流され、気紛れに『テイルズオブデ
スティニー』に手を染めるも、そのドラマのすかすかであることに失望して投げ出
したりもした。





 珈琲豆の銘柄に凝って喫茶店を出たり入ったりしていたのもこの頃だが、その活
動はワリとすぐに諦めてしまった。何故なら、豆の旨い不味いもさながら、焙煎や
抽出によって珈琲の味わいそのものが相当に左右されることに気付いたからだ。そ
れを知って以降は、豆の探求よりも、好きな味を出す店に通うようになった。
 またこのページの読者さんに会いに、静岡を訪れたのもこの頃。この当時は、そ
ういうWebでのお知り合いを尋ねて遠方へ赴く遊びもまだ二度目で、まさかこの
あとあんなことになるなどとは夢にも考えておらなかった。

 四月。
 この転機を、後の自分が果たして是ととるか非ととるか、それがこの先の自分の
時間の歩み方に依るなどということはあまり利口でないオイサンにだって少し考え
ればわかることで、とどのつまりはここでスルリと曲がった人生のレールに上手く
乗った生き方をするのか、それとも、やはり無駄足の寄り道だったともと来た道へ
と戻らなければならなくなるのかで変わってくる。ただその中間という道も勿論あ
って、百パーセントを持ち帰ることは出来ないにしても、わき道で拾い集めた幾つ
かの要素を、もと来た自分の暮らしへとちりばめることも、やはり可能なのだ。…
…暮れゆく今を思うにつけ、概ねそちら、即ち従来の道へ一旦戻るという方向性を
模索することになるに違いないと思ってはいる。諸手を挙げて新しい道を邁進する
ことは、どうやらオイサンには出来そうもない。

 Twitterとの「出会い」。厳密には登録を済ませたのこそ昨二〇〇九年の
五月頃で、その意味では今年の正月には既に始めた後ではあったのだけれど、実質
的に機能し始めたのがこの月、四月の末にあった『アマガミ』のWebラジオ『良
子と佳奈のアマガミカミングスウィート』の第一回公開録音を控えた、ほんの数週
間前のことだった。抽選制だったそのイベントに当選し、同じ目的の仲間がいはし
ないかと、恐らく『アマガミ』に連なるであろうと思しきフォロワー方に出来うる
限り積極的に……それでも随分と消極的で挙動は不審であったろうが……声をかけ
て回った。
 結果、オイサンが最初に手にしたのはその公録後に催された数名での小規模な飲
み会……いわゆるオフ会というやつへの参加切符で、オイサンを含めて六名が参加
したその会で席を同じくさせてもらった面々とは今でも交流が続いておりお世話に
もなっている。ただ、オイサンと同じく公開録音に当選し参加したのは一名のみで、
奇しくもその彼とが一番縁遠くなってしまっていることは奇縁と言うほかない。
 以降は、ある意味でTwitter漬けの、そしてTwitter上で知り合っ
た人々との邂逅の日々となる。五月にも、六月にも、一人また一人と邂逅を重ねた。

 この時期、オイサンが注視していたアニメは『HEROMAN』。実にシンプル
なストーリーラインを様々な工夫で盛り上げる良作であったと思う。後半に主題歌
となった『Missing』も気に入り、肩に力が入り過ぎずに見続けることが出
来た。第二期があるなら期待したするに値すると思う






 そして訪れる、『七月のパトランカ』。
 一つの祭りの、始まりと終わり。

 八月には、例年なら一人北海道を巡る旅を企てるところを、やはりタイムライン
の上に住まう人々の気配をより地続きにするべく、九州・四国への旅に組み替えた。
それなりに長い旅路の先に出会った二人の友人はオイサンには過ぎるほどに温かく、
今思い返しても、あまりに安易だった自分の旅の動機を恥じたくなるほどであった。

 これは一つの自惚れなのだが、こうして良い年をした大人がたわいもない目的の
ために遠く旅をすることを一つの形としてタイムラインの人々に見てもらうことで、
例えばそういう遊びもありなのだと目を開いてもらうことや、九州・四国という、
ともすれば名前だけで遠く感じてしまいかねない土地が存外近くにあると感じても
らうことで、誰かが誰かに会いに行こうとする背中の後押しをする役割を多少なり
とも果たせたのではないかと……僭越ながら、考えたりもする。

 そしてまたその旅のありようは、オイサンがとある御仁と結んだ約束を果たすた
めの一つの……オイサン自身の趣味と、その実益を兼ねた……答えでもあった。ど
んな形であれ、オイサン自身がその過程を嬉しみながら、より多くの時間軸線上の
住人がその軸線の先に繋がる体温を近しく感じられるようにふるまうこと、境界を
たやすく跨ぎうる空気を作ることが、オイサンの目的でもあり、その約束を果たす
ために必要だと考えてやったことだった。それが上手く行ったのかどうか……正直
に申し上げると、客観的にそれが本当に自分の行いの先にあったことかどうかとい
う検証はさておき、思いの外上手く運んだのではないかと思っている。自分のタイ
ムラインに住まう人々の振舞いを見ていて、それは素直にそう感じた。

 またこれは余談なのだが、この旅では、二人の御仁にお会いすることが目的だっ
たのだが……その影でもうひと方、その旅の道中に過ぎた町をふるさとに持つ方が
タイムライン上に偶然おられ、オイサンの中では奇しくも三名の方をより近しくに
感じることが出来るようになるというオチがついた。現地で何気なく投げたツイー
トにご本人からコメントを寄せて戴き、大変に嬉しく思った。

 先に述べた『七月のパトランカ』は、オイサンにとって実は、一つの大きな決断
点でもあった。というのも、そのイベントの当日、オイサンは北海道への旅を既に
計画していて、オフ会に参加するために北への旅を取りやめるのか否かの決断をせ
まられた。これはオイサンにとって即ち、あたかも従来のライフスタイルを継続す
るのか、それを放棄してでも新しい波に乗るのかの選択であるかのように見え、馬
鹿馬鹿しいと思われるかもしれないが、その点についてそれなりに思い悩みもした
のだった。その結果は……当日の北の天候が思わしくないという後押しもあって件
の通りとなったのだけれど、今思えばその「行く先の天候が思わしくない」という
事実も……また象徴的であるのかもしれない。
 いずれにしても、このときオイサンは、「そっち側の選択をした」。合っていた
だろうか。間違ったろうか。さらにオイサンは、八月の末には携帯電話を変えてい
る。従来の和製携帯電話から、スマートフォン、BlackBerryBold9
700へ。無論、より快適にTwitterを使うためだ。そこへのアクセス、繋
がりを、より早く、リアルに、濃密に味わいたいがために。言ってしまえばそれは、
ネットゲームで強くなりたいがために金をつぎ込むプレイヤーとほぼ同等の心理な
のだと今考えれば冷静になれる。本当に、その選択を正解にするための方法は、こ
れからキチンと組み上げていかなければならないだろう。この選択の正解は、やは
りこれから自分で作れると思うのだ。

 他にも、八月には地元近い神戸でも数名の方々にお会いしたこと、神奈川に帰っ
てからも、既に何度かお会いした面々と再会するなど、この辺りからは人との出会
いに幾らか堆積と地層が生じ出し、こなれてきたように感じる。
 この後、九月にも新しく一人のフォロワーさんと静岡にて会ったり、何度目かに
なるフォロワーさんの檜舞台を見学に行ったりし、忙殺の十月を経て、個別の邂逅
や催し事にかこつけてお会いするなど……何かにつけて「人と会う」ことを繰り返
したのが、二○一○年のオイサンの大部分だったと言えると思う。

 人といることと一人でいること、二つの状態が必ずしも相反することであるとオ
イサンは思わないけれども、それぞれの時間は必ず排他的にならざるをえず、オイ
サンの場合その時間を混合的に使いこなすことが出来ない。つまり、人といるのに
一人でいるようにふるまうことが出来ない。オイサンには人といた時間と同じかそ
の倍程度の時間、一人でいる時間が必要だ。そう思うのはこれまでそうして過ごし
てきたからだ。そこが上手く運ばなかった。それまで一人でいる時間が圧倒的に支
配的だったオイサンの日常は転覆し、このような状態になることを夢にも予測せず
に組まれた二○一○年のオイサンの予定は、ほぼ一○○%未達である。だから以前
のオイサンを元に期待値を算出した人から見た今年のオイサンは明らかに期待以下
だったろうからそれは申し訳ないと思うし、それはオイサン自身も同じで、やろう
としたことがほぼ何一つ片付いていない・進んでいない現状は絶望的ですらある、
けれど、手に入るはずのなかったものがたんまりと、そして明らかな輝きを持って
今この手の中におさまっている様子には、ひたすら戸惑いを覚えるほかなくて、こ
の輝きをこの先どういう風に使ったらいいのか、使いこなすことが出来るのか、そ
して積み残った一年分の宿題をどう扱うのか……そんなことの計算が未だに終わら
ない。

 残念なことに四月からこの十二月までの間にお別れをしなければならなかった方
も幾らかおられた。それはこちらからも、あちらからも。一人でやってきた分そう
いう展開に不慣れなオイサンは都度ダメージを受けていたのだけれども、それもそ
れで、上で述べた新しい入手物件の一つとなった。

 七月にはアニメ『アマガミSS』も始まり、ブログや書き物に関してはその感想
や友人たちとの意見交換に時間を費やすことが多くなる。このことは、オイサンの
ブログにさらにたくさんの人が訪れてくれる契機ともなり、それなりに充実した時
間ではあったのだが、如何せん、肝心のアニメの出来がお世辞にも上等の物とは当
時言い難く感じていたために(最終的にいくらか上向きはしたが)、なかなか前向き
な気持ちでいることは難しく、勢いああして書き残したことが後の自分にとって何
かの糧になったのかについては正直胸を張ることは出来ない。見切りをつけ、より
高く上等のものの摂取と分析に時間を費やすことが、より高く良い自分への道であ
ったかもしれないというもう一人の自分の言い草に、強く反論することは難しいと
思う。全く切り捨てることはしないまでも、かかずらう時間をもっと抑えても良か
ったのではないか? というのは、当の演者でもあり、常に隣で画面をともにして
いた絢辻さんの弁だ。まったく彼女の意見はいつも的を射ていて反論の余地がない。

 それと同時に……七月からこっちは『アマガミSS』に殆どかかりきりになって
しまい、自分の出力物がそれを省くとほぼなくなってしまうという異例の事態に陥
った。いくらか入力はあったはずだが、出力にまで手が回らないでいた。明らかに、
従来の活動が立ちいかなくなっていったということだ。アニメに『けいおん!!』
『あそびにいくヨ!』、ゲームでは『メタルマックス3』、歌では、やはりタイム
ライン上の御仁から教わった『元気爆発ガンバルガー』のOPなどがあったにもか
かわらず、それらについて上手くアウトプットしていくことが出来なかった。それ
以外の事象……これまである一定の頻度で掬いあげてきた、日々の他愛ない移り変
わりについて触れることは皆無に近く、我ながら寂しいことだと、今振り返ってみ
て思う。そこに自分の匂いが立ち上ることも、決して忘れてはならないと思う。し
かし全部が出来るほど器用ではない自分には、どれかを、或いは全てを少しずつ、
削り落していくしかない。

 九月から先は、公的な分野で多忙を極めるタイミングがあり、オイサンの混沌の
度合いをさらに深めさせた。十月の完全休日日数は二日。件の『アマガミSS』の
感想さえろくに上がらない日々が続き、よくもまあ気が違わないですんだものだな
と……それは過酷さというよりも、この駄文を叩いて発表することが出来ないスト
レスで、ということになるのだが……我がことながら感心するのだが、それは、そ
の状態に陥る寸前に、短めの二次小説を一本、書きあげて載せて置くことが出来た
から正気を保っていられたのだと、かなり真剣に振り返る。十月の更新回数は僅か
五回。


  ▼Tea for Life . ~SS・『TLS2』香坂麻衣子 -更新第591回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/tea-for-life-ss.html



 書くことが自分にもたらす安心感と安定感……そんなものを実感するひと月だっ
たと思う。

 そこから先現在に至るまでは、アニメでは『それでも町は廻っている』、『GI
ANT KILLING』、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と、実に楽し
ませてもらったにもかかわらず、やはり文章にて触れることかなわず。中でも『ジ
ャイキリ』のOPの画と、『俺妹』のOPの楽曲は、オイサンを今なお気持ち良く
ドライブしてくれる。ゲームについてはろくに触れられていないが……『ドリーム
クラブゼロ』のPVと、『同ポータブル』。こちらの方は現在不真面目に進行中で
ある。





 中でも『俺妹』のOP主題歌は、十何年という単位でオイサンの日常に残り続け
ると思っている。



 マそんなことでね。



 人間、ささいなことひとつで変われば変わるものだと、今つくづく実感しながら、
この不可思議な年が暮れてゆくのを一人、実家の懐かしい自室で見守っている。色
々ギリギリの上でこの記事を書いているため、時間軸線--タイムラインを見守っ
たり、参加したりは出来ていないけれど、それが今年、二○一○年のオイサンを、
そして過去十数年のオイサンの足元を、軽やかに掬い倒した。今どうにか、その足
払いに踏みとどまって、倒れるのか、踏ん張るのか、考える余裕が出てきたところ
だ。踏ん張りたい。踏ん張るべきだ。最後に自分の帰る場所を考えればそれは明白
だ。
 けれども、そこにはやはり、オイサンにとって憧れずにはおられない生き様を鮮
やかに展開する人たちが幾人もいて、オイサンはまたきっと、この先も何度か、そ
の糸の先を確かめるために……この先は純然と自分のためだけに……お出かけをし
てしまうのだろうと思う。

 ……『俺妹』のOP主題歌、『Irony』は歌う。


  ♪ ソンナーヤサーシークーシナイデー


 お休みなさい、二○一○年。
 強い気持ちで眠ろう。
 たくさんのエッセンスをオイサン一人の掌で束ね、一番鮮やかな一雫を絞り落せ
るように。




オイサンでした。
良いお年を。





  ♪ホントーノコーエーヲーカクシテ クチズーサムーコノーメロディイ
   ユーゥックーリトーカーワーッテク ココローォニ ミヲーマーカーセーテーェー・・・・・・






 

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2010年12月30日 (木)

■恋のパンゲア時空~『アマガミSS』第25話・上崎裡沙編感想 -更新第623回!-

コミケの朝に。
オイサンです。


サテ、既に幾らか前の日記で
「関東圏で『アマガミSS』放映終了」なんてことをチョロっとだけ書いたのですが、
まだオイサンは最終話の感想を書いてませんでした。
イカンイカン。

……ので。

例によって、今回は……ラスト、裡沙ちゃん編の感想をお届けしたいと思います。
まあ、一話だけなのでね。
大体そんな感じになってますので、あまり過度の期待はなさらず、
お読み戴ければ幸いです。





  ※以下、アニメ『アマガミSS』第25話・上崎裡沙編の感想です。
   ガンダーラやイスカンダル、惑星メーテルなどの
   未放送地域にお住まいの方や、
   ネタバレご無用の御仁は目隠しをして読んで下さい。






■これが最後の「君のままで」。



普段なら、ざっくり全体の感想をやったあとに、コマゴマと、
それはもうコマゴマと小姑のように、
隅っこのところを嫌味に突っつきまわすオイサンですが……
今回は一話こっきり、
全体も個別も特にあったモンじゃないので一気にいってしまいたいと思います。



  ……あのね、意外と楽しかったです。


ウン。
そりゃまあ、ね。
足りないとか、原作と全然違うとか、重みとか。
色々ありますよ。
エエ。
色々あるでしょう。

ですけど、そもそも一話しかないって時点で、既にかなり
「ストーリー的にまともなものが出てくるワケもないよな」
という諦めがついていたというのもあって、
「楽しめるところだけでも楽しもう」
という姿勢が出来てしまっていたのでしょう。
さらっと受け止めることが出来ました。

今回はとりあえず画が面白かったので、そこを楽しんでみることが出来ました。
あと、門脇さんのお芝居ね。

画がこれまでに比べて、すごくマンガぽくコミカルに作られていて、
かつ門脇さんがイキイキ頑張ったお芝居をされてたので、
おかしな言い方ですけど「画のついたラジオドラマ」みたいな気分で
楽しんでみていられました。

  裡沙ちゃんの豊かな表情とか、豊かな動きとか、豊かじゃないおムネとか。
  橘さんも表情豊かだったし。

  茂みから躍り出る裡沙ちゃんに、「待ってられない、未来がある」感じがするとか、
  ちょこちょこ面白かった。
  そして七咲の方が背が高かったのね。
  意外。

お話的には、とりあえず一話で出来ること、回収しようとしたことは、
橘さんのトラウマとなったクリスマスの「出来事」の真実……
というか、マ裏舞台を明らかにしようというだけの話ですよね。
あんまり深いトコ、面倒なことは掘っくり返さずに。
そこにもひとり(実際は二人?)、女の子が絡んでましたよ、ということで。

あと、見る限り、
この裡沙ちゃんは「橘さんと他の女の子がそれほど仲良くなる前に」
関係ツブしにかかっていたようなので、
皆ワリと傷口が浅くて済んだ、ということなんでしょうね。

ゲームだと何故か、このアマ、<スキ>になるまで待ってから妨害なんぞかけくさるから
話がやたら面倒になりますけど、
<デアイ>や<シリアイ>の段階で手が打たれていたら、
案外スンナリ行くのかもしれんな、なんて、
オイサンはこれはちょっと上手いのかもな、とか思ってみてました。

  かといって、シビアな女の世界でそれが許してもらえるとは
  到底思いませんけども。
  あと、裡沙ちゃんが各ヒロインにアクセスしていく順番が
  放映順だったのがちょっと面白かった(笑)。

あとは……蒔原さん?
話を聞いててフッと思ったのが……

 「こーゆーエゲツないオンナが輝日南にもいることはいる……ということは、
  『キミキス』の世界もキラキラしてるばっかじゃなくて、
  そこそこに闇は染み込んでるってことだよなあ……
  ハッ! ……大変! 相原くんが死んじゃう!!」

という拉致もない妄想だとか(笑)。

裡沙ちゃんが橘さんを好きになった理由の、牛乳ギライ。
そのこととペタンコであることはリンクしてないのかなあ、
橘さんが裡沙ちゃんのひんぬーに責任を感じて大きくしてあげる……!!
なんて流れなら素敵なのに!!
……という、身も蓋もない赤裸々な妄想だとか。

……そのくらいかなあ?
モチロン「謝って終いかい!」という気持ちがないなんていいませんけどもさ。
なんかねえ。
それ言うたかて……野暮やん?
ほなそもそもオムニバスて!! っていう話に……なるやん?

だからまあ、その辺は前提として、了解したうえで。
上澄みだけを掬いとって、皆さんの前にお出ししますよ、ということなのだと思っています。


ただ。


その前提の上でも使えそうな……オイサンの思い描いた理想のラスト。
そういうものもやっぱり……ありはするワケですよ。
スッキリ尺に収まるかは分かんないですけど、ワリと短めのやつがね。



■メルヘン親父の見る夢は。



なんでしょう。
……今回に限って、オイサンは、OP『君のままで』を聴き、
サビ以降のパラパラと移ろってゆくヒロインたちのカットを追いながら、

「みんな同じ学校にいるはずなのに、
 やっぱり、その時間と空間は繋がらないし交差しない。
 それをさせられるのはこのアニメだったはずなのに、
 どうしてやらなかったんだろう。
 なんでこんな寒々と、ガランとした空気にしてしまったんだろう」

と、疑問に、そして哀しくも思いました。
そしてそれを自然にやるためにこの世界を自由に渡り歩けるのは、
やっぱり美也ぐらい……そして、裡沙ちゃんくらいなんだよなあ、と。
……再認識しました。
一応、「最終回だ」という感慨が、多少はあったということなんですかねえ。


  最後に裡沙ちゃんの話が来る! と聞いた時に、
  オイサンの思い描いた展開があります。


裡沙ちゃんともそれなりに幸せな結末を一旦迎えるも、
そういう舞台裏があった、というコトが裡沙ちゃんの口から明らかになり、
裡沙ちゃんも橘さんのもとを去ってまた一人になった橘さん……
その橘さんが、裡沙ちゃんの手によって自分から離れて行った「七」人のヒロインを思って、

  「僕は『あの子』が好きだった。
   いや、好きだ、今でも!
   今からでも遅くはないんだ、だからまた、あの子と……!!」

と奮起する、という
「橘さんの恋は、まだ始まったばかりだ!」
的な、ね。
シメ方になるんじゃないかなと……オイサンは思っていました、
というか、そうなってくれたらいいな、と思ってました。

あの、やっぱり『アマガミ』はどこまでいっても、
無数に広がる選択肢の存在を知った上で、
自分にとっての本当の組み合わせとルートを組み上げるゲーム……物語だと、
オイサンは思ってきましたから。



  せめて、最後の、最後。



……たとえオムニバスだとしても、
これまで紡ぎ上げられてきた6+1つの時空に生きていたのは、
やっぱりただ一人の橘さんだったに違いないと思うんです。

これは少しSF的なものの考え方になってしまうのかも知れません
(ただしオイサンには、いわゆる「SFマインド」は乏しいので純然たるものではないと思います)が、
一つの世界(場所と人が共有される舞台のことだと思って下さい)に対して、
幾つもの時空が併存する(その場所と人によって違う出来事が展開されることです)中にあっても、
人の「核」というのは、その時空のクロスオーバーする点にあって、
それは一つなのではないかと思うのです。

ただしそれは物語におけるひどく主観的なもので、
ある一人の人物--この場合主人公・橘さんの、ということになりますが--
のモノだけであって、他の成員のものはそれぞれの時空に分散してしまいますが
(ただし各人物の視点に立ったときには、やはりその核は複数の時空で共有され、
逆にそれまで主人公だった人物の核は分散した者になると思いますけど)、
その分かたれたオムニバスの時空の記憶を、
橘さんというお話の存在は、物語の細胞の中に保っていて。

そうして、裡沙ちゃんに本当のことを告げられた後にも、
自分の好きだった「あの子」のところへ帰っていく……
そのシーンがあって初めて、橘さんはトラウマを克服したことになると思いますし、
橘さんと、視聴者を最後に一体に出来るテだと思ってきました。

  これは余談で、アニメ『アマガミSS』と原作『アマガミ』を
  クロスして扱うことになってしまいますが、
  ゲームの行動マップのド真ん中、物語の始まりにあるものは……
  「押入れ」なんですよね。橘さんの。

  そして本当は、この平行分散した世界をそれとして自覚的に渡り歩くことのできる二人、
  美也と裡沙は、それぞれが光の側面と影の側面を担っていて、
  彼女らが相克することでこの物語は閉じていくわけですけれども、
  アニメの世界では美也はこれまで、そこまでのオシゴトをして来ませんでしたから
  (彼女はまんま肉まんの回し者です)、
  今更そんなことをやらせるわけにもいかず、橘さんが一人で解決するしかありません。

だから、裡沙ちゃんにも去られ、一人押し入れに帰った橘さんが、
失意の底から再び押入れを開ける、

  「……よし。いくぞ、美也!!」
  「いいよ、にぃに! にしししし~!!」

  ♪キーミハーキミノマーマデー ボークハーボクノマーマデー

……なんていう、

 「さあ、ここまでこのお話を見てきた『あなた』は、
  最後にどの子のところへ向かいますか?」

的な、最後の選択を、視聴者にゆだねる余地を残しておいてほしかった。
ノッシリとした湿気を旨とする『アマガミ』の世界において、
それは馴染まない爽やかな画かもしれませんけども、
こと『アマガミSS』においてはそれでもいいんじゃないかな、
とオイサン思ったり。

  もしもオムニバスにしたことに何か意味があるのなら、それは、
  分断された時空と、
  それを繋ぐ存在のおもしろさと、
  最後にそれを選択すること……
  ……それらにしかないんじゃないかなあと思った次第です。


これはワリと綺麗にオチるんじゃないかなあと思ってたんですけど、
……マ、難しいやね。



■Closing



マそんなことでしてね。

これにて『アマガミSS』のテレビ放映はすべて終了しました。
幾つか前の日記でもぽこっと書きましたけど、
始まったモノが終わっていく、すごく当たり前の気持ちで見送ることが出来ました。

  ■日々の枝葉~友達の帰ったよるに。 -更新第619回-
   http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/-619--398d.html

それはちょっとそらぞらしい、
「うん、そんじゃあまたね」
という言葉に近い気持ちですわ。

「また」があるかどうかは分からない、
本当に会う気なら自分で機会を作ればいいワケで、
どちらもが相手に期待をしているような、無責任な「またね」です。

とりあえずここでは裡沙編の感想にとどめますが、
マ結果は上で書いた通り。

楽しかったっすよ。
あとは、想定通り。
せっかく彼女がトリを飾るのだから、それなりのものが欲しかったけど、
『アマガミSS』だから、仕方がないね。



そんな感じ。



あ、でもね。



裡沙ちゃんのコトは、ちょっと好きになった。
原作とは中身は別物のコなんだろうけど、
表情、仕草、そんな細やかなものが絵からは伝わってきたので、
そんなものを愛おしいと思う。

そういう意味では、アニメ『アマガミSS』の裡沙編は、
オイサンにとっては動画としての役割をなかなかに果たしてくれたんじゃないかなと、
そのように受け取っておきたいと思います。



それではまた。
オイサンでした。




 

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2010年12月29日 (水)

■胸に輝く「M」マーク!! ~M-1グランプリ2010雑感 -更新第622回-

いやー。
今年も『M-1』が終わってしまい、オイサン的にはもう今年も終わったも同然です。

オイサンです。
つか実際あと二日で終わりだけど。

そんなことで今日は、例年通り。

今年で10回目を迎えつつ、その歴史に幕を閉じることになった
『M-1』グランプリ2010の感想をですね。
いつも通り、ナマクラおっとり刀を振りかざしつつ、お伝えして参ろうかと、
このように思う次第でございます。



■M-1グランプリ2010 総評



9組中、昨年から引き続いての出場が4組ということで、
ちょっとフレッシュさには欠けるだろうかという顔ぶれでしたけど、
知らない人ばっかでも見る動機を欠くので
まあこんなくらいでいいのかなーと思って見てました。

  ちなみにオイサンは、銀シャリとスリムクラブは全然知らなかったです。
  ピースはコント的な小ネタだけ見たことがあった。
  ……数日前のイロモネアで(笑)。
  ジャルジャルも、ピースと似たようなものかしら。
  カナリアはオンバトとかで見たことあったかなー、でも決勝来るほど面白かったかなー、
  という程度の認識。

レベルが高いとか低いとかはオイサンにはようわかりませんので置いておきますが、
「会場があったまるのが例年よりも早かったな」と、
テレビ越しには見ていて感じました。

そして、その反動か知りませんが、
テンションの最高値は例年ほど高くなかったかな、という気がします。
9割~9.5割くらいに抑えられてたんじゃないだろうか。
「熱しやすく冷めやすい」大会だった。

それも多分、台風の目であったスリムクラブが、審査員も言っていたように
「ホンマにオモロイんかどうか分からん」
というところにも一因があったでしょうし、
再出場組がかなりきれいに例年を踏襲してしまった「安定し過ぎる感」があったからかも知れません。
……なんというか、盤石過ぎた?

本当に盤石だったのは昨年満点を叩き出した笑い飯だけのハズで、
ナイツも、ハライチも、優勝を狙うのであればもっと変えて来なければいけなかったはずなのに
全く&想定の届く範疇でしか変化をさせてこなかったので、
その辺で「安心はするけど失速もする」ということが起こってしまったのではないかと思います。
「ああ、笑えた。でも同じか」
みたいな、安心と失望。

ネタ順も、5組目がナイツ、6組目が笑い飯、7組目がハライチと、
もし構成を組むのであれば
「この辺で見たことない奴らが第二次ロケットを点火して第二宇宙速度を突破!」
という中盤以降のノリを支えるタイミングで、
……ある意味まったり笑えてしまったので……
安心してしまったのかなあと。
8組目のピースにはその役割を果たせるほどの爆発力は感じませんでしたし。
その分9組目のパンクブーブーは、オイサン的には今大会で一番笑えました。

あとは、最終決戦の二組、パンクブーブーと笑い飯が、
まさかの一ネタ目と殆ど変わらないネタを持ってくるという、
守りの姿勢を見せたのでそこで盛り上がりに欠けてしまった、
というのがあると思います。

  そういう意味では昨年、一ネタ目で満点を叩きだしながら
  二ネタ目で伝説のチンポジを持ちだした笑い飯、
  彼らは生粋の「職業関西人」だなあと、感動せずにはおられません。

  フツーの関西人には怒られるかもしれませんけど。
  マ周りを見回して、てきとうに察して下さい。
  オイサンも関西人ですんでお気持ちは分かります。

マそんなことで。
有終の美を飾るには、ちょっと物足らない、
息切れを感じさせる幕引きだったように思います。

 ▼無冠絵日記

笑い飯の優勝について、Web上では例のごとく出来レースだなんだと取り沙汰されていますが、
道中での紳助の、ネタとはいえ投げやりなコメントや、
松っちゃんの最後の「とらしてやりたい」というコメントからも
そういう風に見られても仕方のない結末でもあったと思います。
そしてまた、たとえそうだったとしても
まあエエんとちゃうかなと……
所詮は第三者、娯楽の一環としてしか見ていないオイサンは「今大会に限り」思います。

そういう意識で揺れてしまっても仕方のない、
難しい最終決戦だったと思いますから。
過去9回は、そうだったらイヤですし、
真剣勝負、生活やお笑い人生を賭けて出場している人たちはイヤでしょうけどね。



■各論



マそんな感じで、以下、各コンビについて触れていきたいと思います。
例によってオイサン的な点数を10点満点でつけてますけど、
これも所詮はオイサンの目安としての印象点でしかないので
あんまり気にしないで下さい。

お腹がどのくらい一杯になったか、くらいの話ですよエエ。


 ▼カナリア

一組目にしては例年よりも笑えたし、ウケてもいたんじゃないかあ、と思います。
ただ中盤以降の繰り返しが、ちょっとしつこ過ぎた。
というより、『M-1』でやるには、切り替えが遅かった。
お客さんが引き始める真ん中チョイ過ぎあたりで切り替えて、
ドカンと笑いのとれる流れにしないとダメなんでしょうね。難しいなあ。
歌ネタは、モノによってはDVDになった時に音声を切られてしまうので
個人的にはあまり歓迎ではないのですが。

初出場にしてトップバッター、かつラストチャンスという……
まあ、恵まれませんでしたけど、そこそこ面白かったと思います。
7点。


 ▼ジャルジャル

今時の人たちですねー。オイサンの好みのすごく外。
序盤はまさかこのまま終わらんだろうとは思ったけど案の定ひねってきた。
ヒネったあとも然して面白くならなかったので……いいところじゃないでしょうか。
第一回大会で麒麟が出てきたときと似たモヤッと感。
麒麟はきっちりマクっていきましたけどね。
オイサン的にはこの人たちがベッタ(最下位)。
5点。


 ▼スリムクラブ

漫才……よりも、コントに近いような気がしますねえ。
面白かったというよりは「笑ってしまった」という感覚に近くて、
もう一回見たい、という感じにならない。
やっぱり判断には困るなあ。
松っちゃんとかこういうの好きだろうな、と思って見てました。

こういうネタとスタイル、予測は確かにつかないんですけど、
「つく筈の予測がつかない」のではなくて、
「何でもアリ、無軌道過ぎてつかない」ので、見てる側としてはもう「諦めるしかない」んですよね。
そうなると、オイサンの欲する面白さからは少しずつかけ離れていくわけで、……うん。
なんか笑わされちゃったなあ、という感じ。

最終決戦二本目のネタは、オイサンの感覚では、
途中から「ヘンな人」から、「正視にたえない人」「心配になる人」になってしまって、
ちょっと笑えなかった。
ナンちゃんが「突っ込みの方はつっこんでないよね、説得だよね」
と評していてその通りだなと思いましたけど、
よく考えるとボケの方も「ボケ」らしいボケはあんまりしてなくて、
「カーッ」「歌うのバラードだろうな」くらいじゃないだろうか。
「面白い」よりも「おかしい」、そんな言葉がしっくりくる気がします。
……7点? 8点? そんな感じ。


 ▼銀シャリ

面白いしゃべくり漫才。
完成形とか、『M-1』の系譜としては、ブラマヨ、U字工事のラインでしょうか。
それにもっと古びのウェザリングを施して、王道化させた感じ。
オイサンは好きなスタイルなんですが、王道の中にも何か一つ破壊的な要素がないと、
ただの模倣になっちゃいますね。
どちらかといえば、その模倣の罠に片足を突っ込んだくらいのバランスになってしまっている気がします。

  ブラマヨは新しい方に傾いていて、そこがすごかったし、勢いを感じた。

こういうコンビに、オイサンは勝って欲しかったりはしますけど、
これはこれで、このままでは勝てんというか。
案の定な結果に終わってしまうもやむなしかと。
7点。


 ▼ナイツ

これと言って書くこともないなあ。
……例年通り?
ちょっとネタの感じを変えては来られましたが、全体としてのパンチの質が変わらないから、
勝てはしないんだろうと思って見ていました。
クスリとはきますし、手堅いというか、クリーンナップには入るのでしょうけど、
4番にはなれませんよねえ、というのが素直な感想。
試合を決める一発が、やっぱりない。
バルカン砲では破れない壁があるみたいなんですよねえ……。
6点……?


