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2009年9月13日 (日)

■手帳の中のダイヤモンド -17- 第六部・その1 -更新第305回-

『アマガミ』は面白いなあ!!
オイサンです!
なんだかんだと弱音の一つも吐きながら。


『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画、「手帳の中のダイヤモンド」。
最終章、第六部の本編です。


  ◆『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
  ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


ここでは、オイサンが『アマガミ』をプレイして、
『アマガミ』というゲームをどのように捉えたか、ということについて書いていきたいと思います。

それは単純な感想といった意味から、
歴史的(もちろんコンシューマギャルゲーの)にどういう位置にあるものなのか、
という鼻もちならず高尚ぶったあたりにまで及べれば、まあ上等かなと、
このように思います。

そこで、本章では内容を大きく三つに分けたいと思います。

  パート1:『アマガミ』全体に関する感想・評価
  パート2:物語に対する、冷静な感想
  パート3:同じく物語への、感情的・情熱的な感想

一つ目は、『アマガミ』全体に対する感想です。
あとの二つは、ゲーム中の物語に特化した感想で、それを更に二つに分けたのは、
一つを、出来るだけ冷静に客観的に、考え分析した感想として据え、
もう一つは、オイサンの個人の、本当に個人的な思いをつづるパートにしたいと思ったからです。
マ物語とは言っても、絢辻さんの話にかなり偏ったお話になると思いますが。

そんな感じで、今回はそのパート1。


   「『アマガミ』とはなんだったのか? どうだったのか?」


をお届けしたいと思います。



■テレビゲームとしての『アマガミ』



まずは真っ当に。
一本のテレビゲームソフト、コンシューマギャルゲーとして、
『アマガミ』を見直してみたいと思います。
普段、オイサンがテレビゲームのソフトを評価を考える時に、
決まって使う評価軸があります。評価の要素分けには、以下の5つを使います

  ・操作性
  ・演出
  ・システム
  ・シナリオ
  ・ボーナス

各項目が何を指すのかは以下でご説明しますが、
普段はこれらに、合計が100点になるように各項目に分母(何点満点か)を割り振って、
項目ごとに大体何点くらいかなあ、などと考えたりしています。

各項目の分母を固定にしないのは、
ゲームのジャンルによって重視するべき項目が異なると思うからです。
たとえば『アマガミ』みたいなノンリアルタイムな物語ゲームであれば、
シビアな操作性よりも演出が重視されると思いますし、
リアルタイム性が重視されるレースや格ゲーならそのウェイトは逆転するべきでしょうから、
その重み付けを変えられるように、このように考えています。

各項目で見ていく内容は以下の通り。ちょっとややこしいです。

 ・操作性
   いわゆるプレイアビリティを支える要素全般。
   キーレスポンスやコマンドの配置、
   カスタマイズ(オプション)の充実度なんかについてです。

 ・演出
   演出として見られるのもの全般……
   映像、音楽(BGM・SE)、キャラクター、物語、時間の使い方などについてです。

 ・システム
   ゲームシステムについて。
   完成度の高さとか、新しさ、面白さ。

 ・シナリオ
   ここがちょっとややこしいです。いわゆる脚本や物語のこと「ではない」ので注意。
   ここでいうシナリオは、そのゲームをゲームとして盛り上げるために
   制作者が用意する「筋書き」の良さについて、ということになります。
   例えば、RPGなら、マップの広さや町・ダンジョンの配置、敵の強さの上昇の仕方。
   STGなら、敵の配置やマップ構成、難易度曲線の上がり方。
   レースゲームなら、コースレイアウトと、
   コースのどの辺りで敵との競り合いになるように意図されているか?
   というような、「設え全般」ということになります。
   もちろん、アドベンチャーゲームなら「物語」についても、一部はここに含まれることになります。
   テーブルトークRPGが分かる方なら、GMが用意するあの「シナリオ」のことだと思って下さい。
   アレは、お話のことだけではない、ゲームをゲームとして成立させるための設計図でしょ?

