« ■手帳の中のダイヤモンド -12- 第四部・その1 -更新第229回- | トップページ | ■血の価値、汗の意味、止まる時間に少女よ踊れ -更新第231回- »

2009年6月 6日 (土)

■手帳の中のダイヤモンド -13- 第四部・その2 -更新第230回-

オイサンです!

「ゆび先はもう一つの心臓」名物、
『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画
「手帳の中のダイヤモンド」・第四部のその2です!その1はこちら!


  ◆『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
  ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


================================================================
 ■第四部■ 手帳 ~扉の奥のダイヤモンド・その2
----------------------------------------------------------------




   ■4) 手帳の中のダイヤモンド~決意



さて……ここからが本題です。

  絢辻さんの手帳の中身。

一体、何が書かれていたのか。
本編の物語の中では明らかにされない、と書いたのは冒頭の通り。

正直、それを無理に埋めたところで後付けにしかなりませんし、
逆にそれを本編中で明かしてしまったら、
絢辻さんの物語は陳腐なものになってしまっていたでしょう。

あれだけ完璧に、あれだけ自律的に生きる彼女の唯一のほころび、
その重みがどれほどのものだったのか。
それは多分、オイサンのように緩やかに生きる者が考えるそれと、
もっと崇高な生き方をする人の考えとでは
その重みはまったく異なるに違いありません。

誰も知らない、誰にもわからない。
それゆえ、受け手それぞれの最大重量で考え、
「絢辻詞」の物語はあらゆる受け手にとって「重い」ものになりえるわけです。
古典的ではありますが、実に巧妙です。

……しかしそこを、敢えて。
どこまで具体的になれるかはわかりませんが、
せめてそのアウトラインを描いてみたいと思います。
絢辻さんの残した幾つかの言葉と、その周囲に見え隠れするもの、
それらの力を借りて、
彼女が背負ってきた物語を、破綻せぬよう、より美しく、埋めてみたい。
これはインチキ物書きの個人的な欲求です。

そしてそれをすることで、
絢辻さんが抱えるものを少しでもともに背負うことができれば、
オイサンには、こんなに嬉しいことはないんだ。

  こっからはインチキ物書きの腕の見せ所。
  今、オイサンの気分はルパンⅢ世です。
  頑なな扉の奥にひそりたたずむ最上のダイヤモンドを戴きに参りましょう。
  目くるめく妄想を、創作の力にに変えて。


 ※どうしても誤解をはらみがちなので改めて記しておきますが、
  以下でオイサンが考えている「手帳の中身」が正解だと言いたいわけではありません。
  『アマガミ』の絢辻さんの物語に散りばめられた色々な事象を咀嚼して、
  「どういうことが書かれていたとすれば、
   物語の整合性を損なわず、そして美しく完結するか?」
  という発想から考え出しただけのものです。
  ……だからホント、似非書き物屋の欲求だと思って下さい。
  そして、「ああなるほどね」くらい思って戴ければ上々なのです。


  ■4)-1 二つのフェイク~絞り込み


まずは軽い絞り込みから。
『アマガミ』発売当初、Web上などで散見された2つのご意見の消去から。

  ・目標の、具体的なことが書かれていたのではないか。
  ・家族との関係や、出来事が書かれていたのではないか。

これは、どちらも「ない」と断言して問題ありません。

先ず一つ目の「目標」については、
絢辻さんは手帳を焼いてしまった後も、目標に対して執着するシーンが
繰り返し(むしろ手帳焼却後の方が色濃く)描かれることからも、
手帳の中身がそうでないことは明らかです。

次に、「家族」のこと。
これも、先ず、上記の「目標」と同じ理由があてはまります。
絢辻さんが家族へのこだわりを主人公に吐露し始めるのは、
手帳を燃やしてしまって以降のことです。
しかしこれは、
「手帳という執着から解放され、心の一番深いところまで主人公に見せ始めた」、
という解釈が成り立たなくもない。

ですので、別の視点から考えてみます。
一番初め、主人公が手帳を拾ったときの絢辻さんの言葉を思い出してみましょう。


  ■4)-2 Core of the Diamond ~推測と疑問


最初に主人公に手帳を拾われたとき、
絢辻さんは早トチリな自分を恥じながら主人公に言います。

  「人に見られたら、学校にいられなくなるようなことよ。
   もちろん、見た人も学校にいられなくしてあげるけどね」

たとえば、父や母、姉を呪う言葉がそこに書き付けられていたとして。
「学校にいられなくなる」などという事態が起こるでしょうか。

多少、周囲からヒかれるであるとか
1000万パワーを誇る完璧超人としてのブランドを失うことこそあれ、
むしろ思春期の社会では
「絢辻さんも、家族ってうざったいと思うんだねー」
と、一部の同級生からは親しみを持って迎えられることは
想像に難くありません。

