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2009年6月の18件の記事

2009年6月30日 (火)

■Ryoko & Kana 's Sweetも甘いも噛み分けて! -更新第244回-

というわけで、『アマガミ』Webラジオ
「良子と佳奈の アマガミ カミングスウィート」第14回です。



今回はゲストに
競泳水着のニクい小悪魔、七咲逢ことゆかにゃんが来てました。
シンタス壊れっぱなし。
ゆかにゃん、なんでこんなにモテモテなんだ……。

で、ゆかにゃんのお料理トークを聴いた直後の、
オイサンとオタ後輩のメールのやり取りがコレ↓。

  ________________________________________________
  ■from:オイサン to:後輩
    件名:決めた。

    ゆかにゃんと結婚したい。
  ________________________________________________
  ■from:後輩 to:オイサン
    件名:Re:決めた。

    何があったんですか!?
    絢辻さんはどうするんですか!?
  ________________________________________________
  ■from:オイサン to:後輩
    件名:Re:Re:決めた。

    >何があったんですか!?

      ゆかにゃんの作ったゴハンが食べたい!

    >絢辻さんはどうするんですか!?

      ぐっ……。
  ________________________________________________

「ぐっ……」じゃねえだろ。 > 俺
本気じゃねえですかよ。

しかし、一瞬浮気心が出てしまうほど、
ゆかにゃんのお料理トークは真に迫ってミリョクテキなのでした。
すげえ美味しそうなゴハンのレシピをスラスラ言うんじゃぜ?
そして絶妙な味覚と推理力で、謎の食材を言い当てる、
ゆかにゃんのスペック高し。
たまらんなあ。

しかしその直後、絢辻さんメインのドラマが流れて
オイサンのハートはたちどころに元の鞘に戻ってしまうのでした。
うおおお……。
ホンの数分、聴いたことのない絢辻さんのボイスが聴けるというだけで
こんなに胸がときめくというのか。
ぶっちゃけ、小躍りしたんじゃぜ……。

そして、ドラマの内容も。
橘さん役の前野さんの芝居が随分堂々としていて、
絢辻さん ⇔ 主人公の関係がオイサンの想像とちょっと違って
これまた新鮮。

本編では知られざる絢辻さんのバックグラウンドなんかが漏れ聞こえてきそうで
(たとえそれが本編に完全にリンクするものでなかったとしても)
これはちょっと……先が楽しみですなあ。


以上、ちょっとしたオイサンでした。


 

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2009年6月29日 (月)

■しみじみサンシャイン -更新第243回-

『エヴァンゲリオン 新劇場版・破』が公開になってたんですね。
オイサンです。
機を見て見に行きます。……ホトボリの冷めた頃に。
ホトボリ?

  いきなり脱線。
  「ホトボリ」ってなんだ?
  と思って調べてみたら、余熱のことだったんですねー!!
  びっくり。
  ていうか軽い感動。
  日本語って豊かだなあ。


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■■■━ それは、ふり注ぐ陽射しのように ━■■■
----------------------------------------------------------------
アスミンこと・阿澄佳奈さんがブログで、
「今でも『ひだまりランナー』をたまに聴きます」
と書いてたのを見て。

なんとなく、『?でわっしょい!』を聴き返してみて、
さらに『スケッチスイッチ』を聞き返してみた。

■?でわっしょい



なんとなく、本当になんとなくなんだけども、
『ひだまりスケッチ』のインパクトは決して強烈なものではなかったけれど、
オイサンにとっては一つ、
こちら側の世界に帰ってくるための道しるべみたいなものだったなあ、と……
今更ながらに感じたので、その思いをつづっておこうと思う。



  ■はじまりの陽射しはさりげなく



オイサンにとって06年はタイヘンな年で、
丸一年、オシゴト以外何も出来ない、
ロクに寝ることもままならない日々だった。

  ただまあ、オシゴトとしては大変なりに良いメンバーに恵まれ、助けられ、
  苦しくも楽しく、実りある年だったんだけど。

その期間には、そんな状況でなければもう少し良い出会いになったに違いない、
『ペルソナ3』や『キミキス』などの作品群とのすれ違いがあった。

  マそんな状況下でも、
  『まじぽか』とか『陰からマモル!』とか『オトボク』とか、
  比較的ゆるいものに対してはそれなりのスタンスで
  接することが出来たのだけれど。

そうした「自分の中心に位置するハズだったものたち」と
真正面から向き合う機会を逸してしまって、
オイサンのオタクなハートは多分、弱り気味というか……
かなり枯れ始めてしまっていたんだと思う。
その当時は、あまりそんな気はしていなかったんだけど。

  「今まで歩いてきた道を随分外れてしまった気がするけど、
   これから先はどっちに向かって歩けばいいだろうか、
   もとの道に戻るにはどういけばいいだろうか……」
  そんな感じ。

そんな生活も終わりに差し掛かった07年の1月に、
やっぱり真夜中に、家に帰ってつけたテレビで鳴っていたのは『スケッチスイッチ』。
正直、今となってはこの曲の、何がそんなに響いたのか、
何に捕まってしまったのかは分からないのだけども。

 ■スケッチスイッチ
 


 当時の日記を見返してみても、多分当時の本人にも分かっていない。

だけどもよく記憶しているのは、
とりあえずのべつ幕なし、新年からの新番を録画予約に入れておいたビデオデッキ、
オシゴトから家に帰りついて、さあてそろそろ寝るべえ、と思ったタイミングで
彼がウィーンとうなり出したのを見て、
何か録ってたっけな、と思ってテレビをつけたコトと、
元気のある前奏と、そこに重なったノーテンキなまでのクラップを聴いて、


 ♪ ア・ノ・ア・ノ どんな色が~……


テレビのハタに座り込み、それが流れ終わるまで、じっと聞き入ってしまったこと。
「そうじゃないんだよ、ソウでいいんだよ」
の歌詞が、妙に耳に残ったこと。

今見返しても一話目としては意味が分かりにくいあの話をやけに面白く感じて、
くたびれてたはずなのに本編もリアルタイムに見終え、
『芽生えドライブ』って、どういう言葉なんだ? と思い、
やっぱり気になってもう一度ビデオで見てみて、
翌朝、オープニングだけを二度ほど見てからオシゴトに行って、
帰ってきてからもう一度一話を全部見たこと。

……その流れは、自分を外から見ていたもう一人の自分がいたように、
鮮明に憶えている。



  ■木漏れ日は揺らめき続けていた。



そこから先……今に至る2年間も、
なかなかもとの道に復帰することが出来ず、色々と迷うことがあったわけですが。

そんなことがありつつも、第一期が放送された3ヶ月間はぽわぽわと過ぎ去り、
その内容のあまりにフツーだったこともあって、
なんというか、今『アマガミ』に感じるような、高いエネルギーや、創作への情熱や、
作品への評価や議論のようなものが自分の中で盛り上がることも無く。

  ……そのせいで、作品に対する「恩」のような感情を実感するには
  随分と時間がかかってしまった。

ただ延々、サントラやドラマCD、
そして何より、月イチというペースではありながらも、
『ひだまりラジオ』がオイサンの心を繋ぎ止め続けてくれた。
コレは本当にありがたかった。
アスミンとゲストが織り成すやさぐれトークは、
明るくまろやかに、ときにアグレッシブに、ホントに心に染み渡った。

そして第二期、『×365』。

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発売日:2008/09/24
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制作発表のあったイベント「超ひだまつり」開催時、
オイサンはこれまたオシゴトでアメリカにいたので何も出来なかったのですが、
Webでイベントレポを見て、うめてんてーが歌う前に言ったという

  「出来る限りのことを、精一杯やらせていただきます!」

という言葉に、ホテルの部屋で涙が流れた。
すげえや、うめてんてー。
スタジオでプリン食ってるばっかじゃないんだな。



  ■そして陽射しはひだまりにかわる。



今こうして、オイサンは『アマガミ』にものすごいエネルギーを感じ取って、
どうにかこうにか、人並みのエネルギーを取り戻すことに成功しています。

でもそれは、もしかすると『ひだまりスケッチ』という下地があったから、
あの4人がオイサンの中の枯れかけた土地を見つけて丹念にたがやし、
地ならしをし、種を蒔いておいてくれたから出た芽なんだなあ、
ということを、強く感じずにはいられないです。

  「こっちだよ」と。

『アマガミ』のWebラジオで、アスミスシンタス
『ひだまりラジオ』の第3回と同じようなノリでぎゃーぎゃーやっているのを聴くと
ホントそう思う。

今まで。
オイサンが愛してきた、オイサンを愛してくれた作品で心に深く残っているものというのは、
基本的に強烈なパンチ力でどこかに穴をあけるようなものが多いので、
心の端々にはその彼らがあけた穴に、彼ら自身が居座っている感じがある。

だけれども『ひだまりスケッチ』はそれとはちょっと違っている。
ピンポイントに、大きな穴を空けるものではなくて、
心全部をカバーするように広げられた、大きなビニールシートのようなもの
……の、ような気がする。

そしてその四隅にはあの4人が座っていて、
絵を描いたり、ごろごろしたり、お茶飲んだりゴハン食べたり。
……自分の心の中に、そんな気配を感じるのです。

あの晩に、あの歌を聴いていなかったらどうなっていただろう、
また少し、違うその後だったに違いないと思います。
また違う作品が同じような役割をしてくれたかもしれない、というのはあるでしょうが……
すれ違ったものと、また同じ気持ちで出会うことっていうのは、本当にないから。

  まあ、また一つ、いわゆる「まっとー」に生きるための、
  生き直すための機会を逸した……と言われれば、
  そういう見方も出来るんだけども、
  オイサンがそれを望まない以上、やっぱそれは違うわけで。

あのとき、へたれきっていたオイサンのオタクな心をポンポンとノックして、
イキナリは無理かもしれないけど、こっちだよ、戻っといでよ、と声をかけてくれた
あのノーテンキなクラップが、
「鬼さんこちら、手のなる方へ♪」と歌うわらべ歌よろしく、
オニさんならぬオイサンにとっては、とてもありがたかった。
2年半も経ってなお、こうしてそれを思えることが、
その何よりの証拠だと、オイサンは思うのでした。

ホント出会いは縁で、人生はフシギ。
今、確かな恩を感じます。心からそれに報いたい。

だから神様(≒うめてんてー)、
もうチョイだけ、へたれで勇気のないオイサンに時間を下さい。

■とびきりスイッチ



ひだまりなんです。
トビキリなんです。
答えたくないなんて、もう言いません。
だから。


オイサンでした。


  

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2009年6月28日 (日)

■傷ついて、だから輝くものもある。 -更新第242回-

メガネが壊れました。
オイサンです。


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■■■━ 『キミキス pure rouge』を見終わる ━■■■
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とある方に言われ、
DVDを揃えておきながらも最後まで見ていなかった
『キミキス pure rouge』を見終えました。
その感想など。

キミキス pure rouge (2) [DVD] キミキス pure rouge 4 [DVD] キミキス pure rouge 5 [DVD] eb!コレ エビコレ+ キミキス キミキス pure rouge 3 [DVD]
  あ、ちなみにオイサン、ゲーム版の本編『キミキス』は
   ・サッカー娘の咲野さん、
   ・うどん娘のなるちゃん、
   ・図書系地味娘の星野さん
  で終わらせるくらいにしかやっておらず、
  各キャラへの思い入れは薄めです。

  そんな感じで、基本的にアニメ版はアニメ版として、
  単体で見ていますのでその辺ヨロシクです。
  ……ていうか、アニメ版は本編とは人の配置とか全然違うので
  それが正解かなあと思いますけど。


■主人公とヒロインの恋について


その御方は、
「放映当時、あまりにヒドいラストで、声優陣もキレていた」
とおっしゃってまして……
見終わって、いろんな感想ブログなんかを見ていると、
確かに目くじらを立ててる方が大勢いらっしゃいました。


  ……でも、そんなかあ?
  というのが、オイサンの感想。


……だって、あのまま摩央姉ちゃんが甲斐くんとくっついて、
光一は結美ちゃんとくっついて、みんなヨカッタヨカッタじゃ
それこそ凡作もイイところだと思いますし。

なんていうか、ああいうキャラ配置になった時点で、
一番先の見える、スタンダードな終わり方になったと、オイサンは思いますけども。
光一と結美は、どっかでひっくり返るんだろうなと
思って見ていたので……ワリとアレで普通かと。

だから、「ヒドイ」と聞いて
なんかもう二転三転あるラストなのかと思いました。
例えば、

 光一、自分の気持ちに気付いたとかいって結美ちゃんをフる。
   → 光一、摩央姉に告白。
    → 摩央姉、ブチギレて光一をブッた切る。
     → 傷心の光一。
      → 見かねた結美ちゃん、再度光一に歩み寄る
       → 光一「やっぱり僕は星野さんが……」的発言
        → ハッピーエンド

……とか……やらかしたのかと思った。
あとは……摩央姉のお腹に、光一の子供が!!……とか、
祇条さんとデキあがるとか、なんかもうワケの分からんことになるんじゃないかと。

というコトを思うと、確かにラストの摩央姉は、ちょっと摩央姉っぽくなかった。
ラストの歩道橋の上でガッツリ、光一にビンタの一発も張っておけば、
光一を受け入れるにしても、随分印象が違ったと思う。


結美ちゃんは結美ちゃんで、
このラストで一番彼女らしさが際立ったんじゃないか?
と、オイサンは思います。
引き気味のスタンスといい、徹底した優しさ・甘さといい。

最後に、摩央姉から手渡されたバトンの手で、
光一の一番の幸せを願って
「摩央姉に任された光一を、彼の一番の幸せに向けて送り出す」
ところなんか、もう。

正直、「この脚本家スゲエこと考え付いたな」と感服した限り。
この発想はなかった。
面白かった。
感動した。
ああ、脚本家に愛されてんな、と。
マ、結美ちゃんも、最後は大泣きしてても良かったんじゃないかと思いますけど、
その感情の静かさも彼女の味かな、と。
際立って欲しくない際立ち方だとは思いますけど、
でも、美しかった。

光一の言葉を受け入れるときの声優さんのお芝居も、すごかった。

摩央姉からのバトンで、光一を摩央姉に向けて送り出す結美ちゃんと、
ビンタ一発で渡したバトンをナシにする摩央姉、
……くらいの対比として描ければ、
このラストもすっかり成功だったんじゃないかと思います。

マ光一の、摩央姉に対する心の由来が見えにくかったというところに
不満が募ったんでしょうけども。
確かに、ガツンと溜飲が下がるものでもなかったにせよ、
それなら摩央姉の光一への思いも、あまりに希薄と言えば希薄。
それを言いだせば、
まず甲斐くんをブッた切った摩央姉ちゃんはやっぱりどうかしてる……
動機の希薄さで言えば、いいとこ光一とドッコイドッコイ
だし、
二見さんの気持ち? 実験にケチをつけた咲野さんも、
やはりどうかしてると思う。
あのシーンの咲野さんは、やっぱりちょっと……どうかしてた。
マ恋に狂ってたんでしょうけど。

でも、見てる側はともかく、
声優陣がアレに納得がいかないってのはどういうこと?
光一役の人が「役に入りづらかった」っていうくらいならともかく……。
大丈夫か、声優陣。


  ……。


うん。
光一の行動が納得がいったかと言われたら、
動機が希薄だと言わざるを得ないけれども、そもそも彼はヘタレだし、
あの「結美ちゃんの美しさを描くために」ヘタレに徹させたのであれば、
オイサンは納得がいく。

結美はハッピーではなかったけれども、
何事にも代えがたい美しさを手に入れたと、オイサンは思うよ。
ヒロインとして。
結美ファンは喜んでいいんじゃないだろうか。
すごく愛情のある、描かれ方をしていたと思います。
なんていうか……ピンク色の幸せを、すんなり手に入れる子じゃないと思うので。



  ■以下、他の方々に関する感想。


<< 柊! >>
 シネマホリック・柊明良。
 オイサンは、彼に春が訪れたことが一番嬉しい
 恋に見向きもせず、ただ真っ直ぐに、
 己の情熱にひたむきだった彼を見ている人がいたことを心から喜びたい。
 マ、困った男だけども。立派だったと思います。拍手。


<< なるちゃん&菜々 >>
 このうどん娘コンビは……一体いつからそんなに本気で
 うどんに取り組んでいたのか……。
 だけども、終盤でおじいちゃんにうどんを認められるシーンでは、
 バカバカしいとは知りながら、涙を禁じ得ませんでした。
 もっとバカバカしく盛り上げても良かったような気がするけどね。
 輝日東のうどんの達人に勝負を挑まれて、
 究極のうどんが未完成の状態で勝負に突入!
 打開策がない、どうする? どうする……!? という局面で、
 カスタマイズ麺棒を持ったじいちゃんが乱入!!

