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2010年2月の24件の記事

2010年2月28日 (日)

■下着姿? いいですとも!! -更新第438回-

シャア専用、赤いホワイト学割!
通常の三倍料金がかかります。学割?

オイサンです。

……はじめっから「白い方」をフィーチャーした方が話が早ぇんじゃねえのか、
というクレームは受け付けません。
連邦の学割は化け物か! 的な、ね。
だってつまんないじゃん。

今日は

  ○ぱんつのはなし
  ○○『ひだまりらじお×☆☆☆』第5回の感想 他
  ○○○四方山オマケ噺




■二次元じゃないから恥ずかしくないもん、という幻想



本日はイッパツ目からぱんつの話です。
ヨロコベ。

皆さん(男性限定)は……女性の下着売り場とか、恥ずかしいですか?
うっかり迷い込んだりすると気まずい感じですか?
オイサンなんかはもうすっかりオッサンなので、
「おっといけねえいけねえ」
くらいのもので、特別な感情は湧かない訳ですが。

今日、隣り駅近くを歩いていると、
表通りに面してある女性下着の専門店さんが、
下着だけ身に付けたマネキンさんを、通りまで溢れてディスプレイされてまして。

その下着というのが、形こそフツウなのですが、
なんかもうほとんどがレース地の、
色合い的にも純白にほんの僅かだけ淡いブルーの混じっただけの、
パッと見ただけでも着たらワリと大変なことになる感じのもので、
それをアナタ表通りに向けて飾るのはどうだ、
「もうチョイ節操のあるディスプレイは出来ないものか」
と。

  イヤ確かに、物としては綺麗なんですよ。
  イヤらしい感じはないんです。マネキンさんが着けてる限り。
  見栄えはするので、飾りたい気持ちは分かるのですが。

……などと、至極冷静に横目に眺めつつ素通りしようと思ったのですが……
一瞬だけ、
「……もしアレを、絢辻さんが着けてて、目の前に現れたら……」

などと頭を掠めたものだからもう大変です。
とてもじゃないですが、正視出来なくなってしまった。
イヤ正視するのがそもそも間違いなんだけど。

そこでオイサン気が付きました。

オイサンが下着売り場とかでも気まずくないのは、
「それが自分にとってリアルではない、生々しくない無関係の物」
だからではないのかということに。
誰かがつけてることを想定するものではないからなんじゃないのかと。


……。

 

 絢 辻 「ちょ、ちょっと! 何いつまでもジロジロ見てるのよ!!」

 

とか、嬉しそうに言われたいなあ……。
おっとイカンイカン。これでは普通にただの橘さんじゃないか。
オイサンは、ヤツの倍は生きてるんだぞ?

倍のパフォーマンスを発揮出来んでどうする。 ← 間違ったプライド

まあ、そんなことでね。
パンツなんてなあ、二次元に限るよって話ですよ。 ← どこでそうなった。
ぶっちゃけ、生身のぱんつを買ってきて喜んでる方々の気持ちは
オイサンには理解いたしかねますです、ハイ。

……。

それとも、絢辻さんが履いたヤツだったら嬉しいもんかなあ……。
想像つかんなあ……。
なんかこう……嗅覚に訴える系の話ですよね?
むーん。
ちょっと真面目に考えてみる。 ← 学者肌
何がいいのか、多少なりとも気持ちが分かる方からの

ご意見をお待ちしております



■ひだまりらじお×☆☆☆ 第5回





話の毛色はがらりと変わって、
2月更新分の『ひだまりらじお×☆☆☆』の話。
ゲストはゴルベーザことゴルゴことゴトゥースさん。

  ちなみにオイサン、休日の夜とか中途半端に部屋を空けるときは
  お留守番代わりに『ひだまりらじお』とかをほどほどのボリュームで
  かけ放して出掛けたりします。
  空き巣の方々……だまされろ!!

話題のメインは、先ごろ開催されたファンイベント、
『超☆ひだまつり -2~4時間テレビ-』について。
盛大に盛り上がったようで何よりです。

  オイサンは参加出来ませんでした。
  行ってみたいような、恐ろしいような。
  でも「行かずに惜しいコトした」と感じている自分も好き。そんな葛藤。

イベント準備は大変らしく、
リハと本番で死ぬほど筋肉痛になったり、
振り付けを憶えられず、サラっと憶える若いオミデガンス(=小見川千明)が尊敬されたり、
小屋(パシフィコ横浜・5000人収容!!)がデカ過ぎてプレッシャーだったりと、
開催する側としての葛藤や機微の垣間見える、
なかなかに味わい深いトークの連続でした。

見てる方は見て笑っておしまいだけど、
彼女らはオシゴトで、見に来る人を楽しませないといけないんだもんな。
そりゃ大変だ。

リハでの筋肉痛。
オイサンは大学時代は演劇部でしたが、
そこまでヒドイ筋肉痛とかにまではなったことがありません。

あと、オシゴトしてると思いますが……
若い人に細かいことを質問する場面は、増える。どうしても増える。
その分、こっちは大きなことは分かるようになるんだけど。
若手の細部へのこだわりや記憶力ってのは、確かに馬鹿に出来ないと思う。
どんな職場でも同じなんだな。

パシフィコでやる! と聞かされて、ゴトゥースもアスミスもビビりまくったそうですが、
結果、埋まったそうです。すげえな、『ひだまり』。
番組中でアスミスも、埋まった客席を見て

 「これ『けいん!』じゃないよ? これみんな『ひだまり』見に来た人? て思った」

と、冗談めかして言っていたけど(オイ)、確かに『ひだまり』は
ネット上とか見てもそんなに大盛り上がりしている作品ではないんですよねえ。
もしかしてスゴイのか?

もしも『けいおん!』とかで同種のイベントをやったら
もっと大変なことになったりするのだろうか。
『ひだまり』には、ちゃんとお金を払って体も使う、
まっとうなファンが多いってことなのかなあ。
フシギ。


……。


まあ、そんな感じで。
ゴトゥース仕事したなー。
……そんな感じの回でした。
フリートークも、コーナーお便りも聞き応えアリ。
おもろいネタ多し。

全体的に、アスミスもゴトゥースも、終始すげえテンションの高い、
良い回だったように思います。
二人が仲が良いのか、
ゴトゥースが仕事人でアスミスがそれにちょっとビビって頑張ったのか、
なんかどっちかな感じがする。
イベント後だからってのもあるのかもしれないけど。
アスミスのタガが、いい感じにしまっていた気がする。

  シンタス相手だと限りなくユルむ。

思い返せば、『×365 特別編』DVDの、『ひだまりデイズ』のコメンタリー(映像つき)でも
ゴトゥースは割と頑張ってシゴトしてたような気がする。

というわけで、ゴトゥースは案外しっかり者、ということで。
男っぷりもいいし。
あと、冒頭の「ナゾのリカルド漫談」が分からないので、
早いトコラジオCDを調達したい所存。

 ▼『ひだまりらじお×☆☆☆ 特別編 ~いぇす!あすひとつ!~』

……と、いうところまで書いたのが昨晩のこと。

慌ててゲットして来ました、
『ひだまりらじお×☆☆☆ 特別編 ~いぇすっ!あすひとつ!~』。
……オマケ付き。

R0023800

  ついでといってはなんだが、棚町と中多さんも一緒です。

   R0023813

  どこで使うのだ、と言われそうですが、シゴトバの机の上で、
  マグカップを置くコースター代わりとして現在美也が活躍中です。
  その交代要員として。

ラジオCD、まだ全部は聞けていませんが、
とりあえずオープニングのリアルゴルベーザ様のリアル


「いいですとも!!」


にハート鷲掴み。なんだこいつらwww
ホントにゴトゥースは仕事するなあ。

 ▼最近の『ひだまりスケッチ』本編

……ぶっちゃけた話、
最近アニメ本編の方は、作画とか構成とか、たまに危険な匂いが漂うことも多々ある。
Aパートのお尻がBパートにめりこんだり。

あと、最近気になるのが、ウメスの出番が少ないこと。
ウメスは本業があるだろうから、もっと声を出せとは言わないけど、
ひだまり荘の全景の画とかで、今までなら、
屋根の上にシルエットでウメスがいたりしたもんだけど、
このところ何もいなかったり、何故か猫がいたりして、ちょっと
「え? なんで? そこはウメスでしょ?」
と思うことがある。
意図的なのか、分かってない人が何かをコントロールしているのか。

 ▼OPの小さな矛盾

もう一つ気になっているのが、OPで。

■『ひだまりスケッチ×☆☆☆』OP



  ♪ だから、ここですよ ひだまり日和~


の、全員集合する画のところで、
ゆのっちが右から出てきて、
その後ろから宮ちゃんが続いて出てきてゆの後ろからを抱え上げて一回転する、
という動きがあるのですが、宮ちゃんの位置がおかしいのです。

出てきたときのコマでは、宮ちゃんの振り上げた右手がゆのっちの顔の前にある、
つまり宮ちゃんの方が画面に対して前、視聴者に近い位置にいるはずなのに、
次のコマではゆのっちを後ろから抱え上げてて
キャラの前後が一瞬でスイッチしています。

見ていて「なんか変だなー」と気になったので
コマで送ってみたらそうなってた。
今更、わざわざ直しはしないのだろうけど、チェックしてて気付かなかったのかなあ。
敢えてスルーしたか?

マそんなことで、
ラジオとか中の人もいいけど、本編もしっかり頑張ってもらいたいものです。

 ▼オマケ ひだまとめ
  http://www.aniplex.co.jp/hidamari/hidamatome
  flash的な冊子のページが直ひらきします。別に重くも無いけど一応注意。

全部は読んでないけど面白そう。
読み応えあり。
いつの間にかこんなもん配ってたんだな。
そして……この番組、お金あるんだなあ。



■Closing



……というわけで、本日は『ひだまり』中心に四方山更新でした。
書き物を載せようとも思ったのですが、もうチョイ寝かせてねじります。



……。



絢辻さん……もうちょっと、素直になっておくれよ。
会話がうまくかみ合わないよ……。



以下、ネタ的オマケ。



■オマケ1 任天堂ののうみそ



 ▼DSiウェア アッタコレダ
  http://www.nintendo.co.jp/ds/dsiware/krgj/index.html




是非動画を見てください。
これはすげえ。
なんだこれ?
あのカードの中に傾きセンサー入れたのか。

これDSiウェア?
DSライトじゃ出来ねえのか!
ちくしょう、DSi買わないと!!
ああもう、お金ないのになあ、買わないとなあ!← 嬉しそう
やっぱここはDSiLLだよなあ!! ← 欲しい

ていうか、そういうセンサーを使えばこういうゲームが出来てしまう、
という任天堂に集う人々の、脳ミソが回転する方向がすごい。
ただごとじゃないと思う。

その昔、SFCがリリースされるとき、その回転拡大機能を見て
「ああ、レースゲームのコースを倒して回せば『F-ZERO』が出来るな」
と思いつく、御大・宮本茂氏の血脈が息づいているとしか思えない。
そういう教育のカリキュラムでもあるんだろうか?
受講希望。



■オマケ2 言ってるそばからネタにされまくる明子さん



前々回、出だしのマクラでネタにした
日本女子フィギュアの鈴木さんですけど。

  ▼鈴木明子のAA作ったお [ハム速]
  http://hamusoku.com/archives/2745767.html


正直スマンかった。
でも誰かに似てると思ってたのが、いくよくるよのいくよ姉さんだということが分かって
すごくスッキリした( ← 反省の色なし)。



以上、オイサンでした……。



 

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2010年2月27日 (土)

■髪を 切りに いこう 。 -更新第437回-




■第一話 ラーメン帝国とおナベの国のくにざかい




最近、お鍋用のカット野菜を買ってきては、
それにお肉やらうどんやらをちょっとだけ追加して
一人小鍋を楽しんでいるオイサンですが、
先日うどんを切らしているのを忘れたまま途中までこしらえてしまい、

 「しまった、これではちょっと寂しいな……何か代わりになる麺モノはないか。
  おお、サッポロ一番がある、これを半分だけ入れよう。

  ……でも半分だけ残られても困るな。いいや、全部いっちまえ。

  ……スープの粉はどうする? ……これもいっとくか」

デ結局、ただの

野菜たっぷりサッポロ一番
が出来上がってしまいました。

落語か俺は。
オイサンです。


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どうでもいいけど、サッポロ一番って「サンヨー食品」とかいう
わけのわからないメーカーだったんだな。
もっとメジャーなメーカーかと思ってた。



ナベ物とラーメンの国境いを目の当たりにしたようで、
ちょっと新鮮な驚きがありました。
「ここを越えるとラーメンになってしまうのか!」と。
これを応用して、世界の国境を曖昧にする論術を考案中。
以下、本日のお品書き。

  ○ 春雨と、麺類三柱神の力関係
  ○○ 春雨の名前の由来
  ○○○ 春と、学生さんの足音と。



■第二話 降り注ぐ……



それが、数日前のこと。

その鍋に入れる麺類には、うどん・ソバ・中華麺と、
何種類か試していたのだけれども(きしめんとかも)、
その麺類三柱神は、いずれもそこそこカロリーがおありになる。
茹でられた状態で、100gあたりそれぞれ大体 

  うどん 100 kcal 強
  そば  130 kcal 強
  中華麺 150 kcal 弱

くらい。それに、100gくらいではちょっとお腹に心もとない。
ひと玉大体180gから200gくらいですから、マまるまるとまでは言わなくても、
上記の1.5倍くらいは欲しいところ。
バカにならない。
デ、昨日の帰り道にハタと思いついた。

  「……そういや、まだハルサメは試してないな」

ハルサメさんのカロリーはどうだろうと調べてみると、

 ハルサメ 80 kcal 弱 /100g

とある。これはなかなか悪くありません。
デ早速昨晩はハルサメの出番とあいなったのですが、
茹でるとボリューム感も出て、なかなかの活躍ぶりでした。
しばらくは春雨さんの天下が続きそうです。
ダイエットしてる輩は試してみるがいい!!



■第三話 君の名は



そこでまたツマラナイ事を気にするのがオイサンの仕事みたいなものでして、
今度はハルサメさんのその名前の由来が気になった。
「そんなもん一発で想像がつくだろうが!!」
と怒られてしまいそうなアレですが、一応ウラ取りをしてみたところ
これが見事にそのまんま。

 ▼春雨の名前の由来 (一番下の方)
  http://www.snap-tck.com/room04/c02/misc/misc04.html

なんのヒネリも無しか。
……ですけど、あのなんとも貧相な乾物に、
「春の雨」なんていう、
幾らでも含みもドラマも持たせられそうな物から名前を借りてくるなんて、
最初に名付けた人間の、なんとも情緒に富んだ感性であることでしょうか。
世が世なら、思いついても恥ずかしくて口に出すことすら難しそうです。



  あかり 「この乾物って……まるで、春先に空から降りてくる、
         妖精さんの笑顔の雫みたいだよね……」




だからどのあかりだよ!
ハルサメ、発祥は中国、伝来は鎌倉時代らしいので、ジッサイのところは

吉田兼好あたりが「っぽくね?」
的な見た目一発でキメてしまったのでしょう。
チクショウ、元祖ポエミー親父め。
時代に恵まれやがって、うらやましいぜ。

……などと、ですね。
フと思ってみればあまりにキレイに時節に適ったハナシだったので
あざといと思いつつも書いてみました。
狙ったわけじゃないんですよ。
ホント偶然。



■最終話 髪を切りに行こう。



マそんなことで、っすな(枕が長い)。

昨日吹いた強い風は春一番なのだそうで。
もう三月ですしね。
春到来です。

  関東以南の話ですけど。
  北の方々はもうチョイ待って下さい。
  とかいって、また気温が下がることもあるのでしょうが。
  このところ、もう一つ元気が出ないので……
  3月の連休には、また北海道でも行ってみっかなあと画策中。
  これがホントの札幌イチバン、なんつってな。
  誰がうまいこと(ry

確かに、二日ほど前からシゴトバ~最寄駅の通勤ウォーキングで
若干多めに汗をかくようになったなあと思っていたのですが、
今朝はもう。
朝っぱらから結構な汗をかいてしまいました。

今朝は空の色も、どっちつかずで美しく。
雲のグレーと空の淡い水色が程よく混ざり合っていて、
今日に限ってカメラを持って来ていなかったのが悔やまれるほどでした。
まオイサンの腕とGX200さんで、あの微妙な色調をどこまで撮り込めるかは
ちょっと不安の残るところではありますけど。

  携帯のカメラだとこんなもんです。
  Sps
  なんもわからん。何の工夫も出来ん。撮っててもツマランな。

そうやって朝っぱらから結構な距離を歩いていると、
道々に小学校から中学校からあることもあってか、
学生さんのお姿をたくさんお見受けします。
その通学のご様子だけ切り取ってみても、皆さんホント様々です。

一人の人、
二、三人で行くグループ、
もっと大勢で行く人たち。
歩きの人、自転車の人。
音楽聴いたり、本読んだり。
いちゃいちゃしたり。

皆それぞれ、思うところとか背景とかがあって
ああいう形に落ち着いているんだろうと思うと、味わい深いものがあります。

誰かといた方が楽しいとか、安心だとか、
逆に一人では不安だとか。
一人の方がラクであったり、何かと都合が良かったり、融通が利いたり。
ただ近所にウマの合うのがいるとか、いないとか。
行きは一人でも帰りは二人、なんてこともあるのでしょうし。

そして複数人で隊を編む者たちは、
組織立って、上から「このようにせよ」と言われたわけでもない。

何か一つの理由のもとでそうなっているわけではなくて、
彼らは皆、個々に個々の都合をおもんぱかった結果、
トータルとしてではなく、個として、それぞれがそれぞれ違う都合と判断基準のもとで
「こうであった方がイイ」という気持ちに辿りついて、
結果、結びついているのだから、スゴイなあと思う。
すごく効率は悪いはずなのに、その場にある誰もが一番「しっくりくる」形に、
基本的にはなっている筈なのだ。
すばらしい。すばらしいし、面白い。

  マ「兄弟だから」とか「親に言われた」とか、
  全然あるでしょうけどね(台無し)。

そうした、「どんな編隊で通学をするか?」なんていう、
本当になんと言うことのない日々の都合の上にも、
無数の考えと選択と、意識されない生理の機微のようなものが
折々と積み重なっているに違いなく、
しかもそれら一つ一つの層は、
年齢的には幼いとはいえ、彼らにとっては重大で真剣な、
彼らの身の丈の比率の上では存分に深刻な重みを持っているのでしょう。

それを思うとやはりなんとも、
その一つ一つを眺めているのが楽しかったり、
じゃあ自分はどうしてここにこのカタチでいるのだろうと考えたり、
周りからはどう見えているのだろう? とか。



そんな景色にぽつんと置かれながら額にかく汗が、
鋭く乾いた冬のものではなく……ぬめりを帯びた温かなものになってきたから。



……だから明日は、髪を切りに行こう。



オイサンでした。

 

  ※この記事は、2010年2月26日に書かれたモノです。
   が、下書き状態のまんま公開設定にしていなかったために
   翌日の夕方になって更新されていないことに気付き、
   慌てて公開されたものなので曜日感覚がオカシイです。
   ガタガタぬかされませぬように。



 

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2010年2月25日 (木)

■ゲームのサイズ、生きるサイズ -更新第436回-

女子フィギュア、鈴木明子のドヤ顔がたまりません。


オイサンです。

最初は、何かアピールがクドイのが出てきたなあ、
好きじゃないなあと思っていたのですが、

最近はもうなんかキモチ良くなってきました

演技は奮ってないケド……頑張れ鈴木!

いや、苦労してきた人だというのは聞いてますがね。
そこを分かった上で、敢えて。



■『ドラクエⅨ』の話



引き続き、『ドラクエⅨ』をやっているのだけれども、
どうにも面白くない。
引っかかっている原因は大体わかっていて、

 1) 転職システムが変わった。
 2) 成長ペースが遅い。
 3) 操作性が悪い

の3つ。
マ好みの問題によるところが大きいんですけどねー。

 ▼1) 転職システムが変わった

1)は、転職後に呪文が引き継げなくなったことが大きい。
そして転職するタイミングがもうヒトツつかめない。
フツー(というか従来作)だと、とりあえず現職を極まるところまで
(職業レベル最大とか、特技・呪文を覚えるところまで)育てて転職、
というのが基本だろうけど、
『Ⅸ』では、どこまで育ててから職を変えるのが効果的なのか分からない。
スキルを極めるまでやろうとしたら結構大変なレベルまでやらないといけないくさいけど、
スキルで身についた物しか転職先で使えない(呪文はスキルとして扱われない)みたいなので、
そこまでしないとあまり意味が無いっぽいし、第一気持ち悪い。
でもそんなに膨大な時間は費やしたくない。
それは……育てることのメリットを、あんまり感じないから。

あと、上級職に転職するにはクエストをこなさないといけない、
というのもダルい。
物語上のミッションならまだしも、クエストは
オイサン的にはあくまで寄り道・オマケという認識なので
(「メタルスライムを××の状態で×匹倒せ!」とか、完全にオマケじゃないすか)、
それをシステムの本筋部分に組み込まれると面倒に感じる。

メインのお話を滞りなく進めたいだけなのに、
システム的に寄り道をしないといけないってのはどうなのよ、と。

そういう意味で、『Ⅸ』は
「システム的な本筋が何なのかわからない」
というのがヒトツ、大きな引っ掛かりとして、ある。

従来作では、とりあえず魔法使いだったら魔法使いを長く続けていれば
ひとまず魔法使いとしての呪文(メラゾーマ、イオナズン、等々)は
最大まで憶えられたのに、
『Ⅸ』ではその辺は賢者にならないと憶えられない。
そして賢者になるにはクエストをやらないとならないという、
筋道一本でおわらない煩わしさがある。

 ▼2) 成長ペースが遅い。

遅い、というよりも、強さを実感するのに時間がかかる。
そして、あるタイミングでブレイクスルーが起こるわけではないので
カタルシスが得られにくい。

「攻撃魔力」「回復魔力」というパラメータの導入で、
同じメラでもその数値の大小、つまりは成長度合いによって威力が変わって来る。
メラの癖にダメージ20とか40とかも平気である(従来作は10~15程度で固定)。
そのせいで、新しい呪文を中々覚えない。
イオラ、メラミが使いたい。

戦闘の数値自体は上がってるんだからそれでいいだろうと言われそうだけど、
新しい呪文を覚えて、あるタイミングからパーッと自分が強くなった感触があるのは
爽快感として大きいと思う。
それが無いのは痛いし、いつまでもメラとイオで戦うのは気持ち的にダルい。
無論、それでも戦えるように敵の強さもバランスとられているんだから
極端に難度が上がるわけではないのだけれど、快感の問題だ。

従来作であれば、レベルが20台中~後半にもなったら
イオラ・メラミを憶えててもいいはずで、
全体に50から70程度のダメージが出るようになった快感は嬉しい物だ。
力こそが正義! じゃないけど。

そしてイザそれらの呪文を憶えたとしても、
転職したらその使い手がいなくなってしまう訳で……。
また、カタルシスは奪われる。
キツイ。
転職する気も失せる。

 ▼3) 操作性が悪い

悪い、とはいっても、些細なことばかりなんですけどね。
他の作品であれば、看過されそうな程度の。
けど、これって従来作ではあまりなかったことで、『ドラクエ』にとっては
結構な事件な気がします。

まずは、建物や階段に入りにくい。
DSで作ったからなのでしょう、3Dの背景が45度までしか回転出来ず、
それにつられて建物なども、大体画面のセンター軸にたいして45度傾いた形で
配置されていたりします。

  ……オイサンこの時点で、
  「ゲームのために作られ配置された町」という印象を受けてしまって
  かなり拒否反応があるのですが。
  生きた町ではない、ゲームのための死んだ町であるように見える。
  雑多でない。

  DSというハードでのプレイアビリティを確保するための
  最善のデザインであることは理解しますが、
  だったらPS3でも360でも、なんならPS2だって、
  3D背景を360度回転させ得るプラットフォームは選択肢として
  幾らでもあるわけで、それを避けたということは
  「生きた物語世界を描くこと」は二の次で、
  DSありき・普及台数ありきだったのだね、
  という風に、どうしても感じてしまうのです。

  お商売ですから売れることはもちろん大事なのですけどね。
  そういう意味ではオイサンにとって、
  DSが現行ハードで普及台数No.1であることはとても不幸です。

  閑話休題!

デ話を戻すと、その45度傾いた建物の壁面にある扉を、
どうしてもスムーズにくぐれない。
まっすぐ行って、イッパツでどーんと入れたためしがない。
ちょっと壁に当たって、ずりずりと顔面を壁にこすり付けてスライドして、
ガチャっと入る感じ。
ストレス。面倒。

装備画面もなんだか直感的ではない。
タッチペンでやればそうでもないのかもしれないけども、
ボタン派のことも考えて、LRボタンで操作カテゴリ間のジャンプをさせてくれるとか
あったら嬉しかった。

買い物や、レベルアップ時のメッセージ送りなどで
一部キーレスポンスが悪いところがあったりして引っ掛かりを感じる。

  ……なんでレベルアップ時、
  メッセージ送りの「▼」が表示されるタイミングが違うところが
  一箇所だけあるんだろう?
  わざと? 処理上の制約?

あと、たとえば教会で、扉をくぐってから神父さんのところへたどり着く、
その直線状に微妙にぶつかるように人が立ってたりするのはなんでなんだ!!
微妙に肩がぶつかるんだ、けんかさせたいのか?!
こういうちょっとしたことが凄く引っかかる。

……細かい話かもしれないけど、こういう部分で
「ああ、今『ドラクエ』をやってる!」
という従来作の「おもてなされ感」、
かゆいところに手が届き、やりたいことだけを集中してスムーズにやらせてもらえる感覚が
今回、すごく、ない。
足りてない。
イラッとしたり、煩わしく感じるタイミングがすごくある。

ルーラのMPが0とか、そんな甘えはいらんのだよ。
ルーラのMPは8だ。
8くらいは要った方がいいんだ、自然なんだ、その方が生きてるんだよ、世界が。
人間が空を飛ぶんじゃぜ?
そのくらいの労力が必要とされた方がエネルギー保存的な意味で、
なんか納得いくじゃないか!!