この言葉から考えると、「学校にいられなくなる」というのは
どうやらよっぽどのコトです。
スキャンダラスで、社会的に事件性のあることである必要があります。
一般的に見て、一つの「罪」ともとれる内容である必然性があると、
オイサンは思います。

  モチロン、個人的な心情として「居づらい」という状態もあり得るでしょうが、
  そのセンは……ちょっと考え難い。
  というのは、「スキ」ルートの終盤、
  同級生たちの前でもかぶっていた猫を脱ぎ去ったことで
  その噂が尾ひれをなびかせて広まり、学校中から奇異の目で見られ始めた際にも、
  絢辻さんは意にも介さない姿を見せたからです。

  それを思うと、「雰囲気的に居づらい」ことが、
  絢辻さんを「学校にいられなく」させるという状況は考え難い。
  まあモチロン、周囲の馬鹿さ加減から顕現する空気の重さと、
  自分の持つ事実からのそれとではそもそもの感じ方がが違うでしょうが、
  ここでは敢えてスルー。

そして、さらにその「罪」は、「既に許されたものである」必要もあります。
これは、絢辻さんの人物像を守るために必要な要素です。
……絢辻さんは、自らの意思で手帳を燃やします。
その炎を見つめながら呟く言葉は、

  「もう、あたしには必要ないと思うの」
  「前に進むには、邪魔なのよ」
  「こんな物より、もっと大切な事があるって……
   わかってきたから」

これらは全て、絢辻さんの個人的な思いです。
もしも、手帳にその罪に関することが記されていて、
それを自分勝手な意思で焼却してしまったら……それはただの、隠滅行為です。
それは、絢辻詞というヒロインの描くシルエットとはかけ離れたものです。

その人物像の崩壊を避けるためには、
その罪は、社会的にも、罪の対象となった相手(簡単に言えば被害者)からも、
既に許されたものでなければなりません。

それでは何故?
絢辻さんはその「自分にとって都合の悪いはずの罪の記憶」、
しかも、社会的には既に拘束力の消えた罪悪感を、
後生大事に自分の意思で守り続けてきたのか?
……というところに疑問点は移ります。


  ■4)-3 Clarity of Diamond~信頼と仮説


サテ……その話は一旦置いておいて、ここで一つ。
「手帳に書かれていた内容」について、
ドドン! と仮説を置かせて下さい。
具体的にどう、というのではありませんが、
中心の趣旨となる絢辻さんの思いについて、です。
それは、

  「自分は決して他人を信じない。
   信じられない。
   信じてはいけない。
   ……そして、そのままの自分で幸せにならなければならない」

という類の、一つの決意めいた思いであったのではないか。

  ……誤解しないで戴きたいのですが、
  「上のような文言が直に書かれていた」と言っているのではない、
  ということをまずご理解下さい。
  絢辻さんが自身に、「自分はこう↑である」ことを
  想起させる・或いは象徴する内容が残されている、ということです。

それは例えば……。


------- ------- ------- ------- ------- ------- ------- -------
過去、まだ絢辻さんが幼い頃。
彼女がまだ、今ほど厳重に猫をかぶる前のお話です。
絢辻さんはその優秀さゆえに、親しい誰かを傷つけてしまった。

相手に負わせたその傷は深く、相手の大切なものを、幸福の一つの可能性とともに、
根こそぎ奪ってしまう程のものだった。

事件は公のこととなり、世間に小さな波を立てますが、
どちらに重大な過失があったわけでなし、事件というよりは一つの事故として処理され、
絢辻さんは罪を免れ、やがて世の中からも静かに忘れられていきます。
相手も、絢辻さんを許しました。
許しましたが、その許しを最後に、絢辻さんの前に姿を現すことは、二度とありませんでした。

まだ幼かった絢辻さんはショックを受けます。
原因は、明らかに自分にあること。
相手は大きなものを失い、自分は無傷でのうのうとしていられること。
自分は、取り返しのつかないことをしてしまった。
自分の甘さのために。
自分の幼さのために。
──人を簡単に信じすぎた、自分の弱さのために。

その日から、絢辻さんは心に決めたのです。

誰も信じない。
人は、簡単に信じてはいけない。
信じるということは難しい。
生半可な信頼は、偽物の信じる心は、罠だ。

それをせずに自分が幸福を得ることは難しいだろう。
けれども、自分の心にいつまでも残るこの罪に報いるために、
その枷を背負って生きていくんだと。
自分は、大きなものを失った相手のためにも、
自分だけが簡単に幸せになってはいけないんだと。

……だけど。
どうして相手は、許してくれたんだろう……?

