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2010年2月19日 (金)

■お蕎麦 DE ハードボイルド! -更新第432回-

金曜の夜は、前日録画した『ひだまりスケッチ×☆☆☆』を見ながら
ゴハンを食べるのが楽しみです。
オイサンです。


……オイサンには、
どーしてこんなに『ひだまりスケッチ』が面白いのかが
サッパリわからん。

実際ンとこそんなオモロイワケでもないと思うのだけど、
何かの魔法にかかったみたいに面白く見られてしまう。
どこにどんな秘密が隠されているのか……。



■蕎麦は茹で過ぎるとノびてしまうぞ!!



「ほぼ日」で、大沢在昌さんの『新宿鮫』の新作の連載が始まった。

  ▼新宿鮫Ⅹ 絆回廊 [ほぼ日刊イトイ新聞]
  http://www.1101.com/shinjukuzame/index.html

いつもだったらオイサン的には琴線に触れないジャンルの作品で、
シリーズの既刊作品にも触れた事はない。

ただ今回は、数日前から同サイトで
糸井重里氏と、この作者の大沢さんの対談が掲載されていて、
その記事はシゴトバの昼休みに読んでいたので(オイサン、糸井氏の「聞き」が好きなので)、
せっかくだからその勢いで本編の方も読んでみるかと思った次第。
今回、読んだ動機はそのくらい。

  ▼ほぼ日で新宿鮫。 ~大沢在昌-糸井重里『新宿鮫Ⅹ』プレ対談
  http://www.1101.com/oosawa/index.html

ハードボイルドは……
自分がちゃんとしたハードボイルドに触れたことがあるのかどうかも
正直怪しいが……多分、嫌いではないと思うのだけど。
「新宿の裏の顔」とかはあんまり興味ないですけども。

デ今日はその感想。



■感想



ハードボイルド、とは言ったものの、固茹では固茹ででも、
太麺で、カタめで湯から揚げられたお蕎麦みたいだと思いました。

  これは物語の感想ではなく、文章の姿の話なんだけど。

連載がまだまださわりの第一回なので、
「話を面白いと思うか・興味が持てるか」
「この世界観に描かれるメンタリティに共感でき、
 カタルシスが得られるか」
は分からない。

けれども、一先ず引き込まれることには成功した(ヘンな言い回し)。
読みやすい。
とても読みやすい。
叙事も抒情も、とてもシンプル。
ちょっとこんなんで良いのか、と思ってしまうくらいだけれども、
このちょっと素っ気無いくらいの文章の湿度が、
ハードボイルドという世界観にはマッチするものなのかもしれない。
そんなに興味のある世界でもないはずなのに、ツルツルといけてしまう。

少なくとも、オイサンのイメージするハードボイルドというものは
そんな感じ。
実際はこれはただの文体だけの問題で、
ねっちりとしたハードボイルド作品もあるのでしょうが。

 ▼物語ののどごし

不思議なのが、この作品のシンプルさ……というか、
シンプルであろうとするための文章の構え・設えを、
オイサンはパッと見で

  「アレ、なんだ随分ラノベっぽいんだな」

と思ってしまったのだけれど(なんかどっち方面からも怒られそうな感想だが)、
ラノベとは手触りが明らかに違う。
手触りじゃないな。
飲み込んだときのお腹への収まり方……でもない、多分、のどごしのようなもの。
のどごしの満足感がえらく違う。

ラノベの「たくさん飲み込んだのにのどに触れない感じ」とは真逆の、
「飲み込むものは多くなくて、『これでお腹膨れんのか』と不安になるのに、
 いざ飲みこんでみるとノドの触れて欲しいところに触れていくことで
 満足させてくれる感じ」
があって非常にイイ塩梅。
そういう意味で、太目でカタいお蕎麦。
読んでいて、素直にスゴイと感じました。
いや、プロとして当たり前のコトなのかもしれないけど。

それはつまり、最低限の読量で
読み手の脳のうまい部分をちょんちょんと刺激して
必要な絵を思い描かせるということで、
少ない労力で大きなリターンを与えて疲れさせない、飽きさせない。