  ……どうでもいいですか?
  ラクな方がいい?
  ……ああ、そう……。
  そうかなあ。
  そうなのかなあ……。

でも、『ドラクエ』世界って、息吹みたいなものの絶対的な支配感が
かなりゲームの良い雰囲気を作っていたと、
オイサンは感じていたのだけどねえ。
今回、その辺が大きく損なわれている感じで、すっごく残念です。
やっててつまんない。

 ▼トータルとして、ゲームのサイズが変わっている。

また上に書いた色々に付随して、
従来作とゲームのサイズが著しく変わっている、という感触がある。
どういうことかというと、……たとえば、
まず極大呪文が従来作からさらに一段階上が増えている、ということ。

 ・イオナズン → イオグランデ
 ・メラゾーマ → メラガイアー
 ・バギクロス → バギムーチョ

これによって何が起こるかというと、
プレイ時間が、拡大するか加速するか、どちらかが起こるということで。

呪文をどのタイミングで覚えるかというのは、
従来作を知っている人間にとっては、
「今、自分が物語のどのあたりにいるか」を知るバロメータになる。
従来どおり、「メラ・メラミ・メラゾーマ」で終わるのならば、
「メラミを憶えたら大体お話の40%ぐらいの進度、
 メラゾーマを憶えたら終わりが近い」
ということが大体、大体分かる。

これにさらに「メラガイアー」という天井が追加されると、
「メラミを憶えたけど、今何%くらいなんだ?」
ということが、感覚的につかめなくなる。
ただでさえ今回、2)で書いた要因があって、
展開が遅く感じる上にゲームの進度が把握しづらいのに、
さらに混乱させてくれる。

また、総プレイ時間が従来作と同じように80時間程度なのであれば、
従来作ではメラミを憶えるまでに大体30時間くらいだとしたら、
今作では80時間までに呪文を4つ憶えないといけないワケなので、
時間配分的には20時間くらいでメラミを憶えることになる。
こうなるとゲームの進行が早まったように、プレイヤーとしては感じるはずですが……
今回は既に、その感覚は、ない。
つまり、メラミを憶える時間が従来と同じくらいだとするならば、
総プレイ時間は多分1.3倍くらい、100時間超に膨れるのではないだろうか。

加えて、このメラガイアーが一体どのくらいのダメージを叩き出すのか
オイサンにはまだわかんないけど、
これまで『ドラクエ』で取り扱ってきたダメージ数値を
大きく上回るようになることは目に見えているわけで、
この「時間配分の変化」と「扱う数値の変化」というのは、
ゲームの手触りを大きく変える。

  マこの辺については『Ⅶ』のアルテマソードとかから出ていた傾向なのだけど、
  この辺のワザになると普通にクリアするまでに憶えるのは難しかったりするから
  あんまり気にはならなかったんですよね。
  それこそオマケ的な扱いに近かったので。

昔からもう9999を叩き出すのが当たり前だった『FF』とかと違い、
本編クリアレベルにおいて、大体HPはいっても500、
ダメージはいっても200程度だった『DQ』に、
この変化はちょっと大きいし、人間が古く、いい加減頭のカタイオイサンには
『DQ』としての範疇を逸脱しているように感じてしまう。

基本、『DQ』は伝統芸能だと思っているので……そこを崩されるとツライ。
そういう意味、ゲームの総プレイ時間がのびたり、進行テンポが上がったり下がったり、
扱うダメージ数値の量が増えることを指して、オイサンは
「ゲームのサイズが変わる」
と申し上げました。



■結局のところ



なんというか、結局それらの仕様は、
全部マルチプレイ・ネットワークプレイをする際のバランス取りのために
そうなっているように、オイサンには見える。

「スタンドアロンプレイも楽しいですよ」
という売り文句ではあるけれど、
基本的な設えやバランスの全ては、マルチプレイを快適に面白く、
成立させるためにまとめられているように見えるのですがどうでしょう。

オイサンは……ねえ。
スタンドアロンを、本編の物語を一番楽しみたいんですよ。
すっかりそれで、完結してるカッコウで、
全てのシステムが、物語を一番心地良く楽しませるためにあってくれるのがありがたい。

でも、この仕様で400万本とか売れちゃったから……
次回からもこの流れがメインとして残っていくのかなあ。
ベギラマがなくなっちゃったのは寂しいなあ。


……。


マそんな感じで。
もうしばらく続けますが、楽しめない状況が続くようなら
適当に切り上げてDS版『Ⅵ』に移行しちゃおうかと考えているオイサンでした。



■できるかなって、!!



あと、こんな文句タラタラの記事でアレですが、
今日でこのブログ、開設から丸4年です。
うほほーい。
ワリと長いなー。
しかし、一年前の今日の話数が183回だったというのに、
今回が436回ってどういうことよ。年250回超更新?
すげえな。

明日は、ヤングアニマルが出て、
多分『Sincerely Your's』更新があって、
多分『ひだまりラジオ×☆☆☆』も更新あるだろう。
楽しみ楽しみ。

せっかくだから、明日はお祝いに焼き肉でも食べよう。



 

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2010年2月24日 (水)

■迷いの森のキノコスープ -更新第435回-

地震・松茸・火事・しめじ


……って、なんだろう……。
オイサンです。


今日の昼休み、自席から昼ゴハンの仕出し弁当を取りに行く
ほんの数メートルの間にパッと思いついたのだが。
……神は一体俺に、何を伝えようとしているんだ……。
何をさせようというんだ!!


  絢 辻 「……大災害の手伝いと、おさんどんじゃないの?」


ううっ……。
どっちかにしてくれないかなあ……。



■夕べの吹っ切れ



昨晩は、
「あーブログ書こうーなに書こうーなんもネタ用意してないなー
 どーしよっかなー」
と思っているうちに風呂にも入らずオチてしまって、
目が覚めたらてっぺん越えてました。

手遅れだ、しゃあねえなと思いつつ風呂に入っていると、


  寝る前にちょっとだけゲームをするだ幕の内!!




と心で猫ちゃんの声がしたので(本当)、布団の上で『アマガミ』やってたら、
先に一眠りしておいたせいか、いい具合に健やかになった心に
「七咲と福引」のイベントがひっかかった。

そこで気分任せで、メモ程度、簡単に記事にしてアップしてしまえ、
と思って写真を撮って打鍵してたら元気になってきてしまって
あんな感じになったんですけど、どうですかねー。

なんかもっと……特別なコトとか面白いコト、立派なコトを書きたいなー、
と思ってはいるんだけども、
ああいう、暇つぶしや気まぐれで覗きにきた同好の士が
ちょっとだけ「ああ、えへへ」みたいな気持ちになってくれそうな記事も
それはそれでいいなあ、と、
自分ではヘンに吹っ切れたというか、
意義のあった記事なのですが。
なんか、こういうのが「らしい」なあ、と自分で思ってしまった。

  あ、面白がってもらえればこれでもいいんだ、という感じで。
  ゆるっと流せる、みたいな。
  そんな中にもぽっちり一粒、心に響く物を混入していければ
  それに越したことはないのですけどね。

マここの基本は、
ファンシー親父のメルヘン絵日記を見て戴くページですから。

しかしさすがに、連続睡眠時間が3時間切る日が2日続くとしんどいな。
夕方くらいからだんだんツラくなってくる。
今日はちゃんと寝たい。
 
 

 源 二 「猫ちゃんのおかげですっかり寝不足じゃわい!!」

 猫 田 「源ちゃんは昔から、すぐ人のせいにするだニよ!
      ブログは源ちゃんが自分から書いただニ、
      そこまでしろとは言ってないだニよ!!」

 
 
 
▼一日を終えて。



『アマガミ』、一日の終わりに必ず入る、
自宅、居間のシーン。

  好感度チャートが出て、美也がピョーンと出てきて、
  「毎日のツミカサネが大事なんだ!……って、お父さんが言ってたよ!」
  とか言う、あのシーン。

オイサンは、このシーンでいつも視点が「父親」に切り替わります。
このおかしな、けど仲の良い兄弟二人が一日のことを話している居間に、
「ただいまー」って帰りたい。
そして
「おお、何の話してんだ?」
って混ざって、彼らが今思っていることや困っていることを聞きたい。

さっきまでは恋と物語の主人公だったのに、このシーンでは
二人を見守っているだけの存在になった心持ちがするのです。

  なんでだろう。
  多分あの、コタツに障子、テレビに観葉植物、ヘンな棚、カレンダーっていう
  あまりに庶民じみた背景がそんな気分にさせるのだと思うけど。

育ち、悩み、恋をする、こんな二人を子に持ちたい、
そして願わくば、その成果を見せて欲しいと思うのです。

だからオイサンにとって、『アマガミ』のテーマは家族に見える。
そんで畢竟、絢辻さんを家に連れてきた息子に

  「お前……また随分大変なの連れてきたなあ……。
   イヤいいけどな。美人だし」

とかって言いたいです。
ギャルゲーなんかやりながらナニ考えてるんだ。



本日もそんなオイサンでした。


 

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2010年2月23日 (火)

■冬。今再びの、輝日東の日々。 -更新第434回-

※写真の画角やらがイロイロまちまちなのはミッドナイト仕様ですw



■七咲と福引きに行く。



R0023707  

……なんだろ。

妙に、雰囲気のいいイベントだなあ。

派手すぎず、しっとりしてて。
なんで七咲が人気あるのが、このイベント一つで分かる気がする。

オイサンの中で、
輝日東って町はもうちょっと都会のイメージがあったのだけど、
このイベントせいでかなり田舎に寄った。

……うーん。
計算で書けるシナリオじゃあ、なさそうだ。
……今更だけど。

R0023717



■『アマガミ』プレイリポート Rap-14



方針は、とりあえず絢辻さん・中多さん・七咲を<アコガレ>に上げ、
後の三人は<シリアイ>から<ナカヨシ>に回す。

最終的に、全員<ナカヨシ>に持っていければいいケド。
そんな感じ。
これといってガチガチな目的はナシ。
多分、七咲か中多さんの<ナカヨシ>エンドを見られたらいいかなと。



■中多さん



体育館への渡り廊下でバッタリ。
ヤらしい目でジロつく主人公を、
「先輩の、えっち」
とか言って嬉しそうにしているのがなんだか印象的で、
こういう「好きな人にイヤらしい目で見られて悦ぶ」
なんていうのは、女の子に独特のメンタリティなんだろうなあとか、
ちょっと羨ましく思う。

  神風イベントでぱんつ見られてちょっと嬉しそうな絢辻さんとかね。
  「……あ~、見られちゃった♪」
  みたいなトコもあるんだろうなあと。

こうして中多さんとイチャついてる所を絢辻さんに見つかって
ヤキモチ妬かれたい。

R0023720



■絢辻さんと、お昼。



R0023723

もう何度目かのイベントだというのに。
この幸福感は一体何だ。

R0023732

とりあえず写真を、と思って適当にやっていたら、
もう何もかも可愛く思えてしまってとりあえず全部撮ってしまったの図。

R0023736

女神のようじゃないか!!



■そしてその帰り道。



美也にズッガーンされる。
なんだか良い雰囲気のショット。

R0023739

翌朝、七咲と下足場で出食わしてニヤニヤされるんだけど。
思えば、七咲という子は、
弟・郁夫の面倒をみなければならなくて、
「自分は大人にならないとなあ」と思っていたところに、
いつまで経っても無邪気なばかりの主人公に出会って
なんとなく自然に、子供でいられるようになったコなのかなあと、
ふっと思ったりする。

そして主人公のその安心感に惹かれたのかと。


……そんなことを想って暮れてゆく今日。
明日は寝不足。


オイサンでした。


 

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2010年2月21日 (日)

■スノボの道は一日にして成らずぢゃ! -更新第433回-

トリック or 鶏肉。
オイサンです。


……。


そういうコトはだな、ハロウィンの前後にでも思いつけというんだ。



■服装の乱れは心が淫ら。



世の中ではどうやら、リレハンメルオリンピックが花盛りですが
(冬季五輪はみんなリレハンメルか)。

スノーボードのワカモノ選手が服装のことで何やらお騒がせだったご様子。

オイサンは早朝、テレビで彼の演技も見ましたが、
ナカナカに面白く素晴らしく、得点も高かったところを見ると
(オイサンにはスノボの技の良し悪しなんて分かりませんからね)
チャレンジングなことをする、技術もそれなりに確かな人の様ですね。

そんな彼を見ていてオイサンが考えるのは

やっぱり絢辻さんの言った言葉なワケです。

立派な病気です。



■絢辻さん、五輪選手にモノ申す。



ある、会話モードの中でのやりとりに、こんなのがありました。

 

 主人公 「絢辻さんは、スポーツをする人をどう思う?」
 絢 辻 「いいんじゃないかしら?
      ストイックに頑張る姿はかっこいいわよね。
      ……というのが一般論。
      別に、だからってどうとも思わないわ。
      スポーツを通して育まれた人間性の方が大切だと思うしね」

 
正直、オイサンはこの話を聞いたときに、モ一つピンとこなかったのです。
何故なら、
「真摯に競技に向き合って、高みを目指している人間の像」
(この場合別にスポーツでなくてもいいと思いますが)と、
「そこそこ以上にまとまった人間性」というものがどうしても切り離して考えられず、
「それって、イコール『スポーツ頑張ってる人って良いわよね』って話なんじゃないの?
 その二つが同居しない人間なんているの?」
と思ってしまったからです。

また、「人間性」という言葉が曖昧で、どこまで捉えればよいのかという問題もあったので、
この話については、考えがまとまるまでに随分と時間をかけてしまいました。

  ……でもね、ちょっと思い返せばいたわ。
  ずーっと剣道やっててそこそこ強いのに、人間腐ってたヤツとか。
  スイミングの先生、なんて立場にいるくせに、やっぱり人間腐ってる奴とか。
  フツーにいる。
  後にグダグダと深く考えてみて、ああそうかと思いいたるのですが、
  この話について詳しくは、
  「手帳の中のダイヤモンド」の六部の次回で書く予定にしているので
  (昨年末からずっと……)チョイお待ちを。

  今の「ハッピー・バースデー~」が終わった後、第六部のPreStoryをやって、
  そのあと行きますからね!!
  ……しかし、会話モードの一言を解釈するのに
  どれだけ時間を費やしたんだ俺は。

デ今回の、そのスノーボードの選手の問題を目の当たりにした時、
絢辻さんのこの言葉を思い出したんですね。
「こういうこともあるんだな」と。



■彼の服装に対する、オイサンのキモチ



ところでまず、彼の服装問題に対するオイサンの意見から書いてしまうと、
……正直、どうでもいいと思います。
オイサンが決めることじゃない。
受け入れる相手に失礼がなければ、OKだと思いますよ。
あの着崩しが、万国共通でダメかどうかは、オイサン知りませんからね。
相手に合わせればいいんじゃないかと思います。

選手を受け入れる側の方々が

  「なんだコイツ」

と不快に思うのであればそれはいけないことだし、

  「おお、日本のボーダーはイケてんな、やるじゃねえか」

と思うなら、それはアリなはずです。

「とりあえず」ちゃんとしてれば勿論リスクはないのでそれに越したことはないのでしょうが、
攻めてリターンのあることなら、
攻める攻めないはどこかで誰かが戦略(術?)的に判断するべきだったでしょう。
それは多分、日本の五輪の委員会とかカントクとかコーチとか、そういう人たちが。

それも、「とりあえずちゃんとしとけ、黙っていうことを聞け」というレベルではなく、
ボーダーのメンタリティや文化的側面・競技としての影響まで考慮した上で、
「これこれこういう理由だから、今回は服装的にはこういう方向でいくぞ!」
という、「競技の一部」としての判断を、です。

そんな考えも管理もなしに、ほっといたら彼が勝手コイたってんでモメるなんてのは
そのこと自体が下の下の下策、失策だと思います。
五輪の管理・運営チーム全体の失敗だと思いますよ。

「あんなだらしのないカッコウ、日本という国が馬鹿にされるだろ!」
と言ってる人は……ホントにそうなんですかね。
どこの国の誰がどの程度、バカにするんでしょうね。
何もかもが、一概に礼儀に反する、なんてこともないでしょう。

いや、馬鹿にする人はいると思いますよ。
でも、しない人だっていると思います。
加えて、アレをやらないことで、日本のスノーボードの文化やレベルが
馬鹿にされることだってあったかもしれない。

「こぢんまり、まとまって飼いならされやがって、ダッセエ」

とかって。
「武士は喰わねどナントヤラ」の世界です。
それはオイサンには分かりません。
ウンタースポーツなんか全然やらんもん。

そこはもう、ある程度の調査と作戦によって、
どこをとってどこを切り捨てるかの判断の上で重みづけをしていくしかない。
全部が全部を100%満たすことは無理でしょうから。
日本のチームにはそれがなかった。
それが、ワリと問題だったと思います。



■で、スポーツと人間性の問題



と言ったところで、ほな彼の行動に問題がなかったのかと言われたら、
「勝手にやるんじゃなくて、事前に相談でもしとけば良かったんじゃね?」
という思いは、まあありますわ。
「こうしたいんですけど」
くらいのことを、首脳陣に相談をさ。
大人なんだからさ。

  マ「言ったら止められるから黙ってョ」
  って気持ちはあったかも知れません。
  そこまで考えてたのなら、怒られても納得でしょうケド。

怒られた後の態度も、問題はあると思います。
……フテる気持ちもわかるけど。
ああハイハイって聞いときゃいいのに、と思いますけどね。
やっぱり、人間の出来た、立派な態度とは言い難い。
成人のとる態度ではない。

彼の経歴などはテレビで聞きかじった程度の知識でしか知りませんが、
小さい頃からスノーボードはやっていて、
ちゃんと大会で結果も残し、
新しいことや難しいことにも挑戦していて、
スノーボードに対してテキトウな気持ちでないことはわかります。

練習も、鍛錬もするのでしょう。
その中ではケガもすれば、挫けそうになることもあるはずです。
苦しいはずですよ。
けれども彼はそれで諦めずに、代表選手としてオリンピックに出るまでになったワケです。
第一人者ですよ。
それは、素直にスゴイと思います。

……しかし、如何せん、やっぱりあるもんなんだなあそういうことも、と、
絢辻さんの言葉を思い出してしまうワケです。

  「スポーツを通して育まれる人間性」。

それだけ大変なことを乗り越えてきても、
自分が小さなものであるとか、
周りへの感謝とか、
それに伴って生まれるはずの謙虚な気持ちだとか、
……彼には、そういうものがちょっと不足していたのでしょうね。
気付かせてあげる人がいなかったことは、お気の毒だったのかもですが。

絢辻さんは、先ず間違いなく、彼のことを「良い」とは言わないでしょう。
オイサンも言いません。
もう少し、自分のしてきたことと、その時周りにあった物を見渡して、
それらがどういう意味を持っていたのかを、深く静かに受け止める冷静さがあれば良かったのにね、
と思います。



……。



マそんなことでね。
思いますよ。

人間、何をするにせよ、何か一つでも一本スジとして身につけて、
そしてその中で、人から尊敬されるような、人としての一つの「良い形」を
見つけていかないといけないんだなあということです。

  ……なんてコトをオイサンが申しますと、
  リアルにオイサンをご存じの方々からは
  「お前がそういうコトを言うのか!!」
  と呆れられそうで恐ろしいですが。
  オイサンもだらしのない人間ですからね……。

ハナシがすごく抽象的ですが、
オイサンにはまだ「人間性」という言葉を具体的に表すことが出来ないので
こんな風にしか言えないのであります。

人間性……
人間が人間らしくあること、
人間という動物の群れの中で、それに優れば他の個体より認められうる要素。
……難しいなあ。
人間はフクザツですからね。

ただオイサンに言えるのは、
そんなことをサラリと言ってのけ、多分、言うからには
アタマの中くらいには「自分の考える人間性」が像を結んでいるのであろう、

絢辻さん
という女性が

如何に素晴らしいか!!


……ということくらいですよ。

美しい。
絢辻さんには、教わることだらけです。



オイサンでした。



■オマケ



この土日のゴハン画像。

R0023684

土曜日のお昼。揚げたてのカレーパン。
美味しかった。

R0023693

その後、別のお店で飲んだコーシー。
テーブルの木目がキレイに出てたのがウレシイ。

R0023694

今日のお昼。銀だらの煮付け。タマラン。



 

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2010年2月19日 (金)

■お蕎麦 DE ハードボイルド! -更新第432回-

金曜の夜は、前日録画した『ひだまりスケッチ×☆☆☆』を見ながら
ゴハンを食べるのが楽しみです。
オイサンです。


……オイサンには、
どーしてこんなに『ひだまりスケッチ』が面白いのかが
サッパリわからん。

実際ンとこそんなオモロイワケでもないと思うのだけど、
何かの魔法にかかったみたいに面白く見られてしまう。
どこにどんな秘密が隠されているのか……。



■蕎麦は茹で過ぎるとノびてしまうぞ!!



「ほぼ日」で、大沢在昌さんの『新宿鮫』の新作の連載が始まった。

  ▼新宿鮫Ⅹ 絆回廊 [ほぼ日刊イトイ新聞]
  http://www.1101.com/shinjukuzame/index.html

いつもだったらオイサン的には琴線に触れないジャンルの作品で、
シリーズの既刊作品にも触れた事はない。

ただ今回は、数日前から同サイトで
糸井重里氏と、この作者の大沢さんの対談が掲載されていて、
その記事はシゴトバの昼休みに読んでいたので(オイサン、糸井氏の「聞き」が好きなので)、
せっかくだからその勢いで本編の方も読んでみるかと思った次第。
今回、読んだ動機はそのくらい。

  ▼ほぼ日で新宿鮫。 ~大沢在昌-糸井重里『新宿鮫Ⅹ』プレ対談
  http://www.1101.com/oosawa/index.html

ハードボイルドは……
自分がちゃんとしたハードボイルドに触れたことがあるのかどうかも
正直怪しいが……多分、嫌いではないと思うのだけど。
「新宿の裏の顔」とかはあんまり興味ないですけども。

デ今日はその感想。



■感想



ハードボイルド、とは言ったものの、固茹では固茹ででも、
太麺で、カタめで湯から揚げられたお蕎麦みたいだと思いました。

  これは物語の感想ではなく、文章の姿の話なんだけど。

連載がまだまださわりの第一回なので、
「話を面白いと思うか・興味が持てるか」
「この世界観に描かれるメンタリティに共感でき、
 カタルシスが得られるか」
は分からない。

けれども、一先ず引き込まれることには成功した(ヘンな言い回し)。
読みやすい。
とても読みやすい。
叙事も抒情も、とてもシンプル。
ちょっとこんなんで良いのか、と思ってしまうくらいだけれども、
このちょっと素っ気無いくらいの文章の湿度が、
ハードボイルドという世界観にはマッチするものなのかもしれない。
そんなに興味のある世界でもないはずなのに、ツルツルといけてしまう。

少なくとも、オイサンのイメージするハードボイルドというものは
そんな感じ。
実際はこれはただの文体だけの問題で、
ねっちりとしたハードボイルド作品もあるのでしょうが。

 ▼物語ののどごし

不思議なのが、この作品のシンプルさ……というか、
シンプルであろうとするための文章の構え・設えを、
オイサンはパッと見で

  「アレ、なんだ随分ラノベっぽいんだな」

と思ってしまったのだけれど(なんかどっち方面からも怒られそうな感想だが)、
ラノベとは手触りが明らかに違う。
手触りじゃないな。
飲み込んだときのお腹への収まり方……でもない、多分、のどごしのようなもの。
のどごしの満足感がえらく違う。

ラノベの「たくさん飲み込んだのにのどに触れない感じ」とは真逆の、
「飲み込むものは多くなくて、『これでお腹膨れんのか』と不安になるのに、
 いざ飲みこんでみるとノドの触れて欲しいところに触れていくことで
 満足させてくれる感じ」
があって非常にイイ塩梅。
そういう意味で、太目でカタいお蕎麦。
読んでいて、素直にスゴイと感じました。
いや、プロとして当たり前のコトなのかもしれないけど。

それはつまり、最低限の読量で
読み手の脳のうまい部分をちょんちょんと刺激して
必要な絵を思い描かせるということで、
少ない労力で大きなリターンを与えて疲れさせない、飽きさせない。

イマドキのコンテンツの姿として、とても大切で効果的な姿勢であることだと
改めて思い知った気がします。
海より深く反省。
アゾフ海(アカンがな)。

  ▼アゾフ海
  http://wapedia.mobi/ja/%E3%82%A2%E3%82%BE%E3%83%95%E6%B5%B7

 ▼オイサンの書きたいものと

今ここに「ラノベ」と「一般文芸(ここでは『新宿鮫』が属する方面)」の
二つの評価基準があるとして、
オイサンは自分の書くものを、どちらかといえば「一般」方面にある、
あるいは寄せたいと思っているのだけれど、
こうして娯楽文芸作品としての『新宿鮫』を読んでみて、
自分の文章のあり方を自分で整理してみると、
どうやらラノベの方が全然近い感触があってちょっとガッカリしてしまった。
どうしてこうなった……。

  ここにオイサンが載っけているモノはゲームの二次創作物だけですから
  そら当然といえば当然、と言われてしまいそうですが、
  なんというか、そもそもの世界観やキャラクターのありかたという意味ではなくて、
  文章が脳に入ってくるときの入場の仕方・手続きという意味で、なのです。
  あとは、最終的に描かれるものの、リアリティの強さとしての意味で。
  ですので、決して無茶や、自明の矛盾を言ってるつもりはありません。

今のところの理解では、この感触の差は
読んだ文字の量と話の進んだ心理的な歩数の比率の問題で、
「目で追った字数は少ないのに、歩数は進んだ」
みたいなことが
『新宿鮫』のこのツルツルの満足感に繋がっているのではないかなあと思うのだけど。

文章の量と描かれ方、例えば

 ・「文章量 対 思い描かせるものの量や密度」の比率
 ・「文章量 対 話の進む歩数」の比率

などはそれぞれ別物で、
またジャンルやレーベルとも一対一で固定されるものではないので、
ラノベとか一般だとかで考えるのは正しい姿勢ではないのだけれども、
オイサンの見てきた限り、
やはりラノベはラノベ、一般は一般で、それぞれ傾向があるように思います。
こんな↓感じで。

 < ラノベ >
   文章量:思い描かせるものの量や密度 = 大:中(燃費・悪)
   文章量:話の進む歩数 = 大:大(燃費・普通)

 < 一般方面 >
   文章量:思い描かせるものの量や密度 = 小:中(燃費・良)
   文章量:話の進む歩数 = 小:大(燃費・良)

……マ、ラノベ以外を「一般!」と括ってしまうのも
随分また乱暴ですけどね。
それにこれは、作品としての側面と同時に
ビジネスとして側面にも関わっていそうな要素なので、
一概に作品論としては語れないことなのかも知れません。

  ちなみに語弊がありそうですのでフォローしますが、
  たくさん読んでも物語的にはずっと踏みとどまっている作品や、
  読んでも読んでも薄い感触しか得られない文章がダメだというのではなくて、
  やりようとか、描きたいものによって使い分けられるべきだと思います。
  それがBestであることだってありましょう。
  手法そのものが目的であることもあると思います。

  だから多分、ラノベのレーベルからリリースされている作品でも、
  一般作に近い「分量とのどごしのバランス」を持っているものもあるでしょう。
  好みと手法と目的の問題です。

 ▼Closing

そんなことなので、今回読んでみてすごく発見がありました。
今ちょっと……例のアレで「ラストはもっとアッサリさせたい!」と悩んでいる最中だったので
とても素直に感心してしまいました。
などとここで書いておいて、
出来あがった例のアレがアッサリいかなかったら恥ずかしいのですが。

『新宿鮫』、
お昼休みに読むには丁度良い分量でもあるので、
お話の展開に抵抗が出てこない限り、続きを読んでみようと思います。
ここはヒトツ、勉強させてもらおう。

……って書いてる、この記事自体がまたエラく無駄の多い感じの分量になっているので
期待薄です。


……アゾフ海。



オイサンでした。


 

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2010年2月18日 (木)

■とんかつ屋の気構え -更新第431回-

とんかつは、個人経営のちいさな店で食べたい。
なんだかわからないけど、そういう嗜好がオイサンにはある。

先週の日曜日、ウォーキング先の隣駅で喫茶店に入り、
そのままお昼のいい時間になってしまったのでついでにご飯も食べてしまおうと思った。
そこで、随分前に見つけてちょっと気になっていたとんかつ屋があったのを思い出し
そこへ行ってみることにした。

目抜き通りを避けて細めの路地に入り、
小路を中ほどまで進んだ場所にあるその店はそれはもう理想的な店構えで、
青いビニール屋根の軒とのれんに店名、
サンプルのディスプレイもなく、
筆書きの、字のみの品書きが表に張り出されているきりだ。

「営業中」と書かれた木札が下がっていなければ、
本当に店として営業しているのかどうかも自信が持たれず、
戸を引くのがためらわれる。

その素朴さたるや一見さんお断りの割烹もかくやという静謐さで、
店主が定めた己の道への無言の、けれども押し付けがましくもない信念に満ちている。
この居住まいをなんと表現したものだろうか、
自らをまだまだ未熟者だと自戒しながら道場に正座する武道の達人のような、
とても大きな力と、それを身につけさせた修練に裏打ちされた
謙虚さと柔和さのようなものだ。

あざやかだ。
あまりにあざやかだ。

自分という店と、これから客になろうかどうかという道行く者が
対等に一対一であることを意識させて、媚びもしないし、拒みもしない。
「いらっしゃいませ」ではなく、既に「召し上がれ」の体勢だ。



そしてこの戸を引くのはまた、正直、賭けだ。



ここまでの話はもちろん、店の外観からの窺測であって、
いざ入ってみたらハズレだということも充分に起こり得る。
飾り気の無さ、素朴さは、気概の無さといつだって裏表だ。
ただ偏に客をもてなす気の失せた、
永き閑古の果てに澱りた諦観の産物である場合も決して少なくない。

……。

しかしまあ、今回の場合はそれほど心配はしていなかった。
清潔感。
すなわち誠実さ。
朴訥さの隙間からあふれ出すそれらが、オイサンを安心させていた。
……まさかそれすらが、小理屈好きのお人好しを絡め取るための罠であるというならば
こちらに抗う術は無い。
完敗だ。
まずい米と、古い油でぐずぐずのとんかつを貪って、
その膨大に無駄なカロリーを消費するために走ってやろうじゃないか!