   お爺 「なるみーッ!! これを使うんじゃーーーー!!」
   なる 「お、おじいちゃん!!」
   菜々 「しゃ、しゃべったーッ!!?」

 結果、輝日南うどん研究会の勝利!
 晴れてうどん部に昇格!!
 ……とか。
 ああ、なんだろ。
 コレすごく見たい。


<< 咲野さん >>
 正直、話中盤のこの子には失望した。
 話がダレ気味になったのは全部この子の三文芝居のせいだったような印象がある。

   いや、本編ではイチオシのごひいき娘なんですけどね。
   元祖運動娘・後藤育美(from『TLS1』)さんの再来ですからね。
   育ちゃんサイコー。もっと食え。

 二見さんへの下らん噛みつき?(「実験でキスとかおかしい!」っていうアレ)で、
 一時、ドン底まで女を下げたものの、
 最後は見事な鮮やかさでハッピー失恋。
 女を下げて男をあげた。
マよしとする。
 この子も、人並みの幸せが似合う子ではないからねえ……。


<< 相原くんと二見さん >>
 逆に、キャラ性能が高すぎて、人並みの幸せが一番似合う二見さん。
 終盤、この二人のハピネスぶりはもう、見ててウレシハズカシ。
 二見さんの沈黙芝居がホントに、シンミリジワジワと伝わってきて、
 どちらかと言えば女の子に感情移入して見てしまうオイサンには
 タマランものがありました。
 嬉しすぎる。

 なんであそこまで咲野さんを気にかけてしまったのか、
 マそれが彼女の天才たる所以なんだろうけども。
 ずっと心の中で、「お前は何も悪くない、なにも負い目を感じる必要はない」
 と思ってました。
 ラストで咲野さんと立場が入れ替わるようなことがなくて本当に良かった。
 カップルで言えば、最初から最後まで、ずっと一途だったベストカップルは
 このコンビでしたね。
 恋に狂いながらも、マトモであり続けた二人に乾杯。


<< 甲斐くん >>
 ……男らしすぎ。
 「俺は自分の足で立つことにした。歩き出したから、もう大丈夫」
 震えました。
 正直抱かれたい。
 柊と並ぶ、キミキス界が誇るキングオブイケメンです。
 あだち充のマンガだったら、
 甲斐くんと結美ちゃんになんらかの繋がりがあって
 この二人がデキ上がってメデタシメデタシなんでしょうけどね。
 さすがにそうもいかず。
 結美ちゃんともども、深く静かに幸せになってほしいです。


<< 能登(違) >>
 一人、恋愛とは全く無縁のスタンスでぽやんぽやんしていたブルジョワ。
 しかし彼女の、
 「恋愛っていろんな形があって、いいことばかりじゃいかも知れませんけど、
  ……素敵ですよね!!」
 というセリフが全てを物語っていたんじゃないですかね。
 さすが、金持ってるヤツぁ言うことが違うゼ。



……。



マ、そんなことでね。
まとめると。

幾分うがった見方もありますし、
「ヒドイ」と知らされていたが故に、ある程度心の準備が出来てしまった、
という面も否めませんが、収まるとことは予想通りだったわけで。

中盤のダレ方、主人公の描き方への配慮の足りなさで、
決して名作や傑作ではなかったかもしれないけれども。
原作からのキャラ再配置の大胆さは、冒頭の引き込みにものすごく威力を発揮したし、
残酷なまでの女性キャラの「らしさ」の追求は
(摩央姉は上記の通り、アレだったし、サブに回された人たちは所詮サブだったけど)、
今後のギャルゲーのアニメ化に良い影響を与えるんではないかなあ、
と、オイサンなんかは思います
(つってもう、完結からエラい時間が経ってるワケですけど)。


うん。
魅力のある、瑕ある物語……物語じゃねえな、
表現の仕方だったと思いますよ。
ゲーム本編も、もう一度しっかり見直してみようという気になった。

ぶっちゃけて言えば、「好きです」。
このちょっとヘンな話。
ちょーっと、荒っぽさが勝ちすぎる気もしますが、あると思います。


以上、オイサンでした。


 

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2009年6月27日 (土)

■本日は会話モードで 1 -更新第241回-

七咲とお弁当を交換するイベントを見ていて不意に思いつく、

「シゴトバでの雑談を、『アマガミ』の会話モードっぽく
 再現してみる」


という暴挙。
ちなみに、以下、奈梶さんのCVは高めのミズハスイメージでお楽しみ下さい。

■キミキス ↓の動画の、里仲なるちゃんっぽい感じで!




  ……。


オイサン(さて、何の話をしようかな……)



    <話題選択>  食べ物  ピロリン♪


オイサン「そういえば奈梶は、食べ物では何が好きなんだ?
奈 梶 「好物ですか? そうですね……
     お寿司、ですね。



オイサン「寿司かあ。なるほどね。
奈 梶 「先輩は、何が好きですか?


オイサン「そうねえ……。

奈 梶 「たとえば世界が終るとして、
     最後には何が食べたいー、とか。



オイサン「なるほど、そう考えると面白いな。
     そうなると、奈梶は寿司なんだな?

奈 梶 「そうですね。最後に、お寿司が食べたいです。


オイサン「僕は……。
     ねえ、その場合、おかずならおかずだけなの?
     ご飯はつくのかな?



奈 梶 「えっ……。

     で、では、おかずならご飯はついてくることにしましょう。
オイサン「そうか。だったら僕は、普通に目玉焼き……とかがいいな。


奈 梶 「あ、それはなんだか……
     ちょっと、カッコイイですね。

オイサン「(か、カッコイイ?)
     そ、そうかな?


オイサン「僕、朝ごはんって好きなんだよ。
     だから普通に、朝ごはんのメニューが食べたい。
     ご飯、目玉焼き、納豆、お味噌汁……。



奈 梶 「ああ、なんだか分かる気がします。
     旅館の朝ごはんとか、すっごくおいしいですよね。
     あれ、どうしてなんでしょうね。



オイサン「そうそう、そうなんだよ。
     でも僕、家のご飯も好きでね。
     だから、年末年始とかは、ちょっとガッカリするんだ。



奈 梶 「え? どうしててすか?

オイサン「年始はホラ、朝、お雑煮になっちゃうだろ?


奈 梶 「ああ、なるほど。
     あとはおせちですもんね。
     いつものメニューは食べられませんね



オイサン「そうなんだよなあ……。
     一生に食べられる回数の決まってる朝ごはんを、
     損してる気分になっちゃうんだよ……。

奈 梶 「あははっ、それじゃ一大事ですね。


    奈梶 テンションUP!↑ ピロリン♪


奈 梶 「……あ、もうこんな時間ですね。
     そろそろ帰りますけど、先輩は……

オイサン「ああ、僕ももう帰るよ。


奈 梶 「じゃあ、その……
     と、途中まで一緒に行きませんか?

オイサン「そうだね、そうしようか。
奈 梶 「はいっ!


  ……。


いや、ホントにこのあと、普通に一緒に帰ったんだが……
なんだろう、このガッカリ感は。

ちなみに、今回ご出演戴いた奈梶さん(仮)は、
当然♂で、もうじき30? 既に30? の既婚男性(ぽっちゃりめ)で、
語調こそ本家『アマガミ』風にしましたが、
ハナシのナカミは殆どそのままです。


……オイサンでした……。
やめときゃ良かった……が、後悔もしていない。


    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


 

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■恋のように僕たちは -更新第240回-

シゴトバにて。

ソースコードをバチバチ叩いていたら随分調子が良く、
気が付くと我知らず、小声で鼻歌を引っ掛けていた。

しかしそのメロディが一体何の曲だったのか思い出せず……
なんだっけなー、
聴き憶えはあるんだけど、そんな印象深い曲でもなかったかなー、
と思いつつウチに帰り、今日も『アマガミ』。

デ、分かった。
中多さんの固有BGMだった。

■アマガミ 中多さん


えええー。
……正直、びっくりした。
だって、中多さんとはまださほどお付き合いも長くなく、
あまりBGMを「あ、いい曲だ」と意識することもなく。
意識的に思い出して口ずさもうとしても、それも出来ない。

  ……これが絢辻さんのBGMだとか、
  行動マップでのメインBGMだとかなら全然納得がいくんですけど。

ホントに自分でも気が付かないうちに、アタマだか心だかにそっと忍び込み、
るらるら、と鳴らしてくれるというのは、ちょっとすごいなあと。
これは多分、名曲なんだろうなあ、と思った。

今でもまだ、意識的に思い出して歌うことは出来ないんだけども……
岩垂先生、スゴイぜ。
初代『TLS』からずっとお付き合いさせてもらってますけど、
今回ほどびっくりしたのは初めてだ。

  ちなみに、今回、特に行動マップでのメインテーマ、
  これはもう、オイサン的には相当な大ヒットです!
  ギャルゲーのフィールドBGMかくあるべし! という、
  聴いて飽きない、明るく楽しく、そしてほんのちょっとの憂いを含んだ……
  学園のアクティビティそのもののような、いつまでも聴いてたくなるメロディーラインです。
  岩垂先生、ありがとう、本当にありがとう!!
  おかげでオイサンは、今日も、この先も生きていけます!
  そんな曲です!!
  あなたがこっち側のオシゴトもして下さる方で、本当に良かった!

  ついでにエンディング曲は、思い出すタイミングを誤ると
  その後暫く何も手に付かなくなるので注意が必要だ。
  閑話休題。


……いや、歴代にはずっと、名曲、快曲、一杯ありましたけどね。
初代のタイトル曲、下校会話、春・夏・秋・冬、後藤さん。
『2』のタイトル曲、GoodEndの曲。
『3』の下校会話。
『S』の神谷さん、誠太郎、下校会話。
『キミキス』は……あんまやってないので、すみません。

どれもこれも忘れられない、
オイサンの、もう一つの青春を彩るメロディばかりです。

……まあ、まだゲーム本編をコンプリート出来ていないので、
サントラを自由に聴くこともままならないんですけどね……。


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■■■━ 当選者、発表! ━■■■
----------------------------------------------------------------
『アマガミ』のサントラで思い出しましたが、
以前やってしまったプレゼントキャンペーン。

 ■『アマガミ』ED曲・歌詞検索で来た方へ
 ■俺とジジィの約束だ

アレを本当に送ったので、その時にオイサンが入れたサイン(もちろんオイサンの)の
写真を撮っておいたので載っけておきたいと思います。

R0018923  R0018925
R0018935_2

ケース裏面と、ブックレットと……あともう一つ、ヒミツの場所にムフフ。
全部見つけてもらえただろうか。
しかしメインビジュアルの邪魔になるところには書けない小心者。

蜜柑の国のおむさん、おめでとー♪
大事にして下さいねー。
ヤフオクとかに売んじゃねーっすよ。
ていうか、こんだけあっちゃこっちゃにラクガキが入ってたら
売れやしねえだろけどな!!


オイサンでし、あ。


そうか、わかった。
なんで中多さんのBGMが、こんなにすんなり入ってきたか……。
『TLS2』の中里さんのBGMに、ちょっと雰囲気似てるんだわ……。
そうかー……。
あの子は……衝撃的だったからなー……。
「ああ、この子には、俺は別に必要じゃないんだ」
とか、
ギャルゲーやってて思わされるとは思わなかったよ。
マ風間さんがいてくれて良かったけど。
元気にしてるだろうか。
中里さん。


That's it.
ドン・マッコウさんはあまり好きでないオイサンでした。


■トゥルーラブ・ストーリー2 2学期OP 今日も明日もいつもの道で

豆知識。
初代『TLS』は『トゥルー・ラブストーリー』で、
『2』から『トゥルーラブストーリー』になったんだぜ!
Trueがどこにかかるかがポイントだ!



 

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2009年6月24日 (水)

■ちゃぷんと画面に波紋が落ちる -更新第239回-

鼻血噴いて死にたい。
オイサンです。


……とか、冒頭で書いておいてアレなんですけど、
自分はあとどれくらい生きられるんだろう?
とか、今日は考えてしまった。
シゴトバで。

もしかすると、帰り道、何かの事故に遭って死ぬかもしれないし、
健康なつもりではいるけど、
オイサンの体の中には自分でも全然気付いていない致命的なダメージがあって、
あと数日、数週、数ヶ月という単位で死んでしまうかも知れない。
あと天災。大地震が起こるとかね。



自分には、
まだまだやりたいコトがたくさんある。



……というワケでは実はあんまりなくて、
とりあえず『アマガミ』の隠しシナリオと絢辻さんのスキBADだけは見ておきたい、
くらいにしか思ってないんだけど。

  その2つについては、今、他のどんなことよりも優先して
  死ぬ前に見知っておきたいと思ってるんだけどね。
  それに、その2つを見終えたとき、オイサンの魂にはきっとまた
  「死ねない!」と思えるくらいの新しい火種が熾るだろうと確信してはいるんだけど。

まオイサンなんかはオッサンとはいえ
年齢的には普通死ぬようなトシじゃないので、
上で書いたような不測の事態や特殊な異常がない限り、
今日明日、死ぬようなことは考えにくい。
一応、ヒトサマよりは頑丈に出来てるつもりですしね。

だから、オイサンが今こうして想定している死は、
こう言っちゃアレだが、一種のファンタジーであり妄想だ。

  今、自分の想定する「死」がそういう性質のものだと分かってても、
  『アマガミ』のプレイを焦ってしまうくらい、
  上で書いた2つの「見たいもの」は
  今のオイサンにとって大切にしたいものなんだけど。


  ……。


そう考えたとき、
じゃあ、オイサンの父や母はどうなんだろう。

まだ還暦を迎えて数年のような人たちだから、
年齢的には、そんなにリアルに死に近いかと言われれば、
まだまだそんなではないハズだ。
統計的には。
けれども、オイサンなんかよりは全然リアルに、卑近に、
死を感じてもいるハズだ。

  そんなに、日々深刻に感じているかは分からないけど。

そんな二人は、何かやりたいことや欲しいモノが、
生きることを焦ってしまうくらい大切にしたいものが、何かあるのだろうか。
「俺の今生に、コレだけは外せねえ!」ってものが。
またその焦りは、一体どんな質の、どれくらいの量のものなんだろうか。
怖いだろうか。
そりゃ怖いだろうけど。

でも、ある程度の悟りや諦めも、きっとあるだろう。
じわじわと迫り来る、いつガッと襲い来るか分からないそれと、
どんな風に向き合っているのか……。
訊くに訊けることではないし、
出来れば自分が、「両親の死」なんてものを意識していることは悟られたくはない。

だって、ヤじゃん。
そんなの。
自分の子供がさ、親……つまり自分が死ぬときのことを考えてる、なんて、
知ったら、自分の死が如何に近くて、確実なものなのかを
ムダに色濃く感じさせてしまいそうで。

それとも、そうしてある程度話をした方が、
安心したり、開き直れたり、腹が括れたりするものなのかな。
それだったら、たとえ自分が多少辛くても、話を聞いてあげたい。


……。


オイサンは自分のことを、人として随分欠陥が多いと、
我がコトながら自覚していて。

『ときメモ』で恋を知り、
『To Heart』で愛を知り、
『北へ。 Diamond Dust』で生を、
『水曜どうでしょう』で三十路四十路のあり方を、
『俺の屍を越えてゆけ』で両親・祖先・血筋への畏敬といたわりを知ったような、
本来、人とのふれあいの中で学ぶべきだったそれらを、
作品そのものと、
制作者がそこに込めたであろう気持ちや、彼らの経験のピースと、
自分の創造と妄想の力とで以って、(勝手に)学んできたような人間で。

  Web上でさんざんネタにされている
  「『CLANNAD』は人生」
  と言った誰かを、決して笑えるような人間ではないのだけど。

だけどもそれらに教えられることで、
自分が生きていくチカラと、自分を愛してくれる人たちへの接し方を、
それらはとんだマガイ物かも知れないけれども、
どうにかこうにか、獲得することが出来たと思っている。

そしてそれを実践することで、
マそれも無いよりゃマシな程度にはなれたんじゃないかな、
とも思っている。
モチロン、もっといい方法があったに違いないとも思うんだけど。

  「『CLANNAD』は人生」も、
  彼が本気でそれを言ったのなら、多分それを言った彼にとって、
  それは本当に真実だったんだろうことが、オイサンには分かる。
  そして、そこに感じた気持ちを行動に表すことによって、
  それは本当に真実にもなりえると思ってる。

だからまあ、なんつうかね。
ホレ。
今回、ほんの気まぐれとはいえ、『アマガミ』やってて、
両親の向き合うであろう、そんな焦りや恐れに思いを馳せることが出来たのだから、
そのことともちょっと真面目に向き合って、
オイサンと両親の人生を、ちったあマシにしていけたらいいなあって、
そんな風に思ったんですよ。
ええ。
そんだけです。

だってオイサンには、ゲームやるくらいしかないんだもん。
だったら、ゲームから拾っていかないと。
ホントに何にもなくなっちゃうからね。

  だから『けいおん!』見て楽器始めるとか、そんなん全然アリなんだと、
  思うですよ。
  拾った人は落とし主から、一割から三割、もらっていいことになってるんですから。

それがたとえ恥ずかしいことでも、
……オイサンはそれが恥ずかしいことだなんて夢にも思わないから、
  シゴトバでも素のオタクで通しているし、
  そういうことを話して良い場があったら話すようにもしてるんだけど……
「人って結局、そうやって生きてくしかないんだ」、
ってのが、
それら全部からオイサンが考えたことです。
多分だけど。


オイサンでした。


 

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2009年6月23日 (火)

■真冬の庭で、おモチを焼こう。 -更新第238回-

「 まぁたぁ雨かぁ~ ……。




  ……。




  ヤんなっちゃぅなー ……。




  …………。




  ………………ねぇ、




  今日はなにして遊ぼっか?」




……とかって、絢(略!
ドラマCDのvol.2が!
ドラマCDのvol.2がああああぁぁぁぁ!

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あ……絢辻さん!
なんで! 保健室で脱いでんすか!
なんでそんなに麗しいんですか!
やっぱりオイサンをラブり殺す気ですか!!

はひー、はひー。
あーもう……。
最近ちょっと衰え始めてた気がしてたけど、
まだ全っ然いけるわ。
行くぜ、100万周! オイサンです!

決めた!!
まずは全ヒロインの皆さんのスキBest!
んで次は隠しシナリオ!
その後、スキGood!、スキBAD!

……ただし、晴れときどき絢辻さん!!
(訳:絢辻さんのシナリオだけは気分によって優先的に回る場合アリ)


================================================================
■■■━ 真冬の庭で ━■■■
    お休み前の『Winter Garden』。
----------------------------------------------------------------
昨晩、ふと思い立って、寝る前に
『Winter Garden』を見直したんです。ちょっとだけ。

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そしたら、夢にですね。
絢辻さんが出ていらしておっしゃるワケです。

 「オイサン君 (←オイサンの本名) は
  でじことイチャイチャしてればいいでしょ!?」

……だってサ。

……何がそんなに不満だったんだろう。
見たせいで、床に就くのが遅くなったコトだろうか……。
て言うか、その台詞は美也のだろう。

でじこ相手にヤキモチ焼かれても……ねえ。
ち、違うんじゃぜ? 絢辻さん。
オイサン、でじことは何でもないんじゃぜ?
てか、じゃあ誰とだったら何かしらあるんだ。 > 俺


================================================================
■■■━ 近くて遠い、僕とあの子の ━■■■
    『アマガミ』周回日記・Lap-07
----------------------------------------------------------------
このところで
森島センパイと七咲のスキBestをゴールしたのですが、
どっちも正直、不完全燃焼。
なんつうか、普通。
絢辻さんシナリオに見たような、強烈なインパクトがないなあ。

正直、初回の絢辻さん(ナカヨシ・スキBest)は言わずもがな、
梨穂子スキBestは結構楽しめたんですが……。
なんだろう、この食い足りなさは。

  つか、オイサンセーブデータの日付を見てて気付いたんだが、
  今使ってるセーブデータのオオモトは、なんとGW前からのデータでした。
  一ヶ月以上、同じデータ使ってゲームしてたのか俺は……。
  どうかしてるな。

デ今回、7周目を始めるにあたり。
センパイ・七咲の両シナリオは、端から同時進行を視野に入れて
二人ともスキまで連れて行くことを考えながらプレイしてたんで、
それが良くなかったのかなあ、思い入れの欠如の繋がったのかなあ、
と大陸棚より深く反省(浅い)。

……今回は、
「出るトコ出てても心は内向き、前人未到のふかふかボディ転校生」
中多沙江さん一人に絞ってお話を展開させてみることにしました。

  ちなみに先の二人……森島センパイと七咲は、
  それまでのシナリオでも割とちょっかいをかけてくることが多かったので、
  本攻略を始める以前から割と顔馴染みであった
  (=シナリオのつまみ食いが侵攻していて新鮮味に欠けた)
  という事情もあるのですけど。

  ていうかこの二人、
  ちょっと話が進んでしまうとバクダン抱えて現れるので、
  どうあってもそれを爆発させるのがイヤなオイサンは
  (バクダンに過剰反応するのは『ときメモ』ドランカー特有の後遺症です)、
  その火消しに反射的に奔走してしまう習性をイカンなく発揮してしまい、
  どうしてもシナリオのつまみ食いが進んでしまうのですね……。

  超余談ですが、この習性を活かして爆発物処理班にでも就職してれば
  伝説のニコラスケイジになれたかもしれません。
  就職?