もしかすると、いつか自然に、
心から「人を信じることを身につける」ことが出来たとき、
それを強さに変えることが出来たその時は……。


------- ------- ------- ------- ------- ------- ------- -------
とまあ、こんな具合です。

手帳に書かれていたのは、その、事件の日付?
相手の名前? 或いは、絢辻さんが何をし、相手が何を失ったのか?
……そんなことなのではないでしょうか。
当時を知る者であれば、誰もが想起しうる事件。
自分がその「犯人」であるという事実。

  相手が誰だったのか、どのような事件だったのか……
  すみませんが、今のオイサンには、その具体像は描けません。
  キチンとまとまった暁には、またPreStoryのような形式で上げたいと思いますが……。

オイサンがこう考えた理由は二つあります。

先ず第一に、
本章の前半で解き明かした「手帳の象徴するもの」、
つまり絢辻さんの頑なさと、
「ナカヨシ」ルートで提示される一つの悪い結末に代表される、
シナリオ全体に流れている絢辻さんの考え方の複合的な暗示です。
そして第二に、
絢辻さんが手帳を手放したそのタイミング。

一つ目から説明していきましょう。
「ナカヨシ」ルートの終盤、
絢辻さんと、ツリー設置阻止事件の黒幕である黒沢さんが直接対決をし、
その真相を知った主人公が……あまりに安易な選択をしたとき。
絢辻さんはその現場に現れ、主人公を断罪します。

 「初めから誰も信用しなければ、裏切られることもないのよ。
  あたしは、自分以外の誰も信じない。
  恨みたければ、恨めばいいわ。
  ……あなたのその、曲がった性根をね」
 「バイバイ。あたしの愛しかった人……」

例によって最後の一文はここでは要りませんが
オイサン別に好きな台詞でもないけどガーンとキたので書いちゃいましたー!!
絢辻さん最ッ高ー!!( ← 最早天才)

「ナカヨシ」ルートの終盤においてさえ、
絢辻さんは主人公のことをまだ完全に信じたわけではなったのです。
正直、この事実にはオイサンも愕然としました。
しかしこれは、ある意味で正しい。

何故なら、「ナカヨシ」ルートでは手帳についての結末は提示されません。
彼女はその頑なさの象徴を胸に抱いたまま、
主人公と人生を共にする決意を固めています。
そのため……終盤といえども、
上記のような絢辻さんの行動・心理は納得性のあるものです。

このように、絢辻さんは、
「スキ」ルートと「アコガレ」ルートの一部(「スキ」に移ろう直前)を除いては、
「人を信用する」ということをしていないことが読み取れます。

そして第二の「手帳を燃やしたタイミング」。
本章の冒頭で示した手帳を燃やすイベントは、
「アコガレ」から「スキ」にステップアップするためのスター獲得のイベントです。
そして手帳を燃やす前の段階として、
主人公は「契約のキス」のイベントを経験します。

  尚、さらにその前には、
  「あなたをあたしのものにします!」のイベントであったり、
  「図書館での一幕」であったりと、
  他者に対して頑なであった彼女が、徐々に主人公に融和していく姿が
  実に丁寧に描かれています。
  すばらしい。むしろ愛おしい。

この「契約のキス」のイベントは、
絢辻さん自身が自分の心に芽生えた変化を素直に認め、
そしてそれが更に他者
……これは「主人公という特別な存在」という但し書きが付きますが……
からの干渉によるもので、
更に更に、それがこれからの自分にとって必要なものであると
認めたうえでの行動です。

  ちなみにこれはつまり、「ナカヨシ」ルートでは成し得なかった
  絢辻さんの「頑なさ」を融解させ、
  絢辻さんを本当の意味で過去の遺恨から救い出すための物語への
  突入を意味するものと考えます。

手帳を燃やすとき、絢辻さんはこう言います。

  「もう、あたしには必要ないと思うの」

この『もう』の意味の重さ。
新しい自分に変わることが出来ると証明した、まさに今のタイミング。
「私はこの手帳に書きとめた呪いのような自分の過去から
 解き放たれる確信を得た・それに値する行動を実行した。
 たとえこの後主人公が絢辻さんから離れて行ったとして、
 自分はまた今と同じルートをたどって、同じ気持ちに至れるはず」
という自信。
そしてこの判断と行動の早さ。
やっぱ、絢辻さんはすげえなあ、かっけえなあと、オイサンは思うのです。

