« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月の32件の記事

2010年5月31日 (月)

■人生は、やりたくもないことで素敵になる。イヤならない。イヤなる。 -更新第512回-

いよいよ9bit目が立つ第512回。
いきなり抜き打ちテスト!










「へぇ~ぇ、あんたもウメって言うんだ?」










正しい声で再生できた人にだけ優しくしてあげる。
オイサンです。
舌ッ足らずの破壊力。




それでは正解の発表です。 ↓




■屋根の下のウメス 三連発









■ポルナレフさんの Twitter・サイコロジョギングの旅



         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|  あ…ありのまま 昨日 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //| ジョギング中にTwitterで、冗談半分に
         |l、{   j} /,,ィ//| 『サイコロを振れ!出た目の駅数分走ってやる!』
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ  と嘯いたら、4を出されて往復で20km以上走らされた……。
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人  な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ  ヒザがどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \  水曜どうでしょうのマネだとか走る男だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ  そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


……こないだの丹沢登山の方が100倍ラクだった……。
思いつきでおかしなことを言うのは止めよう。
言うにしても、せめて1000円くらい持ってるときにしないと
命が危ない(文無しでした)。

  35にもなろうというオッサンが
  思いつきでやるこっちゃない。

マおかげで、割りこめなかった75kgを突破して
一気に73kg台まで乗っかれたんだけど。
イキオイって、大事やん?( ← ↑6行前!)

ついでに言うと。
最終目的地に設定した4つ目の駅には、
オイサンが並走した路線のほかにもう一路線入っていて、ですね。
……案の定、帰りは間違ってそちらの路線に沿って走ってしまい、
完全に道に迷ってどえらい時間と体力ゲージをロスりました。

  最初に道を聞いたおじさんに、
  「アンタそりゃ方角が全然違う、一山越えるよ?」
  と言われたときにはマジもうダメかと思った。

  そして最後に道を聞いたお嬢さんに
  「それなら、これをまっすぐですよ♪
   頑張って下さいね♪」
  と言われたときにはあと20kmはイケると思った。
  ふおぉぉぉぉ( ← なんか漲った)。

ちなみに、そのジョギングも終盤、なぜかフと
「……SBの社長にそっくりなハゲ親父を連れてきて、
 『孫も大喜びです』
 ってCMを打つdocomo/auとかどうだろう」
とか思いつきました。
何故かは分からない。
けどもうネタ的にはあるんだろーな。



■反省



また、頭の中でイロイロなことがぐるぐるしている。
昨日の過度の運動↑に睡眠不足が重なっているから
その辺の正常でなさも手伝っているのだろうけども。

大体がして、この週末はやろうと思っていたことが半分も出来なかった。
ちくしょう。
あと、もっとゴロゴロしたい。
ゴロゴロして見たくもないTV見たり
読みたくもない雑誌読んだりする時間が欲しいよ。
案外、そういうところから得られるものってあるはずなんだけど、
成果が見込めないからイキオイ疎かになりがちで。

  一昨日、
  blogに載せた小椋佳さんの動画を見るともなく眺めていたら、
  何か書き物のネタが浮かび上がってきそうに
  脳みそにじんわり沁みこんできて、
  結局そのときはハッキリとした像を結ぶには至らなかったんだけど、
  あーこういう時間大事だなー、とつくづく思った。

  こういうことを、いくつか繰り返し、重層的に心に残していけば
  いつか何かしらの引き出しになって一つのネタになっていくんだろう。

Twitterばかりを、むにむにむにむに、気にしてるのはやっぱ良くないな。
どうしたって気にはなるし、
人付き合い慣れしてないオイサンなので、
その向こうに人が居ることを思うと
なかなかこう、疎かにするのも難しいというのもあるのですけど。

  「そもそもお前そんなに大事にもしてねえだろ」

と言われたらグウの音も出ませんが。

  もちろん、Twitterの上にだって、
  そういうネタは転がっていたりするんでしょうけどね。

……週に何時間かは、そうした
「確実な成果は見込めないけど何かのタネになりそうなことをする時間」
をもちたいなあと思うのでした。

そういう風に考えると、
googleの20%ルールってのはやはり、なかなかに素晴らしいなと
思うオイサンです。



■オイサンはメガネっ子



ダイエットに成功してですね。
顔面のサイズが大幅に縮小したので、
ちょっとキャラデザインをいじろうと思いまして、
メガネを変えようと。
思ったんですよ。
テコ入れというヤツです。
違います。
いえテコ入れです(葛藤)。

デ隣町の安物メガネ売りのお店で物色したのですが、
……オイサン、出来ればレンズの縦のサイズは譲りたくない。
横はちょっと縮んだってかまわない。

  あ、オイサンが今かけてるメガネは、
  もう十何年も昔のオッサン(なんならジイサン)メガネなので
  レンズが縦にも横にも超デカいです。

……という方針で探してみたのですが、
そんなの、ほっとんどねえのな。
大抵縦が細くなって横に長い、みたいので。
正方形か、ちょっと縦にも広い楕円か、そんな感じのイメージだったんですが。
ウーム。

そんなカタチで、かつオイサンに似合う、
そんなフレームがどこかに無いかのう。
オイサンの欲するところは、何故か毎度
世間のトレンドに合致せんわい。セブンアンドワイ。

鯖江にでも行ってみるか。



絢辻さんが、オイサンが留守の間に

  コッソリ書き込んでるんだとか妄想するともうタマラン。




  これをな。 → http://p.tl/Zrok



なんだー、そっかー……。
絢辻さん、そんなにオイサンのことが。
もう、直接言ってくれたら良いのになあ。
照れ屋さんなんだからなあ。

よし、今日はケーキでも買って帰ろう!
あと、あずきバーとかりんとうを買って帰らないと。



■あと、昨日の記事に関して。



公開後、Twitterの上でちょっとした議論というか、
意見の交換会が行われたのですが、それを第4先輩さんがまとめて下さいました。
ありがとうございます。
いつもお世話になっております。
こちらにリンクを張らせて戴きたいと思います。

昨日の記事と合わせて、ご参考までにどーぞ。


 ▼アマガミクラスタお喋り会~スキGOODだのBADだのを話したい人が話した~
  http://togetter.com/li/25496

 ▼アマガミSSなどを捨てて置く場所 [第4先輩さん]
  http://fromd4to7saki.blog91.fc2.com/

 ▼手帳の中のダイヤモンド・特別編 スキGOOD・BAD・ソエン考 -更新第511回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/goodbad-511--99.html


雰囲気だけでも、味わって戴けると幸いです。
おもしろそーとか思う方は是非ご参加くださーい。

……いつ、どーいう形で巻き起こるかはわかりませんけどw




……以上、本日は短めに。

Twitterをやってる時間は
「くつろいでいる」時間には入らないから!


オイサンでした。



  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月30日 (日)

■手帳の中のダイヤモンド・特別編 スキGOOD・BAD・ソエン考 -更新第511回-

いくつかの可能性がある。


オイサンは以前にもちょっと書いたように、
<ソエン>やら<スキBAD>やらは、
ADVである『アマガミ』においてSLG的にプレイヤーのあらゆる行動・選択に対して
結論を用意しようとした結果実装された、
物語の壮大な分岐の結末の一つである、と思っています。



……えーとね、ちょっと待って下さいよ。
そうだな、最初に言っておこう。



  『アマガミ』における、メインのルートはナニなのだろう?



ということが、今回の記事の最大のテーマです。
「メインのルート」の「メイン」が指し示すところはいくつか考えているのですが、
いくつかあるとお話が発散してしまうので
ちょっと小ずるく言葉を広げてまとめてしまうと、

 「その結末に辿り着いたらひとまずそのゲームを終わらせたことになる、
  『そのゲームが語りたかったことを受け取った』ことになる、
  あるヒトツの道筋」

のことです。

  たとえば『FF』や『DQ』なら、一通りの物語を辿って
  ラスボスをやっつければ「終わらせた」と言えるとオイサンは思っています。
  クリア後のお楽しみとして、神様とかアルテマウェポンとか居たりしますけど、
  大体フツーはいわゆる「表のラスボス」で「終わった」って言うよね、
  というセンです。

  『ぷよぷよ』だったら……なんだろうか。
  NORMALくらいの難易度で、
  まずはストーリーモードをクリアすることじゃないですかね。
  何人かのキャラクターでね。

『アマガミ』における……その道筋・結末というのは、果たしてナニなのだろう、
作り手の想定・設定したものはどんな感じなんだろう?
ということを、ちょっと考えておきたいなーと思うのです。



■明示されているもの



最初にぶっちゃけてしまうと、まずは本編中には仕込まれているものとして、
「カーテンコール」と「全エピローグコンプリート」がありますね。

  あるんですよ。
  オイサンまだ見てねえけど(オイ。
  「カーテンコール」は……メインヒロイン6人全員の、
  <スキBEST>と<ナカヨシ>と、隠し二人のルート、だったかな?
  で、「全エピローグコンプリート」は文字通り、
  全ヒロイン分の<スキBEST/GOOD><ソエン>まで含めた全エピローグを見れば、
  確か流れるんだったと思います。

正直、後者は「そこまでやらないと終わったことにならないの?」
という疑問もわくレベルなので、
マ二段構えとして、
その第一弾がカーテンコール、第二弾が全EPコンプとしましょう。
まずは、それだと思うのです。

一先ず

 「メインヒロイン+2名、全員の、幸せ(?)な結末を見届けること。
  そしてそれをすることで勢い明らかにされる、
  主人公のトラウマの真実と、背後で起こった事件の顛末に触れること
  (+出来れば、その出来事の意味を自分の中でキチンと考えること)」、

そしてさらに+αとして、

 「悪い結末まで含めたあらゆる結末を見届けること」

なのだと思います。



■深彫りしてみる



デここまでは「浅い」部分のお話で。
上で書いた「いくつか考えている」、その「幾つか」について
……つっても二つだけなんだけど……
お話しておこうかなあと思います。

 ▼商品としての物語が抱える二つのテーマ

テレビゲームの世界で、表現力が大幅に向上して以来取り沙汰されている問題として、
「テレビゲームは商品か? 作品か?」
というものがあります。

簡単に言ってしまえば、
「買った人間が全員が、常にお金を払っただけの満足を得られなければならないもの」
であるのか、それとも
「内容によっては買った人間でも満足に至らない可能性があるもので、
 買う側に能力が求められ、責任を持って選別しなければならないもの」
であるのか、と、そんなことです。

  「受け手主権・作り手が、受け手を見て作る(=商品)」のか、
  「作り手主権・受け手が、作り手を見て買う(=作品)」のか、
  と言い換えても良いでしょう。

もちろん、
「必ずどちらか100%である、というわけではない」ことは言うまでもありませんが。
性質としてどっちよりか、ということです。

そしてどうあがいても、
テレビゲームソフト(に限らず商業映画なんかもですが)が一定以上の割合で
「商品である」ことは否定できませんから、
たとえ作品性を持ち、重視しようとする作品でも、
必ず以下のような二つの幹を背負わさます。

 1) 「商品として、これを遊べばひとまずお客さんが満足してくれるだろう」
   という、商品としての背骨の部分

 2) 商品の体裁としての1)を保持しつつ、それとは別に、
   作り手がもっと、最も訴えたいテーマ


本来、1)と2)は商業作品において大きく分離していることは望ましくないのだけれど、
2)があまりにも、商品の幹として……
  ……つまり、
  「お値段分払えば誰でも手に入れられて、お値段分の価値を手に入れられますよ」
  なんていう前提……オイサンはそんなモンウソッパチだと思いますが……
  のもとに頒布されるモノの幹として
……相応しくない場合、つまり
その「満足」という機能を果たしえないものであるときに、
ひとまず表向きの1)をたてて、その影に2)を仕込み、
どうにか受け手と送り手の満足を両立させようとするという目論見がなされます。

つまり、作り手の一番の目的・意図(= 2))が万人に満足を与え難い場合、
満足させるためのダミーの要素( =1))を与えて目をくらまし、
その影で、分かる人間にだけ本来の意図を与える、というやり口です。

マそのくらい、オトナだったら考え付きますよね。



■サテ、話を『アマガミ』に戻します。



『アマガミ』における1)は、
基本的には人それぞれであることは当然ですが、あえて客観的なセンを引くとしたとき、
上で書いた通り、「全EPコンプ」か、「カーテンコール」、
或いは幾人かのメインヒロインの、<スキBEST><ナカヨシ>。
そんなもんでしょう。
「そのくらいやればモトはとれますよ」くらいのハナシですよね。

  ……正直オイサンの感覚では「全EPコンプ」はハードルが高い気がします。
  良くて「カーテンコール」、
  プレイヤーの大多数の皆さんは、メインヒロイン何人かの、
  幾つかのエピローグを見ておしまいにしているんじゃないでしょうか。

では、『アマガミ』に、2)はあるのか? あるとしたら何なんだ?
という話になります。
よーするに、『アマガミ』において、1)とは別に、作り手が一番
「ここを見てくれよ! ここに触れてくれよ!!」
ってところは、何か特別にあるのかな?
それはどこなのかな?、って話なんです。
冒頭に戻りましたけど。


  オイサンは、それは「特にはない」、とお見受けしています。


1)の要素、すなわちフツーの恋愛ADV・SLGとして、
甘く切ない(そして紳士的な)物語を、革新的なシステムと語り口で堪能する、
それも幾通りかの物語で、幾種類かのタイプのヒロインで、
という、ある意味で従来的でスタンダードな作風を
大きく拡大したものが、『アマガミ』が提供するサービスの全てであり、
受け手に触れられるべき一番の要素なのだと思っています。

  無論、幾つかの目新しいシステムや
  突拍子もないエピソード、物語の語り口など、
  物量的・多様的な拡大の仕方はしていますが。

ただ……やっぱり、ちょっとした引っ掛かりはあります。
そう、やつらの存在です。
厄介なあの方々が。

  <ソエン>と<スキGOOD/BAD>です。
  奴らの主張は……いるだけで強烈過ぎる……
  そう「見えて」しまうきらいがあります。

けれどもオイサンは、基本的にはこの二つの「一種異様な」エピローグについても
他のエピローグとフラットな位置にあるものと見ていて、
冒頭で書いたように
「恋愛ADVとして、あらゆる行動選択肢に対して、結末を物語的に提示する」
ための設えのうちのひとつであるとのみ捉えています。
何か、特殊なメッセージを負うものではない、という解釈です。

  ……そらまあ、全ッ然まったく何もないってことはないと思いますが、
  それもまた程度の問題でね。
  たとえば<スキ>と<ナカヨシ>に差があるように、
  それらと<スキGOOD/BAD>にも差がある、という程度のもので、
  1)から分離して2)として配置されるほどの大きさと重みを負ってはいないだろう、
  くらいの解釈です。
  なんか、言いたいテーマくらいはあるとしても。

ところが、上記で述べた
「カーテンコール」と「全EPコンプ」の差分となっているのが、
<スキBEST/GOOD><ソエン>なわけです

そう考えたとき、上では「カーテンコール」と「全EPコンプ」を、
1)の第一段階と第二段階と書きましたが、もしかすると
「カーテンコール」が1)にあたり、
「全EPコンプ」が2)に当たるのではないか、
という仮説に行き当たります。

しかしながら。そこで素直に、
<スキBEST/GOOD><ソエン>が作り手のもっとも訴えたかった部分なのかなあ、
と思いを馳せたとき、そこには大きな違和感が横たわりもするのです。



■違和感と不足感



それは、
もしも<ソエン><スキGOOD/BAD>が2)にあたるものなのであるとしたら、
何故作り手は、もっとそこへ行きやすいように、
プレイヤーをゲームの中で、あるいは外で、誘導することをしないのだろう、
そこに行き着きやすいゲーム性を提供しなかったのだろう?
という疑念です。

  最も伝えたいことのだとするならば、
  何故全く、そこへの道筋を示すそぶりさえ見せないのか。

本編からはその意図が読み取れないのです。
多くのプレイヤーにとって、情報は本編がその概ねであるのに。
「ここやって!」「ここいじって!!」
という、製作者のエッチなおねだりが聞こえてこない。
プレイをしていてもそこへ導かれていかない。

  むしろ取説には、<ソエン><スキGOOD/BAD>に必須である二股を阻害するような、
  「ヒロイン一人に絞って追っていけば良いよ」的なことすら書いてある。

  ……マそれは、『アマガミ』の1)が
  「ヒロインとのハッピーな物語を楽しむことにある」
  ということの証明でもあるのでしょうが。

  そしてところがどっこいその下には、
  二股プレイの可能性をほのめかす記載があることに、
  若干の味わいを感じますけどもねw
  いいですねえ、この躊躇い。
  薄汚い。
  実に良い薄汚さです。褒め言葉ですよ。いとおしい。

マ<ソエン>はね。
フツーにやってれば、何人かのヒロインは自然とそこへ向かっていきますから、
狙ったヒロインのハッピーエンドを回収する傍ら、
あとでLOADして見直せば拾えるので、
さほど到達しづらいというわけではありません。

問題は<スキGOOD/BAD>の方で、
……やっていてもね、作り手が、そこへ誘導しようという意図を感じられないのです。
正直、フタマタとか、狙ってやっても結構難しい。
成立しない組み合わせとかもありますし。
拒んですら、いるように見える。
マ中身が多少キョーレツなこともありますし、
表の顔と比してアンバランスですから、
そこに躊躇いがあったことも想像に硬くありません。

  でも。
  そこで迷うなら……ほな始めからすなよと……
  オイサンは敢えて思い、言ってしまいます。
  やるならやる!……で、その匂いは出して欲しかった。
  こっちだ! ……と、言って欲しかった。
  その個人臭を徹底して消すスタンスは潔く、うらやましくはありますが。

これは、オイサンの好きなゲームデザイナー、桝田省治氏の言葉を借りるなら、
「伝えたいことが、ノイズに負けている」
といわざるを得ない状態。失敗です。

もちろん、2)を1)で覆い隠すという目的もあるものですから、
そこは成功していて、ただもう少し、もーーーーーーーー少しだけ、
二股が成功しやすいとか、ヒロイン二人がバトルになりやすいとか、
そういう仕組みにしておく必要があったのではないか。
本当に、そこに触れてほしかったのなら。

  そこでオイサンが真っ先に思いつくのが、『リッジレーサー』シリーズでした。
  特に『4』。『R4』。
  あのシリーズはうまいもので、プレイヤーがそこそこ上達してくると、
  各コースの一番シビアなところで、
  ライバルカーとの競り合いが起こるように作られています。
  ホームストレッチ直前のヘアピンとか。
  コースに必ず盛り上がりどころが用意されていて、
  そこで、敵車をかわすのか、インをついて弾き飛ばすのか、
  そこはプレイヤーの力量と気持ちヒトツで選択自由ですが、
  バトルはそこで起こる。そういうデザイン。

  オイサンはレースゲームやSTGの「コースレイアウト」というのは
  シナリオだと考えていて、
  『リッジ』のやっていることは、
  シナリオの最も盛り上がるところでライバルと激突が起こりやすくする、
  もしくはそう誘導する、ということだと思っています。

なので、もしも本当に、<スキGOOD/BAD><ソエン>に
作り手の何らかの意図が、想いがこめられているのなら、
そういう構成、そういう誘導、そういうゲームデザインを、
何故作り手はしなかったのか。
そこに疑問がありますし、
同時にその迷いや躊躇いを美しい、愛おしいと思いますし、
やっぱり同時に、惜しい、残念だッと、歯噛みするほかないわけです。
やりたいと思うなら、やれば良かったのに。
見たかった。
彼らが本気の牙を剥いたギャルゲーを。
恋愛ADV・SLGを。

「<ソエン>って何なんだ、<スキGOOD/BAD>って何なんだ。
 なんでこんなものを、作り手は用意したんだ?」
……ということが、ワリと重たく取り沙汰されることの原因は、
1)に含まれるようには見え難く、2)であることも明言されていない、
つまり
「ゲームの目的として居場所がないのに、
 (受け手によっては)強いインパクトを受けすぎる・主張が濃すぎる」
という、
そのせいなのだろうなあと、オイサンは思います。



■……まあね。



こういう話をすると今度は、前作であった色々が持ち出され、
「それら色々を払拭するため」であったり、
「尖りすぎることを嫌ったため」であるなど、
なかなかフクザツな経緯を踏んできているので一筋縄では語れないところはあるのですが、
そこには「程度」というさじ加減含め、いくらかのやりようはあったと思うのです。
それに、やるならやるで、そんなことまで慮ってる場合ではない。
どちらかに絞らなければならなかったのではないか。

デ結局、そこを迷った挙句に両方詰め込んで、
匂わせるべきところで一歩引いてしまった。

  少なくともオイサンには、
  「それが実装されていること」以外にその意図を感じとることが出来ず、
  「実装されている」ことの理由としては、
  <スキGOOD/BAD><ソエン>が、<スキBEST><ナカヨシ>等々と、
  見た目フラットに配置されていることから、冒頭でも書いた
  「あらゆる行動へのレスポンス・結末を用意すること」という動機に解釈することが
  自然で無難であると思ってしまいました。
  それだって、かなりなチャレンジですからね。
  そうであっても不自然ではないと、思えるのですよ。

その時点でもう、
「<スキGOOD/BAD>に特別な意味をこめたことを伝えたい」
というエゴの大部分を放棄したのだと、オイサンは受け止めました
(<スキGOOD/BAD>が作り手にとって2)に当たる、
ということが事実だったと仮定した場合の話、ですよ。くどいようですが)。

なので、
<スキBEST><ナカヨシ>は1)の要素として、フラットに君臨し、
<スキGOOD/BAD><ソエン>は、やはりフラットではあるのだけれども、
ちょっとこう……中二階的な高さにある、けれども特別な何かでもない、
幾つかのエンディングのひとつに過ぎないと考える次第なのです。

各ヒロインごとにEPコンプ的な目印が用意されていれば、
その<スキGOOD/BAD><ソエン>の二つが作り手のメッセージであったという風に
解釈しやすくもなると思います。

しかし『アマガミ』ほどの規模に膨れ上がった物語の中で、
その結末全部を網羅して初めて、
2段階ある大結末の差分の部分が印象として強く浮かび上がってくるかと言われると、
……オイサンの感覚の話にならざるを得ませんが……
受け手の感覚としてはそれは弱く、
「それがメッセージである」という受け止め方をするには、なかなか至らないように思います。

第一段階で示された結末(<スキBEST>+<ナカヨシ>)が第一義とされ、
第二段階で加えられるものは、ボーナス的な扱いか、
良くても他の結末とフラットな位置にあるもののように見えると……
実際に絢辻さんの<スキGOOD/BAD>、そして他ヒロインの<ソエン>を集めてみて、
オイサンは感じるのです。



■えーと、だからと言って。



<スキGOOD/BAD>や<ソエン>を、
ことさら重たく受け止めるのがおかしいとか、
そういう話でも決してないことは、お分かり戴けると思うのですが。

だって、上でも書いた通り、全ての結末は「フラット」なのです。
平地。
平ら。
<スキBEST>だろうが<ナカヨシ>だろうが、
<スキGOOD>だろうが<スキBAD>だろうが、
プレイヤーのとった行動が反映されて導かれた、その過程と結末、
そのどれを最も重く受け止め、価値のあるものであると自らの胸のうちにしまい、
現実に持ち帰るのか、
それはもう、プレイヤーの自由なのだと思います。

  もちろん、「それだけが最重要、それが全て!」
  という判断を、周りに押し付け説いて回る向きがあれば、
  それはやはりおかしなことだと思いますけどね。
  そういう人もいる、そうじゃない人もいる、
  それは、……たかがギャルゲーごときで大袈裟な話になるのは好きじゃありませんが、
  それぞれがこれまで歩んできた人生の中で拾い集めてきたものの、
  どんな窪み、どんな出っ張りに、
  『アマガミ』で、ヒロインが、サブキャラが、そして橘さんが、主人公が……
  ……語ったでこぼこな物語の凹凸が、
  うまくはまったかってことだけなのだと思います。

作り手が本当に見せたかったもの、届けたかった想い、
実際のところそれらの要素がどういう配置で位置づけられているのかは、
今のところ公式の発表にはなかったと思いますが、
……そんな風にね。
彼らが最終的に作り上げ、オイサンらの前にポンと置いたものからは、
読み取れてしまいましたよと、思った次第です。

  そうそう、冒頭で持ち上げた「メインのルート」の話、
  ここまでのお話で大体分かっていただけたと思いますけど、
  「全EPコンプまでの道のりで手に入れる、
   自分の納得のいく、自分にもっとも響くエピローグと、そこに至るプレイ」
  ってことになりまさあね。
  毒にもクスリにもなんねえけど。


      ・
      ・
      ・


まオイサンがこういう結論に至った一つの理由と言うか
経緯をご説明申し上げますと、
オイサンはこれまで、育成恋愛SLGをメインに遊んできたわけです。
そういう世界では、恋愛ADVや、ADV的なSLGとは違って、
<スキGOOD/BAD>や、<ソエン>的な展開も、至極当たり前に起こる事でした。

それは『アマガミ』ほど物語寄りに、ドラマチックに描かれはしませんでしたが、
オイサン扮する主人公の行動や選択によってヒロインたちに降りかかった
不幸な結末に思いを及ばせるにつけ、心は痛みますし、
胃をやられたことも一度や二度ではありません。
そうした結末に対してプレイヤーが心に重いものを感じることで
ある意味一つの責任を果たすということも、一切合財、全然特別なことではない。
そう思うのです。

  そこに発生した不幸を己の身に照らし合わせ、
  同一化し、
  深く感情移入することは、ある意味日常的なことでさえあった。

そんなことから、<スキGOOD/BAD>や<ソエン>の置き場所に困ったり、
必要以上に扱いに困ったりすることに、割と違和感を感じており、
今回、それらに対する解釈を明らかにしておこーと、
記事にまとめるにいたった次第です。


マそんな解釈で、
オイサン的にはあらゆる選択が等価の意味を持つ『アマガミ』の世界では、
そこに重みづけをするのはプレイヤーの仕事であって、
「テレビゲームはプレイヤーに遊ばれてこそ初めて完成する」という、
遠い昔にゲームの神様が言ったオコトバを、
奇しくも体現しているように思うのです。

そしてそこに遊び、
独自の答えを見つけて今日も元気に頑張ってるプレイヤーの皆さんは……
なんだかやっぱり、いいんじゃない?
それってオトナじゃん?
みたいなね。

そういうステキなゲームの世界ですよねってことを、
改めて感じ入った次第でありますことよ(詠嘆)。

マ皆さんのね。
なんつーか、物の考えの一つの題材とか、
酒のつまみの一つにでもなればと思うですよ。



オイサンでした。


 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

■だからぼくらは、もどかしく生きてく -更新第510回-

女の人ばっかり妊娠出来て、ちょっとずるいよなー。
……と、怒られそうなことをツイッターで言おうとして、
やっぱり怒られそうなので自重する。
そしてここで言う。

オイサンです。

だって、オイサンだって絢辻さんの子供を身篭りたいよ。
そりゃ辛い、大変、色々あるだろうし、想像を絶するご苦労もあるでしょうよ。
やってみりゃ文句の一つや二つ出るだろうけど。

「やってみたい」ぐらい、別にいいだろう?
「生まれ変わるなら男と女、どっちがいい?」って、
そんな話の延長さ。



■昨日の話



朝から快晴……雲はあるけど、チラホラ程度。

R0025927
自室から覗く空

こうして空を見上げて思うのは、
日本の空は丸く見えるな、ということで。
空が球体を覆うものであるように、グーンとドーム上に歪曲して見えるなあと。
カリフォルニアで見た空はそうでなく、
四角く平たいフタがどこまでも、延々遠くまで続いているように見えた。

この差はただ単に、遮る物が多く、丘や建物の向こうに空の端が消えて見えるのか、
遮る物がなく、どこまでもひたすら遠く続くように見えるのか、
その違いでしかないのだと思う。

アメリカに行って良かったと思ったことなんて殆どないけれど、
そういう風に比較して思えるようになったことは
ちょっとだけマシなように思う。

  あと、ポテトチップスのLay'sだけは病み付きになったな。
  あれだけはどうしても、こっちでも時々買ってしまう。
  絶対に日本のポテチよりもカロリーバーストだと思うのだけど。

またよその国に行けば
また違う見え方がするんだろうか。



■ユニクロで買った、部屋着(上下セット)が快適過ぎて生きるのが辛い



マそんな空の話とは全然関係ないのだけども。
……どうでもよろしいが、
昨日書いた、絢辻さんと主人公がパワプロやるっていうSS

あのあと、ゴハン食べて、ケーキ食べて、
リビングで二人並んで、
お互い上手くないながらもごちゃごちゃ言いながらパワプロやって……たら、
どちらともなく擦り寄っていって、
お互いなんとなく察して、視線で導きあって、
触れ合って、
キスして、
しなだれかかって、そのまんま、ってことになるんでしょうね。

ごにゃごにゃごにゃごにゃしてな。
んもう。

マどちらかにその気があって、
他方がそれを受け入れれば、ですけど。
マこの二人の場合、絢辻さんにイニシアティブがあるんでしょうが。
つか雌の方に、か?
いやホント。
ムハー。≡3
5回コールドしてる場合じゃねえだろ俺は。
やっとけよそういうことも。
ナニ5回コールドしてんだよ。

しかし最近になってようやく思いますけど、
そういう手続きというのは想像するだに味わい深く、
どーぶつくさいというか、
イヌネコと大して変わりないもんだなと思えて、
人間って、つくりが案外かわいらしいなと思います。

ただ、人間の場合脳が発達してさまざまな機能を代替というか賄っているために、
本来ハード的に、シンプルに直截的に受容・判断するはずの専門の器官が後退しているのでしょうか、
このサインはあのサインだろうか、それともこのサインだろうかと、
外部刺激を受け取ってから判断・処理をする間に、
一つ一つの所作に判断上のとまどいのようなものがちまちまと挟まる、
オイサンは自分でそういう揺らぎの落ち着きどころを考えたり判断したりするのは
一意的でなく曖昧で面倒だなあと思ってしまいそうですが、
でもその、あっちだっけ、こっちだっけ、
これでいいんだろうか、それともこうだろうか、
みたいな「もどかしさ」は、
やはり味わい深さみたいなところに繋がっていく気がして、
微笑ましいというか、かわいらしいと言うか。

美空ひばり先生の名曲「愛燦々」の中にも


 ♪ 人は かわいい かわいいものですね


なんていう一節がありますが、ホントそーだと思います。

■愛燦々



本当、本ッ当、素ッ晴らしい歌だよなあ……。これぞ歌っつうか。

寝たり、食べたり、走ったり、えっちなことしたり、
色んなことに対してぐじぐじと考えすぎる人生を送ってきたけれど
(そして別段それは大した実を結んでいないけれど)、
こうしてシンプルに見渡してみると、
どれもこれも難しいことではなかったんだなあと思えます。

なんでだろうねえ。

絢辻さんのことを考えていると、
本当にそういう風に物事が自分の中でまとまっていくから不思議なんだなあ。
まあ多分、普通に……本当に好きなんだろうなあ。

あーあ。
なんかこう……えっちじゃなくてもいいから、
まずは絢辻さんとそういうサインの交換をしてみたいもんだのう。
うーん。
そうだなー。
多分絢辻さんとは、会話モードとかアタックで描かれる、
そういう部分の機微のくすぐったさが、
……そこにリアルがあるかどうかはオイサンには分かり得ませんが、
オイサンにとって、すごく気持ちよかったんだろうなー。
他のヒロインにはなかった気がする。

そしてちょっかいかけるのに失敗して、


  絢 辻 「ちょっともう、今本読んでるんだから!
        見ればわかるでしょ!?
        あっち行ってて、引っ掻くわよ!」



とか叱られてスゴスゴと、すげなくされたオス猫感丸出しで撤退したいです。
ぬはー( ← ゴマンエツ)。

そんな天気の良い日のオイサンのBGMは、
『アマガミ』から行動マップで流れるメインテーマと、
『スーパーマリオギャラクシー』より神曲、ウインドガーデンギャラクシー。

■スーパーマリオギャラクシー ウインドガーデンギャラクシー




■『アマガミ』的な色々の感想



 ▼Sincerely Yours 第6話 「なんでこんなに」後編

短ッ。
いや、そんなこと言っちゃいかん。
桜先生だって大変なんだ。

とりあえず、胸をもまれても平然としている絢辻さんに
何か「違う」ものを感じるオイサンです。
その「違う」は「絢辻さんらしくない」とか、「オイサンの思い描く絢辻さんと違う」
という「違う」ではなく、
「あ、この世界の絢辻さんはこういう絢辻さんなんだ、
 違う、何かが違うぞ!」
という、未知の絢辻さんを嗅ぎつけた、プラス寄りの「違う」です。

この作品に関してはもう、ただただ素直に、
供されるものを楽しんで受け容れたいと思います。
そのぐらいワクワクして読んでいる。
何が起こるか、どう転ぶか分からないし、
どうにでも転ばせて欲しいと思う。
ただ、もう一押し。斜め上に向けて頑張って欲しいと思っています。

デフォルメキャラの可愛さは、モハヤ言うに及ばず。
あと、今画面に登場している美也は中学生で、
オイサンらの知らない中学で、オイサンらの知らない中学生活を送っているのだと思い、
その生活に思いを馳せると、なんだか胸がキュンキュンします。

ちなみに、単行本1巻は 6月15日(火) に出るみたいでーす。

 ▼ヤングアニマル・東雲アマガミ『Precious Diary』

もう今回はハッキリ言う。
ネームが良くない。
……と、思います(失速)。

  プロじゃないですからねオイサンは。
  そこはわきまえて控えめにいきたい所存。

ただ、今回に限らずだけども、この作品全体に関してオイサンが抱いている感想。
セリフのテンポを作るコマ割り・フキダシの配置になっていないと、
オイサンは感じる。

  『Sincerely Yours』とは真逆に、
  どこにどう落ち着くかが分かり切っているだけに、
  その本来ある一つ一つのパーツのクオリティを
  上げきっていくことが求められてるはずです、このスタイルの連載は。

絵の密度とか、綺麗さは確かにすごいと思う。
でも、オイサンがこの漫画に魅力を感じないのは、
そのテンポの良くなさ、読み辛さに拠るところが大きい。
セリフが自然な時間の流れや間で頭に入ってこない。

とはいえ、それは作家さんの問題だけでは決してなくて、
全何回で、原作からどれだけのエピソードを詰め込んで、一回が何ページ、
という縛りのある中で、
多分ベストの構成で必死にやっているのだとは思います。

だからこそ、残念。

大ゴマを使って、迫力のある、密度の絵で勝負しているのもわかるのだけど、
マその辺は好みの問題で、
オイサンは多少コマは小さくなっても、間を取るコマやテンポを作るコマをはさんで
セリフを先ずは気持ちよく読ませて欲しいタイプなので、
文字がパッパッパッと入ってくるだけ(のように見える)
今のコマ割りとセリフの配分は、ちょっと性急に見えて、逆に大味で、雑。
もっと時間を絵で表現されたいし、
それによって絢辻さんの重みも表現されることもあると思うし。

でもまあ、このシリーズのコンセプト自体が
「主に絵で見せる」なのだろうから、言っても仕方のないことなのでしょう。
せめてもう少しページ数があれば。
なのでオイサン的には、漫画のハードウェア部分……と言っていいのか、
基礎工事の部分? お話やキャラを除く、紙面の使い方の部分の完成度は
下記 ↓ の『Love Goes On』の方が上だと思う……けども、
環境の恵まれ方が違うから、一概には言えないんでしょうね。

いや、大変だとは思いますよ。
隔週で、この枚数で、この絵のクオリティを保っておいでなのは、
すごいと思います。
でもやっぱり、もっと「たっぷりと」魅せてもらいたいと思うのでした。

 ▼マ王・上乃アマガミ 『Love goes on』

ありゃ。
なんだろう、随分良い気がしてきたぞ?

正直、オイサンには七咲の魅力ってあんまり分かっていなくて、
なんでこんなに人気があるのか自分の中で咀嚼理解出来ていないのだけど、
この七咲なら分かる気がする。
ていうか、分かりやすい。
多分この分かりやすさは、生粋の七咲ストには不満なのだろうけど。
かわいいかわいい。
オイサンには響かないけども、この可愛さは理解できる。

  といっても、よくいる運動系ヒロインのテンプレートな可愛さなので、
  これが今、七咲である必然性はあまり感じないけれども。

「そっけない」とか「クール」成分は随分ナリを潜めてるけど、
これもう<スキ>の段階っぽいので問題ないか。

お話はまあ、本編通りなのでさほど見るべきところはありませんが、
……やっぱりページ数、このくらいは欲しいところよなあ、と、
東雲アマガミの不憫さを見ていて思います。


……。


しかしまあオイサンには、ホント『アマガミ』以外には
読むモチベーションになるものがないんですけどね。
ヤングアニマルにしても、マ王にしても。
『三月のライオン』くらいでしょうか。
あ、マ王の、巻末のヘンな4コマ(博士と助手のやつ)は大好き。
……こいつに関しちゃ『アマガミ』漫画よりも好きだなw
ぬはは( ← 笑ろてはる)。



■オマケ



そして最後は、今日行ったお店のお写真でシメます。

 ▼喫茶 町田「珈琲舎ロッセ」

コーヒーの専門店です。
普通の喫茶店めいてるんだけど、基本はコーヒー専門店。
モカマタリを注文したら、「今はモカはいい豆が入ってこない」と
笑顔でかわされるとか、そういうお店です。
R0025947x
また行く。
絶対行く。
オレンジケーキのサイズも小さめで嬉しかった。

 ▼お昼 「つばめグリル」

ハンバーグ。
うん、美味しかった。
ただちょっとお客が多くて、回転を強要される感じがあるのが辛かった。
食べ終わったお皿ソッコー下げて、テーブルに何もない状態にしておいて
「ごゆっくりどうぞー」
はイヤミ以外の何物でもないだろう。
シメのお冷くらいゆっくり飲ませてよ、と思う。

R0025975x
twitter上である方に「高精細の写真を!」とか大見得切った割には
大してちゃんと撮れてなくてゲンナリorz


お味やボリュームは決して悪くないんですけどね。
でも、そのサービスを除いても、ちょっと割高。
ワリと僅差のお味で、6割7割のお値段で食べられるところもあるので
わざわざ足を運ぶかと言われたら……どうだろうね、という感じです。

でもまだ、他のメニューを試していないので分かりませんが。
何人かで行くのが楽しいかもなお店ですね。



以上、コレと言った取り留めも無く。
……ていうか、今日は反省はいっぱいあるんですけどね。

結局、書き物には手がついてないしな。
朝の出だしは良かったんだけど、昼以降の流れが悪かった。
まとめようと思っていた、もう一つの記事もまとめられなかったし。
はあ。
明日はなんとか挽回しよう。卍解じゃなくてね。



オイサンでした。



 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月29日 (土)

■『アマガミ』 絢辻さん SS リンク目次

オイサンです。

絢辻さんSSが、本数も増えてとっ散らかってきたので、
ここらで備忘録的にまとめておこうかと。

マこのところ、たまに
「絢辻さん SS」とかのワードで遊びにいらして下さる方もおられるので、
ちょイとその辺にイイ顔しておこうという企みもありつつw

長いものから短いものまで、
軽いものから重たいものまで。

この半年余りをかけて、
オイサンの中に住みついた色んな絢辻さんを精一杯、心をこめて描いてきました。
是非とも楽しんで行って、良ければご感想なども書いていって下さい。
お叱りも甘んじて。

出来るだけ、本編の姿を損なわないように心がけてはいるつもりですが、
……マ、たまにはね。
好き勝手にやったりもしてますんで、その辺はご容赦のほど。



  ◆最終更新:2010. 11月23日 11時00分
    ※見出しのマークが「★」の物は、現在進行形のものです。

    ◆2010年11月23日
     底抜けインディアAmazin'!~本日は、カレー気分で~
      -1- / -2- / -3-
      絢辻さんお気に入りのお店でカレーを食べよう!
      他のSS書きさんとの競作企画。

    ◆2010年10月10日
     Tea for Life . ~SS・『TLS2』香坂麻衣子 -更新第591回-
      『トゥルーラブストーリー2』から、香坂麻衣子先輩との昼下がり。

    ◆2010年09月18日
     がたぐらすの絶滅 -更新第388回-


========================================================================
■■■━ 『アマガミ』 絢辻さん SS目次 ━■■■
------------------------------------------------------------------------
■手帳の中のダイヤモンド -02- -更新第201回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/-2--200--06a1.html

■手帳の中のダイヤモンド -04- 第一部 Pre Story -更新第203回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/-4--pre-story-2.html
 学校の絢辻さん。

■手帳の中のダイヤモンド -07- 第二部 PRE STORY -更新第207回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/-07--pre-story-.html
 「目標」と絢辻さん。

■手帳の中のダイヤモンド -09- 第三部 PRE STORY -更新第210回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/-09--pre-story-.html
 絢辻さんと、家族と。

■手帳の中のダイヤモンド -11- 第四部 PRE STORY -更新第223回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/-11--pre-story-.html
 絢辻さんと、手帳のヒミツ。

■手帳の中のダイヤモンド -14- 第五部 PRE STORY -更新第234回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/-14--pre-story1.html
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/-14--pre-story2.html
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/-14--pre-story3.html
 絢辻さんは恋をする。

★手帳の中のダイヤモンド -16- 第六部 PRE STORY -更新第303回・328回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/-16--pre-story1.html
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/-18--pre-story2.html
 絢辻さんのことが分からなかった頃の「僕」。

■暴想あやつじさん劇場 第2話 「おひるごはん」 -更新第199.5回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/2-1995--c27a.html
 小ネタ一発。

■SUMMER BREAK! -更新第265回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/summer-break-26.html
 あやつじさんと焼きイカ。下の方にちょっとだけ。

■嫁入り金魚と、フスマの国のお姫さま -更新第275回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-fdf6.html
 お正月の縁お姉さんと、絢辻さん。

■貪るように -更新第279回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/-279--fa4b.html
 鰻と穴子と絢辻さん。真ん中辺にちょっとだけ。

■帰省 -更新第282回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/-282--2e36.html
 夏休みの、ある絢辻さん。

■デキゴコロ。~本日は会話モードで・2 -更新第285回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/-285--f9a8.html
 絢辻さんとぬいぐるみ。

■夏・終・話 ~ナツヒノハナシ -更新第294回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/-294--c55c.html
 怖い話と絢辻さん。

■ジブリ実験劇場 -更新第30?回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/-30--6cb0.html
 一人寂しく、秋を過ごす絢辻さん。

■Dance with …… -更新第316回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/-316--4869.html
 動物園と丘のまち。……と、絢辻さん。

★ハッピー・バースデーがきこえる ~手帳の中のダイヤモンド・番外編
 絢辻さん、18年目の誕生日。
 前編:    http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/-324--31c2.html
 後編1:    http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/-373--beef.html
 後編2:    http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/-375--9bff.html
 後編3:    http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/-377--666e.html
 後編4:    http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/-392--c822.html
 後編5-1: http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/-418--4620.html
 後編5-2: http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-2121.html
 後編5-3: http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/-423--c8a8.html
 後編5-4: http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/-426--e13d.html
 後編6-1: http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/-483--f7b4.html
 後編6-2: http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/-485--5fc6.html
 後編6-3: http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/-490--9a3c.html


■底ぬけSCRAMBLE ~本日は、お鍋モードで~ -更新第330回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-f25f.html
 絢辻さんと、僕と、とり団子鍋。

■底抜け BATH ROOM ~本日はお風呂モードで~ -更新第365回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/bath-room--365-.html
 美也と、お風呂と……絢辻さん。

■春色の謀りごと -更新第407回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/-407--a77b.html
 今日から三年生! 新学年、春の絢辻さん。

■底抜けGOBLIN BUSTERS ~本日は、豆まきモードで~ -更新第416回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/goblin-busters-.html
 節分! 鬼退治の絢辻さん!!

■底抜け Chocolat de a la mode ~本日は、St,"V"モードで~ -更新第427回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-7aa7.html
 今日はバレンタインデー! 主役は……まさかの梅ちゃん?

