« ■ハッピー・バースデーがきこえる<前編> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第324回- | トップページ | ■ムーンライト・猫ザムライ -更新第326回- »

2009年10月 9日 (金)

■平日のさんま -更新第325回-

平日の午後は、良いですね。

オシゴト、今日は表に出ねばならない用事があったのですが、
その戻りが丁度お昼休みの時間帯でした。

件の減量のついでもあって、シゴトバまで帰りの二駅ほどを歩いたのです。
雲が多めの秋晴れも手伝って、これがまたなんとも心地が良い。

昼下がりの住宅街というのはONともOFFともつかない、
三角錐のてっぺんでピタリと静止してびくともしない縫い針のような、
不安定のド真ん中で安定している判別のつかない落ち着きに満ちていて、
ノンビリ者のオイサンなんかは、何故だかとても幸せな気分になれます。

  夜の町には、オイサン割と男っぽさを感じるのですが、
  昼の町は女性だなあと、なんとなく思ってしまいます。

これがひとたび家の中に入れば、それは本当の気怠さに変わるのでしょうが、
外から俯瞰する分には清清しい日常の緊張を感じるのです。

昨日は台風で、せっかく本格的に匂い始めた金木犀が
みんな飛んでしまいやしないかとハラハラしておりましたが、
明けてみればなんのことはない、
今日も元気に、町一杯に山吹色の、あの匂いを振りまいておられる。
その甘さも手伝って、今日の町はもうホントに、
どこを切り取っても幸せしか出てこなさそうな表情をしておられたのでした。

  帰り道を行く小学生もなんだか嬉しそうです。
  ところで最近の小学校は週休二日なんですっけ?
  その場合、金曜って半ドンなの?
  だってあの時間に帰ってるってことは、ねえ。
  マいいや。

けれどもその穏やかな安住はタイクツと紙一重で、
世の奥様方がドラマとロマンスを求めて昼メロに夢中になってしまうのも、
なんだか判る気がします。

  ……自分には、もうこんな燃える様な情熱は
    戻ってこないのかなあ、こないんだろうなあ……

なんて思いながら心臓と子宮を直結させる、
それは多分ギャルゲーに興じるオッサンの哀愁と通ずるものがあるのでしょう。
失われた……否、手に入れそびれた時間の寄り道への憧憬。

このそよ吹く風の平穏を、
幸せすぎて怖いと感じるのか、退屈の切なさと感じるのか、
どちらに傾くかで専業奥様としての才能が量られてしまうのかも知れません。

もちろん、退屈なばかりではないのでしょうけどね。
それなりのご苦労もおありになるのでしょう、奥様には。
ただそのご苦労が、その先に、何か燃えるようなものを見出しうる類のものではないという、
それだけのことなのでしょうか。

  怒らないで下さいね。
  皆様の事情もロクに存ぜず、働き盛りのオッサンが妄想こいてるだけなんですから。
  こんなことだからモテやしないんだよホントにモウ。

そんなことを思う傍ら……
昼下がり、家で洗濯物なんかを畳みながら、
子供の帰りを待つ絢辻さんなんかを想像した日にはもう……
それだけで午後からオシゴトになんざぁならなくなってしまうわけです。
イヤ一生懸命働きますけどね。

「あーやだ、寝ちゃった……。
 学生時代はこんなこと、絶対なかったのになあ」

とか言っちゃってもう。
……まあ、そんなこと言いっこないカンジの絢辻さんが好きだったりするんですけど。
たまにはそういうのもいいなあ、とかなんとか。
勝手なものです。

……絢辻さんは結婚しても当然働くんだろうけど、子供が出来たら家に入るのかなあ。
頑張って、どっちもやっちゃいそうだけど。
普通に暮らしてるだけだと、彼女の有り余る処理能力が空転して
どうにかなってしまいそうな気はします。


……。


デ、その出先が遠方で、今朝は直行で早起きだったものですから
天気も良さそうだったので出る前に洗濯物を干していたら、
丁度東の空から朝日の昇ってくるところに出くわしたのです。
上る直前の、空と雲が日に透けたもみじ色に染まっているのを眺めていたら。

