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2009年9月 6日 (日)

■ひもじくもANTARCTICA -更新第301回-

南町田の109シネマズにて、『南極料理人』を見てきました。
その感想などを。

例によって、遠慮会釈ナシのネタバレ全開ですので
見に行くつもりのある人はご遠慮モードで。

マでも、ネタバレしたからっつって影響のある映画ではなかったですけどね。


■南極料理人 予告編



昨年から見てきた映画、
『ハッピーフライト』『アフタースクール』『クライマーズ・ハイ』
の3本が3本ともに、立て続けに出ておられた、役者さんの堺雅人さん。

そのお芝居がスキで、
あと毎日シゴトバのお昼休みに読んでいる
糸井重里さんのサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』で
堺さんとの対談が載っていたこともあって、見てきました。

  ◆堺雅人さんと、満腹ごはん。
                     [ほぼ日刊イトイ新聞]

あと、この映画には、一昨年? に見た映画『めがね』『かもめ食堂』の
料理に監修(フードスタイリストというらしい)で参加しておられた方が、
やはり料理の監修で参加されてました。
そんな色々な理由が再集結して、とても見に行く気に。

  ◆かもめとめがねのおいしいごはん。
   

  ちなみに上の方の、堺さんと糸井さんの対談記事の中で、
  「ロケ弁ばかり食べてると、ロケ弁のような人になっちゃう」
  というようなお話と、
  飯島さんのこしらえる、あまりに魅惑的な焼きそばのお話が出てくるのですが。
  オイサンが以前の記事でちょこっともらしてしまった

    「焼きそばみたいな男になりたい

  という言葉がなんだかカタチになったような気がして、ヘンに嬉しかったです。
  「そうそう、そんな感じだ!」みたいなね。
  マ後付けですけどね。



  ●映画の話の前に。



えらく早く映画館に着いてしまい、眠かったのでちょっと寝ようと、
ロビーの椅子でうつらうつらしていました。
テーブルを挟んで向かいに合わせに座る、二人掛けの席に座っていたのですが。

しばらく経って目を覚ますと、目の前の席に見知らぬお嬢さんが座って
こっちをじっと見ていてビックリする。
自分でも知らないうちに彼女が出来たのかと思った……。

あちらも、こちらが急に目を覚ましてびっくりしていたご様子。
特に意図もなく、そこが空いてたので座ってただけのようですが、
いやあ……驚いた。



  ●デ映画の内容なんですが



かいつまんで言うと、
南極越冬隊に、不本意ながらも同道することになった
海上保安庁付きの料理人である主人公(堺雅人)が……
特に何を奮闘するでもなく、
ペンギンもアザラシも、ウイルスさえも生息できないドームふじ基地で起こる日常の中で
ごはんを作って隊員みんなと生活をともにする、というだけのお話。

まあ、日本からは想像もつかないような環境の中で
1年以上もオトコ8人で暮らすわけですから……
グチが出たり諍いがあったりと、そのくらいは普通にするのですが、
でもそのくらい。
南極基地という異質な土地の日常に充満した、
閉塞空間で繰り広げられる、ペーソスに満ちたコメディでした。

笑えます。
かなり。

特に、昭和基地から、余りモノの伊勢エビをおすそわけされ、
隊員たちの強引な要望から「伊勢エビフライ」が決行されるしーん。
氷雪学者のモトさんが、巨大なフライを目の当たりにしてぽつりとつぶやく、


  「……なんか、遠近感狂うな」


のヒトコトはもう最高です。

けど、オイサンは中盤……前述のモトさんが基地で誕生日を迎え、
皆の前で日本の我が家に電話をかけたとき、
奥さんから
「これ以上子供を放っておくなら『覚悟』がある」
と言い渡されたシーン以降……なんだか、笑えなくなってしまいました。
そして予告編でも流れる、

  「やりたい仕事が、
   たまたまここでしか出来ないってだけなんだけどなあ」

というセリフ……。

その後も笑えるシーンはたくさんあって、周りのお客さんはフツーに笑ってらしたんですけどね。
……なんでだろうか。
いや、理由はマア、わかってんだけどね。
さーて、どうしよっかなあ。

マその話はおいといて。

全体的な話をしようと思っても、そんなにガッツリと筋の通った話でもなく、
全部を説明することは難しいので、
ここまで読んで興味がわいた方は見てもらった方が早いと思うのですが。
幾つか印象に残ったシーンというか、感想だけ挙げておきます。


●まず一つ目。


……どんな場所でも、笑う力・笑わせる力を最後まで残してるヤツが、
やっぱ畢竟、一番強いんじゃないか?
強くはないかもしれないけれど、一番「いい」んじゃないかと、オイサンはやっぱり思う。

そんな極端な、
そんな滑稽な、
そこにいる自分が、
自分がそこにいることが、
一体どれほどバカバカしいことか。
それを、ドドーンと視点を引いて空の上から見下ろして、笑いに変えられるチカラ。

そんなバカみたいなことをしているヤツが、
何を言ったら何をやったら、一番面白いか?