 ▼笑い飯

去年の続きでネタをやるって言う……ある意味で王様にしかできないことをやってのける。
いつだったかの大会、出だしの挨拶で

 「優勝候補ですお願いしまーす!!」

って言ってのけて笑いを取った西田さん、
その力強さと繊細さが、このコンビの生命線だなあとつくづく思う。
ネタは昨年の恐怖のファンタジー漫才シリーズその2で……
意外と「鳥人(とりじん)」が、造形として、キャラクターとして優秀だったんだなあと
思いました。
シルエットがシンプルで想像がしやすい・直感的に恐怖と笑いを感じられるという意味で。

サンタウロスもいいとは思うんですが、ちょっとだけ、
直感的に思い描くには複雑だったような。
その複雑さが西田さんのボケ、
「内臓は草食動物だから」とか、「お尻にバイ菌が入ってこうなった」とか、
さらに複雑でブラックなネタにつながって、そこはすごく面白かったんだけど。

あとのパンクブーブーも同じだけど、
やはり二本目殆ど同じネタをやる、というのはちょっとどうかと思う。
今回は、笑い飯もパンクブーブーもどちらも守りに入ってしまったから、
「一本目の順番が先だった(一本目~二本目の間が開いた)」、
「若干だけ、一本目とネタに差をつけた(一本目の逆手をとるネタにした)」
という要因(と、9年連続という安定感と……人情?)で、
辛うじて笑い飯が勝ちを拾った格好になりましたが、
これでパンクブーブーがちょっとでも攻めに出て、かつそれがハマッていたら、
笑い飯の勝ちはなかっただろうなあと思います。
チンポジをやれとは言いませんけど、
以前のロボットとか、ハッピーバースデーとか、
あのテのネタが出てきても良かったんじゃないかと思います。

あと、何が面白かったって……コンビ紹介Vのラストエンペラーが面白かったよw
9点。


 ▼ハライチ

「新しい俺たちを見せつけてやりますよぉー!」
……って、前フリのVでは吠えてましたけど。
去年とまんーま、すっかりおんなじでしたね(笑)。

  イヤいいんだけど。好きだから。

これも多分カナリヤと同じで、中盤過ぎ、多分2分45秒あたりから違う流れに乗り換えて、
バルカン砲から大砲に切り替えるスタイルをつくらないと、『M-1』では勝てないんでしょうね。
もうチャンスはないけど。
鉄鍋でバーンが好きだった。
6点。


 ▼ピース

ツッコミが……下手だねえ。
流れに乗れてないというか、緊張していたのか。
キャラクターはあるんだけども、ネタの構成が弱いというか。
決勝まで上がってこられたのがちょっと不思議。
全てにおいて地味だったと思います。
華が感じられなかった。
5点。


 ▼パンクブーブー

いやー……。言っておくと、今年の『M-1』で一番笑ったのは、彼らの一本目のネタでした。これはその、スリムクラブと逆。
予測のつく筈の展開をぐりぐりと曲げていくタイプのネタですね。
新しいと思いますし、それなのに粗削りでなく洗練されていて、すごかった。
素晴らしかった。
昨年とは違う面白さだったし、明らかに昨年よりも面白かったから、
100点あっても不思議はないなと思って見ていました。
脚本としての面白さがあった。

笑い飯と同じで、2本目が戴けませんでしたね。
同じ料理をお皿だけ変えて出したら、そりゃ怒られますよ。
新しくてインパクトがあっただけに……
余計、二連発のあざとさが増してしまった気がします。
惜しい。
ネタの構成・脚本自体が一つのネタだと自覚して、
「一回の舞台ではこの系統の脚本は二回は使えない」
ということを考えないといけなかったと思います。

それを思うと……歴代で最強の戦いをしたのはチュートリアルだったかも知らんなあ。
9点。



■Closing



……とまあ……。
こうして書いてきて思いますが、10点をつけたくなるコンビがいなかったですね。

「あーもう、腹抱えて笑った笑った!」

とならなかった。
8点、というのもいない。
6点・7点のトーンで終始進み、ときどきポンと盛り上がる、
そんな感じでした。
だもんで満腹感に乏しく、「ああ、終わっちゃったなあ……」というカタルシスや寂しさもなかったので……
冒頭でああ書きはしたものの、
今年が終わっちゃった感、年末に突入した感じも、実はそんなになかったりします。
ちょっとさみしい、不完全燃焼。

10年やってきてラストイヤーがこれではちょっと勿体無い気がしますが、
なんというか……大学受験みたいになってきてしまった昨今、
良い節目かもしれません。

『M-1』流と言うか、「『M-1』で勝つにはこうしないとだめだ」という風潮が出来てしまい、
「漫才」ではない「M-1」というものに変わってきてしまったように思うのです。
たとえば4分という時間や、審査員の好み。
ヴァーリトゥードのように見えて、やはりそのルール専用の戦い方が確立されてきてしまったので……
『餓狼伝』や『刃牙』じゃありませんが、
武道における実戦のような、
スポーツではない、日々全てが戦場となりうる全方位型のお笑い、
どんな舞台においても人を笑わせることの出来るようなものを目指す
強い舞台ではなくなって来てるので。

……マ別に『M-1』の本懐がそんなところにあるとはいいませんけど、
キャッチコピーにあるような「爆笑の女神」「俺たちが一番面白い」には、
なんかそんな気概を、オイサンは感じてしまうので。
『M-1』前夜に松っちゃんが『松本紳助』にて紳助に言っていた、

  「別に小道具も舞台もなんも持たんとフラッと舞台に上がってきて、
   ドカーンドカーンと笑いとってってね、
   『ほな!』って帰るのが一番カッコエエ、憧れますねえー」


というスタイル、
それはもしかしたら『すべらない話』に受け継がれているのかもしれませんが
(『すべらない話』の現在がどうなっているかオイサンは知りませんけど、
オイサンの見た1~3あたりまでで考える限り)、
そういう徒手空拳、最強の笑いのスタイルを求道する姿が、
やっぱり『M-1』にもあるのかなあと……思いますし、あって欲しいとも思いますし。

  マそれはオイサンの夢ですね。
  お笑いに、お笑い芸人に見る夢。
  歌手なんかでもそうですけどね。
  アカペラとか、ギター一本とか。

それから外れ始めた今、完全にやめてしまわないにしても、
一回お休みをして、足元を見直す時期に来ているとは思います。

なので、またね。

『M-1』が、『ドリフ』や『ひょうきん族』のようなレジェンド級の番組になったとは思いませんけど、
昔語りのタネくらいにはなったと思うので、
何かの折、何年かに一度甦り、
カッコイイお笑い芸人さんたちの姿を見せてくれると嬉しいなあ、とは……
……かなしみと同じくらい、笑いの好きなオイサンは思うのでした。



最期に一個、疑問点。





巨人師匠、なんで審査員外れちゃったの?





オイサンでした。




 

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2010年12月27日 (月)

■ミューズの烙印~宮子(下) -更新第621回-

 
 
 
     *     *     *
 
 
 
「皆がどうしたか知らない? ここに来たり、しなかった?」
 みゃ~……。
 もぐもぐと口を動かしがてら宮子は、隣でドライフルーツをカリカリと食んでい
る猫に訊ねてみた。猫は顔も上げず、細く鳴いたきりでそっけない。
「そっか。だよねー。……うん、おいしー」
 今日は久しぶりのご馳走だ。飯ごうでなけなしの米を炊き、崩れ落ちたコンビニ
跡で、いつか拾ったレトルトのカレーを温めた。あの頃から変わっていない、宮子
のずだぶくろのごとき胃を満足させるべくもないが、スパイスの華やかな香りと黄
金の彩りは、今日の喜びを彩るに相応しかった。猫にやったドライフルーツだって
大事な栄養源だったが、今日くらいはいいだろうと、床まで食い破りそうな勢いの
猫を横目に見やった。
「ふうー」
 足を投げ出し、それなりに膨れた腹で吹き抜けの窓から外を見れば……空に流れ
る塵の向こうでは、日が落ち始めたのだろう、赤紫の空が天の頂から不気味に濃紺
を滲ませ始めていた。大した明かりはないから、夜になれば闇に息を潜めるしかな
い。宮子のような人種が躍動できる時間は恐ろしく短かった。
「朝と夜だけはちゃんとくるんだよね。変なのー」
 焦る、慌てる、そんなこととは無縁の彼女だったが、そしてそれは今でも感情的
には変わっていなかったが、腰を上げるスピードは自ずと早まっていた。食べたも
のを片そうと立ち上がり、宮子は
「さて、じゃあ続きを……あ、しまった」
と、部屋の真ん中に瓦礫を積んで作ったファイアーピットを見て声をあげた。
「……お部屋の中で、飯ごうを炊いてしまった」
 こんなところを。
 --ゆのが見たら、大慌てで騒ぎ立てるだろう。
 --ヒロが見たら、取りすがって止めようとするだろう。
 --沙英に見つかったら、げんこつか、手にした何か硬いものでぶたれて止めら
れただろう。
 けれど、今日は。
「……」
 見つめたピットの中では、隣の部屋から拾ってきた木片に熾き火がまだ小さく燻
っている。その中心に点った、無限に近い深さを感じさせる朱色の輝きは、いつか
の夏に見た線香花火の最期を思い出させる……。
「……まあ、いっか。どれ、せっかくだから……ん?」
 そのとき。
 立ち上がり、大きく伸びをする宮子を目で追っていた猫が……ピクリ! と耳を
立たせてあらぬ方向を見上げたのだった。中空、そこには何もない。
「どうかしたー? ……お?」
 次の瞬間。
 地の底。ズン、とせり上がった大きな音が、宮子の腰にヒザに、強い荷重でのし
かかった。
「お? お、おおおおおお???」
 建物が、地面が揺れ、がくがくと、視界が、頭が、全身に伝わって、耳といわず、
体中の皮膚を通じて重い音が体に叩き込まれてきた。地鳴り。
 ひだまり荘が悲鳴を上げる。縦に横に、がっしゃがっしゃとどこで何がぶつかっ
ているのか分からない音があちこちから聞こえ、瓦礫がころげ、飯ごうが倒れ、天
井からは小さなつぶてや建材の塵あくたが降ってくる、宮子も立っておられずに尻
モチをついて、揺れる地面に弾かれ、鞠のように小刻みに弾んだ。猫も、転びこそ
しないものの……四ツの足の拠り所を失って、動くことが出来ずにいるようだった。
「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、揺れ、揺れ、揺れ、揺れますなあ!」
 にゃーん!
 暗くなりかかっていた窓の外は一転、稲光のバーゲンセールで幾条もの亀裂を雲
に走らせて地を照らし、地上に残るぎざぎざした建造物の残塊の陰を不規則に落と
して見せた。眩しいくらいに。空に裂け目が出来るたび、部屋はそれまでの無数の
階調を失って強いコントラストだけを残した。その瞬間は、宮子も、猫も、せっか
くのキャンバスも、命のないただの影になる。
「わわっ!!」
 一瞬、床そのものが大きく傾き、体が滑り落ちそうになった気がした。どこか致
命的な柱の鉄骨が、曲がるか折れるかしたのだろうか。
 これはこのアパートもいよいよ危ない! 宮子がそう感じ始めたとき、けれども、
一つその大きな揺れをピークに地面は振幅を少しずつ狭めていき……やがて、静ま
った。
「……」
 ……しばらく。
 揺れが収まってからも、宮子は黙りこんで瞳だけを滑らせ、目に見えない何かを
確かめようとした。不思議と、部屋の中の色んな物の匂いが強くなったように感じ
る。カレーの残り香に混じって、埃と、瓦礫の影に溜まっているであろう雨水の湿
ったかびの匂いなどが全て、空気の中に一際せり出して思えた。
「とまった……ね……」
 にゃ~……ん……。
 猫と無事を確認し合って部屋を再び見渡せば、体を投げ出されるほどに傾いだと
思った床はどうも何かの錯覚で、確かに、揺れの前よりも幾らか斜めになっている
ようだったが、滑ったり転んだり、目に見えるほどのことではなかった。せいぜい
ビー玉が走り出すくらいだろうか。それでも……ひだまり荘の抱えるダメージがよ
り一層深刻さを増したことには疑いがなかった。
 宮子はすんすんと鼻を鳴らした。鉄錆の匂い、或いは、それらが摩擦で焼ける匂
い。そんなものは感じられない。
「うーん……」
 かかとをぐいぐいと床に押し付けてみても、ゴム底の安い感触だけがぐにゃりと
あって、あの頃の、いつも誰かが語りかけてくるようなやさしい感じはなかった。
窓の外では凶暴化していると噂のハトが、小さな群れをなして怯えた様子で飛び去
っていく。
 紫色の空。それを時折切り裂く、するめのような稲光。鉛色の雨。もくもくと嵐
の住処のように渦沸く雲は平和だった頃には見たこともない造形のユニークさで、
神様のセンスという奴は本当にわからない。一際大きな稲光がひらめいて、油断し
た宮子の視界を真っ白に染めた。人々は一体どこに息を潜めているんだろう。
「……どこに行ったって、おんなじだよね」
 考えるのは苦手だから、感じるまま気持ちを整理した。恐らく、ここ以上に筆の
進む場所は、どこへ行っても多分見つからない。二十何年かの時間の中で、一番た
くさんの、色に触れ、画材に触れ、モチーフと取っ組み合った日々がここにはあっ
た。
 そうと決まれば、倒れたイーゼルを起こし、飛んでしまったキャンバスを載せな
おして。宮子は筆を強く握り直した。四枚のプレートも、さっきの揺れでまたあち
こちへ並びもバラバラに散ってしまっていたから、
「よっこいしょっと……」
それをまた、宮子は拾い集めて並べなおし、静かな面持ちで見下ろした。
 頭の「ひ」は三分の一ほどだけ、斜めになって割れ残っていた。文字としては、
完品を見たことのある者にしか読めそうになかった。
 「だ」は、ほぼ完品、健在。
 「ま」は……ボンドの痕の貼りついたそれらしい壁の部分は残っているのに、プ
レートだけ剥がれてなくなっている。辺りを探しても見つからなかった。代わりに、
焼け焦げた、それらしい木の板が見つかったから、それを持って来た。
 「り」は、四隅が欠けてしまってはいたものの、文字にダメージはなかった。
 「荘」は、壁ごとどこかへ飛ばされて見つからなかった。
「うん」
 もう一度、絵筆とナイフを力強く握りなおすと宮子は。
 踵を返し、椅子を起こして、今再びキャンバスと向き合った。
 
 
 
     *     *     *
 
 
 
「本当はね。みんなにもさ、会えればいいなー、と思って来たんだ」
 にゃ~ん……。
 宮子の、絵筆を運びながらの言葉はまるでキャンバスに語りかけるようだった。
瞳の裏側にようやく像を結び始めたキャンバスの未来の姿を現在のキャンバスに重
ね合わせ、取り逃すまいと、ただただ忠実に色を載せていった。今目を離すとまた
見失うことになりかねない。それが怖くないわけでもなかったけれど、今は追いか
けるのが楽しくて、目を逸らしたくなかった。
 猫も寂しいのか、手持ち無沙汰なのか。宮子が何かを言うとそれに答えるように
必ず一声、細く鳴いた。
「でもさ……よっと」
 キャンバスから瞳をはずさないまま、宮子は足元に無造作にころがした画具を手
探りで探し当て、また居住まいを正す。
「ぜったいに、会えるとか……会いたいとか。思ってたわけじゃ、ないんだよね」
 猫はきょとんとして聴いている。言いながら滑らせた筆致は力強さに溢れていて、
まさに寸毫の迷いもなかった。
「お……っとぉ」
 そのとき引いた短いひと刷毛は、紛れもなくこの絵の中心になった。
 その確かさに驚いて、我がことながら宮子は思わず声を上げ、瞳を奪われた。ぞ
くりと、二つの相反する感情が二百パーセントの容量で体を埋め尽くしていく。ち
いさく絞り込まれた瞳孔……その一瞬胸に去来したものは、今はもう見る影もなく
なった母校・やまぶきで、脱ぎ癖のある、ヘンな担任から聞かされたことばだった。

「宮子さん、絵にはね、ぜったいのぜったいの、ぜーーーったいに、迷ってはいけ
ない。……そんな線があるものなんですよ? 宮子さんなら、わかりますよね?」

 卒業を近く控えた放課後の食堂で、卒業制作に根を詰めすぎ空腹で動けなくなっ
た宮子に
「ナ・イ・ショ。ですよっ?♪」
と、星とハートを散りばめた台詞回しの女教諭は念押しをして、秘密でうどんをお
ごってくれたのだ。そのときに教えてくれた話だった。
 その線をしくじれば二度と戻れない。一生、その絵の本当の姿にはたどり着けな
い。そんなひと刷毛がどんな絵にも必ずあって、どんな名画でもそれを引けている
とは限らない。と言うのだった。あくまでも彼女の持論らしいのだが。
 今、ゆび先から肩にまで、弦を弾くように伝わった確かな摩擦の感触を反芻して、
何故、今、その言葉を思い出したのか、宮子はその意味を考えるまでもなく飲み込
んだ。
「へへへっ」
 ふにゃん?
 笑った宮子に、猫は小首をかしげ、きょとんとして聴いている。
 宮子の胸にはごろりとした重たいものが詰まる感触があったが、一度はなをすす
ってそれもやり過ごした。
 もう目を離しても大丈夫だ。確信を得、けれど筆はキャンバスから離さずに、宮
子は猫と瞳をあわせた。
「ひどい話だよね」
 みゃ~……。
「そっかそっか。えへへ。ありがとねー」
 猫の返事にひまわりのような眉をまん丸に持ち上げて笑い、宮子はまたキャンバ
スに向き直った。
 また、紫色の稲光。視界が白黒の二色にくっきりと切り裂かれたあとには空はま
た一段暗くなって、宮子は座ったまま体を傾け、キャンバスの影から、窓、といっ
てももう形だけの壁にあいた穴だが、そこから外を窺って、今日の残り時間がほと
んどないことを確認した。
 何故か背筋をしゃんと伸ばして座った猫の傍らに散らばった四枚のプレート、も
はやいちいち見なくてもそれらは頭の中にあって、宮子は、その四枚のうちで原型
をとどめたもう一枚のプレートを思い起こしながら、ぺとり、とキャンバスに色を
おいた。そこには……何も描かれてはいなかったが、木立から漏れて揺れる陽の光
があった。色はまぶしい山吹色だった。
「どうしてるのかなー、みんな」
 宮子はナイフと筆を持ち替えると、またぺとりと色を置いた。今度は温かな原色
のピンクで、そこにはちりちりと、短い後れ毛を散らす毛糸玉が描かれていた。
「みんな、運は良いから……」
 淡く紫のかかったブルーを作りかけ、宮子は首をかしげると、それを捏ねてつぶ
した。そして緑青を足し、全く違う緑がかった色を作った。それを乗せる先は透明
なガラスの瓶だった。
「無事だとは思……!」
 言いかけて、何か細かい砂の粒のようなものが喉に貼り付き宮子は大きく咳き込
んだ。咳けば咳くほど、その揺り戻しで吸い込む空気に同じものが混ざりこみ、何
度も何度も咳き込み続けた。キャンバスから体を背け、体を折って、何度も、何度
も、吐くように体を震わせた。
 猫は欠伸をして、宮子が落ち着くのを待たずにどこへともなく静々と歩き去った。
目は爛々と、金色の光に包まれ始めている。
「ぜえ、ぜえ。あうー……。……まあ、微妙かもねー」
 息が落ち着く頃にはまた、部屋には彼女の声に応えるものはなくなっていた。け
れど宮子は気に留めず、しばし続けて筆を滑らせ……やがてキャンバスが見づらい
くらい暗くなってきたのを感じ取って手を止めた。
「うん」
 画布から瞳を外し、二、三度まばたきをしてから部屋に目をやると、自分だけが
絵から差す光でうっすらと床に影を落としている。ゆび先も冷えてきた。これ以上
やってもせっかくの色をおかしくしてしまいそうだと、宮子はもう一度、画布を見
やって頷いた。慌てなくても、この絵はもう大丈夫。
「あとは、買い手がついてくれれば言うことないね。さて……」
 寝ようか。
 声に出さないまま、宮子は部屋の隅に堆く積み上げた大八車から降ろしてきた荷
物の山--その中には、やまぶきへの入学が決まって家を出る時に両親が持たせて
くれたビニールプールも眠っているはずだった--を切り崩し、大きな寝袋を引っ
張り出した。
「よっこいせっ」
 仕事場から少し離れてそれを広げ、例の四枚のプレートはイーゼルの下に丁寧に
重ねた。
 割れて欠けた「ひ」。
 「だ」。
 焼けて落ちて失われた「ま」。
 そして、健在の「り」。
 にゃーん……。
「お?」
 万事整い、ごそごそと蓑虫になって目を閉じようとしたとき、荷を動かす音に何
を勘違いしたのか……さっきの猫が玄関口に帰って来ていた。宮子は寝袋のまま、
ごろりと体ごと転げてそちらを向いた。
「おかえりー。一緒に寝るー?」
 にゃーん……。
 闇に二つ、金色の瞳の尾を引いて。一声鳴いた猫の口からは、真っ白い牙と、生
々しく、赤とピンクの粘膜が覗いたきりだった。猫は部屋に入ってくることなく、
またしずしずと立ち去った。
「……またねー」
 寝袋のまま、宮子は、真横に立たせた体をまたゴロリと仰向けに寝かせると、無
残に建材の毀れた天井を見上げてほほ笑んだ。やがてほころんだ口元から満足げな
息を漏らすと、そのまま。
 明日を思って、静かに眠りに落ちた。
 
 
 
                          (おしまい)
 
 
 

 
 
 
……と、言うワケで。
いかがでしたでしょうか。
まさかの『ひだまりスケッチ』SSで登場のオイサンです。

イヤ、まあ、ね。
ウン。
「こんなの『ひだまり』のSSじゃねえよ!!」
というお言葉も頂戴するでしょう。
そりゃまあそうでしょう。

別にオイサン的にも無理やりナナメ上のことをやろうと思ったワケでもなく
これは……オイサンの中の、すごくリアルな宮ちゃん像なんです。

宮ちゃんにこんなイメージを抱くようになったきっかけは、
キャラソンの『にゃーとな午後三時』。

■にゃーとな午後三時


この歌がそんなことを歌った歌でないのはオイサンも承知の上なんですけれども、
……う~ん、なんて言うんでしょうね。
「あ、言われてみれば、この子はひとりで完結してるなー」
と、なんか思ってしまったんです。

ゆのっちや、上級生の歌の背後にはまだなんだか他者の気配が残るのですが、
この歌の中には彼女しかいない。
猫や鳥や、そんなものがいさえすればきっとどこまでも行ってしまう子なのだろうなと……
宮ちゃんはいつでも強い光を放つ子ですが、
きっとそのうしろには、彼女自身も気付かない、光に見合った影が落ちるはずで、
多分、誰もいなくてもいないなりにやっていけてしまう、
そのことが彼女の影なんじゃないだろうかと、そんな風に思ってしまったのでした。

それは本来、別に影でもなんでもないことだとは思うんですが、
ひだまり荘にあってはそのことがなんだかやけに哀しく思えて、
以来、オイサンの中では宮ちゃんはすごく大人びた、謎めいた子です。

ウメてんてーは、彼女の光のうしろに何かが生じることに気付いているんだろうか。
何だか最近は、ご自身は気付いているんだけど、
ひとには気付かれないように、
自分もそこはもう見ないように、
一生懸命隠し隠しやってるような、そんな気がしてしまうんですね。

  まあそれは、ただの勘繰りですけど。
  誰もね、太陽の裏っ側に何が出来るかなんて気にはしないでしょう。

ただ、まあ、だからと言って
宮ちゃんが冷たい子だとか、残酷な子だとは思うわけではなく、
ひとりでいる時も、皆といる時も、同じなだけなんだと思います。

あの歌のイメージに囚われてからずっと、
書こう、書きたいと思っていたのがこのSSだったので。
ようやく形に出来て、
……まだちょっと、こうして見ると荒いところも一杯あるのでアレですけども、
オイサン的には嬉しい気持ちでおりますです。

皆さんにはどんな風に届いたか、お聞かせ戴く機会をもらえれば幸いです。
お叱りも謹んで。



オイサンでした。


 

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2010年12月26日 (日)

■ミューズの祝福~宮子(上) -更新第620回-

 
 
 
 吾輩は……。
 
 
 
     *     *     *
 
 
 
 世界で戦争が始まって、八ヶ月が経とうとしていた。
 どこの誰が始めたのか? くらいの大雑把な情報はまだ皆大体憶えていたが、そ
の後どの国が、どういう経緯、どんな力関係のもとで参加していったかのか、細か
いところを把握しているのは、一般人のレベルでは曖昧になってきた。第一それを
把握したところで誰にもどうにも出来ないほど、事態は進退窮まっていた。
 それに、悪いことというのは重なるもので、お星様の体調も思わしくなかった。
 どこかの国が撃ち込んだ、いわゆる核ミサイルが引き金になって撃ち合いになり、
その何発かがこの星の「やらかい」部分を刺激してしまったらしい。ヒロシマの何
千・何万倍という量の粉塵が巻き上げられて気候が無理やりに捻じ曲げられ、小さ
な歯車が順を追って大きな歯車を回すように、もともと若くもなかった星の体にと
うとうガタがきた。天候にとどまらず、地殻、海流。あらゆるものが秩序を失い出
して、もう、いつ、どこの地面が割れても、水が枯れても、はたまた逆が起こって
も。……一切の不思議はなくなっていた。
 そんな状況になってようやく世界のえらい人たちの間でも、一部戦いをやめよう
とする動きも出始めたが手後れで、お天道様の曲がったへそはもう元には戻らなか
った。
 空さえ、もはや青くない。
 見上げれば、赤紫の地色に茶色い雲がコーヒーフレッシュを落としたみたいに渦
を巻く。風の吹き方も、雨の降り方もでたらめだ。気温も無茶苦茶、半袖で大汗を
かきながら越えた踏切の向こうでいきなり凍え死んだなんていう話も、まことしや
かに聞こえてくる。
 太陽? 日の光? こもれび?
 ……ひだまり?
 ないとは言わない。届く日もある。
 そんな中、この小さな町に一人の若い人間の女が、大きな大八車を引きながら現
れた。

「おー。良かったあー、まだ残ってたー」
 彼女は車を引く足を止めると、道の傍らに建つくすみきった軽量鉄骨二階建ての
賃貸物件を喜ばしげに見上げた。次いで振り返り、今度は通りをはさんだ反対側の、
住宅とは一線を画す、広さの敷地を見やった。そこには、鉄筋四階建ての大きな建
物があるはずだったが……そちらは一割を切る残存率で、その姿をとどめていなか
った。
「ありゃー……」
 まいったなあ、とばかりに彼女が黒く煤けた頭をかきむしると、煤がもわりと立
ち上り、ところどころ、本来の稲穂色が露になる。彼女は
「まあ、しょうがないよね。学校は」
と、然して残念そうでもない眉で諦めをつけると、もう一度、むかいの小さな方の
建物を見上げた。そちらとて見えないところに無数のダメージを負ってはいるのだ
ろうが、形をとどめていることだけでも満足し、へへへ、と笑みをこぼした。
 建物を囲うブロック塀は殆どの部分が失われていたが、門柱のあったあたりは比
較的大きく残っていて、彼女はそのことに気が付くと
「おお? これはまだ、希望がもてますなあー♪」
と、大八車も置き去りに、嬉しそうに塀に駆け寄った。
「さてさて、残ってるかなぁ~?」
 既に穴だらけの軍手をはめた手で。彼女は瓦礫を一つ一つ拾い上げては、
「ひ、ひ、ひ~♪ だ、だ、だー♪ ま、ま、ま~♪」
とでたらめに口ずさみながら、顔を出さない太陽にすかすように、キラキラと光る
瞳で見定めていった。それは、今の世情ではなかなかお目にかかれないものだった。
「あなたのお名前なんてぇの~♪ それは表に書いてます、あソレ表札、表札~♪
 ……お、あったー!」
 高らかに叫んだ、彼女のつかむ瓦礫にはちいさく、ところどころに木片が張り付
いた跡があった。
 探していたものは、かつて自分もその制作に参加した、このアパートの表札だ。
平仮名で四文字の、温かな名前。そのとき住んでいた住人四人で、一人一文字一枚
ずつ、正方形のプレートに好きに書いた。それを壁の門柱辺りに貼り付けたのだ。
 最後の「荘」の字のプレートは、壁ごと吹き飛んで無くなっていた。
 頭の「ひ」の文字のプレートは、三分の一ほどだけ、斜めになって割れ残ってい
た。文字としては、完品を見たことのある者にしか読めそうになかった。
 「だ」は完品、健在。
 「ま」は……それらしい壁の部分は残っているのに、プレートだけ剥がれてなく
なっている。どんなに辺りを探しても見つからなかった。代わりに表面の焼け焦げ
た、それらしい木の板が見つかった。
 「り」は、四隅が欠けてしまってはいたものの、文字にダメージはなかった。
「……うーん。『ひだまり荘』は『だり』になっちゃったねー」
 拾い集めた表札のパーツを地べたに並べ、金髪、長身のまだあどけない彼女……
宮子は、腰に手をやった仁王立ちで
「ダリ、かぁ……。出世かな? 『ひだまり荘』から『ひまそう』を取ると、天才
画家になっちゃうんだねー。ははっ。今度みんなに会ったら……」
と、そこまで独り言つとのどに何かが詰まって咳き込んで、咳払いをした。そして
続けた。
「……今度また、みんなに会ったら、教えてあげよー」
 そして、薄暗い空に聳えたひだまり荘をもう一度、眩しそうに見上げると、うん、
と大きく強く頷いて、大八車に駆け戻った。
 