……そんな妄想もすっかり杞憂に終わり、
いただいた「ロースにんにくかつ定食」1100円は実に美味しかった。
揚がりの色はそんじょそこらのきつねよりも余程艶やかなきつね色で
毛並みがきらきらと輝いて見える。
血統書つきのきつねだ。The Fox of Foxes!
衣は薄めなのにパリッと硬く、肉はあくまでジューシーで香ばしい。
ソースと、自分で擦るゴマとの相性も良い。

あと、何が良いって、かつを揚げるときの音が良い!
静かに、控えめな音量で

  しゃーっ……

と、カウンターの向こうから高くささやくように鳴る、
あぶら一粒一粒の弾性に富んだ破裂音は
上等のかずのこを口の中でぷちぷちと噛み潰す感触の小気味良さと似ている。
あれだけの音を聞かせるとんかつ屋はオイサンの記憶についぞない。

  勝った……。

これを聞いた時点で、オイサンは賭けの勝利を確信していた。
米が若干柔らかかったのが残念ではあったが、何ヶ月ぶりかになるとんかつとの邂逅が
これ以上ないくらいに幸せなものに終わったことをひたすら喜んで、
オイサンは九十分間、往復15kmのジョギングをあぶらの乗った気持ちでこなしたのだった。


……。


今週末も是非行きたい。
あの音を聞くだけでも良い。



  ▼中央林間 とんかつ専門店 おかむら [食べログ]
  http://r.tabelog.com/kanagawa/A1407/A140702/14024479/dtlphotolst/1768864/?ityp=4



オイサンでした。


  

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2010年2月17日 (水)

■キミと、話そう。 -更新第430回-

『キミキス』会話モードの話。
もうちょっと、楽しく出来ないかとずっと考えていた。

マもう古いゲームなので、似たような案や議論は
様々なところで出ているでしょうから今更ですけど
せっかく思いついたことなので書いておきたい所存。

もしかすっと、わかりにくいだけで実装はされているのかも知れない、
とも思いますけど、マとりあえず。



■場の雰囲気によって傾向が生まれる



『アマガミ』のナカヨシ絢辻さんではないけれど。
時と場所、会話開始時のテンションや好感度によって、
話題の傾向が大体決まる、というもの。

いわゆる「フンイキ」というもので、そのフンイキを察することで
「大体この辺の話題がヒットするだろう」というアタリがつけられる、
当たりやすい話題の傾向をプレイヤー提示することを導入してもらえれば、
それだけでも、話題がヒットしないことへのストレスが軽減されると思うのですが
どうでしょう?

たとえばこんな感じです。

 ▼たとえば、時間。

休み1、休み2は授業の合間なので、
基本的には雑談や勉強・学校に絡んだ話があたりやすく、
娯楽の話題もからむかも、という感じ。
キャラによる偏りももちろんアリ。
場所がグラウンドや体育館なら運動の話題、
音楽室なら音楽・映像もあるでしょう。

お昼休みは言わずと知れて、
食べ物の話を中心に、娯楽やおしゃれなどの遊びの話題が
高確率にあたる。

放課後はアレですよ。
日も落ちて、ひと気も絶えて。
ちょっと突っ込んだプライベートな話や、
色っぽい話なんかも交えながら、しっとりと。
あとは部活の話もアリですかね。
後ろで述べる、場所との兼ね合いもあるでしょう。

  ……そんな風に、時間によってあたる話題の傾向が決まれば、
  デッキも組みやすくなると思うんですけどね。
  前の方は勉強中心、中ほどは遊び、後ろの方は色っぽく、
  的な。

  ……もしかして、もうそうなってるんだろうか?
  と思ってそういう風に話を振ってみたけど、
  もしなっているにせよ、実感できる程の偏りは感じられなかったなあ。

マこんなにたくさん、条件分岐や考慮する条件が増えたら、
製作する方がもう死ぬ思いになることはわかるんですけどね……。
デバッグもね……。
そらもう、オイサンもゲームではないにせよギジツ者、開発者のハシクレですから。

各キャラごとに、
時間・場所・話題を考慮してヒット率の重み付けを変えないといけない、とか、
それどんな拷問だよ! ……って、自分が開発とかデータ管理の担当だったら
思うもの。
どんなExcelの表になるのか……ぞっとするわ。

 ▼たとえば、場所。

ひと気のあるなしが物を言う、絢辻さんのナカヨシと同じことです。
背景に人のいる/いないっていう、完全な可視化が出来るのがいいところですね。
わかりやすく、プレイヤーに伝わるのは大事だと思います。
「しめた、チャンスだ! 当てやすい!」
って思えますから。

  ただまあ、
  二見さんみたいに年がら年中理科準備室に引きこもってるキャラは
  差のつけようがないですけど。

また、人のいる/いない以外にも、上の時間の項でも書きましたけど、
グラウンドなら運動の話題が、
家庭科室なら食べ物・部活、
保健室なら健康・ダイエット、などなど、
ヒット傾向が偏るのもわかりやすいんではないでしょうか。

これについては、既に幾つかのキャラクターや話題について
実装されている部分もあるみたいです。
「場所とか服装によって、ヒットしたときに効果が変わる」
という形になっているようですけど。
それをもう一歩進めて、「話題を当てる」ことにも使えるようにして欲しかったです。

……ていうか、そういう実装がなされている時点で多分、
「話題のヒットにも使ってみてはどうか?」
なんていう議論や検討はなされているハズで、
それを外したのには外したなりの理由があるであろうことは
想像に難くないんですけどね。

なにがダメだったんだろう? そのことの方が気になる。

 ▼テンション、好感度。

テンションや好感度が上がると、
プライベートとか昔の話とか、夢とか、恋とか。
普段は話しにくいこともぺラッとしゃべってしまうような、
そんなことですが。

この辺は「アタック」とか「行動」にも絡んできてしまうので、
やりすぎると、その辺の特殊なアイコンと通常会話のアイコンの境目が
曖昧になってしまいかねないから注意が必要かと思いますし、
会話中にリアルタイムに変わっていってしまうものですから、
難しい気もします。



■話の脈絡



あともう一つ、あるとウレシイ、というか、
「生きた会話」を作り出すのに、効果的なのではないかと思うのが……
「ハナシの脈絡」というヤツで。

簡単にいうと、「始点となる話題」の振り方で、
その後の会話の流れが大体決まる、というものです。

  ……自分で言っといてなんですけど、
  この「大体」ってのはゲームやデジタルにおいて表現が難しいのでしょうね。
  「パラメータの揺らぎによるアウトプットの振れ幅を、
   感覚的に納得のいく範囲に振幅させ、かつ留める」
  ということを実現することですからね。
  我ながらハードル高いこと言ってる気がします。

  理詰めで感覚を表現するのか、感覚で理を作り出すのか、
  どっちなのかはわかりませんけど。

  でも、そういうところにそのゲームの製作者の「ニオイ」が出ると
  オイサンは思ってます。
  そういう「製作者のニオイ」がすごく出るデザイナーさんの筆頭が、
  『DQ』堀井雄二氏であり、
  『シレン』中村光一氏であり、
  『俺屍』桝田省治氏なのでしょう。
  数値と、その揺らぎで語るゲームたち。
  『ダビスタ』薗部氏もそうだろう。
  『ロマサガ』河津氏もか?
  最近では、『ユグドラユニオン』のディレクションをやってる方
  (伊藤真一氏?)も、かなりだ。

  宮本茂氏もそうなのでしょうけど、あの方は不思議とニオイがしません。
  逆にそこがすごいんですけど。
  多分、『ウイイレ』とか『パワプロ』を作っている方々も
  宮本氏と同じ傾向の持ち主の気がします。
  『バーチャロン』の亙氏も、多分。

  脱線が長くなりました、閑話休題。

話を戻します。
話の『脈絡』。
たとえば、「遊び」の話題のあとにイキナリ勉強はこない、とか、
そういうことです。

大きく「カラダの話」という『脈絡』があるとするなら、
「運動」「健康」「食べ物」は繋がりうるけれども、
「読書」や「勉強」は繋がりにくく、「おしゃれ」は半々、だとか。

ゼイタクをいえば、「読書」の話題を振って
「この間、ダイエットの本を読んだんですけど……」
という話になったら、それまでは「勉強の話」だった『脈絡』が
「カラダの話」方面にシフトする、というような、
会話の内容にも触れたものになると尚良いのですが……
これはきっと、もう収集がつかなくなるくらい、
内部のデータ管理が大変なことになると思うので
そこまでは申しませんけれども。

それに、このためには話題そのものの再整理が
必要になってしまうかもしれません。

 ▼『脈絡』を読み取るためのヒント

また、
「じゃあ今回の会話では、どの「脈絡」に入るのか?」
ということが、会話開始時にヒロインからの台詞でヒントがもらえると良いのかも、
と思いました。

会話モードの入りに、必ずヒロインからのマクラがあって、
「そういえば、この間の部活で先生が……」
みたいなコトを言われたら、プレイヤーとしては
「あ、会話の始点は先生か部活か、どっちかだな?
 でもどっちだろう……」
みたいな絞込みと迷いが演出できますし、
さらに、その相手がなるみちゃんで場所が家庭科室だったりしたら、
上記の「場所」の偏りからほぼ「部活」だと推定できる、とか。

会話が何回発生するかわからない『キミキス』では
全部に違ったマクラを用意するのは大変でしょうけど、
『アマガミ』方式であれば、発生する会話の数は決まっていますから
出来ないこともないのではないかと思います
(そんでも膨大になりそうですけど)。

……。

しかし、「会話」というものを考えたときに、
「脈絡」というのは誰しも真っ先に思いつくことでしょうから、
多分、こういう議論も制作サイドではし尽くされているのでしょう。

だからやっぱり……データの分量とか、管理とかの問題で
そぎ落とされてしまったのだろうなあというオイサンの勝手な憶測。




マそんなことで、
思い付きをダラダラと書き留めた、そんな話でした。

次回作。
もっと快適に、もっと面白く。
なればいいなあと、そんな願いをこめて。


オイサンでした。


 

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2010年2月16日 (火)

■二軒目システムと恋の歌 -更新第429回-

牛丼(並)が、
牛丼(雌)に見えました、オイサンです。

何故かは分からない。


先日、シゴトバのエラい人とご飯に行って参りました。
そこで思った、二つ……否、三つのこと。



■食べるかしゃべるか、どっちかにしなさい!!



食べるか太るか、どっちかにしなさい!!
いやなんでもない。

オイサンは、人と話をしながらのゴハンが苦手です。

……と言っても、誰かとおしゃべりしながらゴハンを食べることが苦手、
と言っているわけではありません。
会話がメインの場で食事をしていると、
本来食事のときに得られるハズの快感を強く感じ取ることが出来なくて、
あとあともどかしい、損をしたような気分になる、ということです。
その日のゴハンに対して、謂れなき不満が残ってしまう。

そしてそういう快感の減衰という事態をワリと強く、重大事として認識しているがために
出来るだけそういう場にはいたくないと思っています。

その快感と言うのは、
料理を見て楽しんだり、味を楽しんだりすることはもちろん、
その感想を言い合ったり、
胃袋にものを詰め込むことであったりと様々です。
強いて言うなら食べる活動の手を止めたくない。
話はスルーしても、食べ物をスポイルしたくないわけです。

話のメインが「その料理についてのこと」であればなんら問題はありませんが、
たとえばシゴトバのエラい人たちとの場だと、そんな状況は皆無です。

話をするのはいいんです。
でも、それを食事の場でして欲しくない。
別の場にしてくれと。
もしくは、「ゴハン行かない?」と誘っておいて、
メインをゴハンではなく話にするのはやめてもらいたい。

オイサンにとって、「ゴハンでもどう?」と誘われた、
その時間は「ゴハンの時間」です。

 「今はゴハンの時間なんだよ! 長話を持ち込むんじゃねえ!!」

という腹立ちが、どうしても起こってしまいます。
だってこっちはお腹空かせてますからねw
「食事の快感・幸福」を満たしにきてんだ、こっちは。
食べればいいって話じゃない。
そしてそっちは、そう言って誘ったんじゃないか。

イヤ、わかってるんですよ。
現代日本の世の中では、何故か、ナーゼーカ、
食事中は会話も楽しむもの、みたいな風潮の方が一般的でして、
オイサンのような人間は、如何せん少数派。

はじめから話がメインに据えられることがわかっていれば、
場所を「食べ物はオマケ」的なところに設定して、
空腹で話がスポイルされないようにと程々にお腹も満たして場に臨む、
という備えも出来るのに、それもままならない・許されないから対処に困ります。

そして今度は、話がメインに来るのが分かっているからといって、
自分だけお腹を満たしてそういう話の場に現れると、
「なんで食べてきちゃうの」みたいなカオをされるワケですよ。

目的が話なのなら、話がちゃんとできればなんでもいいじゃないか。
なんでそんなことにまで制限を加えようとするんだろう。
……もちろん、楽しい場を共有したいと思って下さるのはありがたいのですけども。
「みんなが楽しい思いをしよう」という気持ちがあるのなら、
多少はその辺譲ってくれても、
「そういうスタイルの場」という縛りに囚われなくてもいいんじゃないのかなあと
思うのですが。

いかがなものでしょう、こういうことに困るというのは、
マそもそもオイサンが社会人的な備えが身についていないともいえるのですが、
こういうことで困ってる人っていないモンなんですかね。



■二軒目システムの謎



エラい人とのご飯は、先ずは普通の飲み屋さんで行われ、
引き続いていわゆる「二軒目」となりました。

……不思議な言葉ですねえ、「二軒目」。
オイサンは今回、このトシんなって初めて「二軒目」まで行きましたけど
(そしてこのことから、オイサンが如何に駄目なオトナかわかってしまいますが)、
なんていうか、「二軒目」という単語ひとつで、他の面々の間で
「行くお店はどういう類で」
「どんなことをし」
「どんな目に遭って」
「どのくらいの時間になり」
「幾らくらいかかるのか」
みたいなことがパッケージになって理解されているのが、
なんだか妙に薄気味悪く、居心地が悪かったです。
とても不思議な気分でした。

  誰が考えて、誰が定着させたのでしょう、「二軒目」。
  河島英五か?
  イヤ河島英五は好きですけど( ← どないや)。

それは多分、それがオイサンにとって初めてのことで未知のお作法だから、
ということが大きく影響しているのでしょう。
ワタクシドモの世界における、

  「赤い」 → 「三倍」

というのと大して変わりのない話なのだと思います。
……それにしたって、必要のないシステムだと思うんですけどね。
「二軒目」。
冗長というか。

一応説明しておくと、二軒目に行ったお店というのは
いわゆる若干セクシーなお召し物のお姉さん方が隣に座って
お酒を作ってくれたり話し相手をしてくれたり、というタイプのお店で、
過剰なセクシー系サービスはナシです。

  脱いだりとか、触ったりとか。
  オイサンはこういうお店自体まだ今回で二度目なので詳しくありませんが、
  業態によってサービスの有り無しは変わってくるのでしょう。
  今回行ったのは……「キャバクラ」……じゃないよな。
  ただ「クラブ」でいいのか。
  同行したハニワ氏にきいたら「スナックじゃないですか?」って言ってましたが。



■二次元野郎と恋の歌



そんな中で、超完全対二次元戦仕様のオイサンが何を考えていたかと申しますと。
お店に入ってイの一番、オイサンの脳に繋がった回路は、

  「うわあ、オイサン何か今、

   絢辻さんに悪いことをしている気分


   だな」

っていうね。
ホント、三次元の世界で生身の男をやってるのが
何より向かない人だな俺はって、自分で思いました。

ただ、そんな中でも面白い発見というのは転がっているものです。
そのおかしな罪悪感の他にも一つ、面白い収穫がありました。

そのお店のカラオケでエラい人が歌った
『最後の雨』という歌と、『夏の日の1993』という歌は、
その歌詞に随分しみじみと聞き入ってしまいました。

そのエラい人がまたエラく歌が上手かったというのもありましたけど。

……そう、絢辻さんと出会ってからこっち、
こういう今までなんとも思ってこなかった一般の恋の歌、失恋の歌が
胸にギッシギシに響くようになってきて、初見の歌でも泣きそうになれる。

■夏の日の1993


『夏の日の1993』は、
夏が舞台のお歌ですから、絢辻さんの背景にはあまり馴染みませんし、

  ♪普通の女だと思っていたけど~

とかいう歌詞があるので、絢辻さん自身にも全然馴染みませんが、
それでも無邪気に夏の光を浴びて汗をこぼす絢辻さんを想ったり、
電撃的といってもいいくらい、彼女に恋してしまった昨春の自分を思って、
「あーそうだなあ、なんかわかるわ」
なんて、あらためてドキドキしてしまったりしました。

オイサンにとって、この歌が絢辻さんに馴染むとしたら……

  ♪ ”僕には合わない人だと思った”

というところくらいでしょうか。
しかしコレ、有名なお歌だったんですね。
全然知りませんでした。
オイサンごときをコロッと一発でやってしまうあたり、
やはり名曲と言うのはなんがしか特別な力を持っているものなんでしょうかね。


■最後の雨


『最後の雨』の方は、
すっかり失恋のお歌で、好きだったけど別れてしまった人を
想い続ける痛み・切なさが歌われています。
それ聴いてたらもう……
とにかく絢辻さんにサヨナラを言われてしまうシーンが延々思い浮かんでしまって、
胸が張り裂けそうになれるオイサンは多分天才だと思う。
普通に泣きそうになった。

 ▼あの二人の恋の終わり

あと、そう思い描きながらも疑問に思っていたのが……
……橘さんと絢辻さんの恋にも、
そういう「普通の終わり方」での終わりが訪れるものだろうか、
ということで。

あの二人の恋も、あんな始まり方と経緯があったにもかかわらず、
世の普通の恋人たちのしているような、
なんでもないような行き違いや、つまらない不満や不安、
時間が経ったことによる互いの変化・気持ちの変化やなんかで
終わりを向かえることってあるものなのだろうかと、ずーっと考えていた。

あの二人に限って、とか、すごくトクベツなもののように見守ってきたけれど……
どうなんだろなあ。
ギャルゲーの恋愛って、古き良きトレンディドラマとか、
イマドキのドラマで描かれる恋の物語ともやっぱり一線を画したもののように映るけど。

  マ中には時空や世代を超えた運命的なものもあるから
  その辺はまた別腹なのだろうけど。

その中の人たちに訪れるおしまいは……
案外、フツーに終わっちゃうモンなのかなあ。

飽きたり、近づくことですれちがったり、
大人になって、もっと色々知って、
「実は間違っていた」と分かったり、
合っていたものが間違いになったり。

もしそんなことであの二人の関係が終わるのだとするなら、
……なんというか。
人間てのは、つくづくつまらない生き物で、
時間の流れというのは残酷ですね。
どうしてもっと、そのときの気持ちや、芽生えたドラマを信じて
生きていけないのだろうか。

そこにあった真実をくっきりと心に保存しておけたらば、
現在に新たに生まれた迷いや疑いなんて、
取るに足らないものだと思えはしないだろうか。


オイサンにとっては、アレか。
ドラマこそが唯一の真実であって、人間の姿っていうのは多分、
それに付随して生まれてくるものなのかも知れないと、そんな風に思いました。
逆説的っていうか、それは間違いなく間違いなんだけど。

おかしいな、お話を読むときは逆……人が第一だと思うのに。
リアルに対しては求めるものが逆なのか。
へんなの。
でも面白え。ちょっとちゃんと、考えてみようか。


……。


しかし、今になって気がつくけど目の前でナマミのおねーちゃんが
お酒作ってくれたり話しかけてくれたりもしてんのに、
ずーっと絢辻さんのことを考えてるってのもすげえな。


しかし、カラオケってのは難しいな。
あと、カラオケのランキングに、フツーに
『Perfect-area Complete!』とか水樹奈々がランクインしててフイタ。
なんだか落ち着かない気持ちになるのは何故だらう。



オイサンでした。


 

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2010年2月15日 (月)

■あの子と話がしたくって。 -更新第428回-

昨日朝、ウォーキング中に……
急に、絢辻さんの固有BGMがアタマに流れた。
それ自体は大して珍しいことではないのだけれど、
その瞬間、ふっと思った。

  「あ……絢辻さんと、会話モードしてえ!!」

そうだ、普通のイベントシーンは再読モードで見直せるけど、
会話はそうはいかないんだった。
なんとなく、見落としていた。
そうなったらもう、いても立ってもいられない。


俺は帰る……

 輝日東へ帰るぞ、

  JoJoオォーーッ!!




■The 『Amagami』……Strikes Back ! !



そんなこんなで約2ヶ月ぶりに再始動!!
オイサン的『アマガミ』プレイリポート、Rap14! ……だっけ?

まだ始めて1時間半程度、3日目だけど……
イヤやっぱ、面白いわコレ。

 ▼プロローグ

プロローグって真面目に見たら30分もかかるんだなあ。
でも今回、しっかり見てみて分かった。
自分のテンションがそこそこ高くて、
かつ話の裏までをちゃんと理解していたら、コレだけでもかなり面白い。
主人公の傷の深さや、再び立ちあがるその決意が
妙にストレートに伝わってきた。

 ▼そして、絢辻さん。

目的の、会話モードはまだやってないけれど、
実行委員に立候補するシーンで、
果たして裏でどんな計算と、計算以外の思いを抱いて手を挙げたのか、とか、
絢辻さんのことだから、この日委員決めがあることは事前に知っていて、
周りの様子をじっくり窺ってから、
最後の決断を下して手を挙げたのだろうな、とか。

そして、「一生懸命頑張ります」というセリフの一つを取っても、
虚実の一体になった思いを感じて、グッと来てしまった。
病気だな。

 ▼行動マップとプレイ方針

やっぱり、最初に、行動マップにアイコンがたくさん開くシーンを見るだけで
テンションが死ぬほど上がる!
「あー、始まる、始まる! また始まる!!」
と思って悶絶した。

そして……かなり、勝手を忘れてる。
七咲と森島センパイのバクダンに気を付けないと、
ということだけは覚えてるんだけど、
どうすれば効果的に進められるのかを思い出せなかった。

……マそんな状態なので、とりあえず方針は未定。

おっきく、「絢辻さん以外の誰かの<ナカヨシ>に帰着したい」というくらい。
薫と森島先輩の<スキBEST>を、もう一度ちゃんと見たい、
という気持ちもあるけど。
会話網羅率がワリとヤバイコトになりつつあるはずなので、
こまめにシステムのバックアップを取りながら進めるコトにしよう。


……。


……オイサン、明日からリアルの生活環境が若干変わることになっていて、
それ自体はあまり歓迎すべきことではないのですが……
うん。
なんか、面白くなってきやがった!
忙しくなるかもしれないけど、頑張ろう!!



■東雲版コミカライズ 『アマガミ Precious Diary』感想



ヤングアニマル買うの、すっかり忘れてた。
隔週誌って買い馴れないなあ。
昔はファミ通も隔週だったものじゃが。

 ▼今週分の感想

今週はやけに読み応えがあったように感じます。
と言うのも多分、オイサンがこの「絢辻さん、犬にご返杯を頂く」のイベントを、
ビジュアル的にハッキリ思い描けていなかったせいだと思います。
特に、「片足、完全に素足になって怯む絢辻さん」の図は絶景。
萌・日本三景にいれても良いんじゃないかというくらい。

そしてヒキ。
まさか、縁お姉さんをこのクリティカルなシーンに絡めてくるとは。
すげえ、やり手だ。
完全にひっくり返しにかかってきたな、東雲先生。
したたかなり。
多分、原作の「橘さん、駅前で絢辻さん姉妹と出くわす」
のシーンの代替でしかないのでしょうけど、
場面が場面だけに、絢辻さんが受けるダメージは相当大きいはず。

それを特段の場面として料理するのか、
知らんぷりして流すのかで変わってくるでしょうから……
そんなことに、期待。
多分、後者なんでしょうけどね。
展開がごそっと動きかねないもの。

 ▼先週分を読み返してみた。

先週のを読み返してみて、思ったこと。
こういう解釈もあるのかもな、って思った。

この絢辻さんは、

ただの真面目っ子が悪ぶってるだけ


なんじゃないか
(勿論本人はかなりアンチヒロインのつもりでやってるのだけど)って
思えてきた。
でも、根が真面目でしかも若干ドジっ子だから、
軽く突っ込まれるとボロが出る……そんな子に見えてきた。

完全に「そういう解釈で描かれてる!」とは思っていないけど、
そういう要素3、本来の姿7、くらいの割合で、
この作品とはお付き合いをしていこうと思います。



■今週のコーヒー



▼ブラジル
前回とは、飲むお店を変えてリトライ。
喫茶「トロワアンジュ」にて。
濃い目にばいせんされているのだろうか。
前回よりもオイサンの好みに近付いた。
このお店のコーヒーの方が、
こないだのお店よりも、売り文句に近い味がしてる気がする。
苦味・コク・酸味のバランスが良い。

そしてこの店は、アイスコーヒーが美味しいんだ。
それが嬉しい。


▼ボルカン・アスール
お店は上と同じく「トロワアンジュ」。

他ではあんまり聞いた事のない豆。
でもこれが美味しい。
ていうか、これでコーヒーの「酸味」の正体がちょっと分かった気がする。
苦味が強くて、酸味との境目がハッキリしている。

オイサンはどうしてもコーヒーには最後にはミルクをいれたいのだけども、
酸味はミルクで押さえられるけど
苦味は完全には無理。
なんかそんな差がある気がする。

面白い。



■Closing



『ドラクエⅨ』がどうも馴染まないなあ、と思っていたのですが、
DS版の『ドラクエⅥ』に触れてみて、その原因が分かった。

ビジュアルだ。

マップや町のビジュアルが、『Ⅸ』はすごく安っぽい。
ぺったぺただ。
DS版『Ⅳ』や『Ⅵ』の絵作りに感じる、厚み、温度、手ざわり、
そんなものが、大幅に減衰している。

そして、堀井雄二の言葉にも、なんだか上滑りした感じをすごく感じる。
そんなところに、この違和感があるのだと……なんとなく確信してしまった、

『Ⅵ』は基本2Dでアートディレクションがアルテピアッツァ(開発も?)、
『Ⅸ』は完全3Dで、開発はレベルファイブ。
……オイサン、絶対『Ⅵ』のスタイルの方が、
『ドラクエ』が語る物にはマッチしてると思うんだけどなあ。

マそれは、これまでの歴史があるからね。
そのうち馴れるのかも知らんけど。

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オイサンでした。


 

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2010年2月14日 (日)

■底抜け Chocolat de a la mode ~本日は、St,"V"モードで~ -更新第427回-

主人公 (今日は、バレンタインデーなんだけど……)

主人公 (絢辻さん、チョコレートくれるのかなあ……)


  ギキィー、バダン。


絢 辻 「あ、いたいた」
主人公 「え、あ、絢辻さんっ!?」

絢 辻 「な、何よ。大きな声出して。びっくりするじゃない」
主人公 「ご、ごめん」

絢 辻 「……」
主人公 「……」


 ・
 ・
 ・


絢 辻 「なによ。 何か言ったら?」

主人公 「そんな……。な、何かって言われても……」

絢 辻 「あるでしょ? 暑いよねとか、寒いよねとか。
     勝負パンツがどうとか。
     あなた、そういうの得意じゃない」


主人公 「べ、別に得意なわけじゃ……」

主人公 (そんな風に思われてたのか……。
     雑談もほどほどにしないとな……)


絢 辻 「『今日はバレンタインだね』、とか?」
主人公 「!!」

絢 辻 「あははっ、図星。そんなことばっかり考えてたんでしょ」
主人公 「う、うん……」

絢 辻 「心配しなくても、ちゃんと用意してるわよ。ホラ」
主人公 「あ」

主人公 (あのラブラブピンクな包装は、紛れもないチョコレート!!
     良かった……)


絢 辻 「別に、今更な気がしないでもないけど、
     こういうのはお約束事だからね。
     特にあなた、こういうの気にしそうだし?」


主人公 「そ、そんなこと!」
絢 辻 「アラそう? じゃあ、いらない?」
主人公 「そんなことあります!! 要ります!!」

絢 辻 「フフッ、素直でよろしい。
     ……ええっと」

主人公 「?」

絢 辻 「……huum」
主人公 「あ、や……辻、さん?」

主人公 (? ど、どうしたんだ? 何を考えこんでるんだ?
     やっぱり、ただじゃ渡してくれない気なのかな……)


絢 辻 「じゃあ、えっと…………………………。
     …………………………………………ハイ」

主人公 (えっ! な、なにそのポーズ!?)