デ現在、最初の一週間が終わったところなのですが。
……なんだろう、随分感触がいいぞ。
わりと胸がときめいてる感じです。
まだほんの一週間なのだが……。
今まで殆どノータッチで来てたんだが……かわいいじゃないか、中多さん。

そこでオイサン、ヒトツ気がつきました。
これはもしかして、……物理的な距離の問題ではなかろうか。

「物理的な距離」と聞いて、ハ?なんのこっちゃとお思いになった方もおられるでしょう。
よーするに、「プレイするオイサンと画面の距離」のことです。

センパイと七咲をゴールしたときは、オイサン、
自分の部屋の壁にぴったり背中をくっつけた状態でプレイしていることが多かった。
この場合、オイサンと画面の距離、実に約2.5m。

対して、絢辻さんと梨穂子をゴールしたときは、
寝る前にプレイすることが多かったため、
部屋の真ん中にフトンを敷いて、その上でプレイしていることが多かったのです。
この場合のオイサンと画面の距離は、~1.5m程度。

この視線の近さが、ときめきと思い入れの大きさの違いに
結びついたのではないだろうか。

  そ、そんなばかな!!

……と、オイサンだって思いますけど。

せっかく思いついたことなので、
今回は出来るだけ、支障のない程度に画面に近い場所で
プレイすることを続けてみたいと思います。
ハテサテ、どうなりますコトやら。


  ……。


あ、ちなみに七咲シナリオ。
寄り道ブランコのシーンは、とてもよかったと思います。
イヤ変態紳士的な意味ではなく、生き生きとした七咲が見られて、
あそこだけは、ちょっとドキッとしました。


================================================================
■■■━ Paradise Brain ━■■■
    『キミキス pure rouge』視聴再開!!
----------------------------------------------------------------
以前の記事で書いた、大御所との会話の中で、
「アニメ版『キミキス』が、ラストでどエラいことになる」
と聞かされ、途中で止まってた視聴を再開しました。

  ……DVDだけは全巻揃えてありましたんでね。
  へっへっへ(何やってんだおまいは)。

なんで見るのをやめたのか……
多分、なんとなく話のオチどころが見え始めてしまったからですな。
でもまあ、そんな大変なことになるつうんだったらキチンと見ないといけません。

そうすっと、今のオイサンのパラダイス・ブレインではですな。
OPの冒頭、ヒロインが6人並ぶシーンで、いきなり。
……死にそうになりました。

■キミキス pure rouge OP 青空loop


あ……あれ?
お嬢さんがた、こんなに可愛かったでしたっけ……?
うーむ……。
ちょ、ちょっとゲーム本編の再開も考えた方がいいかもしれんな……。

しかし今、落ち着いて見直してみると……
なんか、ヒロインがみんな、まともな思考で動いてない気がするな。
イヤ、これがまともっちゃマトモなのか……?


マそんな感じでヒトツ!
オイサンでした!
ええい決めた! 今年は一年中春だ!!



 

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2009年6月22日 (月)

■Girl"S" be Progress !! -更新第237回-

「 雨だね~ ……。




  ……。




  やまないなー ……。




  …………。




  ………………ね、




  今日はなにして遊ぼっか?」




……とかって、絢辻さんに食いつかれたい!
そんなん全然絢辻さんじゃないけどさ!!
だけどオイサン、絢辻さんが大好きなんだ!!!
オイサン@発症より3ヶ月、絶賛経過観察中!
快復の兆し、 一 ・ 切 ・ ナシ !!

絢辻さんにラブり殺されてぇー!!



  ※※※注意 是非、ここで読むのをやめないで下さい※※※


えー、なんか色々すみません。
例のアレを、どうしても先に完結・連続で載せたかったので、
その間に色々書こうとしたことや書きたかったコトは溜まってます。
なのでボチボチ行きます。


先ず本日は『けいおん!』がらみの話からー。


================================================================
■■■━ キラキラ光る願い事も、ぐちゃぐちゃへたる悩み事も ━■■■
    『けいおん!』最終回にまつわるアレコレ
----------------------------------------------------------------
「たまごまごごはん」さんとこの、
あまりにアツい最終回レビューにアテられて、
……そしてちょっとだけ違和感を感じて、
オイサンも、09年1Q中、楽しませてもらったお礼も込めて。


  ◆軽音部、それぞれにとっての大切な成長。~今いる場所が、最高に好きだから!~
  [たまごまごごはん]


「12話で最終回!?だと!!?」
というあたりからチラホラ最終回に対する盛り上がりが出てきて、
ラストもキレイに終わったみたいですね。
『けいおん!』。
「みたいですね」、ってオイサンもちゃんと見ましたけど。
09年4月期の大本命として、見事に有終の美を飾ったんではないでしょうか。

オイサンのテンション的には最初の文化祭をピークに徐々にトーンダウンし、
普通に終わっていった感じです。

最終回も、一応ブワッと泣いたのですが、
オイサンが泣くのはぶっちゃけデフォとして。
描かれ方は相変わらずとても丁寧でしたけど、展開としては、まベタで。
トータルでの面白みとしては、割と普通。
そんな感想です。

  いや、モチロン、相当高いレベルをクリアした上での
  「普通」の面白さなんですけどね。
  面白いって、難しい。

たとえば、ムギちゃんがアンコールをリードしたこと、
澪っぺが冷静に強く、あずにゃんに指示出ししたこと、
そしてラストの、第一話と同じ道をたどりながらも、
まったく違う走り方をした唯とそのモノローグなど、
ああ、この四人も一年で随分変わったな、という感慨はありましたが。
ただ……オイサンには、


「その変化って何なんだろう?」


って、思えてしまうのです。
これを「成長」と呼ぶことは出来ます。
確かにそうなのかも知れません。
でも、唯の、何の目的もなく過ごしていた中学時代を経て、
高校に入って楽しいことを見つけ、そのことに一生懸命打ち込む姿……
それって果たして、「成長」なんだろうか?

オイサンには唯のそれは「発見」である様に思います。
やって楽しい、キモチイイことを、自ら望んでがっつりやるのは、
当たり前の気がしてしまうので。
それは、「成長」という言葉の持つ前進性のようなものと
繋がらない気が……してしまうのですね。

  色んな見方・言い方が出来てしまう気がするんです。
  変化・発見・向上・拡大・肥大。

  ところで、
  好きなことを一生懸命やってしまうのを、
  普通だと思えるオイサンは贅沢なんでしょうか。
  オイサン、恵まれっ子?

かといって、
「苦労・苦難を乗り越えないと成長じゃない」
なんていう、ケチ臭いコトを言う気も毛頭ありません。
オイサンもそういうの、大キライですし。

ただ……そうなると、考え込んでしまうのです。
「成長」って、何だろうか。
どうなることが「成長」なのだろうか。

単純に考えると、
「望まれる姿に近づく方向で変化すること」
なのだと思うのですが。

ちなみにこの際、「誰が望むのか」はマチマチで、
社会なのか、自分なのか、あるいは自分が認められたい誰かなのか。
それを思うと、この四人(ここでは敢えて四人とします)それぞれが果たした「変化」が、
それぞれにとって果たして「成長」だったのかというと……。

「成長」を上で考えた定義に当てはめて考えるのであれば、
恐らく、この四人に対して何かを望む存在には二通りあると、オイサンは思うのです。
まずは、四人それぞれが、自分自身に対して……
……唯が唯に、澪っぺが澪っぺに、
   律っちゃん隊員が律っちゃん隊員に、ムギがムギに対して……
自分がどうありたい、どうなりたいと、望む場合。
これだとまあ、話はシンプルです。

そしてもう一つ。
四人それぞれが「四人」というヒトカタマリの「場」に対して望む場合。
「四人が四人で、どうあり続けていきたいか、四人がどういう姿でいたいか」
という希望です。
「誰かが誰かに対して」ということは……まあ、なかったんではないかと。

では、四人は、「四人」に対して何かを望んだかというと……
そういうものもまた、特には無かったんではないか?
と、オイサンには見えてしまいます。
もしあるとするならば、

 「もっと楽しく!」
 「もっと愉快に!」
 「四人が、四人らしくあるように!」
 「ついでに演奏が良ければもっといいけど!」

ということで、かつそれは全員が無意識に思っていたことだろうなあ、
と思います。
そういう意味では……正直、オイサンは最初の文化祭までの四人が
見ていて一番楽しかったし、心地良かった……気がします。
今思えば。
ぐちゃぐちゃでも、ふにゃふにゃでも、
音楽に対してあまり真顔でないあの頃が、
四人にとって一番ニギヤカな時期だったんじゃないかなあ? と思うのです。

その後に訪れる四人の変化……「成熟」は、何だか「らしくなかった」な、
始めの時点で完成していたものが、
それぞれのパーツの変形によって少しずついびつになっていくような、
ちょっと引っかかりを感じる違和感がありました。
ある意味それは、オイサンにとってはちょっとしたストレスですらありました。

ムギのちょっとした自己主張や、澪っぺの跳ね返りなんかは、
「あれ、そんなコトしちゃって大丈夫なの?」
と、見ていてハラハラしてしまいました。
まあ、そこがこのお話のドラマ成分なんでしょうし、
しゃあねえっちゃあしゃあねえ。

  正直、『ひだまりスケッチ』みたいな、
  延々とホワホワした時間が続くことを期待したオイサンには
  刺激が強かった感じです。これでも、まだ。

ただそうしたハラハラ感の中でも、この四人は
「四人であることにキレイに『定着』したなあ」
というコトが言えると思います。
誰かが出っ張れば、誰かがひっこむ。
あるいは、その新しい出っ張りに合うように、みんなで出っ張る。

言うなれば
四人は一つのシャボン玉の中に閉じ込められて、ふわふわ空を飛んでいく。
シャボンの中で誰かが誰かを押せば、シャボンはおかしな形にゆがむけど、
その押された誰かはシャボンが割れないように今までとは違う姿勢をとるのか、
もしかしたら、違う誰かがバランスをとるのか。
そうやって四人は、シャボンを割らずにどこまでも、高く高く上っていく、
そのやり方を「四人であることを前提として」身に付けたんじゃないかなあ、という風に見えました。

個人ベースで言うのであれば。
唯は唯一(洒落じゃねえですよ)、
「こんな自分になりたい」という願望を(漠然と)持っていてそれを実現しましたが、
他の3人にはそういう様子は見えなかった。

澪っぺは、別段怖がりや恥ずかしがりである自分に、
「克服したい」とまでの強い気持ちを持っていたようには見えませんでしたし、
律っちゃん隊員も、別段リーダーシップを発揮したり、
いい加減なところを治したり、場を整えたりするチカラを持ちたい、
と考えていたようには見えない。そもそも、そういう素質はあったけれど。

だけれど、四人が四人らしくあるために、
四人でヒトツであり続けるために変化を余儀なくさせられたその時には、
みんな躊躇無く、
或いはイヤイヤながら、
また或いは、我知らずのうちに、
その変化を受け入れていったんだなあ、と思います。

  ムギちゃんは、徹頭徹尾「四人が四人で!」を考えてたのかな?
  という気はしますけど。

だから、「ヒトツとしての四人」は、四人それぞれが思い描く姿に成長を遂げた。
そんな感じなのです。オイサン的に。
そうして「完成した四人の姿」を維持しながら変化していく姿は、
ハラハラしながらも、ああ、美しく完成したなあ、と思わずにはいられない。
そこにはやはり、涙を誘うものがありました。

しかしまあ、これだけ仲良くなってしまうと、
ヒネクレ者のオイサンとしては、
この先なんかの拍子に割とガーッと喧嘩したりしてしまいそうかもなあ、
という、おかしな心配をしてしまうのでした。


いずれにしても、四人とも、お疲れ様!

  お  幸  せ  に  な  !!

あずにゃん、頑張って新入生入れろよ……。
まだ卒業してねえけど。


================================================================
■■■━ ぎぶそん! ━■■■
    『けいおん!』は、普通の人が見ても面白いらしい。
----------------------------------------------------------------
『けいおん!』がらみでもう一ネタ。
今日シゴトバで、朝、一般人の同僚と顔を合わせるなり。

 「ikasさん、『けいおん!』、見ましたよ。
  いや、なかなか面白いっすね!」

と言われて面食らう。
彼の名はトミノ氏。
そう、オイサンと(このBlogにもたまに出てくれる)ハニワ氏とともに
アメリカに渡った男の一人である。

実は彼には、『けいおん!』放映開始当初のフィーバー状態のとき、
「今こんなアニメが話題になってて、
そのアニメのせいでこんなギターやらヘッドホンやらがバカ売れしてるんですわ」
みたいな話を、ちょっとだけしてたのです。
すると彼は公式のメインビジュアルを見るなり、
唯の持っているギブソンに目をつけて、

 「ああ、これは確かにアツそうですね」

とおっしゃった。
過去にギブソンのレプリカを買おうとした(買った?)ことがあったそうな。
まオイサンなんかはその反応を見て
「ああ、やっぱホントに有名なギターなんだ」
くらいに思っていたのですが。

その彼が本編を見て、面白いとおっしゃる。
まだ最初の文化祭前までみたいなのですが。

 「丁寧に作られてる、面白い話だと思いますよ。
  いや、キャラ萌えとかは良く分かりませんけどね。
  ……でも、ベーシストの子は可愛いかもですね」

ってアンタ十分にマジョリティを理解してるよ!

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オイサンなんかは、たとえばアニメ作品を見て自分が面白いと思っても、
何かが麻痺しているかもしれないだとか、
知らず知らずのうちに身に付けたアニメ的お作法に則っているが故に
感じられる面白さなのかもしれないとか、
色々考えてしまうタチなのですが。

……マ考えてみれば、『けいおん!』にはそういう面て少ないのかも知れないなあ、
とふと考えてしまう、そんな朝の出来事でした。

しかし彼も……
夜中に奥さんの目を盗んでYoutubeで『けいおん!』てか……
よくおやりンなる。

ですが是非、最後まで見てもらいたいもんです。
出来れば奥さんも一緒に。



マそんなんで。
オイサンでした。


 

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2009年6月21日 (日)

