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2009年9月の24件の記事

2009年9月30日 (水)

■それしか出来ない奴らの、伝説! -更新第317回-

◆『ときめきメモリアル4』 プロモーションムービー


悪くない。
ていうかイイ、かなりイイ。
絵的には、本編もこのクオリティで動かしまくれれば勝つる。
止まった途端にまずくなる恐れはあるけど。

歌詞の言葉選びもすごく好みだ。

  ♪君と過ごす毎日に 刻むメモリアル

のところのノスタルジアにグッと来て、
そのあとに『狡い』なんて言葉を持ち込んで、
言葉の流れにへこみを作ってくる辺り、ちょっとすごい。
なんていうか、言葉の使い方との合わせ技で、旧 → 新の流れをすごく感じる。

  ♪誰よりも眩しいから!

で微笑む、もう一人のヒロインがどんな人なのか、
このシーン一発でわかるからすごい。
死んだ恋人が帰ってきたよな錯覚にとらわれた。
やっぱまだ、地味、だとは思うんですけどね。
絵的に。
それでも、最初に見たときのような、負け一辺倒の匂いではなくなった。
やっぱ歌のチカラ、言葉のチカラってのはすごい。

歌い手の、ときめきアイドリングだかなんだか知らないけど、
さらっとした声も、上手くも下手でもない歌唱力も、その良さに一役買っている。
他じゃダメなのかってことはわからないけど、一先ずフンイキはいい方向で出ていると思う。
集団の声っていうのが良いのかもしれない。
誰が歌っているか分からないから、みんなの声なんだ、というところが。

ただ願わくば。
この歌は「女の子 → 男の子」の視線の歌詞になっているけれど、
「男の子が歌っている歌」にして欲しかったとは思う。
プレイヤーは男なのだろうし、
狡いくらいに眩しく輝くのは、ヒロインであって欲しいので。

……思えば、初代『ときめきメモリアル』は、
「『それ』しか出来ない連中の集まり」だった。
その分、連中は、やっぱり狡いくらいに眩しかったと思う。
オイサンがそういうのが大好きなだけだと思うけど。
今回のムービーを見ていると、また、その匂いをちょっと感じる。気がする。
アホで一途で不器用な、愛すべきトンチキ女どもの祭がまた始まるのか。

  ……個人的には、閣下の遺伝子を引き継いだらしいヒロインがいることを、
  なによりも嬉しく思うのだけど。

本気だ。
どうやらコナミは本気なのだ。
「伝説」を蘇らせようとしている、そんな気がする。
09年は、最後まで面白くなりそうだぜ。



■中庸ぱんつ



そんなアツい話の後に、なんかもう、際限なくどうでもいい話。

本日のオシゴトで、表の変更確認をするお仕事があったのですよ。
横軸にA~Vまで、縦軸に1~18まである表で、
各座標に埋められている中身を、二つの表で比較して確認していくんですが。

  マ本当はもうちょっとフクザツな作業なのですけど
  詳細は割愛ね。

で、その途中。
あるセルが水色に着色されているのを見て、オイサンがなぜか一言、

「みずいろ」

とぽっと呟くと、隣で一緒に確認をしていた相方のトラさん(仮名)が

「みずいろパンティ……なんつってな」

ともう、救いがたくオッサンな一言をおっしゃる。
軽く下種な笑いが起こるわけです。

しかしオイサンももう存分にオッサンですから、
一度そういう妄念に囚われてしまうと、
「(そうだなあ、やっぱり水色だよなあ)」とか、
『けいおん!』澪っぺの水色ストライプのお茶碗を思い出したりしていたら……
なんとなく、白のパンツを履く女の子の気持ちがわからなくなってきた。

だって、白いトランクス……オイサンはトランクス派なんですけど、
白いトランクス、あったってあんまり履きたくはないですじゃん?(どんな日本語だ)
万が一、汚れたら目立つし。
履くことの面白みも、あまりないような気がする。

白……履く側からしたら、白はないよなあ、とかずーっと考えていた。
でもそういえば、絢辻さんは白だったなー、なんでかなー……
とか考えてしまうわけです(なんでもヘッタクレもあるか)。

いや、見る側からすれば、白、嬉しいですけどね。
でもそれも、ワリと2次元に限るかもなあ、とも思うわけで。
3次元の女性の端っこから、白がチラッと見えても、
なんか陰影によって汚れて見えたりしそうで、あまり嬉しくないかもしれない。
3次元白。

そんな気持ちのままExcelの表のチェックは続いていき、
Mの列に到達したとき、オイサンの呟く
「じゃ次の列。……ドM」
の一言でまた軽く一笑い。どうしようもねえな。

そしてさらに作業は進み……T列。
相方の呟く、
「Tバック」
でもう、ほとんど酔っ払いですよ。
そこでオイサンはまた……
「(絢辻さんがTバックを履いたら……)」
とかもう、救い難いな!!

  リアルに橘さんか俺は。
  ヤツは高校生だから許されるんだぞ。
  気をつけろ俺。

そこからさらに妄念は暴走を続け、
どうしてパンツを履いたり脱いだりする途中の姿は
あんなに魅力的に見えるんだろう? とかまた、考え始める。

結論としては( ← 結論出したのか!)、多分それは、
その瞬間にしか見ることの出来ない……
その状態で静止した姿をなかなか見ることが出来ない上に
特殊な姿勢をとる状態だから、だと思うんですけどね。

裸はハダカになってしまえばずーっとはだかだけど、
ぱんつの履きかけ・脱ぎかけは一瞬一瞬で姿勢が異なりますし、
前屈したり、片足をちょっと上げてたり、
しかもぱんつ自体も、普通そこで静止してないだろうって位置、
足首だとか、膝あたりだとかに存在する上に、
形状も、伸びた状態でも収縮しきった状態でもない、
ハンパに引っ張られた、或いはたるんだ状態になっているという……
なんというか、あらゆるものが中庸を保つ、その瞬間のフォルムだから、
なんじゃないかなあ、という考えに至った次第でございます。



    想像して御覧なさい。



すっぽんぽんの絢辻さんが、うつむき加減の立ち姿勢で、
髪を長く、からだの前や横に流して垂らした姿勢で
片足を軽く上げて、ぱんつに足を通そうとしているその姿。

前屈してるわけですから、おムネも重力に引かれて少し下向きに垂れ下がり、
おなか辺りにもちょっとだけ、しわというか、たるみが認められるという……
ああもう、絵に描いてしまいたいな。

なんというか、それを想像すると、そりゃあ多少興奮もするんだけど、
それ以上に古典絵画を見るような美しさがあるなあ、
と思ったわけ……なんですけど。
だめっすかね。
「ちょっと何言ってっかわかんない」と思ってますかね。みなさん。




……ていう……。




シゴト中になんなんだお前らは?
っていう、お話なんですけどね。
ウルサイな、しょうがないじゃないか( ← しょうがなくない)。

あやつじさんにおこられろ!
オイサンでした。

 

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2009年9月28日 (月)

■Dance with …… -更新第316回-



  ※9月28日 21時45分 全面改訂


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「やっぱりダメね」
 動物園の人混みの中、絢辻さんは唐突に呟いて、ぴたりと足を止めて
しまった。
「え、ダメって……」
「動物園。好きになれない」
 背後から、あとからあとから流れてくる人波。早くも遅くもまどろみ
のような速度の流れを、絢辻さんはまるで人々の心が読めているみたい
にほとんど真横に突っ切って、ほとりの木陰にちょこんと居座っていた
ベンチに腰を下ろした。
 僕はと言うと相変わらずな、その突然の流れについていかれず、十メ
ートルも押し流された末ようやく岸にたどり着き、ほうほうの体で上流
の絢辻さんと落ち合うことが出来た。
「あら、おかえりなさい。思ったより早かったわね」
「じょ、冗談やめてよ……」
 バッグから文庫本を取り出そうとしていた絢辻さんに、息を整えなが
ら何とか切り返す。絢辻さんは、ごめんなさいといつもの困った笑顔で
ベンチの隣を一人分空けてくれた。促されるまま、僕もそこに腰を下ろ
した。
「つまらなかった?」
 目の前を絶え間なく流れていく、カップル、家族連れ、女の子のグル
ープ。絢辻さんは僕の問いにもしばし無言で、その流れを追い、時折動
物の檻とそこに群がる人々を不思議そうに、けれど頷いたりしながら眺
めていたんだけれど、やがてその作業も終えて口を開いた。
「以前、水族館がダメだって話をしたことがあったじゃない?」
「ああ、うん。あったね」
 初めてのデートの時だ。景色の美しい部分だけを人工的に切り出した、
その押しつけがましい人間の自然美に対するエゴが鼻持ちならない……
そんな話だったように思う。
「でも、それについてはましになったって言ってなかった?」
「そうね」
 子供の歩くスピードに合わせて、流れ、澱み、時に逆流する人の瀬の
向こう岸、絢辻さんは視線を、さっきまで僕らがいたアムール豹の檻に
移しながら呟いた。
「水族館はまだ良かったのよ。幻想的、っていう免罪符……じゃないわ
ね、少しちがう価値があったから」
 その檻の中ではすらりと精悍な猫科の猛獣が、その精悍さを譲らない
まま、人々の視線に耐えていた。その向こうに寝床のある、コンクリの
壁をにらみ付け、観衆に背を向けて身じろぎひとつしない。獲物たちが、
自分の気配に気付かなくなるのをじっと待っているようだった。
「動物園って、どうしてこう現実的なのかしら」
「それは……確かにそう、かもね」
 絢辻さんの言うとおり、檻の動物たちにはもの悲しさを感じずにはい
られないし、彼らの領域のいたるところにこびりつく、消すことの出来
ない日々の汚れは、それがどうしようもなく現実であることを突き付け
てくる気がする。多分、そこにある哀しい現実の気配を、絢辻さんは僕
よりも見える目で、何倍も敏感に感じ取ってしまうんだろう。
「あたしたち、動物を見に来てるんだか、あたしたちを観察したい誰か
に動物を餌に呼び集められたんだか、分かりゃしないわ」
 組んだ膝に頬杖をつき、その感情をどう処理したものか……と、思案
することにも疲れた様子で絢辻さんは瞳を伏せた。
「ああ……そんな歌があったね」
「なあにそれ? 知らない」

 ♪檻の中にいる 子供の猿を 人の子供が眺めてる
 ♪どんよりとした 真昼の憂鬱 眺めているのは猿の方かもね……

 何かの助けになればと、僕は一節うなって絢辻さんの瞳をのぞき込ん
でみたけれど、彼女は無言で首を左右に一振りしただけだった。そりゃ
そうか。梅原が、アニメ研究所の連中から借りたCDだって言ってたか
らな……。人波の流れつく先で、ひときわ大きな声が上がった。その調
子は激しい。けんかが始まったみたいだ。これだけ人が集まれば諍いも
起きるか。絢辻さんはほとほとウンザリだと大きな溜め息を吐いて捨て
た。それでも、ここで立ち止まっていたって何も話が進まないことは分
かっていたのだろう。膝を押して無理に立ち上がると、
「行きましょうか。悪いけどここはさっと流して、どこか別へ行きまし
ょ」
と、再び、流れの緩やかなところを見つけて身を投じた。僕も慌てて身
を投げる。
 森島センパイあたりに尋ねれば、この施設の本当の楽しみ方を教えて
もらえるのかな。……絢辻さんの性質からいって、そんな教えを乞うこ
とは絶対にないと思うし、そのコツを上手く実践できるとも思えないけ
れど。



     *     *     *



 エントランスのほど近く、フラミンゴに孔雀にホロホロ鳥、鳥類の檻
が多く集まった辺りのテラスに絢辻さんを待たせて、僕は飲み物を調達
する。敷地から出てしまう前に一応ここの総括をしたいだなんて、本当
に絢辻さんらしい発想だ。
「紅茶もあったけど、ウーロン茶で良かったの?」
 ウーロン茶とアップルジュース、二つのカップをテーブルに置きなが
ら僕が尋ねるけれど、
「あたしが好きなのは『おいしい紅茶』。こんなところの業務用の紅茶
なんて、何が混じってるか分かったものじゃないでしょ」
と、絢辻さんはにべもない。機嫌が悪いわけではないけれど、なんだか
今日の絢辻さんは、強いて言うなら「難しい」。動物園の動物たちに、
なのか、もしくは他の何かになのか、思うところがあったのだろう。
「そ、そっか」
「あとで精算するわね」
「いいよ、つまらない思いさせちゃったみたいだし。このくらいは、お
詫びもこめてってことで」
 それはありがとう、と絢辻さんはウーロン茶に口をつけ、一息、小さ
く落ち着けた。
「別に、そんなにつまらないわけじゃないのよ。これはこれで面白いの」
 僕に気を使って余計なフォローをする人じゃないから、これはきっと
本音なのだと思う。ただその面白味が、デート向きのものじゃなかった
というだけなんだ。それならそれで、僕のことは忘れて存分にその面白
味に没頭してくれても構わないと思うのだけれど、絢辻さんは絢辻さん
で、一応、僕と居る時は、僕と……僕を? 面白がりたい気持ちを持っ
ていてくれるみたいで。
「確かにね。ここは他とはちょっと違うわ。それぞれの動物の習性をう
まく利用して、それが観客を楽しませるように、工夫が凝らしてある」
と、テーブルに描かれた園内のマップをゆび先でなぞりながら付け加え
た。
 そうなんだ。この動物園はただ動物を檻に押し込めて並べた普通の動
物園とは違う、一風変わった施設を売りにしていて。それぞれのスペー
スは動物が活発に行動したり、観客が動物たちの面白い、素の姿に出会
いやすいように彼らの習性や本能を刺激するように作られている。どこ
かでそれを聞きつけた絢辻さんが
「だったら面白そうね」
って言うから、今回のコースに組み込んでみたのだけれど。だからまあ
……僕がつまらない思いをさせたっていうと、実はちょっとニュアンス
がちがう。とはいえ最終的に誘ったのは僕だから、仕方がないし、それ
を引き受けるのはやぶさかじゃない。だけど、
「でもその分、たちが悪いわよね。やりきれないだけ」
 人の意地の悪さを見せつけるための施設みたい。絢辻さんはそう言っ
てウーロン茶の続きをあおると、カップの奥底を見つめた。そこには、
この動物園が話題になるキッカケになった白クマとペンギンが仲良く寄
り添う様子をあしらったロゴが描かれていて、半分残ったウーロン茶に
薄く映った自身の顔に、少し皮肉な表情で、絢辻さんは笑みをこぼした。
 そう、だけど、やっぱり哀しい顔は見たくはなかった。
「見た? さっきの狼」
「ああ、なんだっけ、『ヘアーズアイ』? すごかったと思うけど」
 人工的な丘をしつらえた施設に狼を放し、その地面の所々に空けられ
た穴から、Hare's、つまり巣穴にいるユキウサギの視点で狼を観察
するアトラクションだった。狼を間近に見ることが出来て、なかなか迫
力があった……と、僕は無邪気に面白がっていたんだけど、
「あれもきっと、狼が餌を探して活発に歩き回るように、お腹を空かせ
るようにし向けてあるのよ。なんだかやりきれないと思わない?」
と、言われてしまうと。
「なるほど……」
そんなものか。僕はもう一つ実感がわかずに、わかったようなわからな
いような返事になる。
 共感を得られないその空気に業を煮やしたのか絢辻さんは……ちょっ
ぴりエッジのきき始めた目尻の端に、瞳を流した。ムッとして、何か思
い巡らせている。沈黙はあるのに、煩わしいざわめきは大きくなるばか
りで。黄昏の図書館、公園、屋上。ひと気のないところで会うことの多
かった僕らには、今日のこの空気はちょっと異質で落ち着かなかった。
「にしても」
と絢辻さんは、途切れることのない人波を見遣り、続いて空を見上げる。
空は秋晴れの快晴。
「思いのほか、暑いわね」
 確かにそうだ。もうじき九月も終わるというのに気温はうなぎのぼり
で、連休の後半、人出が多いことも手伝っている。ここには風もない。
屋外にも関わらず熱気と湿気が渦を巻いて、吐く息までが疎ましい。
 さしもの、いつもは涼しい顔の絢辻さんも参り気味に襟をゆるめた。
掌ではたはたと、胸元に風を……。え、む、胸元? その、胸元に、風
を……はたはた、はたはたと……え、襟をこう、大きく……ゆるめて、
ですね。む、む、む、むな、ムナ、ムナモトに風を……はたはたはたは
たと……そうすると、薄いレースのついた襟がひらひらひらーって……
そんでこう、もう少し、もう少しだけでも風が強いと、その、奥の方が、
もうちょっとだけこう、奥の方までよく見え……ですね、えっと、じゃ
なくって、奥の方まで風が届いて涼しいんじゃないかと、僕はこう思う
ワケですよ。ねえ、絢辻さん。どうでしょう? 騙されたと思って、一
度試してみるというのは。ねえ、絢辻さん……? あ、あや……? 絢
辻……さん?
 はたりと我に返ると……、僕は身を乗り出し、対面に座る絢辻さんの
胸元にくぎ付けになっていた。食い入るような、今にも鼻血をこぼしそ
うな目の僕を、絢辻さんは冷たい目で……ほんのりと頬を染めて、けれ
どその手も休めずに、じっと睨みつけている。
「……」
「ご、ごめんっ!!」
 絢辻さんは何も言わない。険しい表情のまま、慌てて身を引き目を逸
らした僕を睨み続け……僕にそれ以上の動きがないのを見てとるや、ゆ
るめた襟を静かに合わせた。
「えとっ、その……」
「ね?」
「……え?」
「良い気がしないものでしょ?」
 クスッと笑った彼女は、言葉をなくした僕を横目に締めくくった。
 まさか。
 ……襟をどこまで引っ張れば僕からどこまで見えるのか。
 どれだけ風を送れば、襟が蠱惑的にはためくのか。
 ……そんなことまで計算しつくされた、それは……罠だったわけで。
哀しい哉、「動物」は「習性」を利用され、まんまと「観察」されたの
だった。安心するやら、失望するやら、情けないやらやりきれないやら、
えも言われぬ疲労感に襲われて、
「……勘弁してよ」
僕はテーブルの上に崩れ落ちる。絢辻さんは頬を赤くしたまま、こんな
餌に釣られる方が悪いんでしょ、と残りのウーロン茶を、融けた氷と一
緒に一気に飲み下した。自分でやっておいて何を怒っているのか、ボリ、
ボリと乱暴に氷を噛み砕き、「フン」って、「フン」じゃないよ。なん
だよもう。本当の本当に、意地が悪い。底意地、という言葉が何のため
に作られたのか、実感する。
「わかったでしょ、どれだけ底意地の悪い施設かってことが」
「そりゃもう……」
 設計した人の顔まで思い浮かびそうだよ。
 当の絢辻さんはもう一度襟元を確かめ、
「こっちだってノーリスクだったわけじゃないんだから、まだ良心的な
方よ」
と、執拗なくらい丹念に、襟のボタンを確かめた。一応恥ずかしかった
のだろう、はにかんだ睫毛の横顔が、バックに広がる秋の色彩とよく馴
染んだ。
 暑さと湿気。それ以上にどっと押し寄せた疲労にうなだれて、僕は正
直、テーブルに突っ伏したまま眠ってしまいたかった。そうでもしない
と、動悸と、中途半端に火の入ってしまった下っ腹の炉が鎮まりそうに
ない。ちらり、絢辻さんが人波と檻に気をとられているのを確認してか
ら、少しだけ……と目を閉じた。鉄製のテーブルは、ひやりとして心地
がよかった。
 ややあって、向かいでがたんと音がして、閉じた瞳の闇が濃さを増す。
立ち上がった絢辻さんの影だろう。ゴミでも捨てに行くのかな。放って
おいたら、また臍を曲げられそうだ。
「絢辻さん? ゴミなら僕が……」
 そう、体を起こそうとしたら……どうしたことか。絢辻さんは、僕の
座る二人掛けのベンチ椅子、その隣に腰かけようとしているところだっ
た。
 よいしょ、とお尻の下にスカートを整える、女の子独特の仕草の瞬間
にだけ現れるボディラインは丸く滑らかで、僕はその行動の意味も分か
らずただ胸をドキリと波打たせた。もう間近に迫った絢辻さんはさらに
一回、軽く腰を浮かせて、僕の方へ体をスライドさせると……しなだれ、
僕の首に腕をまわした。
「からかったりして、ごめんなさい。怒った?」
 細い二本の彼女の腕は、僕の両肩に乗っかって、顔が殆ど目の前だ。
肌のちいさな溝に入り込んだ汗が光っているのが見えるほど。今日は薄
く、お化粧をしているんだな……ファンデーションの甘い匂いが体温に
あおられて立ち上り、囁く声も、唇をくすぐる風になって感じ取れる。
「ちょ……!」
「だから、お詫び」
 そんな、らしくもない! ……そんな風に考えかける思考は分断され
る。ぐっと、肩にかかる重みが増した。多分その時の絢辻さんのフォル
ムは……四つ足で、しなりと歩くアムール豹。前肢で、獲物を抑えて逃
さない前傾姿勢の、猫科の絢辻さん、ここで復活? 秋物の大胆すぎず
慎みすぎない生地の向こうで、二つのふくらみが僕の胸との間で押しつ
ぶされて、ふやんと甘ったるい鳴き声を上げた……ような気がした。そ
の一瞬で、僕の口の中に唾液が溢れかえった。
「あ、絢辻さん……、ひ、人が……」
「いいじゃない。みんな、動物しか見てやしないわよ」
 覚悟するとか、勢いに任せるとか、なんかもう、そんなあと付け上っ
面の人的機能もどこへやら、僕はその直後に予感されるぬくもりと、押
し寄せるたくさんの水分とぬめりの感触に備えた。自分の入口から吹き
込むだろう、彼女の発する熱い風にただただ期待した。どう受け入れよ
う、どう応えよう? 僕の中で艶めかしくのたうつ彼女の舌に、どんな
挨拶で報いたら悦んでくれるだろう? もう何度目にもなるというのに
高鳴りは天井知らず、胸を突き破る大きさで打っていた。
 鼻先をくすぐり続ける、絢辻さんの匂いと吐息。目を閉じて、一秒、
二秒、三秒、四秒、五秒、六秒、七秒、八秒……。
 ……来ない。
 …………おかしい。
 ………………もしかして。
 体感、カウント十五を過ぎたあたりで僕はうっすらと目を開ける。瞼
と睫毛の向こうに滲んだのは、ぱっちりと目を開けて、僕を……またし
ても、動物観察を続ける絢辻さんの、今にも笑いだしそうに膨張した顔
だった。
「あ……絢辻さんっ!!」
「あははははっ……なあに、その、顔っ!?」
 一体僕はどんな罪深い顔をしていたのか……絢辻さんはお腹を抱え、
長いベンチ椅子に倒れ込んで、笑った。
「ほら、ね? やっぱり、良、良い気はしないわよね? あはっ、あは
はっ」
 なんだよ、もう! ホントに「する」ときには、絢辻さんだって大し
て変わらない顔をしてるに決まっているのに。学校で鼻血まで噴いたの、
どこの誰だよ!
 いつまでも笑いやまない絢辻さんを見て、さすがの僕も……すっかり
カラになった二つのカップを鷲掴みにして握りつぶすと、涙まで流して
震えている絢辻さんを尻目に、席を立った。
「あ、待って。ごめんなさいってば」
「……」
 どうにか持ち直して荷物を手にとり、絢辻さんが僕にとりすがる。珍
しい画だけど、今の僕にはそれを喜んでいる余裕もない。からんだ腕を
振り払う……度胸まではないけれど、ただ黙って、つぶれたカップをゴ
ミ箱へ叩き込むと、絢辻さんを引きずるようにしてエントランスに向か
った。



     *     *     *



R0021484_2

「ねーねー、どうして鷹さん、飛ばないの?」
 飛び込んでくるのは、子供の声。
 見れば、小さな女の子が出口も目前(入口直後、とも言うけれど)のオ
ジロワシの檻の前で、ワシの羽ばたくところを見たいと、父親を相手に
だだをこねていた。
 なるほど猛禽類のスペースはそれなりの広さがあるけれど、北の空を
どこまでも飛ぶ彼らにとって、囲いを多少広げたところでどれほどの違
いもないだろう。ならばいっそと、誇り高い彼らは鋭い爪を宿り木に食
い込ませ、最早それを求めない姿勢を崩さない。飛べる空があるならい
つだって飛んでやる。だがこんな安っぽい空を飛ぶ気は毛頭ない--背
筋を伸ばし、そう言っているみたいだった。一羽だけ、新入り、なのか
な。たまにバサッと広げては、止り木から止り木へ、時に檻の柵へ、落
ち着きなく飛び移っていたけれど……彼を見る仲間の目は、どこか冷た
さを隠し持っているように感じた。
 その子の疑問の素朴なことを僕は微笑ましく思って、少し気分が和ら
いだのだけれど……左腕にからんだもう一人の駄々っ子はそうもいかな
いみたいで。彼女が足をとめたから、僕はバランスを崩して引き戻され、
彼女に寄り添った。
「どうしたの?」
 絢辻さんは答えない。複雑な面持ちで。その子と鷲とをじっと見つめ、
「……そんなの、無駄だからに決まってるじゃないね」
と。いつか聞いた哀しい声で吐き捨てた。僕をたぐり寄せる掌にも一際
の力がこもっている。どうしたんだろう。愉快そうに僕をやりこめた瞳
は影を帯びて、はじめに動物の小屋を見ていた時と同じ、哀しさ、悔し
さ。いっそ憎しみといってもいいような、厳しい力を宿し始めていた。
 似たような目を、見た憶えがあった。

