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2010年2月 3日 (水)

■底抜けGOBLIN BUSTERS ~本日は、豆まきモードで~ -更新第416回-

アマガミ 絢辻さんSS 目次
アマガミ 絢辻さんシナリオ解読記事「手帳の中のダイヤモンド」目次
 
 
 
  ~例によって、屋上にて~



主人公 「絢辻さんは子供の頃、豆まきとかやった?」
絢 辻 「……」

主人公 「ご、ごめんなさい」
絢 辻 「分かればよろしい」

絢 辻 「大体、鬼どころか一番の敵が家の中にいるのよ?
     防ぎようもないったら」

主人公 「そ、それは大変そうだね……」

主人公 「まあ、うちはうちで、似たようなものだったけど」
絢 辻 「どういうこと?」

主人公 「豆まきになるとね、美也がやたらと張り切って、
     僕に豆をぶつけてくるんだ。毎年僕が決まって鬼役だから」

絢 辻 「ふふ、あなたのあふれ出る煩悩を祓ってくれるのね。
     兄思いの、いい妹さんじゃない」


主人公 「……そういうのとは、ちがうと思うけど……」
絢 辻 「あら、鬼でもなんでも、似たり寄ったりでしょ。
     日本の民俗伝承なんて」

絢 辻 「それにしても……」

主人公 「?」

絢 辻 (……毎年、定期的に祓ってあれだけ残るということは、
     煩悩のそもそもの絶対量が相当なものなのね……。
     どんな
煩悩タンクをしてるのかしら……)

主人公 「あ、絢辻さん?」
絢 辻 「ね、せっかくだからあたしもやってあげましょうか?」
主人公 「え?」

絢 辻 「あなたの中の、おにたいじ
主人公 「ぼ、僕の?」

絢 辻 「どうせまだまだ、いろんなところに潜んでるんでしょう?
     肋骨の影とか、腎臓の裏とか」

主人公 「そんなゴキブリみたいに!
     それに、豆! 豆が無いじゃない?」

絢 辻 「それなら心配には及ばないわ。
     ほぉら、こんなところに食堂で配ってた、小袋入りの福豆が

主人公 「うげっ!」


   ピリピリ ざらざらー


主人公 「ちょっ……絢つ……!」
絢 辻 「あら、粒揃いのカワイイお豆さん♪
     弾数は、ヒのフの……ざっと三十ね。
     うん、硬さも手頃で、充分充分」


主人公 「あ、絢辻さん! 今、言った!
     ハッキリ
”弾数”って言ったよ!?」

主人公 (な、鳴っている!
     僕の中の非常ベルがギンギンに鳴り響いてる……!!
     危険・危険・危険! 警戒・警戒・警戒ー!!)


絢 辻 「さあていくわよッ、鬼はそ……」
主人公 (集中しろ! 集中、集中、集中ー!!)
絢 辻 「とッ!!」


   びゅん!


主人公 「!! はあっ!」


   ビチッ!!


絢 辻 「あっ! 避けちゃだめじゃない!」


   しゅー……もふふ……


主人公 (な、なんて弾速だ……。
     コンクリ壁に命中した豆が跡形もない……。
     塵煙が上がってるじゃないか……)


絢 辻 「もう、どうして避けるの?
     せっかくのお豆さんがもったいないじゃない」

主人公 「は、はは……つ、つい、ね……」

主人公 (い、命の方がもったいない……
     こっちが聞きたいよ、どうして笑っていられるの……?)


主人公 (いやッ、手に取るように分かるぞッ!
     あんたの考えはこうだ……
     『よく避けたわね。こうでなくちゃ面白くないわ』
     とねッ!!)


絢 辻 (さすが、よく避けたわね。こうでなくちゃ面白くないわ)

主人公 (……まあ、それだけ読めたって何にもならないんだけど……。
     ど、どうにかしないと! そうだ!)


主人公 「ち、違う! 間違ってるよ、絢辻さん!」
絢 辻 「え? 何がよ」
主人公 「節分の豆は、鬼を殺すための物じゃなくて、追い払……!」

絢 辻 「斗ッ!!」
主人公 「つぁっ!」


   ぴしゅん! じゅばっ!


主人公 「うぐっ!」

主人公 (ふ、ふくらはぎをえぐられた! 足を狙って……?
     動きを止める気で? ほ、本気だ!!)


主人公 「あ、絢辻さん、せめて話を最後まで……!」
絢 辻 「ふふふっ……同じことよ」
主人公 「えっ……」

絢 辻 「来年も来る鬼なら、根絶やしにしないと意味がないでしょう?」
主人公 「根、根絶やし……」
絢 辻 「毎年追い払うなんて効率が悪いじゃない? だから……」

主人公 (ゴクリ……)

絢 辻 「”穴”よ……」
主人公 「あな?」
絢 辻 「”穴”を空けるの。
     
あなたの”タンク”に、”穴”を空ければいいのよ」

主人公 (た、タンク? 穴? な、何を言ってるんだ?
     なんにしても、話題を変えないと――!!)


