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2009年11月16日 (月)

■手帳の中のダイヤモンド -21- 第六部 その2-2の2 -更新第353回-

はいオイサンです!!

『アマガミ』絢辻さんのシナリオを解析する企画
「手帳の中のダイヤモンド」、
今回はその21回目、第六部の2回目のその2の2です!


  その2の1はこちら!


……鼻のかみ過ぎで鼻の下がヒリヒリする……。
以前買ったオロナインも見つからないし……。
くそう、イライラする!!
こうなったら、この木工用ボンドでも塗ってこの場をしのぐか!!?!
 
 
 

  絢 辻 「あら、それは面白そうね。手伝おうか?」
  オイサン「……冗談です、すみません」

 
 
 
絢辻さんは相変わらずボクだけに優しいです。
サア、気を取り直してさっさと始めましょう。
前回、『アマガミ』の物語の物足らないところ、
それは
「物語に一本の芯が見出しにくいコト」、
そして
「起伏が読み取りにくいコト」
だ! ……と嘯くところまでやりました。

今回はそれをどうにかこうにか、素人なりに解決していこうじゃないか、
ていうかこんなシステムで遊んでみたい!
という好き勝手なご要望編です。


  ※さっきの妄想の後には、
    絢 辻 「分かってるならつまらないことでイライラしないの。
          はい、薬塗ったげるからこっち向いて!」

   という続きがあるのですが、スタッフが美味しく頂きました。



■3. 真実はいつもいっぱい ~解決編~



サテ、じゃあ、『アマガミ』の物語性を強化するには……どうしましょう?
問題点は前回まで述べてきた二つ、

 ・大きく分岐し、かつバラされ再配置される物語に、
  どうやって一本の流れを埋め込むのか?

 ・なにげない空気と変t……紳士のたしなみを両立したまま、 
  物語と感情の起伏を、どうプレイヤーに実感させるのか

です。


  ◆3-1. 物語性強化合宿・感情断層を飛び越えろ!!


まず物語に一本、芯を通すということについて、
オイサンは(同じ好感度カテゴリの構成でいくのなら)、
<アコガレ>レベルの拡充が必要だと考えています。

『アマガミ』の物語は分岐することを前提としていて、
その流れには大きく三つ、
<シリアイ-ナカヨシ>、<アコガレ-ナカヨシ>、<スキ>がありますから、
源流を求めるならばそれは最初の分岐が終わった好感度レベル2以降、
すなわち<シリアイ><アコガレ>に進んでからです。

  もちろんどちらに進むにせよ、その物語のタネを
  <デアイ>の段階で仕込んでおく必要があるのはいわずもがな。

そしてここでまた立ちふさがるのが、
絢辻さんシナリオ考察・恋愛編のところでも申し上げた
<アコガレ>の存在です。
<アコガレ>では、そこでの振る舞いによって<スキ>にも<ナカヨシ>にも分岐します。
ですから、<シリアイ>では<ナカヨシ>へのランクアップに向けて
一つの流れに限定して展開する事が出来るのに反し、
<アコガレ>ではある程度、<スキ><ナカヨシ>の両方へ向けて、
物語の流れを作っておく必要があります。

  まったく、制作陣のご苦労のあとがしのばれます。
  仕様がある程度定まった後、
  「ここどうすンスか?」
  「……どうしようねえ?」
  と、軽く詰められるディレクター氏の苦笑いが目に浮かぶようです。

  しかしそれは逆に言えば、
  「<アコガレ>の存在が『アマガミ』を面白くしている」
  とも言えると思いますけども。
  オイサンは<アコガレ>大好きっ子ですから。
  子?

