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2009年11月23日 (月)

■「あの子」は必ず、帰ってくる。 -更新第359回-

とかなんとか、舌の根も乾かないうちに。
オイサンです。

結局、セーフティネットを用意することはやめ、
全ての痛みを真っ正面から受け止めることに覚悟を決めて。



■絢辻さん<スキBAD>、回収



こんなに恐ろしいものがこのROMの中に収まっているのかと思うと、
オイサンは『アマガミ』のROMをどこか遠いところにしまっておきたくなります。
セリフの中身とか、深読みとか、小難しいことはとりあえず後に回すとして、
以下、どこまでもシンプルに受け止めた感想です。

うーん……やっぱり、色々と思うところのあってしまう内容ですね。

先ず一つ、確信としてあるのは、
「絢辻さんは、本当に主人公のことを好きでいてくれたんだ」
ということで、そのことをオイサンは心から幸せだと思う。
不謹慎なことで、ホント人間腐ってんじゃないかと自分のことを思うけど。
でも、待ちぼうけを喰らって、一人屋上に佇む絢辻さんを見て、
その思いは強かった。

本当に信じよう、本当に好きでいようと思っていた気持ちが切々と伝わってきました。
これは喜んで良いことなのだと思います。
その分、それを無にしてしまった罪は、その分大きいのですけれど。

そして、絢辻さんのその後について。

ラストで「心に穴が空いた」と自ら述懐する絢辻さん。
過去に、やはり、誰かを同じように信じて、同じように裏切られたコトがあることが
匂わせられますが。
エピローグでああは言っていたけれど、
でも、穴が空いたという自覚、そして「あの子」の生きた証拠がある限り、
絢辻さんはこの先きっとまた、
同じ「過ち」を、主人公でない誰かと繰り返してくれるだろうとオイサンは思うのです。

敢えて言うと、絢辻さんは「強い人」だから。
そして「聡い人」だから。

きっと、前に同じコトをしたときも、
そのオシマイには「もう二度と……!!」と考えて、
心は同じ様な構えを取ったに違いない。

けれどまた、主人公と出会い、
そのときの結末を忘れてしまったのか、恐れなかったのか。
もう一度「過ち」を繰り返してみた。

なんというか、それを繰り返せることが、
「強さ」であり、「賢さ」でもあるんだと、オイサンは思うです。
だって、それが絢辻さんの一番求めている物なんだから。
それを手に入れるまで、本当の、真実の最後の一人に出会うまで、
何度でも何度でも、心を穴だらけにして、立ち向かっていく人だと信じます。
目的のためなら、手段は選ばない、犠牲も厭わない。

うそをついても、震えたままでも、
「あの子」が「幸せを感じた」ことに気付いているのなら、
時間はかかるだろうけど、必ずもう一度、
二度三度、
本当に欲しい物を思い出しては……
戦いを挑むに違いないのだと思います。
過去にも、現在にも、主人公という彼女の人生に落ちた大きな影の男にも。

またこの日から新しい手帳を胸に抱いて、
それを焼くことが出来る日を心待ちにしながら、生きて行くんです。
頭のいいバカってのは、そういうモンです。
絢辻さんはその類の人だ。
絶対だ。

今回、主人公とこうして交わったことで
自分の本当の欲しい物が何なのか、
そしてそれを手に入れるためにはどうしないといけないのか、
そんなことが多分、前回犯した「過ち」のときよりも、
よりハッキリと、絢辻さんの中で像を結んだに違いなく、
それは一つの前進で、その役に立てたことを、喜んで良いのだと思う。

そして今回、オイサンがその「最後の一人」になれなかったことは
本当に残念で、申し訳なくて、どうしようもないのだけれど、
絢辻さんの物語は終わらない。

そういう意味で、『アマガミ』は、
本当の「恋」の姿を描いた作品なのだと言うことを
思い知った気がします。

絢辻さんとその物語を、もっと固定化されて完結したキャラクターだと考えれば、
オイサンの言ってることはゲームの中だけで描かれた像を色々無視していて
自分勝手すぎる話なのですが、
ただこれまで見てきたこと、
考えてきたことを重ね合わせると、
絢辻さんには広がりがありすぎて、
キャラクターで終われない、人物としての生々しさがありすぎる。
そしてオイサンの見てきたその生々しいまで厚み深みを透かしてみると、
こういう結論に至らざるを得ませんでした。