あーキレイだなー、
写真に撮っておきたいけど、これ綺麗に撮るには時間がかかるな、
遅れるとさすがにまずいしなー、
……と思って結局撮らずにおいたのですが、
ここで遅れてでも撮ってしまうのと、目の前のことを優先させて逃してしまうのとで、
本当の芸情家と、そうでない人のセンが引かれてしまったりするのでしょうね。
オイサンは本当に中途半端だ。

とはいえ、朝から美しいものが見られて何かイイ事ありそうだと思った、
そんな一日の出来事でした。

お昼に食べたおそばも、なんだかヤケに美味しかったし。


いやあ。


人間なんて、カンタンだねぃ。


……で、シゴトバに戻ってきてみたら戻ってきてみたで、
食堂の自販機にRootsの微糖が入ってたりして。
オイサンは缶コーヒーではRootsが一番好きです。
なんだか嬉しいなあ。
シヤワセ過ぎてこあい( ← ホントに簡単なオッサンだな)




■さんまとあのコのゲシュタルト




そうして帰ってきたシゴトバにて。
ふと後輩の呟いた、
「さんまの塩焼きが食べたいです」
という一言。
普段なら、
「あー、そういう季節だね、秋だねー」
で終わってしまう話なのだけど。

なぜかその時、それを聞いた瞬間オイサンの頭には

  さんまの塩焼き

という、文字列……というと、コレはまた味気ないワケだけども、
この七文字・八音で象られていることばのかたちがどーんと浮かび上がって、
その鮮やかさにすっかりノックアウトされてしまった。


  さんまの塩焼き。
  さんまの塩焼き。
  さんまの塩焼き。


……あんまり連続して書きつけるとゲシュタルトが壊れてしまってアレですが、
美しい。
無闇に美しい。

「さんま」という名詞と、
「の」という助詞……でいいんだっけ……と、
「塩焼き」という名詞……なのか、
それがまたさらに「塩」と「焼き」で分かれるのか知んないけども。

結構バラバラのことばの集合のはずなのに、
この七文字・八音がもう、なんというかするすると、流れるように一つであって、
あのシャープなフォルムのお魚がいて、
その彼が、間の時間をワープして、こんがりと焼かれて出てくるまでの……
なんならその後、長方形の、備前かなんかのお皿に乗せられ、
隅には大根おろしが綺麗な円錐に盛られて、その錐の天辺には醤油が沁みて、
暁光に照らされた雪山を平たい宇宙の端から見ているような、
それらバラバラの時間が一つに統合されるまでの時間の完成形が表されている、
……「字だけで絵巻物みたい」という、不思議な感覚に襲われたのでした。

  そう、七文字八音がもう、そのままで絵に見える。
  絵の題材が完成し、
  さらにそこから絵になるまでの時間の流れまでが見えるというのか。

多分これは、このことばのかたちとそれが表す物が馴染み深すぎて、
ぽーんと

 音 → 字面 → 絵

という段階をものすごく一瞬、
ほとんどノータイムでやれてしまうというだけの話なのかもしれませんが、
それでもこの、字と絵と実際、その三つの連結のされっぷりが
あまりに自分の中で鮮やかだったことに驚いた、
やられた。

文字と世界がじっくりと馴染んでいる、
馴染むほどにことばと文字を使い込む、守り続ける、その物がそれに堪えるものであるということが、
いかに偉大なことであるかということに、
なんだか深く感じ入ってしまった次第でございます。

いやー、すげえ。
びっくりしたー。
この感じは多分……割とたくさんの人に分かってもらえる気がするんだが。
他の文字列は別として。
あと、さんま嫌いな人とかにはわかんないかもですが。


以上、
ホントにただの日記のオイサンでした。



……。



例によって、なんですけど。
絢辻さんは、魚食べるの上手なのかな。
上手なんだろうな。
骨までしゃぶり尽くすタイp……え!!??
あ、イヤ、なんでもないなんでもないなんでもない。

……ふー、びっくりした(何があった)。

……絢辻さんのゴハンは、お箸使うのとかがやたらと上手そうで、
綺麗すぎて、見ていてちょっと怖いかも知れない。
なんだかそういう隙の無さが、
逆に弱さを象徴するようで妙にいとおしい、なんていう……
やっぱりね。
ちょっと変わった人だよね、絢辻さんてね。


……。


絢辻さん、さんまのワタまで食べるタイプかなあ……( ← 際限ねぇなオッサン)。










……え、何?