<シリアイ> → <ナカヨシ>は出口が一つなので、物語の流れは一意に・画一的に規定できます。
<アコガレ> → <スキ>も、ある意味固定というか、
こちらが本筋なのでそちらをメインに作れば良いでしょう。
ネックは、<アコガレ> → <ナカヨシ>のスライドです。
この流れを如何に自然に、そしてゲームとして面白く、
納得のいくように持っていくコトが出来るかが勘所になっていくでしょう。

そのためには、<ナカヨシ>を<スキ>のレッサーな感情のシナリオ……
つまり、<ナカヨシ>を<スキ>へのステップアップの失敗の結果と位置づけるのではなく、
「お友達でいましょうね?」
という、お互いが一歩引いた物語の結果であるという風に位置づけ直す、
その必要があると思います。
「失敗による自動分岐」
ではなく、
「ある種の選択の結果の分岐」
に置き換えようじゃないか、ということです。

  ここでもまた、『アマガミ』がADVとSLGのハイブリッドであることが
  上手く働いてくれそうです。
  別段、素直に
  「同時期に現れる二つのエピソードのどっちを選ぶか・片方BREAK」
  でも良さそうですが、それではちょっと勿体ない。

たとえば、好感度パラメータによる強制分岐。
これはSLG方面への展開と言えますが、
好感度不足したために分岐するのでは、失敗による分岐とあんまり変わりないですな。

ADV的に強化するのであれば……こんな手法はどうでしょう。

ある時点、<アコガレ>の中盤あたりの3、4日を使って、
単発の、或いは2つ3つだけ連鎖する短めのエピソードが
大量にバラまかれます。それらのエピソードは、
<スキ>志向のものと<ナカヨシ>志向のものに属性分けがされていて

 ・幾つオープンしたか?
 ・<スキ>志向のものと、<ナカヨシ>志向のもの、どのくらいの割合でオープンしたか?

によって、その後どちらに進むのかが決定される、というもの。
それぞれがどちらに属するエピソードか? というのは、
エピソードの紹介文(行動マップ画面で、右上にテロップ表示されるアレですね)で
そこはかとなく匂わせます。
ノーヒントだとつらいので。

一定数開かなければ……一気に<ソエン>落ちもあり得るという、
スパルタン仕様になってしまいますが……それもアリか?

  オイサン個人的には、自分で言っといてナンですが、
  「放っておいても<ソエン>落ちしない」という<アコガレ>の安心感……
  というか、優しさが大好きなので、
  <ソエン>落としはしないで欲しいなあと思いますけど。

  思えば、<ナカヨシ>はスタッフのやさしさだったのかも知れませんな。
  失敗しても、まだ望みがあるという。
  しかし救済策としては、<ナカヨシ>のハッピーさはちょっと過剰な気がしますが。

普通に<アコガレ>段階で一回デートがあって、
その中の振る舞いで分岐するってのも、らしくて良い気がしますね。


  ◆3-2. 四肢を引き裂かれても、物語は死なない。 ~連なる気持ち~


次ー。
行動マップに則る限り、あらゆるシナリオは短いエピソードに分断されなければなりません。
分断されて尚、その流れを維持するにはどうすればいいでしょうか?
基本的には、

  シナリオ屋さんに頑張ってもらうしかない、

というのが、実に無責任な結論なのですが。
毎度毎度のエピソードに、変に思わせぶりなヒキを入れる必要はありませんが
(それでおかしな緊張感を生むのは、やはりこのシリーズの空気ではないと思いますし)、
振り返ったときに、自分とヒロインの、
今の感情の起点がどこにあったのか? を追うことが出来るくらいの、
「気付く人は気付く」くらいのゆるやかな連続性がありさえすれば良いと思うのです。

たとえば、<デアイ>で見た何かの風景を、
<スキ>でまた繰り返して見たときに、<アコガレ>で起こったイベントのために
その風景がまるで違う意味を持ち、違う物に見える流れをつくるような。

絢辻さんで言えば……
……絢辻さんのお話は十分連続しているので例に取るのはアレですが……
<デアイ>のスター獲得イベントである「お弁当」イベント。
間違った、「い弁当」オベント。

  アレ?
  マいいや。あれです。

家族とのことを知り、いつも一人でいる絢辻さんの姿を理解し終えた
<スキ>の後半で、今度は本当に、絢辻さんが主人公のために
フルスクラッチのお弁当を作ってくれるイベントが発生したら。
それが、どれだけの意味を持つのか。
嬉しくも、もの悲しくもある、けれど何かの大きな始まりであるとも感じられるイベントになるでしょう。
そんな程度のことです。

  余談ですが、この頁にいらっしゃる方の中に、ワリと多く
  「絢辻さん お弁当 作った物」
  的な検索ワードでたどり着く方がいらっしゃいます。
  その答えは、<スキ>レベルの会話モードの、「食べ物」のどれかで明かされますよ。
  答えも書いちゃいますか。
  以下、くらやみの かべを おせ!

  ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
  あは みつかっちゃった! ぼくが うわさの ラゴスだよ。
  すいもんのカギを かえすから もう ゆるしてね。 ごめんね。
  ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

その連続性への意識づけを、システム的にアシストするのであれば、
二つから三つという、短い連鎖で完結するショートエピソードを
幾つか持たせるというのはどうスかね。
そして、その結末の(二連なら二つ目、三連なら三つ目の)エピソードを
いくつオープンしているかどうかで分岐が決まる、というもの。

つまり、物語を一本の線で表すのではなく、何本かの線の集合として、
短編を幾つか読見終えると次が現れる、という感覚で進めることになります。

そうしてそれぞれの中でヒロインと主人公の、
少しずつ異質な感情や関係性を見せることで、
通り一遍ではないキャラクターの深みや、
小さな流れを意識することが出来るのではないかと思います。

  ……今現在、一エピソードで孤立して見えてる物語が
  ちょっと長めに孤立した感じになっちゃうだけか?
  マいいか(いいのか)。

まあなんだかんだと申し上げてみましたが、いずれの案にしても、
最後に物を言うのはそれぞれのエピソードを描き、見せる、シナリオ屋さんと
演出家の手腕です。
それろ、声優さんの演技とね。コレ大事。超大事。

……あと、それを丁寧に読みとることの出来る読み手のチカラです。

皆さん、「これは良いギャルゲーだ」と思える物に出会ったら、
心身、環境、いずれもベストなコンディションで
モニターと向かい合うことをオススメしますよ。
そして、決して焦らず、一つ一つのボタンを丁寧に押すことを心がける。
メッセージ送りのボタンを押し込むタイミング一つで、
シーンの色が変わることだって、まま、ありますからね。


  ◆3-3. この中庸システムだからこそ語れる物語を。


あとは、これは完全に個人的な要望ですけども。

やっぱり、物語の欠落した部分……本編ではっきりとは語られず、
散りばめられた情報を、かき集めて、かき集めて、
自分で必死に考え解釈を与えてようやく自分のものになる、
そんな一面が、皆の物語の中にあってくれると、オイサンは嬉しく思います。

そしてそこには、幾つかの正解のようなもの、
作り手の考える答えにまで導かれる要素がキチンと用意されていて、
けれどもその先は、決して一つへは絞りきれないという、
バランスと語り口。

……というのはまあ、お話としてはワリと高等な部類になりますので難しいのでしょうけども、
そこには、言葉で描かれる物特有のカタルシスがあります。
「テキスト」系と呼ばれる物であるのならば、
やはりその形でなければ得られない快感を、是非とも盛り込んでもらいたい。

無論、テレビゲームは作品である前に商品で、
芸術である前にみんなのための娯楽ですから、
それが分からない人間お断り! というのは行き過ぎですんで、
自ら愉しむ人には楽しめる、くらいのね。

それでも、テレビゲームの物語というのは、
プレイヤーが干渉してナンボ、
プレイヤーが行動して初めて完成するものですから、
そういう、ある意味で結論が曖昧なことを語るには向いた媒体だと思うのです。
行動マップシステムには、それをやれる力が十二分にあると思いますよ。

  めくってもめくっても、まだどこかに何かが隠れているんじゃないかと思わせる、
  エピソードの小宇宙。
  だから何かが欠け落ちていても、そこに答えが眠っているのではないかと
  なんだか納得させられてしまう、視覚的・心理的なパワーがあると感じます。
  「これだけの時間と心の中で、たった一つの正解があるわけがない!」
  ……みたいな感覚です。