 ・ボーナス
   印象点、だと思ってもらって結構です。
   「なんか全然ダメダメのはずなんだけど可能性を感じる」とか、
   「なんかワカランがスキだ」とか。
   可視化・数値化できない良さに対する配慮です。
   絢辻さんも言ってたじゃないですか。
   「今は感情に理由をつけなくていいから。そうしたいから、そうしただけ」
   だって……ああ、絢辻さん。素敵だ……。
   ただ、印象が暴走しても高得点になってもマズイので、ここだけは分母は10点満点で固定にしています。
   今回はあんまり関係ないですね。

ひとまずコレに沿って、ゲームとしてはどんな感じだったか、ということに触れ、
中でも重要に感じたところについては、あとで個別にガーッと語りつくしたいと思います。
ついでに、各項目の中で、「もっとこうだったら良かったなあ」的なことも言っていきます。

今回は目的が違うので点数をつけるつもりはありませんが、
『アマガミ』のような恋愛SLG・ADVであれば、各項目の分母は以下のようになるでしょうか。

  ・操作性  ?? / 15
  ・演出   ?? / 30
  ・システム ?? / 25
  ・シナリオ ?? / 20
  ・ボーナス ?? / 10
  --------------------
  ・合計   ?? /100

「操作性は最低限、
 絵と音とお話に最も力がそそがれればいいのだけど、
 システムが新しくて面白いに越したことはなく、
 ゲームバランス的なものへの配慮もそこそこ欲しい」

という観点から評価していきましょう、という感じです。
これがSTGとかだと、操作性とシナリオ(=難易度設定)が30点満点になったりするわけです。
じゃ以下、順番に。



■操作性



『アマガミ』のプレイアビリティに関しては、正直オイサン、全体的に文句ないと思います。
とても快適にプレイ出来ました。ありがたいことです。
ダテに同じようなフォーマットで6作も作ってないと思います。
初代『TLS』からとても良かったですけど。
素敵です。
幾つか要望を述べるなら。

 ・セーブデータが20しかない。
  ルートがこれだけあるわけですから、もっと……欲しかったですね。
  管理もシステムデータ一括じゃなく、各セーブデータがメモリーカード上で
  独立したデータとして見えてくれたら嬉しかったです。

 ・行動マップの拡大・縮小があってくれると嬉しかったですなあ。
  マあったらあったで使わないような気もしますが(オイ)。

 ・メッセージウインドウを消すと音声も止まってレジュームされるのは……
  個人的にはあまり好きではないです。
  ウインドウ消したまま、声出してほしい時もあります。
  でもバックログでしゃべってくれるのは素晴らしいと思います。

 ・メッセージ送りをAUTOにした時の、メッセージ送り(ページめくり)の
  速度調整があると嬉しかったです。
  あんまり使わないんですけど、あると地味に嬉しい。

 ・メイン画面で行動検索(□ボタン)が出来るのはステキです!
  だけど、シーン再生では、時間軸にそってバック出来るとなお良かった……
  検索中に行き過ぎると分からなくなっちゃうんですよね……。

 ・ワンタッチで、ボイス・BGMの音量調節が出来ると良かったなあ。
  十字キー左右でメッセージ速度がダイレクトに操作できるみたいに、
  ボイス・BGMの音量調節が……左右スティックあたりに割り振られていると嬉しかった。
  <演出>の項でも書きますけど、ボリュームバランスをワリとこまめにいじりたいので。

 ・即死バグが多い!!
  こ、ころすきかー!!



■演出面



演出については、おもに絵・音・物語の三方向から。

■先ずは絵の話。
これも、基本的な部分は、本当に全く、文句ないと思いますよ。
本当に、素晴らしいと思います。
特に今回舌を巻いたのは、各キャラクターの立ち絵・表情のまあ、細やかに動くこと動くこと。
こんなに目の離せない立ち絵は初めてじゃないでしょうか。
セリフの合間、ほんの一瞬だけ見せる表情とか、鬼気迫る物を感じます。

  ブラボー、ハラショー。

そしてさらに、そうして視覚的な表現が細やかになることで、
言葉で語る部分を減らしつつもヒロインの心情がしっかりと表現されていて、
ヒロインをおはようからお休みまで、しっかりと見つめることで、より深く妄想の淵に入る込めるという……
ノベル形式ではない、視覚メディアの強みを生かしたものになっていたと思うのです。