五年後、十年後、……十七年後。
癒えるか癒えないか、まだ生々しい傷跡を気にしながらも、
彼女は戦いの舞台に上がると思えてならない。



今のところ、ですけどね。



「あの子」はきっと、帰ってくる。
だからまたそのときまで……頑張れ。絢辻さん。

ただまあ、主人公は……地獄だろうな。
あとの一年ちょっと。
でもまあ、自業自得だ。










「……知らなかったのか? 絢辻詞からは逃げられない……!!!」










以上、絢辻さん<スキBAD>に思うところでした。

絢辻さんの残した意味深なメッセージとか、
伝えようとしたところとか、
絢辻さんの心の中で起こったことの真実とか。
いろいろこねくり回そうと思えば出来ないこともないでしょうが、
なんだかそれはもう、すごくシンプルな気がしてなりません。

遠回りした解釈も出来たりしそうですが、
ここまできてしまうと、それもあまり意味がない気がするので。

ただ掘り起こしてみたいのは、
過去に起こった「過ち」と、家族や目標、手帳との関係。
色々な物を結びつける糸になってくれるような気がして。
そこは、インチキ物書きとして、今後の材料にしていきたいと思います。

……あんまり掘り返し過ぎて、絢辻さんに怒られない程度にね。



■以下、ちょっとだけ細かい内容にふれると。



◆しかし、絢辻さんに謝るとき、
この期に及んでまだ嘘をつこうとする主人公は……芯から腐ってやがるな。
誠意が聞いて呆れます。
あそこで、もし嘘をつこうとしなかったら……?
それだけで、もう少しましな結末であったかも知れない、
なんてのは虫のいい話なのかも知れませんが。
だけどオイサンは、あそこで一瞬、絢辻さんが間を置くのがすごく気になりました。
自分が危ないときには、このときのことを思い出そうと思います。


◆呼び出された桜坂の下で、
少しでもかみ砕いて、主人公に説明をする絢辻さんをみて、
「この人は本当は優しいなんだな」と思う。
そのことから、色々な自覚が、この時も残っていることが感じられる。
本当は理解して欲しいとか、
或いはそうでないと復讐の意味がないとか。
この辺からも色々と引き出せそうな気はするのですが。


◆エンディング周りは、絢辻さんは一人称のオンパレードです。
ざっと見た限り、

  <スキBEST> わたし
  <スキGOOD> あたし
  <スキBAD> 私
  <ナカヨシ> あたし

になってますな。
<スキBAD>だけが「私」なのは、
新しい一人が生まれたってことなのだろうか。
でも、リフティングしてるときの絢辻さんも、
確か「私」で、最後に「わたし」って言うよなあ。
この辺は表記揺れの範囲なのかなあ。


◆ボーカルOFFのED。
梨穂子の<スキBAD>で聴いたときには
「ボーカル無しも結構良いなあ」なんてのんきに構えていたけれど、
響きの空虚さが桁違いだ。
こわい。
印象ってこんなに変わるモンなのか。


◆それよりやっぱり気になってしまうのが、
例えば、絢辻さんの<スキGOOD>進行で絢辻さんに告白せずに
梨穂子に告白した場合……つまり、<梨穂子スキBAD>の洗濯をした場合。
告白を受けられなかった絢辻さんは、一体どんな結末を迎えるのだろうか。
絢辻さんの<スキBAD>と、その後は変わるのだろうか。

すごく、すごくすごく、気にかかる。
……逆に、そこにも一つ、物語の生まれる可能性があるなあ、
と思うオイサンです。


◆また、<スキBEST>と<スキGOOD>の間に横たわる差にも興味が尽きない。
<スキGOOD>の絢辻さんは、やっぱり主人公が浮気心を出しているのを「知っていて」、
クリスマスの夜は躊躇したのだろう。
そのまま進んで、もっと大きく傷つくことを恐れて、
「もう一度考え直せ」なんてことを言い出したのだろう。

  その辺キチンとしていて、梨穂子とデートをする進行では、
  梨穂子が告白を押しとどめたりするのではなく、
  ごく自然に話がそこまで進まない体になっている。
  だから、「ああ、絢辻さんは気付いてるんだ」と自然に思えた。
  閑話休題。