考えれば考えるほど、この行動マップは良くできていて、
ゲーム的に物語を読ませるのにはすごく向いているなあと、
今改めて感心しております。
どんな物語も飽きさせずに、テンポよく読ませることの出来る
すばらしいシステムだと。

  つって、芯からツマランお話は知りませんけど。

何よりもね、普通のテキストADVに比べて、
時間の流れを、読み手が認識しやすくなっているのが助かります。
読むだけ系のテキストADVだと、

 「アレ、今、何日目だっけ?」
 「前の出来事から、一体どのくらいの時間が経ったんだ?」

みたいなことが、結構起こります、オイサンは。
ついでに、途切れ途切れになることで、先を楽しみにさせる、
時間が連続的に流れないコトへのもどかしさを上手く使っていて。

マ本当に「良い」システム、「面白い」システムなのかは別として、
オイサン向きなシステムであることは、間違いないです。
古典文学の名作とか、このフォーマットに置き直すだけでも、
ワリとするっといけそうな気がしますよ。

次回作では、行動マップのこの特質を目一杯発揮したもの、
裏から表から、ど真ん中から悪ふざけまで、
全部のっけたパワフルな物語を期待せずにはいられないオイサンです。
一作こっきりで使い捨てるのは、ホント勿体ないですよ。



■4. 甦る、本当の恋の魂
        ~シミュレーション性の奪還~




さあさあ、どんどん長くなってまいりました、急ぎましょう急ぎましょう。
今年が終わってしまいます。
いい加減、オニの顔からも笑みが消えます。

残ったもう一つの問題「物語の起伏」。
起伏の「谷」と「平地」の要因である「なにげなさ」、
そして起伏の「峠」である「変態性」。
この二つを維持したまま、上昇する感情の曲線をなめらかに描くにはどうすればよいのか。


  ◆4-1. きみよ紳士よ、慎み深くあれ。


まずは変態加減の問題から解決していきましょう。
らんぼうな結論ですが、正直、本筋から追い出すしかないと思うのです。

  あの「マトモな恋愛のシナリオを楽しもうと思ったら」
  という但し書きが着きますけどね。

  カンチガイしないで下さいね。
  オイサンも大好きですから。橘さんの紳士っぷりは。
  これなくして『アマガミ』が成立しないことは百も承知です。
  ライトサイドとしての変態と、ダークサイトとしてのシリアスネス、
  この二面性が大きなミリョクであることは百も承知。

何本か、本編からサブから変態一辺倒の恋愛ストーリーが混在しててもいいとは思いますが、
モジモジてれてれしたお話の「本筋」からは、変態っぽさを薄めていく。
先にも書いた、
「メインとなる物語には一本芯を通してサブとは区別がつきやすいようにする」
という要素とからめ、サブでは紳士の顔を出すこともあるけれど、
メインでは出来るだけこう……ね。
多少、自重して戴いて。
そんな感じで、上手くすみ分けて戴くと。

ただし、お話も後半の、ヒロインの皆さんとイイ感じになってからはもう、
知りませんよ?
世間のカップルさん方がやっておられるように、
いちゃいちゃするのもまあ、アリなんじゃないですかね。

ただしそれもやっぱり、各ヒロインの性格を逸脱しない範囲で、
個々のリアリティの範囲で、ということにはして戴きたくはありますけども。
学校の廊下でキスしたり、
ポロツキーゲームしたりすんのはどうかと思いますけどね。

……。

……最近の全国のジョシコーセーの皆さん(古ッ)は、
そゆこと割かしフツーにおやりになるんですかね……?


