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2010年6月 4日 (金)

■タソガレテラス~猫も歩けば核弾頭~『アマガミ』SS -更新第514回-

主人公 (さて、校内も一通りぶらついたことだし……。
     アップルジュースでも飲んで帰るか)



  ちゃりん、ちゃりん。
  ビー、ガタン。
  ぴりっ、ぷすり。


主人公 (ちゅるちゅる……。
     ♪~。
     帰ったら何をし・よ・う・か・な、っと……)



棚 町 「あ、いたいた。おーい」
主人公 (薫? うるさいのに見つかったな……)


棚 町 「おー、美味しそうなもん飲んでるじゃなーい。
     あたしにも一口、よこしなさいよお」

主人公 「……。
     ふぃふんでふぁえよ」



棚 町 「……。
     ストローくわえたまんま喋っても、何言ってるかわかんないわよ。
     ほんっっっとにケチねー。
     自分で買えるなら、始めからそうしてるっての」

主人公 (なんだ、通じてるじゃないか……ちゅるちゅる)


棚 町 「まあいいわ。ヒマでしょ?
     ちょっと話、付き合いなさいよ」

主人公 「ゴクン。飲み終わるまででいいならな」


棚 町 「てんきゅ、それでじゅーぶん。
     アンタにちょっと、聞きたいことがあってさ」

主人公 「聞きたいこと?」
主人公 (ちゅるちゅる……改まって、なんだろう……)



棚 町 「結局のところさあ、どうなの? 絢辻さんって」
主人公 「どうって……どう?」


棚 町 「結構な猫、かぶってっしょ? あの子」
主人公 「ぶっ!!」
棚 町 「汚っ!」


主人公 「げほっ、げほっ……
     お、おまっ! なっ! そんなこと!」

棚 町 「わかり易すぎて涙が出るわね……」


主人公 「……。
     そ、そんなこと、知らないよ。そうなのか?」

棚 町 「何よ、そんだけ慌てといてさあ……。
     今更隠せると思ってんの?」

主人公 (こいつ……どこまで本気なんだ? カマかけてるだけなのか?)


棚 町 「……誰にも言いやしないわよ。
     あんだけ必死に隠してるんだから、何か事情があるんでしょ?
     それを言いふらすほど子供じゃないって」

主人公 「……」


棚 町 「それとも何よ。口止めされてる?
     弱みでも握られてるとか?」

主人公 (弱み……それとはちょっと違うよな……。
     ちゅるちゅる……ちゅる……ず、ずずっ……)



棚 町 「だんまりか……」
主人公 「……」
主人公 (ずずっ、ずっ……ずごー)



棚 町 「……あたしもね、面白半分で訊いてるわけじゃなーいの。
     その辺、心配してんのよ」

主人公 (なくなっちゃったか……)
主人公 「……その辺、って。……心配?」



棚 町 「そ。最近、一緒にいること多いでしょ? アンタと絢辻さん。
     楽しそうにしてるから、別に構わないとは思うんだけど……」



主人公 (……薫)
棚 町 「……やっぱりさ、ちょーっと不自然に見えるところもあってね。
     人のいいアンタのことだから、もしかしたら……って思ったの。
     あんた、分かってんでしょ?
     絢辻さんが、『あのまんま』の子じゃないって」

主人公 (脅されてとか、ってことか……)


棚 町 「だ、大体さあ、ほら。
     接点ないじゃん? アンタと絢辻さんじゃ。
     向こうは優等生だし、美人だし?」

主人公 「らしくないな」
棚 町 「……え?」


主人公 「薫らしくない。友達のこと、そんな風に勘ぐるなんて」
棚 町 「う……」
主人公 「……」


棚 町 「……あたしも、そう思う……。
     ……だけどさ!」

主人公 「まあ、お前の言うこともわかるよ」
棚 町 「え?」
主人公 「接点、ないもんな。自分でもそう思うよ。ははっ」


棚 町 「そ……そーでしょ!? だから、ね?
     どうなのよ!?
     誰にも言わない! 悪いようにもしない!
     何もないなら……もう……。
     口出しも、しないから……」