■手帳の中のダイヤモンド -14- 第五部 PRE STORY(3) -更新第236回-

--1-- はこちら
--2-- はこちら

               --3--

「付き合うとか合わないとか、正直言っちゃうと、あたしにはそんなことどう
だっていいのよ」
 出だしはまたしても衝撃的で、僕はせっかくのお茶を噴き出しそうになる。
 シックな柄のケーキ皿には、スポンジのかけらがちらほら残るだけになって
いた。あれからもう二口、僕は絢辻さんからケーキを分けてもらった。彼女は
「だから、自分の分も頼みなさいって言ったのに!」
と不満顔だったけれど、ケーキ代をワリカンにするという若干不利な条件で勘
弁してもらえ、ついでの
「そうしたら、分けっこだって出来たのに」
という呟きは、聞こえなかった振りを強要された。
 僕らはさらにお茶のお替わりをし、今し方その二杯目が運ばれてきたところ
で、冒頭の一言は第二ラウンド開始のゴングというワケだ。
「……聞き捨てならないけど、解説をお願いします」
 僕はもう、それ以上は動じない。さすがに、一日二回は無理だ。体がもたな
い。絢辻さんはカップを傾けながら、ふてぶてしくも目を充血させた僕を上目
づかいに窺うと、クスリと漏らしてカップを置いた。
「『つきあう』だなんて曖昧な言葉だし、定義もはっきりしないでしょ。それ
にあなたが訊きたいのは、そんな国語の授業じゃないわよね」
 僕はうんうんと頷く。だからこそ、僕は辞書じゃなくて絢辻さんに訊きたか
ったわけで。けれどもそれをどうでもいいと言われてしまうと、僕にはやっぱ
り「僕とのことはどうでもいい」と言われているに他ならなく聞こえてしまう。
 だけど、そうじゃなかった。
 絢辻さんは居住まいを正し、背中を丸めた僕なんかを見つめた。まっすぐな
瞳。まっすぐな黒髪。それら全部が、僕のものだ。彼女の頬が少し赤らんでい
るのが、今度は照明や家具のせいではなく、はにかんだ瞼で分かる。
「あたしの中で確実なことは、一つだけ」
 静かな、呟きのような一言。さっきとは違う衝撃が、悦びとともに胸を、体
を、駆け抜けた。
「……うん」
 その唯一の確信は多分、僕と同じだ。僕も改めて絢辻さんを向き直る。その
途端、道が拓けた。さっきまで渦を巻いていた彼女の瞳の中心から、驚くほど
素直にその奥が見通せた。入射角をゼロにすれば良かったんだと、今更ながら
気がついた。簡単なリクツだった。けれどそれは難しいことだった。
 自分の思いにこんなにまっすぐな彼女が、どうしてあんなにひねくれなけれ
ばならないのか、僕には分からなかった。それはもしかすると、世界の方が歪
んでいるからなんじゃないのか? そう思わずにはいられない。下らない読み
違えを二つも重ねた僕自身が、何よりその証明であるように思えた。
「でも、それって、誰に証明出来るものでもないのよね」
 そうして瞳の奥にあるものを交換し終えると、絢辻さんはよいしょと深く、
椅子に腰かけなおした。あえて目を逸らした、とても残念そうなその時の顔を、
僕は忘れられそうにない。
「迂闊に言葉にできるものじゃないし、いくらお互いに好きだ好きだって言い
合ってみても、どっちかが嘘をついたり、疑ったりしてたんじゃ、どうしよう
もないもの」
 彼女の言葉は時に辛辣で、胸をえぐってくる。しくりと走った胃の痛みに耐
えかねて視線を落とした僕の内心を読み取ったのか、絢辻さんは表の通りに目
をやった。
「あたしは、ほら。……あんなだったじゃない?」
「『あんな』?」
 窓の外、店が面した路地は本当に狭くて、人二人すれ違うのがやっとだ。こ
の店、景色は良くない。視線はすぐに向かいの壁に跳ね返る。だけど、見える
範囲が限られているというのは、却って落ち着くときもある。この変化の少な
さは、この店にはとって大切なファクターであるように思えた。
 そこを一匹の猫が通り過ぎていく。ちゃんと首輪をした、毛艶の綺麗なシル
バータビーだ。人の町に馴染んではいるように見えても、足取りの端々に、ま
だどこか野生を宿して見えた。
「……ああ。猫かぶり……の、こと?」
 僕は極力慎重になりながらも、その言葉を口にした。
 絢辻さんは小さく頷く。表情には、抵抗も衒いも見えない。それは事実で、
もう吹っ切れた、という風情だった。やっぱりすごいな。絢辻さん。
「だから、自分もそうだし、人が本音を隠したり、変わったり、時には嘘をつ
いたりすることも、人よりはよく知ってるつもり。それだから、余計にね」
 絢辻さんの話は、何か大事なことを飛ばしたところから始まっていた。何が
余計になのか、余計にどうなのか。けれどもその空いた括弧は、僕にも簡単に
埋めることが出来る。そんなの、
「うん」
としか返せない。僕は沈黙をごまかすために、そしてこの先もたくさん続くこ
とが予期される穴埋め問題に備えるために、十二分に量を残してお茶をすすっ
た。三杯目も覚悟しつつ。
「どうしようもないのよ」
 最後の言葉はまるで、二年前、丘の上の公園に吹いた北風のようだった。ス
ピーカーの曲が途切れ、店のどこにか置いてある、遠い水槽の泡の弾ける音だ
けが鳴っている。
 猫かぶりをやめて本当の自分で歩き出した絢辻さんは、今、一人だ。もちろ
ん僕は傍にいる。だけどそんなことじゃない。人は、人の心の中までは絶対入
り込めない。
 猫をかぶっていた頃はそれで良かったのかも知れない。諦めもついた。だけ
ど今、大切なものを取り戻した絢辻さんに、その事実、その寒さ、かなしさは
身を切るほどの鋭さを持っているに違いなかった。
 それを……僕ときたら。
「あたしはね。そういう色々の不安を解消したくって、あの公園にあなたを呼
んだつもりだったの」
 今更あんな質問をされて、ちょっとがっかり。そう言っているんだ。言われ
ても、仕方のないことだった。
 今日、何の気なしにしてしまった、この下らない質問の意味。そしてここに
辿りつくまでの幾つかの勘違い。それらは既に、彼女へのあまりに罪深い裏切
りと映ったに違いなかった。
「そうだよね。ごめん。ごめんなさい」
「許しません」
 少しずつ冷たさを増すカップに指をかけ、絢辻さんはコクリと一口、飲み下
す。
「だから、さっきまでのはちょっとしたお仕置きです」
 クラスメイトたちにも向けるようなキッパリとした口調が、これで恨みっこ
なしのおあいこだと告げていた。そして僕はようやく、さっきまで自分の感じ
ていた痛みが、絢辻さんの痛みなのだと悟った。本当に、かなわない。どこま
でいっても。
 だけど一つ、大事な問題が残ってしまった。
 じゃあ、どうすれば良かったのだろう。嘘でないこと、疑わないこと、それ
を明らかにして相手に心の、瞳の奥底まで届ける手段なんて僕にはとても思い
つかない。いくら僕が押入れに住んでても、そんな便利な機械はポケットから
も出てこない。
 ぐるぐるぐるぐる、存在しない解を求め始めてしまった僕に、
「ここまでが多分、この世の事実。ここからはあたしの考え」
スパリ、と絢辻さんは話のページをめくった。
「だからね、思うのよ。そんなこと、実はどうでもいいんだって」
 新章、突入。まるでどこかで読んだ物語の筋を説明するみたいに、絢辻さん
のまっすぐな話は続いた。
「確かなことは、本当に一つだけ。どこまでいってもね。だからあたしに出来
るのは、そのことをどうやって証明するかだけなのよ。自分に対しても、あな
たに対しても」
 さっきまでのウェットな気配はなりをひそめ、冬の朝の空気のように、ドラ
イだけど身の引き締まるような清々しさが、声と表情に戻っている。
「お互いが示しあう態度の中で、確信しあえるようにふるまっていくしかない
んじゃないかって。その意志が互いにあるなら、たとえ意思表示が明確にされ
ていなくても、その二人は恋人同士なんじゃないかしら」
 僕は目で頷きながら、絢辻さんの口から出た一つ一つの言葉を拾い集めてそ
の意味を考えていく。想いあう意志。二つの片思いはぶつからないで、絡まり
あって編みこまれ、それぞれに相手に届く。そんな話だと思った。
「だから、付き合う、合わないっていう物差しの上で考えるなら……」
 くるりと視線を外し、絢辻さんは天井から提げられた傘付きのアンティーク
なランプに目をやった。いつもの、両掌を合わせて傾げたポーズで、うん、う
んと二、三度、長い暗算をするときと同じに頷いた。納得のいく言い方が見つ
かったのだろう、軽く椅子を引き、再び僕に向き直って言った。
「あたしはあなたに、それを証明しようとし続ける。あなたも、あたしに対し
てそれを続けている。……そうしている間は、きっと、あたしたちはお付き合
いをしてるのよ」
 視界の端にふんわりと灯りがともった。窓の外はもう夕闇。電信柱の街灯が、
今、灯り、少し古びた黄色い光が狭い路地を照ら出していた。
 店の中では、給仕の女性がしずしずとテーブル一つ一つをまわっては、その
上に吊るされたランプのスイッチをひねって灯りを入れている。僕らのテーブ
ルにも、そっと、決して十分ではないけれど、ほんのりと相手の表情を窺える
くらいの暖かな光が手渡された。
 それを待つ少しの沈黙。
 分からないから、分かり合うために。
 見つからない答えを、見つかると信じて。
 お互いの投げたボールがいつか必ず同じ軌道を描いて……まるで自分の投げ
たボールがそのまま手元に戻ってくるような、そんな瞬間を信じて続けるキャ
ッチボール。
「……そんなものかな」
「そうよ、きっと」
 するりとお茶をすするのは、迷いのない、否、迷いを捨てた絢辻さんの姿だ。
 良かったじゃない、と。絢辻さんは、その言葉が、さながらのどを滑ったカ
フェオレと交換で出てきたみたいに言った。
「良かったって……何が?」
「だって、そうそう確かめ合えるものじゃないのよ?」
 あら不思議、とでも言いたげに、絢辻さんは眉をあげる。
「そう……だろうけど」
 その気の遠くなるような……ともすれば報われないかもしれない作業の、一
体どこが?
「お互い、一生やってられるってことじゃないの」
 一生……。
 絢辻さんの気持ちは嬉しかった。それはもう、この上もない。だけど、一生、
一生か。複雑だった。否、想いは二つだけだからさほどでもないけれど、自分
に、そんな強さがあるのかな。
 そこへクスリと、
思わず漏れた小さな笑いは、本当に楽しそうだった。
「そんな、不安そうな顔をしなくても大丈夫よ。きっと、どこかで分かりあえ
るわ」
「どうして、そう思うのさ」
 僕の内心の不安さえ読み通し、情けない顔の僕とは正反対の堂々とした微笑
み。絢辻さんはカップを置くとぎゅっと固く腕組みをし、殆どふんぞり返るよ
うにして、オークの椅子に背を預けた。
「だってそんなの。そんな大事なことも感じあえないように出来てるんじゃ…
…それこそ、あたしたちってなんなの、って思うじゃない」
 ……僕はもう。呆れてものも言えない。
 どうしようもないことがある。どうしようもないことは、どうでもいい。そ
んなことにかかずらっているくらいなら、出来ることを磨き上げて対抗する。
 なんて子なんだろう。
 十七年間の長きに亘って、神様が彼女に無闇な試練を与え続けた気持ちも今
なら分かる。
 放っておいたらこの子は、バベルの塔の天辺で豆の木育てて自分のとこまで
登ってくるに違いないと畏れたんだ。僕が神様だったら……ビビりまくる。
「あの時は、あたしも怖くなっちゃって『契約』なんてこと持ち出したけど…
…」
 公園で交わした約束と、キスのこと。ついこの間のことなのに、もう随分昔
のことのように思えた。あの頃は、まだ空がかろうじて秋の色をしていたせい
もあるだろう。そのあと起こったたくさんのことが、時間の流れを早めたとい
うのもある。
「そんなことで縛れるはずもないものだし。今考えると、ちょっと無理やりだ
ったわね」
 焦ってたのかな、と絢辻さんは自嘲した。
「あ、だからって。破棄するって言うなら相応の違約金は戴くわよ? 破棄な
んて考えるんじゃなかったって、後悔するくらいのね」
 その調子は冗談混じりだったけど、こんな話を聞いてしまった今、その笑顔
はとても健気で、痛みがちょっぴり混じって見える。
 ……。
 そんな思いは、させちゃいけない。せっかく色々教えてもらったんだ。何か
返さないと申し訳がない。ははっ、と僕はいつもの調子で笑って言った。
「馬鹿だな、絢辻さんは」
 まるで、梨穂子にするように。
 さすがにこれには、絢辻さんも意表を突かれたようだった。胸を突く驚きと、
焦りと怒りと照れが綯い交ぜになって、今日一番のかわいい顔になった。
 おお……たまらんですばい。
「……な、なんですってえ?」
 ほっぺたを赤くしたまま、イニシアティブを取り戻そうと悪い笑顔ですごん
でくるけど、これは想定の範囲内。少し怖かったけど……僕はまっすぐに顔を
あげた。
「言わないよ、そんなこと」
 お互いに。
 確信しあえるように。
「言うはずない」
 僕は、僕の想いを証明し続ける。
 それがたとえ、届かなくても無駄でも間違ってても。
 身を乗り出しかけていた絢辻さんは、動きを止めた。珍しく瞳を逸らし、唇
を尖らせて。
「そ……そう」
と溜息みたいに呟いて、椅子に背を預けなおした。
 ……やりました! 本会戦において、我が方は初めて迎撃に成功し……
「そっか。残念」
 ブツリと割り込む、敵軍からの入電。またしても謎の暗号を受信しました。
解読不能、解読不能。
「いくらむしり取れるか、楽しみにしてたんだけどね」
 ……ああ、ああ。そうですか、そういうことですか。
 初めて耳にする絢辻さんの負け惜しみ、その響きはなんだかとても甘やかで。
……それは多分、バナナシフォンケーキのせいじゃないはずだ。


      *      *      *


 ぼん、とスピーカーに、低音が小さく弾けた。
 絢辻さんが「あ」と声を上げ、嬉しそうに瞳も一緒に天井に上げたから、そ
のときかかり始めた音楽を気にしたのだと分かった。男性数人の静かなコーラ
スだ。
「知ってる歌?」
「ええ。聴いたことない? 有名なポップスよ」
 流れてきた旋律には、確かに聞きおぼえがあった。歌詞は英語なのだけれど、
歌っているのは日本人なのだろう、ところどころ僕にも意味がわかる程度にヒ
アリング出来る。
「メロディは知ってる……かな」
「『Nothing's Gonna Change My Love For You』ね。オリジナル……じゃ
ないわね。タイムファイブかしら」
 曲名もさながら、絢辻さんの英語の発音の滑らかなことに少し驚く。恥ずか
しながらこっちの方が、ヒアリングが怪しい。
「な、ナシゴレン・チェンジ・マイ……?」
「ナ・ッ・シ・ン・グ!! ……お願いだから、食べ物で釣られないでくれる?」
 一瞬、絢辻さんの言った意味が分からなくて、自分の間違った英文を頭の中
で和訳する。……ああ。確かにこれじゃ、恋の相手は浮かばれない。
 絢辻さんは心の奥底から大きなため息をつき「あなた、本当に大丈夫?」と
僕に疑いの眼差しを向ける。無理もない。
「あ、はは……面目ない。さすがにそれは、大丈夫……」
「そうであってくれると助かるわ……。あたし、ナシゴレンに恋人を寝取られ
た女になりたくはないから」
と、これ見よがし二つ目のため息大きくついた。
「はい、じゃあ罰ゲーム。この曲、邦題はなんというでしょう?」
「え、それは」
「宿題ね。調べておくこと。明日まで!」
「え……」
 絢辻さんはお得意の含み笑いで、ちょっと出来過ぎよね、と呟いて、底に残
って冷たくなった最後のカフェオレを飲み干した。
「さて、ホームルームもおしまい。行きましょうか」
 手首に巻いた可愛い時計にちらり目をやって、絢辻さんは立ち上がる。出来
過ぎ? 絢辻さんの言葉の意味も分からないまま、僕は残りのコーヒーを飲み
干し、荷物をまとめ、レシートを手に取って絢辻さんのあとを追いかけた。

「はい、じゃあ千七百五十円……だけど、千五百円でいいわ」
「ありがとうございます。いつもすみません」
 僕が追いつく頃には、絢辻さんはカウンターの女性と親しげに言葉を交わし
ていた。無言で差し出される絢辻さんの掌に、僕も黙って千円札を乗せる。そ
の様子を見て、女性は眼鏡の奥で緩やかに笑った。
「珍しいわね、詞ちゃんがお友達を連れてくるなんて。初めてじゃないかしら」
「ええ、そうですね」
 絢辻さんは少しだけきまり悪そうにしながら、カウンターの影で、僕の鳩尾
に肘を入れた。ゲホ。挨拶、しろって?
「あ、どうも。初めまして。えっと……」
「そう」
 訳も分からず名乗った僕に、女性が笑うと顔の皺がぐっと深まって、初めて
年相応の風合いを醸し出した。その分、たくさんの安心を感じられる気がした。
初めての僕に、どうしてこんなに嬉しそうに微笑みかけてくれるのか不思議で
ならなかった。
「ごちそうさまでした、それじゃ、また……」
「あ、絢辻さん、待って」
 何故だか小急ぎに頭を下げた絢辻さんを遮ると、「何よう」と彼女は途端に
不機嫌になる。それでも僕が「男性用」のマークを指さすと、ヤレヤレ顔で
「じゃあ、先に出てるわね」
と背を向けて行ってしまった。
 用を足し、同じ場所に戻ってきたときには、やっぱり絢辻さんはいなかった。
 カウンターのお婆さんに会釈をし、絢辻さんを追いかけようとした時だった。
「『変わらぬ想い』」
「え?」
 振り返ると、お婆さんはカップを水から上げながら、さっきと変らない微笑
みで、僕を見ていた。
「さっきの、宿題の答えよ」
「き、聞こえてたんですか?」
「今日の詞ちゃんは、元気が良かったもの」
 『Nothing's Gonna Change My Love For You』の邦題のことだ。
 変わらぬ想い、か、なるほど。……と思いつつ、どうやって調べた上げたこ
とにしようかと、僕は偽装工作に頭を悩ませる。
「それにしても、ナシゴレンは良かったわね。今度、軽食のメニューに加えよ
うかしら」
 お婆さんはますます皺を深くして悪戯っぽく笑いながら、拭き上げたカップ
をうつぶせに並べていく。自分の子供を扱うように、ゆび先には慈しみが溢れ
て見えた。
「か、勘弁して下さい……。すみません、騒がしくして」
「いいのよ。あんなに楽しそうな詞ちゃんは初めて。是非また、二人でいらし
てね」
 はい必ずと返事をし、今度こそ絢辻さんを追いかけようとしたときに。
 あれ、もしかして。僕は一つ、どうしても気になって足を止めた。
「あの」
「はい?」
 品の良いお婆さんは穏やかな笑顔のまま、僕の声に振り返った。
「さっきの曲、もしかして」
 『変わらぬ想い』。僕には、いくらなんでもタイミングが良すぎると思えた。
出来すぎね、という絢辻さんの言葉の謎も。こんなこと、種明かしを求めるの
はエレガントさに欠けると分かっていたけれど、どうしても気にかかったし、
もしそうなら一言お礼を言いたかった。
「あら」
 お婆さんは驚いた様子で、細い目を小さく見開いた。ああ、やっぱりそうな
のか。
「あの、ありがとうございました」
 僕が丁寧に頭を下げたのを見て、お婆さんは二度びっくりしていたけれど、
ベージュのエプロンの前で手を重ねて丁寧にお辞儀を返してくれた。
「いいえ、こちらこそ。詞ちゃんへの、せめてものお祝いよ」
 良かったね、絢辻さん。
 君のことを見ていた人が、この町にはいる。君が投げたボールをすっぽり受
け取った人たちが、きっとまだまだ沢山いるよ。
 そのことを伝えたくて、僕は重ねてぺこりと頭を下げると、ほんの数歩のエ
ントランスへの通路を急いだ。


      *      *      *


「ね、あれ」
 店を出てすぐのところで、絢辻さんがマフラーに顎までうずめて待っていた。
てっきり「遅い!」か「寒い!」とキレられるものと覚悟していたのだけど、
彼女は路地の奥をじっと見つめて、僕が出てくるなり視線の先を指差した。
 そこには、
「ああ、さっきの」
店の中から見たシルバータビーが、すぐ傍にちょっと汚れた首輪のない三毛を
寄り添わせて、ふにゃふにゃと顔を洗っていた。
「お友だち……かな?」
という僕の読みとは裏腹に、三毛はシルバータビーにちょこちょこちょっかい
をかけ、毛づくろいをしようと舌をのばしては、前足で顔をはたかれていた。
「あらら」
「ははっ。『あたしって、あんなだったじゃない』かあ」
 気分の良かった僕は、ついうっかり。言わなくていい軽口を無防備にたたい
てしまう。
「あなたねえ」
 口から下をマフラーにうずめたまま、絢辻さんはジトリと僕を睨むけど、自
分で言った手前、それ以上は何も言わない。赤くなった耳が十二月の寒さのせ
いなのか、それ以外の何かのせいなのかは……敢えて言わない。深追いしたっ
て痛い目を見るのはこっちだから。小さく肩をすくめ、僕もこっそり、話題を
変えた。
「しかし、お相手の三毛もめげないね」
 ホントに、めげない。再三のトライは華麗な猫パンチで全弾迎撃されている。
「案外、好きなんじゃない? ああいう扱いされるのが」
 後半、愉しげな悪意をたっぷり吸った声になりながら絢辻さんが言う。横目
に僕を見上げるその視線に気付けずに、
「……かも、知れないね。ああ見えて、通じ合ってるのかも」
と、僕は答えてしまった。
「あら。認めちゃうんだ?」
「うん。……って、え? 猫の話だよね?」
 彼女はくるりと向きを変え、路地の出口へ。
「ええ、もちろんよ。ふーん、そうなんだあ……」
 彼女の向かうその先は、赤・白・緑。商店街のクリスマスカラーが目に痛い
くらいだ。溢れる光に、シャンシャン鈴の音。スタスタ歩き出す背中には、健
やかな悪意。サンタの担いだ袋からは、果たして、鬼が出るか、蛇が出るか?
「ま、待って絢辻さん!? 猫、猫の話だよねっ!?」
 十二月。僕と君に無縁だったはずの季節が、今、こんなに身近で光ってる。
僕の二年、絢辻さんの十七年。長かったけど、あとちょっとで僕らは思うはず
だ。まさか、こんなに早く、こんな時間が訪れるなんて、って。
 だから多分、続けていける。一生をかけた、相手の見えないキャッチボール。
その時間もきっと、あっという間だ。寂しくなんかない、辛くなんかない。こ
の想いが変わらない限り……お互い、そこにいるのは分かり切ってるんだから。