3次元化に走らず、プレイヤーの想像力と「止め絵の力」を信じてそれを表現しきったことは
『アマガミ』が達成したとても大きな成果の一つだと、断言できると思います。
すごい、素晴らしい。

■音楽もまた、美しい。
オイサン実は、これまでのシリーズ……『TLS』の初代から『S』までと『キミキス』……
『キミキス』はあまりキチンと印象を抱けていないので除けておきますが、
メインどころではない音楽、たとえば「明るいシーン」とか、「しっとりしたシーン」とか、
イベント的にキャラクターに共通した音楽とかは、さほど良い印象を持っていませんでした。
「運動会」とか「お祭り」とか。
あ、「告白」とかは別ですよ。
今作では、その辺の音楽も、なんかやけにいいなあ、と思っています。
……好みですけどね。その辺は。

特にオイサン、今回はメイン画面のBGM、あれがもう、鼻血が出るほど好きです。
あれを鳴らしながら、メイン画面をずっと眺めていたいくらい。
ていうか眺めてたことがある。
あのBGMに乗って、どんどんイベントが現れては消えていき、
ヒロインのテンションもパラパラ変わっていく……そんなスクリーンセーバーないかなあ。

正直オイサンは、このBGMがエンディングでもいいと思っているくらいです。
曲の終わりがエンディングらしく劇的にアレンジされれば、という注文つきですけど。
明るく、楽しく、ちょっぴり切ない学園生活、
その日常はいつまでも滔々と続いていくんだよ、ということを
すごく優しく語りかけてくれる、そんな音楽だと思うので、エンディングでもどんとこい。

ただBGMには、鳴らし方についてちょっと注文があります。詳しくは後ほど。

■物語については……
一言で語りつくせず、またシステムと大きくからむところもあるので、
後の項で個別に、がっつり語りつくしたいと思います。
敢えて一言いうなら……絢辻さんに関しては、オイサンはあれで完璧だと思います。

語られないことが多すぎる点について、賛否は両論あると思います。
ですが、しかしそれも含めて表現であり物語なのであると、オイサンは受け取りました。
そうであることが、絢辻詞の人物像なのだという語り方。

全体的な話では、『アマガミ』に込められた「38の物語」は、38でありながら、
やはり最後には一つの物語でしかない、ということを、あとあと書こうと思っています。
”1”から始まり、”38”を知り、そして最後に、プレイヤーは自分にとっての本当の”1”を探す。
そういう物語なのだと、思います。
たくさんの時間が流れているようでありながら、やはり一つの時間しかそこにはない。
途中で最良と思えたものを見つけたなら、そこで探究を止めるもよし。
全てを見て、全てを知り、その中から選ぶもよし。

そしてそこに存在するのもやはりたった一人の主人公……橘さんで、
各ヒロインのルートによって随分人格が違うようにも見えますが、
オイサンには今のところ、その違いは
「人へのそれぞれの接し方」の範疇に収まるもののように見えています。
絢辻さんへは絢辻さん用の接し方、
梨穂子へは梨穂子のための、
薫には薫、対・紗江ちゃん、七咲、飼い主……
それぞれと接するときに、態度が変わるのはワリと当たり前で、
それによって、SにもMにもなれるのが、彼の変態紳士たるゆえんなのではないかなあ、
と感じます。
変態のデパート、パトスのヴァーリトゥード。

一先ず現時点で、物語に注文をつけるなら。

 ・やっぱり絢辻さんの物語だけが、「物語」としては謎に富みすぎ、流れがありすぎ、
  突出しすぎていると思います。他とのバランスは、良くない。
  でもだからって、やめろなんて言えない!!!
  ……ぶっちゃけ、アレがなかったら、オイサンにとって『アマガミ』は、
  多分凡百のギャルゲの一本で終わっていたと思いますから。

 ・他のヒロインにも一本、目に見える、ちらばる恋心以外の「物語」の流れがあっても
  良かったのではないか? と思います。
  ここまで恋愛シミュレーションであることを捨ててアドベンチャーに寄り添うのであれば、
  目に見える、太い幹となる物語がが欲しかった。
  それがあるのは絢辻さんと中多さん、あとは一部、薫のみだったように思います。
  あ、<スキBest>に限定の話になっちゃいますけどね。