■彼女
  一・-更新第497回-:http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/ss496-28f3.html
  二・-更新第498回-:http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/ss497-2f16.html
  三・-更新第499回-:http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/ss498-6c27.html
  終・-更新第500回-:http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/ss499-ac75.html

■底抜けスパイダーズ・ネスト~本日は、おさんぽデートで~ -更新第507回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/507-2fa1.html
  大きなクモの巣と絢辻さん。

■底抜け!パワフルプロ野球~本日はお祝いモードで~ -更新第509回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/-509--0f2b.html
  絢辻さんと、『パワプロ』のある風景。

■タソガレテラス~猫も歩けば核弾頭~『アマガミ』SS -更新第514回-
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/-514--8095.html
  薫と、絢辻さん。

■いとなみを空に映して ~『アマガミ』・絢辻さんSS・七夕編
 一 ・ http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/ss-540--7a4a.html
 二 ・ http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/ss-541--0980.html
 三 ・ http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/ss-542--a0e5.html
 終 ・ http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/ss-543--54c3.html
  絢辻さんと、七夕の願い事。

■がたぐらすの絶滅
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/-388--110b.html
  現実と妄想のオーバーラップ。オイサンの少年時代を看取る絢辻さん。

■Tea for Life . ~SS・『TLS2』香坂麻衣子
 http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/tea-for-life-ss.html
 絢辻さんじゃないけど。『トゥルー・ラブストーリー2』から、香坂先輩との、
 ちょっとビターな昼下がり。

■底抜けインディアAmazin'!~本日は、カレー気分で~
 1     http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/amazin1-600--75.html
 2     http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/amazin2-601--d1.html
 Epilogue http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/amazinepilogue-.html
  絢辻さんお気に入りのお店でカレーを食べよう!


------------------------------------------------------------------------
それではまた。
妄想紳士、オイサンでした。




 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月28日 (金)

■底抜け!パワフルプロ野球~本日はお祝いモードで~ -更新第509回-

    リビング。
地べたに胡坐をかき、TVに向かって
ゲーム機のコントローラを構える主人公。
そこへ。
   
絢 辻  「  それ、野球? 」   絢辻さん、背後から
  画面を覗き込んで
主人公  「  わ、びっくりした。お帰り。     肩越しに振りかえり
     そうだよ。野球ゲーム……いつ帰ってきたの? 」  
 
絢 辻  「  今。ふーん……面白いの? 」   主人公の背後を離れ、
  ダイニングに買い物の
  袋を置きながら
主人公  「  いや、僕もまだ始めたばっかりで……    
     面白いからって聞いて、 」  
絢 辻  「  買って来ちゃったの? 」   荷物をバラし、上着を
  脱いだりしながら
主人公  「  ううん、借りてきた。カタ落ちのやつを 」  
絢 辻  「  カタ落ち? 」  
 
主人公  「  毎年出るんだ。選手のデータが更新されて 」  
絢 辻  「  ふうん。よく分からないわね 」  
主人公  「  まあね。そうだね 」  
 
絢 辻  「  そんなことより、洗濯物、取り込んでくれない?    
     雨、降りそうなのよ。    
     あたし、買ってきた食材しまわないといけないから 」  
主人公  「  ああ、うん。了解 」   窓の外を見やり、
  手を止めて腰を上げる
         
 
 
    ♪♪~、と、二人の足音と、    
    点けたままのゲームのBGMが流れる。    
    主人公、カラカラとベランダへの大窓を開けて。    
         
 
 
主人公  「  あー、確かにどんよりしてるね 」  
絢 辻  「  でしょう? 早めに帰って来られて良かったわ……     冷蔵庫のスペースを
     この飲みかけの烏龍茶、もらっていい? 」   確認しながら
主人公  「  いいけど。新しいの開けたら? 」   ベランダに出つつ
 
絢 辻  (  コク……コク…… )  
主人公  (  もう飲んでるか…… )  
         
 
 
    ♪♪~、と、点けっぱなしのTVからゲームのBGM。    
    ベランダから流れてくる風の音。    
    絢辻さん、荷物の整理を進めつつ。    
    主人公はベランダで、洗濯物を取り込んでいる。    
         
 
 
絢 辻  「  そういえばね 」   荷物の整理をしつつ
主人公  「  そういえばさ 」   ベランダで洗濯物を
  回収しつつ
絢 辻  「  あ 」  
 
主人公  「  いいよ、お先に 」  
絢 辻  「  高橋先生、輝日東辞めたんですって 」  
主人公  「  へえ、そうなんだ? 」  
 
絢 辻  「  うん。駅で偶然、数学の××先生に会って。憶えてる?    
     そんなこと言ってた 」  
主人公  「  ××? ふうん、この辺なのかな。絢辻さんが声かけたの? 」  
絢 辻  「  ううん、向こうから。あたしの顔見るなり、    
     『君は…… 』だって 」   若干物まねじみながら
主人公  「  ははっ、さすがに絢辻さんは印象的だったんだろうね 」  
 
主人公  (  絢辻さんの下着、ちっちゃくてかわいいなあ…… )   と、洗濯物を広げて
絢 辻  「  しみじみ見ないの!! 」  
主人公  「  ご、ごめん! 」  
 
絢 辻  「  まったく……未だにそういうのに興味あるわけ?    
     いい加減見飽きたりしないもの? 」  
主人公  「  全然。何年一緒にいても、魅力的だよ 」  
絢 辻  「  …… 」   冷蔵庫を
  覗き込んだまま固まる
 
主人公  「  ……絢辻さん? 」  
絢 辻  「  …… 」  
         
 
 
    ピーッ、 ピーッ。    
         
 
 
絢 辻  「  ……ハッ? 」  
主人公  「  絢辻さん、冷蔵庫。開け過ぎ 」  
絢 辻  「  わ、分かってる!    
     この冷蔵庫、時間制限が厳し過ぎるんじゃない? 」   慌てて冷蔵庫を閉め
 
主人公  「  っと、こ、れ、で、最、後……か、なっと。     取り込んだ洗濯物の
     あ、降ってきた 」   確認をして
絢 辻  「  本当? ちょうどいいタイミングね。    
     ……あら、失敗。牛乳まだ残ってたわ。まあいいか。    
     今晩クリームシチューだし 」  
主人公  「  あ、それは楽しみだなあ。よっと。     どさり、と洗濯物を
     はい完了。ついでに畳んじゃうよ? 」   リビングに山にして
絢 辻  「  ええ、お願い 」  
 
 
         
    カラカラ、と大窓を閉める。    
    ♪♪~、とゲームのBGMに混じって、    
    洗濯物をたたむ衣擦れの音、    
    レジ袋のこすれるかさかさという音が漂う    
         
 
 
絢 辻  「  ……ねえ 」   引き続き冷蔵庫を覗き
主人公  「  んー? 」   洗濯物と格闘しつつ
 
絢 辻  「  これ、何? 」   冷蔵庫の中に白い箱を見つけて
主人公  「  どれ? 」  
絢 辻  「  冷蔵庫の中の、白い四角い 」  
 
主人公  「  ……オトウフ 」  
 
絢 辻  「  ……10、9、8、2、1…… 」  
主人公  「  ケーキ、ケーキです。ごめんなさい 」  
 
絢 辻  「  ケーキ? なんで? 」  
主人公  「  ご飯のあとに食べようと思ってさ 」  
絢 辻  「  じゃなくて。どうして何にもないのに、ケーキなのよ 」  
 
主人公  「  論文、賞獲ったんでしょ? 」  
絢 辻  「  な、なんでそんなこと知ってるの!? 」  
 
主人公  「  ネットで引っ掛けたら、そのくらい出てくるよ 」  
絢 辻  「  そんなことしてるの!? 」  
主人公  「  時々だけどね。だから、今日のタイミングの良さは偶然。    
     ……でも、そういうのは教えてよ。    
     せっかくおめでたいことなんだからさ 」  
 
絢 辻  「  別に……大した賞じゃないわよ 」  
主人公  「  それでも。毎回ケーキじゃなくても、    
     おめでとうくらいは言いたいよ 」  
 
絢 辻  「  ……おめでたくない 」  
主人公  「  そりゃあ、その論文や賞の本当の価値なんて、    
     僕にはわからないけどさ 」  
絢 辻  「  そんなつもりじゃ……! ……ごめんなさい 」  
 
主人公  「  あ、責めてるわけじゃないよ。嫌ならいいんだ 」  
絢 辻  「  い、嫌じゃない! 」  
主人公  「  あ、絢辻さん、声! 」  
 
絢 辻  「  あ……。 ……い、嫌なわけじゃないわよ。    
     大げさだって言ってるの 」  
主人公  「  わ、分かったよ。分かったから。    
     とりあえず今日だけは、ね。もう買ってきちゃったから 」  
 
絢 辻  「  うん……。着替えてくる 」   荷物を片し終えて
主人公  「  ああ、うん 」  
         
 
 
    絢辻さん廊下の奥の部屋へ去る。    
    足音、がちゃ、パタンというドアの音。    
    ♪♪~、と、つけ放しのゲームのBGMに混じって、    
    主人公が洗濯物をしまう、クローゼットを開けたてする音。    
    主人公の、梨穂子ゆずりのおかしな鼻歌が混じる    
         
 
 
主人公  「  さて、おしまいっと。あとは……。     洗濯物を畳み終え
     風呂も、沸かしちゃうか 」   腰を上げる
         
 
 
    と、廊下をバスルームへ向かう途中、ドアの向こうから    
 
 
         
絢 辻  『  ゴホ、ゴホッ 』  
主人公  「  どうしたの? 風邪? 」  
 
絢 辻  『  ……なんでもふぁい 』   くぐもった声。
主人公  「  ……なに食べてんの? 」  
絢 辻  『  食べてふぁい 』  
 
主人公  「  ……食べてるじゃない。開けるよ? 」  
絢 辻  『  ……カロリーメイト 』  
 
主人公  (  隠すことないのに。お腹空いてたのかな )  
絢 辻  『  古いのが鞄に入れっぱなしになってたのよ 』  
主人公  「  そっか。あれ、飲み物ないと辛いもんね 」  
絢 辻  『  …… 』  
 
主人公  (  よく分かんないや。そっとしておこう )  
         
 
 
    ♪♪~、とゲームのBGMに、    
    バカン、とバスルームへのドアの開く音、    
    給湯パネルを操作する電子音。    
    水の流れる音が浴室に反響して漏れ出し、
ゲームのBGMと混じる。
   
    がちゃ、ばたん、と部屋から出てくる絢辻さん。    
         
 
 
主人公  「  お疲れ 」   廊下で合流し、
絢 辻  「  ……うん 」   LDに向かう二人
 
主人公  (  さっきの、なんか気にしてるのかな。変なの )  
 
絢 辻  「  あの、ごめんなさい、ニュース、かけたいんだけど…… 」   遠慮がちに
  テレビに目をやって
主人公  「  ああ、分かった。いいよ、切るよ 」  
絢 辻  「  大丈夫? 」  
 
主人公  「  平気。始めたばっかりだし 」  
絢 辻  「  そう。悪いわね 」  
主人公  「  どういたしまして。BSでいいんでしょ? 」  
 
絢 辻  「  はーい。お茶淹れるけど、飲む? 」  
主人公  「  うん、下さい 」  
絢 辻  「  承りました 」  
 
 
         
    遠く、バスルームの扉の向こうから水のたまっていく音。    
    リビングに戻る主人公。    
    と、途中で別れてキッチンに立つ絢辻さん。    
         
    ♪♪~……。 と、ゲームのBGMが途切れて、    
    画面はニュースに替わりアナウンサーの声が流れ始める。    
         
    キッチンでは、パタパタと戸棚を開けたてする音、    
    カチャカチャという陶器の触れ合う音と金属音、    
    コンロが捻られてボッと火が立ち、    
    シューという、ガスの流れるかすかな音。    
    スリッパとカーペットの触れ合う音。    
    ケトルの金属音のあとに蛇口が捻られて、    
    水音がもう一つ重なる、それに混じって。    
         
 
 
絢 辻  「  ♪♪~ 」  
 
主人公  「  え? 」  
絢 辻  「  うん? 」  
 
主人公  「  今の 」  
絢 辻  「  ああ、うん。     キッチンでお茶を
     だって、ずーっと繰り返して鳴ってるんだもの。     淹れながら。主人公には
     憶えちゃうわよ。ノリのいい曲だし 」   背を向けている
 
主人公  「  まあ、そうだね 」  
絢 辻  「  でしょう? 嫌いじゃないわよ 」  
主人公  (  驚いたな…… )  
 
絢 辻  「  あとでやりましょうか 」  
主人公  「  え? パワプロ? 」  
絢 辻  「  っていうの? 野球。二人で出来るんでしょ? 」  
主人公  「  ああ、えっと、うん…… 」  
 
絢 辻  「  決まりね。ご飯のあとで、お茶淹れて。    
     ……ケーキ、食べながらね 」  
主人公  「  いいね 」  
 
絢 辻  「  うん。ありがと 」  
主人公  「  え? 何が? 」  
絢 辻  「  ううん。なんでもない 」  
主人公  「  はは。そっか 」  
 
 
主人公  (  楽しい夜に、なりそうだな )  
 
 
 
 
 

■実況!パワフル絢辻さん!



いかがでしたでしょうか。
『実況!パワフル絢辻さん』。
楽しんで戴けたでしょうか?

……正直なところ、オイサン自身この話をもって
何を語りたかったのかというのはさっぱり持って分かりません。

ただ、Twitter上に『パワプロ』『ウイイレ』という単語が出てきたときに、
それを絢辻さんを絡めるとどういう話になるだろうか、
というおかしな興味が沸いて出て、
そこから始まりそこに終わったお話です。

「絡んでない」

というご指摘は甘んじてお受けしますが、
オイサンはワリとこれでも十分かなあと。
そもそもオイサンが『パワプロ』やったコトねえっつうんだからしょうがない。

でも『パワプロ9』のOPだけは大好きで
(ヒトツの物語としてスバラシイと思います。
 そんな、コミックスを何十巻とかアニメを1年とか、
 見なくても全然、ある幾人かの高校球児たちの3年間を読み取ることの出来る、
 非常にすばらしい映像だと思っています。
 ……というのも、受け手の中に既に何篇かの「高校野球の物語」が
 存在していてこその解釈ですが)、
その影響でサントラは持っており、
なんというか、
スポーツゲーム「ならでは」の音楽の良さみたいなものを感じていて、
そこを生かせないかと思って書きました。

うーん。

案外、オイサンはテレビゲーム、ビデオゲームの「良さ」は
そういう部分、つまり
「繰り返されるノリの良さ」
みたいなところに大きく依拠するものだと思っておりまして。


■パワプロ メニュー画面BGM



それは多分、子供の頃から
『ドラゴンクエスト』のサントラテープ(CDじゃなくてカセットですよw)についてくる、
すぎやまこういち先生のライナーノーツなんかを
結構真面目に読んでいた影響が大きいんだと思います。

「戦闘音楽は一番繰り返して聞く曲だから、
 聴いてて飽きず・疲れず、かつ勇ましいものを」

だとか。
音楽がそれぞれ役割を持ち、その工夫の上で拵えられたものであることを、
ワリと自身が幼い段階から意識していました。

そうした中で、スポーツゲームにおける間奏にあたる、
チーム編成だとか、経営だとかのシーンで流れる曲の、
日常性と闘争性のあいのこみたいな雰囲気はきっと、
「手放されて流され続ける」ことを、ワリと得意としている、
誰も画面を見ていない時間が似合うのではないかなーと、
そしてその状態が作り出される、家庭に類する場所は、
なんだか「良い」場所なのではないだろうかと、
自分の子供の頃を思い返して、その感じを再現させてみました。

マ別に絢辻さんである必然性も何もないハナシですが、
こんな一幕もあんじゃないのって、その程度の話さ。
ちなみにオイサン、『ファミスタ』で一回フラれています。
5回コールドかまして。



オイサンでした。


■実況パワフルプロ野球9 OP




 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月27日 (木)

■晴れメシ、褻メシ -更新第508.1回-

プリンタから出てきた紙のホカホカさが嫌い。
なんだか不安になります。
オイサンです。


■ハレ晴れゴハン



R0025918
またTwitterの話で恐縮なんですけどね、ええ。

twitpic、なんていう、アプリがあるんですよ。
なんかっつうと、絵やらお写真やらを、
簡単にTwitter上で見られるように掲載できる道具なんですけどね。

でまあ、試しにやってみるわけですよね。
なにカンタンなもんですよ。

 1). まずはIDに固有なメールの送信先を取得しますよ。
 2). 次にお写真を撮ったり、絵を描いたりしますよ。
 3). 最後に、そのお写真なり絵なりをメールに添付して、先ほどの送信先へ送りますよ。


これだけですよ。
そうするってえと、送った人のIDでお写真が投稿されましてですね、
お写真へのコメントと対応したURLが、
つぶやきとしてタイムライン上にポーンと、呟かれるわけです。

ねえ。
素晴らしい。
カンタンです。
猫の手も借りたい(?)。

それでみなさん、どうですか(何がだ)。

そういうことが出来るようになったとき、
とりあえずの手始めに、お暇な日本のみなさんが撮って載っけてみるもの、
なんだと思います?

ペット?
あるでしょう。
見せたいでしょう、あなたの家の、自慢のカワイコちゃんを。

景色?
見たい。
あなたの見た素晴らしい風景の数々を、その感動を、
オイサンも是非とも共有していきたい。

でもねえ。
ホレ。
もっとあるでしょう。
身近な被写体が。

イヌネコみたいな、人によって飼ってるか飼ってないか分からない、
チクショーどもに頼らなくとも、
出くわすかどうかも分からない、
出くわしたところでどーせそこそこ程度の風景を待たなくとも、
もっとこう、人間の本能に訴えかける、一日三回、
誰にでも大概訪れるアレですよ。

そう。
ゴハンです。
第一ね、撮るのがカンタンです。
動かない。
ねえ。
普通動かない。

  平日の昼真っからアナタ、
  動くのを食ってる人間なんてなロクなもんじゃありません。
  ブルジョワです。
  ブルジョワか土☆人のどっちかです。

動きませんから、ナンボでも撮り直しやら調整がききます。
どんなみすぼらしいお食事を召し上がってらしても、
アングルや光の具合で多少はごまかせます。
嬉しいじゃないの。
ねえ。

するとまあ、オイサンもね。
単純ですから。
道具の使い方を憶えたら、撮って載せますよ。
ゴハンを。

  動かないやつですよ?
  オイサンのゴハンなんてものは。
  ブルジョワでも土☆人でもありませんからね。
  マどっちかっつうと近いのは土☆人ですけども。

    ※☆には一文字、あるいはVoidが入ります。

そんでまあ、そうして載っかった自分のゴハン、
……何の飾り気もない、普段のゴハンですよ。

余所行きでもなんでもない。
毎日マイニチ、僕らが灼け付く鉄板にも似た日常という俎上でぽそぽそと、
ああ、おいしい、ああありがたいと、
涙を流さんばかりに喜んで食べてるモッソウメシをですよ、
それをお写真に撮って載せてみた。

……するとこう……なんでしょうな。
イカンとも度し難い心持がしたのです。
「俺は何をやっとるのだ」と。


あの、別にね、食べ物のお写真を載せるのが全部悪いとか言ってるわけではないのです。
自分で拵えた料理。
これはわかります。
それはだって、作品だもの。
いかにおいしそうに拵えられたか。盛り付けられたか。
もしかすると、あなた独自の工夫なんかも凝らされているかもしれない。
文字通り、一味違うぞと。
わかります。

あとは……特別な食事ね。
高いもの。
美しいもの。
これは記録として残したいと思いますし、
イイダロウ、ウマソウダロウと発信したくなる気持ちはわかります。
飲み会やらで、皆と囲む料理ともまた、ワケが違う。

……しかしねー。
なんだろうか。
シゴトバで食べる仕出し弁当とかね。
あるいは……コンビニのお弁当とか。
ファーストフードの類も近いでしょうか。

その、あまりにも、「晴と褻」で言えば「褻」にあたる、
自分の体の大部分を拵えているものを記録して衆目に晒すというこの行為は、
一体ナニなのだろう、
これはちょっと、他の皆さんがどう捉えているかはともかく、
オイサン自身はなんだか恥ずかしいような気がしてきたぞ?
と、Webに載った自分のゴハンをしみじみ眺めて、思ったのでした。

  まあね。
  逆にブルジョワの方々が、生まれて初めて、
  そして最初で最後に食べる吉牛なんてものを収める分には文句はありませんが。
  つうか、別にその行為に文句をつけるために書いてるわけではございませんので
  念のため。

  オイサンがやってみて、なんだか不思議な気分になったと、
  それだけのお話ですからね。
  誤解のなきよう。
  そして目くじらをお立てになることのございませぬよう。

  もちろんね。
  そういう「褻」のゴハンにだって拵えてくれてる方はおられるワケで、
  「作ってくれた人に失礼だ!」なんていうお叱りもあるでしょう。
  それもまた謹んでお受けしますが、
  マ今回のお話はまたそういうのとは別なところにありますので、
  その辺もヒトツご理解戴きたいと、このように考える次第ですよ。

なんというか……たとえば、性行為とか?
部屋で一人で居るときの、油断しきった姿とか。
それを見せるのと同じくらい、
あるいは近い、
ちょっと……イヤン見ないで的な趣を……感じてしまったのですよ。
強いて言うなら、普段こんなパンツ履いてますよ的なね。

なぜでしょう。
恐らくそれが、自分という生き物の内側のウチガワ、
生命活動の日常、
血だったり、骨だったりというある意味で「カッコイイ」「奥深い」
肉体のパーツとはまた違い、
髪とかツメとかある意味で装飾的な役割を果たすパーツともまた違う、
皮膚とか、産毛とか、粘膜とか、分泌物とか。
生々しい日常の部品の「素(もと)」をお見せしているようで、
それがこう……いかんとも気恥ずかしく思えたのです。

不思議なもんでね。

しかしまあこれも……多分ね。
見る側からすれば、全然意識しないことだと思うですよ。
オイサンも、今まで色んな方が公開するゴハンを、
何の気なしに見て参りました。
それを見てイチイチそんな気持ちになっていたのかといわれたら全くNoですから。

  しかしとりわけ、やはりどなたかが独自にお拵えになったお料理は
  見る目が違いましたな。
  うん。
  なんか、意識が切り替わるのを感じました。

まあね、blogでやろうがTwitterでやろうが同じですし、
多少表で食べようが家で食べようが、
食べた場所で体のどこを作るとか変わるわけもないので
ホントただの気持ちの問題、
ナイーブ親父の誇大妄想でしかないのでしょうけども。

なんかね、
そんな気持ちになったのでした、っていうお話です。

なんでかなー。
不思議ですなー。


オイサンでした。


とはいえ、
やる分にはどんどんやれば良いと思うんですよね。
見てる分には、楽しいし、嬉しいですし。
オイサンもきっとまたやりますし。
そしてまた不思議な気持ちになるのでしょうが。

ちなみに、冒頭のお写真は今日の帰り道、オイサンがTwitter上にも上げたのと
大体同じお写真です。
こちらは携帯ではなくGX200さんで撮ったものですが。
マこの程度ですよ。


R0025901
そしてこちらは、先週の日曜に戴いた馬肉のメンチ。
紛う方無き晴れのゴハンです。 ……美味しかった。





 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■ゆび先のご判断 -更新第508回-

自分のテンションを飼いならす、
というのは本当にもう永遠のテーマで、

 「今日の記事はおもすれえ!
  しかもゴクゴク書ける!
  今日のオイサンは神か天才のどっちかだ!!」

と思ってノリノリで書いた記事も、
ちょっとテンションがローになったときに、読み返してみたり、
その記事の題材や在りように存在意義があるのか
(まオイサンの書くものに客観的な存在意義なんてものがあることは
なきに等しいというか多分常にマイナスなのですが)
なんて考えてしまうともう、
さしもの神様と天才様の合作でも、アップすることも、
なんなら手元に残しておくことさえ憚られるなんてことは
しょっちゅうな訳でス。

けれどもそれと同じくらい、

 「どなたが、
  どんな文体や表現で書いた、
  どんなことを扱った記事を、
  どのくらい喜んでくれるか」

なんてのもまた、こちらからは分からなかったりするのですよね。
ホント。

なので、神 & 天才のタッグが書いたゴミみたいな合作記事も、
気が進まないながらも神ならぬ人の身のオイサンは、

  「……マせっかく、神と天才がお時間とって書いてくれたんだし?
   とりあえず載っけておくか。
   誰が読むと決まったわけでなし、怒られたら取り下げればいいし」

と、コンバット越前もかくやというほどのもったいないオバケ的なモチベーションに依拠して、
あきらめ半分、
生まれてきたものを殺すのも忍びないと
ビクビクしながら更新ボタンを押すのですが。

案外そういうものに限って、
思わぬ方向から好意的なコメントを戴けたりして、
自信が増すやら薄れるやら。


  マその逆だって、ガンガンにあるわけですけども。
  そこでまた自信が増すやら薄れるやら。


そこでオイサンの辿り着いた境地のヒトツとしては、
すべての記事に平等であるために、
「書き上げたものは、とりあえず全部乗載っける」
というスタンスであるわけです。

いくら自分で客観的な目を持ったつもりでも、
昨日と今日、さっきと今では違うので、
少なくともオイサン一人では分からないし、
アップ前の記事を読んで査閲して下さる、頼りになる相棒もいません。

  もちろん、その「さっき」と「今」で、
  自分的に、ヒトツの対象物に対して評価が異なっている自覚はありますし、
  それぞれの場合で自分の気分がチガウことにも気付いてはいます。

  でもじゃあ、その「良い気分」の自分と、「そうではない気分」の自分とで、
  どこをどう良い/面白いと思い、悪い/ツマラナイと思っているのか、
  その差分を抽出することは出来ないでいます。
  今のところ。

  確かに、問題とする記事には「同じこと」が書いてあり、
  自分が一体どんな問題意識を持ち、どこを訴えたく、
  また文のどこで楽しませようとしているか、
  ということは思い出せるし読み出せますが、
  その意図や成果に対しての評価だけが、
  その時々で、ただただ違う。

    「まあ、分かってもらえるテーマだろう」と思ったり、
    「こんなもん誰が共感すんねん」と思ったり、
    「いい表現だ、笑える」と思ったり、
    「狙い過ぎ・カッコつけ過ぎやろ」と思ったり。

  それがまた、甘いモン食ったとか、ちょっと寝たとか、
  そんなことヒトツでコロコロ変わるのですから付き合ってられません。

だからもう、もう一人の自分であるゆび先に任せてしまい、
彼が書き上げることが出来たものは、全部載っける。

ただし、その逆、書き上がるに至らない、
終末に辿り着かなかったものをもう、無理やり完成させたりはしない。
着想時のテンションを無理やり呼び起こして、
面白いと信じて、持ち上げたりはしない。
その子は生まれてこなかったものだと、書きあがらなかった時点で諦めてしまう。

  また別の題材のヒトツとして着想のメモ程度のものを、
  別の引き出しにしまったりはしますけどね。

ほんでまた、読んで下さる側も下さる側で、
甘いモン食ったりゴロゴロしたりで、
「面白い」「ツマンナイ」をカチカチ切り替えてこられるのでしょうから、
そこはもう波長の合う瞬間に任せるしかないのかなあ、
とも思います思いますけど思うけどもだ、
でもその合致する確率を最大限まで高める努力、
努力なんて呼んで良いのか……手間ヒマ、
そう手間ヒマは、
自分のゆび先とそれに従属する脳ミソに任された領分のお仕事は、
キッチリとね。
やっているオツモリではありますよ。


……そしてまあ……
なんでまた、
こんな当たり前っちゃあ当たり前のことをワザワザ書いたかというと、
このあと載る記事が、その浮沈の荒波に揉まれた記事だから……
なんてコトは、言わなくても良いコトなんでしょうけどね。
あとの記事のハードルが上がるばっかりだから。

でもこれもまた、書き上がってしまったので、載っける。
面白い?


オイサンでした。



 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年5月26日 (水)

■底抜けスパイダーズ・ネスト~本日は、おさんぽデートで~ -更新第507回-


絢 辻 「ん~、気持ちいい。
     たまにはこうして、公園の中を歩くだけなんていう
     素朴なデートも悪くな」



主人公 「
う、うわあああっ!!


絢 辻 「……。
     なによ、いきなり! 大きな声出して!!
     人がせっかく……」

主人公 「く、クモ、蜘蛛の巣だよ!
     見てよ、こんな大きい……!!」

絢 辻 「あら素敵。豪邸ね」



主人公 「……」

絢 辻 「ほら、行くわよ」
主人公 「あ、う、……うん……」



主人公 (…………ご、………………豪邸……?)



                 
(つづく?)

 


 
オイサンでした……。





 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年5月25日 (火)

■雲間 -更新第506回-

面白いもので、まだ入梅をした訳でもないのだけれども、
一昨日、昨日と続いた雨、そして明日もまた雨が予報されている
その谷間の、今日。



       *       *       *



昨晩、オイサンはまたしても寝オチしてしまって、
目が覚めたら時刻は二時を回ってしまっていた。

寝オチといえども布団の上で体を伸ばし、
睡眠時間はほどほどにキープ出来ていたから寝なおす必要も不調も感じず、
どうせ五時あたりには起きるのだからと、もうそのまま軽く体を動かして、
洗い上げそびれていた夕食のあとや、
散らかったままの洗濯物をかたして回った。

そのとき時刻は、既に三時に近い。

サテじゃあ、起きていたらするハズだったコトでもやるかとPCに向かい、
この時間だ、
話の通ずる人々は一部を除いてとうに寝静まり、
いつもそこにいる深夜の住人ばかりが訥々と
夜の帳の四隅に鋲を打つような呟きが繰り返されるTwitterのタイムラインに、
一応のきまりごとで……
何を期待するでもなく、寝オチから復帰した旨をトントンとしたためた。

するとなんだろう、
クライアントの向こうで、何やらもぞもぞ音がする。

はじめは常の幾人かからの呟きやお返事だったのが、
どうしたことか、
いつもなら白河夜船の御方々が、
「目が覚めた」
「寝オチてた」
など、一人、また一人起き出して、ちょっとこの時間には記憶のない
ひそやかながらも温かなざわめきが、タイムラインに花開いた。

そこにしたためられる呟きとも知れないささやきには、
大の大人が夜中に感じる気まずさがコーヒー砂糖のように溶け残って、
それがコトリ、コトリと、他愛ないふりをしてタイムラインに行儀よく、
修学旅行で廊下に正座をさせられる悪童のように座り込んでいくのがくすぐったく、
どうせの用事も片手間に、オイサンはその様子を眺めていた。

やがてそこに居た方々も、少しずつ布団へと帰っていき、
結局、残ったのはオイサン含めて三人だけ。

日が昇り、「いつもの」時間にたどりついて、
オイサンもあとのお二方も、やれやれと腰を上げてシャツに袖を通した。



空は、じりじりと晴れ。



ちょっと暑いが、
電車を降りて歩く、遠い最寄り駅からシゴトバまでの道のり、
結局ずっと起きていたオイサンが目もすっかり覚め晴れやかなのは分かるにしても、
歩きながら眺める朝のタイムラインの面々も、
いつもよりもカタカタと、キータッチが浮かれて進むと見えた。

そーかそーか、皆さんそんなに雨の晴れ間が嬉しいのかと、
いつもより鷹揚に歩いてしまったのかオイサンは。

後から追っつけて来るはずのバスにもすっかり追い越され、
結局朝から全部、--いつもの倍、歩くことになってしまった。



えいちきしょう。



■『若草物語 ナンとジョー先生』 OP 青空のDing Dong



マこーゆー時なんてのは大抵、
自分一人がぷかぷか浮かれてるだけなんスけどね。
くわばらくわばら。


オイサンでした。



 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月24日 (月)

■太陽戦隊さんばるかん -更新第505回-

抱き枕カバーとマイリトルラバーは似ている。
オイサンです。

抱き枕ラバー。
うむ。
終わっとる。


……しかしなあ。
……オイサンが一番チビって……そんなんありかよ。
ここはなんだ、アメリカか?
いや、アメリカにいた二ヶ月でだって、
オイサンよりもデカい人間なんてそうそう見かけなかったぞ。

  ……ヨノナカ、あるところにはあるんだな。

人と会うってのはやっぱり……くたびれるねえ。
イヤ面白いとか面白くないとかいう以前に……
ちがうな、それ「以後」に、
人と会い慣れていないオイサンなんて者には、人と会うというだけで
結構なモードチェンジが体の中では行われているみたいだ。
その負担は、やはりある。
仕方がない。

  誤解がないように申し上げておきますが、
  楽しいということには疑いはありませんからね。
  心地良い疲労というか、疲労ということにも、ほぼ気付いていない。

オイサンは勤め人になって、関東に出てきてから今年でもう13年目に入りますが、
その間、フツーの日(大型連休とかボンクレ以外の日ね)に、
オシゴト以外で人と会って何かをした、なんてのはホント数えるほどですもの。
両手はないよ。
99%、フツーの時間は一人で過ごす人でした、オイサンは。

それがまあ、最近はどうだ、毎週のように。
シゴトバの同僚と山へ登ってみたり、
謎の大学生とソバ食ってみたり。

疲れるなってのが無理な話さ。
寝オチくらいしますよ。
ええ。



■オイサン 美貌の紳士録



忘れると勿体無いので備忘の羅列とひとくちコメント自分用。


 ▼第1部 バルイーグル
 ZZ
 愛・おぼえていますか
 デュラララ!
 B型H系
 折笠富美子
 苺ましまろ
 ぱにぽに
 黄色いバカンス
 ARIA
 ダム
 ときメモ1・2・4・GS
 部長www
 ラブプラス
 吉宗w
 超合金アクエリオン http://p.tl/izLS
 ゾイド・リボルテック ブレードライガー
 定額給付金でプレゼント交換会!
 大型ZOIDESを買うぜ!
  

創聖のアクエリオン DX超合金 創聖合体アクエリオン 創聖のアクエリオン
DX超合金 創聖合体アクエリオン


販売元:リバティー
リボルテックヤマグチ No.093 ZOIDS(ゾイド) BLADE LIGER(ブレードライガー)[海洋堂]《予約商品07月発売》 リボルテックヤマグチ
ブレードライガー
[海洋堂] 《予約商品07月発売》


販売元:あみあみ
楽天市場で詳細を確認する

 ▼第2部 バルシャーク
 Serial Experiments lain
 とらドラ!
 ギャバン
 デジモン
 錬金三級まじかる?ぽか~ん
 ゼーガペイン
 みなみけ

  ■錬金三級まじかる?ぽか~ん 七夕の回
  
  傑作だよなあ……

 ▼第3部 バルパンサーの変身ポーズはこうだ!
 日常
 らき★すた
 けいおん!(!)
 マクロスF・劇場版
 エヴァ・新劇場版・破
 そらのおとしもの
 ストパン
 ペルソナ4・3


▼がんばれ!ユイホリエ世代!!
フレッシュ枠からは当然既に外れてしまってるが、
アジは絶対的に出てきていると、オイサンは思うぞ!
ここからが華じゃないか。
出て来い出て来い、ガンバレガンバレ。
『夏のあらし!』の加奈子なんか、すっごく良かったぞ!


▼……ふえー、そっかー。
『けいおん!』ってそこまですげえコトになってるのかー。
オイサンは肌でその熱は感じ取れていないから、
そこまでだとは思ってなかったよ。
CD売れてんなーとか、Web上で皆さんお盛んだなとか、
そのくらいで。


▼部長www
おさかんですね!


▼ダムかー。
ダムねー。
行きたい。
やっぱり巨大建造物にはときめくよな。
ときめく。
この胸がときめく。
まだ知らぬ、万能科学のオーラに!


▼北海道。函館。沖縄。
ちなみに、北海道は『北へ。』でやられましたが、
沖縄は『風雨来記2』でやられました。
万座毛と中城に行きたいです。
風雨来記2 nice price! 風雨来記2 nice price!
販売元:フォグ

発売日:2008/04/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する



▼見そびれたなー、劇場版『マクロスF』。
再映があったら、今度こそ逃さず見に行こう。


▼『まじぽか』はガチ。
微妙にガチw

■まじぽか 梅雨の陣



……しかし、『lain』とか『まじぽか』とかが出てくる辺り、
やっぱりちょっとテイストが違うな。
そして『FSS』がほぼ完全に通じない辺り、
土台に流れる物が微妙に異なってるんだな、ってことはほんのりと感じる。
……ひさしぶりに、『まじぽか』のDVDでも見よう。
あれは良い物だった。
『みなみけ・おかえり』の、マグカップ回と同じくらい、良い物だった。



■今朝のこと。



ってか、もう24時間近く前のことなワケだが。
朝の電車で隣に立ったオッサンが、
ナカナカな勢いの萌え絵ラノベをイキナリ読み始めたのを見た、
その瞬間のオイサンのTweetを再掲。


========================================================
▼となりの、めっちゃ真面目腐った年輩の男性が、
 コレ以上ないってくらい萌え絵のラノベを読んでる件。
 はー。面白いんだ。
 ◎posted at 07:37:52

▼幾つかの感性セットの中に、それに込められた面白さを受容できる感性を
 保持していることを素直に羨ましいと思う。
 ◎posted at 07:41:57

▼これも半分は、作品単体でなくその外側に目を向ける視点に
 自分が欠けているせいなのかもなと自戒してみる。
 ◎posted at 07:47:25

▼上層に積み重なるものが増えるほど、
 土台が薄っぺらく頼りなくなっていく。
 これがアカン。
 ◎posted at 07:52:24

▼これから先を豊かにしようとするに当たり、
 オイサンの足腰はよわっち過ぎる。
 ◎posted at 07:55:24

▼そして宮ちゃんに「よわっちー♪」と呼び掛けられたい。
 ◎posted at 07:56:28

▼とまあ、隣でオッサンが萌えラノベを読んでいた、
 それだけの朝ですよ。
 ◎posted at 07:58:22


========================================================
マなんかっつうと、
あのおトシ(50前くらいじゃないかな)、そしてあの佇まいを匂わす立場にあっても、
アレを面白いと思える完成をキチンと心に残していることを、
すごい、羨ましい、と思う。

そしてそれをやる、つまり「色んなものを面白いと思える」カラダを作るには、
それを理解できるだけの下地、土台やら、
作品単体の内容だけでなく、その作品が歴史的にどういう位置づけにあるのか、
今の世界の中でどんなスタンスを主張しつつ、
実際はどんなポジションに置かれているのか、系譜にとりこまれるのかといった
外部的な視点を持つことが必要なんだろうな、
オイサンにはそういうのないよな、
という反省。

……あとはまあ、宮ちゃんカワエエなあ、というね。
そんなことですよ。

ちなみに、その年輩男性がお読みになっていたのはコレでした。


夏海紗音と不思議な世界1 (富士見ファンタジア文庫) 夏海紗音と不思議な世界2 (富士見ファンタジア文庫)


なんか題名からは『ハルヒ』っぽさを感じるのだが。



マそんなことでね。



……。


う~ん……。


おかしい。


やっぱり、どう考えてもおかしい。


毎日一緒ってのはありえない。


別に一緒じゃないんだけど、これだけ近いってのは、やっぱり異常だ。


ちょーっとなー、


いやー、


……。


うーーーんん…………。



いや、



うーーーーーーーーーーーんん……。



オイサンでした、と。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月22日 (土)

■そして僕らは海老に還る -更新第504回-

髪切ったらインテリのチンピラみたいになりました。
オイサンです。
チンテリのインピラじゃないだけマシだと
自分を慰める毎日です。


本日は昨日も書いた通り、
また別なアマガミストの方とお会いして参りました in 海老名。

R0025883
海老名……

今回のお相手は現役の大学生さん。
待ち合わせ場所で、お会いして冒頭一発目からかなり驚かされまして、
本当に失礼な質問から始まってしまったわけですが……
しかしアレを確認しておかないと、のちのち色々と支障が出てしまいそうだったので
確認させて戴いた。
申し訳ありませんでした。

しかしまあ、話すことと言ったら毎度、
『アマガミ』の話に書き物・SSの話、個別にお会いした別のアマガミストさんたちのお話と、
面白く書くのも難しいようなことばかりです。
いやしゃべってる間はお互い楽しいんですけどね。

なので先ずは。今日寄った海老名のお店のご紹介から。


 ▼一軒目・お昼ゴハン 国分寺そば
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~k-soba/index.htm


 R0025801 R0025751

そうそう、忘れてた。
今回お会いした彼と、会おうということになったそもそもの発端は、
彼がタイムライン上で

 「そば屋のそばについてくるワサビは量が多すぎて、全部入れるとむせる」

とかスットコドッコイなことを言うもんだから、
オイサンが真面目に返すのもメンドクサくなって

 「そんなことよりも顔面ズタズタにしてむせ返ってる貴方をサカナに
  そばが喰いたい」

とか言ったことで。
じゃあそば食いに行くかと。
ということで、互いの近場で探してみたのがこのお店。
オイサンが注文したのは、ミニ親子丼に鳥南蛮そば。
あと一品料理として、
玉子焼きに砂肝、そしてがんも煮。

R0025762 R0025779 R0025774

        R0025756 R0025768

いやー、嬉しいなあ。
なんかね、つい最近無性にガンモが食べたくなってたトコだったのよ。

◆Gu-Gu-ガンモOP ガンモ・ドキッ!


◆ストップひばりくんOP

いや、全然関係ないんだけどね。上のと並んで出てきたから、つい……。


ここのお料理は総じてレベルが高いです。
どれもとても美味しかった。
ただなかなか混むので予約は入れておいた方が良いかもです。
オイサンらは予約してあったのですんなり入れてラッキーでした。

しかしこの海老名という町は、
オイサンはこれまで映画を見るくらいしか用のない所でしたが、
一歩奥に踏み込んだり、斜めに歩いてみると途端にド田舎の顔を覗かせてくれてなかなか魅力的ですな。
上の国分寺そばといい、次にご紹介する珈琲院といい、
どちらも素敵で美味しいお店なので、次回映画を見に来る際にはもう一度立ち寄りたいと思います。


 ▼二軒目・珈琲院
 http://r.tabelog.com/kanagawa/A1408/A140801/14012458/


こちらは国道51号沿いの珈琲専門店。

R0025819

色んな種類のストレートコーヒーが戴けます。
しかしコーヒーもさながら、真骨頂は「コーヒーぜんざい」!