「ねえ、ちょ、絢辻さん! 絢辻さんってば!? 猫……」
「ああ、もう……しつこいっ!」
 がすっ!
「ぐあっ! あ、絢辻さん! か、鞄! 鞄はナシだよッ!」



                             (おしまい)


 






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


 

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2009年6月18日 (木)

■手帳の中のダイヤモンド -14- 第五部 PRE STORY(2) -更新第235回-

               --2--

 絢辻さんは、じっっっっっっっっと僕を見ていた。
 オフェンスに回った時の目じゃない。ディフェンシブでもなければ、いつも
みたいな、斥候の光もない。黒々とした瞳の真ん中は磨きこまれたガラス玉の
ように澄んでいるのに、進入しようとする光を歪めて、その奥を素直に覗かせ
てはくれない。強いて言うなら、広く開放された迷宮の入口の様で、これまで
あまり見たことのない状態の絢辻さんのような気がした。
「え、僕?」
「そう。あなた。あなたは、どう思っているの? 『つきあう』っていう状態
……或いは、そのはじまりについて。それと、あたしたちの関係について」
 声の調子や言葉の選び方、その奥に見え隠れする思いの生まれ方はいつもと
変わりない。けど、今僕の目に映る彼女は……なんだか『普通』だ。新種の生
き物「絢辻詞」ではない、もちろん頭脳だけはとてつもなく優秀なのだけど、
まるで普通の……。
 僕は一呼吸置くために、もう一度コーヒーに口をつけた。深めの香りと砂糖
の甘みがまぶたの裏にしみこんで、落ち着きが戻ってくる。そして思った。
 ……そのことに、自信がないから訊いたんだけどなあ……。
 だって僕は、未だに意味が分からないでいる。
 「あたしをあげる」って、どうなるんだ? 「僕の日常をもらう」って、ど
んなことだ?
 絢辻さんに迷いはない。それはそうだ。僕らの間にあるものはあの契約のキ
スだけで、そしてそれを成立させたのは、絢辻さん自身が綴った言葉なんだか
ら。契約書は彼女の言葉でしたためられ、それを解読できるのも絢辻さんだけ。
 そうして出来上がった今の関係に、僕は未だに戸惑っている。見えない聞こ
えない分からない、絢辻さんの本心に、僕の言葉やゆび先は届いているんだろ
うか。
 ……だけど。
 あの契約のキスと今日までの時間は確かな事実で、それを大事にしたいんだ
ったら、ここは強気に出ていい、否、そうすべきところだ、そうに違いない!
「ぼ、僕は……」
 そうと決めた僕は、声を小さく、振り絞る。握った拳に力が入って、肩も多
少いかっていただろう。
「そりゃあもちろん……つきあってると、……思ってるよ……?」
「根拠は?」
「へ?」
 ごくごく、素朴な疑問を口にするように。絢辻さんは訊いて来る。
「な あ ん に も し て な い の に ?」
「えっ……!?」
 心臓を掴まれ……とか、生易しいもんじゃない。
 思い描いて欲しい。一メートルほどある棒の先に、直径30センチほどのゴツ
ゴツした鉄の塊がついた荒々しいハンマーを。そいつを思い切り左胸に叩きつ
けられ、吹っ飛ぶことが出来ればまだ楽だったのだけれど、僕の体はコンクリ
の壁に磔にされていて。骨と内臓の両方にその衝撃が突っ走った。パッとから
だが破裂……するかと思った。
「ちょっと。声」
「え……あ……ごめん。だけど、だって、絢辻さん……」
 咎める目の絢辻さんに、僕は反撃にもならない、逃走に近い些細な抵抗を試
みる。けれどもそれも、
「だってそうでしょ? 世間的に男女のお付き合いって言ったら」
休みの日に一緒に出かけるとか、食事に行くとか。手を繋いだり、抱き合った
り。他にも色々あるわよね? と絢辻さんは指折り数え、
「あなたの好きなお宝本には、そういうこと、書いてなかった?」
と、最後に意地悪く付け加えられて拿捕される。
「……書いてありました」
 うな垂れるしかない僕に、絢辻さんは掌を合わせ「でしょ?」とニコニコ笑
う。さっきまでの『普通』の気配はどこへやら。いつもの彼女に戻ってしまっ
た。辛い。
「あたしたち、そんなにそれらしいことをした憶えがないわ」
 特に悪気もない風で、絢辻さんは再びお茶をすする。言われてみればその通
り、はじまりのキスこそあれ、以後は学校とその行き帰りでしか会わない体た
らく。だけどそれには、僕にだって言い分がある。
「そ、それはまだ、日が浅いから……。忙しい時期だし、それに」
「じゃあ、はじまりは?」
 戦況は既に撤退戦。既に敗残兵となった僕に、冷徹な敵司令官殿は二の矢三
の矢を放たれるのであります。
「そ、それはもちろん、」
「そうよね」
 ……だめです! 我が方の作戦は筒抜けであります!
 絢辻さんは悠々とカフェオレの続きを舌の上に転がして、次なる砲火を準備
中。包囲網は着々と完成しつつあり、此方の出方を窺っているのか、
「一般的には、どんな風に始まるのが普通なのかしらね」
と、自問するように呟いた。
 それは威嚇射撃に近いものだったのかもしれないのに、最早ゆとりを失った
僕は、あさってを向いたその砲撃にも、つい反応してしまった。
「そ、それはどちらか一方が告白をして、された方がそれをOKし……て……」
 言いながら。
 僕は心に、暗澹たる色の帳が垂れ込めてくるのを感じた。
 あれは……公園でのあれは、確かに告白めいてはいたけど、もしかして絢辻
さんはそんなつもりじゃなかったのか? 僕がそばにいて、嬉しい。楽しい。
ずっと近くにいて欲しい。そんな言葉だったから、僕はすっかりその気になっ
ていたけれど。あれが絢辻さんの恋心の告白だったなんて、いったい誰が決め
られるだろう。
 たとえば、友情。たとえば、パートナーシップ。絢辻さんの言葉を借りるな
ら、共生関係を一歩進めたもの。そんなものだったのか。
 正直、僕は国語が苦手だ。英語も。数学はちょっとは出来るつもりでいるけ
れど、それだって絢辻さんには到底及ばない。一年生の七咲に、なんとか教え
られる程度のものだ。そう、論理も情動も、目の前の女の子に何一つかなわな
い。そんなんで、どうして彼女の真意にたどり着けたなんて思ったんだろう。
 考えが声にならなくなり始めた頃から、僕には膝の上の拳しか見えていなか
った。嫌な考えがぐるぐると音をたてて回っている。
 その音の隙間に、コトリ、と木と木の触れ合う丸みのある音が割り込んだ。
 見れば、……何してるんだろう。
 絢辻さんは僕に喋らせておいて、テーブルの隅に小さく立ててあった、木製
の台座のついたメニューをやおら取り上げ、その上にするすると視線をすべら
せていた。『本日のおすすめ』?
 そのうちに絢辻さんも、ぽかんと見ている僕に気が付いて。
「ん? ああ、ごめんなさい。あなたも、ケーキ頼む?」
 僕は、耳を疑った。
「ケーキって……」
「そ。知らない? スポンジの上に生クリームとかフルーツを……」
「し、知ってるよ……。何で急にケーキ……」
「うん、長くなりそうだから。あ、これ美味しそう。すみません、いいですか
?」
 お構い無しに絢辻さんは、上品に手を挙げて、店員さんを呼ぶ。
 ケーキ……。そうか。ケーキ……なんだね。
 僕がした質問も、僕がどう考えているのかも絢辻さんはお見通しで、既に自
分の答えも用意していたんだ。こうしてお茶とケーキを楽しみながら、今日ま
での誤解を解くために、僕をここへ呼んだのか。
 パチッ、といやな音がした。瞼の奥の暗闇に、何かがフラッシュバックした
音。冬。夜。公園。遠くに見える町灯かり。舞い落ちる、雪。目の前に広がる
見覚えのある風景。浅はかな……同じ過ちを今また繰り返そうとしていた自分
に、心底、嫌気が差した。
 やってきた店員さんにメニューを指し指しオーダーを告げ、絢辻さんは僕を
振り返る。
「あなたは何にする?」
「僕は……要らないよ……」
「そう? じゃあ、それだけで」
「かしこまりました」
 僕が放つ負のオーラを感じ取ったのだろう、給仕の女性は不憫なものを見る
目で帰っていく。
 ホントにいいの? ここ、ケーキも美味しいのよ? 絢辻さんは涼しい顔。
けれど僕にはもう、それが僕に対しての言葉なのか確信が持てず、何も答えな
かった。
 一人で浮かれ、夢中になっていた自分が情けなくて、恥ずかしくて。
 そして、惨めで。
 いつか味わったあの感情が、心の一番寒いところからまたやってくるのを深
々と感じ取った。二年前の冬。世界で一番寒い冬の公園で感じた、心に空いた
大きな穴を吹き抜ける風のような感情。穴って何もないんだ、何もないから穴
なんだ。何もないものにつける名が、あるはずの物を失ったものにつける名を
穴というんだと、そんなことを知った冬。
 目の前に結ばれた二つの拳に、ぎりと殺意が宿った。
 殺してやる。
 この、間抜けな男を。
「じゃあ、絢辻さんは、ぼ……」
 さっきまで、おいしい水とお茶で潤っていた喉はカサカサに乾いていて、途
中で一度、つっかえたけれど。
 進むんだ。あの冬から、一歩でも進むんだ。待つんじゃない。どうせなら、
自分から声に出して確かめて……せめて、自分の言葉で終わらせよう。そう決
めた。
「僕のことは、なんとも思ってくれてないんだね……?」
 決めてからは、早かった。僕は確実に成長していた。考え、結論を出し、そ
したら速やかに実行する。それを教えてくれたのは絢辻さんだった。
 ありがとう、絢辻さん。そして……
「え? 馬鹿ね、そんなはずないでしょ?」
 さような……へ?
「バナナシフォンケーキのお客様」
「あ、あたしです」
 マヌケな僕のマヌケな声をかき消すように、夢の国からケーキが届く。絢辻
さんは、そのちょっぴり地味な色あいのお菓子を前に、わー、と小さくはしゃ
いだ。あ……かわいい。
 いただきます、と弾んだ声でフォークを取り……そこで初めて、僕の異状に
気がついたみたいだった。
「……どうしたの?」
 涙腺、鼻腺、そして感情。あらゆるものが決壊寸前だった僕の顔は、よっぽ
ど酷かったのだろう。絢辻さんは一度ぎょっとなったあと、「しまった」とば
かりに眉を寄せた顔で、
「やあね」
と微笑むや。
 ケーキのはじに当てがったフォークを一息に。ストンと落として、スポンジ
の小さな切片を拵えた。それから少し、何かを迷って、フォークのおしりを僕
に差し出した。
「?」
「。」
 自分を指差す僕と、小さく頷く絢辻さん。食べろ、ということのようだった。
 訳も分からず。
 おずおず、差し出されるままフォークを受け取り、絢辻さんの切り分けたそ
の一口大のバナナシフォンケーキを口に運ぶと。
 柔らかなスポンジが、上あごをフワリ優しくくすぐった。バナナのたっぷり
とした甘みと南の国の香りが口の中に広がって、僕はなんだか子供の頃に戻っ
たような、幸せな気持ちになれた。
「あ……」
「おいしいおいしい」
 ニコニコと、駅前のスタンドで一緒にメロンパンを食べさせてくれたときと
同じ調子で、絢辻さんは。
「はい、じゃあ、返して」
と、僕からフォークを奪い返すと、今度は自分でケーキを口に運び始めた。
 僕はもう何が何だか……何が起こったのかさえわからなかった。住み慣れた
町の、ただの町はずれ。喫茶店の中にいるだけだっていうのに。


                              (つづく)

 






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


 

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2009年6月16日 (火)

■手帳の中のダイヤモンド -14- 第五部 PRE STORY(1) -更新第234回-

               --1--

 景色は秋を終えて焦茶色をはらはら散らし、その大部分を白や灰色に変えつ
つあった。今日も空は灰色で、いつ白い妖精が舞い降りてきても不思議じゃな
い。
 生まれて十七年、僕はずっとこの町に住んでいるけれど、そんな僕でも殆ど
足を向けたこともないような町はずれの狭い路地を絢辻さんはするりと折れて、
その先にひっそりとあった、とても古風で上品な色の扉を、誰に気付かれるこ
とのないように押し開いた。
 からんころん、と夏に涼しく、冬には暖かに響く鈴の音に迎えられ、僕と絢
辻さんは、店の奥の席へと案内された。
「あたしはホットのカフェオレ。あなた何にする?」
「えっと、じゃあ、ブレンドのホットを」
 畳んだコートを空いた椅子に置きながら絢辻さんが促すので、僕はメニュー
も見ないで、とりあえずありそうな物を口にした。席についても僕はまだ少し
落ち着かなくて、何を探すでもなく、店内をきょろきょろと見渡した。
「……よく、こんなお店を知ってるね」
「あんな生活してたからね」
 運ばれてきたおしぼりで手を温めながら絢辻さんは、一人用の隠れ家がいろ
んな所にあった方が何かと都合が良かったのよ、とこともなげに言った。お客
は僕らと、離れた席にお爺さんが一人。カウンターは遠いから、僕らの話が誰
かに聞かれる心配もない。
 絢辻さんの言う”あんな生活”っていうのは、猫かぶりの暮らしのことだ。
絢辻さんは学校でも、町でも、自分の本性を隠す暮らしをしていたが、つい先
日、それをやめた。町でどうしているのかまでは僕は知らなかったけれど、今
の感じだと、少しずつ地を出すようにしているみたいだった。
「ここなら本を広げて長居しても、文句を言われることもないしね」
「なるほど」
「勿論、教えたのはあなたが最初」
 絢辻さんは伏せ目に言ってから、片目だけを開いて僕の表情を確かめた。お
願いだから、梅原君とか棚町さんとかに教えて騒がしくしないでね。そう言わ
れている。
 その視線にちょっと喉が渇いて、お冷を喉に通すと、ただのお冷がえらく、
喉に舌に、心地よい。
「おいしいでしょ」
 僕の動きが止まったのを見て察したのだろう、絢辻さんは嬉しそうにあごの
下に指を組んだ。なんというか、本当になんでもお見通しだ、彼女は。
「ただのお水が、どうしてそんなにおいしいのか……教えてもらえないのよね」
 絢辻さんが首をのばして僕の背後に視線を投げたので、僕も振り返ってその
先を負う。カウンターには還暦を迎えたくらいの、それでもお婆さんという雰
囲気の全然ない女性が一人、多分僕らの、飲み物を作っていた。
 お店の中は深い赤と明るい茶色の中間、艶やかな茜色で統一されていて、喫
茶店と言うよりも、ドラマなんかで見るバーに雰囲気は近い。そして、音楽が
流れていた。アカペラというのだろうか、抑え気味の音量で、男声だけのコー
ラス。
なんというか、落ち着きがある。ありすぎて、僕みたいな普通の高校生
は逆に落ち着かないのだけれど、真向かいに座った絢辻さんはそんなことは意
にも介さず、背筋をきれいに伸ばして通路を挟んだ席の向こうにある窓から外
の様子をうかがっていた。油断しているわけでも、緊張しているわけでもない。
ただ普通に「喫茶店でお茶を飲んでいる顔」をしている。僕らで言うなら多分、
ファーストフードで少し真面目な話をしているときとか、一人で電車に乗って
いるときの顔だ。その当たり前の面差しに、落とし気味の灯りがしっとりと影
を馴染ませて……はっとするくらい、絵になった。
「? 何?」
「あ、いや……。外が気になるなら、向こうの席に移ろうか?」
 気を利かせたつもりで僕が窓側の席を指さすと、絢辻さんは目じりに小さな
角を立てた。
「目立たないために、奥の席に座るくせをつけてるの。今だって、制服のまま
でしょ。少しは頭を使いなさい」
「あ……すみません」
 せっかく良い雰囲気だったのに、自分で台無しにしてしまうのが僕クオリテ
ィなのか。でもその沈黙が一分も続かないうちに、
「カフェオレのお客様は」
「あたしです」
飲み物が運ばれて来、僕は救われた。
 給仕に来たのはさっきの女性とは違う、もっと若い女の人だった。顔立ちが
似ているから、多分家族でやっているお店なのだろう。
 運ばれてきたコーヒーを、僕はブラックのまま一口だけ口に含み、それから
砂糖とミルクを少量ずつ落とした。そしてもう一口。好みの味になっているの
を確かめてからカップを置いた。
 すると今度は、絢辻さんがその僕の仕草を目を丸くして見つめている。また
僕は……何か可笑しなことを仕出かしたろうか。恐る恐る。
「な、なに?」
「随分、品の良い飲み方をするのねえ」
 意外な答えが返ってきて、今度は僕が驚く番だった。心地よい、短い沈黙。
目を丸くした二人が見つめあうみたいになって、周りに他のお客さんがいたら、
ちょっと面白いことになっていただろう。
「え……そ、そう?」
「ええ。なんかもっと、がばーっといくのかと思ってた」
「ガバーって……」
「意外。ちょっと、似合わないかも」
 ことばじりに笑いを忍ばせ、絢辻さんも自分のカップに指をかける。
「ひどいな」
 はは、と僕一流の苦笑をもらしながら、さっきのお水が美味しかったからね
と、理由にもならない理由を付け加える。絢辻さんもそれで納得したのかしな
いのか、
「そう……」
と、あわて気味に、やさしい色のカフェオレに口をつけた。照明と家具の照り
返しか、頬が少し赤らんでいる気がする。
 僕と絢辻さん、めいめい自分のお茶を楽しむ間のあと、カチャリと控えめに、
カップが居住まいを正す音が鳴って、絢辻さんが小さく息を吸ったのがわかっ
た。
「で、さっきの質問の続きね」
「ああ、うん」
 忘れてた。
 学校帰りの道すがら、僕の何の気なしに投げた質問に絢辻さんが気持ちを高
ぶらせて、
「じゃあその辺、じっくり話し合いましょうか」
と言い出したんだ。その時の絢辻さんの勢いから、じっくりとした話し合いに
なる可能性はほぼゼロだと、僕は踏んでいた。強いて言うなら、ここからはお
説教タイムだ。
 けれど、連れて来られたこのお店にはお説教タイムには向かない風情があっ
て、ちょっと違う展開を予感させた。絢辻さんの迫力も、いつの間にかお説教
タイムとは思えない静けさに落ち着いていた。
「あなた自身はどう思うのよ。恋人だとか、そうじゃないとか」
 腕を組み、困ったみたいに眉を寄せた絢辻さんは、何かを探し、そして願っ
ているように見えた。