 ・オマケですべてをぶっ壊すなら、もっと、オマケ……というか、
  隠しに対してモチベーションを上げるような流れや伏線があってもいい。
  しかし多分、あれはオマケのつもりで伏線を張ったら思いのほかインパクトがでかくなってしまったという、
  いわば偶然と巡り合わせの産物といえるでしょうから、
  そこを最後の最後にコントロールすることは難しかったのでしょうね。

  けれども、あそこまでキレイにまとめることが出来たのはまるで、
  あと付けあと付けで作っていって、そして最後の最後には本当に伝説になってしまった、
  勇者ロト、『ドラゴンクエスト』Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのシリーズのようで、美しいとも思います。
  あと付けの美学、とても言いましょうか。

その他の演出面に関する注文なんですが。
おもに音響。

 ・先ず気になったのは、
  ボイス音量が、キャラクターや場面によってマチマチな気が……しました。
  これは何によって生じる問題なのか、回避できないモノなのかが分からないのでアレですが……
  出来れば、何とかしてほしい。

 ・そして、BGMの鳴らし方について。
  ボイスがメインの場面(会話モードや普段のADV画面)では、BGMが自動的に抑え気味になり、
  ボイスが鳴らない場面(行動マップ画面や夜の自室など)では、BGMが大きく鳴る……
  ということが、自動的に出来ないものでしょうか?
  上記のボイス音量のマチマチさと相まって、
  わりと頻繁にBGMとボイスの音量調整をやらねばならず、
  たまにそのせいで醒めたりしてしまったので……もったいなかったです。
  自動でやるのが無理ならせめて、<操作性>のところで書いたように、
  ワンタッチで(設定画面を開かなくても)ボイスとBGMの音量を調節できるように、
  アナログスティック辺りにダイレクト操作を割り振って欲しかった。

 ・会話モードの専用曲があっても嬉しかったかもしれない。
  ……しかも、各キャラ固有で。ゼイタク。
  そしで、テンションのLow-Mid-Hiに合わせてテンポや曲調が微妙に変わったりすると……
  面白くないだろうか。ちょっとうるさいかもしれない。

 ・これはただの印象……なのですが。
  ヒロインたちの固有BGMが、キャラによって、
  「そのキャラを象徴する」のみの音楽である場合と、
  そのキャラ象徴することに「恋の甘さ」が加わっている音楽の二つに分かれてしまっている気がするのです。
  薫・七咲は前者で、絢辻さん・中多さんは後者であるように感じました。
  オイサン的にはワリとそこで好き嫌いというか、シナリオの印象も変わってしまうというか、
  ヒロインに触れるときのテンションにダイレクトに響いてしまうので、
  気になった次第でございます。
  まホントに、ただの印象なんですけどね。

 ・EDが名塚さん曲オンリーなのは……。
  絢辻さんシナリオのインパクトと相まって、あの曲はやはり「絢辻さんのもの」に聞こえてしまいます。
  歌詞もそんな感じですし。
  各ヒロインごとにED曲があってくれると……嬉しくて鼻血噴きますがこれまたお金がかかりそうなので、
  同じ曲でも、各ヒロインの声で、とか、
  一人に歌わせるなら、もう出演声優さんではない人の方が良いのではないでしょうか。
  ……正直な話! 名塚さん、そんな歌うまくないだろ!!
  少なくとも、ED曲は上手くない。キャラ寄りで歌ってるせいか。
  大好きなんですよ、あの歌はあの歌で。
  個人的には中司雅美さんで聴いてみたいです、ED。

 ・一枚絵の枚数が、もう少しだけ欲しかった気がします。
  一割増し……否、各ヒロイン、あと2、3枚増しで!!
  オイサン、それで1000円上がってもいいなあ。

 ・あとはムービーが欲しいです。
  OPは今のままでいいと思うんです。短めで、しっとりしていて、
  ゲーム開始時に引き込んでくれる分にはOPはこれで十二分。
  むしろ欲しいのは、エンディングムービー。
  エンディングでどわっと、ものすごい奴をぶちかましてくれたら……多分死ねる。
  まあ、販促素材として使い難いので、作る側としてはあまり旨みのないハナシかもしれませんが。

