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2010年12月27日 (月)

■ミューズの烙印~宮子(下) -更新第621回-

 
 
 
     *     *     *
 
 
 
「皆がどうしたか知らない? ここに来たり、しなかった?」
 みゃ~……。
 もぐもぐと口を動かしがてら宮子は、隣でドライフルーツをカリカリと食んでい
る猫に訊ねてみた。猫は顔も上げず、細く鳴いたきりでそっけない。
「そっか。だよねー。……うん、おいしー」
 今日は久しぶりのご馳走だ。飯ごうでなけなしの米を炊き、崩れ落ちたコンビニ
跡で、いつか拾ったレトルトのカレーを温めた。あの頃から変わっていない、宮子
のずだぶくろのごとき胃を満足させるべくもないが、スパイスの華やかな香りと黄
金の彩りは、今日の喜びを彩るに相応しかった。猫にやったドライフルーツだって
大事な栄養源だったが、今日くらいはいいだろうと、床まで食い破りそうな勢いの
猫を横目に見やった。
「ふうー」
 足を投げ出し、それなりに膨れた腹で吹き抜けの窓から外を見れば……空に流れ
る塵の向こうでは、日が落ち始めたのだろう、赤紫の空が天の頂から不気味に濃紺
を滲ませ始めていた。大した明かりはないから、夜になれば闇に息を潜めるしかな
い。宮子のような人種が躍動できる時間は恐ろしく短かった。
「朝と夜だけはちゃんとくるんだよね。変なのー」
 焦る、慌てる、そんなこととは無縁の彼女だったが、そしてそれは今でも感情的
には変わっていなかったが、腰を上げるスピードは自ずと早まっていた。食べたも
のを片そうと立ち上がり、宮子は
「さて、じゃあ続きを……あ、しまった」
と、部屋の真ん中に瓦礫を積んで作ったファイアーピットを見て声をあげた。
「……お部屋の中で、飯ごうを炊いてしまった」
 こんなところを。
 --ゆのが見たら、大慌てで騒ぎ立てるだろう。
 --ヒロが見たら、取りすがって止めようとするだろう。
 --沙英に見つかったら、げんこつか、手にした何か硬いものでぶたれて止めら
れただろう。
 けれど、今日は。
「……」
 見つめたピットの中では、隣の部屋から拾ってきた木片に熾き火がまだ小さく燻
っている。その中心に点った、無限に近い深さを感じさせる朱色の輝きは、いつか
の夏に見た線香花火の最期を思い出させる……。
「……まあ、いっか。どれ、せっかくだから……ん?」
 そのとき。
 立ち上がり、大きく伸びをする宮子を目で追っていた猫が……ピクリ! と耳を
立たせてあらぬ方向を見上げたのだった。中空、そこには何もない。
「どうかしたー? ……お?」
 次の瞬間。
 地の底。ズン、とせり上がった大きな音が、宮子の腰にヒザに、強い荷重でのし
かかった。
「お? お、おおおおおお???」
 建物が、地面が揺れ、がくがくと、視界が、頭が、全身に伝わって、耳といわず、
体中の皮膚を通じて重い音が体に叩き込まれてきた。地鳴り。
 ひだまり荘が悲鳴を上げる。縦に横に、がっしゃがっしゃとどこで何がぶつかっ
ているのか分からない音があちこちから聞こえ、瓦礫がころげ、飯ごうが倒れ、天
井からは小さなつぶてや建材の塵あくたが降ってくる、宮子も立っておられずに尻
モチをついて、揺れる地面に弾かれ、鞠のように小刻みに弾んだ。猫も、転びこそ
しないものの……四ツの足の拠り所を失って、動くことが出来ずにいるようだった。
「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、揺れ、揺れ、揺れ、揺れますなあ!」
 にゃーん!
 暗くなりかかっていた窓の外は一転、稲光のバーゲンセールで幾条もの亀裂を雲
