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2010年11月の14件の記事

2010年11月30日 (火)

■羽ぺんボールペン~wibleさん・羽と刃の8時間 -更新第606回-

空に溶けるよなコンビニの青い看板を見つけるたびに僕はまだ、
澪、
陳列棚にキミの透明な面影を探しているよ。

 現代語訳:
  ローソンを見かけるたびに
  「まだ『けいおん!』のクリアファイルが残ってたりしないかなー?」
  と思って覗いて見るけどありゃしねえことだなあ(えいたん)。


オイサンです。


誤解されては困りまするが、
実際そんなに欲しいかと問われれば手に入れたら入れたでやり場に困って
ぞんざいな扱いを受けることウケアイなのに違いありませんが、
それを欲しそうに探している、自分の姿が好きなのです。

そして、それをしている間は実際に欲しいのです。
何故なら欲しがっていないのにそれをしている自分の姿は
愛おしくもなんともないからです。
手に入れた瞬間どうでも良くなるのが確実な未来として分かっているだけなのです。

どうだ、オタクも40に近づくと色々面倒だぞ。
イヤみんながみんなこうだとは言わないっつうか普通がどっちか知りませんけども。



■一昨日の日記・11月27日



はてさて、前回の日記の冒頭でちょっとだけお話しましたが、
先の土曜日。
そんな面倒なオタクが三人、北関東辺縁の平べったい町に集って
長時間にわたりお店の人を困らせました。

うち二人はお馴染み、オイサンとちびすけ父さんさんこと、ちひろさん
(当blog内では勝手にちびパパさんとお呼びしてます)。
そしてもうひと方は、前回お話した通り、UNDER MY SKIN の、
wingbladesさんことwibleさん。

  ▼まったり日々(?)のできごと(ちびすけ父さんさん)
  http://hm13chibi.blog36.fc2.com/

  ▼UNDER MY SKIN(wibleさん)
  http://ameblo.jp/wingblades/


事の起こりは先週の土曜日、Twitter上にて、
オイサンとちひろさんがカラオケしながらラブいツイートをカマしておりましたところ、
wibleさんから

  「また二人で会って!」

という実に香ばしいリプライを頂戴しましたので、
これではいけないと一計を案じたちびパパさんが
「彼に二人の仲を認めてもらうために、来週にでも見せつけに行きましょう」
とこれまた香り高いご提案をなさるので、
急遽オイサンは、これ以上二人の仲を邪魔しないで下さいと
wibleさんにお願いをしに上がることになった次第です。
事実と著しく異なる叙述。


  つまりオフ会です。


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何の話をしに行ったかと問われれば、
お互いの書き物について、という漠然としたお話。

wibleさんとは、オイサンが「オフ会」というものに
およそ始めて出だしたときからのご縁です。

忘れもしない今年の4月24日、
『アマガミ』のwebラジオ初の公録あとのオフ会の場に、
オイサンとwibleさんはおりました。
そのときの集まりがオイサンにとって初めてのオフ会でした。

  その時の模様はこちら↓

  ▼導かれし者たち -更新第481回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/-481--6bf1.html

そこに参加した6人のうち、
当時SSを書いて公開していたのはオイサンとwibleさんの二人だけだったので、
そういう話の相手に飢えていたオイサンは、
どーにか上手くそういうお話をいたそうと何度か切り出しを試みたのですが、
見知らぬ人と話をするのが不得意なオイサンのことですから上手くいくはずもなく。

次にお会いしたのは7月のパトやんオフの時でしたので、
マやはり、そう詰まった感じのお話が出来る場でもなく。

  ▼七月のパトランカ ~オフレポ第一回~三回
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/-547--c065.html
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/-548--bf09.html
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/-551--db26.html


そうこうするうちオイサンは、
ワリとご近所のちびパパさんと仲良くなったり、
blogの読者さんとも何度かお会いしたりして、
色んな方と創作方面のことを話し、また聴くことが出来て、
満足の度合いはそこそこ上がってきていたのですが。

  それこそ春にお会いした第4先輩さんに始まり、
  夏にお会いしたじじさんにClipperさん、
  まだレポートをまとめられておらず申し訳ありませんが
  秋にお会いしたBenedict_MUさんまで。

それでもやはり、wibleさんともお話はしたいなあと思っておりましたので、
今回ようやくそういうお話が出来て嬉しい限り。
場はお昼過ぎにwibleさんちの最寄り駅に集まって、
オススメのお店でゴハンを食べながら始まって3時間近く。

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それから、さすがに居座りすぎて申し訳ないということで河岸を移し、
近場の馬車道にて、ハカマの正義力を思う存分タンノーしつつ、
また4時間ほど。

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 ▼ペンは剣よりもしっかりしなさい

こういう場で、大体共通して話題に上ることというのは、
「どんな風にして創作に臨んでいるか?」
ということが、まあありきたりといえば言葉はよろしくありませんが、
王道であります。

  書く内容を、書き始める前にどのくらい固めるか?
  それは最終的にいかほど成就されるか?
  固める過程においては、書き手たる自分がイニシアティブをとるか?
  それとも語られるキャラクターたちがイニシアティブをとるか?
  創作が主軸か? 実体験が主軸か?

そんなあたりがポピュラーに語られているような気がします。
その結論は大概、「場合によってまちまち」
となることがまたポピュラーですが、各人傾向くらいは当然あって、
オイサンとwibleさんはあまり書く内容を固めずに書き始め、
ちびパパさんは比較的固まったものを元に書き進められる、
というようなことでした。

また、オイサンが人物の情緒の揺らぎによって
平気で物語の中で起こる出来事を左右させてしまうのに対して、
ちびパパさんはたどり着くべき心情から逆算して出来事を配していくため
そのようなことはほぼ起こり得ないようだと、お話を窺っていて感じました。
また今回のカレーSSに限って言えばwibleさんもパパさん寄りの書き方だったようです
(ある日の実体験に基づいて、出来事に対して感情の流れを配していった)。

  言い方を替えると
  ちびパパさん・wibleさんの書き方はスタティックでソリッド。
  オイサンの書き方はダイナミックでライブ(つまり行き当たりばったりw)。

ただし、今回のカレーSSの場合、ちびパパさんの作品では
普段登場させない薫という要素を放り込んだことで、
当初の想定とは随分違う読み味の作品に仕上がったようです。

思いのほか、薫というヒロインの放つオーラが大きく美しく、
周囲の人物はそれに飲み込まれざるを得なかった。
そういう意味では普段と異なるやり方をせざるを得ず
楽しくも苦労の多い道のりだったのではないかなあと想像いたします。

  普段はまず、役者(登場人物)の意見を主体に脚本を練り上げて
  それに沿って骨子をくみ上げるところを、
  現場での薫の振る舞いや機嫌によって物語の流れが変わってしまい、
  主人公である橘さんやひびきちゃんの……
  動きの大枠は変えないまでも、
  内側で動いている心情を微妙にチューニングする必要があったと推測します。
  要するに、明らかに脚本全体の場を仕切っていったのが薫で、
  橘さんもひびきちゃんも、
  「仕方がないなあ薫は」「しょうがないわね」とばかりに
  追従していったのではないかということです。

オイサンなんかはもう、
とりあえず「カレーを食べる」という行為から連想される場面から
書き始めてしまい、あとは彼ら彼女らの赴くままに。
wibleさんからは

「『学校の屋上 → 帰り道 → お店 → 帰り道』と場面が移りますけど、
 風景を変えるための工夫ですか?
 そのまま学食でカレー食べておしまいかと思ったんで意外でした」

と、かなりのこと好意的に捉えて戴いてありがたいやら申し訳ないやらだったのですが、
ただ合法的に橘さんの腹を鳴らす(?)という場面が欲しかったということ、
あと学食という場で絢辻さんがノーマルサイズのカレーを食べてるという絵が
オイサンの結ぶ絢辻さん像に馴染まなかったということから、
屋上で前フリをして学校外で食べる、という流れしか考えなかった、
というだけです。

  ただ、風景に心情を絡めて書くことの多いオイサンにとって、
  風景や視界に入る小道具の固定化というのは致命的な退屈さを生みかねないので、
  wibleさんの指摘されるような、目先を変えるための場面転換というものを、
  普段、意識していることはその通りです。
  見透かされた感じでちょっと恥ずかしい。

 ▼書くことの手がかり

と、まあ……
あまり手の内を晒しても後々の活動に影響が出かねないのでこの辺にいたしますが、
そんな話をですね、
ああでもないこうでもないと、
シロウトとはいえ心を砕いてモノを書き、その反応を世に問うている者同士、
たくさんのシンパシーと、
ちょっぴりのライバル意識を交えつつ交換してきた7時間半だったわけです。


……。


とまあ、そんな感じではあるワケですが……如何でしょうね。
そうではない皆さん方から見て、こういうお話というのは
楽しそうに見えるものでしょうか、それとも下らなく映るものでしょうか。

他にも書き物そのものとはあまり関係のないところで、
いつ頃から書き始めたのだとか、
そのきっかけはなんだったのかとか。

そういうお話が何になるのか、どんな意味があるのかと問われたら
さほどのイミはないのかとも思いますが、
何を手がかりにして書いているのかということが分かり、
それが自分とどういう風に同じなのか、また違うのかがわかると、
新しいアプローチのヒントにもなったりするので
自分の手癖だけでは立ち行かなくなったときに「アレを試してみよう」
なんてコトにも考えが及びますのでね。

オイサンは小学生の頃から、
まあラクガキみたいなというかラクガキそのもののマンガを描いていて、
それが文章になって今に至るという経緯があり、
それは殆ど途切れずにここまで来ていますし、
wibleさんもやっぱり絵を描いて投稿するという体験がずっとあって
その続きで今ここにおられる。
ちびパパさんは、入りこそ遅かったものの、
濃密な時間とお仲間さんとの強い結びつきがあって、
それを維持しながら、途絶える時期があったりもしながらも
やってきておられるわけで。

パパさんなんかは「書く・打ち込むとストレスの解消になる」とおっしゃっていて
オイサンもそれは基本的に変わりません。
ただ、書く文章によってストレスの解消にもなれば温床にもなったりもしますが
「出来上がったものを、自分で眺め、人が眺められる場所に置いておく」
ということは、
オイサンにとって一つの安心感になったりもいたします。

先月のアタマに短いお話を一篇、このページに掲載したわけですが、


  ▼Tea for Life . ~SS・『TLS2』香坂麻衣子 -更新第591回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/tea-for-life-ss.html


オイサンはその後猛烈な大忙しに陥ってしまって
しばらく自分の趣味の書き物が、
創作に限らず、日記的なものも途絶えてしまいました。

けれどもその間、書くということに極度に飢えたり、
不安感を感じたりせずに済んだのは、
「そこに一篇、自分の書いたものが、(新鮮な手ごたえとともに)存在している、
 ひとにそれを読んでもらえている」
ということを感じていられたからです。
あのタイミングで、アレを掲載できているのといないのとでは、
その後の死にそうに忙しかったひと月半の時間は
全く違ったものになっていたと思います。

 ▼きみとぼくのうた

……まあそんな真面目腐った話ばかりでもなくて、
ただただ、
「いつ頃、どんなきっかけで、それぞれがそれぞれのヒロインにやられたか?」
とかね。
今となってはもう1年半以上も前のことですから
フツウ、当時の熱量を伴って思い出すことは難しかったりするはずですが……
如何せん、
この日集った3人は当時のことをまざまざと思い出せるように、
ご丁寧に日記に書いていたりするモンですから。

いかに冷静に、客観的に、「自分たちの彼女ら」と触れ合ってきたつもりでも、
そのトチ狂った猛りの様な熱の渦がですね、
……ホレ、曲がりなりにも物書きですから、
うまいことうまいこと、冷静さの狭間を縫って、
或いはもう赤裸々に、行間からはみ出してしまうわけですよ。
困ったもんだねえw

あと自分ちのお雑煮の話とかな。
なぜ雑煮だw
確か、結婚の話からそうなったんだと思うけど。
まオイサンは、初対面の人とよくお雑煮の話したりしますけど。
地方色とか家庭色が豊かで、大概の人が自分の体験としてもっているお話なので、
軽く盛り上がるには丁度いいんですよね。

  余談ですが、先日の「『アマガミ』ヒロインズ×カレー」のSSでは、
  オイサン以外のお二人は題材をグリーンカレーに選んでおられました。
  オイサンはグリーンカレーなるものを戴いたことがなかったのですが、
  この日のお店にはそれがあったので色々迷いつつもそれオーダー。
  ……これがおいしい!
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  辛さの質がいわゆるカレーと違っていて、その舌への感じ方・伝わり方は
  わさびに近い? と感じました。
  舌の特定箇所と、舌よりも嗅覚の方面にビリビリッと訴えてくる。
  香りがまた独特で、普通のカレーの香りが平面的な広がりのあるものだとすれば、
  グリーンカレーの香りはどちらかといえば線に近い。
  シャープで、広がるというよりは、まっすぐ体の奥に向けて突っ込んでくる感じです。
  wibleさんは「病み付きになる」とおっしゃってましたが、
  イヤ全くその通り。
  クセはある(特に嗅覚に訴える方面で)ので好みは分かれるかと思いますが、
  オイサンにこれは大当たりでした。

 ▼Closing

……マそんなコトでしてね。
結局、wibleさんとお別れをしたのは、確か20時の50分をまわる頃。
8時間あまりの、なかなかに濃密な会合と相成ったわけでございました。

オイサンが人にお会いしに伺うときは、
この次でご紹介するJKPさん(オイサンのblogの読者さんです)との会のように
大概ちょっとしたお散歩なんかを交えながらお話しするようにしているのですが、
この日はもう、一回座ったらテコでも絢辻さんでも動かないというくらい、
イヤ絢辻さんに言われたら退きますけど、
マそのくらいですね、どっしり腰を落ち着けての会だったので、
本当にしっかり話をしたな!
という感じでした。

しかもパパさんとはその前後一時間あまり、電車の中でご一緒だったので……
お前らどれだけ仲良しだというくらい一緒におったわけですよ。

  ……しかもその翌日も……
  このあとでお話しする、JKPさんとの会の後半4時間はご一緒しましたしね。
  よく飽きないな、アラフォー二人でそんなべったり。

  JKPさんにも言われましたからね。
  「なかなか小学生でもないんじゃないですか、
   そんな毎週とか、マイニチ一緒にいるお友達って」
  イヤ全くその通りだと思います。
  それでも飽きさせない話題を常に携えているパパさんがすごいんだと
  オイサンは思いますがね。

あとはその。
ずっと気になっていた、wibleさんの香苗さんへの愛の源泉には
一体何があったのか?
なんてお話も、窺ってきたのですが、
マこの辺はご本人の口から語られるべきタイミングがあると思います。

 ▼輝日東に訪れる冬

最後に、気になったお話をひとつ。
wibleさんのサイトではもう一つ、
『ベイビープリンセス』のSSだったり、日記へのコメントであったりを
メインコンテンツとして扱っておられます。

wibleさんはそちらの方へのイベントなどへも精力的に足を運ばれているようなのですが、
そちらの方では、イベント後の打ち上げとかに、
50人60人規模で人が集まるのだそうです。
オンリーイベントでも、参加サークルの数が30だとかおっしゃってましたっけ。

以前、都内で開催された『アマガミ』のオンリーイベントは、
オイサンは参加出来なかったのですが……
なんかこう……大層「距離の近い」イベントだったのだそうで。

この呼称を好まれない方々もおられるようですけども、
敢えて使わせてもらうと……
オイサンは、いわゆる「アマガミスト」たちの愛情や熱量を疑うわけじゃないですし、
ことさらに鼓舞する必然性も感じませんけども。

『ベイビープリンセス』は、そのメインの展開フィールドである
電撃G'sマガジン誌上での扱いは他の新進コンテンツに押されて
紙幅はどんどん狭まっていると言います。
対して『アマガミ』は、原典リリースから一年半以上が経過しているとはいえ、
アニメも放映していればマンガ連載も続いている、
リリースされるアイテムの量やらを見ても、「現役」といって差し支えないコンテンツです。

まあ内側から身びいきの目線で見ている以上
点数がカラ目になってしまうのはオイサンの性質上しかたがないんですけども、
それにしたって『アマガミ』は、
なんか勢いがないんじゃないのかな、という風に、この話を聞いていても思いました。

押されて出る元気はあるんだけども、
自分から引っ張ろうという元気はないんじゃないか。
オイサンにそれがあんのかと言われたら、
マ人様のことまで引っ張る気概はそもそものタチとしてないんでアレですけど。

  大体がして、オイサンは原作ゲームがあればそれで良い人ですしね。

出てくるものを口を開けて待ってるだけじゃなくて、
もっと面白おかしく、
出てきたものをいじり倒すだけでもいいと思いますよ、
自分の手先で一工夫加えて遊ぶだけの熱があってもいいんじゃないかと、
そんな風に思いますけどね。

世で言われている色々な状況が色々なので難しいとは思いますけど、
それを周りが(たとえ同じアマガミストたちが)どう思ったっていいじゃないの。
ねえ。

盛り上げていきましょう……とは言いませんよ。
せめて、自分が目一杯楽しいように楽しんで参りましょうぜ。

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■11月28日



さて……引き続き、昨28日日曜日の日記も書いてしまおうかと思ったんですが、
思いのほか27日土曜日の話が長くなってしまったので
記事を分けましょうか。



ではまた後ほど。
オイサンでした。
 
 
 

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2010年11月28日 (日)

■勝ってギターの袴を舐めろ(カオス) -更新第605回-

よくお聞き、ギタリストには二種類ある。
ぺろぺろする方のギタリストとされる方のギタリストだ。
ダンナそりゃ一体何の話ですかい。

オイサンです。

今日11月27日は、いつものパパさんことちびすけ父さんさんと、
先日ご紹介しましたカレー featuring 『アマガミ』ヒロインSSを競作した
SS書きのwibleさんと、
カレーを食べ、
馬車道で袴女子を堪能するオフでした。

……嘘ですよ。
本当は書き物や題材としての『アマガミ(SS)』について語るという
大変に真面目な会合だったのですよ。
冒頭のご挨拶マクラは、その席で飛び出した発現です。
……いやオイサンが勝手に言ったんだけど。

マその辺の細かいお話はまた今度お伝えするとして、
今日はゲームとか、読んだ本とか、そういうことから摘まんでお話する日です。



■シャイニングハーツ



先日の、『ドリームクラブzero』の遥華嬢へのやられっぷりで
すっかりクールビューティ系二次元お嬢さんへの傾倒を露呈したオイサンですけれど、
今冬はもう一本、
『シャイニングハーツ』が……やはりオイサン好みの、
ちょっとだけ見た目ツンケンしたお嬢さんを取り揃えておられ、
オイサンもうすっかり思う壺です。

  ▼セガ、PSP「シャイニング・ハーツ」
   水樹奈々さんらが声を担当する登場人物を公開 [ GAME WATCH ]
  http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20101125_409266.html