 --早く、家を出たいわ--

 それは、絢辻さんがお父さんの話をした時だ。今はまだ逃げ出せない
絶対的な庇護のもと、絢辻さんは唇を噛んで、その本心を僕に漏らした
んだ。どうしようもない現実。あらがってもあらがっても、その壁の高
さばかりを思い知る更なる現実は、哀しみを超えて最早滑稽だ。だから
今は、いつか羽ばたく日のための雌伏のときと言い聞かせ、精悍さを、
誇りを滑稽に堕とさないために彼女は毅然と前を向く。それがきっと、
誇り高き彼女のジャスティス。そしてそのとき一言は、そんな彼女が漏
らした、悲鳴のほんのひと欠片だったんだ。誇り高き、野生の悲鳴。そ
れを聞くことがどれほど稀で大変なことだったのだと気付くのにも、僕
は随分時間をかけてしまったっけ。
 ……だめだな、僕は。いつまで経っても。
 絢辻さんの手はいつの間にか力を失い、だらりと垂れ落ちていた。そ
のゆび先を僕は手探りで見つけ出し、少しだけ、その気持ちがが伝わる
程度に、荒っぽく握り取ってみせた。驚いた彼女の頭がかすかに跳ね上
がる。
「どこか、行きたいところはある?」
 僕は顔を見ない。視線をエントランスに固定したまま尋ねた。
 ……歩き出すまでの間、絢辻さんは無言だったけれど、
「あそこへ行きましょ。昨日行った、丘がもう一度見たい」
とようやく発したその声は、地底に溜まった湖の、青い青い水面のよう
だった。どんな感情なのか、
「……同じ場所でいいの?」
 僕よりも少し背の低い絢辻さんは、上目遣いのまま。珍しく、無言で
一つ頷いた。
 昨日僕らが訪ねた丘のまちは、町全部が丘……なのか、丘陵地帯を畑
で埋めつくしたその地域をまとめて町と呼んだのか、どちらかは分から
ないけれど、見渡す限り丘、丘、丘の、畑、畑、畑で、視界を遮るのは、
はるか遠くにそびえる山か、風除け目的で植えられた白樺の木々のどち
らかしかなかった。どこまでが見えているのか、視界の端がはたしてど
のくらい先にあるのか、全く自分のスケールでは測れない、そんな町だ
ったのだ。
 空と道、雲と畑しかないそこで、絢辻さんはそこに吹く風にただただ
遊び、はしゃいだり、大きな喜びを露わにするではなかったけれど、心
地よさそうに、青と白と緑色をバックに、ただ一切の柵の取り払われた
自由であることを胸の奥まで吸い込んでは、それを広がる空に返してい
るようでさえあった。
「そんなに気に入った?」
「そうね」
 理由はよくわからないけど、と前置きをして。
 何かいいことでも思いだしたのか、少しずつ表情に晴れやかさを取り
戻しながら。
 僕の恋人は、腕を離れて歩き出した。
「あそこは良かったわね。落ち着けた。あれだけ広い空間なのに、それ
全部と自分が、一対一だって思えるの。自分が一で、目に入る物全部ま
とめて一で、それで一対一」
 お昼を過ぎて、エントランスからは新しい観察者たちが未だぞろぞろ
と雪崩れ込んできている。彼らの話し声。道のそこかしこから生えてい
る高い塔のてっぺんの、スピーカーから流れてくる音楽や放送、やっぱ
りどっちを向いても目に入る、動物たちの小屋。自動販売機にゴミ箱に。
振り仰げば、広がる空は昨日の丘と地続きのはずだった。なのになんだ
か、色が違う、風が違う。たくさんのものが混じって、密度を上げて、
それらは僕たちをすりつぶすほど、この場所を占拠していく気がした。
踏ん張っていないとここからはじき出されてしまう、そんな焦燥感と疲
労感。
 そんな風景の中、絢辻さんは振り返って嬉しそうに微笑んだ。
「そう思うと、すごく気が楽になったわ。自分にもこれだけの広がりと
価値があるんだって思えたの。分かる?」
 本物の丘の上にあったのは、自分と同じ浸透圧を持った風景だった。
自分の吐いた息が目の前の風に均しく融け込んで拡がり、やがて何かを
伴いまた僕の中に帰ってくる感覚は、確かに感じるところがあった。
 ……絢辻さんは、すごい。そんな風に感じたことを言葉で言い表すな
んて、僕には出来ない。だけど彼女が言ったことは、僕の心の中にある
象にピタリとなじんだ。彼女にはそれが出来る。それが出来るから、僕
は絢辻さんと安心して繋がっていられるんだと、僕は勝手に思っている。
絢辻さん、君を好きで良かった。
「そうだね。それは、なんか分かる」
「そ。良かったわ。じゃあ、日が落ちる前に早く行きましょう」
 ひらりと鮮やかに身を翻し、彼女の足首で生まれた力がつま先でしな
やかに地面を蹴るのを見た時、僕にも、ストンと腑に落ちるものがあっ
た。
「ああ、なるほど」
 それがあんまりバッチリとはまったものだから、僕はうっかり声に出
してしまった。
「? なによ」
 怪訝そうな顔をして。或いは、僕のロクでもない思いつきを察して。
せっかく前を向き始めた彼女は、一回転してまた僕を向き直った。しま
った。面倒なコトになった。
「あ、いや、たいしたことじゃ」
「言いなさい」
 遮る言葉もスピード感にあふれて、途端に絢辻さんは責め……否、攻
めに転じる。さっきまでは泣きそうな顔をしていたくせに。けど、いく
らボヤいたところでオフェンスに回った彼女を凌ぎきるだけの技術が僕
にないのは今日までの時間で明らかだ。無駄な抵抗はもうしない。僕は
観念する深呼吸の影に、そっと溜め息を混ぜた。
「えっと、……つまり、絢辻さんが言いたいことっていうのは」
 たどたどしく話し始める僕を見て、何か面白そうなことが起こる予感
に絢辻さんは瞳をきらきらさせ始めている。たとえそれが上手くなくて
も、それを肴にまた僕をやりこめるつもりなのだ。ご期待に沿えればい
いけど。僕はコホンヌと一つ咳払いをし、出来るだけ高い声が出るよう
に喉を整えた。
 --息詰まる、一瞬の静寂。
「『あたしはね、猫なのよ』」
 僕が彼女の口まねをすると、絢辻さんは、目を丸くして固まった。本
当に不思議なことに、その瞬間だけは周りの雑踏すら音を失ったんだ。
そしてその目が怖い光を宿す一瞬の呼吸を見計らい、その機先を上手く
制するように、僕は続きの言葉をポンと吐く。
「『名前は、まだ無いの』」
「やめてよ」
 僕の言おうとしたことに気付いたのか、絢辻さんは尖らせかかった目
尻を丸め、言葉尻に笑いを含ませた。というか、実際、ぷっと小さく吹
き出した。
「あなたそれ、最後まで読んだ?」
 そう言えば、冒頭くらいしか知らない。そのことを正直に白状すると、
絢辻さんは呆れ笑いで腰に手をやった。日本を代表する古典くらいきち
んと読みなさい、と優しいお説教を戴く。はあ、御尤もです。
「その猫。酔っぱらって、お酒におぼれて死んじゃうのよ?」
 ああ、そんなラストだったっけ。僕はなんだか愉快な気分になって、
ははっと笑った。
「そっか。絢辻さんに限って、それはないね」
 絢辻さんも釣られて笑う。そういうこと、と胸を張り、
「解釈としては、面白いけどね」
と、満足したように背中を見せて、先を歩き出した。
 自分の名前も知らない猫。抗い切れない現実。人が見ているのか、は
たまたその逆なのか、そして社会と自然の相克──そんな今日の色々が
綯い交ぜになって、出てきたイメージはそれだった。
「あ、でも」
と、エントランスを抜けたところで。絢辻さんは何かを思いついた
様子で、人差し指を顎に添え、空を見上げて呟いた。
「ラターシュとか」
「え?」
「ロマネコンティとかね」
 一つ目は分からなかったけれど、二つ目は聞き憶えがある。確か、も
のすごく高級なワインの名前だ。だから一つ目も多分、似たような話な
のだろう。結局何の話かと思えば、お酒に溺れて死んでしまう、自由で、
皮肉屋で、滑稽な猫。その話の続きだった。
「その辺に溺れるのなら、悪くないわね。安酒は御免だわ」
 ……う~ん。元気が出たのはいいけれど。
 絢辻さん。
 その発想が、既にずいぶん、俗っぽい気がするよ?



     *     *     *



R0020967_2

 それから電車を乗り継いで、さらに駅から歩いて二時間ばかり。遠く
山々を見晴るかす、高い高い丘の上。タバコだかクルマだかのCMで有
名になった一本の木の下で、夕陽にも早い中途半端な時間のせいか、僕
と絢辻さんの二人きりだ。
 そこで、
「ありがと」
と突然お礼を言われて、僕はまた、すぐには反応できなかった。ここま
での道中、絢辻さんは左手で右手をさする仕草を繰り返していて、僕が
どうにもそれを気にかけて、
「もしかして、手」
と切り出した時だった。本当は手のことを先に確認したかったのだけど、
絢辻さんが意味ありげな視線を微笑みと一緒に送ってきたから……お礼
の方も無視することができなかった。
 遠い遠い山の上にある空気を吸いこみながら、絢辻さんは
「以前はあなたのせいで不安定になったりしたものだけど。今日ばっか
りは助かっちゃった」
と、もう一度右手……僕が動物園で乱暴に握った右手をひとさすりして、
その時の痛みごと、大事そうに左手で包み込んで目を伏せた。
「ああ、うん。……痛かった?」
「少しね。驚いた」
 そうは言いながら、絢辻さんは嬉しそうだった。自分の右手と僕を交
互にまじまじと見つめ、一つ、自嘲気味な笑いをもらした。
「吾輩は、猫である」
 見渡す限りの広い世界にぽつりと落とされた彼女の呟きは、ちいさな
痛みを伴った波紋になって、けれどもその輪郭はしっかりとした強さを
持っていて、消えずにどこまでも広がっていく。何を伝えようとしてい
るのかは、……相変わらず、わからない。ただ彼女が、自分の中にある
大切なものを、もう一度、確認しているように僕には見えた。
 それはさすがに気恥ずかしかったのか、僕を振り返ると照れ笑いを浮
かべた。
「だとすると、あなたは案外、」
と、彼女が言いかけたその途端。
 丘の上と言わず、空と言わず、とにかく目に入る全ての上を吹き抜け
たとても大きな風に絢辻さんは長い髪を弄ばれて、短い悲鳴を上げた。
風は絢辻さんだけでなく、草も、木々も、作物の葉も均しい力で撫でつ
けて、そうすると山々までが、同じ角度で傾いだように見えた。
「やっぱり、すごい景色ね!」
「そうだね。絢辻さんの言ってた通りだ」
 一対一。自分と、それ以外。やがてその風が止むと、辺りからは一切
の音が消え失せ、目の前の畑から、視界の涯の山の上まで同じ大気で繋
がって、そこにあるものの存在が確りと肌に伝わってくる。自分さえ動
かなければ、何か音が鳴ったなら、それは隣のもう一人の立てる音で。
絢辻さんが体の重心を少し変え、髪をかきあげ、息をする、瞬きをする、
唾を飲み、胸を高鳴らせているのが……こんなに広大な時間を目の当た
りにしているっていうのに、たなごころで触れているように伝わってく
る。不思議だけど、当たり前のことのような気がした。
「……知ってる? 人間の体の中で、一番最初に生まれた部分」
 するとまた突然、絢辻さんは不思議なことを言い出した。けれどきっ
と、僕と同じようなことを考えていたのだろう。アプローチの仕方こそ
違え、唐突にも思えるその質問が行き着く先にはそんな予感があった。
だから、……答えはやっぱり分からないんだけど、すんなりと、流れに
乗ることが出来た。
「そんなの、脳」
「ぶぶー」
「……じゃないの?」
 半分食い気味に不正解のブザーが鳴る。絢辻さんにしてみれば僕の間
違いまでが筋書き通りで、絢辻さんは悠々と話を続けた。小砂利の足元
を確かめながら、僕の周りを歩きながら。
「最近の研究だと、小腸ってセンが有力らしいわ」
「小腸?」
 また、随分とマニアックな。凡俗な僕はそんな風に思ってしまうのだ
けれど、医療を志す才女の認識は、もっと論理的だった。
「そんなことないわよ。栄養を吸収する部分よ? 生き物がただ生きて
いくのに、これ以上必要な部分ってある?」
「ああ……なるほど」
 あたしも言われるまでは気がつかなかったんだけどね、そもそも最初
の生き物は……と、生命の歴史やネタばらしを含みつつ、講釈をする絢
辻さんの描く足跡は、僕を中心にその半径をすこしずつ狭めている。
「小腸自身にも、脳みたいな働きをする機能があるんですってよ。脳と
は独立してね。入ってきた栄養を判別して、それを取り込むのに必要な
命令を、周りの臓器に出すの」
「それはわかったけど……」
 どうして今、そんな話を? 多分僕がここで臓器の話を始めていたら、
絢辻さんは「ムードないわね!」って怒り出しそうな気がする……ん、
待てよ、ということは? 僕は一つの仮説に辿りついて、それを確かめ
るために黙って話を聴いた。
「だーかーら、脳なんて、最初はオマケだったって話よ。今じゃ他の部
分が複雑になりすぎたから、脳が一番エライ、みたいな顔してるけど。
所詮人間も、成り立ちは、食べたい寝たい繁殖したい、ってところにあ
るのよね」
 ……日は、徐々に傾き始めていた。すっかり夕陽の時間帯になれば、
きっとここにも観光客が押し寄せてくるんだろう。今は、つかの間の静
寂。波一つない空気を介して繋がった僕らは、畢竟、考えてることは一
つだったってことだ。その空気さえも取り払いたい。そんなことだ。
「えっと、つまり」
 それでも強気に踏み切れずにいた僕に、絢辻さんは。
「……さっきの続きをやりましょ、って言ってるの」
 そう言って、僕を向き直ると背伸びをし。僕の胸に体を預けると……
今再び、首に腕をからめてきた。拗ねたように。
「……その辺は、もうちょっと脳みそを発達させてくれると助かるんだ
けど」
「ごめん」
 僕は体全体で彼女の体重を支え、そっと腰に手を……回そうとして、
嫌な記憶につい身構えてしまった。まさかな、という刹那の硬直を察し
たのか、
「しないわよ。三度も」
と申し訳なさそうに、そして照れくさそうに上目遣いで訴える……絢辻
さんはずるい。本当にずるい。こんなの、もう一回騙されるとわかって
いたって逆らえっこ無いじゃないか。
「そ、そっか」
 そうして素直に狭まる距離。それがカクシン。
「それにね」
 一対一の世界で、唇が触れ合うほんの一瞬前。
「これ以上は、いくら観察しても無駄な気がするのよ」
 絢辻さんが呟いた意味深なセリフが頭を離れない。僕の背中に回され
た彼女の右手が、ぎゅっと強い力で訴えていた。


 --狼の本質なんて、食べられでもしてみないと分からないのかも、
   って、思うしね。


「だとすると、あなたは案外……」のその続き。
 だけど絢辻さん、気付いてるのかな。狼から獣を抜いて、女をくっつ
けると娘になっちゃうんだよ?
 そんなことを考えて。静かに激しく溶け合うさなか、舌先でこっそり
確かめた絢辻さんの犬歯は……僕が思っていたよりもずっと、丸くて、
可愛らしかったのだった。

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                        (おしまい)


       ~~Epilogue~~


  橘 「さて、人が増えてくる前に、帰ろうか」
 絢 辻「……ねえ」
  橘 「ん、なに?」
 絢 辻「今日のは、その……随分……丹念に……」
  橘 (ギクリ)
 絢 辻「……なんて言うか、口の中じゅう、あちこち……」
  橘 (ま、まずい。
     最中にそんなこと考えてたなんてバレたら……)

 絢 辻「……。わ、悪くなかったわよ」
  橘 「え? ……あ、そう。そっか。それなら良かったよ」
 絢 辻「うん……。良かった……かも」
  橘 (た、助かった……)

 

……思いの外時間がかかってしまった……。
ちょっと、自分の旅の風景にひっかけて、
絢辻さんを登場させようと思っただけだったのですが。
そんな気持ちの、『アマガミ』絢辻さんSSでした。


オイサンです。


今回の旅は親も連れて、北海道は旭川・層雲峡まで行って来ました。
あと、昨今話題の旭山動物園と、美瑛の丘。
いやー……楽しかったけど、くたびれた。
くたびれたけど楽しかった、が正解ですかね。

普段はいつも一人旅、ひと気のないところで一人黙ーって、
物音一つ無い空気を腹の底まで満たすことに至上の喜びを感じる……
そんな遊びばかりしているものですから、
イザ、人様を連れて楽しませようとなると、
普段はやらない、フツーの人たちの楽しむような、
観光地を観光地として楽しむテンションが求められるわけで。

初日は、旭川に行くといつも立ち寄る喫茶店でお茶と軽食を楽しみ、
二日目は層雲峡、大雪山系のお膝元にて
ロープウェイとリフトで黒岳の七合目まで上がって紅葉を楽しみ、
降りてきては銀河・流星の滝を見て楽しみ。

三日目は層雲峡を離れ、
観光タクシーを呼んで美瑛の丘巡りを楽しんで参りました。

最終日の四日目は、英国式ガーデンを作っている
上野ファームガーデンさんを見て回り、
観光タクシーさんの薦めで、ここンとこ話題の
行く予定の無かった旭山動物園さんにまで行って来ました。

二日目・三日目まではオイサンの得意分野に近かったので良いようなものの、
最終日はもう、なんとも人の多いごたる。
「本当にここは、オイサンの愛する、あの深く静かな北海道か?!」
と目を疑うばかりでありました。

人混み怖い!!
連休恐い!!
助けて絢辻さん!!

人が多いと自分では予想の出来ないコトも起こりますし、
なかなかスマートにコトが進まないものですしねー。

マとは言っても、相手は所詮両親ですから好みも大概把握していますし、
お膳立てするのもスポンサードもオイサンですから、
多少失敗したって何を咎められるわけもなく、
ラクっちゃこの上もなくラクなんですけどね。

美瑛の丘を一人てくてく歩き、
目の前につづく道征きや、振り返った背後に延びる元来た道行きを見るときのあの、
絶望的でわびしい心持ちの面白さ。

時折足を止めて、遠くに見えるものや、足下に落ちた何気ないもの……
それは自分にとっては珍しいものでも
そこにはもう何十年も昔から当たり前に人々の営みに合間に常に落ちているものであったり、
自分にとっても当たり前のとるに足らないものなのに
旅情が色付かせてくれるふとしたときめきによって特別な輝きを放ち始めたものであったりするのだけれど……
そういったものたちのその瞬間に特有の陰影を、
どうにか永劫先の自分にもとどけられるようにと、
苦心惨憺の末にこざかしいデジタルデータの写真に押さえ込むときの、ひとときの喜び。

今回はワリと慌ただしく、
そういうしみじみとした感情をじっくり味わう時間は短かったのが残念です。
マその分、普段味わわないような人ごみの中での気分との対照が取れて、
面白かったかなあとは思いますけども。

ちょっとSSの方は、後半のまとまりが悪くて。
またあとでこっそり直そうと画策中。

直しました。多少は読みやすくなった気がしています。

オイサンが動物園で感じたやり切れなさや、
美瑛の丘で、これまでの旅の中で感じ続けてきた感覚を絢辻さんに預け、
彼女の感覚で咀嚼してもらいました。
オジロワシの檻の前の、女の子のセリフなんかはノンフィクションです。

……まあ、『アマガミ』の世界観とは一切関係のない話になってますね。
それはわかってます。
あまりに無理やりだった。

まあ、ね。
お写真と合わせて、オマケ程度に楽しんでもらえれば幸いかと。


ちょっと駆け足気味ですみません。
オイサンでした。


    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク



 

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2009年9月27日 (日)

■ボクとぐぬぬと無関心 -更新第315回-

アナちゃんにそっくりのオンナノコを見かけました。
オイサンです。

■『苺ましまろencore』 OP 苺すぷらっしゅ


あの子に「ぐぬぬ」と言わせることが出来たなら
オイサンはもう死んでもいいウソです。



Ameiro_2
飴色の時間……。



本日、都下某県の駅にて用を足そうとトイレに入ったところ、
手洗い場に消毒用のアルコールスプレーが備え付けられていて、

「新型インフルエンザが流行しております。予防にご協力下さい」

と書かれてある。
なるほど、人の集まる場所だけに神経質になっておるな、
と思いながらコトを遂行していると、
オイサンとほぼ同時に入ってきて隣で用を足していた年輩の御仁は
フツーに手も洗わずに出ていってしまった。


……え? そこから?


……。
そういうお里柄の土地なのかなあ、
確かにちょっと、町並みにもうらぶれた感があるなあ、
という思いに捕らわれかかり、
いやイカンイカン、たかだかオッサン一人が便所で手を洗わなかっただけで
町全部をインモラルだと考えるのは早計に過ぎると己を諫めていたところ。

オイサンの背後の個室……
すなわち、大きいか小さいかで言ったら「大きい」と言われる方のアレを
ひりだすためのスペースから出てこられたオイサンより一回りも若い御仁も、
手洗い場に一切目をくれることもなく、一直線に出口へ向かわれてしまった。



無関心。



思いの外、世間というのは様々なことに無関心なのだなあ、
マスコミの書きたてる騒動などというものは、ものの一部の祭囃子に過ぎぬのだなあと、
己の不見識を恥じた日曜日でござったよ。
ニントモカントモでござるなあ。
ニンニン。



■一発ネタ(普段書いてるコトが一発ではないというのか)



Oshikko


イヤ、あんたコレは……。
心が汚れてなくても、一発目は……尿だと思うだろう。
二度見してしまいました。
思わない?
オイサンだった入居をためらうレベル。
住所で書きたくないです……。

宅急便屋とかに絶対言われてるって。
「また、お○っこアパートの荷物かよ……」とか。


オイサンでした。


……何か今日は、下の方向にネタが偏ってしまったような。
サテ今日は、近い時間にもう一更新……行きます!



 

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2009年9月26日 (土)

■リサさん、お肩を叩きましょう。混沌♪ 混沌♪ 混沌♪ 沌 -更新第314回-

どもっす、『アマガミ』、橘さん役のオイサンでーす。

いやあ……首肩の痛みが抜けない。
痛み止めを飲んで風呂に入っていたら、体の中で腸が
ぐねんぐねん痙攣してるのがわかって若干ビビる。
大丈夫か。

で、聴きました、
『良子と佳奈のアマガミ・カミングスウィートラジオCD特別編』!!

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今回のゲストは、高橋先生役の早水リサさんです!!
なかなか面白かったです。

……なんでこのラジオは、来る人来る人みんなカオスなんだ。
声優って人種がそうなだけか。
いやでも、他の作品付きの声優系ラジオはもうちょっと、
スジに則った展開があるものだが。
真面目っ子だったのはサワシロスくらいしか記憶にないなあ。
『アマガミラジオ』じゃないけど。
もちろんカオス大好物だからいいんですけどねーだ。


  「聞いて。なんでも聞いて。なんでもは困る」


には笑わせてもらった。
スゲエ方向転換の早さ。
あと、今回の『にぃに、何かいいコトあったでしょーぅ?』
のコーナーは変則。
イベントの選択肢ごとに橘さん役が、寺島兄さん、シンタス、アスミスと入れ替わるという
展開に。

そこで際立ったのは……アスミス橘の破壊力の高さ。

やっぱすげえわ、アスミスの橘さん……というか、
キャラをぶっ壊すことを恐れない、アスミスの演技の自由さ。
一緒に長いことやってて、それをずっと見てきたにも関わらず
シンタスにはその壁を破れないところを見ると、
やはりアスミスの発想力と言うか、ナチュラルなテンションが
群を抜いているということなのだろうな。

寺島兄さんの演った橘さんと、シンタスのやった橘さんは、ちょっと物足らないもの。
こぢんまりとまとまっててさ。
アスミスがいないと、あのコーナー企画は成り立ってなかったんだな、
ということがひしひしと感じられる、そんな回でしたとさ。

あと、今回は寺島拓篤兄さんが、プロのアマガミスト(笑)として、
コメンテーターでパーソナリティ側に参加されていたのですが。

  ……ぶっちゃけ、いらなくね?

いや、いてくれて面白い、華やかである、話は聞きたい、
という気持ちはもちろん全然あるのですが、
それによって、アスミスのテンションが若干スポイルされている気がする。
役割分担は出来てるからいいんだけど、
アスミスが出っ張れる部分が、相当量、減らされている気がする。

兄さんがいないことによって話題の流れが変わり、
アスミス・シンタスのコンビネーションが新たに生まれて
アスミスが出っ張れるべきところがもっと出来るように思うのだけどなあ。

寺島兄さんも悪くはないけど、やっぱりシンタス・アスミスのコンビネーション、
スの女の子同士の会話みたいな、どうでもトークをもっと聞きたいオイサンとしては
ちょっと納得いかんなあ、という気がしたのでした。


ぽてちん、と。


しかし早水さん……オイサンと同い年かー……。
厳密には、学年はイッコ上だけど。
オイサンと同い年だと、オシゴトの現場では
ポジション的にはこういう位置にいるものなんだなー。


以上、ワリと簡単に。
オイサンでした。

 

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2009年9月25日 (金)

■げっと、わいるど -更新第313回-

帰宅はスポーツだ!
オイサン@帰宅部です。

4km近い道のりを、30分強で歩いて帰ると汗だくになります。

みなさん、シルバーウィークはどのようにお過ごしになられましたでしょうかね。
オイサンは、
「シルバーウィークは、敬老の日が含まれてるからシルバーウィークなのかなあ」
などと真面目に考える毎日です。


  ★「一生の仕事」のくだりに、ちょっとだけ追記しました。(9月26日 AM10:00)


■ホントにホントにホントにホントに……



そのシルバーウィーク、シゴトバの後輩が、
埼玉県は鷲宮の友人宅に遊びに行って、

  「鷲宮で一番有名な場所へ連れて行け!」

とゴネたところ、鷲宮神社に連れて行かれたと嘆いていました。
駐車場が痛車で一杯で、
そのテの方々がたむろして楽しいお話に花を咲かせていたので、
車から降りずに駐車場を一回りし、
そのテの方々のお話を軽く盗み聞きしてそのまま帰って来たのだそうです。



サファリパークかっつうの。



近すぎちゃってどうしよう? ってやかましいわ。



■富士サファリパーク




■バラ色ですか? ブルーですか?



今日シゴトバで、
話のわかる後輩・ハニワ氏とやりとりしたメッセンジャーでの会話が
あまりに面白かったので載せておきます。

 ハニワ氏◎ アマガミは、例の隠しキャラの攻略でしたっけ?