そんなことを思いつくまま、トコントコンとやれるヤツが、
幸せに、長生きが出来る。
……そんな気が、この映画を見てしたのです。
もう、相当に冒頭のシーンでね。


●二つ目。


人間、年をとると、どうしたって曲げられないもの、
変えられないこと、
そんなことはきっと出てきてしまうんだ、ということ。

そうでない方がいいと分かっていても、
いつまでも柔軟でいられた方がいいと分かり切っていても、
フツーはそうはいかない、そうはならない。
どこか一点に足がはまってしまって、身動きをとれなくなるときが、ある。
そんな穴が、人生には必ず空いているんだ、ということ。

それは悪いことでも悲しいことでもなくて、
正当化するわけでなく当然のことで、しかも憎からず愛らしいことなんだ。
成熟だとか成長だとか、完成だとか。
そういうベクトルとはまた別な方向のお話として。

……ラーメンが底をついたとき、隊長がもらした一言に、
そんなことを感じてしまいました。


●そして、三つ目。


涙ってのはまあ、面白いなあ。
嬉しいのか、悲しいのか、悔しいのか、情けないのか、腹立たしいのか、楽しいのか、
わかんねえんだよね。
涙って。
全部なんだもの。
そしてどれかである必要はなくて、全部でいいんだ、ということが、
なんとも言えず素晴らしい。

これを美しい言葉で言ってしまうのはブスイなのだけども、
あまりどろくさい言葉も思いつかないのでそのまま口にしてしまうと、
人間というものの結晶であるような気がしてならないません(原文ママ)。

人間の感情を代表するようなもので、そしてそれを許すことで、
この映画の、そして人生の、何かのシーンをゴッソリまるごと、理解することが出来る。
面白い、と思いました。

  オイサンは随分以前に
  PSのゲーム『DancingBlade かってに桃天使2! Tears of Eden』
  というゲームをやったとき、
  涙というのは感情、というか人間の揺らぎの象徴のようなものなのだな、
  と思っていたのですが、その気持ちが、今日この映画を見て甦ってきました。
  こちらも、興味のあるキトクな方は、是非。

  ■DancingBlade かってに桃天使2! Tears of Eden
  


他にも、ラーメンを食べるシーンを見ていると、
「自分が今まで食べた中で、一番おいしいラーメンの味が口の中に甦る」
だとか、ありました。

隊員の一人が、日本に残してきた恋人にフラれるシーンでは、
これまでならワリと、無感情に見ていられる類のシーンなのですが……
オイサンは、絢辻さんが自分のもとから永遠にいなくなってしまうことを想像して
なんかもう死にそうになったとか。

  イヤもうね、ホントだめですね。
  悲しい。
  辛い。
  この先、どうしたらいいんだ……って、思いになりました。
  耐えられる気がしない。

  今、そういう色々が自分の中でさっとエミュレーション出来てしまって、
  逆にしんどかったりします。
  お願いだから、突発的にオシゴト中に襲ってくるのはやめて欲しいのですが。


そして、ラスト近くのひと台詞。




        「西村君、おなかすいたよ」。



……。


マ、そんなことでね。
2時間半近くという、映画としては長い目の作品ですが、
それでもラストまで退屈せず、しんどくもならず見ることが出来たのは、
バランスの良い、面白い作品であることの証明ではあるのでしょう。

ノンビリした映画を、笑いながら見たい人にはオススメです。

空腹で行くと多分、序盤でガマンが出来なくなると思いますので、
見に行かれる方には是非、ちゃんと腹ごしらえをしてから、ということで。
オイサンはお昼ゴハン直後くらいの回を見に行ったのに
終盤ではもうかなりお腹空かされてましたからね。
ご注意のほど。


……。


しっかしまあ……。


オトコってのはどうしてこう、どこへ行ってもバカなように作られてるんだろうね?


イヤになっちゃうよ。


マ、そんな感じでヒトツ。


最近、見たい映画が多いですな。
あと『アマルフィ』と『ディア・ドクター』、
それとまだ見ていない『サマーウォーズ』も見ておきたい、そんな気分です。


オイサンでした。


 

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