 
 
     *     *     *
 
 
 
 一階の三部屋もまったく無事だった--窓はガラスや桟が吹き飛んでしまって瓦
礫や砂埃は入り込み放題ではあったが、部屋としてのフレームと空間は確保されて
いた--が、宮子は敢えて、かつて自分の住まった二階の真ん中、202号室にま
でわざわざ荷物を上げた。
「よっ……おっ……」
 二階に上がるための階段と廊下部分の鉄骨は、ところどころ支柱が歯抜けになっ
て不安になる箇所もあったが、彼女一人とその荷物くらいの重量で崩れることはな
かった。けれど、このデタラメな温度変化や、おそらくは周囲にばら撒かれた爆撃
の影響だろう、かなり侵食が進んで脆くはなっていて、手や肘をついた途端にガラ
ンと外れて落下することもあったから、それなりにスリルがあった。
「っとと……こりゃゆのっちがいたら、間違いなく落っこちてるなー」
 ドアは失われていたから、両手一杯に荷物を抱えていても通行に不便することは
なかった。
「ただいまー」
 ……自分がこの部屋の主で無くなってから数年。残り香が漂うとは夢にも思って
いなかったが、不思議と部屋の持つ雰囲気や風合いは、自分が居た頃とさほど変わ
りなく感ぜられた。室内は一階と同じく窓が飛び、埃と塵芥、周囲への爆撃で飛び
込んできたコンクリの飛礫や木っ端だらけでひどい有様だったが、雨風を凌ぐには
充分すぎた。思えば自分がここへやってきたときも、なんだか部屋に呼ばれたよう
な懐かしさを覚えたことを思い出す。この部屋だけは、六室の中でも特殊な事情の
せいで家賃が格安だから、似たような境遇と感受性の持ち主が、宮子の後にも脈々
と続いたのかも知れない。
「ゆのっちー。なずな氏ー」
 大八車の荷物を一通り移し終えると、宮子は両隣の部屋、ゆのの居た201と、
なずなの住んでいた203を覗いた。誰がいるはずもなく、薄暗い、ぼろぼろに汚
れた灰色の空間を、遠くの空で時折光る稲光が痛みを伴う光で照らすきりだった。
一階の部屋も、どこも同じだった。
 柔らかな中間色に溢れたかつてのひだまり荘は見る影も無かった。グレーだけが
無限の階調を持って建物全部を覆い、自分の発した音だけが、ところどころ剥き出
しになった鉄骨に冷たく弾かれて返ってくる。自分に色の使い方を教えてくれた母
校・やまぶきからして無残に失われてしまったのだから、致し方ないことなのかも
知れない。六つある部屋、どの入り口に立っても、彩りも、音も、同じきりで……
その六つ目……かつて怒りんぼうの眼鏡が住まった101号室を回り終えたとき、
宮子は小首を傾げ、ほころんだ頬のまま肩から息を抜いた。砂礫をふんだんに含む
ざらざらした風を吸い込んでげへげへと咳き込み、鼻の穴にたまったその粒を指で
乱暴に掻き出すと、
「……さあて。んじゃ、はじめますか!」
と、大きな声で、伸びをした。
 
 
 
     *     *     *
 
 
 
 イーゼル。キャンバス。パレット。油彩筆に、ナイフ。オイル。水は来る途中に
見つけた謎の水溜りで灯油缶に汲んできた。その水を飲用に使うのはさすがの宮子
にも躊躇われたが、……いざとなったら、ゼイタクは言っていられないとも思って
いた。画材のごとき、かさばるばかりで腹も膨れないものを引きずって歩いている
のも今の世の中では正気の沙汰ではないから、そんなことに躊躇するのも今更な感
じがした。
 描きかけのキャンバスをイーゼルに載せる。どこで拾ったか忘れた、平和だった
頃に釣り人が使うのをよく見かけた、折りたたみ式の小さなパイプを広げて腰掛け、
キャンバスに向かい合う。無くしたはずのたくさんの色彩が、災いによって失われ
た物たちの陰影を伴って、かろうじてキャンバスの平面の中にだけ息づいていた。
 食べ物のあるところ。水のあるところ。雨風と夜がしのげ、人のいるところ。転
々として、それぞれでそれぞれに見合ったメリットを受けてきたけれど、そのどこ
でもこの絵の続きは描けなかった。今と同じに支度を整えて向き合ってみても、筆
もナイフも、ピクリとも動かせなかった。腕を組んで唸るばかりの自分に、焦りは
無かったが困惑は募った。
『おかしいなあ』
 九ヶ月前に手をつけ始めた新作は難しくも特別でもないモチーフで、完成形も頭
に浮かんでいる。なのに気持ちと体がついてこなかった。向かい合っては筆を下ろ
すばかりの時間が続いて、そんなに大きくもないキャンバス一枚にこれほど時間を
かけたのは初めての経験だ。世の事情が事情だけにいたし方もない。けれど宮子に
は、自分がどこかおかしくしてしまったとしか思えなかった。
「ふむ……」
 少し間を置いて向き合ったキャンバスが、最後に見たときと少し面差しを変えて
いるような気がするのはよくあることだった。宮子はその機嫌を軽く窺うと、「お
客さん、今日はどうしますか?」と訊ねる美容師の角度で首を傾げ、
「ああ、そうか」
と、筆先にぬたりと色を取ると、思い切りよくキャンバスに乗せた。頭の中にある
情景を、キャンバスの上に思い出す。それが彼女のやり方だった。
「そっか。そっかそっか」
 ぺた、ぺた、ぺたと、宮子自身の司る世界に、思い描いていた光がモチーフに遮
られて影を残していく。歩みを止めていた時間がまた、三歩、四歩と前進を始めた。
 
 
 
     *     *     *
 
 
 
 筆はそのまますんなり運ぶかと思ったがそうもいかず、ひと刷毛、またひと刷毛
と、昔を思えばまずまず以下の進み具合だった。それでもここ半年あまりの進みを
一気に追い越すほどだった。
 一時間うなっては十五分進むのを何度か繰り返し、また止まってしまった手を不
思議そうに眺めると、宮子は床に体を投げ出した。ざらざらしたつぶてと砂の向こ
う側に、懐かしいフローリングの感触が背中にちくちくと伝わってくる。この下に
はまだ、無数の湿気取りが敷き詰められているのだろうか?
 そんなことを考えたとき、絵筆を握ったまま伸ばした右手に、こつんと触れたも
のがあった。木片。さっき下で見つけて拾い集めてきた、アパートの看板……の、
残骸だった。
 頭の「ひ」は三分の一ほどだけ、斜めになって割れ残っていた。文字としては、
完品を見たことのある者にしか読めそうになかった。
 「だ」は完品、健在。
 「ま」は……壁の部分は残っているのに、プレートだけ剥がれてなくなっている。
辺りを探しても見つからなかった。代わりに、焼け焦げた、それらしい木の板が見
つかった。
 「り」は、四隅が欠けてしまってはいたものの、文字にダメージはなかった。
 「荘」は、壁ごとどこかへ飛ばされて見つからなかった。
「……」
 話し相手もいない。口にしても、誰も何も答えてはくれないだろう。そんなこと
を考えたかどうか分からないが、宮子は薄く開いた唇から……実は少しだけ甘酸っ
ぱい記憶の染み付いた唇からすうと細い息を漏らすと、むにゅむにゅと、彼女自身
はろくに引いたことのないリップを馴染ませるような仕草で黙った。

  にゃ~ん……。

「お?」
 自分の口から出たのかと思った、消え入るようなその声は、どこからでも入り放
題のこの部屋で律儀に玄関の方から聞こえてきた。寝転んだまま、宮子が首だけを
捻って見ると、痩せさらばえた猫が一匹、虎の足取りのまま立ち止まり、部屋へ踏
み入るか入るまいか、様子を窺っていた。
「おー、君はもしやー!」
 がばり、と宮子は跳ね起きて、その猫にも負けないくらいの臨戦態勢で、低く、
四つんばいに身構えた。猫の方はさすがにビクリと身を固くしたが、
「……」
「……。にひひ~」
と宮子が笑うと、邪気のないのを感じ取ったのだろう、しばらくにらみ合うと
 にゃーん……。
 ……ひたり、と桃色のニクキュウを一歩、前に出した。
「わは」
 嬉しそうに笑った宮子の頭にあったのは、数年前、彼女がここの住人になってま
だ一年経たない頃に数日間同居した、あの大きな猫の面影だった。その猫はふてぶ
てしく肥えわたっていて、茶虎ブチの毛並みを悠々と遊ばせていた。
 目の前の痩せ猫にその面影は薄く、体躯たるやその半分にも満たない。毛並みは
……宮子同様薄汚れて分からないが、強いて言うなら、目元に残るニヒルな鋭さく
らいしか、似たところは見つからなかった。
「……そんなハズないかあ」
 宮子は、あっけなく。数年という時間とこの戦火という日常をストンと飲み下し
た。そして何かに気付いたように、
「あー……」
とまた。不揃いになってしまった看板に、思うともなく目をやった。
 猫はその隙にもしずしずと、視線をはずした宮子に答えるように室内に歩みいり、
宮子の隣を素通りすると、
「お?」
彼女の荷物、なけなしの食料の入った鞄にたどりつき、カリカリとツメを立てた。
「……そっちかあ」
 体を起こし、宮子はやれやれと溜め息をつきながらも、そうですよねー、じゃあ
ご飯にしますかねー、と。画具もそのままに、猫と鞄に独り言ちて歩み寄った。
 
 
 
                             (つづく)
 
 
 

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2010年12月25日 (土)

■日々の枝葉~友達の帰ったよるに。 -更新第619回-

クリスマスだから何か更新しようかと思ったけども、
クリスマスなのに何か更新してたらコイツ暇なんだなと思われそうで、
しかしそれは事実の上にもうここであらかたのことは公表してたので
何の不都合もなかった!!

オイサンです。

しかしクリスマスに更新したところで
読む人間どんだけいるんだと思ったりもしたけれど、
読む人間は大概似た境遇にある人間なのだろうからこれまた何の不都合もなかった!!
世の中って上手い具合に出来てる!


くわッ!!



……とまあ、勢いだけは一人前で前フリを書いてはみたものの、
肝心の内容が決まってなかったり、平気でするんだな、この人は
(本当に暇なんじゃないか)。

R0029737_2 
オイサンのクリスマスの晩ゴハン。 ♪じんぐっべーじんぐっべー つつがーなくー。



……えーとね。



■月のモノの舞台裏



先ずは19日のイベント、
『アマガミSS』マンスリーのオイサン的舞台裏のお話でもしましょうかね。
別に舞台裏なんつうほどの話じゃないですけど。
本編のイベントと関係のないところでのオイサンの気分を書いとこうかな、と。

 ▼場所。

イベントの会場は品川だったんですけど、
オイサンは都心部が全然好きではなくてですね。
人が多いし、クルマも多いし。
オイサンが見て嬉しい・楽しい気分にさせてくれるものなんて、
見当たりゃしないワケですよ、赴いたってね。

  だもんでオイサンは秋葉原もそんなに好きじゃないんですけど。
  オタクさんにあるまじき言動だとは思いますけどね。
  なかなかこう……喜べない。
  近所のヨドバシとかで用事済んじゃう系の人です。

大きな公園とか、あるんですけどね。
でもやっぱり……なんか無理やり感を感じてしまうので。
モ一つ好きになれない。

ただ、スンナリ電車に乗って行って帰るだけでは
それまた味気ないコトこの上ないので、多少歩いてみるかということで、
山手線を五反田で降り、品川まで歩いてみることにしました。

案外、起伏があるんですね、あの辺。
小径とか、ヘンな角度の階段とかあって、地形的な見ごたえはありました。
しかしとりあえず高そうな家が多い。
つうか、高そうな家じゃなくてもあんなとこ高いんだろうけど。
マ例によって道に迷ったりしつつ、ワリと待ち合わせギリギリに品川駅についたのでした。

やっぱり、あんまり面白味はなかったなあ。

 ▼人。

主にご一緒させて戴いたのは、レポートの方でも書きましたけど、
 ちびすけ父さん(@hm13chibi)さん、(以下ちびパパサン)
 おみかん隊長(@NOR_kankitsukei)、(以下みかんサン)
 よつ(@yotsuaki)さん (以下よつさん)
のお三方。

オイサンなんかは、モノを書いたり、
絢辻さんにアホみたいな入れ込み方をしてしまったせいで
流れてくるものに対して色々小難しく考えたり、解釈を与えたり、
そういうことを自然としてしまったり、
そうしないといけないと思ってしまったりするタチなのですが。

ワリと似たような立ち位置にいるちびパパさんはともかく……
おみかん隊長とよつさんのご両名は、
オイサンのような頭デッカチ考えすぎ野郎から見ると、
もう徹頭徹尾、楽しむことに長けた達人にお見受けするのです。

  楽しそう。
  本当にもう、楽しそう。

オイサンなんかは、
考えた挙句に出てくるものやたどり着く結論が脳天気なものですから、
多少小難しくこね回したところで、皆さんからは

  「またバカなこと言ってやがんな、楽しそうだな」

くらいにしか見えないでしょうけども。
それでも、これはこれなりの重みを持ってやっとるわけです、
ご本人的には。

しかし彼らは。
なんというか、フットワークが軽い。
軽やか。
しなやか。
それでいてミーハーではないのだから、
こちとらとしてはもう憧れの対象ですらあるわけです。

なのでオイサンは、この日がすっごい楽しみでした。
あー、なんかあの二人とも会える! 遊べる!
と思うとね。
ちょっと、興奮してました。
パパさんと二人で会うときとは、また脳の違う部分が活性化する感じ。

  なんかもっと、好き勝手にやって!
  オイサンを引っ張りまわして!!
  って、思ってしまうのです。

今年一年の総括についてはまた押し迫ってから載せますけど、
いろんな人に声をかけ、或いはお声がけ戴き、
これまでの34年のオイサンにあるまじき、
「ひとと過ごした一年」であった今年を締めくくるにあたって、
象徴的なメンバーと過ごせた時間だったな、なんて思った次第です。

嬉しかった。
楽しかった。

おかげで翌日まで、ちょっとぽーっとしてしまいましたけどね。
余韻。
あふぅん(キモイ)。

終わった後の、
数名のフォロワーさんを加えてのほんの数十分のお茶会も面白かった。
ああいう短いんでも全然いいんだなあと思える時間で。

オイサンの目論見としては、
今のTLにいる人誰か一人でもと会って、
またTLに現実味と言うか生活観を増したいなあと思っていて、
それはお一人、永徳(@_eitoku)さんという人と会えたので良かったなーと思います。

  あとのメンバーはフォロワーでもなく、完全初対面。

自分ももう少し、……今の自分を捨てる必要はモチロンないし
ンなこと出来ないと思うけど、多少の軽やかさが増してもいいかなあと、
そんな風に思ったことでありました。

 ▼鉄コミュニケイション

あと、イベントは指定席だったんですけども、隣の席が……なんというかこう、
異様にカンロクのある方でしてね。

  ……オイサン自分がしぼんだから言うわけじゃないけど、
  デブですよ。大デブ。超巨漢。
  オイサンの全盛期より、全然ヨコにでかい。
  椅子から完全にはみ出してくる感じ。
  憎まれっ子、異様に幅がある、なんて申しますけれども。

これは辛いなー圧迫感あるなーと思いつつ。
席についてしばらくして、


  隣が超巨漢で死にそうでござる。


とpostしましたところ……
TL上のフォロワーさんに何名か、
今同じ会場にいる方がおられるのは確認していたんですが、
間をおかずに


  特定したwww


というリプライを戴いて、
臨席のおみかん隊長と声を殺して笑っておりました。

巨漢、超目印www。

ヘンなコミュニケーションだことw



■笑たらエエ思うで? by 碇シンジ



最近、お笑い系のことを書いてない。
というのもお笑い系のものに触れていないからだけど。
今年の始め頃までは、あらびき団とかモヤモヤさまぁ~ず、さまぁ~ず×さまぁ~ず
辺りを見てたんだけど、そういうのも一切見なくなっちゃった。

ここ数日、大きい番組……
スペシャルでやってた『イロモネア』と
一昨日やってた『細かすぎて伝わらない物まね選手権』とを見たんだけど、
どっちも、以前よりもテンションは落ちてる気がしますね。

ネタそのもののクオリティが下がってるというか、
マンネリ化してそれをさらに芸にしているところがあったり、
それを企画で盛り上げようとしていたりと、
別にそれは悪くはないんだけど、
なんか場の空気が冷めてる様に見えたのは気のせいだろうか。

  特に『細か過ぎて』の方は、そもそもの笑いの核心部分である
  「誰が分かんのこれw」というモノマネの新しい要素が完全に消えて、
  過去のネタをツギハギ+再合成してるだけで、
  本来の面白味の部分がすっかりそげ落ちて無くなっていて。
  もう使えなくなったものを無理やり延命してやっているのがアリアリと見えてしまって
  すごくガッカリでした。

それでもまあ、面白ければいいんですけどね。
テンションが上がり切らないと言うか。
好き/嫌いの部分だけで、なぎら健壱のネタが笑えたくらいだった。

26日放映の『M-1』も今年が最後になるということで、
オイサン的には毎年楽しみに見ていた番組なので、なくなるのはちょっと寂しいかしら。

まあお笑いブームみたいなものも下火になってきているようだ
(というか、M-1が火付け役みたいなところがあった)し、
仕方ないのかも。

……でも、若手~中堅の人たちがこの番組を
「ゴールデンに、テレビで漫才がやれる!!」
と有難がっていたのだそうで、そういう場がなくなるのは惜しいコトですね。

出来ることなら一過性のブームで終わらせず、
皆に見せられる文化としての漫才の育成のためにも続けて欲しかったですけど、
マ主催が紳助兄やんですし、ゴールデンじゃあお金も動き過ぎるしで
難しいんでしょうね。

結局はワカモノに阿った番組・ネタであって、
昔のやすきよととか、今も演芸場でやられているような漫才が
生まれてくることはなかったですもんね。

マそれは……世代間の隔絶とか、世代性の多様化みたいなものが
大きな障壁になるんだろうか一筋縄ではいかんのでしょう。
笑うの一つとっても、難しいねえ、シホンシュギさんは。



■インプットが減っている



そんな下らないテレビ番組しか見ないオイサンですが、
そういうどうでもいいインプットでも、最近減っていて、
インプットが減ると勢いアウトプットするパワーも下がるなあと
つくづく感じております。

もっと色々な本を読んだり、(笑いではない方面で)面白そうなテレビとか、
しっかり見てかんと枯渇しそうで怖い。
来年は……そういうのを増やそうと思います。
これ以上時間をどうすんだってのはありますけど、
週一時間でも、それ用に時間とって。
オシゴトの行き帰りにTwitterする時間削ったりしてね。

うん。
その辺心がけてこ。
取り入れないと、やっぱダメだ。
多分、ここから先は余計にどんどんそうなっていくだろう。



■アニメ『アマガミSS』が終わった。



昨日、関東圏では上崎裡沙編の放映が終わって、
一先ずアニメ『アマガミSS』は終わりを迎えました。

また感想とかはまとめて書くとして、とりあえず全体通しての雑感だけ書くと、
なんか非常に後腐れないな、というのが素直な気持ちです。

  スッキリ・サッパリ、あー終わった!
  ……というカタルシスがあるワケでもまったくなく。
  ある瞬間にお湯がぬるま湯に変わるように終わった、そんな気が致します。

終わらないで欲しいとは思わなかったし、さっさと終われとも思わなかったし、
終わるべくして終わったなと、当たり前のことを当たり前に感じていて、
然したる感慨はないです。

この番組で一番グワっときたのは……
やっぱり第一話、森島先輩編の第一章を見たときの

「ああ、ようやく始まってくれた」

と感じたときかもですな。
思えばオイサンにとって『アマガミSS』は、始まったときに終わってたように思います。
あとは、森島センパイ編が……否、薫編だな。
薫編が終わった第8話。
あそこで、「ああ、この番組は大体こうなんだな」ということがスカーっと見えた気がして、
その時に完全に終わったんだと思います。

  梨穂子編だけが一つ、大きなイレギュラーとしてあって。
  絢辻さん編は、出来こそ良かったとはいえ、
  他のヒロインと基本線や方向性は同じですからね。

「こうなることが分かってた」みたいなエラそうなことは
感じてないし言いませんけど、
始まるまでが一番大事だったような気がする。
梨穂子編を除いては、予想、というか、
「こういうのしか思い浮かばない」という絵の通りになったと思うし。

  「ありがとう!」「さようなら!」

でも、

  「ちくしょう!」「うせろ!」

でもない、

  「ハイいらっしゃい良く来てくれたね」
  「ああ、そろそろ帰らないとね、それじゃあね」

という……非常に他人行儀な心持がするわ。
……うん。
ガッチリ握手を交わすような、友達にはなれなかった……そんな感じかなあ。

たまにこう、握手通り越して
心臓と脳味噌とわしづかみにして握りつぶしていってくれる
ものすごいパワーのある作品とかあるけど。

  『ひだまりスケッチ』は、握手しようと思ったらアタマ撫でられた、
  みたいな感じ。
  『俺妹』はハイタッチ。
  『それ町』は……まだ最終回見てないや。

まあその辺の感覚は人それぞれなのでしょうけど、
オイサンにとっちゃ、アレはそういう作品だったと、そういうことです。
特段のさみしさもかなしさもない、
来週からあの時間のワクには後番組がスポッとおさまって、
日々は変わらず流れていく。
そういうの。



……。



でもね。
もしも続きが作られるなら、オイサンは。
そのときも、出来る限りのチカラで向き合っていきますよ。

だってホラ、絢辻さんのことは、やっぱりまだまだ、わからない。
そこに何か散りばめられる可能性があるのなら、
それを拾い集めに行きたいですから。

ね。



■Closing~お買物日記。



『電脳戦機バーチャロン フォース』を買いました。
XBOX360です。
このところ、面白そうなソフトが結構目白押しで出ていて、
買ってはいるけど全然やってないというステキな状態ですね。

電脳戦機バーチャロン フォース(メモリアルボックス15) 電脳戦機バーチャロン フォース(メモリアルボックス15)

販売元:セガ
発売日:2010/12/22

 
メタルギア ソリッド ピースウォーカー メタルギア ソリッド ピースウォーカー

販売元:コナミデジタルエンタテインメント
発売日:2010/04/29

 
シャイニング・ハーツ シャイニング・ハーツ

販売元:セガ
発売日:2010/12/16
Amazon.co.jpで詳細を確認する

『シャイニングハーツ』は手を付け始めていて、
休み中はこれを集中して進めようと思ってます。

『ドリームクラブPortable』は、1日1プレイで着実に進んでる感じ。
だけど完全に作業だね。全然感情はノらないわ。
同居状態になった瞬間すっごいどーでも良くなった『俺の嫁』よか全然マシだけど。

『ゼノブレイド』はすごい興味があるんだけど、なぜか全然手が付いてない。
これはちゃんと遊びたい。
『レッドデッドリデンプション』も同じ。

あと、昨日その『バーチャロン』買うときに、ワゴンでですね、
PSPの『メタルギアソリッド ピースウォーカー』が1480円で売られてたので
つい保護してしまいました。

うーむ……。

なんかに集中して、確実にかたづけていかないとなあ……。
『ソラトロボ』も、結局全然やっとらんよ。



そんなこんなで、取り留めもなく。

こころにうつりゆくよしなしことを、
そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ。



オイサンでした。




 

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2010年12月24日 (金)

■嘆きの手帳とダイヤモンド~『アマガミSS』第24話・絢辻さん編・最終章感想 -更新第618回-

シゴトバのクリスマスパーティでトナカイ怪人の役をやらされたことがあります。
オイサンです。

ついでに小学校のとき、七夕の集会で織姫をやらされたこともあります。
オイサンです(二回目)。


さてもさても、毎度毎度の一週遅れでお送りしております、
アニメ『アマガミSS』感想のお時間でございます。
……別段オイサン、全然関東圏に住んでるんだから
一週遅れになる理由なんてないんですけどね。

  さっさと書け、ッちゅうだけの話でしてヘエ。
  面目ねえ。

マそんなことで、無駄口叩いてないで始めましょうか。





  ※というわけで、残すところ今回含めてあと二回。
   アニメ『アマガミSS』感想回でございます。
   未放送地域とかいう伝説のガンダーラにお住まいの高徳の御仁や、
   未見でネタバレご勘弁なメーテル(もう文句の整合性はどうでも良くなっている)の皆さんは
   ここから先はKeep Out!
   子供は見ちゃダメのおネム時空なのよ!?






■あやつじさんの、最後の戦い



あのー……。
……正直、あんまり書くことないんですよね。
面白く見られましたし、絢辻さんも可愛かった、橘さんは思ったよりも男前だった
周りのみんなも、メインヒロイン6人分のエピソードの締めとして
それぞれのクリスマスを楽しそうに過ごしていた。
そして絢辻さんの人物像に関しては……前回からほぼ覆ることなく、
可愛く、
意地っ張りで、
優秀だけれどどこか間抜けな絢辻さんを貫き通して幸せになっていった。


それが、すべてだったと思います。


今回のお話で起こったことは、
皆が楽しくクリスマス・創設祭の夜を過ごし、
梅ちゃんが悔やみ、励まし、
橘さんが決意を固め、
それがカンチガイな絢辻さんの心を動かして種明かしをさせた。
そして二人は再び誓い合った。
それだけです。



■絢辻さん・仮面をかぶって、また脱いで。



絢辻さんの人物像については……上で書いたように、23話までとほぼ変わりません。
もう少し、「完璧」たろうとする動機が語られるかと思いましたがそれもなく、
家族について触れられることもありませんでした。

絢辻さんが「創設祭委員を頑張ろうとした動機」として、
幼き日に絢辻さんを見舞った、クリスマスの悲劇が薄ボンヤリと語られる……
そのくらい。
「完璧さ」と「創設祭・サンタクロース」を結びつける糸を、
見つけることは出来ませんでした。

一つ明らかになったのは、絢辻さんにとってサンタさんというのが
誰にも訪れる公平で平等な幸せの象徴である、ということ。
そして世界はそんなものでは出来ていないという事を、
年端もいかない聖なる夜に思い知らされたのでしょう。

  なんというか……そのときの胸の痛み、悲しみの深さだけは
  切々と感じることが出来ました。
  うん。
  あそこは……良かった。沁みた。

「だから自分は、そんなものを跳ね除けて、誰にも平等に幸せを配れるくらい、
 強くなろう、完璧を目指そう」
と思った、という解釈は出来ないこともないですが、
正直、そう読ませようとする意図を見出すことも出来ませんでね。
ちょっと残念だったなあ。

でもあの、マクラを抱いて我を失う幼い絢辻さんの心中には、
幾ばくかのドラマを見出さずにはおられませんでしたね。
あの絵はとても良かった。



■詞さんスキBADる!!



デ、視聴者の多くを混乱のズンドコに叩き落した、
絢辻さんまさかのスキBADモード発動。
その原因と種明かしが今回の見所だったわけですが。

……もう一枚、極端な仮面をかぶってみた。っていう。
それに尽きましたね。結構アッサリ。
理由は、橘さんが好きだから、手放したくないから、橘さんの言う通りにしてみた。
好きな男の子に叱られて、言われるまま、極端に染まってみた……
要するに

  ものすごいデレた。

というお話ですね。その裏返しでああなった……というか、ああした、という。
「だって、た、橘君がそうしろって言うから……」
みたいなことですよね。

  嗚呼可愛い。


  ……お、絢辻さん。何を探しているんだい?
  まさかこの……(ゴソゴソ)……焼きゴテかな?
  危ないから没収しておいたよ。フッフッフ。
  まあ悪いようには書かないから、
  一度だまって最後まで読んでおくれよマイハニー。



ちょっと不思議だなあと思うのは、絢辻さんがあのモードの内側から、
明らかに戸惑っている橘さんを見て何を思っていたのだろう? ということです。
「そのうち慣れてくれるだろう、自分で言い出したんだから」
くらいに思ってたんだろうか。
戸惑ってもいたのだろうけど。

  ……ヘンな子。


  ……あれ、絢辻さん、どこ行くの?
  ホームセンター?
  ……。
  ふーん……。
  まあ、いってらっしゃい。気をつけてね。



まあ、また原作のイメージを引きずったお話になってしまうのかもしれませんけど、
なんかもうちょっと、賢いというか、
段取りを踏んだやり方を思いつかなかったのかな絢辻さん? と思いますね。
ちょっと、極端すぎるというか、突っ走りすぎるというか。
もしも創設祭の打ち上げで橘さんから行動をおこしてこなかったら
どうしていたつもりなのか?
不器用で、かわいいとは思うけど、その先がやっぱり見えな過ぎると思う。

  初見の時、OPの最後で振り返る絢辻さんが、
  「まんまと引っかかってくれたわね?」
  って笑ったように見えたから……結構期待してみてたんですけど。
  そこはちょっと拍子抜け。
  オッサンもうじき四十なんだから、妄想も大概にしなさいよってコトですかね。

ですけどねー。
これが多分、アニメ『アマガミSS』における絢辻さんの姿なんだな、
ということで良いと思います。
これはこれで……不器用で、意地っ張りで、可愛かったし。
少なくともお話は成立しているので。

  ……なんとなく、なんとなくなんですけど、
  ゲームの絢辻さんも、アニメの絢辻さんも、みんな同じ一人の絢辻さんが演じていて、
  アニメの脚本を見たその絢辻さんが
  「えー? 今回あたしこんな役どころなの?
   前ンときより随分バカっぽいんですけど。なんか毎回オーダー違くない?
   こんな脚本で大丈夫か?
   ……///。
   …………何よ///。
   ………………うるさいわね、言ってみたかったのよ。いけない?」
  とダメ出ししている絵が浮かんで、それはそれで面白かった(笑)。

……そんで、ゴメン。
あのモードに入ってからの出来事を全部、
「意図して」「演技で」やってるんだと意識して見直してみると……
絢辻さん、やっぱりどうかしてるよ!!
絶対、やってて恥ずかしいだろうあの芝居は!!