主人公 「……お………………」
絢 辻 「?」

主人公 「……………………お金、取るの?」
絢 辻 「!

     馬鹿!




  がすっ!



主人公 「ぐぁッ……」
絢 辻 「このポーズの、どこがお金を要求してるように見えるのよ!!」

主人公 「だ、だって……。
     その両腕開いて突き出した『抱っこして』サインは……
     美也だったら『なにかちょーだい!の構え』だから……」


絢 辻 「妹さんのおかしな自家製拳法と一緒にしないで!
     お金を要求するときはこうでしょ、こ・う!」


主人公 「あ、わ、わかったから!
     指で輪っか作るのはやめてよ、生々しいよ!」


絢 辻 「おかしなこと言うからじゃない、まったく!
     ……それに。
     大体、どうして『何かちょうだい』でお金に直結したのよ」


主人公 「だ、だって……。
     絢辻さんの欲しがる物って、お金か、換金性の高いもの……」


絢 辻 「やめた。帰る。
     今年はバレンタイン中止です。
     お疲れ様でした」


主人公 「あ、あ、あ、う、うう、うそ!
     冗談! 絢辻さんは愛と夢を大切にする
     ロマンチストです!!」


絢 辻 「それも……どうなのよ」
主人公 (……。
     むずかしいなあ……)


絢 辻 「んもう……いいわよ。
     じゃあ……ホラ、はい。
     早くして」


主人公 (……って、言われてもな。
     また同じポーズ……。
     どうすればいいんだ? 普通に考えたら……)


絢 辻 「難しく考えないでよ。何もないから。
     素直に、抱いてくれればいいの」


主人公 「な、ッ!!? こ、ここでッ!!?」

絢 辻 「ばッ……
大バカ!!


  がすんっっ!!


主人公 「ふぬグァ……ッッ!!!」

絢 辻 「抱擁よ、
ほ・う・よ・う!!
     当たり前でしょう!」


主人公 「は、はは……。だ、ダヨネ……」

主人公 (びっくりした……)

絢 辻 「……」
主人公 「……」


  
  
  


主人公 「じゃあ、改めて……。
     こ、こう……?」




  ふわっ……



  ……



  きゅ…………



  ……



絢 辻 「何よ……ちゃんと出来るんじゃない……。
     はじめからこうしてよ……」


主人公 「はは……ご、ごめんね……」

主人公 (絢辻さん、ちっさいなあ……)

絢 辻 「……」

主人公 (それで、やわらかい……)

絢 辻 「……」

絢 辻 「……ねえ」

主人公 「ん……?」

絢 辻 「もうちょっと……強いと、嬉しい……」

主人公 「あ、うん……」



  ……



  ぎゅ…………う



  ……



絢 辻 「……」

絢 辻 「……うん」
主人公 (このくらいか……)

主人公 (いつも思うけど、いい匂いだなあ……)



  きゅ…………



主人公 (あれ……絢辻さんの手が、背中に……)



  ぎゅぅ…………




主人公 (珍しいな……どうしたんだろ……)

主人公 (これ、力入れてるんだろうけど……弱いなあ……)
絢 辻 「……耳」
主人公 「え?」

絢 辻 「耳……くすぐったい……」
主人公 「あ、ご、ごめん」

主人公 (どうしても、息がちょっと荒くなっちゃうんだよなぁ)

主人公 (僕も、絢辻さんの息で、胸の辺がちょっと暑い……)
絢 辻 「……すぅ」
主人公 (でも、あったかくって……気持ちいいや……)

主人公 (ふとんみたい……)
絢 辻 「……ん」
主人公 (伝わって……くるなあ……)

主人公 (絢辻さん……大っきくなったり、小っさくなったり……。
     ふくらんだり、しぼんだり……)

絢 辻 「……ふ」

主人公 (トクトクいってて……飽きない……)
絢 辻 「……んん……」

主人公 (こういうときって、何を考えてるんだろ?
     お願いしてくるからには、
     気持ちいいって思ってくれてるんだろうけど……)


主人公 (このまま一つになっっちゃっても、全然不思議じゃないよ)

主人公 (不思議、だよな……)



……。



…………。




………………。





絢 辻 「……ふー」
主人公 「あれで……良かったの?」

絢 辻 「……。
     そういうことを聞かないの」

主人公 「ご、ごめん……なさい」

絢 辻 「ムードないんだから。
     じゃあ、はい。これ。
     ……溶けちゃってなければいいけど」


主人公 「はは……。ありがと。
     随分長いこと、その……あっためちゃったしね」


絢 辻 「何よ。嬉しくないの?」
主人公 「そ、そんなわけない! ……けど……」

絢 辻 「大丈夫よ、何もないから。
     いつもいつも何かあったんじゃ、
     それはそれでマンネリでしょ?」


主人公 「ははっ、そうだね。
     ありがとう。大事に食べるよ」


絢 辻 「そうしてくれると、上げた甲斐があるわ。
     それじゃあね。あたし、先に戻るから」




  
ギキィー、バダン。



主人公 「あ、絢辻さ……。
     ……。
     いなくなるときは、あっさりなんだよな」



 ・
 ・
 ・


  ギキィー、バダン。




梅 原 「ん……? よう、大将。
     どした、こんなところで、一人で……あ?」


主人公 「ん」

梅 原 「その包み……チョコか?
     絢辻さんか!? 絢辻さんだな!!?」

主人公 「ああ、うん。他にいないだろ」

梅 原 「っかーッ!! うらやましいねコンチクショウ!!
     俺も一度でいいから、余裕綽々でそんなセリフ
     吐いてみたいもんだぜ!」


主人公 「お前、ちょっと落ち着けよ。
     これはこれで、考えてるんだからさ」

梅 原 「あン、考える? なんかあったのか?」

主人公 「いや、実はさ……」

 ・
 ・
 ・


主人公 「っていうコトがあってさ」
梅 原 「……大将」
主人公 「ん、なんだ?」

梅 原 「俺のことを嘗めてるだろう……?」
主人公 「な、なんだよ突然」

梅 原 「梅原正吉、十七歳。剣道初段! 捌きは五年、にぎり三年!!
     これでも武道家のはしくれよ!!」


主人公 「
にぎり寿司って武道だったのか。初めて知ったよ」

梅 原 「ぃやっかましい!
     そんなノロケを聞かされて、五体満足で帰したとあっちゃあ
     あずま寿司の看板に傷が付いちまわあ!!」


主人公 (保健所が聞いたら看板どころか営業停止だな)

梅 原 「さぁ大将、観ッ念しやがれ。
     この! 
竹刀の先に柳包丁をくくりつけた
     あずま寿司相伝・
『妖刀勘八』のサビにしてくれる」

主人公 「なっ、ばっ!
     しまえ! そんなもの学校に持ってくる奴があるか!」


梅 原 「ちなみに、さっきの『サビ』は鉄錆びとワサビをかけていてだな?」

主人公 「わかったから……。もう、落ち着いて聞いてくれよ。
     なんか……よく分からなくってさ」


梅 原 「……ふぅん。
     別に、悩むことなんかないんじゃねえのか?
     俺にもよく分からないけどよ」


主人公 「え?」
梅 原 「やさしくして欲しかっただけなんだろ? 絢辻さんも。
     お前の話を聞く限りじゃ、色々複雑みたいだしな、彼女も」


主人公 「ああ、うん。だけどさ……」
梅 原 「そりゃあ、今は大将がそばにいるから良いかも知れないけど、
     だからってそんな簡単に割り切れるもんでもないだろう」


主人公 「……」
梅 原 「何かあったら、そんな気分にもなるさ」

主人公 「そっか。そうだよな」
梅 原 「だよ。わかったら、ホレ」
主人公 「え……」

梅 原 「行ってこいよ。
     人前だったらそうロコツには出来ねえだろうけど、
     やさしくくらい、どうにでも出来ンだろ」


梅 原 「『優しい声よりゃ芋が良い。芋も無けりゃあ優しくしとけ』、
     ってな」


主人公 「ははっ、なんだよ、それ」
梅 原 「座右の銘、だ」

主人公 「……。うん、ありがとう、梅原!
     僕、行ってくるよ!」


梅 原 「おう、行っちまえ裏切りモン。お代はお宝本三冊だ」
主人公 「ああ! 欲しいの、決めといてくれ!」



  ギキィー、バダン!
  ドンッ!




??? 「きゃっ?」
主人公 「あ、ご、ごめんなさい! ちょっと急いでるんで!」
??? 「何よ、もう……」

梅 原 「ふぃーっ……」

梅 原 「……」

梅 原 「お宝本も、惜しくないってかぁ……」

梅 原 「……」

??? 「あれ? 梅吉」

梅 原 「……あぁ?
     ……!!
     って、せ、センパイッ……!!」


??? 「何してんの、こんなトコで。さっきの子は? 友達?」
梅 原 「え? ああ、ハイ! 中学からのバカツレで……。
     へ、へへ……」


??? 「ああ、あの子が。
     ふぅーん……」

梅 原 「な、なんですか……?」

??? 「……。
     あはぁー、そっか。そういうことだ」

梅 原 「だから。一体何なんスか!」

??? 「さっきの子。カワイイ包み、持ってたもんね?」
梅 原 「!」
??? 「親友に先を越されて、梅は一人で冬の空、か」

梅 原 「そんな、違……!」
??? 「んんー? 違?」
梅 原 「違……、いま、せん……」

??? 「……うん。

     
コラ、梅原正吉!

梅 原 「!? 
は、ハイッ!」

??? 「声が小さい! 下向くな! 胸を張れ!」

梅 原 「
ハイッ!

??? 「良し! じゃあ、これを受け取れ!!」
梅 原 「ハイッ! え?」

??? 「フフッ」
梅 原 「せ、センパイ? これは?」

??? 「義理も義理。余りもので申し訳ないけどね。
     なにも無い……よりは、マシ、だと、いいけど」

梅 原 「……センパイ……っ」

??? 「二月だもんね。
     梅がしおれてちゃ、カッコつかないでしょ」


梅 原 「あ……

     
ありがとうございますっっっ!!!

??? 「うひぃ。ちょっと、声でかいよ。さすがすし屋よね。
     でも、そうそう。その調子。
     元気いい梅吉の方が、見てて楽しいよ。あたしも……」




  きーん こーん かーん こーん ……
   きーん こーん かーん こーん ……




??? 「あー。予鈴だ。参ったね」
梅 原 「へへっ。 野暮ですねえ」
??? 「お? 調子出てきたね。それじゃあ、戻ろうか」

??? 「それ、親友に見せびらかしてやりなよ。
     『お前の彼女より美人のセンパイにもらった』ってさ」

梅 原 「はい! そりゃあもうっ!!」

??? 「じゃね。
     ……あー、あとさ」

梅 原 「はい? まだ何か?」

??? 「たまには部活にも顔出しなね。
     男子部のキャプテン、アタマ抱えてたよ。
     あいつはスジがいいのにやる気がないって」


梅 原 「あ……。
     う、うぃーす……」




  ギキィー、バダン。



梅 原 「……」

梅 原 「……夢」

梅 原 「……夢じゃない」

梅 原 「……夢じゃないよな!?」

梅 原 「センパイから、センパイからチョコ……!!」

梅 原 「……義理だけど」

梅 原 「……義理、か。
     そんで、余りもの……」


梅 原 「……男子部の、キャプテン、か……」

梅 原 「……」

梅 原 「……いや、いいじゃねえか。
     義理、結構!
     義理と人情、秤にかけりゃ、義理が重たいナントヤラ、だ!」




  ??? 『二月だもんね。
       梅がしおれてちゃ、カッコつかないでしょ』




梅 原 「……うん! よっしゃ、行くか!
     ぅおーい!! マサー!! ケーン!! ユーウジー!!
     収穫あったかー!!? 見ろ見ろ、俺サマはよー……!!」



                          
(おしまい)





どうも、オイサンです。

まさかの三部構成。

最初は絢辻さんパートしかなかったのですが、なんかこうなりました。
話がしまらないから梅ちゃん出してイイカンジでまとめようと思ったら、
梅ちゃんをちょっと救済してあげたくなって、
しまいには出て来ないはずの梅ちゃんアコガレのセンパイまで引っ張り出す始末。
手に負えません。

……キャラが立ってるってスゴイことですね。
やっぱり、なんていうかこう……
いつまでも借り物のキャラでやってるってことに罪悪感と言うか、
これはちょっとズルいな、と思ってしまいます。

こんなモノを書いてる時点で
オイサン自身はSt,V-dayなんかにはトンと縁がございませんが、
マね。
やれる人はとことんお幸せにやればいいんじゃないかと、
このように思う次第でございますよ。

そう……死んでいった、戦友(とも)のためにも。

オイサンでした。




『アマガミ』絢辻さんSS 目次
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読「手帳の中のダイヤモンド」目次




  

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2010年2月13日 (土)

■ハッピー・バースデーがきこえる<後編・5-4> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第426回-

前編 / 後編1 5-1 5-2 5-3
『アマガミ』絢辻さんSS 目次
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読「手帳の中のダイヤモンド」目次



          -- 5-4 --



 それから少しの間があって、絢辻さんはそのセリフをやけにはっきりとし
た調子で口にした。
「それじゃあ、なんていうなまえにしましょうか?」
 一音一音の間に、半紙が一枚挟まるくらいの隙間をあけて、それでも僕は
それを一回で聞き取れなかった。気がした。
「……え?」
「なまえよ、ナマエ」
 ナマエ。何に名前を付けるつもりなのだろう、絢辻さんは。絢辻さんのこ
とだから、
「名前って……なんの?」
はじめは、新しい惑星でも発見したのかなって思ったのだけど。僕の疑問に
答える前の一瞬、絢辻さんはお腹と背中にぐっと力を入れたように見えた。
腕を組み、
「子供に決まってるでしょう」
あたしがぬいぐるみに名前を付けるように見える? と、ちょっと無理をし
たみたいに胸を張って見せる。イヤ、影ではそれも割とやってそうな気がす
るのだけど。でも、そういうことではないようだった。
「ああ、コドモ?」
「そう。子供」
 絢辻さんがポットから紅茶を注ぎ足しつつ、ピンポン玉が弾むような返事
をする。
 かちゃーん、ぱりぱりーん。きゃー。
 また店の奥がにわかに騒がしくなり、僕も絢辻さんも、やっぱりちょっと
の間そちらに気を取られ、また互いを向き直る。
「パトラッショとか」
「犬じゃないんだから」
 犬ではない。確かに、絢辻さん家は犬は飼っていなかった。となると猫で
もなさそうだ。他に、絢辻さんが名前をつけそうなもの。ああ、そうか。
「フランケンシュタイン」
「あなた、あたしが家で何してると思ってる?」
 違った。そして怒られた。
「真面目に聞いて」
 そう言った途端、絢辻さんはポッと頬を赤くした。僕も「ごめん」と詫び
た途端に徐々に冷静さが戻って来、頭の中をよぎって行くいくつかの可能性
に順番にバツを付けていった。そして、心のパンドラの箱サンロクマルから
出てきた最後の選択肢を見つけて、ぐぐっと身を乗り出した。
「絢……辻さん?」
 絢辻さんは、無言になった。押し黙って、顔を赤くして。ちょっとずつち
ょっとずつ、うつむき加減に、上目遣いになっていく。それでも決して、僕
から目を逸らしはなかった。
「え……」
 徐々に角度を下げていく、絢辻さんのつるりとしたおとがいの先端に導か
れるみたいに、僕の視線もやがてそこに辿りついた。絢辻さんの、お腹。お
ヘソ……の、辺り。そこはつまり、絢辻さんをオンナノコたらしめている、
オンナノコのコア・ブロック。
「……わ……分かった!」
 僕は……その瞬間、まるで背筋だけが自分の体ではない、どこかよその国
の、バーベル上げの世界チャンピオンのものとすげ変わったみたいに自分の
体が跳ね上がったのを感じた。そしてやおら自分の学生鞄をひっ掴むと、ノ
ートやら、教科書やら。そんな邪魔なものをかきわける。さすがの絢辻さん
も僕が何を始めたか分からないという風情で言葉を失っていたけれど、僕に
はそれを気にして上げられる余裕がない。そうか、そうか! そういうこと
なんだ!! 
「ちょっと待ってね、えーと、あれはどこに入れたかな……あ、あった!!」
 僕は、それ--授業で使うのより一回り小さい、B5切りのノートだ--
を見つけだすと、大急ぎでバラバラとめくった。急げ、急げ!!
「候補なら、いくつか考えてあるんだ!」
「え?!」
「前にちょっと暇な休みがあってさ、その時ずっと考えてたんだ、子供が出
来たらなんて名前にしようかって! あ、ごめんね、絢辻さんになんの相談
もしなくて! でもまだほら、ちゃんと付きあう前だったから、いくらなん
でも気が早いかなって、それでさ……」
 興奮すら飛び越えて散乱する僕の言葉を、絢辻さんはしばらく目を丸くし
て聞いてくれていたけれど。
 やがて、注射器が最初の一滴を溢れさせるみたいに
「ぷっ」
と、小さく吹き出した。
 そしてその先はもう……怒涛の様だった。
「あ……あはははは、あ、あ、あ、あっははははははははははははっ!」
「あ、絢辻さん?」
「ば、バカね! あなたって本当バカね! あ、あはっ、あはははっ……」
 ここがお店で、しかも夜だってことも忘れ絢辻さんは心底おかしそうにお
腹を抱えるけれど、見ている僕は気が気じゃない……ああっ、お、お腹をそ
んなに圧迫して大丈夫なの!?
「すごいわね、あなたって」
 あーおかしい、なんて独り言を挟みながらどうにか呼吸を短く刻み、震え
る腹筋を抑えつけると絢辻さんはちょっとだけ周りを気にかけた。そしてク
ーッと長めに水を飲み、まだまだ肩に震えを残しながら、
「本当、すごい。まさか候補を用意してきてるとは思わなかったわ」
と、胸とお腹を引きつらせる。あんまり笑わせないで頂戴、だなんて、絢辻
さんが目尻の珠を押しつぶしたその手でお腹をさするものだから。それが絢
辻さんのミスディレクションだと気付くのに、僕は余計時間を要してしまっ
た。
「え? え、あー……うん」
 すっかり、笑われてしまった……。僕は心のちょっと違う部分に衝撃を受
けて黙り込む。だ、誰でもやる遊びなんじゃないのか、これ。
「それが、あなたの閻魔帳?」
 その雑記帳は僕の手の中で、まだ目的のページを見つけられずに全然関係
のない落書きが開かれていただけなのだけれど、絢辻さんは、自分からは表
紙しか見えないそのノートのどこかに眠っているであろう、僕のある休日の
成果へと、目には見えない、気持ちの触手を伸ばしてくる。懐かしむような
視線はあの日燃やした彼女自身の頑なさへの憐れみなのだろうか。僕のこれ
はただの落書き兼メモ用で、絢辻さんの手帳みたいなご大層なものではなか
った。けれど、たかが今の話をそんなに笑われてしまうなら……「人に見ら
れたら、学校にいられなくなる」くらいの破壊力は、あるのかも知れない。
僕はちょっと怖くなり、このノートをサブバッグの方に移さずにおいた昨晩
の自分に向けて、ひそかに親指を立てた。
「良かった。安心した」
 笑いに笑った絢辻さんは、すっかり前のめりになった体を起こし直し、椅
子に深く腰かけ直しながら、微笑んだ。安心?
「おかしな勘違いしないの」
 自分で勘違いを誘っておいて、すっかり晴れやかな声。嬉しそうに困った
みたいに、僕の馬鹿ぶりと、それを上手く手玉に取ったこと、その上で僕に
上回られたことが何より嬉しいみたいで、ちょっともらうわねと、空になっ
た自分のグラスを飛び越えて僕のお冷やを奪った。さっきの大笑いがまだ喉
に残っているのだろう、そうして一息を挟めば、
「ナンニモ無しで……受胎するほど、あたしだって特別じゃないわ」
と、「ナンニモ」と「受胎」、二つの言葉の前では微妙にひっかかりながら、
絢辻さんは言った。
「そ、そっか」
 確かに、言われなくても、僕らはまだ、そうなんだけど。
 今年は受験、そして何よりこの関係を大事にするために、僕らはまだその
センをかろうじて……本当の本当にかろうじてではあるけど、超えていなか
った。だからまあ、「ナンニモ」と言いきるのは若干ダウトだ。
 絢辻さんは水のグラスを僕との丁度中点に返すと、
「尤も、『絢辻さんはマリア様みたいな女性です』って言うなら、否定はし
ないけど」
と澄ました声で、そのダウトを悪びれもしない。
「……」
「どうして黙るの」
「あ、いや……」
 どうしたもこうしたも。調子に乗せたら乗せたで、本当にこの人は。
「……ほら、今年ももうじきなんだなあって」
 いわれの無い追い討ちをかけられて僕はまた、彼女の言葉から適当に退路
をチョイスする。マリア様から思いつくことは、僕らの間ではいくつもない。
その空気に絢辻さんも表情をほっと温ませた。
「そうね、もうすぐね」
 今年もきっと色々あるに違いないわって、すくめて見せるその肩に僕も同
感だ。今年も、きっと。
「そうだね、色々」
「うん」
 そう、もう、色々だ。それは色とりどりの……。
「缶詰とか」
「え?」
「ゼリーとかさ」
「ちょっと」
「100%ジュースの詰め合わせも……美味しかったなあ……」
「待ちなさい」
 一年前の自分に向けて静かに目を細めていた絢辻さんは……ちょっと違っ
て、昨年の味覚を反芻して遠い目をした僕に、唇に寄せたカップをぴたりと
止めた。急制動のあまり、カップを満たしたルビー色の水面がぴちりと溌ね
た。
「なによそれ」
「お、おセイボ」
「……」
「……。えっと、あのね」
 僕からの華麗な、ミスディレクションのカウンターパンチ! ……の、筈
が。下らないマキビシを踏まされて、すっかり手負いの絢辻さんは凶暴さだ
け四割増しで牙を剥く。一発で倒し損ねたらあとが怖いことを、僕はどうし
て毎度忘れてしまうのか。一瞬、絢辻さんは備え付けの紙ナプキンが発火す
るかと思うほどの鋭い熱を、吊り上げた眦から発してのけた。こ、こわい。
 けれど、
「……いいわ」
と収まりは静かに。
「これについては、またあした。ローアングル死刑囚の件と合わせて、とっ
くり話しましょう」
「……はい」
 その攻撃的な言い間違いに突っ込むことも許されず、僕は心で梅原に陳謝
する。スマン、友よ。僕は購入ローテーションの担当月を、大幅に削減せざ
るを得なくなりそうだ。
「脱線ばっかり」
 曲がったツムジのてっぺんから湯気を吐き、絢辻さんはぽんぽんと怒るけ
ど、その石を置いたのは絢辻さんだ。それに、再びお茶を運ぶ口元は、心な
しかたのしげに笑っているようにも見えた。
 そしてまた、絢辻さんは気配を変えた。
「そんな筈ないでしょ」
「え?」
「あたしが、自分の子供に、なんて。そんな風に言うつもり無い」
 その「筈」がどの「筈」だったのか、一番近いところの物には僕もすぐに
合点がいったのだけれど、絢辻さんは一言で、もう一つ、遠くの方の「筈」
と鮮やかに結び合わせた。
 そのもう一つの「筈」を語るとき、絢辻さんは愉しげだった気配をきゅっ
としぼませた。自分で自分を抱くように、両の肘を掌で抱えて視線を落とす。
まるで、おなかでも痛いみたいに体を丸めた。ここまでに出て来た、子供に
まつわる二つの話。僕が持ち出したものと、絢辻さんの悪戯と。その僕から
の問いに、絢辻さんは少し、苦そうに答えてくれたのだった。
「ああ、うん。そうだよね。分かってた」
 僕の頭には、とびきりの笑顔で喜ぶ未来の絢辻さんが再生されて、勘のよ
うな思いに間違いがないことを確信する。そうだ。絢辻さんは絶対に、自分
の子供にそんなことを求めない。それは一年前から分かっていたことだ。そ
して自分の生まれ日を、どうしてそんな風にしか捉えられなかったのか、…
…その原因も分かってる。分からないのは、
「でもね、怖かったのよ」
 呟きが、ぽつりとこぼれ、僕は息を呑む。
 彼女が彼女を温めるその両手にこもる力の大きさを、制服の袖に刻まれた
皺の深さが語っていた。視線の先には、紅茶のシフォン。そしてそれから少
し離れて中トロとアワビが行儀良く並び、それらをあざ笑うみたいに、ティ
ーポットでは小さなジャック・オ・ランタンが背中を向けている。
「もちろん、そんなつもりなんかない。あるわけない」
 同じことをもう一度くりかえす絢辻さんの瞳は中空で留まって、ほとんど
独り言に近かった。逃げることも出来ずに、さりとてまっすぐ目を見ること
も出来なかったのかもしれない。怖い。怖い。何が? 自分が貰って一番辛
かった贈り物、そのお下がりを、気付かないうちに子供にまでお仕着せるこ
とだ。
「でも」
と、背中を丸めたその居住まいは、腿に両肘をかたく押しつけて、掌で支え
きれなくなった肩の震えを締めつけているように見える。僕らの指定席のテ
ーブルがカタリと震えた。
「でも、今のままじゃ、そうなりかねない……」
 そんなつもり、そんな予定。
 僕はもう一度、自分の心に確かめた。絢辻さんがどうしてすごいのか。そ
れは、心も体も、決して自分の思うようにはならないことを知っているから
だ。その二つが勝手に作り出す、力の大きさを知っているからだ。
 こちらのつもりも予定もお構いなし、自分の中に敷き延べられたレールの
野放図なうねりが、知らない間に自分の、心音だって背骨だって歪めかねな
いことを……何故だか、彼女は知っていた。
 そうして少しずつ心のうちから何かが暴れ出しそうになっている絢辻さん
を見て、僕ははらはらしていた。あの図書室でのかなしみに近いものが、彼
女の肩や、背中から立ち上りはしないかと、もしそれが起こったら出来るこ
とは一つしかないと、覚悟を決めていた。
 けれどそれは杞憂に終わった。絢辻さんはやがて、すうと自然な息を取り
戻すとゆっくりと背筋を正し、
「それが、怖かったのよ。だから、ちょっと知りたかったの」
と、また、晴れやかに笑ったのだった。
 それは、突然の種明かし。僕はまた……突然、向きと速度を変えた瀬に翻
弄されて、転覆しないだけで手一杯の体に追いやられる。話を締め括って静
かに僕を見つめた絢辻さんを、真っ白な頭で見つめ返すことしか出来なくな
った。
「えっ、あ? えっと、つまり……」
 意味もなく何かを数えて両手の指を折る僕に、絢辻さんは追い討ち……と
いうか寧ろ、追確認をさせるように
「気が早いーって、思うんでしょうけど」
と、身を乗り出して手を伸ばすと、テーブルの、僕が手元近くに投げっぱな
しにした雑記帳を拾い上げてページを繰った。ああっ! そ、それを見られ
たら、絢辻さんを学校にいられなくしてあげないとならなくなっちゃうよ?
「でも、どうしても考えちゃうのよね。先の時間て、決して長くはないんだ
もの」
 失敗が怖いわけじゃないけど、と絢辻さんは涼しい顔でぺらぺらとページ
を進んでいき、
「ロクなこと書いて無いわね」
と冊子半ばを過ぎた辺りで軽く眉をしかめると、そこからまた少し進んで手
を止めた。
「……取り返しのつかない失敗も、起こりえるから」
 それが自分の様な存在の誕生だと、言いたいのだろうか。水や土を持たな
い自分は失敗作なのだと。そして、自分はその過ちを繰り返さないために未
来を見つめるのだと? 僕は答えられずに押し黙る。失敗は誰にでもある。
取り返しのつかない失敗もある。でも、絢辻さんは。
 お皿に、ポットに、カップに。ところどころにコロコロと描かれた、緑と
オレンジの小さな果実。ジャック・オ・ランタンのうしろ姿が、「TRIC
K OR TREAT ?」と狡猾な一択を迫ってくる。絢辻さんは、カボチ
ャなんかじゃないよ。膝の上で、ぎゅっと音も立てない僕の拳に気がついて、
絢辻さんは少し、湿った調子の笑いを含ませた。
「笑われると思ったのよ。子供っぽいって。だから遠まわしに、気付かれな
いように終わらせようと思ったんだけど……」
「そんな。笑ったりしないよ」
「そうね」
 絢辻さんは意地悪く口元を歪め、指を栞にした雑記帳のページを、くるり
と向けて僕に開いた。
「上には、上がいたから。馬鹿らしくなっちゃった」
 光一。明良。勇太、菜々、プリン。トンヌラ。書いては消され、丸に囲わ
れ、バツを打たれた名前の数々。こんなことをしてる人に笑われたんじゃた
まらないわ。そう言いたげに。
「ああ……ははは」
 書いたときには僕一人のただの手すさびだった、けれど真面目くさったた
くさんの名前が、今日と言う日の絢辻さんの心の門扉にかけられた、一面の
表札に見えた。
 --皆は一体、あたしの何を喜んでくれたのかしら?
 --あなたは、分かる? あなたならわかるでしょう--
 油断だらけの梨穂子のケーキに始まった絢辻さんの謎かけの本当の疑問は、
そんなところから始まっていた。いや、本当の始まりはもっと昔、一年前、
あの六週間が始まって間もない頃まで遡る。……僕……と、出会ったこと。
そして変わったこと。その僕からのお祝いに喜んだ絢辻さんは、未来を見つ
める絢辻さんは、やがて自分にもそんなケーキを焼く日が来るって思ったん
だ。そして、気がついた。自分の中に、当たり前と気持ちを繋ぐ、これ以上
無いくらいに繊細で、それなのに僕らのご先祖から連なる何億年を最初から
おしまいまで結びつづけてきた糸、あるいはそれをつむぐために必要な蚕の
気持ちが足りないことに。そして怖くなった。
 絢辻さんはまだ少し照れくさそうにお茶に口をつけ、ともすれば湿って重
みを増しそうな話に、シナモンの香りでさらりと勢いをつけた。
「これでいいのかな、なんて……。不安に思いながら、おめでとうなんて言
って上げたくないじゃない? それこそ、子供がどうにかなっちゃうわ」
 絢辻さんはその祝いや喜びがあまりにうつろであることに気がついて、も
っと確かな言葉や理由……そうでなくても、胸にストンと響くものを、生ま
れついての水も土も持たない自分にも届くあたたかなものを、求めたんだろ
う。それをきっと、僕なら見つけられるはずだと願って。
「……そっか」
 でもそこには、やっぱり何もなかった。僕たちでさえ、何年のうちにそれ
を失っていた。だから余計に慌てたんだ。
 絢辻さんは言っていた。「時間ならまだある」って。「せっかく、僕と知
り合えたんだから」って。今度こそ、全部の思いと言葉が繋がって、僕の押
し入れにまた一つ、新しい星座が加わった気がした。絢辻さん。
「そうだね」
 つもりも予定も、一息で飲み込んでしまうその恐ろしい魔物を相手に、だ
からこそ絢辻さんは「たたかう」。たとえそれがまがいものだとしても、自
分に配られた大切なカード、土と水から丁寧にこねあげた、混じりっけのな
い絢辻詞メイドの傀儡のような塊を、自分の中の唯一本当である、無限に沸
き上がる黒い炎で焼き上げて、一つ一つのパーツを作り上げて。
「うん。本当にそうだね」
 ……思えば、目の前の不思議な女の子は、夢のような出来事も、「本当」
へと引き寄せてしまう力を持っていた。ノートに書きつけたいくつもの名前
も、絢辻さんの抱いた不安も、元を正せば子供っぽい、逸りのような気持ち
に過ぎない筈だった。なのにそれを心から不安に思い、自ら未来に備えるこ
とで、絢辻さんは、曖昧で、目を逸らすことが当然のその輪郭を、自分のゆ
び先に確かなものへと探り出す。落書きだったノートの名前も、絢辻さんに
ジロリとひと睨みされたその時から、明日には役所に届け出る、誰かの名前
へと重みを増した。現実を、現実だからと諦めるんじゃなく、夢を夢のまま、
毎日の舞台へとくるみ出すそのやり方には、誰にも汚されない、彼女の、僕
らだけのリアリティがあった。本当に望みさえすれば、手を伸ばせば、それ
はもう手が届く場所にあるのだと……たった一つの不自由と引き換えに、あ
らゆる自由を手にいれた絢辻さんは言っている気がした。
 そして僕は、そんな絢辻さんが……深く、遠く、「そのこと」に心を痛め
てくれたことの意味を知って、何より、嬉しかった。絢辻さんの腕の中には、
もう僕らの子供が抱かれているみたいで。絢辻さんがなんの迷いもなく、そ
の子に微笑みかけているようで。
 本当に、本当に嬉しかったんだ。