アイスコーヒーにアイスクリームと生クリームが浮かび、
底に小豆にあんこが沈んでいるという甘味の国のスイートミントです。


▼不思議の国のスイート・ミント

もうなんでもアリです。


脳天にガツンと来る甘味と苦味。
あと、何も言ってないのにおまけでバタートーストがついてきたりする辺り、
サービス精神にあふれた良いお店です。
ちょっと給仕のオバチャンとバリスタの兄ちゃんがムッツリ気味で怖かったですけど。
オイサンらの会話を聞いて、

「きめぇんだよオタクがッ!!
 俺たちのオサレショップで穢れたオーラを撒き散らすんじゃねえ!!」

と思われていたのかもしれません。
いやそうに違いない(被害妄想)。



■Back to the ……



具体的に何を話したのか、なんつうと、
これがまたナカナカ書き辛いお話が多くてですね。

イマドキのオタクな大学生さんが
何を見たり聞いたり、考えたり。
どんな友達づきあいをしてるのか、
何をきっかけにギャルゲーの道にいたり、
そこからどういう読み解きをして何を現実に持ち帰るのか……
なんていう、割かしプライベートな領域にまで踏み込まざるを得ないお話になってしまったので、
そうそう迂闊に書くわけにいかない。

しかしまあ言えることは、
やっぱり人には人それぞれ、何かしらのバックボーンがあったりなかったりして、
それが果たして「理由」と呼ぶに足りるのかどうかは分かりませんが、
そういうものをどこかで契機に変換して、
歩く道を歩き出すもんなんだなあと、
当たり前っちゃあ当たり前のことを感じ入った次第でありますよ。

別にそんな難しい話でも、大層な話でもないんですけどね。

彼は生粋の七咲スキー、しかも<スキBEST>の七咲スキーで、
彼が七咲を求めたのにも、何がしかのワケというか、
それが偏に単純なものであったとしても、
心根にひゅっとひっかかる釣り糸のようなものがあったんだろうなあと。

  マそれを聞きだしたわけでも、聞きだそうとしたわけでもなく、
  まあそんなことなんだろうなと、
  今日の、ホンの5時間あまりのお話の中で拾い集めた断片の中から
  オイサンが勝手に組み上げただけなんですけどね。
  そんな簡単な話でもあるまい。

突っ込めるところは突っ込んだし、
オッサンギャルゲーマーとして、
お若いギャルゲーマーに対して、
どうせやるならこういう風にプレイしてみて欲しいと、
伝えられることは伝えてみたつもりです。

ガラにもなく。

オイサンは彼よりも13、4年長く生きているわけではありますが、
その長さの異なる互いの時間の中ででも、
オイサンの見てきたものと、彼の見てきたものは違うワケで、
お話を伺うにつけ、
彼はオイサンを含むおおよその人々の見てきた物よりも、特殊なものもたくさん見てきている。

きっと。

その分多分、オイサンの見てきた当たり前のものを見る時間も、
オイサンよりは少なかったんだろうなあ、ということは想像に難くなく、
そのマイナス要素が良くない方向に働くこともあれど、
プラス要素にはたらかせることも、全然全く、何かに上手く気付くこと出来れば出来るはずで、
それはちょっと羨ましいなあと思うオイサンもおりますです。

  マそれはそれで苦労の多い道だとは思いますが。
  もー少し周りを見渡すゆとりがあると尚良いとは思いますが……
  それもまた、『楽しみ方』の範疇だと思いますしね。
  見る気がない、見たくない。

  ただ、そもそも見ることを知らないなら、
  ……実は。それでもいい、
    わざわざ、そこで選択を発生させなきゃならない理由も無いだろう、と、
    オイサンなんかは思うワケですけど……
  それは不幸かもしれないので、そこにだけは今日ちょっとだけ口を挟ませてもらいました。

オイサンは自分から話題を振るのは得意な方ではないので
若干退屈させてしまった向きもあったようですがね。
こちとらとしては有意義な時間であったのではないかと思います。

あとね、
いわゆる「フツーにアマガミを面白がってる人」の像の一端が、
彼の中にはあったんじゃないかなとお見受けして、
ちょっと安心した次第でもあります。

  そーだよな、それでもいいんだよな、的なね。

ヒネり倒すのも、捏ねくり回すのも楽しいんですけど、
そしてそういう見方をしてしまう我々のような人種からは、
彼のような、ある意味「素直すぐる」楽しみ方、喜び方に不安を覚えることもあるわけですが、
でもね。
その源泉がなんであれ、あれだけ喜んでもらえるなら、
多分次が出ても買ってくれると、思うんですよね。
だったら、一先ず今は、それでもいいじゃないかと。

14年前、『TLS』が出たときに、オイサンは何を喜んだろうか、
その2年後どうして『TLS2』を買ったんだろうか。
……そんなことを考えればね。
そこにも、先人が不安に感じた何かがあったのかもしれないけれども、
オイサンたちはその後もまんまとやられ続けて、
今尚こうしてここに立っているワケで。

その時の自分が、今の彼よりものを考えていたかなんて言われたら、
分かんないですよ。
バカだったもの。

でも多少それを繰り返すうちに、飽きるか、
飽きなければ、そういうものに手を出してしまう人間の性として、
きっと色々考え始めるはずだと思うので。
イキナリ六速発進をしなくてもいいだろうと。



……。



マそんなことでね。
上から目線で非常に申し訳なく、お恥ずかしくもあるワケですが。
多分、ご本人もここをお読みになることを想定しつつも、
今日感じたことをだーっと書かせてもらいました。

漠然と、漫然と。

様々な沈黙をはさみつつも、
味わい深い邂逅だったのではないかな?
どうだろうか。


以上、
+14年のうちの5時間分が、僭越ながら
彼の見そびれたものを少しでも補うことが出来ていたら良かったなあと思う、
そんなロマンシングなサガミハラの夜。


R0025869



オイサンでした。



 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月21日 (金)

■スケールと反動 -更新第503回-

さて、明日。
またも一人のアマガミストとじかにお会いします。

これで何人目だろう?
ひのふのみで……9人目か。
一月足らずの間に、7人もお知り合いが増えたのかー。

そもそもオイサン自身が、あまりリアルに人と触れ合うことを得意としていないし、
これまでそういう活動をほとんどしてこなかったので
自身、人と会うこともまだまだちょっと怖いですし、
相手に対しても不快な思いをさせてやしないか、
失礼な、強引なことをやらかしてやしないかと
オッカナビックリはしているわけですが。

  ……オイサン根はお調子者なので、ちょっと打ち解けた感じになると
  割とガツガツ行くので、
  あとで頭を抱えてアッーってやってますけど。
  頭隠してシリ核爆発。
  自分でもどうにかならんかなと思っていますが、
  意識しておとなしくしていると逆に
  「サービスが足らんのではないか、楽しんでもらえてないのではないか」
  とか、考え始めてしまって、結果やりすぎた感じになります。
  死ねばいい。

Twitterが敷居を下げている、というのは確実にある。
これまでお会いした8人のうち最初のお二方は、
blogの方からお会いするきっかけに繋げていきましたが、
Twitterからはそのアクセスがすごく早い。

緩いとはいえ、毎日同じような時間に、
少量ながらも言葉を交わしているということがそうさせるのだろうけど。

マそんなんで、明日が楽しみです。



■テックジャイアン



スラングでは「剛田」というらしい。
ちょwwwストレートwwww

まあ言っちまえばほぼエロゲー雑誌なのですが、
なんでまたこんなモン買ったのかと言うと、
アニメ化記念で『アマガミ』のファンページが再開したから。

以前もファンページを展開していたのですが、
オイサンがそれを知ったのはもうページ連載が終わる直前くらいでして。
マそれで今回は買ってみた、と。

しかし……エロゲー雑誌なんて随分久しぶりに買ったけど、
オイサンが見て喜べるものなんて全然ないなあ。
どないせえっちゅんじゃと言う程、モザイクとオッパイの羅列で。
若い人はこれで喜べちゃうのかー。すごいなー。

デ肝心の『アマガミ』ページ。
ビジュアル面は基本、既出素材の再出で目新しさはないですが、
不思議と七咲だけが、異様に本編との違和感を覚えさせない出来栄えであるように感じる。
次点で紗江ちゃん。
他の面々は、端々に「……ん?」と思わせるポイントがあるけど。
……でもオイサン、この「ちょっとちがう絢辻さん」も、なんか好き。
なんでだろうか。

そして坂本P、高山センセのインタビュー記事。
端々で、暗に叩かれる『キミキス』によく似たアニメ。
ホント嫌われてるんだな。
ここまでくるとちょっと異常だ。
ていうか、読んでいて軽く不愉快な気持ちにさえなる。
別にそっちに肩入れする理由も無いんだけど……なんかね。

許してやれ、とも言わないけども、
ドロドロした感情を、ネタっぽく冗談めかしてまで
敢えてひけらかす必要も無いんじゃないの、
って気にはなる。

そして全然関係ないけども、
『マブラヴ』関連のコンテンツって未だに出続けているんだねえ。
オイサンのシゴトバのあるオタクな後輩が、
『マブラヴオルタ』の購入レシートを何故か財布に入れっぱにしていたのを見つかり、
暫くあだ名が「オルタネイティヴ」になった、というのを思い出した。
ヒドいシゴトバだなw



■『あまがみっ!』感想



シゴトバでお昼を食べながら、何気なく
「お、今日は金曜だが……特に更新は無いはずだよな?」
と見に行ったファミ通コミッククリアのページ。

ピアイ才先生の『あまがみっ!』第二話が更新されていました。
言ってよ!


  ▼あまがみっ! [ ファミ通コミッククリア ]
  http://www.famitsu.com/comic_clear/se_amagami_so/


……オイサン、これしか言ってないみたいだけど。
なんかもうね、こんなんでも絢辻さんが可愛い。

美味しそうにお肉食べてたり、常識的なコメントしてたり、
ほくそ笑んでたり、日誌持って来てくれたりと、
自分でも「イヤ見るトコそこじゃねえだろ」と思うんだけど、
可愛かったです。
もっと描いて下さい > ピアイ才先生

梨穂子の人外っぷりや超展開は……うん、まあ、
ブッ千切れ過ぎてて、逆にすごく落ち着いて読めてしまった。
ここまでの比率になってくると、オイサンには

 「ぶっちぎれている部分=この世界のゼログランド(常識的な部分)」=梨穂子・橘成分、
 「常識的な部分    =ギャップで笑える部分」         =絢辻さん成分

と見えてきてしまって、どうしても視点が絢辻さんにいってしまうのでした。
いや、でも勿論、全体的にも面白いのですけどね。

あと、ピアイ才先生はtwitterではワリと頻繁に、
真面目で社会的なニュースを取り扱った発言をされています。
だから、その……
真面目くさった部分か、この漫画のブッ千切れた部分か、
そのどちらかが、
或いはその両方が、
何かの反動なんだろうなあ、と思って読むとまた味わい深い感じです。



■『銀河英雄伝説』



以前、岩男潤子さんのライブに行った時、
誘って下すったお友達に『銀河英雄伝説』をゴッソリ一揃えお借りして、
ちびちびと消化しております。

長編(劇場版?)2編+OVAシリーズ110話のうち、
長編と、OVAの6話までを見ました。
まだまださわりなのは承知ですが、一応個々までの感想を。

面白い。
なんというか、すごく丁寧。
もう20年近く(モノによっては以上)昔の作品なので、
作画の雰囲気なんかについては現行作品のクオリティに届かないのはやむなしとしても
伊達にお金も時間もかけてないなあという感じです。
このスケール感は、安心して見ていられる。
物事がちょっとずつ起こっていく感じが、オイサンの生理に合うんだと思います。

これを見ていて思ったのが、オイサンにとって多分、
2クール26話のアニメって時間配分的に一番苦手なところにあるものなんだな、
ということで。

1クール13話の作品は、とりあえず13話見ればいい。
これは多少、多少つまらなくても勢いでまあ乗り切れてしまう長さ。
そして長い方面でいうと、
マ『銀英伝』の110話は極端だとしても、4クール52話くらいあれば
……そもそも作る方にもそれなりの覚悟と勝算があっての長さでしょうから、
どーんと構えて見ていられる。

  案外ね、『ガンダムSEED』とか『DESTINY』とかは
  面白く見たクチですオイサンは。
  マそもそも『ガンダム』にさほどの郷愁もないからかもしれませんが。

けども26話の作品は、一度つまらないと思い始めると長いし、
かといってそれを許容出来るほどどっしりともしてなくて、
毎回毎回、なんか極端に出来事が起こるわけで、
人の姿が見えるより先に、出来事の存在感の方がすごく大きく感じられてしまって
見ていてやっぱりちょっと、くたびれる。
マこの辺の細かい雰囲気に関しては、この辺りの記事を読んでみて下さい。
オイサンの好き嫌いの問題でしかないので。

  ▼おいもダムの決壊 -更新第204.6回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/-2046--e390.html
  ▼人として物語を生きるために。 -更新第390回-
  http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/-390--2cd2.html

デこの『銀英伝』は、戦争という大きな状況はあるのですが、
それはもう前提・日常としてどーんと世界のゼログランドとして浸透し、
その上に生きる人たちの姿からまず始まると言うスタイルなので、
物語のスタイルといい、そのスケール感といい、オイサンにベストマッチです。
先が楽しみ。

しかし、スケール感という意味においては、
長編を見た後だと、OVAシリーズはちょっと食い足りない感じがしています。

クオリティが云々というよりも、
物語の広大さに対して、30分弱ごとに区切られていく時間がちょっと短く感じて、
一エピソードの駆け足感が、もったいない。
もっとゆったり見たい。

話数を減らして一話45分とかにしても良かったのではないでしょうか。
一つ一つのエピソードが面白いのは間違いないのですが。
惜しいな。

せっかく完全受注OVAシリーズなんていう特殊な形態を作りだしたのですから、
一話30分というフォーマットにしばられることなく、
あるときは120分一話、
またある時は40分三話とか、
エピソードに則した時間配分でつくることは出来なかったものでしょうか。
同じ1時間分の話でも、
作り手が60分でつくったものを受け手が30分ごとに勝手に休むのと、
30分ごとにジングルやらOP/EDが流れるのとでは随分違ってくるでしょうし。
……マそれによって尺の長さが数分単位で前後して、
その数分がアニメ制作では致命的な時間なのでしょうからそうもいってはおられないのでしょうけども。

それできっと、お値段に影響が出ちゃうくらい、変わっちゃうんでしょうね。
しかし、惜しい。

あと、思ったよりシンプルな、分かりやすいお話だったので
安心しています。
もっともっと小難しいお話なのではないかと思っていたので。

あと、もう一つ。
……これは、自分の見解が間違っていることを承知で、
一瞬だけフッと感じてしまったことを書いておこう。

劇場版の2作。
艦隊戦のシーンは砲撃や爆発の効果音も無音で、バックにはただただ、
クラシックの荘厳な調べが流れ続けるのですが。
これは、正しい。
すごく良いと思います。
思うのですけども。
美しすぎて、一歩間違うと、
智謀を尽くして殺しあうことを賛美しているように見えなくもないな、と
ふっと思ってしまいました。

そんな意図が制作側にないのは分かりきっていますが、
ラインハルトやキルヒアイスの美貌、
その知略の鮮やかさ・美しさ
(つってもそんな大したことを考え付いてるようにも見えませんが)、
そして彼らの戦いがあまりに華麗に敵方を追い詰めていくのを見て、
「その行為自体が、すごく美しく、正しい」
ように見えてしまったのでした。

最後にはヤンにひっくり返されて終わるのですけども、
その過程においてはあまりに圧倒的で……
彼らのことをいけ好かない人にはまた違った見え方がするのでしょうが、
オイサンは迂闊にも「ああ綺麗だな、かっこいいな」と見惚れてしまいつつ、
そんな風に思ったのです。


マそんなことでね。


110話というと、週2話のペースで見ていったとしても
ガッツリ一年かかる分量ですので、
マ慌てず騒がず、貸して下さった友人には申し訳ないのですが
ゆったり見させて戴こうと思います。

何年か前に、『星界の紋章』とか『バーンナップExcess』とかのOVAものを
毎週借りて寝る前に見ていた感覚を思い出して、
ちょっと懐かしくなりました。

ちなみに、これを見た直後にTwitterでつぶやくと、
呟きが『銀英伝』口調になって困る。

フン、面白い。
ならばそれになりきって呟いてやるまでだ。
このオイサン=ガーミアマ=キビトツジアヤサーンの呟きを、
あの者たちに見せ付けてくれる。

堀川亮声はかっこいいなあ。
キルヒアイスのことかーッ(違

おっといけね、『FLCL』のBDBOX予約しとかねえと。
こいつだけは外せねえや。


ああそうだ、オイサンだとも( ← 抜けてない)。



 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年5月20日 (木)

■寝不足と空きっ腹の円舞曲 -更新第502回-

オイサンのひそかな楽しみ。

おヤカンで湯を沸かすとき、
湯がほどほどに沸騰したところで火から上げ、
中の湯を激しく揺すって

「バブンッ!!」

……と、プチ水蒸気爆発を起こすこと。
オイサンです。
たまにやけどをする。


 

  絢 辻 「また馬鹿なことばっかり……。
       やけどしたって、同情なんかしてあげないからね」

 


■お台所ネタつながり・E級グルメ



ふりかけを、ですね。
市販のやつを。
のりたまとかですよ。

4、5種類同時に買ってきて、
毎日ちびちびとバラバラに使っているのですが。
どれも大体ほどよく減ったなー、という頃合いに、
全部を混ぜて一つの袋にまとめてやる、と、これがまた……
複雑な味になって、なかなかおいしい。

組み合わせの相性なんかもあるのかもしれませんが、
まモノは所詮、ふりかけですから。

所詮っつったらふりかけさんも気を悪くされることもあるかも知れませんが、
みなさん「おいしいことが当たり前」の宿業を背負って生まれてきてる、
いわば、「旨い」のサラブレッドの皆さんですから。
そうそう喧嘩はなさらないんじゃないかと思います。
多分、彼らが根っこに持っているおいしさの源泉の要素なんかは、
似たり寄ったりでしょうからね。

試せとは言わない。


 

  絢 辻 「う~ん……。
       確かにイケなくはないけど……何か侘しいわねェ……。
       素直に褒める気になれない。おいしいけどね。
       そうだ、知ってたら教えてほしいんだけど、
       『大人のお茶漬け』って何が……やっぱりいいわ」

 


■Twitter~人情鍵盤すごろく



Twitterの話をTwitterの上でやると
わかりにくかったり小難しくなったりなのでここでやろう。

マそもそもTwitterが「呟き」なんていう出自のツールなので
(と言ってもその日本語訳がどこまで正しいのかとか、
言葉的な訳は正しくても、実体的なニュアンスが日本語と原語でどれだけマッチするかとか
問題はあると思うけども)、
この先の話には賛同も批判もなくて、
ただただ純粋な疑問……しかも根元までたどればTwitterなんかじゃなくて
人間のデキ方の話にまで戻ることではあるんですが。

Twitterで、「おなかすいた」とか「眠い」とか、
「だるい」とかまで呟いてしまうの、あれはなんでなんでしょうね?

オイサンもやりますよ。
なんでやっちゃうのかなあ、と。
そしてどんどんやればいいと思うのですが。

誰かの返事を期待するのかと言われたら
決してそんなわけでもないですし。
うっかり親切なお返事をもらってしまうと
うおそこ食いつくトコなのか何も考えてねえ何て返そう、とか、
軽くビビったりするくらいで。

  半分冗談で、朝の出社時に
  「帰りにコレコレを買って帰るのを忘れそうなので
   誰か帰りに言って」
  と振っておいたら、本当に帰るタイミングで教えてもらえてびっくりしたとか、
  同じく出社時に晩ゴハンのメニューを募集したら
  「しょうが焼き」と言われて、
  スルーするのも申し訳ないし気分的にもアリだったので
  本当にしょうが焼き食って帰ったとか。
  しりとり始めようとして失敗したりw

  なんていうか……すごくどうでもいい営みなんですけど。
  すごろくのサイコロ振ってるような気持ちです。
  よく分かんないか。

   「(コロコロ)……3! 『しょうが焼きを食う』!」
   「えーまたしょうが焼きー!?」

  みたいな。
  ……余計分かんないか。ゴメン( ← 謝っちゃった)。
  すごろくとソコロフは似てないな。まだモロゾフの方が似ている。
  発散しすぎだ俺。

多分その、「声に出す」のと同じくらいの、
ストレスの軽減として無意識にやってしまうんだろうなあ、
くらいのことしか思いつかないのですけど。

  うん。
  多分。
  オイサンもこういう文章を打つときはタイピングがすごく早くて、
  頭の中の、言葉以前の意味が文字にダーッと定着していくのを見て
  とても安らぐと言うか、
  たとえ心がざわついていても穏やかになっていきますし、
  何より気持ちがいいので、
  多分、そんなことだと思うのだけど。
  書くことでまとまって、その気になってしまうってのもありますしね。
  読む方はたまったもんじゃねえと思いますがね。
  へっへっへ。

人間にとって声に出すと言うのはストレスの解消にとても良いみたいなので、
それを、肺やら喉を使って音に、聴覚的に定着させるのか、
肩から先を使って文字に、視覚的(?)に定着させるのか、
そんな違いなのでしょうけど。

  ……それを思うと、鍵盤楽器なんてものは素敵だねえ。
  そういうTwitterはどうだろうか。
  キーボードをダーッと弾くと
  音声ファイルへのリンクがタイムライン上に生成されて、
  クリックすると音が鳴るみたいなの。
  で、その内容やらキモチやらは、は分かる人にしか分かんねえという
  この一般性のなさ。
  誰得。

そして、そういう人間くさい呟きが、
Twitter……をなのか、タイムラインをなのか分かんないですけど、
豊かにしてくれるよなあ、と思いつつ、
今日もタイムラインを眺めるオイサンですよ。

あ、今日はこの人ダルいんだw、とか、
この人は毎日遅くまで、本当に毎日毎日遅くまで
ガッツリ働いてて大丈夫だろうか、とか、
この人の謎の生活サイクルは、一体何をやってんだろうかとか。
人間くさいというかね。

むしろ、ため息とかうめき声とか、
言葉に落とし込みがたいものまでは乗っけられないのが、
若干もどかしくさえあったりします。

いつか、自分のタイムラインに……
なんというか、お日様を昇らせてみたいなあと思うオイサンですよ。
何人のフォロワーのうち何人くらいがこの時間に起き出して来るから
太陽が昇るのはこのくらいの時間が妥当だろうとか、
同じようにいつくらいに沈むのが妥当だろうとか。
そのタイムラインに住まう人たちのテンションやサイクルが決める、
箱庭的な環境づくりと申しますか。

またその中でもみんな、実際は住んでる地域が違うから
雨降ってたり晴れてたりして、
その辺オイサンなんかは迂闊モノですから、
いい天気ですなーなんつったら向こうでは雨降ってたりして
恥ずかしい思いもしょっちゅうしますけど。

  ……ていうか、ワールドワイドでTwitterやってる人なんかは
  もっとフクザツだったりするんかねえ。
  そこまで行くともう、そういうことを意識したりはしないもんだろうか。

……と、モハヤ言ってる本人も半分は分かっていないことを
思いつきで綴ってみる、

  今流行りのソーシャルゲームみたく、なっていくんですかね。
  タイムライン上のワードを拾って、
  日が出たり暮れたり、晴れたり曇ったりみたいな。
  ……それはそれでツマんねえな(どないやねん)。

不思議な世界だなあTwitterは。
そりゃ孫代表も、総務省に火ぐらい点けるさ( ← まだ点けてない)。


……あと、
いくらTwitterでちょっと小耳に挟んだからといって、
顔もよう知らん学生のことを

 「……そういえば、彼は今日2限からだと言ってたけど
  ちゃんと起きて学校行ったんだろうか?」

などと、一瞬でも心及ばせるのはアホくさいので慎まねばなるまい。


 

  絢 辻 「本当にね。
       ……そんな人のこと考える暇があるなら、
       もっと身近に、考えなきゃいけない相手がいるんじゃない?
       大体あなた、そのTwitterとかのおかげで
       寝不足気味なんじゃないの」

 



……。



■番組の途中ですが



以下、ちょっと珍しく。
本日拾い読みしたニュースにコメントしてみたりする。

 ▼遼君のこの気持ちよさはどこからくるんだ。 [ Yahoo!ニュース ]
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000003-alba-golf

これは絢辻さんでも惚れるレベル。
遼君になら取られても文句が言えない……。
こういうのだよな。
「スポーツによって育まれた人間的な魅力」
とかっていうのは。
ま彼を育んだものは、スポーツばかりではないのでしょうけど。
ご家庭の教育もそうでしょうし、
プロスポーツのトッププレイヤーであるという立場や
彼の自覚そのものも、やはりあるのでしょう。
だから尚のことすごいと思う。
立派だ。

 ▼何かのカウントダウン [ Yahoo!ニュース ]
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000567-yom-sci

残り一本。
増えたりもするんだろうか。
ただの抜け毛的な何かだったりして。


……とか、TVも番組の途中で
たいした緊急性もないニュースを流してみたりすればいいのに。



■Closing



昨晩は21時半くらいに寝オチしてしまって……
マ寝オチっつってもオイサンの場合
普通に布団の上で横になって、ですんで、
布団をかぶってないとか、風呂に入ってないという以外は
普通に寝るのとさほどの違いはないのですが……
目が覚めたら2時半をチョイ回ったところ。

再起動に多少時間を要するものの、
やはり「目覚ましで起きるのではなく、自然に目覚めるまで眠る」ということには
おカラダさんがえらく満足なさるようで、
今日はすこぶる体調が良かった。

よく眠るだけで、こんなにカラダも軽く気持ちも穏やかに落ち着くものかと、
毎度毎度思うのだけども。
マ自分の気分よさにかまけてないで、
もう少し人の気持ちにうまく乗っていけると良いのですけど。

テンションも上がらない寝不足で過ごすことは、
その日一日をなかったことにするも同然だと、今更ながらに気付く木曜日。



以上、どこまでも散漫に。



ダイエットに成功して何が一番良かったかって、
オシゴト帰りにふらっと立ち寄ったお店でも、
気軽に着るものを調達出来るようになったことだと感じるオイサンでした。

以前は「大きいサイズ」がある店に絞って行かないと
何も買えませんでしたからね。
快適、快適。

 

  絢 辻 「……(嘆息)。
       なら、もう少し身なりに気を使ってもいいんじゃない?
       改善されたようには、あまり見えないわよ?」

 
……。


ハイ。


ごもっともです。




 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■駅前の -更新第501.1回-

駅前のコンビニの、
物静かゲで少しぶっきらぼーだけどとても感じの良いお兄さんが、
長かった髪を少し前からかなり短くした。

それに気付いていることを言葉にして伝えようかどうか、
ずっと、すごく迷っている。

……。

とか書くとホモっぽいだろうか。
だけど本当だから仕方がない。


オイサンでした。

  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月19日 (水)

■四方を山に囲まれて暮らす -更新第501回-

一つ書こうと思っていたことがあったんだけど、
なんだか興味が無くなってしまった。

オイサンです。

書いてもあまり意味がないというか。



■色々、『アマガミ』周辺感想とか。



置き去りにしていた、いくつかのことについて。

 ▼東雲アマガミ

読んでいて、アレッ?と思ったんですけど、
アレ<ナカヨシ>ですよね?
ふーん。
面白いコトしてくるなあ。
イヤ、良いと思いますよ。うん。
そういうの、オイサンは好きだなあ。
あって然るべきだと思います。
なんというか……お話作りの面としても、
ギャルゲーのコミカライズの見せ方の面としても、
絢辻さんというキャラクターを語る上でも。
すごく良いと思う。
このままサラッといくのかなー、
だとしたら、読む側としてもホントになぞって終わりだけど
マそんなもんなんだろうかなー、と思ってましたが……

うん。

俄然、楽しみが出来た感じ。
違和感がないとは言わないけれども、
そこにこだわったってしょうがないですしね。
東雲先生の描く、
「アンチ正統派のドジっ子ハイスペック優等生」
としての絢辻さんには、そういう道があってもいいと思うです。
とってもとっても思うです。

 ▼桜アマガミ

  ▽アマガミ Sincerely Yours [ファミ通コミッククリア]
  http://www.famitsu.com/comic_clear/se_amagami/

ははあ。
そうなるですか。
なんというか……こちらの絢辻さんも、随分と可愛らしいというか、なんというか。
でもやっぱり……こういう女の子なのかも知れんナ絢辻さんは、とか思ったり。
こういう女の子でいられれば幸せだったんだろうな、というか。

ハテサテ、このお話。

このまま二人を軸にこじれていくのか、
それとも何か、画期的で紳士的な解決策が提示されたり、
もっと新しい何かが投入されていくのか。

なんかね、もうひと展開ふた展開、期待したいところですけども。
難しいですかね。
梨穂子も薫も、影こそチラつかせはするものの
大きく関わってくる構えは見せませんし
(フラフラしている純一を見かねてやけぼっくいに火、なんていう展開も、
ちょっと期待しないわけではないですが)。

……ただ、一年生トリオは見えてきませんねえ。
こうなると、出番を抑えるために(出てこないことに説得力を持たせるために)
舞台を一年前に設定したのかな? とも思ってしまいますけども。
悪い意味ではなくて、
「ア物語展開のための仕込ではなく、そういう意図だったんかな」
という理解。

  大きく登場した塚原先輩に引きずられて、
  七咲あたりは出てくるのかなーと思ってましたけど、
  そういや一年前だったなと思い当たったのでそんなことも書いてみる。

アニメがオムニバスであることが決まって、
『アマガミ』の物語世界の分解再構成とそれによるテーマの再提示、という、
オイサンの見たいものとしては唯一の存在となってしまった本作。
ヤそこまで負ってるかと言われたらNoでしょうけど。
今後もwktkしつつ見守っていきたい所存。

あと、このblogにもたまに

「桜小鉄 急病」

などのワードで来られる方がおられますが……
小鉄先生は死なないの! 強いの!!
そーだ、小鉄せんせいはつよいな! ふーかはいいこという!

 ▼アマガミ カミングスウィート

リョーコさんどうした。
リョーコさんがお休みで、薫役のサトリナさん、
あと小さいリョーコさんが応援に駆けつけた、
そんな第59回。

サトリナさんは、前回ゲスト登場時といい、
試しにサラッと聞いてみた同音泉の冠番組といい、
言葉は悪いけどすごく「いい子」の、
「シゴトしてる」感溢れるトークをなさいますような気がする。
中途半端なFMを聴いてるみたいで、ちょっと落ち着かないというか食い足りないというか。

もっとこう、イタリアンや和風しそドレッシングばかりでなく
トンカツソースなんかをドボドボかけていきたい感じ。

  ちなみにオイサンの中で
  あすみんはトンカツソース、リョーコさんはあんこです。
  ゆかなさんはお醤油。
  伊藤静さんは……なんだろー。とりあえず味噌の匂いはしたな。
  おおそうだ、味噌切らしてたんだった。買ってこなきゃ( ← どうでもいい)。

今回もそのセンはあくまでも踏み外さずにおやりになってますが、
前回よりはちょっと砕けましたかね。
あと、アスミン演じる「ちっちゃいリョーコさん」を聞いてると、
オトウフ先生の『アマガミさま』を思い出さずにはおられん。

全体的には……マいつもどーり。
新コーナー始めてテコ入れでもすれば? と、ちょっと思う。
ドラマの最中でも、平気でスで突っ込んでくるサトリナさん大胆です。

 ▼リリース予定のお皿の面々

6/25にリリース予定の、
『アマガミ』ドラマCD vol.6 薫編とラジオCDのvol.6。

結構ねー……オイサンは今回の、薫のドラマにはなんとなく、
なんーとなくだけども良い風を感じてるんですけども。
何の根拠もなく。
「薫だから」というだけなのかもしれませんけど、

なんだろうな、この期待感は。

どうせ幹になる物語なんて大したモノを用意できるワケもないんだから、
キャラクターごっそり出して、
基本お祭り的な馬鹿馬鹿しい雰囲気の中で、
ちょっとしたしっとり感と薫特有のシビアでこざっぱりした空気を演出できれば、
オイサン的には満足できると思いますが、
果たしてどうなることやら。

  なんというかねえ。
  オイサンは多分、薫の持ってる「サブキャラ感」が、
  すっごく好きなんだと思うわ。

森嶋センパイのも結構好きでしたけども。
骨子の部分はどーせいちゃいちゃシンミリになるんだろう、
と思って諦めていたのでアレですが、
女の子だけの座談会の回、あの回がとてもらしくて面白く、
そこでのひびきちゃん先輩の活躍がとても良かった。

あと、ラジオCD、ゲストは誰なんですっけね。
あ、特別編の方ね、もちろんね。

 ▼アニメ『アマガミSS』

トップバッターは森島センパイ。
えーと……まあ。
……ふーん、みたいな感じで。
そうなのね、と。

なかなかこう、上手に盛り上がるのも難しいな。
イヤ楽しみでは勿論あるんですけどね。
とりあえず一本見てみないと、何をどう盛り上がったり喜んだり、
したらいいのかももう一つ掴めない。
出てきたものを見てから態度を決めようかなという。
当たり前のことなんですけども。

  今ンとこ、割とあのPVだけで満足してしまっている自分もおり。
  アレ以上、あるならあるで喜べるけども、
  ないならないでも全然イケる的なね。

  本編のダイジェストを曲に載せてお送りする、
  PV的アニメでも全然OKなんです。
  ジブリの『On Your Mark』みたいな。

  ……正直。
  正直ね。
  半年間、毎週30分アニメを見続けるのって、
  ある程度以上に面白くないと、結構シンドイのよ。オイサン。
  ……一生懸命見なくてもいいアニメって……素敵やんw?( ← オッサンの発想)
  2クールアニメを前編通して見たのって、
  ここ2、3年のうちだとこないだの『レールガン』くらいじゃないだろうか。
  それも後半は惰性だったけども。
  オムニバスものじゃあ、その辺の都合も変わってくるかなあ。

どういう見せ方をしようという作品なのか、ということが、
現行の情報からでは、胸を高鳴らせるに至るほど読み取れないというか。
多分、ヒロインごとに、本編の要素と新しい要素の
ツギハギの仕方も変わってくるのでしょうから、
一概には言えないのでしょうけども。

けど、本編要素を生かしつつ新規部分を見せていく、ということのようなので、
絢辻さんなんかはヌケ・いじりどころは色々あるから
何か分かるのかも知れんなあ。
……逆に分からされると、オイサン的には黒歴史にもなりかねないけども。
その辺、謎を残しつつ、絢辻さんという本編上での人物像をキープしつつ。
美しくやっては欲しいです。

オムニバスならではの、
こちらの度肝を抜くような新しい面白みの表現を、
何か仕込んでくれるなら……それほど嬉しいことはないですけどね。
斜め上にぶっちぎってもらえる位、
テンション上がることはないわけですから。

……うん。
やっぱオイサン的にはそこなんだな。



■オムニバスアニメ from ギャルゲー



そういえばこの間、
この『アマガミ』アニメのことを考えていて思い出したんですけど。

『アマガミ』以前にオイサンを襲った最大のビッグウェーブとしてあった作品、
『北へ。-Diamond Dust-』(PS2)。
このTVアニメも、ヒロインオムニバスだったなあと。

■北へ。DiamondDust OP


  ……そしてこの作品がアニメ化されるときも、
  大して期待もしなかったオイサンがここにいるよ。
  何故だろぷ。
  結果的に、出来はほどほど良かったんですけどね。
  面白かったかと言われたらそうでもなかったけど。
  ちゃんとはしてた。
  音楽はすごく良かったなー。

  あ、その点……音楽については、『アマガミSS』についても期待してます。
  PVの曲がすごく良かった。
  アレ、メインテーマになるのかしら?

  ……今調べてみたんだけども、
  『アマガミSS』の作曲家って
  「残酷な天使のテーゼ」とか「魂のルフラン」とか作った人なんだな。
  驚いた。
  でも、他の作品って……あんまり分からんなあ……。

   ▼[参考] 大森俊之 Wikipedia
   http://p.tl/QhNA

せっかくDVDもBOXで全巻手元にあるんだから、
ちょっと見直してみるか。
何かヒントが隠されているかもしれない。

……でも、あれか。
このアニメにはいわゆる主人公、橘さん的な位置の固定された人物はいないから、
やっぱり同じようにはならないな。
各ヒロインの、個々の淡い恋を描くだけだものな。
うーん。

……あれ?そういや「まふゆ」編ってあったんだっけか。



■備忘録



『飢狼伝』 5/21
『GIANT KILLING』 5/21
『勤しめ!仁岡先生』5/22
『XenoBlade』(Wii) 6/10
『アマガミ』薫ドラマCD vol.6 6/25
『アマガミ』ラジオCD vol.6 6/25
『メタルマックス3』(DS) 7/29
『ソラロボ』(DS) 2010年中


……やべえ。
さっさとDS修理するか、DSiLL買うか、決めないと。
忘れてたぞ。
……ていうかRPGばっかりだな。
全部出来るわけないな、こんなに。
そうなんですよねー。
最近、面白そうなゲームは結構多いんですけど、
「積んでる」とか「なんか出来なさそう」とかいう理由で
購入を見合わせるケースが増えている。

『メタルギアPW』も、なんとなく見送っちゃったしなあ。
VCの『メタルマックス』やら、
XBLAの『レイストームHD』も落としておきたいところなのだが。

……マそんなにお金もない、という理由もありますけどね。
着る物買わなきゃならなかったり、山登ったりで
色々入り用だったものですから。
必殺ファイアホイール。俺は死ぬ。



■夢を見ることも出来ない



とか、
オイサンがあまりにバカタレメルヘンな記事を垂れ流す傍らで、
……というかそれは逆で、
  大きな流れの傍らにオイサンのバカタレは置いてもらっているんだけども……
世間には不安で不穏な空気が流れている。

特に目に付くのは宮崎の口蹄疫の問題で、
正直オイサンは詳しくは知らず、
Webで調べてみたレベルの知識・情報しかないのだけれど、
いろんなところで取り沙汰されている情報が正しければ、
かなり壊滅的な状況であるらしい。

  「あるらしい」って、ひと事みたいな書き方をしているだけで
  もう怒られそうなくらいの事態のようなのだけど。
  もっと怒れよ、恐れろよと言われても無理のないくらいに。

その壊滅的危機を、「宮崎の」と限定的に報じているものもあれば、
実はそうでなくて神戸牛にも松坂牛にも、
国内の畜産全体にかかわる問題だとしている話もある。

  ※ちなみにこの前後の部分は17日のAMあたりに書いたので
   こんな感じ ↑ になってますが、
   18日現在では報道の足並みはようやく揃ってきた感じですね。
   ……「悪い方向に」、ですけど。

前者は、
大体がちゃんとした(って言ったらおかしいけども、つまり大手の)新聞やらのニュースサイト、
後者は、
大体が2chのまとめサイトの情報だから、どれだけ正確な話かわからないし、
かといって、大手新聞系のニュースも、どこまで正確な報道をしているのかわからない。
混乱を避けるための報道規制をしているだとか、緩めに書いているだとか、
そうではなくて隠蔽をしているだとか、
オイサンのような不勉強の者にはそれを客観的に判断することもままならない。

出来ることといえば、それらから組み上げることの出来る
「最悪の場合」を作り出して、
何かそれに対応した行動をとることが出来るか、を考えるくらいだ。
疑うことしか出来ない。
かといって思考停止することも許されないけど。

それと、国会法改正案の強行採決。
これも、今回話題になってことの重大性をようやく認識したようなことで。
簡単に言うと、憲法違反のような内容の法案でも、
与党が合憲・違憲の判断をできるようにすることで
テキトーな解釈でも法案を通すことが出来るようになってしまう、
というようなことのようです。

  ……これまた「ようです」としか書けない自分が
  相当恥ずかしいはずなのですが。
  それすらも妥当に感じ取ることが出来ない自分を
  またみっともないとは思います。

こういうときに……自分の身の安全だけは守る、みたいなことも、
話の規模がここまで大きくなってしまうとそうそう出来る話ではないのだろうけども、
せめて
「じゃあどうすればいいの、どれが本当の話なの」
と問われたときに
「これとこれとこれは多分本当、これは間違い或いはウソ、あとはわからん、
 だからこれとこれを元に、後は最悪ケースを想定して、
 こういうことはしておかないとならないだろうね」
ということくらいは言えるくらいには大人でいないと、
大人になった意味もない。


情けないな。


メルヘンもほどほどにしないと、というか、
現実にきっちり立脚した上でないと、
現実が崩壊したら夢も見られないんだから、
やっぱそこの本末が転倒していたらよいメルヘンも生まれないし、
面白いことも書けやしないやな。
だからオイサンはそれが出来る人を尊敬します。


上の記事二つは、
"口蹄疫 種牛" とか、 "国会法改正案"
とかでgoogle先生あたりにぶち込めば色々出てくるので、
その辺から読んでみて下さい。
正直、どの記事を読んだかとかキチンと覚えていないし、
例を挙げるにも色々ありすぎて間違ったものとかを上げるのが恐ろしい。

悪いね、こんな大人で。



■さあ湿っぽくなったので



メルヘン方向に振ってシメます。

本日、シゴトバにて。
後輩とメッセンジャーのやり取りをしていたら、
何かの流れで後輩がこんなコトを言い出した。


 「この間、DSを踏んづけたら電源が入らなくなったので、
  冷蔵庫に1日入れておいたら復活しました。
  さすが任天堂です」






……。





いや……………………。
任天堂も確かにすごいけど、

  壊れた → 冷蔵庫

という、あなたのメソッドも相当すごいと、オイサンは思うぞ。
なんか、アレか。
死んだ猫を冷蔵庫に入れて一晩寝かせたら生き返ったとか、
そういう成功体験でもあるのか?



……と、返信をしたら、さらに驚くべき超展開が。



 「昔のファミコンのカセットとかは、
  1週間位水に付けておいたり、土に埋めておいたりしたら、
  復活したので。。
  とりあえず、冷蔵庫に入れてみました」




とかとか!!



新潟あたり(※)では、そういう民間療法が当たり前なのか!!?
ちょっとご意見募集していい??!?!??!!!