 オイサン◆ 一周して絢辻さんを。

 ハニワ氏◎ 何度目だ……
       まぁ、私のG-GENEも同じような状態ですが……

 オイサン◆ 見てないEDもたくさんあるのでね。

 ハニワ氏◎ マルチEDの恐ろしさですな……

 オイサン◆ 愉しさです。

 ハニワ氏◎ あと何回、同じことを繰り返すのか……

 オイサン◆ 満たされるまで。

 ハニワ氏◎ 満たされるんですか?

 オイサン◆ わかりません。

 ハニワ氏◎ 難儀なものですな……

 オイサン◆ だからやるのです。

 ハニワ氏◎ 答えを見つけるために?

 オイサン◆ なぜ生まれてきたのか?
       と同じことです。

 ハニワ氏◎ 哲学ですな。

 オイサン◆ そうですか?

 ハニワ氏◎ 幸せとは何なのか……

 オイサン◆ ポン酢しょうゆだろJK

 ハニワ氏◎ では、アマガミにポン酢しょうゆで……

 オイサン◆ なんか、期せずしてかなり幸せそうな感じになったな。

 ハニワ氏◎ 幸せそうで何よりです。

 オイサン◆ そんなに褒めるなよ。

 ハニワ氏◎ 私にも幸せを分けてほしいくらいです。

 オイサン◆ 大してかわりゃしませんよ。
       多分アナタの方が幸せだ。

 ハニワ氏◎ マジですか?
       全く、満たされてないんですが……

 オイサン◆ 似たようなものです。
       今は追いかけるものがあるだけで、満たされてはいません。
       その追いかけるものも、
       追いかけたところで幸せになれる目算はありません。

 ハニワ氏◎ 私は、追いかけるものも見つけられていないです……

 オイサン◆ それは多分私のほうがおろかなだけで、
       私と同じ状態になっても
       ハニワサンが幸せを感じることは出来ないでしょう。

 ハニワ氏◎ まぁ、幸せのカタチは違うでしょう……

 オイサン◆ 人から与えられるものではないということです。

 ハニワ氏◎ 分かっていても、求めてしまう……
       なんと愚かなことでしょう……

 オイサン◆ 先ずは自分がナニモノなのか、それが事実ではなくても
       自ら規定してみることが大事なのかもしれません。
       それに基づいて何かを追いかけてみて、
       それが本当なのかどうかを見極めることが
       第一歩なのではないでしょうか。
       その際、頑なになって間違いを続けないことが大事です。

 ハニワ氏◎ 何か、その道の方みたいだ……

 オイサン◆ 自分でも何言ってんだと思っています。

 ハニワ氏◎ 教祖様になれる資格があるのでは?

 オイサン◆ 教義の一行目に
       「ポン酢しょうゆだろJK」
       って書いてある宗教は儲からないと思います。
       ミツカン。

 ハニワ氏◎ きっと、百人くらいは迷える子羊が集まるでしょう。

 オイサン◆ ナベやるには多すぎる……

 ハニワ氏◎ かなり、荒んでいますから……

 オイサン◆ お友達とクダまいて発散してください。
       ミツカン。

 ハニワ氏◎ 味ポンで?

 オイサン◆ ポン酢しょうゆはキッコーマンだった……orz


……とまあ、根も葉も身も蓋もないような会話なワケですが。
あながち、オイサンの「先ずは自分がナニモノなのか~」のくだりは
冗談全開というわけでもないのですけどね。

自分がナニモノなのか、なんてのは小難しい、うさんくさい話のようですが
別段そんな難しい話でもなく。

自分が心にもつ、自分の一生の仕事は何なのか、
「自分が自分にもたらす幸せ」と「自分が他人にもたらす幸せ」のバランスは、
自分が何を行うことによって一番良く保たれるのか。

「一生の仕事」と言っても、別段お金を稼ぐことじゃなくてもいいんです。
それは、自分が何者であるかを規定するためだけの行いであればいいんです。
今の人間、お金を稼がないと死んでしまいますが、
自分が何者であるかを証明し続けるために、
お金をもらえなくとも続けるべきことであればいいんです。

オイサンが敬愛してやまない、
『水曜どうでしょう』のカメラ担当ディレクター・嬉野雅道氏・通称うれしーは、
このような言葉を残したと言います。


  うれしー「僕はね、藤村君。
        こうやって君に、色んなことを話しかけるのが、
        僕の一生の仕事だと思ってるんだよ」


藤村君というのは、同番組のメインディレクターである藤村忠寿氏、
通称藤やんのことで、藤やんと二人、編集室にこもって番組の編集をしていたときの
お話だといいます。

多分うれしーは、藤やんのことを一種の天才だと、認めずとも認めていて、
その彼の才能を引き出し且つ阻害せず、
その天才を受け入れながら傍にいることが出来るのは、
自分だけだという自負があったのでしょう。

もちろん演者としての藤やんには、
天才・大泉さんという相方が歴としているのですが、
それを影で支えることが出来るのは、自分だけなのだと。
それを支え続けることが、うれしーにとっての「一生の仕事」だったのでしょう。

  もちろん、自分がそれほどに思いこめるほどの行いなのであれば、
  それは自然と周囲に認められ、収入に繋がって行くことは多いと思いますが。

そんな一生の仕事としての答えを一つ、
自分で思いこみ、本当にそうなのかということを実践し、
確かめる時間があってもいいんじゃないか?
という程度の話なのです。
……まあ……それだって、実際にやるには十分に難しい話なのですけどね。

幸か不幸か、我々は自由独立の時空
……それは現代という時間であり、日本と言う豊かな国のことですが……
に生まれ、本来はもっと、社会や文化、風土などといったものに、
縛られたり、迎合して融け込んでいったりするべきところをそうしないで生きていけてしまうワケで、
それはとても有難い現象であると同時に、
幼さの進行する我々にとってはナカナカ難しい出来事だったりもするんですよね。

だからまあ……誰も叱ってはくれませんし、
選べる道も、その導も無限に近くあるわけですから、
だったら、無碍に諦めたり、狭苦しく決め付けたりしないで、
自分の思い込めるままにやらかしてみたって、それもそういう「時代」なんじゃないのかなー、
なんて思うのですけどね。

……なんてことを、「幸せ=ポン酢しょうゆ」だと言いきって憚らない
昭和のオッサンが言ってみたって、誰も聞き入れてはくれないのでしょね。
マいいけど。
ぽてちん。

■不思議色ハピネス


■完全なる一揃え


  http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090925_317556.html


……よーっしゃ、わかった。
コナミ、お前の気持ちはよくわかった。
信じよう。
付き合ってやるぞ。
どこまでもその覚悟を貫く気なら、一緒に地獄へ堕ちてやろうじゃないか!!



オイサンでした。



 

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2009年9月23日 (水)

■オイサン は マヒしてしまった! ……色々と! -更新第312回-

オイサンでーす。
帰ってきましたー。
うーい。

The End of Trip
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で、いっちょ面白いことでも書くかと気合をいれていたのですが……
何やら首から背中にかけて、
筋の突っ張るような痛みがあって両腕がシビれる。
むおう。

旅の二日目から、宿のマクラが合わないのか同じような状態ではあって、
けれどさほど痛いわけでもなく、
寝違えでもしたんだろうと思っていたんですが……
昨晩帰ってきてからやたらとヒドイ。
首が前後に稼働する範囲がやたらとせまくて不便である。
首のヘルニアってやつだろうか?
参った。
肩から腕がジンジンして落ち着かない、まとまらない。
温泉地に行ってヘルニアに罹ったとか、洒落にもならんな。


■ヘルニアンの午後


いや別にまだヘルニアだと決まったワケじゃないんだすけど。
そんなオイサンは、出発前に調達した
美也のキャラソンやら中多さんのキャラソンやらを聴き、
『アマガミラジオ』を聴いたりしていたわけです。

アマガミ キャラクターソング vol.3 アマガミ キャラクターソング vol.3

アーティスト:中多紗江(今野宏美)
販売元:インディーズ・メーカー
発売日:2009/09/18

アマガミ キャラクターソング vol.4 アマガミ キャラクターソング vol.4

アーティスト:美也(阿澄佳奈)
販売元:インディーズ・メーカー
発売日:2009/09/18
Amazon.co.jpで詳細を確認する

美也のキャラソンは……
正直、何が起こったのか、一瞬理解出来んやった。
これは作曲者や作詞者が思いつくことなのか、それとも編曲者のシワザなのか?
マでも、全体的な完成度としては、これまでリリースされた4つの曲の中では
一番好きかも知らんです。
しかし美也に、

  ♪もっと 本気で誰か さがさないとダメだよ♪

とか言われると……親に「ちゃんと嫁をさがしなさい」と言われるよりも
リアルに切実に感じてしまうのは二次元野郎の習性なのだろうか。
困ったものだ。
美也は頻繁に、

  ♪にぃにが美也の彼氏になって

だとか、

  ♪美也がにぃにの彼女になってあげようか

だとか言ってきますが、これが冗談なのか本気の照れ隠しなのか、
ちょっとわからないところが今回の妹キャラ・美也の魅力であり破壊力なんでしょうな。
そこに加えて、

  ♪美也もいつかは恋をして素敵なお嫁さんになるかな?

だとか、

  ♪ねーねーにぃに 教えてよ 男の人ってみんなそうなの?

だとか、自分の外に向けた恋にも積極的に見えるあたりが、
より美也のにぃにへの感情をミステリアスにしていて面白いなあと思うのです。
まあ根っこの部分では多分、本当に何も考えていないだけの、
ただただ、にぃに大好き! の無邪気な妹ってところなのでしょうけど。
うーむ、ミリョクテキだなあ。
歴代妹さん( or お姉さん)の中でも、群を抜いて面白いキャラクターであると思います。

中多さんの方の曲は、
なんか思いのほか緩やかなばかりではなくて華やかさのある曲で、
打ち込みではなく、楽器を使った生録音で聴きたい感じです。
多分、聴き応えがあると思うんだけどな。

あと美也のモノローグドラマで不覚にもほろっとなってしまった。
やっぱり、二人でいる時間の長い兄妹だったんだな、橘家は。
そしてこのキャラソンシリーズは、ジャケットのデザインが、
どれもとっても魅力的ですよね。
なんかお菓子のパッケージみたいで楽しいです。

ラジオの方は……えーっと、伊藤静さんは男らしいなあ、ということで。
ちょっと豪傑すぎやしませんか。
マ劇団やってる女の人なんてあんなモンかな。
大学んときに散々見てきたじゃないか。 >俺


……マそんなことなので、
ちょっと長い記事を書くヨユーがない。
チキショウメ、ままならねえ。
悔しい。
どこ行って何したとかは、別途色々とからめてまた書こう。


オイサンでした。


 

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2009年9月22日 (火)

■岩の星から愛をこめて・2 -更新第311.1回-

まあ、アレですよ。

R0021030

オイサンくらいになると、絢辻さんにお土産を買って帰ることくらいは
造作もないコトなワケですよ。

……えーと、自分用、ですからね。
本気にしないように。

コレのとなりに並んでいた、白と黒のペアのティーカップを見て
「『これ、絢辻さんにぴったりだと思って!』
 とか言って買って帰ったら
 『どういう意味よ!』
 とか、問い詰められるんだろうなあ」
などと考えたところまでは本当です。

R0020898 R0020631

しかし温泉宿というのは恐ろしいところだ。
浴衣姿の妙齢の女子が、無防備にウロウロしていらっしゃる。

小学生女子を三人も釣れた、やたらと細身の奥さんとエレベータで一緒になったときは
正直どうしようかと思いました二重の意味で。

やっぱ人間、たんまり寝て、がっつり食べるとそういう風になっちゃうんだねえ。
イヤだね、人間てね。

R0020841

オイサンでした。

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2009年9月21日 (月)

■岩の星から愛をこめて -更新第311回-

流れ星を見ました。
オイサンです。
今回は時限ではなく、リアルタイムに更新中です。

今こんなトコにいます、ということでお写真をば。
携帯から繋いでいるため、あまり容量がかさむと地獄を見るので小さめの写真ですが。

Soun1 Soun2 Soun3_4

しかしまあ……
旅情に浸っていても、要所要所で絢辻さんのことを考えるのを忘れないのもオイサンさすがです。

お宿のお風呂が素晴らしけりゃスバラシイで、
あんなことやこんなことを夢想したり、
空港で自分の飛行機を待つ間、丘の上の公園で離着陸する飛行機を眺めながら、
絢辻さんはこの時間を、無駄と思うかゆとりと思うか、と考えてみたり。

デ夜。
満点の星空をぼんやりと堪能していたら、
流れ星がしゅーっとオイサンの視界を横切って行かれました。
ワリと長い距離、長い時間。
1秒くらい……は流れていたでしょうかね。

うーん……一人で来て、絢辻さんとの妄想にもっとどっぷり浸りながらの旅も
ちょっとやりてえなあ。
許しておくれよマイハニー、今度は一緒にこような。

とまあ、短めに。
オイサンでした。

 

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2009年9月20日 (日)

■ジブリ実験劇場 -更新第30?回-

絢 辻 「……」

絢 辻 「……どこほっつき歩いてんのかしら。
     あのトウヘンボク」

絢 辻 「あたしのこと、ほったらかしにして」

絢 辻 「……」

絢 辻 「別にいいんだけどね。
     
ウワキ……してるわけじゃないのは分かってるから」

絢 辻 「それにしても、連絡の一つくらいあってもいいんじゃない?」

絢 辻 「あーあもう。あたしも、どこか行けば良かったなあ」

絢 辻 「一人で行ってもつまらないから、行かないことにしたんだけどね。
     誤算だったなあ」

絢 辻 「……。
     今頃何してんのかしらねー。
     温泉浸かって、おいしいもの食べて、紅葉でも見て……」









       イラッ。








絢 辻 「何かしら。無性に腹が立ってきた気がする」

絢 辻 「家族旅行だっていうから大人しく引き下がったけど」

絢 辻 「大体……!!
     ……そろそろ、家族に紹介してくれたっていいんじゃないの……?
     
モウ……」

絢 辻 「北海道かあ……。楽しそう」

絢 辻 「摩周湖と知床は一度見てみたいのよね……あ、あと釧路湿原も」

絢 辻 「神威岬っていうのも、すごいって言ってたっけ。
     大体、なんでひとりでそんなに北海道ばっか行ってんのかしら。
     ほんと変わった人」

絢 辻 「北大、受ければよかったかなあ」

絢 辻 「
ハァ……」

絢 辻 「『サビシイ』ってだけは、絶対に言わないでおこう……」

 
 
 
 
 
……などと、時限で更新を埋め込んでおいたら
あとで自分で見たときにニヤニヤ出来るかな? という実験なのであった。
オイサンでした。
フケンゼン極まりねえオッサンだな。




 

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2009年9月19日 (土)

■寝不足悪魔の星占い -更新第310回-

とか言いつつ、出発前にひと更新してみる。
オイサンです。



■愛が、加算する……!!



『ラブプラス』。
盛り上がってますなあ。
オイサン的には、ワリと「本当か?」という気分で
今のフィーバーを見ているのですが。


ラブプラス ラブプラス

販売元:コナミデジタルエンタテインメント
発売日:2009/09/03
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こういうリアルタイムクロックを利用したゲームというのは過去にも何本か出ていて、
さほど成功した例も見受けられず。
今回はその辺の失敗を大いに学んで、従来の問題を解消してきた、
ということなんでしょうか。
それとも携帯機フォーマットに載せ換えただけで問題が解消されたのか。

  大体、過去作品で見受けられた問題点のようなものは、
  このテのゲームの美点と表裏のものであることが多かったはずなので……
  問題を取っ払っちゃうと、ウリの部分も薄まってしまって
  このシステムを採用している意味もなくなってしまう危険性がありますしな。

『Room Mate~井上涼子』とかと、ゲーム性の面でどれくらい違うんだろう。
あとはキャラクターの作りこみの部分でしょうな。
名前を呼んでくれる、とか。


■ルームメイト 井上涼子



「2次元嫁と24時間、本気でイチャイチャする」というカルチャーのようなものが、
認められやすい土壌が出来上がったということもあるのかもしれませんな
(世間的にはもちろんアウトでしょうけども、
その昔はオタクの間でも抵抗のあるカルチャーでしたから……)。

しかし……みんな、普段から脳内彼女と思う存分、
表でデートもしてるんだろうに。
今更それがゲームで出来たからといって何故そんなにフィーバーしてるんだろう?

マやってみんことには
ゲームの面白さなんてわからないのですが……
『アマガミ』も終わってない、『DQ』もじわじわ進行中のオイサンが
画面にキス出来るのはいつのことなのか。

世間的に下火になってからモフモフしてるのはどうなんだろう、
お寒い感じになってしまうだろうか。

ちなみに、『ラブプラス』関連の記事を見た理解ある後輩、ハニワ氏(仮名)と
オイサンのある日の会話。


  ハニワ氏 「みんな重症ですね」

  オイサン 「そうだな。ヤツらは病気だ」

  ハニワ氏 「先輩はまだやらないんですか?」

  オイサン 「今オイサンが始めたら、合併症を起こすだろう」

  ハニワ氏 「……ああ(なんとなく納得したらしい)」


……病気は一日一時間!
睡眠は一日十二時間!!



■寝不足悪魔と星占い



スイミンと言えば、この3日ほど、睡眠時間が5時間を切る日が続いていたので
昨晩はちょっとたくさん目に寝ようと、起きる時間から逆算して、早めに床に就いた。

オイサンは、いわゆる睡眠の90分ルールにかなり忠実な睡眠サイクルを持っているようで、
3時間、4.5時間、6時間、7.5時間という区切りで目を覚ますと
かなりスッキリ目覚めることが出来る。

  ついでにいうと、3時間未満ではマトモな活動が出来ない(3時間でもツライが)し、
  9時間寝るとやはりどこかおかしくなるので選択肢は大体この4つ。
  6時間寝られない時間帯に突入すると、無理にでも起床時間から逆算して
  4.5時間寝られるような時間に眠るようにしている。

  さらについでに言うと、30歳を超えた辺りから、
  上記の区切りに+30分、必要になってきた気がする。
  3.5時間、5時間、6.5時間、という具合に。
  7.5時間は7.5のままでも大丈夫っぽい。
  みんなも気をつけろ。
  ココロはともかく、カラダはいつまでも昔と同じじゃないんだ。

  モ一個ついでに、4.5時間寝たときと、7.5時間寝たときは
  起きた後ちょっと乾いた、高めのテンションになるのだけれど、
  3時間と4.5時間のときは凹み気味のテンションになることが多い。
  オイサンだけなんだろうかな。

デ、普段の平日は、4.5時間と6時間をテレコテレコにするような感じしている
(月曜:4.5時間 火曜:6時間 水曜:4.5時間……といった具合に)……というか、
やりたいことをやりつつ体の要求を聞いていると自然にそんな風になるのだけれど、
今週はずっと4.5時間続きだったのでちょっと体が重かった。

なのでまあ、今日は特に運動もお休みして、7.5時間、寝ようと思った。
すると案の定、6時間くらい寝たところで目が覚めてしまった。
一旦トイレに行って水飲んで、ちょっとネット見て、また寝直しましたけど。

やはり睡眠時間が不足すると、その気はなくてもイライラしてしまうというか、
思考が攻撃的に傾くような気がする……と、昨晩、寝る前にコメを洗いながら思った。
オシゴトは今特段に忙しいわけではないのだけど、
どうでもいい雑談なんかで不必要なくらいツメてしまったなあとか、
帰りの買い物でもどうでもいいくらい待ち時間にイライラしてしまったなあ、
とか思い出す。
よろしくないな。

  寝不足時のテンションと勢いは、
  書き物をする時にはかなり助けになることもあるのでオロソカには出来ないけど。



■星空のパワー



そういうイライラによる悪影響なんかを、
「星占い」というヤツは中々絶妙に指摘してくれて面白いよなあ、
なんていう風に、オイサンは思うのです。

星占い。
朝の番組でながれるのとかね。
皆さんはどういう風に付き合ってますか。
付き合い方が、色々あると思います。

一切合財信じないし、アテにもしない、と言う人。
アタマから丸呑みにして信じてしまう人。
ワリと多く聞くのが、良い結果だけは信じる、と言う人。

オイサンの場合、悪いコトを言われた時だけアテにするようにしています。
どういうことかと言うと……マ奴さん、いい加減なことをおっしゃるわけですよ。
「今日は車に注意!」
だとか、
「今日はいつもよりイライラが募りそう! 何ごとも落ち着いて!」
とか。

まあ、そこまで言うんであれば、別段言う通りにして損をするワケでなし。
道を歩く時いつもよりも車に注意してみたり、
オシゴトをするときにいつもよりも意識して、出来るだけ落ち着いて、モノゴトを丁寧に進めてみたり、
するのです。

それをやって、目に見えて得をしたとか成果が上がったとか、
災厄から身を守れたということは実感としてはありませんが……
そういう日々の細かいことを注意してくれる人っていうのは
身の回りになかなかいるもんじゃないんですよね。

  お母さんくらいなモンですよ、そこまで言ってくれた憶えがあるのって。

それをまあ、事細かに
「階段に注意!」だの、
「人間関係がギクシャクしそう! 終始笑顔で!」だのと、
デタラメにしたって、普段忘れがちなことを言ってくれるわけですから、
なかなかありがたい装置だな、と思うのです。

そういう意味で、
「悪いことを言われたら、日々への戒めのつもりで、
 特に自分に油断のあるつもりでなくても、言われたことに対しては注意して
 一日過ごしてみる」
というのが、オイサンの星占いとの付き合い方なのです。

そんなことで、オイサンはいくつか占いのサイトを巡回するのですが……
なんで占いって、基本、女性向けに書かれてるんですかね。
やっぱり女の人の方が好きなんかなー、占い。

……ちなみにオイサンが好きなのは、
週刊ファミ通に載っている福田有宵先生の占いと、
ここのジョナサン・ケイナーさんの占いです。


  ◆ジョナサン・ケイナーの星占い
     http://www.cainer.com/japan/


特にジョナサンのはもう、当たってんだか外れてんだか、
何を言っているのか絶妙に漠然とした言葉遣いが最高に面白いです。
もうね、
「虫食いにしておくから自分で勝手に埋めて、自分の状況に当てはまるように解釈なさい」
みたいな態度が最高です。
読んでて飽きません。
「多分、本人も何のコトを言ってんだか分かってねえな」という空気が素晴らしい。
「あ、自分次第なんだ」
という雰囲気がもう。
ウマイ。
ウマイことこの上ない。
是非一度、読んでみることをお奨めします。


イカン、時間がない。


マそんなことでね(どんなことだ)。
オイサンでした。
今度こそ行ちきます。

■星空のパワー




 

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2009年9月18日 (金)

★お知らせ the Information

オイサンです。

明日から長メのお休みですな。
ありがたいことです。
デその間、オイサンもちょいとばかり遠出をしてまいります。

そして残念なことに、お世話になる先に
ネットワークの設備がありません。
ですんで、少しの間更新が滞ってしまいます。

  トホー。
  LAN設備の有無を確かめるのを怠ったよ。

  つーかここ、『アマガミ』以前は週イチ更新ペースだったんですけどね。
  今年に入ってから更新ペースが異常だ。

最近、定期的に見に来て下さってる方もいて下さるみたいで、
せっかくのお休みに何のお楽しみもご用意できないのは申し訳ないのですが、
ご容赦のほど。

  マこちとらは、別段オシゴトでやってるわけじゃありませんけど、
  オシゴトだったら休みに休むのは当たり前なのでね。
  趣味だからこそ、休みにわーっとやって面白がってもらえたらなあ、
  とかは、思うワケですよ。
  こんなオッサンでもね。
  見て下さる人がいるのなら。
  皆さんのおかげなわけです。
  本当に感謝しております。

「手帳の中のダイヤモンド」第六部の、PRE STORYも本編も、
着々と準備はしていますので、是非とも飽きずに忘れずに、
また遊びにいらして下さい。

  ちなみに「手帳の中のダイヤモンド」の次回は
  PRE STORYのその2を予定してます。

出先でも、またここでの色々に活かせるように
面白いものを拾い集めてきたいと思います。

思えば、春に『アマガミ』を始めてからこっち、遠出は全然していませんで、
『アマガミ』以前は休みとあったら出てましたからねー。
ちょっとマンネリ気味だったかもしれませんが、
今回、何か新しい気持ちでモノが見られると、
また面白い反応が起こるかも知れないと、ちょっとした期待感もあります。

  うへへ、新しいときめきにムネを膨らませるオッサンきめえ。
  すいませんねどうも。

出先でも、更新はスキあらばしたいと思ってますので、
……マ皆さんもね。
休みのヒマを見つけて覗いて下さると、
なんか面白いことの一つくらいは言えるかもしれません。


それではすみません、良いお休みを。
行ちきます。
オイサンでした。


 

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2009年9月17日 (木)

■逆襲のRemembrance -更新第309回-

今のご時勢、自分がインフルエンザでもないのに病院に行ったりしたら
インフルエンザにかかりそうで怖いよ。
抽選で2万4千名様に中る!
WHOに怒られそうなのでこの辺で。
オイサンです。



■二つのデザイン



約13年前、オイサンを覇道に堕とした、あいつらが帰ってきた!
LEGEND STRIKES BACK .
伝説は、今甦る……!!