シャイニング・ハーツ 特典 海賊秘宝ファンディスク付き シャイニング・ハーツ

販売元:セガ
発売日:2010/12/16
Amazon.co.jpで詳細を確認する


Tonyさん絵は結構好きです。
世間には「Tony絵ではヌけない」という物言いがあるようで、
オイサンもおおむね賛成ですが、とはいえヌけますが(どないや)、

 えろくささ:清潔さ=8.8:1.2

ぐらいな感じが。
何がいいって、9:1じゃないのがいいんじゃよね。
8.9:1.1ぐらいな気がしないでもない。
その辺はいい加減じゃが。

年末にかけては、『ドリームクラブzero』が延期になってしまいましたが、
『バーチャロンフォース』もあるので
退屈せずに済みそうですっていうかお前買うてもやらへんやないか(ギクリ)。

■IN THE BLUE SKY



まオイサンは、『バーチャロン』は好きなのですが、
『フォース』はあんま好きじゃないんですけどね。
スポーツがゲームになっちゃった感じで。
ナニ言ってるか分かんないでしょうけど。
オイサンも分かんねえもん。



■電子書籍リーダー



シャープのガラパゴスとか、SonyのReaderとか、色々出てきましたね。
「次はこれで稼がにゃあ」と、どこも必死っぽいです。
コンテンツの囲い込みも激しくなっていくんですかね。

これまで、「主に新潮文庫で書いてた作家さん」とか、
「集英社の」「小学館の」みたいな、
作家さんがどの出版社からたくさん作品を出していたか、
みたいな目でオイサンは見ていましたが、
今後は
「Sonyでたくさん出してる作家さん」とか、
「シャープで」「パナで」っていう風になっていくんですかね。
それはちょっと面白いかも。

液晶ってことであれば、CASIO辺りも出してきたりしそうですにゃー。
電子辞書とか強いしね。

ちなみに、
オイサンは目が疲れそうなので液晶での本読みはあんまり歓迎はしてません。
とりあえず、持っておくのは電子媒体で、が嬉しいですけど、
読むときは紙がいいなあ。
紙と同じ目の疲れ方(って言うとおかしいけど。目の使い方?)がする
液晶が出来てくれるとありがたいんだけども。



■勝つために戦え



結構前に買うだけ買って、ちょっとだけ読み、手の止まっていた
『勝つために戦え!』(押井守)を、再び読み始めた。

押井守氏が、エース特濃?とか、プロダクション・IGのwebサイトで連載していた
インタビュー形式の対談みたいな記事をまとめた本で、
アニメ制作に始まり、氏の世の中の様々のものに対する視点について
ご本人の口から語られた本となっております。

オイサンの読み進みはまだまだ序盤で、
アニメ制作に関する話が主な話題になってますが。

『アマガミSS』を見て、感想を書くようになって……
まアニメの感想自体は過去にもこのページでずっと書いてはきましたが、
「自分が何を良いと思う・良くないと思う」ということは書けても、
その良さ・良くなさが何に由来しているのかということは、
結構時間をかけて考えないと分からなかったりして、
「ああ、感じ方と考え方のリンクが、自分のものになってないな」
と感じることが、ままありました。

で、その良さ・良くなさの由来のようなものは、
アニメの画の作り方とか、作劇の方法であったりするのですが、
その実際のようなものはオイサンよう知りませんので、
ちょっとちゃんと、知っておかないといけないし、
何よりも書いててツマンナイよなあ、と思いました。

多分アニメ制作においては基本的なことだと思うのですが、
この本の中で語られていることで
「1秒を2コマで作るか、3コマで作るか。
 かつそれを、中割りいくつで作るか」
みたいな方法論が語られています。

上で書いたことを分かりやすく言うと、
「基本は1秒間の動画を24枚の絵で作るところを、
 12枚で作るか、8枚でつくるのか。
 かつ、その12枚・8枚の間に、基準となる絵(原画)を何枚入れるのか」
みたいなことになる(みたいな)のですが。

それがまた、
「2コマ・中割り2(=秒間12枚のうちに原画2枚)」で作った場合と、
「3コマ・中割り3(=秒間8枚のうちに原画3枚)」で作った場合とで
絵の見栄えというのは変わってくるらしく、
それはもう技術論というか、
道具・方法の使いこなし方の問題であって
どっちが絶対にいい、というものではないらしい。

  使い方だけでなく、描こうとする場面によって
  より見栄えのする方法は変わってくる、だとかね。

そういう細かいやり方が溢れている中で、
テレビで見たときに「何が良い・何が悪い」の元として、
「アレがコレしてないから良い・悪い」が言えた方が、
説得力があるとか、話として面白いとかもありますし、
何よりオイサンが嬉しいというか、安心できるというかw

  誰がどんな技を使って作るとどうなる!
  みたいなことですね。

……マそんなコトなんで、今度実家に帰ったときにでも、
大学時代漫研・アニ研だった友人でもとっつかまえて、
そんな話のヒトツも聞いてきたいなあと思ったオイサンでした。



そんだけ。
明日は鎌倉でデビルマン。




 

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2010年11月25日 (木)

■ジカンよ、止マレ。~アニメ『アマガミSS』・第17~20話・桜井梨穂子編感想 -更新第604回-

このアニメを作ったのは誰だあっ!
オイサンです。


……さあ!!


オシゴトも落ち着いたところで、
ボチボチやることをやりましょう、そうしましょう。

そんなわけで、すっかり滞ってしまっていた、
アニメ『アマガミSS』梨穂子編の感想をですね、
もうすっかり全4章分まとめてというカタチにはなってしまいますが、
まとめていこうと思います。

こっから先は長いですからね、
今日は前フリは短めで行きますよ。



  ※というわけで例によって、この先はアニメ『アマガミSS』、
    第17話~20話までの感想まとめになります。
    20話あたりはまだ未放送の地域もあると思いますので、
    ネタバレご勘弁の方は今しばらくご辛抱戴きたく、
    お願い申し上げる次第でございます。




■アニメ『アマガミSS』・第17話~第20話 桜井梨穂子編 感想



先ず全体として、面白かった。
そしてその面白さは、七咲編で感じたような
「こぢんまりとして退屈な出来のまとまり」ではなく、
オイサンにもちゃんと楽しめる面白さでした。

作り手の動機と、キャラクターの心情と、出来事と演出とがしっかりと噛み合って、
一つのことを描き出すことに成功していたと思います。
かつ、その描き方が野暮でなく、足りなさ過ぎもせず、
あまりハッキリとは提示しないながらも
読み取ることが出来ないほど薄めもしない、
ギリギリのセンを狙ってそれが上手くいっている、という
これまでの野暮ったさがウソのような出来栄えでした。

それでもまだ、オイサンにとってはところどころ
ちょっと説明過多かなーと感じるところはありましたが、
その辺は誤差というか、許容されるべきマチかなあと思います。



■「桜井梨穂子」を描き出す物語として



この梨穂子編では、作り手は「やることをすごく絞ってきた」感があります。

これまでの4人のヒロインのお話では、
原作ゲームのシナリオをトレースする上で必要なエピソードを片っ端から拾い集めて、
80分の時間に詰め込めるだけ詰め込んでいました。

その構造のせいで展開は加速して、
状況や人物の心情はどんどん移ろってゆくのに、
その経緯や流れをキチンと描写するだけの時間がとられておらず、
見ている側が読み取れるだけの時間と情報が与えられないまま出来事だけが進んでゆき……
その、見る側の気持ちを強引に乗っけようとするがために
演出ばかりが強化されていってしまい、見ているオイサン側からすれば
「心情としてはチグハグで性急なのに、演出ばっかり盛り上がって上滑りしている」
もののように見えていました。

この梨穂子編では、そのこれまでの主目的……
原作エピソードの網羅を(何故かイキナリ)バッサリと切り捨てて、
ある一つのこと、梨穂子がこれまで長く抱え続けてきた思いと、
その抱え方・暖め方を描き出すためだけに、
80分をフルに使いきるやり方にシフトしてきました。

  それは多分、作り手としても、
  「『桜井梨穂子』の魅力を描き伝えるには、そこだけ抑えてしまえば十分だ」
  という強い確信があったから……とかなんでしょうか。
  ようわからん。

  ただ、他のヒロインに比して、梨穂子は
  どんなルートに進んでもブレ無い一本の線というのが比較的強くあって
  (他の面々にもその性格の基本線というのはもちろんありますが)、
  且つその線というのが、それ一本に頼り切ってもお話にしやすい、
  という面があるようには思います。

それによってお話は、時間こそ進むものの、
イベントのトリガとなるような出来事の数は絞られ、
イベント毎に流れ移ろう心情の描き出しがしっかりされるようになったので、
見ているオイサンからすれば、丁寧で腑に落ちる物語の流れになっていました。

これは単純に作り方の問題だけではなく……
梨穂子というヒロインが生来持つ気質、
時間の感覚が大きくモノを言っているという側面もあると思います。

  ……よーするに、のんきモンというかね。
  いっこのコトを進めるのに、すごい時間がかかるというか。
  ことに、対象が幼馴染である橘さんとのコトともなれば、
  そのスパンは年単位でしょうから。

だから無理なく、長い時間がかかってもこんだけしかお話進みませんでしたよ、
ということがやれてしまったんじゃないかなあ、という
至極単純な推測もありつつ。

  ちょっと遡って考えると、
  ほな他の4人のヒロインは、同じやり方では出来なかったのか?
  ということにもなると思いますが。

  ……マ出来ないことは、きっとないのでしょう。
  原作シナリオのある段階の、
  短い一時期の出来事を切り取ってお話にすることは出来るでしょうが、
  それには結局お話開始時点の二人の状況を分かりやすく説明する必要が出てきますし、
  橘さんとの間に蓄積も何もない、これまでの(薫は除く、かな?)4人では、
  中途半端に始まって中途半端に終わるだけのお話になってしまう気がします。
  お話の一単位として、しまりのあるものにするのには、
  たくさんの下準備と前提が必要で、手間がかかりそう。

  あとは、原作を知らないとついてくるのが難しくなるでしょうから……
  恐らくは原作体験組よりも初見組を大事にしようとしている
  この番組の制作スタンスにそぐうものではなかった、
  という理由もあったのではないでしょうか。

ですので、
これまでの4人のヒロインの物語では二人の関係はどんどん変化するのに対して
梨穂子編でそれは殆ど動かない。
梨穂子が橘さんのことを好きだったこれまでの17年間の、
そのホンの一端としての半年あまりの出来事を切り抜いただけで、
二人の、男女としての関係は殆ど進みません。

ただそれは外見えのことだけで、今回描かれた半年に起こったことは恐らく、
過去17年で二人の間に起こった「男女としての進展」というジャンルの出来事としては、
急展開といっても良いくらいの速度で起こったことだったのではないかと推測します。
こんな速度のことを重ねて二人はきっと将来ゴールにたどり着くんだよ、
ということを示唆するための物語だったのではないかと。

  橘さんの梨穂子の扱いを見ても、ホントにただの幼馴染というか……
  「近所の女の子」を扱う以上の丁寧さはなく、
  これといって「あ、俺もしかしてこいつのこと」みたいな描写も殆どない。
  おっぱいでけーな、パンツ見えたな、くらいのことで。
  進展たって、そのくらいの「意識の仕方」くらいしか、ない。

  お話の最後で橘さんは、梨穂子のために茶道部に入りますが……果たして。
  それとて、そばにいたいとか、恋愛感情を伴うものではなさそうで、
  まだまだ幼馴染の世話を焼くの延長線にしかないように思えます。

  ……余談になりますが、オイサンは、この二人は案外、
  うまくはいかないんじゃないかなと思っています。
  梨穂子さん、「恋はあせらず」も結構ですが……ちょっとあせれ。
  橘さんが本当に、梨穂子に対して、異性としての興味がなさ過ぎに見える。
  この世界に橘さんと梨穂子、あと香苗さんと梅ちゃんくらいしかいないのであれば、
  きっとうまく行くでしょう。
  ですが如何せん、輝日東には森島センパイも中多さんも、
  絢辻さんだっているわけで。
  横からそういう、「ちょっと強い刺激」が「その気」を伴って
  ポーンと飛び込んで来た日には、この橘さんは多分、一瞬でそっちにひっぱられてしまう、
  そんな危うさを見ます。
  それらを突っぱねられるほど、梨穂子に興味をもっていない。
  梨穂子はもちろんそんなことはないですが、この橘さんは。

  ……すごく正直な気持ち。
  このままリニアに線を引いていくと、遅かれ早かれ、
  この二人はソエンで終わるんじゃないか。
  ただ画面に映る物語として、その結末が描かれないだけで。
  そのフリとしてアイドルの話があった……とは申しません。
  作っている側は、この物語の延長線上にハッピーエンドがあると思って
  線を引いていることだとは思うのですが、
  オイサンにはどうもそうは見えない、というだけです。

  なので、梨穂子さんはもうちょっとガンバル必要があると思います。
  とまあ、それは余談ですが。

そういう意味でこの桜井梨穂子編は、
桜井梨穂子というヒロインと、橘さんとの恋愛関係をを描き出すということについては
十二分にその役割を果たしているのではないかと考えます。

  この速度で歩く子なんだ、
  そしてそれにずっと付き合ってきた橘さんなんだ、
  だから二人は上手くいくんだ(オイサンの印象はおいといて)、
  という関係性の表現。

そしてこのペース・この密度だからこそ、80分という時間で、
説得力のある見せ方が出来たんじゃないのかなあと思います。

やはりその、起こる出来事が増え、変化点が増えると、
その時々に対して描かなければならない心情そのものや、
それが起きたきっかけなどを描き足さねばならず、
一つ一つに説得力を持たせようとすると80分では時間がたらないのではないかと思います。
それがどうしても上手く運ばなかったのがこれまでの4人のヒロインのお話だった。

  ▼転じて、橘純一を切り捨てる物語

あと個人的には、
これまで橘さんを……主軸と呼べるほどではないにしても、橘さん自身の前進も、
必ず多少は描くことを使命としていたお話の構造を、
どうしてここにきてバッサリ捨て去ってしまうことにしたのか?
これまで頑なに固執してきたことは一体なんだったのか?
……という風に思ったのですが。

原作『アマガミ』のお話の動機は橘さんのトラウマにあるので、
なんかそんな気分になってもいましたが……
実際それがクローズアップされているのは森島センパイ編くらいなもので。
他のヒロインのお話とトラウマとの関連性は、
冒頭でその場面が借りられる程度の扱いでしかありませんでしたことでしたから、
そもそもそんなに大事にしていたことでもないんだろうな、と思いなおしました。

  ……となると尚のこと、どうして「橘さんを主人公に」しようとしていたのか、
  分からなくなるんですけどね。
  初めからヒロインを主体に描く構成にしてしまえばよかったのに。
  なんでだろう?
  変態紳士の橘さん、という強いパーソナリティでもって
  エピソードのエキセントリックさを保つという構造があるからか。
  えろっちい絵やムードが出ることの言い訳にしたかったんだろうかな。
  動機としては弱い気もするんだけど。
  特に薫編なんかは変態成分がなくても(ない方が)話のまとまりとしては
  良くなるに違いないし。
  森島センパイ・中多さん・七咲に関しては
  変態成分がないと物足りないものにはなると思うけど。

  ……。

  そうなると、やっぱりねえ。
  変態紳士のポップな主人公Aと、
  誠実・しっとり系の主人公Bの二本立てで行った方が、
  分かりやすくてまとまりのいいものになったんじゃないの?
  という気はいたしますね。
  まオムニバスにするんだからワザワザ分ける必要もないのかもしれないけど、
  今回はこっちの主人公の出番、今回はこっち、っていうのが見えたほうが、
  視聴者としても、その分裂っぷりに戸惑わなくて済むと思うんですが。



……。



とまあ、そんなことでして。
この梨穂子編は、これまでと作り方をバッサリ変えたこと、
そして何よりも、梨穂子が梨穂子であった故に、
これまでの轍を踏まずに前に進むことが出来たお話だったのだろうと
オイサンは思いました。

  ある意味で、これまでの『アマガミSS』に
  引導を渡してしまったお話だった。

なんていうか、それはつまり、
梨穂子がある意味で他のヒロインとは別格……というとちょっと違いますが、
『アマガミ』において規格外のヒロインであることも表しているのかなあ、
なんて思ってしまいますな。

ただのベタな幼馴染ヒロインに見えなくもないんですけどね。
以下、各章ごとに印象的だったシーンを拾い上げていきたいと思います。



■第一章



各章ごとに……なんて言っておいてイキナリ全体的な話の続きをしちゃいますが、
この梨穂子編、背景の挿入の仕方とか、
一つ一つの背景のディティールがこれまでとは違ったベクトルで細やかで、
オイサンは見ていてちょっと楽しかったです。

たとえば、この第一章の冒頭も冒頭、
朝、梨穂子が迎えに来てくれた香苗さんと登校中に忘れものに気付いて取りに帰るシーンで……
道が僅かに、ビミョーに、右から左に向けて傾斜してるんですね。
そんなん平地だっていいじゃん! ……と言われてしまいそうな、
そしてお話に全然関係ないトコなんですけど、
そういう街並みのどうでもいいディティールが見てとれたりするシーンが結構あって、
それは見ていて面白かったです。

あと、回想の、変身儀式遊びのシーン。

ここがまたムダに芸が細かい。
梨穂子の回想、お姫様編の場合、橘さんは笑顔でやっていますが、
橘さんの回想、まんま肉まん編では、コドモ橘さんは真剣そのもので、
額に汗まで光らせてやっている。
本気だwww
橘さんどんだけ底意地悪いんだよw

……それにしたって、梨穂子の思い出は本当にいい思い出なんだから、
もっともっとネタ的な要素を排して「美しい思い出」の絵にしてしまえばいいのに、
なんでこう中途半端にネタっぽい画にしてしまうんだろう?
見てる側からすると、呆れるところなのか、ちょっとジーンとすればいいのか、
戸惑うところだ。

  余談。
  梨穂子が滑り台にお尻を詰まらせるシーンがありますが、
  オイサンも、せまいユニットバスで、
  あったまってる間にふやけたのかお尻がつっかえて
  一瞬抜けなくなったことがあります。
  あれは確かに焦る。
  このまま一生を終えるのか! って、ワリと本気で思います。


一点だけ。
どうしても気になった部分がありました。

それはラストシーン。
遅刻しそうになった橘さんが、近道フェンスをくぐり、
あとからやってくる梨穂子を思って
フェンスの穴を広げるシーンが描かれますが……
あの回想を、絵にして明確に提示することは果たして必要だったか。

……まあ必要・不必要で論じるようなことではなく、
表現としてどこまでを描いて、どこまでを読み手にゆだねるかという
さじ加減の問題なわけですが……
オイサン個人の感触としては、描かないでおいた方が、
温かみのある、梨穂子と橘さんの間柄らしい空気が演出できたと思います。

「またも遅刻しそうになった橘さんがフェンスをくぐって登校し、
 さあ教室へ向かおうとしたその時、
 ふと心に引っかかるものがあってフェンスの穴を振り返る」……

そこまでさえ描かれてあれば、その先を想起するには充分だと思います。
それで不足なら、
手のひらにやたらフェンスの跡をつけている橘さんを梅ちゃんがいぶかるとか、
「今日はひっからなかったよー」と嬉しそうに報告する
梨穂子と香苗さんを、陰で聞いていて満足げに笑う橘さんとか……
その程度の含みでとどめておいても充分ではないのかなと。