                            (あと少し)


 

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2010年2月12日 (金)

■ぶたとかわせみ -更新第425回-

先日、大きなマグカップを探してる、というお話をしましたが。

  ▼闘気 -更新第422回-
    http://ikas2nd.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/-422--8e9c.html

なかなか塩梅の良いのを見つけましたよ。

R0023617

400ml程度入る大きなヤツです。
把手も大きくて柄もシンプルです。
明日からはシゴトバで、これを使って珈琲もお味噌汁もですな、ぐいぐいと……

R0023619

ン?
なんか似たようなサイズのがもう一個……?

R0023622



!!!



お、おおきなマグカップが二つ! こ、これは一体……!


……。


えー、一つは絢辻さん用でs


 

 絢 辻 「……無駄遣いしちゃいけません、って……
      こないだ叱ったばかりじゃなかったかしら……?」

 

あ、絢辻さん!!?!
ち、ちがうんです!
これは無駄遣いとかじゃなくて、
つまりそのゴメンナサイ!!  ← 謝っちゃった。


……冗談はさておいて、絢辻さん用にするなら、
どちらかといえば右側のカワセミの柄の方ですが。

マ本当に絢辻さんに買ってくるんだったら
もっと上品で、良いヤツを買ってきますよ。
ゼロが一個足らんわ。  ← ガチ。
へへえんだ、どんなもんだい。  ← 大問題。

上のお写真では大きさがあまり分からないと思いますが、
本当に大きいんですよ?
ちょっとDSソフトのパッケージと並んでもらいましょう。

R0023645_3
ぶたさん。

R0023648_2
カワセミ。

右端の方に美少女っぽいものが映り込んでいますが気にしないように。
どうです、なかなか大きいでs

 

 絢 辻 「あら? ちょっと待って?」

 

ギクッ……。
な、なんですか……?  ← 敬語。

 

 絢 辻 「この間、あなたがやり始めたのって、
      確か『Ⅸ』だったわよねえ?
      どうして『Ⅵ』の箱がうちにあるのかしら……?」
 

 
……。
それはその、つまり、……
マグカップについてk
ち、違うんですゴメンナサギャーッ!!


い、以上!
事件の現場から、オイサン特派員がお送りしました!

良い子の皆んな!
悪くて計画性のない大人も!!
この不況下に、無駄遣いは絶対にダメだ!
自分の命までムダにする恐れがあるぞッ!



……。



しかし、なんだな。
マグカップ買ったことで記事一つ書こうだなんて、
オイサンはアレか、頭の悪いグラビアアイドルかなんかか。
いい度胸してるぜ全く。



 

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2010年2月11日 (木)

■大好きという、嘘をついた。 -更新第424回-

あるとき、Aさんと、Bさんと、自分とがいて、
AさんがBさんに対して何かしら嘘をついた。

その嘘自体は客観的にも些細なもので、
AさんがBさんから持ちかけられた面倒をさけるためだけに都合を偽った、
くらいの話で、日常的にもワリと見かけるレベルのもので。

  「ごめーん、その日都合悪くてさー」という類のやつだ。

かつそのウソは、自分に対しては特段の害もない。
なんなら、Bさんの面倒な話から自分も一からげに逃れることが出来て
若干利があったくらい。

その後、Aさんから「さっきの嘘だよ」とバラされたとき、
Aさんに対してどんな感想を抱くだろうか。

「ふーん」で終わりでいいだろうか。
自分にも利があったから、
「そういう嘘も使いこなす大人」だとして鮮やかだと思うべきだろうか。
自分にも利があったとはいえ、
「その程度の嘘なら平気で吐く人」だとして、怖い・要注意だと思えばいいだろうか。

大人って難しいぜ。



オイサンでした。



■"大好き"という、嘘をついた 『サムライスピリッツ 破天降魔の章』 ED


これはあなた、名曲です。
サビだけだけどw
歌詞が出るので、是非触れてみて下さい。

こういう、裏の裏の裏、みたいなメンタリティに触れるとき、
人って美しいなと思う。

もう十年以上も昔に聴いた歌なのにその美しさは忘れられず、
「ウソ」と言ったらいつも、真っ先にこの歌のことを思い出す。
いつか自分にも、そんな強くて美しい言葉の物語を生み出せたらいいと思う。
オイサンの憧れの一つです。

マ当時若かったってのもあるけど。



 

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2010年2月10日 (水)

■ハッピー・バースデーがきこえる<後編・5-3> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第423回-

前編 / 後編1 / 後編2 / 後編3 / 後編4 / 後編5-1 / 後編5-2
『アマガミ』絢辻さんSS 目次
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読「手帳の中のダイヤモンド」目次



          -- 5-3 --



「引っかかってることは、三つあるのよ」
「うん」
 色々あったけど、僕らは落ち着いていた。絢辻さんも明かせる種は明かし
てしまって随分話しやすくなった様子で、テーブルに低くかざした三ツ割れ
の小さなケーキフォークの先尖を、ツン・ツン・ツンと触れずに数えた。
 そしてその一つ目の先に指を戻すと、
「別に、それって誕生日に限った話ではないのよね」
と呟いた。
 「それ」が何のことを言っているのか、確認でもしたらまた、「いやらし
い」なんて罵られそうだったから、イヤ罵られるのは別に、というか寧ろ、
イヤイヤ。つまり、そういうことなんだろうと飲み込んだ。
「だから、……誕生日が嬉しいっていう理由にあなたを持ちだすのは、なん
だか違う気がする」
 ああ言ってはもらったけど、と絢辻さんは、今は誰もいないカウンターの
方を頬杖をついて気にかけ、納得のいかなさが僕を直撃しないようにか、視
線を窓に移した。
 話はいつの間にか、絢辻さん自身のことに戻っていた。さっき言っていた
「自分のことはどうでもいい」発言の真意は、今は手の届かない距離に下げ
られてしまったみたいだった。こうなってしまっては無理に手を伸ばすとフ
ォークか何か、とにかく先の尖ったもので手の甲をグサリとやられかねない
から、これもまた後回しだ。そして僕が忘れっぽいことを、絢辻さんは熟知
している。
 彼女の視線についていくと、相変わらず。狭い路地の奥まりにあるこの店
は景色だけは良くなくて、ガラスの向こうはすぐにねずみ色の塀が通せんぼ
をしている。わずかばかりの慰みにと、窓辺には華やかに生けられた花瓶が
置かれていた。僕らの席からはずっと離れているのに、その彩りは僕の視界
でずっときらきらしていた。
「だけどさ」
 ワンクッション置き、僕は絢辻さんの視線をテーブルに呼び戻してから続
けた。
「なんの理由もなしにおめでとうだなんて、言って上げられないよ」
「そうね」
 あまりに当たり前の話に絢辻さんも苦笑して、
「だから、丁度いいのかも知れないわね。生きてる以上、誰にも必ずあるも
のだし」
と、薬の効能書きを読む調子でまとめた。そうかも知れない。年に一回、無
条件に、無邪気に。誰もが自分の存在を喜ばれる日として、「生まれた日」
というのはうってつけだ。でも絢辻さんは、
「尤も、だからこそキチンと祝ってもらえない人間にとっては厄介でもある
んだけどね」
と、体を起こし、うーんと腕を前に突き出して伸びをした。今でこそことも
なげに言うけれど、それは絢辻さん自身の十七年に及ぶ戦いの歴史が言わせ
ることだ。ズクリと重く、血の匂い。その荷を今年、少しでも一緒になって
担いで上げられることになったことが、僕は嬉しかった。
 フォークを弄んだ絢辻さんはその先をケーキに向けて、もう一口要る? 
と訊ねてくれたけれど、今は遠慮しておいた。
「そう? じゃあ、二つ目。これはあたしの性質の問題なんだけど」
 絢辻さんはそう前置きをし、
「あたし、別になんにもしてないのよ」
と、また読み取りにくい始め方をした。毎度のことながら、僕には理解が追
いつかない。
「……どういうこと?」
「出て来ただけ」
 コクリと一口紅茶を含んでの説明は、まだまだ僕に届かない。はあ、出テ
来タダケ。どこから? 誕生日の話? え、ああ? そういうこと?
「絢辻さん、それは。ちょっと、ロコツ……」
 そこが入り口なのか出口なのかもろくに知らない僕は光景さえ思い浮かべ
られない。僕の戸惑いを相手にもしないで絢辻さんが言うことにはつまり、
「馴れてないのよ、あたし自身。自分のしたことで評価することしか知らな
いから」
……自分はこの日、母親から押し出されて来ただけだから……それは別に、
自分の手柄じゃないってこと、だろうか。
「何かしたわけでもないのにおめでとうって言われたって……ピンとこない」
 そうして押し出されて以来、ずっと何かと……恐らく、お姉さんと……比
べられ続けた挙句、ただ在ること、それすら必死で守らなければならなかっ
た絢辻さんは、自分の価値を自らの行いとその結果の大きさによってしか測
ることを知らずに来たのだろう。そんな自分を、今更理由もなしにおめでと
うと言われたって、それこそ平日の道端で突然クラッカーを向けられた心持
ちがしたっておかしくない。それは、やる側にどんな理由があったところで、
やられた方には悪ふざけだ。
 不服。理不尽。まるでいわれのない罪を着せられたよう。そのことがよっ
ぽど心に馴染まないのだろう。そして僕といることで、それを素直に喜べな
いことがまた哀しいと思ったのだろうか。それとも、これまでの十七年をも
たらしたものに、これまで以上の深い憎しみを見出したのだろうか。頬杖の
掌で覆う口元が、泣き出しそうなのを堪えているみたいに見えるまで眉間に
皺を寄せ、険しい瞳を床に捨てた。
 でも僕は……全然、違うことを考えてた。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
 見る見る沈みゆく不沈艦を前にして、副長の僕がするべきは水をかき出す
なり、穴をふさぐなり。本当はそんなことの筈だった。でも、
「絢辻さんは」
身を乗りだす僕に向けられる船長の視線は、沈黙を命じるものと救いを求め
るものの二種類で、それに怯む余裕もなく僕がとっさに掴んだのは、
「絢辻さんは、自分の子供にもそんな風に言うつもりなの?」
……キングストン弁の、開放レバーだった。そんな僕の想像を越えて、絢辻
さんの反応は過敏だった。
「あたっ……こどもっ……!?」
 沈んだ気配は吹き飛んで、ガタリと椅子の足が床を引っ掻くほどに、明ら
かに動揺して声を高くする。
 がちゃん、ぱりーん。きゃーっ。
 あれ、なんだろう。今、厨房の方でも音がしたような。
 一度は取り乱した絢辻さんもそっちの音にびっくりしたみたいで、伸ばし
た背筋を傾けて、僕の後方、カウンター奥方面を窺った。僕もしばらくそち
らを気にしてみたけれど、そっちの方はそれきり静かになってしまったから、
僕は絢辻さんと顔を見合わせると、改めて掌で制した。
「いや、それは、ものの例えなんだけどさ」
「あ、ああ、例えね、そうよね……」
 絢辻さんは、まだちょっと乱れた息と跳ねあがった心の臓を押さえつけよ
うと、一旦静かに目を閉じた。そのときすばやく深く吸った息が、かわいい
鼻の入り口で、ひゅうっと細く、寝息のような音をたてた。
 そこに吸い込まれるみたいに、僕は考える。絢辻さんの考えを、叱ったり、
責めたりする気はなかった。ただ、信じられなかった。絢辻さんが自分の子
供に、そんな風に言うところを。だって、僕には想像できない。小さなケー
キに小さなローソク。そして小さな体目いっぱいに息を吸いこんで、ロウソ
クの火を吹き消した自分そっくりの幼子に、良かったね、良かったわね。お
めでとう、おめでとうって、まるで自分のことみたいに、否、自分のことな
んかよりももっともっと嬉しそうに、わけもわからず、手を叩いて大喜びす
る絢辻さんしか思い浮かばない……だから、ぽろっと聞いちゃった。……う
ん? 自分のことなんかより?
 そのとき不意に、パチリと目を開いた絢辻さんと視線がぶつかった。はじ
めはまたちょっと険しさを残していた絢辻さんの目は、やがて静かに不思議
なものを見る目に変わり、やさしくなった。そうして、僕の目から、眉から、
口元、肩、ゆび先や姿勢におかしなクセが出ていないか? 凡そ考え得る、
人が何かを隠せるパーツ全て、僕の上から下まで視線を走らせた結果、困り
顔で首を傾げた。多分、僕と同じことを考えてるに違いなかった。
「分からない人ね」
「……お互い様だよ」
 何のことを言ったのか、分からないけど。それでも、それを境に絢辻さん
はちょっとすがすがしい面持ちになって、「んっ」と勢いを付けて居住まい
を正すと、笑顔の端からため息と一緒に
「バカみたい」
と、わだかまりを吐き捨てた。
 フフッと鼻から抜けた笑いは、僕に向けられたようにも、絢辻さん自身を
笑ったようにも聞こえたから、下手な手出しは出来ない。今度は上手に僕の
口を封じたと、絢辻さんは満足げにケーキを一口口に運ぶと、それを最後に、
お皿をツイと僕の方へと押し出した。
「食べて」
「え?」
「あたしはもういいから。残りは、あなたが食べて」
「え、でも……」
「食べて」
 また、突然の申し出だった。それは、お店からの、絢辻さんへの。そう言
いたかったけど、余りに静かなその調子はさっきの「あーん」と同じ、絢辻
さんからのお願いだ。きっと、こうすることがお店からの気持ちも一番良い
形で受け止められると考えたに違いなかった。
「じゃあ、……いただきます……」
「うん」
 おずおずとケーキ皿を自分の手元に引き寄せ改めて見る、紅茶のシフォン
はまだ丸々半分は残っていた。それをいきなり、全部いく気はなかったけど、
先ずはその受け取り証明に、小さく一口、手を付ける。あまりのやわらかさ
に悪戦苦闘し、ようやく小さなピースを拵えると、絢辻さんの食べ方に倣っ
て生クリームを乗せて口に運んだ。
 そこへ絢辻さんが、
「桜井さんのケーキも、とっても美味しかったわね」
なんて言うから、途端に僕は味が分からなくなってしまう。スポンジのつっ
かえた喉がぐふんっとおかしな音をたて、僕は慌ててコーヒーでふやかした。
僕が軽くむせ返るのを聞きながら
「きっと、お家のご飯も美味しいんでしょうね」
とお茶をすすり、絢辻さんは続けて、彼女がふくよかなのも分かる気がする、
と意地悪く、本人が聞いたらムクれそうなことを言って、最後に
「内緒ね」
と、片目を瞑った。虫のいい話だ。
 確かに、梨花おばさんはおしゃべりと同じくらいご飯を作るのが好きで、
両親が家を空けがちな我が家によくおかずのあまりを持って来てくれたりし
た。お邪魔してごちそうになったことも数え切れずある。梨穂子があの体型
なのに、そこに一因も二因もあるのは明らかだ。と同時に、僕が人より痩せ
気味なのもそうした家庭の事情があるからで、美也の発育が平均点未満なの
も同じこと……ああ、そうか。きっと、絢辻さんのム
「ね」
「え。あ、うん、まあ」
 ……どこまで読み取られたんだろ。不埒な思考を分断され、自分でも一体
どの言葉に返事をしているのか分からず、結局コーヒー味になってしまった
紅茶のケーキを、僕はもむもむと飲み込んだ。
 それにしても、何故、今、梨穂子なんだろう。その思いも追い越して、絢
辻さんは僕が一旦フォークを置くのを見計らうと今度はぱっと、掌を僕の前
に差し出した。
「かえして」
「え?」
「それ。こっちに頂戴」
「……これ?」
 僕が指差したものに、絢辻さんは目で肯く。それは僕の隣りに座ってた、
Joesterの紙袋だった。僕の喉からはまだ、さっきのスポンジのおか
しな感触が消えずにいた。テーブルの上で袋を渡しながら、
「……どうするの?」
そう僕が訊ねても、絢辻さんは
「ありがと」
としか応えず、受け取ったその袋を目の高さでしげしげと眺めて
「棚町さんは、お父さんを亡くしてるんだったわね」
……と、また僕がむせ返りそうな台詞をぽつんと落とす。
「贅沢を言ったら、引っぱたかれそう」
 そうして、言葉を失う僕を尻目に紙袋を膝の上に抱くと、皆からのプレゼ
ントの、改めて物色を始めた。
 一番上にあったのは、長方形の小さな小さな包みだった。色気のかけらも
ない白地の包装紙に、濃い緑の筆文字とラインで、きりりと踊る「あずま寿
司」。言わずもがな、自称「輝日東の一人サンバカーニバル」こと、梅原正
吉くんからのプレゼントだ。そんなヒト、ボクしらないけど。
 絢辻さんは、一度剥がされてゆるんだ包装を再びぴりぴりと丁寧に剥がす
と、中から現れた透明なプラスチックのケースとそこに収まったものを見て。
もう一度、困ったみたいに笑った。みんなからのプレゼントはパーティの時
に一通り開封と紹介があったから、中身が何だか分かっていた。思えば、薫
のひどい突っ込みに戦々恐々としながらの、緊張感に満ちたプレゼント紹介
だった。
『いやあ……金欠でさあ』
『あんたねえ』
 さっき、Joesterで。決まり悪そうに笑う梅原を、薫がジト目で責
めたてる。
 絢辻さんの手にあったのは、にぎり寿司……のミニチュア。で、それにゴ
ムタイヤを履いた車輪が四つ、ついている。絢辻さんはそれをどう扱ったも
のかと戸惑っていたけれど、なんとなく理解したようで、テーブルの上にち
ょこんと据えた。
 僕は見かねて、
『それ、こうするんだよ』
と横から割り込んで、車輪付きのアワビのにぎりを、ゴムのタイヤをテーブ
ルに押し付けたまま、後ろ……寿司の前後なんて分からないけど、そう思わ
れる方向に、引いた。カリカリカリっとぜんまいが小気味良い音をたてたと
ころで手を離すと、アワビの握りはシャーッと勢い良く、斜向かいに座って
いた田中さんの胸元めがけて走っていき、驚いた田中さんがひゃあっとかわ
いい悲鳴をあげた。そしてそれを見た香苗さんが愉快そうに笑う。
『え? え? お寿司なの? ミニカーなの?』
 絢辻さんはまだ覚束なげに、手元に残ったもう一貫、中トロのにぎりをつ
まみ上げるとクルクルと車輪を指で回した。
『"チョロ9"っていうんだ。ぜんまい式のミニカーだね』
『おうよ! 名付けて「トロキュウ」、しかも最高級の「中トロとあわびの
時価にぎり・ポールポジションセット」だ! 今年のハロウィン商戦に向け
た、あずま寿司の主力兵器だぜ!』
 ああ、それで。生のキュウリが一本ついてるのか……。僕からのフォロー
に、梅原は上機嫌で勢い込んだのだけれど、
『……ハロウィン、カンッケー、ナシ』
『アンタ、家の売りモンに手ェつけてんじゃないわよ』
と、香苗さん・薫師団の張った共同戦線からの砲火を浴びて、あずま寿司、
秋の主力武器はたちどころ火だるまにされた。
『面目ねえ……』
 ……ああ、炙りトロってこうやって作るのか……いや、そうじゃないだろ。
そう思った矢先に梅原はしぶとくも息を吹き返し、びっと僕に、指を突き付
けた。
『んああ! だいたい大将が悪いんじゃねえか! もっと早くに言っといて
くれりゃあ、小遣い貯めて待ってられたんだぞ!!』
 な、なんてヤツ。僕はそのとんだとばっちりに言われっぱなしで黙っては
おられず、返す刀で反論する。
『何だと!? じゃあ聞くけど、今そんなんでいつだったら小遣いが残って
るんだよ! まだ月始めだぞ、それに、今月は梅原がローアン……』
『いいわよ、やめて』
 絢辻さんの滑らかな声は、どんなイザコザにも何故だか自然に入り込む。
すっかり子供のけんかを始めた僕たちを一言で止め、走り去ったアワビを田
中さんから手のひらに乗せてもらった絢辻さんは、
『梅原君は、おうちの仕事が好きなのね』
と、それをコロコロ、弄んだ。
『ありがとう。きっと大事にするわね』
 そう言って、にっこり笑った。
 そうだ。絢辻さんは笑っていた。そのまっすぐさには逆らえない。梅原も
「まあね」と照れくさそうに鼻の下をこすって、
『けど、ほんと悪いね、絢辻さん。来年は今年の分まで豪勢にやらせてもら
うよ』
と出来もしない約束をし、絢辻さんはまたそれを
『うん、楽しみにしてるわね』
と、ストンと受け止めたのだった。
『ああ、それから』
  もちろん、話はそれで終わらなかったのだけれど。謎の「時価にぎりポ
ールなんとか」をラッピングし直しながら絢辻さんは呟いて、最後のテープ
を止め直すと、涼しい瞳で僕を見て、
『な、何?』
『ローアングル弁護団? の購入ローテーションについては、あとで聞かせ
てもらうわね?』
と、きっちり笑いでその場を締めくくったのだった。
「……小学生の男の子じゃないんだからね」
 今、掌の中トロを見つめる絢辻さんは、その時とは似ても似つかない大人
びた瞳をしていた。ころころと前後に揺するたなごころを、車輪にくすぐら
れる独特の感触に目を細めた。そして僕がして見せたように、ぜんまいをテ
ーブルの上でカリカリ巻くと、僕目掛けて、ぱっと車体から指を離した。
「あ……っ」
 ……あずま寿司特製・時価にぎりスペシャルの片割れは、はじめから車軸
にブレがあったんだろう。まっすぐ僕に向けられたはずの進路を見る見る曲
げた。四人がけといってもこの店のテーブルはそんなに広くない。スピード
だけは特上の中トロがあさっての方向へ弧を描き、たちまちテーブルの端か
ら飛び出すのを見て、絢辻さんは儚げに助けを求めた。
 だけど、
「おっと」
小さい頃からこの手のおもちゃで遊んできた僕はそんなアクシデントには慣
れっこだ。ほとんど反射的に体を倒して手を伸ばし、視界にテーブル下の絢
辻さんの膝小僧をかすめながら、中トロ・死へのダイブを、すんでのところ
で受け止めた。
「ほら、ナイスキャッチ」
 体を起こし、僕が笑って無事をアピールすると絢辻さんは本当に驚き、そ
して安心したのだろう、
「びっくりしたわ」
と、強ばらせた肩と頬を緩めた。それにしても。
「……これ、精度悪いなあ」
 絢辻さんの柔らかな笑顔を見て僕にも余裕が生まれ、心の奥底から子供の
頃の情熱がムクムクと鎌首をもたげ始めた。中トロの、そのちょっとしたゆ
がみがなんだか無性に許せなくて、車輪を指でクルクル回して僕は軸の不確
かさをあらためた。
「おもちゃなのに、そんなのあるの?」
「うん、軸がね……このくらいかな」
 怪訝そうな絢辻さんの様子を耳だけで受け止めて、僕は中トロのぜんまい
を薄く巻き、絢辻さんを少し外した方向へ狙いをつける。絢辻さんも、僕の
考えを見通してはいたみたいだけど不安そうで、けれど言い咎めるでもなく、
まるで普通の女の子みたいに僕のするのをじっと見守っていた。
 そんな下らないことなのに、ふたりとも、なんだか変に緊張していた。
「そら行け」
 僕がそっと手を開くと、ぜんまいを甘く巻かれた中トロは緩やかに弧を描
き、やがてとろとろと速度を緩めて……絢辻さんの目の前で、まるで木陰で
ひと息付くファミリーカーのCMのように止まった。
 そして、ひと呼吸。車輪が完全に止まったのを見て、
「うん」
と僕はその結果に満足して頷き、絢辻さんはまだ、何故か不思議なものを見
る面持ちで、中トロカーから降りてくる誰かを待つように見下ろしていた。
「あした梅原のやつに文句言って、交換してもらおう。ね?」
 僕が得意に笑うと、やがて顔を上げた絢辻さんは、すごく静かで、穏やか
で。優しい瞳をしていた。そしてまた、困ったみたいに、
「好きにすれば?」
と、僕だけに微笑みかけてくれた。


                           (あと2回!)
                (まちがった。あと3回!! 続く!)