  ◆ときメモシリーズ最新作『ときめきメモリアル4』がPSPで発売決定!
                           [チラシの裏でゲーム鈍報]
  

いやゴメン、どうやら甦らないっぽい。
なんだこの、ヒロインのパンチの無さは。
また何か勘違いしてるんじゃないのか。
また、これをかわいいと、「フツーっぽさが良い」とか思ってやってるのか。


  オイサンには……うっすいオバサンが、
  風俗かなんかでコスプレしてるように見えるぞ。


そしてアイドルグループから引っこ抜いてきた連中に主題歌を歌わせるとか、
作詞が川嶋あいだとか。
いや、どちらも実力のほどは存じ上げないのでモノとしての良しあしはわかりませんが、
なんというか、雰囲気の作り方からして、オイサンらの心から乖離している気がするのですが、
大丈夫でしょうか。

どこを向いて作ろうとしているのかが今一つ分からない、というか、
不安にさせる方向ばかり向いている気がする。
テンションが上がらないんだ。
応援するぞって気にさせてくれないんだよ。
なんでだ。
オイサンは『アマガミ』だって、やる前はここまでの熱の入り方はしてなかったけども、
それでも「頑張ってもらおう! 買うぞ、買って、やるぞ!」
っていう気持ちはあったんだよ。
それすら……感じさせてくれないのか。

なんでね。
なんで、開発が85%に達するまで発表しなかったんでしょう?
35%くらいで発表しとけば、ユーザーのブーイングが聞こえた時点でまだ方向転換がききはしないでしょうか。
マ会社のすることだから、そう簡単に変更は出来ないでしょうけど。
そういうマーケティングって駄目なんだろうか?
今時の、ネットワークの時代に。

システムとか、ゲームの根幹のところは、そりゃ譲れない物があると思うよ。
だけどさ、キャラデザインって、こういっちゃアレだけど……
所詮は見た目だぜ?
沢山の人が喜ぶ方向の方が、良いと思うんですが……それは素人考えなんでしょうかね。

チビキャラはやたらイケてるように見えますが、期待していいのか?
いいんだな?
……まあ、『ラブプラス』もあのキャラデザインで随分な大当たりをしていることだし、
今の若い人たちにはこれでも当たるのかもしれんなあ。


そして昨日、オイサンが寝込んでいる間に発表された新しいウォークマンのデザイン。

 ◆ソニー、2.8型有機ELで7.2mmの最薄ウォークマン「A840」
  http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090916_315778.html
 ◆ソニー、iTunesからのD&D転送可能なウォークマンS
  http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090916_315807.html
 ◆ソニー、歌詞表示など「新音楽体験」提供する新ウォークマン
  http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090916_315926.html

オイサン、これはカッコイイと思います。
新しい。
ちょっと、「え? アレ?」と思わせるところもあって、
好みは分かれると思うけど、その引っかかりが近い将来「かっこいい」側に傾くような予感。
昔のレコードプレイヤーというか、蓄音機というか、そういうところを狙ったデザインですよね。
古くて新しい、そんなカッコよさを感じます。
マたかだか、見た目の話なんですけどね。
それでも、テンションが上がるわけですよ。
オイサン、SONYが好きなわけでもなんでもないんですよ。


好き嫌い……なんだろうけどね。


でも……『ときメモ4』のアレは……なんだろうなあ。
その「ちょっとスカシた外し方」を、本当に外してしまっている気がするんです。
特徴の出し方というか……本来、差別化を図って、パンチを利かせるべきところを、
ヨソとの違いばかりに気がいってしまって、
人のいないところ、人のいないところへと向かった挙句、
本当に人のいないところに辿りついてしまったような……そんな悲しさを感じます。


でも、まあ……。


……うん。
良かろう。
仕方がない。
飲み込んでやろうじゃないか。
応援するぞ。
一度は救われたこの命、
たかだが1万円もしないソフト一本、何の惜しいことがあるものか。
見た目の関は超えてやる。

だからもう一度……今、すでに存分に震えあがり、
上がり切ったこの魂をさらにもうひと震え、させてみてくれるかい。
絢辻詞というモンスターを超える物語を見せてみろよ。

信じてやろうじゃないか、THE LEGEND STRIKES BACK .
せっかくだから、俺は、好きとか嫌いとか、
最初に言い出した、その始まりのプライドに賭けるぜ(by コンバット越前)!!


……負け戦は好かんなあ。
オイサンでした。


 

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2009年9月16日 (水)

■昏ら病みのブックストア -更新第308回-

『ドラえもん のび太とローアングル探偵団』
オイサン@来春公開。

うーむ、体調を崩してしまったぞ……。
とりあえず、流行りものの連邦の新型ではなかったので一安心だが。

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だらだらと撮り溜めてた、夏の名残り。2連発。


デ本日はオシゴトも閉店、
ここぞとばかりに昼間っから『アマガミ』でもかっ喰らってみるかと思ったモノの、
病の頭ではテンションも思うように上がらず、
だらだらな五目プレイになっても意味がないので断念。
ままならぬのう……。

ちょっといじってはみたのだけれど、
七咲BOMBに薫さんのシリアイフラグを叩き潰されて血圧ばかりが上がる結果に。
この小悪魔めがーッ!!
ちょっとパンツ黒だからって調子に乗るんじゃねえーッ!!

  あと、気付いたこと。
  あの本屋のカウンターのアンちゃん、たまにゲーセンにいるよな。

  個人的には、本屋に並んでる雑誌のラインナップが、実はずっとツボだった。
  『セーフ』はケッサクだと思います。
  他の雑誌名もいいアジだしてるけど、アタマ一つ抜けてる気がする。
  橘さんは、ローアングル探偵団もあの本屋で買うのかなあ。

……しかしまあ。
絢辻さんはかわいいけど、考えれば考えるほど、わからなくなるなあ。
生身の人間が目の前にいれば、こんなに悩むこともないんだろうけど。

Main
そんな可愛い絢辻さんと、大好きなメイン画面。

当たり前のように続く毎日。
オイサンでした。


 

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2009年9月15日 (火)

■君の涯 -更新第307回-

今日は朝から、絢辻さんにつかまってしまった。
<スキGood>のことが頭から離れない。

前も思ったことだけど、今更ながらに思えば、
<スキGood>がこんなに重要な位置にあることに
どうして今まで気付かなかったのか。

今まで、絢辻さんの色んな物語の部品を拾い集め、
幾人かの人ともお話をさせてもらって、
『アマガミ』本編の中で語られない時間の出来事について考えを巡らせてきた。
なかでも「<スキ>のその後の絢辻さん像」というものは、
やっぱりどうにも、ヒントがなくて、けれども無いなりに、
頭の中で埋めて築き上げてきたのだけれども。

オイサンは一応、公式ガイドとかその他の情報から、
<スキGood>のビジュアルがどんなものなのか、ということだけをラフに知っている。
ただ、そこに流れている空気や、言葉がどんな物なのかを知らない。

……<スキGood>に描かれている時間から想像すると、
そこには、そのこと……「<スキ>のその後の絢辻さん像」に対する
ハッキリとした答えが埋め込まれている可能性も、存分にあるのだよなあ。
怖い。
上崎さんシナリオに対して抱いた恐れと同じように怖い。

……ただ、今までお話ししてきた人たちの言葉や態度から想像するに、
彼らもハッキリとした像を結んでいるワケではないようにも見えるので
(気を使って巧みに隠して下さったのかも知れないけれど)、
そこまで明確な物は無いのかも知れないと、小さく「安心」してもいる。

今までさんざっぱら妄想をひっくり返してきて、
しかもそれを、こんな場所で公にブち上げてきて、
それが根底からひっくり返るようなら、なんかもう。

うーん……あまりに迂闊だ。
もっと早い時点で回収しておくべきだった。
ていうか、こういうものは、本来全部キッチリクリアしてから
書くべきなんですけどね。

  けれどもオイサンはもう、
  ゲームのプレイに関してはのんびり屋さんだから……しょうがない。
  「お前それ、答え書いてあるよ」と、ずっと思われてたら
  この上もなく恥ずかしいけど。

目の前には大きな連休が控えているのだけれども、
故あって、その期間はほとんどゲームに、『アマガミ』に触れることが出来ない。
触れるのは最終日くらいだろう。
なんとか最終日には、今のプレイのエンディングを迎えられるように
進めておこうと思っていたのだけども、進行度合いもあまり芳しくない。
ちょっと先になりそうだ。








もどかしい。
来週のアマガミラジオも、聞けるのは最終日か?








でもまあ……いいか。
そこで、これまでオイサンが積み上げてきた答えが崩れ落ちるなら、
それが全く納得の行かないおかしな物でない限り、
そこからまた新しく、面白いことを考え続けていけるだろう。

それは、とても幸せなことなのかも知れない。
自分で書いといてナンだけど。


そんな気持ちで『日曜の雨のように』を聞いていたら、
見たことのない装い……中学の時の制服だろうか、
暗くくすんだモスグリーンのブレザーに臙脂色のタイをして、
ブラウンに赤のチェックの入ったプリーツスカートを履いた絢辻さんが、
街にたたずむ映像が浮かんできた。
相変わらず、思いつめたような貌をして。



安心しなよ、もうちょっとの辛抱だから。



……と、油断して休み時間に昼寝してたら、今度は。
晩ゴハンを食べてるオイサンの、
テーブルの真向かいに絢辻さんが座って。
頬杖つきながら






  「おいしい? ……そ、良かった」






とか、ほほ笑むだけの夢を見た。
そして畳みかけるように、風呂でボーっとしてたら、
絢辻さんを嫁にやるような気持ちになって泣けてきたりした。
俺は一体、何と戦っているんだ。

だめだな。
なんかもう、今日はだめだ。
どうした俺。たまにあるな、こういうこと。


■日曜の雨のように




さて次は、どうにか取り繕おうと真面目ぶった話題のコーナーです。



■芥川賞、「終の住処」を読み終える。



実は随分前に読み終えていたのですが。
単行本の方ではなく、全文掲載されていた文芸春秋を買いました。
受賞者インタビューとか、サラリーマンの小説執筆時間術、
みたいなところを読みたかったので。

デ、感想。

面白かったです。
話のスジ自体にさほどの面白みはなかったものの、
「時間」というものを、文章全身で表現しようと言う、
言葉そのものでも、行間でもなく、文章が持つ時間の流れで絵を描くようなやり方に
とても感心させられました。

  イヤもちろん、中身にも表現にも、オイサンがわざわざほめるのも
  そりゃアンタ僭越ってもんだろ、というくらいの面白さはありましたよ。
  でもそれ以上に。

こういうやり方もあるのか、文章単体とか、ボキャブラリーとか、表現力とかではなく、
「文章」そのものを筆にして、ざーっと紙面に
延々と連続し続ける物語という絵を塗りつけるようなやり方。
戦絵巻じゃないですが、主人公の男性の人生絵巻を右から左へ、
時系列に沿って、緻密にではなく、勢いと連続性を大事に描ききっているような
(実際は緻密でもあるのですけど、それを感じさせない速度があります)。

面白い。
とてもとても、面白かったです。
本を読むのには、普段、猛烈に時間のかかるオイサンですが、
その途切れない連続性とスピード感に引き込まれて、
異例の速さで読み終えることが出来ました。

「文章で何かを表現する」ということの奥深さを感じられたような気がします。
物語のオリジナルはとうの昔に死んでいるのかもしれないけども、
そういう色々を人間がたくさん内に蓄積してきたことで、
それを利用して描けるものが、新しく生まれてくるんじゃないだろうか。

  だけど……あれですよね。
  「物語のオリジナルは死に、今生まれているものは全て模倣である」
  なんて言えてしまって、しかもそれを本当だと実感できてしまうというのは、
  その後、人間の根っこの部分は一切変わっていないということですよね。
  それは確かに、本当のことだと思うのだけど。
  完成してもいないのに、根っこの部分が変わらない……
  そこを変えなきゃいけないのかどうかは、オイサンにはわかりませんが、
  やっぱり頑なにならざるを得ない部分なんでしょう。
  誰でも怖いところで。

  ガンダムやラピュタじゃないけど、根っこが変わるのは
  地面から足が離れた時なのでしょう。多分。
  そしてその萌芽は、肉体的にも、心の面でも、
  ワリとすぐそこに来ているような気はしますよね。

  そのときには、新しい物語が生まれるチャンスはあるのかもしれない。
  閑話休題。

この作品は純文学……なのでしょうが、同じ手法を使ってラノベ的なものを書いたら、
それはそれで面白いことになりそうです。
途切れない、気にしない、ラノベ。
……ラノベのメイン顧客は、その厚みのなさについていけないような気がしますが。
思えば『ドクロちゃん』は、コレと似たようなものなのかもしれないなあ。

紋切り型のベタな物語と設定に、
意味を最大限に凝縮して詰め込んだオタクの共通言語を活用して一気に走り抜ける……
ちょっと違うか。



……ど、どうだ?
どうにか誤魔化せたか……?


……。


ただオイサンは、絢辻さんがどんな未来を迎えたとしても……


  「……それで?
   ローアングル探偵団を失ったあなたは、
   いったい何を面白そうと思ったの?」


と強弁を繰り出す……あの底なしのゆとりとセンス。
頭の良さに裏打ちされた心の足腰の強さだけは、失って欲しくないと心から願うのです。

……とかいう男の独善を、女性は嫌うのでしょうね。
難しい話です。

だけど、絢辻さん、オイサンは今の貴女が……
誰よりも真剣に生きてる絢辻さんが、やっぱり大好きなんじゃよ。
そこだけは分かってくれないか。


オイサンでした。





 

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2009年9月14日 (月)

■冬のデ・ジャ・ブー -更新第306回-

        コスモ
燃え上がれ、俺の体脂肪!!

 
……駄目コスモ。 
オイサンです。



■すれちがうどころか、出会ってしまった二人。



今日、帰りの電車の中で『ドラクエIX』のすれ違い通信をしていたのですが。
ウチに帰って結果をチェックしてみると、こんな御仁が。


 ◆称号
    伝説の紳士
 ◆プロフィールメッセージ
    
(前略) しんしのまえにヘンタイとつけたいぜ!!


ご、御同輩キターーーー!!
オイサンも、プロフィールメッセージは


 「てんから まいおりた ヘンタイしんし!
  (中略)
  こんしゅうも アナタを ア マ ガ ミ♪」



としてあるので、多分あちらも今頃戦慄していることでしょう。

  「一回り以上トシの違うオッサンから同類のすれ違いが……!!」
                            ((((゚Д゚;))))

神奈川県在住、ハタチの「たかっし」さん、見てますかー。
今日あなたとすれ違ったイカスでーす。
あなたのキャラはロイヤルルームにお通ししておきましたよー。
仲良くしてあげて下さいねー。

ちなみにオイサンのパーティには、

   アヤツカ

という名前の、お目々パッチリの黒髪美少女魔法使いがいます。
……「いばらのむち」を装備しています。
うるさいな、いいだろ。



■『アマガミ』~熱き真冬のELEVEN



オイサン的『アマガミ』プレイレポートのLap-11。
今回は、
絢辻さんの<スキGood><スキBad>、
梨穂子の<スキGood><スキBad>、
そして上崎さんのハッピーエンドを回収する6週間。

いやあ……いいわ。
久しぶりに絢辻さんとまともにしゃべった気がする。
やっぱり絢辻さんは、イイ。

前回は美也ルートをたどるのに、
絢辻さんは完全にはずれてもらってソエン行き、
前々回は、上崎さんルートメインで絢辻さんの<スキBest>をたどったものの、
あまりにたくさんのヒロインを並走したために
最低限のイベントしか開けなかった。

今回こうして、ワリとガッツリ気味に細かいイベントも覗いていけると……
なんていうか、枝葉の部分に絢辻さんの良さがもう、
ホントにたくさんにじんでいて……嬉しい。
かわいいなあwww

今回ピリッと引っかかったのは、
昼休み、テラスで本を読む絢辻さんとの一幕。
なんてことのない、このテの性質を持つヒロインにはお決まりのシーンなのですが、
自分の正体から滲むものを嗅ぎ取った主人公に対して、

「あのねっ」

と、自ら自分の正体を明かしてしまいそうになる絢辻さんに……
ちくりとした痛みを感じた。

これだけたくさんの絢辻さんを見てきた後だと、
もう、普段から本当に、張り詰めてパンパンになっていて、
あふれ出しそうな自分を、誰か、
誰でもいいから少しでも自分に近い誰かに共有してもらいたいと……
もうこの時点で、思わずとも感じていたのかなあ、と思えてしまう。

  このときは、「その相手に主人公が相応しい」とは確信はなくて、
  もしかしたら、レベルの感情だったのでしょうけども。
  主人公に知って欲しい、ではなく、
  少しでも可能性のある誰かはけ口を見つけたい、と。

そして「絢辻さんの家族」の設定は、
ただただ、絢辻さんを追い詰めるためだけに作られた設定なのかもしれないなあ、
と思えました。
家に逃げ場があってしまうと、
そこまで強く開放の相手を求めるモチベーションが湧き上がってこないだろうな、
と思ったので。

  まあ、絢辻さんのネコの発端は家族なので、
  そう考えると話はグルグル回ってしまうのですが。

薄く、大きく張り詰めた風船の表面をそっとなでるような……
そういうやさしさ、儚さへの気遣いを求められる
絢辻さんとのコミュニケーションのあり方に、
オイサンは惹かれているのかも知れないです。


あと、5日目の上崎さんルートへのフラグももちろん立てて進んでいるのですが、
ルート2周目になると、話の途中の上崎さんにも
ちゃんとボイスがついててビックリしました。
ホント、丁寧に作ってあります。



■リョーコとカナの、Sweetもアマいもカミ分けて!



秋の夕日がつるべに落ちて、輝日東の冬も目の前だ!!
『アマガミ』Webラジオ「良子と佳奈の アマガミ カミングスウィート」、
本日は第25回です!




……とまあ、ここ数回は華麗にスルーしていた当番組。
モチロン聞いてはいたんですけども、これと言ってここで触れることもなく。
ですが今週は、
あまりに男らしいお父さんのお便りが来ていたので軽く触れてみる。

しかし……どうだろう、父親の部屋にギャルゲーがあって、
攻略本があって、サントラがあって、
挙句にドラマCDやムック本までが大充実していたら。

オイサンだったらまあ……一応は嬉しいんだろうけど、
それでもやっぱり、一瞬ドキッとはしてしまうんだろうなあ。
このメールを送ってきた息子さんは、一体おいくつなんだろうか?

文面はワリと落ち着いてらしたので、そこそこのお年……大学生以上だとは思うんですがね。
となると、オヤジ殿は最低でも四十くらいか。
イヤ別に、五十だろうが六十だろうが、やってても全然いいんだけどさ。

親子ともども、楽しそうでよろしいなあ。




  ……。




昨日、隣り町から歩いて帰る道すがら、
近所の小学校で運動会をやってるところに出くわした。

その晩。

お惣菜屋さんでゴハンを買ったその帰り、
家の駐車場で花火に興じるご家族を見かけ……
部屋に戻って窓を開けると、どこか遠くから、ドーン…………と、
長い余韻の尾を引いて、打ち上げ花火の芯の太い破裂音が響いてくる。

夏を惜しむ者、
秋を迎え入れる者。

オイサンは夏は好きだけど、
秋も大好きで、
それ以上に冬が好きだ。

色が少しずつ温度を失っていく、日本の国の、一年という時間のグラデーション。
やがて白一色に張り詰め、その下に凝縮することを余儀なくされる時間が、
個である自分の中にある命の熱を、高く高く、維持してくれるような実感がある。

それは錯覚に過ぎないとも思うのだけれども、
一人であることが肯定されるその時間がとてもありがたい。
いとおしく感じる。

それに抗うように、色とりどりに飾り立て、
たくさんの光を放とうとするも、どうしたって一枚、
その上を覆ってしまう、絶対的な白さが冬にはある。

冬のさなかに一年が終わる、日本の暦と季節の巡り合わせというのは好く出来ていると、
オイサンは思うのであった。

……と、書いてみて、
日本語で「グラデーション」にあたる言葉が思い浮かばず
辞書で引いてみたところ、出てきた言葉が

  「濃淡」。

……なんかちがうなー。
濃淡という熟語からは、あの色見本帳を見るような鮮やかさや、
時間的な遷移が……オイサンには想起出来ない。
濃淡って言われると、真っ先に、水墨画のようなモノクロの色調が思い浮かばれる。

オイサンは大概、
「英語は味気ねえ! 日本語の細やかさにはかなわねえ!!」
と息巻いていますが……
思えば、そういう外来語にニュアンスを頼らなければならない言葉ってえのは結構あるな。
もう一度、よく考えてみよう。


オイサンでしたよ。
ほな、ばばーい。



■星のデ・ジャ・ブー




 

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2009年9月13日 (日)

■手帳の中のダイヤモンド -17- 第六部・その1 -更新第305回-

『アマガミ』は面白いなあ!!
オイサンです!
なんだかんだと弱音の一つも吐きながら。


『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画、「手帳の中のダイヤモンド」。
最終章、第六部の本編です。


  ◆『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
  ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


ここでは、オイサンが『アマガミ』をプレイして、
『アマガミ』というゲームをどのように捉えたか、ということについて書いていきたいと思います。

それは単純な感想といった意味から、
歴史的(もちろんコンシューマギャルゲーの)にどういう位置にあるものなのか、
という鼻もちならず高尚ぶったあたりにまで及べれば、まあ上等かなと、
このように思います。

そこで、本章では内容を大きく三つに分けたいと思います。

  パート1:『アマガミ』全体に関する感想・評価
  パート2:物語に対する、冷静な感想
  パート3:同じく物語への、感情的・情熱的な感想

一つ目は、『アマガミ』全体に対する感想です。
あとの二つは、ゲーム中の物語に特化した感想で、それを更に二つに分けたのは、
一つを、出来るだけ冷静に客観的に、考え分析した感想として据え、
もう一つは、オイサンの個人の、本当に個人的な思いをつづるパートにしたいと思ったからです。
マ物語とは言っても、絢辻さんの話にかなり偏ったお話になると思いますが。

そんな感じで、今回はそのパート1。


   「『アマガミ』とはなんだったのか? どうだったのか?」


をお届けしたいと思います。



■テレビゲームとしての『アマガミ』



まずは真っ当に。
一本のテレビゲームソフト、コンシューマギャルゲーとして、
『アマガミ』を見直してみたいと思います。
普段、オイサンがテレビゲームのソフトを評価を考える時に、
決まって使う評価軸があります。評価の要素分けには、以下の5つを使います

  ・操作性
  ・演出
  ・システム
  ・シナリオ
  ・ボーナス

各項目が何を指すのかは以下でご説明しますが、
普段はこれらに、合計が100点になるように各項目に分母(何点満点か)を割り振って、
項目ごとに大体何点くらいかなあ、などと考えたりしています。

各項目の分母を固定にしないのは、
ゲームのジャンルによって重視するべき項目が異なると思うからです。
たとえば『アマガミ』みたいなノンリアルタイムな物語ゲームであれば、
シビアな操作性よりも演出が重視されると思いますし、
リアルタイム性が重視されるレースや格ゲーならそのウェイトは逆転するべきでしょうから、
その重み付けを変えられるように、このように考えています。

各項目で見ていく内容は以下の通り。ちょっとややこしいです。

 ・操作性
   いわゆるプレイアビリティを支える要素全般。
   キーレスポンスやコマンドの配置、
   カスタマイズ(オプション)の充実度なんかについてです。

 ・演出
   演出として見られるのもの全般……
   映像、音楽(BGM・SE)、キャラクター、物語、時間の使い方などについてです。

 ・システム
   ゲームシステムについて。
   完成度の高さとか、新しさ、面白さ。

 ・シナリオ
   ここがちょっとややこしいです。いわゆる脚本や物語のこと「ではない」ので注意。
   ここでいうシナリオは、そのゲームをゲームとして盛り上げるために
   制作者が用意する「筋書き」の良さについて、ということになります。
   例えば、RPGなら、マップの広さや町・ダンジョンの配置、敵の強さの上昇の仕方。
   STGなら、敵の配置やマップ構成、難易度曲線の上がり方。
   レースゲームなら、コースレイアウトと、
   コースのどの辺りで敵との競り合いになるように意図されているか?
   というような、「設え全般」ということになります。
   もちろん、アドベンチャーゲームなら「物語」についても、一部はここに含まれることになります。
   テーブルトークRPGが分かる方なら、GMが用意するあの「シナリオ」のことだと思って下さい。
   アレは、お話のことだけではない、ゲームをゲームとして成立させるための設計図でしょ?

 ・ボーナス
   印象点、だと思ってもらって結構です。
   「なんか全然ダメダメのはずなんだけど可能性を感じる」とか、
   「なんかワカランがスキだ」とか。
   可視化・数値化できない良さに対する配慮です。
   絢辻さんも言ってたじゃないですか。
   「今は感情に理由をつけなくていいから。そうしたいから、そうしただけ」
   だって……ああ、絢辻さん。素敵だ……。
   ただ、印象が暴走しても高得点になってもマズイので、ここだけは分母は10点満点で固定にしています。
   今回はあんまり関係ないですね。

ひとまずコレに沿って、ゲームとしてはどんな感じだったか、ということに触れ、
中でも重要に感じたところについては、あとで個別にガーッと語りつくしたいと思います。
ついでに、各項目の中で、「もっとこうだったら良かったなあ」的なことも言っていきます。

今回は目的が違うので点数をつけるつもりはありませんが、
『アマガミ』のような恋愛SLG・ADVであれば、各項目の分母は以下のようになるでしょうか。

  ・操作性  ?? / 15
  ・演出   ?? / 30
  ・システム ?? / 25
  ・シナリオ ?? / 20
  ・ボーナス ?? / 10
  --------------------
  ・合計   ?? /100

「操作性は最低限、
 絵と音とお話に最も力がそそがれればいいのだけど、
 システムが新しくて面白いに越したことはなく、
 ゲームバランス的なものへの配慮もそこそこ欲しい」

という観点から評価していきましょう、という感じです。
これがSTGとかだと、操作性とシナリオ(=難易度設定)が30点満点になったりするわけです。
じゃ以下、順番に。



■操作性



『アマガミ』のプレイアビリティに関しては、正直オイサン、全体的に文句ないと思います。
とても快適にプレイ出来ました。ありがたいことです。
ダテに同じようなフォーマットで6作も作ってないと思います。
初代『TLS』からとても良かったですけど。
素敵です。
幾つか要望を述べるなら。

 ・セーブデータが20しかない。
  ルートがこれだけあるわけですから、もっと……欲しかったですね。
  管理もシステムデータ一括じゃなく、各セーブデータがメモリーカード上で
  独立したデータとして見えてくれたら嬉しかったです。

 ・行動マップの拡大・縮小があってくれると嬉しかったですなあ。
  マあったらあったで使わないような気もしますが(オイ)。

 ・メッセージウインドウを消すと音声も止まってレジュームされるのは……
  個人的にはあまり好きではないです。
  ウインドウ消したまま、声出してほしい時もあります。
  でもバックログでしゃべってくれるのは素晴らしいと思います。

 ・メッセージ送りをAUTOにした時の、メッセージ送り(ページめくり)の
  速度調整があると嬉しかったです。
  あんまり使わないんですけど、あると地味に嬉しい。

 ・メイン画面で行動検索(□ボタン)が出来るのはステキです!
  だけど、シーン再生では、時間軸にそってバック出来るとなお良かった……
  検索中に行き過ぎると分からなくなっちゃうんですよね……。

 ・ワンタッチで、ボイス・BGMの音量調節が出来ると良かったなあ。
  十字キー左右でメッセージ速度がダイレクトに操作できるみたいに、
  ボイス・BGMの音量調節が……左右スティックあたりに割り振られていると嬉しかった。
  <演出>の項でも書きますけど、ボリュームバランスをワリとこまめにいじりたいので。

 ・即死バグが多い!!
  こ、ころすきかー!!