■第二章



スケートのシーン。
ぱんつにおムネと大サービスの梨穂子さんですが、橘さん的には
「ぱんつはどうでもいいけどさすがに胸は!」
という描き方には出来ないもんでしょうか。
イヤどうでもいいけど。

あと、香苗さんが随分世話焼きババアになってるのが、
原作のイメージとちがうな。
放っといて見守るスタンスの人だと思ってた。

一つ、名シーン。
この二章のラスト近くで、橘さんが梨穂子から受け取ったプレゼントの手袋をはめ、
梨穂子の頬に「ほり」と触れる場面があります。

オイサンはこの場面一発で……
「ああ、もしかすると梨穂子自身、
 実は橘さんが幼馴染よりも先の関係になることを、実は望んでいないんじゃないのかな」
と思ってしまいました。

無論そんなことは決してなく、
恋人になって、気安く「ほり」ってほっぺたに手をやってもらえない、
そうなってしまうことにはきっと耐えられない、というだけで、
その気持ちを丁寧にトレースすると、
「前には進みたい、でも今の関係はくずしたくない……!」
という、ありきたりながらも、否、ありきたりだからこそすごく切実な思いに行きつきます。

……すごい、素晴らしい。

そういう「言葉」は、今まで幾つもの作品でお目にかかってきましたが、
その気持ちを言葉で終わらせてしまうのではなく、
絵で、シーンで、言葉ナシに伝えてくれたものに出会ったのはこれが初めてかもしれない。

そしてこのシーンでの橘さんの「ほり」は、
前野さん、渾身の名演だと思います。
こういう短いセリフってむずかしそう。

雪の街並み、いいねえ。
稚内が恋しいよ。



■第三章・第四章



ここまでくると、細かいコトはあるのですがあまり大きなところはないのでまとめて。

第三章で神社のご利益について曖昧に触れ、
引っ張った分を四章で解決する流れがありますが。
そうそう、オイサン的にはこのくらい、読み手に任せるくらいでいいと思います。

またこの辺でも背景が色々挿入されますが、
珍しく街並み夜景が斜めがかった画で挿入されたり、
こういう目先を変えるだけでも随分ちがうもんですね。
面白いと思います。
ただ、
これまで全然出て来なかった「工事現場とクレーン」の画がイキナリ出てきたりしますが
これはなんか意味があるのでしょうか。
最初は原作でも出てきた、「工事中の橋」がらみかと思ったんですが
全然関係なかった。
変に気になるからいつもの風車ととにしておけばいいのに、
と、上で書いたこととは逆に、ここは思いました。

あとそして、手袋を忘れて部屋に取りに戻った橘さんのシーン。
わざわざ手袋をアップで写し直す、
そのカットはやっぱり必要ないんじゃないか。



……。



るっこ先輩が
「私だって彼氏いないっての、私の方がかわいいっての!」
という悔しがる場面が、なんと最終章の半分終わったところで挿入される。
この場面、原作ではかなり序盤のものだったと思います。
多分。
何気ないところだとは思いますが、こんなあたりからも
相当気合いを入れてシリーズ構成が練り直されていることが読みとれます。

そしてクライマックス、
シュークリームのシーンから流れ出す挿入歌とその先のシーンへの連続は、
七咲編でやろうとして、ものの見事にドン滑りしていた失敗を、
きれいさっぱり拭い直すほどまとまっていて
(というかそれはシーン単体の問題ではないけども)、
これはもう文句ナシ。

その後のシーンもとても丁寧で、
床の間に落ちる花の影など、象徴的で印象的なカットが盛りだくさん、
絵的にも見ごたえのあるお話だったと思います。
キャラ絵が乱れがちなシリーズではありましたが、
それを補って余りあるとオイサンは思っています。

★超余談……。
梅ちゃんがバレンタインのチョコを、薫・絢辻さんにおねだりするシーンで……
去り際の絢辻さんが一瞬、
ほんの一瞬だけ見せる「あほか」という表情www

  こ、このカットを描いたのは誰だあw!!
  いじめてやる!
  お菓子を買ってやる!!(ビ、ビスコ……!)

この表情は多分、狙ったものではなくて偶然出てしまったものだと思います。
ですが、絢辻さんの、表に出すぎず、隠しきれもせず、
というスキ間の表情がもう、すっごい微妙な線で漏れ出ていて、
なんかもう最高でした。
オイサン大爆笑。
コマ送りで見てみても明らかにそれとして描かれたッぽいコマは見当たらず、
動きの狭間でそういう風に見えてしまうだけなので、
尚のこと偶然出来てしまった画だと思うのですが。
いやーおかしいwww
笑った笑った。



■EDテーマ『恋はあせらず』。そして……



エンディングの「恋はあせらず」も、
マこれはただのオイサンの好みですが、
これまでの全5ヒロイン中ではオイサン的Bestです。
アニメのEDテーマに限らず、これまでリリースされてきたキャラソンの中でも
Bestに近くてお気に入り。

出だしのアコギ(だと思うんですがオイサンにはわかりません)の
素朴な響きといい、
歌詞の素朴さといい、
そしてシンタスのアッケラカンとした、
ちょっと抜けてて真剣味のすっかり足らない歌声(失礼)といい。
梨穂子という存在を、ダルマ落としよろしく、
トンカチですこーんと叩いて出てきたようなお歌だなあと思います。

……しかし。
挿入歌が大変なことをしてくれました。
あなたの心です(落ち着け)。

 ▼「星」が全てを破壊する。

ええー……。
梨穂子……。
梨穂子って……そうだったの?
というくらい、切実な挿入歌。

梨穂子が橘さんのことを好きなのは分かっていたし、
そこに虚飾や勘違いがあるなんて、もちろん毛ほども思っていなかった。
その気持ちがどっしりと心に根の張った、
ぶっといものであることは疑いようがないと思っていました。

ただ、その気持ちというのは……
理由とか、動機とか、そういうある意味で「些末な」ものとも無縁の、
根源的なものであるとオイサンは感じていて……
まさか、この歌のメロディに紡がれているような、細やかな、
繊維の一本一本までトレース出来てしまうようなものだとは思っていませんでした。

梨穂子が橘さんを思う気持ちが、こんなに「細い」ものだとは思っておらず、
その細いものを本当に丁寧に編み上げて出来た「太さ」だったとは、
気が付きませんでした。

  イヤ、梨穂子が橘さんとの思い出の一つ一つまで大切にしているのも
  分かっていたし、
  太い気持ちのそもそもが、そうした細いものの積み重ねであることも分かっていて、
  けれども、その一本一本は、もうとっくの昔に押しつぶされて、
  くっつきあって、
  一つ一つにばらすことが出来る状態にあるものではないと、
  オイサンは思っていたのです。
  けれども。
  梨穂子はそれらを、なんかもう、すっごく丁寧に保存していて……
  細いものを細いまま、大切に大切に編み上げていたんだと……。

  切ない。
  あまりに切ない。
  心が、胸が痛い。

梨穂子が「こうし『たい』」と、
自分の望みを口にすること自体がすごく規格外のことだと思うのだけど、
いざ彼女がそれを口にした瞬間、
その言葉がとんでもない破壊力をもつことを……この歌は如実に物語っている。
スキBADにおいてすら、自分の強い望みを口にしなかった、
否、
作り手がそうさせなかった理由がやっとわかった。
甘いなあオイサンは。

もっとボンヤリした女の子だと思ってた、
っていうか、
実際ボンヤリした子ではあるのだろうし、
思いを口にすることを「ガマンしている」子ではなくて、
そうしないことが「当たり前」になってしまっているだけの子なんだろうけども、
そのタガが外れたときに照射される波動の強さが
こんな危険レベルにあるものだと気付けなかった。

  後で少し述べますが、
  梨穂子の声優にシンタスが選ばれた理由がここにもあるような気がオイサンはしています。
  まあ勿論、他に似たような声質・気質の候補者はいるかもしれませんが……
  切実になり過ぎない、ちょっと抜けた音の持ち主でないと
  梨穂子は「痛すぎる」と、
  キャスティングに携わった誰かが直感的に感付いたんじゃないでしょうか。

まあ、多分、構造としてはこの歌のような梨穂子の姿が
実際の営みの中であらわれてくることはやはりイレギュラーなのでしょうから、
この歌の内容はある意味禁じ手、
梨穂子がやっちゃいけないタブーの発現なのだと思います。

けれども、もうあとには戻れない。
この歌を聴いてしまった以上、
ちょっと梨穂子を見る目が変わってしまうなあというオイサンです。

  間違っても、
  「梨穂子は可愛いなあ!!!」
  ……ではすまないことになってくる……と、思いますから。

  ……そうだよ。
  ねえ。
  これが、キャラソンってものだよ。
  本来の姿から若干の逸脱を含みながらも、本筋を大きく補う、
  腑に落とす力を持つものだよ。


ただ、やはり一点、オイサンが最後に気にするところは。
……果たしてこの歌は、
『アマガミ』と『アマガミSS』を繋ぐものになるのか、ということで。
それを確かめるための最後のポイントとして、
梨穂子のナミダイベント・テキタイイベント、
そして梨穂子 vs 上崎さんの顛末を見届けなければならないな、
と考えています。

これだけの強くて重い、光の反証としての闇を抱えた彼女が
橘さんにどんな見切りをつけるのか、
否、
果たして、本当に見切りをつけるのか?
それを見極めないことには、この歌が、本当に上で書いたような力を持ったものなのか
判別がつかないように思うのでした。

……いやあ。
最後にものすごいバクダンだったぜ。



■終わりに~桜井リホコと新谷リョウコ



とまあ、そんな感じでね。
梨穂子編、大変に面白かったです。オイサンにとって。
読み応えのある、梨穂子らしい、優しい重量感に満ちた出来栄えだったと感じています。

……デですね、
こういうことを言うのは、ただの印象論なので反則気味なアレなのですが……。
最終章でシュークリーム作る梨穂子が、
オイサンには何故か、ただの新谷良子に見えました。
ああ、梨穂子はシンタスなんだ、
梨穂子の中の人が新谷良子でなければならなかった意味がわかるアニメ化だった。
そんな風に思ったのです。

ラジオの中で「名前キャスティングだ」とか、冗談のネタにもされていましたが……
演技者としてのシンタスの「力」が梨穂子に求められたのはもちろんあると思います。
けれどもそれプラス、
人間としてのひと塊のシンタスが、梨穂子には欠かせなかったんじゃないか。
そんな風に思います。

上のEDテーマ「恋はあせらず」のところでも述べましたが、
長く思い続ける梨穂子を「重い」女の子にさせないためには、
シンタスの、あのどこかすっぽ抜けた感のある声とお芝居が必要だったのだろうし、
それプラス、
「乙女としてのシンタス」をスタッフは凄く嗅ぎ付けていて、
お芝居や技術では繕いきれない長く培われてきたそれを欲しがったんじゃないのかな?
とも思います。

おめでとう梨穂子、シンタス。
大変に素晴らしいお仕事だったと思います。
うらやましいです。素直に。



……。



思えば梨穂子編は、各所でたまに散見するように
「るっこ・飛羽の両先輩回だ」と言われるほどにお二人が活躍し、
かつ、香苗さん・梅ちゃんの活躍も目立つお話でした。

そのサブキャラの登場回数の多さと、物語への関わりの頻繁さ・豊富さ、
表情のゆたかさはきっと、皆から愛される梨穂子、
人の集まる人柄としての梨穂子を如実に表すものとして機能していて、
そこにこの物語の暖かみと心地よさが表現されていると思えました。

  そしてそうか、そういう密度でもって世界をの温度を表現することも出来るのか、
  すごいなあと、そのやり方を勉強させてもらった次第。

まオイサンは、上でも書いたみたいに……
この物語の延長線上の梨穂子には恐らく
(わざわざオムニバスにして世界を分断したにもかかわらず!!)
ハッピーエンドは訪れないだろうなあと……意地悪でもなく、斜め上でもなく、
すごく素直に感じてしまったわけですが。

そんな曖昧さ、ある意味でソエンへのいざないという、
残酷な結末も含めて描きだしてしまった
この『アマガミSS』桜井梨穂子編の全四章のお話が、
とても魅力的に映りました。



サア、では、このあとは!!



……と、……まあ、ね。
勢い込んで参りたいところでもあるのですけれど、
今はまだ。

この面白いお話と、
ようやく一つの正解を手繰り寄せたもう一つの輝日東の世界に……
オイサンは、
今しばらく浸っていたいなあと、
心から思うのでありますことですよ。



おめでとう、『アマガミ』。
オイサンでした。







……。








なるほど、四時半じゃねーの。




  

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2010年11月24日 (水)

■Fで歌えば -更新第603回-

チョビ髭を生やしたエラそうなオッサンが、
必死の形相で高そうなアイアンを磨く高級住宅街の昼下がり。
オイサンです。


えーと、日記です。


先週の土曜日、お馴染みちびすけ父さんさんとカラオケに行って来たので、
ちょっとそのことを日記に書いとこうかなと。
アラフォーのオッサン二人のカラオケデートに興味がある人だけ読んで下さい。
ワリとラブラブですんで。



■DOWN TOWN~土曜日の夜は。



先週までのオイサンは、ひと月半ばかりロクにお休みもない
お忙しい状態だったわけですが、
その状態に入る一月ほど前に、Twitterで懇意にして戴いていて、
実際の住まいもそこそこ近いちびすけ父さんさんと
近いうちにカラオケに行こうぜ! ……なんていう、
なんともいい加減な大学生みたいなお約束をしておったのですが、
オイサンの無茶なオシゴトのせいで実現せずにおりました。

デようやく落ち着きそうだと分かった金曜日、
「じゃあ明日行こうぜ!!」 ……なんていう、
なんともいい加減な小学生みたいなノリと勢いで、
翌日の昼からアラフォー二人でアニカラ三昧としゃれ込んだのでありました。

当初の予定では、
以前オイサンが訪れた、海老名のガンモのおいしい蕎麦屋さんと、
コーヒーぜんざいなる変わり甘味のある喫茶店にご案内する
そのついでにカラオケ、という予定でおったのですが、
調べてみると如何せん、
海老名という町にはさほど潤沢にカラオケ屋さんがあるわけではないのですな。

  正直これは意外でした。
  海老名といえばそこそこの繁華街、若者の遊ぶ町だと認識しておりましたので、
  ノープランで行っても掃いて捨てるほどあるものだとばかり思っておりました、
  カラオケ屋。

デ急遽番組を変更して三浦ヤス物語をお送りしたわけでなく
(このネタが分かる人間は果たして何人いるのか)、
場所をフジサワに変えてのランデヴーと相成ったわけでございます。

R0029348

オイサンは例によって開始時刻の30分ほど前には着きまして、
新しくコーヒー屋さんを開拓したりしたのですが、
マそれはまた別なお話。
素敵なフンイキのお店でした、守門。

R0029340

  お店のご主人……すごい小柄な年輩の女性なんですけど、
  なんていうか……小動物系でね。
  森の妖精みたいな感じ。
  そりゃ淹れるコーヒーもおいしい筈だよ、っていうね。
  いかにもな。
  またお邪魔したいと思います。
  ただし、すっかり本当のコーヒー屋さんで、
  甘味の類が一切ないのがちょっとシンドイかなと。

で後にパパさんと合流し、
冒頭でチョイとアニメイトに寄りまして、
『アマガミSS』梨穂子編のEDマキシをゲットいたしまして、カラオケへ。

  ……ちなみに、ですね。
  この日ゲットしたこの『恋はあせらず』のシングル……
  今オイサンの中で大変なことになってますが、
  のちのち梨穂子編の感想とまとめてその辺についても言及したいと思います。

  

TVアニメ「アマガミSS」エンディングテーマ5 恋はあせらず(特別盤) TVアニメ「アマガミSS」エンディングテーマ5 恋はあせらず(特別盤)

アーティスト:桜井梨穂子(新谷良子)
販売元:ポニーキャニオン
発売日:2010/11/17
Amazon.co.jpで詳細を確認する



カラオケのお店が一杯だったりしてちょっとさまよったりはしましたが、
最終的に落ち着いたお店は……
二人一致で
「フロントのお姉さんがメガネ美人。この店は当たりだ!」
とガッツポーズ。

パパさんの無茶振りで一発目から「irony」を歌ったり、
アラフォー二人で「ゆめデリバリー」だったりで、
かたやお仕事にくたびれ、
かたやなにやら不調の波に飲み込まれて沈み気味だったわけですが、
マ多少は憂さも晴れたんじゃないでしょうか。

その後、ついさっきオイサンが新規に開拓したばかりのコーヒー屋にしけこみ、
イタリアンなファミレスで話し込みと。
『アマガミSS』についてゆるゆると語り、
互いのSS(こっちは書き物の方ね)についてまたゆるゆると語り。
過去の貴重な同人誌などをお借りして、
トータル6時間ばかりの楽しい会となりましたとさ。

あと、最後のイタリアンで、
ジョシコーセー二人を侍らせていたダンシコーコーセーを、
オイサンは絶対に許さない。

以下、アラフォーの曲目リスト。
曲の詳細はテキトーに調べてちょw


  ▼曲目リスト + 一口コメント


    「パ」はパパさんが歌った歌、
    「オ」はオイサンが歌った歌です。

irony (パ・オ)

ぴゅあぴゅあはーと (パ)

恋はあせらず (パ・オ)
 恋は焦らなくてもいいかもしれませんが、
 いい加減嫁さんは焦れと両親からはせっつかれております。オイサンです。


ミッドナイト・サブマリン (オ)

失われた伝説を求めて (パ)
 パパさんは高い所を得意とされます。

アイアンリーガー~限りなき使命~ (オ)

夢を信じて (パ)

路地裏の宇宙少年 (オ)

ダンバインとぶ (パ)

ドリーム・シフト (オ)

愛の金字塔 (パ)
 「某フォロワーさんとかぶるなあ」と、こんなときまで律義なパパさんです。
 二人の時はオイサンのことだけ見て欲しいのに。


ゆめデリバリー (パ・オ)

アクティブ・ハート (オ)

人として軸がぶれている (パ)
 パパさんからオイサンへの、痛烈なirony(違

がんばれこだま号 (オ)
 この辺からオイサンは山本正之しばりに入ります。

飛行少年 (パ)
 パパさんはパパさんで、青春時代のお歌メインになります。

空からブタが降ってくる (オ)

夕焼けの丘 (パ)

飯田線のバラード (オ)

サイハテ (パ)