 ▼たとえばこんな、メリー・クリスマス

話として、絢辻さんの賢さをアピールしつつ面白さを出すのであれば……
例えば。


……。


絢辻さんがあの第三のモードに入るにあたり、
視聴者の見えないところで橘さんにだけは前もって宣言をしていた、
としたら面白かったかもな、と思います。

絢辻さんから橘さんに、
「どうしてもクリスマスを成功させたいという気持ちと理由があるから、
 それでうまくいくなら言われた通りにやる、
 けれどそれにはもう一枚、極端な自分を演じないと無理だから、
 アナタはそれに付き合って」
と言う宣言が(視聴者に見えないところで)なされ、
翌日から絢辻さんは、突如、さらに白さを増す。
それに戸惑いながらもまとまっていく周囲。

もちろん視聴者も、その周囲の人間たちと同様に騙されてとまどうのですが
最後には視聴者に対して、
「橘さんは全部知っていて、
 けれど絢辻さんの演技のあまりに完璧なことに時に不安にもなりながら、
 あのモードでいることが絢辻さんにさらに大きな負担を強いているのも知りつつ見守り、
 二人きりのときはケアに徹していた」
……というネタばらしがされる、というね。

そうすれば……なんかその。
絢辻さんの橘さんへの想いとか、二人の信頼関係とか、
絢辻さんの賢さ・狡猾さ……前回書いたような「なんでもやる覚悟」、
そしてクリスマスへの気持ちの強さなんかが
強調できたんではないかな? と思いました。
マ橘さんの描き方が難しくなってくるとは思いますけども。

オイサン程度の三文物書きがパッと思いつくには、この辺が限界でサア。

 ▼絢辻さん、奇跡の逆転K.O劇

けれども、種明かしに至るまでの引っ張り方・テンションのあげ方はすごく良く、
爆発の仕方に至っては最高に良かったので、正直、初見ではあまり気にならなかった。
涙を流してる絢辻さんを見て、ああ、不器用だけど、
この絢辻さんも、
本当にこの絢辻さんなりにこの橘さんが好きなんだなと思って、
オイサンも泣いてしまいました。

  しかしあの三連コンボは……すごかったですね。
  このアニメが一番動いた瞬間だったかもしれない。
  オイサンは『アマガミ』の絢辻さんを語るとき、
  これまでしばしば『はじめの一歩』になぞらえてきましたが……
  アレは。
  まるで、一歩の必勝パターン、
  肝臓打ち → ガゼルパンチ → デンプシー・ロール
  を見るようで……。ちょっとすごかった。

アレを笑いのタネと捉える向きもあるようですが、
オイサンにはもう、アレを繰り出すしかなかった絢辻さんの心中を思うと、
嬉しくて、滑稽で、そしてかなしくて、涙が溢れてしまうのでした。
最高に泣けるシーンだと思うんですけどね。



■『Amagami SS』 for ……???



でね。

オイサンはこの絢辻さん編を見て、また一個、
分からなくなってしまったことがあるのです。

それは、
「作り手は、この『アマガミSS』というアニメを、
 どういうお客さんをメインターゲットとして作ったんだろう?」
ということです。
これはもう放映当初からさんざ言い尽くされてきたことで、概ね
「新しい層をゲーム版『アマガミ』に誘導するための
 プロモーション的な色合いが濃いようだ」
という認識でおります。

  主に狙い澄ましているのはゲーム未体験の人たちで、
  ゲーム体験済みの人間も狙わないわけではないけど、
  プライオリティでは第二位なんじゃないかと。

  マそれも、オイサンの身の回りはゲーム版をプレイした人が多いので、
  そういう観点からの解釈にしかならないんですけど。

ですけどもね。
絢辻さん編のメインの仕掛けである、
「スキBADモード発動!!
 (実質のスキBADとは全然重みは違いますけど、マ呼称としてね)」
は……ゲーム版の、しかもスキBADを見ているのといないのとでは、
お話への引き込まれ具合、胃の痛みが全然変わってくる、と思うんです。

あのモードを見て感じる極端な緊張感は、
絢辻さんのあのモードが、
原作ゲームにおける<スキBAD>という一種異様なテンションのものだと知っているからこそ
生まれるものだと思います。

もちろん、それを知らなくとも
「え? 絢辻さんどうしちゃったの、何が起こったの?」
とは思うでしょうけれども。
あの表情、トーン。
それらを突きつけられたときの戸惑いと緊張感、
種明かしのときに感じる安心感・カタルシスの大きさは、
知らない方が拍子抜けの度合いは高いのではないかと想像します。

つまりその。
「一番のお楽しみ要素が、
 一番狙っている層のつかみ取れないところにある」
という、また妙ちきりんなバランスになってるんじゃないのかなあと、
イラン心配をしてしまったわけです。

……まあそれも、こちらの勝手な想定のもとのお話ですから
詮無いことなのですけども。
それでもやっぱり、そこそこ考えながら見ているつもりの人間としては、
色々ブレてるんじゃないのかなあ、なんて見えてしまうわけです。
すみませんねどうも。
ヘッヘッヘ。

 ▼幹を失った世界樹は、何に依って立つ?

あとは、そのー……パッケージヒロインでもある絢辻さん。
つまりは、代表ですよ、ゲーム代表。
……人気の面ではそうでもないですケド。


  あ、絢辻さんオカエリー。
  早かったね、何買って来たの?
  プランター?
  ……そっちの、細長い袋は?
  え、いや別に……なんでもいいけどさ……。
  うん……ごめん。



もう、誤解とか、またお叱りのコメントをもらったりすることを
一切合財ビビらずに申し上げますけども、

  アニメ『アマガミSS』の絢辻さんは、別物ですよ。
  ゲーム『アマガミ』の絢辻さんとは、違う人。別人。

ね。
でさあ、ゲーム『アマガミ』における、
絢辻さんの「天下無敵の仮面優等生」なんていう謳い文句は……ある意味、
ゲーム『アマガミ』を売る上での、ゲームの大看板でもあるワケだ。
表のね。

  裏にはまたものすっごいのが隠れてるけども。
  それはあくまでも裏看板だからいいとして。
  ……それがどんな扱いを受けるか、なんてのも今日このあと明らかになるけども。

そのさ、表看板を……アニメ『アマガミSS』では、
同じ看板を掲げながら、……どうなぞらえればいいのかな、ええと……
同じ看板を掲げながら、お店の中を随分ちがうものにしてきたわけですよ。
それってさ、同じ看板、同じ暖簾をくぐって入ってくるお客さんに対して、
いいのかな? って、思うわけです。
一番のウリ(のはずのもの)を……

  ……あの、誤解せんでね?
  「絢辻さんが一番だぞコノヤロウ」って言ってるわけじゃなくて、
  あくまでもパッケージヒロインであり、その彼女のうたい文句って意味でね。
  とりあえず、目立つところに掲げてある売り文句、程度の意味に思って下さいね。

……「苦味のコーヒーの店!」
って書いてあるコーヒーショップに入ったら、
すっげえマイルドなコーヒーが出てきた、
それはそれですっげえ美味しいんだけど、でもちょっとどうよ?
……という感じの話ですよ。

売る側として、そこまで考えてのコレだったのかな?
という疑問は……まあ、ちょっと残りますね。

面白かったのよ?
面白かった。楽しんだ。
絢辻さんも、ちょこっと面差しを変えながらも、
可愛かったし、そこそこ凛々しかったし、強くて脆くて、要素は全部詰め込んでた。

……可愛かった。
けど、麗しくはなかった。

でも、作る姿勢と考え、
そんなところからもっと確固としたものを得たい・読み取りたいと欲する者としては、
ストンと腑に落ちるものがあると嬉しいなあと、このように思う次第でございます。



■Closing



まあ、そんなことで、

楽しくなかった・面白くなかったと言ったら全然ウソだけど。
でも後から考えると、やっぱりちょっとなと思うし、
このヒントの少なさ、動機のなさは、
ゲームやった人間はそこを無意識に補いながら見られてしまうところがあるんだけど、
やってない人の目にはどう映っているんだろうかと、
それはとても気になる。

スキBAD「的」な要素をお話に持ち込むという意味では意味もあったし、
面白い試みではあったと思います。
もう少し、間尺は欲しかったけれど。

あとに引くインパクトとスピード感を伴った、
ドキドキ感のある楽しみ・面白さと言う意味では
6ヒロイン中で一番だったと思います。
でも、トータルの面白さとしては、梨穂子編に一歩譲るかなと、そんな感じ。


オイサンの好きな絢辻さんは、
あのディスクに収まった、あの輝日東にいる、あの絢辻さんでしかないんだなと、
そんなことを確認しました。
けど、それでいい。
この絢辻さんはこれとしてね。


あ、いいな。と思ったのは。
サンタ服に着替えるときの絢辻さんの表情が。
「ここまでは順調かな?」
みたいな顔をしているところ。
初見でオイサンは、この表情を見て、「あれ? やっぱ意識してやってる?」と
思いました。
お話の流れとはチグハグなんですけどね。

最後にふたつ!
……冗談でも、DVDの宣伝テロップで「警察に通報しますよ」とか書かんで下さい。
なんかびっくりするから。
それと、高橋先生。
上げて良いプレゼントと、そうじゃないプレゼントがあると、
オイサン思います。



オイサンでし





じゅっ。







熱ッつ……っ!


絢辻さん、また……!!
やっぱりそれ買ってきたんだね!?
わざわざ買ってきてまでそゆこと……なんでキョトンとしてるの!!?!

僕の言ってるコトどこかおかしい!!!?!??!?!




 

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2010年12月23日 (木)

■本当の愛の魂~『フォトカノ』発表に寄せて。 -更新第617回-

オイサンでごわす。
どすこいどすこい(どうした何があった)。

ちょっと思うところがあったので書いておこうかしら。



■だから『フォトジェニック』じゃねえって何回言ったらわかるんだ!!



『フォトカノ』というゲームが発表されました。
結構前……2週間くらい前? になりますけど。

『アマガミ』の続編……ではないと思いますが、
『TLS』シリーズの続編、多分どちらかと言えば、
(時系列的にだけ言うのであれば)『キミキス』の続編なのだと思います。
系列作品というか。

オイサンの意識で言うと、
『TLSS』までの『TLS』4部作があって、その妹に『キミキス』がいて、
絢辻さ……『アマガミ』は『キミキス』の従兄にあたるかなあ、という感じです。
『フォトカノ』は、多分『キミキス』の妹。

でまあ、世間的な反応を見ていると、
『TLS』シリーズの続きだね、という見方が多く、
その向きには別段反対でもなんでもないのですけど。
「続編」という言い方はモ一つ馴染まんかな、と感じてます。
系列作品であることは間違いないんですけどね。
マそれはもう、ただ言葉の問題だけでどうでもいいことですけど。

ただ今回ちょっと引っかかっているのは、
続編であるにせよ、系列作品であるにせよ、
その魂は何によって継承されているのかなー、というところです。



■魂は誰の中に




Banner_haruka150x500_4 公式サイト(左のデカいバナーから行けます)をご覧いただければ分かりますが、
例えばゲーム画面のレイアウトにせよ、
マッチング会話モード的なものの存在する、
ゲームのメインとなるシステムにせよ、
すごく見憶えのあるものになっています。

そして制作も、大部分はDINGOなる制作会社に出していますが、
「メインコンセプトとシナリオ」は
内製でやっているようです。

  音楽も岩垂センセですしね。
  コレ大事。

まあこうして並べ立ててみれば、紛うかたなき
同じフレームワークの中で作られている作品なんですけれども、
この作品……「系譜の核」って、一体どこにあったのだろうな、
なんてことを考えたりもするわけです。

今現在発表されている制作陣での中で、
『TLS』の系譜に名前の出ていた人というのは
プロデューサーの杉山イチロウ氏・通称杉PON氏と、
音楽の岩垂先生だけ……だと思います。

音楽は作品全体の雰囲気を大きく左右するので
同じ方が担当して下さるのはとてもありがたいコトですし、
オイサン岩垂センセの「チカラの入った」楽曲は好きなので嬉しいです。

  ……反面、あまり「押さない」場面の楽曲は、あまり得意でなかったりしますが。
  『TLS』シリーズでいうところの、「運動会」だとか「学園祭」「お祭り」
  というような、特定のイベントごと系の場面のBGMは、
  ちょっとチカラ抜き過ぎてない? 安くない?
  と思ってしまうことがしばしば。
  特定のモチーフに縛られ過ぎているといいますかね。
  でも、キャラクター固有BGMだとか、メイン画面の音楽とか、
  そういう大事なところの楽曲はホントーに好きです。

ただまあ、「作品の核を司る」のかと言われたら、
それは多分そうではない。
その一画であることは間違いないけれども。

  『ドラクエ』の音楽がすぎやま先生でなくなったとき
  『ドラクエ』は『ドラクエ』たりえるのかと言われたらワカンナイですけど、
  それでも全体を見るのが堀井雄二でなくなるよりはダメージは小さい、
  そんなことです。

じゃあ、杉山さんはその「核を司る」のかなー、と考えたけれども……。



■プロデューサーのオシゴト



これはただの「役職」としてのお話になってしまいますが、
オイサンの考えの中では、プロデューサーというオシゴトが、
「作品」としての実質をどれほど決定づけるかと言うと、
そんなでもないんじゃないのかな、と捉えています。

基本的にゲーム制作におけるプロデューサーさんというのは……
……別にオイサン、ゲーム制作の現場経験者じゃないので
  このイメージが正しいかどうか自信はないですが、
  いわゆるプロデューサーという方々が雑誌や本でしゃべっている内容なんかを
  吟味した結果の解釈として……

「お金と人と時間の管理を行う人」
だと理解しています。

  マそういう意味で言えば作品の質を決定づけまくるんだけどもだ。
  そういう話じゃない。

全部でどのくらいのお金を使って、
どの領域(実際の制作とか、宣伝とか)にどのくらい振り分けて、
どこにどのくらいの人を当てがって、
関連商品をどんなふうに展開して、
それぞれにどのくらいの時間を割り当てて、
どんなロードマップを引いて……。

要するに、「『ゲームを作るための枠組み』を作る人」です。
そして恐らくは、当初の企画、
商品コンセプトを考える責任者でもあるのだとは思います。

  もちろん、同じ役職でも人によって捉え方や振る舞いは変わってくるでしょうから
  一概には言えませんけども。
  カミカゼ管理職もいるでしょうし、
  人を集めてきて、あとは自分の役柄に徹するって人もいるでしょう。

だからまあ、人の画を書くとするなら
「大体こんな雰囲気の人、で、体格輪郭はこんな感じ」
というところまでを描いて、
目鼻をつけるのは、その下のディレクターだとか各パートの担当者
ということになってくるのでしょう。

その目鼻の部分……
オイサンはゲームには大きく4つの要素、
  ・操作感(手触り)
  ・システム
  ・シナリオ(物語・マップデザイン・レベルデザイン含む)
  ・演出面(ビジュアル・音響)
があると考えていて、作品としてのゲームの核・魂の部分は
そのどれかかもしくは幾つかに分散して宿るもので、
プロデューサーという役職は、そのどれにも直接的には関与しない・出来ない
と思うんですね。
それらを作るためのおぜん立てと、出て来たものに対する判断は出来ても。

  それぞれのパラメータをいじることまでやるかと言ったら、
  概ねやらないと思うのです。
  フツー。

杉山さんは確かに『TLS』時代は確か
ディレクター・プロデューサー兼任みたいな感じだったと記憶していて、
それは多分、『アマガミ』における高山さんと同じような立ち位置だったと、
なんとなくですが想像します。
今どんな風にオシゴトをされているのか。

  そして『アマガミ』サカモトPは、
  高山さんほどは直接モノをいじることはやってない。
  そんな風にお見受けします。

なのでまあ、
今現在の杉山さんがどういう位置でオシゴトされいるかにもよりますが、
彼がガッチリと『TLS』の魂をワシづかみにして、


  「これじゃあああああ!
   これをこしらえるんじゃあああああ!!」



……と、
高山さんでもない、松田さんでもない、
今回タッグを組んで制作をする新しい人たちに
シャイニングフィンガーをたたき込んでくれれば良いと思うんですけどね。

マ既出の情報を見る限り、
人物の見た目こそガラっと変わっているようにオイサンは感じますけども、
音楽はセンセだし、
システムも色々継承されているようだし、
シナリオも内製のようなので(公式サイトのプロローグなんてイカニモですしねw)、
……うん、やっぱりこれは『TLS』なのだろうなあ、と思っています。

  あとはもう、操作感とか、難易度とか。
  そういう気立ての部分。

  大体、杉PONは会社的にはどこの人間なんだろう。
  坂本Pはeb!の人間……でいいのかな。
  関係ねえけど。

まオシゴトは役職だけでするものではないのでしょうし(立場は必要だけれど)、
オイサンなんかは、作品はどうしたって人に憑くものだと思っていますから
(曖昧な言い方ですけど察して下さい)
誰かひとり、強い臭気を放つ個人が、
作品の全てをひきつれて前へ進んでくれればそれで良いと思います。

  それは古い考え方かもしれませんけど、
  組織やシステムで人は補えないと思っています。
  これまた曖昧な言い方でニゲるw



■Closing



マそんなことでね。
作品の核とか、個人とかいいましたけど、
オイサンも、とある家系の末端に位置するには違いないにもかかわらず、
父が、母が、祖父母がその前が、
一体何を考えていたのかとか、どんな人間なのかとか、
彼らの核を自分がどのように受け継ぎ宿しているのか、
なんてことは認識も意識もしていません。

核なんてものも、誰かが抱いていたとしても、
時間とともに変わったりなくなったりもするでしょう。

だから、足を止めて、絶対的な速度の中でそれを観測する分には
あまり意味はないのかもしれません。
ただ、同じ時間を歩む者同士であれば、
相対的な変化していく速度や減衰していく様が共有できてしまうので。

そこは、大事にしてもらいたいですよねー。

本当はプロデューサーのオシゴトについて
もうチョット書きたいことはあるんだけども、長くなったのでまた別で。



……。



あ、ちなみに。
『フォトカノ』にどのくらいの期待を寄せているかとか、
どこかに「これは!」というフックを感じているかと言われたら、
……今んトコ、なんもないです。

特段の興味は……感じてないですなあ。
ちょっと寂しいけど。

うーん。

ナンデダロウ?

……多分あの、ふわふわした感じの絵にとっつけてないんだと思いますが、
そのうち動くものが出てきたら、また変わるでしょう。

……あのね、
「女の子を撮る」ゲームじゃなくて、
「女の子と風景をマッチさせて、一枚、
 女の子の魅力を最大限に活かす写真を撮る」
ゲームなのであれば……オイサンは燃える。
燃えまくる。
それは……やりたい。
インチキ写真撮りのひとりとして。



……。



そうやって撮ったビジュアルをWebに投稿して、
ユーザ投票でTOPを決めるゲームとかどうかねえ?
それこそソーシャルゲーム、みたいな。
マ色々善意に期待し過ぎなシステムだけども。




マそんな感じで一つ。
妄想してれば、色々期待はふくらむワケですよ。
オイサンでした。




 

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2010年12月22日 (水)

■黄泉比良のエレベータ -更新第616回-

ワリと年下に舌打ちとかされます。
オイサンです。

昨日。

『アマガミ ちょっとおまけ劇場』がおまけについているらしいテックジャイアンやら、
『ひだまりスケッチ』のキャラソンアルバムやら、
どうやら色々出ているらしいと知ったオイサンは、
オシゴトの帰りにとらのあなででもそれらを回収して行こうと思い
立ち寄ったのですが。


ひだまりんぐsongs~ひだまりスケッチ×☆☆☆ キャラクターソング集~ ひだまりんぐsongs
~ひだまりスケッチ×☆☆☆ キャラクターソング集~


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乃莉、吉野屋先生、宮子、沙英
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オイサンの帰りがけにあるそのとらのあなは、
9階建てだか10階だか、なかなか立派なビルの上層階にありまして。
昨日も、コレと言った疑問も備えもなく、
1Fのゲーセンフロアをスルーして、エレベータに乗り込みました。

そのとき乗員は、オイサンの他に2名。
オイサンと良く似た風体のサラリーマン風の男が一人と、
随分とキメキメに気張った装いのお嬢さんが一人。

オイサンが乗った時、その二人は既におり、
ボタンも……「3」と「9」とが光ったあとでした。

ハテ、困った。
……とらのあなは、何Fだったろうか?
うっかり失念したオイサンは、あてずっぽうというか、
「いつもの」感覚で……「マこの辺だったろう」と、8Fを押したのでした。


  ウン、と大した唸りも立てず、重力に反して動き出す箱の中。


オイサンの見立てでは、お嬢さんの方は恐らく3F、
そこはゲーセンの続きでメダルゲームかなんかのフロアだったと記憶しておりますが、
そこで降りるのだろうと思っていました。
なんとなくね。
……9Fには何があったか……識域外でしたが、
オトコの方はマ多分そっちだろうな、と薄ボンヤリ。

サテ3F。
オイサンの予想はいきなり裏切られ、先ずオトコの方が降りていきました。
だからといって、別に取り乱すようなことではありません。
「まだ慌てるような時間じゃない」とオイサンの中の仙道くんが囁きます。

            ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'',    / 時 .あ ま ヽ
             ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{     |  間 .わ だ  |
             ヽ::r----―‐;:::::|    | じ て    |
             ィ:f_、 、_,..,ヽrリ    .|  ゃ る     |
              L|` "'  ' " ´bノ     |  な よ     |
              ',  、,..   ,イ    ヽ い う    /
             _ト, ‐;:-  / トr-、_   \  な   /
       ,  __. ィイ´ |:|: ヽ-- '.: 〃   `i,r-- 、_  ̄ ̄
      〃/ '" !:!  |:| :、 . .: 〃  i // `   ヽヾ
     / /     |:|  ヾ,、`  ´// ヽ !:!     '、`
      !      |:| // ヾ==' '  i  i' |:|        ',
     |   ...://   l      / __ ,   |:|::..       |
  とニとヾ_-‐'  ∨ i l  '     l |< 天  ヾ,-、_: : : .ヽ
 と二ヽ`  ヽ、_::{:! l l         ! |' 夂__ -'_,ド ヽ、_}-、_:ヽ


  こういうときオイサンの中で囁くのは
  大抵アバン先生か安西先生、仙道くん、三井くんのどれかです。
  たまに池上。
  特段バスケはしたくありません。

そうこうするうちにもエレベータはブーンと上昇を続け……8F。
サア降リルゾと息巻くオイサンの思いとは裏腹に、
ちんと開いたドアの向こうには……
オイサンの思い描いたのとは似ても似つかぬ、見たことのないワールド8が広がっていました。

まず、お嬢さんが3名。
今一緒に乗っている、キメキメねーちゃんと同じくらいか、
戦闘力をさらに上げたような猛者ですよ。
それと、イケメン。
先ほどご登場願った三井くんの不良時代に良く似たロンゲにタキシードのいでたちです。
この人も、多分バスケはしない。

そして彼らの背後には、落とし気味の照明に、
赤と黒と紫でトーンを統一したまるで見たことのない世界が広がっておりました。

こ、ここは……!?
ちがう、オイサンの求めた世界は、もうちょっとこう小汚くて、肌色っぽくて、
原色とか多くて!
大体山吹色を多用したとらのマスコットとかいるはずだ!
あと東方系のディスプレイが店頭にどーんと出張ってるんだよ!
それが……ここはなんだ? 何のお店なの?

オタつくオイサンを尻目に……
そのお嬢さんやイケメンさんはオイサンを「お客だ」と認識してしまったらしく、
すっと道を譲り、謎のビロード空間へ誘っていらっしゃる。
そして同乗していたお嬢さんも、どうもその異界の住人であるらしく。
エレベータの扉を押さえてニッコリと微笑んでいらっしゃる……!!

そんなピンチにオイサンはハタと思い出します。
……そうだった。
ここのとらのあなは7Fだ……。
8Fにあるのは……別ビルにあるアニメイトの方だった……!!





「あ、ごめんなさい。違うんです。7Fなんです」





  ……。





ハイ凍った!
今空気凍ったよ!!
もっと熱くなれよ!!
たのむから! お願いだから!

ナニその目。
「小僧、ここは人の来る場所ではない」みたいな目は。

……それが果たして「お客じゃなかった」という失意からであったのか、
なんかもっとこう、それ以上の……
「よりにもよって『7Fの』ヤツらが、俺たちの階層に迷い込んできやがった」
なんていうガッカリ感であったのか。

  ……なんとなく、色々被害妄想込みで後者だと思うのですが。

オイサンが降りない、
その事情も察せられたちょうびみょうな空気の中、
そのイケメンさんと猛者が二人乗り込んでこられ、
エレベータはさらに上、
1Fから一緒に乗り込んだお嬢さんの押したこのマッスルタワーの最上階、
9Fへと上っていきます。

さほどの間もおかずに再び開いたドアの向こうは、8Fと似たような超空間。
多分8Fと9Fは同じ時空なのでしょう。

オイサンが軽く固まっていると……
また、猛者お嬢さんのうち一人がオイサンを先に下ろそうと道を譲って下さいます……


  きみヒトの話聞いとったか。


……とも言われずにおりますと、
全て(世の中の仕組みとか階層構造とかムニャムニャ格差とかイロイロを含む)を了解している
イケメンお兄さんがそのお嬢さんに合図をし、





「この方は    チガウ    から」





と、囁かれました。

……え、チガウってなに。


今なんか、必要以上にシツレイな意味をこめなかった?

オイテメエ待てよ!

などと、呼び止める間も、その気もないままドアは閉まり、
逆方向のG……浮き足立つオイサンの気持ちを加速させるように、
箱状の昇降機は、オイサンをその不思議時空から運び去っていったのでした。



……。



果たして、オイサンの見たものは何だったのか。
今となっては確かめる術もありません。
あれから幾たびか、あそこへたどり着こうと同じ場所へ赴いてもみましたが、
ついにたどり着くことはありませんでした。
あれは、あの店は、
二次元に耽溺するオイサンを見かねた三次元の神様が見せた、
うたかたのマボロシだったのでしょうか……?


ただ一つ言える事は。


オイサンの住む場所は。
帰る世界は。
7Fの……原色とアニメ声溢れる、この、愛すべき世界だということです。




ヒャッハー!


ど う じ ん し だ ァ ー ッ !!






……オイサンでした。





イヤ、別に同人誌は買ってませんけどね。



 

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2010年12月20日 (月)

■月のモノ~『アマガミSS』マンスリーイベント絢辻さん編に行ってきたでゴザルの巻 -更新第615回-

かわいいは正義、正義はかわいい。
かわいい防衛法案でかわいいエイリアンを迎え撃つは、果たして正義か矛盾か。

オイサンです。
つまりコッポラはジャスティス。



■俺より強い絢辻さんに会いに行く……!!



本日はお出かけデー。

アニメ『アマガミSS』が、
月替わりで各メインヒロインをフィーチャーして開催している
マンスリーイベントというのがあるのですが、
今回はその大トリ・絢辻さん編のイベントだったので……
……オイサンもね。
正直、最初はこのイベントには参加するつもり無かったのですけど、
なんとなく気紛れにチケットを購入して、参加して参りました。

  先週の土曜日。
  こっそりチケットの入手を試みて、
  取れなかったら何食わぬ顔をしてやり過ごし、
  首尾よく取れたらドヤ顔で普通に参加する組に合流してやろうとか、
  オトナっぽいことを目論んでいたのですが。

  TwitterのTL上で、フォロワーさんが八方手を尽くしてでもとチケットを求めておられるのをみて、
  ……あと、一緒にmarbleさんのライブのチケットを入手するついでもあったので……
  ここは一つ義を見てせざるは勇無きなり、と
  微力を尽くした次第でございます。

マそのあとなんやかんやありまして、
結局、
  おみかん隊長
  ちびパパさん
  よつさん
  オイサン
という、お馴染みの人ひとり + オフ会"7月のパトランカ"以来となるお二人の、
計4名で挙ってイベントに乗りこむ事となった次第です。
なかよしだな!!