■演出面



演出については、おもに絵・音・物語の三方向から。

■先ずは絵の話。
これも、基本的な部分は、本当に全く、文句ないと思いますよ。
本当に、素晴らしいと思います。
特に今回舌を巻いたのは、各キャラクターの立ち絵・表情のまあ、細やかに動くこと動くこと。
こんなに目の離せない立ち絵は初めてじゃないでしょうか。
セリフの合間、ほんの一瞬だけ見せる表情とか、鬼気迫る物を感じます。

  ブラボー、ハラショー。

そしてさらに、そうして視覚的な表現が細やかになることで、
言葉で語る部分を減らしつつもヒロインの心情がしっかりと表現されていて、
ヒロインをおはようからお休みまで、しっかりと見つめることで、より深く妄想の淵に入る込めるという……
ノベル形式ではない、視覚メディアの強みを生かしたものになっていたと思うのです。

3次元化に走らず、プレイヤーの想像力と「止め絵の力」を信じてそれを表現しきったことは
『アマガミ』が達成したとても大きな成果の一つだと、断言できると思います。
すごい、素晴らしい。

■音楽もまた、美しい。
オイサン実は、これまでのシリーズ……『TLS』の初代から『S』までと『キミキス』……
『キミキス』はあまりキチンと印象を抱けていないので除けておきますが、
メインどころではない音楽、たとえば「明るいシーン」とか、「しっとりしたシーン」とか、
イベント的にキャラクターに共通した音楽とかは、さほど良い印象を持っていませんでした。
「運動会」とか「お祭り」とか。
あ、「告白」とかは別ですよ。
今作では、その辺の音楽も、なんかやけにいいなあ、と思っています。
……好みですけどね。その辺は。

特にオイサン、今回はメイン画面のBGM、あれがもう、鼻血が出るほど好きです。
あれを鳴らしながら、メイン画面をずっと眺めていたいくらい。
ていうか眺めてたことがある。
あのBGMに乗って、どんどんイベントが現れては消えていき、
ヒロインのテンションもパラパラ変わっていく……そんなスクリーンセーバーないかなあ。

正直オイサンは、このBGMがエンディングでもいいと思っているくらいです。
曲の終わりがエンディングらしく劇的にアレンジされれば、という注文つきですけど。
明るく、楽しく、ちょっぴり切ない学園生活、
その日常はいつまでも滔々と続いていくんだよ、ということを
すごく優しく語りかけてくれる、そんな音楽だと思うので、エンディングでもどんとこい。

ただBGMには、鳴らし方についてちょっと注文があります。詳しくは後ほど。

■物語については……
一言で語りつくせず、またシステムと大きくからむところもあるので、
後の項で個別に、がっつり語りつくしたいと思います。
敢えて一言いうなら……絢辻さんに関しては、オイサンはあれで完璧だと思います。

語られないことが多すぎる点について、賛否は両論あると思います。
ですが、しかしそれも含めて表現であり物語なのであると、オイサンは受け取りました。
そうであることが、絢辻詞の人物像なのだという語り方。

全体的な話では、『アマガミ』に込められた「38の物語」は、38でありながら、
やはり最後には一つの物語でしかない、ということを、あとあと書こうと思っています。
”1”から始まり、”38”を知り、そして最後に、プレイヤーは自分にとっての本当の”1”を探す。
そういう物語なのだと、思います。
たくさんの時間が流れているようでありながら、やはり一つの時間しかそこにはない。
途中で最良と思えたものを見つけたなら、そこで探究を止めるもよし。
全てを見て、全てを知り、その中から選ぶもよし。

そしてそこに存在するのもやはりたった一人の主人公……橘さんで、
各ヒロインのルートによって随分人格が違うようにも見えますが、
オイサンには今のところ、その違いは
「人へのそれぞれの接し方」の範疇に収まるもののように見えています。
絢辻さんへは絢辻さん用の接し方、
梨穂子へは梨穂子のための、
薫には薫、対・紗江ちゃん、七咲、飼い主……
それぞれと接するときに、態度が変わるのはワリと当たり前で、
それによって、SにもMにもなれるのが、彼の変態紳士たるゆえんなのではないかなあ、
と感じます。
変態のデパート、パトスのヴァーリトゥード。

一先ず現時点で、物語に注文をつけるなら。

 ・やっぱり絢辻さんの物語だけが、「物語」としては謎に富みすぎ、流れがありすぎ、
  突出しすぎていると思います。他とのバランスは、良くない。
  でもだからって、やめろなんて言えない!!!
  ……ぶっちゃけ、アレがなかったら、オイサンにとって『アマガミ』は、
  多分凡百のギャルゲの一本で終わっていたと思いますから。

 ・他のヒロインにも一本、目に見える、ちらばる恋心以外の「物語」の流れがあっても
  良かったのではないか? と思います。
  ここまで恋愛シミュレーションであることを捨ててアドベンチャーに寄り添うのであれば、
  目に見える、太い幹となる物語がが欲しかった。
  それがあるのは絢辻さんと中多さん、あとは一部、薫のみだったように思います。
  あ、<スキBest>に限定の話になっちゃいますけどね。

 ・オマケですべてをぶっ壊すなら、もっと、オマケ……というか、
  隠しに対してモチベーションを上げるような流れや伏線があってもいい。
  しかし多分、あれはオマケのつもりで伏線を張ったら思いのほかインパクトがでかくなってしまったという、
  いわば偶然と巡り合わせの産物といえるでしょうから、
  そこを最後の最後にコントロールすることは難しかったのでしょうね。

  けれども、あそこまでキレイにまとめることが出来たのはまるで、
  あと付けあと付けで作っていって、そして最後の最後には本当に伝説になってしまった、
  勇者ロト、『ドラゴンクエスト』Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのシリーズのようで、美しいとも思います。
  あと付けの美学、とても言いましょうか。

その他の演出面に関する注文なんですが。
おもに音響。

 ・先ず気になったのは、
  ボイス音量が、キャラクターや場面によってマチマチな気が……しました。
  これは何によって生じる問題なのか、回避できないモノなのかが分からないのでアレですが……
  出来れば、何とかしてほしい。

 ・そして、BGMの鳴らし方について。
  ボイスがメインの場面(会話モードや普段のADV画面)では、BGMが自動的に抑え気味になり、
  ボイスが鳴らない場面(行動マップ画面や夜の自室など)では、BGMが大きく鳴る……
  ということが、自動的に出来ないものでしょうか?
  上記のボイス音量のマチマチさと相まって、
  わりと頻繁にBGMとボイスの音量調整をやらねばならず、
  たまにそのせいで醒めたりしてしまったので……もったいなかったです。
  自動でやるのが無理ならせめて、<操作性>のところで書いたように、
  ワンタッチで(設定画面を開かなくても)ボイスとBGMの音量を調節できるように、
  アナログスティック辺りにダイレクト操作を割り振って欲しかった。

 ・会話モードの専用曲があっても嬉しかったかもしれない。
  ……しかも、各キャラ固有で。ゼイタク。
  そしで、テンションのLow-Mid-Hiに合わせてテンポや曲調が微妙に変わったりすると……
  面白くないだろうか。ちょっとうるさいかもしれない。

 ・これはただの印象……なのですが。
  ヒロインたちの固有BGMが、キャラによって、
  「そのキャラを象徴する」のみの音楽である場合と、
  そのキャラ象徴することに「恋の甘さ」が加わっている音楽の二つに分かれてしまっている気がするのです。
  薫・七咲は前者で、絢辻さん・中多さんは後者であるように感じました。
  オイサン的にはワリとそこで好き嫌いというか、シナリオの印象も変わってしまうというか、
  ヒロインに触れるときのテンションにダイレクトに響いてしまうので、
  気になった次第でございます。
  まホントに、ただの印象なんですけどね。

 ・EDが名塚さん曲オンリーなのは……。
  絢辻さんシナリオのインパクトと相まって、あの曲はやはり「絢辻さんのもの」に聞こえてしまいます。
  歌詞もそんな感じですし。
  各ヒロインごとにED曲があってくれると……嬉しくて鼻血噴きますがこれまたお金がかかりそうなので、
  同じ曲でも、各ヒロインの声で、とか、
  一人に歌わせるなら、もう出演声優さんではない人の方が良いのではないでしょうか。
  ……正直な話! 名塚さん、そんな歌うまくないだろ!!
  少なくとも、ED曲は上手くない。キャラ寄りで歌ってるせいか。
  大好きなんですよ、あの歌はあの歌で。
  個人的には中司雅美さんで聴いてみたいです、ED。

 ・一枚絵の枚数が、もう少しだけ欲しかった気がします。
  一割増し……否、各ヒロイン、あと2、3枚増しで!!
  オイサン、それで1000円上がってもいいなあ。

 ・あとはムービーが欲しいです。
  OPは今のままでいいと思うんです。短めで、しっとりしていて、
  ゲーム開始時に引き込んでくれる分にはOPはこれで十二分。
  むしろ欲しいのは、エンディングムービー。
  エンディングでどわっと、ものすごい奴をぶちかましてくれたら……多分死ねる。
  まあ、販促素材として使い難いので、作る側としてはあまり旨みのないハナシかもしれませんが。

 ・HD対応希望!!……というのは、PS2タイトルには酷か。
  次回はHDハードで、フルHDを!
  画面一杯の絢辻さんをぜひ見たい!!
  左右引き延ばすと、やっぱり両端が間延びして見えてしまうので……
  うちでは左右に黒帯です。



■システム



オイサンは基本的に、『アマガミ』を一応、『キミキス』含め、
『TLS』シリーズの系譜として捉えていますが。
今作では、従来のシリーズのシステムをばっさりと。本当にばっさりと変えてきましたね。

それはある意味で、シミュレーションとの決別に近く、システムにとどまらず
「ジャンルを変えた」と言ってもいいと思います。
ゲームのジャンルとしては、シミュレーションではなく、テキストアドベンチャー。
パラメータを参照してのイベント発生やランダム性を排した、ゼロイチ理詰めのシステムです。

特徴的なシステムは、もちろん言わずと知れた「行動マップ」のシステム。
しかしこれも、言ってしまえば、物語を細かいエピソードに分解して、
順番にオープンしていくための物でしかないわけですが……

これについては、全体的に話すのであれば、物語とは不可分であるとオイサンは思います。
ですので、上で保留した「物語」に着いての話と同様、
次回、今作のシステムと物語について、そのミックスによって生まれた
『アマガミ』というゲームの「物語の物語り方」の特殊さ・不思議さについて書きたいと思うので、
そちらで。

ただ、まあ……オイサンは大好きです。今回の、行動マップシステムの、このカンジ。
BGMと合わせて、ココロときめく、素敵なシステムであり、演出であると思います。

随分前にもちょっとだけ書きましたが、
「既に書かれた日記を、一枚ずつオープンしてく感じ」が、
今回の行動マップシステムにはある気がします。
新しく行動していくというよりも、「思いだす」感覚に近い。

それに、プロローグ直後とか各ヒロインのレベルアップ直後、
行動マップ上に、たくさんの新しいイベントの種が


  プワッ!      プワッ!
       プワッ!
   プワッ!   プワッ!   プワッ!


っと生まれていく、あの瞬間。あのワクワク感はたまらない。
未だに、すごいドキドキしながら眺めてしまいます。
「ああ、こんなにたくさんの日常を、これから経験できるんだ!」
と嬉しくなってしまう。
気分を盛り上げてくれる設えとしてはモウ、最高のおもてなしです。

あと見た目の話なんですけど、画面レイアウト。
これもオイサン、大好きなんですね。
こう、見た目にちょっと、ごちゃっとした感じが。幕の内弁当みたいで。
過去のメディアワークス系SLG群……『エターナルメロディ』とか『悠久幻想曲』とかの
ステータス画面とかスケジュール画面に近く、
そこに全てがあるようで、その密度に吸い込まれるようにワクワクしてしまうのでした。

ただ欲を言うなら……マップの絢辻さんのイベントヘックスを、
もうちょい明るい色にして上げて下さい!! 青は青でも、もう少し明るい色に!

そして、ナミダイベントにテキタイ、ソエンEnd、スキGood、スキBadの存在。
これらは独立したシステムというよりは、
行動マップによって派生した、物語のためのシステムに過ぎませんが……。

複数のヒロイン並走が大好きなオイサンが、ワリとたくさんのヒロイン並走でやっていて思うことですが。
スキGood・スキBad、涙やテキタイは、「狙ってやらないとなかなか辿りつくモンじゃない」気がします。
つまり、「ヒロインを傷つけるつもり満々」で臨まなければそうそう起こり得ない、
かなりキチクなシステムなのではないかと。

<スキ>には確かにシステム上二人しか上がれませんが、
さらに<ナカヨシ>に一人か二人いて、そのコたちの分まで面白おかしくイベントを拾って進めていたら、
大概の場合「会話をしているヒマが殆どない」筈なんです。
だから、いちゃいちゃアタックが発生するヒマもあまりない。
イキオイ、オイサンなんかは、ナミダ・テキタイを見ようと思ったら
かなり、それに特化したプレイをするほかない。

<スキGood><スキBad>も、二人分の<スキ>のファイナルスターを獲得するのは、
自然に辿りつくのは結構大変じゃないですか? コレ。
オイサンが基本、浮気者過ぎるだけですか?

従来の恋愛SLGシステムであれば、
「ランダム性に翻弄された挙句、出会うはずじゃなかったヒロインと出逢ってしまって
 ちょっと気を許した結果、
 そこでのイチャイチャを目撃されてお目当てのヒロインに愛想を尽かされる」
という、偶然と自分の弱さの結果行きあたってしまって自己嫌悪に陥る……
ある意味で、「男だったらしょうがない」と開き直ってしまえるところもある、
そんな位置づけにあるものだった……と、オイサンは思うですよ。

  イヤ、浮気OKって言うんじゃないですけどね。

それが今回は、意図的に狙い澄まさないと出会えない位置にあるというのは……
作り手からすると、狙いどおりなのか?
これは、ジャンルが変わってしまったことに無自覚に、従来のシステムを盛り込んだがために起こった……
プレイヤーに鬼畜たることを要求した、悲劇の形質なのではないか、と思ってしまいます。
しかしそれがまた……上崎さんに端を発する、『アマガミ』が持つ裏のシナリオの意味と
不思議に符合してしまうから……一概にそうは言えないのか? と思えてしまうことも、
『アマガミ』の恐ろしいところであります。

システムに対しての要求ポイントは、次回、物語とシステムの相克の中で書きたいと思います。
狙いは一つ。
ランダム性の奪還です。
それは、オイサンの愛してやまない「思わぬドラマ」のために。



■シナリオ



ここでの「シナリオ」の言葉の意味は、冒頭でも述べたような
「ゲームを盛り上げるための仕掛け全ての配置の良しあし」のことですから……
言ってみれば、ゲームバランス、ということになるのかもしれません。
難易度……ストレスとカタルシスを左右する全て、のことです。

では、ノベル的テキストアドベンチャーの「難易度」ってなんでしょうか。
『アマガミ』では、「お話を思うままに進められるか否か」ということになりますかね。
となると、それを左右するのは
「スター獲得の難しさと、それを阻む障害が適度であるかどうか」
ということになってくるかと思います。

『アマガミ』では、一人のヒロインをただ一途に追うのであれば、
スキBestに辿りつくのはそう難しいことではないように思います。
なんせ、ランダム要素がない。
狙いのヒロインのイベント以外は無視していれば、
あっさりさっくり、いけてしまうと思います。

七咲や森島センパイが構える謎のバクダンや強制イベントも、
初回~2、3回目のプレイではひっかかってモンゼツしてしまうも、
何週かするうちに先を読んで潰せるようになりますし、
しまいには喰らってもじっとガマン出来るようになってしまいます。

  ……ちなみにオイサンは、七咲の
  「ノゾキの嫌疑をかけられてひびきちゃん先輩にも怒られる」ボムに耐えきれず、
  それを回避するために、誰だったかのエンディングを見損ねたことがあります。

とはいえ、『アマガミ』のような恋愛ゲームで一番の敵はなんでしょうか。
答えは……「己」です。
よそのヒロインにちょっと浮気をしてやろうとか、
寂しそうにしているから、優しくしてあげなくちゃ、とか、
他の子も出来れば傷つけずにおいて、それでも最終的には狙いのヒロインと
ハッピーエンドを迎えたい、だとか。
己の弱さや優しさ、同情心、つまりはプレイヤー自身の感情の揺らぎです。

ぶっちゃけ、一人のヒロインだけを追っていたのでは……ワリとヒマなんですよね。
時計アイコンを選択しなければならないことも、シバシバ。

  「だから、そこが罠なんですよ~」

と言ったのは梨穂子だったか。
そう、罠なんですよ。
じゃあ、暇つぶしにちょっとだけ、と手を出したヨソのヒロインに火がついて、
転がり始めたイベントを無視することが出来ずに東へ西へするうちに、
爆弾にも火がついて、結局狙いのあのコのイベントも若干おろそかにするハメに……。


……。


なんてコトになってるのは、もしかしてオイサンだけなのかしらん?
……。
いや、オイサン、『アマガミ』にはすごーく、そういう「難しさ」、
「難易度の上がり方」を感じたので……そういうもんかなあ、と。

フツーに、一人だけを追いかけていく前提で話をするなら、
このゲームを難しくしているのは、七咲や森島センパイの持つバクダンと、
時々突然、横から飛び込んでくる強制イベントくらいですよね。
けどそれも、一人を追うレベルであれば、多分さほどの障害にはならないと思います。

ではどういったときに障害になるのかといえば、
やはり複数のヒロインルートを同時に進めようとした時です。
それはどういうときかといえば、恐らく普通は、<システム>のところでも書いたような、
<スキGood>や<スキBad>、<ナミダ>、<テキタイ>といった要素に手をかけようとするとき、
なのではないでしょうか。
それはつまり、もう『アマガミ』上級者……とまでは言わずとも、中級者以上のプレイでしょうね。

  あとはただの浮気者?

ですので、そういう人たちに対して、若干の難しさ・思い通りにいかない障害が提供されるのは、
「ゲームとしては当然の配慮であり、サービス」であると、言えると思います。
なので、これはワリと適当な処置……なんじゃないですかね。
オイサンはそう捉えます。

ただまあ、「爆弾なのにこの程度の威力?」とか、その逆(「これは核兵器だろJK……」)とか、
なぜ強制イベント扱いなのかわからないものとか。
同じ種別のイベントでも、その中身があまりにマチマチ過ぎて納得がいかない、
という場面には何度か出くわしましたので、その辺はもう少し、納得のいく方向に寄せて戴けると、
ヨリ気分を乗せてゲームを楽しめるのではないかなあ、と思いました。

  やっぱね。
  お話を読む上で、納得づくかどうかってのは大事なファクターだと思いますから。
  共感できるか、っつうかね。

それと、爆弾と強制は、このゲームにおいて希有に、
プレイヤーを心理的に、或いは強制的に、プレイヤー自身が「望まざる方」へ導くことの出来る要素です。

  「あー……そっちにかまってる場合じゃないんだけど、
   バクダン踏むのもいやだから……処理しておくかあ」
  とか。

ですから、その特性を上手に使って、ドラマを演出し、プレイヤーを導いて欲しかった、
という気持ちはあります。
ランダム要素のない分、気付かれないように、面白く。
ときに優しく、ときに思わぬ方に。

以下は例によってオイサンの個人的見解(ここまでだって存分に個人的ですが)と要望です。

 ・レベル2の、<アコガレ><シリアイ>の期間は、もう少し長くてもいいんじゃないかなあ、と思います。
  三つのレベルのうちで、オイサンが一番長くあってほしいのがこのレベルです。
  実際は<スキ>の期間が、みんな一番長いと思いますが。
  ドラクエで言うと、メラミ・バギマ・イオラ・ベギラマあたりを憶えて、
  戦闘がこなれていく中盤戦。
  ……多分、恋愛していて、一番恋らしく、もどかしく、
  イライラもじもじしてる期間はココなのではないかなあ、と思うんです。
  ここを長くして、各ヒロインともに、背負っているバックボーンをみっちりと描いて欲しかったなあ、
  と思うのです。
  絢辻さんだと、この辺で「家族」の影がもっと色濃く出てもいいのではないかと。
  ちょっと物語の話になっちゃってますね。マいいか。
  そして<スキ>に入ってからもう、ジェットコースターのように。
  ただ、<シリアイ>が長くてもアレなので……その辺のジレンマだったのでしょうかね。
  <シリアイ>で頑張れば、期間途中から<アコガレ>にランクアップ!とかがあっても面白かったのでは。

  ……作る方はきっと、面倒この上ないんでしょうね。
  ワガママ言ってすみません。
  イヤ、オイサンもギジツ者のハシクレですから、わかります。

 ・逆に<スキ>に入ってから終盤は、ワリと時間があまり気味になる気がします
  そしてゲームが会話主体になっていく気が。
  これは、存分に会話とアタックをしてゴホウビを楽しめ、って言うことなんだと思いますが。
  或いは、ナミダやテキタイを起こりやすくしているのか。



……とまあこんな感じで、第六部・感想編の第一回でした。
こんなリクツっぽいんだか感情的なんだか分からないモノ言いと身勝手な要望がどんどん飛び出しますよ。
エンターブレインさんに殺されないか、ドキドキです。

次回は、このパート1の続きで、
今回保留にした物語とシステムの関わり合いの部分などについて、
書いていきたいと思います。


オイサンでした!!






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」 (SS)
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3

    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク



 

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2009年9月10日 (木)

■記録的、敗・北~嘘を吐いても、震えたままでも・2 -更新第304回-


悔しい。


不甲斐ない。



以下、まずは、途中まで書いた記事。


================================================================
ここを読んで下すってる方々には言っておいた方がいいかなあ、
と一人勝手に思ったので、書きます。


えー、アレです。
『アマガミ』。

某超有名週刊ゲーム誌……というか、版元で募集していた、
「『アマガミ』のオリジナルストーリーを考えてDVDにしてもらっちゃおうぜ!」
なんていう企画が公式でありまして。
オイサン、今年のGWはかなりそれに時間を割いた感があるのですが……
ダメでした。

  この辺の記事で書いてることが、実はそれです。
  ■嘘をついても、震えたままでも。 -更新第211回-

ターゲットはもちろん愛しの絢辻さんメインで、
4、5本考えた中からなんとかモノになった2本送りましたが、
ダメだった。

その結果自体は、昨日の時点で有名巨大掲示板に
企画ページのスキャン画像が出ていたのを見て知っていました。
アカンかったなーと。
まあそれ自体は、ラジオにハガキ出して読まれる・読まれない、的なことなので
慣れていて、さほどのダメージはないのですが、
ここに、そのダメだった報告を書くことで何を表したいかというと、

 「ここに載っている数々の創作物は、
  『一先ずダメだった人の書いたもの』ですよ」


ということを、読んでくださる方は知っとく権利があるなあ、
と思ったからです。
ヒトツ目安としてそれを貼り付けておこう、というオイサンの気持ちです。

  「モンドセレクション金賞受賞!」
  「カーオブザイヤー受賞!」
  ってシールを貼り付ける、アレの反対版だと思って戴ければ良いです。

マこんなことは書かなきゃわからないことで、
書いたら書いたでちょっとみっともない感じがあることも、
読んでる人にはあんま関係ねえな、ということもアタマでわかってはいるのですが。

面白いと思って読んで下さってる方には冷や水をぶっ掛けるようで、
そもそも疑問を抱いてる人にはトドメを刺してしまう危険性もある。
「そんなことに、自分の評価左右されねえよ!」
という気分の害し方をする方もおられるでしょうか。
申し訳ないです。

自虐、と受け取られることもカクゴの上なのですが、そのつもりもない。
ヒトツ、判断のための情報として開いておくのもフェアかなあと。

「あーダメだったー!! チックッショー!!」
……で終わらせられれば清清しいカンジなのですけども、
そういう気持ちでも、ちょっとナイのですね。

「面白くなかったみたいだ、これは困ったぞ」
……というのが、近い気がします。
難儀なオッサンです。

自分が送ったモノとしては、
企画の方向性とか解釈とかに対して、考えすぎたり考えが足らなかったり、
シナリオ中にも明らかな失敗があることには送った直後から気付いていたので
反省材料は一杯、納得もしている。


================================================================
……↑とかもう、グダグダグダグダ、書き繕ってきたんだけども、
掲載された採用者のムービー見たら、結局冒頭の二言だった!



ぬおああああああ

こんちくしょおおおおお!!!




……完敗だ。
こっちがやろうと思ったこと・やったことはガッツリやられた上に、
向こうには+αがあって、
さらにサービス精神等々で完全に上を行かれて、圧倒されてる。
だめだ。
負けた。
すげえ。
お話の整合性としても面白さとしても、
トリッキーな面でも、
純な面でも、変態紳士の面でも、全っ部、負けてる。

  見たい奴は「アマガミ オリジナルストーリー 採用者」とかででも検索して
  見に行けばいいだろおおおお!
  早くいかないと消えちまうぞちくしょおおおおおお!!