うさぎ (オ)
 オイサン、突然の谷山浩子。

てんぷら☆さんらいず (パ)
 パパさん、反応w

メトロポリタン美術館 (オ)
 オイサン、裏切りの「みんなのうた」

あさごはんのマーチ (パ)
 パパさん、おかあさんと一緒(でしたっけ?)で対抗w

はじめてのチュウ (オ)
 オイサン、小ネタに走る。

・桜が丘女子高等学校校歌 (パ)
 パパさんの小ネタ。


……というね。
こうして流れを記してみるとわかりますが、
パパさんに気を使わせてばっかりのダメなオイサンですよ。
少しは接待をしろというんだ。

いいですか、ここをお読みの若い皆さん。
これではエラくはなれませんよ。
人生はそこそこ愉しいかもしれませんが。
パパさんを見習って下さい。


R0029213


オイサンでした。



 

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2010年11月23日 (火)

■底抜けインディアAmazin'!~本日は、カレー気分で~・Epilogue~帰り道 -更新第602回-

-1- / -2- / -3-
 
 
 
     *     *     *
 
 
 
店おじ「はい、これは食後のサービスね」
絢 辻「あ、ありがとうございます。すみません」


  食事のシメには、頼んでもいないコーヒーがついてきた。
  絢辻さんと一緒にいると、こういうオマケに事欠かない。
  もしかすると、支払った額面通りにモノゴトが終わったときの方が
  少ないんじゃいないかと思えるくらいだった。

  でも絢辻さんはそのコーヒーを飲み終えると、
  お店に入る前に宣言していた通り、


絢 辻「さて、それじゃ帰りましょうか」


  と、息をつく間もなくさっさと荷物をまとめてしまったから、
  僕も慌ててあとに続いた。


絢 辻「それで、どうだった?」
主人公「どうって?」


  店を出ると、来た時にはまだ辛うじて暮れ残っていた夕陽もすっかり落ちて、
  辺りはとっぷりと夜の底。
  街灯の、幾つ目かの光の輪をくぐったとき、
  絢辻さんが先を行く背中越しに尋ねてきた。
  僕にはなんのことか、すぐには分からなかった。


絢 辻「……怒るわよ。カレーに決まってるでしょ?
    あたしの好きな味を知りたいって言うから
    連れて来て上げたんじゃない」
主人公「あ、そうか。うん。
    なんていうか、普通のカレーよりもきっと手は込んでるんだけど、
    頑張れば、家でも作れるんじゃないのかな」
絢 辻「……あんまり、おいしくなかったってこと?」


  そのときの絢辻さんが肩越しに見せた表情は、……なんだろう、
  心細そうに見えた。
  一体何がそうさせたのかは分からなかったけど、
  僕がその先をきちんと応えるのに、
  言葉を選ばなければならないくらいには、繊細な感じがした。


主人公「そ、そうじゃないよ。特殊なものじゃないっていうだけで、
    おいしかったよ。とっても。
    ……ああそうか、味や辛さは真似出来ても、
    あの香りは難しいかもしれないね」
絢 辻「そっか」
主人公「うん……」


  そのあとの沈黙も、特別なものではなかったと思う。
  絢辻さんの鼻腔からもれる息遣いは鼻歌のようでもあったから。
  夜の絢辻さんは……外気との境目を曖昧にするから、なんだか難しい。


主人公「か、カツはどうだった?」
絢 辻「美味しかったわよ。
    でも、カレーをかけて殊更美味しくなるものだともあまり思わないわね」
主人公「そ、そっか」

絢 辻「美味しかったけどね」
主人公「それは良かったよ」


  美味しかった、を繰り返したのがどうしてなのか、
  なんとなく気遣いが伝わってきたから、僕も少しだけ得意になってそう返した。
  そうすると絢辻さんは、弾むように数歩先を行っていた踵を返すと、
  僕に並んで歩き始めた。そして悪戯っぽく笑った。


絢 辻「じゃあ、にんじんはどうだった?」
主人公「お、美味しかったよ。思ってたよりは、だけど」
絢 辻「フフッ。無理しなくていいわよ」
主人公「む、無理じゃないよ。自分ひとりだったら、まず食べてないからね」
絢 辻「それもそうね」


  白い息と一緒に、絢辻さんは笑みをこぼした。

  それは僕から絢辻さんへのご返杯だった。
  二人だから出来たこと。
  別に相手は絢辻さんじゃない、他の誰とでも出来ることだけれど、
  誰とでも出来ることを絢辻さんとしたことが大事なのだと、やっぱり思う。


主人公「そうだ、ねえ絢辻さん」
絢 辻「なあに?」
主人公「お昼の話を聞いてて思ったんだけどさ。
    それじゃあ絢辻さんは、カレーを作ったことは、あまりないのかな?」


  ……なんだか、そんな気がしていた。
  家で作る機会がないとなると、あとは学校のイベント、野外活動だとか、
  文化祭だとか。そうでもないと、
  カレーを作る機会なんてそうそうないだろう。
  だから。


絢 辻「作ったことがないわけじゃないけど、あまり真面目に、
    工夫をしたり、考えて作ったことはないわ」
主人公「今度、うちで作ってみてくれないかな」
絢 辻「……む」


  さすがに唐突だったろうか。
  思ったよりも反応が険しくて、僕は怯んでしまう。
  唇がとがったりはしないんだけど、真意を量りかねる、という程度には、
  ギワクめいた眼差しを頂戴してしまった。


主人公「あのお店の味を再現してみる。……っていうのは」
絢 辻「……」

主人公「……ダメ……かな……?」
絢 辻「別に、かまわないけど。
    要望がなんだか厚かましくなってる気がするわ」
主人公「はは、そんなことは……はは……」

絢 辻「……。フム。そうね。やっぱり、やめておきましょう」
主人公「ええ!? ど、どうして?!」


  勢い込んで訊ねた僕に絢辻さんはさっきお店で見せたより、
  輪をかけて含みありげな眦でほくそ笑んだ。


絢 辻「先々とね。それは、あなたの仕事としてとっておくわ」
主人公「僕の……シゴト?」
絢 辻「そう」


  絢辻さんは満足げに笑うけれど、当の僕には今度こそ、
  サッパリ意味がわからなかった。


主人公「カレーが?」
絢 辻「うん。カレーの日は、あなたが夕飯を作るの」
主人公「僕が……夕飯?」
絢 辻「そ・う・だって言ってるでしょ? 何よ、不服?」


  あんまりしつこく僕が確認するものだから、絢辻さんもいい加減、
  イライラしてきてしまった。
  でも、でも、ちょっと待って欲しい。
  それには一つ大きな前提が必要なはずだった。


主人公「そ、そうじゃないけど……」
絢 辻「けど、なに?」
主人公「それって、さ。僕と絢辻さん、
    一緒に暮らしてるって……前提、だよね?」
絢 辻「……」


  僕の問いかけに、絢辻さんはとぼけるように唇を空に向けた。
  あわよくば気付かれないで終われるし、勘付かれるならそれでもいい。
  そんな風に考えていたに違いない。
  『そっちにいったか』。
  それはそれでまんざらでもなさそうな気配が、
  上目遣いの瞳の隅に見え隠れするのを僕は見つけた。


絢 辻「……そうね。まあ、いいじゃない。
    あたしは、あなたが作ったカレーを食べたい」
主人公「……。そっか」
絢 辻「それだけ」

主人公「わかった。じゃあ、少し研究してみるよ」
絢 辻「うん。お願いね」


  ……こうして、絢辻さんお気に入りのお店でカレーを食べた。
  よし、次は自分で作って、絢辻さんに食べてもらおう!

 
 
 
                        (おしまい)
 
 
 

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■底抜けインディアAmazin'!~本日は、カレー気分で~・2・放課後・カレーで寄り道編 -更新第601回-

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     *     *     *
 
 
 
  そんなことがあって、夕刻。
  授業が終わり、絢辻さんの仕事を手伝って、
  色々終わったのが六時を回る少し前。

  僕と絢辻さんは程よく減ったお腹を抱えて、駅に向かって歩いて行った。
  絢辻さんはそのまま素直に駅へは向かわずに、
  住宅街と繁華街の丁度境目あたりにあたる角を折れると、
  住宅の中にぽつぽつと混じり始めるお店……それは薬局だったり、
  パーマ屋だったりするのだけど、そのうちの一軒の前で立ち止まった。


絢 辻「ここよ」
主人公「へえ、『グリル ポム・ルージュ』……。
    カレー専門のお店じゃないんだね?」

  床置きの、シンプルな四角い照明看板に、
  大きなガラスの張られた壁は深いレンガ色をしていて
  お店の中はぼんやりとしか窺うことは出来ない。

  落ち着いて、秘密めいて。
  いかにも絢辻さんが好みそうなロケーションではあった。

絢 辻「そうね、ただの洋食屋さん。意外だった?」
主人公「うん、少しね。だけど昔ながらの喫茶店みたいで、落ち着けそうだよ」
絢 辻「あたしの来るお店なんて大体そんなものよ。
    さ、席もあるみたいだし、さっさと食べて帰っちゃいましょ」
主人公「え?」

  絢辻さんはガラスのスモークが薄くなった部分を熟知していて、
  そこから店の様子を窺うと、さっさと入り口へ向かった。

主人公「せっかく来たんだし、ゆっくりして行かないの?」
絢 辻「ダーメ。帰って明日の予習もしたいし、
    それに、夕食時に学生がカレー二杯でねばってたら申し訳ないでしょ」
主人公「ああ、それもそうか……」
絢 辻「まったく。少しは気を回しなさい。さ、入るわよ」
主人公「ああ、うん」
主人公(そうか。絢辻さん、そうやって自分の居場所を
    なくさないように守ってきたんだな……)


  カランコロン、といかにもなカウベルが鳴り、
  奥から飲食店には程よい恰幅のおじさんが出てきた。


店おじ「やあ、いらっしゃいませ。いつもありがとう」
絢 辻「いえ、とんでもないです。
    二人なんですけど、大丈夫ですか?」
店おじ「え、二人? ああ、もちろん。お好きな席へどうぞ……といっても、
    いつもの席だね?」
絢 辻「フフッ、はい。ありがとうございます」
主人公「どうも」

  会釈で答える絢辻さんに、僕も続く。席は絢辻さんにお任せだ。
  絢辻さんは一応、かける前に一旦立ち止まって間をおくけれど。
  僕は当然、絢辻さんに奥の席を勧める。

  そして腰を下ろしながら「ありがとう」と返してくれるのは
  一連のお約束なんだけど、
  そういうことを守ることで、なんだか色々なことがスムーズに運ぶ気がする。

主人公「お店の人、二人って聞いて驚いてたね」
絢 辻「一人で来たことしかないからね。
    ……あたしと同じ、普通のカレーでいいの?」
主人公「ああ、うん。それでいいよ」


  絢辻さんはメニューを開き、一応僕に確認をとる。
  それが今日の目的だからそれでいい。
  僕は特に深く考えず返事をして、お店の中を見渡した。
  まだ夕飯時には少し早いとあって、お客は僕らのほかに四、五組。
  席は三分の一も埋まっていなかった。

  そんな落ち着きのない僕に、
  絢辻さんは開いたメニューの影から遠慮がちな視線を飛ばしてきた。


絢 辻「カツカレー、っていうセンもあるけど」
主人公「……? ええ、っと……」


  不思議なお伺いがひと手間はさまれ、僕は心で首を傾げた。
  なんだろう。
  胸と背中の真ん中辺りになんともいえない落ち着かなさを感じて一瞬考え、
  ふっと視線を絢辻さんに向けてみても、何のことは無い、
  メニューを覗いて僕からの返事を待っているだけにしか見えなかった。


主人公「……それじゃあ、そっちにしてみよう……かな?」
絢 辻「そう。じゃあ、カツカレーね」


  そんなやりとりの間にも、さっきのおじさんが
  お冷とおしぼりを持ってきてくれた。


店おじ「はい、いらっしゃいませ、と。
    今日のこの時間だと……
    フルーツジュースにクラッカーでいいのかな?」
主人公(え?)
絢 辻「あ、いえ。今日はカレーなんです」
店おじ「へえ、珍しい」


  絢辻さんの返事におじさんは、下がり気味の穏やかな目を、意外そうに丸くした。


店おじ「お休みの夜でもないのにカレーかい?」
絢 辻「ええ、今日はなんだかお腹空いちゃって。
    恥ずかしいんですけど」

店おじ「そうですか。いや、若いんだからたくさん食べないと。
    じゃあ今日は、量も……」
絢 辻「あ、いえ。量はいつもの通りで」
店おじ「はい、承りました。……お連れさんは?」
主人公「僕は、ええっと、カツカレーを」

店おじ「量は、詞ちゃんと同じでいいかい?」
主人公「え?」
絢 辻「あ、この人のは大盛りにして上げて下さい」


  おじさんの意図のわからない問いかけに僕が戸惑っていると、
  絢辻さんが横から助け舟を出してくれた。
  それを聞いて、おじさんは愉快そうに笑った。


店おじ「はは、そうですよね。
    じゃあ、普通のカレーとカツカレーを一つずつですね。
    はい、少々お待ち下さいよ」

主人公「……」
絢 辻「ふー」


  おじさんがテーブルを離れていき、僕はなんとなく落ち着かない。
  絢辻さんはおしぼりで、じんわりと手を温めている。


絢 辻「気持ちいい。……どうしたの?」
主人公「色々、随分慣れてるんだね」
絢 辻「まあね。ここには、カレーだけじゃなくて、来ることもあるから」
主人公「ああ、そうなんだ」
絢 辻「うん。曜日とか時間帯で頼むものも偏ってきちゃうから、
    それで、ね」
主人公「そういうことか。ははっ」
絢 辻「何よ?」


  僕の笑いの意味を受け止め損ねたのか、絢辻さんは珍しく、
  本当にニュートラルな「何よ」を投げてきた。


主人公「いや、さすが絢辻さんは、ちょっと大人っぽいなと思ってさ。
    お得意さんってやつだね」
絢 辻「からかわないで」
主人公「え? 別にからかってなんか……」
絢 辻「要らないわよ。そんな大人っぽさ」
主人公「そ、そっか」
絢 辻「大体……」


  と、絢辻さんは何か言おうとして言葉を切った。
  何が気に障ったのか、気まずい沈黙……。

  けど最近思うのは、こういう沈黙を気まずく思っているのは、
  どうやら僕の方だけみたいだ、ということ。
  絢辻さんにとっては、言葉のやりとりのおしまいで、その気分も
  もう終わっているらしかった。


絢 辻「……」
主人公「……いいお店だね」

  そう分かっていても、次の切り出しは少しこわごわになる。

絢 辻「うん」
主人公「おじさん、一人でやってるのかな?」
絢 辻「オーナーの女の人と、あとは雇われの店員さんみたいね。
    さっきのおじさんは店長だけど、雇われよ」
主人公「そっか」


  店には古い歌謡曲が流れていた。
  やがて厨房の奥からカレーの香りが漂い出すと、ぼくはそわそわ。
  絢辻さんにたしなめられながら待つこと数分、
  テーブルに、中年の女の人がカレーを運んできた。


店おば「はい、お待ちどうさま。
    カレーを二つと……付け合せはここに置くから、お好きにね」
主人公「あ、ありがとうござ……え?」


  テーブルの上に置かれたものを見て、僕は驚いた。
  目を丸くして絢辻さんを見たけれど、絢辻さんも……
  僕ほどではないけれど、軽く面食らっているようだった。

  運ばれてきたのはライスだけが盛られたお皿
  (僕のにはカツも乗っている)が二つと、
  ……カレーソースがなみなみとよそわれた、銀色の……
  なんて言う名前なんだろうコレ、
  アラジンと魔法のランプみたいな、いかにもな形の器が「一つだけ」。
  絢辻さんのお皿には、ライスがぽっちりだけ。


店おば「うん? どうかしました?」
絢 辻「あ、なんでもないんです。すみません」
店おば「そうですか? じゃ、ごゆっくりどうぞ」


  絢辻さんは僕の視線に気が付いて、
  さらにお店のおばさんが僕らの様子を訝しんだのにも気が付いて、
  取り繕っておばさんを追い返してしまった。


絢 辻「ふぅ……。ちょっと、どうしたのよ。びっくりさせないで」
主人公「え、だけど絢辻さん、これ……」
絢 辻「ふぅん……」

  絢辻さんも小さく肘を抱いて、ひと思案。

絢 辻「あなたが驚いてるのは……こっち? それとも、こっち?」


  絢辻さんが指差した、一つ目は、絢辻さんのライス皿。
  極端に量が少ない。
  二つ目は、カレーソースの入った銀の容れ物。


主人公「りょ、両方」
絢 辻「やっぱりね。でも、こっちは簡単」


  絢辻さんのライスは、スプーンで、ひと匙、ふた匙……
  五回も掬えばなくなってしまいそうだ。
  僕のライスの1/4程度、ケーキ皿のような皿に少ししか盛られていない。
  僕のが大盛りだとしても、幾らなんでも少なく見えた。


絢 辻「言ってるでしょ。あたし小食だって。
    だからいつも、この量にしてもらってるの。残すと悪いからね」
主人公「そうなんだ……」
絢 辻「問題は……こっちよね」


  絢辻さんが面食らっていたのは、カレーソースの方だった。
  銀色の船型の器は、とうとう一つしか運ばれてこなかった。


主人公「一つだけ……なんだ」
絢 辻「これで二人前ってことか。
    一人でしか来たことないから、分からなかったわ」
主人公「分量的には……十分そうだけどね」


   僕はその器に添えられたスプーンで軽くひと混ぜしてみて確かめる。
   とろりとした重みがあって、艶のある、明るい黄色をしていて。
   中身はいかにもおいしそうなんだけど。


絢 辻「ソースの味が違っていれば二つ来たんでしょうけど。
    ……まあ、付け合せのポットが一つしかないのと、
    感覚的には同じなんでしょうね」


  らっきょうと福神漬けの入ったガラスの器を
  テーブルの真ん中に移して、絢辻さんは一つ頷いた。


絢 辻「うん。
    まあ、スプーンは専用のがついてるわけだし。
    気にするほどのことじゃないわね。戴きましょうか。
    いただきます」
主人公「い、いただきます」

  二人同時に合わせた手をから顔を上げると、
  一瞬お見合い状態で止まってしまった。
  しばらく様子を窺ったものの、先に動くのは絢辻さん。


絢 辻「お先にどうぞ」
主人公「じゃあ、遠慮なく」


  絢辻さんの掌に促され、僕はカレーソースの器に添えられたスプーンを取った。
  軽くひと混ぜふた混ぜしたソースをライスとカツの上にまんべんなくよそうと、
  スパイスの複雑な香ばしさがより一層強く辺りに漂った。


主人公「あ、いい匂いだ。意外と本格的だね。この器といい」
絢 辻「ふふ、そうでしょ? こういうのって、結構雰囲気が大事よね」
主人公「もしかして、それでこのお店?」
絢 辻「そればっかりじゃないけどね。でも理由の一つではあるわね」


  言いながら、手持ち無沙汰になったのか絢辻さんは
  付け合せの器かららっきょうを一つ自分のライス皿に摘み取り、
  スプーンで口に運んだ。
  唇の奥から聞こえてくる、ぽりぽりというなんでもない音がかわいらしい。


主人公「はい、じゃあ絢辻さんどうぞ」
絢 辻「ありがと」


  僕は絢辻さんにソースの器を譲り、一足先に、自分のカレーを口に運ぶ。


主人公「それじゃいただきます……あ、おいしい!
    本格的なのに、ちょっと懐かしい感じだ」
絢 辻「懐かしい?」
主人公「古めかしいっていうか、庶民的っていうか」
絢 辻「そうなのね。……うん、やっぱりおいしい」


  絢辻さんも、本当に少ないライスをカレーソースと一緒にひと掬いして口に運ぶ。
  長い髪を少しじゃまくさそうに、耳の後ろへ逃がしながら。
  その言葉を聴いて、僕は少し嬉しくなった。


主人公「ははっ」
絢 辻「? また。何なのよ」

主人公「いや、あんなこと言ってたけど……
    やっぱり、おいしいと思ってるんだな、って」
絢 辻「ええ? ああ……。うん、そうかもね」


  お昼に自分で言ったことを思い出し、絢辻さんは苦笑いした。


主人公「うん、でも、本当においしいよ。
    そっか、これが絢辻さんの好きな味なんだね」
絢 辻「そう? お口に合えば、良かったわ。
    あなた、味には意外にうるさいみたいだしね」
主人公「ははは……B級専門だけど、ね……ぅぉ」


  微笑みの戻った絢辻さんを眺めながら、
  もうひと匙ソースを追加しようと掬い上げ……僕は、悲鳴を上げてしまう。


主人公(な……なんてことだ!!
    にんじんを掬い上げてしまったじゃないか……っ!!
    こ、ここは絢辻さんに見つからないように、もう一度沈め直して……)


  そろ~り……。


絢 辻「……! あ! こらっ! 何してるの!」
主人公(ぎくっ)


  僕の怪しい動きを察知した絢辻さんは、子供を叱る調子で険しい声を上げる。
  僕はそのまま動きを止め……絢辻さんはわざわざスプーンを置いて、
  腕組みでこちらを睨み付けてきた。


絢 辻「ハァ……あなたって本当に……。
    子供じゃないんだから、にんじんくらい食べたら?」


  いからせた肩から、小さくこぼれた溜め息とともに言う。


主人公「べ、別にそういうつもりじゃ……」
絢 辻「じゃあ何」

主人公「……」
絢 辻「……」


  目つきは鋭い。到底逃げおおせるものじゃない。


主人公「……ごめんなさい」
絢 辻「まったく……」


  再び。
  かちゃりと自分のスプーンを取った絢辻さんは、
  そのまままた、カレーを口に運ぶのかと思いきや。
  ずずい、と自分の小さなライス皿を僕の方へと突き出した。


絢 辻「はい」
主人公「え? た、食べてくれるの?」
絢 辻「そんなわけないでしょ! 没収よ、ぼ・っ・しゅ・う!!」
主人公「ぼ、没収!?」


  な、何を?