      *      *      *



「『つきあう』って、どういうことだと思う?」
 ずっと、不思議に思っていたんだ。
 僕にとっての始まりは、あの日。体育館への渡り廊下で見つけた絢辻さんの
背中を追っていったら、ひと気の絶えた花壇のそばで、不意に。
「あなたをあたしのものにします!」
 振り向きざまの彼女の言葉に……正直、面食らった、というか……何言って
んだ、この人は? と思った。だから、笑うところなのか、突っ込むところな
のか、真面目に意味を尋ねればいいのか、相手が薫だったら迷わず顔面にパン
チを叩き込んでいい場面だったのだけど( 薫の場合はそうしないと、あとで逆
に怒られる )、選択がうまく出来なくて、結局絢辻さんを怒らせてしまった。
 そのときの絢辻さんの解説は簡潔すぎて逆に難しく、というか、今思うと多
分、本人も把握しきれていない感情が大半で。だから僕にもその中核の部分を
読み取れたかは分からなかった。ただ、ウッカリ伝わってきちゃったのは、
「あなたのことが気になるから、これからじろじろ観察したり、意地悪したり
するけど気にしないでね」というようなことだったのだ。
 気にしないでね、なんていうのは土台無理な相談で、こんな美人に興味津々
じろじろ見られ、挙句にときには誘惑めいたことまでされて、平静を、正気を、
保っていられるなんてそっちの方がどうかしていて正気じゃない。
 そして、聡明な絢辻さんの判断と行動はあまりに迅速で、第二波にして確実
なとどめを、僕は刺された。
「あたしをあげる」
 公園でのキス。
「だから、あなたの今いる日常を、あたしにちょうだい」
 言ってることは、やっぱり、サッパリ、分からない。だけど思ったのは、何
と引き換えにしたって惜しくないという……それが僕の中の”男”だったのか、
はたまた”雄”だったのかは分からないのだけれど……直観のようなものだっ
たのだろう。
 この子が危険な何かをはらんでいるのは重々承知、だけどもそんなことを勘
繰る余裕も僕にはなかった。絢辻さんの持っている、強さも、弱さも、危うさ
も、せつなさも、口移しに僕の中に流れ込んできて、激しくなる鼓動以上に、
体中の筋肉が血管とも神経とも違う誰も見たことのない透明な管を通ったそれ
らを吸って熱く脈を打ち出したのだから、もう抗いようがない。
 それからはもうズルズルだ。特に何もない、というよりも、毎日のように起
こる何かしらに麻痺して、僕は絢辻さんのことしか考えていない。
 ……あれ? これはもしかして、「夢中」っていうのか?
 けれど、その後絢辻さんからは何もない。あの契約のキスで満足したのか、
安心したのか、日を追って過激になる僕への干渉──概ねただのイケズなんだ
けど──こそあれ、およそ恋とか思慕とか、そういう色っぽい気配を感ずるこ
とは、僕からモーションをかけないことには殆どない。
 それが彼女なりの貞節というものなのかもしれないけれど、絢辻さんのこぼ
す要所要所のつぶやきは、思索的で哲学的で、どこか詩的で、やっぱり僕のよ
うな凡俗以下には感情のしっぽをとらえることすら難しくて。
 僕という馬にまたがる絢辻さん……だけど絢辻さんの手綱を引いているのは
馬の僕、みたいな、そんな複雑怪奇な関係に、僕のお腹はゴロゴロしっぱなし
だった。
 まあ、彼女が普通の女の子でないことは分かっているし、なんなら世間一般
の日本人ともちょっとかけ離れた生態を持った「絢辻詞」という新種の生き物
であることも、近年の研究で少しずつ明らかになってきた。……そんな風に思
っていることが知れたら、こっちの脳みそバラされて塩漬けにされそうだけど。
 それでも、それだから、知りたかったし、確かめたかった。
 だから、つい無警戒に聞いちゃったんだ。
「ねえ絢辻さん。僕たちって、つきあってるのかな?」
 そんな目くじら立てるような質問だとも、思わないんだけどな。
 ……なんて、このときはまだ、呑気に構えていたんだ。


                              (つづく)

 






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


 

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2009年6月14日 (日)

■ゆび先はもう一つの心臓 -更新第233回-

オイサンです。

本日は、今し方まで『キミキス』『アマガミ』系イラストサイトの大御所と
チャットでおしゃべりさせてもらってました。


  サシでみっちり、3時間半!!


大変に楽しゅうございました。
有意義な時間でありました。
こんなしょぼっちい日記blogのオイサン相手に
よくぞお相手して下さったと、貴重なお話までも語って下さったと、
今になって感激している次第であります。

一『アマガミ』プレイヤーとしては勿論、
クリエイティブ方面の話にしても言わずもがな、
そして人としても、
正直、今のオイサンが到底かなう相手ではありませんでした。
かなうとかかなわないとか、そういうことを考えている時点で、
なんかもう次元が違う、そんな気が今更しています。

なんというか、
「若い頃は生意気なくらいが丁度いい」と、
「格上の相手にぶつかっていくくらいでないと駄目だ」と、
先人達が挙って言い尽した意味が、三十路も半ばに差し掛かろうとする今になって
すごくわかります。

これはすごいエネルギーだ。

走れ、歩け、とにかく進め!
冷めた気持ちは要らない。
斜に構える暇もない。
ひだまりなんだろ、とびきりなんだろ!
答えたくない? 甘えるな!!

10歩も100歩も先を走るヤツがいる、
だけども良く見ろ、ヤツの背中は見たコトあるぜ!!

八百万の小人さんを荒れ狂わせて、
イチバンぶん殴りたいあいつを、
今度はお前が黙らせてやれ!!


 

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2009年6月13日 (土)

■俺とジジィの約束だ。 -更新第232回-

オイサンです。

オイサンのサイン入り『アマガミ』オリジナルサウンドトラック
プレゼントキャンペーン
は終了しました(リンク先記事に若干追記)
キャンペーン?

サテ、その過程の中で、オイサン的にヒトツ、
素敵なことが起こっていたので、これは書いておきたい。

↑の記事にコメントを下さった方とのやりとりの中で、
オイサンは

  「俺と爺の約束だ」

というフレーズを使いました。
これは、オイサンが幼少の頃から……否、
なんなら生まれる前から敬愛してやまない
(オイサンが母のおなかの中にいる頃に、兄が『タイムボカン』を見ていたというので)
山本正之センセイの、『BABARの伝言』という歌からの引用です。

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オイサンのハートにも深く染み込んだ、ごく当たり前の言葉だったので、
「約束」という単語に呼ばれ、
本当に何の気なしにするっと挿入したに過ぎないのですが。

マ正直、サントラをお送りするには
相手のご住所を教えて戴かなければならないので、
「この世知辛いご時世、
 さすがにそこまで書いて来るヤツぁいねえだろう」
とタカをくくっていたのですが……
オイサンが何の気なしに書いてしまったそのフレーズを見て、


  「その一言で、信用してみる気になりました」


とメールに書いて送って来なすった御仁がいる。
ガーンと来ました。
けれどそれもまた、この御仁が原曲をご存知なら、
「嗚呼、やっぱりマサユキストに悪人はいない、通じ合うものがあるなあ」
で終わる話なのですが、それも御存じないとおっしゃる。


  ズッガーン!((c)森島はるか)ときました。


ア……これは面白えなと。
たった一言で人をホッとさせる何らかの力を、山本センセイの歌詞は持ってるのかと。
だって、あの一言じゃ何の意味も分かんないですもんね。


     *     *     *


『BABAR(ババア)の伝言』は、
今はもう天国へと旅立たれた山本センセイのお母上……
BABARの生前にセンセが書かれた曲で、
センセとお母さまの関係、お母さまへの気持ちが、コレデモカと描き込められた歌です。
それなのに軽快で、ひょうきんで、重い所や気負ったところが一つもない、
なのに泣けてしまう……珠玉の名曲の一つです。

センセのお父上がどうされているのかはオイサンは存じ上げないのですが、
恐らく、既に。
そのお父上(=ジジイ)とセンセが交わした、お母さんに関する「約束」、
それがどんなものであったのかは、多分、
この歌を聴いてもらえば誰にでもスッと理解できると思います。
それがいかに、固くて優しい誓いであったか。

モチロン、あの一フレーズだけで
その重みや誠実さが伝わるはずはないのですが。
今回の出来事は、それでも切れっぱしくらいは乗っかってしまうのだろうなあ、と、
言葉という生き物が深奥に溜めこむ歴史の力と、
そこに託される思いというものの確かな存在を、
なんだか感じざるを得ないなあと思うに足るものでした。


     *     *     *


アクセスログを見たカンジ、
マジ応募して下さったこの御仁は、
「コイツ(=オイサン)は信用しても大丈夫なヤツなのか」と
さすがに不安にお思いになったのでしょう(当然です)、
ワッチャカワッチャカ、幾つかの記事を読んで下さったみたいなのですが。
そこに書かれていたオイサンの無数の言葉よりも多分、
センセのたった一つのフレーズに心を許された。

いやあ、悔しい。完敗です。
けれど、負けて、悔いなし。
むしろ清々しいっちゅうか、ウレシイっちゅうか。
やっぱセンセイバスケがしたいはすごいです。

……マもちろんね。
人の口から飛び出た言葉がどんな形で相手先に届くかなんてのは、
神ならぬ我が身には予想も出来ないことなので
全然違う感じ方をされてるかもなんですけども。

ただ、なんとなく、良い。
ほっとした、安心した。
暖かみを受け取った。

それだって、全然いいじゃありませんか。
オイサンでした。

あー、もし『BABAR』を聴くのであれば、
『Jijy』『Jijyの逆襲』も合わせてお聴きになることをお奨めするです。
……出来れば、間寛平versionではない方で。

もっぺん、オイサンでした。


■究極超人あ~る 飯田線のバラード




 

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2009年6月10日 (水)

■血の価値、汗の意味、止まる時間に少女よ踊れ -更新第231回-

上司 「キミはまだ若いのに、今週の見所があるな」
部下 「今週のってどういうことスか」

オイサンです。

このところ生活を朝方にシフトさせているのですが。
なんかシフトしすぎて逆に一周した感がある。
こないだなんか、4時半くらいに起きよーと思って22時に寝たのですが、
2時半に目が覚めてびっくりした……。


■シンシア・ザ・ミッション


随分昔に「たまごまごごはん」さんで紹介されていたマムガ、
『シンシア・ザ・ミッション』が気になっていたので、
遅まきながら先ず1巻、その後4巻まで買って読んでみました。

  → 「たまごまごごはん」

CYNTHIA THE MISSION 1 (ZERO-SUM COMICS) CYNTHIA THE MISSION 2 (ZERO-SUM COMICS) CYNTHIA_THE_MISSION (8) (REX COMICS) CYNTHIA THE MISSION 9 (REX COMICS)

オイサンが読んだ4巻までのあらすじで言うと、
香港の女子高生殺し屋の主人公・シンシアが、
日本で女子高生格闘家とか女子高生ケンカ屋と出会い、
彼女らとの触れ合いの中で殺し屋から足を洗うことを決意し、
そのための戦いに身を投じる、というお話のようです。

オモロイ。

内容は、過激すぎるくらい暴力的な描写でもって描かれる場面が多いので
いわゆる良識的なオトナの皆さんには鼻白んだ目で見られてしまうタイプのアレなのですが。
上のアフィリエイトの、キラキラむちむちな絵に騙されてはいけません。
イメージとしては、上の表紙に返り血を6~7割くらい塗布したカンジでお考えください。

戦いと生と死という、いっそ清々しいくらいキッパリとした価値観しかない
戦いに身を投じる若きジョシコーセー闘士の皆さん、
というだけで、
若さや牙や、汗を忘れたオイサンのハートにはかなりきゅんきゅんいらっしゃるワケですが。
何というか、やはり「生命の迸り、肉の躍動」みたいなところには、
底知れない憧れを感じてしまうのです。
そして、それらにコーティングされた残虐性とフェティシズムの正当化。

そしてまた、そうしたテーマはともかく、
このマンガの時間と空間の描かれ方が、オイサンの好みにどストライクのようです。

一瞬のウチに激しく流れる時間とともに、
ある意味静止している、思考であり、言葉であり、文字が散りばめられて時間を止めている、
その矛盾に永遠を感じるといいますか、
静と動を混在させてみせる演出の数々が、オイサンをこの上もなく楽しませてくれるのです。

特に、先の時間の空間の状態を、想像力によって確実に予測し、
それを実行することで戦う「魔弾」という技を使う
久我阿頼耶というお嬢さんのバトルシーンではその傾向が顕著でステキです。

……どうもオイサンは、
こういう絵の「動」と、文字・言葉の意味が持つ「静」がキレイに絡み合って
描き出されるマンガが好きみたいです。
『バキ』とか『餓狼伝』の板垣作品も同じような系統だと思うので。

  ……というところで、このネタでちょっと一本書きたいので
  いずれまとめたいと思います。
  多分、そこに凝縮されるものがオイサンにとっての「聖なるもの」なんだろうなあ、ということで。

マそんなことなんで、
『CYNTHIA_THE_MISSION』、決してメジャーな漫画ではありませんし、
残虐・痛いのが苦手な人には向きませんが、
肉という牙を失った自分に嘆いている御仁には
この上もなく面白いマンガですので是非読んでみて下さい。

しかし如何せんこのマンガ。
というかREXコミックス。
キチンと扱っている本屋が少ない!
大抵、REXというと『かんなぎ』が揃って置いてあるくらいで
他の作品が並んでいることは殆どない。
なので、隣町のアニメイトまで行かないと手に入れられないので難儀です!

デ、
今期の黒髪ストレートロングの三傑だった絢辻さん・澪っぺ・あらしさんに
魔弾の使い手・久我阿頼耶さんが加わって黒髪四天王に!
さあ大変だ(何がだ)。


  ……。


■小ネタ
友人にお祝いを送るのに、色々どうしたらいいか分からなかったので、
Googleセンセイに聞こうと思った。
デ、「友人」まで打ち込んだところで、候補に

 「友人 死者 人数 賭 関西大震災 神田うの」

ってのが出てきて、ナンダコレと思って辿ってみたらこんなページに行き着いた。

……Googleセンセ、そんなコト知りたくなかったです。
センセ怖ェ((((゚д゚; ))))


以上、
「手帳の中のダイヤモンド」第五部のPre Storyを書いてて、
しょうもないミスというか、自分の書き物のやり方の欠如に気がつき、
ていうか、今までも同じように気付くことはあったんだけどまた忘れてて、
そっかあ、
絢辻さんの気持ちの向いてる方向をキチンと把握してないから
話の向かう先と着地点が見えなかったのか、
そりゃそうだ、
主役は主人公だけど、舵取りは絢辻さんだもんなあ、
参ったぜ、
書き出しは行き当たりばったりの方がいいんだけど
ある程度走り出したらそこは無視できないもんな、
……とか思ったオイサンでした。


 

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2009年6月 6日 (土)

■手帳の中のダイヤモンド -13- 第四部・その2 -更新第230回-

オイサンです!

「ゆび先はもう一つの心臓」名物、
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画
「手帳の中のダイヤモンド」・第四部のその2です!その1はこちら!


  ◆『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
  ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


================================================================
 ■第四部■ 手帳 ~扉の奥のダイヤモンド・その2
----------------------------------------------------------------




   ■4) 手帳の中のダイヤモンド~決意



さて……ここからが本題です。

  絢辻さんの手帳の中身。

一体、何が書かれていたのか。
本編の物語の中では明らかにされない、と書いたのは冒頭の通り。

正直、それを無理に埋めたところで後付けにしかなりませんし、
逆にそれを本編中で明かしてしまったら、
絢辻さんの物語は陳腐なものになってしまっていたでしょう。

あれだけ完璧に、あれだけ自律的に生きる彼女の唯一のほころび、
その重みがどれほどのものだったのか。
それは多分、オイサンのように緩やかに生きる者が考えるそれと、
もっと崇高な生き方をする人の考えとでは
その重みはまったく異なるに違いありません。

誰も知らない、誰にもわからない。
それゆえ、受け手それぞれの最大重量で考え、
「絢辻詞」の物語はあらゆる受け手にとって「重い」ものになりえるわけです。
古典的ではありますが、実に巧妙です。

……しかしそこを、敢えて。
どこまで具体的になれるかはわかりませんが、
せめてそのアウトラインを描いてみたいと思います。
絢辻さんの残した幾つかの言葉と、その周囲に見え隠れするもの、
それらの力を借りて、
彼女が背負ってきた物語を、破綻せぬよう、より美しく、埋めてみたい。
これはインチキ物書きの個人的な欲求です。

そしてそれをすることで、
絢辻さんが抱えるものを少しでもともに背負うことができれば、
オイサンには、こんなに嬉しいことはないんだ。

  こっからはインチキ物書きの腕の見せ所。
  今、オイサンの気分はルパンⅢ世です。
  頑なな扉の奥にひそりたたずむ最上のダイヤモンドを戴きに参りましょう。
  目くるめく妄想を、創作の力にに変えて。


 ※どうしても誤解をはらみがちなので改めて記しておきますが、
  以下でオイサンが考えている「手帳の中身」が正解だと言いたいわけではありません。
  『アマガミ』の絢辻さんの物語に散りばめられた色々な事象を咀嚼して、
  「どういうことが書かれていたとすれば、
   物語の整合性を損なわず、そして美しく完結するか?」
  という発想から考え出しただけのものです。
  ……だからホント、似非書き物屋の欲求だと思って下さい。
  そして、「ああなるほどね」くらい思って戴ければ上々なのです。


  ■4)-1 二つのフェイク~絞り込み


まずは軽い絞り込みから。
『アマガミ』発売当初、Web上などで散見された2つのご意見の消去から。

  ・目標の、具体的なことが書かれていたのではないか。
  ・家族との関係や、出来事が書かれていたのではないか。

これは、どちらも「ない」と断言して問題ありません。

先ず一つ目の「目標」については、
絢辻さんは手帳を焼いてしまった後も、目標に対して執着するシーンが
繰り返し(むしろ手帳焼却後の方が色濃く)描かれることからも、
手帳の中身がそうでないことは明らかです。

次に、「家族」のこと。
これも、先ず、上記の「目標」と同じ理由があてはまります。
絢辻さんが家族へのこだわりを主人公に吐露し始めるのは、
手帳を燃やしてしまって以降のことです。
しかしこれは、
「手帳という執着から解放され、心の一番深いところまで主人公に見せ始めた」、
という解釈が成り立たなくもない。

