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2009年4月17日 (金)

■手帳の中のダイヤモンド -03- -更新第202回-

 
 
  ◆『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
  ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク
 
 
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    ■第〇章■ 絢辻さんにはフシギがいっぱい
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最初に書いてしまいますが、
絢辻さんシナリオにはいくつかの決定的な謎があります。

多分、絢辻さんシナリオをゴールした方々の多くが疑問を抱き、
ネットに答えを求めるのは、大きく以下の3つだと思います。

  ・絢辻さんの「手帳」には、一体何が書かれていたのか?
  ・絢辻さんの「目標」とは、具体的にどんなことなのか?
  ・絢辻さんの大きなトラウマ、コンプレックスである「家族」との関係には、
   具体的にどんなエピソードがあったのか?

ぶっちゃけますと、
これらに関してはオイサンも全然、正確な答えにはたどり着けていません。
ゲーム本編のシナリオの中で、語られるのかどうかも知りません。

  多分語られないのだろうと、オイサンは思っています。

ただ……正直なところ、オイサンはこれらの謎の具体性は
さほど重要なことではないと考えています。

勿論、分かることなら、
オイサンだって喉からシャアが出るほど知りたい内容ですけれども、
それ以上に、これらが謎のままであることによって生じる揺らぎが、
「絢辻 詞」という少女像をより人間らしく見せているという事実が嬉しく、
だからこんなに惹かれるのだろうと思っているからです。

他にも、絢辻さんシナリオでは、
絢辻さんの人物像が人物像であるだけに、
直接的ではない表現や、含みのあるセリフ回し、断片的なエピソードなど、
たくさんの謎がちりばめられています。

そこには解釈に多数の余地があるものや、
どう解釈して良いかわからないものもいっぱいあり、
魅力に満ちたシナリオになっているのです。

以降は、これら3つの謎を軸に、細かいエピソードの解釈などを交え、
それを取り巻いてらせんのように変化する
絢辻さんの心の中心にあるものを読み解いていきたいと思うのです。

そこで、初回となる今回は、簡単に物語を振り返り、
絢辻さんという人物のアウトラインを確認しておきたいと思います。

そして、今後どのようなポイントに焦点を絞って
(といっても、上に書いた3点の謎なんですけど)話の渦を巻いていくのかを
提示しておきたいと思います。

  ちなみにここでの「物語」は、本編のシナリオの2つのルート、
   ・「デアイ」から「アコガレ」にステップアップし、
    その後「スキ」に至った「スキ」ルート
  と、同じく
   ・「デアイ」 → 「アコガレ」から「ナカヨシ」に至った「ナカヨシ」ルート
  の2つの流れです。

  「デアイ」 → 「シリアイ」 → 「ナカヨシ」に至る
  もう一つの「ナカヨシ」ルートでは
  絢辻さんの仮面のはがれ方など、細部が異なるらしいのですが
  オイサンはその辺未見なので触れません。



■「僕」と彼女のアウトライン



絢辻さんと主人公は、もともとただのクラスメイトです。

絢辻さんは、いわゆる勉強ができ、運動ができ、
勉強以外のことにも頭は回るし、委員会活動などにも余念がなく、
部活にまではさすがに手が回らないようですが
先生からもクラスメイトからも信頼も厚い、スーパー女子高生です。

その絢辻さんに、凡俗の日本代表のような主人公は……
コレといった憧れの視線を向けるでもなく、
「デキるクラスメイト」くらいの意識で見るだけでした。

ところがある時、小さな変化は、絢辻さんの方からやってきます。

特段、自分のメリットになるわけでもないこと……
クラスメイトの掃除当番を替わってあげたり、
誰も手をつけない実験の後片付けをしたりということを、
「気がついたから」という理由で「ただなんとなく」やっている主人公を見て、
「興味が沸いた」と、絢辻さんの方から話しかけてきます。

  勿論、その主人公の行動の中に、
  「一人遅くまで、クラスの仕事をしている絢辻さんを手伝う」
  という直接的なものもあったからこそ、なのでしょうが。

  また、その「興味」も、決して好意的なものではなかったのです(ココ大事)。

そうして絢辻さんと話をする機会も増えたある日。
主人公は教室で、一冊の手帳を拾います。

落とし主はもちろん、絢辻さん。
……しかし、「いつもと少し違う」絢辻さんです。

自分の手帳を主人公が持っているのを見、
中を見られたと知るや凶暴に豹変し、主人公を脅しにかかるのです。

  そう……絢辻さんは魔女だったのです!!
  いや、いわゆる中世的な魔女ではありませんが。

その手帳には、ご本人様いわく
「知られたら、学校にいられなくなる」
ほどの超機密が記されているのでした。

しかしそこはそれ、主人公も、伊達にギャルゲーで主役を張ってるワケではありません。
中を見た、とはいっても、肝心の彼女の秘密には気付かず、
ただのスケジュールやメモにだけ目を通していたヘタレぶり。

それを、見られたと早とちりした絢辻さんは、本性
……正しくは、これは彼女の「本性」ではないのですが……
を剥き出しにし、
 「このことは忘れなさい」
 「しゃべったら、あなたも学校にいられなくしてやる」
と口を封じます。

……こうして、主人公と絢辻さんの、
少しズレた、秘密の恋の物語が始まるのでした。



  ……と、ここまでがイントロ。



頭のてっぺんからつま先まで、
スッポリかぶっていたカワイイ可愛いネコを脱ぎ捨てて、
遠慮のなくなった絢辻さんは主人公を悉く打ちのめしにかかります。

 「人がいいのも度を越すと目障りだ」
 「自分のメリットにならないようなことを、人知れず黙々とやって何になる」
 「目標もないからそんな人生なんだ」

等など……ディティールこそ違え、
彼女の高い価値観は、主人公の損得以下の価値観を到底受け入れられないようでした。

絢辻さんが猫をかぶっていた理由は……
一つには、敵を作らず味方を増やし、「目標」のための動きやすい環境づくりをすること。
「全ては自分のメリットのため」と打算的に画策し、
そうならなそうなことは、根回しを以って己のメリットに繋がるように仕向ける。
徹底的なメリットの追求によって、自分の価値を高めていこうとするのが、彼女流でした。

  ……とはいうものの、その枠に収まりきらないことを彼女がやっていることも事実。
  その辺りの「矛盾のようなもの」については、
  後の章で解き明かしていこうと思います。  
  その矛盾にこそ、絢辻さんの本音と魅力が詰まっているのです。

彼女のが主人公に抱いていた「興味」。
それは、自分とあまりに違うその行動原理にあったというわけです。

しかし、絢辻さんの主人公へのかかわり方は、
理由がそれだけのワリにはあまりに急速に変化していきます。

  腹立たしい。
  危なっかしい。
  もどかしい。

言葉にこそ険が立ちますが、
絢辻さんは主人公との距離を、猛スピードで縮めてきます。
それは、主人公が望むと望まざるとに関わらず!

聡明な彼女にしてみれば、
主人公の価値観のあり方が気になって気になって仕方がないのです……
が。
彼女が、そこまで主人公を気にかけてしまう理由は、
実はそれだけではありませんでした。

自分とは正反対であるはずの、主人公という存在の価値観。
それを認めることは、彼女のこれまでの鋼の人生を転覆させる危険性すらはらんでいたはずです。
しかし絢辻さんには、
否、
聡明な絢辻さんをもってしても、それに歯止めをかけるコトが出来ません。


  それは、なぜだったのでしょう?


……絢辻さんからは、キッパリとした説明はありません。
あるはずがありません。
何故か。
その詳細は、後の本編でお話しましょう。


……っとと、いけません。


二人の関係がこのあたりまで進んだ時、物語は二手に分かれます。
冒頭で書いた「ナカヨシ」ルートと、「スキ」ルートの存在です。
いずれの物語も、結末は絢辻さんを幸せへと導くものですが、
彼女の心と「目標」のありようは、大きく変わっていくのでした……。



果たして、絢辻さんの手帳には、いったい何が書かれていたのでしょう?


絢辻さんがそこまで自分を律して……世を欺いてまで掲げる、「目標」とは一体?


そして、何が絢辻さんを「目標」へと駆り立て……


凡俗であるはずの主人公を、スーパー女子高生の絢辻さんが求めた理由とは?


二つの幸せな結末、それぞれが意味するところとは。



さて、アウトラインはここまで。
次回からいよいよ、絢辻さんのこころの中心に迫る、本編に突入です。





 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク


 

 

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