■イベント構成



上でも書いたように、オイサンは今回がこのイベント初参加だったのですが、
おみかん隊長とよつさんがあわや皆勤賞という猛者だったんで、
事前に色々教えて戴くことが出来ました。
感謝でございます。

  サイリウムの使い方とかなw
  名前と、大体の用途くらいは知ってたんですが、
  実際には使ったことがなかったので。
  サイリウム童貞をおみかんさんに笑われてしまって恥ずかしかったw

今回のイベントも、教えて戴いた過去のイベントと大体同じ構成。

 ・オープニングトーク
   言わずと知れた開幕おしゃべり

 ・プレイバック・絢辻詞編 パート1
   アニメ本編のハイライトシーンをピックアップして紹介。第一章~第二章

 ・ふつおた
   事前にWebで & 会場のアンケートで募った
   「『アマガミSS』への熱い思い」を綴ったおたよりを紹介。

 ・プレイバック・絢辻詞編 パート2
   同上・第三章~最終章

 ・生アフレコ
   本編ワンシーンに、出演声優さんが生でアテレコをしてくれるという
   壮絶なコーナー。

 ・主題歌アーティスト・azusaさんミニライブ
   そのまんま(オイ)

 ・クロージング
   これまた東(オ


……という、なかなかに密度の濃い90分。
ちなみに出演者は、
  梅ちゃん役の寺島拓篤にいさん、
  絢辻さん役の名塚さん、
  主人公・橘さん役の前野さん、
の三名でした。ウンガックック。

  あと、ライブステージでは勿論azusaさんね。

今回は珍しい、男性声優二人の編成だったせいか、お客さんも女性が多かったです。
びっくりした。
あと、今回のホールはこれまでやってきた5回の中でも
収容人数が最大、第一回と比較しては2倍だったみたいです。
すごいな、立派なもんだ。



■感想としては、マ色々とあるのだけども。



大きく、3つ。
  ・寺島兄さんの、司会進行のうまさ。
  ・声優さんパネェ。
  ・皆さん、どんな風に『アマガミSS』を見てるのか


 ▼寺島兄さん・司会進行のうまさ

色々と。
……視聴者からメの敵にされることの多い寺島兄さんですが。

いや、このヒトの場の取りまわし方と言ったら、上手だね。
幾らかアンチョコやらはあるのでしょうけども、
それにしても、場を繋ぎ、埋め、振り、流してすすめる、
そして時には自分が前に出て笑いの一つもとっていく、
その手練手管の鮮やかなことと言ったら。

うん。4月の『アマガミ カミングスウィート』公録の時も思いましたけど、
やっぱこのヒト、上手だと思います。
壇上でも言ってましたが、
「僕は常にファン目線
 (カッコイイ意味ではなくて、ミーハー気分で出演者やイベントを楽しみに見ている)」
「事務所に帰ってシゴトで『イベントどうだった?』と聞かれると『楽しい!』と答える」
なんていう……姿勢が現す通り、多分目いっぱい楽しんでやってるんだろうなあ、
ということがしのばれました。

やっぱりまだまだ、この先も批判を浴びることもあるのでしょうし、
多少対応は考えた方が良いと思いますけど、
マそうでなくても、めげずに頑張ってほしいと思います。

 ▼声優さんパネエ

これはもう、偏に生アフレコのコーナーで感じたこと。
生アフレコのコーナーでは、
「絢辻さんが橘さんを神社に連れて行き、口止めを迫る」場面と、
「おしっこをひっかけられた絢辻さん(だ、誰に!!?)を、
 橘さんがおぶって水道まで連れて行く」場面
の2シーンがフィーチャーされ、
それぞれを前野さん+名塚さんが、舞台の大画面に映し出される画に対して
生アテレコを敢行するのですが。

いやー……スゴイ。
最初、始まって映像が流れ始めた時は、
「まだ録音された状態のフィルムが流れているんだろうな」
と思って見てましたが、もうアフレコは始まっていました。
そう思ってしまうほど、突然始まっても、
場面の尺に違和感なく声をあてていらっしゃるのでした。

ところどころのセリフをアドリブでいじって笑いを狙うこともしながら、
ぴったり綺麗に当ててくる。
事前リハもあったのでしょうけど、それにしたってすごいなあと
心底感嘆しました。

あと、名塚さんが比較的、スの声が絢辻さん(白)に近いのに対し、
前野さんはスの声を聴く限り「ああ言われてみれば」くらいにしか
橘さんに繋がらなかったのですが、
いざアフレコが始まってみると一瞬で橘さんの声に合わせてきたので
それもまたびっくりしました。

橘さんの声って、表面が滑らかだと思うんですが、
前野さんのスの声って、結構、ダミ声の要素と言うか、声の表面が
けば立ってるんですよね。
それを一瞬で均してきたので……それもすごかった。
ああ、この人らはノドで商売してるんだなあと、
普段声優さん声優さん言ってる自分ですが、改めてそんけーいたしましたよ。
ええ。


 ▼皆さんが、どんな風に『アマガミSS』を見ているのか

……が、なーんとなく、ぼんやりとだけど伝わってきたなあ、というのがもう一つ。
どういうことかと申しますれば、
アニメのハイライトを紹介する「プレイバック」のコーナーで、
オイサンが普通にいいシーンだなーとか、泣ける場面だなーとか
思うようなシーンが流れても……
会場の方々は、突然ドッとウケたりなさるんですね。
そのギャップにビックリしました。

「え、ここ笑うの!?」

みたいなことです。
当然、自分以外の会場全体が笑ってるわけじゃないでしょうし、
なんとなく釣られて笑ってるってこともあるでしょうけど、
ある程度の傾向として、みんな結構「笑いたくて見てる」ところがあるんだなあということや、
逆に、見せる側の意図として「笑わせたかった」のか、ということを
肌で感じたのでした。

  マもちろんね。
  仕掛けとして、そういう設えのコーナーだから、
  場の空気や流れとしてはそうならざるを得ないんだけど。
  作り手がそういう意識で見せようとしている、
  っていうことはよく分かりました。

  けどオイサンは、あの三連コンボのシーンでは、やっぱり笑えませんや。
  画と、動きとで「すげえ!」って思うけど、
  あれが繰り出されるということのあの人の気持ちを慮るともう、
  滑稽で悲痛で、涙が出てしまいます。



■祭りのあとの……



マそんなこんなの90分。
終わった後は、物販でCD買った人向けの、azusaさんのサイン会もあったりして、
様々なイベントに参加しているおみかん隊長をして

「1500円としては破格のコスパの良さ。
 こんなん他ではなかなかない」

と言わしめるほどの、クオリティの高いイベントのようです。
まあ確かに、映画一本見るお代でこれだけ楽しめるというのは
オトク感高いかもしれません。

終わったあとは、会場にこられていたやはりTwitterのフォロワーさん3名と合流し、
近くのお店で小一時間、軽くお茶など飲みながらお話をしました。

  京都から来られていた方、
  東京ド真ん中にお住まいの方、
  北関東方面の方。

どちらの方もオイサンは初対面。
……ていうか、あの場にいた人間は多分(オイサンら4名は除いて)みんな初対面でしょうけど。
皆学生さんで、その場に平均年齢が一気に下がりました。
若え!

  ……ていうか、あのテのイベントに出向いて来るのなんか
  若い人がやっぱり中心なんだろうな……。

そして、少なくともうちお二人がゲーム本編はやってないっていうね。
これがちょっとすごいなと思いました。
やれ! ……って言うんじゃないけども、なんというか。
『アマガミSS』の屋台骨は、こういうところにあるのかもなあとつくづく感じた次第。

それでも、
イベントに来ようというくらいアニメの方を楽しんでらっしゃるわけで、
それはそれで、『アマガミSS』立派だなと思いましたよ、ええ。



そこからは18時半頃、三々五々に解散。
お若い方々は別の会に合流した模様。

オイサンはパパさんと方向が同じなので一緒にゴハンを食べ、
またまたややこしい話wで……結局21時まで? しゃべっていたのでした。

  ……ちょっと待って。
  ソレ今日の一連の出来事の中で、所要時間が一番長いから。
  よく飽きねえなアンタら。

マその内容については、
また別で書くべきことが多かったりするので、そのように致します。
基本はアニメの絢辻さん編に関する思うところなんですけどね。
まだ感想ものっけてないのに、そんな話しちゃって。
すみませんねホント。


マそんなコトでね。



またしても、わっさわっさと楽しい休日を過ごしてしまったオイサンです。
もう少し上手くコントロールしてね、
書き物とかとのバランスをとっていかんとなあと反省することもシキリです。

人生を楽しく面白く、まとめていきたいなあと、
そんな風に暮れてゆくオイサンの2010年。
ラストスパートに向けて、もうひと頑張りなのでした。


オイサンでした。


 

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2010年12月16日 (木)

■ファイティングポーズ法、制定ッ! -更新第614回-

件の条例改正案が可決されてしまった、ということで。
オイサンも思うところが全然ないわけではないので、
書くだけ書いておこうかなあという所存。


  とは言え、件の条例が実際どんなもんであるのかということは
  まとめのサイトをざらっと見た程度で、
  あんまり正しく把握は出来ておりませんので、
  細かい所に突っ込まれても困る。
  困る、と言われても困る、と真面目にお考えの人には怒られるんだろうけども。



■先ず、そうは言ってもね。



ぶっちゃけた話、法的に(厳密には法律ではないんだろうけど)、政治が、
っていう点の是非は、疑問というか、
アンタらにはちゃんとやるのは無理でしょと思います
(それすらも立場が生んだ偏見の視点が入ってないとは言いませんけど)。


  ただ、オイサンの思うところとしては。


今現在の、いわゆるお子さんがスッと見たり買ったり出来てしまう、
マンガにしろ雑誌にしろアニメにしろラノベにしろ、娯楽作品群は、
オイサンら自身が少年時代に摂取したものに比べると(あくまでも比較論にしか出来ないけど)
……やっぱりね。
随分過激で、ロコツで、直接的になってるなあとは思いますよ。
それを認めない同年代の人間は、多分いないと思います。

オイサンはそのエスカレート具合に関して、
「どっかで何かしらのブレーキがかかんなくて、コレいいのかな?」
と……別段自分が何の行動を起こすでもないですけど、
薄ボンヤリと感じてはおりました。

それが規制なのか、自重なのかは分かりませんが、
節度はいるよなあというのは明らかで、
オイサンの目から見てここ数年、節度のゲージは降り切れてたんじゃないかなと思います。

ただしオイサンがそう感じる根拠というのは、
所詮「自分たちが育った時代との比較論」でしかないので、
それが正しいのか? 正義なのか? と問われたら、
胸を張って「そうだよ!」とは……よう突っぱねたりは出来ません。

  大体がしてオイサンなんてのは、自分が立派な大人であると
  胸を張れないオーソリティーみたいなもんですからね
  (つまらんオーソリティーもあったもんだな)。

ただ言えるのは、実績・実例として、
オイサンらはそういう今ほどゲージの上がっていないものを摂取して育ってきていても
それなりのステップは踏めてきているので、
今ほどの刺激がセーショーネンの育成に必要なのかと言われれば、
要らんでしょとは思いますよ。

  コレマタ、必要/不必要で論ずる話でもないと思うけどさ。
  娯楽だからね。

ですんで、あとは「表現としての娯楽として」それが必要かどうか、
ってことにかかってくると思うんですよね。

なんで過激な描写が必要なのよって話になると、
多分その大半は、お商売に関わる理由だと思いますよね。

例えば、子供が減ってるから、ってのは一因としてあるでしょうよ。
子供市場だけでは実入りが足りないから、
オトナでも手に取ってしまうくらいの過激さも加味しておかないと
回収できない、なんていう計算はあるんじゃないでしょうかね。

他にも、昔みたいに、マンガ雑誌の競合がマンガ雑誌だけじゃなくて、
Webを回れば、あって無きが如きの規制の上に、もっと過激な映像を回収してまわれるわけで、
ほならお金を払わないといけない雑誌やメディアなんかは
それに対抗できるだけの過激さを有していないと
お商売にはならんでしょう。

  ……ということを考えると、
  間接的には何をどうすれば彼らの望む「ケンゼンカ」が
  進んだりもするのか、なんていう方向性も見えてくる気はいたしますな。

  まずは子供を増やせるようにしろ、
  Webをなんとかしろ、とかですね。

やっぱりね、『アマガミPreciousDiary』読もうと思って
初めてヤングアニマルを買ってみましたけど、
まあ……ほぼエロ本じゃないの、って思いましたものね。
チャンピオンREDとかもね
(↑オッサン詳しいな ← ヘッ、まあよ! ← 褒めてない)。



■またホラ、ケンゼンとか言うから。



次に、じゃあオイサンらの時代のものが「ケンゼン」で、
今のものが「ケンゼン」じゃないのかと言われたら
そんなことは正直誰にもわからないワケで、
そもそもオッパイが出てたらケンゼンじゃないのかとか、
オッパイが出てさえいれば全日本人男性・男子が
ノベツマクナシにマックスボルテージにお達しになるのかと言えば
そんな単純バカタレなお話はないワケで。

そこにゃあどうしたって……ねえ。
表現物ですから。
表現の機微ってものがいかんなく関わってくるワケで、
それのケンゼン/フケンゼンを見抜くには、それなりの、
……なんて言うんでしょうねえ。
審美眼って言っていいのか分かりませんけど、
読解力は必要になる。

それを、政治のオエライ先生方なり、彼らの考えだけを汲んだナントカ委員会なり、
利権とかお金とかがガッツリからんだ方々なりがやろうとするから
反発も起こるし、実際やったら、やられる側から見ておかしな判断が目白押しになるわけで。

  それを表現者の側でやれば自重で、
  外側の人間がやれば規制になるっていうだけのことでしてね。

オイサンの気持ちから言えば、読解力という意味でいえば
批評家さんの集団がやるのが一番マシなんじゃないかなあと思います。
別に批評家さんに知り合いがいるわけではないので実際どれだけの目を持っていて
どれだけ公正なのかはよう知りませんが、
立ち位置として、ということと、
前提として、それを職業としているだけの実力がともなっているものとして、
ですけども。

  マ彼らは彼らで、どちらかと言えば芸術家ですから
  まかせっきりには、やはり出来ないでしょうけど。

出版社とかじゃなくて。
結局はみんな食べるためにやってることなので、
基本的に自分の利益が最大になるようにしたいんだろうから、
「分かってる第三者の目」は必要になると思いますよ。

  ……まあそんなモンも所詮は理想論で、
  今の日本で、何のオカネも絡んでない、正義の第三者なんておるわけがないのは明白で
  それを追い求めるのは夢なんですけど、
  それをじゃあ政治なんていうものがやるのは悪夢なわけですから、
  悪夢よりゃ夢の方がいいでしょって話です。

……まあ、かといってね。
表現的な必然性がないと新しいシチュエーションが持ちだせない、
なんて話になると、
レのつくコワイ顔のオバサン議員に
「どうして妹が12人必要なんですか? 11人ではだめなのですか!?」
とか詰め寄られてアワアワしたりしてしまうのでしょう。

  まあ、そん時ゃ可憐を削ればいいとオイサンは思いまおや誰か来たようだ。

妹萌えとか、メイド萌えとか、袴萌えとか、腹パンチ萌えとか、
それを多様性と呼ぶのか! という議論もこれまたあるでしょうけど、
新しいモノや面白いモノ、極まったモノとんがったモノ、
そういうものが出てきにくい状況になるのは、描き手としては望ましくはないでしょう。
いちいちお上にお伺いを立てるほど面倒なことはないですからね。
その辺は、
「悪いことが明らかでないものは、とりあえず泳がせる」
くらいの心の広さは欲しいですよね。
つうか、疑わしきは罰せず、ってのはフツーのことだと思うんですけど。



■じゃあお前はどうしたいんだ、という話。



まあオイサンのモノの言いようなんてのは、
右と見せかけて左、みたいなことの繰り返しなので、
ほなお前はどないしたいねん、ということが見えては来ないと思うんですけど。

あのねえ。

今回の条例可決に全面賛成というワケは無く、やり方や中身には疑問はアリアリですよ。
やっぱり、曖昧に書かれたことに対して、広くもせまくも捉えられるのは理解していますが、
自分の立場から考えれば、不安がまさってしまうことから
ワーストケースで見積もってしまう。
自分たちにとって一番悪い条件に陥った時のことを見てしまうから、
「そっちもっと詰めてよ!」
って言いたくはなります。どうしたってね。

でも一面では、冒頭で書いたみたいに、
今のフツーな売り物が、えらく過激になっとるな、という風に思う気持ちも事実でね。

  ただしその「過激さ」の妥当性だとか、
  シャカイだとか、セイショウネンのケンゼンな育成に及ぼすエーキョーだとか、
  そんなモンが分からん! というのは上で述べた通りで。

ただ、感覚、自分たちの感覚だけに頼っていうなら、
「売る側は、もうちょっと押さえてもいいんじゃない?」
という気持ちがある現時点においては、
「あんまりホンポーにやってっと規制すんぞ、コノヤロウ!」
という態度は、
……危険性はすっごくあるとは思うし、やろうとする側の彼らがホンマにアホで、
  ひたすら悪意で全開でやってきたときには目も当てられないと思いますけど……
抑止力としては有効なんじゃないのかしら、とは思うワケです。

「おいおい、俺ら、自分らでちょっと抑えていかな危ないんとちゃうか」

と、売り手(描き手ではなくね)に身を固くさせる程度の力としては、
あっても悪くはないと思っています。

  ただしあくまでも、条文がザルであることを、
  取り沙汰する側が良い方に舵取り出来る裁量をもっている、
  ということが前提ですけども。
  ……これまた、理想論だと言われるんでしょうけどね。

  でも、描き手・売り手のベストケースでやりくり出来る条文でやってるうちは
  なアなアにしかならないとも思うんですよね。

政治家さんがそんなにアホかと言われたら、
……アホじゃない、ということは信じたいし、アホでは困るんだけども……
どーも、アホにしか見えない発言をなさるんですなあ。
アレはなんでだろう。
得にならないの分かり切ってると思うんだけど。

  何がイカンて、シンタローさんのあの言いっぷりがイカンと思いますけどね。
  なんでわざわざあんな言い方をせなアカンのか、その理由は良く分からない。

そりゃ不安にはなりますわ。
でも、売る側がその危険性を感じたり、自分からブレーキを踏まない以上、
彼ら政治の人たちがアホでないことを信じて、今回はちょっとお任せするしかない。
ただもう、ホントのホントに、慎重に、誠実に、公正に、やってもらわないと困る。
そんな感じ。
何かに利用したり、くいものにしようとしたり、
そんな人間は一杯出てくるんでしょうけども。
それが怖いなあ。

エロ漫画を読まないから健全、なんて話はもうおかしいのは明らかで、
じゃあ読むのが健全なのかと言われたら、そんなことも絶対ないわけで。
らんぼうに言ってしまえば、
ケンゼンとフケンゼンの境目と、エロ漫画は全然関係ないわけですよね。

ケンゼンさが必要なのは青少年じゃなくてシャカイの方なんじゃないのかね。
いったい、何が過激で、何が過激じゃなくて、
過激な表現がはびこった時に誰かが理不尽に不幸になるのなら
それは最小限に食い止める努力はしたほうがいいでしょってことで。

ホントのホントに、
ある一冊の漫画を少年誌のコーナーからエロ漫画コーナーに移すだけで
誰かが不幸になる率のグラフをどーんと下げられるならそうすりゃいいし、
意味ないんならやめときゃいい。
あとはどっちに置いたら売る側が儲かるかだけ考えて決めりゃいい。

先ずは世の中の不幸量が一番ちいさくなるように、
そのあと、世の中の幸福量が一番大きくなるようにチューンすりゃあいいと思うワケで。

  まあ不幸/幸福のどっちを前に持ってくるかはやり方の問題でしょうけども。
  「何のための規制/自重なのか」がしっかりしていることが
  ケンゼンな世の中なのではないですかね。

すると今度は、
じゃあそのグラフが下がったのは本当にそれだけが要因かなんて話になって
そんなもん絶対的な判断なんかできるわけないじゃんね。
時間は流れてるんだし、人間は生きてるんだから。

今回の「刺激」を足がかりに、炙り出されてくるものはきっと一杯あるでしょうから。
彼らがそれを、いきなりケシズミにするような火力で攻めて来ないことを信じて、
……信じる根拠がないからビビってんだけどさ。
  そこをうまくやってくれよ、とは思うわね……
いい方向にチューニングしていくのが、一番なんじゃないんですかね。
それが出来れば! ……っていう叫びも聞こえてきますけど。

あとは……結局はゾーニングの問題なんだから、
CEROみたいにさ。
イキナリ18禁だけじゃなくて、12・15と、細かく切って上げては欲しいですよね。
さすがに、18歳未満はみんな一緒くた、というワケにはいかないでしょうから。

  しかしそんなことを考えると、
  今度は「小さな書店には、そんなに小分けに場所を用意することも出来ないよなあ」
  とか思ってしまうオイサンもいるんですけどね。
  ホント、色んな余波が出そうです。



マ、そんな感じでツラツラと。
よく分からんまんま、色々書いてゴメンなさい。
でもまあ、こんな感じです、今ンところ。



オイサンでした。


 

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2010年12月15日 (水)

■ゆかりの気分 -更新第613.9回-

オイサンです。

本日の弊社は不覚にも体調を崩しまして、
お休みを戴いてしまったわけなのですけれども。

食べるものも水分も欠乏気味だったのでやむを得ず、
ちょいとお買物に出たときの一幕。

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作って壊して、照って陰って。今日のオイサンの気分。


あまり食欲もなかったのだけれども何も食べないというわけにも参らず、
マうどんくらいなら食べられるかなあと立ち寄った、
近所の立ち食いそば屋さん。

オイサンがここに越して来た時には既にあり、
なんかもう随分昔からやってるっぽいそのお店のおそばは、
立ち食いとしても、普通のそば屋さんと比べても十分に美味しくて、
近隣にもそこそこファンがいるご様子。

そこは随分おトシの……そうねえ、80前だと思うんですけど、
それはもう小っちゃいおバアちゃんがやってるんだけど、
そのお店が、暮れを待たずに閉店してしまうのだそうで。

  お客が、やっぱり減ってるんだってさ。
  そば屋さんが年越しを待てずに店じまいだって言うんだから……
  世知辛いお話だよねえ。

バアちゃんの茹でたおソバを戴きながら話を聞いていると、
なんでもどこかの社長さんがやってきて、渋谷に店を出さないか、
なんてお話もあったんだそうで、
ああやっぱりファンは多いんだあとか、
本当にそんな話ってあるんだなあとか、考えていました。

  「カントクだけやってりゃいいって言うんだけどねえ、
   あたしゃそんなの向かないしねえ」

と、カラカラ笑うバアちゃんは、殊更寂しそうでもありませんでしたし、
まだまだナンボでも現役でやれそうなくらい矍鑠(カクシャク)としていて。

  「旦那はやめるなって言ってくれたんだけどね」

過去にも何度か通ったうちに聞かされた話の中で登場した旦那さんは、
お酒が好きで、体をこわして。
新潟の山に入って山菜をとり、
その山菜でこのお店の山菜そばと山菜おこわは出来ている。
オイサン、ここの山菜おこわ好きだったんだけどなあ。

バアちゃん勿体ないよ、やめるのやめようよと言っても
バアちゃんはカラカラ笑うばっかりでね。
まあ仕方ないけど。

  バアちゃん自身も、なんだかどこかをケガしただとか、
  内臓を悪くしただとか、そんな話をたくさん聞いた。

頼んでもいないおいなりさんをつけてくれたり、
メニューにも無いフキノトウ味噌や、
「これもらったんだけど、どう料理していいかわかんなくてねえ。
 適当に煮てみたんだけど、食べてみるかい?」
とか言って、冬瓜の煮物を出してくれたり。

ふー。
面白い店だったんだけどなあ。

今日も
「アンタ、これも食べていきなよ。
 冷たくなってカタくなっちゃったから、もうあんまり美味しくないけど。
 お金いいから」
とかナントカ、お稲荷さんをつけてくれるもんだから……
オイサン食欲ないって言ってるのに(笑)。

そんなの断りきれるワケもなくて、
ああすみません、戴きますって言って食べてきたけどさ。
だもんで、まだちょっとお腹が張ってます(笑)。

おかげで、具合もちょっとは良くなんじゃないかって思いますけどね。



……。



まあ、そんなことで。



近所ですから、二度と会わない、なんてことはないでしょうけど、
なかなか直接お声やお話を聞く機会も減るだろうし。
一旦そうなってしまうと、やっぱり縁は離れてしまうもんでね。

オイサンもその、あまり情に厚い方ではないので……自信はないけども。

また、また、
何かの折に、どちらともなくかかるお声もあるでしょう。
そのときには、美味しいおうどんの一つもすすれるといいなあと、
……やっぱりね。
思うオイサンなのでありましたよ。



そんじゃマ、そういうことで。



バアちゃんもお達者でね。
オイサンでした。

アミーゴ。


 

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2010年12月14日 (火)

■嘆きの手帳とダイヤモンド~アマガミSS・第23話感想 -更新第613回-

はいどうも、オイサンです。

各所で絢辻さん旋風がワリとアレな感じで吹き荒れる昨今、
皆さんいかがお過ごしでしょうか。

毎度毎度遅れ気味ですが、
今回もアニメ『アマガミSS』絢辻さん編の感想、元気よく参りたいと思いますよ。

えーえ。
今回特に元気いいですよー。
なので、ほんとーにひまでどうしようもない時にでも、
お茶でも入れて、ゆっくり読んで下さいね。


  ※まあそんなこんなで性懲りもなく、
   今回はアニメ『アマガミSS』23話・絢辻さん編第三章の感想です。
   未放送地域にお住まいの方、
   未見でネタバレご勘弁の方。
   いやよいやよもスキBADと申します。
   見たくない、読んじゃいけないと思っても、
   見たくないものを、見たくないという理由だけで、
   見ずに大人になれるなら……誰も苦労はしないさ!!
   ……。
   マそんなことなので、好きにしたら良いよ(自分でも何を書いてるのかわからなくなった)。





■前口上



……色々とね。


小難しい始まり方を考えてしまったんだけども、
最終的にオイサンの心に残った思いというのは……


  結局、絢辻さんって、どんな女の子だったんだろう?


ということです。
この『アマガミSS』23話・絢辻さん編第三章で描かれた絢辻さんは、
オイサンが原作で出会った絢辻さんとは随分違う子でした。

  否、先週の時点で違ったのだということも、
  後々書きますけど。

  ちなみに、素朴な疑問として。
  ……他のヒロインは、他のヒロイン好きだった人から見て
  どうだったんだろう?
  概ね、同じだったろうか? 違ったろうか?

どう違ったのかということについては、
後々、小難しい方のオイサンが書いてくれますけど、
その「違う子(スキBAD的な意味ではありません)」の物語を、
「元の子」の物語を見る前提の目で見て、
面白いとか、面白くないとか、果たして上手に言うことが出来るかな?
……というのが、今回オイサンが感想を書くに当たって行き当たった、
一番大きな課題です。

しかも、その「違う子」が、「元の子」と同じような出来事に直面してお話が進んでいくので、
見ているオイサンは尚のこと混乱してしまったのでした。
同じような出来事なのに、その実では違うことが起こっている……
すなわち、絢辻さんと橘さん、二人が何か行動を起こすたびに
世界は一つの感情で少しずつ満たされていくのですが。
原作でそれが祝福であるのに対し、
このアニメでは、現時点では敵意であるかのように思え、
そのどちらだと捉えながら二人を見守れば良いのか……困ってしまいました。


  なのでもう、今回できることは、二つ。


一つ目。
原作ゲーム『アマガミ』と、アニメ『アマガミSS』とで、
絢辻さんはどう違っているのか? ……を明らかにすること。

二つ目。
一つ目の違いを理解した上で、
新しいお話だという前提で、改めてお話を楽しむということ。

ここでも一応結論めいたことは言うつもりでおりますが、
それはあくまでも現時点での一時的なものですよ、とお断りしておきたいと思います。
これを新しいお話とする以上、その経過点でしかない今回のお話の良し悪しを、
一話だけで判断することはらんぼうだと思いますので。

  それを言ったら他の話だって同じなんですけど、
  今回は特に「お話の真ん中辺」感が強いですからね。
  絢辻さんの話は、一連の流れというものが強く全体を支配していますから……特に。

……次週の最終章をキチンと見てから、
今週のお話が、そして『アマガミSS』における絢辻さんの物語が、
面白かったか、そうでなかったかを、
またきちんと皆さんにお知らせしたいと思う次第です。

そんなことを踏まえて、以下のオイサンの感想をお読み戴けたらなあと思います。
ほんじゃマ、とりあえず始めてみましょうか。



■第一印象



先ずは例によって、全体的な印象から。
誤解を恐れずに言ってしまいましょう。

面白かったです。

ただしそれは、お話がしっかり作りこまれているからという意味ではなくて、
原作のエピソードをいじり倒し、受け手に大きな混乱を与えるという、
その手法という意味で面白かった。

オイサンも冷静でいるわけではなくて、混乱の渦中にあります。

上でも書いたように、
用いられているエピソード一つ一つは原作と同じなのですが、
まず何よりも絢辻さんの人物像が原作から大きく変えられているので、
勢い、各エピソードから受ける印象が変わっています。
時間的な並びも変えられているので、なんかもう、
似たパーツで作り上げられた、別物。

今回は原作のエピソードがこれでもかこれでもかと出てくるので、
詰め込みすぎ・性急という印象になるかと思うのですが……
それぞれが意味合いを変えて再配置されているからでしょうか。
オイサンは、性急さよりも、むしろジェットコースター的なスピードを感じました。

  もちろん全部が全部OKというわけではなくて、
  ところどころ、おかしいなー、足りてないなーと思ったりはしましたが。
  全体的に、並べられたエピソードの数がスピード感を生んでいる印象のほうが強かった、
  というくらいに考えて下さい。

というか。
「何かが違う」という混乱の中で、お話を追うのに必死の状態で見ているので、
そういう風に感じているだけかも知れません。

この辺が今のオイサンには判断の難しいところで、
「絢辻さん編だから甘くなっているのか、それとも本当にOKなのか」が、
冒頭で書いた難しさと相俟って混乱をきたしています。
申し訳ない。



■ちっちゃな絢辻さん。



上で、
「お話がしっかり作りこまれているという意味ではなくて」
と、書きましたが。

決して、
お話自体についても、つくりが悪いとかおかしいとかいうわけではないと思っています。
これはこれで、「多分」、ちゃんとしている。

ただし、
「その軸となる絢辻さんという人物像が、原作と大きくかけ離れたものになっている」
という前提を受け入れることが出来れば、という条件つきです。

今回のお話をどう解釈するにせよ、先ず最初に
「新しい姿の絢辻さんを再度理解しなおす」
という作業が、どうしても必要になります。

今回のお話で絢辻さんは、原作ゲームからその姿を大きく変えました。
アニメ『アマガミSS』の絢辻さんの物語は、
その姿を変えた絢辻さんに特化された物語であって、
原作ゲーム『アマガミ』の絢辻さんの物語とは似て非なるものになっています。

その「新しい絢辻さんの物語」としてであれば、
この第三章は……正直、面白い。

  ただやっぱりそれは、原作 ⇔ アニメの狭間にあって、
  その混乱を感じることが出来るからこその面白さではあるだろうなと、
  原作にずっぽりとはまり込んだオイサンなんかは思います。

  単品でこのお話を見た場合だと……
  多分ね、絢辻さん、かなり困ったコに見えると思います。
  少なくとも魅力的な女の子ではないんじゃないかなあ。
  そんな心配はあります。


 ▼新生・絢辻さんは廉価版


ではその、アニメ『アマガミSS』版の絢辻さんとはどんな絢辻さんなのか。
前回の感想でオイサンは、絢辻さん編の全体的な印象として
「ライトでポップになった」
と書きました。

それはお話全体のトーンを指してのことだったのですが、
その傾向が、絢辻さんという人物自身にも及んでしまった、
ということが言えると思います。
つまり。
絢辻さんという人物が、軽薄で、浅薄になった。

  ……こんなコト書いたら、あとで絢辻さんに読まれたときにひっぱたかれそうだ……。
  でも書く。
  断固として書く。
  だって、絶対そうだもん。
  絶対間違ってないもん。
  ごめんよ絢辻さん。大好きだからね。


 ▼向かう先の欠落


前回の感想で、オイサンは一つ書きそびれたことがあります。
それは……ガソガルの足を塗っていくペンキのシーンで絢辻さんの言った一言について。

  「あたしは完璧を求めているの」。

オイサンにとって、実はこの一言は、絢辻さんに馴染みません。
原作の絢辻さんは完璧を求めない。
そんな無駄なことはしない女の子だと、絢辻さんのことを
オイサンは捉えています。

原作絢辻さんの行いは、確かに完璧に近い。
けれども、完璧それ自体が目的や、目指すところでは決してありません。
これはもう、オイサンは言い切ります。
絢辻さんの行いは全て、一つのコトに収斂します。