曲がりなりにもアタマ悩ませて、
お話作って送った者の一人として……あの完成度はすごい。
あの文字数に、この密度と、流れと自然さと、面白さ、変態ぶり。
圧倒的。
これで多少、シナリオの方向性やらが違っていたら逃げの理屈も打てようものの、
やつはオイサンに見える限りの全方位をカバーしてきた。
言い逃れできない。
しかも、オイサンが字数が足りなくて切り捨てた部分も拾ってだ。


セリフがちょっと素っ気ないとか、説明が足りなくて気になる部分とか、
自分だったらどうしても、ひと言ふた言、入れたくなるところに入っていなくて
そこに不自然さを感じたりはするけど、
それはメイン部のクオリティを維持するための思い切りの良さであり、
お話全体の面白さを優先した、ブレのなさの勝利だ。


幹の部分の発想の面白さも、もうホントに。
楽しませよう、面白がらせようという気持ちに溢れていて、
しかもそれが具現化されていて、
もうなんとも、オイサンにそれが足りてないことを思い知らされる。
すごい。
そして、自身が不甲斐ない。
今回の悔しさの、一番の要因は、きっとそこだ。
「お前にはこれが足りてないんだよ!!」
と叩きつけられた。
他にも、気付けてないだけで、無い物が一杯あるんだろう。
自分がボツったことよりも、
採用されたものが圧倒的だったことが、悔しい。


相当研究したんだろう、この人。
話の幹は発想イッパツだろうけど、
構成、詰め込む要素、本編との兼ね合い、思いっきり研究してるに違いない。


へこむ。へこみたおす。


そして、この採用者とオイサンの間に、一体何人いるのか……
採用者がバケモノなのか、こんなのがゴロゴロいたのか?
それを思うと気が遠くなる。
気にしてもしゃあねえけど。


先の書きかけ記事に書いてた
「だめだった自分を表明する気持ち」とか、
「ダメージはさほどでもない」とか、
「納得してる」とか、
「自分の作ったものが面白くなくて困った」とか、
そういう気持ちも包み隠さず本当なんだけども。

納得はしてる。勿論してる。
あのムービーを見せられて尚、「イヤ俺のが面白かったはずだ!」とは言えない。
オイサンだってばかじゃない。

受け取ったのはダメージではなく、「悔しい」という気持ち。
HPが削られたわけではなく、圧倒的な力の差を前に、
自分が小さくなったと感じているだけだ。
そうだ、そもそもお前はこんなモンだ。おぼえとけ。

今まで書いてきた物への戸惑いも、本心。
揺るがないものも当然あるけど、大部分に対して、
もっと、もっとやるべきだったという気持ちが沸いてきている。


ただ、愕然だ。
あーもう、やっぱ悔しい。
こんなに悔しいことってない。
悔しい。




  まあ、そんなことで。




ここを読んでくださってる方々、
面白くなかったら、ごめんなさいね。

こちとらも、精一杯はやってます。
プロには勝ててないよ。素人にだって負けるよ。
だけど、「それでイイ」と思ってやってきてはいない。

……けど、今回。
「所詮その違いは、気持ちの違いの問題でしかない」
と突きつけられた思いです。
「思ってるだけ」だと、思い知らされた。気がする。
思ってるだけで、出来てないんだと。

いい気になってる気も、自信満々な気も
(そしてそんな風になる根拠もw)全然ないけど、
ここまで差を見せ付けられると、さすがにクる。

どうしたらいいかはワカラン。
多分、脳みそから血が出るまで考えるしかないんだろう。
色々取り込んで、人や自分を見つめなおして。
だから先ずそこを考え直そう。
考えすぎても身動き取れなくなるし、考えることで満足してしまうタイプなので、
走ることは続けるとして。
姿勢から、走るフォームから見直す。

素人の日曜大工風情がなに言ってんだ、と思われるでしょうけど、
そうじゃない。オイサンは日曜大工気分でお話を作ってるわけじゃない。
そうなんだけど、そうじゃないんだ。
もう恥も外聞もなく、大人のすることじゃないけど、
ここだけはそうじゃないと言い張る。みっともないけど。

そうじゃない、そんなんじゃない!!

でも大人だから、そうじゃないことはそうじゃないと、
ちゃんと証明するしかないんだろうね。
きついなあ。
きつい。

やる!
まだまだやるよ!
恥ずかしげもなく!

おっし、次だ次!!
なんなら立ち位置も変えてみるか。





……。





とかなんとか、
「ここ」で気を吐くのはやはりお門違いである、と自覚しながらも。
こういうことは、ホントは口には出さないのが一番なんだけど。
ここが、今はまだ、そういうレベルの人、
口に出しちゃう程度の人が主催している場なのだということを、
ここへ来て下さる皆さんに、やはり示すために。

一瞬だけ、この記事載せるか載せまいか、考えはしたんだけども、
載せます。

私は真剣だ。





……というのが、
「『アマガミ』本編の絢辻さんシナリオ」に惚れ込んだオイサンの気持ち。
ここからは、「絢辻さん」に惚れ込んだオイサンの気持ちなんだけど。

万が一、首尾よくオイサンのシナリオが採用されでもしようものなら、このページで
「結婚した! オイサンは絢辻さんと結婚したぞ!!」
とかアホみたいに報告したいなー、とか、企んでいたんですけども。

……今こうして余所の人間にかっさらわれてみると、
なんかこう……それはすっごい諸刃の剣で、……ね。
絢辻さんをかっさらわれたような、
絢辻さんが誰かと結婚してしまったような空虚さが……あってですね。

そもそもあのオリジナルストーリー募集企画には、
「採用者には、自作オリジナルストーリーを収録したDVDをプレゼント、
 しかも主人公の名前は、応募者がつけた名前に変えて!!」
という特典があるのです。

つまりなんつうか……あのストーリーの中では、
絢辻さんがそいつの名前だけを呼んでいるーーー!!!
……のかと思うと、なんかもう……ここにきて初めて、
絢辻さんとよその男との関係を見るようで、
狂おしく、やり切れない。

しかも、もしも、あの採用者が実は絢辻さんそのものには特に興味がなくて、
ただのシナリオ腕試し的な意味合いで挑戦していたりしたら……

「自分には全然興味のないオトコになびいていって
 オイサンには見向きもしてくれない絢辻さんと、
 それを追っかけるオイサン」

のような絵が頭の中にどんどんどんどん描かれてきて、
ほんとにもう……どうにかなってしまいそうだ……。

……でもなあ。
絢辻さんはキビシイ人だし、ちゃんと努力を続けていないと
本当にそうなっちゃうんだろうなあ……。
現実の世界の恋愛だったら、そんなこともワリとザラにあるんだろうし……。
現実、怖ェ。



  ……。



……今朝、本誌を買って改めて採用作品の紹介を見てみて、
うーん、やっぱダメだったかあ、と確認したあと……
実は、自分がどんな反応をするかがちょっと楽しみだったんですが、
この人は……とりあえず、次を書き始めましたね。

電車を降りて、中継ぎのバスの待合所でベンチに座るや、
現在進行中のSSの続きを、ダーッと相方のシグマリオンIII相手に叩き始めた。
そうしながら、ああ、今の俺だとこうなるんだ、と思ってました。

あとはまあ、採用作品をしっかり見なおして、
勉強させてもらおうと思いますよ。
うん。





■秋、襲来。





そんな思いに駆られつつも。
帰り道、ほんのりと漂い始めた金木犀の匂い。
ちーくしょう、何もこんなタイミングで秋にならなくてもいいじゃないかよ。
明日には多分、ガッツリと匂ってるんだろうな。
またお茶碗割っちゃったよ。


■久川綾 金木犀



オイサンでした!


 

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2009年9月 8日 (火)

■手帳の中のダイヤモンド -16- 第六部 PRE STORY(1) -更新第303回-


 少しずつ深まってきた秋を感じながら、僕はいつものカフェテラスで
時計に目をやった。時刻は午後四時を少し回ったところで、約束の時間
を一時間近く過ぎていた。でも、これはいつものことだ。水曜日、講義
か実習かの都合で、絢辻さんのスケジュールは一定しない。だから彼女
はそこのところを見越して、
「別に、一番遅い時間に合わせたっていいのよ?」
と言ってくれるのだけど、待つのは別に苦にならないし、貴重な絢辻さ
んの時間を潰させるのは気が引ける。だから僕はこうして、秋風に吹か
れて一人、お茶を飲むことになる。
 絢辻さんは、
「そう? 悪いわね」
とも言いはするけど、それ以上の遠慮もしなければ、要求もない。もう
随分長い時間一緒にいるから、お互い……分かっているのだ。何が? 
と尋ねられたらハッキリとは答えられないけれど、強いて言うなら、相
手のことが。
 見上げれば、もう何度目になるだろう、秋の空は高くて遠い。どうし
てあんなに高く見えるのだろう? 夏の方がその青は深く、ストーンと
突き抜けているように見えるのに、淡い色の秋の空は、深くはないけど、
高い。薄い雲が少し不安そうにたなびいている。風はそぞろに向きを変
えて、照ったり曇ったり、今のところ雨の気配はないけど、ここに座っ
てからせわしなく機嫌を変えていた。そういえば、秋の空と同じくらい
変わりやすいのは……何だったっけな?
 大学に入ってしばらくしてから持った携帯電話。絢辻さんはああいう
人だから、無駄な連絡やメールも寄越さない。今日も特に、連絡はない。
出がけに一言だけ、
「今日はもしかしたら、いつもよりちょっとだけ遅くなるかもだから」
と言っていたきりで、それも多分、要領の悪い同回生と組むローテーシ
ョンにあたるからなんだろうと想像はつく。家でもたまに、
「大体、終わりの時間が読めないなんてのは、キチンと手順と自分の作
業時間を把握できてないからなのよ」
なんて、僕自身にも耳の痛い愚痴をこぼしていたから。
 耳元でひゅうと音がして、冷たい風が吹いた。嫌な予感に見上げると、
西の方から、ちょっとだけ色の濃い雲がお腹を空かせたむく犬のように、
じりじりと這い寄ってきているのが見えた。
「もしかして、降るかな……」
 今や僕には、絢辻さんのことよりも天気の方がよっぽどわからない。
昔は違った。出会った頃の絢辻さんは、僕には分からないことだらけだ
った。
 家族のこと。
 目標のこと。
 手帳のこと。
 なんで、猫なんてかぶっていたのか。
 今でだってはっきりと分かっていないことはいくつかあるけれど、そ
れはもう、僕らの間では大した問題にならない。それらのことが、今の
絢辻さんにどんな影響を与えているかということだけが分かっていたら、
それでいい。
 絢辻さんが分からない……か。
 懐かしくさえある感覚だ。
 ……そういえば、こんなこともあったなあ。もう、誰も憶えていない
だろうけど。
 ……。
 四時十分。この時間に来ていないということは、絢辻さんがここに来
るまで、もう半時間はかかるだろう。
 それじゃあその間、ちょっとだけ昔のことを思い出してみようか。
 あのときには語られなかった、一つの事件。
 僕しか知らない、絢辻さんの、かえりみちの物語。





      *行動を決定しますか?  ×





      *     *     *





「え、塚原先輩、おられないんですか?」
「うん。今日はもう、部活に出ちゃったんじゃないかな?」
 明日から十二月。
 創設祭……つまり、クリスマスパーティまで一か月を切って、絢辻さ
んの身の回りが加速度的に忙しさを増しているのは、こうして隣に付き
添っているだけの僕にも伝わってくる。そんな中だというのに、委員に
欠員が出た。理由はまたあとで話すけど、水泳部の出し物に必要な資材
と予算の確認を担当していた人間が、今日になって急に、しばらくの間
学校に出て来られなくなってしまった。もちろん、そんなことは代役を
立てれば済む話なのだけど……これ以上つまらない時間の浪費を避けた
かったのだろう、こうして実行委員長御自ら、三年生の教室まで出向い
てきたというわけだ。
「一人くらいの欠員なら、あたしがなんとか埋めるわ」
 ……そう絢辻さんは言っていたけれど、その横顔には既に、少しやつ
れが見え始めていた。
 そこへこの、塚原先輩不在の仕打ち。話の相手はその相方、森島先輩
だ。
「そうですか……」
 言葉の隅から力無い息が漏れた絢辻さんに、森島先輩は自分は悪くな
いにもかかわらず、
「ごめんね? 多分、プールだと思うから、そっちに行ってみたら?」
と、掌を顔の前に立てて片目をつぶって見せた。
「いえ、こちらこそ。受験勉強でお忙しいところ、お邪魔しました」
「え、じゅ、受験勉強?」
 丁寧に頭を下げた絢辻さんに、心臓が跳ね上がってのどに詰まった…
…ような顔をして。森島先輩が、今いる入口から、チラリと視線を教室
の自分の机に走らせたのを僕は見逃さない。絢辻さんの肩越しに盗み見
ると、そこに開かれていたのは……着飾った小型犬の写真がワンサと載
った、えらく可愛らしい雑誌だった。あんな本、売ってるんだ……。さ
しずめ、森島先輩のお宝本ってところか。
「あ、はは、そう、そうね。受験勉強! もう大変なんだから。絢辻さ
んもキミも、来年は覚悟しておいた方がいいわよ?」
「はい、心しておき……」
「そうですね。ワンちゃんにかみ殺されないように……痛ぇへっ!」
 ほっぺたと足の甲。にぶいのと、鋭いの。痛みは二つ、でも悲鳴はい
つも一つ! 江戸●コナン……変態さ!
「キ~ミ~は~。いつからそんな、反抗的なことを言うようになったの
かな~?」
 ムギリ。
 と、音が出るほど、森島先輩は僕のほっぺたを引っ張って、怖カワイ
イ顔で覗き込んでくる。そのせいで足元は確認できないけど……甲を踏
んでるカカトのこの感触は多分、絢辻さんだな。そこんところには自信
がある。
『お、お前……カカトの感触で、踏んだのが誰だか分かるのか!? 恐
ろしい子……。ソムリエ……、そう、カカトソムリエ様が降臨なされた
ぞ!』
とかなんとか、いつかの三限目の休みに言っていたのはマサだっけ。ホ
ント、馬鹿な友達ばっかで、ありがたくって涙が出るよ。

 プールへ向かう道すがら、
「なんで絢辻さんまで……」
僕は腫れた頬で足を引きずり、やっとの思いで早い歩調の絢辻さんを追
いかける。
 廊下の放課後。森島先輩とも別れ、創設祭が近づいているとはいえひ
と気は絶えて、本来のテンションを取り戻した絢辻さんは、
「言わなくてもいいことを言おうとするからでしょ。素直に頭下げてお
けばいいのよ……ねえ、もう少し早く歩けない?」
僕より何メートルも先を行きながら、サラリと酷いことを言ってのける。
多分、さっきのでツメが割れてるっぽいんだけどな……。にしてもこの
痛みは……折れてなきゃいいけど。
「臨泣」
「え?」
「リ・ン・キュ・ウ。そういう名前の、甲のツボよ。効能は、頭痛・肩
こり・生理痛。折れるようなところは踏んでないわ。心配なら、あとで
牛乳でもおごってあげるからさっさとなさい」
 念のために骨は頑丈にしておけ、とおっしゃってますか……。それに
僕、生理はとってもとっても軽い方なんです。
「……はい」
 弱い返事を返す僕に、絢辻さんは呆れ気味。くるりと踵を返し、スタ
スタと歩き出すその背中に、思いだす。今日の昼休み。体育館の脇を抜
け、茶道部室のある花壇のハタで見かけた彼女の背中は、心なしか、少
し小さく見えた。昨日、クラスメイト達の「準備なんて、絢辻さんに任
せておけばいいじゃん」と言う投げやりな噂話を受け止めたその背中。
2-Aの、否、学校中の誰もが恃むその背中が、いろんなモノを背負い
続けるには、何だかちょっと、頼りないんじゃないだろうか……僕ごと
きがそんな風に思ったことがバレたら、漬物石でもくくりつけられそう
だけれど。それでもやっぱり心配だったから、僕は声をかけようと思っ
て追いかけたんだ。
 そしたら振り返りざまに飛んでくる、
「あなたをあたしのものにします!」
 ……。
 本当にもう、頭の中は真っ白だった。
 ただ、思った。ああ、そっか、僕、絢辻さんのものになるんだ、とい
うおかしな実感。とても大きな不安と、ほんの少しの喜び……のちにそ
の比率はきれいに逆転するのだけど、その花壇を吹き抜けた一陣の風の
ようなものに、僕は身を預けることにした。思えば絢辻さんはいつも風
を纏っている。そんな風に、感じる。
 そのあと、僕から何のリアクションも返って来ないことを絢辻さんは
怒っていた。多分、ああいうやり方でイニシアチブを取って、自分の思
うように事を、会話を、運ぼうと企んだのだろうけど……思わぬやり方
で去なされたのが腹立たしかったのだろう。それも相手が僕ごとき。だ
けど、そんなことをしなくても、最初の一撃で僕はすっかり彼女のもの
だったから、あながち失敗ではなかったんだ。
 そんなことがあって早速、こうしてお供をしているわけだ。今日から
絢辻さんの仕事が一層忙しくなるのは、図らずも、僕も聞いていたから。



      *     *     *



 それはそれで、今朝のこと。
「きゅうせい……?」
「虫垂炎ですか?」
「そうなのよ」
 そのとき僕ら二人は屋上で雑談をしていたんだけれど、絢辻さんを探
して現れた高橋先生から、隣のクラス……梨穂子や香苗さん、あとなん
て言ったっけ、市のエライさんの娘さんのいる……2-Bの創設祭委員
の子が、昨夜、突然の盲腸で病院へ運ばれた、という報せを聞かされた。
 その報を聞くや、絢辻さんは瞬時にお仕事モードに突入し、頭の中で
たくさんの情報のロードと演算を始めた。そして出した結論が、
「大丈夫です。虫垂炎なら、復帰は遅くても十日後くらいですよね? 
それまでなら、あたしがなんとか、穴を埋められますから」
という返答だった。
 の、だけれど。
「正直、痛いわね」
 高橋先生が「じゃあ二人とも、授業に遅れないようにね」とお決まり
ゼリフで去ったあと。絢辻さんは、屋上の手すりに肘を預けて呟いたの
だった。
「え? 絢辻さんも、も、盲腸……?」
 その病名から色々想像してしまうイケナイ僕。た、確か盲腸って手術
の時、特定部位の体毛を、そ、剃、……。
「ばか、違うわよ。彼が十日も外れるのは痛い、って言ってるの」
 絢辻さんが言っているのは、B組の委員のことだった。僕たち2-A
のバカタレグループは、そいつとの付き合いはほとんどないけれど、頭
の回る、生真面目なやつらしい。
「理解が早くて、仕事が丁寧だったのよね、彼。真面目な分、融通は利
き辛かったけど」
「そっか。頑張ってくれてたんだね」
「……」
 僕の一言に、絢辻さんは、髪の毛一本、引っ張られたみたいに振り返
る。ぴちりと抜けた、その痛みはかゆみに似ていて無視できない。なん
だか不思議なものを見るような目で、僕を見つめてくる。
「な、何……?」
「あなたって、根っからそういう発想の人なのよね」
 え、え。なんのことだか分からなかった。当たり前のことを言っただ
けのつもりだったのが、絢辻さんには理解の、いや、感情の及ばないと
ころにあったみたいだった。遠慮会釈なしに注がれる絢辻さんの視線は、
僕の目、眉、鼻、頬、口元、首筋、何かを読み取ろうと、ちろちろ探る、
蛇の舌のようで。
 い、居心地が悪い……。
「そ、それだったら」
 ここは、逃げの一手だ。とにかく絢辻さんの注意を逸らしたい一心で、
僕はまた……振るほどでもない、ごく当たり前の話を放り投げた。
「落ち着いたら、お見舞いに行ってあげるといいかもね」
「えっ?」
 瞬間、視線の五月雨はぴたりと止み、流れは奔流となって、僕の顔一
点に注がれる滝に変わった。不思議不思議、不思議不思議不思議不思議
不思議。珍獣を見るその目は、興味津々、恐れ半分だ。押し流されない
よう、こっちも立っているのがやっとの体だった。
「『えっ?』って。だって、頑張ってくれてたんでしょ? それなら…
…」
 しばしの沈黙。
 僕ら二人の間に、珍しく緊張感が漲った。僕はともかく、絢辻さんが
こうまで警戒に似た気配をあらわにするのは珍しい。色んな論理と感情
を組み合わせて、僕の示した行いの妥当性を探っている。そんな感じだ
った。
 やおら。
「……行く……べき、かしら?」
「そりゃあ……行けば、喜んでくれると思う……よ?」
 また、沈黙。秋の終わりの細い風。
 けれど今度のそれは長く続かず、校庭にまろび出てきた一年生たちの
嬌声で、僕らは引き戻された。
「いいわ」
と、絢辻さんは姿勢を変えて手すりにもたれると、肺の中の冷気を真っ
白に吐き出した。
「お見舞いの件は、また考えましょ。で、悪いんだけど、今日の放課後
はまた手伝ってくれる?」
 そうしてお昼の件を経、晴れて絢辻さんのものとなった僕は、今に至
っているのだった。
 ……あたしのもの。あたしのもの、か。
 だけど……あの時確か、
「あなたに対する束縛はない」
って、言ってなかったっけ?



      *     *     *



 プールへ行く前に部室に寄ろうという話になり、僕らは校舎裏へと向
かった。体育館に繋がる渡り廊下を抜け、今日のお昼休みに絢辻さんを
見つけた丁度その辺りにさしかかったとき、脳裏に、あの時の背中の小
ささが甦り……、
「ねえ、絢辻さんさ」
僕は、思いきって聞いてみることにした。
 肩越しに、きらり、と冷たい視線が針のよう。
「なあに?」
 つまんない質問なら、今度は足に穴をあけるわよ。……そう言わんば
かりの鋭い「なあに?」が飛んでくる。今の絢辻さんには、質問ひとつ
するにも命がけだ。ずいぶんキテるなあ。ごくりと一度唾を飲み、僕は
頭の中で質問を練り直す。……うん、多分、大丈夫……。
「あの」
「だから何」
「……あの、ただでも人手が足らないんだしさ。僕、こうして絢辻さん
について回るよりも、何か、独立して動いた方がいいんじゃないかな?
 その方が効率が……」
「あたしと一緒じゃ嫌なの!?」
 慣性の法則をまるで無視した、絢辻さんのストップ&ターン。つかつ
かっと一瞬で距離を潰して詰め寄る、その目はえらく険しい。そして、
少し感情的になっている……ような気がした。声が高いままなのは、意
識的に出した声じゃないからだ。建設的な意見には、いつもはもう少し
冷静に耳を貸してくれるんだけど……。
 二の句を継げない僕の戸惑いを読み取ってくれたんだろうか。
「……ごめんなさい」
と、自分が正常でないことを察知して、絢辻さんは、らしくなく、詫び
た。そういうところもすごいと思う。猫を脱いだりかぶったり、なんだ
かややこしい人だけれど、そのまた奥にももう一人、こんな素直な絢辻
さん。
 うん、いいよ、と僕が頬をゆるめると、絢辻さんも落ち着いたみたい
で、また前を向いてしずしず歩きだした。
「確かに、言うとおりかもね。だけど、一人、いざというときにあたし
のすぐ近くで指示通りに体を動かしてくれる人がいてくれた方が楽なこ
ともあるのよ。手が四、五本あってほしい時って、あるじゃない?」
 ああ……。独りでゲームセンターに来てるのに、ワンプレイ五十円の
台にうっかり百円入れちゃって、しかも2Pのスタートボタン押しちゃっ
たときとか。うん、わかる。わかるぞ。
 絢辻さんは続けた。
「頭を使うことが少ないから面白味はあまりないし……あなた自身の功
績にはなりにくくて申し訳ないけど。幸い、あなたはそういうの興味な
いみたいだしね」
「そっか。ならいいんだけど。なんだか疲れてるみたいに見えたから…
…」
 心配してくれるの? と、絢辻さんは……僕をなのか、僕に心配され
る自分をなのか。嘲るように笑った。お礼の言葉は、形だけ。
「アリガト。確かに、今日のこともそうだし、無能な上司の尻拭いみた
いなことも押し付けられてて、寝不足気味なのは事実かもね。本当はそ
うした方がいいのかもしれないけど……」
「けど?」
 気配は一変。絢辻さんは愉快そうに、唇の端を歪めて邪悪に笑った。
「蹴りたいときに傍にいてくれないと、ストレス溜まっちゃうから。そ
っちの方が、大・問・題」
「……」
 硬直してしまった僕は置き去り、絢辻さんは控えめな胸を大きく反ら
せながら、校舎裏へと曲がって行った。その先から聞こえてくる欠伸混
じりの声は。
「んーんッ……。あ~あ、もっと町のいたるところに、路地とゴミ箱が
あってくれると助かるんだけどなあ」
 あの、絢辻さん……。そんなのは、大きな声で言うことじゃないと思
うよ?