ですので、別の視点から考えてみます。
一番初め、主人公が手帳を拾ったときの絢辻さんの言葉を思い出してみましょう。


  ■4)-2 Core of the Diamond ~推測と疑問


最初に主人公に手帳を拾われたとき、
絢辻さんは早トチリな自分を恥じながら主人公に言います。

  「人に見られたら、学校にいられなくなるようなことよ。
   もちろん、見た人も学校にいられなくしてあげるけどね」

たとえば、父や母、姉を呪う言葉がそこに書き付けられていたとして。
「学校にいられなくなる」などという事態が起こるでしょうか。

多少、周囲からヒかれるであるとか
1000万パワーを誇る完璧超人としてのブランドを失うことこそあれ、
むしろ思春期の社会では
「絢辻さんも、家族ってうざったいと思うんだねー」
と、一部の同級生からは親しみを持って迎えられることは
想像に難くありません。

この言葉から考えると、「学校にいられなくなる」というのは
どうやらよっぽどのコトです。
スキャンダラスで、社会的に事件性のあることである必要があります。
一般的に見て、一つの「罪」ともとれる内容である必然性があると、
オイサンは思います。

  モチロン、個人的な心情として「居づらい」という状態もあり得るでしょうが、
  そのセンは……ちょっと考え難い。
  というのは、「スキ」ルートの終盤、
  同級生たちの前でもかぶっていた猫を脱ぎ去ったことで
  その噂が尾ひれをなびかせて広まり、学校中から奇異の目で見られ始めた際にも、
  絢辻さんは意にも介さない姿を見せたからです。

  それを思うと、「雰囲気的に居づらい」ことが、
  絢辻さんを「学校にいられなく」させるという状況は考え難い。
  まあモチロン、周囲の馬鹿さ加減から顕現する空気の重さと、
  自分の持つ事実からのそれとではそもそもの感じ方がが違うでしょうが、
  ここでは敢えてスルー。

そして、さらにその「罪」は、「既に許されたものである」必要もあります。
これは、絢辻さんの人物像を守るために必要な要素です。
……絢辻さんは、自らの意思で手帳を燃やします。
その炎を見つめながら呟く言葉は、

  「もう、あたしには必要ないと思うの」
  「前に進むには、邪魔なのよ」
  「こんな物より、もっと大切な事があるって……
   わかってきたから」

これらは全て、絢辻さんの個人的な思いです。
もしも、手帳にその罪に関することが記されていて、
それを自分勝手な意思で焼却してしまったら……それはただの、隠滅行為です。
それは、絢辻詞というヒロインの描くシルエットとはかけ離れたものです。

その人物像の崩壊を避けるためには、
その罪は、社会的にも、罪の対象となった相手(簡単に言えば被害者)からも、
既に許されたものでなければなりません。

それでは何故?
絢辻さんはその「自分にとって都合の悪いはずの罪の記憶」、
しかも、社会的には既に拘束力の消えた罪悪感を、
後生大事に自分の意思で守り続けてきたのか?
……というところに疑問点は移ります。


  ■4)-3 Clarity of Diamond~信頼と仮説


サテ……その話は一旦置いておいて、ここで一つ。
「手帳に書かれていた内容」について、
ドドン! と仮説を置かせて下さい。
具体的にどう、というのではありませんが、
中心の趣旨となる絢辻さんの思いについて、です。
それは、

  「自分は決して他人を信じない。
   信じられない。
   信じてはいけない。
   ……そして、そのままの自分で幸せにならなければならない」

という類の、一つの決意めいた思いであったのではないか。

  ……誤解しないで戴きたいのですが、
  「上のような文言が直に書かれていた」と言っているのではない、
  ということをまずご理解下さい。
  絢辻さんが自身に、「自分はこう↑である」ことを
  想起させる・或いは象徴する内容が残されている、ということです。

それは例えば……。


------- ------- ------- ------- ------- ------- ------- -------
過去、まだ絢辻さんが幼い頃。
彼女がまだ、今ほど厳重に猫をかぶる前のお話です。
絢辻さんはその優秀さゆえに、親しい誰かを傷つけてしまった。

相手に負わせたその傷は深く、相手の大切なものを、幸福の一つの可能性とともに、
根こそぎ奪ってしまう程のものだった。

事件は公のこととなり、世間に小さな波を立てますが、
どちらに重大な過失があったわけでなし、事件というよりは一つの事故として処理され、
絢辻さんは罪を免れ、やがて世の中からも静かに忘れられていきます。
相手も、絢辻さんを許しました。
許しましたが、その許しを最後に、絢辻さんの前に姿を現すことは、二度とありませんでした。

まだ幼かった絢辻さんはショックを受けます。
原因は、明らかに自分にあること。
相手は大きなものを失い、自分は無傷でのうのうとしていられること。
自分は、取り返しのつかないことをしてしまった。
自分の甘さのために。
自分の幼さのために。
──人を簡単に信じすぎた、自分の弱さのために。

その日から、絢辻さんは心に決めたのです。

誰も信じない。
人は、簡単に信じてはいけない。
信じるということは難しい。
生半可な信頼は、偽物の信じる心は、罠だ。

それをせずに自分が幸福を得ることは難しいだろう。
けれども、自分の心にいつまでも残るこの罪に報いるために、
その枷を背負って生きていくんだと。
自分は、大きなものを失った相手のためにも、
自分だけが簡単に幸せになってはいけないんだと。

……だけど。
どうして相手は、許してくれたんだろう……?

もしかすると、いつか自然に、
心から「人を信じることを身につける」ことが出来たとき、
それを強さに変えることが出来たその時は……。


------- ------- ------- ------- ------- ------- ------- -------
とまあ、こんな具合です。

手帳に書かれていたのは、その、事件の日付?
相手の名前? 或いは、絢辻さんが何をし、相手が何を失ったのか?
……そんなことなのではないでしょうか。
当時を知る者であれば、誰もが想起しうる事件。
自分がその「犯人」であるという事実。

  相手が誰だったのか、どのような事件だったのか……
  すみませんが、今のオイサンには、その具体像は描けません。
  キチンとまとまった暁には、またPreStoryのような形式で上げたいと思いますが……。

オイサンがこう考えた理由は二つあります。

先ず第一に、
本章の前半で解き明かした「手帳の象徴するもの」、
つまり絢辻さんの頑なさと、
「ナカヨシ」ルートで提示される一つの悪い結末に代表される、
シナリオ全体に流れている絢辻さんの考え方の複合的な暗示です。
そして第二に、
絢辻さんが手帳を手放したそのタイミング。

一つ目から説明していきましょう。
「ナカヨシ」ルートの終盤、
絢辻さんと、ツリー設置阻止事件の黒幕である黒沢さんが直接対決をし、
その真相を知った主人公が……あまりに安易な選択をしたとき。
絢辻さんはその現場に現れ、主人公を断罪します。

 「初めから誰も信用しなければ、裏切られることもないのよ。
  あたしは、自分以外の誰も信じない。
  恨みたければ、恨めばいいわ。
  ……あなたのその、曲がった性根をね」
 「バイバイ。あたしの愛しかった人……」

例によって最後の一文はここでは要りませんが
オイサン別に好きな台詞でもないけどガーンとキたので書いちゃいましたー!!
絢辻さん最ッ高ー!!( ← 最早天才)

「ナカヨシ」ルートの終盤においてさえ、
絢辻さんは主人公のことをまだ完全に信じたわけではなったのです。
正直、この事実にはオイサンも愕然としました。
しかしこれは、ある意味で正しい。

何故なら、「ナカヨシ」ルートでは手帳についての結末は提示されません。
彼女はその頑なさの象徴を胸に抱いたまま、
主人公と人生を共にする決意を固めています。
そのため……終盤といえども、
上記のような絢辻さんの行動・心理は納得性のあるものです。

このように、絢辻さんは、
「スキ」ルートと「アコガレ」ルートの一部(「スキ」に移ろう直前)を除いては、
「人を信用する」ということをしていないことが読み取れます。

そして第二の「手帳を燃やしたタイミング」。
本章の冒頭で示した手帳を燃やすイベントは、
「アコガレ」から「スキ」にステップアップするためのスター獲得のイベントです。
そして手帳を燃やす前の段階として、
主人公は「契約のキス」のイベントを経験します。

  尚、さらにその前には、
  「あなたをあたしのものにします!」のイベントであったり、
  「図書館での一幕」であったりと、
  他者に対して頑なであった彼女が、徐々に主人公に融和していく姿が
  実に丁寧に描かれています。
  すばらしい。むしろ愛おしい。

この「契約のキス」のイベントは、
絢辻さん自身が自分の心に芽生えた変化を素直に認め、
そしてそれが更に他者
……これは「主人公という特別な存在」という但し書きが付きますが……
からの干渉によるもので、
更に更に、それがこれからの自分にとって必要なものであると
認めたうえでの行動です。

  ちなみにこれはつまり、「ナカヨシ」ルートでは成し得なかった
  絢辻さんの「頑なさ」を融解させ、
  絢辻さんを本当の意味で過去の遺恨から救い出すための物語への
  突入を意味するものと考えます。

手帳を燃やすとき、絢辻さんはこう言います。

  「もう、あたしには必要ないと思うの」

この『もう』の意味の重さ。
新しい自分に変わることが出来ると証明した、まさに今のタイミング。
「私はこの手帳に書きとめた呪いのような自分の過去から
 解き放たれる確信を得た・それに値する行動を実行した。
 たとえこの後主人公が絢辻さんから離れて行ったとして、
 自分はまた今と同じルートをたどって、同じ気持ちに至れるはず」
という自信。
そしてこの判断と行動の早さ。
やっぱ、絢辻さんはすげえなあ、かっけえなあと、オイサンは思うのです。

「他者と契約を交わすという関係を築くコト、つまり他者を信頼することが出来、
 その気持ちに素直に行動することが出来た」
ことを示すイベントであり、その直後に手帳を燃やす、という行動に出たわけです。

このイベントの示すところはつまり、
「人を信じることが出来た自分と引き換えに、
 頑なさの象徴たる手帳が物語から退場した」
と言え、これらのことからオイサンは、
絢辻さんが手帳に「人を信じず、幸せになる」という類のことを手帳に記し……
それをまるでお守りのように胸に抱き続けていたのではないかと推測するのです。


  ■4)-4 必然~何故、絢辻さんは手帳を捨てられなかったか


サテ……ここで話を、■4)-2の終盤で浮かび上がった疑問……

  「なぜ絢辻さんは、その自分にとって不都合であるはずの罪の記憶、
   しかも社会的には許されたはずのそれを、
   後生大事に抱え続けてきたのか?」

に戻したいのですが、これも既に、
上に書いた物語仕立ての仮説を読んで戴ければ
お分かり戴けていると思います。
オタクっぽくヒトコトで言ってしまえば、

  「それが絢辻詞のジャスティス」

だからでアレ絢辻さんどうしたの怖いカオしt

  どかーん ( ←爆発物で殴られた)。

……失礼こきました。
自分を縛るその行為が許された罪への「償い」の証明であり、
過ちを犯した自分、間違った弱い自分への「戒め」でもあったからです。
もう一つ、悪だくみが大好きな絢辻さんの顔から言うと、
ある種の「敗北」であり「屈辱」への確かなリベンジを誓うその証しでもあったのではないか、
という見方や、
「たとえそんなものがなくても、幸せになってやる」
という強い気持ちの表れであったかも知れません。


  ……。


と、いうのがですね。
オイサンの、手帳の中身に関する考察というか、想像です。

自身でも、完全に納得がいったわけではありません。
……少々、オイサンの中の絢辻さん像が、ウェットでナイーブ過ぎる感がないではないですし、
「家族」「目標」といった二つのファクターに加えてさらにもう一つ、
トラウマ的なエピソードが出てくるというのは、ちょっと濃すぎるというか、
濃すぎて逆にキャラクター像がぼやけてしまう危険性を感じます。

  ……だから本編では、敢えて表に出さずに隠している、
  という風にも考えられますが。

また、上記のようなエピソードがあったのだとしたら、
手帳を燃やすイベントのときの絢辻さんのセリフ、
「こんな物よりも……」
「前に進むには邪魔なのよ」
の、「こんな物」「邪魔」という言葉は思いやりに欠け、強すぎると感じます。
手帳を燃やすときにも、もっとウェットな表情を見せても良いと思います。
なので、我ながら完璧とは程遠く、申し訳ないのですが……。

マ、ね。
こんなアタマもありますよ、という程度に、楽しんでもらえれば幸いです。

  ……一つ派生させることが出来るなあと思うのが、
  絢辻さんの、お姉さん・縁さんへの気持ちです。
  おそらく絢辻さんは、
  周囲への配慮もなく、生来の優秀さでズンズン進む姉の周りで
  傷ついた人をたくさん見てきたのではないでしょうか。
  そして、上で書いたようなエピソードを経験した絢辻さんとしては、
  その無神経さを憎み、「何も知らない」と彼女のことを評したのではないかな?
  と、思いました。

皆さんは、どんな風に考えられましたかね(超ズルい逃げ)。



  ■5) 光ふりまくダイヤモンド ~手帳、溢れる!



さて最後は、軽い話題でシメたいと思います。
実は、手帳をとりまくイベントには、もう一系統あるんです。
それは「スキ」ルートで、本筋とは関係なく、絢辻さん自身からは遊離した時間軸で語られます。
概要は……こんな↓カンジ。

 1)イベント1
  絢辻さんが手帳を燃やし、クラスメイト達との対立が始まった後のこと。
  校舎の廊下で、主人公は絢辻さんの持っていたのとまったく同じ手帳を拾う。
  訝りながらもそれが絢辻さんのものではないことを確信し、
  それを職員室に届けるが……それは実は、高橋先生の持ち物だった。

 2)イベント2
  イベント1)の後。
  主人公はまた同じ場所で、同じ手帳を拾う。
  また高橋先生が落したんだな、と踏んだ主人公は今度は職員室に直行するが、
  高橋先生は、自分の手帳は手元にあるという。
  結局その手帳は普通の落とし物として処理されるが……
  後日、梅原から突然礼を言われ……それが梅原のものであったことが判明する。

……コレダケ。
なんだコレ? と思ってしまいますね。
このイベントの解釈には、イベントの発生時期が肝要だとオイサンは思っています。

 ・絢辻さんの手帳は、既に失われている。
 ・そして、絢辻さんの猫かぶりが周囲にバレたあとである。

上でも書きましたが、手帳は、絢辻さんの心の頑なさの象徴です。
それを、身近な人たちが持ち始めた。
これが何を意味するのかというと……恐らく。

  「本当の姿の絢辻さんが、身近な人たちの心にも浸透し始めた。
   既に特別なものではなく、受け入れられ始めた」

ということを言いたいのではないかと思います。
遂に一般にもその正体を明らかにした絢辻さん。
クラスメイト達にはそれは脅威に映り、孤立という悲しい過程のみがクローズアップされてしまいますが、
それと時を同じくして、本当の姿を理解し、近しく感じてくれる人たちもいたんだよ、
ということを表すために挿入されたイベント群なのだと、
オイサンは思っています。

  やっぱ梅ちゃんはいいヤツです。

しかし如何せん、絢辻さんのシナリオでは適当なサブキャラクター
……梨穂子編での香苗さん、森島センパイ編でのひびきちゃん、薫編での田中恵子のような……
がいませんので、人選が微妙。
高橋先生に梅ちゃんという、
およそ絢辻さんと「近しい」とは言い難い存在がクローズアップされるので
どうもその辺が伝わりにくい気がします。

本来なら、ドッヂボールにて助っ人に入る棚町 "男前核弾頭" 薫さんが適任のような気もするのですが、
発生順序によってはイベントの時間軸が前後してしまうので
それは避けざるを得なかったのでしょう。

心温まるエピソードであるので、ちょっと残念な気がします。



  ■シメ & 次回予告



えー……ドえらく長くなりましたが。
以上をもちまして「手帳の中のダイヤモンド 第四部・手帳編」
フィニッシュでございます。

……いかがでしたでしょうね。
正直、すごくデリケートな題材だと思うので、色々迷いもあるのですけども。
どなたか一人にでも、納得していただけたり、
納得は出来ないまでも、面白い・アリだと思って戴ければ幸いです。

オイサンは、『アマガミ』の絢辻さんシナリオがこんなにも鮮やかなのは、
やはりこの手帳の負うところが大きいと思っています。
過去を燃やして、その炎に照らし出されるあの瞳を思うたび、
「この子は、今までこうやって「前に進んで」来たのか」
と、さりげないだけに強烈で特別な気持ちにさせられるのです。
背筋がゾクゾクと震え上がったのを思い出します。

  あと、「炎」というのは物語のギミックとして
  やはり有効だなあと思いました。
  本能に訴える危険性を持っているだけに、一目で分かるインパクトが違う。

えー、次回は最終章、恋愛編です。

絢辻さんは難儀な女の子です。
好きという気持ち、嬉しいという感情、
それに気づけば認めることに躊躇はありませんが、
そこに至るまでの言葉は、彼女自身の心を遠巻きに見つめるばかりであまりに精密で慎重で、
僕ら鈍感な男子(33)には難しすぎるコトが、ままあります。

そんな絢辻さんが主人公に恋をする、
その過程でこぼれる色とりどりのつぶやきの意味を一つずつ丁寧に読み解いて、
可愛いカワイイ絢辻さんの乙女心にイヤガラセをしt

  じゅーっ ( ←音もなく焼けたフライパンで殴られた)。

……次回、「手帳の中のダイヤモンド」第五部。


  「ダイヤモンドの粘膜」


過度の期待は禁物だ!
その前のPre Storyも読んでね。


オイサンでした。






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク

 


 

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■手帳の中のダイヤモンド -12- 第四部・その1 -更新第229回-

全国9万3000の『アマガミ』ファンの皆さん、コンバンワ(リアルな数字)。
オイサンこと、ikas2ndです。

  随分久しぶりにちゃんと自己紹介をした気がします。

「ゆび先はもう一つの心臓」名物、
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画
「手帳の中のダイヤモンド」。

今回はその11回目・第四部です。


  ◆『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
  ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク

  ※シナリオ関連の記事だけ読みたい方は、
   下の「ここからは真面目です」のところからお読み下さい。


世間的に第四部といえば、
『JoJo』でいうなら
変な髪型の主人公が片田舎で起こる怪事件に挑むという、
それまでの壮大さはナリを顰めて
ちょっとこぢんまりと力の抜けた感じにシフトした時です。
オイサンはあの感じ大好きですが。

『ドラクエ』でいうなら、
ロト三部作が完結し、章立てのオムニバス形式なんていう、
「えっ? それ大丈夫なの?」的な構成が持ち出され、
それまで剛腕ストレートを売りにしていたピッチャーが
若干ボールに変化をつけてきた感じになった時です。
これまた、オイサンは大好きですけど。

マ何を言いたいかと申しますれば、
ぼちぼちテンションダウンが感じられても温かく見守って下さいねと、
このようにお願いしたい次第ですよと。


  ……。


……なんていう、弱気なことは言ってもおられません!!
(じゃあ上の十行あまりは何なんだ)

今回はいよいよ、「手帳編」。

古今無双のマーベラスヒロイン・絢辻詞さん最大の謎。
あの、黒い手帳の奥に綴られた、
甘くて苦い、ヒミツの筆跡に迫っていきたいと思います。

  ……絢辻さんに殴られない程度に!!