「他者と契約を交わすという関係を築くコト、つまり他者を信頼することが出来、
 その気持ちに素直に行動することが出来た」
ことを示すイベントであり、その直後に手帳を燃やす、という行動に出たわけです。

このイベントの示すところはつまり、
「人を信じることが出来た自分と引き換えに、
 頑なさの象徴たる手帳が物語から退場した」
と言え、これらのことからオイサンは、
絢辻さんが手帳に「人を信じず、幸せになる」という類のことを手帳に記し……
それをまるでお守りのように胸に抱き続けていたのではないかと推測するのです。


  ■4)-4 必然~何故、絢辻さんは手帳を捨てられなかったか


サテ……ここで話を、■4)-2の終盤で浮かび上がった疑問……

  「なぜ絢辻さんは、その自分にとって不都合であるはずの罪の記憶、
   しかも社会的には許されたはずのそれを、
   後生大事に抱え続けてきたのか?」

に戻したいのですが、これも既に、
上に書いた物語仕立ての仮説を読んで戴ければ
お分かり戴けていると思います。
オタクっぽくヒトコトで言ってしまえば、

  「それが絢辻詞のジャスティス」

だからでアレ絢辻さんどうしたの怖いカオしt

  どかーん ( ←爆発物で殴られた)。

……失礼こきました。
自分を縛るその行為が許された罪への「償い」の証明であり、
過ちを犯した自分、間違った弱い自分への「戒め」でもあったからです。
もう一つ、悪だくみが大好きな絢辻さんの顔から言うと、
ある種の「敗北」であり「屈辱」への確かなリベンジを誓うその証しでもあったのではないか、
という見方や、
「たとえそんなものがなくても、幸せになってやる」
という強い気持ちの表れであったかも知れません。


  ……。


と、いうのがですね。
オイサンの、手帳の中身に関する考察というか、想像です。

自身でも、完全に納得がいったわけではありません。
……少々、オイサンの中の絢辻さん像が、ウェットでナイーブ過ぎる感がないではないですし、
「家族」「目標」といった二つのファクターに加えてさらにもう一つ、
トラウマ的なエピソードが出てくるというのは、ちょっと濃すぎるというか、
濃すぎて逆にキャラクター像がぼやけてしまう危険性を感じます。

  ……だから本編では、敢えて表に出さずに隠している、
  という風にも考えられますが。

また、上記のようなエピソードがあったのだとしたら、
手帳を燃やすイベントのときの絢辻さんのセリフ、
「こんな物よりも……」
「前に進むには邪魔なのよ」
の、「こんな物」「邪魔」という言葉は思いやりに欠け、強すぎると感じます。
手帳を燃やすときにも、もっとウェットな表情を見せても良いと思います。
なので、我ながら完璧とは程遠く、申し訳ないのですが……。

マ、ね。
こんなアタマもありますよ、という程度に、楽しんでもらえれば幸いです。

  ……一つ派生させることが出来るなあと思うのが、
  絢辻さんの、お姉さん・縁さんへの気持ちです。
  おそらく絢辻さんは、
  周囲への配慮もなく、生来の優秀さでズンズン進む姉の周りで
  傷ついた人をたくさん見てきたのではないでしょうか。
  そして、上で書いたようなエピソードを経験した絢辻さんとしては、
  その無神経さを憎み、「何も知らない」と彼女のことを評したのではないかな?
  と、思いました。

皆さんは、どんな風に考えられましたかね(超ズルい逃げ)。



  ■5) 光ふりまくダイヤモンド ~手帳、溢れる!



さて最後は、軽い話題でシメたいと思います。
実は、手帳をとりまくイベントには、もう一系統あるんです。
それは「スキ」ルートで、本筋とは関係なく、絢辻さん自身からは遊離した時間軸で語られます。
概要は……こんな↓カンジ。

 1)イベント1
  絢辻さんが手帳を燃やし、クラスメイト達との対立が始まった後のこと。
  校舎の廊下で、主人公は絢辻さんの持っていたのとまったく同じ手帳を拾う。
  訝りながらもそれが絢辻さんのものではないことを確信し、
  それを職員室に届けるが……それは実は、高橋先生の持ち物だった。

 2)イベント2
  イベント1)の後。
  主人公はまた同じ場所で、同じ手帳を拾う。
  また高橋先生が落したんだな、と踏んだ主人公は今度は職員室に直行するが、
  高橋先生は、自分の手帳は手元にあるという。
  結局その手帳は普通の落とし物として処理されるが……
  後日、梅原から突然礼を言われ……それが梅原のものであったことが判明する。