 

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2010年2月 9日 (火)

■闘気 -更新第422回-

シゴトから帰ってきて、
軽く筋トレして、
その後30分ほどジョギングをし、
市販のアルミ鍋に入ったインスタント鍋にカット野菜と味噌なんかを追加してつくる
カンタン自前ナベを作って夕飯を食べていたら……フと、

  「やべえ、俺なんか、普通に関取りになっちゃいそうじゃん?」

と思ってしまいました、オイサンです。
だってなんか、あまりにもカラダが出来てしまいそうなサイクルだったんだもの。
マ鍋は、殆ど野菜ばっかなんだけどさ。



■でかいマグカップが欲しい



シゴトバで、お昼時に味噌汁を……

  ……いきなり余談ですけど、
  お味噌汁って「食べる」って言います?
  「飲む」って言います?
  オイサン的には自然なのは「食べる」なんですけど、
  関東来てから「飲む」って言ってる人が多くて
  へーっと思ってましたが。

  google先生に聞いてみると、
  「飲む」が多数派、「食べる」が少数で、
  その他に「吸う」「すする」なんてのがある。

  マこれは余録。
  でも試しにアンケートを置いてみよう。





シゴトバで、お昼時に食べるお味噌汁の話。

ご飯はお弁当をまとめて注文しているのですが、
それにオマケでついてくるお味噌汁はほとんどお汁ばかりで、
ちょっと食い足りない。
最近まで、カップタイプの「野菜たっぷり味噌汁」なんてのを
近所のコンビニで買って食べていましたが、結構なお値段なさるので不経済。

デ、袋タイプのを買っておいてそれを食べれば多少割安かな、
と企んだのですが、今度は丁度いい器がない。

  お弁当についてくるお椀を使えばいいのですが、
  浅くて小さくて。
  腹を膨らませるのにちょっとお湯を多めに注ぎたいのですよね。


そこでマグカップの出番ですよ。


大きいのを買ってきとけば湯量はガッツリいけるし、
洗えばあとでコーヒー飲むのにも使えるなーと思い、
昨日、近所を当ってみた。
デパートから、100均から、近所の商店街の器モノ屋さんから。

  また余談になりますが、ビビったのがその近所の器モノ屋さんで、
  デパートだとガラスケースに単品で飾るようにディスプレイしてる
  高級陶器(マイセンだとか、WWだとかですよ)を、
  まるで自転車みたいに天井からズラーっと何十客も、
  ぶら下げて在庫をまとめてディスプレイしてらした。
  お値段は変わらず、一客1万ン千円の世界なんですけどね。
  イヤ、いい度胸してるわ。
  ちょっとデカい地震とかきたら、イッパツでいくんだろうなあの店……。

マ結果、まだ気に入ったのは見つかっていないのですが。
そうして器を色々見て回っていて気が付いたのが、
陶器ってのはなんというか、案外自由だなあと。



▼それが陶器のフリーダム。



ご飯茶碗にお湯呑みに、本来の意味の茶碗に、
あとは色んなサイズ・形のお皿、小鉢の類。

この「色んな」が中々楽しくて、
お茶碗・湯呑みあたりのバリエーションはほどほどなのですが、
お皿、小鉢、そしてそれ以外のピンポイントな用途のために生み出された器の数々は、
作る側(陶器をですよ。料理をじゃなくて)の想定ヒトツで
ほぼ無限のバリエーションを誇っていらっしゃる。

どんなものを乗せる、
どんな風に乗せる、
どのくらい乗せる。

その風向きも様々で、
見た目にキレイ、
食べやすい、
量が丁度いい、
などなど、
調理者ではなく、器からの手ほどきで、
時空を超えて乗せられるであろう料理に対してリードをかけていらっしゃる。

いやなかなか。
これは面白い世界だ。

そうなると『美味しんぼ』か『おせん』か、っていう世界になるんでしょうけど。
お味噌汁を飲んで泣けてしまう超人同士の戦いの世界です。
山岡はんのアユはカスや……。
マンガで読むにつけ、
器と料理人の真剣勝負ー!なんて文句もワリと見かけますが、
あああれは本当のことだなと、
なんなら「器」と「料理人」ではなく、
「陶器作家」と「料理人」のイマジネーションの勝負というのが本当だなと
思い至った次第であります。

実際、家に持つ段になれば、
「そんーな細やかに対応してられるか!」
ってなって、汎用性の高いものでまとめざるを得ないのでしょうが、
見て、触って、それが使われる場面を想像して回る分には非常に楽しい。
お花畑の中を歩く気分でした。

  ……イヤ、オイサンお花畑の中を歩くのはそんなに楽しかないけど。

マそんな風にですね。
カイシャで、コーヒーと兼用しつつ
インスタント味噌汁食べようってオイサンには縁のない世界ではありますけども、
出来うるなら、コレクション用の食器棚のヒトツも用意して、
収集するのはコレ楽しいだろうなあ、と思ったオイサンなのですよ。

別にそんな高いものじゃなくても、
一枚ン百円のカップや皿でも、面白いものはたくさんあるのでね。


……中学ンとき、「陶芸家になる!」つってホントに陶芸家に弟子入りしたヤツいたなあ。
その後、どうなったんだろう。
元気かなあ、石丸くん。



■週末の惑星



……さあ、いよいよ近づいておる。
約束の日、バレンタインデーが。


オイサンには全然関係のない日、
バレンタインデーが。


何となくチョコレートを買いにくいだけの日、
バレンタインデーが。


別に普段そうそうチョコなんか食べないのに、
その日に限って食べたくなってしまう日、
バレンタインデーが。


会社の後輩・ハニワさんに、
「今週末は例の日ですね云々」と言われて、スで
「え? なんかイベントの日だっけ?」と聞き返してしまって説明され、
「『ときメモ4』とかだったらちゃんと頭に入ってて攻略要素としてしっかり利用するのに、
 リアルでは完全に抜け落ちるくらい俺には関係ないのかー!!」
……と、微妙な凹み方をしてしまう日、
バレンタインデーが。


隣席の同僚に「俺、今月18日誕生日だから」としょうもない念押しをされ、
「じゃあいいよ、15日にチョコ買って持って来てやるよ」
とネタにして笑いをとったまでは良かったものの、
「……本当にチョコ買ってきて置いといたらどんな反応をされて、
 後々社内でどんな空気を生むだろうか……!? た、試したい……!!」
と、今時点でかなり本気でドキドキしている日、
バレンタインデーが……!!



でも、皆にウワサとかされると恥ずかしいし……!
お、オイサンなんだからねっ!!

 

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2010年2月 8日 (月)

■繋がり合う、羅列の頂点 -更新第421回-

今期見始めたアニメの中で、かなりどうでもいい位置にいた『バカテス』。

の、話。

今も、本編への興味という意味では全然薄いのですが。
……如何せん、主題歌に興味がありすぎる。


●『バカとテストと召喚獣』OP反転


  文字は反転してますが、この歌にはそのくらいの混乱があって
  丁度いいのかもしれません。


●Perfect-area complete! 麻生夏子 PV

こっちのPVはたまらなく薄気味悪いので、そういうのが好きな人はどうぞ。
……映像作家が頑張ってもどうにもならない物ってあるんだな。



一体、畑亜貴という人は何を手掛かりにして歌詞を作っているんだろうか?
その上でオイサンはどうしてこの人のこの意味の分からない歌詞に
こんなに心惹かれるのか。
2番の歌詞は、まあおいておく。
大体わかる。理解できる。原作から引っ張られたイメージも、
かなりの部分で見受けられる。

分からないのは1番だ。
2番ほどじゃないにせよ、原作っぽいエッセンスが見え隠れする気もする。

だけども、2番を、
2本の大根をそれぞれ8つに切って、そのパーツを一つ飛ばしで使った料理、
つまり大根Aをとばしとばしに半分の4カケ、
大根Bを同様に半分使って作った料理だとするなら、
1番は大根を8本使って、
その8本それぞれのヘタの部分だけを使って作った料理だというくらい、
一本の大根の味が薄まっている気がする。

そのくせ、出来あがった料理には、しっかりと大根一本分の味しかしない。

  この場合の大根は原作が持ついくつかのエッセンスの
  どれかだと思ってもらって良いと思う。

  つまり、原作が語ろうとするいくつかの要素を取り出してきて、
  それら全部から、ほんのはじっこずつだけをポンポンポンとつまんで持って来て、
  その薄い要素だけを配して作った歌詞なんじゃないか、ということだ。

マこれは、この歌詞が「原作のエッセンスオリエンテッドで作られている場合」
に限られるたとえではあるけれど。

そのくらい、情報量としては薄い……気がする。
それなのに、その薄いはずの情報同士、
エッセンスを代表する言葉同士が、随分と固い結束でもって
ガッチリ繋がり合って響くのは何故なのか。

  なんか、たまにあるじゃないですか。
  化学記号の六角形なんかで。
  お互い、六本の手の一本ずつでしか繋がる気がないのに、繋がってしまったらもう
  何が何でも離れない、みたいな連中が。
  なんかそんな感じ。
  化学、全然詳しくないけど。

そんなことなので、うっすらうっすらな言葉の羅列でしかなく、
全体像も全然はっきりと輪郭を結ばないのに、
ガチンとかたいものを見せられているみたいで
すごく納得がいかない、けれど心惹かれる。
そのガッチリさは、言葉のどことどこが結びついて出来ているんだ!!
という、全然説明しがたい疑問と魅力にすっかりK.Oされてるオイサンです。

イヤもうホントすげえよ。
気になってしゃあない。

……とまあ、そんな理由で、
「本編にヒミツがあるのか?」
と、勢い、本編も追わざるを得ないオイサンです。

  ……本編、全然面白くないんだけど……。
  でも、発見。2倍速で見るとワリと見られる。

しかし、アニメ本編じゃなく、
原作小説の方にまで手を出さないとならないんだったらシンドイな。

教えて亜紀先生!!

一体何を見て、どういう風に考えられて、
アノ歌詞はできているのでしょうかっ!!?



 

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2010年2月 7日 (日)

■酢味噌が導く、あの夏、あの子の物語。 -更新第420回-

調子に乗って食べ過ぎたので
調子に乗って15km走ったらクタクタです。
健康的? オイサンです。

走れるモンだなオイ。
あー、おミカンがうめえ。



■オイサン的『キミキス』プレイリポート Rap-(多分)4



昨年末からプレイしてた『キミキス』をクリア。
お相手は、生粋のブルジョワお嬢・祇条さん。

プレイ当初は、不遇の天才・二見さんと仲良くなる予定だったのが、
途中で割り込んできた祇条さんに心を動かされた。
それでも、中盤までは二人ほぼ並走で進めていたのだが、
3週間目終了の時点で、どちらとハッピーエンドを狙うにも手遅れと分かり、
3週間目アタマまで戻ってやり直すことに。

デ結局、その時の気持ちヒトツで、
今回は祇条さんと仲良くなろうと決めたのでした。

……なんでしょうか、二見さんは、キャラクターは好きなんです、
すごく好きなんですけど、イベントが響かないんですね。
文章的にも、画的にも。

それに引き換え、祇条さんとのあの、雨の木陰で、二人して勢いでキスしてしまうシーン、
あの美しさにやられてしまいました。
もしあの時点で、二見さんと祇条さん、リアルに二股かけていたのだとしたら、
ハートを持っていかれてしまうのは祇条さんだなあ、とすごく素直に思ったので、
今回は祇条さん、です。

  ていうかリアルも何も、
  実際に二股かけててそのイベントで心を奪われたから
  今回は祇条さんに普通になびいちゃったんですけど。
  サイテーやなオイサン。
  ホント、リアルなイケメンじゃなくて良かった。
  ヒドイ人になっているところです。

 ▼▼▼全体的な感想▼▼▼

やっぱりこのゲーム、もう一つ好きになれない。
思い当たる原因は二つあって、そのどちらも、このゲームのメインであるところの
会話モードに端を発している。

一つは、会話のあまりの当たらなさ・ランダムさ。
当たらないのは構わないけれど、何故当たらないのか、何なら当たるのかが
もう少し効果的にプレイヤーから見えないと納得がいかない。
画面の外から高速で撃たれるSTGのようなやり切れなさ。

もちろん、ナマの人と話をするときはそんなこと分からないから
リアルだと言われたらそれまでなんだけども、
ナマの人と話すときは場の空気とか相手の雰囲気とか、情報量ももっと増えるはず。
それに類する判断材料をバラまいて欲しかった。
三発はずしてようやくヒントが出され、しかもそのヒントに則った攻めも
手持ちのカードによっては出来なかったりする、というのは、やっぱりひどいと思う。

二つ目は、生きた会話がなかなか出来ないこと。
一つ目の問題に連なる話なのですが、
会話があまりに当たらないから、
ゲームを進めるにはどうしても会話を当てないとならないので
「当てた実績のあるカード」を繰り返し切る展開になる。
そうなると、同じ話を連日する二人、というかなり年をとった展開になってしまうので
勢い、会話が死んでいく。
そうなると……ヒロインの魅力が、なかなか見えてこないんですな。

……うーん。キャラクターも、音楽も、かなり好きなだけに、
それらが死んで見えてしまうこれらの致命的な失敗は、
オイサンにも残念でならないのですが。

 ▼▼▼今回の感想・1▼▼▼

とはいえ今回。
逆にすごく「ゲームと割り切って」攻めてみたところ、これがかなり楽しめた。
一度やり直しを余議なくされ、一人だけに絞ったプレイに転向した際、
どの会話カードがどの程度当たるのか、を片っぱしから順番に当たってみて、
塩梅の良いデッキを組んでみた。
以後、レベルがあがったら必ず1日はつぶして(ゲーム内日付でね)、
その確認をするようにしてみた。

そうして「時間を無駄にすることを恐れない」プレイに切り替えた途端、
会話のバリエーションが広がって、会話モードが楽しくなってきた。
なんだか皮肉な話だな。

マそうは言っても、恋愛SLGにオイサンが求めるものは
複数ヒロイン並走と、ランダム性による心地良い意外性なので……
勢い、どうしてもヒロイン一人を選択させようとする本作の会話デッキシステムは、
やっぱりちょっと向かんなあ、というのが主な感想なんだけども。

 ▼▼▼今回の感想・2 祇条さんシナリオ▼▼▼

デ、祇条さんシナリオ。
……正直、拍子抜けでした。
なんかもう、ド直球というか、『アマガミ』の紗江ちゃんシナリオを
さらにあっさりさせたような印象。

二人とも、それで大丈夫なのか、と見てるこっちが心配になるくらい。

祇条さんも、せめてフィアンセに一回くらい会う機会を持ってから
主人公との関係を考えるくらいのことがあっても良いんじゃないか。
それはそれで、天秤みたいにとられかねないけども、
相手の男の価値は抜きにしても、
「お父様が選んだ人に間違いはありません」
と言うくらいお父さんのことを大事に思っているのなら、
お父さんのためにそういう機会を持つ判断力があっても良いと思うのに。

主人公も主人公で、
「一度相手の男に会ってきて、それからもう一度返事を聞かせて」
くらいのことは言えんかね。
少なくともギャルゲーの主人公ならそうだろ。

  現実だったら、そりゃもう汚くてもなんでも、
  さっさと自分のモノにしてしまいたいという話は分かるけど。

それに、ああして祇条さんに父親を裏切らせ、自分を選ばせることは、
祇条さんにとっては相手の男のみならず、
大恩を感じている親をも裏切らせることであって、
それが今後の彼女らしさを大きく損なうことだと思わなかったんだろうか。

まあ、父に背かせて自分を選ばせるということに、
祇条さんの自立や変化があったり、
主人公自身のカタルシスがあったりもするのだろうけど。

なんとなく、この先がものすごく思いやられる終わり方をしたなあ、
と思ってしまいました。
キャラクターはいいのに、それを描くシナリオがあまり良くないように思うのは
オイサンがオイサンだからでしょうか。

後日談とか、あるのかしら。

 ▼▼▼小ネタ・1▼▼▼

関係ないけど、今日食べたお昼ゴハンに酢味噌和えが出てきて、
「そういや祇条さんは酢味噌の料理を作るのが苦手だと言ってたなあ」
と思いだしてしまいました。
……多分今後、酢味噌の料理を食べるたびに
祇条さんのことを思い出すんだろう。

……ブルジョワなのに酢味噌。
ヘンなの。

そして、今まであんまり得意じゃなかった酢味噌味が、
今日はとても美味しいと思ったのでした。
またトシとったか?

 ▼▼▼小ネタ・2▼▼▼

ゲーム終盤。
神風イベントに備えて、昼休みは食堂で張ってたのですが、なかなか起こらず。
マ今回はいいかあ、と思い始めたそのとき……

  びゅーッ!

 女の子 「きゃあッ!」

き、きたーっ!!

 星野さん「み、見た!?」
 オイサン「……。お前は屋内にひっこんでろよ」

……なんで星野さんだよ。



■導かれし俺たち



『ドラクエ』を。
始めました。



……『Ⅸ』の方。


「再開した」というのが正しいんですが。

全然序盤(やたら病人が出た町。多分、町3つ目くらい)で止まっていた
『ドラゴンクエストⅨ』を再開。

なんとなく、随分やってしまった。
現在レベル17。
ダーマ神殿に行ったら大神官がいないとかで一先ずスルー、
先に漁師の村の事件を解決し、その勢いで船に乗ったらエルシオン学院がどうとかいう話になってきた。

や、ヤバイ!!
これはもしかすると、

「『ドラゴンクエストⅨ』で、ダーマ神殿に行かずに
 エルシオン学院まで行ってしまった蒼樹うめ先生」

の二の舞なのでは!?
さっさと一旦もどらねば。
それにしても、漁師村のヌシ様戦はちょっとヤバかった。

……しかし、やっぱり『Ⅸ』はちょっと異端ですよね。
本編の、ソロ&オフラインプレイ部分は、
随分あっさり作られているというか、
「ここがメインではない!!」という匂いがプンプンしていて、遊んでいてももう一つ手ごたえを感じません。
オマケから先にやらされてる感じ。

正直、オンライン要素、DL要素はやるつもりないので、
ずっとこのテンションが抜けないのなら
やめてしまおうかとも考え中。

オイサンの求めるものは、あくまでもパッケージ単体で、かつソロで、
最大の輝きを放つものですから……。
一人読みの物語で、かつプレイスタイルで。
そうじゃないなら、ちょっとやる気は起きんなあ。

  どうやらあの市村とかいうプロデューサーがガンだな。
  つまらん仕掛けに溺れているご様子。
  稼げてるから良いのかも知らんけど、哀しいことよ。

「クリア後の追加要素」なんていう、
いつ果てるとも知れないものに付き合ってるほど時間はないんじゃよ……。

ゲームの良さって、パッケージで完結してるのに、
遊び手の度量でいつまでも続けられることだと……思うんじゃよね。
制作者が「完結」の中にもう詰め込めるだけ詰め込んでおいて、
プレイヤーがあとから引っ張り出す、その関係。
あとからつけたすんじゃなくてさ。

数年・数十年後にフタを開けたとき、
自分がフタを閉じたときと形が違うとか、
他のプレイヤーと話をしたときに、最後に見た景色が全く違うとか、
そういうのって、哀しい気がするんじゃよ。

何年経っても、触れた世代が違っても、
「俺らが居たのは、同じ庭だったよね」
っていう共有が嬉しいんじゃん?



■本日のコーヒー



隣り駅、「珈琲の店 パティオ」にて。

 ●トラジャ

なんというか、「鋭い」感じ。
薄くて、平たくて、切れそうな。
かみそりの刃のような。舌の上を滑りぬけていく。

お店の紹介文には
「苦味と酸味の調和が取れた」とかいてあるけど、
割とそのどちらも分量的には少ない目で、重厚さはない。

 ●ブラジル

トラジャに若干厚みを持たせた感じ。
全体の構成要素間の割合は変わらない気がする。
それぞれをちょっとずつ濃くした感じで、やっぱり、今一つ。



……。



マそんな感じで。

しかし、そんな風に思うなら、
『Ⅸ』やってないで、さっさと『Ⅵ』を始めた方がいいのかも知らんね。
話題的にも旬ですしね。
あ、『ドラクエ』の話ね。
『Ⅵ』、すげえ面白くて、すげえ好きだったんだけど、全然憶えてないんだよなあ。

……デ、ぼちぼち『アマガミ』も再始動させる。
今はちょっと、どっぷり絢辻さんの気分ではないけど、
ご挨拶しながら、薫のナカヨシあたりを攻めてみたい気分です。



オイサンでした。




 

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■ハッピー・バースデーがきこえる<後編・5-2> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第419回-

前編 / 後編1 / 後編2 / 後編3 / 後編4 / 後編5-1
『アマガミ』絢辻さんSS 目次
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読「手帳の中のダイヤモンド」目次



          -- 5-2 --



 取り残された気分。
 二人とも、食べかけの紅茶のケーキに視線を落とし、こんなときにだけ聞
こえてくる、店のどこかにある水槽の音を聞いた。ブゥンと低い浄水器のう
なりと気泡のはじける音に、ごく稀に、元気者がぱちゃりと尾びれで水を發
ね上げる音が混じる。静かだ。静かだけど、その分、正面から揺らいでくる
高い熱の気配も空気の揺らめきになって感じられてしまうから……身動きが
とれない。
 この、沈黙の意味が分からないほど、馬鹿じゃない。だからこそ、こちら
からは動けなかった。絢辻さんの頭の無意味な高速回転が収まるまでは、そ
こに手を突っ込むのは危険だ、指が飛ぶ。
 それにしても、コーヒー一杯が落ちるまでの時間って、こんなに長いもの
だったろうか? これまで絢辻さんと過ごしてきたこの店での時間、お客が
ちょっとだけ多くて注文が滞ることは何度かあったけど、それでもこんなに
待たされたことってなかったんじゃないかと思うくらい、時計は進むほどに
逆加速度的に、ゆっくりになっているように思えた。水飴のプールで全力疾
走したら、多分こんな感じなんだろう。でも、それも錯覚なのだとわかるく
らい、お茶のお替りを運んできたお姉さんの足取りはいつもの倍か、二・五
倍、店の落ち着いた空気を切り裂くくらいだったから……煎れるのも相当に
頑張ってくれたんじゃないかとは思う。そして終始無言のままテーブルを設
えると、そそくさと定位置に引っ込んでしまった。奥でお祖母さんに何か言
われたに違いない。
 改められたカップとソーサーには、やっぱりさっきと同じカボチャの影が
見え隠れし、今度はティーポットにも同じ絵がついていることに気がついて、
絢辻さんは一瞬手に取るのを躊躇した。それでも、頬は赤いまま目つきをぐ
っと鋭くすると、それからカップにお茶を注ぎ、その香気と味をじっくりと
自分の中に沁み込ませていった。僕も、この隙を逃すまいと慌てて一口味見
をし、いつもより少し控えめに砂糖とミルクを落とした。甘ったるいのは十
二分、今の僕に必要なのは苦味と酸味だ。
 そうして、ようやく。
「自分でも、認めたつもりではいたけど」
と、絢辻さんは自分から口を開いてくれた。
「他人の口からああもはっきり言葉にされると、やっぱりちょっと、腹立た
しいわね」
「は、ははっ。そ……」
「『そうですね』」
「ぐっ!」
 引き攣れ気味に僕が笑って安易に同意しようとするや、さっきの僕の一言
を、絢辻さんは抑揚まで完全にコピーしてジロリと僕を睨めつけた。い、今
そこを衝かれるのは、割と傷つきます!! お茶を喉につまらせながら物乞
いの瞳で許しを請うてみるけれど、お代官様はそれでもぐぐっと目尻のアー
ルをきつくして、お慈悲どころか。無慈悲の構えを崩さない。だけどやっぱ
り、顔は真っ赤だ。
「馬鹿じゃないの?」
 冷たく言い放っても、それはまだまだ疑い。言い返せない。
「ううん、馬鹿なのよね」
 疑いは確信に一歩近づき、そしていよいよ。
「バカ」
 ……厳正なる三度の審査をくぐりぬけ、このたびめでたく、絢辻印の馬鹿
認定。保存料、添加物、遺伝子組み換え、一切なし。一生モノの烙印は額に
焼きゴテ、天然国産、自然のお日様を一杯浴びて、のびのび育った本物の馬
鹿です。わーい。
「ひどいよ……」
「ひどくないっ」
 絢辻さんはズバリと言い切って、今度はお冷やのグラスを手に取った。塊
の氷をごりごり噛み砕き、はーっと深く息を吐く。だけど、最後の「バカ」
は、……なんだろ。ちょっと、ウレシイ……。
 冷却と排気を終え、絢辻さんは、冗談じゃないわ、と普段なら絶対にやら
ない、僕がやったら鉄拳確実の乱暴な飲み方で、冷えた口に熱い紅茶を注ぎ
込んだ。
「あんなの……ただの、ノロケじゃない」
 この、怒りの気配と振る舞いが物語るところはつまり、絢辻さんの今日の
喜びの全貌が、店のお祖母さんの言葉のままだということだった。数十年を
醸成して初めて生まれるあたたかなまなざしと心づかいが、絢辻さん心の最
後の薄皮をあっさりと湯剥きにしてしまったというわけだ。……そうか。こ
れが、腑に落ちるってことなのか。
「大体、あなただって分かってた筈でしょう?」
 絢辻さんの険は収まらない。
 僕がお祝いをするのは、もちろん絢辻さんに喜んでもらいたかったからだ。
喜んでもらえる、わずかばかりの自信もあった。だけど、それが今日という
日の絢辻さんの喜びの全部だとまでは思えなかった。周りに出来るのは、あ
くまで絢辻さんの抱える何か別の喜びの盛り立て役で、言ってみれば、そこ
で寝ているケーキみたいなものの筈だった。美味しいケーキで、おめでとう。
だけど、絢辻さんの気持ちの中では僕こそがその中心に据えられていて、…
…それは思案の外も外の外、大外だ。それをどう伝えたら良いのかしどろも
どろに、いや、分かってたけど、分かってなくて、と繰り返す僕を、絢辻さ
んはほとんど無視した。
「それを、さっきから……」
と敵意を剥き出しに、それでも一番の弱いカードを横から場に切らされてい
るから強気の攻めにも出られず、憮然として歯切れが悪い。
「あたしに言わせようとして。……いやらしいったら」
「そ、そんなつもりじゃ……」
「いいわよ、もう!」
 ち、違うのに……。弁解も説明も聞き入れてもらえない。さすがにちょっ
とストレスが募って、
「なあ?」
僕はボソボソとカップのカボチャに同意を求めた。その姿でどうにか憐れみ
を誘えたのか、ああもう! と絢辻さんは頭も少し冷えたみたいで、腕を組
むと、いつもの調子を取り戻した。
「少し考えれば分かることでしょ? 一年前のあたしと、今日のあたし。違
ってることなんて、一つしかないじゃない」
 頬に淡く朱を浮かせ、言いにくそうに。それでも言ってしまうのが絢辻さ
んだ。喜べなかった去年までの誕生日と、それがほんのわずかでも喜びに変
わった今日、何が彼女を変えたのか……他のことならいざ知らず、そんな大
事な部品を絢辻さんが取り換えるきっかけにそうそう心当たりはないから、
僕も観念して手前味噌になるしかなかった。
「そりゃあ、そうかもしれないけどさ……?」
 そんなことを言ったって、そんな大事な部品を変えたら、絢辻さんの端々
がどんなに変わるかなんてわからない。絢辻さんは気付いてないんだ。この
一年で、自分の細部がどれだけ変わったか。やっぱり煮え切らない僕の丸め
た背中を困った瞳で見下ろすと、絢辻さんはごくごく自然に、いかる肩と肺
をしぼませた。
「悪かったわよ。正直、甘く見てた」
 どさりと背中を椅子に預け、またしても、視線のピークをきつくする。
「ドンカン」
 ああ……。それでも謝ってくれる時は、そっち方向なんだね……。僕はも
う、怒ることも、口癖みたいにごめんと謝ることも封じられて、渋く押し込
めた顔の中心から無言に乗せた三点リーダを飛ばすしかなかった。……。
 だけど、そっか。それでさっきからあんなに僕のことを睨んでいたんだと、
今更ながらに辿り着く。そりゃあ確かに、そんなことをされたら癪に障るだ
ろう。けど、それは買いかぶりってものだった。