絢 辻 「さあ観念なさい、次ははずさないわ。
     行くわよ、鬼はそ……」


主人公 「あ、絢辻さんっ!!
     え、恵方巻きって、知ってるっ!!?」



   ……ピタリ。


絢 辻 「何? それ」

主人公 (……あ、絢辻さんの動きが止まった! 今だ!)

主人公 「近畿地方の風習らしいんだけどね節分には大きな海苔
     巻きを作ってそれを恵方を向いて食べるんだって食べ
     終わるまでしゃべっちゃいけないとかルールがあるら
     しいよ他にも目を瞑るとか水を飲んじゃ駄目とか色々」


絢 辻 「へえ……それは初耳ね。
     何のためにそんなことをするの?」

主人公 「験かつぎとか、健康祈願とか、色々らしいけど……」

絢 辻 「そうなんだ。面白いことを知ってるわね。
     ああ、もしかすると、食材にも何か意味がこめられてるのかも知れない。
     ほら、お節みたいに」

主人公 「か、変わってるよねぇ……」

絢 辻 「いいことを聞いたわ。あとでちょっと調べてみようっと」
主人公 (やった……成功だ! 注意をそらせたっ……。
     それに、やけに面白がってくれてるみたいだ)


主人公 (あれ……? でも待てよ?
     絢辻さんが
極太の巻き寿司をもくもくと頬張るなんて、
     めったに見られるものじゃないぞ……)


主人公 (こ、これはもしかすると……)





  ゴクリ……。




主人公 「ね、ねえ絢辻さん。その恵方巻きなんだけど、
     最近じゃコンビニでも売ってるらしいから、
     帰りに二人で食べてみない?」


絢 辻 「え? コンビニ?」
主人公 「うん!」

絢 辻 「うーん……コンビニねえ……」
主人公 「実地調査だと思ってさ。ね?」

絢 辻 「買い食い、かあ……。気が進まないわねえ
     それにコンビニのものが、きちんとしてるとは思えないし」

主人公 「そんなこと言わずにさ、せっかくの節分なんだし。
     気分だけでも、ね?」


絢 辻 (ジロリ)

主人公 「な、何?」
    (勘付かれたッ!?)


絢 辻 「さっきから随分と実地調査に熱心だけど……。
     そんなに地方の食文化に興味があるの?」

主人公 「え、そ、そう! 食文化……」

絢 辻 「『かわいいお口の周り
      ゴハン粒や田麩で
ベトベトに汚した絢辻さん』」

主人公 「ギクッ!!」

絢 辻 「『あわよくば、ヨダレで唇をテラテラに光らせた
      
絢辻さん』……かしら?」
主人公 「あ、絢辻さん、い、いった……ナニ、言って……」

絢 辻 「黙りなさい。
     腹立たしいのを通り越して呆れたわ。
     そこに直りなさ……」



   がちゃん、ばたーん!!


 梅 原   「うひぇーい、おー助けーィ!」
 棚 町   「待てーィ! そこのムッツリ魯・山・人!!
        左に寄って止まんなさい!
        その煩悩、根絶やしにしてくれるーッ!!」


 主人公   「う、梅原?」
 絢 辻   「棚町さん!?」

 梅 原   「おおっ、大将! 天の助け!」
 棚 町   「おーっ、絢辻さーん、いーいところに!
        ねねね、加勢してくんない!?」


 主人公   「な、何の話だよ!?」
 絢 辻   「ど、どういうこと?」

 梅 原   「ひでえんだよ、棚町がさあー!」
 棚 町   「そこのエロスの若大将がね、ヒワイなこと持ちかけてくんのよ!
        『
俺の恵方巻きを、丸かぶりにしてみないかい?』
        とかなんとかさあ!!」


 主人公   「おま……! なんてダイレクトな!」
 梅 原   「ちがう、誤解だあ! 俺はただ、店の新製品をだなあ!」

 絢 辻   「……。
        分かった。棚町さん、力を貸すわ」

主人公・梅原 「!!」

 棚 町   「さっすが! 話がわかるぅ!」
 絢 辻   「ふふっ、こっちもちょうど、似たような話になってたところなの」
 棚 町   「そうなの? あははっ、どこも悩みは似たようなモンねー」

 梅 原   「大将……絢辻さん相手に、一体何を……。恐ろしい子っ……」
 主人公   「ちッ、ちがう! それこそ誤解だ!!
        僕はただ、
べとべとテラテラ食文化を……!」
 梅 原   「あ? なんだソレ? どこのお宝本だ?」

