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2010年7月31日 (土)

■花よりも星よりも -更新第556回-

今日のオイサンは、さすらいのいんちき書き物士。
さすらったコトないけど。
さすったコトならあるけど。
……何を?



■いんちき書き物士、珍しく真面目に読む



サテ、これも少し前のお話、今月のはじめの頃。

やはりTwitter上の、
(ホントに最近のオイサンの世界は、Twitterをフレームに出来上がっているな)
オイサンと同じく(と言っていいのか)『アマガミ』のSS書きの方から、
お書きになった発想のメモのようなものに対してのご意見を求められまして、
それについて思うところをお返ししました。

それに伴って別で一篇、
その方の書かれた他のSS作品を紹介して戴いたものですから、
そちらについても感想を書いてみた。

デ、そうして改めて人様のお書きになったものを真面目に読み、
自分の書いてきたものも、比べるでもなく並べて考えてみるにつけ……
まあなんというか、
「自然に」、素直に面白く、楽しめるものを書くということが
いかに難しくて大変かということを改めて感じ、
また考える中でそのためになにが必要かということについて、
……モチロン全部ではないのですが……
「こういうことに気を付ければ一つポイントにはなるかも」
ということを見つけることが出来たので。

……今回は、それについてヒトツ書き残してみようかなと思う次第であります。

といっても恐らくは、
とっくの昔にどこかの誰かが見つけているに違いない、
取り立てて目新しくはないものだとは思いますけども。
マいいじゃないか。夢があれば。



■Charm! あの子の魅力は心の花よ



まず一つ、物語の世界において

 「華やかな感情を放つ人物は目立ち、場を支配していく」


ということをヒシヒシと感じ、それと併せて、

 「話の、導入でのINPUTと
終わりでのOUTPUTの間で
  大きな差分を生み出す人物を、
  読み手は印象深く、ときにその話の主役と捉える」


という風に感じました。

よくお話づくりにおいて、
「『魅力のあるキャラクター』が作れて、そいつが上手く動けば
 お話作りは成功する」
というような言い方がされますが、
今回オイサンの感じたことの一つ目、
「華やかな感情を放つ人物」≒「魅力的なキャラクター」
くらいに思って戴いて良いと思います。

  「魅力」について、そう突飛なものだと考える必要はないんだと、
  薄ぼんやりと気付いた夏の日の夜。
  そのキャラクターに、殊更面白い目的とか発想、能力、
  そういうものは特に要らんのだなあと。

また、ここで「華やか」といっているのは、
別段常に、喜びや嬉み、恥じらいなどのプラス方向の感情である必要はなくて、
怒り・悲しみ・妬み嫉みなどの負の感情でも良く、
それが読み手に強く伝わり、納得がいき、
親しみの沸くものでありさえすれば良いと思います。
悪役にやたらと人気が出たりするのも、こういう理由ではないかと思います。

  悪役の方がより強い感情的動機を持っていて、
  主人公はそのカウンターとして存在することが多い
  (悪モンが個人的な恨み辛みで世界を混乱させる
        ↑
   「悪いコトだから」、善いモンがやっつける)。

ここでもう一つポイントとなるのが、
「読み手に強く伝われば良い」というコトです。
読み手に強く伝わりさえするのであれば、
その感情そのものの大きさは、
それを抱える本人の中で小さく些細なものでも構わないということです。
必ずしも「激しい」怒りや喜びである必要はないということですな。

  矛盾するようですが、
  「小さなものを小さなまま、大きく描いて見せる」ということになります。
  砂粒を摘み上げて、読者の目の真ん前まで持っていくようなこと、
  だと思って下さい。
  或いはもっと小さなものを引き合いに出したり、
  周囲の灯りを落として、ピンポイントに灯りを落とす、など。

  細やかで些細であっても、
  ……あるいは細やかで些細であるほど、対比するものをうまく使って大きく
  (或いはより小さく)
  見せることが出来れば、その魅力を強烈に見せることは出来そうです。

そうして、その感情が大きかろうと小さかろうと、
人物がその感情を元になんらかのアクションを起こし……
物語の出口において、入り口をくぐった時に比して変化を勝ち得、
且つその変化の幅が物語のうちで一番大きなモノであれば、
その人物が、お話を支配……することはないかもしれませんが、
読み手の心には一番強く残る、すなわち「主役」として認識されるなあと、
そんな風に思った次第であります。