 ・HD対応希望!!……というのは、PS2タイトルには酷か。
  次回はHDハードで、フルHDを!
  画面一杯の絢辻さんをぜひ見たい!!
  左右引き延ばすと、やっぱり両端が間延びして見えてしまうので……
  うちでは左右に黒帯です。



■システム



オイサンは基本的に、『アマガミ』を一応、『キミキス』含め、
『TLS』シリーズの系譜として捉えていますが。
今作では、従来のシリーズのシステムをばっさりと。本当にばっさりと変えてきましたね。

それはある意味で、シミュレーションとの決別に近く、システムにとどまらず
「ジャンルを変えた」と言ってもいいと思います。
ゲームのジャンルとしては、シミュレーションではなく、テキストアドベンチャー。
パラメータを参照してのイベント発生やランダム性を排した、ゼロイチ理詰めのシステムです。

特徴的なシステムは、もちろん言わずと知れた「行動マップ」のシステム。
しかしこれも、言ってしまえば、物語を細かいエピソードに分解して、
順番にオープンしていくための物でしかないわけですが……

これについては、全体的に話すのであれば、物語とは不可分であるとオイサンは思います。
ですので、上で保留した「物語」に着いての話と同様、
次回、今作のシステムと物語について、そのミックスによって生まれた
『アマガミ』というゲームの「物語の物語り方」の特殊さ・不思議さについて書きたいと思うので、
そちらで。

ただ、まあ……オイサンは大好きです。今回の、行動マップシステムの、このカンジ。
BGMと合わせて、ココロときめく、素敵なシステムであり、演出であると思います。

随分前にもちょっとだけ書きましたが、
「既に書かれた日記を、一枚ずつオープンしてく感じ」が、
今回の行動マップシステムにはある気がします。
新しく行動していくというよりも、「思いだす」感覚に近い。

それに、プロローグ直後とか各ヒロインのレベルアップ直後、
行動マップ上に、たくさんの新しいイベントの種が


  プワッ!      プワッ!
       プワッ!
   プワッ!   プワッ!   プワッ!


っと生まれていく、あの瞬間。あのワクワク感はたまらない。
未だに、すごいドキドキしながら眺めてしまいます。
「ああ、こんなにたくさんの日常を、これから経験できるんだ!」
と嬉しくなってしまう。
気分を盛り上げてくれる設えとしてはモウ、最高のおもてなしです。

あと見た目の話なんですけど、画面レイアウト。
これもオイサン、大好きなんですね。
こう、見た目にちょっと、ごちゃっとした感じが。幕の内弁当みたいで。
過去のメディアワークス系SLG群……『エターナルメロディ』とか『悠久幻想曲』とかの
ステータス画面とかスケジュール画面に近く、
そこに全てがあるようで、その密度に吸い込まれるようにワクワクしてしまうのでした。

ただ欲を言うなら……マップの絢辻さんのイベントヘックスを、
もうちょい明るい色にして上げて下さい!! 青は青でも、もう少し明るい色に!

そして、ナミダイベントにテキタイ、ソエンEnd、スキGood、スキBadの存在。
これらは独立したシステムというよりは、
行動マップによって派生した、物語のためのシステムに過ぎませんが……。

複数のヒロイン並走が大好きなオイサンが、ワリとたくさんのヒロイン並走でやっていて思うことですが。
スキGood・スキBad、涙やテキタイは、「狙ってやらないとなかなか辿りつくモンじゃない」気がします。
つまり、「ヒロインを傷つけるつもり満々」で臨まなければそうそう起こり得ない、
かなりキチクなシステムなのではないかと。

<スキ>には確かにシステム上二人しか上がれませんが、
さらに<ナカヨシ>に一人か二人いて、そのコたちの分まで面白おかしくイベントを拾って進めていたら、
大概の場合「会話をしているヒマが殆どない」筈なんです。
だから、いちゃいちゃアタックが発生するヒマもあまりない。
イキオイ、オイサンなんかは、ナミダ・テキタイを見ようと思ったら
かなり、それに特化したプレイをするほかない。

<スキGood><スキBad>も、二人分の<スキ>のファイナルスターを獲得するのは、
自然に辿りつくのは結構大変じゃないですか? コレ。
オイサンが基本、浮気者過ぎるだけですか?

