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2009年9月15日 (火)

■君の涯 -更新第307回-

今日は朝から、絢辻さんにつかまってしまった。
<スキGood>のことが頭から離れない。

前も思ったことだけど、今更ながらに思えば、
<スキGood>がこんなに重要な位置にあることに
どうして今まで気付かなかったのか。

今まで、絢辻さんの色んな物語の部品を拾い集め、
幾人かの人ともお話をさせてもらって、
『アマガミ』本編の中で語られない時間の出来事について考えを巡らせてきた。
なかでも「<スキ>のその後の絢辻さん像」というものは、
やっぱりどうにも、ヒントがなくて、けれども無いなりに、
頭の中で埋めて築き上げてきたのだけれども。

オイサンは一応、公式ガイドとかその他の情報から、
<スキGood>のビジュアルがどんなものなのか、ということだけをラフに知っている。
ただ、そこに流れている空気や、言葉がどんな物なのかを知らない。

……<スキGood>に描かれている時間から想像すると、
そこには、そのこと……「<スキ>のその後の絢辻さん像」に対する
ハッキリとした答えが埋め込まれている可能性も、存分にあるのだよなあ。
怖い。
上崎さんシナリオに対して抱いた恐れと同じように怖い。

……ただ、今までお話ししてきた人たちの言葉や態度から想像するに、
彼らもハッキリとした像を結んでいるワケではないようにも見えるので
(気を使って巧みに隠して下さったのかも知れないけれど)、
そこまで明確な物は無いのかも知れないと、小さく「安心」してもいる。

今までさんざっぱら妄想をひっくり返してきて、
しかもそれを、こんな場所で公にブち上げてきて、
それが根底からひっくり返るようなら、なんかもう。

うーん……あまりに迂闊だ。
もっと早い時点で回収しておくべきだった。
ていうか、こういうものは、本来全部キッチリクリアしてから
書くべきなんですけどね。

  けれどもオイサンはもう、
  ゲームのプレイに関してはのんびり屋さんだから……しょうがない。
  「お前それ、答え書いてあるよ」と、ずっと思われてたら
  この上もなく恥ずかしいけど。

目の前には大きな連休が控えているのだけれども、
故あって、その期間はほとんどゲームに、『アマガミ』に触れることが出来ない。
触れるのは最終日くらいだろう。
なんとか最終日には、今のプレイのエンディングを迎えられるように
進めておこうと思っていたのだけども、進行度合いもあまり芳しくない。
ちょっと先になりそうだ。








もどかしい。
来週のアマガミラジオも、聞けるのは最終日か?








でもまあ……いいか。
そこで、これまでオイサンが積み上げてきた答えが崩れ落ちるなら、
それが全く納得の行かないおかしな物でない限り、
そこからまた新しく、面白いことを考え続けていけるだろう。

それは、とても幸せなことなのかも知れない。
自分で書いといてナンだけど。


そんな気持ちで『日曜の雨のように』を聞いていたら、
見たことのない装い……中学の時の制服だろうか、
暗くくすんだモスグリーンのブレザーに臙脂色のタイをして、
ブラウンに赤のチェックの入ったプリーツスカートを履いた絢辻さんが、
街にたたずむ映像が浮かんできた。
相変わらず、思いつめたような貌をして。



安心しなよ、もうちょっとの辛抱だから。



……と、油断して休み時間に昼寝してたら、今度は。
晩ゴハンを食べてるオイサンの、
テーブルの真向かいに絢辻さんが座って。
頬杖つきながら






  「おいしい? ……そ、良かった」






とか、ほほ笑むだけの夢を見た。
そして畳みかけるように、風呂でボーっとしてたら、
絢辻さんを嫁にやるような気持ちになって泣けてきたりした。
俺は一体、何と戦っているんだ。