  ※新潟は彼の郷里です。



以上。
世界は、驚きに満ちている。

今度、柳田國男の文献でも漁ってみようかと
真剣に考えるオイサンでした。



……いやあ、こういう四方山パラダイスな記事は
なんか久々な気がするな。
書いててすごくラクだし、安心するわ。




 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年5月18日 (火)

■彼女・終 ~『アマガミ』絢辻さんSS~ -更新第500回-

◆「彼女」~『アマガミ』絢辻さんSS~  一  二  三  終 
 
 
 
        *     *     *



「ただいまー」
 ドアを開けると、玄関の三和土には既に小さな靴が脱ぎ散らかしてあって。
「まったく……」
「あ、ほかへりにぃにー」
 それを拾って揃えているところに、キッチンから、アイスを口に咥えた美
也がひょっこり顔を出した。
「た・だ・い・ま! お前、靴はちゃんと揃えて脱げって、母さんに……」
「遅かったねぇ。また、絢辻先輩とでぇと?」
 人の話も聞かないで、にししししと幾ら言っても直らない笑い方で冷やか
そうとしてくるけれど。……さすがに、もう三ヶ月近くなると、いちいちフ
レッシュな反応をする方が難しくなってくる。寧ろ。
「ん? ああ、まあ……」
 デート……になるのかな。絢辻さんと一緒に帰ること、そのついでにちょ
っとした寄り道をすること。そんなことはいつの間にか当たり前になってい
て、それにデートと特別な響きを与えてしまって良いものか、ちょっとした
躊躇いがあった。
 その隙を不審に思ったのか、余計なことにばっかり鋭いうちの座敷猫は、
ん? と、髭をピピンとしならせた。
「ちがうの?」
「いや、違わないよ。デートだな。それとあと、来週末もデートだ」
 強気に言い切ったのが意外だったのか。美也は
「お……。おぉぅ、にぃに、や、やぁるねぇー!」
と、軽くつっかえながら盛り上げてくる。大きな釣り気味の目が、なんだか
ちょっと曇って見えたのは……多分、気のせいではないだろ。兄弟だから、
そのくらいは分かる。
「おう、やるぞ。やってやる。やりまくりだ」
「それは、どうかと思うけど……」
「お、おぉ……。すまん、言い過ぎた」
 さすがの鋭い突っ込みにしおれて見せると、美也ははははと今度は普通に
笑って……ふぅ、と息をついた。表情を落ち着かせ、少し下がった眉で、静
かだけど、その目は揺らいでいた。
「うん。にぃに……いいね」
と、寂しげだけれど、何かを心に決めたような。はっきりとした口調で言葉
を切った。
「お、うらやましいか? モテる兄が」
「そーじゃないよ。茶化さないで」
 年明けからこっち。美也とは一度も一緒に学校に行ってない。帰りも、三
十分一時間の話だけど、以前に比べたら遅くはなってる。休みもいないこと
が多くなった。他にも、着る物、テンション、電話の回数。最初の二週間で
完全に感づかれて、僕はある朝、あの落ち合い場所で、美也に改めて、絢辻
さんを紹介した。そのときの美也の驚きようは、今思い出しても、ちょっと
笑えて、ちょっと泣ける。
「みゃーはさ。にぃにが元気になって、ちょっとオシャレにもなってさ。嬉
しいんだよ」
「悪い」
 その朝はそのまま三人で登校した。初めの十分、美也は絢辻さんを相手に
質問で串刺しにした。けれどそのあとはぱたりと黙り込み、僕と絢辻さんの
交わす言葉の後ろをただ黙ってついて来て……最後に下足場で言った
「じゃあ、美也はこっちだから」
という言葉が、何故か今も耳の奥に残ってる。
 それきり、朝起こしに来る美也の口から「今日は一緒に行く日!」という
突然のワガママを聞くことはなくなった。
 なに謝ってんの? にしししし。
 僕が靴を脱ぎ、廊下に上がって並ぶと僕の妹はとても小さい。生まれたと
きより、小学校の頃より、僕と美也の背丈の差は、縮まるどころか広がるば
かりで。
 僕は美也に歩み寄ると、その手からアイスを奪った。
「あ」
 しゃく、と一口、口の中で爽やかにほどけたのは、あの夏と同じ、いんち
きなソーダ味。齧ったアイスをまた、ん、と美也の手に突き返した。美也は
戸惑いながらそれを受け取り、不思議そうな面持ちで僕を見上げていた。
 返す手で。
 あんまり撫でやすい位置にあるもんだから。
「ごめんな、美也」
 僕は、美也の頭をポンと撫でた。
「だから、謝ることじゃないよ」
 にぃにとみゃーは兄妹なんだからさ、と、ポツリ呟いて。おかしいよ。も
っと喜んだら? デートなんでしょ? いいこと、あったんでしょ? そん
な風に、どこかガランとしたこの家の、不思議な隙間を言葉で埋めようとす
るから、僕はもうたまらなくなった。
「美也もさ。そろそろ彼氏、見つけろよ」
「にぃに……」
 頭に置かれた僕の手を払い除けるように、美也はふるふると首を振った。
指に絡まる短い髪は絢辻さんとは違う感触だったけれど、滑らかさでは負け
てなかった。美也もそれなりに、気を使ってるのかもしれない。
「だいじょうぶ。にぃにはさ、いつまで経ってもにぃにだもん」
「美也……」
 「にしっ」と短く、美也は手にしたガソガソ君を齧るふりで、笑いを区切
った。そしてその口から出た言葉は、こともあろうに。
「どーせまたすぐ、フられるに決まってるよ!」
「んなっ……!!」
 そして、美也は駆け出した。それは本当に目にもとまらないスピードで、
「だーって、にぃにはにぃにだもーん!」
 そういう意味かよっ!
「それにー、絢辻先輩、あんなに綺麗じゃん! 頭いいじゃん? 人気者じ
ゃーん!」
と、僕の周りを、三周半。アイスを口に咥えたまんま、トタタタタタタっと
四つ足の獣みたいに階段を一気に駆け上がった。
「ちょ、待、おい美也っ!」
「ひょーひに乗んな、ヴァカにぃにっ!!」
 二階の吹き抜けから憎まれ口を浴びせられ、バタン! と、……ドアの閉
じる音がして、僕は、それを最後に静まり返った家の、廊下の真ん中に取り
残される。
「まったく……いつまで経っても」
 リビング、キッチン、バスルーム。階段下の収納。不思議と、意味合いを
変えたように見える家の中を見渡すと、美也が取り込んでくれたときにこぼ
したのだろう、廊下の隅に落ちていた洗濯物のランチナプキンを見つけて拾
い上げた。
 そのとき何故か、リビングで光っている電話機の、充電中の赤いランプが
目についた。電話、しておこうか。絢辻さんに。特に話すこともないけれど。
 何を言おう。何してる? ちゃんと帰れた? 受話器の親機を手に取って、
話の中身を考える。
『さっきまで一緒だったじゃない』
『当たり前でしょ? 子供じゃないんだから』
 何を聞いても、多分ちょっと不機嫌で、ちょっと嬉しそうに返してくれる
に違いない。そう思って最初のナンバーを押したとき、……でも、何を言っ
ても、今は必ず聞かれるだろうな。そう思って、手を止めた。
『そんなことより、ちゃんと誘ったの?』
 空いた右手で制服の内ポケットを探り、絢辻さんから授かった二枚のチケ
ットを取り出した。二つに折られたそれは……輝日東ランドの無料招待券。
再来週から有効な、園内の乗り物が全部半額になるという株主優待の特典が
ついたスグレモノだ。
 カフェでの会話が、絢辻さんが、頭の中で再生される。
『これが……参加資格?』
『そう。これで美也ちゃんを遊びに誘うこと。それがあたしとのデートの、
参加資格よ』
 今からほんの三十分ほど前、絢辻さんが提示したのはそんな不可解な条件
だった。
 美也?
 絢辻さんが、一体どうして?
『言っておくけど、遊びに行くのはもちろんあなたと美也ちゃんだからね。
本人からの話も聞くし、証拠の記念写真も提出してもらうからごまかそうだ
なんて夢にも考えないこと。いい?』
『う、うん。そんなこと思わないけど……』
 でも、一体どうして? 一番の謎、疑問、クエスチョンはやっぱりそこだ。
それをどう尋ねようか、僕が語尾から先の結び目を迷っていたら、……絢辻
さんも、この企画が不自然であることは重々承知だったのだろう。りんごジ
ュースの残りを一息に吸い込んで、軽く勢いをつけて言った。
『今はまだ……「敵に回すのは得策じゃないな」っていう考えなんだけどね』
 美也を……だろうか? そんなの、絢辻さんの智謀をもってすれば美也ぐ
らい、黙らせるのは簡単なはずだ。こんなご機嫌とりみたいな真似をする理
由は、やっぱり僕の頭では、世界のどこにも見つけられない。
『でもね、近いそのうちにきっと、「仲良くしたい」に変わると思うのよ。
ううん。変える。変わらないといけないと思うから』
『絢辻さん……?』
 タンブラーを抱いた絢辻さんの両掌はするする伸びて、僕の手に辿り着い
た。テーブルの上で重ねられ、やがて、少し強く、何かの意志を持ってぎゅ
っと僕の手を包み込んだ。
『あたしは、こんなやり方しか思いつかないから……』
 そこから流れ込んでくるもの。溢れてくるもの。俯き加減の絢辻さんは前
髪の奥で、どう表現したらいいかわからない、そんな瞼と眉毛の形で唇を噛
んでいる。
 そうか。そうだね。そうだったよね。
 絢辻さんは、僕の彼女になったばかり。僕は、絢辻さんの彼氏になったば
かり。これから先、僕らがなるもの、目指すもの。僕は掌を、絢辻さんの掌
の下から逃がし、そっと上に重ねた。
『わかった。任せといてよ』
 そのとき顔を上げた絢辻さんは……一度だけ、今までに一度だけ見たこと
がある表情をしていた。創設祭の夜、忍び込んだ校舎で、あの教室で。心底
ほっとしたように肩まで柔らかくしたのを見て、僕は手をチケットに移した。
『じゃあ、これは預かるよ』
『うん、よろしく。しっかり遊んで来て上げて』
『分かっ……あれ? でもこれ、再来週からだね』
 受け取ったチケットの但し書きに目を通し、僕はその有効期限に違和感を
覚えた。開始期限は、再来週。絢辻さんとのデートは来週末だからこれとい
って不都合はないけれど。これって、ただの偶然かな?
 僕の一言に絢辻さんの肩がピクリと動く。余計なことには気付かなくてよ
ろしい、なんだかそんな気配を漂わせていたけれど、さすがに突っ込まれて
は放置するのもプライドが許さなかったんだろう。
『別に。万が一にも、バッティングしたり、あなたがそっちを優先させたり。
……そんなことが起こらないように、用心しただけよ』
と、重みを増したながらも華やかな感情を隠さずに、絢辻さんは言い切った。
『え……それって』
『何よ、文句ある!?』
『な、ないです、はい!』
 それは多分絢辻さんのささやかな……けれど、最重要のエゴイズム。
 意味するところは、「あたしが先。こればっかりは譲れない」。
『フンだ』
 本当に余計なことばっかり……そんなぶちぶちとした言葉とともに絢辻さ
んは、さっき二人で空にしたりんごジュースの抜け殻を、ストローでからか
らかき回した--。
 で、今。
 指に挟んだ二枚のチケットにそのあまりにかわいらしい絢辻さんの面影を
透かして、僕は一人でほくそ笑む。そうだな、電話はそのあとだ。
 そう決めて、手にした親機を充電台に戻すとき、手首に巻いた腕時計が鈍
く光った。今朝のこと。二人であわせた腕時計の時間は、充電台の液晶に映
る時刻より、一分ちょっと、早かった。
 僕は、それきり。充電台に受話器を戻すと、おーい美也、晩ごはん何がい
いんだと、二階に向かって大きな声で呼びかけた。
 
 
 
 
                            (おしまい)

 
 
 
 
恋をして、彼女になって、かわいくなって、
ちょっとだけ弱くなって強くなった絢辻さん。

「『恋人同士』になり始めのこの二人っていうのは、
 学校という場ではこんな感じだろうな」
ということだけを書きたくて、
これといったストーリーラインやプランは全くなしで始めたのですが、
絢辻さんが動いて、
主人公はそれに合わせてはいはい言いながら動いてくれて、
美也も出してくれと騒ぎ立てて、なんか、こんな風になりました。

読んで戴ければ大体「どのへん」の絢辻さんかは
お解かり戴けると思うのですが、
果たして「そのへん」の絢辻さんがこう ↑ であることが、
皆さんの心やイメージに馴染むかどうかは、正直わかりませんし、
オイサンの解釈は若干特殊みたいなので、
あんまり「皆さん」に馴染む自信もありません。

ですがオイサンは、こと絢辻さんに限っては、
最後には必ずひとつの姿に帰着するという確信があるので
(ソエンやBADは除きますが)、これでいいと思いますし、
間違っていないと思っています。
……もちろん、ほかの誰かが考えた絢辻さんだって、
決して間違ってはいないと思います。
『アマガミ』はそういうゲームだと思いますから。

  ……つか、『アマガミ』に限らず、
  ビデオゲームの物語ってなキホンそういうモンだと
  オイサンは思ってやってきましたけどね。

構想10分、実執筆時間、約15時間?くらい?
もっと短時間で収まるはずで最後でちょっと手間取りましたが……
ほかに比べりゃ全然です。立派立派、満足満足。

もう一個(二個か。未発のもの入れたら三つだけど)の方を
キチンと終わらせてから書かんかい、とお叱って戴けそうですが、
ここまで長くなるつもりでもなかったのです。

あ、ちなみに、オイサンの書く絢辻さんは、
日常のシーンにおいて一人称は基本、すべて「あたし」です。
何か特別な意図をこめるシーンでない限り、
たとえ<スキBEST>を辿ったあとの絢辻さんでも「あたし」です。

本編中で絢辻さんが「あたし」「わたし」「私」を使い分けていた
(というか、それぞれに違う自分を住まわせていた)としても、
何か特別なことが起こって、
その特別が常態化した日常の絢辻さんは「あたし」なのであろうと、
あの六週間の絢辻さん、常に「あたし」であった絢辻さんとその日々を
「偽者」に堕とさないための解釈として、
その時々の日常の一番の本当の姿の代表が「あたし」であると考えて、
そのようにしています。

なんというか……
オイサンにとっては日常こそがまず第一のリアルで、
絢辻さんの日常は「あたし」だという解釈です。

だから、<スキBEST>以降、絢辻さんが常に「私」や「わたし」なのかというと
……そう思わないでもないのですが……
日常は、その「私」「わたし」を住まわせた「あたし」で生活をし、
特別な何かを表出するときにだけ、「私」なり「わたし」になるのではないかと、
そんな風に思っています。
面倒くさいオトナですね、オイサンは。

オイサンの思い描く絢辻さんが、皆さんの繋いだ先の絢辻さんに
少しでも繋がるところがあれば嬉しい感じです。

以上、オイサンでした。


 
 
 
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年5月17日 (月)

■彼女・三 ~『アマガミ』絢辻さんSS~ -更新第499回-

◆「彼女」~『アマガミ』絢辻さんSS~  一  二  三  終 
 
 
 
        *     *     *



 そろそろ、だろうか。
 夕暮れの屋上、体育館。プール、テラス、グラウンドといつもの巡回を終
え、いい頃合いになったのを見計らって僕は図書館へと向かった。するとビ
ンゴ、丁度廊下の真向かいから、ひと抱えはある書類を両手と胸に積み込ん
だ絢辻さんがやってきたから、僕は先を急いで扉を開けた。
 絢辻さんは驚いて、
「あれ? なんであなたがいるのよ」
と、扉をくぐるのも忘れて訊いてきた。
「いいから、ほら」
「あ、ああ、うん。ありがとう……」
「足元気をつけてね」
 少しふらついた絢辻さんが扉をくぐり、後に続いて僕はバタンと扉を閉め
る。そして僕はまた先回り、絢辻さんの抱える書類の上半分をパッと攫って
横に並んだ。
「あ、ありがとう……ねえ、なんでいるの?」
「絢辻さんが待ってろって言ったんじゃないか」
 いつもの意地悪のつもりだろうか。それにしては捻りがないなと逆に不安
になりながら、僕は怖々反論する。けれど、いつもと様子が違った。絢辻さ
んは上目遣いに記憶をたどり、そんなことないないと首を横に振った。
「あたしは、そんなこと。遅くなるから先に帰ってって確かに言ったわ」
「で、でも、悪いわねって」
 お昼の記憶。遡ってみても、議論は平行線を辿るばかりだ。絢辻さんの言
ったのは「遅くなるから」「悪いわね」。傍目で量れば、それだけだ。
 ああだこうだと言い合いながらいつもの作業場所にやってくると、僕らは
何の合図も必要なく、図書館独特の長机に、ドスンドスンと書類を積んだ。
 そしてやっぱり何の合図も無く、どちらともなく、ぷっと吹き出した。
「ふふっ」
「ははっ」
「ふふふっ」
「ははははっ」
 しばらく、けたけたと、ひと気の絶えた図書館、その蔵書のページの隙間
に、僕らの笑い声だけが沁みこんで行く。次に誰かが開いたときに、飛び出
てこなけりゃ良いけれど。
 呼吸も整い、絢辻さんは勢いよく鼻から息をつくと、書類の山を見下ろし
た。
「……あーあ。じゃあ、せっかくだから。早いとこやっつけて一緒に帰りま
しょうか。手を貸してもらえる?」
「そうだね、勿論だよ!」

 それからわずか二時間ばかり後、僕と絢辻さんは駅前の小さなカフェにい
た。
 思いがけず早く片付いたわ、と満足げな絢辻さんに、僕も少しは役立った
ろうかと誇らしい。
「あなたも随分手際が良くなったわよね」
と、いつもは紅茶一択のところを今日は珍しくアップルジュースをストロー
でかき混ぜて、絢辻さんはストローをくるくるいじる。
「そりゃあ、まあね」
「上司の仕切りが良いと、部下の成長も促進されるってことかしらね」
 ……。
「……ソウデスネ」
「冗談よ。感謝してる」
 口をへの字にした僕を肴に、絢辻さんはりんごジュースをひとすすり。だ
ったらたまには、オチ無しで褒めて戴きたい。まあ、結局は絢辻さんの指示
通りに動いているだけだから、言われる通りではあるのだけれど。
「ありがとう。助かったわ」
「ははっ、なら良かったよ」
 どこかで聞いた様なセリフを口にして、僕は椅子にもたれかかった。
 僕と、絢辻さん。少しだけ顔と顔の間に距離がひらいて、そこに何か、見
えない静けさのようなものがぽわんと挟まって僕らは黙った。
 今日は朝から一緒だし、お昼も結構話をした。作業をしながら雑談もこな
して、何かほかに話せることがあっただろうかと、僕は視線でテーブルの上
を一撫でした。アイスコーヒー、アップルジュース。紙ナプキンに、お冷の
グラス……。
 絢辻さんがゆび先で、クルクルとストローの吸い口をいじっているのが、
何だか妙に目に付いた。
「……珍しいね」
「何が?」
「今日は、りんごジュースにしたんだね」
「……うん。たまにはね。なんだか酸っぱい物が欲しくって」
 ……それって……。
「中途半端な知識だけで、短絡的なことを言わない方がいいわよ」
 沈黙の幅と、喉の動き。そんなものだけで僕の脳みその中身を殆ど正確に
読み取って、絢辻さんは眉間に皺を寄せた。
「な、何も言ってないよ」
「まだ言ってないだけでしょ」
 ……どうしてわかるんだろう……。
「今日は、頑張ってくれたものね。気も回してくれたみたいだし」
 絢辻さんはストローをいじる指を止め、まだ自分の頭の中にしかない何か
を話し始めた。とりあえず、褒めてくれている。落っことされそうな気配も
無い。
「だから」
 すっと身を乗り出し、僕のアイスコーヒーに刺さったストローをひょいと
摘み上げる。何をする気だろう、そんなことを尋ねる間もなく、僕のストロ
ーから落ちる黒い滴をコップのふちでとんとんと払い、挙句に、その濡れた
先端をひょっと持ち上げてちゅるっと吸った。
「あ、絢辻さん? 何するの?」
 僕がようやく追いつくその頃には、そのストローは……絢辻さんのりんご
ジュースにちゃぽんと浸かり、先客のストローと、仲良く混浴露天風呂。
「ごほうび。……検証、しないといけないんでしょ?」
「け、検証? 一体何、あ……」
 同じグラスに、ストローが二本。

 --どちらがよりィ、ストロンーグッ! ……だと、思ゥ?--

 ……出来れば、こんなロマンチックな場面ではあまり思い出したくなかっ
た野太い声が、僕の脳裏にこだまする。ケン、もう少し遠慮してくれないか。
 でも目の前には、頬をちょっとだけ赤くして、ぐっと前傾姿勢の絢辻さん
がこちらを見ている。お店には……他にも、お客はいるけれど。幸いなのか
絢辻さんの意図的なのか、僕らを見える位置に、人はいない。それでも、い
つ誰が割り込んでくるか分からない。新しいお客かもしれない。店員さんが
通るかもしれない。以前の絢辻さんでは考えにくい、リスキーなシチュエー
ションの選択だった。
 けれどくるりと見開かれた目には『さあ、どうする?』と書いてある。時
間はないわよ、と。そんなの、決まってる。
 僕は後ろに寝せていた上半身を腹筋総動員で起こし直すと、テーブルに肘
をつく格好で……絢辻さんに瞳を合わせて、それに応えた。二月の空気と店
の暖房、唇が渇きを増していて、僕は舌先でちょろりと湿らせた。絢辻さん
はリップをなじませる時の面持ちで、上下の唇をもむもむ合わせていて、お
互いその仕草を見つけて、見つめあって、ちょっとだけ照れ笑い。
 そして二人ほぼ同時に周囲の様子を改めたとき、ガラスの外に一人、今に
も店に入ってきそうな背広姿の影を同時に見つけて慌て気味にストローに口
をつけた--。
 僕の目の前で、絢辻さんの唇の隙間からきれいな歯先と舌が顔をのぞかせ
る。でもそれはほんの一瞬で、唇はすぐにかぷりとストローを咥える。僕も、
同じように咥える。そこで一呼吸の緊張。上目遣いの絢辻さんが、無言で『
早く吸いなさいよ』とプレッシャーをかけてきて、僕も無言の『お先にどう
ぞ』を返してみる。
 結局せーので、お互い胸の奥の気圧を変えると、鋭く冷たく、甘酸っぱい
りんごジュースが、喉の奥へと落ちていく……。
 硬い筈のプラスチックの感触は目の前の唇と繋がっているようで、僕は嬉
しくなってその小さな丸いふちを舌でなぞってみる。キスだってもう何度も
しているのに、それとは違う、遠くて近い、同じ液体の中に、まるで裸で浮
かんでいるような。……そうして神秘的なものが、僕と絢辻さんの中で交換
され、混ざり合っていくのを、痺れる瞳の裏で実感していた。
 ちるるるると吸い上げたのは、実際はほんの二口三口。それでも細身のタ
ンブラーに満たされたりんごジュースは驚く早さで水位を下げて、いらっし
ゃいませー、の声が聞かれる頃には、底から三センチほどを残すのみになっ
ていた。
「……どう……だった?」
 さっきのスーツの人は案の定、店にやってきて僕らの隣に腰をおろした。
彼がやってくるまでにはもちろん僕はストローを回収して、自分のコーヒー
に差し戻していた。……ちょっとだけりんごジュースの味が混ざって、おか
しな味になったけれど。
 そのおかしな味のコーヒーを啜っていたら、絢辻さんが遠慮がちに尋ねて
きたのだった。
 正直、思いがけずすごかったのだけれど……絢辻さんの『あ~ん』と、ど
っちがよりストロングかって問われたら……。
「……ごめん。よくわかんなかったよ」
「そうよね?」
 あんなに大慌てじゃね、と絢辻さんは隣に聞こえる声で言い、僕らはまた
顔を見合わせ吹き出した。弾かれたように、あははははっと声をたてて笑っ
た。
「あー、おかしい。……さてと、それじゃあここから本題ね」
 え、本題? 目じりに溜まった涙を指で払いながら、絢辻さんは切り出し
た。今のはオマケだったのか。
「この続きを来週やらない? もちろん、それだけじゃなくって」
と絢辻さんは財布から二枚、なんだか上等そうな紙に刷られたチケットを取
り出して、テーブルの上に滑らせた。
「あなたの好みに合うかはわからないんだけど、クラシックのコンサート。
夕方からだから、昼間は、どこかで」
 買い物でも良し、お茶をするも良し。なんなら勉強だって構わないわよ、
と絢辻さんはぱちんと財布のボタンをかける。
「本当は、明日か週末にでもしようと思ってた話なんだけどね」
 せっかく一緒に帰れることになったから、と付け加える。
 絢辻さんが取り出したチケットの、表面に印字された作曲家の名前は中学
生でも知っている有名な字面だったけど、曲目は交響曲の何番の何楽章とか、
似たり寄ったりで区別はつかない。指揮者がなんだか有名な人らしいことは、
絢辻さんから解説を聞いて初めて知った。
「へえ。面白そうではあるんだけど、でも」
 正直、起きていられる自信もないけれど。
「でも?」
「それ、随分高そうだね……」
「ああ、そんなこと」
 心配はそこだった。チケットの金額は僕の小遣い二カ月分だ。払い出すの
も辛いけど、絢辻さんにもたせるわけにだっていかない。その上、お支払い
はどうしたってローンになる。
「貰いものだから心配しないで」
 絢辻さんはチケットを回収しながら言い、どうする? ともう一度確認し
た。
「好き嫌いがあるから、そこは遠慮しないで言って頂戴? 当然あたしは…
…」
「そういうことなら、もちろん喜んで。絢辻さんの好きなものなら、僕も聴
いてみたいよ」
 絢辻さんが言おうとする何かを言わせまいと、僕は自分でも珍しいなと思
いながら彼女の言葉を自分の気持ちで遮っていた。するとやっぱり、嬉しそ
うに。絢辻さんは要らなくなったその先を喉の所で止めて、ため息みたいに
微笑んだ。
「そ。じゃあ決まり……」
「うん。空けとくよ」
「……と言いたいところだけど」
「まだ何かあるの?」
 今度は、僕が尋ねる番だった。絢辻さんはもぞもぞと鞄をあさりながら、
「そのデートにはね? 参加資格が、あるのよ……どこにしまったかしら」
と、耳を疑いたくなるようなご通達。
「さ、さんかしかく?!」
「ああ、あったあった。これね」
 そんなデート、聞いたことがない。やっぱりあれだけ格調高そうなコンサ
ートともなると、聴く人間を選ぶのだろうか……。戦々恐々とし始めた僕に
絢辻さんが再び提示したものは……さっきのとよく似た形の、けれどこっち
は随分と可愛らしい……。
「絢辻さん、これって……」
 絢辻さんはまた二枚の長方形の紙を僕に渡すと、照れくさそうに、きまり
悪そうに。居住まいを正して、上目遣いに僕を見たのだった。
 
 
 
 
                             (つづく)
 
 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■彼女・二 ~『アマガミ』絢辻さんSS~ -更新第498回-

◆「彼女」~『アマガミ』絢辻さんSS~  一  二  三  終 
 
 
 
        *     *     *



 生物・古文をやっつけて(どちらかといえば実際はやっつけられたんだけ
ど)、三限終わりの短い休み、僕は廊下に出て、梅原とケンの三人でくだら
ない話に花を咲かせていた。
「女の子に『あ~ん』をしてもらうのとォ、一つの飲み物にストローを二本
差して女の子と飲むの……どちらがより! ストロォーングッ!! ……だ
と思う!?」
 ……。
 ケンが、その独特の口調で。拳を結んで光って唸る。お前を倒せと輝き叫
ぶ。……ストローングッ? まあ、いいけど。言わんとするところはわかる。
大変よくわかる。
「そりゃあ断然『あ~ん』だね! 大体あがりをストローで飲むヤツの気が
知れねえ! こうだな、キスかコハダあたりのひかりもんのさっぱりしたと
ころをだなあ……」
「梅原ァ、お前はァ、全ッ部寿司基準で考えるのはやめないか! すし屋で
『あ~ん』をやるカップルはァ、恋人同士じゃァなくて、不倫だ!」
 うーむ。『あ~ん』と、飲み物か。
 頼もしいほどに力強く議論を戦わせる二人を尻目に、僕は腕組みをしてし
まう。『あ~ん』はやったこと……やってもらったことがあるけど、……そ
してそれも本筋とはちょっと外れた『あ~ん』ではあったけど……飲み物は
ないな……。よし、是非今度試して、そのストロング具合を検証……あ。
 二人が隣で、今にも掴み合いを始めそうになったそのとき。教室の、前の
入り口からすたすたと出てきた絢辻さんが、僕らの、いや、僕の前を横切っ
ていく。髪の穂先をひょこひょこ躍らせて、行き過ぎるほんの一瞬だけ、ち
らりと視線を投げてよこす。そして、ゆび先も。さっきの授業中にしたよう
に、ひらひらっと、僕に向けてそよがせた。
「あ、ああ……うん」
 僕はついうっかり声に出し、過ぎ去っていく背中に、もうモロに、手を振
ってしまっていた。どこへ行くんだろう。ついて来いのサインはなかったか
ら、トイレか何かなのだろうけど。手を後ろ手に組み、少し弾んだ足取りで。
遠ざかっていく絢辻さんの背中を僕は見送り……もちろん、その様子にガッ
ツリ気付いた二人から、「最近どうだ」だの、「どこまでいった」だの。男
子高校生らしい追及をされたのだった。



        *     *     *



「さっきのは何だったの?」
「ん? 何の話よ」
 お昼は、屋上で。
 僕はパンを買い、絢辻さんはいつものおにぎりだ。毎日一緒に食べている
わけではないけど、僕が誰とも食べる予定がなかったり、朝のうちに絢辻さ
んが「今日は、お昼は」って声をかけてきたときは、一緒だ。
「毎日一緒にっていうのも、なんだかロコツじゃない?」
とは、年が明けて三週間ほどした頃に、絢辻さんが言い出したことだった。
それまでは結構な頻度で一緒していたのだけど。確かに、ずっと一緒にいる
というのは、幾ら恋人同士といっても不自然だし、周りにもちょっと配慮が
ないかもしれない。
「あたしたちが勝手にくっついただけで、周りとの関係は依然変わらないわ
けでしょ?」
 ちょっと寂しくはあったけれど、絢辻さんの言うことは的を射ていて、今
の形に落ち着いた。
 絢辻さんが誰かと一緒にお昼を食べることも、ないではないみたいだった。
創設祭の直前にあんなことがあったせいで、一時は孤立していたけど、薫や
田中さん、そして梅原たちのさりげない暗躍で一定の立場や人間関係も修復
しつつあり、周りから誘われる姿を見かけることもしばしばだ。それにそう
でなくても、一人、教室や図書館、テラスで本を読みながらお昼を摂ること
は絢辻さんの楽しみの一つとしてあるみたいだったから。……未だに僕が押
入れで、時々星空を眺めるのと、多分同じなのだろう。
 で、今日はその、週に何度かの一緒の日。そこで僕が菓子パンの袋を破き
ながら訊いたのは、
「ほら、三限終わりにさ。手を振ってくれたじゃない?」
休み時間の、あのサインのことだった。
「ああ、あれ? あれは、別に。ただの挨拶よ」
「挨拶?」
 屋上に何脚か据えられているベンチ、そのうちの一つに並んで座り、僕ら
は銘々のエネルギー源にかぶりつく。もくっ! ……と、このときばかりは
さすがの絢辻さんも少しだけ野生の気配を匂わせて。もく、もくと可愛らし
く動く口元を手で隠し、
「うん。おかしかった?」
と、短く尋ねてくる。
「いや、おかしくはないけど、急だったから。何か用事だったかなと思って」
「うーん……そうよねえ」
 おにぎり二つだけが収まる小さなランチボックスに並べて置いた、スプレ
ー缶ほどのこれまた小さな水筒を開け、蓋にとぽとぽ注いだお茶を、絢辻さ
んはまず無言で、僕に差し出した。『いる?』と。僕もまた無言で、むぐむ
ぐと口を動かし手のひらで丁重に遠慮すると、ようやく絢辻さんはそのお茶
をずずとすすった。
「いちいちちゃんとした挨拶を交わすのもいやらしいし、無視するのも何だ
か勿……つまらないし」
 何故か後半に長い間をもち、一息ついて、またおにぎりにかぶりつく。絢
辻さんの小食は相変わらずだけど、こうして学校でおにぎりを食べていると
きの絢辻さんはちょっと子供っぽく見えて、可愛らしくてレアだった。表の
店で何かを食べるときは、またちょっと違う上品さを漂わせるから。
「いや、いいよ。うん。嬉しかったし。僕もこれからはそうするよ」
「そう? なら良かったわ」
 僕が賛成すると、絢辻さんは想像以上に相好を崩し、とろけるほどに笑っ
た。そしてまた、自分が飲み干した水筒の蓋にとぽとぽとお茶を注ぐと、は
い、と今度は、有無を言わさず僕に押し付……手渡した。
「あ、ありがとう」
 ……チョコクリームサンドに、ホット焙じ茶か……。いや、戴くけどさ。
「それにしても」
 その焙じ茶でチョコパンを流し込み、次のハムカツパンの包みを僕がバリ
ッといったのと同時くらい。絢辻さんは、ベンチの上の引き裂かれたビニー
ルを見下ろした。
「あなたのお昼っていつもそんな感じだけど……好きなの? 美味しい?」
「菓子パンのこと? うーん……」
 絢辻さんが頷いて、僕はハムカツパンを咥えて考える。別になあ。菓子パ
ンが大好物ってほどでもないけど、まずくはない。絢辻さんと食べる時は屋
上が多いから、そう見えるのかもしれない。そりゃあ……。
「……前に絢辻さんが作ってくれたお弁当の方が、断然好きだし、美味しい
に決まってるけど」
「む」
 絢辻さんと、お昼。そのシチュエーションで先頭切って浮かび上がった、
比較のメニューはそれだった。ごく自然にこぼれた僕からの思わぬラブコー
ルに、絢辻さんは喉を固結びにしたような声で呻いた。ほっぺたのあたりで
ひくひくと、何かと何かが戦っていた。
「あれは……あたしが作ったんじゃないって言ったでしょ」
「え、あ、そうだっけ。ご、ごめん」
 しまった、そういえば。僕はそのことをすっぽり忘れ、一体誰の作ったか
知れないお弁当を褒めてしまった。案の定……赤紫の不機嫌な空気が絢辻さ
んの肩口から立ち上り、髪がゆらゆらと躍りだす……こ、怖い……!!
 絢辻さんはフンと鼻を鳴らし、
「まったく。あからさまなご機嫌取りを企むからそういうことになるのよ」
二口、三口と、矢継ぎ早におにぎりにかぶりつく。
「そんなつもりじゃないけど……」
「どうだか。何か悪さでもしたんじゃないの」
「し、してないよ!」
「信じません」
「ひどい……」
 沈黙……。
 いつもは美味しいハムカツパンも口の中で急速に味を失って、ただのぱさ
ぱさした何かに変わる。それをもぐもぐと、わずかばかりの自分の唾液を頼
りに飲み下すのは結構な重労働だった。でも、それにしても……じゃあ、あ
のお弁当を作ったのは、一体どこの誰だったんだろうか。
 そう、僕が今更感溢れる考えをめぐらすうちにも絢辻さんは少しずつ怒り
の空気を潜め、ふーんと何事か思案し、
「でも、確かにそうよね」
とつぶやいた。え、何が?
「いいわ。じゃあ、明日はあたしが何か作ってきてあげる」
「ほ、本当に!?」
 ぱたぱた、ランチボックスを元の包みに整えながらの絢辻さんの提案に、
僕のテンションは一気に上がる。立ち上がらんばかりの勢いの僕を見て……
絢辻さんは、やっぱりちょっと、嬉しそうだ。
「うん。考えてみたら、あなたに何か作ってあげたことってなかったものね」
「う、うん!」
「ペットの餌付けくらいはちゃんとしておかないと」
 ……。
 どうしてそう……無条件に喜ばせてはくれないんだろう? この人は。複
雑だけれど、ここでまた機嫌を損ねるのは得策じゃないし、今更そんなこと
でめげる僕でもない。
 絢辻さんは、
「何がいい? えーとね、じゃあ……」
と顎に指を当て、レシピか、家の冷蔵庫の中身なのか、何かを思い浮かべる
ようにしてまた考えた。
「うん。そうね、じゃあ、その一。幕の内弁当」
「うん!」
 おお! なんかこう、本気度を感じる!
「二。肉野菜炒め弁当」
「うん、うん!」
「あとは、DXから揚げ弁当」
「そ、それ! DXから揚げ弁当がいいです!」
「はい、ご注文承りました。……七百八十円になります」
 ……えっ?
 ……ニコニコと。両手を合わせて傾げる、いつものポーズ。ななひゃくは
ちじゅうえんです、と、妙にはっきり繰り返す。ええ、聞こえています。そ
ういうことじゃないんです。
「と、言いたいところだけど。ただいま『お付き合い開始キャンペーン』価
格で、六百三十円でいいわ。お釣りの出ないように用意しておいてね」
 なにそれこわい。
「あの……絢辻さん?」
 さっき、確か餌付けって……。
「サイドメニューに、コロッケが一個百二十円でつくけど、どうする?」
 若干高っ。
「えっと、あの……。な、無しで」
 僕の腰が完全に引けたのに気付いて、絢辻さんはその笑顔をいつもの呆れ
笑いに切り替えた。
「うーそ、冗談よ。さすがに朝からコロッケは面倒だけど、じゃあから揚げ
弁当で良いのね?」
「う、うん。お願いします……」
 ……念のため、お釣りのないように用意はしておこう……。
「けど、男の子って単純よね」
「え?」
 相変わらず、語尾に笑いを含ませて、
「そうやって、食べ物くらいでつられてくれて。こっちとしては与し易くて
結構なことだけど」
と、ランチボックスを包み、水筒の蓋の水けを切って、膝の上に戻す。そし
てほどよく膨れたお腹を休ませるように、絢辻さんはベンチに深くもたれか
かった。
「そう……かなあ」
「他に何かある?」
「でもさ、自分が作ったものを食べてもらえるのって、信用してもらう証み
たいに思わないかな?」
 僕の家は、……絢辻さんみたいに仲が悪いわけじゃないけれど、両親は仕
事であけがちだから、僕がご飯をつくることもたまにある。そのときは、美
也や、帰ってきた父さん、母さんが嬉しそうに食べてくれるのを見ると嬉し
いし、それより何より、何の疑いもなしに口に運んでくれるのが、当たり前
のことなのに何故だか変に嬉しくて、その理由を考えてみたことがあった。
ちなみに今日がその、僕の夕飯当番の日だ。
「それにほら、自分の感覚を分け合うような感じがあるよ。同じ味を味わっ
てるんだっていうかさ」
「……」
「絢辻さん?」
「そうね。よいしょっと」
 絢辻さんは、ゆっくりと立ち上がり。二歩、三歩と歩み出た彼女のおしり
が僕の目に近いところでぽん、ぽん、と緩やかに弾むから、僕は目が離せな
い。
 それに気付いたのか、それともそれも餌の一種だったのか。絢辻さんはお
弁当包みと水筒を持った手をお尻の上ですっとクロスさせると、僕の方を向
き直った。
「じゃあ、明日はそういう日。いいわね?」
「うん。楽しみにしてるよ」
「朝ごはんもちゃんと食べてくるのよ?」
「え? うん……どうして?」
「必要以上に空腹だったんじゃ、ちゃんと味わってもらえないでしょ」
「なるほど」
 さすが、指定が細かい。
「じゃ、戻りましょうか」
 腕の時計に、またちらりと目をやり「二日も続けて滑り込んだんじゃ、あ
たしの沽券に関わるわ」と、最早ちょっぴり懐かしいトーンを取り戻す。
「そうだね……って、ちょ、絢辻さん。待ってよ」
 僕がゴミを片して立ち上がる頃には、絢辻さんの背中はもう階段へと向か
っていて、僕は小走りに追いかける。そしてまた、
「あそうそう。言い忘れてたけど」
と、僕が追いつくのを見計らって絢辻さんは振り返った。
「今日、委員会が二つ重なっちゃってるの。それで、遅くなるから……」
 眉を下げ、申し訳なさそうに言葉を濁すのを見て、そんなこと、別に今更
気にしなくってもいいのにと、僕はからりと笑って言った。
「そうなんだ。分かったよ」
「悪いわね」
 まだ少し肌寒い梅の頃。
 お昼は、屋上で。
 うーん。今から明日が楽しみだ。
 
 
 
 
                             (つづく)
 
 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■彼女・一 ~『アマガミ』絢辻さんSS~ -更新第497回-

◆「彼女」~『アマガミ』絢辻さんSS~  一  二  三  終 





 木曜日の二時限目って、どうしてこんなに先が長く感じるんだろうか。
 今日このあと四時限の授業があって、金曜、土曜。休みが遠い。毎日のオ
アシス、昼休みまでも二コマあるし、そこには古文に日本史という僕の二大
眠い授業が埋め込まれている。机の列を二列挟んだ向こうの窓にちらりと目
をやれば、二月も末の空は青く澄んで、まだ春の暖かさとは縁遠く……変化
や華やかさとは程遠い。退屈だ。
 その反対側、廊下側に目をやれば……一列挟んで二つ前、眩しい黒髪がぴ
たりと静かに黒板を見つめていた。絢辻さん。僕の、恋人だ。
 絢辻さんは、多分もうとっくに頭に入っているであろう黒板の文字と先生
の声の一つ一つに、うん、うんと頷きながら、頭の中の小部屋を開けてはそ
の中身を確かめてはまた仕舞い直すという作業を繰り返していた。すごいな
あ。教科は生物。僕も決して興味がないわけではないけれど、そこまでまじ
めに聞こうとは思わない。担当の先生だって、決して厳しいわけじゃなし。
 それにしても……絢辻さんはきれいだ。姿勢はいいし、髪はまっすぐだし
肌は白くも健康的に朱がさして、……近くにいるとそれはそれですごくきれ
いだと思うけど、こうして遠くから眺めていても、また違う綺麗さが垣間見
える。僕は彼女を抱きしめたときの滑らかさや弾力や匂いを思い出して、少
しぽーっとなった。
 先生がチョークでかんかんと黒板をたたいたのを合図に、皆が一斉にノー
トと向き合った瞬間。絢辻さんは、一人だけ出遅れた僕の視線に気が付いた。
ん? と耳の裏を傾けて、眦の端で僕を伺うと、あ、と今度はもう半分、顔
をこちらに向けて確認し……少し微笑んで、机の上で、ひそやかに。ひらひ
らっと、手のひらを振ってくれた……。……あ、なんだろう。すっごくうれ
しい。
 それによろこんで僕が頬杖の影から手を振り返すと、絢辻さんは頬を赤く
したまま、ぎゅっと口元も目元も急加速、険しい顔つきで黒板の方をつんつ
んと指差した。集中しろ、と言いたいらしい。はーい。



        *     *     *



 クリスマスから、ほぼ二ヶ月。僕と絢辻さんは晴れて恋人同士となり、そ
れからしばらくは、やっぱりそれまでとはペースや距離が違ったりして、ワ
ッと燃え上がったり、ガクンと落ち込んだりとぎくしゃくすることもあった
けれど、今はもう、それも随分と落ち着いた。まだまだお互い足らないとい
うか、分かり切らない部分もあるけれど、「そういう部分もあるんだ」と分
かったことで、何か起こっても落ち着いて対処できるようになった。
「行ってきまーす」
 朝。
 以前は僕が極端に遅くて、絢辻さんがそこそこ早かったから登校時に一緒
になることは稀だったけれど、今は僕が早めに出、絢辻さんが少し遅めに時
間をずらすことで、二人の通学路の合流地点で落ち合うのが日課になってい
た。
 今朝は大体いつものペース、一分くらい遅いかったろうか。でもこのくら
いなら、と思いながらてれてれ歩いて最後の角を曲がると、十五メートルほ
ど先の合流地点で電柱にもたれ、なんだか寂しそうに腕時計に目を落とす絢
辻さんの横顔が目に入ったから。僕は慌てて、小走りに駆け寄った。
「あ、おはよう」
 そう言って顔を上げた絢辻さんは、怒っているでも悲しんでいるでもなく
て普通だったけど、一応気になって、僕は尋ねてみた。
「ごめん、僕、そんなに遅れた?」
「ううん、違うのよ。これ」
と、さっきまで自分が見ていた腕時計を僕に向けた。落ち着いた、少し深い
赤のベルトと、女の子らしい、オハジキくらいの大きさのベゼルに文字盤。
針が差すのは八時五分、僕のデジタルよりも一分くらい早い。
「昨日、電池が切れたって換えに行ったでしょ?」
「ああ、うん」
 そうだ、昨日の五限目の最初。絢辻さんは珍しく本鈴ギリギリ、先生が教
壇に立つのとほとんど同時に教室へ滑り込んできた。原因は腕時計の電池切
れ。十二時四十三分を指して止まった針を信じ込んだ絢辻さんはそのとき図
書館にいて、予鈴を聞いて大慌てで教室に戻ってきたのだった。確かに、図
書館から教室までは、予鈴を聞いてからあれこれの片づけをして駆けつけた
のではギリギリだろうと思う。
 で、帰りに二人で時計屋に寄って電池の交換をしてもらったのだけど。
「そのとき、二、三分進んじゃってたみたい。来る途中で、公園の時計塔を
見て気付いたんだけど」
「それで、早く着いちゃったんだ」
「そう」
 でも、「ついでに、その場で合わせて来たから」と絢辻さんは言うけれど。
「おかしいな、僕のだと……」
 僕のデジタル七セグメントが示すのは八時七分……今目の前で、パタリと
八分に切り替わる。
「あなたのは一分遅れてるのよ。ほら、合わせちゃいましょ」
と、絢辻さんに手を取られてぐいっと引き寄せられる。ああ、うんうんと、
朝からその手に触れられる幸せをかみ締めながら、僕はちょっぴり上の空で
時計のキーを操作した。
 でも、いいよな。そんな風に、時間を共有したり、そのペースを守るため
に前の日早めに眠るようになったり。……そんなことだけで、僕は絢辻さん
と、気持ちのどこかで繋がっている。そんな気分が、すっごく嬉しかった。
 
 
 
 
                             (つづく)
 
 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月16日 (日)

■底抜けクライマーズ!~本日はMt.モードで。 -更新第496回-

スーパーにて、ある小さなお子さんとお母さんの会話。


  オコサン「ヨーグルト! ヨーグルト買う!!」

  お母さん「ヨーグルト? グルトはあるよ」

  オイサン(ああ、ヨーは無いんだ)


オイサンです。
その家によって、色んな略仕方があるんだなあ。
友達が家に来たときとかに、うっかり出ちゃって恥ずかしい思いしたりするんだろうな。
別にそれはそれで、恥ずかしいことだとも思わないけど。



■底抜けクライマーズ!~本日はMt.モードで。



本日のオイサンは山男。
丹沢の塔ノ岳という峰を上って参りました。

オイサンは「山のぼり」という遊びは殆ど初めてに等しいので、
道具やら着るものやらを揃えるという、ほぼゼロからのスタートでした。

マ今回の山が、
ハイキングなのか、山登りなのか、はたまた山歩きなのかと言われると
正直どこに分類されるのか分からないのですが。
ちなみにオイサンの認識の中ではその強度順で言うと


   山登り > 山歩き (トレッキング) > ハイキング 


になっています。
今日のは……どれなんだろなあ。
ただ何となく一番しっくりくる感じとして、今回オイサンがやったのは、
「山のぼり」ということにしておきたいと思います。
「山登り」ではなく、「山のぼり」で。



■本日のコース、そして目論見



山の名前は、先ほどもお話した、「表丹沢・塔ノ岳」。
くわしくはこちらをどーぞ。

  ▼表丹沢登山ガイド 塔ノ岳コース
  http://www.kankou-hadano.org/hadano_mountain/mountain_tnd.html


オイサンもこのページで見たくらいしか情報を持たずに行きました。
マ経験者が一緒だったというのもありますが。
登ってみた感覚から申し上げると、

  「ア案外登れるもんだなあ」

という感じ。本日の目論見は、
「体重を落とし、日頃の筋トレやらジョギングやらで作ったカラダが
 果たしてどのくらいの負荷になら耐えうるか?」
ということを、何らかの秤で量ってみたかったというものでしたので、
なるほどこんなもんか、という感じです。

とはいっても、あとのタイムテーブルを見て戴ければ分かりますが、
上記サイトの標準的所要時間より随分時間をかけてのGOALなので
あまり偉そうなことは申せませんが。

  しかしこのコースも、
  お若い兄ちゃん姉ちゃんから、ジイサンバアサン、
  はては小さなお子さんまでまんべんなく参加しておられるので、
  負荷的にはその程度なのでしょうね。
  そういう意味では「登山」というよりは、やはり「山歩き」なのかも。
  でも、富士山も「登山」なんだろうしなあ。
  いや、あんまりカッコ良く大袈裟に言いたくないってだけなんですけどね。
  「山登りして来ました!」っていうのも、なんかアレじゃん。

コースは概ね、

  急なのぼり斜面が10分~20分続いて → 平地か下り → またのぼり斜面

というのの繰り返し。
コレが大体3時間くらい続きました。休憩はさんだりしつつ、ですが。
のぼり斜面は、木道だったり、岩石渦巻くゴロゴロ坂だったりでバリエーション豊富。
勾配のキツいところでは、
岩に手をかけ、四つん這いに近い格好にならなければならないような箇所も
数か所あり。

今回の相方、このblogではお仕事バカタレトークでお馴染みのトラさん(仮・36)は
緩やかな木道をお好みのご様子でしたが、
オイサンはゴロゴロ岩場が登っていて楽しかったです。
木道は単調だし、膝にもくるので好かん。
延々続く木道の上りは、心が折れそうになる。

  ■トラさん(仮)ご出演作品
   ▼底抜けMay Storm ~本日は連休モードで~
   http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/may-storm--485-.html
   ▼ボスニアもやし \39 (1袋) -更新第469回-
   http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/39-1-469--8b85.html
   ▼マエムキ・マインド ~本日は会話モードで・3~
   http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/3-293--b7b2.html
   ▼それしか出来ない奴らの、伝説! -更新第317回-
   http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/-317--830d.html

  おもろいオッサンです。



■大体のタイムテーブル on Twitter



大体の行程。
以下、トラさんの立てていた大体のタイムスケジュール。


  06:00 登頂開始
  09:30 山頂到着

   お昼ゴハン

  10:30下山開始
  13:30 下山



至ってシンプル。トラさんらしいや。
ついでにその前後は、
04:00に最寄駅で拾って戴き、海老名のSAで朝ゴハンを食べ、
下山のあとは、トラさんが学生時代によく使っていたという
近場の温泉にでも浸かって帰る、という感じ。

  ▼Twitterで登ログ

今回、トラさんには内緒でコッソリと、
Twitter上で実況……という程でもないTweetを
行動記録を兼ねてやってました。

……ホントはところどころでお写真何かを交えていけたら
もっと臨場感もあったのでしょうけど。
如何せんTwitpicとか使い方をよくワカランまま行ったので実現せず。
大体、出来たとしてもオイサンの携帯のカメラではロクな画が撮れませんからね。

以下、そのTweetの中身を実際の状況交えて簡単に再掲。

 ▽05:33 大倉に到着なう
 ▽05:55 のぼるなう
 ▽05:58 おらワクワクしてきたぞ


これは、まだ上り始める前。
「大倉」とは丹沢の登り口付近にあるバスターミナルで、
オイサンたちはそこまでトラさんの車で行きまして。
そこから登り始める前のご報告Tweetです。

 R0025547

ここから歩いて5、6分のところから山が始まります。

 ▽06:28 開始15分っで相方が弱音なう

トラさんは学生のころから毎年このコースを登っているのだそうですが、
近年の体力の衰えは著しいとのコト。
特に昨年あたりからはとんでもねえと。

 R0025563

マ確かに、このあたりは急な勾配ではあったのですが、ちと早過ぎやしねえか。

 ▽06:45 面白くもなんともない山道が続くなう

言わなくてもいい一言。多分、木道だったのでしょう。

 ▽06:49 鹿 遭遇なう

5頭ばかりの野生のシカの群れ(ご家族?)が斜面を駆け降り、
オイサンたちの十メートルほど先をピョンピョンと横切って行きました。
『アマガミ』ストとしては七咲との温泉シーンを想起したTweetをぶちかますべきであり、
また『どうでしょう』藩士としては、

「シカでした」(キリッ

と言い切るべきであって、
どちらの自分にとっても非常に不甲斐ない結果に終わったと言わざるを得ません。
普通じゃねえかよ < 俺

ちなみに言っておくと、この時頭に浮かんでいたのが
『ニルスのふしぎな旅』のOPだったオイサンはNHK教育クラスタにクラス替え。

  ■ニルスのふしぎな旅 OP
  
  1分40秒あたり。
  ……どうでもいいけど、冒頭の一連の長いカットは鬼気迫るものがあるな。
  今ならCGで一発なのだろうけど。

  ▽07:05 山で絢辻さんのお尻のことを考えるなう

確か、木道の斜面。
目の前を歩くトラさんのケツがあまりに近く、
「なるほどこのお尻が女性のものだったらそりゃやる気くらいはでるわなあ」
としみじみ思いながらぶっ放したTweet。
この先しばらく、ゼエゼエ言ってる相方を蔑ろにしつつ
絢辻さん相手にイチャイチャしながら登山をするという幸せな妄想。

  ▽07:13 相方 完全に沈黙なう

冬月オイサン「勝ったな」
碇オイサン 「ああ」


オイサンが絢辻さんとイチャついている間に、
トラさん、完全に沈黙。
このあと、フォロワーの方々に「相方さんは大丈夫ですか」と心配される有様です。

……擁護しておくと、トラさんはこの日、初登山のオイサンのことを思って
携行すべき非常時用の水2Lを余計に負って来ていてくれたのです。
途中でザックの交換を申し出たのですが、
背負いヒモの長さをいじったりするのが嫌らしく断られましたが。
トラさんは裏表のない素敵な人です。
……ソーウツで、波は激しいけどな( ← 厄介)。

  ▽08:08 中間地点なう

休憩所「堀山の家」にて。

 R0025708

コレ、中間地点と言うのは大ウソで、片道約6.7kmの行程中の4.3km程度の地点。
ですが、この時点で開始から1時間50分、
山頂までここからやっぱりそのくらいかかっているので
時間的にはあながち間違っていませんでした。

  ▽08:58 花立山荘で一服

「花立山荘」は、今回のコース上に位置する最後の山小屋。
ここでがっつり休憩。
山頂までは30分程度みたい。
あーおやつがンマイ。
となりのテーブルではオッサンオバサングループがコーヒー沸かしてたりして楽しそう。
そうなあ。
もっとこう……荷物の配分とか、そういうアイテムとかで
楽しさを演出していく必要があると感じた。
その辺のキモチについては下で書きます。
果物持って行きたいわ。

 R0025623

ちなみに眺望的にはこの辺りが最高潮です。

  ▽09:56 登頂なう 案外ちょろいご様子!