     *     *     *


 その沈黙で、ひと段落。お互いずずいとお茶をすすったそのあとに、
「まあ、いいのよ。あたしのことなんてどうだって」
と、絢辻さんのこぼす一言は、僕にとってはまた、ちょっとした衝撃だった。
「えっ? だって、絢……」
「いいの」
「あ、はい……」
 絢辻さんの話じゃ、なかったの? 決着のつきかけた問題にまた一つ不思
議な波紋を投げかけておきながら、絢辻さんはばさりと言い切る一言で、僕
の疑問にはがっちりと蓋をして、漬け物石まで乗せてきた。その上で、これ
で少しは話がしやすくなったとばかりに、
「だけど、これって特殊ケースよね」
と、冷静に分析を始める。
「どういうこと?」
「おめでとう、か」
と、尋ねても僕の問いかけには答えてくれず、天井のランプを仰いでうーん
と難しいうめきを上げた。
「どちらが先か……っていうのは、考えても、仕方がないわよねぇ……」
 ピンク色の唇から薄く漏れてくる言葉をヒントに、僕は僕で勝手に考え始
める。それはきっと、僕がおめでとうを言うのが先か、絢辻さんが喜ぶのが
先かという問題だろう。それは、確かに。お互い、勝手に始めることだから。
それがたまたま、僕らは一致したんだ。それはそれで、すごいことだと思う
のだ。
 絢辻さんは。
 繰り返すまばたきの向こうでたくさんのことを考えて、僕がナニゴトかを
思っているのを見透かすと、引いた顎の奥、上目使いのまつげから、細い視
線と短い疑問を投げかけてきた。
「みんなも大抵同じなのよね」
「……だと、思うけど」
 これもまた難しい質問だったけれど、聞きたかったのは誰かの誕生日をお
祝いする、その時の気持ちの話だろう。誕生日のおめでとうにハッキリした
理由なんてない。父さんにも母さんにも、きっとない。それでもそれは、だ
からこそ価値のあることなんだと、僕らは心のどこかで思っているに違いな
かった。
「やっぱりだめね、わからない」
 よいしょっ、と体を起こすと、絢辻さんはあっさり……諦めを口にした。
ヒントと感触だけはあるんだけどね、と、それを拾うかどうかは僕の自由だ
とばかりに言葉をテーブルの真ん中に置くと、鮮やかな手つきでケーキを一
かけ、口に運んだ。もぐもぐ、ごっくん。腑に落ちない、ということだろう。
 僕ではそのスピードに追いつけず、ただただ彼女の動きを追うに終始した。
絢辻さんはさらにケーキ一口分の塊をこしらえて、生クリームをこんもりと
乗せ。それを突き刺したフォークを、
「はい、あーん」
ずいと僕に突き出した。
「え……えっ?」
「『あーん』よ。あーんっ」
 突然の出来事に。……わけがわからない。というか、罠? の、気もした
けれどその兆し、必要以上の笑顔も、怒りの影も、僕のセンサーはひっかけ
ていなかった。だから余計に気味が悪い……はずだったのだけど、その気味
悪ささえ感じない。ただ自然に、何かを分かち合おうとする、平らかな姿に
思えた。その気配は図書室で本を開き、「ほら、ここ」と指を差すときと、
然して変わりなかった
 ぐるぐると動きを止めたままの僕に絢辻さんは、
「あーーん」
と何も付け加えず、もう一度同じ抑揚で、少し長めに言った。ケーキは美味
しそうだ。僕を見つめる絢辻さんも、いつもと変わらず魅力的だった。卑し
い僕の心は、手前勝手にゴクリと喉を鳴らした。
「い……いいの?」
「……いらないの?」
「い、いるいる! いります!」
 ふらり、とフォークが取り下げられそうになるのを目の当たりにすると、
反射的に飛びついてしまう自分が情けない。フィッシュ・オン。それでも絢
辻さんは、いつもみたいにそれを馬鹿にすることもしなかった。寧ろ、ちょ
っと安心したみたいにはにかんで、
「じゃあ、はい。あーん」
ともう一度、白い手首でフォークを支えた。
「あ、あーん……」
 ……ドキドキする。絢辻さんの差し出してくれたお祝いのケーキが僕の唇
にふわりと触れた。甘くてやさしい香りが口から鼻へ抜けて、頭が少し、痺
れたみたいにぼうっとなる。そこでぱくっと、口を閉じられれば、良かった
のだけど。
 さっきまでなりを潜めていた絢辻さんの悪戯心は多分、口を開けた雛鳥の
ごとき、僕のマヌケ顔を見て鎌首をもたげたんだろう。ケーキのかけらは入
場ゲートをくぐったその後も、前進を止めなかった。
「ふぉ、ふぉっふぉ?」
「ふふっ、ふふふっ」
「ふほっふ、ふほっふ! ふぁふぁふふぃふぁん!」
「ざんねん、止まりませーん」
 ニコニコ顔の絢辻さんが差し伸べる小さなケーキの塊は口の中で上あごに
押し付けられてひしゃげ、もはやそれを貫通したフォークの先端がつんつん
と、僕の粘膜をノックしてくる! どっしりとしたクリームの甘味に、血の
香り!? こ、こんな味初めて!!
 ……こういう時の引き際は、本当に見事だと思う。いじめられっ子が、「
絢辻さんにやられました!」と言い出すギリギリのタイミングを見極める。
絢辻さんがゆび先に小さなひねりを加えると、つるんっとフォークだけが引
き抜かれ、僕の舌の上に、スポンジとクリームが着地した。それを僕は反射
的に飲み込んでしまう。ろくに味わえもせず、胃と食道がくすぐったい。
「お……美味、しいっ?」
 絢辻さんは、ぶるぶると。内側の感触の異様さに僕が目を白黒させている
のを見て、暴発寸前の肩を震わせながら尋ねてくるのだけど。
「ひどいよ……。味なんか、わからなかったよ……」
 その答えも予想通りだったのだろう。びくんっと強く全身を震わせて、噴
き出してくる笑いを押さえつけていた。そうしてしばらく固まったあと、
「ごめんなさい、あなたの顔見てたら、つい楽しくなっちゃって」
と、あ~と震える肺の息を抜きながら、目尻に溜まった涙の珠を指で弾いた。
 そして、臆面もなく。
「それじゃ、やり直しね」
とまたも、僕ら男子には絶対に真似の出来ない絶妙のさじ加減……否、フォ
ーク加減で、どうやってあのフワフワを形を変えずに切り取るのか、一口小
のちびケーキを拵えてフォークに乗せると、その下に掌を添えた。
「はい」
「……」
「しないから。はい」
 強めに言い切って、譲らない。僕がもう、これ以上ないくらい不審の目を
向けているにも関わらず、絢辻さんは一切物怖じなしの掌で、フォークを僕
に近づける。むむむ、騙されないぞっ!!
 しばらく。そうして膠着の火花を散らせていたのだけれど、さすがに埒が
あかないと踏むと絢辻さんは、掌とケーキを胸元まで後退させた。
「食べてくれないと、安心して先の話が出来ないでしょ?」
 その言葉が一体何を指していたのか、僕には未だに分からない。このとき
も、その答えを要求する、「どういう意味?」の視線を送ってみたのだけれ
ど。絢辻さんはもうこれはしめたとばかり、
「あーーーん」
……やっぱり、答えてはくれない。ずるい。観念するしかない。けれど僕も、
絢辻さんがこのことに何か大事な気持ちをこめようとしているんだと分かっ
たから、応えざるを得なかった。そんなに大事なことなら、はじめから真面
目にやってくれれば良いのに。諦め同然に覚悟も決めて、自分の入り口を彼
女に開放した。もう、何を放り込まれたって驚かない。そう心に決めた。切
った爪とか、鼻をかんだティッシュとか……むっ、それは、それで……いや
いや、何を考えてるんだ僕は。
「……。あーん」
「はい、おりこうさんね」
 今度は、本当に素直に。小さめに作られた僕用のケーキは入り口のところ
でフォークの先につんと弾かれて、ころんと口に転がった。さっきとはまる
で味わいの違う、スポンジ生地が舌の上で甘くほどけ、僕はつい
「うん」
と力強く肯いてしまった。
 絢辻さんは……やっぱり、さっきと同じ。図書室の眼差しで、それを飲み
込む僕を見ていた。少し神妙だ。どんな意味があったのだろう。僕たち高校
生の恋愛なんて、大人の人たちから見れば、おままごとみたいだって笑われ
てしまうのかも知れない。この不思議な儀式は、絢辻さんが置き忘れてきた
おままごとのやり直しなのだろうかって、僕は口の中のクリームを舌で回収
しながら、詮も無いことを思っていた。



                    (敢えて言おう。続くのだと)
 
 
 

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2010年2月 6日 (土)

■ハッピー・バースデーがきこえる<後編・5-1> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第418回-

前編 / 後編1 / 後編2 / 後編3 / 後編4
『アマガミ』絢辻さんSS 目次
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読「手帳の中のダイヤモンド」目次



          -- 5-1 --



 夜の喫茶店に沈黙が訪れ、僕は目の前のお茶をちびちびと減らした。絢辻
さんのポットが空になってしまった今、店での時間を支えるのは残された僕
のコーヒーと、絢辻さんの紅茶のケーキだけしかなく、そのケーキは最初の
三手から減っていないからそんな心配はしなくても良さそうに思えた。けれ
ど、絢辻さんの手に全部を預けてしまうのは、やっぱりちょっと不安だった
のだ。
 絢辻さんの誕生日を祝うそのケーキは、幸いスポンジがメインのシフォン
だったから時間をおいても溶けたり崩れたりする心配はなかった。ただ、会
話から取り残された祝い手は職を追われて寂しげで、隣りに添えられたメッ
セージプレートのビスケットと二人、今後の相談しているように見えた。俺
たち、なんでここに呼ばれたんだ? そんな風に。
 絢辻さんはそんな所在なげなケーキになどお構いなし、ベーシックのメニ
ューを眺めるのに満足すると、コトリと今度は木製の台座の付いた小さなケ
ーキメニューのボードを引き寄せて、その上に瞳を滑らせ始めた。
 絢辻さんの、細い……けど、「有事」には信じられないパワーを発揮する
そのゆび先が支えたボードには、裏面にもケーキの写真と紹介の文句が並ん
でいた。モンブランに、フルーツの乗ったお決まりのショートに、ミルフィ
ーユに、オペラに、ムースに、シブースト。でも卒業アルバムみたいなその
顔ぶれの中に、紅茶のシフォンは居なかった。
 今日、絢辻さんの誕生日。十月八日そのものはまだまだ終わらないけれど、
僕ら高校生が活動する領域として、夜は危うい深度に達しつつあった。それ
なのに、ボードの向こうに見え隠れする絢辻さんの黒い瞳には慌てた様子も
見られない。冷静に、さっきまで話していたことの整理も終えて、次の考え
事を始めるために、ボードの上の文字や写真に、何か心地よい刺激を探して
いるようにしか僕には見えない。静かに揺らぐ瞳。今日の疑問に、まだ答え
は見つかっていないはずだった。なのに絢辻さんの周りに、ほのかに包むあ
たたかな香りのようなものを僕は確かに感じていた。「時間はまだある」と
絢辻さんは言い、だけどそれがどうしてなのかがわからずに、ここから先、
僕は自分がどう振舞って良いのか、困り始めていた。
 理由を話してくれたらいいのに、とは思わない。付き合い始めて分かった。
絢辻さんは生のままときでも猫をかぶってたときみたいにたくさんの言葉や
世の中のお約束事で自分を包んでいるように見えるけれどその実、僕の前で
は薄皮一枚、心の、本当のギリギリまでを外気に近づけてくれている。今、
僕の目の前に立ちはだかっている壁はその最後の一枚の薄衣で、理由を言わ
せることはそれを剥ぐことに等しい。最後に心を覆うことばや気持ち、そん
なものが簡単な理屈一つで説明できるなら、世の中がこんなにややこしいは
ずはないって、頭の悪い僕にだって分かる。たくさんの出来事と、それに育
まれてきた感情、そしてそれを感情任せに出来ないと考える理性と知性。そ
んな繊維が複雑に、縦横斜めに作る網目で、今、絢辻さんを包んでいるもの
は出来ていた。そんなものを……他人にはいわずもがな、自分でだって簡単
に取り払えるわけがない。
 絢辻さんがたくさんの隠し事をしているように見えるのは、本当ならもっ
と奥にしまっておかなければいけないものを、ほとんど窓辺に……僕との境
い目に差し出しているからなんだと、思えた。だから今日、絢辻さんが以前
は僕にしか見せなかった、黒くて凶悪な微笑みを薫や梨穂子や梅原にも、ご
く当たり前の自分として露にしたことは、僕にとっては少し寂しいことのは
ずだったけれど、今はもっと、特別なものが僕の前にあるから……そんな気
持ちにはならなかった。
 ──素直に嬉しかった。
 ──喜んでいないわけじゃない。
 今日、絢辻さんの口から聞かれたいくつかの気持ちも、やっぱりきっと本
当だ。その喜びが確からしいことも、さっきの微笑みで分かっていた。
 だけどそれと並んで、
 ──返して欲しい。
 ──時間はまだある。あなたもいてくれる。
 そんな、不思議な含みをもった言葉たちの意味が、そして絢辻さんの欲し
がる腑に落ちる言葉が見つかっていないことが、僕にお茶を飲み干させるの
をためらわせていたし、どうして今日このタイミングで、絢辻さんはこんな
ことを気にし始めたんだろう? なんていう埒もない気持ちも僕の中にプク
プクと白い泡をたてていたけれど、絢辻さんの言うように、もし本当に「時
間がまだある」のなら、今日ここでこれ以上渋っていても仕方ないのかもし
れない……そんな風にも思い始めていた。どうしてだか、絢辻さんがケーキ
を減らさない。その意味をちゃんと考えもしないで。
「そういえば」
 ぼんやり眺めるケーキの卒業アルバムの中に、転校生みたいに不慣れなカ
ボチャのタルトを見つけて僕はほとんど反射的に呟いた。絢辻さんも、まる
で自分が呼ばれたみたいにメニューの影から顔を半分覗かせた。
 そこへ、
「ごめんなさい、お待たせしました」
と、店の茜色を含んだ影を引き連れて、ウェイトレスのお姉さんがやってき
た。
「ケーキですか? でしたら……」
 彼女は絢辻さんの手にあるプレートを見て機転を利かせてくれたけれど、
僕が、ごめんなさいそうじゃなくて、と空いたグラスを低く掲げると、「あ
あ」と短く、手に持ったアンティークな陶器の水差しでグラスを満たしてく
れた。一緒に、絢辻さんのグラスも。
「ここは、ハロウィンやらないんですね」
 僕はその時間を埋めるように、絢辻さんに向けるはずだった世間話をお姉
さんに向けてみた。絢辻さんも僕の唐突なフリを訝しんだのか、メニューを
裏返して写真を追い、カボチャのタルトに行き着くと、納得してプレートを
元の位置に返した。
「それが、そうでもないんですよ」
 グラスと水差し、その二つを結ぶ水の放物線と距離。見た目にも均整のと
れた、お金持ちの庭に置かれる彫像みたいな形を保ちながらお冷やを注ぐウ
ェイトレスさんの返した答えは予想に反していて、
「そうなんですか? でも……」
と、店の中にそれらしい影を探す僕に彼女はくすりと笑い、グラスをテーブ
ルに戻す行きがけの掌で、僕らの視線を、ティーカップと、その下のソーサ
ーへと導いた。
「ほら」
「え? 何ですか?」
「ふふっ、さて、なんでしょう?」
「あ」
 ウェイトレスさんはもったいぶるけど、絢辻さんはすぐにわかったみたい
で弾んだ声を上げた。女の子二人、嬉しそうに瞳を合わせて、僕は一人での
け者だ。
「え? え? な、何?」
「よく見なさいよ、その目は炭団? ホラ、ここ」
 た、たどんって何? 僕の新しい疑問はガンスルー、絢辻さんがチンと鳴
らした爪の先で教えてくれたのは、カップとソーサーのほんの隅っこに、こ
ろりと描かれたオレンジ色の果実だった。鮮やかなグリーンの蔦にばかり目
がいっていたけれど、その物体は紛う方のないカボチャだった。
 ね? と水差しを両手で支えて笑うお姉さんは、
「本当は毎年、今年こそちゃんとやろうって色々調べてみるんです。私も、
祖母も。ですけどどうにも、何をお祝いしたらいいのか……ハッキリしなく
て」
と、眉を下げた。ちなみに、お祖母さんというのはこの店のマスターで、今
日もカウンターの奥でお茶を入れてくれている。
 それで、おおっぴらにやるのも気が引けるから、こうやってコッソリ。全
然相手にして上げないのもジャックが気の毒で。カボチャのタルトも、この
時期だけなんですよ。些細な抵抗なんですけどね──。
 思いのほか舌の回るお姉さんの話を聞くうち、絢辻さんの瞳に小さな渦が
巻き始めたのに気づいて僕は少し警戒し、そうなんですかあ、と上の空で相
槌を打っていた。すると、やっぱり。
「あのっ」
 それじゃごゆっくり、と背中を向けかけたお姉さんに、絢辻さんが身を乗
り出した。結構な勢いがあったから、僕も少し驚いて身を引いたのだけど絢
辻さんはお構いなし。はい? と立ち止まったお姉さんに
「あの、ケーキ、ありがとうございます。とっても美味しいです」
と、まだ半分以上残る紅茶のシフォンに視線を落とした。
「そうですか? お口に合って、良かったわ」
 その笑顔は営業用なのだろうか、上手に笑ってなんだか自信たっぷりのお
姉さんに、絢辻さんは切り分けた小さなスポンジの切片にまた生クリームを
乗せ、口に運んだ。
「うん、美味しい。これ、メニューには載ってないんですね」
「お得意様のバースデー向けはスペシャルなんです。そのかたの好みに合わ
せて、変えるんですよ」
「へえ、そんなに手をかけてるんですか!」
「そうなんですか……そういうのって、お店の方みんなで考えるんですか?」
 僕の素直な驚きの相の手も、絢辻さんには届いていないようで、モムモム
と動く口元を手で隠しながらの絢辻さんの言葉に僕は少しの違和感を覚えた。
瞬間瞬間、会話に小さな隙間があき、時折言葉がかさばった。絢辻さんが、
露骨にならないように色んな計算をしながら言葉を運び、何かを聞き出そう
としているのが伝わってきた。
 そしてそのことにはお姉さんも勘付いていたみたいだった。さっきまでの
僕らの会話も、何とはなしに届いていたのかも知れない。絢辻さんの思いに、
いえ、あたしはそういうことには疎くって、と歩み寄る。
「考えるのは大体、祖母なんです。年の功ですよね。お客様によっても、し
て差し上げたり、しなかったりで。色々タイミングもあるみたい」
 益々、分からない。混乱の度を増す絢辻さんの瞳は小刻みに揺れ始めてい
た。お祝いを、したり、しなかったり。色々。タイミング。ジャック・オ・
ランタンが寂しがらないように、けれど、いい加減な祝いにもならないよう
に。そんな細やかな心遣いも越えて、つまりこのケーキは供されたのだとお
姉さんは告げていた。
「……そう、なんですか……」
「ええ」
 一時の勢いを失した絢辻さんにペースを合わせるように、お姉さんはそこ
で一旦言葉を途切らせた。まだ何か、あとが連なる音の余韻に、次の一手を
打つか打たないか、絢辻さんがその間を測っているのも分かっていたみたい
に視線を外し、カクンと行き場を失った絢辻さんの気持ちを導くように、
「ねえ?」
「え?」
彼女はにっこりと、何故か僕に笑いかけた。
「……『恋人と、初めてのお誕生日。嬉しくないはずがないもの』、って」
 言葉も気持ちも、この上もなくシンプルに。ド真ん中もいいところだ。盛
りを過ぎたピッチャーは球に力がないから、熟練の配球で打たせて獲るのが
常套のはずなのに、恐ろしいほどの真っ向勝負。だけど、ずばんっ! ……
と、バックスクリーンにも届くくらいにミットの革をいななかせ、カウンタ
ーの奥、今日も一人でカップを洗い上げるおばあさん無欲の投球は、「あの」
超高校級モンスター・絢辻詞を三球三振に斬って落とした。
「え? あ、その……」
 僕は何か言おうとするけれど、にこにこと立ちはだかるお姉さんの笑顔の
前では何を言ってもむなしい気がして、絢辻さんに救いを求める。けど、だ
めだった。絢辻さんはまんまるに目を剥いて、なのに、いつもはその大半を
占領している黒い瞳は限界まで縮こまっている。薄暗い照明の中でも「大丈
夫?」と声をかけたくなるほどに、頬を赤くして、固まっていた。こっちは
こっちで使い物にならない。
「……えっと」
 僕の隣の椅子の上、澄ましこんでたいJoesterの紙袋が……何の拍
子だったのか、ガサリ、と姿勢を崩し。
 そして、ドッギャーン。
 時は動き出す。
「……………………………………………………………………そうですね」
 本当に僕って……なんてしょうもないんだろう。そんな言葉しか出てこず、
お姉さんの
「ね」
というダメ押しに屈する格好になった。
 恐る恐る窺う向こう正面では、一応復帰したらしい絢辻さんが垂らした前
髪に色んな物を隠してうなだれ気味、どんな気持ちでいるのか、さっぱり読
み取れない。ただ、そこにいくらかの怒りが混入していることだけは、時折、
風もないのにゆらりとさざめく長い髪から窺えた……「ね」の平仮名一文字
が、なんだか嫌いになりそうだ。
「ええっと……」
 お姉さんは、このテーブルの周りだけ時間がゆっくりと煮凝り出したのを
感じたのだろう、
「それじゃあ、ごゆっ……」
と、立ち去ろうとしたのだけれど、またしても。
「あの」
と、その去り際の後れ毛を、絢辻さんは捕まえた。うつむき加減で無言のま
ま、空のティーポットをささやかに持ち上げるその仕草の意味は、「お替り、
同じ物を」。その要求にお姉さんも無言で……どこまで本気なんだろうか、
え、笑顔で返しただとぉーっ?!
「あなたもいるわよね」
 無防備なところへ正面から飛んできた声に、僕はドキリとする。
 前髪の紗幕に浮かぶ文字はSOUND ONLY、よどみなく、そのトー
ンは高くも低くもない。尋ねる体裁をとってはいるけど、語尾にハテナマー
クは見当たらなかった。それはつまり。
「あ、じゃ、じゃあ、僕も」
 僕は慌てて、カップの底に冷たく溜まったコーヒーの残りを煽ると、同じ
ブレンドで、とお姉さんに告げた。お姉さんは、自分が良いことをしたのか
気の毒したのか分からない様子で、それでも怯むこともなく……
「はい。ええと、シナモンティーをポットで、それと、ブレンドをもう一つ
ですね。それじゃあ、ごゆっくり」
と。寧ろ、ちょっとだけ面白がる空気をエプロンドレスのフリルに尾を引か
せながらカウンターの方へを戻って行った。
 ……うん、言われなくても。
 お替りの強要はつまり、この先まだちょっとあるという、絢辻さんの意思
表示に他ならなかった。




           (前回、「次回で終わり」と言ったアレはウソだ)

 
 
 

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2010年2月 5日 (金)

■ゆたかさをください -更新第417回-

今朝、シゴトバ近くのマクドナルドで出勤前の書き物をしていたのですが、
うっかりシグマリオンのスタイラスペンでコーヒーを混ぜ、
マドラーで画面をタッチしてしまいました。

オイサン@どっちもべとべとです。


しかし、朝のマクドナルドは変な空間ですな。

ジジイと呼べる年齢の方が、寝たりボンヤリ新聞読んでたりする横で、
壮年のオッサンがPSPに興じているかと思えば、
若者が超真剣に資格の勉強をしていたりする。
誰が抜けてて、誰がしっかりしてるか分かんなかったりしますね。

  イヤ、オイサンは抜けてるクチですが。

なんとなくそれを眺め、
この間読んだ「嫌消費の若者」の記事何かを思い出していました。

  ■嫌消費 [strange]
   http://d.hatena.ne.jp/strange/20100202


「若い人が物を買わない、車を買わない」
「お酒を飲まない」「表で遊ばない」、
総じて「お金を使わない」なんてことはもうどのくらい以前からでしょうか、
「草食男子」なんていう言葉が横行し出す前から
言われていたことではあります。

そしてそのことが、
「これからの日本の経済を揺るがす、由々しき傾向だ」
みたいなことを言われるのですが……
そうかあ? とオイサンは思う、今回はそんなお話です。
イヤ、そうっちゃそうなんですけどね。



■妹消費じゃないよ、嫌消費だよ。



そういう、お金を使わず家にこもって自分を守り、
静かに暮らそうとする生活性向に、最近は「嫌消費」なんて名前がついているそうです。

  ▼「嫌消費」世代 [JMR生活総合研究所]
   http://www.jmrlsi.co.jp/menu/mnext/d01/2009/diamond200912.html
   上のstrangeさんでも紹介されてる記事ですね。

この際の「若い」がどのくらいかキッチリしたセンは分かりませんが、
オイサンがオシゴト周辺でざっと見渡した感じだと、
ここ4、5年の間に入ってきた人たちでしょうか。

  ついでに言うと、オイサンはもう12年選手ですが、
  車も買わなければお酒も飲まず、ブランド・ファッション・海外旅行、
  その他ステータス的なことには一切お金を使わずに生きてきた、
  草食どころか霞も食わない「仙人男子」でございます。
  最近でこそ、国内旅行とカメラに多少お金を使いはしますけども。

  マそれ以前に「二次元男子」であって「変態紳士」ですので
  PCにネットワークにと、電気ばっかり食いますけどね。
  そういう意味では「電力男子」であり、
  子供の頃はPCの代わりに紙と鉛筆でばかり遊んでいましたから、
  しいて言うなら「山羊男子」。

  よくそれで、同僚にはネタにされますが、それも生粋の物なので
  いい加減キャラクターとして認知されたものとオイサンは思ってます。



■飲め、打て、買えと怒られる。



どーなんだろ。怒られてんだろうか?
「お前らがお金を使わないと、シャカイがハッテンしないんだよ!」
と。
なんかこう、直接的には言われてないんだけども
ジワジワと責められているようで気分は良くない。

確かに、お金の流れを止めたのでは経済シャカイは回転しないし、
ハッテンもしないかもしれません。由々しき問題ではある。

ですけど、余剰のお金もロクに入ってこず、
車やらは買えば買ったで税金を取られるという
下手すりゃ命さえ脅かされかねない環境の中で、
「欲しくない・持たないなんておかしい!」
とかいう腑にも落ちない理由一つで買うかと言われたら……買わないでしょう。
フツウ。

  オイサンから見れば『アマガミ』を買わない奴らなんか
  男の風上にも置けないインポ野郎以外の何者でもありませんが
  それと同じだなんて、そんな無茶な話があるか!!(おや?)