従来の恋愛SLGシステムであれば、
「ランダム性に翻弄された挙句、出会うはずじゃなかったヒロインと出逢ってしまって
 ちょっと気を許した結果、
 そこでのイチャイチャを目撃されてお目当てのヒロインに愛想を尽かされる」
という、偶然と自分の弱さの結果行きあたってしまって自己嫌悪に陥る……
ある意味で、「男だったらしょうがない」と開き直ってしまえるところもある、
そんな位置づけにあるものだった……と、オイサンは思うですよ。

  イヤ、浮気OKって言うんじゃないですけどね。

それが今回は、意図的に狙い澄まさないと出会えない位置にあるというのは……
作り手からすると、狙いどおりなのか?
これは、ジャンルが変わってしまったことに無自覚に、従来のシステムを盛り込んだがために起こった……
プレイヤーに鬼畜たることを要求した、悲劇の形質なのではないか、と思ってしまいます。
しかしそれがまた……上崎さんに端を発する、『アマガミ』が持つ裏のシナリオの意味と
不思議に符合してしまうから……一概にそうは言えないのか? と思えてしまうことも、
『アマガミ』の恐ろしいところであります。

システムに対しての要求ポイントは、次回、物語とシステムの相克の中で書きたいと思います。
狙いは一つ。
ランダム性の奪還です。
それは、オイサンの愛してやまない「思わぬドラマ」のために。



■シナリオ



ここでの「シナリオ」の言葉の意味は、冒頭でも述べたような
「ゲームを盛り上げるための仕掛け全ての配置の良しあし」のことですから……
言ってみれば、ゲームバランス、ということになるのかもしれません。
難易度……ストレスとカタルシスを左右する全て、のことです。

では、ノベル的テキストアドベンチャーの「難易度」ってなんでしょうか。
『アマガミ』では、「お話を思うままに進められるか否か」ということになりますかね。
となると、それを左右するのは
「スター獲得の難しさと、それを阻む障害が適度であるかどうか」
ということになってくるかと思います。

『アマガミ』では、一人のヒロインをただ一途に追うのであれば、
スキBestに辿りつくのはそう難しいことではないように思います。
なんせ、ランダム要素がない。
狙いのヒロインのイベント以外は無視していれば、
あっさりさっくり、いけてしまうと思います。

七咲や森島センパイが構える謎のバクダンや強制イベントも、
初回~2、3回目のプレイではひっかかってモンゼツしてしまうも、
何週かするうちに先を読んで潰せるようになりますし、
しまいには喰らってもじっとガマン出来るようになってしまいます。

  ……ちなみにオイサンは、七咲の
  「ノゾキの嫌疑をかけられてひびきちゃん先輩にも怒られる」ボムに耐えきれず、
  それを回避するために、誰だったかのエンディングを見損ねたことがあります。

とはいえ、『アマガミ』のような恋愛ゲームで一番の敵はなんでしょうか。
答えは……「己」です。
よそのヒロインにちょっと浮気をしてやろうとか、
寂しそうにしているから、優しくしてあげなくちゃ、とか、
他の子も出来れば傷つけずにおいて、それでも最終的には狙いのヒロインと
ハッピーエンドを迎えたい、だとか。
己の弱さや優しさ、同情心、つまりはプレイヤー自身の感情の揺らぎです。

ぶっちゃけ、一人のヒロインだけを追っていたのでは……ワリとヒマなんですよね。
時計アイコンを選択しなければならないことも、シバシバ。

  「だから、そこが罠なんですよ~」

と言ったのは梨穂子だったか。
そう、罠なんですよ。
じゃあ、暇つぶしにちょっとだけ、と手を出したヨソのヒロインに火がついて、
転がり始めたイベントを無視することが出来ずに東へ西へするうちに、
爆弾にも火がついて、結局狙いのあのコのイベントも若干おろそかにするハメに……。


……。


なんてコトになってるのは、もしかしてオイサンだけなのかしらん?
……。
いや、オイサン、『アマガミ』にはすごーく、そういう「難しさ」、
「難易度の上がり方」を感じたので……そういうもんかなあ、と。

フツーに、一人だけを追いかけていく前提で話をするなら、
このゲームを難しくしているのは、七咲や森島センパイの持つバクダンと、
時々突然、横から飛び込んでくる強制イベントくらいですよね。
けどそれも、一人を追うレベルであれば、多分さほどの障害にはならないと思います。

ではどういったときに障害になるのかといえば、
やはり複数のヒロインルートを同時に進めようとした時です。
それはどういうときかといえば、恐らく普通は、<システム>のところでも書いたような、
<スキGood>や<スキBad>、<ナミダ>、<テキタイ>といった要素に手をかけようとするとき、
なのではないでしょうか。
それはつまり、もう『アマガミ』上級者……とまでは言わずとも、中級者以上のプレイでしょうね。

  あとはただの浮気者?