絢 辻「罰として、カツをふた切れ、寄越しなさい!」
主人公「そ、そんな!」
絢 辻「だぁーめ! はい、寄越すの」


  そう言って絢辻さんは、さらにずずいとライス皿を突き出すと、
  さっき掬って食べたライスの空きスペースを、スプーンでつんつんと指し示した。

  一体どういうリクツなのか、全然納得できなかったのだけれど……
  僕はしぶしぶ、絢辻さんのライスの上にカツを……
  嗚呼、こんがりときつね色の香気をたちのぼらせる愛しいカツをふた切れ、
  里子に出した。


主人公「トホホ……大事にしてもらうんだよ」
絢 辻「はい、いい子ね。じゃあ、ご返杯」


  それと引き換えに絢辻さんは、僕の手からカレーソース用のスプーンを奪うと、
  にんじんの乗ったカレーを僕のライスにとろりとよそった。


主人公「ううう……為替レートが随分下がった感じだよ……。
    大体、なんでふた切れ……」
絢 辻「ひ、人聞きが悪いわね。にんじんだっておいしいじゃない。
    ……うん、衣がサクサクね。おいしい♪」


  ちょっと嬉しそうに鼻歌なんか歌いながら、
  自分の……僕のだけど!……カツの上にカレーをかける絢辻さんを見て、
  僕はぴーんと来た。


主人公「……カツが食べたかったのなら、素直に言えばいいのに……」
絢 辻「!」
主人公「そうなんでしょ? 一人前頼んじゃうと食べ切れないから。
    食べてみたかったんだよね? ここのカツ」
絢 辻「……」


  ホラ来た、ビンゴ。
  一瞬、動きをカクンとぎくつかせ。絢辻さんは赤らんだ頬で、
  ギロリと僕をねめつける。
  僕はもう、半分やぶれかぶれだ。
  あとでどんな恐ろしい目に遭わされるかわかったものじゃなかったけど、
  絢辻さんを追い込んでみた。


主人公「ちがう?」
絢 辻「……違わない」


  この気配の懐かしさは、いつか公園で犬におしっこをかけられた絢辻さんを
  あやしたときに似ていた。


主人公「やっぱり」
絢 辻「な、なによ。いいでしょ、別に」
主人公「そりゃ構わないけど、罰として、なんて言わなくてもいいじゃないか。
    『ここのカツを食べてみたいから一切れ頂戴』でいいじゃない」
絢 辻「う、うるさいわね! ……ああ、なるほど」


  窮鼠……否、窮猫、僕を噛む。
  そのとき絢辻さんの瞳が、
  もうこれ以上ないくらいの底意地の悪さで黒光りするのを僕は見逃さなかった。
  それで身の危険を察知して、
  いつでも逃げられるように少し腰を浮かせたのだけれど……
  それが、僕の命取り。
  そのとき一番大切なはずの物から、距離をとってしまうことになった。


主人公「な、何だよ」
絢 辻「フフフ……。
    にんじんが一切れだけだったから、物足りなくてすねてるのね?
    ごめんなさい、気付かなくって。
    そうよね、カツふた切れに、にんじんがたった一つじゃあねえ……」


  お留守になった僕のライス皿に、絢辻さんは……。
  その目、ゆび先には一体どんなサーチ機能が備わっているのか、
  カレーソースの底に沈んで見えないはずのにんじんを次から次に掬い上げ、
  ひょい、ひょい、ひょいと、僕のライスの上に盛っていく……!!

  え、うわあああああああああああああああ!!!
  ライスが! 僕のカレーライスが真っ赤に!!


主人公「ちょ、絢つ、やめっ!」
絢 辻「あ」


  取り乱した僕はもう後先を考えるゆとりもなくて、
  絢辻さんのβカロチン爆撃から逃れることに必死でさっとお皿を引いてしまった。
  いきおい、最後に投下された超大型にんじん(コードネーム;リトルボーイ)は、
  ぺちゃんと音を立ててテーブルの上に落っこちた。


主人公「あ……」
絢 辻「……」


  静寂。
  絢辻さんは……厨房とカウンターへ目をやって、
  お店の人にこの騒動が勘付かれていないことを確認してから、
  ……それからゆっくりと……険しく、鋭い光を僕に投げつけてきた。
  無言で。


絢 辻「……」
主人公「えと……」
絢 辻「…………」

主人公「い、今のは僕は悪く……」
絢 辻「………………」

主人公「あ、絢辻さんが食べ物で遊ぶようなことを……」
絢 辻「……………………」

主人公「その……」
絢 辻「……!…………!!………………!!!」

主人公「すみません……でした……」
絢 辻「はい。じゃあどうするの?」

  ……しぶしぶ。
  僕は、絢辻さんがソースのポットに戻したスプーンを手に取ると、
  テーブルの上のにんじんを掬い上げて、脇にあった灰皿にぽてんとよけた。
  そして備え付けの紙ナプキンで、テーブルの上のカレーソースをふき取った。


絢 辻「全く。みっともないことになっちゃったじゃない」
主人公「……」


  僕は俯き。
  絢辻さんはかちゃ、かちゃと音を立てて自分のカレーを口に運んでいるようだったけど。
  さすがの僕もコレには納得がいかなくて……
  顔の真下にある、にんじんが三つも積まれたカレー皿を見下ろしていた。

  絢辻さんが好きだっていうカレーの味を知りたかっただけなんだけど。
  こうなっちゃったら、それを上手く味わうことも難しくなってしまった。
  苦手のにんじん。
  ここから先は、ゴハンとお水で流し込むしかなさそうだ。


  ……はあ。なんだかなあ……。


  とても残念な気持ちで、僕がやれやれと仕方なしに手を動かしたそのとき、
  下を向いた僕の顔とライス皿の間に、スプーンが割り込んできた。
  それは静かに翻ると、器用ににんじんだけを二つ、
  ライスの上から攫って視界から消えていった。


主人公「?」
絢 辻「悪かったわよ」


  驚いて顔を上げたら、身を乗り出した絢辻さんが
  すとんとソファに腰掛けなおすところだった。
  その手にはスプーンが握られていて、その上にはモチロン、
  にんじんがふた切れ乗っかっている。

主人公「……いいの?」
絢 辻「仕方ないでしょ。
    別に今日は、あなたの好き嫌いを矯正しに来たわけじゃなし。
    楽しく食べて帰りましょ」


  そう言うと絢辻さんは。らしくなく、ちょっとお行儀悪く開けた大きな口で、
  スプーンの上のにんじんを二ついっぺん、あむっと頬張ってしまった。


主人公「……はは」
絢 辻「モグ、モグ……。……なによ。
    いずれ、ちゃんと食べられるようになってもらいますからね」
主人公「うん。そうだね。頑張ってみるよ」

  絢辻さんにそうまで言われたら、こちらも少しはやる気を見せざるを得ない。
  僕は自分のお皿に残された最後のにんじんを救い上げると、
  ぱくっと口に放り込んで見せた。
  ……のだけれど。


絢 辻「……」
主人公「?」


  どうしたんだろ。
  絢辻さんは驚いたような顔をしたかと思うと……見る見る呆れ顔になった。
  そして小さくかぶりをふると溜め息をついた。


絢 辻「ハァ……」
主人公「何? どうかした?」
絢 辻「あなた、それ」
主人公「?」


  絢辻さんは僕の手元を指差すけれど……何のことだか分からない。
  おかしなところは、何も見当たらないんだけどなあ。


主人公「何?」
絢 辻「わからない? ス・プ・ー・ン」
主人公「スプーン? スプーンならちゃんと……あ」
絢 辻「それ、カレーソース用のでしょ」


  僕がにんじんを口に運び……ぱくんとやったそのスプーンは、
  さっきソースポットから引き上げた、カレーソースをよそうためのものだった。
  これは……純粋に僕の失敗だ。


主人公「ありゃあ……はは……」
絢 辻「本当に……ありゃあじゃないわよ」
主人公「ご、ごめん。すぐ替えてもらうね、すみま……!」
絢 辻「いいわよ、別に。ほら貸して。使うんだから」
主人公「え、でも、あ」

  店員さんを呼ぼうと僕が振り向いた、
  その隙を狙って絢辻さんはまた僕の手からスプーンを奪い返した。

  そして僕が制止する間もなく、
  僕が口に入れたスプーンをとぷんとカレーソースの中に沈めると、
  何食わぬ顔でソースをひと混ぜ。
  なみなみと掬い上げたそれを、残り少ない自分のライスと、
  もう一切れのカツにかけた。


主人公「……いいの?」
絢 辻「知ってる? これの名前」


  突然の質問。
  僕はまたその流れの速さについていかれず、二つの疑問の間で右往左往する。
  「いいの?」ということと、「いきなり何?」ということ。

  「これ」っていうのは、言わずもがな、
  カレーソースの入った、魔法のランプのことだ。
  絢辻さんはカレーをよそい終えた、返すピンク色の爪の先で、
  その容器のふちをチンと弾いた。


主人公「し、知らない。……けど」

絢 辻「『グレイビーボート』って言うのよ。
    グレイビーはお肉をもとに作られるソースのこと。
    ボートは、お池に浮かべるあのボート」
主人公「そうなんだ。へえ」


  さすが、絢辻さんはハクシキだなあ。
  ……じゃなくて。
  残されたもう一つの疑問に触れようとしたら、

絢 辻「別に、構わないわよ」

  と、それにもするっと先回りされてしまった。


絢 辻「あからさまにやることじゃないとは思うけど、
    嫌がるようなことでもないでしょ?」
主人公「そりゃ、僕は、まあ……」


  大歓迎、とは言わないでおこう。と心で呟いた僕以上のことを、
  絢辻さんは……


絢 辻「唾液の交換なら、とっくに済ませたんだし」
主人公「ぶっ!!」


  サラッと言うから、僕は暴発事故を起こす。
  そしてそれをまた咎められるんだから始末におえない。


絢 辻「きっ……! だから! 行儀が悪い!」
主人公「げほっ、げほっ……あ、絢辻さんの言葉のチョイスの方が、
    よっぽどお行儀が……!!」

絢 辻「だって本当のことじゃない」
主人公「それはそうかもしれないけど! 露骨な……それに」
絢 辻「……?」


  その先を言葉にしようか……、咳き込む肺の奥で、僕は言い澱む。
  唾液の交換って。それじゃまるで……。
  言ってしまったら、なんだか自分が惨めな気持ちになるような気がするし、
  もし違っていたら……多分違っているとは思うけど、絢辻さんにまた、
  不機嫌な思いを運ぶことになりかねない。

  その、ほんのわずかな間を読み取ったのか、それとも、
  そもそもそういう展開になることまで見越しての、
  絢辻さん一流の言葉選びだったのか。


絢 辻「心配しなくたっていいわよ」
主人公「え?」
絢 辻「それきりのことだなんて、思ってないから」
主人公「え……」
絢 辻「あ、辛い」

  と、絢辻さんは言葉をそこで切って、やっぱり少し邪魔くさそうに髪をかき上げ、
  唇の奥へスプーンを滑らせた。

  かちん、と控えめに、スプーンに歯が触れる音がして、
  薄紅色のつややかな唇は、つるりと出てきたスプーンの
  銀色の鏡面につぶれてふるえ、照り映える。
  そして少しだけカレーの黄金色に汚れた唇を、
  今度は舌がちろりと覗いて拭っていった。

  そんな一瞬の、仕草とすら呼べない当たり前の振る舞いさえ、
  つやめかしくて、艶かしいのは。
  多分僕が、絢辻さんに恋をしているから……なんだろう。
  相手が美也や梨穂子じゃ、こうはいかないものな、きっと。

絢 辻「ね。結構辛いわね」
主人公「え! ……ああ、うん。結構、ね」


  おかしなことに見惚れていたのは、多分、見破られてはいたのだろうけど。
  絢辻さんが見なかったことにしてくれたから、僕もごまかすフリをして。
  自分のカレーをひと匙食べた。

  うん、辛い。
  辛くて、おいしい。そこまではストレート。
  どこか懐かしい、けれど秘密めいた迷路みたいに複雑な香りが、
  顔の中一杯に広がる。

  それは、つまり。
  きちんと、気持ちのこもったものだったって、思って良いってことだよね?

  確かめるまでも無いけれど、
  絢辻さんが額を汗でちょっぴり光らせて、頬や、首筋や、
  耳のふちを赤くしてるのは……
  インド人もびっくりの、この店の特製スパイスのせい……なのかなあ?
 
 
 
                              (続く) 
 
 
 

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■底抜けインディアAmazin'!~本日は、カレー気分で~・1・休み時間・放課後の約束編 -更新第600回-

-1- / -2- / -3-
 
 
 
  ぐぎゅるう~。
 
 
 
絢 辻「……」

  三限終わりの休み時間。いわゆる休3の時間帯ってやつだ。
  屋上へ出、そこにいた絢辻さんと合流するなり……
  僕の中の非常ベルが鳴った。
  絢辻さんはその音の大きいことに一瞬目を丸くすると、
  まるで我が事のようにほっぺたを赤くして……雰囲気を険しくした。

絢 辻「……」
主人公「……」
絢 辻「品がない」
主人公「はは、面目ない……」

  きまり悪く頭をかく僕に、絢辻さんは

絢 辻「朝、ちゃんと食べてこなかったの?」

  と、ちょっとあきれ気味だけど、心配そうでもある。
  気を使ってくれてるんだ。ありがたいなあ。

主人公「食べてきたんだけど……さっきテラスの前を通ったら、
    学食の方からカレーの匂いが漂ってきて、さ」
絢 辻「それでつられてお腹が空いちゃった、と」
主人公「そういうこと」

  アッケラカンと僕が応えたら、
  絢辻さんは一つ、鼻から小さな息を漏らした。

絢 辻「ケダモノ」
主人公「なっ!? そ、それはひどいよ! せめてこう……動物的とか!」
絢 辻「ああ、そういう意味に解釈してもらって結構よ」

  ……。
  そんな、さらっと。ニュアンスが違いすぎるよなあ。
  けど絢辻さんはまたすぐに笑顔を作ると、

絢 辻「冗談よ。まあ、そういうことってあるわよね。
    それじゃあ、今日のお昼は学食でカレー?」

  と、フェンスにもたれかかった。そうしたいのは、山々なんだけどね。
  僕は鞄の中に入れてきたランチボックスを思い出す。

主人公「それが、今日は昨日の残りをまとめて
    弁当を持って来ちゃったんだ」
絢 辻「あら珍しい」
主人公「うん。こんな日に限ってね。だからカレーはお預け」
絢 辻「フフッ、それはそれで辛いところね」
主人公「まあね」
絢 辻「フフフッ」

  ぽん、と絢辻さんは目を丸くして、愉快そうに肩を揺すった。
  確かに、僕が弁当を持参することは稀だから。
  何もこんな日に重ならなくてもいいのにとは、僕も思う。
  何気ない時間だけど、こんなやりとりがすごく幸せだ。
  その勢いに乗って聞いてみる。

主人公「……そうだ。ねえ、絢辻さんはどんなカレーが好き?」
絢 辻「どんなって?」

  どんな。……改めて求められると難しい。

主人公「たとえばほら、ポークかビーフか、とか。
    ジャガイモは入れるか入れないか、とか」
絢 辻「ああ、そういうこと。ふーん、そうねぇ……」

  僕のおーざっぱな具体例で大体飲み込めたのか、
  絢辻さんは腕を組み、クルッと視線をはずす。
  いつものしぐさだ。そして、少し考えて。

絢 辻「一番美味しいと思ったのは、
    ちゃんとしたスパイス専門のお店で食べたカレーかしらね。
    辛さと香りに深みがあって、でもスパイスのクセが鼻につき過ぎなくて。
    全体的にまろやかで」

  その香りと味を反芻するように、絢辻さんは少し長めに瞳を閉じて語った。
  絢辻さんが表現すると、すごく美味しそうに聞こえるから、不思議だ。

主人公「へえ……。
    それは、インド風の?」
絢 辻「ううん、日本人のシェフが作ってた。
    カレーって、確かに大もとはインドが発祥なのかもしれないけど、
    日本人の好きなのは日本向けにアレンジされてるんでしょうね」
主人公「学食のカレーはどう思う?」

  これはこれで、大事な話だ。けど、返ってきたのは意外な答えだった。

絢 辻「わからない。食べたことないもの」
主人公「えっ? ないの?」

  これには僕も驚いた。そんな人もいるんだ……なんて言ったら、
  またヘソを曲げられちゃうんだろうけど。
  驚かれたことだけでも、「全然じゃないけど」と若干不満そうだ。
  悪いことしたかな。

絢 辻「一年のとき、クラスの子と一緒になって
    一口だけもらったことがあるわ。でも、あまり憶えてない。
    美味しくも不味くもなかったってことかしら」
主人公「そうなんだ。じゃあ家のカレーは?」
絢 辻「……」

  分かってはいるけど、一応聞いてしまう。
  案の定、絢辻さんの目じりに鋭い険が立つ。

絢 辻「それは『あたしの家の』ってことよね。またそういう話?」

  あきれ気味、怒り気味。声にもズシリと迫力が増す。
  ああ……。

主人公「ご、ごめん、でも……」
絢 辻「ハァ、全く……」

  怒気を帯びながらも諦め半分。
  絢辻さんの返してくれた答えは……これまた、あまり聞きなれないものだった。

絢 辻「ま・ち・ま・ち」
主人公「ま、まちまち?」
絢 辻「そ。まちまち。スパイスから作ってるときもあるし、
    市販のルーのときもあるわ。
    スパイスは毎回調合が違うみたいだし、ルーもどれって決まってないと思う。
    大体、お母さんが作るか、お姉ちゃんが作るかで全然違うのよ」

  ……お姉さんも台所に立つんだ。そのことの方が意外かも。

主人公「そ、そうなんだ。珍しいね」
絢 辻「そうかしら。それで育ってきたから、知らないわ。
    毎回味が違うのがウチ流ってことでしょうね。
    ……そもそも、うちに家庭の味なんてものがあるか、甚だ疑問だけど」

  最後のセンテンスは、ある意味いつものお約束だ。
  つまりは、これ以上この話題には触れてくれるな、というけん制でもある。
  流れをちょっと変えようか。

主人公「そっか……。
    絢辻さんは作らないの?」
絢 辻「どうしてあたしが、
    あの人たちにご飯を作ってあげなくちゃならないのよ」

  さらなる不機嫌到来。しまった、あまり流れが変わらなかった。
  僕は慌てる。

主人公「いや、ほ、ほら。そうじゃなくても自分で食べたいときとか」
絢 辻「そんなの外で食べるわよ。
    ひとり分だけ作るわけにもいかないでしょ、カレーなんて」
主人公「そうかあ……」

  ご尤もデス。
  鍋いっぱいに作って、ようやく美味しいってものだものな、カレーは。
  ん? でも待てよ、ということは……。

絢 辻「……。
    どうしたのよ。急に黙らないでくれる?
    また何か良からぬことを考えてると判断して、制裁を加えるわよ?」
主人公「せ……! ち、違うよ!」
絢 辻「あら残念」

  またこの人は!