今日の話は、いろいろと日本酒が欲しくなる?


………………………………聞いてたの?





|

« ■ハッピー・バースデーがきこえる<前編> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第324回- | トップページ | ■ムーンライト・猫ザムライ -更新第326回- »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

絢辻さん」カテゴリの記事

コメント

■JKPさん
色々お返事、滞ってしまってすみません。

>それが、目的・対象を表す「が」です。

あー、なるほど。そっちにいくのか。
納得です。
と思いきや、


>気にしない、気にしない。
>一休み、一休み。(それで良いのか?塾講師!)

と、とんち!?
では将軍様!
画面の中の絢辻さんを、追いだして下さい!!

 

投稿: ikas2nd | 2009年10月15日 (木) 15時39分

>・あそこの店で何々『が』売ってる
>・テレビでこういう番組『が』やってる
>という、この『が』は、正しいんですかね?


あ~、正直あまり自信がないので、参考程度に聞いておいてください。

基本的に格助詞「が」で、まっさきに連想されるのが「主格」です。
名詞などの後ろに付くことによって、それが主語であることを表す用法です。
これを基準とすると、確かに「あそこの店で何々『が』売ってる」はおかしいことになってしまいます。
しかしあまり有名ではありませんが、実は「が」には他にも用法がありまして。

それが、目的・対象を表す「が」です。

一番有名なところですと、
「私はあなた『が』好き」
でしょうか。

この文章ですと、「あなた」は「好き」という感情の目的語となっているので、
「あなたを」とするのが、文法的にはスムーズに流れる気がしますよね?
しかし実用面で考えると、まず間違いなく「あなたが」と言っていると思います。
オイサンがおっしゃった例文は、おそらくこれに該当すると思います。


……まあ、所詮文法なんて後付けですよ、後付け。
既にあるものを説明しやすいよう後から分類したに過ぎないので、例外も多いのです。
気にしない、気にしない。
一休み、一休み。(それで良いのか?塾講師!)

投稿: JKP | 2009年10月11日 (日) 01時33分

■JKPさん
そーなんですよ。
「どの組み合わせがしっくりくるか?」なんて考え始めるともう、際限がない。
「おっぱい」と「オッパイ」、
「パンティ」と「パンティー」だとどっちがより興奮するかだとか……
そんなことばーっかり考えてるワケです、この紳士は。

ところでお聞きしたいのですが、たまに聞く表現で……
  ・あそこの店で何々『が』売ってる
  ・テレビでこういう番組『が』やってる
という、この『が』は、正しいんですかね?
  ・あそこの店で何々『が』売られている
  ・テレビでこういう番組『が』放送されている
と明示的に受け身であるなら分かる気がするのですが。
御存知でしたらおせーて下さい。
 

投稿: ikas2nd | 2009年10月11日 (日) 00時03分

今まで考えたこともなかったですねぇ。

さんまの塩焼き
サンマの塩焼き
秋刀魚の塩焼き

色々書き方はありますが、やっぱり平仮名バージョンが一番しっくり来るのかな?
ひらがなの持つ丸みが、家庭的な空気を感じさせるのかもしれませんね。

……何故だろう?
カタカナのサンマはあまり美味しそうに感じないぞ?
カタカナと漢字の組み合わせって、相性が悪い気がします。
漢字から生まれたはずなのになぁ???

投稿: JKP | 2009年10月10日 (土) 01時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/55967/31719898

この記事へのトラックバック一覧です: ■平日のさんま -更新第325回-:

« ■ハッピー・バースデーがきこえる<前編> ~手帳の中のダイヤモンド・番外編 -更新第324回- | トップページ | ■ムーンライト・猫ザムライ -更新第326回- »