ですので、そういう人たちに対して、若干の難しさ・思い通りにいかない障害が提供されるのは、
「ゲームとしては当然の配慮であり、サービス」であると、言えると思います。
なので、これはワリと適当な処置……なんじゃないですかね。
オイサンはそう捉えます。

ただまあ、「爆弾なのにこの程度の威力?」とか、その逆(「これは核兵器だろJK……」)とか、
なぜ強制イベント扱いなのかわからないものとか。
同じ種別のイベントでも、その中身があまりにマチマチ過ぎて納得がいかない、
という場面には何度か出くわしましたので、その辺はもう少し、納得のいく方向に寄せて戴けると、
ヨリ気分を乗せてゲームを楽しめるのではないかなあ、と思いました。

  やっぱね。
  お話を読む上で、納得づくかどうかってのは大事なファクターだと思いますから。
  共感できるか、っつうかね。

それと、爆弾と強制は、このゲームにおいて希有に、
プレイヤーを心理的に、或いは強制的に、プレイヤー自身が「望まざる方」へ導くことの出来る要素です。

  「あー……そっちにかまってる場合じゃないんだけど、
   バクダン踏むのもいやだから……処理しておくかあ」
  とか。

ですから、その特性を上手に使って、ドラマを演出し、プレイヤーを導いて欲しかった、
という気持ちはあります。
ランダム要素のない分、気付かれないように、面白く。
ときに優しく、ときに思わぬ方に。

以下は例によってオイサンの個人的見解(ここまでだって存分に個人的ですが)と要望です。

 ・レベル2の、<アコガレ><シリアイ>の期間は、もう少し長くてもいいんじゃないかなあ、と思います。
  三つのレベルのうちで、オイサンが一番長くあってほしいのがこのレベルです。
  実際は<スキ>の期間が、みんな一番長いと思いますが。
  ドラクエで言うと、メラミ・バギマ・イオラ・ベギラマあたりを憶えて、
  戦闘がこなれていく中盤戦。
  ……多分、恋愛していて、一番恋らしく、もどかしく、
  イライラもじもじしてる期間はココなのではないかなあ、と思うんです。
  ここを長くして、各ヒロインともに、背負っているバックボーンをみっちりと描いて欲しかったなあ、
  と思うのです。
  絢辻さんだと、この辺で「家族」の影がもっと色濃く出てもいいのではないかと。
  ちょっと物語の話になっちゃってますね。マいいか。
  そして<スキ>に入ってからもう、ジェットコースターのように。
  ただ、<シリアイ>が長くてもアレなので……その辺のジレンマだったのでしょうかね。
  <シリアイ>で頑張れば、期間途中から<アコガレ>にランクアップ!とかがあっても面白かったのでは。

  ……作る方はきっと、面倒この上ないんでしょうね。
  ワガママ言ってすみません。
  イヤ、オイサンもギジツ者のハシクレですから、わかります。

 ・逆に<スキ>に入ってから終盤は、ワリと時間があまり気味になる気がします
  そしてゲームが会話主体になっていく気が。
  これは、存分に会話とアタックをしてゴホウビを楽しめ、って言うことなんだと思いますが。
  或いは、ナミダやテキタイを起こりやすくしているのか。



……とまあこんな感じで、第六部・感想編の第一回でした。
こんなリクツっぽいんだか感情的なんだか分からないモノ言いと身勝手な要望がどんどん飛び出しますよ。
エンターブレインさんに殺されないか、ドキドキです。

次回は、このパート1の続きで、
今回保留にした物語とシステムの関わり合いの部分などについて、
書いていきたいと思います。


オイサンでした!!






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」 (SS)
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3

    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク



 

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