それは、「目標」。

原作ゲームに登場し、アニメには出てこない言葉です。
これが、この二人の絢辻さんの間に横たわる、決定的な溝となっています。
原作での絢辻さんにあるものは、徹頭徹尾「目標」であって、
その目標が設定されるのは、「家族からの脱却」があるからです。

乱暴な言い方をすれば、「目標」に手が届くだけの成果を上げられさえすれば……
「あの家族」から脱すること、その足がかりを手に入れるお膳立てを揃えることさえ出来れば、
そこから先は疎かにしたって構わないという計算高さ・理性による制御が、
原作の絢辻さんを支えていました。

  ……あの、コレ、ゲームでもお話ン中でハッキリ言われてることではないですからね?。
  オイサンの読み取りと解釈の結果です。
  シナリオの全体。
  会話モード。
  世界観。
  それらから逆算したとき、この人の日常はこういう哲学で満たされているに違いない、
  でなければ、この世界で、コレだけの評価は得られない。
  ……そういう理解です。

  海千山千の大人どもとも対等に渡り合う、
  賢さを超えた「聡さ」とも言うべき、頭脳に留まらない振る舞いの雄雄しさと、
  原作の背後に感じ取ることの出来る彼女の超人じみた成功の歴史の気配から、
  絢辻さんという女の子は恐らくそういった、
  「ただしい理性と打算」を身につけ、飼いならしているに違いないと、
  オイサンが読み取っただけのことです。

  色々蛇足というか余談になりますけども、
  そこまで「読めてしまう」という原作『アマガミ』の世界は、
  やはり重厚なのだなあと思いますよ。すごいと思う。

そんな中で、より以上の「完璧」というオーバークオリティを求めることは、
効率が悪い。
彼女にとって不必要な行いです。

  その感情の構図は、
  「勇次郎さえ超えることさえ出来れば、最強でなくたって構わない」
  とする刃牙と似ています。

ところがその「目標」自体がアニメでは取り沙汰されない、
存在しないことになっているがために……
絢辻さんに新たに課せられたものが「完璧」と「プライド」だったわけです。
しかも、「学校」なんていう、卑近な社会の中でのみ評価を発揮する
飛び切り小さな「完璧」です。

この構図によってアニメでの絢辻さんは、
原作での「家族という呪縛から解放されるために、社会を見据え、未来を見据えた」
という雄雄しい姿に比して、非常にちいさな……
「学校という小さな社会での成否にこだわる、視野の狭い優等生」
にしか見えなくなっています。

理性や計算高さによる制御がなく、
「完璧」という存在しないものに向かってがむしゃらに走り続ける
(しかもそのせいで倒れたりする)絢辻さんは、
古今無双のスーパーヒロインではなく、どこかの物語で見たことのある
「『優秀さという欠陥』を抱えたキャラクター」
でしかなくなってしまっていると、オイサンはみています。


 ▼嘘をついても、震えたままでも。


ここでもう一つ重要なのが、上で書いた、
理性・計算高さが意識されることによって、
原作での絢辻さんには「穢れへの覚悟」が強調されることです。
簡単にいえば「キタナイことをしてでも勝つ」という覚悟があるかないか、
ということですが。

  それは言い換えれば、プライドや体面なんていう安っぽいものを、
  どこまで切り詰めて実を優先することが出来るか、
  泥にまみれても這い上がる覚悟があるか、ということです。

アニメでの絢辻さんに、そこまでの強さは見受けられない。
それがあるかないかというのは……
社会を見据えているか、いないかという目線の高さに直結します。
そういう意味で、やはり……アニメの新生・絢辻さんは、
原作絢辻さんに比して、頭でっかちで、いい子で、世間知らずな……
つまりは、ちょっと大人しい絢辻さんだよなあ、とオイサンは思います。



新しい絢辻さんを軸として、物語を捕らえなおす



上で書いてきたことはアニメでの絢辻さんが
「ちいさく」なってしまったことの原因ですが、
それに起因するちいささは、お話の中でも遺憾なく発揮されています。


 ▼たとえば、冒頭。


創設祭の準備が遅れ気味であることや、
絢辻さん自身が倒れたことを高橋先生に指摘され、
プライドが傷つけられたとか、周りがもっとしっかりすればとかこぼす絢辻さん。

周囲からのモットモな指摘に対して、
……改善する計算はあるのかもしれませんが……
逆ギレするにとどまらず、周囲のせいにすらしてしまう自己中心ぶりが垣間見えます。
マ絢辻さんは自分センター( ← 自己中心をカッコ良く言ってもダメだ)の人ですけど、
自分の失敗含みの状況を他者に押し付けてしまうというのは、
原作ではあり得ない卑しさです。
悪い意味でわがまま。

さらに、その解決策を提示する橘さんに対しても、
最終的に飲みはするものの、
プライド・体面を優先して、目に見えた目標への最適解に手をつけようとしません。
これはやはり、上で書いたような
「どんな手を使ってでも」
という覚悟の欠落であって、目先の鮮やかさにしか目が行かないのは……
原作における「目標」「家族」といった大目標がないために起こっていることだと
思えます。
いろんな面で綻びがあり過ぎる。


 ▼そしてまた、悪役三人娘に絡まれるシーン。


三人娘の不満は、下の立場すなわち使役される(しかも予想外に)側から見れば
ある意味モットモな話であると、オイサンは感じます。
組織的に考えれば彼女ら三人の不満は身勝手な感情論ですが、
個人が抱く感情としては、当然といえる部分も多々あります。

  ただ、映像を見る限り追加増員は有志だったみたいだし、
  いやならスルーすれば良いのにって話ですけどね。
  参加しといて文句垂れんなよって。
  マちょっと、ここではそこまで考えない。

原作での「人望厚く、後輩からも頼りにされる絢辻さん」であれば、
そこへのケアがあってもしかるべきなのに対し、
そこを突かれて逆切れするアニメの絢辻さんは、やはりちょっと足りてない。

実際、成功したら自分の手柄にする気満々だった絢辻さんには
耳の痛い言葉でもあったはずです。
超図星。

  絢辻さんが三人娘への逆襲の中で嘯くセリフ……
  「根も葉もないうわさを信じて……!!」
  という言葉がもう、この上もなく空しく上滑っていきます。
  絢辻さん……アンタ……橘さんとめっちゃ嬉しそうにいちゃついてるし、
  手柄も独り占めの予定やったやないか……。


 ▼黒辻さん発動。~怒りは誰のために。


また……みんなの前で黒辻さんを発動させるシーンにおいても、
その怒りが……自分よりも橘さんのための半・義憤であった原作に対し、
アニメでの描かれ方は、どちらかといえば私憤に近く見え。
さらに、そんなコトと引き換えに
「必死に守ってきた(ハズの)絢辻さんのこれまでの歴史」が、
あっさりと捨てられてしまいます。
やはりまた、そこで軽さをいや増して見えてしまいます。

  「え? そんなカンタンなことで、今までかぶってきた猫を捨てちゃうの?
   安すぎない?」
  と、オイサンは思いました。

  この印象の差がどっから発生しているのか、
  それはもうここまでの流れとしか言いようがない。
  プライドというものや、自己中な絢辻さんを強調した結果、
  三人娘の言葉が、そもそも絢辻さんの図星をついているという展開になった時点で、
  絢辻さんが「カチンときた」くらいにしか、オイサンには見えませんでした。
  発動の最終スイッチは確かに、橘さんが傷つけられたこと、なんですけどねえ。
  そこまでの流れが強すぎる。

  橘さんのために怒り、猫を脱ぎ捨てるからこそ、
  「今までの自分の立場全部と、橘さんを引き換えにする」
  という流れが出来上がり、
  絢辻さんにとっての橘さんの存在の大切さが際立つというのに。

そこからさらに、半ば逆切れした挙句に出てくる三人娘への言葉には、
原作での、相手の事実上の欠点を突いたものにとどまらない、
他者をただ見下しただけの、敬意の欠片もない攻撃が目立ちます。

  原作で彼女らに投げかける言葉はモチロン攻撃的ですが、
  そこに「絢辻さん自身の優秀さ」というものは直接的には登場せず、
  「三人娘の卑劣さ」だけが列挙されるもので、
  それは基本的に絶対的なものです。そこにはある意味で敬意が発生する。
  ところがアニメでの攻撃には、言葉の影に、多分に
  「あたしはあなたたちよりも優秀。だから黙って使われていろ」
  という意味合いが見え隠れして、
  相対的な上から目線で攻撃を仕掛ける構図になります。

「だまって手だけ動かしていろ」は……事実かも知れないけれども。
上に立つ人間が、決して言ってはいけないことだと思います。


……。


果たして、ここで出た言葉のどこまでが絢辻さんの本心で、
どこまでがポーズ……パワーゲームのためのものなのか分かりませんが。
それを読み取るヒントさえ混乱の最中。
好意的に拾い上げることも難しい。
素直に読み取るならば、ここでの絢辻さんは……
完璧とも、原作とも程遠い、「ダメな司令塔」の見本市みたいだなあ、と
オイサンは見ていて感じました。

小さい。
小さいよ。
そして、……弱いよ、絢辻さん。



■神社のシーン~手帳はナニを象徴するか



神社のシーン。
手帳の火葬。
アナタをあたしのものにします。
契約のキス。
ハッキリ言います。
原作における解釈が難しいシーントップ3を一まとめにされては、
オイサンにはもう、読みきれません!!!

  この三つのイベントは、
  絢辻さんが如何に段階的に橘さんへの信頼を深めていったか、
  ということを表す重要なファクターだと、原作では読みました。
  好意への反逆、
  好意への戸惑い、
  好意への敗北宣言。

その順序さえ入れ替えられては、もう
(原作では、あなたをあたしのものにします → キス → 手帳)。
思いつく限り、一番単純な解釈をするしかない。
それは、……愛の告白。
それで良いと思います。
「『アマガミSS』の絢辻さん」「らしい」、ひねくれた言葉尻での。

だからもう、ここで大事にしたいのは、一点だけ。
手帳が、絢辻さんの何を預かって天に召されたのかということなのですが。

……このアニメでは、絢辻さんが猫をかぶった理由についても
キチンとした説明や読み込むだけのファクターがありません。

  原作ではそこにまた、家族・目標と言った要素がフクザツにからんできますが、
  それが見えないアニメではそこまで掘り下げることが出来ません。

なのでストレートに読みとると、それはやっぱり
「完璧」を演じるための、利己的な保身・名誉欲のためだったとしか思えない。
そこでの「手帳」は、
絢辻さんの「周囲からの評価と抱き合わせにされた孤独」の象徴です。
猫かぶりによってこうむることになった「孤独」という代償と、
それから自分を守るための壁・鎧としての役割です。

橘さんの出現によって、絢辻さんはそれを必要としなくなった、
という構図なのですが……。
それを焼き捨てて尚、戦う力を残していた原作の絢辻さんと違い、
アニメの絢辻さんはこの時点で丸裸です。

この後、橘さんから思いもよらぬ反論をうけた絢辻さんは、
誰もが驚く「あのモード」に入るワケですが……
この時点で既に「自分を守る砦」を橘さんに完全に明け渡し、
ただの「あなた色に染まってしまった恋する乙女ちゃん」
になった絢辻さんとしては……
その流れは、寧ろ自然だったんじゃないかなあと、オイサンは思います。



■嗚呼劇中のスキBAD



絢辻さんが卑小化したもっとも顕著な例と言えるのが……
皆さんも驚かれたことでしょうけど、
スキBAD状態に入るための閾値までがズッガーンと下げられて、
お話の途中だというのにスキBADモードに入ってしまったことでしょう。

絢辻さんがあのモードに入るトリガは、簡単に言って
「深く信頼した者からの裏切り」だと思います。

  ホントはもっと細やかな言葉が必要ですが、ざっくり言ってしまえばね。

ゲーム版では「意図的で決定的な裏切り」によって初めて
絢辻さんはあのモードを発動させますが、このアニメ版では
「ちょっとした行き違い・意見の食い違い」のレベルでも、
その状態が発動するんだ、というように解釈されたのだと思います。

それは上でも書いたように、
絢辻さんがノーガード状態となっていることとあいまって、
ある意味正しく描かれていると思います。

  ただ逆に、オイサンはこれは一つのヒントだとも思っています。
  絢辻さんは次回で「帰って」くることは、先ず間違いない。
  それは橘さんの何らかの行いによってもたらされることでしょう。
  であれば、ゲーム版のスキBAD状態も、
  橘さんの同質の行いによって救われるのではないか?
  という考えです。

  ……。
  マとはいっても、多分どーってことのない帰って来方をすんじゃないかな、
  とは思いますけどね。
  ワリとフツーに、あっさりとね。

うーん。
やっぱりあの、スキBADというのは、一つのエピローグ……「結末」、
取り返しのつかないモノとして存在するから重み・魅力(?)を持つのであって、
話の中で簡単に陥ったり、戻ったり、するように扱うべきものではないと
オイサンなんかは思いますけどね。

なればこそ受け手は重く受け止めるのであって、
話の途上で持ち出して、簡単に解決を与えるべきではないと思います。
演出として悪いことだとはいいませんが、それはやはり、前回の感想で書いたような
「重さを強調するための演出強化」という方向性に他ならず、上滑りこそしないものの、
絢辻さんが
「二つの人格の間をカンタンに行ったり来たりする、
 ありふれた厨二なキャラクター」
に落っこちてしまったなあ、という感が否めない。
そのこと自体がもう、すっごく軽い。

  けれども、インパクトというか、短時間で引き付けるには、
  イマドキの若い人たちにはこのくらいでいいのかもなあ……
  なんていう日和ったことも考えてしまいますね。

尻軽になっちゃったなあ絢辻さん、と……思ってしまいますよ。


  ……。
  あ、ちがうよ?
  絢辻さんのことじゃないからね?
  「こっち」の絢辻さんの話だからね?
  なんでそんな怖い顔してるの?
  ……何それ? ソレ手にナニ持ってるの?
  焼きゴテ?
  なんで持ってるの? ていうかそんなのどこにあったの?

  ……真っ赤じゃん。
  それもう真っ赤になってるじゃん。 準備オッケーくない? それ。
  置こう?
  とりあえず置こう? ね?




■Closing~これをどう見れば良いのか?



まあ、そんなことでして。

少なくともオイサンの見た限り、原作での絢辻さんは、
生きるために汚いことも厭わない、強さと聡明さを持った女の子でした。
頭でっかちではなく、心も、体も、痛み傷つくことを知っていて闘う人だった。

その象徴としての猫かぶりとウソと打算であって、
人を操るということの裏には必ず、それに見合うだけの人への敬意があった。
『アマガミSS』では、絢辻さんはそうは描かれていない……と思います。
すくなくとも、現時点では。

面白いもので、劇中の橘さんの言葉の通りでしてね。



  そうだよ。絢辻さんはいつももっと堂々としてて、
  こんな状況、
  いくらだって上手く切り抜けられるひとじゃないか。




オイサンも、そう思います。
橘君。……ほんとキミとは、いつも肝心なところで意見があうねw

作っている側がどういうつもりで絢辻さんを描いているかは分かりません。
自覚的に、絢辻さんを「ちいさな」女の子に仕立て上げたのか、
それとも原作と同じサイズに描いているつもりでいるのか。

ただ、一つ救いを見出すとするなら。
「創設祭」というキーワードが、アニメでは大きな存在感を持つように感じています。

原作での創設祭は、それこそお話の一パーツに過ぎませんが、
第一章の冒頭で絢辻さんが呟いた、「来年こそはきっと」という言葉と、
原作以上に絢辻さんが創設祭そのもののこだわって見えるという点。

何か、『アマガミSS』における絢辻さんは、
創設祭に、クリスマスに、特別な思いを寄せているように見えます。

もしもそこを軸に絢辻さんの目的意識や感情を収斂させていくことが出来るなら、
このお話はまだうまくまとまる目があるんじゃないかとオイサンは思っています。
「あなたが何を分かってるって言うの!!」
という激しい言葉は、絢辻さんはまだ橘さんに隠していることがある。
そんな節にも見受けられますので。

がんばれ、絢辻さん!!



■オイサンの見る夢



……こんなことがありえるかどうか分かりませんが、
一つ、オイサンの大胆予想。

この絢辻さんは、自分の奥にもう一人の自分……
スキBADモードが眠っていることを知っていて、
目的の完遂、つまり創設祭成功のために、敢えて「その子」を呼び出した。
もしかすると元の自分に戻れないかもしれないというリスクを犯して「その子」を呼び出し、
「元の」自分では出来ないこと……
プライドを切り捨て、周囲と柔らかく溶け合うことで
創設祭をどうにか成功へ導くことを優先させた。
すべてが終わった暁に、橘さんが元の自分に返してくれることを信じて。

……ここまできたらヒトツ、そんな展開もアリなのではないかなあと思っています。
そこまでの覚悟、橘さんへの信頼があれば、それこそ……
原作の絢辻さん……強く、聡明で、穢れを恐れない、
目的のためなら手段を選ばない絢辻さんを、
原作以上のインパクトで描き出すことが出来るのではないかなあと。

  ……まあ、厨二臭は拭えませんけどね。
  オイサンに思いつく、これが限界。



……。



あの、口はばったいようですが、最後にヒトツ。

原作の物語は、「プレイヤーが絢辻さんを信じる」物語です。
いいですか、これだけはハッキリといっておきます。
「描き手が、プレイヤーに決断を迫る物語」なんです。

色んなことが靄の中、そんな中で……
あなたは、この裏表のある素敵な女の子の言うことを、最後まで信じますか?

……そういうゲームです。





ですから、ね。





はたして、最終章。
オイサンの大好きな絢辻さんは、何色のつばさで聖夜に舞い降りるのか。
全ては、サンタさんの言う通り。



オイサンでした。



ちなみに、今回の話の中で、オイサンが一番ぐっときた絢辻さんは。
夜の教室、
「もう一度、皆に手伝ってもらおう」と提案した橘さんを
「あたしの何がわかるってゆーの!!」
と締め上げる……その絢辻さんが、一番、かわいいと思いました。
絵はともかく、この期に及んでちょっと軽めでカワイイ、
名塚さんのお芝居が好きー。



  じゅっ。



熱い!



絢辻さんソレまだ持ってたの!?
なんで今当てたの!!?
当てたでしょ?
ワザとでしょ!!?



 
 

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2010年12月11日 (土)

■おみかん絵日記 -更新第612回-

自分の頭の中にもある単語と、たどり着けたに違いない配列で、
自分ではない誰かが意外性と心地よさのともなった響きを作り出しているのを見たとき
決定的な敗北感と負けて悔いなしの充足感を感じます。

オイサンです。

マ時々悔し涙を流したりしますけどね。
ワリとね。



■おみかん絵日記



今日は朝から意外な展開に乗っかって右往左往してました。
アニメ『アマガミSS』で毎月やってるマンスリーイベントってのがありまして
(そらマンスリーなんだから毎月やるだろ)、
それは有料チケットで前売りがあるのですが、その発売日が今日でした。

前々回の七咲の回、前回の梨穂子の回がやたらと盛況で、
売り切れ・転売なんかが続出したもんですから、
今回も競争率は高いんじゃないか、なんて皆思ったんでしょうね。
昨日ある筈だった詳細発表がなかったこともあって、
なんかちょっと、狙ってた人は殺気立ってたみたい。

オイサンはあまり真面目に行くことを考えていなかったのですが、
今朝になってようやく発売日が今日であることを知り、
加えて今回が絢辻さん回のイベントであることも相まって、
「そっかー、んじゃあちょっと買ってみるか」
なんてですね、ノンキに構えておったのです。

ローソンの端末で買えると言うし、マ決して近くはありませんが、
ローソンもないではないですしね。

それと、Twitter上でお付き合いさせて戴いている
@NOR_kankitsukeiさんから以前お誘い戴いた
(つっても、「誰か一緒しねえ?」という不特定多数向けのお誘いに
 オイサンから手を挙げたのですが)
marbleのソロライブの一般発売も本日だったので、それも合わせて買いに行くことになりました。


結果、どちらのチケットも首尾よく手に入れることが出来たのですが、
一軒目、オイサンちから一番近いローソンでは、
オイサン販売開始の20分以上前にお店に着いたにもかかわらず、
チケット端末の前にずっと張り付いてるヘンなオンナがおりまして、
彼女も何かのチケット狙いだったのでしょう、動きやしねえ。

こらアカンわを思って仕方なく、そこからワリと遠い、もう一軒のローソンまで
オイサン走りましたよ。
15分ほど。
汗だくでしたね、ええ。

  その前に既に、朝のジョギングで7kmばかり走った後でしたんで、
  この日は午前中だけで10km以上走ったことになります。
  さすがにアカンて。

マ結局、チケットは取れたんで良かったですけど。
いやあ、無事に行けるといいがなあ。
どっちも、実はちょっと微妙なんだよねえ。



■Dot Eater



お昼からは別の用事で、珍しく都心部・秋葉原へ。
任田教英という方の個展を覗きに行ってきたのでした。

なんでも、テレビゲーム、
それもレトロなドット画をモチーフにした作品を発表されている方なのだそうで、
オイサンも、別に前々から知っていたとかそういうわけではなくて、
昨日偶然、Webでその存在と個展が開催中であることを知って、
ミーハー根性で覗きに行ってみただけなのですが。

  ▼GAMEⅢ [ COEXIST&Ouchi Gallery NY ]
  http://conyart.exblog.jp/12454710/

Webでの紹介を見た時点でまずピンと来ず、
どうかなあと思いながらも見に行ったのですが、
想像以上に微妙でした。

……なんかね。
テーマ的には少々ご大層なことが書かれてあるのですが、
このヒト、そもそもゲームのこと好きなのかな?
という疑問が、作品をみていて凄く湧いてきました。

あくまでもドット絵を絵画の位置技法として取り入れているだけで、
ゲームそのものの表現や、カルチャーとしては
さほどの興味も愛着もないんじゃないのかなーと、そんな風に思えてならない。
そんな出来栄え。

点描画の点をでかくしてみました的な見え方しかしなくて、
きらびやかで、小奇麗ではあるんですけども、
鬼気迫る物とか、こびりついたりしがみついたり……
爪あとみたいな感情を感じることが出来ませんで。
とても物足りなかった。

ちょっと悪意を加えた見方をすると、
「ああ、ゲーム、ナメられてんな」と。

あの画で、10万とか取るってのは、ちょっとない。
だって『メタルスラッグ』が3本入って5000円とかで売ってるんだもの。
ドット絵の価値を認めている人間だったら、
あの絵を大枚はたいて買わないとならない理由が
どこにもない
よ。
申し訳ないと思うけど。

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作ったご本人もその場におられて、ちょっとお話もさせてもらったんですけど。
なんかね。
ふわっとしてました。
残念だったなー。



■藪に迷い込む



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そんなことで、ちょっとテンションが下がるのを感じながら秋葉原の人込みを避け、
万世橋の裏手からお茶の水方面へ抜けて
普段歩かないような道を適当に歩いて帰ろうと思っていたらですね、
思っていたらですよ。

目の前に突如、ひなびた日本家屋が出現しました。
かの有名な、「かんだ やぶ」でした。

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ほへー。
こんなところにあったのか。
そしてこんなフレンドリーな雰囲気だったんだ。

マなんかと言えば有名なおソバ屋さん、としか説明できないんですが。
その有名な東京のそば屋が、その昔、
オイサンの実家である奈良に新しいデパートが出来たときにそこに出店して来てですね、
旨いモノ好きの我が家は総出で食べに行ったんですけども。

……それがまた、美味しくてですね。
「ああ、ソバってこんなに鮮烈な香りがするものなんだ!」
と、子供心にも感激した憶えがありました。

  同じソバどころ・出雲出身の親父殿だけは
  面白くなさそうな顔をしてましたけどねw
  邪魔くさい郷土愛w イヤいいんですけどね。

  出雲そばだってすっごい美味しいんですよ。
  味の種類が違いますけど、総合力では負けるものではないと思います。

そんな思い出もあったもんですから、
関東にいるうちに一回は食べに行こう食べに行こうと思いつつ遠ざかっていたところに、
……まあこうして行き当たったワケですので、
これはもう食べていかない手はないだろうということで
スルスルっと戴いて参りました。

  ……昼めし食ったあとだったんですけどね。
  キニシナイキニシナイ。

せいろうそばと、牡蠣のてんぷらを戴いてまいりました。
期待したほどではないというか、記憶の中の味とはちがいましたけど、
うん、まあ、美味しかった。

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お店で給仕をしてくれるのは、みんなそこそこ年齢の言った女性陣、
つまりはオバチャンなんですけど、
皆さんどこにでもいそうなオバチャンなんですけど、
不思議と物腰に、そこはかとない品があるんですな。
あれは不思議だった。

  それで思い出したのが、
  アメリカにいたときに現地の人に連れて行ってもらった
  パスタ屋さん。
  店員は、そこそこ年齢のいった男性陣……オッサンだったんですけど、
  みんなやっぱり、堂々としていて品があった。

  日本の飲食店では、給仕係、いわゆるホールと呼ばれている人たちは
  大抵若者バイトか下っ端、年齢や立場のある人間のやることではない、
  的な風潮があるように感じますが、
  なんかそうでもないような。
  やりこめばああなるんだという……
  オイサンがアメリカのことを好きになった、数少ない部分のうちの1か所でしたね。



……えーとね。



まあ、そんな土曜日でしたよ、っていう(笑)。
以上、
下書きもなんも無しで書き並べたアドリブ日記でした。
以下は、ここんとこ撮ったけどのっけてなかったお写真です。


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オイサンでした。


 

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2010年12月 9日 (木)

■3G天狗のS.O.S -更新第611回-

ちょいと気になっているPSPのゲーム、『シャイニングハーツ』のファミ通クロレビが、
パンづくりに関するコメントだらけで面白かった。

オイサンです。

「ガチにパン屋を経営する意外な展開」だとかなんだとか(笑)。
そんなに、ストーリーやシステムの根っこにパン焼きが絡んだゲームなのか。
なんか200種類とか焼けるらしいけど……トチ狂ってるなあ。

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■オイサン、朝から救いを求められる



今朝はなんやかややろうと思って5時に起き出したのですが。
起き抜けに、時間を確認しようと枕元の携帯をパッととって見てみると、
何やら画面の右上に小さく、恐ろしげな文字が。




     S O S




……ナニコレ。
見たことないんスけど。
SOS? どゆこと?
一体誰がオイサンに助けを求め……ハッ!

い、いつのまにかオイサンの左手の甲に、
三角形が三つ組み合わさった京都方面からお叱りを受けそうな紋章が……!!

オイサンが36歳の誕生日を迎えるとーき!
左手の甲に紋章が現れるッ!

■リンクの冒険 CM


そうか、いよいよオイサンにも眠れる姫からお声がかかったか!
お呼びがかかるなら16歳だと聞いていたが、20年ほど遅かったな!
待ってて下さい、ゼノレダ姫ー!!


……。


イヤイヤイヤ。
まだ誕生日じゃねえし。
左手のは、ただのオフトゥンの跡だし。
……なんかの下敷きにして寝てたっぽい。変なあとがついてる。

第一、今呼ばれたってこのトシじゃあカラダが動かんよヨボヨボ。
ジャンプ突きとか下突きとか出来る気しねえ。

  ……まあ真面目な話をすると、16歳のときよりは今の方が
  トンだりハネたりならよっぽどカラダ動くと思うけど。
  どうでもいいけど、「とんだりはねたり」って
  漢字にしたら「跳んだり跳ねたり」でどっちも同じになっちゃいますね。

さてもうガッツリ話題がズレきって何の話をしていたかサッパリですが、
携帯電話に「SOS」って出てた、って話ですよ奥さん。

  ちなみにオイサンは、『ゼルダの伝説』シリーズは、
  64の『時のオカリナ』以降、あまり真面目にやっていません。
  『風のタクト』『トワイライト・プリンセス』も買って、
  そこそこ進めはしましたけど。

  『時オカ』はゼルダの世界にとどめをさしたと感じました。
  もう、ブーメランを投げて、爆弾を置いて、フックショットで空飛んで、
  マスターソードで斬って、最後に弓で止めをさす、
  っていうお約束は……これ以上はもういいな、ないな、
  って、思っちゃったんでね。

  もっと軽やかになったらやってもいいんですけど。
  オイサンはやっぱ、『ゼルダ』よりも『マリオ』だわ。



■ゼルダ姫「助けてアルゴマン!!」 リンク「え? 俺は?」



コレ、何だろう?
そして、Twitterの画面を覗いてみても、
Webを開こうとしてみても、どうも通信が途絶しているっぽい。
「SOS」の表示はアンテナ表示のところに出ているから、
何かの電波状態を示すんだろうなとは思いますが……それにしても尋常ではない。

マニュアルを引っ張り出してきて分かったのが、
それはつまり「110番とか119番とか、緊急の場合の通信だけ出来ますよ」
という器用な通信ステータスに入っている、ということらしい。
赤字でSOSとか怖いよ!

  ちなみに、路線バスなんかで異常が起こったときには、
  バスのオデコに出てる行き先表示、
  アレが「SOS」になるって知ってました?
  本当の話。

……なぜ?

オイサンの自室は普段から電波バリバリ来ていたはずなのですが、
何故今朝になって急に電波が届いていない状態なのか、
そもそもこれは……電波状況の問題なのか?

だって、緊急であれなんであれ「通信は出来る」ということですよね。
その繋がりっぷりはつまり、端末の方で制御されているということではなかろうか。
そうなると不安なのが、
何か設定が勝手に変わってしまったか、
たとえば料金未払い(そんな憶えはないけど)とかで通常通信を制限されてしまったとか。
寝てる間に設定いじっちゃったとか。

一旦電源を落とすと、復帰後数分は普通にアンテナがたつ。
そのスキなら電話もかかるし、TwitterもWebも出来る。
でもそのまま暫くすると、またSOSと言われるようになる。
ナンダコレ。

なので、その一瞬のスキを利用してdocomoのサポートに電話をしてみたけど、
その周辺で特に障害や工事は行っていない、
こうして電話できているから、料金とかでとめられてるってこともない、
と言われた。
ただ端末の設定とかはここではわからない
(故障・電波状況に関するお問い合わせダイアルだったので)から、
スマホ専用ダイアルにかけてみて、と言われた。

むぬう。

そんで、Twitter上のそういうのが得意ゲな御仁からのアドバイスなども戴いて、
SIMカードを抜き差ししてみたり、
Google先生に似たような所見をもってる人を探したりしてみたのだけど
改善される兆しもなく。


  ……デ、放ってしばらくおいたら治った。
  オッサンの腹痛かお前は。


今時点ではコレといった理由は見当たらないので
またいつかそんなことになったりすんのかなー、
急に来たらコワイなー、とは思うので、
スマホのサポートダイアルには電話してみるつもりだけども。



■天狗さまの記者会見



いやあ、しかし、毎度思いますけど。
電気の世界にも、確実に天狗様は住まってらっしゃいますよね。
特に通信・ネットワークには。

天狗のいないヨソの国では、この不安や焦燥を一体何に預けているのか。
マ妖精とかなんだろうけど。

いつまで経っても、どんな世の中になっても。
人のこころが、八百万の神様を離れて自由になることは……きっとないんだろうなあ。

  逆か。
  離れると不自由になるか。

そのセンが消えてなくなることは、きっとないんだ。
だったらいっそ、神様のせいにして良いラインをもっと下においておけば……
こんなにキチキチ、キリキリ、
みんなが辛くしんどい思いをすることもないんじゃないのかと
オイサンなんかは思いますがね。

先ずは自分に寛容に。
それとおなじだけ、ひとにも寛容に。
あとは神様の言う通り。
わかんなくったっていいじゃないねえ。

  ただまあ、今の日本には。
  みんながこぞってその言葉に耳を傾けられるほど、
  人のこころに深く住まった神様がいないので。
  それもまた、難しいと思いますけどね。
  「このくにの『かたち』は今、一体『何のために』あるんでしょうね」。


こんな世界に、誰がした。
神よ、あなたか?