……コレダケ。
なんだコレ? と思ってしまいますね。
このイベントの解釈には、イベントの発生時期が肝要だとオイサンは思っています。

 ・絢辻さんの手帳は、既に失われている。
 ・そして、絢辻さんの猫かぶりが周囲にバレたあとである。

上でも書きましたが、手帳は、絢辻さんの心の頑なさの象徴です。
それを、身近な人たちが持ち始めた。
これが何を意味するのかというと……恐らく。

  「本当の姿の絢辻さんが、身近な人たちの心にも浸透し始めた。
   既に特別なものではなく、受け入れられ始めた」

ということを言いたいのではないかと思います。
遂に一般にもその正体を明らかにした絢辻さん。
クラスメイト達にはそれは脅威に映り、孤立という悲しい過程のみがクローズアップされてしまいますが、
それと時を同じくして、本当の姿を理解し、近しく感じてくれる人たちもいたんだよ、
ということを表すために挿入されたイベント群なのだと、
オイサンは思っています。

  やっぱ梅ちゃんはいいヤツです。

しかし如何せん、絢辻さんのシナリオでは適当なサブキャラクター
……梨穂子編での香苗さん、森島センパイ編でのひびきちゃん、薫編での田中恵子のような……
がいませんので、人選が微妙。
高橋先生に梅ちゃんという、
およそ絢辻さんと「近しい」とは言い難い存在がクローズアップされるので
どうもその辺が伝わりにくい気がします。

本来なら、ドッヂボールにて助っ人に入る棚町 "男前核弾頭" 薫さんが適任のような気もするのですが、
発生順序によってはイベントの時間軸が前後してしまうので
それは避けざるを得なかったのでしょう。

心温まるエピソードであるので、ちょっと残念な気がします。



  ■シメ & 次回予告



えー……ドえらく長くなりましたが。
以上をもちまして「手帳の中のダイヤモンド 第四部・手帳編」
フィニッシュでございます。

……いかがでしたでしょうね。
正直、すごくデリケートな題材だと思うので、色々迷いもあるのですけども。
どなたか一人にでも、納得していただけたり、
納得は出来ないまでも、面白い・アリだと思って戴ければ幸いです。

オイサンは、『アマガミ』の絢辻さんシナリオがこんなにも鮮やかなのは、
やはりこの手帳の負うところが大きいと思っています。
過去を燃やして、その炎に照らし出されるあの瞳を思うたび、
「この子は、今までこうやって「前に進んで」来たのか」
と、さりげないだけに強烈で特別な気持ちにさせられるのです。
背筋がゾクゾクと震え上がったのを思い出します。

  あと、「炎」というのは物語のギミックとして
  やはり有効だなあと思いました。
  本能に訴える危険性を持っているだけに、一目で分かるインパクトが違う。

えー、次回は最終章、恋愛編です。

絢辻さんは難儀な女の子です。
好きという気持ち、嬉しいという感情、
それに気づけば認めることに躊躇はありませんが、
そこに至るまでの言葉は、彼女自身の心を遠巻きに見つめるばかりであまりに精密で慎重で、
僕ら鈍感な男子(33)には難しすぎるコトが、ままあります。

そんな絢辻さんが主人公に恋をする、
その過程でこぼれる色とりどりのつぶやきの意味を一つずつ丁寧に読み解いて、
可愛いカワイイ絢辻さんの乙女心にイヤガラセをしt

  じゅーっ ( ←音もなく焼けたフライパンで殴られた)。

……次回、「手帳の中のダイヤモンド」第五部。


  「ダイヤモンドの粘膜」


過度の期待は禁物だ!
その前のPre Storyも読んでね。


オイサンでした。






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク

 


 

|

« ■手帳の中のダイヤモンド -12- 第四部・その1 -更新第229回- | トップページ | ■血の価値、汗の意味、止まる時間に少女よ踊れ -更新第231回- »

アマガミ」カテゴリの記事

ゲーム」カテゴリの記事

創作」カテゴリの記事

手帳の中のダイヤモンド」カテゴリの記事

絢辻さん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/55967/29973308

この記事へのトラックバック一覧です: ■手帳の中のダイヤモンド -13- 第四部・その2 -更新第230回-:

« ■手帳の中のダイヤモンド -12- 第四部・その1 -更新第229回- | トップページ | ■血の価値、汗の意味、止まる時間に少女よ踊れ -更新第231回- »