主人公 (……薫……)
棚 町 「ね……?」


主人公 「聞きたい話ってのはそれだけか?」
棚 町 「ちょ! どこ行くのよ!!? まだ話は……!」
主人公 「落ち着けよ。ゴミ捨てるだけ」
棚 町 「あ、そ、そう……」


     ・
     ・
     ・


棚 町 「……それで、どうなのよ」
主人公 (こいつなりに、まともに心配してくれてるってことか)


  ……ことん。


主人公 「ホントのこと、一回だけ言うから、よく聞けよ?」
棚 町 「……。
     ……うん」



主人公 「絢辻さんは…………」
棚 町 「……。
     ……絢辻、さんは……?」

??? 「……」


主人公 「絢辻さんは、いい人だよ」
棚 町 「あ……」
主人公 「みんなの知ってる通り、素敵な人だよ」


棚 町 「……。
     ……そっか……?」

主人公 「うん。お前が心配してるようなことは何にもないから、
     安心して」



棚 町 「……そう。ん、わかった。
     ごめんね、つまらないこと聞いて」

主人公 「いいさ」
棚 町 「あと、それからね」
主人公 「わかってる。絢辻さんには言わないよ」


棚 町 「あ……。
     フフッ。さすがね」

主人公 「お互いな。長い付き合いだから。ありがとな、心配してくれて」
棚 町 「ふ、なーに言ってんのよ」


主人公 「あと、それと」
棚 町 「んー?」
主人公 「ごめん」


棚 町 「……」
主人公 「……」
??? 「……」


棚 町 「……。
     うそよ」

主人公 「あ?」
棚 町 「うーそ。心配なんて。
     ヤジウマ根性バリバリに決まってんでしょ!?
     だーれがアンタなんかの!」

主人公 (薫……)


棚 町 「あーんまり不釣合いだから、
     そうだったら面白いのになーって思っただけよ!
     あーあ、本当だったら、明日早速恵子にでもバラして、
     クラス中で大ヒーバー祭りにしようと思ったんだけどな……ん?」

主人公 「おいこらお前! ちょっと待て!」


棚 町 「あー……。そうだ。ねえ。あの、さ」
主人公 「ごまかすな!」
棚 町 「じゃなくて。前言、撤回するわ」


主人公 「撤回……何がだよ」

棚 町 「言っても、いい。絢辻さんに」
主人公 「え!? いいのか? でも、なんで……」
棚 町 「いいから! そんじゃ、そういうことで!」


主人公 「あ、おい! 本当に待てよ! 帰るなら、一緒に……」
棚 町 「バーイート! じゃーねー……!」

     ・
     ・
     ・

主人公 (……)


主人公 (薫……)


主人公 「……騒がしいヤツだなあ、まったく」

??? 「本当ね」
主人公 「そう、本当に、って……ぎっ!!?!??!?」


??? 「はあ~い」
主人公 「あ、あ、あ……!」
??? 「偶然ね」


主人公 「絢辻さん!?!??!???!?!?!」
絢 辻 「そ。その絢辻さんです。
     こんな時間まで、校内見回りご苦労さま」

主人公 「は、はあぁ~い……」


主人公 (偶然じゃない、絶対に偶然じゃない!)