……。



アレ?



マそんな感じで今日もまた。

たかだか電話が点かなかっただけで、こころはいつも雲の上。
地上最メルヘンの生物を目指す35歳、
オイサンでした。

……おかげで朝、早起きしたのに結局なんも出来なかった。
反吐が出るわッ。



 

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2010年12月 8日 (水)

■嘆きの手帳とダイヤモンド~アマガミSS・第22話感想 -更新第610回-

冬の乾いた風に吹かれると、稚内を思い出す。
オイサンです。

別に稚内は故郷でも何でもないのだけど、オイサンの大好きな町です。
……などと申し上げると地元の人には
「気候のいい時期に、ふらっと遊びに来るだけのよそ者が」
などと思われてしまうこともあるのでしょうし、
事実、訪れる側にはそういう面もあると思うのですけれど。

もしも試す機会が与えられるなら、
しばらくとどまって暮らしてみたいと思う程度には好きな町なのです。
少なくとも、サンノゼよりゃ好きだよなあ。
また行きたいです。
次行ったら六回目だ。


さてさて、冬と言えば『アマガミ』ですが(強引)、
今回はアニメ『アマガミSS』絢辻さん編 第二章の感想です。

とはいえ、第二章の感想予告編で書いた通り、
果たしてどこまで公正な記事になるかどうかは怪しいところですので、
その辺は皆さんの良識ある目とご判断にお任せするとして。
オイサンは、自分の目から入ってきたものをこのバラ色の脳細胞で処理して、
もう一つの心臓たるゆび先からこう、バシバシとですね。
アウトプットすることしか出来ませんので。
そのようにいたしたいと思う次第でございます。

ほないこか。





  ※というわけで今回も、例によってアニメ『アマガミSS』、
   絢辻さん編第二章の感想となります。
   毎度毎度のネタバレ上等ですので、
   未放送地域の方、未見の方は
   「っだらぁ! 見たらぁあああ!!」という気概で見て下さい(見るのか)。






■二つの評価



まずはアニメ単体としての感想から。

普通に面白い。

第一章で抱いたのと同じ
アニメ単品として見た場合、完成度は一定以上に高いし、面白い。
今の若い方にこの単語が通じるか不安ですが、
ラブコメの王道を行っていると言えると思います。

  ……いや、王道じゃないな。こんな王道はないw
  絢辻さんのキモチという意味では王道なのかもしれんけど。
  スラップスティックというか。

ただし。
原作の絢辻さんと比較した場合、
いくつかの理由から、随分ポップにコミカルに、なっている印象を受けます。

その理由についてはあとで書きますが、
手帳を落としたこと、その中身を見られたと勘違いしたこと、
それが
「完璧たる仮面優等生さんが見せた、ほんの一瞬のほころび」であったのか、
「腹黒ブリっ子優等生のうっかりミス」なのか、という程度の違いですが、
オイサンの印象では原作は前者、アニメは後者。

その違いをあまり感じさせないまま見せてくれるので、
ある意味で尚すごいとも思いますが……
マその辺は、
オイサン自身がかわいいかわいい絢辻さんの姿にクラクラしながら見てるから、
ってところもあるかもなのであんま信用はせんで下さいw

ただし、原作の、ともすれば楽しさを損ないかねないノリをちょっと軽くして、
お話の雰囲気を明るく面白く作り直すことに成功している、
そのことには疑いがないと思います。
ライトでポップな絢辻さん編を楽しむことが出来ることウケアイです。
いやホント面白い。



■この軽やかさを、是とするか、非と見るか。



ではその軽やかさ・ポップさはどこからきたんでしょーか。
例えば、冒頭の手帳のシーン。

絢辻さんは、前回のヒキから橘さんとの会話が足されることが殆どなしに、
神社のシーンまで持っていってしまいます。
ホント、橘さんが手帳を持っているのを見るや、
ブチ切れるまで殆ど何の確認もしないので……
かなり、「ただの慌て者」ぶりが加速して見えます。
その軽率さは「原作における絢辻さん」らしくはない。
なので、絢辻さんの正体自体に重みが欠けて、軽薄に見えてしまいます。

  そういえば気付かなかったけど、
  原作にあったような「絢辻さんに裏がある」と匂わせるようなシーン……
  たとえば昇降口で空き缶が飛んでくるシーンとか……
  そういうものもここまで省かれていて、
  絢辻さんが
  「裏の顔を持っており、且つ表を演じることに少なからずストレスを感じている」
  ことの描写がこれまでにないので……
  やはりちょっと、絢辻さんの「裏」の重さが軽めに描かれている印象があります。

  なんというか、
  「大切なことのために、代償を支払って手に入れている表の顔」
  なのだ、という大切な側面がスポイルされてしまっている。
  自分の都合の良さのためだけにやっているわけではないんだ、ということですね。

だもんで……
その軽率さ・覚悟の足らなさからは、
生きるため・強くあるためといった……是が非でも隠し通そうという真剣味が感じられず、
本当にただの、いわゆるブリっ子レベルであって、
「仮面」「裏の顔」「黒辻」「白辻」と呼ばれるほどのレベルには達していないんじゃないの?
という風に思えます。

  東雲先生版『アマガミ precious diary』の感想で
  「このマンガの絢辻さんは、本当は心優しい優等生が強がってるだけに見える」
  と書きました。
  アニメではそこまでの軽さ・可愛らしさにはなっていませんが、
  宿業の様なものに突き動かされているからこそ出てくる
  原作で描かれていた絢辻さんの覚悟や重みは、幾分か殺がれて感ぜられます。

  まあ絢辻さんには実際そういう「もともと良い子」の部分がすごくありますので
  それは比率の問題だけで間違いではないと思いますが、
  原作との比率が、随分いじられてるなあと感じた次第です。

 ▼今後次第で

ただ……これはこれで、すごくコミカルで面白くなっている。
この方向性が吉と出るか凶と出るかは、
この先絢辻さんの姿を、どこまで重く描こうと考えているかによって
違ってくると思います。

恐らく、オイサンの憧れたような、原作での強く美しく……
そして儚い絢辻さんの姿はここでは完成しないのだと思います。
あれよりも、等身大の高校生に近い縮尺の女の子としての
絢辻さんが、最終的に生み出されるのでしょう。

もしもこの先、変に原作の姿に近づけようとして、
エピソード強化・演出強化を行うと
梨穂子以外のヒロインのように上滑りしてしまいかねないので……
方向性はしっかりキープして戴きたいと思います。

 ▼マリア様じゃないけど

ちなみに余談ですが、背景一枚画の挿入が、
ここにきて段々と面白く上手くなってきているなあと感じます。
神社にて、絢辻さんが橘さんに誓約させるシーンで
スッと入ってくる神社の境内の画。
「ああ、神様に誓って、みたいな象徴なのしら」
と、心にもスッと、自然に入ってきました。

お社の中のご本尊の視点とかで描かれると、
尚のこと効果的で分かりやすいかなあと思うのですが。
それでもこういう遊びはポコポコ入れてくれると愉しいです。



■絢辻さん、素直な気持ちを塗りつぶす



今回の白眉は、ペンキ塗りのシーン。
夜遅くまで学校に残った二人、
絢辻さんが、1/1ガソガルの足に描かれた落書きを
橘さんと言葉を交わしながらペンキで塗りつぶす場面です。

橘さんの、「一緒にいると楽しい」という言葉を契機に、
面白い手法で徹底して絢辻さんの表情を隠しにかかりますが……
面白い。
本当に面白いことを思いつくなあと思います。

  画面に対峙したアングルの絢辻さんが刷毛で塗るペンキが、
  画面をどんどん塗りつぶしていくような画になってるんですね。
  こうした映像作家さんの、発想とか、伝達の幅の広さが、
  文字書きのオイサンにはすごくうらやましいと思うときがあります。

これはただのお遊びではなくて、
絢辻さんの表情を見せずにおきながら、
見てる側を退屈させないための工夫なのだとオイサンは捉えました。

ここでの絢辻さんの表情を決定し、
効果的に描くことはすごく難しいことです、きっと。

橘さんに「楽しい」と言ってもらえて……
喜ぶ自分。
「わかるはずがない」と虚勢を張る、複雑な自分。
自分の行いを価値のあるものだと認められて誇らしい自分。
そんな想いが……もうない交ぜになった表情は……
描いたとしても、恐らく
たくさんの方向に伸びていく感情の矢印が互いにある程度相殺しあい、
最後に絢辻さん自身の自制によって、画になる(表に出る)ときには、
ヒタリと静かな、いつもの表情にとどまってしまうのでしょう。

だからいっそ、それを画にしてしまうよりは
「見せない」という選択をすることで
受け手にその感情の全てを胸の中で再生し、表情を象ってもらおう、
という試みなのだと感じました。
それも、絢辻さんを正面からとらえたままで。

  ……でなければ、描くことが出来なかった、ただの逃げかw

そして、
「良いから帰って寝なさい!」
と振り返るときにはキッと眉を吊り上げた表情ですが、
これは多分、半分照れ隠し。
デレずに済んでいるのが、絢辻さんの最後の砦なのでしょう。
いやー、お可愛らしい。

多分ここでも、ほっぺたに朱を差すか? 差さないか? で
迷いや議論があったんじゃないかなあと思いますが。
オイサン的にはもう、多少分かりにくくても、差さなくて大正解だったと思います。

  大体、そのデレ分は次のお見舞いのシーンで
  遺憾なく浮き上がってきますしね。

そんでこのあとお見舞いのシーンにつながりますが、
前日、絢辻さんを置いて帰ったことから橘さんがお見舞いに行ってしまうのも
流れが自然で、
「家に帰りたがらない」という心情をこの夜遅くに残るシーンにまとめたのも
分かり易くてお上手だと思います。
練られている。

 ▼余談のコーナー2

絢辻さんが実行委員を頑張る理由。
一話目では「みんなのお手伝いが出来て素敵だ」と言い、
正体明かした今回では「自分のためだ」と曝け出す。

……果たしてどちらが本音なのか?
白でも黒でもない絢辻さんが、一番に考えてるのはどっちなんでしょう?
という面白味が、やっぱりあるワケでね。
絢辻さんは……かわいいなあモウ。

あと、これはオイサンの好意的な解釈。
「お仕置きにたっぷり働いてもらうわよ」
と言いながらも、結局、役に立つことしかしないさせない、
その背中が全てを物語っているなあと、オイサンなんかは思ってしまうワケですね。

 ▼エンもユカリも縁さん

お姉さんについても色々と書きたいことはありますが、
間抜けさが強調されていて、絢辻さんのように
「自分を作ってる」
ということはなさそうですね。

やっぱり直感の人のようで、最後の「またね」がすごく効いてきます。
「この子にはまた会うな、長いお付き合いになるんだろうな」
という超能力のような。
この人に「またね」と言われたらまた会ってしまう……
そういう力をもった人なんでしょう。
よくもまあ、この微妙な表情を画で出せるなあと感心します。

あと気にかかっている点といえば……
ミスサンタコンテスト。
結構な時間を割いて、ひびきちゃん・森島センパイを引っ張り出してきましたが、
コレ、あとあと本線にからむ伏線になるのかしら?

 ▼絢辻さんは繊細ッ子~ちょっとしたお芝居

ちょっとひっかかったのが。
たまに、画と名塚さんのお芝居がマッチしてない箇所がある。
例えば壁にドンのシーンで橘さんに言い放つ
「……赦す?」
の一言。
絢辻さんの場合、こういうシーンではやり方が何手かあって、
ざっと

  黒い表情 + 黒いトーンで言う
  白い表情 + 黒いトーンで言う
  白い表情 + 白いトーンで言う

という組み合わせがあると思うのですが、
ここでは選択されたやり方が、画とモ一つマッチしていないと感じます。
それは名塚さんが悪いのではなくて、
演技指導をしている方が、どんな画になるかを把握出来ていないか、
分かっていながら演出指導をなんか間違ってしまったか、なのでしょう。

  あとは、意図通りなのであれば、
  単純にオイサンが感じ取り方を間違っている。
  だったらすみませんです。

色々の兼ね合い(絵が出来てくるのとアフレコのタイミングとか)で難しいんでしょうけどね。
ある意味一番大事なところ・見る側にとっての感情移入の勘所でもあるので、
その辺はもうちょっと精緻にやって戴けるとありがたい。



■Closing



まあ、そんなことで。
そのあとのおんぶのシーン、家での夜のシーンなんかは、
もう黒も白も関係なしにひたすらはしゃぐ絢辻さんですが。
……こういうシーンにもたらされるべきリアリティを、
重要と捉えるか、
些末なものと感じるかにおいて、
感想の予告編記事で書いたようにオイサンの甘さが出てきてしまいます。
トホホ。

つまり、学校内でおんぶされて
「ここに変態がいますよー!!」
と絢辻さんが喧伝するかといったら、人に見られることを恐れて、先ずしないと思う。
オイサンは見ながら、「これはおかしいな」と、アタマが醒めないといけない。
……冷静に考えればね。
けれども、申し訳ないが今回オイサンはここに関しては

 絢辻さんの嬉しそうな可愛さばかりに目が行って、
 見ている間は、アタマでは分かっていながらも気にならなかった!!


……と、男らしく言い切ってしまいますよ。
エエ。
すみませんね。
でもね、止められない。
今こうして見返して、「場面のリアリティとしてはおかしいよな」
と、文章にすることくらいしか出来ません。

やはり「コレはコレで是」と感じてしまうところが、
絢辻さん編に関してオイサンが甘くなってるところだなあと思うのでした……
でもさあ!
絢辻さんが嬉しそうなんだもの!
楽しそうなんだもの!!
オイサンはなんかもう、それだけで、それはそれで幸せなんだよ!



■どれが本当の絢辻さん?



そもそも、原作の絢辻さんシナリオに明らかにされない部分が多々あるのは
皆さまご承知の通りで、
その隠された部分をどう読み解くかによって、
絢辻さんと言う人格はその位相を受け手の中で自在に変えていきます。

例えば、家族。
本当に、そんなに偏執な家族なのか。
絢辻さんの誤解や、自分勝手は反発ではないのか。
例えば、手帳。
何が書かれていたのか。そんな大層なことなのか。
些細な秘密を、自意識と誇大妄想で、絢辻さんが勝手に膨らませているだけではないのか。

面白いもので、普段の絢辻さんが完璧に描かれれば描かれるほど
それらの事象は「絢辻さんの言うとおりである」という方向に傾きますし、
逆方向に描かれれば描かれるほど、
「絢辻さんはうっかりさんで、ただのちょっと優秀な女の子の身勝手な妄想」
に見えてきます。

そのダイアルをどんな方向に捻って傾けるかは、
本当にもう、7割は作り手のサジ加減、3割は受け手の読みとり加減によってしまうので。
一定のパラメータの中で、好きにチューニングの出来るヒロイン、
それが絢辻さんであり、その面白い所であるとオイサンは考えています。

その中でもやはり、ファーストインプレッションということもありますが
原作の絢辻さんのチューニングはオイサンにとっては一番で、
その姿をこそ動くアニメで見たいと思いますし、
その姿のまま、バックボーンを少しでも明らかにしてほしいと思ってはいますが。

今回のような、ライトポップなチューンの絢辻さんもまた、
見ていて楽しいなあという思いは禁じ得ません。



……。



やっぱりこの先がどう展開するかで、
お話全体としての締まりはすごく左右されてしまうし、
絢辻さんという人物像を、
このお話ではどう咀嚼し描きだすかという選択の問題でしかないので、
今時点でこの絢辻さん編が成功するか、失敗するかはわかりません……。

しかし、第二章までを終えた絢辻さんとその物語は……
とにかく、可愛い。
お話も、分かりやすく、読みがいもあり、楽しさ十二分。
梨穂子編に並ぶ双璧……と呼ぶのは、まだ気が早いですね。
それは結末を見てからに致しましょう。


  ……でも、そだなー。
  今のところ、楽しさは梨穂子編よりは上だけど、
  面白さでいったら梨穂子編の方が上のような気がする。


ンで次回は。
今回これだけルンルンに高めてきたので、
次回はもう、ドン底まで叩き落してくることでしょう。
楽しみ……と言っていいかわかりませんけど。

来週も絢辻さんが、可愛く、幸せで、彼女らしい背中で立っていてくれればいい。
それだけが、オイサンの願いなのだから。




  誰よりも真剣に生きてる、
                絢辻さんが大好きだ!!




……願わくば、聖夜の空に。
この言葉が虚しさをともなって響くことのないように。



オイサンでした。



 

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2010年12月 5日 (日)

■俺の作る国がそんなに1192なわけがない・後編 -更新第609.5回-

オイサンです。
イカ娘による鎌倉侵略編の続きです(ウソ)。


前編はこちら。


■大体MAP

より大きな地図で JKPさんとのデートコース を表示



■大仏・葛原ヶ岡ハイキングコースへ。



さてここからは北鎌倉まで抜ける山越えコースです。
過去に違う道で抜けたことがあり、
そのときは道こそ急でしたが普通の舗装道路だったので高を括っておりました。

……普通に山道でやんの。
まあ、ハイキングコースって確かに書いてましたけどね。

この間にどんなお話をしたのか……正直ハッキリとは思い出せません。
山道が気持ちいいだとか、
イマドキ見ない凶悪な有刺鉄線が張ってあるだとか。
すれ違った外人さんのカップルが、
そのほんの数秒の会話の中で「Income」という単語を5回も連呼しただとか。
そんな他愛のない雑談。

 ▼天空テラス 樹ガーデン

山道の途中、
「天空テラス 樹ガーデン」なるカフェがありました。
一応ルートは地図で調べていて、その存在は知っていたのですが、
まさかこんな山中ド真ん中にあるとは。

位置的には、スタートしてワリと間もない地点にある感じだったので、
ここはスルーになるかな? と思っていたのですが
道が想像以上に険しかったこともあって、
少し休んでいこうか、何もしないから(?)、という話になりました。

R0029468

で、これが大当たり。
というか、この日の昼の部のメインはここになってしまいましたw
この日、日中は天気がよく穏やかだったこともあり、
オープンテラスでお茶を飲んでも寒くもなく。
「天空テラス」の名に恥じない、マチュピチュもかくやと言うほどの開放感。
行った事ないけど。>マチュピチュ
少なくとも天空橋よりは天空感に富んでいます。
天空感が何かは知りません(無責任)。

豊かな緑のカフェテラスで、気のおけない友人との小粋なおしゃべり。
なんというリアjy……



 「で、『ドリームクラブ』の話なんですけどね」



……話題を考えろというんだ、弊社は(お前か)。
まあその、リア充的空間で何の話をしたかといえば。

このお店、お茶を注文すると番号札として小さな赤い三角のコーン
(工事現場とかに置かれるアレです。あれのミニチュア版)を渡され、
それをテーブルにおいて運ばれてくるのを待つのですが、
それをオイサンが真顔でアタマに乗せ、
「果たして、ここにきた人間の何割がこれを思いつき、
 さらにその何割が実行に移すだろうか?」
ということだとか。
過日に聴いた『ドリームクラブ』のwebラジオのあまりにカオスであることだとか。
そんな話ばかりをしていたのでした。

  ……あのー、このオイサンという人物は、
  先ずもって、人生に必要な真面目なお話というのをする気は
  まあございませんので、そういう会話を御所望の方は
  先に言っといて下さいね。

イヤ、JKPさんから振っていただいた、
イマドキのお子さんの学力のおぼつかないことだとか、
その原因が家庭環境にあるんじゃないかとか、
そういうお話もフンフンともっともらしい顔面を作って聴いておりましたけどね。

  ……。
  ここはJKPさんご本人も読んでらっしゃるので誤解があるといけない。
  アレですよ、すごい楽しんでますからね!
  ああいうお話も、知識や実体験はないなりに、
  外側からこねまわすのは好きなので非常に興味深く。
  なかなかやっぱりこう、伺えるお話ではないですからね。
  ご理解戴いてると思ってますけど、念のため!

  ……彼とか彼とかに引き合わせると、また面白いお話になりそうなんだよなあ。
  ブツブツ(姑息)。

面白いことに、オイサンが喋っているときに限って、
頭上から木々の枯葉やら枯れ枝やらがポツリポツリと降ってきて、
オイサンのお茶のカップにダイブしようとするわけで、二人して
「山ノ神がお怒りだw」
と笑ったりしておりました。

  あとは、またちょっとTwitterのフォロワーさんのお話になったりしてね。
  「オイサンのTLにはクラシックの好きな方が結構おられますよ」、
  「そういう方には、中々迂闊なことはいえない気分になりますよね」
  「うん。『いや~……みこ巫女ナースは良いよネ!』とは、
   なかなか気軽に言えない! 言うけど!」
  「あの良さはなんなんでしょうね!」

この時点で時刻は既に14時を回り、
ああ多分時間は足りなくなるなと思ってはおりましたけれども、
マ別段観光が目的であるでなし。
愉快なお話のひと時の腰を折ってまで歩き出すこともあるまいと、
のんびりした時間を過ごしたのでありました。

イヤ、でもね。
このお店は、天気・気候さえ良ければオススメです、すごく。
寄っておいて良かった。
ここに寄らなかったら、本当に何もない、ただのハイキングになってたw

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■おもむき・おもむけ・おもむきむん



項題は『ひだまりスケッチ』キャラソン、
ウメスの「ひだまり・ひだまれ・ひだまりるん」から。

JKPさんは人にモノを教えるお仕事をなさってますが、あるお子さんから

  「『おもむき』って何? どんなもの?」

と質問をされたのだそうです。
ムムム。
これは難題でありますぞ。

話の流れとしては、
「そうした類の言葉の示すところは説明されるものではなくて、
 その言葉が用いられる場面に何度も出くわすことで身についていくもので、
 その年齢の子供がその感覚を身につけていないことがちょっと問題ですよね」
という話でしたので、「趣」のイミを分解掃除することはここでの本題ではありません。

ですが、オイサンのように雰囲気だとか、気配だとか。
それこそ趣だとか、
そんなホットケーキのような言葉でテキトーにシーンの水温を拵える書き物をする人間は、
コレをきちんと説明できなければならないように思いました。
あとは個人的に「それが出来るとまた面白く、幅が広がる」という予感がありましたんで。

普遍的な説明なら寧ろ、
粒度の微細な言葉を駆使すれば付きそうな気もしたのですが、
多分それではその質問をしたお子さんには伝わらないのでしょう。
恐らくは、その質問をした年代のお子さん方が趣を感じるであろう瞬間を
こちらが汲み取って、
「それだ! それが『趣』で『趣を感じる』ということだ!」
と瞬間的に教えてあげることが必要なんだろうなあと思いました。

ただ、教壇に立って教える場合にじゃあどうしようと
山道を歩きながら二人、思案に暮れたわけですが。
結論ではないのですが、その過程で出た案が一つ。

雰囲気、という言葉もそれとほぼ同属の言葉として存在していて、
それならば彼らお子さん方は比較的理解しやすいでしょうが、
例えば「雰囲気のある人」という言い回しは、恐らく通じないでしょう。
「雰囲気のある人」を分解すれば、
「地位や技術など、ある面において社会的に他から突出していて、
 その突出が、殊更強調しなくとも普段の立ち居振る舞いににじみ出ている人」
のこと、というのがその大意となると思います。

それはつまり……そう、簡単に言えば、フリーザ様だ。

何かの分野においてスゴすぎて「気がデカくて、それを隠し切れない」人、
人?
まあいい、うん。
この際人だ。
そういう人のことだ。

それを「趣」に検算するとどうなるか。
その時々や場面において、具体的な現象以上に、
人間の側で勝手に総合的に感じ取れてしまう「場面や時間が持つ気」
……ということになるだろうかなあ。

……うーん。
この場合、結局「気」が同じ意味に当たってしまうからイミがなさそうだけど……。

分かってもらえなさそうだなあ。
「秋は季節の中でも、物悲しさとかの『気』がでかいんだよ!!」
とか言ってもなあ。
うーん。

……あの人ンちのお嬢さんに聴いてみようか。
っつか、この日会ったんだから、聞いてみるようにお願いしてみればよかったんだよな。

そのときオイサンの口から何気なく漏れたのが、
「しかし、その当時はきっと、そんな雰囲気だとか雅だとか、
 そういうものを理解出来なかったら、何を言われるでもなく
 一瞬でハブにされてたんだろうから……
 『空気読め』と言ってもらえる今は、案外優しいのかも知れんな」
ということでした。
合ってるのか間違ってるのか、今となっては微妙なセンかなと思いますが、
アリな一言だったような気がいたします。



■銭洗弁財天



そんな俗世の煩悩苦悩を抱えつつ(てきとうにまとめた)、
途中の源氏山公園を通過し、銭洗弁財天に到着。

ここで洗ったオゼゼをお財布にしまっておくとお金がたまる、
という素敵なおまじないで有名なマネーロンダリング神社でございます。(違

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なんかもう、半分アトラクションよろしくお金を洗うために並ぶ人の列。
その効き目のほどを果たしてどれほど信じているのか……
それは問うのは野暮ってモンですけれど、
「やらないと来た意味がないから」的なことで並んでるんでしょう。
ホントにアトラクションだ。

オイサンらはちょっとご遠慮申し上げ、
境内のそこかしこにある小さなお社を片端から巡っておりました。

するとですね、そのお社それぞれにお賽銭箱が備えられているのですが、
オイサンらのほてほてと巡っていく行く先を先回りするように、
宮司さんがやってきては目の前で賽銭箱を開け、
中のお賽銭を回収しておいきになる。



  ……ソレ、今やらないといけないこと?



なんか興ざめっちゅうか……不信感すら感じるんですが。
オイ、そこで銭洗ってるお前ら!
よく見ろ、胴元しか得しねえように出来てるんだぞ!!



■建長寺にて



銭洗弁財天を超えて15分も歩けば、もう北鎌倉です。
既に日も落ちかかる16時前。
日が短え。

駆け足気味に建長寺さんへ向かいますが……日が影ると、ちょっと迫力半減。
残念。
あのガツーンとドシーンと、
巨大ロボット然とした山門の威容をJKPさんにもお見せしたかった。

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ちなみにJKPさんいわく、建長寺の山門は……
「なんか、もっと大きくて高い塔の、上の部分のほんの一部なんじゃないのか?」
とのこと。
足元の梁はたしかに、乗っかっている屋根部の大きさに比して細いし
全体的にアンバランス。
なるほど、言われてみれば腑に落ちる。
果たして建長寺さんは、どんな2号機にパイルダー・オン! する計画だったのか。
マ嘘か真か、ですけども、面白い観点ではあると感じますなあ。

ちなみにボクらの味方Wikipediaさんによると、
関東大震災で倒壊して再建してるみたいですね。



■東慶寺・喫茶吉野



東慶寺の入り口にある喫茶吉野はオイサンの好きなお店のひとつなのですが、
閉店は17時。
この日オイサンらが入ったのは既に16時を過ぎていました。
クッキーをあてにお茶を飲みながら、ここまでのこととこの先のことを
ボツボツとご相談していたのですが……。


……あのー。


オイサン、すっごく不安だったんですけど、
これ、オイサンと一緒にいて楽しいのかなあ? という実に本質的な問題が。

たとえばこれが、寺社やらに対してなにがしかの薀蓄を述べられれば
楽しいのかもしれませんけど、
オイサン特になんも言いませんし。

ただその、鎌倉という土地の持つ、雰囲気とか、
山から立ち上るような、湿った空気とかが好きなので、
それをボンヤリ感じつつ何か書き物のタネに出来ればいいな、
なくても気持ちいいからいいや、くらいの非常に自分勝手なキモチだけでやってますけども。
それが共有出来れば楽しいのかも知れませんが。
大丈夫かなあ。



■大物スペシャルゲスト登場!