  ◆4-2. 物語を外から隆起を促す。


さて、今度は起伏をどう取り戻すかという問題です。
平地をどう盛り上げていくか、否、
実は平地である地面を、盛り上がっていると読み手に錯覚させるかにはどうするか?
の問題、というのが正しいですかね。

これは実は、先に書いた、「本筋に通す一本の芯」によって、
ある程度解決されてしまうと考えています。
一つの大きな流れを意識させることによって、
ある程度はその流れに、読み手の心は自然と乗るのではないか。
さらに上記のように、紳士が慎み深く振る舞うことで、
谷になっていた部分の相対的な底上げが起こるのではないか。

けれどもまあ、そんなことにばかり頼っていても勿体ないので、
ここも一つ、システムと構成からサポート出来ない物か考えてみましょう。

やはりそこには……好感度パラメータが、
ある程度影響していて欲しいと思うのです。

  ……ていうか、オイサンがもうちょっと、
  SLGっぽく遊びたいというだけなんですがね。

ところで、美也の好感度チェックの画面。
みなさん、アレ、どのくらい見ますか?
とりあえず、誰がどのカテゴリにいるのか、
あとは誕生日の週の頭とかに、細かい位置をちょっとだけ気にする……
そのくらいじゃありません?

そんーなに、要らないんですよねえ。
特に、同じカテゴリ内での、横位置の微細な差なんかは。
あまり気にする必要がない。
それとは関係なく、お話は進みますから。

なんなら、会話をあまり必要としないヒロインなんかでは、
カテゴリの左よりにいたとしても、ハッピーエンドに入れてしまいます。
物語がシステムの主役にいるというのは、そういうことです。

なのでここは一つせっかくなので、
好感度さんと会話モードさんに頑張って戴きましょう。
今の会話システムのままいくのであれば……。

先ずは、会話ブロックも、
各カテゴリの前半からポコポコと、軽めに出現して戴きます。

  現状だと、カテゴリの中盤・後半になってからダーッと出てくることが多いですよね。
  カテゴリ期間の終了までに、ご褒美の獲得に奔走する、という印象が強い。

そして、会話テンションはLowから始まり、
好感度によって、テンションの上下に補正がかかるようにしてしまって、
シナリオの前半段階ではHiに上がるのもままならない。
そしてまた、会話モード開始時のテンションがHi・Mid・Lowどれになるかは
好感度によって変わってくるとか。

さらに、Low会話とHi会話の間に、話題のノリに明確な差を設け、
読み手に「今、自分とヒロインがどういう関係にあるのか?」
ということを、感情的に直感出来るようにすることが大事だと、オイサン思います。

そうして物語の進度にシンクロして会話のノリが変われば、
なにげない風景・エピソードにも甘やかな色を見出させることも出来るでしょうし、
前半の頑張りによって、後半に優位性が発生するような、
ゲーム的な展開も楽しめそうです。
ときには、シナリオ展開に即した特殊会話が発生してくれると、尚嬉しいかも。
物語が主役をはるなら、システムにそこまで食い込んでも罰はあたらないんではないか。

そのように、好感度や会話モードでのヒロインの姿を一つ大きな指標として、
ヒロインとの関係のよりどころを、
ゲージの様な理屈の物差しにではなく、
見通しの利かない物語にでもなく、
自分の胸の内にある感情の中に得ることで、
起伏を感じ取ることが出来るのではないかと、
素人っぽく熱っぽく、語ってみた感じですよ、エエ(何言ってんだ)。

  個人的には旧シリーズの会話モードに存在した
  ドキドキハートのゲージを復活させてもらいたいのですけどね。
  テンションHiを超えたり、Lowを割ったりすると会話終了、
  という今のシステムは、もう一つ馴染まない気がします。

  今の構成には今の構成で、お話の後半あたり、会話のカードが底をついてくると
  「どういうルートで会話のバーストを避けて、アタックまでたどり着くか?」
  という、パズルゲームのような会話の駆け引きが表現されて、
  これはこれで、面白味があるのですが。
  なかなか巧妙ところにバーストやダウンする話題が仕込まれていて、
  これはこれで練られているなあと感心すること頻りでした。

欲を言えばもういっちょ、
好感度によって出現したりしなかったりするエピソードのピースがあると、
行動マップの小宇宙感がましますし、やりこみ甲斐も出てくるのですが。
マそれは……ね。
今でもこれだけのボリュームですし、
「物語こそが主役」というコンセプトの逆を行く行為ですから、遠慮しておきましょう。