      *     *     *



 訪ねてみた部室にも塚原先輩はおらず、結局僕らはプールまで追跡の
手を伸ばした。独特の湿気に感じる熱と、ほんの小さな空気の揺らぎも
体に大きく反響する空間との連帯感が、ここが異空間であることを全身
に感じさせる。
「大体、あたしは初めからプールに行けばいいって言ったのに、『塚原
先輩はこの時間、まだ教室にいる』なんてあなたが言うから」
「いつもだったら、本当にこの時間はまだ教室で勉強してるんだよ。き
っと何か急な用事……」
「しっ……」
 人の、気配。
 二十五メートルのコースが八レーン並ぶ、近隣の学校でも上等な部類
に入る空間の片隅にそれを感じて、絢辻さんが緊張する。
 果たして、塚原先輩はプールサイドにいた。彼女の戦闘ユニフォーム
である競泳タイプのタイトなスイムウェアに身を包み……否、身をかな
り露わにしつつ、凛とした空気で佇んでいた。
 見るや、絢辻さんは一瞬で、目の上まで上げていた『猫』スーツをつ
ま先まで一気に引きおろし、全身を『猫』で覆うことを完了する。相変
わらずすごい。空気が変わる。
 そして、塚原先輩の隣には。
 まだ部活を始めるには早すぎる時間で他の部員は見当たらないが、一
人だけ、小柄でシャープな、僕もよく見知ったフォルムの女子生徒が塚
原先輩とおそろいのいでたちで立っていた。七咲だった。
 さらにさらに、異質なあと二人。スーツ姿の女性と、ヒゲ面にごつい
一眼レフのカメラを構えた男性が一人。およそこの場に似つかわしくな
いその二人が、先輩と七咲を前にして何事か話しこんでいる。というか、
その二人が、水着姿の二人に色々と聞いているみたいだった。
「あれは……?」
「何かの取材みたいね」
 漏れ聞こえてくる会話からは絢辻さんの言うとおり、それが地方紙の
取材であることが窺えた。あとで聞いた話だと、うちの水泳部は夏の終
わりに行われた県の大会で、ノーマークだったにも関わらず上位に食い
込んだのだそうだ。それに目をつけた地元新聞社のスポーツ部が話を聞
きに来たらしい。中でも特に目覚しかったのがあの二人、だったのだろ
う。
 それでようやく合点がいった。塚原先輩がいつもよりも早くプールに
向かったわけ。インタビューの場所がプールで、二人が水着なのは……
紙面の、それらしさの演出、というところなのだろう。堂々とした塚原
先輩はともかく、七咲にしては珍しく、居心地悪そうにモジモジと身を
よじる仕草が……おおお、し、新鮮だぁ……。
「あの二人、やっぱり大したもんなんだね」
「……間が悪いわねぇ」
 絢辻さんは、特に興味もないといった風情。さらに時間をとられる予
感にため息を落とし、
「しかたないから、少し待たせてもらいましょうか」
と、四人から程良く離れたプールサイドにプラスチックのベンチを見つ
けると、その上をさっと掌で確かめて、物音をたてないように腰を下ろ
した。僕としては二人のすぐ傍まで行って、どんな話をしているのか聴
いてみたかったのだけど、こうなっては絢辻さんの傍を離れるわけにも
いかず。ただ静かな水面を見つめる絢辻さんに付き添った。
 その間、絢辻さんは、身じろぎ一つしなかった。
 先のことを考えたり、この後すぐ塚原先輩に確かめなければならない
内容を反芻したりしているのだろう。静かに、けれどもとどまることな
く揺らめき続ける水面の、次の状態を目で追って予測し、自分の考えに
間違いがないことを確かめる、彼女の行いには本当に寸毫の無駄も見当
たらなかった。そこまで厳しく自分を律することに、一体どんな理由が
あったのか……このときの僕は、まだ全くと言っていいほど知らずにい
た。
「目標」
 ピクン、と。
 その単語が出た途端、絢辻さんの肩が大きく跳ねた。
 二人のインタビューは続いていた。空気の波紋に乗って、話し声がこ
こまで届く。
「では、部長さんも期待するルーキー、七咲さんの今後の『目標』は?」
「え、わ、私ですか……」
 戸惑う七咲と、
「ああ、それは私もちゃんと聞いたことがなかったわね。いい機会だか
ら、教えてもらおうかしら」
静かだけれど弾んだ調子で、聴き手に回る塚原先輩。いつしか顔を水面
から上げていた絢辻さんは、何故か、食い入るように彼女らの様子を見
つめていた。絢辻……さん?
「そう……ですね。選手としてはもちろん、人としても周りから慕われ
て尊敬されるような、塚原先輩のようなスイマーになりたいです。記録
や大会は、その次……ですね」
 あら、と塚原先輩は頬を染め、その顔を、七咲は得意げに見上げる。
優等生的な答えではあるけれど、その思いが本物であることは遠く離れ
ている僕にも届いて。記者さんも、面白みに欠ける回答であるにもかか
わらず、その真摯な思いを感じ取ったのだろう、真剣な面差しで七咲の
言葉をメモに書きつけていた。信頼を絵に描いたような二人の佇まいを、
ストロボの強い光が射抜く。
 そこへ、……フゥ、と、絢辻さんの一際大きなため息がこぼれた。
 彼女のさっきまでの真剣な視線は勢いを失って、ふらふらとプールサ
イドのゴム製ネットの床に捨てられている。何が気に入らなかったのだ
ろう? 小さな迷いと、望みの喪失のような気配が、塩素の匂いに混じ
って隣に座る女の子から漂ってくるようだった。
 やがて、女性とヒゲもじゃがしきりに頭を下げ始めたのを見るなり、
「終わったみたいね」
と立ち上がり、絢辻さんは、二人が更衣室の方へ姿を消す前に、極力控
えめな、けれど確実に届く音量で二人に呼び掛け歩み寄って行った。
 僕の出番はもうナシ、かな。そう思うと、とりとめのない思考が襲っ
てくる。
「目標、かあ……」
 今の僕には、目標と呼べるようなものは特にない。どんな大学のどん
な学部を受験するかもあやふやだ。得手不得手はもちろんあるけれど、
やりたいことのためにそれを乗り越えるという選択肢だってあっていい。
……残念ながら、僕の中にそんなストイックさは見当たらないけれど。
本当は、将来を見据え、必要な勉強を知り、それが出来る場所を探し始
める、そんな時期の筈だった。けれど、手がかりもつかめない。何がし
たいのか、何になりたいのか。
 絢辻さんはきっと、こんな悩みとは無縁なのだろうな。記者さんの去
ったあと、塚原先輩を捕まえて堂々と渡り合うその横顔には、昼間垣間
見せた頼りなさは微塵も見つからなかった。
 塚原先輩も、そして年下の七咲でさえ……
「目標が、どうかしたんですか?」
「うひょぅあっ!?♪」
 突如。
 競泳水着の、む、む、む、む、む、む、む、む、むむ、胸のあたりが、
僕の視界を埋め尽くしたもんだから、嬉しいやら驚くやら。僕は自分で
も意味のわからない悲鳴を上げ、ベンチから転げ落ちそうにのけ反った。
 その間抜けな悲鳴を聞きつけて、遠くの絢辻さんと塚原先輩もこっち
を見ている。先輩が笑い、絢辻さんの体温がカッと上がるのが手にとる
ようで……ああ、またあとで怒られる……。
 どうにか姿勢を持ち直して見上げると、そこには。クールな中にも温
かな光が特徴的な、七咲の目が僕を見下ろしていた。
「な、七咲か。驚かすなよ」
「驚かすような登場をした憶えはありません。フツウでした」
 むうう、相変わらず生意気な。確かに、驚くほどの立派なふくらみで
はないな……。「普通でした」? いや、普通っていうか、むしろ、こ
れは……。これじゃあ、驚き損の怒られ損じゃないか。けしからん。
「立派? ……先輩、今何か、ものすごく失礼なことを考えていません
でしたか」
「えっ!?」
 ジトリと厳しく。鋭く上がった七先のまなじりに責めるような光が宿
ったのを察し、僕は
「あ、いや、そんなことはないよ! 七咲はきちんと目標を持ってて、
立派だなあって。は、はは、ははは……」
と、あながち心にもないわけではない言葉で遁走を試みる。七咲は小さ
く目を見開いて、聞こえてたんですか、と、さっきまで絢辻さんの座っ
ていた辺り、僕の隣に腰を下ろした。
「別に、目標って言ったって、どうしたらいいかもわかりませんし。立
派なことなんて、何もありませんよ」
「そんなことはないよ。どうなりたいっていう将来像を口に出来るだけ
でも大したもんさ。僕なんて……」
「……。先輩?」
 そうだよ、僕なんて。
 そのとき、僕の瞳に映っていたのは……天井ちかくの高い窓から射す、
冷たい冬の陽光。それを、きらきら、きらきら、僕の押入れプラネタリ
ウムなんかとは比べ物にならない眩しさで星に変える、水面の夕映えに
飾られた……絢辻さんの横顔だった。
 真っ黒な瞳に真っ黒な黒髪、深い藍のハイソックス。黒が基調の輝日
東の冬服をあんなに着こなす人もいないだろう。悪巧みが大好きで、底
の底まで腹黒くって。
 なのにどうして……あんなに眩しいんだろう。分からないなあ。
「あれ?」
 そのとき、二人の様子が少し思っていたのと違うことに気がついた。
なんだか、事務的な打ち合わせをしているようには見えず、響いてくる
かすかな言葉の中にも、およそ創設祭と関係があるとは思えない単語が
ちらほらと届き始めている。
 受験……医学部……臨床……病院……?
「なあ、七咲」
「え、あ、はい」
 僕に関係があるとは思えない、知ってどうなるとも思わなかったけれ
ど、ただ、興味を引かれた。
「塚原先輩の進路って、聞いてるか?」
「え? 塚原先輩は……」
 七咲は、緩く結んだ拳をおとがいに添える、見慣れたポーズで一旦黙
った。勝手に話しても良いものか考えたのだろうけど、普段、僕と先輩
がどういう関係にあるかを彼女は知っていたから、その続きは案外する
りと出てきた。
「国立の医大を受けるんですよ。ていうか、もう推薦で、試験自体は終
わっていたはずですけど」
 医大か、なるほど。人の命を……とは言わずとも、体を、健康を扱う
仕事だ。その昔どこかで聞いた、「医は仁術」というキャッチを真に受
けるなら、塚原先輩と医療、これほど相応しい組み合わせもないように
思えた。
「そうなのか。さすがだなあ」
「ええ。さすが、なんです」
 心なしか、大好きな先輩に送る七咲の視線も誇らしげだ。先輩が受験
に失敗することなんて微塵も考えていない──そんな面差しは、七咲自
身、自分の将来を見つめているようで。やっぱり僕にはこの上もなく眩
しかった。
 そっか、もしかしたら、絢辻さんも……。
「……先輩。これ、なんの音でしょう?」
 僕の思考は、七咲の脈絡のない言葉で遮られた。いろんな波紋の交差
する室内プールの空間で、七咲は右へ左へ、瞳を走らせて何かの音を拾
い集めようとしている。音?
「何か……音がするか?」
「ええ。わかりませんか? あんまり、聞かない音……」
 その異状には、やはりこの場所に居慣れている塚原先輩も気付いたよ
うだった。絢辻さんに手のひらを向けて話を止め、七咲と同じように、
どこからか入り込んだらしいその異音の源を探している。絢辻さんはど
うやら僕と同じ、何が起こったのか分からないという様子で、こちらに
視線を投げてくる。刹那、七咲が勢いよくベンチを蹴った。
「私、ちょっと行ってきます」
「あ、僕も行くよ」
 七咲のあとを追い、ほんの十メートルあまりを急ぎ足で合流するや、
塚原先輩が抑揚を抑えて口を開いた。
「七咲、聞こえる?」
「はい。これ、多分……」
「サイレン……みたいね」
 二人が同時にその正体を突き止めたとき、僕らにもようやくその音が
像を結んで届き始めた。周期的に長い楕円を描く、赤い音。消防車……
ちがう、これは救急車のサイレンだ。いくつか開いた天井の小窓から、
その音は忍び込んできているようだった。
「でもこれ……おかしくないですか」
 不安そうに、誰にともなく言うのは七咲。頷く先輩。
 そうだ、おかしい。音が近すぎた。この室内プールと体育館のある建
屋は、桜坂……つまり、学校の基幹道路から一番離れた場所にある。駐
車場も正門のすぐ脇だ。こんな近くで車両の音がするなんて、本来はあ
りえないはずだった。けれど事実、そんなことを考えている間にも、そ
の不吉の使者の足音は、ぐんぐん、ぐんぐん、近づいてくる。校内を走
る救急車。それはあまりにも破滅的なモチーフに思える。音は過剰に反
響し、まるで世界で四人だけ、サイレンの国に取り残されたようにぐる
ぐると風景が回り始めた。
 やがて決定的な、
「おーい、こっち、こっちだー!!」
と、体育教師の叫ぶ声が、建物のすぐ外で、した。分厚いゴムタイヤが
グラウンドの砂を踏む音の焦燥。そしてすぐ傍にも赤い光を感じさせ、
不安を煽る余韻だけを残して……音は途切れた。
「何かあったのかな……?」
「体育館」
「え?」
 僕のすぐ隣り、分厚い分厚いネコスーツさえ超えて滲んでくる、本気
モードの絢辻さんの静かな迫力。超高校級の、あらゆる状況がインプッ
トされた頭脳と数々の感覚器が、何かを感じ取ったんだ。
 やにわに、絢辻さんは背筋を正して塚原先輩を向き直ると、
「塚原先輩、お話、ありがとうございました。途中ですみませんが、失
礼させてもらいます」
とお辞儀をするや、元来た入口の方へ、風を巻いて歩みだす。
「あ、待って絢辻さん、僕も行くよ! それじゃ先輩すみません、また!」
「あ、先輩!」
「七咲も、またな!」

「絢辻さん、どうしたの急に!?」
 小走りに追いついた僕の問いに、
「嫌な予感がするわ」
 こちらを見もしないその横顔は、静かだけど硬く。前傾気味の姿勢に、
握られた拳は一歩でも早くと鋭く振られた。
 そうだ。
 直感や、ましてや野次馬根性なんかで行動する人じゃない。
 彼女の感じる未来、それが「予感」なんていう生易しいものじゃ済ま
ないのはよく知ってる。時刻・状況・コトのやってきた方角と距離、た
くさんの現実的な情報を重ね合わせて導かれるそれは、予報や予測と呼
ぶにふさわしく。
『星占い? あんなもの、信じるわけがないでしょう』
 希望的観測や慰めはいらない。絢辻詞、十七歳。全ては、事実の導く
ままに。シビアに裏打ちされ、築き上げられてきた彼女の自信が……そ
の的中率を、保証してしまうんだ。


 ───これは、絢辻さんがある契約にサインを入れる、その決意の物語。

                            (続く)





        *新しい行動が発生しました! 
 
 
 
 
 

さて、すっかり月刊化してしまっている
『手帳の中のダイヤモンド』
であります。
大変申し訳ありません。

最終章は変則展開に……したいと思います。

いつもの「PRE STORY」こと、絢辻詞さんSSは、ちょっと長めの話を切れ切れに、
そしてその合間合間に本編を何回かに分けて挟んでお届け、
という格好で臨みたい所存。

PRE STORYも大筋こそ決まっているものの、完成はしていないので、
行きつ戻りつ、微修正を加えながらの進行になると思います。
修正を入れたら入れたで逐一お知らせしていきますので……
飽きずに楽しんでいただけたらなあ、と勝手な希望を述べておきます。

……むーん、こういうのは……緊張するなあ。
完成するかなあ。

マですけど、
この半年の間、オイサンが絢辻さんにかけた、全ての思いを込めて。


オイサンでした。


……。


そっか……。
俺はこんなことを、もう半年も続けてきたのか……。





 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」 (SS)
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク

 

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2009年9月 7日 (月)

■知力・体力・ラヴ通信 -更新第302回-

「地球のみんな! オラにちょっとずつ、目ヂカラを分けてくれ!」
「悟空さ、いってえ何たくらんでるだ!」


オイサンです。


よく
「交通事故を起こす瞬間には、周りの景色がストップモーションで見える」
というお話を聞きますが、
今朝方、似たような体験をしました。
クルマに轢かれたワケではなく、手を滑らせて、お茶碗を落としてしまったのです。

その、
手がすべる、お茶碗が宙に踊る、
それを何とか受け止めようとオイサンも軽く踊る、
結局間に合わずお茶碗は床に落ちて砕ける、
という一連の流れの中、1秒はなかったと思うその間に、
  ・滑った
  ・落ちる
  ・取らなきゃ
  ・割れるかな
  ・届かなかった
  ・割れたら、代わりの器がないな
  ・ご飯、何によそって食べよう?
みたいなことを、10コくらい考えたのですが。
そん中に、

  ・そういえば、絢辻さんとの会話に
   「手を滑らせてお気に入りのティーカップを割っちゃった」
   みたいなのがあったなあ
  ・てか何考えてんだ俺は

というのがあって、砕けた茶碗を前に呆然としてしまいました。

もしコレを考えてなければ、割らずに済んだかも知れんなあ、
と思うと……
考えちゃって、割った自分の方が自分らしくてオイサンは好きだなあ、
と、茶碗の破片を拾いながら思ったのでした。
新しいお茶碗、買わないと。

……お茶碗を新しくする時って、なんかワクワクしますよね。
割れたお茶碗には悪いけど。
なんでだろう。
他の食器はそうでもないのに、お茶碗て、なんか特別。




■Innovation For Tomorrow と戦え!




以前『アマガミラジオ』にて、
ダイエット話でメールを読んで戴いたオイサンですが。

ぼちぼち、開始からトータル30kg減の尻尾が見えてきました。
まだまだ減らせる、潤沢なリソースに乾杯。

とはいえオイサンも、何もただ寝てて減量出来てるワケではなく、
カロリー制限をしぃ、筋トレをしぃ、有酸素運動をしぃで減らしているわけです。

そうしてトレーニングなんてものを重ねているとですね、
まがりなりにも筋肉に酸素が行くようになり、
こうフツフツと、動物としての闘争本能のようなモノに火がつく瞬間もあるわけです。

  ボクシング漫画『はじめの一歩』を読んでいると、作中に、
  血管の中を赤血球が流れて筋肉にたどり着き、
  筋肉が燃え上がって強烈なパンチが発射される……
  なんていう描写がありますが、
  あの感じが体の中で起こっていることをすごく実感する瞬間というのがあるんです。
  

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それは昨日のことです。

一通りの筋トレを終え、ウォーキングに出ていたのですが……
軽自動車が丁度すれちがえるくらいの、ワリと細いメの道を歩いておりましたら、
こう、向かいから、来られるワケです。
おあつらえ向きの、ダイハツの軽が、です。

道幅もそう広くはないので、あちらさんもこう……
なんというか……かなり「いい感じのスピード」なわけです。
乗り物としてはかなりスローですが、人から見れば遅くはない。

その、あまりに「This is チョウドイイ」ダイハツさんを見て、
オイサンはですな……
思ってしまったわけです。




  ……あのくらいだったら、
    真正面からいってもそこそこ勝負になんじゃねえか……?




イヤイヤ。
無理ムリ無理むりムリだから。

アホです。

もちろん勝負はしませんでしたけど、その瞬間だけは
オバQのAA並みに真剣に考えていました。

       ヽ|/
     / ̄ ̄ ̄`ヽ、
    /         ヽ
   /  \,, ,,/    |

   | (●) (●)|||  |……アノクライナラ,
   |  / ̄⌒ ̄ヽ U.|   ショウメンカラ デモ カテンジャネエカ・・・?
   |  | .l~ ̄~ヽ |   |
   |U ヽ  ̄~ ̄ ノ   |
   |    ̄ ̄ ̄    |



すぐに首を横に振りましたけど。

勝てるわけがない。
ワケがないんですよ、皆さん。
くれぐれも挑まないように!!
『バキ』のビスケット・オリバ編に出てきた、ボクシングヘヴィ級チャンプ、
アイアン・マイケルの言葉を思い出して下さい。

  「俺ですらがミスターの正面には立たないッ!
   立てないッ!
   お前は体重差というものが分かっていないッッ!
   ボクシングがなんのために、17階級もあるか考えてみろッッ!!」
    
範馬刃牙 10 (少年チャンピオン・コミックス) 範馬刃牙 10 (少年チャンピオン・コミックス)

著者:板垣 恵介
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そうです、ダイハツさんとオイサンの間には
決して埋められない体重差というものがですねってオーイ!

そういう問題じゃないだろ!

そうだったそうだった。そういう問題じゃありません。
相手は四足走行です、そもそもの術理がってオイ・オイ・オーイ!

……段々ネタのテンポがザブングル風になってきたのでやめますが、
花山薫ならいざ知らず、
そもそも人間はクルマとケンカするようには出来てないのです。
30歳にもなったらさすがにその辺は知っておきましょう。
……もう突っ込まない。

デその後テクテクとウォーキングを継続したのですが、
頭によぎったのは……

  「そんな馬鹿げた戦いを挑んで怪我でもしてごらんなさい。
   治った暁には、勝つまで許してあげないんだからね」

と、諭しながらもおかしな闘志を燃やす
スパルタン仕様の絢辻さんでした。
妄想ってのはこういうところから生まれるんですよ、皆さん。


■ザブングルのネタ





■オイサン的『アマガミ』プレイレポートLap-11




さて、美也への負い目もホドホドに解消されたところで、
元気よく参りましょう11周目!

今回の目的は絢辻さんのスキGOODとスキBAD回収、
かつ前々回でスルーしっぱなしだった上崎さんのBESTエンド回収。

そんな絢辻さんの相方には、
輝日東の肝っ玉母さんこと梨穂子を連れて行くことにします。

つまり今回は
 ・絢辻さんと梨穂子のファイナルスターを双方ゲット
  ・絢辻さんとデート → 絢辻さんに告白・梨穂子に告白
  ・梨穂子とデート  → 絢辻さんに告白・梨穂子に告白
  ・どっちともデートしないで上崎さんとゴール
という、怒涛の5連コンボを実現しようというわけです。
オイサン、アタマおかしくなんないかしら。
終了は5連休の最後辺りになる予定。

あとの面々は、
森島センパイを<アコガレ>からスキ諦めで<ナカヨシ>へ、
その他のメンバーは全員<シリアイ>からの<ナカヨシ>を目指してもらいたいと思います。
多分、薫と紗江ちゃんは<シリアイ>ほぼ未経験なので
道中の面白みとしてはそこがメインになるかと。

まあ、感情は出来るだけ絢辻さんと梨穂子に乗せていきたいので、
下位メンバーはホドホドにする所存ですけれど。

まだ開始3日目なので特段なにもありませんが、
またなにか、思わぬドラマが生まれると面白いなあと期待しています。

しかし、トータルどのくらい、
このゲームに時間を費やしてるんだろう。
一周、六・七時間はかけてるよなあ。




■すれちがいラブ




『ラブプラス』、近所のさくらやでだぶついているところを華麗にゲット。
ちょっとだけ触ってみましたが……
文字送りにストレスが。

あと、DS縦持ちにするとスピーカー位置が体正面からズレるので、
感情の移入度がかなりそがれる気がします。
大丈夫かなコレ。

それ以外に関しては、
演出のベース部分が『ときメモGirl's side』を踏襲しているので
中々好感度は高し。
ちびキャラとか、アイコン選択時のSEとか、心地よくてスキです。


『ドラゴンクエストIX』もちょっとだけ進行。
ハナシは進んでません。
序盤の大きな町にたどり着き、仲間を作るところまで。

  仲間も、適当に作っちゃったなあ……
  もう一度よく考えて作り直すつもりです。

ついでに、ようやくすれちがい通信が出来るようになり、
朝の通勤電車で試してみたところ……
ものの10分ばかりの乗車でたちまち3人ゲット
(一回の通信モード入りでは3人が上限)!!
入れ食いじゃないですか。
しかも、うち二人が小学生でひとりは高校生。
思いのほかの年齢層の低さに驚く。

その後のバス路線でも、引っかかったひとりは小学生。
お、オッサンはやってたらアカンのか……orz?
オッサンキャラクターが遊びに来て、
引いてないといいけど。

帰り道でも4人釣れました。
すげえな、国民的RPG。
国民的ドラマにツメの垢でも煎じて飲ませてやりたい感じです。


最後に、いっこ訂正。
前回の記事の中で書いたんですけど、
『ハッピーフライト』には、堺雅人さんは出てませんでした。
まちがい。
シマリスのまちがい。


以上、ちょっと寝不足気味でテンションのおかしいオイサンでした。
何故寝不足かというと……次回こそは、
「手帳の中のアレ」を載せたいからだ!!


 

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2009年9月 6日 (日)

■ひもじくもANTARCTICA -更新第301回-

南町田の109シネマズにて、『南極料理人』を見てきました。
その感想などを。

例によって、遠慮会釈ナシのネタバレ全開ですので
見に行くつもりのある人はご遠慮モードで。

マでも、ネタバレしたからっつって影響のある映画ではなかったですけどね。


■南極料理人 予告編



昨年から見てきた映画、
『ハッピーフライト』『アフタースクール』『クライマーズ・ハイ』
の3本が3本ともに、立て続けに出ておられた、役者さんの堺雅人さん。

そのお芝居がスキで、
あと毎日シゴトバのお昼休みに読んでいる
糸井重里さんのサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』で
堺さんとの対談が載っていたこともあって、見てきました。

  ◆堺雅人さんと、満腹ごはん。
                     [ほぼ日刊イトイ新聞]

あと、この映画には、一昨年? に見た映画『めがね』『かもめ食堂』の
料理に監修(フードスタイリストというらしい)で参加しておられた方が、
やはり料理の監修で参加されてました。
そんな色々な理由が再集結して、とても見に行く気に。

  ◆かもめとめがねのおいしいごはん。
   

  ちなみに上の方の、堺さんと糸井さんの対談記事の中で、
  「ロケ弁ばかり食べてると、ロケ弁のような人になっちゃう」
  というようなお話と、
  飯島さんのこしらえる、あまりに魅惑的な焼きそばのお話が出てくるのですが。
  オイサンが以前の記事でちょこっともらしてしまった

    「焼きそばみたいな男になりたい

  という言葉がなんだかカタチになったような気がして、ヘンに嬉しかったです。
  「そうそう、そんな感じだ!」みたいなね。
  マ後付けですけどね。



  ●映画の話の前に。



えらく早く映画館に着いてしまい、眠かったのでちょっと寝ようと、
ロビーの椅子でうつらうつらしていました。
テーブルを挟んで向かいに合わせに座る、二人掛けの席に座っていたのですが。

しばらく経って目を覚ますと、目の前の席に見知らぬお嬢さんが座って
こっちをじっと見ていてビックリする。
自分でも知らないうちに彼女が出来たのかと思った……。

あちらも、こちらが急に目を覚ましてびっくりしていたご様子。
特に意図もなく、そこが空いてたので座ってただけのようですが、
いやあ……驚いた。



  ●デ映画の内容なんですが



かいつまんで言うと、
南極越冬隊に、不本意ながらも同道することになった
海上保安庁付きの料理人である主人公(堺雅人)が……
特に何を奮闘するでもなく、
ペンギンもアザラシも、ウイルスさえも生息できないドームふじ基地で起こる日常の中で
ごはんを作って隊員みんなと生活をともにする、というだけのお話。

まあ、日本からは想像もつかないような環境の中で
1年以上もオトコ8人で暮らすわけですから……
グチが出たり諍いがあったりと、そのくらいは普通にするのですが、
でもそのくらい。
南極基地という異質な土地の日常に充満した、
閉塞空間で繰り広げられる、ペーソスに満ちたコメディでした。

笑えます。
かなり。

特に、昭和基地から、余りモノの伊勢エビをおすそわけされ、
隊員たちの強引な要望から「伊勢エビフライ」が決行されるしーん。
氷雪学者のモトさんが、巨大なフライを目の当たりにしてぽつりとつぶやく、


  「……なんか、遠近感狂うな」


のヒトコトはもう最高です。

けど、オイサンは中盤……前述のモトさんが基地で誕生日を迎え、
皆の前で日本の我が家に電話をかけたとき、
奥さんから
「これ以上子供を放っておくなら『覚悟』がある」
と言い渡されたシーン以降……なんだか、笑えなくなってしまいました。
そして予告編でも流れる、

  「やりたい仕事が、
   たまたまここでしか出来ないってだけなんだけどなあ」

というセリフ……。

その後も笑えるシーンはたくさんあって、周りのお客さんはフツーに笑ってらしたんですけどね。
……なんでだろうか。
いや、理由はマア、わかってんだけどね。
さーて、どうしよっかなあ。

マその話はおいといて。

全体的な話をしようと思っても、そんなにガッツリと筋の通った話でもなく、
全部を説明することは難しいので、
ここまで読んで興味がわいた方は見てもらった方が早いと思うのですが。
幾つか印象に残ったシーンというか、感想だけ挙げておきます。


●まず一つ目。


……どんな場所でも、笑う力・笑わせる力を最後まで残してるヤツが、
やっぱ畢竟、一番強いんじゃないか?
強くはないかもしれないけれど、一番「いい」んじゃないかと、オイサンはやっぱり思う。

そんな極端な、
そんな滑稽な、
そこにいる自分が、
自分がそこにいることが、
一体どれほどバカバカしいことか。
それを、ドドーンと視点を引いて空の上から見下ろして、笑いに変えられるチカラ。

そんなバカみたいなことをしているヤツが、
何を言ったら何をやったら、一番面白いか?