主人公「油断も隙もないなあ……。
    そういうことなら、絢辻さんは近くに美味しいお店を知ってるのかなって
    思っただけじゃないか」
絢 辻「美味しい? うーん……」

  これまた不思議に、絢辻さんは困った頬に人差し指を当て、ぐぐっと首をかしげた。
  あ。あんまり見ない仕草で、ちょっとかわいい。

主人公「ちがうの?」
絢 辻「美味しいかと言われると……どうかしら。
    けど、飽きない味ではあるわね、あのお店のカレーは」

  キラーンミ☆ その言葉を待ってとばかり、僕は身を乗り出した。

主人公「よし、じゃあ、そのお店に行こう!」
絢 辻「え? ちょっと、何言い出すのよ!?」
主人公「今の話だと、決まったお店があるんでしょ?」
絢 辻「うっ……」
主人公「僕、絢辻さんが好きなカレー、食べてみたい」

  「しまった、余計なことを言った」。絢辻さんはそんな顔で一歩引いたけど、
  ここは、押しだ!

絢 辻「何を勝手に……。別に私、今日はカレー、食べたくない……」
主人公「だったらまた今度でもいいよ。
    絢辻さんが食べたくなったときにでも。ね?」
絢 辻「……」

  絢辻さんはまだまだ乗り気でない……というか、
  子供が駄々をこねるみたいに視線を逃がすけれど。

主人公「ね、絢辻さん。……だめ、かな?」

  僕も視線を回り込ませて退路をふさぐ。
  だって、知っておきたいんだ。絢辻さんの好きなもの。
  すると、観念してくれたのだろう。やがて、小さなため息とともに。

絢 辻「……いいわ、わかったわよ」
主人公「本当? やった!」
絢 辻「まったく……」

  強引に押し切られ、絢辻さんしばらく不機嫌そうにしていたけれど。
  諸手を挙げてはしゃぐ僕を見て少しは気が晴れたのか、
  組んでいた腕を背中に回して肩をすくめた。

絢 辻「はいはい。それじゃあ今日の帰りにね」
主人公「え、きょ、今日?」

  またしても急転回だ。今度は僕が戸惑う番。
  小躍りしていた足を止め、絢辻さんを振り返る。

主人公「今日でいいの? だけど、さっき……」
絢 辻「カレーカレー言ってたら、なんだか食べたくなっちゃいました。
    文句ある?」

  ……これは、多分方便。
  絢辻さん、ほとんど棒読みに言い切るとすっきりさっぱり、
  少し重みを加えた声音で僕に了承を押し付ける。
  「ここにハンコを押すのよ、いいわね?」って言われたのとおんなじだ。
  無論僕には、異存はない。

主人公「な、ないです! 全然! ははっ! 楽しみだなあ!」
絢 辻「まったく。たかだかカレーぐらいで何を大騒ぎするのかしら」

  そう言うと絢辻さんはおしりでフェンスを押して歩き出し、
  とことこと階段の方へ向けて歩き出した。休み時間もそろそろおしまいか。
  僕もその後を追いながら、浮かれてニヤニヤ考える。
  ははっ! 放課後に楽しみが出来たぞ!

主人公(それにしても、
    「カレーの話をしてたら食べたくなっちゃった」、か……。
    絢辻さんも、人の子だなあ)

絢 辻「……ちょっと。
    今何か、ものすごく失礼なことを考えたでしょう!?」
主人公「え!? か、考えてないよ!?」

  なんですぐに僕の心を読むの!?
  怖いから勘弁してください!!

絢 辻「どうだか。まあいいわ。
    ……おあつらえ向きに、六限目が体育だったわよね。
    しっかりお腹を空かせてらっしゃいね」
主人公「うん! がんばるよ!」
絢 辻「フフッ、子供みたい♪ じゃあね。先に戻るわね」
 
 
 
  ……こうして、放課後は絢辻さんとカレーを食べに行くことになった。
  楽しみだなあ。
 
 
 
                            (続く)
 
 
 
 

 
 
 
はいどうも、オイサンです。
皆様いかがお過ごしでしょうか(コレと言ってやる気のない挨拶)。

今回のSSはですね、えー、今年の6月頃でしたか。
Twitter上のSS書き同士で、どうでもいいやりとりをきっかけに

  「色んなヒロインが、主人公とカレーを食べに行く」
  という縛りで一篇ずつ書いてみるのはどうか?

というお話なり、……えー、それから5カ月あまりですか。
半分くらいまで書くだけ書いて熟成させていたものを、
「そろそろ頃合いだろう」ということでですね、満を持して発表する……そんなものですよ。ええ。
ほったらかしにしたわけでも、忘れてたわけでもないのですよ、エエ。

機は熟した! と。
だってホラ、ものがカレーですから。
一晩寝かすと美味しくなるって言うじゃないですか。
あれですアレ。

ぼちぼちイイ感じに仕上がってきたので、そろそろ皆さんに召し上がっていただこうかと、
このように考えた次第です。
ちなみに、同じお題でお書きになっている方をご紹介しておきたいと思います。


  ▼ちひろさん( ちびすけ父さんさん )
   アマガミ 響先輩SS 「グリーンカレーは大人の辛さ」
   アマガミ 響先輩SS 「カレーソースは死の香り」
    [無限夜桜ヨコハマ分室 さくらがおか]

  ▼wibleさん
   【SS】グリーンカレーは刺激が大事
    [ UNDER MY SKIN ]

他にもお書きになる方・なってる方がおられましたらお知らせ下さいね。
それでは引き続き、第二部・第三部をお楽しみください。


オイサンでした。
 
 
 

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2010年11月22日 (月)

■私信 -更新第599回-

ども、オイサンです。

戴いた、絢辻さんのテーマのピアノ演奏、聴かせて戴きました。
先ずはシンプルな感想の言葉として……
月並みですが、すごかったです。

とはいっても、
オイサンには編曲や演奏の良し悪しを正当に判別できるような耳や知識はないのでアレですが、
それでも、オイサン的にたくさんの刺激・衝撃、新しく気付いたことがたくさんあり、
そのことに非常に感激しています。

実のところ、オイサンは絢辻さんのテーマって、もちろん好きではあるのですが、
前回戴いたメインテーマほどの強い思い入れや格別の好きさはなく、
次は絢辻さんのテーマを弾かれると聞いたときにも
「ああ、次はあれなんだ、ふーん」
くらいにしか思っていなかったのです。
失礼な話。

……ですけども、これは。
これはすごい。すごかった。

  音楽ってすごい、
  音楽を作る・編曲するってすごい。
  音楽を演奏するって、すごい。

そんな驚きと発見の実感に満ちた2分49秒でした。
聞けば、この曲の解釈と編曲にひと月あまりのお時間を費やされたとのこと。

ですのでオイサンもそれにお応えすべく、僭越、浅薄ながら、
出来る限りの耳と言葉で、聴きとったところを解釈と感想としてお届けしたいと思います。
性分で長くはなってしまいますが、呆れずに受け取って戴ければ幸いです。



        ▼



まず全体通して感じたのが、
「ああ、これは『アマガミ』ゲーム本編の、絢辻さんの物語そのものを表現しているんだな」
ということでした。
もしかするともっと大きなターム、彼女の17年という時間なのかも知れない? とも思いましたが、
彼女の物語を著したものに違いないと思いました。

1フレーズ目……っていうんでしょうか。
メロディーが2周するうちの1周目は、聴きながら
「あ、随分と絢辻さんの白い面を押し出してくるんだな」
と思っていました。
艶やかな出だし。華麗で、たおやかな日々……ただ少しだけ、
高くて細い音の流れる向こう側で低音が、押し包むように緊張・主張しているのが、
彼女の内面を象徴しているように響きます。

サビに入ると少し急ぎ足に、そしてより華やかに、繊細に……なるのは、
生き急ぐ彼女の、遠くを見つめる目線のように。
高く、細さを増していく音はその脆さ・危うさと引き換えの、研ぎ澄まされた美しさを感じさせます。
ガラスの階段を飛ぶように。まさに「デア」った頃の絢辻さんそのもの。
けれどサビの終わりで少し落ち着きを取り戻すのは……多分この頃、橘さんに出会うのでしょうか。
この先どうなってしまうんだろう? ……ハラハラしながら聴いてしまいました。

それが1周目と2周目のメロディを繋ぐ間奏的なところでズン、と重みを増しますね。
「あ、ここで手帳を拾われたんだな」と。
そのときに、この曲が絢辻さんの物語を再現しようとするものではないのだろうか?
ということに思い至りました。

続いて始まる2周目では一転……もう、恋する乙女ちゃんの顔になってますね、絢辻さんw
カワエエw アコガレに入ったばっかり、揺れ動く、橘さんが気になって仕方がない、
そんな彼女が、中盤以降は脳裏にくっきりと甦ります。
時に弱弱しく、ときに弾むいたずらっ子のようにはしゃいで。
笑い声が聞こえるよう。

ですがそれも喜びばかりではなく、その端々には悲しみと苦しみの影が滲んでいて、
特に2フレーズ目出だしの辺りでは、すごく戸惑いが見られます。
駆けだそうとして踏みとどまる、その葛藤まで伝わってくるようです。
「あの人とあたしは違う」、そんな感じ。
図書室でのイベントをほうふつとさせます。
けれどそれが少しずつ緩み、かわいらしく温んでいく様子をこの2フレーズ目に聴きとりました。

デ、2フレーズ目サビ。
吹っ切れたような勢いの良い入りから始まりながら、
終わりのところでは息の切れたような苦しみを一瞬見せ、
途切れそうになりながらもを走り切るメロディ。
その果てにオイサンの脳裏に浮かぶのは、橘さんをひっぱたいた後の、屋上の夕焼けの色でした。
本当にもう、泣ける。
そして最後には白と黒の境界を失って、
とても繊細な一本の細い線に変わっているように思います。

その後にまた、ズズン、と黒い所が見え隠れするのもまた……彼女のいたずらなところ、
ご愛嬌ですね。
で最後はメデタシメデタシと。



        ▼



以上が、オイサンがこの3分弱の、
決して長いとは言えない踊るゆび先と弦の響の中から読みとったものです。
ものすごい高密度。
本当はもっと細かく、ここからここがこう、とお伝えできれば良いのですが、
如何せんオイサンにはその区切りを指定する知識がない。
申し訳ありません。

ほんの短いフレーズ……って言って良いのか、小節単位なのかもう、
楽譜もろくに読めないオイサンにはどういう単位でこのお話が構成されているのかわかりませんが、
ほんの数秒単位で区切りをつけ雰囲気を変え、
一つの物語の場面を高密度で構成している、
ああ、音楽ってこんなことが出来るんだ、
楽譜ってそんなにたくさんの情報が詰め込まれてたんだと、
今になって初めて実感として知ることが出来ました。
すごいです。本当にすごい。

そして何よりもすごいと感じたのが……
あの、オイサンはですね。
オツムの方が割かし残念な仕上がりになっておりますので、
なかなかこう、ヒトの言ってるコトを一回で聴きとり、理解することの出来ない感じなのです。

人の話にせよ、映画でも漫画でもアニメでもゲームでも、音楽でも、
繰り返し繰り返し取り込んで、ようやくその真意に……否、
概意に辿りつくことすら時間がかかるタイプだと自覚しているのですが……。
今回のこの楽曲・演奏に関しては、これまで上で書いてきたこと全てが、
その3分弱の時間で流れるように体の中に入ってきました。

  ……とはいえ、上のことはオイサンの勝手な解釈・妄想ですので、
  編まれ、お弾きになったときの意図と合致しているかは分かりませんから
  「分かった」も何もあったものではないのですが。

ただ、これだけの景色が、この音楽をトリガーとして絵巻物のように流れていったのは紛れもない事実で。
作曲の岩垂先生だって、
それぞれのテーマにきっと何かしらの意図や思いを織り込まれている筈なのですが、
オイサンはこれまで、その思いにまったく手が届かずにいたのです。
それがどうしてなのかは……もしかすると、同じリズム、同じ調子でしか再生されない
コンピュータ音楽の限界なのかもしれません。

それに新たに編曲を加え、人の手、指、感情でもって細やかな表現が加えられることで、
音楽というものから……合ってる・間違ってるは別にして、
様々のものを詰め込み、読み出すことが出来る可能性について
オイサンに気付かせて下さったことは、やはりすごい技術・力なのだと思います。

まあ「全っ然違えよ!」というようなとんちんかんな内容であっても、
音楽ベタのオタクの妄言と思ってご容赦願いたいと思います。
すみませんねどうも。



Twitter上の呟きやらでご存じか分かりませんが、
オイサンはほんの数日前までドエライお忙しいメに遭っておりまして、
この土日からようやく人並みに休めるようになったのですが、
その始まりにこんな素晴らしいOPテーマを奏でて下さり、本当に感謝の言葉もありません。
大袈裟なようですが、本当に心地良く、この休みを始めることが出来ました。

色々停滞している絢辻さん関係の書き物にも幾らか決着をつけねば!
……と気負って入った休みでもあったので、
なんというか、忙殺の中に忘れそうになっていた絢辻さんの面影を、
鮮明に「思い出す」ことが出来ました。

  マ他にも、まとめて見た『アマガミSS』梨穂子編が
  やたらよく出来ていたという要因もあるのですが(それは言わんでもエエやろ)。

そこには多分、自分の思い描く絢辻さんの面影に、
勝手にこの演奏をあてはめたという側面もあるにちがいなく、
勝手な解釈に、気分を害されたら申し訳ありません。
ですが、勉強、精進を続けたいと思いますので、
また新しい演奏をされる折にはご一報戴けると嬉しく思います。

それでは、この先益々寒さも増してくると思いますが、
お体に気をつけて、日々の暮らしにも創作活動にもお励み下さい。
ありがとうございました。

失礼します。



……。



……さてどうも、オイサンです。
ここまでの文章が何のことか分からない人はごめんなさい。

  マ一名を除いて全員わかんないと思いますけど。
  一人を除いてみーんな同じ答えせーのードン(古い)!

今日のお話は……題名にもある通り、オイサンからのある御方への私信です。
その方はピアノをお弾きになる方で、
オイサンは昨日、そのお方のお弾きになった、ある楽曲の音声データを戴きました。
その感想、ということになります。

ですのでなんのことやらサッパリな内容だと思いますが……
マ諦めたってちょ(酷
何の楽曲だったのか、どんな内容だったのかは……
マ文面の中で出ては来てますので、なんとなく想像しながら読んでみて下さい。
ゴメンなさいね。
でもここ、キホンそういうページですんでw


マそんな感じでヒトツ。

梨穂子編の感想は、4回分まとめ、近々掲載予定です。
オイサンでした。


 

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2010年11月20日 (土)

■ミリオンダラーのBellが鳴る。 -更新第598回-

君は星、おふとぅんは宇宙。
……そして、ご覧。炬燵は太陽なんだよ。

オイサンです。
本日のツイートより抜粋。


ようやくオシゴトが一段落いたしまして、人並みにお休みを戴けるようになりそうです。
ヨカッタヨカッタ。
手始めに一日有給をくっつけて、今週末はから来週アタマにかけて四連休を戴いたのですが、
「どこかにいくのか?」
と同僚に問われたのでいつものノリで
「北海道へ」
と答えたら、
「また『囲ってる』やつのところに逢いに行くのか」
などと冷やかされる始末。

しかしそれだけならいつものバカ話のノリなのですが、
そこにお若いのがからんでくるとまたひと波乱あるからやめれません。
 
 

 若いの    「オイサンさん、どっか行くんスか」
 ジジイ(同期)「こいつ、北海道にかこってんだよ」
 弊 社    「囲っとらんちゅうのに」


 若いの    「……。『囲う』って何か」
 弊社&ジジイ 「!!?」

 若いの    「え、え。なんすか」
 ジジイ(同期)「お前、『囲う』って言い回しわかんないの?」
 若いの    「え、いや、分かんないっすよ。聞いたことないっす」
 弊 社    「へェー……。そういうもんなんだ」


 若いの    「……それってメジャーなんスか?」

 弊社&ジジイ 「!!?!!?!?」

 
 
いや、なんていうかその。
ねえ。
メジャーとかメジャーじゃないとか、
そういう物差しで測る話でもないので分かりませんけども。

いやあ、若者と話をしているととても楽しいです。
Disるわけじゃなく、本当に楽しい。
オイサンらが知ってる言葉を知らない分、
オイサンらが知らない言葉の使い方をしてくるから。

それは鼻につくこともあるけれど、ミョーに腑に落ちる場合も多々あって、
案外バカに出来ないセンスの良さがある。
やっぱり時代の力ってすごいなと、そんなときオイサンは感じるのです。



■ミリオンダラーのアイ言葉



そんなオイサンが、昨晩。
そこそこ早い時間に帰ってきて、もうさっさと寝てしまえばいいのに要らぬ色気を出して
箱○さんを立ち上げた。

特に目的も無く、新着ソフトのPVなんかを漁っていたら……やつが現れたのさ。
ああ、やつはとっておきのモンスターだった。
オイサンの心を喰らい尽くしていったのさ。

■ドリームクラブZERO 1st PV Pure色100萬$☆


いやーもう……やられましたね。
完全に。
昨晩から何周したか分からない。

もうホント、こういう出会いはいつ起こるか分からなくて、
たとえばオイサンが今オシゴトでもうヘロヘロであることとかも決して無関係ではないと思います。

  ♪ Ring Ring Ring rin' Ring Ring rin' Ring Ring !
     恋のBellが鳴る♪


のくだりはもう……オイサンの恋のBellが本当になっちゃうよ。
たまーにこういう、どうでもいいものにガッツリ捕まってしまうから。
オイサンはいつまでも二次元の深みから抜け出せぬのよなあ。
抜け出す気もサラサラないけど。

しかしまあ、オイサン何の影響かは知らないけども、
キャラの好み変わったなあ……。
遥華さんがすげえストライクだわ。
以前ならあすかさん一択のところだと思うんだけども。
……いや、ILIとかノノノも今ならかなり……みんなかわいいなあ!!(……)

オイサンが二次元がすごいと思うのは、
コレを「ピュア」だと言い切る、言い張る、言い張れるところなのです。
そして何よりも、

  それが本当にそうである

ことなのです。
つまり、この世界が本当にピュアである、ということ。

ピュアなわけないだろ、どう見たってキャバクラじゃねえか!
こいつらだってカネもらってやってて
客が帰った後にはタバコでもふかして大股開いて、
「がっはっはやってらんねえよ」
って言ってるに違いないだろ!

