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2009年10月17日 (土)

■ふるさとをつくろう -更新第331回-

自分の生まれた土地から離れて、誰かと一緒になって、
新たに自分が住まうと決めた土地に根付く。


自分の郷里の奈良の町は、
自分にとってそこが「ゼロの地点」で、当然、そこが唯一無二の場所であるワケですが、
父親と母親にとっては、そこは別段そういう場所ではない……
そこがそのときの彼らの「実際」に合った場所だったから、
彼ら自身の唯一無二の場所--すなわち故郷--とは似ても似つかず、
不満も募るけれど、
色んな、良い条件も納得のいかない条件も全部飲みこんで、
そこに住むと決めて住み始めたんだな、ということに、
今日改めて気がついた。


オイサンは今日まで、あの奈良の町は、
彼ら両親にとっても最も住みよい、納得づくの場所なのだと、
「家族」である自分がそうなのだから、あの二人とってもあの町はそういう場所であるに違いないと、
なんだか無邪気に思い込んで生きてきた。
でもきっと、そうではなかったんだろうな。
だってあそこは、彼らには「故郷」ではないんだ。

  マ考えて選んで決めたんだから、それは「納得づく」っちゃ納得づくなんだろうけど、
  生まれ故郷にも匹敵する、オンリーワン的な場所かと言われれば、
  きっとそうではない、そこまでではない、
  時の経った今ではかなり近い位置にあるかも知れないが、
  「これからどこに住もうか」と、決めなければならない時に並んだ
  幾つかの選択肢のうちのひとつに過ぎなくて、
  本当は他に、「もっともっと帰りたい場所」はあるんだろう、という意味で、だ。

あの場所が、若かった彼らにとって「生きるために必要」で、
お金とか、時間とか、広さとか、そこそこに条件の整った場所だったから、
故郷と比較したりもしてしまって、
でも仕方がないから色んなことも妥協をして、涙やら苦渋やらを飲んで、
そこに住むと「覚悟」をして決めた場所なんだろうな。


そんなことを今日……散歩、というか、ウォーキングをしていた時。

一人のオバサンが自転車でオイサンを追い抜いて行き、
五十メートルほど先の団地の駐輪場に滑り込んで自転車を降り、
そのかごに積み込んだ、ネギの飛び出た買い物ビニールを下ろして階段を上っていく……
そんな場面を見た瞬間に、何故か、そんな気持ちに行きあたった。



■そんな気持ちと親父の波紋



今日、親父殿が63回目の誕生日を迎えたことと、
そんな気持ちを見つけたタイミングとの間に、何か関係があったりするだろうか。
彼、父がオイサンの体を作るのに最初に使ったオタマジャクシ、
それがうちに抱え込んだ波紋だか波動だか、なにか周期めいたものが、
やはり今でも、
オイサンの中に脈打つ渦を描いているものだろうか。

中高の頃はオイサン、人様ほどではないといえ、
彼に対してしなくても良いささやかな反抗や反発をし、
彼のよく分からない性向であったり、
あまり論理的とは言えないものの考え方やその発露の仕方を論い、
蔑んだりしたものだが、
今ではそのことを恥ずかしく思えるくらいに、
彼のアレはアレで完成したものだと思えるし、間違いではないとわかるし、
面白い、愛おしいものだと思う。
やはりあれを許せない、許容出来なかった自分が幼かったのだな、と思える。

  「わかってねえな、俺」という感じだろうか。
  あれがイイんじゃないか、あれが人間なんじゃないか、
  オッサンなんじゃないか、文系で、サラリーマンで、
  豊かじゃないの、かわいいじゃないの、面白いじゃないの、
  疲れが輝いて見えるじゃないの、って。

  ……ちょっと『シャリバン』っぽいな。
  ♪いいじゃないか いいじゃないか 夢があれば
    いいじゃないか いいじゃないか 明日ががあれば!♪
  みたいな。閑話休題。

父親を尊敬するか? と問われれば、
このボンクラを二十余年の長きにわたり、「親だから」という責任感と義務感だけで
(もっと素敵な感情もあったに違いないと思うけれど)
自分の人生をそれはもうガッツリ削り出して、あらゆるものを捧げ、我慢し、
育て上げたというそのスピリットに対しては尊敬する……
いわゆる、「尊敬する人物:両親」と書いてしまう野郎どもの大半と同じ理由において
尊敬するけども、それ以外の彼のパフォーマンスに関しては、
決して他を、世の中のあらゆる親父殿を圧倒するようなものではないと客観的には思うので、
まあ、さほどでもないワケだけど。

  やっぱ誰を尊敬するかって言われたら、
  宮本茂だったり、山本正之だったり、堀井雄二だったり、
  オイサンはそういう性向の持ち主ですから、そういう類の方々、
  そういう才能をお持ちの方々を挙げてしまいますけどね。

親父殿がオイサンの年の頃にはもうオイサンも兄貴もいて、
加えて、母方の祖父母に曾祖母まで、
親父殿自身を含めれば七人分を背負って突っ走っていた猛者だったワケで、
共に住みなれない人間を抱え、
住みなれない土地に覚悟を決めて住んでいたのでしょう。
ちくしょう、かっこいいな。
オイサンはイヤだけど。

それを思うと、なんだかそんなこと……
冒頭で書いたみたいな当たり前のことに今更気付いてる場合じゃないんだけども。
マせっかく気付いたんだから、そういうことも書いておこうかと、そう思ったワケさ。

そしてきっと。
絢辻さんと出会っていなければ、そんな気持ちにも……
ダイエットもしていなければウォーキングもしておらず、
勢い、あんな道を歩くこともなかったわけで……気付くこともなかったはずだ。

そういう意味において今、
オイサンにはおいそれと絢辻さんを切り離すことは出来ないし、
今後も完全に追い出すことなんて出来はしないだろう。
最早オイサンの一部に他ならないからな。
それは今まで出会ってきた数々の物語の主人公やヒロインがそうであるみたいに。
マ中でも、今回のケースは格別中の格別ではあるけれども。

だけれども、そんな感情も踏まえて。

その相手が絢辻さんなのか……それに匹敵する他の誰かなのかは分からないけども、
どこか見知らぬ、だけどもその人と一緒に納得づくで覚悟を決めた、住みなれない町で、
一緒にうれしく、お鍋をつつけるようにならないといけないんだなあと思う……
そんな、今日この頃なんですよ。



オイサンでした。
てへへ。




 

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