そんなことを思いつくまま、トコントコンとやれるヤツが、
幸せに、長生きが出来る。
……そんな気が、この映画を見てしたのです。
もう、相当に冒頭のシーンでね。


●二つ目。


人間、年をとると、どうしたって曲げられないもの、
変えられないこと、
そんなことはきっと出てきてしまうんだ、ということ。

そうでない方がいいと分かっていても、
いつまでも柔軟でいられた方がいいと分かり切っていても、
フツーはそうはいかない、そうはならない。
どこか一点に足がはまってしまって、身動きをとれなくなるときが、ある。
そんな穴が、人生には必ず空いているんだ、ということ。

それは悪いことでも悲しいことでもなくて、
正当化するわけでなく当然のことで、しかも憎からず愛らしいことなんだ。
成熟だとか成長だとか、完成だとか。
そういうベクトルとはまた別な方向のお話として。

……ラーメンが底をついたとき、隊長がもらした一言に、
そんなことを感じてしまいました。


●そして、三つ目。


涙ってのはまあ、面白いなあ。
嬉しいのか、悲しいのか、悔しいのか、情けないのか、腹立たしいのか、楽しいのか、
わかんねえんだよね。
涙って。
全部なんだもの。
そしてどれかである必要はなくて、全部でいいんだ、ということが、
なんとも言えず素晴らしい。

これを美しい言葉で言ってしまうのはブスイなのだけども、
あまりどろくさい言葉も思いつかないのでそのまま口にしてしまうと、
人間というものの結晶であるような気がしてならないません(原文ママ)。

人間の感情を代表するようなもので、そしてそれを許すことで、
この映画の、そして人生の、何かのシーンをゴッソリまるごと、理解することが出来る。
面白い、と思いました。

  オイサンは随分以前に
  PSのゲーム『DancingBlade かってに桃天使2! Tears of Eden』
  というゲームをやったとき、
  涙というのは感情、というか人間の揺らぎの象徴のようなものなのだな、
  と思っていたのですが、その気持ちが、今日この映画を見て甦ってきました。
  こちらも、興味のあるキトクな方は、是非。

  ■DancingBlade かってに桃天使2! Tears of Eden
  


他にも、ラーメンを食べるシーンを見ていると、
「自分が今まで食べた中で、一番おいしいラーメンの味が口の中に甦る」
だとか、ありました。

隊員の一人が、日本に残してきた恋人にフラれるシーンでは、
これまでならワリと、無感情に見ていられる類のシーンなのですが……
オイサンは、絢辻さんが自分のもとから永遠にいなくなってしまうことを想像して
なんかもう死にそうになったとか。

  イヤもうね、ホントだめですね。
  悲しい。
  辛い。
  この先、どうしたらいいんだ……って、思いになりました。
  耐えられる気がしない。

  今、そういう色々が自分の中でさっとエミュレーション出来てしまって、
  逆にしんどかったりします。
  お願いだから、突発的にオシゴト中に襲ってくるのはやめて欲しいのですが。


そして、ラスト近くのひと台詞。




        「西村君、おなかすいたよ」。



……。


マ、そんなことでね。
2時間半近くという、映画としては長い目の作品ですが、
それでもラストまで退屈せず、しんどくもならず見ることが出来たのは、
バランスの良い、面白い作品であることの証明ではあるのでしょう。

ノンビリした映画を、笑いながら見たい人にはオススメです。

空腹で行くと多分、序盤でガマンが出来なくなると思いますので、
見に行かれる方には是非、ちゃんと腹ごしらえをしてから、ということで。
オイサンはお昼ゴハン直後くらいの回を見に行ったのに
終盤ではもうかなりお腹空かされてましたからね。
ご注意のほど。


……。


しっかしまあ……。


オトコってのはどうしてこう、どこへ行ってもバカなように作られてるんだろうね?


イヤになっちゃうよ。


マ、そんな感じでヒトツ。


最近、見たい映画が多いですな。
あと『アマルフィ』と『ディア・ドクター』、
それとまだ見ていない『サマーウォーズ』も見ておきたい、そんな気分です。


オイサンでした。


 

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2009年9月 5日 (土)

■HOLY NIGHT・はじまりのはじまりとはじまりの兄妹 -更新第300回-

最近、妄想の中で絢辻さんが、オイサンのことを

  「パパ」

って呼ぶようになってきました。
オイサンです。

妄聖として名高い関根勤氏ですら
「妄想の中で、妊娠させたことはない」
と言っておられたが、むむう。関根氏を超えたか。 > オイサン



■オイサン的『アマガミ』プレイレポートLap-10 美也ルート



読了。
キチンと美也でゴール出来ました。

結局、前回書いたとおり紗江ちゃんは脱落し、
<ナカヨシ>に居座った三人……七咲・薫・森島センパイたちと、
最後の最後までフワフワふらふら……
センパイと宝くじを買ったり、七咲がラーメンになったりと、
楽しく過ごすという流れに。

ラスト直前の森島センパイの「美也の部屋襲撃」イベントはもう、
大笑いさせてもらいました。
森島家の男衆はいったい何のゲームで遊んでいるんだ。
『トゥルー・バイオハザード・ストーリー3』か?

ラスト、普通に、三人からクリスマスに誘いかけられた時は正直どうしたものかと……
迷いながらも全員振り切りました。
これでいいのか? とも思いましたが、ちゃんと美也ルートに入ってくれて安心。

いやあ、よかった。
これで美也ルートにも入らなかったら涙ものですからなあ……。



  ■デ、肝心の美也シナリオですが。



ラストは……もしかするとメイン衆を食って、一番グッと来たかもしれません。
泣いちゃったもの。
今作、物語の出来はとても素晴らしいのですが、
何故か「泣く」までには、あまり至っていなかったことに、今更気付く。
本当に何故か。
そういう性質の物語ではない、というだけかもしれませんけど。

全体的なボリュームは、オマケとしてはこんなものなんだろうな、と思いますが、
もう少し、一本、お話に芯があってくれると嬉しかったです。
基本的には「美也を大事に思うにぃに」というセンではあるのですが、
美也の側に、もう少し、主人公から働きかける動機となるだけのドラマがあってくれると良いなあと。

そこでまあ……お得意の妄想なのですが。
クリスマスのあの日、美也ももしかして、誰かからの誘いを断ったか、
或いはフラれるかして帰ってきてたんじゃないか、と、
ふと思ってしまいました。





  「もしも、みゃーも迷子になったら……探してくれる?」





という、美也の一言。
そして、一人にしてしまった母猫を、執拗なくらいに思うその姿に。

まあ、自分から行ってフラれる、というセンは薄そうなので、
誰かに告白をされて、誘われて、断ってしまったのを、
悔いているのか、複雑な気持ちでいるのか。
そんなところだったのではないかなあと。

フッてしまった相手の心を思い、自分か、ここ2年ばかりのにぃになのかの姿に重ね、
もしもそれが自分に降りかかった時、自分の心は耐えられるのかな?
……などという、埒もない不安にとり憑かれていたところに、
一人ぼっちの子猫を見つけ、シンパシーを感じて拾って帰ったつもりが
実は自分がもっと残酷なことをしてしまったことに気付く……
と、いう流れだったのではないかと。

  マ実際は、そこまでの話の流れを鑑みると、
  将来、少しずつ距離が生まれていくにちがいない自分たち家族を思って、
  ちょっと寂しくなったというのがシナリオ上の本道なのでしょうけど。

  うーん……オイサンが高校生の頃は、そんなコト思ったことなんてなかったなあ。
  あるにしても、まだまだ全然遠い先の話だとしか感じていなかった。

この話は、総じて「美也がいい」というよりは「にぃにがいい」感じですね。
とても救いのある兄妹のような気がします。

母猫が見つかって、美也と二人、家路につくシーン。
なんのビジュアルもない、夜空背景にセリフだけの場面なのに、
二人が夜空を見上げながら寒そうに歩く絵が、ずーっと浮かんでいました。
良いシーンです。
上崎さんシナリオの後に、この2本目の隠しを入れてくるあたり……
やっぱりすごいなあ、プロって。

  尚、エンディングテーマは流れなかったので、自前でCDで流しました。
  これ、流れてもいい展開だと思うんですけどね。
  ていうか『TLS2』のときのように、BestEndとGoodEndで別のテーマが用意されてて
  ほどほどEndのテーマでもいいから流してくれれば良いのに。

いずれにしても、今回の人選……紗江ちゃん、森島センパイ、七咲の三人は、
美也ルートに引き連れていくには結果的に大成功だった。
だって、美也もからんだイベントが、バンバン多発するんだもの。
前回の上崎さんルートで辛いメを見た美也を盛り上げる、という意味では
もう一人は薫じゃなくて梨穂子の方が良かったかも知れないケド。ディケイド。
大正解の展開になったような気がします。

  そして、美也編とは関係なく。
  三人からの誘いを断って一人部屋に戻り、窓から差す暮れゆく光(の背景)を眺めていると……
  絢辻さんは、今日も一人で頑張って、
  張りつめながら創設祭を成功させたんだろうなあ、という
  おかしな寂しさのようなものを感じてしまうオイサンです。

    「クリスマスには、平等に幸せを」。

  そんな彼女の夢に背を向けて、三人に、わけもなく不幸せな気持ちを配ってしまった自分に
  ちょっと嫌気がさしました。
  ……マ、結果的には美也がしっかり笑ってくれたので、いいんですけど。
  今回は仕方なかったんですけど。

あー……あと、一つだけ、苦言。
『アマガミ』橘美也役・阿澄佳奈です! ……さん。
もう少し、もう少しだけがんばりましょう!!
母猫探しのラストあたりで……お芝居に、ちょーっとバリエーションの少なさが露呈したか?
という感じです。
テンポなのか、抑揚なのか……若干の単調さが見え隠れ。
たくさん経験を積んで、もっともっと、いいお芝居を目指して下さい。
お疲れさまでした!


まあ、そんなことでね。


オイサンにも兄がいますが、ほとんど会話がありません。
帰省した時にあっても、ほとんど。
オイサンの身に何かがあったり、その逆だったりしても、
お互い、必要最低限の「措置」を執り行う以上のことは、きっとしないだろうと思います。
お互いの人生に、多分あまり、興味がない。

だから、正直な気持ち、にぃにと美也の言うように、
「たった二人の兄妹だから、助け合って生きていかないとな」
であるとか、
「大事な、家族なんだから」
というような感情は……少し、理解しがたいものがあります。
父と母との同じ輪の中に、彼がいることを感じ取れないのです。
それは以前の記事でも書いたように。

  ■成分と想い、不確かさを燃やして確かめ合うこと -更新第205.3回-
   ……ていうか、もう100回近く前の記事なのか!
   びっくりだな。

だもんで、気持ちの上ではノリ切れない部分はたくさんあったのですが。
ただ、次の帰省の際には、ぬくぬく長者ゲーム……はないから、
『いたスト』でも持って帰って、軽く対戦でもしてみるかなあ、
と考えてしまったオイサンですよ。

  ……けどなあ。
  あのオッサン底意地悪いから、一緒にやっても腹立たしいばかりなんだよなあ……。
  ヤだなあ( ← あっ)。


以上。
美也の私服コート姿は妙にかわいいですなあ。
一先ずオイサンでした。


これで、ともあれ一巡り。
残るは……いくぜ!
絢辻さんスキGood & Bad、かつ5人のナカヨシオンパレード!!

そーなんだよなあ……。
スキBADもみたいけど、一つ重要なヒントが隠されてるとしたら、
スキGOODだってことを見落としてたよ……。
スキBESTとほぼ同条件で迎えたエンディングで、
さらに先の時間を描くエンディングだっていうものなあ……。
絢辻さんがどんな未来を迎えてるのかの、ホントに大きなヒントのはずだ……。
なんで、見落としてたんだロ。


 

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2009年9月 4日 (金)

■ラブとかドリームとか最初に言い出したのは誰なのかしら -更新第299回-

「参勤交代」と「サンコンさんに聞きたい」は似てないなあ。
オイサンです。

バカなこと言ってるうちに9月です。
はてさて、今年も金木犀の花の薫る瞬間を感じることが出来るかどうか。



■揚羽蝶



外回りからの帰り道、夏の終わりに、黒いあげは蝶に出会う。
生い茂った雑木林をバックに、ひらひら宙をはためいたかと思うと、
ほんの短い距離、目の前を優雅に滑っていった。

ぬれたような濃い緑の中、
光を受けた彼女─何故かその時、私はそのあげはを雌だと思った─の黒は
不思議とまぶしかった。
背後の緑色よりも白く、明るく見えたのだった。

 
 
  主人公「きれいだね」
  絢 辻「そうね」

  主人公「絢辻さんと、似てるかもしれない」
  絢 辻「そう? どの辺りが?」
  主人公「艶っぽくて、真っ黒で」

  絢 辻「それ、どういう意味よ」
  主人公「……え? あ、いや……目とか、髪とか」
  絢 辻「お腹とか?」
  主人公「ははっ、そうそう」

  絢 辻「……」
  主人公「……」

  絢 辻「……帰ったら、百叩き」
  主人公「百た……。……絢辻さんって、時々時代がかった言葉を使うよね……」
  絢 辻「……。……五百」
  主人公「わあっ!」
  絢 辻「フン」
  主人公(わ、話題を変えよう……)

  主人公「そ、そういえば、七咲もまぶしい黒……」
  絢 辻「え?」
  主人公「あ、いや、なんでもない」
  主人公(ぼ、僕はなにを言おうとしてるんだ、この話はダメだっ!)

  絢 辻「?」
 
 

……どうでもいいけど、あげは蝶を「アゲハ」と書いてしまうと、
「小悪魔アゲハ」とか、あのテの雑誌にオイサンらが感じる、
どうにも品の感じ難い、飾ることにばかり頓着する女性のイメージが先行して
苛立ちが募る。

きれいな言葉を雑誌名やら商品名に使うのはかまいませんが、
もとの言葉の持つ格調の高さを損なうようなことのないようにお願いしたい。
あとからその言葉を使おうとする人間がメイワクする。

……と、自分のことは棚に上げて、
変態紳士が色々敵に回しそうな発言をしてみた。
ス、スイーツ(笑)。



■年齢を忘れてみよう。



オイサンの好きなWeb連載に、
日経ビジネスオンラインの『人生の諸問題』というのがあります。

  CMの企画屋さん? の岡康道さんという方と、
  コラムニストの小田嶋隆さんという同級生コンビが、
  昭和のオッサンの抱える、至極日常的なメンタリティのようなもの
  (といってもそういうちょっと特殊なオシゴトをされている方々なので、
   オイサンらフツーの勤め人から見れば中々にスペシャルな感は否めないのですが)
  について滔々と、雑談ポップに語りつくす……という趣旨のものです。

そんな中で今回、
「人から年齢を聞かれ、答えることで自分の年齢を強制的に自覚させられる」
とか、
「鏡を見ることで、年齢を自覚する」
みたいなことが言われてまして。

……そーいや、なんだろうか。
年齢、というのはモチロン、世の中的にはどうしたって必要な物差しなのだから
そこをすっかり無視するコトは出来ないのだけど、
せめて一人でいるとき、或いはその物差しが大事でない場面では、
そんなことは忘れて良いものなんじゃないかと……思った。

  うん。
  思った。
  思ったぞ。

「いくつだからこうでないといけない」ってのは、
社会的なモノサシの役割をはずせば、そもそもそんなには無いはずだ。
特にオイサンのような専業妄想家には、それは障害以外のナニモノでもあるまい。

  何年生きたんだから、こう考えないといけない。
  何年生きたんだから、こういうことも分からないといけない。
  何年生きたんだから、こういうことはやっちゃいけない。
  考えちゃいけない。
  言っちゃいけない。
  何年生きたんだから、こういうことにこそ、ヨロコビを見出すべきだ。

……そーだなー。
自分のことを鏡に映して、縛るのをちょっとやめてみよう。
今でもかなり奔放にやってる方かもしれないけど、
それでも足首だけはガッチリ縛って、上の方だけでブンブン回ってるカンジだから……
そこを外せると、かなり違うかもしれない。
所詮は好きなことしかやってないんだけど、
その意識があるかないかってだけで、滲むものが違ってくる予感はかなりある。

ワガママに、マヌケに、トンチキに。

そもそも既に、人よりも何かと進歩が遅いので、
周りよりもズレた所にいる自覚はあるわけで、
この先そんなことを気にしていたらどんどん窮屈になって袋小路に陥るような気がする。
本当は、そろそろそういうことを固める時期に入るもの……なのかもしれないけども。
ちゃんと自分で自分の道を敷かないことには、どうにもならん。

生身の世界でも、ここにいる時みたいに出来る場面を作れれば、
面白いことの一つや二つ、起こせるのかも知れんな。
マ小心者だから、そうすることが逆にストレスになる可能性も否めませんけどな。
あとはまあ……どれだけ上手に、自分の世界を……
……否、社会を作れるかにかかってくるのだろうな。

先ずはしっかり、自分の好きなもの・作り出すものに、
自分で元気を出していかないことにはどうしようもねえ。


……。


サテ……気がつけば『ドリームクラブ』も『ラブプラス』も発売になっちゃってるな。
乗り遅れる前に買いに行こう。
やっぱり手をつけるのはちょっと後になるだろうけど。

DREAM C CLUB(ドリームクラブ)(特典無し) DREAM C CLUB(ドリームクラブ)
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販売元:D3PUBLISHER
発売日:2009/08/27

ラブプラス ラブプラス

販売元:コナミデジタルエンタテインメント
発売日:2009/09/03
Amazon.co.jpで詳細を確認する

以上、昨晩『アマガミ』をやってたら、休3イベントで
「輝日東の制服に似合う靴下は、黒のハイソックスか? それともオーバーニーか?」
という質問が発生し、攻略本のキャラ絵をざーっと見直してみたところ……
「ぬをっ!!? 七咲だけ、随分とスネが骨ばって角張っているな!?」
というリアリティを発見し、ドエラく感動してしまったオイサンが帰りますよ。

オイサンでした。

いやホントだから。
みんなも見直してみ?
陰影がハンパねえ。梨穂子なんかつるっつるなんじゃぜ?


 

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2009年9月 2日 (水)

■私と踊ってくれませんか -更新第298回-

世の中には、言って良いことと悪いことがあるんです。

……なんてまあ、もっともらしく、
かつまことしやかに、
古くから言われていることではありますけども、
実はワリとそんなこともなくて、
それは別に「ヨノナカ」なんてエラそうに振りかぶらなくても、
言われたその人が言われたくなかっただけのコトだった、
なんていうのが大抵のオチだったりするわけです。

せいぜいヨノナカにあるのは、

  言って良いことと、言わんでもエエこと

くらいのモンか、
オイサンの好きな言い方で言うならば、

  言って良いことと、言うと面白いことがある、

くらいの話なのかなあと思います。
言わんでもエエことは、大概言ってしまうと面白いことが起こるわけです。

  この場合の「面白い」は、
  もう際限なく広い広い意味と心で捉えて戴けると結構。
  空から神様が見て「おお、なんか面白そうなことやってやがんな」
  くらいの面白さです。

人間生きてると、というか、
心を許せる人間とか、逆に全然許せない人間とか、
自分が一方的に好きで好きでたまらない人間とかとワクワクと話をしていると、
ポロっと、本当にポロっと、
言わんでもエエことを言ってしまいたくなる時があったりします。

言う前に気付くことも、
言ってから気付くこともありますが、
まオイサンくらいのトシと臆病者ともなれば、
そこそこの率で言う前に気付けてしまうのですが、

  ……あ、「言ったことに自分は気付いてない場合」ってのはありますよ。
  それはもう防ぎようも、反省のしようもありませんね。

それをじゃあ、言おうか、言うまいか、考えるわけです。
自分と、相手と、取り巻くものを見て、ですね。

言えばまあ、その場その時でなくとも、面白いことが起こってしまうわけです。
聞いた相手が、その、中身は面白いことですから、大概忘れずにいて、
どこかで誰かにまた話すのですね。
そうすると、その面白いことを面白く思わない人間がヨノナカには必ずいて、
後々、そもそも言ったオイサンが、何か面白いメに遭ってしまったり、する。
きっとする。
巡り巡って。

だからまあ、言わんとったらエエわけですが、
でもその場の話の流れでは、絶対に言った方がイイ場合もある。

その方が話が盛り上がる……というとなんだか軽薄な感じですが、
言葉を変えるとつまり、
その場でしている会話がより実のあるものになる、
その会話の目指すところにより近づける、
そんな局面というのもあってですね。

ほな言うたらエエやないか、という話なんですが、
やっぱり、その、巡り巡って遭う面白いメには、出来るだけ遭いたくないときもあるのです。

そんなときオイサンは、インチキ日本語使いらしく、
自分は完全に言った気になれる、むしろ言い切るんだけれども、
相手には100%は伝わらない、そんな言い方をします。

抽象的な言い方だったり、
人の言葉やことわざを借りたり、でっちあげたり、
そのヤリ口は様々ですが、
相手をよく見て、伝わると伝わらないの境界面、
川面スレスレに投げるフリスビーのような言葉を探します。

言葉でなくてもいいかも知れない。
身振り手振りでもいいだろうし、
絵を描く人なら絵でもいいだろうし、
写真、音楽、やり口はなんでもいいと思います。

それはまあズルいのですが、
伝われという思いを込めつつ、相手が小首をかしげるくらいのことを期待して、
実にアンビバレンツな一投を試みます。
「上手いたとえ」からさらに半歩ずれたような、
ボテボテを狙って投げる、ストライクゾーン半個分……否、1/4個分のボール球です。
それくらいしか、もう、やりようがない。

  まあ、アレですわ。
  遠まわしな告白みたいなことですよ。
  それが「気付いてくれ!」という気持ちで投げられたボールなのか、
  「ほどよく気付かないでくれ!」という気持ちなのか、という違いくらいです。

モチロン、それを打たれてしまうときもありますし、
逆に、もろにストライクを取りに行ったのに変に引っ張られたり流されたり、
そんなこともままあります。
コンチクショー!
……と音が聞こえるくらいに、気持ちよく打ち返されてしまったときは、
それはそれで、心地よいものですよ。
あのコースを打たれたら投げるトコないわー、みたいなね。
むずかしい。

ただ、ね。
それをやらないと、自分が壊れてしまうときっていうのもあります。
ズルいことなんですけど、
いつでも真っ向、どストライクがカッコイイんでしょうけど。
カラダを壊さないために、面白いことが起こらないように、言う。

そんな中から、また愉快で、斬新で、
豊かな言葉が生まれることもあるわけですんで、
捨てたもんじゃないなあとオイサンは思ったりもしますけどね。



  ……なんていう、言葉のお城の舞踏会 へようこそ。



謎はナゾのままに。
オイサンでした。


■『Bugってハニー』ED 私と踊ってくれませんか

コレいい曲だなあ。ここちよく、せつない。恋はこうでないとね。


■同上。3分あたりから。



■ついで。千早MAD ver




 

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2009年9月 1日 (火)

■ハリケーン・ファミリー -更新第297回-

アッキーナとユッキーナと優木まおみの商品性の違いが分かりません。
オイサンです。
加湿器と除湿器と空気清浄機みたいなもんだろうか。

結局台風さんは、オイサンちにはあまり関係ない方針で行ってしまわれました。
雨が降ると、この歌を思い出します。

■へんな家!


みんなのうたには、今聴いてもじんわり沁みる、良い曲が多いです。
近年の曲にはちょっと首を傾げたくなるものも多いですが……
マそれは時代なんだろうなー。

一体当時、これを選ぶ人たちはどんな目を持っていたんだろうか。

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■『アマガミ』プレイレポート10周目・美也ルート



『アマガミ』10周目は、まさか、まさかの日程読み違えで、
唯一、<スキ>にまで上り詰めていた紗江ちゃんが脱落。

しかも、紗江ちゃんに公園に呼び出されて
「付き合ったこと、後悔してるなら言って下さい!」
と詰め寄られるイベントの直後という、最悪のタイミング……orz

紗江ちゃんからは、
オイサンが煮え切らぬまま意思表示もしないでフェードアウトを図った、
という風に見えるんだろうな……。
最低だ俺……。
中途半端もいいところだ……。

いずれにしても、美也シナリオを完遂するにはどこかのタイミングで見切って
美也に乗り換える必要があるのだろうし、
遅かれ早かれ、なんだけど……
「美也の友達を裏切った挙句、自分も傷ついた感じになって、
 でも美也に励まされる」
みたいな展開になってしまうのだろうか……?

前回の上崎さんシナリオで、
美也に辛い思いをさせたことへのフォローをするつもりだったのに、
また美也をやり切れない気持ちにさせてしまうんだろうか……。

人選をミスったなあ……。
なんでよりによって、今回、紗江ちゃんを<スキ>まで連れてきちゃったんだろうか……。
森島センパイとか、薫ならまたちょっと話は変わってたのに。
あるいは、紗江ちゃんも<ナカヨシ>にしておくべきだった……。

ホント、いつまでたってもキャラの気持ちを思いやれない、
ダメなにぃにで嫌になっちゃうよ。
「そんなことだから、いつまでたっても彼女出来ないんじゃん!」
という、プロローグでの美也のセリフが何だか痛いよ。

せっかく、『ぬくぬく長者GAME』でいい感じになれたのに。
あー、憂鬱だ。
この先、どうなっちゃうんだろう。


にぃ……オイサンでした。


 

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