サテここで。



スペシャルゲストにご登場戴きましょう。



blog「まったり日々(?)のできごと」の、
ちひろさんことちびすけ父さんさんです。
またかとか言わない。
(↑超失礼 ← しかし言われても仕方ないなと思ってはいる ← 黙っとけ)。

冒頭でも少し述べましたが、
JKPさんは『アマガミ』関連の二次創作小説に関しては色々なところを見ておられ、
当然ちびパパさんのお書きになるひびきちゃんSSもお読みになっていました。
それを昨日のwibleさんとの会合のときにお話しし、
もしご都合がつくようであればということで、お引き合わせする運びとなったわけです。

  ちなみに、前々回にご紹介しました、
  カレーSSの同士・wibleさんのページもお読みなってます。
  wibleさんに伝え損ねた。
  いえーい見てるぅー?(違

北鎌倉からちびパパさんに連絡をして合流、
大船にてゴハンを食べながらの楽しいひと時、なのですが……
いや、ものすごかったです。

流れる会話は、主に現代の教育論・しつけ論・家庭論。
それはもう、学生さんというイミでも、社会人というイミでも。
そこから発展して政治の話にまで。
パパさんは人の親ですし、JKPさんは教育者です。
熱い、教育・家庭・育児・社会・政治の話題がもう、
オイサンには追従できない速度と深度で編みこまれていきます。

合流する前はJKPさん、
「いやー、私なんかがお二人の間にいてもいいんですかね?」
と言ってましたが、オイサンとしては案の定。
オイサンこそがいらない子状態です。

  隣のテーブルでは、人生にかなりイイ感じの年輪を刻み込んだご婦人が三名、
  気ままにグラスを傾けていらしたのですが、
  うち一人がお店のマスターとお知り合いらしく
  料理やお酒について薀蓄をたれたり、かかっている音楽について尋ねたり、
  挙句の果てにはBGMに合わせて三人揃って歌い出したりで、
  あーオイサンそっちに混ざっていいですか?
  イヤつまんないとかじゃなくってアホっぽさのレベルでは何かもうそっちに近い感じで、
  申し訳なくて居た堪れない。
  ケセラーセラー。どうにでもなーれ。
  いやー。
  ……オイサンも多少勉強して、真面目に人生生きなアカンですわ。

あ、ちなみにお店のお料理はどれもとてもおいしかったです。

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お写真はイベリコ豚のハム、チーズ豆腐、きのことにんにくのオイル煮、です。




■シメにカラオケ



シメはカラオケ。
パパさんとは先週行ったばっかだったので、
あまりカラオケ経験がなくレパートリーも多くないオイサンは
選曲がかぶらないようにするので精一杯だったわけですが。

  多分ですけど、そこに関してはパパさんも似た気分だったんじゃないでしょうかね。
  同じ曲は聴かなかったような気がしますもの。
  やっぱりなんつうか、意地、じゃないですけど、
  そういう嗜みが発生してしまうんでしょうね。
  カラオケ一つとってもそういう微妙な機微が発生して、
  そういうところに、奥ゆかしさというか、面白さというか。
  人間の可愛さみたいなものを感じてしまうオイサンです。
  べつにいいのにね。

何故かオイサンが一発目に『銀河熱風オンセンガー』を入れられてしまったり、
その勢いで全員一曲目は山本正之しばりになったりと
おかしな幕開けでしたが、まあまあまあ、
みんなそこそこに歌えて、声を出すのも好きな連中ですんで、
楽しく過ごせました。

  最初に
  「『オンセンガー』なんか入れちゃいますよ」
  とか言われて反射的に
  「ああ、まあ歌えますよ」
  とお応えしたんですが、あとになって思い返してみると、
  それまでちゃんと歌ったことはなかったなと、歌いながら途中で気付きました。
  あー良かった。
  山本先生のヒーローもの全部一緒で。
  余談だらけの人生さ。

この三人はそこそこ年代的に共通している部分も多く、
……まあみんな業の深い人たちですんで、
なんとなく空気が共有できてしまうのが強みです。
少ーしずつではありますが、趣味・傾向がずれているのもまたおかし。

印象的だったのは、
ちびパパさんの歌った『アマガミSS』森島センパイ編のED、「キミの瞳に恋してる」と、
JKPさんの歌った『ウテナ』のOP、「輪舞revolution」。
自分がナニ歌ったかはあんま憶えてません。

■少女革命ウテナ OP


ウテナかっけえなあ。



■「キミの瞳に恋してる」再評



パパさんの「キミの瞳に恋してる」を聴きながら……
こうして聴くと決して悪くないなあ、寧ろ良いなあ、
と思ってしまったことが一つの発見。

なんというか、この歌は確かに森島はるかさんの恋心を
キッカリ歌いきった曲だなあと思いました。
番組放映当時、CDリリース時には、C/Wの「花」の方が恋の気配を濃くしている、
なんて思ったものですが。
愛となれば「花」なのかと思いますが、
こと「恋」となれば、やはり「キミの瞳に恋してる」が
やはり森島センパイの幼い恋を歌ったものであるような気がします。
言葉遊びに過ぎないかもしれませんけども。

今までスタートラインを切ることすらなかった彼女の恋愛感情が走り出したばかりの、
フレッシュな勢いと、堰を切ったような……もう、ある種のリビドーですよね。
ええいいっちゃえ! という突き動かされてる感じは……
もしかすると中学生レベルの思いなのかもしれませんけども、
森島センパイらしい恋のありようなのだと、素直に思えました。

彼女の想いがもっと相手に向き直り、しっとりと「花」の想いを醸すには、
……「食べてしまいたい」から「食べられたい、その上で包み込みたい」
というものに変化するには。
今の恋の気持ちの根底にも少なからず「花」の想いが流れてはいるに違いありませんが、
それが水面に浮かび上がるには今しばらくの時間を要するのではないかなあ。
そんな風に思った次第です。

  なんかね。
  オイサンがこゆコト言うのは憚られますが。
  「キミの瞳に恋してる」には、抱かれる前の。
  「花」には、抱かれたあとの。
  それぞれ、気持ちが詰まっているように思ったのですよ。

  へっへっへ、何を言ってるんでしょうねこのオジサンは。
  笑い飛ばしてくれて結構ですよ。
  ここは、メルヘン親父が嘲笑の風に恥をさらす妄想の原野
  「ゆび先はもう一つの心臓」。
  うるさいなカオ真っ赤ですが何か!!?



■Closing~タイムライン界隈から



マそんなこんなで、23時を回ろうかというお時間まで。
毎度のコトながら、朝11時に合流して約12時間、
野を越え山を越え飯を食い、歌を歌って。

いつもは、お会いして喫茶店とかにしけこみ、
むにゃむにゃと話し続けるスタイルだったので、
今回はなんか遊びというか、軸になるイベントを設けてお会いしましょう、
なんていう試みで鎌倉周遊プランを組んだのですが、
コレうまくいったのかしらん。

その前はJKPさんの敬愛する岩男潤子さんのライブ含みで遊びに行ったのですが、
あれは面白かった。
やっぱこう、2、3時間程度のイベントがポンと挟まって、
そのあとそれをサカナに話しこめるような構成の方が
うまく盛り上がれるかもしらんですなあ、なんて考えるオイサンでした。
それを思うと、やはり映画というのは「向いた」優秀なパッケージなのかもしれません。

  うーむ、オッサン相手にこうも苦戦するようでは、
  女の子とデートなんて及びもつきませんな。
  イヤそんな予定全然ないけど超杞憂だけど。

……アレだな。
以前第4先輩さんとちびパパさんと、
「『アマガミ』・棚町薫編ドラマCDを聴くオフ」を企画して
それっきりになってますが、
何かスペースが用意できるなら、そういうちょっとした遊びでも
十分にサカナにはなるのかもしれないなあと、
次に向けて企みを膨らませるオイサンでした。



と、言うワケで。
これに懲りず、また遊んで戴けるとうれしく思います。

ここをお読み戴いてる皆さんも、タイムライン界隈の諸氏も。
別に、物理的な距離が多少遠くたって、オイサン旅行は好きですから。
あとは如何に気持ちが徒歩圏内に入るかだけのことですんでね。
何かしらの形でお声をかけて戴ければ、
アホ面さげてにホイホイついていきますので、
このどうでもいいメルヘン親父にご興味がおありの方はそれなりに。



オイサンでした。



 

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■俺の作る国がそんなに1192なわけがない・前編 -更新第609回-

何の準備もナシにイカ娘ちゃんの歌声を聞かされたら、
さすがのオイサンだって怯む。
本日のマクラは、そんなお話。



■昼下がりの侵略



今週の月曜日、オイサンは有休を戴いておりまして。
平日の午前の空気を存分に吸い込みつつ、
それでも休日気分でお昼ゴハンを戴きに表に出たところ、
いつも通っている割烹のランチがお休みでした。

  普段活動しない時間帯に活動するとそういうイレギュラーが起こって
  つらいやね。

やむなく辺りを探して見つかった、ちょっと良さゲなお店に入り、
壁に設置されたパブリックビューイングの大画面をボンヤリ眺めておりましたところ……
件の割烹でしょっちゅうお会いする、
オイサンのマンションの管理をしている不動産屋の社長がいらした。

まあ話をしない間柄でもないので、いやああのお店休みでしたねー、
なんて言葉も交わしつつ
先に運ばれてきた自分のシーフードグラタンをつついていると……
画面には、何故か戸松遥さんの新曲PVが。
そして少し間を置いて、スフィアの新曲PVが……
ガッツリ映し出されました。

  流れていたのはどうやらただの邦楽ランキングだったようですが、
  その70位付近にアニメ系の新譜が固まっていたようです。

誰コレ的な空気に包まれる店内、
自分はなんも悪くないのにちょっと居心地の悪さを感じつつゴハンを進めていると、
次に画面に映し出されたのは……

  ♪侵略! 侵略! 侵略! 侵略! 
     侵略! 侵略! イカ娘! きゅん!!


シーフードグラタン吹いた。
イヤ実際は吹かなかったけど、イヤイヤイヤイヤ。
それはイカんでゲソ( ← 侵略され済み)。

■侵略!イカ娘OP

しかしこれから鎌倉の話をしようってのに、ノッケからイカ娘のOPってのはどうなんだ。


不動産屋の社長も、特段画面を気に留めはしないものの、
なんだかおかしくなった店内の空気を感じ取ってはおられたようで。
そして、何事もなかった様に流れ出したEXILEのバラードに、
オイサンはなんとなくホッとしてしまったのでした。

……いえね。

アニソンを殊更貶めるつもりはモチロンない。
フツーに良い曲がたくさんあるさ。
町に流れりゃいいのに、と思う歌もたくさんある。
だけども、日常のシーンで流れる楽曲に、
「侵略」という単語や、「イカ」、あまつさえ「イカ」と「娘」がコラボした単語が
連呼されることは……やはり、馴染まないと思うんだ。
物語という特殊な舞台の上でしか、本来踊らないはずのコトバですんでね。

  まあそれを論じ始めると、翻って、
  朝から晩まで恋愛関係の単語が連呼されても許容される日本の日常の空気というやつは、
  果たして正常なのかどうか、という問題にも触れないといけないのだがね。

だからその。
もうちょいガンバレ邦楽アーティスト。

オイサンです(ここまでマクラ ← 長い)。



■もう源頼朝が総理大臣をやればいいよ。



サテ本題。
お話は先週末、11月28日日曜日のこと。
その前日、北関東で遊び倒したはずのオイサンは、今度は南関東で遊び倒します。

今日のお相手はTwitterがらみではない、
オイサンのblogを読んで下さっているJKPさんという御方。
鎌倉をブラつきながらお話をし、最後はカラオケでも歌いましょうという会合を
もう随分前から計画していたので、
それを実行に移したとこういうワケで。

あ、ちなみに今回は……って今回も、ですが、
オッサン2人(+1)がイチャイチャするだけの話ですので、
鎌倉観光ガイド的情報を求めるのでない人は、
別に読んでも何のトクもありませんのであしからず。

 ▼コース

オイサンが計画していたのは以下のコース。

 鎌倉駅からスタートし、江ノ電で長谷へ。
 長谷寺・名物土産屋山海堂を冷やかしたあと大仏へ。

 大仏~葛原ヶ岡ハイキングコースに入り、
 源氏山公園、銭洗弁財天を回って北鎌倉へ抜ける。
 建長寺を拝したのち、東慶寺そばの喫茶店・吉野にて一休み。
 時間があれば東慶寺も眺めたいところ。
 再度電車で鎌倉へ戻り、鶴岡八幡宮を拝んで小町通を冷やかす。
 最後に大船へ電車で戻って、一くさりうなって帰る、
 と。

■大体MAP

より大きな地図で JKPさんとのデートコース を表示


 ゴハンは……お昼は、長谷寺近辺か、山越えたあとの北鎌倉周辺で。
 晩は最後の鎌倉か大船で、
 適当に考えていました。


……なんていうですね、
ワリと盛りだくさんなコースを考えていたのですが。
マお話しする時間を考えると、ハナから無理があったのかもしれません。
さてこの行程がどんな結末を迎えたのかは読んでのお楽しみ。



……。



別にもったいぶる内容でもないんで。
時間足んなくて、八幡宮と小町は見られませんでした。

あと、今回オイサン的には
長谷寺と葛原ヶ岡のハイキングコースがお初のルートだったので
そこは楽しみでした。



■鎌倉駅にて



しかしまあ。
この日は人が多かったですね。とにかく。

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秋・休日・晴天の鎌倉が、こんなに人気だとは露とも知らず。
お年寄りや外人さんが多いのかと思いきや、案外若年ジャパニーズも大挙していて
驚いた。

  以前タイムライン上の誰かが、行楽日和の日に
  「家人がこんな日に行楽地にクルマで出かけて行った。
   アホとしかいいようがない」

なんておっしゃってましたが、
オイサンもどこかで噂されていたかも知れません。
姫子ばりに。

合流したJKPさんと人の多さにビビりつつ、江ノ電に乗り込みます。

JKPさんはTwitterをおやりになってはいないのですが、
『アマガミ』の二次創作をたくさん読み漁っておられる関係上、
オイサンのフォロワーさんを、直接ではないにせよ
ワリとたくさんご存知でおられます。

だもんで、
その日は朝から就職問題で盛り上がっていたタイムラインをお見せしたところ、
「Twitterって、こんなに熱くて濃密なやり取りもするんですか!?」
と大層びっくらこいておられました。



■長谷寺



そうこうするうちに長谷寺。時間は11時半を回らないくらい。
あんまり人出が多いモンで
「混み出す前に!」
という見解で一致して、先ずは真っ先に
長谷寺の境内にある「海光庵」にてさっさとお昼を戴いてしまうことに。

この日(なのか常設なのかは分かりませんが)、
長谷寺内では何やら『BUTSU』なるアート作品の展示をやらかしておりました。
使用済み段ボールでもって仏像を象る、という名目の作品群らしいのですが……。

  このデキがまた、微妙でね。

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オイサンも、JKPさんも、これは一体どうなのよと首をひねるばかり。
マ詳しくは申しませんけども。
中でも、オイサンらが食事のときに座った席の傍にあった作品の
説明文が面白くてですね。

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……と、この説明文をTwitter上に
「何を言っているのかサッパリわからない」
というコメントとともに載っけたところ、数名の方から賛同の意を得ました。
みなさんありがとうございました。

 ▼弁天窟

長谷寺の一画に、石窟の中に七福神はじめ数柱の神様の彫りこまれた石窟、
弁天窟というのがあるのですが。



……。





セックツ。





……言ってみただけ(中学生か)。

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その弁天窟は、前半こそフツウに歩けるのですが、
後半になると腰を折らないと歩けないほど天井が低くてですね。
背中を丸めて前を歩くお嬢さんの、突き出されたお尻を眺めながら……

 (なるほどなるほど、
  『絢辻さんと一緒に鎌倉に来て、弁天窟で絢辻さんのお尻を眺めながら歩く』
  SSを書け、という神々の声が聞こえますよ)


とか考えていたのはヒミツです。
ヒミツなんですけど、その話を洞窟を出てさっそくJKPさんにしたところ、

 「……なるほど!
  それで思いきり、あと足でガンメン蹴られるんですね、わかります。
  さすがです」

とお褒めのコトバを頂戴しましたがオイサンそこまで言ってない。
あなたもかなり立派な紳士ですよ。
それいけ教育者。中学生にヘンなこと教えんなよ。
あと百日紅の読みは憶えて帰って下さい。
ムカデと読みます。

  ……そういえば大学の先輩が、ムカデを漢字で書けと言われて「無我手」と書き
  「だってあいつ何も考えてなさそうジャン」
  と言っていたっけ。
  他のムシはなんか考えてるように見えてたんだろうか。


 ▼余談。

その弁天窟の中、わりと後半に「経営の神」という神様がおられたのですが。
オイサンはそれ見て
「……松下幸之助かドラッカーじゃないんだ」
と心中で突っ込んだのもまたヒミツです。
ヒミツなんですけど、外に出て早速その話をJKPさんに申し上げたところ(天丼)、
「日本には八百万に神様が宿りますから」
と、今度はワリとまともなお答えを頂戴しました。

……なのですが、オイサンのイメージでは、日本の八百万の神様って、
木とか、水とか、そういう具象物や、縁結びなんていう行為にこそ宿れ、
「経営」なんていう『概念』や『観念』にも宿るものだろうか?
という疑問を感じました。

どーなんだろ。
ほかにそれっぽいのあるかしら。

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■山海堂~大仏



長谷寺をあとにし、名物土産屋(兼武器屋)の山海堂へ。
……しかしオイサン、このお店はネタとしてしょっちゅう訪れているのに
モノ買ったこと一回もないんじゃないか?
今度行ったらさすがに何か買おう。
申し訳ない気がしてきた。

このお店はお土産モノ屋さんなのですが、
何故か古今東西の武具のレプリカを手広く扱っておられることでも有名です。

  西洋剣や槍、中華武器のトンファーやら、鉄扇やら。
  ほかにもエクスカリバーとか。

オイサンもJKPさんもテーブルトークRPGをたしなみますので、
そういうものは、ツボとは行かないまでも
呼吸はわかるわけです。

  ちなみにJKPさんは職場の同僚で同属の方に鎌倉に行くと言った所、
  「良い武器屋があるから鉄扇を買って来い」
  と言われたとのコト。
  さすが分かってらっしゃる。

しかしここ、エスカリボルグとか売らないかなあ。
結局この日も、何も買わずに店を出る。

 ▼大仏様

鎌倉といえば、この大仏様か八幡宮か、ってとこだと思いますが。
オイサンももう何度きたことか。
今回お初のJKPさん曰く、
「見る角度によって表情が随分かわりますね」
とのこと。
そうでしょうそうでしょう。
そうなんですよ。
うん。
へーそうなんだ。ふーん。……ア、ホントダ。

あと、このとき思い出せなかった、与謝野晶子の大仏様由来の区を
ここでご紹介しておきましょう。


  かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は
  美男におわす 夏木立かな



以前の記事でも書いたかもしれませんが、
オイサンは奈良の大仏様よりも、鎌倉の大仏様の方が好きです。
なんとなく親しみを覚えると申しましょうか。

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世俗にはツマラナイ懊悩が蔓延っていて、
自分がそこにいることで、人が救いを求めて集まってくる。
そこには男女であったり、老若であったり、友人関係・親兄弟であったり。
もっと違う関係であったりと、あらゆる人の営みが交わっていて、
自分の膝元に集ってくるたくさんの人の営みを眺めているのが好きで
もう何百年もあそこにああして座っている……
なんていう、そんなお話が、その存在から出来上がっているように感じます。

最後に売店で、紫芋アイスを食す。
何度も来てるけど、コレ食べるの初めてだな。
二人して、
「思ったより芋だ! 芋の粒状感がまんま残ってる!」
と感激。
フツウに美味しかったです。
ウム。
これは、鎌倉にきたら食べておくべきだな(……)。

ああそうそう、
外人の美人お嬢さん二人から、写真を撮ってくれとお願いされてしまいました。
向こうの人は物怖じしねえな。
コトバわかんねえとか思わないのかな。



ちいと分量が増えてきたので後半へ続く。


 

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2010年12月 3日 (金)

■嘆きの手帳とダイヤモンド~アマガミSS・第22話感想【予告編】 -更新第608回-

オイサンです。

えーとね、今回はまだ、アニメの感想本編ではありません。
予告編です。
ナニソレ。
うるさいなこれからそれを説明するんだよ(分裂気味)。


……だもんで、ネタバレとかは気にしないで読んで戴いて良いと思います。
うん。
多分大丈夫。



……えーとですね。



今朝方、『アマガミSS』22話、絢辻さん編第二章を見終えました。
そこで真っ先に感じたことは、
「あ、ダメだ。
 オイサンこれ、全然冷静に見られてないや」

ということでした。



  アバタもエクボにならんようにね。
  ……絢辻さんの美肌にアバタはないけどな!!
  (『ゆび先はもう一つの心臓』 更新第607回より抜粋)



何てことをですね、前回の感想の冒頭で述べたのですが、
なんかホントそのまんまになった。
「好きだ」という感情が、ここまで強烈にフィルターをかけてくると思わなかった。

それもまた、自分が「絢辻さんが好きだ」と自覚していることが
そう思いこませているだけなのかもしれませんが……
違和感を感じるはずのシーン。
不足、不満を感じるはずのシーン。
ところどころに引っかかりを感じてしかるべき、
恐らくは他のヒロインの話であれば、バッサバッサとサンカク印をつけるであろう箇所に対して、
なんだか「そういう解釈」として、飲みこんでいる自分がいることに気付いてしまいました。

例えば、原作の絢辻さんのイメージとズレがあるんじゃないか。
このシーン展開は性急過ぎるんじゃないか。
そんなことも、頭の中でさまざまな補正や、好意的な解釈、
あるいは「良く見る」ためのコントロールが働いて、
……どうも、より以上のゲタを履かせているきらいがある。

  これではイカン。
  公正ではない。

ただ一つ言い訳をさせて戴くなら、
絢辻さんの人物・物語は、ゲーム版『アマガミ』においてオイサンがもっとも深く読み込んだ物語であり、
その突き詰め具合ゆえに壁にぶつかり、
その解釈を迷っている部分が多々ある物語であり、人物です。
そもそも見えない部分の多いお話であり、女性です。
だからこそ、微細な差異は、解釈や一つスイッチを切り替えた先にある、
あり得たもう一つの姿として飲みこめてしまう、という側面があります。
それについてはご理解を戴きたいと思います。


……なのでまあ……書かない、ということも考えたんだけども。
それもねえな。
だってここ、そういうトコだから。

精一杯、自分の目の内側に幾つかのカメラを設置して見ていこうとは思いますけど。
この先何度か載るであろう絢辻さん編の感想は、
おそらく多少、点数アマめのものになるだろうな、ということはもう、
ちょっと想定しておいて戴きたい。

  いくら辛くしようとしたって出来るものではないなということに、
  今回の22話を見ていて、それはもう深く深く思いました。

一応、第22話について、
現時点でオイサンが最も信頼する方の目から見た感想をお聞きしたところ、
「面白く、良く出来た、満足度の高い回だった」
という話(要約)だったので、
オイサンの目が極端にバラ色フィルターを装備したものではないと信じたいところですけども。


……まあ、ね。所詮は
メルヘン親父が、気分任せに身命を賭して書いてる
モンだとタカを括って
お読み戴ければ幸いですよ(どうなんだそれは)。

皆さんは皆さんの目で。
そのサポートとなるのか、カウンターとなるのかはわかりませんが、
オイサンはオイサンの目で、
そしてこれまでの経緯や、皆さんの目があることも意識しつつ、
見たことを書きたいように書いていきたいと思います。



以上、あたりまえのことをダラダラと。
でも、ちょっと衝撃的だったというかさ。
気になっちゃったので。

てコトで一つ。
オイサンでした。
 
 
 

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2010年12月 2日 (木)

■嘆きの手帳とダイヤモンド~アマガミSS・第21話感想 -更新第607回-

オイサンです。

さてさて、毎度毎度ギリギリですが、
アニメ『アマガミSS』の感想をお届けしたいと思います。

今回からはいよいよ、最終最後の絶対ヒロイン絢辻さん編に突入です。
マ正直、オイサンはどう転んでも絢辻さんシンパですから
なかなか冷静になり切れないところはありますが、
それでも面白いところ、面白くないところ、好きなところ、嫌いなところは
キチンキチンと切り分けていきたいと思います。

アバタもエクボにならんようにね。
……絢辻さんの美肌にアバタはないけどな!!( ← はい、ダメ男)





  ※というわけで今回も、ネタバレ上等、
   アニメ『アマガミSS』第21話の感想になります。
   未見・ネタバレいやんなあなたは……
   寒空の下、雪が降るのを待っているがいいさ。






■全体として。構成・時間の流れ



先ずはここまで、
5人のヒロインのお話構成から考えて二つの方式が考えられるワケですが。

  梨穂子編的な、構成大改編の半オリジナル方式で行くのか?
  その他のヒロインのような、原作総攫え+変態紳士強調方式でいくのか?

……という問題がありますが。
恐らくは、絢辻さんシナリオの性質から言って、
大改編は難しいでしょうから、基本は原作にのっとった方面で行くのでしょう。

現時点では、雰囲気の出し方、間の溜め方などは
絢辻さんの物語を語るのに、十分な運指だと思います。
それにともなった絢辻さんの描き方はすごくしっかりしていて、
とても感心させられました。
面白かった。

  ただし、原作総攫え方式+変態紳士欲求にこたえる方向で行くなら
  後半加速しちゃうだろうなあ、という懸念はありますが……

絢辻さんのパフォーマンスの高さ、多忙さ、人望の厚さを時間をかけ過ぎないように
ひとまとめにして描いていて、表の人物像が掴みやすい。

  これは東雲先生のコミック版『アマガミ precious diary』で致命的に失敗
  ……ではなく、恐らく意図的に排したのだと思いはしますが、
     オイサン的にはそこを抜きに絢辻さんを語るのはやはりカタテオチだと思うので
     こう書かせて戴きますけども……
  失敗していた部分なので、それが解消されていたのは良かったなと。

特にラスト、水泳の補習と手帳のシーンをからめたのはもう、
「このテがあったか!」
と膝を打ちたくなるくらいの巧さだと思います。
さすがプロ。
先生に信頼される絢辻さん。
それを引き受けて発生する多忙さ。
その絢辻さんが、水着姿のまま教室にかけつける、という事態の異例さは、
「手帳の重さ」を引き出すのに十二分……
かつ、水着姿のまま壁にドン(違!するという、ある意味でのサービス、
これらが融合した、ホントに面白い解決法、シーンの作り方だったと思います。
感服です。

他にも、申請書や注意事項を書いた紙の作成が……というくだりなど、
絢辻さんのハイパフォーマンスが
如何に「特別でない、フツーのことの積み重ね」で出来ているかが
しっかり描写されてて嬉しい限り。

密かに画びょうをアップにするとか、芸が細かい
(トゲ、という意味の暗喩にしろ、実際のイベントに絡めて来るにせよ)。
「一人で出来ることだったから」というセリフ回しにも気遣いを感じます。

準備室のシーン、髪を上げ、エプロンをかけて作業をする絢辻さん。
その姿のかわいらしさは目を見張るものがあって勿論オイサンも大歓喜!

けれどそれ以上に、
脚立に上がった絢辻さんの、はためくスカートに目を奪われるというシーン作りは、
変態紳士ではなくて、いわゆるフツーの高校生としての男女の機微に収まっていて、
青春モノとして綺麗なシーン。
髪を上げる、エプロン、という小道具に拘ってきたあたりだけでも
他のヒロインに比べて細やかでさりげなく感じます。
その辺にも、漂う雰囲気の良さが出ている。

ただ、そういう細やかさの中にあっては、
「橘さんが脚立に上がって、絢辻さんがチェックをつける」
という図に「当然なるはず」のところが逆転しているところに
違和感を感じざるを得ず。
仕方のないことだけど。

  あと、準備室のドアの立てつけについては、
  あとあと伏線として引っ張りそうな気がするオイサンです。
  ていうかドアノブ直しとけや。

それと、絵的に気になった、良い意味で印象的にフックとして働いていたのが、
足元のカットがやたらに多いな、ということでした。

なかでも面白い・巧い・美しいと思うのが……
コレマタ準備室でのカットになりますが。
初めは橘さんにも完全に背を向けて作業に集中していたところ、
橘さんが委員に立候補した理由を聞くや、
橘さんに対して向き直る瞬間。
橘さんに興味がわいた瞬間なのでしょうね。

そこを足元だけで描いたのには何か理由があるのかしら?

そのあとに橘さんから好きな音楽を尋ねられ、
尋ねた理由が「なんとなく」だったことに少しうつむくところとか……。
何を言わんとするのか言わずもがなで、
いやあ……感じちゃうなあ。
分かりやすくて、見ていて心情を察するにあまりある描き方、情報量。
嬉しい。



■橘さんと絢辻さんと。



今回は冒頭からトラウマ話も強調されていて、
かつ、そのトラウマを絢辻さんも(内容はまだ分かりませんが)共有しているような
描き方がされている。

それに上記のような「絢辻さん → 橘さん」の意識が付加されて、
二人の関係性がものすごく強固に(まだ恋ではないですが)描かれています。
絢辻さんが既に、無意識下で「アコガレ」のフェーズに入っている。
この分かりやすさは有難い。

ただし原作と違って、その「アコガレ」には
あまりにも明確な理由があり過ぎて、かつ普通すぎる。
そこにオイサンは一抹の不安を感じます。

そんな普通の気配に、絢辻さん(オイサンの思う絢辻さんはあくまで原作ベースですが)が
心惹かれるということがあり得るだろうか?
前に進もうとする橘さんと、
うしろを向こう、過去に縛られようとする絢辻さん、
この対比の物語になってしまうのではないか? と。
ちょっと易くない?
そんな軽さへの不安。

あと気になるのが、橘さんに立ち直りのフックを与えたのが
梅ちゃんになっている、ということ。
冒頭の梅ちゃんの、イルミネーションバックでの描かれ方といい。
梅ちゃんの友情に報いるために、という絵になっているように思う。



■情報量の多さ



原作の絢辻さん編は見えない情報がすごく多く、
そのためにオイサンは『手帳の中のダイヤモンド』なんていう
一連の読み解き記事を書いたりしたものですが(まだ終わってへんやろ)。
今回はその辺の、見えなかった情報も端々で多く漏れ出ていて嬉しい限り。

たとえば、お姉さんの縁さん。

彼女が「家から買い物を頼まれる」ということや、
「それを快く引き受ける」位地にあるということ。
これだけでも、家の中での彼女の振舞いや立場がチラチラして、オイサンはうれしい。

他には具体的に描かれた手帳の中身もそう。
マあれは、予定というか行動ログでしたけど、
美容室の予約とか、参考書の下見とか。
ただ、体重のメモがあったのはちょっと戴けなかったかしらと感じています。
なんかリアルさを出そうとして、逆にやり過ぎた感を感じる。
安っぽいというか……
一日単位の些末な変化を全て気にしているほど
ヒマではないと思ってしまいます。
他にも、客観的でないムダな「感想」のメモが多い気がして、
ちょっと絢辻さん、いらんことに気ィ取られ過ぎてません?
と思ってしまいました。



■香り高きエンディングテーマ



タイトルの中二くささ、自己陶酔型ヒロインの香りに
各所で大人気の『嘆きの天使』。

オイサンも見たときは「ちょっと毛色がが違いますネ(白目」
と思いましたけど、まさか皆さんこんなに盛り上がるとはw
曲調は決してキライじゃないですけどね。

ただ、このままの曲でラストまでいくと……ハッピーエンドが成り立たないので、
ラストで差し替えあるのでは? と予測してはおります。

  ……逆に「放映直前まで曲名を隠し通した」ということは、
  バッド終わりもあるのかも? という勘繰り方も出来てはしまうワケで。
  マないとは思いますけども。

それに、曲の入りといい、サビに繋がるBメロ部分の終わりといい、
凄く二面性のある曲になっているなあ、とは感じます。
オイサンは音楽知識はないので詳しいコトは言えませんが、
どこかで一歩転じれば、
明るく、綺麗な曲に一気に移行出来るメロディに作りこまれているのが
オイサンでも分かる。

なので完全な差し替えではなく、
別バージョン・明るいバージョンが並存していて、
ラストではそれが流れるのではないか、とも思いますね。

……ダイジョブだ、
自由にもなれるし、愛されもするよ。
頑張れ絢辻さん!!


……と。
以上、やっぱ冷静にはなれないオイサンでした。
さあ今夜が楽しみですよ。





あと、超余談。





Bパート開始直後、
毎度画面下にBD&DVDリリースの告知テロップが流れます。
そのテロップは、毎回誰かキャラの口調になってるのですが、
今回の中多さん編のキャラがナレーターになっているのには笑った。
完全にネタ扱いだwww



オイサンでした。 

 

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