■教材はデリーのかおりに乗って



実はこのことに気付いたのは、
冒頭の方の書いたSSを読んでのことだけではなく、
ちびパパさんのSSを読んでのことでもありました。


  ▼アマガミ 響先輩SS 「カレーソースは死の香り」
  http://www.hh.em-net.ne.jp/~chihiro/ss/amagami/hibiki_ex_if16.html
  [ 無限夜桜ヨコハマ分室 さくらがおか ]


このSSの中では、そもそも主人公として据えられているのは
橘さんと塚原センパイのカポーなのですが、
オイサンの読むところ、場を支配しているのは薫です。

特段の描写こそありませんが、
薫は登場時点でなんらかの葛藤を抱えていることが、
お話の流れの中、特にその行間の気配から読み取ることが出来ます
(ただし、彼女が
「橘さんの悪友でありながら恋人候補として『アマガミ』という作品に参加している」
という前提は理解されている必要がありますが)。

彼女は、本作品の主題の一つである「カレーを食べる」という設えに
ある意味「ただ」呼ばれて登場しますが、
塚原センパイの登場によってその葛藤が強く意識され、
最後には一つの踏ん切りをつけていることが読み取れます。

そこから逆算して、物語の最初に(というかそれ以前から)どんな心理状態であったのか、
そしてお話の終わりでそれにどのような決着がついたかが
ハッキリと読み取れる構成になっていると、オイサンは思います。

  正直、出てきたときには持ち点ゼロだったはずの彼女が、
  メキメキと頭角を現してお話の最後では
  「実は主人公でした」
  ということが明らかになると言う、なんとも面白い、
  ある意味薫と言うキャラクターならではのポテンシャルを見せ付ける、
  面白い作品になっています。

塚原センパイも、胸中小さな葛藤を抱えてはいて、
恐らくその葛藤が心を支配する率としては
薫が抱えるものとの間に差ほど大きな開きはないように思えますが
(葛藤としての存在感は、塚原先輩の方が大きい)、
お話の入り口と出口で、心により大きな変化が見られるのが薫の方なので、
オイサンとしては薫に心を惹かれます。

  余談になりますが、薫ルートと塚原センパイルート(があったとして)を
  併走させていてこのエピソードに辿り着いたのだとすれば、
  オイサンはこの後、迷わず薫ルートに進もうとするでしょう。
  そのくらい、このSSにおける薫の感情の華やかさは際立って映ります。

  背中を向けて舞台から退場しようとする薫の肩を、
  どうしても「オイ待てよ!」と掴まずにはいられない、
  そんな華を、このときの彼女の背中は背負っています。

  描かれていない、バックヤードでの様々な動揺まで伝わってくるようで、
  その「描かれなさ」「見せなさ」こそが、
  薫の本体であるようにさえ思えます。
  閑話休題。


……えーと、何の話でしたっけ。
おおそうそう。


マ要するに、抱える感情の華やかさと、
A地点からB地点まで行く間にどれだけの変化を匂わせることが出来るかで、
脇役だったはずの人も主役を食いますよ、
という好例として、こちらを挙げさせていただきました。
なお、

  「期せずしてそんな風になってしまったけど、
   後悔はしていない!(キリッ」

というのは、著者に確認済みですw(一部誇張アリ?)
執筆当初は、やはり橘+響カップルのラヴをメインに描こうとしたとのことですが、
どうしても薫の華が優ってしまい、
書き終えた時点では「もうそういう作品だ」と、
……ある意味で、薫に白旗を挙げたのだそうです。

  すごいオンナです、薫は。

当初の構成からすると想定外だったとのことで。
往々にしてよくあることです。

冒頭でお話した方のSSの中でも、
やはりメインに据えられていた人物よりも、
その周囲の人物の方に華が、また大きな変化があり、
オイサンは話の本筋よりもそちらの方に目が行ってしまいました。

 ▼そっと我が身を振り返る

そう思いながら自分の書いたものを見返してみると、
オイサンの書くものなんていうのはまあ、
「話の筋に沿って何かが変化する」という要素に乏しいものが多く、
もともとそこにある、ただ隠れているだけの小さきものを、
つついて招き出し、普段と違ったライティングで以って
その影をハッキリさせてみよう、なんていうきらいの強いものですから
(というつもりでやってますから! 出来てるか知らねえけど!)、
そういう意味では、華こそ植えてはいるつもりですが
出演する人数をしぼらないと、誰が主役なのかわからなくなってしまうんだろうなあという、
なかなか致命的な欠陥を見つけて頭を抱えてしまいます。

狙う完成形が、いわゆる物語らしい物語とは多少異なるという、
まあ事情の違いを言い訳にすることも出来ますが、
やはりもう少し、誰が見ても楽しめるもの、
スルスルと字面を追うだけでも、
一先ず最低限の喜びを得ることの出来る体裁を求めると言う姿勢も
大事にしていかねばならんなあと、反省する次第でございます。