イマドキのコンテンツの姿として、とても大切で効果的な姿勢であることだと
改めて思い知った気がします。
海より深く反省。
アゾフ海(アカンがな)。

  ▼アゾフ海
  http://wapedia.mobi/ja/%E3%82%A2%E3%82%BE%E3%83%95%E6%B5%B7

 ▼オイサンの書きたいものと

今ここに「ラノベ」と「一般文芸(ここでは『新宿鮫』が属する方面)」の
二つの評価基準があるとして、
オイサンは自分の書くものを、どちらかといえば「一般」方面にある、
あるいは寄せたいと思っているのだけれど、
こうして娯楽文芸作品としての『新宿鮫』を読んでみて、
自分の文章のあり方を自分で整理してみると、
どうやらラノベの方が全然近い感触があってちょっとガッカリしてしまった。
どうしてこうなった……。

  ここにオイサンが載っけているモノはゲームの二次創作物だけですから
  そら当然といえば当然、と言われてしまいそうですが、
  なんというか、そもそもの世界観やキャラクターのありかたという意味ではなくて、
  文章が脳に入ってくるときの入場の仕方・手続きという意味で、なのです。
  あとは、最終的に描かれるものの、リアリティの強さとしての意味で。
  ですので、決して無茶や、自明の矛盾を言ってるつもりはありません。

今のところの理解では、この感触の差は
読んだ文字の量と話の進んだ心理的な歩数の比率の問題で、
「目で追った字数は少ないのに、歩数は進んだ」
みたいなことが
『新宿鮫』のこのツルツルの満足感に繋がっているのではないかなあと思うのだけど。

文章の量と描かれ方、例えば

 ・「文章量 対 思い描かせるものの量や密度」の比率
 ・「文章量 対 話の進む歩数」の比率

などはそれぞれ別物で、
またジャンルやレーベルとも一対一で固定されるものではないので、
ラノベとか一般だとかで考えるのは正しい姿勢ではないのだけれども、
オイサンの見てきた限り、
やはりラノベはラノベ、一般は一般で、それぞれ傾向があるように思います。
こんな↓感じで。

 < ラノベ >
   文章量:思い描かせるものの量や密度 = 大:中(燃費・悪)
   文章量:話の進む歩数 = 大:大(燃費・普通)

 < 一般方面 >
   文章量:思い描かせるものの量や密度 = 小:中(燃費・良)
   文章量:話の進む歩数 = 小:大(燃費・良)

……マ、ラノベ以外を「一般!」と括ってしまうのも
随分また乱暴ですけどね。
それにこれは、作品としての側面と同時に
ビジネスとして側面にも関わっていそうな要素なので、
一概に作品論としては語れないことなのかも知れません。

  ちなみに語弊がありそうですのでフォローしますが、
  たくさん読んでも物語的にはずっと踏みとどまっている作品や、
  読んでも読んでも薄い感触しか得られない文章がダメだというのではなくて、
  やりようとか、描きたいものによって使い分けられるべきだと思います。
  それがBestであることだってありましょう。
  手法そのものが目的であることもあると思います。

  だから多分、ラノベのレーベルからリリースされている作品でも、
  一般作に近い「分量とのどごしのバランス」を持っているものもあるでしょう。
  好みと手法と目的の問題です。

 ▼Closing

そんなことなので、今回読んでみてすごく発見がありました。
今ちょっと……例のアレで「ラストはもっとアッサリさせたい!」と悩んでいる最中だったので
とても素直に感心してしまいました。
などとここで書いておいて、
出来あがった例のアレがアッサリいかなかったら恥ずかしいのですが。

『新宿鮫』、
お昼休みに読むには丁度良い分量でもあるので、
お話の展開に抵抗が出てこない限り、続きを読んでみようと思います。
ここはヒトツ、勉強させてもらおう。

……って書いてる、この記事自体がまたエラく無駄の多い感じの分量になっているので
期待薄です。


……アゾフ海。



オイサンでした。


 

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