……ヒミツと言えば、角川スニーカー文庫から大好評発売中の
『ヒミツのテックガール』もよろしく!

    ヒミツのテックガール  ぺけ計画と転校生 (角川スニーカー文庫)

へいじょうやまこう先生の連載が読めるのはジャンプだけ!
読もう! コミックビーム!!
モハヤ何が何やら。


================================================================
 ■第四部■ 手帳 ~扉の奥のダイヤモンド・その1
----------------------------------------------------------------

ここからは真面目です。
オイサンはいつだって大真面目ですが。
あと、あんまり長くなったので、急遽、2部に分けました。スミマセン。


  ■1) ダイヤモンドの光跡 ~手帳にまつわるイベントの確認



さて、絢辻さんの「手帳」。
先ずはそれが関わる、イベントの大筋の確認からしておきたいと思います。

ちなみに「手帳」は、絢辻さんシナリオの「アコガレ」の段階においてのみ登場します。
そのため、「スキ」ルートに入るためには必須のアイテムですが、
「ナカヨシ」ルートに進む場合、
「シリアイ」ルートから上がっていくとその存在は知らずに終わります。
このコトは意外と重要な意味を持ってきますので、
覚えておいてください。


  ■1)-1 はじまりの輝き~手帳との出会い


最初の手帳との出会いは、まさに「本当の絢辻さん」との出会いです。

ある日の放課後の教室で、主人公は一冊の、黒い、革張りの手帳を拾います。
そして落とし主の情報を得るために中を確認……しようとしますが、
さほど奥深くまでを見ないウチに落とし主、すなわち絢辻さんが現れて、聞きます

「中を見た?」

正直者は応えます。
見たと。
どこまでとは言わない。けれども確かに見たと。
すると、凶暴な正体を露わにした黒衣の妖精はこう応えるわけです。

  ──正直者よ。罪深きお前に、罰を与えよう。

絢辻さんは言うのです。

  「見ちゃったんでしょ? あたしの秘密」
  「その、きれいな字で書きなぐったアレを見ちゃったのよね?」

やがて、主人公を神社の裏手に連れ出した絢辻さんは、
キチンと事情を聞くうち、自分がトんだ早トチリをしたことに気付き、
反省と逆ギレを交えながら更に語るには。

  「人に知れたら、学校にいられなくなるようなことよ」
  「もちろん、知った人も学校にいられなくして上げるけどね」 

こうして主人公は、絢辻さんが猫をかぶっているコトを知り、
その秘密を誰にも明かさない約束をし。
二人の関係が、ここからスタートします。

……結局、手帳の中に何が書かれていたのか。
その「秘密」については、主人公にも、もちろんプレイヤーにも、
知らされることはありません。


  ■1)-2 最後のきらめき~再出発点・手帳との別れ


そんな手帳との別れは、唐突にやってきます。
互いの価値観の違いや、重なるところを少しずつ知りあい、
主人公と絢辻さん、二人の仲に確実な深まりが感じられ始めたある日の放課後。
絢辻さんは主人公を公園に連れ出し、言います。

「あなたがいて、嬉しかった。あなたといて楽しかった。
 だけど、あたしたちの間には何もない。
 あなたがいなくなることが、今のあたしには怖い。
 だから、……あたしをあげる。
 そのかわり、あなたが今いる日常を……あたしに頂戴」

主人公はこの申し出を、わけも分からぬまま承諾し、
二人は初めてのキスを……「契約の」口づけを交わします。

  ……正直なところ、このセリフの意味する所も、解釈が難儀です。
  これについては次章の『恋愛編』で読み解いていきたいと思っています。

そうして奇妙な契約を交わした、幾日か後。
またも絢辻さんが校門前で主人公を待ち伏せます。

そして再びあの、二人が初めて本当に出会った神社の裏手に連れていくと……
突然。
ライターを持ち出して、手帳に火を放つのでした。
燃え落ちる手帳を、唖然と見守る主人公に絢辻さんが言った言葉は、以下の通り。

  「もう、あたしには必要ないと思うの」
  「前に進むには、邪魔なのよ」
  「こんな物より、もっと大切な事があるって……
   わかってきたから」
  「あたしが伝えたい事、あなたにはまだ分からないでしょ?」
  「でも、そのうちきっとわかると思う」
  「いつか、あたしのことをもっと知ってくれた時にね」
  「だから、それまで覚えておいて。
   ここがあたしの、再出発点ってこと」

ちなみに。
「……上の方のイベントの説明要らねんじゃね?」
と思った方はおられると思いますが、この二つのイベントは順序が大事なので
上のイベントも説明しておきました。


  ……。


以上が、手帳にまつわるイベントの全てです。
コレだけなんですよ。絢辻さんの手帳が、もろに絡んでくるイベントは。
手帳のあまりの存在感の大きさに、
なんかもっと頻繁に出てくるような気もしていたんですが、実は二つだけ。
コレは凄い。ストーリーテリングの真骨頂だと思います。見習いたい。

あとの方で小さなサブのイベントは出てきますが、
それは本章の末で触れたいと思います。



   ■2) 光跡が結ぶ星座の姿 ~残された謎



サテ、多くの『アマガミ』プレイヤー、
即ちアマガマレストたちの求めてやまないものは恐らく

  「じゃあ実際、絢辻さんの手帳には何が書いてあったんだよ!?」

という問いへの答えだと思います。

  検索エンジンから「絢辻さん 手帳」とか「絢辻 手帳」とか「絢辻詞 手帳」とか、
  「絢辻 シナリオ 手帳」とか「アマガミ 絢辻 シナリオ 手帳」とか!
  呆れるくらいたくさんの検索結果がオイサンの元に寄せられています!
  知るがいい!
  キバヤシに分からないことがあるように、
  Google先生にだって知らないことの一つや二つ、あるのだということを!
  つまりこの瞬間……『アマガミ』はGoogleに勝った(そうか?)!

……ガッツリ言ってしまうと、
本編のシナリオ中で、その答えは明かされることはありません。
「こういうコトが書いてあったんです」ということは明示されないのです。
つまり、謎。
最後まで謎のまま。
絢辻さんと家族の間のデキゴトと同じです。
そして、もう一つ、オイサンには疑問があります。

  「では手帳は、この物語の中でいったい何を象徴し、
    どんな役割を果たしたのか?」

ということです。
ただプレイヤーを引きつけるための設えとして登場した、
というケースもそりゃあり得ますが、
それとして処理してしまうには、絢辻さんの言葉はあまりに示唆に富みすぎる。

むしろ、何が書かれていたのかが明示されない以上、
こちらの疑問を解き明かし、その答えに、
具体的な言葉で語られたメッセージを編み込むことでしか
……求める答えは得られないのです。

オイサンの読み解くそれが、
製作者の方々がこめたものと一致するかどうかはわかりません。
わかりませんが……
絢辻さんの残してくれた

「いつか、あたしのことをもっと知ってくれた時にね」

というメッセージに報いるために。
この先は、オイサンの妄想と創造の両エンジンをフルドライブさせてみたいと思います。
以降では、
 ・手帳が物語の中で果たした役割と、その象徴するところ
 ・具体的に、どんなことが書かれていたのか
の二つの疑問に順番でせまるという……その無謀に。
いっちょ挑戦してみたいと思います。

だってオイサンは、絢辻さんの本当のことが知りたい一心で、
こんなコトやってんだもの。



   ■3) 手帳は扉、あなたは鍵~手帳が象徴するもの



先ずは、「手帳が物語の中で何を象徴したか」について。
これはもう、アッケラカンと書いてしまいたいと思います。
多分、皆さんも考えている通り。

 「絢辻さんの心の頑なさ」

そのものです。
「『猫をかぶった絢辻さんの心』の、心の中心にあるもの」
と言い換えてもいいかも知れません。

  但し、単純に「絢辻さんの本心」とまで言ってしまうと、
  そこにはちょっとしたズレが生じる気がします。
  あくまでも、「素の絢辻さんの本心」ではなく、
  「猫かぶり状態の絢辻さんのコア」なのです。

そう考える理由をご説明するために、物語を振り返ってみましょう。
主人公が手帳を拾うことにより、
絢辻さんは主人公に少しずつ素顔のままの表情を見せ始めます。

それは単純に、
「こいつにはバレてんだから繕ってもしょうがない」
という開き直りもあるでしょう。
しかし絢辻さんは明らかに、猫かぶり以上の秘密の展開や、
主人公への依存を予感させる行動を見せ始めます。

手帳の存在と、
そこに書かれているであろう絢辻さん唯一の弱点ともいえる「何か」、
それを知られることで絢辻さんは主人公に素顔を見せざるを得なくなり、
素のままの自分で、素のままの他人と触れ合う時間が
それまで、日常の中では常に張りつめていた心を弛緩させる作用を果たしたのでしょう。

おそらく絢辻さんは、素の自分で主人公に接するとき、
初めて「人と接することが楽しい」という感覚に見舞われていたことでしょう。
それまで、人前では「頑なである」という一つの状態しか存在しなかった心に、
もう一つ、あたたかく緩んだ状態が生まれることで、
心はそのギャップというか、二つの状態の間の大きな振れ幅に耐えきれなくなり、
やがて絢辻さんらしくなく、楽な方、心地よい方へと吸い寄せられていったといえます
(無論その過程がラクな出来事ばかりでなかったのは、これまで書いてきた通りです)。

  物を、極端に温めたり冷やしたりを繰り返したときに
  そのものが脆くなるのと同じような感じだと考えるとよいかもしれません。
  そのきっかけとなってしまったのが、図らずも手帳であった、ということです。

それまで誰にも見せたことの無かった、手帳の中身……
否、
手帳の存在を知る者自体が、それまでいなかったのかも知れません。
そこに、主人公という小さな綻びの一穴が空くこと
──自分が弱点を抱えて生きているのだ、ということを、
  それがどのような物であるのかを知られないまでも、
  その存在を知る者が側にいること──
で、絢辻さんのダイヤモンドの心が途端にもろさを露呈し始めるというわけです。

絢辻さんシナリオの物語の過程全てがその流れの上にあるといえますが、
象徴的であるのは、図書館でのイベントである「一人は嫌」でしょう。

時折、情緒が不安定になるという絢辻さん。
それまでは、ある程度発生時期の予測がついていたというその症状に突然襲われ、
図書館で一人、「いつまで頑張ればいい」「もう一人は嫌だ」と嘆き始める絢辻さん。
しかしその不安定さからも、主人公の登場によって、絢辻さんはなんとか脱します。

そして次の大きなタイミングでは、
絢辻さんは主人公と「互いに寄り添うこと」の確約を手に入れることで、
手帳を手放す決心をします。
上で書いた2つ目のイベント「再出発点」がそれです。

このイベントが具体的に何をあらわすかについて、詳しくは次の項で書きますが……
つまりは
「自分以外の誰かを信じ、幸せを求める過程の一部をそこに委ねる」
決心を、絢辻さんがしたことが描かれています。
それまでは、自分そのものか自分の価値観に基づいて組み立てたモノ以外を信じ、
何かを託すようなことを、絢辻さんはしません。
それを、自分とまったく反対の価値観を持つ主人公に託そうと、
それまでの主人公の行いや、自分が主人公に感じた安らぎなどから決心を固めたわけです。

そして、それを行った直後、絢辻さんは手帳との完全な決別……
主人公を立ち合わせての、手帳の火葬を執り行うわけです。

そしてさらにその決別の直後には、
クリスマスツリーの件で自分を糾弾するクラスメイトたちに対してさえ
その本性の一部をのぞかせて、孤立するまでに戦いを挑みます。
主人公の存在を信じ、それまでの自分を捨て去る、新しい決意の表明がそこにあるのです。

また実にストレートな例として、
「ナカヨシ」ルートのエンディングで、絢辻さんは主人公に、
「あなたは、私にとっての鍵」
と言い、
「アコガレ」から「スキ」にステップアップする際(手帳を燃やした直後)
のモノローグでは、
「なんだろう、この感じ。変わったわけでも、変えられたわけでもない。
 閉じていた扉が、ゆっくりと開いていく感じ」
と語ります。

「スキ」ルートのエンディングで、絢辻さんは主人公に
「誰も知らないあたしを見つけてくれた」
と言ってくれますが、実のところ、それは逆で、
絢辻さんは常に、自分から自分の本当を主人公にさらけ出し、
誰も見いだせなかった本当の主人公を探し当てたのが絢辻さんのほうだった、
という図式にすり替わります。

手帳という壁がほころんでいくことを契機として、
少しずつ新しい表情を見せ、新しい行動を起こす絢辻さんの姿。


  ……。


以上が、オイサンが手帳を「絢辻さんの心の頑なさ」を象徴すると読み取った理由です。

ここからはちょっと余談、なのですが……。
オイサンは、絢辻さんというキャラクターが、なんとも聡明だなあ、と感じるのです。
初手こそ、自分の頑なさである手帳が世にさらされることを恐れて
主人公の口封じに奔走する絢辻さんですが、
しかし主人公の持つ性質の中に、自分が求めたいたものがあると見るや、
それまでの生き方が瓦解することを視野に入れながらもそちらに進むことを、彼女はためらいません。

しまいにはそれまでの自分の象徴ですらある手帳を火にくべ、
「自分にはもう必要がない」とまで言いはなつ、その迷いのなさ。
……いや、モチロン迷いや戸惑いはあったのでしょうが、
彼女はそこに保険をかけるようなことはしませんし、
それまでの自分が無に帰すことを恐れて、より頑なになるような愚を犯さない。

あの、手帳を燃やすシーン。
オイサンは果たして、人生の決断の場面で、あそこまで鮮やかに決断を下せるかと問われれば……
ハッキリ言って、さっぱり自信がないワケです。

ホント、オイサンみたいなトンチキ野郎にとっては
美しすぎる、魅力的すぎるキャラクターです。
絢辻さんが好きだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
誰よりも真剣に生きてる、絢辻さんが大好きだ!!



  ■その2へ続く!


……とまあ、相も変わらずバカみたいな愛を詳らかにしたところで、
あんまり長くなってきたので一端ここで続きます!

その2は今日中に更新!
オイサンでした!







 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク

 

 

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2009年6月 3日 (水)

■道を極めし者 -更新第228回-

好きな人に、
「『I need you』って、日本語でなんて言えばいいと思う?」
って聞いてみたい。
オイサンです。

教えて俺の絢辻さん。


  ……。


……しかしまあ、思うんだけど。
恋をして、結婚したんだったらさあ……
ゲームなんかやめちゃえよ。
クダラねえ。
そんなもん、どっちかだろJK。
オタクのくせに。
甘ったれてんじゃねえや。


オイサンでした。


■Dreamy Dreamer


いや、意味も根拠もないんだけどね。
『バーチャロン』やってたら、シュタインボックにそう言われた。
……様な気がした。

そういうコトって、あるやん?


 

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2009年6月 1日 (月)

■『アマガミ』ED曲・歌詞検索で来た方へ -更新第227.1回-

昨晩遅くからの、このページのアクセスログを見ていて
異常な事態に気がつきました。

『アマガミ』のエンディング曲の歌詞で、

 ♪きらきら きらめく雪が 聖夜の全てを包むように
   甘く甘くやさしいKissをして ずっとこのままで……♪

という一節があるのですが。
昨晩深夜の3時半頃から今日一日にかけて、
「聖夜の全てを包むように」
とかで検索をしてこのページに引っ掛かっていらした方が、やけに大勢。
それも、日本中から。

 山梨、長野、大阪、長崎、埼玉、佐賀、神奈川、沖縄……。
 あとモバイルで、他にも多数。

なんか、普段のアクセス数の3倍くらい来てて
オイサンとこみたいなヘタレブログはかなりビビってるんですが……。
みんーな挙って、
「聖夜の全てを包む」とか「聖夜の全てを包むような」とか、
ちょっと変化球で「聖夜の全てを包み込む」とか。


 なんで?
 いったいこの時間帯に何があった!!?
 テレビかなんかで、曲がかかったんでしょうか?


……もしかしてお前らさん方、曲名が知りたいのか?
エンターブレインの『アマガミ』ってゲームのエンディングで
「ずっと、このままで……」って言うんでえベラボウメ!
名塚佳織って声優さんが歌ってんだぜチキショウメ!

アマガミ(特典なし) アマガミ(特典なし)

販売元:エンターブレイン
発売日:2009/03/19
Amazon.co.jpで詳細を確認する

……と思ったら、もしかすっとアレか。
『アマガミ』のWebラジオである
『アマガミ・カミングスウィート』
が更新されて、
今週確かゲストが名塚さんだったはずなので、
なんかそういうことをしゃべったんかなと。

……思って確認してみたけど、
午前8時現在、まだ更新されてませんでした……。
20時現在では更新されてますね。
一体、この時間帯に何があった!!?!
誰か教えて!

 上記の検索でここに来られた人、
 是非コメントを下さい!

 何をキッカケに、あの歌詞で検索しようと思ったのか!

急激なアクセスアップでビビりまくる管理人を助けると思って、是非!

コメントを下さった方の中から抽選で一命を取り留めた方に、
オイサンのサイン入り『アマガミ オリジナルサウンドトラック』をプレゼント
(サイン要らねえ)!


<6月11日・追記!!>
 なんと、ホントに申し込んできた大バカ野郎がいたので
 プレゼントキャンペーンはこれにて終了です!
 なんという斜め上の展開。

 というワケで、蜜柑の国にお住まいのP.N.おむさん!
 おめでとうございます!
 あんまり人を信用し過ぎんじゃないぞ!!

アマガミ オリジナルサウンドトラック アマガミ オリジナルサウンドトラック

販売元:ツーファイブ
発売日:2009/04/17
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  欲しけりゃ本当に上げます。オイサンもう一回買いたい。
  週末、アニメイトに置いてあるのを見て
  もう一個買っちゃいそうになりました。
  ウチに、もう2つある(!)のに。
  あ、ちなみにウチはコメントもトラックバックも承認制なのでご注意下さい。

  ……。

あとどうでもいいけど
ピンポイントに『リアル左近寺』で検索ヒットして来ないで下さいw
理由は恥ずかしいから。

オイサンでした!
マジでコメントお願いします。
こあいよーこあいよー。


……あーそれから。
普段からわりと定期的に見に来て下さってる皆さん、
ありがとうございます。
「手帳の中のダイヤモンド」、第四部・手帳編、今週中には掲載予定です。
ホントすんません。
今後ともよろしくです。


    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


 

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