に走らせて地を照らし、地上に残るぎざぎざした建造物の残塊の陰を不規則に落と
して見せた。眩しいくらいに。空に裂け目が出来るたび、部屋はそれまでの無数の
階調を失って強いコントラストだけを残した。その瞬間は、宮子も、猫も、せっか
くのキャンバスも、命のないただの影になる。
「わわっ!!」
 一瞬、床そのものが大きく傾き、体が滑り落ちそうになった気がした。どこか致
命的な柱の鉄骨が、曲がるか折れるかしたのだろうか。
 これはこのアパートもいよいよ危ない! 宮子がそう感じ始めたとき、けれども、
一つその大きな揺れをピークに地面は振幅を少しずつ狭めていき……やがて、静ま
った。
「……」
 ……しばらく。
 揺れが収まってからも、宮子は黙りこんで瞳だけを滑らせ、目に見えない何かを
確かめようとした。不思議と、部屋の中の色んな物の匂いが強くなったように感じ
る。カレーの残り香に混じって、埃と、瓦礫の影に溜まっているであろう雨水の湿
ったかびの匂いなどが全て、空気の中に一際せり出して思えた。
「とまった……ね……」
 にゃ~……ん……。
 猫と無事を確認し合って部屋を再び見渡せば、体を投げ出されるほどに傾いだと
思った床はどうも何かの錯覚で、確かに、揺れの前よりも幾らか斜めになっている
ようだったが、滑ったり転んだり、目に見えるほどのことではなかった。せいぜい
ビー玉が走り出すくらいだろうか。それでも……ひだまり荘の抱えるダメージがよ
り一層深刻さを増したことには疑いがなかった。
 宮子はすんすんと鼻を鳴らした。鉄錆の匂い、或いは、それらが摩擦で焼ける匂
い。そんなものは感じられない。
「うーん……」
 かかとをぐいぐいと床に押し付けてみても、ゴム底の安い感触だけがぐにゃりと
あって、あの頃の、いつも誰かが語りかけてくるようなやさしい感じはなかった。
窓の外では凶暴化していると噂のハトが、小さな群れをなして怯えた様子で飛び去
っていく。
 紫色の空。それを時折切り裂く、するめのような稲光。鉛色の雨。もくもくと嵐
の住処のように渦沸く雲は平和だった頃には見たこともない造形のユニークさで、
神様のセンスという奴は本当にわからない。一際大きな稲光がひらめいて、油断し
た宮子の視界を真っ白に染めた。人々は一体どこに息を潜めているんだろう。
「……どこに行ったって、おんなじだよね」
 考えるのは苦手だから、感じるまま気持ちを整理した。恐らく、ここ以上に筆の
進む場所は、どこへ行っても多分見つからない。二十何年かの時間の中で、一番た
くさんの、色に触れ、画材に触れ、モチーフと取っ組み合った日々がここにはあっ
た。
 そうと決まれば、倒れたイーゼルを起こし、飛んでしまったキャンバスを載せな
おして。宮子は筆を強く握り直した。四枚のプレートも、さっきの揺れでまたあち
こちへ並びもバラバラに散ってしまっていたから、
「よっこいしょっと……」
それをまた、宮子は拾い集めて並べなおし、静かな面持ちで見下ろした。
 頭の「ひ」は三分の一ほどだけ、斜めになって割れ残っていた。文字としては、
完品を見たことのある者にしか読めそうになかった。
 「だ」は、ほぼ完品、健在。
 「ま」は……ボンドの痕の貼りついたそれらしい壁の部分は残っているのに、プ
レートだけ剥がれてなくなっている。辺りを探しても見つからなかった。代わりに、
焼け焦げた、それらしい木の板が見つかったから、それを持って来た。
 「り」は、四隅が欠けてしまってはいたものの、文字にダメージはなかった。
 「荘」は、壁ごとどこかへ飛ばされて見つからなかった。
「うん」
 もう一度、絵筆とナイフを力強く握りなおすと宮子は。
 踵を返し、椅子を起こして、今再びキャンバスと向き合った。
 