■5. 神様はサイコロがお好き
        ~そのときめきはランダマイズ~




最後に、オイサンのわがまま、聞いて下さい(まだゴネる気か)。
……ちょっとだけ。
ちょっとだけ、ランダム性を復活させることは、出来ないでしょうか。

いや、分かっているんです。
本作が、徹底してランダム性を排し、理詰めで攻略できるシステムを目指していることは。
そしてそれは、前作『キミキス』をやったときの、オイサンの望みの一つでもあったのです。

  のぞみと言っても、広瀬のぞみさんではありませんよ。
  あれから13年も経ちますが、初代のヒロインたちは元気にしているんでしょうか。
  オイサンは後藤さんちの育美さんと、
  地味に水谷さんが好きでしたが。

以前、薫ルートを攻略した際にも書きましたが、
オイサンは、ADVよりもSLGの方が、どちらかといえば好きなのです。

主人公のパラメータや好感度パラメータによって、
ヒロインとのイベントが複合的に発生するスタイルが。
そのコトによって思わぬところで盛り上がるドラマに、
組み上げられた物語以外のところで発生するドラマに期待したいのです。

オイサンは、前作『キミキス』をやった際に、
  ・ゲームの全期間の短さ
  ・ヒロインとの会話エンカウントと、その話題のヒットがランダムであること
  ・加えて、話題が好感度レベルごとにリセットされること
を理由に、
「初回のプレイで、『朝に戻る』コマンドを使うこと無しに、
 良いエンディングを迎えることは至難の業に近い」
と書きました。
そのことがとてもとても不満だったのです。

それに応えて下さってか『アマガミ』では、
  ・ゲームの全期間が6週間41日に延びたこと
  ・会話モードの話題が固定になったこと
   (話題を自分で見つける必要がなくなった・ヒット率が上がった)
  ・ヒロインとのエンカウントからランダム性が排されたこと
により、「物語を進行させること」は格段にスムーズになりました。

……が、やはりADVです。
各ヒロインルートの並走により、思わぬドラマの発生も起こるといえば起こりますが、
やはりその触れ幅は、SLG的なゲームには及びません。

なので。

ここまで非ランダムが徹底されるのであれば、
会話イベントの発生には、もう少しだけ、ランダム要素が残っていても、
良かったではないか?
と思っています。
それに会話イベントは、一部のキャラを除いて攻略には不必要な要素ですらあります。
そこに、思わぬドラマのための「遊び」があっても良いのではないかと……
オイサン、思ってしまうんですね。

  こういうの、なんて言うか知ってますか?
  ハイ青のかた早かった。(CV:児玉清)
  「喉元過ぎればなんとやら」、そのとーり。
  愚か者のする事の典型です。

  ……ゼイタク言ってますね、オイサン。
  オイサンの望む方向にチューニングがされているというのに。

たとえば、ですね。
「会話ブロック」は、全ヒロインに共通にして使えても良かったのではないか、
と思います。

今回のシステムだと、あるヒロイン……
たとえば絢辻さんの、特定の通常イベントをオープンすれば、
それに応じて、「絢辻さんと会話をするための会話ブロック」が出現します。
そうして現れた会話ブロックは絢辻さんとの会話にしか使えませんが、
これを、

  「誰との会話が起こるかわからない会話ブロック」

という位置づけにしてはどうか? というご提案です。
ただし、会話イベントは、ヒロインそれぞれで各好感度カテゴリーで
物語が一定のところまで進行していないと発生しませんから、
そこは制限として残します。

さらに、会話イベントのみ、場所選択との複合にします。
会話ブロックを実行すると、「どこで?」の選択が出るので、
どこで会話をするかの場所を選ぶ。
もちろん、ヒロインごとに、時間帯と場所によって、出現率が偏ります。
これは従来のシリーズ通り。
主人公との親密度によっても出現率が偏る、というのも従来のシリーズ通りで。

つまり、
「絢辻さんのイベントを開いて出現した会話ブロックでも、
 既に七咲と親しくて、七咲のシナリオが会話可能な段階にまで進んでおり、
 かつ場所に「校舎裏」を選べば、七咲との会話が発生する率が上がる」
というシステムです。