……っていうのは、
それは現実の世界のキャバクラのオネーチャンはそうでしょうよ、
そうかも知れませんが

この子らはそうじゃない!
と、本気で言い張れてしまう、

だって二次元だから!


そんなナマミと同じリクツが当てはまると考える方が無理がある!


そして言い張った以上それが唯一の真実になりうるところが、
二次元の真のポテンシャルだと信じて疑わない。
作り手がそう言やそれが世界を司る信実になるのだと。
だから二次元はやめられない。

  なのでオイサンはキャバクラになんかバッカバカしくって行きやしませんが、
  その分『ドリームクラブ』なら10本買ったって良い。

嘘で築き上げられた現実よりと、
事実と真実だけで組み上げられた作りごと、
どっちがホントのこーとだ?

正解はCMのあと

電通の提供でお送りいたします!!



いいですか、CM見ねえと答えを教えてやんねえと言ってますよ。

その辺は空気読んで下さい。

あと、このPVを見ていて思ったのは、
なんでもいいから一曲、曲つきのダンスのフリを憶えてみたいなあということでした。
楽しそうだし、何よりも気持ち良く汗をかけそうなので。
帰ってきて、凝り固まったカラダをほぐすのには丁度良さそうですしね。

しかし、自分で踊るならまだしも、
このダンスモーションをキャラクターにそれらしくつけるのって……ものすごく大変なんじゃないか?
並大抵じゃない気がするんだが、
マ最近じゃそんなライブラリも充実してたりするんだろうな。
でも、例えばキャラ固有のクセとか雰囲気とかを出すためには、
ライブラリをまる遣いしてたら、やっぱダメなんでしょうな。
パラメータとか用意されてて、それを細やかに、それらしくなるようにチューニングしたりするんでしょう。

……うおお、大変そうだ。
今度あの会社の人に会ったら、実際は一体どんな作業になるのか聞いてみーようっと。

あと、ドリクラで高橋先生と飛羽センパイがバイトしてるとは思わなかった。
ゴルベーザとミズハスも出てたんだな。
ビックリだ。


  

DREAM C CLUB(ドリームクラブ) ZERO(初回特典:限定コスチュームダウンロードカード同梱) DREAM CLUB ZERO
(初回特典:限定コスチュームダウンロードカード同梱)


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マそんな感じでヒトツ。
オイサンでした。


 

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2010年11月18日 (木)

■LOST EMOTION -更新第597回-

久方ぶりに、マンガの衝動買いをしてしまいました。
オイサンです。

ブツは『進撃の巨人』1巻、『ききみみ図鑑』『LOSTMAN』1巻。
最後の『LOSTMAN』は以前から探していたので衝動買いではないのですが、
この日本屋に行ったのは『Odds GP!』の4巻を探しにだったので、
マ予定外と言えば予定外。

ちなみに目的の『Odds GP!』4巻は見つかりませんでした。
アクションコミックスって、なかなかガッチリ揃えてる本屋がないんですよねえ。

  

OddsGP!(4)ーアクションコミックス OddsGP!(4)ーアクションコミックス

著者:石渡 治
販売元:双葉社
発売日:2010/08/28
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  『Odds GP!』はもともとヤンサン連載だったのが
  ヤンサン休刊のアオリを受けてアクションに移ったんですけど、
  YSコミックスとアクションコミックスでは多分書店での扱い方も違って
  (アクションの方が目に見えて数が少ないと思う)
  石渡先生も随分と収入にアオリを喰らっているに違いないと邪推してしまいます。
  もちろん完全に連載が中断になるよりは雑誌を移って連載継続する方が
  マイナスは全然小さいのだろうケド、
  作家さんにとっての雑誌休刊というダメージは計り知れないものがあるのだろうなあ。

  ついでに『Odds Gp!』に限って言えば、
  YS時代よりもアクションに移ってからの方が、
  オッサン臭が強まったというか、
  お色気方面の演出がよりロコツに下品に強化されたように思う。
  やっぱり青年誌とは違うんだなあとこんなところでしみじみ実感。
  YS時代の雰囲気の方が、オイサン的には好みです。



■『LOSTMAN』


LOST MAN 9 (ビッグコミックス) LOST MAN 9 (ビッグコミックス)

著者:草場 道輝
販売元:小学館
発売日:2010/08/30
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草場道輝先生のサッカー漫画。
草場道輝先生のといえば、週刊サンデー連載だった『ファンタジスタ』が有名で、
オイサンは特にサッカー好きというわけでもないのですが、
『ファンタジスタ』は面白かった。
好きでしたねえ。

 
ファンタジスタ 9 (小学館文庫 くG 9) Book ファンタジスタ 9 (小学館文庫 くG 9)

著者:草場 道輝
販売元:小学館
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  ついでに、同じくサンデー連載だったサッカーマンガの『GOLDEN AGE』も好きだったんですが
  アレはどうなったんだろ?
  まだWebで連載してるんだろうか。
  すごく幼い感じのシンプルな絵だったのに、
  段々そのシンプルさが動きの躍動感で見栄えがするようになってきて、
  その過程が読んでいてとてもワクワクさせてくれた。

GOLDEN AGE 15 (少年サンデーコミックス) GOLDEN AGE 15 (少年サンデーコミックス)

著者:寒川 一之
販売元:小学館
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  思えば、『ハヤテのごとく!』も始まったばかりの頃は、
  なんというか見るからにオタク絵で、線もガッチガチに硬くって、
  「こんなんで大丈夫か」と読んでるこっちが心配になるようなシロモノだったのに、
  みるみる線がやわらかくなっていって、「固有の勢いのある絵」に変わっていった、
  その過程には凄く驚かされたものです。

デその『ファンタジスタ』が面白かったから、
同じ草場先生のサッカーものということで興味を持っていており、
これもなかなか一巻から置いているところに出くわさず、
昨日まできてしまったというわけです。

  近場のアニメイトにもとらにも、1巻からはおいてないんだもんなあ。

とりあえず一巻を読んだ感想としては、変り種のサッカーマンガとして面白い。
サッカーマンガにも色々あって、
フツーにサッカー少年がサッカーをする、スポーツとしてのサッカー漫画から、
個人の人情ドラマとしてのサッカーマンガであるとか、
チームとしての物語であるとか、
監督の視点、フロントの視点等々あるわけで。
その中でもこのマンガが目指すところは恐らく
「ポジションからみたサッカー」なのでしょうね。

  といいつつオイサンはやっぱり
  サッカーのポジションについてもさほど詳しくはないので深い話は出来ず、
  このマンガ読みながら勉強していこうと思うくらいなのですが。

記憶喪失だけれども、なぜか体にサッカーの様々な情報の沁みついた、
オールマイティにポジションをこなす能力を持った主人公が、
世界の色んなチームを助っ人として渡り歩き、
様々なポジションをこなしながら記憶を取り戻していこうとするお話
……みたいです。

サッカーは1チーム11人なので、
マざっくり考えてもポジションは6つくらいはあるのでしょうし
(右左半々で5+GKで6?)、
それら全てを世界の色んな国で経験して記憶を呼び起こしていく、という
なんというか、その「サッカーの分解の仕方」と
物語の主軸とのリンクのさせ方の発想をとても面白いと思ったので、
引き続き読んでいきたいと思う次第です。

  実際今の組織サッカーでは、同じポジションでも
  フォーメーションによって機能の仕方が全然違ってくるといいますし、
  そんな簡単な算数にもならないとは思いますが。

いやあ、こういう視点の作り方もあるんだなあ。
草場先生はやっぱり面白いこと思いつくや。
編集さんかもしれないけど。

ちなみに昨晩フロで読んでいたらいつの間にか寝オチしていて、
本の下1割くらいが湯に浸かってふやけてしまいました。
草場先生ゴメン。



■『進撃の巨人』



どっかのなんかで(ドコのナニだw)「面白い」「話題になっている」と聞いていて、
本屋で平積みになっているのを見かけて勢いで購入してしまった。

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC) 進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

著者:諫山 創
販売元:講談社
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  ……。



だめだ。
オイサンには向かないマンガでした。
わりと残酷描写的な意味でドギツイというのと、
物語に圧迫感・閉塞感がすごくあるということで、
オイサンに楽しめるシロモノではなかったです。

  オイサンは同じ理由で『カイジ』もダメだったクチなので。

オイサンは残酷なのはマンガだったらワリカシ平気なんですが、
とりあえず話に閉塞感と圧迫感が満ち溢れているのがとにかくダメ。

あと、お話の中に敷き詰められた感情が、どれもひたすら強烈で明確すぎて、
……なんか、そういう極端な感情で出来上がっている世界に
関心がもてないというのが大きいです。

確かに、ああいう追い詰められた世界では、
ニンゲンの顔っていうのはああなるのかもしれませんけど……
オイサンが今、もっと深く見たい・触れていたいのは、なんかこう……
ジジイがメシ食ってるような、くすみ倒した青緑色みたいな感情なのです
(なんだそれ)。
ピッカピカのビビッドカラーではない。

  多分、『スタードライバー』とかをさほど面白く思えないのにも
  そういうところが関係しているのだと思います。
  『それ町』『俺妹』『ひだまりスケッチ』あたりを面白がるのにも
  同じ理由が関係していると思われ。

  ちなみに、オイサンが『スタドラ』にトキメかない理由にもうひとつ、
  オイサンが「青春」というもの(言葉)に対して
  自分なりの実感のこもった輪郭線が引けていない、ということがあるなあと、
  どうやら青春というものを描いているらしい彼の作品を見ていて思うのでした。
  ああ、言われてみればとなんとなく納得もするのですが、
  イヤ、青春、ようワカラン。
  どんな筆記具で以ってその線を引いたものかさえ分からんものなあ。
  ミリペンなのか、マーカーなのか、筆ペンボールペンなのか。
  オイサンに青春はなかったし、今もって尚訪れていないと思うもの。
  アコガレだけが強すぎて、既にそれと知らず通過しているのかもしれないけど。
  閑話休題。

だからちょっと……ねえ。
そういうガッツンガッツンの感情を、謎や伏線と言ったお話で引っ張るものよりは、
何もないお話の上を、中間色がゆらゆらとスペクトルを変えながら漂うだけのような、
そんなお話が見たいです。
だからちょっとゴメン、このマンガは今は無理。
ドギツイこと以上に、お話のそもそもの構造を面白がれない。


もう一冊の『ききみみ図鑑』はまだ読めていません。
……が、表紙に釣られて買ったものの、
ざっと流してみたところ、思いのほからんぼうなお話が多いみたいで。
ちょっと外したかいな、と思いました。

ききみみ図鑑 (ビームコミックス) ききみみ図鑑 (ビームコミックス)

著者:宮田 紘次
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なんかざらっとそんな感じ。
オイサンでした。


ただの漫画感想回でした。



 

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2010年11月13日 (土)

■てんきゅのこころ -更新第596回-

昨日オシゴトをしていたら、
同じプロジェクトに関わってはいるのだけども
あまり関係のないセクションでやっている方からお電話がかかってきて、
身に全く憶えのないことで

「ありがとうございました、
 オイサンの迅速な対応のおかげで、丸く治めることが出来ました!」

と、お礼を言われてしまった。
それはホントにただの勘違いで、実際オイサンはなんもしてなかったので
ただの笑い話でしかないのだけれど……
彼が果たして、本当にその御礼を言うべき相手にどれだけ感謝をしていたのか知らないけれど、
それにしたってホントの気持ちは、
お世辞というか、社交辞令と実際の気持ちが、良くて半々、
実際の、彼自身の感謝の気持ちの割合はもっともっと少ないんだろうな、
と感じてしまった。

それが悪いといっているのではなくて、
寧ろ良いというか、要るというか、
なんというか……そういうことが出来るというコトが、
気が利くということであったり、
オトナであるということであったり、
或いは評価に値することですらなく「最低限の常識」であるのかもしれないけれども。

……オイサンにはなんかまあ、
本当に感謝をしてるわけでもない相手に、
そんな単語を並べ立てるのも……
………………………………………………。
………………………………………………
………………………………………………
…………………………………………まあ、
大変だよね、と思ってしまいました。


ぶっちゃけるとね、
「気回し大変だねえ、バッカバカしいよなあ?」
と思ったんですけど、それは多分間違いで、
自分の本心がどうあれ、働いてくれた方に対して
ある程度の気持ちの良さを提供するという行為は、
決してバカバカしいことではないと、リクツではわかります。

その辺は自分のキモチ云々よりも
相手がどれだけこころを砕いてくれたかということが大切なので、
それを自分の気持ちに換算して、
大体このくらいの出力で感謝、みたいなことが上手に出来ないと、やっぱダメなんだろうなと思いました。

感謝は、自分がどれだけしたいかよりも、
相手がどれだけされたいか・されうるだけの行いをして下さったのかを、
ヨノナカという物差しの目盛りと自分の気持ちの目盛りとで
うまくはかってなされるのが、まあキモチいんだろうなあ、
なんて考えてしまいました。

オイサンです。

マものによるのは全てにおいて同じですし、
バランスってのもありますけどね。
傾向としては、そうなんじゃないかなと。

  相手がそれを望むような人かということを
  斟酌することも大切だと思いますが。

でもオイサンには、
それがなかなか上手に自然に、出来なかったりするんですよね。
ヨノナカという定規の目盛りを、なかなかうまく読みとることが出来ない。
それが出来なくても、自分の秤だけで十分なくらい
感謝を行動にあらわすことが出来れば何の問題も無いんですけども、
お礼を言うべきことというものの閾値がどうも高いみたいで、
同様に自分がしたことに対して言われる御礼についても
「え? なんで今感謝されたの?」
ということがあったりもいたします。
ホント、感謝のキモチの足らないニンゲンだなと。

一体何がまずくて、世間様とこんなギャップが出たのか……
それはまた、別のお話でございますことよ。


くわばらくわばら(てきとう)。


オイサンでした。


 

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2010年11月11日 (木)

■霜月夢想 -更新第595回-

自分に彼女が出来て、
夜な夜なニコニコしながら電話してるトコとか想像するとぞっとするな。

オイサンです。

薄気味悪いわ。
うすかわさんは悪くない。

  ……まあ、夜な夜なギャルゲーやりながらニヤニヤしてるのと
  何が違うのかといわれたらグウの音も出ないわけだが。

■Love☆トロピカーナ



こんなトコでまでシンドイシンドイ言っても仕方ないですし
腹の足しにもならないのですが、
マ日記なので言ってしまうとまあ、さすがにシンドイ。

  ……しかし振り返ってみると、
  普段のオイサンはモノ書いたりゲームやったりジョギングしたりで、
  何に対して「シンドイ」と言ってるかの違いくらいしかないような気がしますな。
  貧しい。
  マ人の営みなんてそんなもんか(極端)。

世の中にはやたら残業したり寝ないで何かをやったりしたことを
さも自慢ゲに語る方々もおられ、さらにそれを揶揄するような遊びもあるワケですが、
やたら働くとか寝ないとか、
正直そういう状況にある人というのはもうそういうことくらいしか話せることがなくなってくるわけです。
だって、日々それしかやってねえんだもん。
だからちっとは大目に見てあげて欲しいと思います。
ホントに好きでやっててオレカッコイイと思ってる人は放っといていいと思いますけど。

なんか言いたいと思っても、他に何も思いつかなかったりするんですよね。
だってシンドイから。

  その昔、オイサンの尊敬する先生
  「人間、ムチャクチャくたびれると一番ラクな動きをしようとするもんです。
   つまり一番自然な動きですね」
  と言ってましたけど、それと同じです。
  それアバン先生やがな。
  つまりオイサンは今なら窮鼠包包拳が放てる! 放ちたいのか。

デ、オイサン今現在も睡眠が足りてなかったり、
同じようなことばかりを考え続けていたりでキツイのはキツイのですが、
人間何が面白いかって、何よりきついのは

 「あ、明日も寝れない」
 「今週末も休めない」

ということに気付いたときなんだなあと、今回気付きました。
その瞬間瞬間……今このときも間違いなくカラダ的にはシンドイんですけども、
今ここにあるシンドさよりも、
そうして差し迫った、確実に傷ついた未来に対する恐怖というのは
輪をかけて心にくるものがあって、何より堪えます。

「明日になっても、この状況が続くばかりでなく、
 改善されないばかりか、
 蓄積されたものによってどんな状況になっているかわからない」

という……「定まったヒドイ未来」というのは、
人間という弱い生き物の柔らかい部分を蝕むなあと、
へたれた中にも自分を冷静見つめるオイサンです。

  その昔オイサンを瀕死に追いやった傭兵が、
  「人間は痛みそのものよりも、確実にやってくる痛み、
   それを待つ時間にこそ恐怖する」
  と言っていましたが多分それとおんなじです。
  それガイアさんやがな。
  つまりオイサンは、今なら天井にナット程度のでっぱりがあれば
  それを摘まんで天井に張り付いたまま気楽に文庫本を一冊読める!
  読みたいのか。

なればこそ。
螺旋階段を上るように、たとえ今がヒドイ時間でも、
よりよく出来る足がかりを少しずつでも見つけて、
常日頃一歩一歩上がっていくことが大事なんだろうなあ、
なんてことをですね、殊勝に考えてみますよ。



……それを思うとねえ。



やっぱ、絢辻さんはすごいよなって思うわけですよ。
10……何年?
家族、なんていう逃れられない楔の中から、
少しずつでも小さな回転を生んで、いつしかそこから飛び出すだけの
大きな遠心力を日々生み出そうと一生懸命だったんだろうなあと思います。

今でこそ苛烈なパフォーマンスを誇る彼女ですが、
それを始めた頃には小さな小さな回転だったに違いなく、
それでも悲観することも、心折れることもなく、
こつこつと積み上げてきたのでしょう。
百の不自由と、ひとつの自由を交換するために。

うそをついても、震えたままでも。

多少汚れた手でも幸せを掴むことには何の不都合もないと……
彼女に気付かせたものは、一体何だったのだろうか。

今度は、彼女のそんな昔の話を……書いてみたいものです。
それが書けるくらいになったら、




……絢辻さん。




オイサンのこと、少しは認めてくれますか?