 
 
     *     *     *
 
 
 
「本当はね。みんなにもさ、会えればいいなー、と思って来たんだ」
 にゃ~ん……。
 宮子の、絵筆を運びながらの言葉はまるでキャンバスに語りかけるようだった。
瞳の裏側にようやく像を結び始めたキャンバスの未来の姿を現在のキャンバスに重
ね合わせ、取り逃すまいと、ただただ忠実に色を載せていった。今目を離すとまた
見失うことになりかねない。それが怖くないわけでもなかったけれど、今は追いか
けるのが楽しくて、目を逸らしたくなかった。
 猫も寂しいのか、手持ち無沙汰なのか。宮子が何かを言うとそれに答えるように
必ず一声、細く鳴いた。
「でもさ……よっと」
 キャンバスから瞳をはずさないまま、宮子は足元に無造作にころがした画具を手
探りで探し当て、また居住まいを正す。
「ぜったいに、会えるとか……会いたいとか。思ってたわけじゃ、ないんだよね」
 猫はきょとんとして聴いている。言いながら滑らせた筆致は力強さに溢れていて、
まさに寸毫の迷いもなかった。
「お……っとぉ」
 そのとき引いた短いひと刷毛は、紛れもなくこの絵の中心になった。
 その確かさに驚いて、我がことながら宮子は思わず声を上げ、瞳を奪われた。ぞ
くりと、二つの相反する感情が二百パーセントの容量で体を埋め尽くしていく。ち
いさく絞り込まれた瞳孔……その一瞬胸に去来したものは、今はもう見る影もなく
なった母校・やまぶきで、脱ぎ癖のある、ヘンな担任から聞かされたことばだった。

「宮子さん、絵にはね、ぜったいのぜったいの、ぜーーーったいに、迷ってはいけ
ない。……そんな線があるものなんですよ? 宮子さんなら、わかりますよね?」

 卒業を近く控えた放課後の食堂で、卒業制作に根を詰めすぎ空腹で動けなくなっ
た宮子に
「ナ・イ・ショ。ですよっ?♪」
と、星とハートを散りばめた台詞回しの女教諭は念押しをして、秘密でうどんをお
ごってくれたのだ。そのときに教えてくれた話だった。
 その線をしくじれば二度と戻れない。一生、その絵の本当の姿にはたどり着けな
い。そんなひと刷毛がどんな絵にも必ずあって、どんな名画でもそれを引けている
とは限らない。と言うのだった。あくまでも彼女の持論らしいのだが。
 今、ゆび先から肩にまで、弦を弾くように伝わった確かな摩擦の感触を反芻して、
何故、今、その言葉を思い出したのか、宮子はその意味を考えるまでもなく飲み込
んだ。
「へへへっ」
 ふにゃん?
 笑った宮子に、猫は小首をかしげ、きょとんとして聴いている。
 宮子の胸にはごろりとした重たいものが詰まる感触があったが、一度はなをすす
ってそれもやり過ごした。
 もう目を離しても大丈夫だ。確信を得、けれど筆はキャンバスから離さずに、宮
子は猫と瞳をあわせた。
「ひどい話だよね」
 みゃ~……。
「そっかそっか。えへへ。ありがとねー」
 猫の返事にひまわりのような眉をまん丸に持ち上げて笑い、宮子はまたキャンバ
スに向き直った。
 また、紫色の稲光。視界が白黒の二色にくっきりと切り裂かれたあとには空はま
た一段暗くなって、宮子は座ったまま体を傾け、キャンバスの影から、窓、といっ
てももう形だけの壁にあいた穴だが、そこから外を窺って、今日の残り時間がほと
んどないことを確認した。
 何故か背筋をしゃんと伸ばして座った猫の傍らに散らばった四枚のプレート、も
はやいちいち見なくてもそれらは頭の中にあって、宮子は、その四枚のうちで原型
をとどめたもう一枚のプレートを思い起こしながら、ぺとり、とキャンバスに色を
おいた。そこには……何も描かれてはいなかったが、木立から漏れて揺れる陽の光
があった。色はまぶしい山吹色だった。
「どうしてるのかなー、みんな」
 宮子はナイフと筆を持ち替えると、またぺとりと色を置いた。今度は温かな原色
のピンクで、そこにはちりちりと、短い後れ毛を散らす毛糸玉が描かれていた。
「みんな、運は良いから……」
 淡く紫のかかったブルーを作りかけ、宮子は首をかしげると、それを捏ねてつぶ
した。そして緑青を足し、全く違う緑がかった色を作った。それを乗せる先は透明
なガラスの瓶だった。
「無事だとは思……!」
 言いかけて、何か細かい砂の粒のようなものが喉に貼り付き宮子は大きく咳き込
んだ。咳けば咳くほど、その揺り戻しで吸い込む空気に同じものが混ざりこみ、何
度も何度も咳き込み続けた。キャンバスから体を背け、体を折って、何度も、何度
も、吐くように体を震わせた。
 猫は欠伸をして、宮子が落ち着くのを待たずにどこへともなく静々と歩き去った。
目は爛々と、金色の光に包まれ始めている。
「ぜえ、ぜえ。あうー……。……まあ、微妙かもねー」
 息が落ち着く頃にはまた、部屋には彼女の声に応えるものはなくなっていた。け
れど宮子は気に留めず、しばし続けて筆を滑らせ……やがてキャンバスが見づらい
くらい暗くなってきたのを感じ取って手を止めた。
「うん」
 画布から瞳を外し、二、三度まばたきをしてから部屋に目をやると、自分だけが
絵から差す光でうっすらと床に影を落としている。ゆび先も冷えてきた。これ以上
やってもせっかくの色をおかしくしてしまいそうだと、宮子はもう一度、画布を見
やって頷いた。慌てなくても、この絵はもう大丈夫。
「あとは、買い手がついてくれれば言うことないね。さて……」
 寝ようか。
 声に出さないまま、宮子は部屋の隅に堆く積み上げた大八車から降ろしてきた荷
物の山--その中には、やまぶきへの入学が決まって家を出る時に両親が持たせて
くれたビニールプールも眠っているはずだった--を切り崩し、大きな寝袋を引っ
張り出した。
「よっこいせっ」
 仕事場から少し離れてそれを広げ、例の四枚のプレートはイーゼルの下に丁寧に
重ねた。
 割れて欠けた「ひ」。
 「だ」。
 焼けて落ちて失われた「ま」。
 そして、健在の「り」。
 にゃーん……。
「お?」
 万事整い、ごそごそと蓑虫になって目を閉じようとしたとき、荷を動かす音に何
を勘違いしたのか……さっきの猫が玄関口に帰って来ていた。宮子は寝袋のまま、
ごろりと体ごと転げてそちらを向いた。
「おかえりー。一緒に寝るー?」
 にゃーん……。
 闇に二つ、金色の瞳の尾を引いて。一声鳴いた猫の口からは、真っ白い牙と、生
々しく、赤とピンクの粘膜が覗いたきりだった。猫は部屋に入ってくることなく、
またしずしずと立ち去った。
「……またねー」
 寝袋のまま、宮子は、真横に立たせた体をまたゴロリと仰向けに寝かせると、無
残に建材の毀れた天井を見上げてほほ笑んだ。やがてほころんだ口元から満足げな
息を漏らすと、そのまま。
 明日を思って、静かに眠りに落ちた。
 