絢 辻 「……」
主人公 「……」


絢 辻 「……。
     ふぅ……」

主人公 「あ、あの、絢辻さん?」
絢 辻 「ん?」
主人公 「一体、いつから、そこ、に……?」
絢 辻 「うん。あなたが、帰宅後のロクでもない予定を考えてた辺りからよ」
主人公 「……」


主人公 (ぼ、冒頭からか……。それに、口に出してはいないはずなのに……)



絢 辻 「あたしもまだまだね。
     ううん、この場合は棚町さんを褒めるべきかしら。
     あなた、どう思う?」


主人公 「は、はは……。どうだろうね……」
絢 辻 「何よ、ハッキリしないわね」
主人公 「ご、ごめん……」


絢 辻 「まあいいわ。あそこまで攻め入られても
     約束を守ろうとはしてくれたみたいだし。
     勘弁してあげる」

主人公 「そ、それはどうも……。でも、思った通りを言っただけだから」
絢 辻 「!」

主人公 「あ、あれ? 絢辻さん?」
絢 辻 「……それは、どうもありがとう……」
主人公 「え、いえ……どういたしまして……」


主人公 (た、助かった……!
     弱気にならなくて本当に良かったー!!)

絢 辻 「た、ただし!」
主人公 「え!」
主人公 (ギクリ!)



絢 辻 「一つだけ減点」
主人公 「は、はい」
主人公 (減点!? な、なんだろう!?
     僕、なんかまずいこと言ったかな!?)



絢 辻 「抜けてたわよ」
主人公 「抜……? え? 何が?」


絢 辻 「大事なフレーズが」
主人公 「フレーズ?」
主人公 (な、何? 何の話だ!?)



絢 辻 「『裏表のない』素敵な人……でしょ?」
主人公 「あ……」
絢 辻 「フフフッ」


主人公 「えっと、その……。
     ……ごめん」

絢 辻 「一応そこは指摘しておくわね。
     この際、言い忘れたのか、
     意図的に省略したのかは聞かないでおいて上げる」



主人公 「あ、ありがとう」
絢 辻 「どういたしまして。
     サ、もう何もないなら帰りましょ?」

主人公 「え? 今日はもういいの?」
絢 辻 「ううん。本当はまだやりたいこともあるんだけど……」


主人公 「うん。けど?」
絢 辻 「せっかく、気を回してもらったんだしね。
     さすがに無には出来ないわ」

主人公 「え?」
絢 辻 「鞄、取ってくる。ここで待ってて」
主人公 「あ、ああ。うん……」


  タッタッタッタ……


主人公 (気を回して、って……そんな)
主人公 「薫……」



     ・
     ・
     ・


主人公 「……。
     ……まさかな……」

 




と、いうわけで。





ハイどうも。
シゴト中に、何故か突然絢辻さんのスキBADモノローグが脳内再生されて
胸が刺すように痛む、ビターでメロウな34歳、
オイサンです。

うーん……。
オイサンは……三点リーダの乱用はあんまり好きじゃないのですけどねー。
見栄えは悪いですしねー。

でも、自分のイメージした通りの時間の経過や
キャラクターの呼吸の間を表現するには、
句点、読点、三点リーダ。
あとは改行を駆使するくらいしかないワケで、
勢いその嵐にならざるをえないのですねー。

だから本来は、出来るだけ地の文を使って、間や時間経過は描き出したい。
この話も一度、地の文ありの本家SS形式で、書き直してみたいです。

このシナリオは絢辻さんルートなのか、はたまた薫ルートなのか?
恐らくは、絢辻さん vs 薫の<スキBAD>並走をしたときのワンシーンだろうと思います
(いい加減)。
というわけで、こんな大事っぽいシーンも
思いつき一発で一気に書き上げてしまう、
それもまたオイサンクオリティ。

絢辻さんスキBADで何か書いてみようかとも思うのだけど、
意味が分からな過ぎるのと、絶望的過ぎるのとで手のつけようがない。
オイサン的な解釈が固まっていないことはないのだけれど、
だからといって話らしい話に出来る気もしない。

絶望を深めるだけの話にしてもしょうがないし、
安易に救われる話にして良いわけもない。
やるとするなら、『Ein Hander』のエンディングのような話になるだろう。
絶望999、救い1、くらいの。


■アインハンダー 最終面~エンディング



それはそれで……
多分、書き出しさえすれば面白がれそうな予感はあるんだけども。



オイサンでした。




 

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