山頂、塔ノ岳に到着。

 R0025641

相変わらずのお調子コメントですが、
調子に乗っていると痛いメに遭うのが世の常であり、
山での「痛いメ」は命への直結を意味し、
コレすなわち死亡フラグ成立!
早くどこかで爆弾を処理しないとオイサンが死んじゃう!!

 R0025683

ですけど、ラスト30分ほどでも、
弾む息の隅っこで『アマガミ』のメインテーマを口ずさむ余裕がありました。
うん、楽しかった。
気持ちが良かったですよ。

山頂には広いスペースがあるわけでもないので何が出来るということでもなく、
ただゴハンを食べてのんびりします。
ちょっと陰って寒かった。
周囲の山並みなんかの見晴らしが素敵です。
うまくすれば富士山も見えるらしいのですが……気がつかなかったな。
煙ってて見えなかったのだろうか。

  ▽11:18 下山中…下りはきついな

登りの方が足への負担は少ないのでしょうね。
かかる体重を、ある程度コントロール出来るので。
下りではそれは難しい。

しかし、下り始めは足もカラダもまだ「登りモード」だったのでしんどく感じましたが、
徐々に下りのコツが沁み込み始めると、これはこれでなかなか味があります。
詳しくは下の方で。

  ▽14:10 無事下山なーう。

スタート地点の大倉バス停でソフトクリームを食べながら。
このあと温泉へと向かったのでした。


とまあ、以上が大体の流れだったのですが、
ほぼ、ほぼですが、当初の日程に則った感じです。
トラさん的には、実はもう少し速いタイムを考えていたらしいのですが、
途中長い休憩をはさんだりしたこともあって敵わず。
マ無理は良くないですしね。

そんなオイサンの処女登山(敢えて淫靡さ漂うワードをチョイス)を終えて、
感じたり、歩きながらトラさんと話したことをまとめてみる。



■娘さんよく聞けよ



 ▼そこに山があるからといって

花立山荘まであと三十分……つまり、頂上まであと一時間くらいというあたり。
もう終盤です。
延々、空へと続く行く手の木道を見上げ、
オイサンは頭に浮かんだことを青息吐息のトラさんに、
敢えてそのまま、言葉にして伝えてみました。

 

  オイサン「……なあ、トラさんよ」
  トラさん「んあー?( ← しにそう)」

  オイサン「敢えて言うけどさあ」
  トラさん「おお( ← 今にもしにそう)」


  オイサン「これは……『飽きる』な!!」


  トラさん「おお、だろう!( ← いきかえった)」
  オイサン「あ、やっぱりそうなのかw」
  トラさん「おお、飽きるんだよ、山のぼりは!」

 

曲がりなりにも山さんご本人の上で、ミもフタもねえ会話です。
寄席のかぶりつきで
「落語って眠ィな!」
と言うようなものです。
怒られろ。
周りの登山客の皆さんはどう思ったことでしょうか。

でも、実際飽きるんです。山のぼりは。
3時間も4時間も、
木道・土道・岩場が繰り返すばかりの登りを延々歩くだけ、
そりゃ、いくらお散歩好きのオイサンだって多少は飽きますよw

あ、くれぐれも誤解しないで下さい。
ツマラナイと言ってるわけではないんです。
その「飽き」すらも面白い。
まだ山のぼり一回目のオイサンですが、

 「飽きてからが本当の山のぼりなのかもしれない」

という、一つの仮説を手に入れたような気がします。
次回以降、この検証を行っていきたい所存。

デ何と言うか、このテの遊びに常に付きまとう、己の滑稽さという影。

「あれ、オイサン何やってんだろ?
 コレ登ってどうすんだっけ。
 降りる?
 じゃ登らなくて良ンじゃね?」

という、至極当たり前の疑問。
「そこに山があるから」とのたまった登山家の気持ちも分かる気がします。

  「やべえ、理由とか考えた事ねえ」
  と思ったか、考えてはいたけれども結論が出ていなかったか。

トラさんはその疑問に対して
「まあ、スポーツなんだからさ」
と結論を与えましたが、それにしたって、
オイサンは例えば100メートル走を圧倒的なタイムで走る御仁や、
柔道のかの谷亮子選手や、
イチローや、
真央ちゃんのやることを見て、畏敬の念を憶えこそすれ、
「なんのために」という疑問は、自然とは浮かび上がってきません。
登山家の皆さんに同じ念を抱かないとは言いませんが、
しかしそれ以前に何故か、「何故のぼった」という疑問が付きまとって離れません。

  「高い山に登って来た!」


  「おお、すげえな! で!?


みたいな。
……けれどもマ、見渡してみれば、人間の営みの大半はそんなこと……


「で!?」


みたいな、生きていくこととは本当は無縁の、
そこそこ出来りゃ良いみたいなことを研ぎ澄ませてできているのかも知れません。
「食えるだけ」よりは「美味しい」方が良い、という意味で。

  そういう意味では、あらゆるトップアスリートたちは
  いつか誰かに


  「で!?」


  と言って貰うことを夢見て走り続けるのかも知れん。
  ……違うかも知れん。

ただ、トラさんは見事なもので、その「生きていくこと」という部分を借りて、
「野球とかフィギュアとかが、見た目にも分かりやすい、
 ある尖った技術というものさしの上での勝負であるのに対して、
 登山とか、ヨットでの世界一周みたいな競技は、
 人間の生き物としての、総合生存力、みたいなものの勝負なので
 分かりにくいんではないか」
と、嗚呼なるほどと思わず膝を叩きたくなる見解を下さいました。
見事、見事。
伊達に山で遭難しかかったり、色々と親を泣かせたりしてねえや(暴露)。

確かに、言われる通りだ。
雪山にしろ、ヨットにしろ。
……しかし、ということであれば、
オイサンは冬山にまではのぼるつもりはなかったけれど、
登山の本番は冬山、ということにもなりかねないな。

正直、オイサンにはまだ
「なぜ山に登るのか」という疑問にお答えできる自信はありません。
誰かを納得させるという意味でなく、自分独自の理由ですら。

  でもまあ……なんつうか。

もう一回行ってしまいそうな気持ちはすごくある。
「登ってみないと、どんな景色が見えるか分からない」
ってのが、一番近い気持ちかも知れんですバイ。
今時の写真やビデオに、映り、残るものが、
どれだけ人様やテクノロジの限界と言うフィルタに汚染されているかを
肌でそこそこ実感しているオイサンには、その思いは尚のこと。

景色と言うのは、目の後ろ、頭の後ろにあるものまでが景色なのだと、
15度に渡る北海道の旅行でヒシヒシと思い知ったオイサンですよ。

マそんでも、雪山とかだと景色もなんもあったもんじゃないでしょうから。
生粋の山屋さん方には、もっと特別なお言葉が必要でしょうけれど。

  ▽[参考] Wikipedia ジョージ・マロリー「そこに山があるから」
  http://p.tl/mPWt


 ▼おやつは300万円まで

山のぼりにはおやつが必須です。
これは冗談ではなく、いわゆる「行動食」というやつで、
エネルギーが切れるのを防ぐために
歩きながらでも簡単に食べられるものを用意しておく、という意味で。
「雪山ではチョコレート」みたいな話です。

定番はチョコレートや果物、カロリーメイト、
最近では10秒チャージのゼリー状のやつとかがポピュラーなようです。
他にも色々、Web上の山のぼり慣れた方々の体験談なんかを読んでいると、
干しレーズンだとか、歌舞伎揚げだとかが良いという意見が散見されます。








さて、ここで大切なお知らせがあります。
皆さんはご存知でしたでしょうか。








このオイサンは馬鹿です。








その馬鹿が多少知恵をつけてダイエットなんてやったモンですから、
おやつには慢性的に飢えています。
そこに山のぼりです。
合法的におやつを食べても良いのです。








そんな絶好機を、この馬鹿が逃すワケがありません。








買いすぎた……。








いや、割とマジで。
先ずはキットカット。
二本ずつが個包装されたのがわーっと入っている、大袋入りのヤツです
(と言ったって、20個包装も入ってないと思いますが)。

そして、上でも書いた歌舞伎揚げ。
これも個包装になっているものがあって、甘辛さが飽きずに食べられて、
かつおせんべいなのでエネルギーのもちも消化も良い、というスグレモノ。
ていうか、最近食べたいと思ってたけどなかなか手を出す機会もなくて……ゴクリ。

最後に、サンラヴィアンのブランデーケーキ。
これはもう本当にただのおやつで、頂上でおにぎり食べた後に食べよう、
という目論見で買いました。

しかしオイサンが今回のために買ったザックには
どうやらそんなに沢山ものを詰め込めるキャパはなく、
キットカットを8個、
歌舞伎揚げをやっぱり8個、
ブランデーケーキに至ってはひとっつも入れる余裕がありませんでした。
そもそも、柔らかいから無理に入れるとつぶれて終わる。

ですので、今オイサンの家にはおやつが潤沢に残存しております。
どうすんだコレ。

  ……いかがなもんですか。
  三十五にもなるオッサンが、おやつを余らせて途方に暮れている姿は。
  ここまでくると一定の需要があるんじゃないかと、
  自分でもちょっと思ってしまう程度にはエッジを感じますが。

大体、キットカットは一袋で66kcalあります。
歌舞伎揚げも、多分一枚で50~60、或いはもっとあるでしょう。
持って行っただけ平らげたら、それだけで1000kcal超えます。
それにお昼のおにぎりを合わせたら多分2000kcal近くなる、
お昼とおやつだけでですよ?
いくら山のぼりがハードと言ったって、
所詮1500mの山をたかだか7時間ばかし歩くだけです、そんなに消費するとも思えない。

  実際、昨日の全行程終了後のオイサンのデイカロリさんの表示は
  1611kcal でした。ああ無情。

というわけで、次回以降は行程の長さ・ハードさを見極めて、
それに見合ったおやつを用意して臨もうと
心に決めたオイサンでした。





……え?




……余ったおやつですか?




いつまでも引きずるのは趣味じゃないので、短期決戦で片付けましたよ。
ああ、ケーキだけは残ってるけど。
おかげで、今日もジョギングだよ。
けったくそ悪い。

 ▼下りはパズル・レースゲーム『ぷよ-ZERO』

のぼりには、一定の楽しみを、否が応にも感ずることが出来るのです。
高みへと向かう興奮。
開けていく視界、眺望。
心地よい拍動の高まりと、汗への陶酔。

……しかし、下りは……。

と、下り始めの15分はオイサンも思っていました。
これをあと何時間も続けるのか、これはキツイと。
着地をコントロールするにも、のぼりで疲労した足膝では限界があるし、
眺めものぼりに見てきたものの繰り返しだし。
何より、「用もないのにのぼり詰めてしまった、その過ちへの贖罪」……
つまりは
「こっから何時間も、これを続けるのか……
 なぜここまで登ってきてしまったのか、
 ぼくは取り返しのつかないくらい余計なことをしてしまった……」
という後悔の念が、ひたひたと心を浸していく。

ですが段々と、体がくだりのペースに慣れてくると、
オイサンの頭にはある一つの映像が浮かび、
耳には音楽が流れ始めました。
映像は『ぷよぷよ』。
音楽は『F-ZERO』から、MUTE-CITY。

  ……いや、映像は『ぷよ』と『F-ZERO』のブレンドだろうかな。

■F-ZERO MUTECITY



視界には、足元しか入らなくなっていくのです。
もちろん、上ってくる人たちも依然おられますから彼らにも注意を配りはしますが、
先ずは自分の足場の確保と、次の一足の置き所の検索。

滑りにくそうなのはどこか、
がっしりした石はどれか。

それを見極めつつ、今度はカラダのコントロールです。

片足を持ち上げて、
体を支えながら、
余計な障害物をかわし、
出来るだけゆっくりと、
軸足の膝を曲げ、
重心を移し、
体が均衡を失う前に狙った場所へ足を下ろす。

その時を止めたようなスピード感と、判断の連続。

……とか、後付で当てはめながら書いていますが、
正直、どのへんがパズルでどのがレースっぽいのかはようわかりませんw

ですが、狙ったところへ落とす・潜り抜ける、という行為と、
眼下のコースの広がりが、なんとなくその二つに重なっただけなんでしょうけど。
でもそれらを、すばやく、正確にこなし続けるというミッションと、
さらにそれなりに鍛えてきた脛と太ももの強度・制御力を同時に試されるのは
なかなかな快感でありました。

うーん。
けど、どっちのゲームももう何年もやってないんだけどな。
こういうときにパッと浮かび上がってくる映像がこういうものだっていうことは、
走馬灯の何割かもきっとそんな感じになるんだろうな。
マ良いけどさ。
寧ろ嬉しいよ。



■Closing



マそんなことでね。
そのあとは温泉に浸かって、トラさんのリクエストで、
かつやでカツ丼食べて帰ってきたわけですけども
(またカロリーの高そうなものを……)。

その温泉にて交わしたトラさんとの会話と見つけた面白いものでオトして、
オイサンの処女登頂話(しつこい)をシメたいと思いますよ。

 ▼会話モード in 温泉
 
 

  トラさん「しかしオイサンは痩せたねえ」
  オイサン「おお、なんだい今更。ありがとう」
  トラさん「改めて、こうして見てみるとねえ」
  オイサン「そうかい? ていうかそんなに見るんじゃないよ」

  トラさん「いや、そりゃ上半身なんかはね、会社でさ。
       Yシャツの上からでも想像は出来るけどもさ」

  オイサン「……待ってくれトラさん、キミは何かい、
       会社でオイサンを見ながら、

       
Yシャツの下を想像しているのかい!!?!」

  トラさん「馬鹿言うんじゃねえよ!!

  オイサン(そこでムキになったら色々おしまいだろJK……)

  オイサン「すまなかったトラさん。
       キミの視線の意味に気付いて上げられなくて……」

  トラさん「だから違うっつんてんだろ……」

  オイサン「そしてトラさん……
       『上半身なんかは想像できる』と言ってたけれども、
       キミは今一体
どこを見ているんだい!!?!?!」

  トラさん「ブチ殺すぞ!!!

  オイサン(トラさんは可愛いなあ……)

 
 
 ▼謎の施設

エー……これです。

R0025730

結構な大きさがあるんですよ、コレ。
近所のゲーセンで使い古しの筐体三つばかり貰ってきて置いた方が、
よっぽどお金入ると思うんですがね。


……使う人いるのかなあ……。


以上、
陽射しが強いわけでもなかったし、
帽子もかぶってたのに日焼けしたみたいだよ。
顔がピリピリかゆい。

夢はでっかく、ビッグ・ザ・マウンテン(なんか混じった)。
オイサンでした。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月13日 (木)

■「生まれた」という、迷いを連れて。 -更新第495回-

オイサンです。
ええ。



さて、さて、さて……。
色々と書きたいことがあるけれども、考えがまとまらない。
……というか、インプットの量が多すぎて、
何を書きたいのか、
どれを書いていいのか、
多分どれも、ダイレクトに書いても伝わらないし面白くないので、
どう書けば面白く、納得してもらえるカタチで伝わるのか、
考えないといけないのだけど。

簡単にいうと、オイサンが好きで好きで大好きで、
大好きで大好きでもう大好きで、敬っていてとても大事にしている
『アマガミ』という物語と、その世界を借りて新しい風景を描き出す行為に、
この先どういう風に接していったらいいかな?
というお話です。

  ……なんで今またそういう話をしてるかについてはまあ、
  色々思うところもあるんですよ、もうオッサンだから。
  身の回りのこととか、ヨノナカのこととか。
  例えばですよ、例えば。
  Twitter上とかで、色々議論も巻き起こるわけですからね。
  それによって右往左往してしまうアレコレもあるわけです。

  ご興味のある方は、オイサンをフォローして下すって、
  夜の10時とか11時とか、
  そういう時間に覗きに来れば何か見られるかもしれませんよ。
  妖精さんたちの秘密の宴がね。

   ▼ikas2nd on Twitter
   http://twitter.com/ikas2nd


  いいトシした大人たちが、トチ狂った言説を、
  無根拠に、けれど熱く鮮やかに戦わせている姿とかね。
  面白いですよお。

  彼ら(もちろんオイサン含めてっつうかお前かなり先陣切ってるだろ)は
  そうすることで何かを、手に入れたり、守れたりすると本気で思っていますから。
  そしてそれがあながち間違っていないことは、
  やってみた人間にしか分からなかったりするのです。

……でも、どうすっかな。
イヤ昨日(もう今日だけど)書いた通り、基本今まで通りだ。
それ以外、出来ん。
オイサン不器用だから。

なんというか、例えば、外からおかしな言説が舞い込んできたとしても、
基本、そのハナシが雑誌とかWebとか、
受け手皆がフラットに手にすることの出来る話
……つまりは公式のリリースですな……でない限り、
限りなく不確実で、与太な情報として扱えばいいか。

  決してまるっと信じないわけではないし、
  それをくれた人には悪いとは思うけど。
  「ふーん」としか言わないことにする。

まずは本編で描かれたことと、作り手がゆび差した方角と、歩いて来た道、
それが全てだってのは、どう足掻いても変わりませんからね。
オイサンにとって。
あってるも間違ってるも関係ないや。

過程、思想、大事だけれど、受け手に届くものは最後のアウトプットしかないわけで、
そこに込められたもので受け取るしかない。
その込め方や届け方に何か間違いや失敗があったのなら、
彼らには、今、幾らでも言葉や思いを伝える手段はあるのだから、
それに乗せて届けようとしてくれればいい。
それが姿勢ってものだろ。

直接の、作り手たちの言葉だけを信じることにするよ。
こっちだって、……マちゃんとしてるかどうかはともかく、そこそこ大人なんだから、
受け取り方、読み取り方は幾らか知ってるつもりだよ。
頑張るよ。
だから精一杯、面白い込め方、届け方を考えてくれ。
面白ければ面白いほど、面白がって上げられると思うよ。

そんな姿勢の先に結実したものが絢辻さんで……
あー、そーだそーだ。
絢辻さんだ。
絢辻さんがいれば、それでいいんだから。
そうだった。
危ない危ない。

今日もオイサンの行く道に腕を組んで立ちはだかる、
あまりにシンプルなそのシルエット。
オイサンは見誤らないぞ。
絢辻さんに、枝毛はいらない。

オイサンが出会い、ともに歩んだ絢辻さんが絢辻さんなのは、
あの本編のディスクの中だけだ。
そんでその先はオイサンのものだ。
うん、そんだけだなあ。



  滑らかな 光と影を引き連れて、
  絢辻さんはオイサンの中でだけ、今日も明日も絢辻さん。
  一先ずそれで充分だ。



受け取り、読み取ったものが全てで、それがオイサンを動かし、走らせてくれる。
きっと昔から、それこそ初めてPS版の『ときめきメモリアル』をプレイしたときも、
オイサンの知らないところで大人たちは動いていて、
山のようなウソや誠を積み上げたその陰で、たくさんのやりとりをしていたに違いない、
それは確実だ。
けど、そんなコトと関係なく、あの子らの生き様はあざやかだったじゃないですか、
ねえ。
今尚、あざやかじゃないですか。

流れていく時間の中で、
あったけど忘れられたり、葬られたりした事実は一杯あったはずだけど、
それでもオイサンを支えてくれたあの子らは
何にも変わらないじゃないですか。
ねえ。
墓しか残らないんだからさ。

……だってさあ。
オイサンの親父とお母んがさあ、
どういうつもりで、どこで、何発目にやった当たりがオイサンなんだよって、
そんなん関係ないよ。
憶えてないに決まってるし。

  ……聞かされてもイヤだけど。

生まれちゃったもんは、色々な音や光や言葉を浴びて、
その者なりに生きてくしかないんだよ。
そんで出会った人の心の中に、出会った人と同じ数だけの像を結んで残っていくんだよ。
同じだよそれと。
どんなつもりで産み落とされて、
どんなつもりで生きてきたって、出会う人間には案外関係ないもんだよ。

だったらやっぱり、そんなものは関係ないんだ。
あろうがなかろうが。

読み解く価値のある物語を、
ギャルゲーというカタチで、作り手がリリースしてきた、
それを読み解いたら、とびきりの世界が広がっていた、
だから彼らを信じるし、
彼女らを愛するし、
まだまだ付き合っていこうじゃないの、
オイサンと、つ、つ、付き合って下さい!! って、
もっともっと読み解いて、その隙間から捏ね上げて、
ありもしない姿を、ブ厚い妄想で描き出してみようじゃないの、
それが書き物士の、二次屋の士魂ってものでしょう。


  ……ですよ……ねえ?(聞くな)


でも、ホントそうだよなあ。
良かった。
絢辻さんを好きで。
ブレねえもんな、あの像だけは。
負けっこねえよ。

おーし。
肚は坐った。


……そんなわけでオイサンは、今日もジョギングに出かけます。


絢辻さんが「生活を見直せ」と言ったから。
……ではないです。
「朝4時に起きてランニング」と言ったから。
……でもないんです、案外。

その背中から尾を引くものを捕まえて、その気持ちに近づきたいから。
描き出すために必要だから、
どこまでいってもインチキメルヘン書き物士のオイサンは、
そーするしかないのです。
痩せても枯れても。

はい。
オイサンでした。



▼追伸。
……大体さ、人のカタチここまで変えさせといて、
実は違いましたとか、
失敗でしたとか、もう、あったとしても……
………………そんなの、今更知ったことか!!
だったらオイサンの、大事な大事なあぶら身50kg、耳ィそろえて今すぐ返せ!!


■魔法陣グルグル OP 晴れてハレルヤ

♪世っ界中ーの大好きを引き連れてーっ キミに届けたいオ・モイはヒト・ツ!
 ……オイサンに恋愛観なんてものがあるとした、これとか、
 『不器用じゃなきゃ恋は出来ない』とか、その程度ですよ。
 お花畑です、いつまで経っても。



 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月12日 (水)

■ある朝の釈明 -更新第494回-

オイサンです。


10日の晩、家で晩ゴハンを食べたあと寝オチしてしまって、
目が醒めたら3時を回ろうかという頃でした。

いかんな、ちゃんと風呂入って明日の支度して寝ようと思い、
PCを落とすために画面に向かうと、Twitterのクライアントが立ち上がっていた。

で、まあ……そのとき、寝起きで頭も変に冴えていて、
それなのに分別はついていなくて、
よせばいいのにそのとき寝る前までに考えていたことを、
とりとめもなく書き込んでしまえ、と……
ちょっとTwitterに関して、閉塞感とか、鬱屈した気分とかがあって、
よぎる不安もあったのだけども
時間軸がパラパラと前後するままに書き殴ってみた。

するとタイミングも良くなく、
そのタイミングが悪いことも承知していたのですけども
(なので悪意が全くないとは言えず、
それについてはどうしようもなく無分別で申し訳ないと思います)、
やはり幾人かの方々の目に留まってしまって、
指摘だったり、リアクションだったり、やんわりとしたお叱りであったりを、
ありがたいことに戴くことができました。

多分他にも目にされた方々はいて、
何かをおっしゃってくれた方同様、そして何もおっしゃらない分、
モヤモヤした感じや不愉快な思いをされたんじゃないかと思います。

大変申し訳ありませんでした。

ですので、まあ、改めて展開してしまうというリスクはあるのですが、
何も言わないままよりはその感情の断片の正体が明らかであった方が
多少なりともマシになったり、矛先を定めやすくはなったりすると思うので、
その全文を再掲して、一個一個、思い出せる限り……
……正直、そういう状態で書き込んだものですから確固たる意図もあったりなかったりで
フラフラするとは思いますが……
ばらしていこうかと思います。

リアルタイムでご覧になった方で、不愉快な気持ちになって、
「もう見たくない」という方は、以下、見ないほうがいいかもしれません。
各センテンスの番号は改めて便宜的に振ったものです。



■本編



1) なんか、あれだな。
  ちょっと歪んだ連中が、やたらと自分の根底に響いちゃって、
  喜んじゃったって感じなのかな。そりゃ共有も拡散もしないと思うよ。
  当の本人たちが誰もそれを望んでないんだもの。

2) 生きた言葉の海で彷徨うのは、やっぱり並大抵じゃないな。
  自分がこれを望んでたのかったら、わからないや。ていうか望んでは無いな。

  不思議なもんだねえ。
  広がれば広がるほど窮屈になっていくのは、オイサン自身のせいなんだろうけど、
  みんなはそうじゃないのかな? 他の宇宙を別に用意してるんだろうか。

3) 美味く自由に、上手にやってるひともちゃんといるわけだから。
  ここも結局はリアルではないってことなんだろうな。

4) 虫みたいだなそれは。あんた、背中が煤けてるぜ?

5) 言いたいこと、やりたいことがある連中と、実はそうでもない連中がまじりあってて、
  そうでもない連中の方が実は上手につきあっている。
  前者の方は、色々ありすぎて、多分うまく回って無い。
  自重で圧潰しなけりゃいいけど。

6) 流れてくる音楽に合わせて踊るのに必死で、
  いたずらしたりアドリブこいたりする余裕がまだまだなかったなあ。
  マまだ始まったばかりだからしゃあねえか。
  隙間隙間に、自然に挟んで行けるようになればいいだろ。

  音楽ばかり聞き過ぎてたら踊るのも楽しくなさそうだもんね。

7) やっぱこの年になれば、そういうことが必要か。
  知らないけど。
  寝よう。おやすみタイムライン。
  おつぶやき



■概要



先ず始めに全体、これがどこの誰とか、
具体的にどんな事柄に向けられたものなのかというハナシですが、
特定の矛先はないです。

タイミング的に「アレのことだろう」とアタリのつく向きはあると思いますが、
それはきっかけに過ぎず、
それによって触発された幾つかのことに複合的に着火した
というのが正しいと思います。

番号を振ったとおり八つのブロックに分けられていますが、
それぞれが全然個別の事象に向けて発せられたもので、
前後の繋がりも全然無視されてます。
唯一大勢を占めるとすれば、Twitterのありようそのものに向けられたセンテンスがほとんどですが、
それも5)についてはちょっと違う感じです。



■各センテンスについて



▼まず、1)。
冒頭から思いっきり迂闊です。
すみませんでした。
このpostをする前日の晩に『アマガミ』関連の議論がTwitterの上でありまして、
それがこのセンテンスの引き金になっていることは否定できないのですが、
このセンテンスの全てなのかといわれたら、それは明確にNoです。

それ以外にも、Twitterそのもののあり方ですとか、Webのあり方ですとか、
『アマガミ』以外の、ちょっと昔の別作品とか、
それら全部を混ぜこぜにして、ちょっとずつちぎった塊に対してついたコメントという感じです。

……そもそも、前日の議論の内容は別段こういう内容ではなかったので、
多分大丈夫だろうと甘えたのがまずかった。
共有や拡散というキーワードは議論に連なる部分がモロなので、
解釈的に無理があるのも承知なのですが、
上記のような色々に関する考察をひっくるめたごった煮がこのセンテンスです。


▼2)。
これはいきなり、Twitter単体の話題です。
キーワードは「窮屈」で、Twitterみたいな、緩やかでお気楽に見えるスペースでも、
知り合いや出来事が積み重なっていくと、無作為にぽんとおいた瑣末な言葉でも、
深く受け止められてしまうことがありそうで怖いな、程度の意味です。

議論上の衝突を取りざたされそうですがオイサン的にはそれはなく、
以下の3)の一人愚痴が出来にくいことへのワダカマリが主です。
「知り合いの前では一人愚痴もやりづらくなるよな」
くらいのことです。

コレに対して戴いたレスが、とても示唆に富んでおりました。
要約すると
「広がるほどに窮屈になるのは当然で、
 それでも他者と自己の妥協点を見つけていくことが成長だ」
というようなことでした。
それに対してオイサンとしては、
文字通り広がるほどに自由になるものもやはり知っているわけで、
マ反論できる立場ではないのですけども、
そこをバッサリやられてしまうのはどうにも居た堪れない。

ただそれは結局その成長によって実現されるもので、
吾でありながら他者を受け入れることを、意識なく、
自然に出来ることが出来るようになれば、
窮屈さよりも広がりが残っていくだろうと思います。

それが妥協によってなされるのかといわれると、
オイサンのイメージとは違うのでまた違う言葉を捜したいと思いますが
今のところは「理解と融和」あたりに落ち着くのかなあと思っています。
マたかだか言葉尻のハナシかもしれませんが。


▼3)。
前半の「美味く自由に~」が2)の続きなのは明白なのですが
(ちなみに「美味く」は「上手く」の誤字ですね)、
後半の「ここも結局はリアルではないってことなんだろうな」は、
翌朝の時点で既に、自分でも意味をよく理解できませんでした。

2)からの流れとしては逆じゃないの? と思ったのですが。
説明を求められ、やはりその場では答えられず、
大変申し訳ないと思った次第で、改めて思い出そうと努力をしてみました。

そこで沸々と思い出したので、それをここでキチンと書いておきたいと思います。

「ここ」は明らかにTwitterのタイムライン上のことなのですが、
Twitterがつぶやきのツールで、タイムラインは勿論公の場で、
それは疑いようのないことなのですが……
なんというか、その「つぶやき」という行為と「公」というスペースの相容れなさというか、
馴染まなさというか、
その齟齬にちょっと欝っとしてしまったことから出た言葉だと
思い当たりました。

たとえば、毎朝の通勤の行き帰りの道も公の場であるわけで、
そこで「負の感情」を呟くことは、まあ、あると思うんです。
「やってらんねえよ」とか「ホント使えねえよな」とか「ばかじゃねえのか」とか。
一人愚痴レベルの断片の発言を。

それをね。
Twitterでは、やっぱやりにくいな、と感じて、
でも、一人愚痴をやりたいときもあるのにな、同じ公でも道端や公園では出来るのに、
例え誰かに聞かれても、道端に吐き捨てられた周囲と無関係の愚痴は
まあ眉を顰めるくらいのことはされるかもしれませんが、
スルーしてもらえるのにな、と思った次第で。
そういう意味で、Twitterの公さとそこのこぼれるつぶやきには「リアルさ」が欠けるな、
という感情です。

基本的には、Twitter上には「言われなき正の感情」のつぶやきはあれど、
「言われなき負の感情」のつぶやきは存在しづらい。

2)で言う「窮屈」の一端が、そういうトコにもあるのかなあ、という流れだと思います。

無論、
タイムライン上に存在する方々、すなわち自分のフォロワーの方々と言うのは、
現実世界と違い、何がしか緩やかな繋がりのある方々に限定されるわけで
そういう意味ではやはり「リアル」とは程遠く
(マそういう意味では実世界でも自分の生活圏に限られたごく一部の方々としか触れ合いませんが)、
またそういう限定空間ではその愚痴を見かけた人は道端や公園の人々に比べて
「負の言葉」を気にかけやすい恐れはあるわけで、やるべきではないのですけども、
道端の無関係愚痴と同様にスルーしてもらうことが期待できれば、
もっと住み良い空間になる一面もあるんじゃないかという
なんとも浅薄な思いが入ってます。

しかし、その緩やかな縛りの中に身を置いた時点で、
そういう……「素」とは異なる別なリアルの上に身を置いてることに、
やっぱりここでもなるんだよな、という意味だったと、思い出しました。

だからまあ、気楽気楽、緩やか緩やかとはいいながらも、
どこか一枚皮をかぶったものであって、
如何せん、自分はまだそういうことを、
意識的に意識していない(変な日本語だけど正しい)とスポッと忘れてしまうようです。
blogももう4年目になるというのに、お恥ずかしい話です。
猛省したいと思います。


▼4)と6)
いきなり一まとめです。4)と6)で時間軸が前後しているので。
Twitter上で自分がどのくらい主体的に立ち回れているのかということを思ったとき、
結局外部からの刺激によってしか動けていないな、という、
6)が多少具体的にそれを書いた反省とやや前向きな思いで、
4)はその凹みと自虐。
センテンス間で時間軸が平気で途切れたり前後したりしているので
目の当たりにした方々はさぞかし混乱されたと思います。
申し訳ないです。


▼5)
ここだけ実生活のお仕事の話です。
わかりにくいな、ていうかそんなん分かるか。
意図的に書いたわけではなくて、
頭の中に浮かんだものを本当に連続postしただけだからこその謎構成。
なので、このセンテンスそのものの背景にあるビジョンは、オイサンのシゴトバです。
なので詳しくはかけません。
ごめんなさい。


▼7)
「そういうこと」は、家庭です。或いは何らかのパートナーシップ。
道端に吐き捨ててもカタルシスはなく、
新たに登場した緩やかなつながりの場でも吐露できない感情を、
じゃあどこで受け止めてもらえばいいんだろう?
という疑問に落ち込んだとき、
そういう話を、深く受け止めるでもなく、突き放すでもなく、
程よい距離感で聞いてくれる相手を見つけておけよいい加減、
という、わりと面白くもなんともない結論で終わっています。

飲み屋にでも行けよ、というハナシですよね。
全くその通りだと、今では思います。
ないもんですかね、Web飲み屋。


以上、本当に支離滅裂。
思い出せる限り、これが全容です。

モヤモヤした方、
心底ムカついた方、
ご意見お叱り、甘んじてお受けしますので、
コメントなりメールなりDMなりで戴けると幸いです。

釈明という意味もあるのですが、
中ほどあたりはTwitter考の一つの像として、
多少の価値はないかと思ったので記事とさせて戴きました。

不愉快な思いをされた皆さんには、重ねてお詫び申し上げたいと思います。
大変申し訳ありませんでした。
以後軽率な発言の内容に留意いたします。


……。


……というか皆さん、ワリと真夜中とかのタイムラインを遡って
ご覧になったりなさるのね。
そのことにワリとびっくりです、オイサン。


オイサンでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■気楽にいこう??? -更新第493回-

えーと……。

まだちょっと色々終わったばかりで脳みそがホカホカなので、
何かと整理しないといけないのですが。

とりあえず自分に出来ることは、今書いてるSSをしっかり上げることと、
今のスタンスを崩さないことだな。

それと、生活のサイクルが狂い気味なんで、それを戻して、
今週末の山登りを、乗り切る、楽しむ。
ジョギングも筋トレも、ちょっとサイクルが乱れてきているので、
一回リセットして戻す。

その先は……もう一回、冷静に考えてみよう。

でも、人と会うのはやめない方がいいだろう。
今のところ、楽しいし。
会いたい人はまだいるし。
動機はあるし。
それは珍しいことだから、新しい流れとしてキープしておきたい。

その辺は今のままでいいだろう。

Twitterは……マ今のままでいいかな。
ちょっと頻度を落としたり、
休む日を作ったり、そのくらいで。

今が……? 5月か。うーん。
大丈夫か。
何が本当で何が冗談で何が嘘なのか。
多分嘘はないんだろうけど、
全部ウソは全部ホントと同じだっていうしな。

この一月ばかりで、色んなことが起こりすぎてる。
あり得ない変化だ。
気をつけよう。

肩の力は抜いていこう。
あと、やることはちゃんとやれ。


■黄金勇者ゴルドランED 気楽にいこう!



  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 9日 (日)

■はるか-花と器 -更新第492回-

「日影さん」宅がめっちゃ南向き、という由々しきジレンマ。

名は体を表す? そんな迷信は信じねえ。
どうしてかって? それは俺がロックだからさ。

オイサンです。

本日のオイサンは隣町までお買いもの。
昨日歩き回った挙句結局決めることのできなかった母の日の贈り物を決めることと、
来週、同僚のトラさん(仮)と行くことになっている尾瀬、
そのときのべんとうの容れ物を買って帰ること。

別に隣町まで行かなくたっていいハズですが、
昨日、母の日アイテムの候補に入れた品物をもう一度見てみようと思ったので。



■おべんとう箱がはこぶ幸せ



やって来ました東Qハンヅ。
今日の目的とは全然関係のないおカバンコーナーを一回りして、
ああ、実に惜しいけどいいのがあるなあ、とか思ってから
本番のおべんとう入れコーナーへ向かいます。

マおべんとうっつったって素直におべんとう箱を買うつもりは無く、
タッパの親分みたいなものでいいやな、と思って簡単にそれをゲット。
デまあ一応ついでで、という気分で、
その隣にあった「おべんとう箱・おべんとう小物」のコーナーも覗いてみました。

  ……大体、「おべんとう」という言葉のひびきそのものに、
  日本人をときめかせる不思議な力が備わっていると、
  オイサンは常日頃思っているんですよ。
  それなのにこの瞬間、オイサンはうっかりそのことを忘れていたのですね。

そこはもう……なんというか。
ファンタジー? メルヘン? お花畑のような世界でした。

Kc3h0004 Kc3h0007

Kc3h0006 Kc3h0008 Kc3h0009_3


さすがにそこでちゃんとしたカメラを構えるのは気がひけたので
お写真は携帯のカメラ。

  ……やっぱ携帯のカメラでは一切納得がいかんなあ。
  こういうとき用に、もっとどうでもいいコンデジを一台
  持っておくべきだな。

オイサンの母親もべんとうには色々こまめで
(……だったようにオイサンは思っているのだが、本当にそうかどうかはわからない)、
ここまで可愛らしいものでは無いにせよ、
こういう小物が常にべんとうには使われ、添えられていた。

それをオイサンはなんだか当たり前のことだと思っていたのだが、
考えてみれば、
常にそれらを買ってストックしておき、
その時に使用するという備えと手間がそこにはあったんだと思うと、
……なんというか。
それが楽しみであったのか、母としての仕事と捉えてそれを忠実に実行していたのか分からないけども、
やっぱりオイサンは愛されていた、
母はオイサンを、我が子を愛していたのだなあと思って
胸が熱くなる。

  そういう意味ではオイサンは
  紛れも無くリア充だなとも思うワケだが(新解釈)。

そしてそれと同時に、その愛を受けられなかった絢辻さんを……
同情したり、不憫に思ったりするその前に!!
絶対に幸せになって欲しい、
幸せにしてあげたい、
カップルさんとかが新生活に向けてるんらるんらと幸せ渦巻かせる東急ハンズのおべんとうコーナーで
なんだかものすごい情熱を燃やすオイサンなのですよ。

でもこれはもうオイサンの、偽らざるただの本音なんだ。

いつかこの売り場で、
我が子の喜ぶ顔を思い描いてルンルンと買い物をする絢辻さんに出会いたい、
ていうかその隣に立っていたいと、
心の底から思っているオイサンは薄気味悪いな!!