 絢 辻   「……。
        棚町さんっ、二人力を合わせて、
        世のあまねく煩悩タンクを、軒並み蜂の巣にしてやりましょう」

 棚 町   「ぼんのうたんく? ナ、ナニソレ。
        この二人お似合いの気もするけど、ま、まあいいわ。
        それじゃ、いくわよ~……」


 主人公   「やばい、最強だ。最強のホットラインの誕生だ……!」
 梅原    「手強くなっちまったじゃねえか、バカ大将!
        お前なんか頼るんじゃなかったぜ!」

 主人公   「覚悟を決めろ、梅原! ……守るべきところだけは、守り抜くぞ!」
 梅原    「合点承知! 護身・開眼!!」

絢辻・棚町  「鬼は~……外ッ!!」
主人公・梅原 「ギャッ!!」

 




はいどうも、病み上がりの脳ミソで、
またしても思いつきイッパツでやってしまいましたオイサンです。
真面目モード一切ナシ、Sっ気全開の元気な絢辻さんです。
そこにシビれる、憧れるッ!!

  マ割かしありがちなネタだとは思いますが。
  それに合わせて、終わり方も至極スタンダードなオチにしてみました。
  リハビリだと思って(ナニのだ)。

さて、節分。
オイサンは実家が関西で、両親とも出身が西なので(父は山陰、母は山陽)、
恵方巻きも子供の頃から当たり前の習慣でした。

  でも、どちらも中国地方なんですよね。
  恵方巻き自体は近畿の風習だと聞くので、
  それ以前の血筋が近畿から来てるのかなあと。

しかしこれがまた、我が家は何をするにしても
若干でいだらぼっちの血が混じっているものですから、
出てくる恵方巻きもまたデカイことデカいこと。

直径5~6センチ、長さにして25センチ超の巻物を平らげるまで
しゃべってはいけないという……
オイサンの家の恵方巻きには、それと同じ長さのキュウリと干瓢が入っていて、
他にも具は入っているのですが味はものっすごい単調。
正直、当時キュウリも酢飯もあまり好きではなかったオイサンにはかなりの拷問でした。
確かにこの苦難をクリア出来るなら、
今年一年起こる悪いことなぞ軽々とクリアできるだろうってくらいの荒行でありました。

いつからか豆まきもサンタクロースと同じ、
意味の分からない風習に成り下がってます。

オイサンも子供の頃は、家のウチ外問わず喜び勇んで豆を撒き、
夜には布団に入って、畳の上に転がった豆をつまみながら眠ったものです。
マ決して清潔なものではないんですが、
神経質にならねばならないほど不潔なものでもなかったのでしょう。

父も母も祖父も祖母も、そうして競うように頑張って豆をまく
私と兄を見守っていてくれたものです。

なんかね。
そういう風習ごとっていうもの全てが、
子供を元気にする、子供の元気である姿をより多く、
頼もしく見守るためにあるのではないかと、
そんな風に思えてしまう、年齢よりも若干老け気味思考のオイサンなのですお?

マ今回の話も、そんな風に若干湿っぽくまとめてしまうことも考えたのですが……
ちょっとこの後の展開も含めてワンパターンに落ちてしまうとアレなので
今回はひとまず、ひたすら元気に。
しょうもない言い回しなんかを、軽いノリで楽しんで戴ければ幸いです。


新しい病気が治って元の病気に戻ったオイサンでした。
ディジーズ!(挨拶)


P.S
 ちなみに作中、
 薫は複数弾同時投げで貫通力小の散弾系、
 絢辻さんは単発必中・貫通力大のスナイプ系です。

 絢辻さんは精神コマンドで集中・直撃を使ってきます。
 梅ちゃんは多分脱力使いです。


 

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コメント

■wibleさん
ようこそのお越しを! オイサンです。
お楽しんで戴けたようで何よりです。
wibleさんのSSも、ちょこちょこと見せて戴いているので光栄です。
今回は私にしては珍しく、
絢辻さんはひたすらSに、主人公はひたすら紳士に仕上げてみました。
絢辻さんと薫の関係は、もう一つよく見えないので扱い辛いところなんですけどね。

よろしければまた遊びにいらして下さい。お待ちしてます。

投稿: ikas2nd | 2010年2月 4日 (木) 22時51分

 ここまで変態紳士っぷりを発揮してもらえるとすがすがしいですね(笑)!
 やっぱり、橘さんはこうでなくちゃいけません。笑いっぱなしでした。
 にしても、バーニングライバルに手を組まれたら敵う気がしませんね(苦笑)。

投稿: wible | 2010年2月 4日 (木) 22時34分

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