  ……「そもそも誰の会話ブロックか?」というところでさらに補正をかけても
  良いかもしれません。
  絢辻さんのイベントから発生した会話ブロックなら、絢辻さんの出現率が上がる
  という具合に。


これによって何が起こることを、オイサンは期待しているか。

絢辻さんと会話をしようと思って図書室を選択したら、
そこに、好感度の上がってしまっていた七咲が待ち受けていて……
 

 七 咲 「先輩と、お話がしたくて、ですね。
      ……ここで待っていれば、多分、会えるんじゃないかと……」

 
とか言われた日にゃあ。
もう、クラッと来てしまうんじゃないでしょうか?
ええおい。
どうだよバカ野郎ども。

或いは、図書館を選択したにもかかわらず、
底へ向かう途中の渡り廊下で、
水着姿の七咲に呼びとめられてしまう……そんな偶然。

ランダム性は、ゲームの難易度を上げます。
それは確実。
けれども、難易度を上げたいわけじゃないんです。

ドラマを。

神様にしか生み出せないドラマを見たい。
誰が振ったか分からないサイコロが生み出す、
「絶対、中に人が入っているだろう!!」
と叫び出したくなるような、絶妙に微妙な、そして……
そうあることで、「キャラクターに愛されている」感覚や、
全く再現不可能な、自分だけのキャラクターとのドラマを、手に入れたい。

そして、そうであるにも関わらず、同好の士とするノロケ自慢の中で、
「ああ、あるある! それ絶対ある!!」
と頷き合える、不可思議な連帯感。
十年の年齢の隔たりを超えて、共有し合えるものが、そこには発生するんです。
そういうモンなんです、テレビゲームってのは。

  『風来のシレン』然り、
  『パワプロ』然り。
  ……って、伊集院が言ってた(オイ!)。

まあこれは本当に、オイサンの趣味の話なんですけどね。
でも、こういう「感情的に揺さぶられる」コトが頻発することで、
ナミダイベントとか、自然と<スキGOOD/BAD>に導かれる可能性ってのが、
ぐっと上がるような気がするんですよ。

今のシステムって理詰めだから、ホント狙ってやらないと、
ナミダや<スキGOOD/BAD>へはそうそうたどり着きません。
悪いヤツになってやるぞ!! ……と気張らないと、行かない気がするんです。

だから、こう……自分の弱さに負けてフラついた挙げ句にたどり着く、
救いがたい結末。
それもまた、恋じゃないですか。
青春じゃないですか。
そういうことをも雄弁に語る物語であって欲しいと、オイサン思うわけです。


だから、次回作。


さらに。


もう一度。


期待、しています。



■Closing



いやあ……
思いの外、増えたな。量が。
すみませんね皆さん。
よく読みますねこんなもん(コラ)。

まあ、そんなことでしてね。
三十代も半ばに入ったゲームオタクが、
中途半端な知識でアレコレと要望を述べてきたわけですけれども。
あと幾つかの思いつきも、
もうせっかくなのでパラッと書いてしまいますが、
ここから先はホントにもうただの思いつきなので、サラッと行って下さい。


◆思いつき・その1 「ボス戦」の導入
 最後の告白シーンか、或いはその一歩手前の会話シーンを、
 ものすごい長い、特殊な会話モードとかに出来ないものでしょうかね。
 ボス戦ともいうべき、長いターンを特殊な話題で繋いでいく超会話、「告白モード」。
 それまでためた好感度とこなしてきたイベントの数によって
 話題が変わったり、戦略が変わったり……。

 って、多分そこまでゲームゲームしてしまったら、多分落ち着いて浸れませんね。
 やるとしても一歩手前のデートとかですかなー。
 でもなんか、そういうお遊びがあっても面白いかと。
 ……桝田省治が作ったら、そういうことをやりそうだ。