■はるか 花と器



軽く落ち着きを取り戻して、次にやってきたのは駅に隣接した小田Q百貨店。
先頃帰省した際、母が言っておりました。

  「良い小鉢を探しているのだけどなかなか見つからない。
   やっと見つけたと思ったら予算に見合わず、父が買わせてくれない」


と。
オイサンは嗅ぎ付けます。

  「アこれは立派な前フリだな」

と。
「アンタいい年こいて分かってんでしょうね」
と眼光鋭く訴える、年老いた母の横顔。
老いてますますおサカンでいらっしゃいます。
ええ、任せて下さい。
あなたの息子さんは、二次元とはいえ伊達に当代随一の気難し屋と親しくしてませんよ。
 
 

  絢 辻 「ん? 何か言った?」

 
 
いえ、何も。
母よ、近いうちにご紹介しますからね。
 
 

  絢 辻 「(/// ポッ ///)」

 
 
……なんだやっぱり聞こえてるんじゃないか……。
えー、閑話休題。
まあそんなことで、昨日から、近所の百貨店とココとで
何客か組の小鉢を探していたのですが良いものが見当たらず、
小鉢ではないけれど小洒落た菓子皿のセットがこちらにあったので、
もうそれに決めてしまおうと思ってここまで来たのですが。

いやあ。
探し直してみるものです。
有名な陶器メーカー「たち吉」のブースに、
オイサンのイメージにかなり近い小鉢のセットがちょこんと鎮座ましましておりました。

R0025346

この、奥の方に見えているのがそうなのですが……
ちょっとわかりませんね。
肝心の送ったやつの写真を撮りそびれるオイサン。
マそれは実家に帰ればいつでも撮れますからね。

しかし、「たち吉」。
ちょっと素敵なものが沢山ありすぎました。オイサン、テンションあがりまくりで。
その小鉢の配送手続きを終えてから、お店の方に許可を貰って
お写真をたくさん撮らせてもらってきましたw
何やってんだ。
こっちゃもう、お客ですからね。
お写真くらい、イヤとはいえない状況を作ってからの犯行です。
完全に確信犯ですね。

R0025356

このガラスの小鉢も捨てがたかった……

R0025361 R0025367

この小皿もシンプルで良かったなあ。
そしてこれ!!

R0025368 R0025386 R0025385

このガラスの小皿五枚組!
これはちょっとすごかった。
母が「小鉢だ」と言ったのを無視して、こっちを買って送ってやりたかったくらい!!

R0025371 R0025380

ホントもうね……美しいのよ。
紋様もさながら、厚さ、重さもしっとり手になじんでねえ……。
いじってるだけですげえ幸せになる。
器のよさは、いじって手肌で幸せになれるところですよ。


さあ、ココからが本題です。
オイサンのアホの見せ所です。

そうやって見て回っているとですね、一つ気になる小皿がみつかりました。
これまた可憐で可愛いのですが、気にかかった理由はどうやらそれだけではない。
お皿の名前が……


R0025347x


「はるか」


なんか……言われてみると、このお皿の風合い、
スッキリ整って美しいのに、どこか可憐で茶目っ気たっぷりのたたずまいは
森島センパイに似ている気がする。
擬人化ならぬ、擬皿化、擬器化。

……フム。
一枚400円弱か。一枚くらい我が家にお連れするのも悪くないねえ。
……でもなあ。
森島センパイを名乗るには、もう一つ、華が足りない気もするねえ。
ちょっと寂しいというか、大人しすぎるというか。

もう一回りして、気が向いたら一枚くらい買って帰……!!
振り向いたオイサンの目に飛び込んできたのは……!!



……。




R0025412



……買っちゃった。



小鉢です。
お皿じゃない。
同じモチーフの柄で、同じ名前で、
小鉢をあしらったものが、振り向いたその先にあったのです。
しかもその小鉢の方の「はるか」は小皿よりも一回り大ぶりで、
その分あしらってある花柄の数が多く、色合いも賑やか。

R0025494 R0025490

もう完全に、オイサンがさっき感じた「一歩足りない感じ」を補って余りあるのでした。
見るからに、森島センパイ。まさに「はるか」。
しかも、



R0025439



五客組。



……いいですか、これは母の日の贈り物じゃありません。
自分用に買っちゃいました。
……マそのうち実家に送るか持って帰るか、しますけど。

  どんなもんだい!!
  ゲームのことばっかり考えてるとこんなオッサンになっちゃうんだぞ、
  ココを読んでるお若い方々は、何年後かの自分の姿を
  もう一度よく思い描いてみると良い!!


ただねアナタ、いくらオイサンが妄想の達人だからといって、
「はるか」の一言だけで、一瞬で陶器と『アマガミ』の世界を結びつけられるほどの
ゲートウェイ野郎ではありません。
せめてもうひと手、ブーストする要素が欲しかったはず、あったはず。
それが何だったか。
……これだ。

R0025451

……知らなかった。
「たち吉」の「たち」って、平かなで書いたトコしか見たことなかったけど、



漢字で書くと「橘」になるんだなあ……。



これが視界に入ってたんだろうね。
そりゃ一瞬で、意識が輝日東に飛ぶわけだ。

……マそんなことでね。
要約すると、母の日の贈り物を買いに百貨店に行ったら、
「はるか」って名前の、あまりに森島センパイ然とした
五客セットの小鉢があったから衝動買いしちゃった、
っていうお話なんですよ。
ね。
そんだけ。

でもこの小鉢のセットさ、桐の箱なんかに入ってやたらえらそうですけど、
五客で2500円チョイですよ。
安いのなんのって。
お前が今手に持ってる、
そのワケの分からないラジオCD一枚より全然安(以下、Lantis様からの通達により削除(嘘)



■ついついついっとついっと。



最後に、またしてもTwitterに関するお話を二発ばかり。

 ▼一つ目。Twitterの使い方について

以前もちょっと取り沙汰した、
「TwitterをBlogとどう使い分けていこうか?」的な話の延長戦。
オイサンは、道端やらを歩いていて、
「あ、コレBlogに書こう」
と思いついたようなことは大抵、ケイタイのメールにメモっておいて
その日の終わりに家PCに送ったり、ということをしていたのですが、
そのメモ帳代わりに、ネタの走り書きをTwitterに書くことにします。

デ、それに反応があろうがなかろうが、
Blogに書くつもりでPostした事柄はBlogに書くし、書かないことは書かない、
その場限りのTL上の彼らに向けてPostしたものはもう、Twitterのネタだ。
こういうスタンスで行ってみようかと思います。

TwitterやってないけどBlogは読んでるという方もいて下さいますし、
Twitterに流したけども残したい、踏み込んでいきたい話題というのも確かに存在する。
だったら別に、それでいいじゃない?
というのが、まず結論の第一段階。

コレで何か不都合が生じるようならまた考え直しますが、
ひとまずこれで。
なので、Twitterもやってオイサンをフォローして下さってて、という方は
ネタがかぶったりすることもあると思いますが、
「ラクしやがってこのデブ!」
とか思わないで、しれっと流して下さいね。

或いは、その二つの上でのありようの違いを探してみるのも面白いかもしれませんヨ。

 ▼二つ目。失礼な話。

こちらは失礼な話。
具体的には、いつ頃の、誰と誰の会話とかは言いませんというか
正直かなり前の話ですしあんまり真面目に読んでないのでハッキリとは憶えてないんですが。

自分不在の時間帯のタイムラインをあとから追っているときに、
出だしは面白そうなんだけども
途中から良くも悪くもアホみたいな展開になっている議論とか、
じゃれあいみたいな出来事に遭遇すると……

  「あ、俺、この時間帯にいなくて良かったw」

と、ものすごく安心してしまったオイサンがいましたw
皆さんごめんw
でも割と本音です。

入りが面白そうなのでその場にいたら絶対に関わりたくなったでしょうし、
途中から展開がグダグダになったりおふざけになったりしても
オイサンはグダグダもおふざけも大好きで、
しかも流されやすい体質ですから途中で抜けることは出来ません。

やってる最中は嬉しくて充実感いっぱいでしょうけど、
終わって振り返ってみると、アレ俺なにしてたんだっけ的な、
決して空しくもないけれど時間的には空白、みたいなことになっているに違いない。

その場におられた皆さんには大変失礼な言い方になりますし、
そこに自分がいたらいたで得られたものもきっとあったことでしょう。
けれどもその場の出来事だけを客観的に拾い集めてみると、
とりあえずはそこにいないで、何か違うことやってて正解だったかもな、
という瞬間が確かにある。

  ぶっちゃけた言い方をすると、
  「この場にいたら、ゼッタイ時間ムダにしてたな」
  という流れです。

なのでまあ……イヤ、どうしようとかどうしろとか、
そういうことではありません。
これからも、いたらやっちゃうでしょうし。
マそれでも、うまく気づくことが出来て、
他に今自分がやらないといけないことがハッキリしているときには
上手に時間を切り分けていきたいなあと思った次第です。

気を悪くした方がいたらすみません。
でも、Twitter、無駄に心地よいからね。
気をつけてみるのはアリだと思いますよ。



■にしんのしゃしん



デ、舌の根も乾かぬうちに、そのTwitterにて。

  「美也ね、にしんが食べたいの! 鰊鰊鰊鰊鰊鰊鰊鰊鰊鰊!!」

……などともう、アホ以外のナニモノでも無いPostをしたところ
ご丁寧にそれに食いついて下さりやがった方がいらっしゃってですね。
以下、そのやりとりの履歴。
 
 

 御  仁「毎日の様にニシンが食いたいのかい?美也ちゃんは。(w 」

 オイサン「美也はともかく、オイサンはスーパーで売ってるニシンのピリ辛漬けを
      ほぼ毎日食ってる」


 御  仁「え、そんな食べ物があるんですか?
      スーパーはちゃんと通っているつもりだったんですが。(汗 」


 オイサン「お惣菜ですけどね。関西にもあるだろうか?
      こっちではオイサンの買ってる作り売りのお惣菜の他に、
      真空パックみたいなのも売ってますが。
      後でブログに写真でもあげますか?

 
 
……なーんてことになったので、せっかくですから載せておきます。
ピリ辛でおいしいですよ。

R0025389 R0025400

ほんとに病みつきで、ここ2、3カ月、2日とあけずに食べてるんじゃないだろうか。
一パックを二日はもたせますけどね。
オイサンお酒は嗜みませんが、日本酒のアテにも丁度いいのではないかと思います。

オイサンが買っているのは小田急OXのお惣菜コーナーで売っているものです。
昨今、スーパーのお惣菜コーナーはあまり良い噂は聞きませんが、
マその辺に抵抗の無い方にはオススメです。

……ただ、
「俺はどうして、日曜の昼間っからニシンの写真を撮ってるんだろう?」
という気持ちにはなった。
多分、それは恋。



オイサンでした。



 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 8日 (土)

■死に神の手ごころ -更新第491回-

新開発・ロリには見えない女児用肌着。
オイサンです。
果たして、支持されるや否や?


今回の話、イヤな人はイヤかも知んないです。
事故と、その後の話。
グロや、直接的に危険な話はないけども、気分的・倫理的に。
心の中に倫理委員会を飼ってる人は、めんどくさいからやめた方がいいかも知んない。
どってことないかも知んない。
わかんない。



……まあ、どうということのない話ではあるのですがね。
じゃとりあえず行きますよ。



■死神の手ごころ



一昨日、お仕事からの帰り道。
オイサンは小さな川沿いの道を、結構な距離を歩いて帰るのですが、
そのすがらで事故が起こる瞬間を目撃しました。


厳密には、衝突のまさにその瞬間は見ていなかったのですが。


Twitterで……忘れもしない、オイサンの歩く道の傍らの植え込みに
ピンクと白のつつじがかわるがわるに植えられておりまして、
そして歩くオイサンの脇を、チャリンコにまたがった二人の男子高校生が
ふざけて蛇行しながら追い抜いて行きなさった。

嬉みあう彼らの声を聞きながら、二つの色合いが目の中で混ざって
「ああ、なんだかパンティのようだ」
と思った、
そのあけすけに過ぎる気持ちを世界に向けて発信しようと
オイサンが携帯電話のボタンをタコタコと打ち始めたその矢先。

オイサンの目の端にも映っていた、
川沿いの道と、川を渡る小さな橋の道とか交差する小さな四ツ辻で、

 ガッシャーン

と、そんなに大きくもない音が響くのを聞いたのでした。
驚いて音のした方を見やれば(テンプレート表現)、
土に褪せたエメラルドグリーンのつなぎを着た
髭面にズングリムックリの小熊のようなお兄さんと、
今しがたオイサンを追い抜いていった学生のうちの一人が
ほんの数メートル先で倒れておりました。

小熊お兄さんが乗っていたと思しき50cc、いわゆる原チャリは横たわって唸りを上げ、
お兄さん自身も
「痛ってえ!」
と、比較的元気そうな声をあげておられました。

学生さんの方はしばらく動けずにいましたが、しばらくすると起き上がり、
オイサンよりも早く駆けつけた犬の散歩中のおばさんに声をかけられしきりに
「大丈夫」「大丈夫です」
と、応えていました。

しばらくすると、お兄さんは自ら原チャを起こして脇に除け、
携帯電話を取り出して警察に連絡を入れていました。
オイサンも、まだしっかりとは動き出せないらしい学生さんの代わりに倒れたチャリを起こし、
邪魔にならない道の端へよけておきました。
チャリは前輪のフレームが大きく歪んでいて、
修繕しないととても走れる状態ではありませんでした。

やがてオイサンとおばさんのほかにも、
ジョギング中の年配のオジサンや近くの家から出てきたオバサンその2などが現れて
怪我をしていた学生さんの傷口を洗ったりと、
事態は緩やかに、穏やかに、収束の方向へと移ろっているのがわかり、
その場でオイサンに出来ることはもうなかったので、
お巡りさんの到着を待たずにオイサンは再び、川沿いの家路をたどりました。

ひとまずpost途中だった先ほどのパンティのくだりをpostしてしまってから、

 「……などとpostしていたら、目の前でチャリと原チャが事故ったでござる」

と改めてpostをし、
もらった反応に返信をして、その件に関してはその日はそれでおしまい。


  --そして、翌朝……昨日の朝。


やはり歩いてその事故現場を通りがかると……
橋の袂に、スポーツドリンクとコンビニのおにぎりやスナック菓子、
そしてささやかな花束がいくつか……ちらほらと、供えられておりました。










 絢 辻 「やめなさい。不謹慎でしょう。本当になったらどうするの」










……えーと、絢辻さんにシゴク常識的な怒られ方をしたので改めますが、
そんな事実はありませんでした。
マ多分、なんてことはなかったのでしょうね。
とりあえずあの場では普通に歩いてたし、しゃべってたし。
そこはいつもの、ただの川沿いの道と橋だったのですが。





ただ、そこを通りがかったとき、フッと考えてしまったのですよね。





--もしあの時、倒れた少年がピクリとも動かず、起き上がってこなかったら。
--さっきまで生きて、友だちと春を謳歌していた彼が、
  目の前で、死に終わっていたら。

何が起こり、何が残っただろう?
オイサンは何を手に入れただろうか?と。

ありえない話では、全然ないです。
少年のチャリは結構な距離を結構な速度で吹っ飛んでいきましたし、
地面は硬いアスファルト、
すぐそばの歩道には、車両の進入を阻むための鉄柱がにょきにょきと生えていました。
吹き飛ぶ方向や彼の姿勢がちょっと違っていたら、
頭をガツンとやっていたかもわからない。

もちろん、
……誤解を懼れずに申し上げるならば……
たとえそうだったとしても、オイサンにはなんの関係もないことだとは思うのです。

名前も知らない、もう顔も思い出せない少年一人がそこで死んでいたって、
オイサンには何のかかわりもない。
多分、世の中では今もどこかで、あれくらいの年の子供が死んだりしてるでしょう。
別に世界にまで認識の和を広げなくとも、日本国内でだって、あるでしょう。

今そこで死んだか、どっかの町や病院で死んだか、
それくらいの差であって、多分、オイサンには全然関係がない。
ただあるとすれば……
彼の死が、オイサンの心にどんな思いを残すのか、そんなことくらいで。

目の前で、一瞬で、「死体が出来上がる」ところを目の当たりにしていたとしたら、
しかもその死体は、さっきまでチャリで走っていたのと
なんら変わりのない形をしている……
一体、オイサンの心にどんな感情を残しただろう?

  これももしかすると、不愉快で不謹慎な著し方かもしれないのですが、
  オイサンが感じたそのままの感触です。

   「生きていた彼で、『死体』を作る」。

  横たわって動かない、
  あり得たかもしれない彼のもう一つの将来にいたる一連の時間を
  頭の中で勝手に思い描いたときに浮かんできた、
  不条理で、不安で、
  けれどもオイサンの中ではその情景にしっくりと馴染んだことばです。

  そして、その死体は生前の彼の形をしていますが、
  多分、彼ではないのです。
  『肉』から、『彼』を抜き去る行為。

  『彼』を人格としてみるとき、本体は『彼』であって、
  肉は『彼』を象るに欠かせないもので彼がその肉以外に宿ることはありえず、
  肉と『彼』は一体であるはずですが、
  それでもそこに死が訪れたとき残るものが『肉』のみである以上、
  多くの人は肉を『彼』の一部、パーツとして認識します。
  では『彼』を抜き去られた肉は、死体は、果たして誰のものか。

  死体は、真に誰のものでもない。
  死体にあるじはいない。
  せっかくこしらえたのに、所有者がいない。
  強いて言うなら、死体のあるじは『死』でしょうか。
  こしらえたそれで何をするのか。こしらえたそれを、何に使うのか。
  残念なことです。
  閑話休題。

恐らく、感情的にも、事後処理的な意味でも、
当日のそのときのようにおいそれとその場を後にすることは出来なかっただろうし、
変わり果てた『彼』ではない彼と、
もっともっとお近付きになること余儀なくされていたでしょう。

触れてみたいと思う好奇心と、触れたくないという直観とが、
腕の中心、肩甲骨の下端のあたりで綱引きを始め、
多分直観が勝り、安心の上にのみ成立する忸怩たる思いで、
己のへたれを呪いながら賛美し、残りの決して短くない道のりを
駅に向けて下って行ったに違いありません。

ぞわりと走った寒さの波が、果たして死への「気持ちの悪さ」だったのか、
稀な「機会」にめぐり合えたことへの昂ぶりなのか、
そんなことを考えたに違いありません。
最近のオイサンにはそういうトコある。
そして畢竟、触れなかったことを後者ではないことの証明だと担保して安心するんです。

何がいいたい話なのかというのは特にありません。
「死は常に身近にある」だとか、
「車には気をつけましょう」だとか、
「Twitterしながら歩いてたら、もしかしたら自分が轢かれていたかもしれなくて、
 しかも残された携帯には『パンティ』と打ってる最中かもしれない、危ない!」とか、
そんなありきたりな(最後のは違う)話がしたいわけでもなく。

事故の現場で、
起きなかった死亡事故を勝手に死亡事故に発展させて思いを馳せていたら、
死が棲み付いたあとの肉というものの虚ろさにたどり着いて
なんだかドキドキしてしまった、
というくらいです。

オイサンの心に映り出た妄想というパラレルワールド、
彼のバーチャルな死が残していったのは
死の、そんなあまりにも確固たるうつろさの表現だけでした。

動かない、……鮮魚売り場の一尾のお魚のような。
多分、今日もどこかで生きている彼よりも、
ちくわのように、ぐにゃりと力の抜け切った妄想の中の彼の方が、
オイサンには、今遥かにリアリティをもって残っているのでした。

マしかし、それもね。
彼が死なず、大した怪我もせずに済んでくれたので、
今こうしてネタに出来てるようなものでして。
ええ。
さすがに、ホントにヤバいくらいにイッてたら、この件についてここまで頭を回せないし、
色々、表に向けて書き残そうとは思わないもの。

「今日、見ました。ご冥福(ご快復)をお祈りします」

って、書くとしたってそんなもののはずです。
ですんで、まあ。
うん。
一先ずは良かったんじゃないでしょうか。
今彼が、どのくらい無事でいるかは、分からないけど。
チャリ通、禁止になったりしてなかったらいい。

彼は死なずに済み、オイサンにはその影だけを得た。
不謹慎な書き方です。
認めます。
ごめんなさい。

彼は、死んでいない。
死んでいないからこそ書けることだけど、
死んでいないからこそ書いてはいけないことです、
思ってはいけないコトです。
でも思っちゃったから書いちゃう。

もちろん、事故が起こらないに越したことは無かったのです。
しかし起こってしまった以上、
こうして残ってしまうものがある。
考えてしまったことは仕方がない。
このおかしな妄想が現実を呼び寄せないことを祈るばかりです。
無責任なようですがね。




オイサンでした。




……もうフキンシンついでに言ってしまいますけど。
『死体を作る』のくだり。
「肉から彼を抜き去る部分」のくだりを書きながら、
「……それって、
 『ビックリマンチョコからシールだけ抜いてチョコを捨てる』
 のと似てるよな……」
って、思いました。
こういうヤツですよ。



 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 7日 (金)

■ハッピー・バースデーがきこえる<後編・6-3> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第490回-

前編 / 後編1 5-1 5-2 5-3 5-4 6-1 6-2
『アマガミ』絢辻さんSS 目次
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読「手帳の中のダイヤモンド」目次


               ・
               ・
               ・


 絢辻さんはしばらく、路地の出口に背を向けてじっとこちらを睨みつけて
いたのだけれど。珍しく、それでも僕が怖じもせず見つめ続けたものだから
……くるりと背を向けて歩き出した。黙ってばかりもいられない、と考え直
してくれたんだろう、
「……考えてたのよ。どうしてあなたからのお祝いばっかり、こんなに嬉し
いのかって」
 その点々と落ちる呟きの後を、僕も追いかけた。
 絢辻さんは、先ずは差し障りのなさそうなところからカードを切ってきた
みたいで、僕の質問の答えにはまだまるで触れていなかったけど、いつかそ
こに繋がるものだと見越して、僕は黙った。
「ちなみに、これが三つ目だったんだけどね」
「え?」
「『三つ目』よ。引っかかりの。さっき、二つ目で止まっちゃったでしょ」
 絢辻さんは自分の手の甲を見つめ、何かに気付いて薬指の、爪の先を撫で
た。
 それは、絢辻さんが自分の誕生日の喜びに感じる三つの引っかかりの話の
続きだった。一つ目は、その喜びの元凶……それはつまり僕との時間のこと
なのだけど……がやってくるのが、誕生日に限ったことではない、というこ
とだった。二つ目は、祝われるほど自分が何かをしたわけではないというこ
と。祝われることにも何か確固とした理由を求めてしまう絢辻さんを僕はい
じらしいと思うし、ちょっとかなしいと思った。
「忘れてたわね?」
「ああ、ははっ……」
「もう」
 二つ目が、あんまり強烈だったものだから。絢辻さんは曖昧に笑った僕を
目で咎めはしたものの、瞬きを一つした後には、もう元に戻っていた。
「最初に言ったじゃない? 誕生日を、こんなに楽しいと思ったこと無かっ
たって。それは間違いなくあなたのおかげだし、昨日今日に始まったことじ
ゃないと思うの」
 袋小路の裏路地を抜けて表通りへ出ても、もう賑わいなんて残っていなか
った。ほとんどの店は機能を停止して、まだやっている所でも、その光や熱
を内側にぴたりと閉ざして表に漏れさせることをしない。スナックだとか、
バーだとか。紫や臙脂の、ぼんやりした色の看板を光らせて、来る者だけを
その小さな扉から迎え入れる佇まいを崩さない。大々的にヘイラッシャイと
やっているのは、カラオケ屋か焼肉屋、コンビニ、ファミレス、そのくらい
だ。長く続くまっすぐな僕らの針路上に、それらがぽつぽつと光源となって
揺らめいているのが見えていた。
「……どういうこと?」
 ちょっとの揺らぎと静まりの中、僕の問いはシャボン玉のように弱々しか
ったけれどそれを阻む雑音もなくて、絢辻さんの背中の真ん中にしっかり命
中してぱちんと消えた。
 絢辻さんの言うことも、実は半分は分かっていた。一年前に僕とああいう
ことがあったから、今日こうしている。でもそんな簡単な理屈だけを、今わ
ざわざここで披露するとも思えなかったから聞き返したのだ。
「びっくりしないでちょうだいね」
「う、うん」
 歩きながら肩越しに振り返り、用心深く、絢辻さんは前置きをした。その
ときの不安げな表情から、かなりな大砲を撃つつもりなのだと僕も自然と背
筋が伸びた。
「今にして思えば」
 ひとまず冒頭まで口にして、絢辻さんは今一度、僕の表情を確かめた。そ
して続けた。
「確かに、始まりがあなたじゃないといけなかったかどうかって、分からな
いわ。選択肢は他にもあったのかも知れない」
 自分の唾を飲む音が大きく響く。心臓に強い痛みが走った。
 --しっかりしてないと、愛想尽かされるわよ?--
 --……僕、何の役にも立てなかったなあ……--
 どうしてこんなときに、そんな言葉を思い出してしまうのか。でも絢辻さ
んは背中を向けたまま、もう容赦なく、流れるように繋いでいく。
「少なくとも校内には見当たらなかったし、入り口が見つかったとしてもそ
の先が上手く運ぶかどうかはわからないけどね。そもそも、あんな偶然がそ
うそう働くと思えない」
 『あんな偶然』。絢辻さん……いや、『猫かぶりの絢辻詞』が手を滑らせ
るという、奇跡にも等しい偶然だ。確かに、僕はそこに立ち会うだけの存在
だったのかもしれない。
「けど、冷静に考えたら、きっと、あるにはあったんでしょうね。他の選択
肢も」
 ……ちょっとだけ……。期待は、したんだけれど、絢辻さんはそれを鮮や
かに裏切ってごく自然で残酷な結論を口にした。絢辻さんが、僕以外の「ぼ
く」と出会う可能性、それがきっとあったに違いないということは僕にだっ
て分かる理屈だ。ない、そんなこと絶対にありえない、そんな風に思いたい
のは山々だけれど、視点を引いてみれば、それが如何に些細な我侭であるか
が分かるくらいには、僕だって大人だった。
「でもね、今は、もう」
 短く刻んだその言葉を合図に、絢辻さんはいつもの、物理さえ無視したス
トップ&ターンで踵を返した。そうして僕を向き直ると、三歩、小さくバッ
クをしたかと思ったら、今度は池の石を渡るような大きなステップでトン・
トン・トーンと、微妙なカーブを描いて僕の目の前にふわりと着地した。
 そして覗き込む、僕より少し背の低い絢辻さんの瞳は、分かる? と、今
にも唇を重ねて来そうな甘さを含んでいた。
「あ」
 僕はさっき店で、絢辻さんが中トロを走らせたときのことを思い出して声
を上げた。絢辻さんは照れくさそうに笑い、僕がまた何か野暮を言い出す前

「それってきっと、この一年、あなたがあたしの一番近くに、一番永くいて
くれたから、ってことなんでしょうね」
と残りの台詞を一息に吐き切った。
 絢辻さんが言ったのは、時間と距離、そんな単純なことだった。言ってし
まえばその心の綾は、拾った捨て猫に情がうつるのと大して変わりがない。
だけど、連続するものに絶え間なく寄り添い続けるということには、単純だ
けれど、もっと深くて大切で、何物にも代え難い意味が隠れているんだって
わかった。切れ切れで繋がる物とは比べ物にならない、滑らかに繋がり続け
る波に潜んだ無限の傾き、どこまでいっても僕たちにはそれをなぞり続ける
ことが全てですらあると思える。もっと近くに。もっと永く。
 そんな、簡単なようで難しいことが生み出すものは、かけがえのない時間
の重なりだった。文字通り、積み重ねていくことだ。そばにいることでしか
掬い集めることの出来ない、時間と出来事の隙間から絶え間なく零れ落ちる
砂のような相手の姿を、お互いがかき集め、その砂でこしらえた城が僕らの
間に今、粛然と聳えている。たかが砂城の楼閣がどれだけ立派でも、その脆
さに変わりはない。けれど、短い凪の時間、潮の引き目に少しずつでも砂と
水を継ぎ足し継ぎ足しして大きくしていけば、やがて波に負けない大きな城
が出来上がる。そばにいることを諦めない限り、零れ落ちる真砂の砂が尽き
ることを知らないのは、この一年でひしひしと感じていた。僕は、絢辻さん
が好きだ。
 二人で夜の商店街を歩くのは、眠っている人の体の中を行くみたいだった。
その出口にはまだ活動している焼肉屋さんとコンビニが向かい合わせに建っ
ていて、お誂えむきに、今の闇の中ではまるで光のゲートみたいに見えてい
る。途中、絢辻さんは本屋さんの前で足を止めた。檻のような格子状のシャ
ッターの向こうは昼間と変わらないガラス張りで、電気が落ちている他はい
つも通りの店内が見通せる。平積みの新刊台、お知らせのPOP、レジカウ
ンター。絢辻さんは、ひのふのみ、と何かを数えるみたいに瞳を動かせ、何
かを見つけて、あ、と小さく唇を振るわせた。そして提げた鞄のサブポケッ
トに……僕の贈り物の包みの感触を、そっと確かめるように掌を忍ばせた。
「絢辻さん……」
 ようやく、本当の誕生日を手に入れた今日にあっても、その贈り物だけは
特別な温かさを持って、特別な位置にあるんだと、感じてくれている。そん
なこの上もない喜びに、僕はつい、彼女の名前をもらしていた。
 絢辻さんもはにかんだ微笑みを返してくると、また、つま先を家路に辿ら
せた。ゆっくりと、だったけれど。背中を見せてじゃなく、僕が並んで歩け
るくらいに。そうして振り返り、僕を促した。僕は小走りに追いついて、絢
辻さんの隣に並んだ。右の肩がなんだか暖かかった。
「そういう気持ちが思案の外だっていうのは、リクツではわかるけど。やっ
ぱり癪に障るじゃない? だからどうしてなのか、あれこれ考えてみたんだ
けど」
 奇妙なところで負けず嫌いなのは相変わらずだ。だけどそんな炎も、絢辻
さんをドライブする何機かエンジンのうちの大切な一機だ。
「お互い、近くで見続けてきたからなのね。だから考えてることが本当なの
かどうかも分かるし、安心していられるんだわ」
 しかもそれらのエンジンは恐ろしく強力で、一機一機がモンスター級の馬
力とトルクを誇っている。僕が三日三晩考え込んでも出てこない答えを、ゴ
ハンを食べたり、走ったり、ため息をついたりしているその影で、いつの間
にか導きだすくらいに回転しているのだった。「どうして、こんなに安心し
ていられるんだろう?」……その答えも、絢辻さんはもう見つけていた。
「ああ……うん。そうだろうね」
 僕がおもちゃみたいにコトンと頷いたのを見た絢辻さんが、ちょっと驚い
たようだったのが印象的だった。
「似たようなことを思ってたよ」
「やっぱり?」
 驚いた顔から安堵の笑みへ、なだらかに変化していく心を絢辻さんが滑ら
かな肌に映し出すのを見て、僕はその頬に触れたくなる。
 築き上げた砂の城は、その間取りも設計図も僕ら二人のフルスクラッチで、
その砂の一粒一粒が、いつ、どこで零れたものなのか、その意味さえ知って
いる。それがどんなに堅牢なことであるかなんて言わずもがなで。根拠、と
呼べるほどの一つ塊ではないけれど、それらの気持ちと確かさは、それこそ
砂粒の様に、僕らの辿ったあらゆる時間と空間に偏在していた。強くてきれ
いなお城は誰もを一目で虜にするけれど、その美しさのわけを一粒一粒の砂
に説くことなんて、ほかの誰にも出来ない。決してそれ以上は崩れない一粒
を丁寧にちりばめてきたこと、互いに散りばめる姿を見守ってきたことが、
馬鹿で、口下手で、冗談ばかりの僕の気持ちを信じさせるんだと、彼女は言
っていた。そして、それを拾い集めてきたことが、この一年という時間の、
新しくて大きな価値だったのだろう……。
 僕が自然に、絢辻さんの頬に手を差し伸べようとしたとき、
「長かったなあ。この一年」
と、彼女は呟いた。
「え?」
 驚いて、僕は手を引っ込める。牽制かと思ったけれど、そうじゃなかった。
「すっごく、長かったのよ。ああ、一年ってこんなに時間があったんだって
思ってる。不思議よね」
 塞がって挙がらなかった僕の手の代わり、絢辻さんの方から僕の肘に、腕
を組む……なんていうほどじゃなかったけれど、掌をそっと絡めてきた。厚
い冬服の生地越しなのに、彼女の指から生まれるほっそりした力と水分は、
僕にひたりと吸い付くようだった。そこだけが溶けて、くっついてしまった
みたいに錯覚した。
「『目標』……が、あったじゃない?」
「え。うん」
 絢辻さんの口から聞くのは久しぶりな気のするその言葉に、僕は必要以上
にドキリとする。絢辻さんも、繋いだばかりの掌から僕の血流を感じ取って
クスリと笑った。
「先は長かったから。一年なんて、短期的な通過点くらいにしか考えてなか
ったのよ。誕生日とかが目印以上のものに見えていなかったのも、そのせい
でしょうね。十七年……物心がついてからだから十年ちょっとかしら。結構、
あっという間だった気がする」
 長いようだけど、実のところはね。と笑った絢辻さんを、僕は急に何を言
い出したんだろうと思った。これまでの一生分の時間を、短かったと彼女は
言った。そして僕が何をどう聞き出したものかと思案がまとまる前に、
「でも、この一年は違った。すっごく、長かった」
「それって、きっと……」
「ええ、そうね」
 絢辻さんの生活のペースは変わっていた。学校での仕事や頼まれごとは
「あんなこと」もあって多少数が減りこそしたものの変わらず忙しそうにし
ているし、「目標」に向けての勉強も、以前のような鬼気迫るものではない
けれどつつがない。そこに受験勉強も加わって、やることなすことは増えて
いるはずだった。それなのに、彼女をとりまく時間がふんわり、ゆっくり、
流れるようになっているのは外野手の僕から見てもわかるし、アルプススタ
ンドのクラス連中も感じているらしい。名前を呼ばれて振り返る、そのとき
に流れて落ちる長い髪の穂先の一本一本が、たくさんの空気をはらんで舞う
のが目に留まるくらいに。
 過去と、未来。はじまりの歪んだ歯車と、そのねじれをより強い力でねじ
り返すための「目標」の終端。
 思えば、一年前までの絢辻さんの「今」という時間は、その二つ……今の
自分を形作った端緒とそのおしまいの瞬間……の間を、ただ埋めるためだけ
に存在していたんじゃないだろうかと、僕は一年前の教室を振り返った。穏
やかな猫の笑顔に押し込められた、張り詰め、疲れた肌の色。そういえばこ
の一年、絢辻さんが不安定になる場面をほとんど見ていない気がする。
「ねえ、ここ。こんな隙間、あった?」
 カクン、と絢辻さんに肘を引かれて覗き込んだ、そこは路地とも呼べない
ような文字通り建物と建物の隙間で、商店街のわき腹にちょっとした影を象
っていた。
「うん、ずっとあったよ。小学生の頃かくれんぼとかで使った憶えがある。
両サイドのお店は何度か変わってるけどね」
 そのどちらも、何をやってる店かは知らないけど。
「そう。……そっか。そうね。うん、あったわ。ふうん。なんだか、良い雰
囲気ね」
 その、対向片側一車線の猫の抜け道は、一応人間も通り抜けられるように
はされていて、左右のお店が、かたやレンガ造り風、かたや旧日本家屋風だ
ものだから、まとまりに欠けこそすれ、落ち着いた良い雰囲気と言えなくも
なかった。
「そうそう、あったあった。広告集めに走り回ってたときに、何度か突っ切
った憶えがあるわ」
「それって創設祭のときの話?」
 そうよ。へえ、こんな道だったのねー。絢辻さんはうんうんと、自分の記
憶に言い聞かせるように頷いた。
「ははっ。忙しくて、そこまで気が回らなかったんだね」
「本当、もったいないことしたかも。あのアンティークまがいの街灯なんか、
雰囲気悪くないのに」
 絢辻さんのゆび差す先のレンガ壁からは蔦を模した支柱が飛び出していて、
その先には、大正時代のガス燈風の街灯がぶら下がっていた。丁度今の時間、
ぽうとあたりを山吹色に染めるその風合いとレンガ色の調和は、確かに絢辻
さん好みかも知れなかった。
「けど、あのお店の本物のランプに比べたら、さすがにちょっと貫禄不足か
な」
「そうかな?」
「そうよ」
 それは、一分にも満たなかったかもしれない。
 絢辻さんは僕の肘にとまったまま、その空間を眺めていた。僕の内肘に添
えられたゆび先は鍵盤に置くように細やかに力の加わりを変えて、僕は操ら
れるまま、寄り添ったり、少し離れたり、ゆらゆらとした時間があった。
 丹念に、思うともなく散りばめてきた砂の一粒。言ってみれば、業務連絡
ばかりだった日記に日ごとに違う花が咲く、今はそんな毎日だ。
 盗み見る、その横顔に思う。
 見落とし続けてきたちょっとした時間。未来のためではない、今の絢辻さ
んの、今だけの幸せ。そんなものが折り重なって出来ていく、他愛ない、思
いもかけない毎日が、未来を手繰り寄せるためだけに生きてきた絢辻さんの
変化の輪郭を作っているのだろうと、分かる。
 不意に、きゅっと肘が締まって腕にかかる重みが増した。さっきまでより
絢辻さんのつむじが近くにあり、指先ではなく掌、掌と言うよりは手首に近
い位置で、僕の腕をからめとっていた。大きな体温が近づいて、絢辻さんの
放つ香気は毒なのか花なのか、僕は少しずつ、目眩のような痺れに半身を浸
し始めていた。
「だからなのよ」
「え?」
「だ・か・ら」
 突然トン、トン、トンと言い切る語気は、低く重くて強かった。
「時間って言うものさしは、どうにもできないものね」
 斜め下から僕を睨み上げる目じりも鋭い。けれど、気配の甘さは変わらな
かった。責めながら甘えてくる特別な気配を感じとるのに精一杯で、絢辻さ
んの言っていることに、毒に刺された頭では考えがヒトツも追いつけずにい
た。
「ええと……」
「ケーキ。食べるの、辛かった?」
 唐突に。絢辻さんは僕を眺め上げる角度を変えた。僕がまた、おかしなと
ころに生クリームのお弁当をつけているのではないかと、冗談半分に探して
いる。
「うん、少し……」
「何よ、あれくらい。桜井さんのに比べたら微々たる物だったじゃない」
 絢辻さんはぐぐぐっと強く掴んだ腕と同じくらい、眉間にも力を入れた。
その面差しは店で『しょうがないなあ、梨穂子は』と、僕の定番ぜりふを盗
み出して呟いたときと似ていた。絢辻さんが「あーん」を強要したお店のバ
ースデーケーキと、参戦を余儀なくされた梨穂子のケーキの撤退戦。どちら
の戦線がより重く、より悲愴だったかと言われたら、それは絢辻さんのケー
キの方が、我が方にも勝ち目があったであります。
 そりゃあ、まあ……うん、と僕が濁し気味に頷くと、絢辻さんは僕を見上
げるのをやめて、その視線をゆっくりと、路地の少しくすんだ、けれども色
とりどりの商店街の石畳に戻した。掌の力がほんのわずかに、自信なさげに
緩んだ。
「そうでしょ。それなのに、って思っちゃったのよ。それだけ」
 僕の訊ねた、何を怒っていたのかという話の答え、ということだろうか。
でも、それって……。
「それだけ……って。つまり、妬きモ……痛っ」
「どうとでも言って頂戴」
 言葉とは裏腹に、絢辻さんの掌は僕の肘関節をごりごりと締め上げ、その
痛みで僕は言葉を遮られた。絢辻さんの骨と僕の骨が食い込み合って軋み合
い、
「い、痛たたたたたた、痛い、痛い! そ、そっか! でも、色々お腹に入
った後だったから……痛い!」
無言の攻撃はそこで止んだ。
 あ……絢辻さんも、可愛いなあ!!!! ……僕は調子に乗って、そんな
まなざしを絢辻さんに送ったのだけれど。
 絢辻さんは、重く
「そうよね」
と呟き、どうしたものかしらね、だなんて、誰にともなく肩を落としてため
息に混ぜた。さらりと落ちた長い黒髪が反すべき光を見失って、話のトーン
に似つかわしくない、深刻な色を前髪の奥におろしていた。
「そう。時間っていうものさしの上では、……あたしは、まだまだ新参者だ
から」
 『あたしは』? 僕ははっとして、その言葉の背中に、二人分の影が伸び
て落ちたのを知らぬ振りは出来なかった。それは、それこそこの世を覗いた
その日から、二日と置かず、半歩と隔てず、数字にならない時間と距離をと
もにしてきた腐れ縁と、気の置けない悪友のものだった。そこに散りばめて
きた砂の量。……さすがに、それを口に出すのは裏切り、不信に等しいと踏
んだんだろう……隠したそのもう一つのセンテンスを、絢辻さんはぐっと飲
み下し、察して頂戴、と上目遣いの切なげな微笑みで訴えてきた。僕は心臓
が破裂して、体の中に燃えるようなものが駆け巡ったのを感じた。
「待って絢辻さん、僕、そんなつもりじゃ……!」
「当たり前です」
 僕の滾りと動揺も、絢辻さんは冷たく冴えた言葉の刀で、冷や水をぶっか
けるようにぴしゃりと切り落とす。次の瞬間にはもう笑っていた。
「疑ってるわけじゃないし、もしそうだとしても許すつもりもない」
 そこで一旦言葉を切ると、また絢辻さんは視線を強く鋭くした。分かって
るわね? という重圧と愛情を僕に投げかけて、先を続ける。
「意味のない不安だっていうのは自分でも分かってる。それも含めて見てき
たつもりだもの。でも、今の関係の上にただ胡坐をかいてるのも性に合わな
いのよ」
 さっきとは違う、強い力が僕の肘をつかんだ。ふんわりと、頼りなく、そ
れなのにもっと必死で、懸命な感触だった。
「……だから、ただの妬き餅ってことにしておいて。そのうち、あたしも忘
れるわ」
 ……考えた。
 一瞬で、十八年分くらいは考えた。
「これも、『思案の外』の一部なのよ」
 絢辻さんが。わがままで、傲慢で、強気で、自信家で、賢くて、計画的な
絢辻さんが僕に向けた、謙虚で、しおらしくて、寄る辺なげで、悔しげで、
ばかみたいで、先が見えなくて頼りなさそうな瞳を、分厚い潤いの膜を張っ
て揺らがせ、本当はすぐにでも一つまばたきをして、こぼれそうになってい
る思いのようなものを押し込めたいくせに、意地を張って見開き僕を見つめ
ているのを見たら、……文字通り、時間のかかることだから今すぐその気持
ちにやわらかく蓋をして上げることが出来ないのは分かっていたけど、どう
したっていい、その痛みを少しでも和らげて上げたいと思っていた。
 不安は鈍痛で、根治しない。それは身をもって知っていた。いつまでもい
つまでも、ずくずくと、ここにいるぞと僕ら自身を地の底に縛り続ける。そ
れよりも強い安心でくるみ込んで、痛みの大きな波が通り過ぎるのを待つこ
としか出来ない。それでもやがて、安心は時間とともに摩り減って、いつし
かまた、剥き出しになった鈍い痛みは心を蝕み始める。そのたび、何度も、
何度も、新しい安心で包み直して上げるしかないんだ。
 特効薬……はないけれど、それに近い強い薬なら知っていた。この一年、
僕が何度も絢辻さんに処方してもらった、あの。
「絢辻さん、ちょっとこっち」
「え? あ、ちょっと」
 思い至るや矢も盾も、僕は絢辻さんの手を肘で捕まえたまま、その狭い路
地に体を滑り込ませた。絢辻さんも、自分で手を離せば逃れられるのに、引
かれるままについてくる。建物の壁と壁の間、二人向き合って立てばもうい
っぱいいっぱいだ。抱き寄せるまでもなく、僕と絢辻さんは、「それ」以外
することのない距離になった。絢辻さんはそうなる前から察していて、準備
していたため息をついた。
「何を考えてるのかしら?」
「ははっ……多分、ご想像の通りで……」
「もう……」
 右手に学生鞄、左手に紙袋。両手は塞がっていたけれど、もう一つ荷物を
抱え込むようにして僕は絢辻さんの細い腰に手を回す。絢辻さんも全然抵抗
しなかった。
 本当は、絢辻さんを安心させるにはこんなことだけじゃ不十分なのも分か
っていた。僕には言葉が決定的に足りない。足りないからこそ絢辻さんはそ
こを一番に欲している。だから、絢辻さんがそっと瞳を閉じようとしたとき、
僕は息の詰まった喉を、絞りあげた。
「え、えとっ……」
「え?」
「あ、愛してる……ます!」
「はあ!?」
 閉じかけた瞳が一気に開いて、絢辻さんの、肩が、背中が、一息に緩んだ。
ふわりと軽く、やわらかく。まるでぬいぐるみを抱くような感触が戻ってく
る。
「その、あ、絢辻さん、だけっ……!」
「ちょ、ちょっと……」
「絢辻さんだけを! だから……!」
「……」
「だからそん、む……!」
 伸び上がってきた絢辻さんの唇に言葉の出口を蓋をされ、勢いが良すぎて
唇越しに歯まで押し付けあって……僕は、せっかくの言葉を中断せざるを得
なかった。絢辻さんのふくらはぎは本当に迅く、強く、しなやかで、僕の唇
が言葉の途中でしかるべき形になるのを読み取って、鋭い伸縮でからだを押
し出してきたのだった。
 ほんのふた呼吸ほどの、短い口づけだった。絢辻さんは僕に預けていた体
重を自分からかかとにおろすと、一度小さく息を吐いた。二人して、少し間
の抜けた呼吸で気持ちを改め、微笑みあった。
「あ、絢辻さん……」
「わかったから。ね」
「……うん」
「本当に……ぶさいくなんだから」
「はは」
「ありがと」
「え?」
「……も、だから」
「え、ああ……うん」
 最後の言葉は聞き取りにくかったけど、なんとなく通じた。そこから先は
文字通り、言葉は要らなかったし、言葉ではうまく運ばなかったと思う。瞳
で自然に導きあい、迎えに行く僕と、絢辻さんはまたかかとを上げる。僕の
胸にぐっとかかる重みは多分体重だけじゃなくて、つま先で押し出した分が
結構あったんだろう。後ろがすぐ壁でなかったら押し倒されていたかもしれ
ない。……多分、それも計算づくだったんだろうけど。今度は、分厚く、唇
が重なる。すごく上等の果物みたいな……水と、不確かな、滑らかなのにざ
らついた粘り気。唇だけじゃない、厚い吐息の奔流と体温の渦。胸と、腕と、
おへその辺りに感じるたくさんの弾力と髪のくすぐり……そして口と鼻から
流れ込んで渾然となる匂いとたくさんの潤い。何かを考えようとあがく整然
とした流れがそれらにかき回されて一切形にならずに混沌とする中で、閉じ
た瞼のど真ん中に一つ、揺るぎ無いちいさな光の粒があるのを見つける。そ
れを引き寄せようとして、僕は必死になって舌で探った。絢辻さんにいつも
怒られる、考えなしだ、不器用だって。でもそれは絢辻さんだって同じだ。
力に力で対抗するように、ざらざらとなまめかしい感触を押し付けて僕の舌
を邪魔するから……多分絢辻さんも同じ気持ちで、探し物をしているだけな
のだろうけど……僕はそれをなだめようとして、絢辻さんを舌で撫でてあげ
る。いい子だから、大人しくしていてと。そうしているうちにいつの間にか
……その光るものは僕ら二人の、舌と唇の間に移動していて、まるで、二人
してその形を整えるように、巣作りのように。
 そこから先は……息と鼓動が続く限りだ。『痛み止めは、用量・用法を守
って正しくお使いください』。そんな、注意書き通りに出来れば、誰も苦労
はしないんだ。炉のように、ふいごのように。鼻と唇の端からはふはふと熱
い息が漏れ続けた。僕は両肘と腕を、間に挟み込んだ絢辻さんのからだの、
わき腹や背中と擦り合わせ、絢辻さんも僕に回した手と腕、それに押し付け
たからだ全体を摺り寄せて、けれどある一点だけは決して外さないように、
すこしずつ、からだ全部で、互いにそれとわからないよう小さくうごめいて
浅い愛撫を続けた。ぼんやりとした熱に包まれて体中が痺れていき、鈍い痛
みは僕の中から、多分、絢辻さんの中からも、少しずつ引いていった。
 もうそのときには、どっちの手に何を持っていたか分からなくなっていた
けれど、軽い方の手を滑らせて絢辻さんの長い髪にくぐらせ、手の甲、手首
で、そっと絢辻さんのうなじを何度か撫でた。絢辻さんもそれを受け入れる
ように、むしろ導くみたいにちいさく首の角度を変え、僕の掌にここを撫で
てと注文をつけてきたから僕はそれに従い……その度、からだをこわばらせ
たり、弛めたりする絢辻さんの息遣いに、おへその奥が熱くなるのを感じて
いた。