だめだな。
なんかもう、今日はだめだ。
どうした俺。たまにあるな、こういうこと。


■日曜の雨のように




さて次は、どうにか取り繕おうと真面目ぶった話題のコーナーです。



■芥川賞、「終の住処」を読み終える。



実は随分前に読み終えていたのですが。
単行本の方ではなく、全文掲載されていた文芸春秋を買いました。
受賞者インタビューとか、サラリーマンの小説執筆時間術、
みたいなところを読みたかったので。

デ、感想。

面白かったです。
話のスジ自体にさほどの面白みはなかったものの、
「時間」というものを、文章全身で表現しようと言う、
言葉そのものでも、行間でもなく、文章が持つ時間の流れで絵を描くようなやり方に
とても感心させられました。

  イヤもちろん、中身にも表現にも、オイサンがわざわざほめるのも
  そりゃアンタ僭越ってもんだろ、というくらいの面白さはありましたよ。
  でもそれ以上に。

こういうやり方もあるのか、文章単体とか、ボキャブラリーとか、表現力とかではなく、
「文章」そのものを筆にして、ざーっと紙面に
延々と連続し続ける物語という絵を塗りつけるようなやり方。
戦絵巻じゃないですが、主人公の男性の人生絵巻を右から左へ、
時系列に沿って、緻密にではなく、勢いと連続性を大事に描ききっているような
(実際は緻密でもあるのですけど、それを感じさせない速度があります)。

面白い。
とてもとても、面白かったです。
本を読むのには、普段、猛烈に時間のかかるオイサンですが、
その途切れない連続性とスピード感に引き込まれて、
異例の速さで読み終えることが出来ました。

「文章で何かを表現する」ということの奥深さを感じられたような気がします。
物語のオリジナルはとうの昔に死んでいるのかもしれないけども、
そういう色々を人間がたくさん内に蓄積してきたことで、
それを利用して描けるものが、新しく生まれてくるんじゃないだろうか。

  だけど……あれですよね。
  「物語のオリジナルは死に、今生まれているものは全て模倣である」
  なんて言えてしまって、しかもそれを本当だと実感できてしまうというのは、
  その後、人間の根っこの部分は一切変わっていないということですよね。
  それは確かに、本当のことだと思うのだけど。
  完成してもいないのに、根っこの部分が変わらない……
  そこを変えなきゃいけないのかどうかは、オイサンにはわかりませんが、
  やっぱり頑なにならざるを得ない部分なんでしょう。
  誰でも怖いところで。

  ガンダムやラピュタじゃないけど、根っこが変わるのは
  地面から足が離れた時なのでしょう。多分。
  そしてその萌芽は、肉体的にも、心の面でも、
  ワリとすぐそこに来ているような気はしますよね。

  そのときには、新しい物語が生まれるチャンスはあるのかもしれない。
  閑話休題。

この作品は純文学……なのでしょうが、同じ手法を使ってラノベ的なものを書いたら、
それはそれで面白いことになりそうです。
途切れない、気にしない、ラノベ。
……ラノベのメイン顧客は、その厚みのなさについていけないような気がしますが。
思えば『ドクロちゃん』は、コレと似たようなものなのかもしれないなあ。

紋切り型のベタな物語と設定に、
意味を最大限に凝縮して詰め込んだオタクの共通言語を活用して一気に走り抜ける……
ちょっと違うか。



……ど、どうだ?
どうにか誤魔化せたか……?


……。


ただオイサンは、絢辻さんがどんな未来を迎えたとしても……


  「……それで?
   ローアングル探偵団を失ったあなたは、
   いったい何を面白そうと思ったの?」


と強弁を繰り出す……あの底なしのゆとりとセンス。
頭の良さに裏打ちされた心の足腰の強さだけは、失って欲しくないと心から願うのです。

……とかいう男の独善を、女性は嫌うのでしょうね。
難しい話です。

だけど、絢辻さん、オイサンは今の貴女が……
誰よりも真剣に生きてる絢辻さんが、やっぱり大好きなんじゃよ。
そこだけは分かってくれないか。


オイサンでした。





 

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