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2010年3月 7日 (日)

■意識の銃口 -更新第443回-

オイサンはデジタルお写真は手軽で好きですが、
技術や知識、表現力については道端のオッサンに毛が生えた程度か
あるいは道端のオッサンそのものです。

ですが写真という行為は、
オイサンにとってその時の自分を客観視するためのバロメータになってるなあ、
という、そんなお話。


金曜日。


このところ、天気が良くない。
……と思っていたところに、この日だけは春雨の晴れ間だというので
仕事の鞄にカメラを忍ばせた。
標的は、このところ気になっていた通勤途中
(と言っても、オイサンはウォーキングがてらやたら歩いてシゴトバに向かうので
本来なら全然通勤経路ではないのだけど)に見える、
ドブ川に覆いかぶさるように繁った雑木林だ。

冬に枯れ落ちて、様々不揃いな雑木が痩せこけた枝や朽ちて茶色くなった葉を
思い思いに伸ばしている、
夜子供が見たら泣き出しそうにおどろおどろしい、
陰影の輪郭に何故だか心を惹かれていた。

デ、駅から仕事場に向けて15分ほど歩いたところで現場に差し掛かるのだが、
これがあまり塩梅が良ろしくない。
イメージと異なる。
どうも、晴れてバックの空が青いのが邪魔をしているようで、
昨日までのねずみ色の空、
しかもどんよりと言うほどでもなく
手を突っ込んでかき混ぜても霧雨しか落ちてこないような、
淡いグレーの空と雑木の作る影との弱いコントラストが
良い雰囲気を作っていたらしい。

写真は光量が多いだけで随分と見た目がよくなるので、
それにとらわれて肝心なところを見落としていたらしい。
うかつだった。

実はこの日はあまり眠れておらず、
加えてその前日新しく導入したモバイルPCが言うことをきかなく
通勤途中のファミレスでしていた書き物も芳しくなかった。
おかげで、駅を降りるまではちょっとイライラし通しだったのだ。

歩き出してからは天気がよく風も穏やかで、
イラつくのも勿体無いからと出来るだけ心を落ち着けるように意識して
ここまで歩いてきた。
ならし運転にと、途中気になったものにレンズを向けて、
二、三シャッターを切ったりもした。

そうすることで、幾分か気持ちが穏やかさを取り戻していくのが分かった。
何よりも、今の自分の心の状態を外側から見られるような気がした。
どうやら「撮ろう」とすること……
……それが実際に撮らずとも、撮影対象を意識すること……で、
今、自分が被写体に対してどのような感情を抱けているかを確認でき、
さらにその確認のされ方から、今、自分のこころがどんな状態にあるのかを、
自分で客体的に捉えることが出来るらしい。

つまりは、「良い風景」と、「さほどでもない風景」があったとして、

  ・良い風景を良い、さほどでもない風景はさほどでもないと思えている自分
  ・良い風景も良いと思えない自分
  ・さほどでもない風景も良いと思える(思ってしまう or 良さを見つけ出せる)自分

などがいて、さらにそれらの自分の存在を客観的に認識するということだ。
他にも、視界や互換の知覚域が数百メートルレベルで拡大することや、
逆に集中して小さなものにやたらと関心が行くことなどの状態がある。
どちらの状態も、とても面白く心地良い。

  そんなときは、冷静に何かを考えるのには不向きだが、
  何かを考える前段階の、題材探しにはもってこいだ。
  イライラしているときは大枠と細部のどちらに対しても散漫で、
  自分にしか目が行かないから何も良いと思えない。

どんな場合でも、「良いと思えない・関心がもてない」場合でさえなければ、
何がしかの発見があるものだ。
ハンカチ一枚からヒトツ面白い話が思い浮かぶときもある。

  ……ちがうな。
  「ハンカチ一枚を面白がれて、そこから何かひねり出してみよう、
   という気にさえなる」
  というところが正解か。

そんなことで、この日は思ったような写真は撮ることが出来ず、
またたとえ曇りの日にカメラを持ち出したとしても、
オイサンのしょぼっちいウデでは曇り空の貧しい光量の中
あの細緻な陰影をまともに写し取ることは難しかろうから、
思うような写真を手元は残せないことを思い知りながらも、
またヒトツ別な発見のあったことを喜ぶことにして
とりあえずネタにしてみた。


R0023851
これまた何てことのない写真ですが、これはこれで、
一つのネタモトになった写真です。
しかしこれだけ見ててもホント何もないな(ほな載せんな)。



オイサンでした。


 

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