               ・
               ・
               ・


「……にしても、大きなケーキだったね」
 キスの余熱から解放されるのが、今日は珍しく僕の方が少しだけ早かった。
制服の背中を壁に凭せたまま、出て来た第一声はそれだった。絢辻さんはそ
の僕の胸にまだ少し寄っ掛かり気味で、ちいさく肩を上下させていたけれど、
トン、と瞬きの音がしたかと思うと、まあね、と痺れが抜けたのを確かめる
みたい、はっきりと言った。
「そうね。だって、二人分だったんだもの」
「そうなの? でも、絢辻さんに、って」
「途中で気付かなかった? あんな大きなの、『ふつうの』女の子一人が、
そのつもりもなしに食べ切れるわけないでしょう。はじめから織り込み済み
だったのよ、マスターは。あたしが小食なのだって、重々承知のはずよ」
 絢辻さんはやたらと「普通の」の部分を強調し、
「本当、食えないわよね」
と、店を出てすぐの言葉を繰り返した。……洒落たつもりはないと思います。
多分。あと、「そのつもり」っていうのは、梨穂子言うところの
『今日はケーキ食べるぞぉ~っ!! ……っていう、モードがあるんだよね
ー』
という気分のことだろう。そのモードを開くには、「アマイモノハベツバラ」
のおまじないが必要なのだそうだ。
 絢辻さんは、
「今日、あたしがあなたと店に来ることも、サプライズでケーキを出すこと
も。それを、あたしがあなたに分けて食べさせるのも。全部、マスターのシ
ナリオ通りよ、きっと」
癪にさわるったら、と、もうすっかりいつもの調子でまんざらでもなく、ま
くし立てた。
「そ、そうなのかな」
「間違いないわよ。ちょっとしたことに、色んな思いを添えてくるものよ」
 こんど、面白い小説と映画を貸してあげる、それを見て勉強してね--。
絢辻さんの言葉を頭の空洞に響かせながら、僕は考えてた。
 だとしたら。そのケーキを、絢辻さんが僕に食べさせてくれたことにも、
何か意味があったのだろうか。一つ一つ、不思議なタイミングで切り取った
お誕生日ケーキの、「絢辻さんの」お誕生日ケーキのピースを、僕の口に運
んでくれたことにもきっと、何か言葉に出来ない気持ちが隠されていた。そ
の一つ一つを甘く噛みしめようと思い、そして最後の一つを、たとえ一旦で
も拒んでしまったことは、熱の靄の抜け切らない頭でも、やっぱり少し申し
訳ないと感じた。
「絢辻さん」
「何?」
 僕は絢辻さんの細い腰をもう一度、肘と手首でぎゅっと抱き寄せる。あん、
と可愛らしい、悲鳴とも悦ともつかない声を上げて、絢辻さんはまたくにゃ
りと骨までやわらかくする。胸にトサリと落ちる暖かな重みと、女子の制服
の、やけに上等な肌触りが柔らかい。
 僕ももう、思いを隠さない、
「……何?」
僕の胸に耳を当て、目を合わせず。寝言のように繰り返す絢辻さんの髪に、
僕は鼻先をうずめた。ケーキより甘い匂いを、ゆっくり、深く、吸い込んで、
瞳の裏までしみこませた。その力を借りて一言、言葉にした。
「ごめん」
「……そうよ。以後、気をつけて頂戴ね?」




                             (続く)




 

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2010年5月 6日 (木)

■輝く時間 ~第4先輩さんと行く名古屋 -更新第489回-

オイサンGW日記、ラスト二日分。



■5月4日(火)・5月5日(水)



実家暮らしは昨日一日だけでおしまい。
こういう短いご実家日程は珍しいんですけどね。
このあと、このGW中最大のイベントが待っておるのです。

それは、Twitter上でお知り合いになったとある方とのデート!!
相手はもちろんオッサンです!!
オイサン好みの細面のイケメンだと良いなあ。

  まだオッサンと呼ぶのは忍びないか。
  オッサン予備軍です(あまり変わらない)。

その男の名は第4先輩さん(仮)。
オイサンと同じくのアマガミプレイヤーで、
七咲の<スキBAD>を、否、<スキBAD>の七咲を愛して止まないという、
どうやら心の背骨がすっかり歪んでおられるナイスガイ。
また、オイサンのことをご自分のブログで
「恐ろしく頭の切れる」と評して下さった、若干人を見る目に欠ける御仁です。

  イヤ、褒めていただくのはンギモヂイイイので
  もっと言っても良いのよ?
  でも「恐ろしく頭の切れる人」は、
  新幹線の乗車券が新横まであるのに名古屋で降りるときに回収しそびれて
  もう一回買う羽目になったりしないと思います。
  思わぬ出費だよう。また絢辻さんに怒られる……。

彼の運営するSSブログはこちら。

  ▼アマガミSSなどを捨てて置く場所
  http://fromd4to7saki.blog91.fc2.com/



■とかなんとか、オイサンがモタモタしているうちに



先方ではもうそのログ記事をアップして下さっているので
もういいかなーと思ったのですが、勿体無いので書いてしまいます。
しかも随分オイサンのスタンスをプラスに捉えて下さっているので
この先、書きたいことを書きにくくなったらイヤだなあとか思いつつ、
でも思ったことをそのままつらつらいっちゃうよ!

  ……あのねえ、上で「デート」って書きまして、
  彼のブログでも我々の邂逅を「デート」と書いてオトしていますけど、
  別段オイサン、パクったわけじゃありません。
  これは絢辻さんに誓って。
  この記事の半分くらいは上がった状態で、彼のレポートを読んだんです。
  本当にねえ、彼とは通ずる部分が多い。
  歩いてきた道は結構違うのに、不思議です。



■名古屋という町



落ち合う場所は名古屋。

R0025181

オイサン新横浜まで帰るところを名古屋で途中下車し、
昼から第4先輩さんとお会いします。
ドキドキします。
つっても実際お会いする直前まで、Twitterでやり取りするのですが。

お話の目論見としては……
先方も、オイサンと同じ『アマガミ』のSSを……
……「同じ」というと毛色や形式が相当異なりますから語弊はあるかも知れませんが……
お書きになるので、色々と、
『アマガミ』本編やその解釈についてはモチロン、
アニメ化、周辺の商品展開についてや、SSの書き方についてなど
深い話を出来れば良いなあという感じ。

サテその前に、名古屋。
以前から何か機会があれば一度途中下車してみたいと思っていた町でしたが。

▼思いのほか、町が近代的で立派。
なんかもっとちゃちい、ざらっとした地方都市を思い浮かべていた。
正直スマンかった。立派です。

▼暑い。
二日とも好天ということもあったけれど、それを差っぴいても暑くて蒸す。
きついわ。

▼女の子が程よくおしゃれで可愛い。
都心の女子の皆さんはなんだかもう着ている物もご立派でお化粧も上手で、
オイサンなんかはその隣に立つだけでも気後れしてしまいそうになりますが、
その辺、名古屋のお嬢さん方は、張り切りすぎず、野暮にも落ちず、
良い生活感を残したままこじゃれた格好をなさっていて
なんだかオイサン的には好感度高かったです。
素直に「ああ可愛いな、おめかしをしてほほえましいな」と思える。
別にオイサンに褒められても何にも出ませんが。

▼道が広い。
都心やオイサンの住む都心外縁部に比べても道が広い。
北海道にも負けないか、それ以上だ。
あと、そのせいか、信号が点滅し始めてから赤に変わるまでの時間が長い。
……だからかなー。
人がそんなにせかせかしていない気がしますね。
そういう些細なこと一つで、県民性とか風潮とかは変わってしまうんでしょうね。
人間て、ツマラナイこと一つで制御・調整できてしまうんだな。
怖いなー。

裏路地に入っても道は広い。
東京の住宅街の路地に比べて倍以上ある印象。
うん。
ここなら、子供を育てても良いなあ、と思える。
そしてそれだけ道が広いのに、歩いている人の数はそう多くない。
人ごみギライのオイサンにはなかなか魅力的な町だな。
暑いけど。



■第4先輩さんと落ち合う



名古屋駅に併設している高島屋の一階、エスカレーターホールで待ち合わせる。
なるほど待ち合わせのメッカらしく、
巡礼者が布切れを敷いて多数土下座してらっしゃいます。

さてなかなか広いこの空間、どの辺におったらエエかいなと思案に暮れたそんなとき、
Twitterにご本人からのメッセージが。

  「赤いネクタイにスニーカー、
   そして何故か『アマガミ』の攻略本を持っているのが私だ」


おk、急速に会いたくなくなってきたぞ。
ひつまぶし食って帰るか。
しかしそういうワケにも参らず、とりあえずそれに合致する一見犯罪者を求めて、
周囲を検索してみることに。

あ、おられました。
……えーと、110番って何番だっけ?( ← 恐ろしく頭が切れる)

マそれは冗談として。

ちなみに、どうせご本人もここを読んで下さっているのでしょうから
もう包み隠さずガッツリいきます。
お会いする前はもう少しイメージが「クールな皮肉屋」方向に寄っていましたが、
なんというか、もっとウェットな、情の部分を表に滲ませる方で安心しました。
思っていたよりずっと熱がある。
それが良いことなのかどうかは彼自身の判断にゆだねますけれども、
オイサンはそう感じて、話しやすく受けやすく、とても安心できました。

ただ、これまでWeb上での彼の言葉を言葉のままに素直に受け取っていたけれど
それはちょっと誤りだったなと思い直した。
一つ一つの言葉にこめられた熱や密度を3倍増しで読み直す必要がある。

彼がWebに放流する言葉の数々、一つ一つの単語に抱かせた意味は、
彼が本来届けようとしている熱意や薄暗さを運びきれていないと、
実際に話してみて思った。
もっと熱く、深く、暑苦しく、湿気をはらんでいる。

言葉一つ一つの意味が、文字面から読み取れる以上にもっと陰険で、
その陰険さを隠さないから憎めないしすがすがしい。
そのくせ、良い意味で重みが半分くらいになる。
軽やかといえばいいのか。

なんだろう……Web上の、言葉に姿を借りた彼は、すごくスッキリしている。
し過ぎている。
リアルがもっさりしているというわけではなくて、
もっと言葉に情念の炎が滲んでも良いと思う。

  そうだな、陰険、という言葉はすごくしっくり来る。
  あまり良いイメージのある言葉ではないのでご本人的にはイヤかもしれないが、
  これは良い意味だと無理やりでも捉えてもらえたらありがたい。

  「その言葉が本来持つ辞書的な意味以上に、暗い意味を沢山抱え込ませることに成功している」
  ということだから……

  一つの言葉が光と影の要素を併せ持つとして、
  フツーの人々がそれを「光:影=5:5」か、光の割合に多く比重を置いて用いるのに対して、
  彼は多くの言葉を、Web上では「光:影=3:7」くらいで
  常に運用しているようにオイサンには見えていたけれど、
  実はそれを本当は2:8か1:9、なんならもっと、という気持ちでいるように、
  実際に会ってみて感じました。

Web上でのその感情と理念の抑制が、意図的なものなのか無意識の物なのか、
恐らくは半々なのだろうけども、
ノイズではないけれど、分厚い板コンニャク一枚分くらいのクッションを介している。
意識してそうしているのかもしれないけれど、
こうして直に会ったらそれが変わってしまうのであれば、
あまり意味のある行為だとも、オイサンには思えない。

むしろその比重の置き方は逆でもいい
(伝わりにくいはずのWeb上でこそ暗さを強調してもいい)のではないかと思うし、
殊に、もしそれがSSにも及んでいるのであれば、それは勿体のない話だと思う。
ただ単純に、対面することによって
体温や匂いで伝わってきてしまうだけかもしれないが。


……まオイサンに、そんなコトが出来ているのかと言われたらわかんないので
自分のことは棚の上なんですけども。
……そうだな。
今度、彼に訊いてみよう。
「オイサンの書き言葉の実態は、実体のオイサンが放つ言葉との齟齬なく、
 あなたにキチンと届いていたですか?」 と。



■お話の概観



結局13時30分に落ち合い、
その日はテッペン越えた24時30分まで11時間トーク。
しかしそれでは互いに憤懣収まらずやる方もなく、
最終決着は日を改めた翌5日(つまり今日)にもちこされ、
その日も朝の9時30分からお別れする13時30分まで4時間、
計15時間と言う、
……今こうして改めて時間を集計してみると、
「あれ、2010年の俺のGW……これで良かったのかな?」
と、ツイ冷静になってしまうことチェケラッチョ。

ていうか、ゴールデンでも何でもなくね?
輝いてないよね。
鉛色だよね。
マいいけど。
お話の内容は大体予定の通り。

 ・『アマガミ』ゲーム本編について
   プレイ遍歴、各ヒロイン・各ルートの解釈
   主に七咲のスキBAD、絢辻さんのスキ各ルートについて。
 ・ゲーム周辺関連商品の話
   ドラマCD、キャラソンCD、アンソロ・連載コミックなど関連商品の
   これまでのクオリティ、今後の展開
 ・互いのSSについて
   どのようなスタンスで、どのような意義を自ら意識して書いているものか?
   互いの知る、他のSS書きの方々に関するアレやコレやの井戸端会議
 ・自分たち以外に、WebやTwitter上で知り合った人たちの話
 ・アニメ化!
   オムニバス……その在り様
   放映ヒロイン順序・各シナリオがどのようなものになっていくだろうか?

ていうか、
互いの身の上話なんかはありましたが
(て言うか相手に話してもらってばかりでオイサンあんまり
 自分の身の上は話さなかった気がするな。正直スマンかった)
他に話すこともないですしな。



■話の展開の仕方



正直、オイサンは自分からはあまり自説や考えを披露することもなしに、
第4先輩さんの話を聞いてばかりいてしまったような気がする。

彼の話は熱くて速い。
オイサンはゆっくり野郎なので、それをリアルタイムで追従するのは中々に大変。
語りたいことをたくさん持っているというのは、
普段からたくさんのことを考えてるってことなんだなあと
改めて感心した次第。

  ……オイサンが何か話題を提供する側だったら、
  多分あっという間に今回の会も終わってしまってただろうと思うと
  ちょっと怖いな。

彼が雄弁に語る、
時にあまりに生々しく具体的で
ある一点に向けて収縮し続ける七咲を媒介とした内観的『アマガミ』論と、
時にメタでメタでもうメッタメタな無限に広がり続けるような、
絢辻さんをアテンダントとした拡大的『アマガミ』解釈論とのギャップの狭間で
頭の回転がついていかずに右往左往しながら、
自分の言葉で再解釈可能な部分を見つけては小さな杭をうちこみ、
それらを手がかりに点を線に結んでいって
どうにかその話の像を結んで理解する、という作業に終始してしまって
申し訳なかったなあと思います。

また、
なかなか共感や理解にまでたどり着けない場面も幾つかあって、
どうにか理解につなげようとしたのですが、
その過程では彼に不愉快な思いをさせてしまったかもしれません。

  彼がオイサンを「要約能力が高い」と評して下さったのは、
  オイサンが自分の理解補助用に、自分の速度でところどころに
  「ここまでこんな感じね?」
  と、自分用の杭を打っていたからだろうと思います。
  でもそういう、「勝手に相手の言葉でまとめられてしまう」のって
  話し手からすると結構ストレスだったりするので、
  ……う~ん。
  悪いことしたかなあと。

彼の考えに対する意見をいくつかお返しは出来たとは思っていますが、
中々こう、彼にとって新しく、聞いて面白い話をいくつ出来たかなあと思うと……
あまりお役には立てなかったんではないか。
それはとても申し訳ないことで、
もっと自分からもお出しできる話を用意しておくべきだった。
準備不足。
反省しきり。
相手が手練なのはわかっていたのだから。



■毒と薬とGOODとBAD



そんなどとーのような時間の中で、話全体のトーンとして常にあったのは、
『アマガミ』を「どっぷりと」楽しんでいる層には、
心に何か重いものを背負い込んでいて、それを媒介としてゲームを楽しんだり、
その傷のようなものを癒そうとしたり、癒されようとして逆にやられたり、
物語のトレースと傷口の再確認並行してやっている人が、
……多い……ワケでも決してないのだけれど、
そういう層の声が大きいという実感で、若干物騒な気分にさせられました。

例えば橘さんその人の存在であったり、
ヒロインの誰かのルートのEDであったりに自分の時間を投影して、
治療したり、より闇を深くしたりというお薬的な用法が、
プレイヤー自らによってなされている。

  いや、まあ、「物語に感動」なんていうのは
  キホン受け手が勝手にするものなんだけども。

特に<スキGOOD/BAD>という、
普通は用意されないはずの結末が「用意されていることそのもの」を、
結末の内容それ自体よりも、深く、重く、
何がしかのメッセージとして受け止めようとする向きが強い、ということに、
彼との会話の中で気付かされました。

生真面目というか、妄想性能が高いというか。

  この辺に関しては、オイサンが絢辻さんの物語の
  穴の部分に強く呼び込まれたのも同じような話。

オイサンなんかは、「<スキGOOD/BAD>の存在」については、
実装にいたる最初の着想は多分「作り手の欲と悪フザケ」の部類だと思っていて、
そこに物語を載せる段になって初めて、
「このシステムが存在する以上は、
 何かテーマのようなものをシステムの存在意義として乗せよう」
という流れになっていったのではないか、
これを利用してヒロインの見えざるパーソナリティや、
恋をする・人と関わりあうということの破壊力の大きさを
より深く表現できるということに気付いたのではないか?
と思っています。

そこに流れる心の痛みというのは、
例えばSLGである『ときメモ2』のエンディングで、
主人公と結ばれなかったヒロインたちのその後の進路が淡々と表示される、
あの「ありえたはずの未来の告別式」のような空気をよりクローズアップしたものであって、
それ以上の計算が組み込まれているものだとは感じていません。

『アマガミ』は根幹はADVでありながらSLGであろうとするゲームなので、
SLGが、プレイヤーのあらゆる行動に対してあらゆる反応(=結末)を用意するように、
プレイヤーのあらゆる選択に対してあらゆるADV的物語の結末を見せようとした結果、
力ワザで生まれたものがあの<スキGOOD/BAD>なのであって
(しかしそれでも本当に無限になられるとどうしようもなくなるので、
それを回避する意味でのスキ諦めなどがロックとして実装されている)、
結果として確かにテーマ的なものを孕んではいるけれども、
あくまでも作り手の望んだ量的拡大の副産物なのだろうなあ、
と、オイサンはワリとドライに捉えてしまっています。

ただオイサンはこのことをあまり強くは言えません。
何故なら『キミキス』の段階において、
高山箕犀という人間のパーソナリティに深く触れられていないからです。
「あの男なら、そこまで企んで仕込んだに違いない!」とか、
「あの人はそういう色の仕込みをやる人じゃないよ」とか、
実感を持って語れるほど、高山さんという人を知らない。
この話の根っこにあるのは、
「作り手がそういう色の仕込をするかどうかを受け手が読みきれるか」
という点にかかってくるので……
高山氏と付き合いのさほど長くも深くもないオイサンは、
強くはいえないなあと感じている次第です。
だから上で書いたようなことは、どこまでいってもオイサンの所感。

ただ、上崎さんシナリオというあまりにも強い陰の存在によって、
『アマガミ』は陰のゲームであるという印象が強く、そのことが
「<スキGOOD/BAD>に何かメタな意味がこめられている(に違いない)」
という言説に説得力を与えて加速させているようにも思います。

マこれら二つの要因が、一つのゲーム上に同時に実装されてしまったことを、
意図的と見るのか偶然と見るのかによってもまた評価は変わってくるのでしょうけど
(そしてもちろん、作り手だってこれらが同じ俎上に上っていることに気付いて
「……オイ、なんかこのゲーム暗すぎね?」くらいのことは言うんでしょうけど)、
オイサンはこの二つが独立的に組み込まれていることから、
それは偶然……とまでは言わないものの、
<スキGOOD/BAD>がメタ的に大きな使命を帯びさせることを意図しているとは、やはり思いません。



ただ、誤解しないで戴きたい。
やっぱり<スキGOOD/BAD>が存在することや、
『アマガミ』全体を暗いトーンが覆っていることに、
何か作り手の意図を読み込むことは、
何よりも面白いですし、受け手として大きな意義があると思います。

  それが下らないだとか意味がないとか、
  そんなことは絶対にない。

どんどんやればいいし、オイサンも実感を持って参加できたらいいなあと思います。
受け手が感動し、自分や他者に働きかけ、
そこに昨日と違う何かが生まれることにくらべたら、
「本当はどっちか?」
なんていう議論は瑣末な問題だとオイサンは思います。

<スキGOOD/BAD>が『アマガミ』の話題の中心だというつもりもないけれど、
一つ、とびきり大きな熱の核であることにも間違いはない。
すごい発想、すごいシステム、すごい実装だと思います。
<スキGOOD/BAD>。


……と、ちょっといい話までしたあとでなんなんですけど。
そこに一つの結論を出す材料として、
アニメ『アマガミSS』があるとも思っていて。
あの中で<スキGOOD/BAD>がチラリとでも取り沙汰されるかどうかが、
一つの試金石だと、思うのですよね。
本編の中で大きな使命を帯びたものを、無視し続けることが出来るのか?
無視してもいいものなのか?
じゃあなんであるんだ?
そんなものないんじゃないのか?

……そんな意味で。



■……。



えーと、なんだっけ。
そうそう、第4先輩さんと話をしていて、<スキGOOD/BAD>の存在の、
皆さんの中での大きさをすごく実感を持って感じることが出来たということですよ。

別段そういう、トラウマ的な要素が特にないオイサンが
何故ここまでこのゲームに入れ込んでいるのかが自分でちょっと不思議なくらい。
オイサンの場合は単純に、物語の美しさにやられたからなんだけど。

オイサンの中に、あらゆるルートの絢辻さんが棲むように、
第4先輩さんの中には、深く<スキBAD>の七咲が巣食っている。
オイサンたちは、『アマガミ』の牙にやられて、
同じ毒を受けたんだろうなあとしみじみ感じる、名駅地下改札の夜ですよ。

楽しかったなあ。

オイサンは中学の頃から、塾帰りとかに、
自販機の前とか、近所のマンションの駐車場とか、
友人と二人、話し込んだりしたものです。
大人になると友人たちもそういう場所で話をすることを嫌い、
飲み屋だのバーだのへしけこむ様になりましたが、
今回、初日の話のシメは一時間弱、駅の改札前で立ちんぼのまま話し込みました。
しかも相当に濃い部分をw
これは多分……忘れられない思い出になるんじゃないかな、と思います。
34歳、中二の思い出。



■Closing



とまあ、そんなことでね。
『アマガミ』の作品分析という意味でも、
一人のプレイヤー同士として、
どういう人間がどういう思いでプレイしているのかという存在の確認という意味でも。
SS書きとしての刺激という意味でも……大きな意義のある出会いでした。

逆にその、自分以外のプレイヤーに出会うことで、
「『アマガミ』が一つの現実である」という感覚だったのが、
「広大な現実の一部である」という風に感じ方が変わってしまって
『アマガミ』が少し色の鮮やかさを失ってしまう錯覚にとらわれたりもしました。
果たしてそれが錯覚だったのか、事実だったのかは……
この先、また幾人かのプレイヤーと交わることで分かっていくことだと思います。


それでは最後に。
ところどころで飛び出したオモシロ発言を、
脈絡・時系列、一切無視してご紹介しながらお別れです。
深く突っ込んじゃ、色々ダメだ!


「中多さんは<ナカヨシ>展開でいいんじゃないか?」

誘蛾灯のようだな」

「俺はねえ、昔っからドンマッコウは信用してないんだよ!!

「松岡由貴さんはいいね」「いい」「うん。いい人」「いい」

「斬新だー!!」

「伊藤静と寺島拓篤ではどうだろう「いいねえ」

浣腸しか憶えてねえや」

「小清水だけ!」「それは、いいともでの一件と何か関係が?」

「何故そこまで、香苗さんに執着するのか分からない」「きっと何かあるんだろう」

「使命感」「父が死んだ家の、長男のような」

「名塚さんは」「リア充爆発しろ!!

「一昔前の、彩京シューティングのボスみたいな馬鹿馬鹿しさが」

「ほんっとに、DJKイヤなんだな」

「『アマガミ』は購入するところから、既にゲームなんですよ」

「……そういう画なんだったら、薫は敢えて<スキBAD>でも成立するんじゃない?」

「あの二人は真面目だよねー」「ちょっと真面目すぎる」

「エロではなくて、セックス」

「あの人、はじめの頃に比べて明らかにテンションが上がって来てる」「ん。高い」
「そして、いる時間が長くなってる」「長い」「大丈夫だろうか?」
「分からん」

「なんで栗山千秋が一致しちゃったの?!」

「なんだここは」「軽くゼーレだよね」「彼をEVAに乗せたい




以上、オイサンでした!
次は、君のまちに行くかもしれない!!



 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年5月 4日 (火)

■恋と実家と絢辻さんと。 -更新第488回-

母親にウッカリ、
「いやいやアンタ、そんなおぼこ娘じゃあんめえに」
と言ってしまい、食卓に気まずさ流れる月曜日。

オイサンです。

GW帰省中。
やはり実家はイイ。
……ずっといたいかと言われたらそんなこともなく、
こうして時折戻ってくるからその良さがあり、わかるのだろうけど。


  ……とても不思議な感覚に襲われることがある。


実家に帰り、一番最初に、元自分の暮らしていた、二階の和室に踏み入る時。
何か小さなきっかけを見つけるたびに、熱病のように恋をしていた……
否、
恋を夢見ていた頃の、ふわっとした昂ぶりが胸に一瞬だけ兆すんだ。
先日記事にした恋の予感、好意の素振りの状態に近い。

あれはなんでなんだろうなあ。
どうして自分の部屋に入るだけで、あんな気持ちになるんだろう?

何かが起こり、何でも出来るに違いない、
たくさんのネタを拾って、どんな文章にも出来る、という
恋めいた小さな高揚感が、一瞬で全身にみなぎって、
脱脂綿にしみこませたアルコールみたいに、皮膚の表面からすうっと揮発していく感じ。
不っ思議。



■5月2日(日) WINSの憂鬱



関西の実家へと移動し、なんばパークス内のWINSで高校時代の友人どもと落ち合う。
新幹線は不思議なくらい空いていた。
慌てて券とったのが馬鹿馬鹿しいくらいに。

 ▼お出かけ前のおめかし

そうそう、家を出る直前に、注文していたカメラケースが届いた。
これでようやく、愛しのGX200たんがハダカでなくなる。

  R0024965

  ■デジタルカメラケース通販ストラップ販売「ULYSSES」
    http://ulysses.jp/

今思えば、本当は縦に収納出来るケースが良かったはずなんだけどねw
忘れてたわ。
でもこれはこれで、デザインやら風合いやらはとても好きなので満足。
出発前に届いて良かった。

 ▼なんばパークス・WINSにて

高校時代のばかども3人と。
競馬大好きな3連中。……本当に大好きなのは二人だけかな。
もう20年以上も、毎週日曜にはずっとここに通い続けている連中だ。
すげえな。
オイサンは馬券を買ったりはしない。

  ちょっとの間だけ、付き合いで買ってみたり、
  ビギナーズラックで当てたりしたこともあったけど、
  やっぱギャンブルは性に合わない。

別段特別な話をするでもなく、
ココイチでカレーを食べて(これもオイサンが帰ってきたときの定番イベントw)、
近くのコーヒースタンドでお茶飲んで帰る。

……これと言って何をするわけでもないんだけど、
やっぱり彼らの変わらなさと言うのは落ち着く。安心する。
と同時に、WINSの風景の変わらなさというのは、とても不安を呼び起こされる。

年に一度・二度しか訪れないオイサンが見渡すだけでも、
前回もそこにいたに違いない顔ぶれが、毎回そこにいるんだもの。
変わらない風貌で。
ちょっとだけやつれたり、みすぼらしくなったりはしてるけど、変化なんてその程度。

  ねるねるねるねのCMに出てきた魔女みたいな、だらっだらソバージュのオバサン、
  ちょっといいスーツを着たオッサン。
  ポロシャツに、ハゲ散らかした頭の、オッサン。
  床に座り込んでいる、子連れの家族。
  その子供も競馬新聞床に広げて予想している。お絵描きの延長みたいだ。

なんにも変らない。
この人たちは、日々何を思って生きてるんだろう?
進む時間を不安に思ったりしないんだろうか?
……思わないわけ、無いと思うんだけどなあ。
それとも、オイサンに見えないだけで、こんな時間でも、緩やかに螺旋を描いているのだろうか?
その場に所狭しと立ち並ぶ、モニターを見上げ、歯並びの悪い口から大声を張り上げる、
黒く痩せた彼らの薬指に指輪は無い。

働いて手にした日々の糧を、毎週ここで発散する、
それはただの娯楽なのかなあ。

三人の友人たちは、日々マトモに働き、
こういう場所以外での生活もあることをオイサンは知っているから
彼らの行く末に不安は感じないのだけど。
他の人々にも、やっぱりそういう日々があるのだろうけど。



……絢辻さんをここへ連れて来たら、彼らを見て、一体、どんな顔をするだろう。



彼らには、彼らの人生。それでいいじゃない。
ちょっとだけ眉をしかめた後で、一つ息をついて。
そんな風に、すました顔でおしまいにするんだろうなあ。


昨年の夏、やっぱりここに訪れたときと、
オイサンの螺旋は、円で無く、ちゃんと螺旋を描いただろうか。

  ▼オマケ

移動の車中、Twitterの議論の上で自ら呟いた、
SSを書くときのスタンスについての言葉をここに残しておこうと思う。
なんだか大事なことのような気がするから。

SSを書くとき、生活感のディティールを出そうとしても、
絢辻さんの場合バックグラウンドがはっきりしないのでなかなかそうはいかない、
という話に関連して。

 ▼posted at 14:34:28
  誰もいないのを承知で。
  公式がどうとかはどうでもよくて、オイサンはただ、
  絢辻さんという一つの姿をした女の子が確かにこの世のどこかにいて、
  その子の唯一本当の姿に反した物語を、エゴを押し通してまでは書きたくないと思っているっぽい。


 ▼posted at 14:34:46
  オイサンがSSを書くのは、
  その「本物の絢辻さん」に幸せになって欲しいから、ということと、
  「あなたが一番わたしのことをよく理解してくれてるわ」って言って貰いたいからだ。

   



■5月3日(月) 公園とティーカップ



この日は特に予定もなし。

両親と昼食にソバを食べに行き、そのあと一緒に近場のでかい公園を散歩して、
モールの中の輸入洋食器屋さんを冷やかして、
川沿いに新しく出来たという喫茶店でお茶を飲んで帰る。

あとは……マ近所をジョギングでもするかな、という程度。

 ▼そば屋 蕎麦人

R0024927 R0024974 R0024978

   
両親はぶっかけおろしそば。
オイサンはつけ汁鶏そば。あと炊き込みご飯。
そばが二種類。
そばがらを付けたまま引いた玄そばと、取って引いた丸抜きそば。

オイサンはなんだか荒々しい感じが気に入って玄そばにしたのだけども、
母の頼んだ丸抜きそばを一口もらってみて後悔。
圧倒的に、丸抜きそばの方が味が好みだ。
香りがしっかりしている。

……食べすぎだ。ちょっと気持ち悪い。

R0024945

両親がトイレに行っている間に、店を出てすぐのところにある陸橋と、
そこに上がる階段が気になって撮ってみる。

R0024990 R0024998

  そこをのぼりながら、何かを話す絢辻さん。
  陸橋を渡り、欄干から町を見下ろして、何かを思う絢辻さん。

なんでだろうな。
実家にいるというだけで、あの頃のあられもない発想力や妄想力が、
ものすごいチカラでドライブをかけて押し寄せてくる。
なんでもないことを拾い集める力が格段に上がるのが分かる。

地元には、一体何があるんだろう。
……帰ってこようかなあ。

 ▼ナントカ記念公園

そば屋から車でちょっと走った先にある、ナントカ記念公園。
ちょっと遠近感の狂う感じの広さ。

R0025007

ご家族連れで一杯。
キャッチボール、フリスビー、バドミントン、一輪車。
お弁当を広げ、木陰で本を読み、水辺で、遊具で、はしゃいでいる。

そこに参加しない、オイサンら一家は部外者だ。
第三者、傍観者、観察者。
ここに参加するのは……正直、難易度が高いなあと思う。
たとえ自分が結婚して、子供が出来ても。
素直にこの場に、お弁当持って遊びに来られるかと言われると……
オイサンの築く家庭のパーソナリティには、その文脈はないように思う。

R0025014 R0025029

この風景をバカにするつもりは無いし、決して嫌いでもないけれど。
オイサンと絢辻さんは、娘の手を引いてここへきて。
……二人して、気後れして。
なんとなく途方に暮れる気がするんだよねえw
なんでだw

R0025046_2 

 ▼Royal Doulton

以前オイサンが行きつけのコーヒー屋で、
Royal Doultonのカップをいたく気に入って実家に写真を送ったのを
そういうのが好きな母は憶えていて、
「ちかくのモールの中にある輸入食器屋に同じものがあるから見に行こう」
と言うので、大賛成で行くことに。

  そういうの好きじゃない父はノケモノだw
  スマン父よ。
  運転手はあなたなのになw

デ結局、行ったはいいケド同じものは無かった。
代わりに、もう一軒オイサンの行きつけているコーヒー屋
(たまにこのページでも出てくるトロワアンジュさんだ)でいつも出されるのと
同じカップがあった。
何かシンプル過ぎてオイサンの琴線には触れていなかったけど、
結構良いものだったんだな。

何年か前、オイサンは、Herendのティーカップに一目ぼれをして、
いつかそれを買いたいなあと思っているのだけども、
デそれはちょっと思いきれば全然買える値段なんだけど。

  マ身の丈で無いというか、
  買っても使えないし、ロクに飾る場所も無いので手を出していないんだけどね。

それと同じカップがあったので、お店の人に断って写真を撮らせてもらう。
あんまり上手に映ってないけれど。

R0025053

……ああ、そうだよなあ。
絢辻さんと来るなら、やっぱりこういう場所だよなあ、と
オイサン的我が家の風景を、この空気の中にしっとりと一人勝手になじませるオイサンなのでした。
娘が大人しくしてくれるかは、わからないけど。
やっぱり子供が出来たら公園なんだろうな。
その頃には、絢辻さんもそういう風に言い出しそうだ。

一つ、SSに出来そうなネタを拾った。
キーワードは『王様気分』

 ▼シメは喫茶店

シメは喫茶店でアップルパイだなんて、
オイサンは本当に働き盛りのオッサンとしての才能に欠けるな。
川沿いに新しく出来た喫茶店にて。

しかしここでも、母が注文したシナモンロールケーキが圧倒的な存在感を誇る。
シナモンがあっさりスパイシーなのに、
甘味はガツンとあって本当にいくらでも食べられそうな美味しさ。
うぬぬ。
何故だ、何故奴を上回れぬ。
年を経ても、そういうものを嗅ぎ分ける彼女の乙女エンジンは衰えを知らないと言うのか。
オイサンのハートだって、十分乙女なのだが。

いや、オイサンのアップルパイも、全然悪くない……どころか、
すっげええ美味しい部類のアップルパイだったんですけどね。

R0025088

お写真は、窓辺で思索するアップルパイさん。
あー幸せ。
ね、幸せだね。絢辻さん。



マ、そんなことで。



一日、ただただそばにいて、
話しかけ、話をきくという安上がりな親孝行に徹した一日。
うち一割は絢辻さんのことを考えながら、書き物のネタを探すという、
趣味と実益を兼ねた簡単なお仕事です。


最後に写真。


R0025137


今年のホワイトデーに母に贈った、
資生堂パーラーのビスキュイの空き缶。

  ああそうだよ。
  未だに親からチョコレートが送られてくるんだよ、ウチは。
  別に良いだろ。

……で、この青色。
正直、外観に一目ぼれして、あとお値段的にも高すぎず安すぎずだったので、
これをお返しに贈ったのだが。
なんかねー。
この青色の、澄ましこんだ感じと、切れ味の鋭い美しさと、もの悲しさと強さ弱さのバランスが、
すごく絢辻さん的だと思ったんだよなあ。
今見てもそう思う。


……キレイだよなあ。
なんだか……。
うん。
ねえ、絢辻さん。
死んだら、二人でこういう棺に入りたいねえ。


……なーんてことは、親にはまあ、言えんわな。
オイサンでした。



R0025140_2 R0025145_2 R0025151 R0025152 R0025146
最後、なんか変な空気になったので、昨日の晩メシ5連発で露払い。
左から、鯛と牛蒡の煮付け、わかめと筍の吸い物、サツマイモと切り昆布の煮物、焼き茄子、ラピュタ。
だからさあ母よ。量多すぎるっつってんじゃん。



| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年5月 3日 (月)

■『アマガミ』~ユメの心臓 -更新第487回-

今更ながらに思うけど、『アマガミ』はちょっと得して損してるなあ、と
ワケの分からないことを書いてみる。

なんかというと、

  1)「ひと目ではそれと分からない、しっかりした物語作品である」

という「本質」部分と、

  2)「ひと目で分かるライトエロゲー」

という「チラシ」の部分が同居することの話だわ。


  ■


結局、1)だけくそ真面目に拵えたって、
プレイした人間で且つそこに用意された溝に片足なり両足なり、
何なら体ごと、ゾゴッ
(視界の悪い雨の日に一車線くらいの道を歩いてたら正面から車が来て、
 側溝があることに気付かないで脇に寄ったらに見事にはまり、
 コンクリの角で足首の側面を思い切りすりむいた感じの擬音)
とハマった中~少数の人間にしか届かず、
鳴かず飛ばず、とはいわないまでも、
「大きな展開をやらかすにはちょっと稼ぎが足らんな」
と偉い人に言われるくらいにしかならなかったし、
そうとしかならんだろうな、と高山さんや坂本Pは分かっていたんでしょう。

そこで自らの中の広告塔として 2) を設けて、
先ずはその最初の網をがーっと広げ
(ついでに今をときめくカオスジェネレータあすみんと、
 彼女のパフォーマンスを最大限に高めつつ真のカオスにまでは破綻はさせない
 シンタスと組ませてWebラジオを展開して)、
フルイにかける前の母数の最大化を、まずは図ったんでしょうなあ、と。


  ■


この時点で、この世の中の人間が四種類に分類出来て、

  a) 物語ゲームとしての『アマガミ』を、最大限に楽しんだ人間
  b) 本編を手に取りはするものの、やっぱりライトエロゲー成分だけ楽しんで止まった人
  c) ライトエロゲー成分を、外縁からだけ楽しんで盛り上がっただけの人
  d) そもそも興味のない人

d)は論外として、要するに、b)まで来る人間を最大限に増やして
少しでもa)まで到達してくれるユーザを増やしたい、という思いが、
きっとあったんだろうなあと思うわけで。

  ビジネス……「商品」としては当然のこと、
  作家……「作品」としての存在意義の意味でも。

1)の境地に到達する人間の数を最大化するためにライトエロでおびき寄せ、
2)で終わる人間は終わってもいいから、という気分で一先ず手に取らせて、
1)に気付いた人間はがっつりと懐に呼び込んでボコってしまう。

  分かりやすく言うと、

  七咲にスカートたくしあげさせて偽ぱんつでおびき寄せ、
  寄ってきた輩を
  「かかったわねっ」
  とばかりに、左右の物陰に潜ませていた絢辻さんと上崎さんでめったうちにする、
  という感じか。

  もちろん七咲だって大本命で、
  掴みかかられたらグラウンドに持ち込んで締め殺すくらいの
  パフォーマンスは誇ってるワケで。

  ちなみに森島センパイと薫は立ち技系だろうな。
  梨穂子はグラウンド(曙的な意味で)、
  中多さんはマスクかぶってコーナーから飛びそうだ。

やっぱり、作り手として一番にあったのは、
物語ゲームとしてのデキを一番多くの人に、最大限に面白がって欲しい、
という思いだろうし。
「イマドキ、そのためにはこんくらいの頭はつかわにゃならん!!」
という、周到で、狡猾で、でもその根っこには光り輝く真摯な思いを抱いて、
仕込んだのだろう。
頭が下がる思いです。