以上でござった。
ニンともカンともでござるな。
ニンニン。

  ▼参考・おいもダムの決壊
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/-2046--e390.html
  「人物とその心情」が中心のお話作りと、「状況・物語」が中心のお話作りについての考察



■あとは関係のない話。



  ▼リアル「思い出くん」
  



こんなものが実用おもちゃとして出て来、
携帯テレビ電話も……マまだまだ快適とは言い難い状況ですけど出てくると、
『NOeL』の世界がますます現実のものとなっているんだなあと
感じてしまいます。

……ただ、まあ、な。

娘っ子のクオリティが、現実が二次元に追いついてこないんで、
パーツは揃わないんですけどね。
柚実ちゃん & お涼さまマダー?

 ☆ チン
☆ チン  〃 ∧_∧
 ヽ___\(\・∀・)
  \_/ ⊂ ⊂_)
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
 | 愛媛みかん |/

   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


以上。

今日もどこかでデビルマン、
明日は牛久でデモリションマン。
オイサンでした。



……行かねえよンな遠いトコ。



 

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コメント

■JKPさん
いつもありがとうございます。
戴くコメントに、毎回勇気付けられております。

> 明日は休みだやっほーいなJKPです。

やっほーいもっと休めよー体壊すぞー!?

> ダイの大冒険でポップが読者の好感を根こそぎかっさらったように、大きな変化を遂げたキャラクターは強い引力を持ちますよね。

ハドラーとかねー。ドォォン(魔炎気)
ヒムは微妙に、彼の跡を継ぎそこないましたね。

> オイサンはスタンスが全く違いますからねぇ。
> 出来事で魅せるのではなく、圧倒的な感性と筆力と、そこから生まれる空気感で魅せますから。
> 誤解を恐れず言えば、誰が主人公かということさえ定義する必要がない作品。

本文内で書こうとして書きどころがなかったので削ったんですが。
オイサンの一つ志向する方向性としては、
多分JKPさんのおっしゃる通り、
「文章そのものが一つのキャラクターとして存在するような」
書き方が出来ればなあと思っています。
ですけどまあ、やはり人物・筋がしっかりしていれば、
誰でも気軽に楽しんでいただけるわけで、
そこも大事にした上で、自分の考えることが出来ると良いなあとは思います。

> ……ああ、牛久ね。
> ええ、友人が一人住んでますよ。
> 地元(千葉)のもう一人の友人とどこかに行く約束で待ち合わせをしていて、
> (友)「今日どこ行く?」
> (JKP)「カラオケ行きたい」
> (友)「わかった。牛久でカラオケな」
> と、夜中の12時に、本当に急遽牛久に向かったのは良い思い出です。

ああ、千葉にはカラオケがないんですね、
わかりまおや誰か来たようだ。

投稿: ikas2nd | 2010年8月 2日 (月) 22時06分

毎度です。
明日は休みだやっほーいなJKPです。

>「話の、導入でのINPUTと終わりでのOUTPUTの間で大きな差分を生み出す人物を、
> 読み手は印象深く、ときにその話の主役と捉える」

これは確かに言えますね。
心情であったり、立ち位置であったり。
ダイの大冒険でポップが読者の好感を根こそぎかっさらったように、大きな変化を遂げたキャラクターは強い引力を持ちますよね。
ただ、これはある程度叙事的要素を持つ作品にしか活用できないという弱点がありますが。

オイサンはスタンスが全く違いますからねぇ。
出来事で魅せるのではなく、圧倒的な感性と筆力と、そこから生まれる空気感で魅せますから。
誤解を恐れず言えば、誰が主人公かということさえ定義する必要がない作品。
何度も言ってますが、私は大好きですよ。
私にはどう逆立ちしても書けませんしw
てか、キャラが自然と話を作るとかもないしなぁ。
やはりSSは人様のものを勝手に批評してるのが楽しいですね(にたーり)

>明日は牛久でデモリションマン。
>……行かねえよンな遠いトコ。

……ああ、牛久ね。
ええ、友人が一人住んでますよ。
地元(千葉)のもう一人の友人とどこかに行く約束で待ち合わせをしていて、
(友)「今日どこ行く?」
(JKP)「カラオケ行きたい」
(友)「わかった。牛久でカラオケな」
と、夜中の12時に、本当に急遽牛久に向かったのは良い思い出です。

投稿: JKP | 2010年7月31日 (土) 22時06分

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