だから、<スキGOOD>では、まだ少し主人公に対して小さな疑いを持ったままだが、
「決断した主人公を信じて、一緒にいることを選択した」
という感情になっているように感じました。
だから一人称も「あたし」のままなのでしょうね。
つまりは至極単純に、感情は<スキBEST>と<ナカヨシ>の中間にあるのでしょう。
……でも人間、それぐらいが「普通の人」のような気がするですよ。
<スキBEST>の絵は、主人公依存だと言われても仕方のないようにも思えますし。

そして、あの二人が結末を迎える場所は、あの神社の裏手が相応しい気が、
オイサンはします。
絢辻さんの言う通り、「お似合いのステージ」である学校でしかも夜、
というのも、象徴的な気はするけど。
でも、あれだけ自分を解放することを選んだ絢辻さんが、
学校で告白するのはチグハグな感じを受けるんですね。


◆梨穂子には悪いけど、すごく失敗したなあ、と思っています。
絢辻さんの<スキGOOD><スキBAD>は、
それを見るためだけに進めるべきで、
併走したヒロインのは、見ない方が良かった。

だって……どんなにそのヒロインの<スキGOOD>が良い物でも、
その裏で、嘆き、傷つき、壊れ始めている絢辻さんがいることを思うと、
もう全然、今目の前にいるヒロインに集中できない。
でも、梨穂子の

  「私は変わらないよ」

ってセリフには、本当にそのままで、ぐっと来ましたけどね。
やっぱ梨穂子は、絢辻さんと真逆の意味で、すごい。



……マ、そんなことでね。



これで一先ず、一段落。
あとは<ナカヨシ>祭りに<スキGOOD/BAD>祭り、
そして上崎さん。
グランドフィナーレ。
まだまだ遊べるなあ。




以上、今頃になって先々週の『夏のあらし!』を見、
カヤさん(CV:名塚佳織)がプリンを作った話を聞いて、

「絢辻さん、プリン作ってくんないかなー」

と思ってしまったオイサンでした。
こないだ鍋やったし、プリン作る話でも書いてみるかな……。
そのためには、オイサンが作り方を勉強しないと……。
一回作ってみっか?



輝日東の冬は、終わらないッ!!
でも終わらな過ぎて他のコトが何にも出来ないッ!!
オイサンでした!!


 

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コメント

■tomozouさん
毎度のご来場どうもです。
お返事遅れてすみません。

>スキBADはえぐいシステムですよね。
>(中略)
>主人公の駄目野郎ぶりとあわせて、プレイヤー側の傷をより深いものにしようという強い意思が感じられる気がしますw感情移入ができて、好きBADのフラグを積み重ねているときの罪悪感がすげえ…。

えぐい……ですよねえ。
「狙わないと出来ない」という形にしたのは、やはり意図的なのでしょうが、
そこにどうしても違和感を感じてしまうのはオイサンが甘ちゃんだからなのでしょうか。
「お前らもそのくらいの悪になれ!」
という制作者のメッセージに、果たしてどのような意味があるのか。
逆に
「どうだ、後味悪いだろう! そういう人間にはなっちゃだめだぞ、
 橘さんはそういう奴らに傷つけられたんだ!」
と言おうとしているのか。
と考えれば、納得がいかないでもないですな。


>いやあ、そろそろアマガミをやるのにいい時期ですねぇ。

ですね。
ご当地モノも良いですが、オイサンはこういう時節性のあるゲームって大好きです。
『ToHeart』なんかも、春、桜が咲くたびに「あなたの横顔」を聴いたりして、ちょっといじりたくなります。
そうやって、毎年ちょっとずつアップデートされるゲームって、
上手く作れないものですかね。
一年ごとにヒロインが進級したり卒業したり、新しいヒロインが入学してきたり。

神奈川は空気が冷たくなってきました。
お体に気をつけて下さい。

投稿: ikas2nd | 2009年11月28日 (土) 22時44分

お疲れ様です。面白く拝見させていただいています。
スキBADはえぐいシステムですよね。
例えばクリスマスに誘わなくても告白できたり、気持ちを伝える呼び出しの電話に出ない、などもう少しマイルドにBADを表現できるだろうに。
あげく橘さんはすぐばれる嘘をつくしなあ…。
主人公の駄目野郎ぶりとあわせて、プレイヤー側の傷をより深いものにしようという強い意思が感じられる気がしますw感情移入ができて、好きBADのフラグを積み重ねているときの罪悪感がすげえ…。

いやあ、そろそろアマガミをやるのにいい時期ですねぇ。

投稿: tomozou | 2009年11月24日 (火) 10時51分

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