 
 
                          (おしまい)
 
 
 

 
 
 
……と、言うワケで。
いかがでしたでしょうか。
まさかの『ひだまりスケッチ』SSで登場のオイサンです。

イヤ、まあ、ね。
ウン。
「こんなの『ひだまり』のSSじゃねえよ!!」
というお言葉も頂戴するでしょう。
そりゃまあそうでしょう。

別にオイサン的にも無理やりナナメ上のことをやろうと思ったワケでもなく
これは……オイサンの中の、すごくリアルな宮ちゃん像なんです。

宮ちゃんにこんなイメージを抱くようになったきっかけは、
キャラソンの『にゃーとな午後三時』。

■にゃーとな午後三時


この歌がそんなことを歌った歌でないのはオイサンも承知の上なんですけれども、
……う~ん、なんて言うんでしょうね。
「あ、言われてみれば、この子はひとりで完結してるなー」
と、なんか思ってしまったんです。

ゆのっちや、上級生の歌の背後にはまだなんだか他者の気配が残るのですが、
この歌の中には彼女しかいない。
猫や鳥や、そんなものがいさえすればきっとどこまでも行ってしまう子なのだろうなと……
宮ちゃんはいつでも強い光を放つ子ですが、
きっとそのうしろには、彼女自身も気付かない、光に見合った影が落ちるはずで、
多分、誰もいなくてもいないなりにやっていけてしまう、
そのことが彼女の影なんじゃないだろうかと、そんな風に思ってしまったのでした。