生きるためのお金は別で支給して戴けるというのなら話は別ですが、
そういうワケでもありません。

マそんなことで、
社会を回すことに参加するのはモチロン大切ですが、
イザ社会が回り始めてみたらそこに自分の姿がない、なんて、目も当てられません。

そこに自分が生きていることがやはり生き物には最優先でしょうから、
そんな腹の立てられ方をしたって、言われた方も困ります。
自分に恩恵をくれるシャカイのために貢献は出来ても、
いきなり人柱にはなれませんよ。

  人のための社会なのか、社会のための人なのか?

  それはもう、
  虹野が沙希か麻宮がサキか、じゃなかった、
  クリフトがザキか宮永さんが咲か、でもなかった、
  卵が先か鶏が先か、って話ですが、
  オイサンは6:4で「人のための社会」なのだと、思います。
  感覚的に。
  マ生物学的な話で、人がシャカイをどう捉えているか、
  には拠るでしょうが。

うん。
だから、魅力を感じない商品群に、
いきなり自分の将来を支える大事な大事なお金を大量に突っ込め!
……と言われても、そんな義務があるでなし、
出来ないのがフツウでしょう。
安いもんじゃないからね。



■何で欲しくないの?



それでもまだ「売る」ことを考えようってんだから
消費社会で育ったオヤジどもは頑なです。
マしゃあねえ。

先ほど自ら「仙人」と名乗りはしましたが、
一応「ハイスペック」とか「大画面」とかのワードには
反応してしまうオイサンなんかはまだ良心的です。
最近の若い方は、なんかもうそういう売り文句もどうでもいいんだそうで。

しかしね、それも分からないではない。
だって、最近のモノは凄くなりすぎて、その凄さが直感的でないもの。
目で見、耳で聞いても違いが分からないものも多い。

オイサンはDVDとBDの映像の良さの違いは分かりますが、
多分、さほど興味のない人には
「わからない≒どうでもいい」レベルの差でしかないでしょう。
コトが音響に及べば尚判別は難しく、それ以外になると異次元です。

  クルマの乗り心地とかはさみの切れ味とか、
  「気のせい」レベルと言われたってしょうがない。
  モチロン、分かる人には分かるでしょう。
  分からないことを馬鹿にしたくなる気持ちも分かります。

  でも、興味がない人には、例えそれがどんなに良いものでも
  「実用以上」のスペックはオーバーキルなのです。
  見えれば、聞こえれば、切れれば、乗れて走れば充分じゃないの、と。

マそれだけが理由じゃないでしょうけどね。
でも、そういうところに魅力を付加してアピールしたって、
「嫌消費」の人たちには多分だめなんでしょうね、
って思ったっていう話です。



■何を売ろう?



でオイサン思ったのですが。
彼らを見ていると、つまるところ彼らの志向するところは

  「ステータスにこだわらず」
  「不合理にお金を使わない」
  「かつ、自分の手で出来ることは、やってしまって安く上げる」

ということのようです。
……なんかね、それって、オイサンが幼い頃同居していた、
祖父・祖母のメンタリティに近いような気が、
ちょっとするんですよね。

思えば、うちのジジババはすごかった。
庭で野菜を育てて、
着る物も、裁縫・編み物で自分で拵え、破れたら繕い、
裏山で木を伐って来てはDIYで物をこしらえて。
糠をこね、味噌を作り、籐でかごを編んでいた。

  おかげでオイサンは、大人になった今でも
  「セーターを買う」ということに、ちょっと迷いがあったりします。
  「セーターは家で編まれるものであって買ってくる物ではない」
  という意識が働くんですな。
  ドテラとかもそうです。
  全部、お祖母ちゃんメイドだった。

もしかすると、「嫌消費」と呼ばれる若者たちも、
やり方さえ教えればそれに手が届くくらい、
いくらでも、自分のものは自分で作ろうとするんじゃないだろうか、
そんな風に思うのです。

  ……オイサンの希望的観測含みで、ですけど。

だって彼らは可能な限り自炊して、
お仕事にも自作のお弁当を持参したりするんでしょう?
そして自分の時間を大切に、飲み会を断って帰っていくわけだ。

ブランドにもこだわらないなら、ミシンの使い方を教えてやれば、
そうやって確保した時間を使って着る物くらい作るんじゃないかと。
てかもう作ったりしてそうだけど。

そうして拵えたものには愛着もわくだろうから、
破れれば繕いもするでしょう。

お茶もお菓子も、外へ飲み食いしに出かけるよりは、
コーヒーメーカーと調理器具で、
自分で豆を焙煎・抽出し、お菓子を作って仲間と楽しくやりそうじゃないか。

そうなれば、モノを売りたい側のお商売の機会としては、
たとえばお裁縫に使うミシンにハギレ、周辺小物、
料理に使う調理器具に食材・調味料、テーブルウェア。

そういう「物」以外でも、
ミシンの使い方や編み物・料理の技術、
材料の見分け方なんかの情報、あるいは手ほどきなんかも
お商売にならないわけではないでしょう。
そういうモノゴトを、安価に、多彩に、提供していけばいいんじゃないのか。

そりゃ海外旅行一回とかクルマ一台、
或いはそれらに付帯する燃料費とか税金とか維持費とかに比べたら全然小粒だろうけど。

  ……まイマドキ、Webでちょちょっとやったら
  一杯出てきちゃうでしょうから、それとどう差別化すんのってのは
  アタマの痛む所かも知れませんが。



■水谷、尾崎、バンダイ……



そうして考えますと、オイサンには
「アレ? 彼らの生き様は、案外『イイ』んでないの?」
と、思えてしまうんですよね。

物質文明に溺れ、
「モノばかりがあって心の抜け落ちた、豊かなようで貧しい国だ」
と自分たちの国のことを自覚するようになって久しい我々は、
彼らのような生き様を、かつて「豊か」と呼んで憧れてなかったか?

  ゆとりを持ち、自分の時間を大切にし、
  モノを大切に長持ちさせ、
  「思い」を中心に、人とのつながりを大事に生きる。

そんな風に想起するのですが、違うカンジでしょうかね。

勿論、これまで自分たちが築き上げてきた社会規範を
根底から無視されたあげく食い扶持まで脅かされて、
腹立たしく思い、戦々恐々とする方々の気持ちも当然分かるのですが。

ですが、これほど劇的とはいえ、新たに生まれた文明と価値観を
「これまでと合わないから!」
「自分らの作った仕組みと違うから!」
という理由で叩き潰すのは、多分、今の社会にはそぐわない。

どちらかといえば彼らこそが、今のシャカイが出来上がる段階にそって適応しつつ
出来上がったカルチャーなんだと思うので……
彼らの望みに合わせてみるのが、今の状況をスムーズに打開する近道なのではないかと、
オイサンなんかは思うんですけどね。

  マ「今まで」の部分が混乱を来たしたり、
  齟齬を起こしたりはすると思いますけど。


……。


なんというのか、横並びや没個性を横目で馬鹿にしながらも、
流行という流れをこさえて、それに外れた出る杭を打って、
同じでないものを爪弾きにすることで、
よくわからないバランスをこの国はとってきたのでしょうね。
そんな気はします。

そしてそうすることで、世間を回るお金の流通量を最大化して、
経済の大国としてきたのでしょう。

我々オタクなんてものは、
「萌え」が一般に認知される05年か06年頃までは
そのバランスシートの中ではかなり少数派であるため見逃され、
その輪の外側から
「みんな揃って大変そうなことを、よくもまあやってんなあ」
などとのんきに、ボサボサの頭とファッションで見ていました。

  ……というつもりでいたオイサンも、
  きっとどこか知らないところで観察され、
  バランス取りのための分銅の一つとして、
  神か悪魔か、見えざる手に導かれて謎の情報に
  踊らされ続けていたのでしょうね、きっと。

  「ハイスペック」「高画素」「高音質」なんかには
  ピリッとやられてしまうのがその証拠。
  滑稽な話です。

いかなるニッチも見逃さない、
幾重にも重ねられたミクロのザルに掬い上げられて、
必ずどこかの情報に引っ掛けられて踊らされる、
なんだかそのものすごいシステムが、この国にはあったような気がします。

けれども新しく現れたこの草食な人たちだとか嫌消費の人たちだとかは、
まるでニュートリノ素粒子のように、
スーパーカミオカンデでもないと引っかからない種類の御仁たちで、
既存のザルでは捕まえられず、今、その仕組みをこさえた人たちを
慌てさせているのでしょう。

そんな感じでこの国のシャカイは、自らを肥大・膨張させるために、
欲を刺激する「技術」と「システム」を何十年と磨いてきたのでしょうけども、
そりゃ同じような刺激に晒され続ければ慣れもするのが
生き物ってヤツのいいところです。

彼らは、欲と言う刺激への耐性をつけたニホンジンの進化形なのかもしれませんよ。


……とか。


絢辻さんのことを考える片手間に、呟いてみる、
マックの地下の朝八時。
サ、バカなコト言ってないで、ボチボチ行くか。



絢辻さんは可愛いなあ。



オイサンでした。


 

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2010年2月 3日 (水)

■底抜けGOBLIN BUSTERS ~本日は、豆まきモードで~ -更新第416回-

アマガミ 絢辻さんSS 目次
アマガミ 絢辻さんシナリオ解読記事「手帳の中のダイヤモンド」目次
 
 
 
  ~例によって、屋上にて~



主人公 「絢辻さんは子供の頃、豆まきとかやった?」
絢 辻 「……」

主人公 「ご、ごめんなさい」
絢 辻 「分かればよろしい」

絢 辻 「大体、鬼どころか一番の敵が家の中にいるのよ?
     防ぎようもないったら」

主人公 「そ、それは大変そうだね……」

主人公 「まあ、うちはうちで、似たようなものだったけど」
絢 辻 「どういうこと?」

主人公 「豆まきになるとね、美也がやたらと張り切って、
     僕に豆をぶつけてくるんだ。毎年僕が決まって鬼役だから」

絢 辻 「ふふ、あなたのあふれ出る煩悩を祓ってくれるのね。
     兄思いの、いい妹さんじゃない」


主人公 「……そういうのとは、ちがうと思うけど……」
絢 辻 「あら、鬼でもなんでも、似たり寄ったりでしょ。
     日本の民俗伝承なんて」

絢 辻 「それにしても……」

主人公 「?」

絢 辻 (……毎年、定期的に祓ってあれだけ残るということは、
     煩悩のそもそもの絶対量が相当なものなのね……。
     どんな
煩悩タンクをしてるのかしら……)

主人公 「あ、絢辻さん?」
絢 辻 「ね、せっかくだからあたしもやってあげましょうか?」
主人公 「え?」

絢 辻 「あなたの中の、おにたいじ
主人公 「ぼ、僕の?」

絢 辻 「どうせまだまだ、いろんなところに潜んでるんでしょう?
     肋骨の影とか、腎臓の裏とか」

主人公 「そんなゴキブリみたいに!
     それに、豆! 豆が無いじゃない?」

絢 辻 「それなら心配には及ばないわ。
     ほぉら、こんなところに食堂で配ってた、小袋入りの福豆が

主人公 「うげっ!」


   ピリピリ ざらざらー


主人公 「ちょっ……絢つ……!」
絢 辻 「あら、粒揃いのカワイイお豆さん♪
     弾数は、ヒのフの……ざっと三十ね。
     うん、硬さも手頃で、充分充分」


主人公 「あ、絢辻さん! 今、言った!
     ハッキリ
”弾数”って言ったよ!?」

主人公 (な、鳴っている!
     僕の中の非常ベルがギンギンに鳴り響いてる……!!
     危険・危険・危険! 警戒・警戒・警戒ー!!)


絢 辻 「さあていくわよッ、鬼はそ……」
主人公 (集中しろ! 集中、集中、集中ー!!)
絢 辻 「とッ!!」


   びゅん!


主人公 「!! はあっ!」


   ビチッ!!


絢 辻 「あっ! 避けちゃだめじゃない!」


   しゅー……もふふ……


主人公 (な、なんて弾速だ……。
     コンクリ壁に命中した豆が跡形もない……。
     塵煙が上がってるじゃないか……)


絢 辻 「もう、どうして避けるの?
     せっかくのお豆さんがもったいないじゃない」

主人公 「は、はは……つ、つい、ね……」

主人公 (い、命の方がもったいない……
     こっちが聞きたいよ、どうして笑っていられるの……?)


主人公 (いやッ、手に取るように分かるぞッ!
     あんたの考えはこうだ……
     『よく避けたわね。こうでなくちゃ面白くないわ』
     とねッ!!)


絢 辻 (さすが、よく避けたわね。こうでなくちゃ面白くないわ)

主人公 (……まあ、それだけ読めたって何にもならないんだけど……。
     ど、どうにかしないと! そうだ!)


主人公 「ち、違う! 間違ってるよ、絢辻さん!」
絢 辻 「え? 何がよ」
主人公 「節分の豆は、鬼を殺すための物じゃなくて、追い払……!」

絢 辻 「斗ッ!!」
主人公 「つぁっ!」


   ぴしゅん! じゅばっ!


主人公 「うぐっ!」

主人公 (ふ、ふくらはぎをえぐられた! 足を狙って……?
     動きを止める気で? ほ、本気だ!!)


主人公 「あ、絢辻さん、せめて話を最後まで……!」
絢 辻 「ふふふっ……同じことよ」
主人公 「えっ……」

絢 辻 「来年も来る鬼なら、根絶やしにしないと意味がないでしょう?」
主人公 「根、根絶やし……」
絢 辻 「毎年追い払うなんて効率が悪いじゃない? だから……」

主人公 (ゴクリ……)

絢 辻 「”穴”よ……」
主人公 「あな?」
絢 辻 「”穴”を空けるの。
     
あなたの”タンク”に、”穴”を空ければいいのよ」

主人公 (た、タンク? 穴? な、何を言ってるんだ?
     なんにしても、話題を変えないと――!!)


絢 辻 「さあ観念なさい、次ははずさないわ。
     行くわよ、鬼はそ……」


主人公 「あ、絢辻さんっ!!
     え、恵方巻きって、知ってるっ!!?」



   ……ピタリ。


絢 辻 「何? それ」

主人公 (……あ、絢辻さんの動きが止まった! 今だ!)

主人公 「近畿地方の風習らしいんだけどね節分には大きな海苔
     巻きを作ってそれを恵方を向いて食べるんだって食べ
     終わるまでしゃべっちゃいけないとかルールがあるら
     しいよ他にも目を瞑るとか水を飲んじゃ駄目とか色々」


絢 辻 「へえ……それは初耳ね。
     何のためにそんなことをするの?」

主人公 「験かつぎとか、健康祈願とか、色々らしいけど……」

絢 辻 「そうなんだ。面白いことを知ってるわね。
     ああ、もしかすると、食材にも何か意味がこめられてるのかも知れない。
     ほら、お節みたいに」

主人公 「か、変わってるよねぇ……」

絢 辻 「いいことを聞いたわ。あとでちょっと調べてみようっと」
主人公 (やった……成功だ! 注意をそらせたっ……。
     それに、やけに面白がってくれてるみたいだ)


主人公 (あれ……? でも待てよ?
     絢辻さんが
極太の巻き寿司をもくもくと頬張るなんて、
     めったに見られるものじゃないぞ……)


主人公 (こ、これはもしかすると……)





  ゴクリ……。




主人公 「ね、ねえ絢辻さん。その恵方巻きなんだけど、
     最近じゃコンビニでも売ってるらしいから、
     帰りに二人で食べてみない?」


絢 辻 「え? コンビニ?」
主人公 「うん!」

絢 辻 「うーん……コンビニねえ……」
主人公 「実地調査だと思ってさ。ね?」

絢 辻 「買い食い、かあ……。気が進まないわねえ
     それにコンビニのものが、きちんとしてるとは思えないし」

主人公 「そんなこと言わずにさ、せっかくの節分なんだし。
     気分だけでも、ね?」


絢 辻 (ジロリ)

主人公 「な、何?」
    (勘付かれたッ!?)


絢 辻 「さっきから随分と実地調査に熱心だけど……。
     そんなに地方の食文化に興味があるの?」

主人公 「え、そ、そう! 食文化……」

絢 辻 「『かわいいお口の周り
      ゴハン粒や田麩で
ベトベトに汚した絢辻さん』」

主人公 「ギクッ!!」

絢 辻 「『あわよくば、ヨダレで唇をテラテラに光らせた
      
絢辻さん』……かしら?」
主人公 「あ、絢辻さん、い、いった……ナニ、言って……」

絢 辻 「黙りなさい。
     腹立たしいのを通り越して呆れたわ。
     そこに直りなさ……」



   がちゃん、ばたーん!!


 梅 原   「うひぇーい、おー助けーィ!」
 棚 町   「待てーィ! そこのムッツリ魯・山・人!!
        左に寄って止まんなさい!
        その煩悩、根絶やしにしてくれるーッ!!」


 主人公   「う、梅原?」
 絢 辻   「棚町さん!?」

 梅 原   「おおっ、大将! 天の助け!」
 棚 町   「おーっ、絢辻さーん、いーいところに!
        ねねね、加勢してくんない!?」


 主人公   「な、何の話だよ!?」
 絢 辻   「ど、どういうこと?」

 梅 原   「ひでえんだよ、棚町がさあー!」
 棚 町   「そこのエロスの若大将がね、ヒワイなこと持ちかけてくんのよ!
        『
俺の恵方巻きを、丸かぶりにしてみないかい?』
        とかなんとかさあ!!」


 主人公   「おま……! なんてダイレクトな!」
 梅 原   「ちがう、誤解だあ! 俺はただ、店の新製品をだなあ!」

 絢 辻   「……。
        分かった。棚町さん、力を貸すわ」

主人公・梅原 「!!」

 棚 町   「さっすが! 話がわかるぅ!」
 絢 辻   「ふふっ、こっちもちょうど、似たような話になってたところなの」
 棚 町   「そうなの? あははっ、どこも悩みは似たようなモンねー」

 梅 原   「大将……絢辻さん相手に、一体何を……。恐ろしい子っ……」
 主人公   「ちッ、ちがう! それこそ誤解だ!!
        僕はただ、
べとべとテラテラ食文化を……!」
 梅 原   「あ? なんだソレ? どこのお宝本だ?」

 絢 辻   「……。
        棚町さんっ、二人力を合わせて、
        世のあまねく煩悩タンクを、軒並み蜂の巣にしてやりましょう」

 棚 町   「ぼんのうたんく? ナ、ナニソレ。
        この二人お似合いの気もするけど、ま、まあいいわ。
        それじゃ、いくわよ~……」


 主人公   「やばい、最強だ。最強のホットラインの誕生だ……!」
 梅原    「手強くなっちまったじゃねえか、バカ大将!
        お前なんか頼るんじゃなかったぜ!」

 主人公   「覚悟を決めろ、梅原! ……守るべきところだけは、守り抜くぞ!」
 梅原    「合点承知! 護身・開眼!!」

絢辻・棚町  「鬼は~……外ッ!!」
主人公・梅原 「ギャッ!!」

 




はいどうも、病み上がりの脳ミソで、
またしても思いつきイッパツでやってしまいましたオイサンです。
真面目モード一切ナシ、Sっ気全開の元気な絢辻さんです。
そこにシビれる、憧れるッ!!

  マ割かしありがちなネタだとは思いますが。
  それに合わせて、終わり方も至極スタンダードなオチにしてみました。
  リハビリだと思って(ナニのだ)。

さて、節分。
オイサンは実家が関西で、両親とも出身が西なので(父は山陰、母は山陽)、
恵方巻きも子供の頃から当たり前の習慣でした。

  でも、どちらも中国地方なんですよね。
  恵方巻き自体は近畿の風習だと聞くので、
  それ以前の血筋が近畿から来てるのかなあと。

しかしこれがまた、我が家は何をするにしても
若干でいだらぼっちの血が混じっているものですから、
出てくる恵方巻きもまたデカイことデカいこと。

直径5~6センチ、長さにして25センチ超の巻物を平らげるまで
しゃべってはいけないという……
オイサンの家の恵方巻きには、それと同じ長さのキュウリと干瓢が入っていて、
他にも具は入っているのですが味はものっすごい単調。
正直、当時キュウリも酢飯もあまり好きではなかったオイサンにはかなりの拷問でした。
確かにこの苦難をクリア出来るなら、
今年一年起こる悪いことなぞ軽々とクリアできるだろうってくらいの荒行でありました。

いつからか豆まきもサンタクロースと同じ、
意味の分からない風習に成り下がってます。

オイサンも子供の頃は、家のウチ外問わず喜び勇んで豆を撒き、
夜には布団に入って、畳の上に転がった豆をつまみながら眠ったものです。
マ決して清潔なものではないんですが、
神経質にならねばならないほど不潔なものでもなかったのでしょう。

父も母も祖父も祖母も、そうして競うように頑張って豆をまく
私と兄を見守っていてくれたものです。

なんかね。
そういう風習ごとっていうもの全てが、
子供を元気にする、子供の元気である姿をより多く、
頼もしく見守るためにあるのではないかと、
そんな風に思えてしまう、年齢よりも若干老け気味思考のオイサンなのですお?

マ今回の話も、そんな風に若干湿っぽくまとめてしまうことも考えたのですが……
ちょっとこの後の展開も含めてワンパターンに落ちてしまうとアレなので
今回はひとまず、ひたすら元気に。
しょうもない言い回しなんかを、軽いノリで楽しんで戴ければ幸いです。


新しい病気が治って元の病気に戻ったオイサンでした。
ディジーズ!(挨拶)


P.S
 ちなみに作中、
 薫は複数弾同時投げで貫通力小の散弾系、
 絢辻さんは単発必中・貫通力大のスナイプ系です。

 絢辻さんは精神コマンドで集中・直撃を使ってきます。
 梅ちゃんは多分脱力使いです。


 

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2010年2月 2日 (火)

■病の園に集うもの -更新第415回-

オイサンれふ。

具合悪い具合悪いと思ってたら案の定熱が出てノックダウンです。
インフルエンザじゃないけど
ウイルス性の胃炎だと、なんぞそれ。

胃炎、すなわち胃ファイヤー!!
痛ててててて。
高い熱が出て、胃がねじれるように痛んで、頭痛がして、もどします。

  ※ オイサンを看てくれた女医さん、女医さん、女医さん曰く
  ※ (大事なことなので3回言いました)、
  ※ 「今日だけでも同じ症状の人が6、7いる。多分流行ってる」
  ※ と言っていたのでみなさんも気をつけて!!
  ※ こっちに戻ってきてからもらったのか、
  ※ 静岡でもらったか、新幹線とかで貰ったか分からないからたちが悪い!

戴いたお薬のせいかぼちぼちモノが食べられるようにはなってきましたが、
やっぱ人間、消化器系をやられると弱いですね。
モノが食べられないということが動物にとってどれだけ致命的な出来事か、
今日一日でかなり思い知った気がします。

まだ熱は下がってないんだけども
38度を超えるとだんだん楽しくなってくる自分がいてイヤになります。
頭もむしろ冴えてくる気がするんだけども、
その状態で書き物を始めても書いてるものが面白いのかどうか
自分で全然ノレないし判断もつかない。

37度中盤くらいがカラダ的には一番キツイ感じです。
動きたくないし、なにも出来ない。
不思議。

それに食べられないうちは、
燃料もないせいか熱もそんなには上がらないのだけど、
ちょっと胃が落ち着いたときに「いまのうち!」と思って
昨夜の残りのコメとか食べたら一気に39度近くまで上がってビビった。
おカラダさんは

  「兵糧さえあれば俺たちはまだまだ戦えるんだ!!」

と仰っているんですな。
マ戦って戴かない限りは全快することもないのでしょうし、
いれられるときにガンガン入れて熱出さないと駄目なんでしょうけどね。

しかしあんまりガチガチの固形物はまだまだしんどいので、
ここぞとばかりに普段あんまり食べないフワフワの甘いものばかり食べてます。

  エクレアウマー♪
  果物缶ウマー♪♪
  バームクーヘンウマー♪♪♪

そんなことで、一日の半分病院にいたんですけど……
今日はなんかもうカラダ中が痛くてあんまり周りを見ている余裕もなかったのですが……
しかし、アレだね。
それにしても、病院ってところは、色々見えてくるね。
本当になんでもないところに、ちょっとした人情やらドラマやら、機微があって面白い。

内科で待合いしているときに、
寝たいのにカラダが痛くて寝られなくて、しゃべりたくない、動きたくもないのに
「先に採血してきて下さい」
とか言われてやたら遠い採血室まで歩かされて、
そこでまた待たされて
なんかもうこれ死んだ方が早いんじゃないかくらいに思ってたのに、
採血係のワリと熟練気味の看護師さんに他愛もない話をされて
それに受け答えしてるだけで、かなり痛みも気分も楽になったときは驚いた。
あの人の話しぶりが特別だったのか、
それとも人と話をするってだけで、人間気分がラクになるものなのかは分かりませんが、
「なんだかわからんが、人間って大したもんだなあ」
とつくづく感心したのでした。

  『エヴァ』の最初の方で、EVAに乗りたくなくて逃げ出したシンジ君が
  一人サバゲーに興じるケンスケに出会うシーンを思い出しました。
  シンジ君に何を求めるでもなく、ただただ自分の事を話し続けたケンスケの
  優しさが、改めて身に沁みたオイサンです。

  ▼新世紀エヴァンゲリオン 第四話 雨、逃げ出した後 -1
  

  ▼新世紀エヴァンゲリオン 第四話 雨、逃げ出した後 -2
  
  どーでもいいけど、あれだけ無理やりな状況を作って乗せといて、
  いざ「状況が状況だから乗るしかないじゃないですか、イヤなんて言えないじゃないですか」
  っていったら「いい加減しなさい、迷惑よ!!」っていうミサトさんの言い分も
  かなり乱暴だと思います。シンジ君、もっとキレて良いと思います。


ワリとねー。
素敵な場所だと思うんだよなー。
病院。



■ごめんなさい。



しかしまあ、そんなことで、
週アタマから更新予定だった『ハッピー・バースデーがきこえる』は
週おしりくらいから載せ始めることにしたいと思います。

すんません。
ままならぬのう。
気分は「On Your Mark」ですよ。

▼ジブリ実験劇場 On Your Mark

♪On Your Mark いつも~ 走り出せば~、っとくらぁ。
 でもめげない。


 

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