◆思いつき・その2 ヒロイン並走・同時攻略にメリット・面白味を。
 上のランダム性の話でもちょっと書きましたが、
 <スキGOOD/BAD>に関しては、同時攻略が必要なわけで、
 もっと「同時攻略によるメリット・面白み」があって、
 それをやることで必然的にその流れにむかってしまうような誘導をして欲しかったです。

   でも、何周かすると、自然と
   「どうやれば効率的に同時攻略が実現出来るか」
   というセンが見えてくる構成は素晴らしいと思います。ステキです。

 ヒロイン間の連携が全然ないのは、やはりちょっと寂しいです。
 今回はこのシステムの練習と割り切って、
 次回作以降、こなれていくことを期待したいと思います。
 シミュレーション色の強化と相まって。

 前々回の最後で、ちょろっと
 「ヒロイン並走をやろうとすると、ヒロイン一人に対して開けるイベントの数が減って
  一人一人の物語が薄まってしまうが、それについてはアイデアがある」
 とか、えらそうに書いたオイサンですが。
 
 大した話ではないんです。
 一つの時間帯(休1・休2・昼・放)に起こせる行動の回数を増やせないか?
 ということで。
 行動をコスト制にして、ヒロインとの好感度によって行動ポイントが溜まり、
 ポイントを多く使えば、一つの時間帯に複数回行動が出来るようになる、
 という類のシステムです。
 なので、効率的に好感度を稼げば、
 行動 → たまる → また行動 → またたまる!
 といった錬金術が可能で、やりようによってはハーレム展開も出来るとか、そんな感じ。
 マやっぱりこれもシミュレーション的で、
 かなり複雑になってしまう気がしますけどね。

◆思いつき・その3 周回ごとのオマケを増やして欲しいです。
 各ヒロイン、クリア後に追加されるイベントは……もっと欲しかったし、
 多分、作る側ももっとやりたかったんだろうなあ、というのは垣間見えます。
 垣間見えるだけに、残念。



はい、蛇足終わり。



あの、オイサンもですね、一応、自分のオシゴトの上ではプロですから。
プロというのが、素人には思いも寄らないところまで、物事を考え、突き詰め、
一つの結論に至るのだということは、よっくよく承知しているつもりです。

だからつまり、ここまででオイサンが考えついたようなことは、
既に制作チームの方々の頭に浮かんでは消え、
喧々囂々、朝から翌朝まで意見を戦わせた挙げ句、
無くなったり、見送られたりしたものであるのだろう、
ということは想像がついているのです。
検討済みのシステムの数々でしかないのだ、ということは理解しているのです。
プロと素人の差というのは、そういうものです。

でもまあ、オイサンの気持ちとしてね。
書きたかったし、書かずに入られなかった。
失礼も承知で。

現実的でない物もあるでしょう。
アッチとコッチをくっつければ、バランスが悪かったり、
一発で破綻したりするアイディアも、一緒に書かれているはずです。
多分。

けれども、こうして妄想の翼を広げることだけでも、
輝日東の空がもっと広くなってくれるなら、
っつうか、広がるのでね。
オイサンの頭ン中では。
やらずにはおられなかったと、まあ、それだけのことですよ。


  ……。


さてさて、長かった感想編のその2もこれにておしまい。
残すところ、第六部のその3は、
オイサンの絢辻さんと『アマガミ』への思いを綴るだけのものです。
完全に個人的な思い込みの世界。
これまで書いてきたことの繰り返しにもなってしまうでしょうけどね。

  ホントはね。
  4月の中頃に、それだけ書いて終わりにすれば良かったんでしょうけど。
  絢辻さんが悪いんだ。

ですからまあ、皆さんは、次と、次の次の次のPreStoryをお楽しみにして、
更新をお待ち下さい。


次回! ……はPreStoryだけど。
「手帳の中のダイヤモンド」、完結編!




  『そして、灼熱の冬が来る。』




お楽しみに!!
オイサンでした!!






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3

    16 第六部 PRE STORY その1 (SS)
    17 第六部 感想編 その1
    18 第六部 PRE STORY その2 (SS)
    19 第六部 感想編 その2-1
    20 第六部 感想編 その2-2の1

 ◆『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


 

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