「あなたも、ちょっとはあたしのことを理解するようになったみたいね?」




ってさ。
いつか、手帳の中身のこともスラスラ書けるようになるのかな。
オイサンでした。


……そっか。
オイサン、まだまだ絢辻さんのことをわかってなかったんだな、と、
書きながら自分で気付く、大好きな11月の夜。

でも、今なら書けそうな気もするよ。
なんの構想もないけど(アカンがな)
面白いかは知らんけど(ホンマにアカンがな)。




  

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2010年11月 8日 (月)

■人の嫁 -更新第594回-

はいどうも、前回から引き続きましてオイサンです。
多分あしたもオイサンです。
明後日はわかりません(なんでだ)。


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最近休みのお昼ゴハンは、もっぱらおこわ屋さんのお弁当です。ンマイ。


なんか知りませんが、日本シリーズが盛り上がっているようですね。
色んな意味で。



■今週の日記的なこと



 ▼偽アスミン現る

昨日のこと。
昨日も、土曜日とはいえオイサンオシゴトでして、そのシゴトバへ向かう
電車の中での出来事です。

列車に乗り込み、ぱっと吊皮を掴んで立ったオイサンの目の前の座席に……
あすみんが。

イヤ、ご本人かどうかなんて分かりませんですよ。
ていうか、多分ちがうと思うんだけど。
思うんだけど、でも、これまで見えるひだまりラジオとか、
そういう映像媒体で見てきたあすみんにそっくしな女性がそこに座っておられた。

いやね、ホント似てたんですよ。
御顔立ちといい、背格好といい。
……ちょっとだけ、画面でみるよりふっくらしてたかなーというくらいで。
しかもこう……ものっすごい、ぶっすーっとしてるんですよ。
仕事中じゃないから愛想良くないなのは当たり前なんですけど、
それにしたってアンタ、みたいな仏頂面。

あすみんはラジオとかでもよく「人見知りで挙動不審」みたいなことをおっしゃってますが、
アレがもし本物のあすみんなら、そのコメントも納得のクオリティですよw

その偽アスミン(仮)は、結局オイサンとは一駅だけ一緒で、
次の駅で降りてしまいましたが……
うーむ。
なんか、カマかける一言でもぽつっと漏らして、反応を見てみれば良かったと激しく後悔です。
「……かまじい(ボソ)」
とかね。
もっかい現れないかなあ。

 ▼人妻ジャム

そして本日、11月7日の日曜日のこと。
知り合いから、お手製のジャムを頂戴しました。
しかもアナタ、相手は人妻ですよ、ヒトヅマ。

  オイサンは現在、箱○さんの『俺の嫁』を絶賛プレイ中ですが、
  それどころじゃありません『人の嫁』ですよ。
  ○○は人の嫁、ですよ。どうだい、この背徳感と敗北感。

……あんまりフキンシンなコトばっか言ってると
ご本人からも怒られ兼ねないのでこのへんに致しますが、
もちろん戴いたのはその人妻の旦那さんからですw

まあ、アレです。
このページでも最近ワリとよくご登場戴いてます、
「ちびパパさん」ことちびすけ父さんさんなんですけどね。
いつもお世話になっております。

  ▼まったり日々(?)の出来事 - ちひろ(ちびすけ父さん)さん
  http://hm13chibi.blog36.fc2.com/

奥様がどうやらお手製のジャムをお作りになるのが趣味、という
どっかで聞いたようなキャラ設定(キャラじゃねえ)のご様子で、
そのおすそ分けを戴きました。
ありがとうございます。

また食べてはいないのですが、
近いうちにパンだかスコーンだかでも買ってきて、
全力でmogmogしたいと思います。実に楽しみです。


……。


また色々と余分な表現を思いついたのですが、
今度こそガチで怒られかねないのでここには書かない。



■メディアがミックスするとき



前回の記事、『アマガミSS』七咲編の感想の中で、チョイと

  「原作中では描かれなかったヒロインたちの、
   新たな、
   そして原作から逆算しても腑に落ちるような一面が見出せたなら」

なんてことを書きましたが。オイサンがメディアミックス
(この単語も随分時代がかった言い方ですが)
に何を求めるかといえば、つまるところは

  自分が愛した世界の、より広く、より深いところにまで手で触れたい

ということなんですよね。
具体的には、
「原作では見えない部分・原作の媒体では見えにくい部分に、
 媒体を変えることでアクセスしやすくして、
 新しく、かつ破綻や矛盾の無い側面を見せてもらいたい」
ということです。

そのためには、原作以外のメディアミックス作品に求められることは
少なくとも原作が描く輪郭線の中に納まっていることである……と、
思いはするのですが。
やはり面白いのは、その輪郭線ギリギリを狙ってくる行為、
或いはちょっとはみ出しながらも、
「こういうのはどうですかね?」
と問いかけられるような行為に出会ったときだったりいたします。

  その点で『アマガミ』という世界は、
  ご承知の通り<スキ>から<ソエン>までヒロインの姿が多彩に用意されているせいで
  「どこを狙っていけば、受け手にとって腑に落ちるヒロインの姿に落ち着くのか、
   彼女らの芯がどこにあるのか」
  が、作る側からすると見つけにくいのかもしれません。

そうしたギリギリ及び越境行為で描かれるキャラクターの姿というのは、
やはりヒトによって「アリ」「ナシ」が分かれますが、
作品から読み取った自分の中のリアリティの枠内に
ちょっとだけ無理やり、柔らかく形を変えてむにゅっとはまってくれたときに
えも言われない快感と、新しい創作への刺激が伴うのでした。

オイサンがそうした快感・刺激に出会った例として、
少し前のことになりますが、
『みなみけ』のキャラソンアルバムの中の、
「おおきなユメ」という曲が挙げられます。

この曲は、チアキ・内田・吉田の小学生娘トリオが、
自分の夢とか、将来の姿とか、
これから自分がどうなっていくんだろう? ということについて、
かなりノリのいい感じでアップテンポに歌っている曲です。

▼おおきなユメ



けれども、チアキというキャラクターに対してオイサンが結ぶ像の中に、
そうした「未来の自分にワクワクする」という姿は、
少なくともこの曲を聴くまでは存在するものではありませんでした。
それまでは思い描いたことのないチアキだったわけです。

チアキといえば、現実的で、冷めていて、皮肉屋で……という、
ある意味で「キャラクター造型として、記号的に貼り付けられたもの」
しか、オイサンには見えていませんでしたし、見ていませんでした。
それはもう、作品の売りの上ではそれらを見ているだけで十分だからに他ならないから、
なのですが……
ですが、その歌に現れてくるようなチアキの姿は、
小学校5年生というフツーの女の子のメンタリティとしては
当然あってしかるべきもので、チアキがそれを持っていてもなんら不思議のないものです。

あとは、チアキがそれを備えることを、
受け手それぞれが許容できるか否かの問題でしかない。

  「いや、リアリストで皮肉屋のチアキはそんな夢は見ない!」
  と思うのか、
  「リアリスト・皮肉屋という表層を持ってはいても、
   心の奥底ではそういう夢にキラキラしているにちがいない」
  と考えるのか。

今回の場合だとオイサンは、
普段のチアキがことさらクールを取り繕っているとは思わず
普段の姿はアレはアレで本当の自然体だと思いますが、
それでもイザ一皮、薄いところを突っついてみれば薄皮がツルンと向けて、
そういう赤裸々なところが出るのだろうな、
言われてみれば、そういう子であるという仄かな描写は作品の端々に感じられるな、
と、ストンと腑に落ちた次第。

つまりは、

  メディアミックスのパーツによって、原作のキャラクターに、
  原作では(明確には)描かれていないリアリティが付加された

ということです。
これによって、オイサンの中のチアキには、
リアリスト・皮肉屋というドライな側面にかなりウェットな要素が加算されて、
キャラクターに若干の深みが出ました。
かつ、その側面を加味してこれまでのお話を見直すにつけ、
より一層、『みなみけ』の世界が面白味を増したように感じました。

  ……しかしそれは『みなみけ』という舞台がそもそも持っている
  懐の深さ・面白さの成せる業でもあるとは思いますが。
  不思議な作品なんですよね、『みなみけ』は。
  いい加減なだけのようにみえて、
  人や舞台に設けられたちょっとしたマチの部分が、
  効果的に現実味を出しているように思えます。

そういう変容の現場に居合わせると、やっぱり、楽しいし、面白いんですよね。
何よりも刺激になる。

この他にも、やっぱりキャラクターソングで、
同じような思いをさせてくれた曲があります。
『ひだまりスケッチ』の、宮子のキャラソンで、
「にゃーとな午後三時」という曲。

▼にゃーとな午後三時



オイサンがこの曲で歌われる宮子に、
原作では見つけ得ないどんな姿を見出したのか……
それは近々、短い一編のお話でもって、皆さんにご披露したいと思います。



マ今日のところはこんな感じで。
次回はまた、来週にでも。

オイサンでした。


▼まかせてティーチャー

この曲の一節、「ほがらか過ぎるDNA」というのはもう、神がかった歌詞だと思います。



 

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2010年11月 7日 (日)

■そんなマイニチみたいに。~『アマガミSS』七咲編・14話~16話までの感想 -更新第593回-

誰かに伝えるためじゃない風景、そんなのがあってもいい。
オイサンです。

書く書くと言っている記事も書かずに
かなりの書く書く詐欺師振りをはっきしておりますが、
どうにか少しずつでも消化していく所存。

日記的なこともこの際まとめて書いてしまいたいので、
今回はちょっと変則構成。
『アマガミSS』の感想記事と、
日記的な記事を二連チャンでのっけて行きます。

  アニメ感想記事は、ネタバレ的なことも入っちゃいますんでね。
  そこはわけないとってコトで。

というワケで今回の記事のこっから下↓は、
滞っている『アマガミSS』の感想まとめ編の・その一。
七咲編全体の感想を、まとめてという形になってしまいますが、
マ皆さんにお読み戴こうかなと、このように考えておりますよ。

  ホントは梨穂子編の第一章・二章までも書きたかったんですけどね。
  追いつこうと思ったけど無理だった。

……今、ワリと気持ちの上ではキッツイ中で、
こうして文字を書き並べてるわけなんですけど、
こんなどうでもいい文章でも、書いてて気持ちがイイもんですね。
すっごい癒されるわ。
声に出してしゃべるより、オイサンこうして自分の頭の中を書き出している方が
ストレスの解消になるのかも知らん。

……ストレスの解消の産物をヒトサマに読ますなってか。
ごもっともです。




  ※以下、アニメ『アマガミSS』・七咲逢編(14話~16話)の感想になります。
   未放映地域にお住まいの方・未見の方で、
   「ネタばれはもうこりごりだあ!」
   という方は華麗にターンを決めてお帰り下さい。ポゥ!





■『アマガミSS』 七咲逢編 全体的な感想



第一章の感想を書くだけ書いて、
以降置きっ放しになっていた七咲編の全体的な感想です。
もう今更、一話ずつの話をかいても仕方ないですからね。

まずは素直な言葉から言ってしまうと、
「ああ、小ぢんまりとまとまって、性急だけど無難で、退屈だなあ」
と思いました。

  あくまでもこれは、原作ゲーム体験済みの人間の感想。
  アニメで初めて『アマガミ』の、そして七咲の物語に触れる方がどう思うのかは
  オイサンには量れません。

なんというか七咲編は、オイサンが最初、
「『アマガミ』がアニメになる、それもヒロインごとのオムニバス形式で」
と聞いたときに感じた不安を、ばっちりそのまま再現してくれた格好になっています。

無難で、退屈。
既に物語や、キャラクターの人となりを知っている人間にとってみれば、
絵が動いていることを除けば何の面白味も、新しいときめきもない。

オイサンが、『アマガミ』をアニメにするならオムニバスではなく
一本の物語に再構成して欲しいと思っていたことは、
これまでに幾度となく書いてまいりました。

オイサンがオムニバスではないものに期待したのは、
基本各ヒロインごとに閉じている『アマガミ』の物語世界を包括的に展開して、
彼女らそれぞれが大きな世界の中の一つの物語に過ぎないということを、
ある意味では残酷に提示してくれることでした。

それはつまり、アニメ『キミキス pure rouge』で
幸せになるヒロインもあれば不幸になるヒロインもあって、
中にはその幸・不幸を選択する(ように見せてもらえる)チャンスさえ
貰えないヒロインも出てくるということでもあります。

そんな、単純化という庇護を奪われた小難しい世界の中でも、
ヒロインそれぞれが、ゲーム本編の物語とプレイヤーの心の中とで培われる「らしさ」を、
画面の中央ではなくとも、ホント画面の隅っことか、物語のきれっぱしででも、
精一杯に見せてくれるという……
その姿をこそ、見たかったわけです。
その姿を見せようと、作り手があの手この手で細やかな気遣いをするところを
見たかったわけです。

もちろん、オムニバスにそういう気遣いとか細やかさとか、
そういうものが不要だと言っているわけではありません。
やりようによっちゃあいくらだって必要でしょうし、出来るでしょう。
が、今回の『アマガミSS』が採っている手法というのは、
基本的にそれがなくてもどうにかなってしまう。
つまりはざっくり言ってしまうと、原作の切り貼りとその隙間埋めなわけですね。

それは森島センパイ編も薫編も、まあおおむね同じコトで、
中多さん編はいくらか新しいことを盛り込んできていたので
それを読み取るのにワクワク出来ましたが、
七咲編になって、また元に戻った感がすごくあります。

七咲編を特に退屈だと感じたのは、
展開が性急であったことが前出の二編に比べて顕著であったことと、
変に盛り上げようとして、小手先の演出でごまかしをかけてきたことが、
やけにありありと見えてしまったせいだと思います。

……なんていうか、アレです。
お化け屋敷とかで隣にいる人が無駄に取り乱してくれると、
自分は帰って冷静になれてしまうという、あの感じに似ていると思ってください。
「あー、なんか一生懸命に慌ててやんなー」
と思ったら、頭が冷めてしまった、という感じです。

  そこに上手く乗ってあげるのが見る側シゴト……とはまあ、オイサンは思わないので、
  そこはバレないように上手に時計を早め、
  お話を盛り上げることが出来なかった作り手の失敗だと思います。

具体的にどういう箇所かというと、
第二章の展開のやたらな速さであるとか、
第三章のプールのシーンでの劇中歌であるとか。
そんなことです。

とはいえ、それらも所詮は表層的な失敗に過ぎず、
一番のネックはやはり前々から言っている通り、
見る側のキモチを、しっかりお話に乗せられていないということだと思います。
劇中歌をかけるのが悪いのではなくて、
それが唐突に見えてしまうことがよろしくないわけで。
あのシーンで、見る側のキモチが主人公や七咲にシンクロ出来ていれば、
感涙モンだと思いますよ。
それをやっぱり、「設え的に感動的な(はずの)場面で」「とりあえず歌をかけてみた」
という風にしか見えないから、
ああ、こういうことがしたいのね、と見られてしまうんでしょう。

あの場面の橘さんに、後先考えず制服のままプールに飛び込むだけの
差し迫った感情や動機があるように、やはりどうしても思えない。
それだけの描かれ方が出来てない。
原作の場面を切り貼りした、その結果のお約束としての場面作りにしか、
見えないんですよね。
芯の部分で面白く作れないから、小手先で泣かせにきやがったな小賢しい、と。

  強いて言うなら、中多さん編でナレーションがついたときに感じた違和感、
  オイサンにしてみれば、「鼻につく感じ」。
  それと同じレベルで、今回の七咲編の性急さ・演出によっかかった感じが、
  どうしても気にかかってしまったということです。

なのでまあ……全体的に、
オイサン的にはあまり見ていて「面白い」と言えないものではありました。
これまでのヒロインのお話と同じでね。

うーん。
やっぱり、オムニバスで原作通りってのは、オイサン的には
旨みのない構成だなあと思います。
同じオムニバスでも、当初、応援サイトで高山さんと監督が言っていた様な、
原作エピソードをところどころに織り交ぜたアナザーストーリーであったなら。

……そしてその中で、原作中では描かれなかったヒロインたちの、
新たな、
そして原作から逆算しても腑に落ちるような一面が見出せたなら、
オイサンにとってもとても喜ばしいものになったに違いないと思うんですけどね。

ああ、そうそう。
いいなあと思える面もあったんですよ。
それは、七咲の家。
オイサン、七咲がマンション住まいだとはケほども思っていませんで、
それとわかったときにかなりびっくりしました。
オイサンの七咲イメージは木造平屋という……そんな貧乏じゃねえだろ!
と突っ込まれること請け合いの絵でした。
いや、だって、なんかさあ。
弟の面倒をあれだけガッツリ見ないといけないくらい親が忙しく家を空けていて、
新しいオモチャを買ってやれないとか、
なんかすっごく、貧窮しているイメージがあったんですよねえ。
なので、それはちょっと新鮮というか、人物像を軌道修正する良い機会になった気がします。

……マ、原作に風車がないように、
あれもどこまで公式な絵として受け止めて良いか分からないのですけども。

  ……そうなんだよなあ。
  このアニメ、どこまで公式なものと思って良いかそれさえわからないから、
  あんまり一生懸命見て、分析したり解釈したり、
  する気が起こらないんだよなあ。
  なんかとっても残念。

とまあそんなことで、
七咲編に関しては、うまくまとまっているとは思いました、
が、
その分退屈でした、
というのが忌憚のないところです。

  ああ、やっぱりこうなっちゃうんだよね、という残念さ。


もっと新しく、もっと確実なときめきを。
それが、オイサンが『アマガミSS』に求めるところです。


……ちなみに、既に始まっている梨穂子編。
関東圏では第二章まで放映が終わっていて、
オイサンはまだ第一章しか見ていませんが。
第一章終了時点の感想としては、
どうやらその「新しいときめき」が、梨穂子編にはあるようにお見受けします。

  マこのマンガ、毎回第一章だけは期待を持たせる面白さなので、
  油断は出来やしませんけどね。


とまあ、一先ずオイサンでした。
日記パートの記事に続きます。



  

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