それは本来、別に影でもなんでもないことだとは思うんですが、
ひだまり荘にあってはそのことがなんだかやけに哀しく思えて、
以来、オイサンの中では宮ちゃんはすごく大人びた、謎めいた子です。

ウメてんてーは、彼女の光のうしろに何かが生じることに気付いているんだろうか。
何だか最近は、ご自身は気付いているんだけど、
ひとには気付かれないように、
自分もそこはもう見ないように、
一生懸命隠し隠しやってるような、そんな気がしてしまうんですね。

  まあそれは、ただの勘繰りですけど。
  誰もね、太陽の裏っ側に何が出来るかなんて気にはしないでしょう。

ただ、まあ、だからと言って
宮ちゃんが冷たい子だとか、残酷な子だとは思うわけではなく、
ひとりでいる時も、皆といる時も、同じなだけなんだと思います。

あの歌のイメージに囚われてからずっと、
書こう、書きたいと思っていたのがこのSSだったので。
ようやく形に出来て、
……まだちょっと、こうして見ると荒いところも一杯あるのでアレですけども、
オイサン的には嬉しい気持ちでおりますです。

皆さんにはどんな風に届いたか、お聞かせ戴く機会をもらえれば幸いです。
お叱りも謹んで。



オイサンでした。


 

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コメント

■サイトロさん
こちらでは初めまして、ですね。
日記やらなんやらまでお読み戴いてるとのことで、ありがとうございます。

お叱りコメントばかりだったり、無反応だったりしたらどうしたもんかなあと、
ワリとビクビクしつつの公開だったので、
ポジティブなコメントを戴けて嬉しく思います。

おっしゃる通り、件のセリフはこのお話の核ともなるものでして、
実際口に出して言わせるかどうかは何かと考えたのですが、
色々考えた末今の形になりました。

『ひだまり』本編で陽の当たらない部分に光を当てることについては、
例えば、怒りやかなしみについては、あってもいい、
その辺は別にタブーでも何でもないのだと考えています。
これが行きすぎた妬みやソネミになって、住人互いがいがみ合うとなると
安易に手を付けるべきではないのかもと思いますが。

いずれにしても、
面白半分やエキセントリックさだけでキャラクターの輪郭を歪めることさえしなければ、
……たとえそれが、自分だけにしか見えない彼女らの影であったとしても、
どんな方向から、どんな強さとどんな色で光を当てれば彼女らがその影を落とすのか、
そのことに確信が持てれば、描いてしまって良いと思っています。
それもまた原作キャラクターの深みでもあって、
二次創作の一つの役割なのだと思うので。

それではまた。
ゆび先はもう一つの心臓で待ってます。
きっと見に来て下さいね♪

投稿: ikas2nd | 2010年12月31日 (金) 04時56分

ミューズの烙印~宮子(上)(下)読ませていただきました。

宮子というあの天真爛漫なキャラクターの裏側というかもう一つの人間性、どこか冷淡で陰りを持った宮子というのは始めて見たので、とても驚きながら読み進めました。(オイサンがひだまりSSを書いたというのもなかなかの驚きでしたが。)
このSSは起承転結が大きくあるわけではなく、独りになってしまった宮子の一日を切り取った、あくまで日常という枠内に存在しているものだと思いました。
(下)の途中にあった

「ぜったいに、会えるとか……会いたいとか。思ってたわけじゃ、ないんだよね」

この言葉に、このSSの全てが含まれている気がします。
いつものひだまり荘でいつもご飯を求めながらも笑っている宮ちゃんも、焼け落ちたひだまり荘で猫に話しかけている宮子も、どちらも独りで生きていけるんです。喩え仲間がいなくても、周りに何もなくとも、どんなに世界が変わろうともたくましく生きていける。それは強さともいえるし、逆にドライな性格ともとれる。
その性格も含めてあの天真爛漫な宮子だから、宮子のことが好きなんだと思います。
原作やアニメでは表立って表現されていない、いわばタブーのようなものに敢えて踏み込んだこのSS、素晴らしいです。

何時もオイサンのSSや日々の日記には新たな発見をさせられます。これからも楽しみにしています。
寒さが月日の重なりとともに厳しくなりつつあります、どうかお体に気をつけて。

投稿: サイトロ | 2010年12月27日 (月) 17時29分

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