けどその一方で、やっぱりエキセントリックに展開していくのは
2)の見た目のわかりやすさで、
フルイにかけられa)まで残る人間の数よりは、b)、c)の人間の方が多くて、
例えば同人にせよ、コミカライズにせよ、
a)だけを相手取ることは出来ず、b)c)を狙って図っていかないとお金になんない、
というジレンマがうまれてしまったんじゃないだろうか。


  ■


デ結局のところ、a)の人をそこまでして集めたのに、
がっつりとa)の方を向いてこしらえる商品展開というのは難しく、
a)の人たち……マおいさん含む色々な人たちwですよ……は、
期待を膨らませながらも完全に信頼しきることも出来ない……

  いや、信頼はしてるんです、確実に。
  けれどそれは、「俺たちの期待に100%応えてくれる!」というものではなくて、
  「切り捨てることはされない!」という軽く後ろ向き、ヨコナナメ向きな
  大人びたものであって……そうだなあ、
  何かが起こっても、無邪気に、手放しでは盛り上がれないという感じか。

で、心のどこかに醒めた思いをしのばせつつ
「もしかしたら」
「万に一つくらいは」
というやり切れない思いで自分たちの思いが成就される日を待っている、
……そんな画になってる気がします。

  不倫相手の男がいつか奥さんと別れて自分と一緒になってくれるのを待ってる
  お妾さんみたいな気分ですよ、多分。
  我々なんてものは。

イキオイ、リリースされる公式モノ……コミックにせよドラマCDにせよ……
の「物語」としてのクオリティ、ディープさってオイサンはなかなか満足できておらず、
それってやっぱり、展開の大割合がb)、c)の「大多数のお客さん」に向いてしまってるからなのかなあ、
と軽い嫉妬を憶えるわけです。
触って欲しいところに触ってもらえない感じがある。


  ■


ちょっと話はずれるけども、
オイサンは、橘さんが生まれたときから橘さん……すなわち変態紳士だったのかと言われたら
多分違ったんだろうなとなんとなく思っていて
(この辺の誕生秘話みたいなのってあったんですっけ?
 「『アマガミ』は橘ありきでこしらえました!」みたいな制作話。
 あったらこの辺の文章全然いらなくなりますからそのつもりで読んで下さいね)、
その、b)の人たちの数を最大化するライトエロゲとしての仮の姿……
まさに天下無敵の仮面変態紳士としての『アマガミ』を生み出す過程で、
その象徴的存在としてうまれたんじゃないだろうか、と思うワケで。

  それはまあ、かなり初期の段階の話になるだろうから、
  「ゲーム」の制作は橘さんありきだったのかもしれないけどね。
  「制作プロジェクト」として、ライトエロゲとして成立させるために、
  橘さんが生み出された……そんな感じじゃないかなと。
  ……。
  なんか今、サバかぶった橘さんの肩に高山さんがポンと手を置いて

   高 山 「頼んだぞ」
    橘  「はい、任せて下さい!!」

  とかやってる画が浮かんで噴きながら涙ぐんだ。

んでまあ、あとは案の定。
そのタち過ぎたキャラクター性能にみんなベタボレんなっちゃって……

  「いやゴメン、面白くなっちゃって」
  というやつだ。

あそこまでの、世界を飲みこむモンスターにまで成長してしまったんじゃないかなあ、
と、思うです。


  ■


デ冒頭の話に戻ると、「得して損してる」っていう感覚はそのジレンマの話で、
天下無敵の仮面変態紳士の側面のお陰で、ビジネスとしては
仮面がない想定に比べればそりゃあもう成功したのでしょう。
得、というか成功の面。

でもやっぱり、ホントにしたい方面のコト……
深いトコ、重いトコ、a)の人たち一人一人に心から答えるような展開にナカナカ持ち込めないことが、
a)の人たちの首も、制作陣の首も、ジワリジワリと絞めているんじゃないかと
ボニャリと想う。
コレが損の部分。
一番『アマガミ』を愛して、心も体もお金も使ってる人間たちが、
今、いちばん忸怩たる思いで泥水すすってんじゃないかなあと、
自分がそっち側の人間である(……と勝手に自覚している)のをいいことに、
軽く陶酔してみるテストです。





……。





でもさあ。





だからこそね。





想うんだよ。





期待できる。





「『アマガミ』はこれで終了です! 何もかも、一巻の終わりです!!」
というタイミングには、
洗いざらい、全部ぶちまけてくれるんじゃないかなあって。
解散ライブみたいなことでね。
「b)、c)の連中なんか関係ねえ!!
 ここまでついてきた、『アマガミ』はお前らのもんだ!!」
っていう何かを。
これだけのことをしたんだもの、何かあってくれると……思うんだよなー。
それすらも淡い期待なのかもしれないけど。
ていうか、ないか。
次も、そのまた次も、制作陣にはあるんだものね。
大事なお客さんであるb)、c)も、裏切ることは出来ないね。
そうだ。
それに裏切っちゃいけないような気もするよ。


オイサンたちの愛ばかりが、きっと本物の愛じゃないんだろうな。


……それに大体、オイサンとしてはその、
「物語として見えない部分、欠落したように見える部分」
というのは、決して補ったりぶちまけたりはして欲しくない部分なわけだし。
それがあるから、ここまで愛せたし、頑張れたし、頑張れている。

行動マップからもこぼれおちた目に見えない物語のピースが、
オイサンにとっての『アマガミ』そのもの、『アマガミ』の魅力だからねえ。
その見えないものを愛して楽しむオイサンの心、
夢の心臓をものの見事に撃ち抜いてくれた彼らを信じて、最後までついていきたいと思うよ。


……。


マ多分、この辺のことなんてもう皆さんとっくに考えてることでしょうし、
探せばいっくらでも転がってるハナシでしょうから、
ものすごく今更なんですけどね。

イジョ、まとまりはありませんが。
とりあえず、2010年のGW第二章の幕開けに、眼が冴えたから一気に書いてみた。


オイサンですよ。
ザマを見ろと言うんだ(ナニがだ)。








■On Your Mark








  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 2日 (日)

■ハッピー・バースデーがきこえる<後編・6-2> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第486回-

前編 / 後編1 5-1 5-2 5-3 5-4 6-1
『アマガミ』絢辻さんSS 目次
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読「手帳の中のダイヤモンド」目次



     *     *     *



「ほら、手を離しなさいってば」
「え?」
 お店での情景を思い返していた僕を、絢辻さんの声と、柔らかな掌の感触
が呼び戻した。気が付くと、絢辻さんが僕の手を握っている……のかと思っ
たら、そうじゃなかった。僕の手から、プレゼントの入った紙袋を奪おうと
しているだけだった。
「もう自分で持つから。ほら」
「あ、いいよいいよ。家の近くまで持たせてよ」
「……そう?」
 僕が袋の紐から手を離さずにいたら、絢辻さんはしぶしぶ、荷物を諦めて
歩き出した。店のある商店街の裏路地から絢辻さんの家までは十五分以上歩
く。普段僕と絢辻さんが別れている地点まででも、その半分と少し。時間も
遅いから、僕は荷物を口実に絢辻さんを家まで送っていくつもりだった。け
ど何故か絢辻さんは、今日に限って荷物を持たせていることに居心地悪そう
にしていた。こんなときに遠慮をするくらいなら、学校の教材運びやなんか
を半分手伝ってくれればいいのに……とは、考えつつも、
「随分引き止めちゃったから。お詫びのオマケだよ。ごめんね」
と、僕はははっと笑って、そんな愚痴はおくびにも出さない。屁理屈をこね
ると怖いから。
 絢辻さんが時間のことを、実はそんなに気にしていないのは、その険の落
ちた気配から察しがついた。反面、考えていた以上に遅い時間になってしま
ったのも事実だ。お店の公衆電話から家に連絡を入れたとき、珍しく帰って
きていた父さんに軽い注意と……いかにも男親くさい詮索をされてしまった
くらいだから、僕は一抹の申し訳なさを感じて、ひとこと謝らずにはおられ
なかった。
「いいのよ。家に帰ったって、何が待ってるわけでなし。諭吉さんが何人か、
机の上でお出迎えしてくれておしまいなんだから」
「ははは。諭吉さんね」
 皮肉っぽい絢辻さんの微笑みを、僕もカラッと受け流したつもりだったの
だけれど。
「そ。でもね、お互い、それで下がる溜飲っていうのもあるのよ。あたしだ
ってちゃんと言うのよ? 『お祝いありがとう』って」
 おかしいでしょ? と掌を合わせて笑う、その面白さは僕にはちょっと難
しかった。そうやって受け渡される、絢辻さんのパンドラの熨斗袋の最奥に
何が隠されているのかは、正直なところ僕の想像を絶して及ばない。希望な
のか、或いは……? その不可解さは多分、絢辻さんが誕生日に無条件の祝
いを受け取ることが出来ないことと同じだろう。だからきっと絢辻さんも、
何も言わずにただ曖昧な笑みを浮かべただけの僕を見逃してくれたんだ。
「今日は、それもあるし」
 という、絢辻さんの言葉と視線に応える様に、僕が左手に提げたJoes
terの紙袋ががさりと大きく揺れる。諭吉さんがそんなに何人もいたら、
この紙袋三つ分くらいの物は手に入ってしまうだろうけど。
 本来、パーティー料理の余り物を持ち帰るために用意されたこの紙袋は、
お店で一番大きな物だと薫が言っていた。それがもう袋の口まで一杯だ。ま
あ、半分は田中さんからのやたらと大きなぬいぐるみのせいなんだけど。
 正直なところ、僕はちょっと心配していた。折れたり皺になったりしない
ようにと細心の注意を払って運んできた僕からの贈り物のブックカバー(そ
してそのために、僕のサブバッグは今、梅原と薫の手中に落ちている)がど
の辺りに沈んでいるのか。もし梅原のトロQに踏まれでもしていたら、僕は
明日ッ、親友が泣くまでッ、殴るのを止めないッ!!
 ……と、一人で盛り上がっていたら。
「これはこっちに移しておいて正解だったわね」
 絢辻さんは学生鞄のサブポケットから僕が一週間前にデパートで選んだ、
見覚えのある柄のラッピングバッグを覗かせて笑った。
「絢辻さん……」
「折れたり皺になったりすると、みっともないから」
 これだけたくさんの贈り物があっても、それは特別なのだと言ってもらっ
たみたいで、その心遣いがまた、嬉しくて。僕の目がちょっと潤んでしまっ
たのを見逃さず、絢辻さんはまたあたたかく笑った。
「大切にするわね」
 先を歩いていた絢辻さんはくるりと一回りして僕の隣に戻って来、上から
紙袋を覗き込んだ。
「にしても、こんなに置き場所があるかしら」
「そんな心配。絢辻さんの部屋、広いじゃないか」
 そう呟く絢辻さんの部屋は、僕の家のリビングがすっぽり収まってお釣り
が来るほどだ。
「お姉ちゃんに見つからないところに置きたいのよ」
 うるさいから、と語尾の眉間に皺を寄せ、絢辻さんは一旦思案モードに入
り、またすぐにフフッと細い笑みをこぼした。
「こんなことで悩むなんて、思いもしなかったわ」
 半歩隣りに立つ、独りぼっちの自分のまぼろしに自嘲的に微笑み掛ける、
憐れみと、決別の強さと、少しの愛しさがない交ぜになったその瞳を見て、
僕は改めて自分が彼女にもたらしたものの大きさを、まだまだ生煮えながら
も噛みしめなければならなかった。
 と、
「あ」
 寄り添うように歩いていた絢辻さんのほんの一文字が、僕の耳たぶをくす
ぐった。
「な、何?」
「こんなところにまで、お土産つけてる」
「お土産?」
 その近さに驚いて身を引きながら訊ねると、絢辻さんは僕のあごの裏、ほ
とんど耳の下みたいな場所を指差して笑った。指された辺りをぐっと拭うと、
雪のように白い流れが一筋、鞄を持ったままの右手の甲に残った。生クリー
ムだった。こ、こんなところにまで……。
「子供じゃあるまいし、みっともないわねえ」
「これは絢辻さんのせいじゃないか!」
「知りません」
 にやにやと笑っていた絢辻さんは、けれど僕の反論には本当に不機嫌にな
って、プイとそっぽを向いてしまった。な、なんなんだろう、一体……。



     *     *     *



 店を出る、ほんの少し前のことだ。最後のお客が帰ったのをきっかけに絢
辻さんはお花を摘みに出かけてしまい、僕一人がテーブルに取り残されてし
まう間があった。
 カウンターの向こうの細い廊下に消えていった絢辻さんを見送り、僕もこ
の時間のおしまいを思ってケーキをもうひと匙、カチンと音を立てて切り取
った。テーブルに一人になると、何故だろう、途端に大きな不安が押し寄せ
てくる。温くなったコーヒーをすすり、今日のことを思い返す。
 僕と薫の企画したサプライズ誕生会で絢辻さんは、みんなからのお祝いや、
梨穂子の焼いたケーキに、やがて自分が家庭を持つことを垣間見た。そんな
風に思ったのは多分……
 --一年前のあたしと、今日のあたし。違ってることなんて一つしかない。
……僕と一緒にいるようになったから、っていうことなんだろう。
 遥か遠くに据えたはずだった、誰かとともに生きるということと、それに
伴った様々のことが、そのほかの何かより自分の懐に近い場所で動き始め、
絢辻さんの「予定」は地殻変動を起こした。そして自分にそれが……生まれ
てくる子供と、親睦する縁者たちに、自然に、「当たり前」に、ケーキを焼
き、微笑みかけることが……出来るのかって、怖くなったんだ。自分が一番
欲したものに囲まれて、本当に笑えるのか。
 だって、絢辻さんにはその記憶がなかったから。わけもなく、ただただ湧
き上がる喜びに身を任せる祝福を、贈り、受け取ることの思い出がない絢辻
さんにはその喜びの正体や理由がどうしても欲しかったのだろう。自分が背
負わされた受けた……こんな風に言うのはためらわれるし、僕はそんな風に
は思わないけれど……『過ち』を繰り返さない、その修練と準備のために。
絢辻さんらしいと言えば、すごく、らしい。
 絢辻さんの欲しがった、腑に落ちる言葉は見つからなかった。僕にはわか
らないし、きっと誰にもわからないだろう。でも、それとは違う方法が見つ
かったみたいで、それは良かったなあと思うのだけれど。
 ……だけれど。
 大きな不安に押し負けて、僕は肘を抱いてテーブルにうずくまってしまっ
た。
「……僕、何の役にも立てなかったなあ……」
 結局、僕は何にもして上げられていない。僕らの中に答えがないことを掘
り起こしたのも、違う方法を見つけるのも、全部絢辻さん一人ですませてし
まったじゃないか。
 役に立つとか、立たないとか。絢辻さんが僕にそんなことを求めてないの
は分かっていた。彼女は自分がすごく優秀な分、能力とか性能とか、そうい
うものとは別にもう一つ繊細な秤を持っていて、二つの秤をいつも上手に使
い分ける。僕のことはもう、多分そのどちらにも乗せることさえしていない
ように思う。いわゆるゴマメ扱いだった。だから、時折薫とかから
「あんた、しっかりしてないと愛想尽かされるわよ?」
なんて、まことしやかな脅しを頂戴しても徒に不安になったりはせずに済ん
だ。もちろん、何もしないでただサボっているのを見つかると、チクチクと
責め立てられはするけど、一緒にいることには何の不安もない。ただ、その
不安のなさの根っこのなさが、ときどきふうっと、季節の変わり目に吹く風
よろしく、胸をくすぐっていくことはあった。丁度今みたいに。
 そんな確かな足場の上にあぐらをかくわけじゃないけれど……どうして僕
は、こんなに安心していられるんだろう? 役立たずの僕をどう思ってるん
だろう。僕のしたことといったら、一年前……絢辻さんを傷つけてまで、彼
女の「予定」を大きくゆがめたことくらいだ。
 ----------------予定?
 贅沢な不安に駆られる傍らで、その言葉がテーブルに置かれたとき、僕の
頭によぎったものがあったことを思い出す。それは小さな引っ掛かりに過ぎ
ず、予定、予定日、予定表……言葉が普通過ぎたこともあってハッキリとし
た像を結ばなかったのだけれど、一つ、強烈な象徴が僕の中にいつまでも焼
け残っていた。真っ黒な、影になって。
 なんだろう、なんだったっけ。
 きれいな字で。
 びっしりと埋め尽くされた…………。
 僕の心に焼け残っていたそれは実際、影と見紛うくらい真っ黒だったけれ
ど、影ではなくて、黒い、真っ黒い……。
「あの、失礼しますね」
 そこに、一つ。いびつな形をした影が、赤く揺らめきながら落ちたのだっ
た。

       ・
       ・
       ・

 行きはヨイヨイ、帰りはコワイ。
 絢辻さんがお花摘みから戻ってきたとき、お店の中は灯りがほとんど落と
されて、いつものしっとりした落ち着きにズシリとした重みをいや増してい
た。残った少しの明かりを丁寧に磨かれた調度品の茜色が映し返す、氷の洞
窟の中で火を炊いているような神秘的な趣に、さすがの絢辻さんもびっくり
していた。無理も無い。
「なに、暗い……? ねえ、お店、もうおしまい……あれ? 何よ、それ」
「あ、うん。おかえり」
 足元を気にしつつ、絢辻さんはテーブルに新しくやって来たそれを、飼い
猫がよそから預かってきた猫を警戒する目で疑わしげに眺めた。それは赤く
て背の低い、厚手のグラス。その中では可愛らしいローソクがせっせと炎を
焚いている。
「おね……ウェイトレスさんが来て置いて行ったんだよ。『お店の時間は大
丈夫だから、ゆっくりして行って』だって」
「そう。でも、そんなことを言われてもね」
と、絢辻さんは手首の時計に目をやって苦笑する。
「うん、そうだね……」
「また何か、素敵な追加サービスを頼んだんじゃないでしょうね?」
「はは……ないよ。ないない」
 絢辻さんはいつもの、スカートをお尻の下に滑り込ませる仕草で腰掛ける
と、それじゃあぼちぼちお暇しましょうかと、特大シフォンの残り半分弱の
……といっても、まだまだ優に普通のケーキ一個分くらいはある……塊を見
つめた
 ふふ、と小さく、絢辻さんの可愛らしい鼻から笑いが漏れてグラスの中で
炎の小人が慌てふためく。光が変わって絢辻さんの表情にいつもと違う影が
落ち、絢辻さん自身もそのことにちょっとびっくりしたようだった。
「どうしたの?」
 なんで笑ったの? って、訊いたつもりだった。
「別に。またまんまと、マスターの思惑にはまったのかしらってね」
 絢辻さんはフォークを手に取ると、Sっ気たっぷりの眼差しで、マスター
のおばあさんならぬケーキを相手につんつんと拷も……否、尋問を始めた。
「どういうこと?」
「なんでもない。そろそろ食べちゃわないとね」
 時間も時間だし、なんて呟きながら、僕がやったら絶対に「行儀が悪い!」
「食べ物で遊ばない!」と怒り出すに違いない、ケーキいじめをツンコツン
コと繰り返す。僕だって美也がやってるのを見たらそう言うだろうけど。け
ど、それがどうして、マスターの企みなのだろうか。
 ……などと、思う間もなく。
 ……ぷすり。
「あ」
「あら」
 勢いあまったフォークの先がスポンジにめり込んでしまって、絢辻さんは
声を上げた。そのままついっとフォークの角度を上げると、当然、ケーキの
大きな塊も音もなく持ち上がる。
「……」
「……」
 そのシルエットはテレビゲームに出てくる巨大な戦斧のような。アンバラ
ンスな物体を、二人して見つめる間の抜けた沈黙。……いやな よかんが 
する……。
「……。あーん?」
「無理!」
 それを差し向けられ、僕は即座に抵抗する。巨大なフワフワスポンジの斧
(攻撃力は多分2か3くらい。殴った相手の体力が回復します)は、どこか
らどうかじりついたって、僕の口に収まりそうもない。
 それが気に食わなかったのか、そしてどこまで本気なのか、絢辻さんは少
しだけ角度を下げたフォークの向こうでむーっと目つきを鋭くする。な、な
んだろう。
「『しょうがないなあ、梨穂子は』」
「えっ」
 い、いきなりなんだろう?
 それが、いつのものだったのか分からないくらい……僕が十七年……もう
少しで十八年……の人生に亘って言い続けてきた言葉を突然絢辻さんから言
われて、僕は面食らう。険しいままの瞳は、多分本気で怒っているわけでな
いのはわかるものの、不機嫌なのは明白で。なんとなく、「自分で言ってか
ら腹が立った」の類なのだろうと思った。
「あ、絢辻さん、それは、どういう……」
「言ったでしょ。これはあなたの分よ。はい食べて、あーん!」
「た、食べる、食べるけど、まるまる全部は、ちょっと……。絢辻さんも少
し手伝っ……」
「あたしはもういいの。こんな時間にこんなに食べたら太っちゃうでしょ。
……大体、桜井さん? あの子なんなの? バカじゃないの? さっきのケ
ーキだって三段重ねで……普通のホールの二.五倍くらいあったのよ? そ
れを彼女、後半ほとんど一人で食べちゃったじゃない!」
 そ、そうだそうだ! 梨穂子、馬鹿じゃないの!!?
 Joesterでお目見えした梨穂子特製の三段重ねバースデーケーキは、
一周目こそ一人一切れずつ切り分けたのだけれどそれでは半分も無くならず、
二周目からは志願制になった。主役の絢辻さんは二切れ目を断ることが出来
ず、男衆と絢辻さん、田中さん(ああ見えてタフだ。多分薫に鍛えられたん
だろう)。そして”マシュマロ・ウーマン”、或いは”輝日東のチョコチッ
プ・クッキーモンスター”こと桜井・テュポーン・利穂子の五人で食べたが
まだ減らない。突入したラップ3はずっと梨穂子のターン! だった。なん
となく勝負魂を燃やした梅原も特攻空しくブッ千切られ、周回遅れの僕たち
は、しんがりを一回りして梨穂子に託す羽目になったのだ。その苦況をもの
ともせず、まるでそれを見越して分量を調整したんじゃないかと勘ぐりたく
なるほどのマイケーキ状態で、切り分けないお皿からぱくぱくと幸せそう生
クリームを平らげる梨穂子の撤退戦を、みんなは呆れと尊敬の眼差しで見守
ったのだった。
「……あなたまさか。この先、あんなのと同じ尺度であたしにモノを食べさ
せようと思ってるんじゃないでしょうね!?」
 あ、あんなのって、姫。照れ隠しだか知らないけれど、ちょっと口が過ぎ
ますぞ。あんなのでも一応、恋人の幼なじみ……多分結婚式にも、僕呼ぶよ?
「さ、口をお開けなさい……」
 スポンジアックスを構えてにじりと詰め寄るその瞳には、追い詰められた
ような光が宿る。ちょっと笑った口元が、アンバランスで恐ろしい。駅前・
スタンド・メロンパン。走馬灯はめぐり、僕は呼吸が止まりそうになる。
「さあ、早く」
「そ、そんな大きな塊入るワケ……」
「開・け・る・の・よ! ホラ、あ~~~~~~~~~~~~~~~~ん!」
「ら、らめぇ! 無理に入れたら、僕壊れひゃう!!」
「お、おかしな声を上げないの! ハイあ~~~~~~~~~~~~ん!」



     *     *     *



「……」
 今頃になって絢辻さんが見つけた、僕のアゴの裏にはり付いた生クリーム
は紛れもない、その惨劇の血痕で、僕は手の甲に引いた生クリームの尾を見
つめて言葉を失った。……あんな過ちは、繰り返しちゃいいけない。二度と、
絶対に。コトのあと僕はテーブルに突っ伏してひたひたと涙をこぼし、絢辻
さんはその向かいで「おそまつさまでした」なんて、おしぼりで手を拭って
すまし顔だった。ひ、ひどい……。父さん、母さん、美也……。僕、汚され
ちゃった……。
 口の周りに貼り付いた白いものを舌でレラレラと回収してうなだれた、そ
のときの決意を胸に、強く、思い出す。く、くそう! いつか同じ悲鳴を、
絢辻さんにも上げさせてやるんだからね!!
「……言いたいことがありそうね」
 路地の出口の十歩前。僕の回想を嗅ぎ付けた絢辻さんは、ジロリと強い腕
組みで立ち塞がる。不服げな光を察知して、絢辻さんは僕の視線を真正面か
ら撃ち落とした。
「な、何をそんなに怒ってるんだよ……」
 僕は、そのとき店でも訊いた、同じ質問を口にする。
 店での絢辻さんは、僕のその思い切った質問にもフンと鼻を鳴らすだけで
答えてくれず、その鼻息にグラスの炎をゆらんとたわませて、赤々と照り映
える中に見たことも無い面影を滲ませるにとどまった。そしてテーブルに置
かれた中トロのトロQをゆび先でコロコロいじったかと思うと、前に僕がし
て見せたことを丁寧になぞった。ゼンマイを緩く巻き、歪んだ車軸の分だけ
慎重に照準をずらして、手をはなした。トロトロと走ったそれはやっぱり微
妙な孤を描いて、僕のちょうど正面でぴたりと止まって見せ……それを見届
けた絢辻さんは、
「出ましょうか」
と、静かな調子で荷物を確かめ始めたのだった。




                              (続く)


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月 1日 (土)

■底抜けMay Storm ~本日は連休モードで~ -更新第485回-

キャベツを剥いたときに漂った香りの、あまりの甘さにドキリとする。
春です。
オイサンです。



■どうしようもない先輩は、何も橘さんや森島さんだけじゃない。



昨日のシゴトバにて。

業務時間終了も間近に迫り、フロアにもぼちぼち、
連休突入の空気が偲び始めた頃。

いち早くその空気に飲まれた同僚のトラさん(仮)が、
オイサンにボケてきた。 
 

  トラさん「なあ、オイちゃんオイちゃん(※オイサンのことね)」
  オイサン「どうした」
  トラさん「連休のさ、5月5日って子供の日じゃん?」
  オイサン「おおよ」

  トラさん「
なに買ってもらう?

  オイサン「……」
  トラさん「なあ?」
  オイサン「……。
       ちょっと前に、『マクロス』の新しいやつテレビでやっててさあ」


   オイサンもボケかえす。

   トラさんはオタクではないので、ちょっと説明が必要。
   でも年代的に『マクロス』くらいは分かる。

  トラさん「あ、そうなの?」
  オイサン「うむ。それのバルキリーの、完全変形の超合金が出てるんだよ。
       それ買ってもらう」

  トラさん「マジ?!」

  オイサン「うん。一万チョイする」

  トラさん「おおお。そりゃもう子供のおもちゃじゃねえな!」
  オイサン「おうよ」


    とここで、後ろの席で勉強していた新人が、

    何やらキタナイものを見るような眼でこちらをチラ見したのに気付いて

    トラさんが絡み始める。


  トラさん「……なんだよ」
  新  人「いえ……」
  トラさん「お前、『マクロス』知ってるか?」
  新  人「いえ、ちょっと……」

  トラさん「なんだ知らねえのか? 駄目だなあ!」



    なんだか気の毒になって、オイサンは助け船を出す。



  オイサン「そっかー。じゃ『ガンダム』は?」



    ちょっと行き先の違う船だが。



  新  人「あ、『ガンダム』なら……」
  オイサン「あ、『ガンダム』は知ってる?」

  新  人「はい、『ガンダム』だっt……」
  オイサン「何『ガンダム』を知ってる?」
  新  人「えっと、最近やtt……」



  オイサン「お前が『ガンダム』の何を知ってるっていうんだ!!









  新 人 「……」

 
 
 
 
 
 
 
 
……と、オイサンがここまで矢継ぎ早にボケ切ったところで、

新人君がなんだかおハシを落っことしたみたいなカオになったので、
オイサンすごく心配です。




連休明けから来なかったらどうしよう!!?


DX超合金 VF-25F スーパーメサイアバルキリー(早乙女アルト機) DX超合金 VF-25F スーパーメサイアバルキリー(早乙女アルト機)

販売元:バンダイ
発売日:2009/11/14
Amazon.co.jpで詳細を確認する





■「気分の良さ」、その検証



そんな湿った話はさておいて。
さぁてようやくオイサンもGW突入。
オイサンにしては珍しく、幾つかのステキイベントも装填してあるのでドッキドキです。
……とか言ってるうちに、早くも一日目が終わりそうだ。
ヤバイ。
マ今日は、何だか気分の良い一日だったのでいいのだけど。



  ……と、思っていたのも、束の間。



今こうして、今日一日に撮った写真と
タイムライン上にこぼしたつぶやきを見返してみるに、
使えるもの、
取り沙汰する価値のあるものの、なんと少ないことだろう。
正直今、愕然としている。
マジで軽いショック。

多少は面白いだろう、と思って散歩と買い物の道すがら落としてきたつぶやきを、
今、何かの記事に出来るものがあるだろうと拾い直してみても、
どうにも広げようのないものばかりだ。

それはある意味、昨日の記事にも書いた「Twitter向きのネタ」の選別に成功したとも言えるのだけど、
逆にそれにかまけてブログ向きの出来事を見つけること、
つまり愛でるべき日常の風景に、丁寧にアクセスすることが疎かになっているとも言えるわけで。

オイサンにとって、今日一日はなんだった?
少し落ち着いて考えてみようと思う。
液晶から目を離して。


……まあ、一つ……ネタを拾えていることは拾えているんだけど、
これはこれで物になるかどうか怪しい。



■本日のコーヒー



今日のコーヒーは、いつものトロワアンジュさんでハワイコナ。
以前、Twitterでコーヒー好き二人が話しているときに、
ハワイコーヒーが旨いと言っていたのを盗み読んでいて。

コナは、これまでいつかは飲もうと思っていたのだけど
どこ行っても高いので二の足を踏んでいたのを、ここにきて思い切った。
独特の酸味、というのがお決まりの売り文句ですが、確かに。
鼻に抜けるような強さがあります。強い。
うーむ。
こいつはやっぱりオイサンには合わぬわい。

しかも悪いことに、一緒に頼んだケーキが悪かった。
オレンジケーキ。
いや、単品としてのお味はとってもおいしかったのですが、
オレンジの酸味とコーヒーの酸味が衝突しあってキツイキツイ。
しかたなく、コーヒーと合わせて食べるのは諦めて、
ケーキはケーキ、コーヒーはコーヒーで分けて食べちゃった……。
勿体無い。
コナに合わせるなら、ブランデーの効いたパウンドケーキとか、
甘みがガツンと重たく効いてるやつがいいでしょうね。


そういやブログには書いてなかったけど、
先週の岩男さんのライブの前に喫茶店で飲んだ
トラジャはおいしかった。あれはオイサン好みではある。
あとは、どこかでケニアを飲んでみたいなあ。


R0024841  R0024872
奥に見える、ガレのガラスのランプ。
彼女の点す灯りをもっと上品に捉えたくて何度もトライしているけれど、オイサンには難しい。



以上。
残り4日。
懸命に過ごそう。



……。



うん、そうだな。



そういう流れから隔たっていたくて、
いままでずっと、こんなペースでやってきたんじゃないか。
だからそれは当然のことで、
それが求めたものだったはずだろ。

だから、それでいいんじゃないか?



オイサンでした。



 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■ドラゴンフライはなかまを呼んだ -更新第484回-

Google先生に"恋のように僕たちは"で画像についてお尋ねすると、
オイサンのサイン入り『アマガミ』サントラ画像がテッペン取ってる件について。

オイサンです。

GW中の天気と気温予報を調べてみて絶望する。
夏だ、夏が来るぞ。

  ▼Weather News
  http://weathernews.jp/index.html



■Twitterで起こった二つのこと。



まとまりがないことは分かった上で、
またちょっと、Twitterのことを書こうと思います。
Twitterという文字の流れの上で起こった、二つのこと。


 ▼▼▼一つ目。「あたしの中に入ってこないで!」?▼▼▼


フォロワーの皆さんの暮らしのペースや空気が、
時空を隔てたオイサンのところにまで、ふんわりと影響を及ぼすようになりました。
マ具体的に何かっつったら、

 「オイサン29日は出勤だったのに世間様みんなお休みで、
  タイムラインがすっかりお休みモードのコメントばかり。
  なんだかオイサンもそっちに引き摺られて引き摺られてもう、大変でした」

ということですよ。簡単な話。
ですけどコレ、以前はなかった話です。
少なくともダイナミック(動的)には。

今までだったら、机シゴトばかりで日中表に出ることのないオイサンは、
家に帰り、誰かのブログやニュースを見て、
「……あそっか、今日は世間は休みだったんだっけ」
と初めて思い知る、というのはありました。
ですけどそれは、過ぎ去った過去のことを時間をとめて眺める、
Static(静的)な出来事で。

けれど今は違う。
オイサンは今まさにオシゴト中、
トイレ休憩とか、お昼休みとか、
ちょっとしたタイミングで携帯のタイムラインを覗けば
そこはまるで休日のショッピングモールの様相ですよ。

  一人お茶を楽しむ人、
  友人と一緒に文房具を探す人、
  録り溜めたアニメに絶叫する人、
  ここぞとばかりに好きな音楽に耽溺しつつ、部屋の片づけをする人。

色とりどり過ぎるだろJK、と、240x400の液晶(ショボイな)に浮かび上がる
アイコンと文字にラッピングされ、

  ……ていうかさ、オイサンのTwitterのタイムラインに出てくるアイコンが、
  『キミキス』・『アマガミ』+『ひだまりスケッチ』でほぼ9割ってのがまた、
  良くないねェ。
  なごやか過ぎるんだよ。空気がw
  閑話休題……。

今まさに起こっている出来事が、鮮やかに心に流れ込んできます。
いや、ショッピングモールどころの騒ぎじゃあない。

家から最寄り駅まで散歩気分で歩いていき、
電車に乗って、
モールを冷やかしてゴハンを食べ、
映画を一本見、
お茶を飲んで。

そんな、休み丸一日使った連続した流れを体験したあとに
家へと戻ってきたときにだけ開き出すはずの
「ああ今日こんなことあったなあ」
という記憶の窓がなんかもう、
一瞬でばばばばっと意識の中に開くんです。
皆さんの今がそこにあることによって。

オイサンはそのとき、シゴトバのトイレです。
デスクですよ。
皆さんも、さぞかし上機嫌だったのでしょうねえ。
タイムラインの勢いが、情報の鮮度と密度が、
ツイートの本気度が違う。
ツイートしたくてツイートしている、呟きの彩りの鮮やかさが違う。

  ……しかもまた、昨日はね。
  天気が良すぎましたから。それも良くない(イヤ良いんだけど)

今までは自分が働いているときに、
或いはその逆の状況にあるときに、
誰がどこで何をしていようと、自分は自分、他人は他人。
他者の時間の持つ空気が自分の空間にまで漂ってくることはありませんでした。

ですがこうして多少見知った誰かと時空を共有することで、
いつかどこかで自分も触れたに違いない空気が、
生々しい皮膚感覚を伴って自分のもとにまで流れ込んでくるのでした。

  マTwitterでの時間の流れ・いつでもアクセスできるというだけのゆるい繋がりを
  「共有」と言ってしまって良いものかは個々のサジ加減に任されるのでしょうが、
  今まであまりに人とそういうことをしてこなかったオイサンの心のネンマクは
  ちょっと敏感すぎるくらいにその辺のことに反応してしまうらしく、
  「共有」と呼ぶに十分すぎるくらいの影響力を持っています。

「他者とともに過ごす」っていうのはそういえばこういうことだったかと、
長年ひとりを貫いてきたオイサンには、とても新鮮なのでした。


 ▼▼▼二つ目。人の噂も75th Anniversary▼▼▼


見出しだけで内容を理解されてしまうのがちょっぴり悔しい、
それが34歳のアンビバレンツ。

こちらも別段大したことのない話で、

 「よそ様同士がやり取りしているTwitterの会話の中に
  自分のコトが出てきてびっくりした」

っていうだけの話です。
そして、話をされているうちのお一方をオイサンはまだフォローしていなかったので、
それをきっかけにフォローさせていただいたと、こういう流れですよ。

  ですけども……なかなかねえ。
  そういう機会も、オイサンこれまであまりありませんでね。

しかもその話の内容が、オイサン自身ではなく、
オイサンのblogの記事の中身の話だったものですから、
……これはねアナタ、blog書きとしては嬉しい出来事ですよ?

どこの誰とも知らない方が「自分の書いたものを読んで下さっている」と、
自分のいないところで(イヤこの場合いたんだけど)、御自ら言って下さっている。
これはドキドキします。
嬉しかった。
そら慌ててフォローくらいするさ。




  ……マ誰も「面白い」とは言ってねえけどな!!




大体アレですよ、
オイサンのblogなんてな昨年の今頃までなんて、
日に30もアクセスがあれば万々歳のページでしたからね。
知り合い・お友達御用達で、なんなら3年も続けてきたせいで
ボチボチ友人たちからも飽きられてきたところでした。

それをあなた、どこの馬の骨とも知れないお方( ← 間違った日本語)が読んでくれている、
どころか、内容をについてチラッとでも人との話題に上らせてくれているだなんて、
ホント夢のようです。

  ……と、あまり一人で盛り上がっても、
  読んだご本人に
  「いや、そんなガッツリは読んでねえし、中身もハッキリは憶えてねえし。
   でもそんなに盛り上がられると言い辛ェ!!」
  というややこしい感情を抱かせかねないのでこの辺で勘弁してやりますが、
  嬉しい出来事だったんですって。

そしてまたこの出来事に伴って、
「二つのキモチ」がオイサンの中に湧き上がってきました。
一つは、かつてない速度で増え続ける、身辺の情報量への「おそれ」、
もう一つは、自分の主戦場はTwitterではなく、やはりblogなのだという「確悟」、
……でした。


 ▼▼▼ドラゴンフライAは なかまを よんだ!!~一つ目の「おそれ」の話。


ここ十数年、ホントにひとりでゆったりとやってきたものですから、
お知り合いが一人二人増えるだけでもオイサンには大事件です。
そこにこれだけの速度で増えられると、
「ちょっとオイ、俺、今なんか大丈夫か」
という漠然とした不安にかられます。

  一つ一つのパスに対して充分な帯域を確保して信号を返せているかとか、
  信号のクオリティは保てているかとか。
  どういう質と量のバランスでやっていくのが自分にとって一番いいのか、
  なんてことが頭の中をグルグル回ります。
  「何より、つながりが薄い相手との他愛ない雑談が苦手」という
  典型的なオタクさんのオイサンとしては
  これは結構な不安要因です。

速度的には明らかに、今までのペースからいうとオーバーキャパなことをやっていますから、
その中での自分の行い一つ一つを検証できておらず、ちょっとハラハラしている。
今はまだ出始めですから大目に見てもらえているけども、
そのうちつもり積もった何かによって
「お前いい加減にしろよ!!」
とどこかから言われやしないかと、ビクビクしています。

  いや、ビクンビクンではなく(いいからそういうネタは)。

なのでここらで一旦落ち着いて、一つ一つのパスを確かめていければなあと
個人的には思っている次第。
Twitterという関係に、そういうものが必要かどうかはわかりませんがね。


 ▼▼▼もう一つは、自分の主戦場はTwitterではなく、
                         やはりblogなのだという「確悟」。



Twitter上でのことは決して枝葉ではなく、またblogの宣伝にするつもりもないです。
TwitterはTwitterで、また「別な面のメイン」であるはずですが、
最後に自分に残るであろう揺るがない部分に、blogとTwitter、どちらが近いのかといわれたら
それはやっぱりblogなのだなあと思った次第です。

なんというか、今回、オイサンのblogを見て下さった二人の方が、
そうやって、雑談の中でオイサンのblogに触れてくれたことで感じたのが、
「あ、なんか一つ、実を結んだな」
という感触でした。

勿論、ここを見て下さっている方がいることは承知しています。
このところ昔に比べればアクセス数も増え、
ブックマーク、或いはピンポイントの検索と、やりようは様々ですが、
一応「ここを見よう」という姿勢で来て下さる方もいて下さって……

  本当にありがたいと思います。

……見て下さっている方がおられるのは知っているのですが、
それはオイサンの目から見ると、
誰かがどこかで「一人」で見ている・楽しんでいるようにしか見えないのです。

それがイヤな訳でも不満なわけでも決してなく、
Webページなんて基本そんなもんだと思っていますが、
それが今回、一人ではなく、複数のひと同士がblogのことを媒介にして通じ合おうとしている、
という広がりを目の当たりにしたことで、
なんか一個、次の段階に進んだなあと思えたのです。

そしてそれは、Twitterによってもたらされた、と感じた。
blogによって、Twitterの上でのオイサンの活動が押し上げられたのではなくて、
Twitterによってオイサンのblogでの活動が押し上げられたので……
やはりオイサンにとって、Twitterはサブ、blogがメインのカルチャーなんだな、と
改めて確認したということです。

自分が見・聞き・触れ、感じた事実が一つ大きくblogに記事として据えられていて、
そこに関わった方々がいたりいなかったりして、
その事実や人に興味を持った人とTwitterを通じてめぐり合うことが出来る、
オイサンは呟きもするけれど、
呟いているのはblogの中にいるオイサンであって、
blogがオイサン自身の分身であることを今回のことで実感できた気がします。

それが何故なのかは……多分、オイサンの気質がblogよりだからだと思いますけどね。
動的に変化するタイムラインの関係性の上で映える言葉や思いを一瞬で叩きだすのではなくて、
他者に影響されない中で一度時間を止め、深く長く、整えてから、
残るものとしてアウトプット出来るという意味で。


……。


マそんなことでね。


本当に、Twitterをやってると、blogに書こうと思えることが減っていきます。
……気がします。
Twitterそのものに時間をとられてしまう、ということもありますが、
それ以上に、小ネタを小ネタ以上に膨らます時間がもてないという問題があります。

  たとえば月を見上げ、
  普段ならそこから妄想を広げ、それらしい妄想物語に仕上げてblogにアップする、
  ということをしたかもしれないけれど、
  最近は一先ずTwitterにつぶやいてしまう傾向がある。

  そうすると、誰からも反応がなければまた一人で咀嚼する可能性もあるけれど、
  誰かから反応を戴いてしまうと、その事実は自分だけのものでなくなったような気がして、
  その反応についても、
  月を見たことやその美しさに関することも、
  ある意味そこで完結してしまってそれ以上手を加えることが難しくなってしまう。

オイサンはものを考える速度が遅いから、
「一先ずつぶやいてしまうのか、手を止めて広げてみるか」という決断を迫られてしまうと、
広げるのには先ず時間がかかるし、本当に広がるかどうかもわからない。
だったらつぶやいてネタにしてしまえ、
みたいなことも多々ある。

正直ちょっと……このままだけではよろしくないな、
と思っている自分もいる。

ですから、Twitterに……言葉は悪いのですが……「捨てる」……、否、
「放流」して、「放流」されることによってより豊かになるであろうネタと、
自分ひとりで大事にあたためて、やがて大きくどーん!!
……と、皆に楽しんでもらえるであろうネタ、
それらを見極め使い分けることの出来る書き物屋になりたいなあと、
思ったりなさるのでした。



■『あまがみっ!』感想



今日から、ファミ通.comの無料コミックページ「コミッククリア」にて、
『アマガミ』漫画第2弾の連載が始まりました。

  ▼あまがみっ! [ファミ通コミッククリア]
  http://www.famitsu.com/comic_clear/se_amagami_so/

……なんだろ。
コレ、すっごい正解の気がするわ。
楽しく読めました。
ズバ抜けて、予想外に斜め上、期待以上!!
……っていうのではないけど、
難しいこと何も気にせず、各キャラの主だったパーソナリティをキンキンに尖らせて
好きなように暴れて欲しいと思います。

ラスト、美也だけが。
何故か美也だけがひと目でそれとわからなかった……。
惜しい。
あと、たんぽぽ田中さんと梨穂子が異様に輝いてたような気がします。

いいじゃないねえ。たんぽぽ。
ぽぽたん。
たんぽ……いやなんでもない。

絢辻さんはナプk……いやいやなんでもない。
なんでもない。
なんでもないなんでもない!
なんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないなんでもないから!!

……と、シゴトバのお昼休みに、
『あまがみっ!』と、
ほぼ日の『絆回廊』を二本立てで読む。

 <参考> 絆回廊 [ほぼ日刊イトイ新聞]
  http://www.1101.com/shinjukuzame/index.html

なにその「不二家のシュークリームをバーボンで食う」みたいな昼下がり。


……。


『Sincerely Yours』は、更新ないなあ。
桜先生、お元気なのだろうか?
玉吉じゃない方の。
心配。


オイサンでした。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »