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2009年4月26日 (日)

■手帳の中のダイヤモンド -06- 第一部 その2 -更新第205回-

 
 
 
  ◆『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
  ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク

 
 
『アマガミ 公式コンプリートガイド』、本日発売!!
オイサンです。

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2冊買っちゃいました(ただの事実)。

すこしだけ、昔話を聞いて下さい。
……その昔、オイサンが友人とメールで話をしていた時のコトです。

オイサンが好きなものを2つ3つ買う、という話になり、
その友人から「意味がない」と諭されたことがありました。
その時オイサンが返した言葉が、またカッコ良くてですね、

  「別に、同じ物が2つ欲しいわけじゃない。
   ただ、『それを手に入れる瞬間』が何度も欲しいだけだ」

という。
このカッコ良さにはその友人も納得してくれてしまいまして、
お陰でオイサンの悪癖は治らないままです、
どう責任とってくれる気でしょう( ←超ひとのせい)。

その時は彼もオタクでしたからなんとなくシビれてしまったのでしょうが、
結婚してしまった今では多分、
哀しい物を見る目で笑って許してくれるのでしょう。

  節子、それ許しやない、諦めや!!

しかし、オイサンも成長しています。
今日、その『アマガミ コンプリートガイド』の2冊目を購入したとき
気がつきました。
さらにその先のある、瞬間を求める理由に。

  形のない、存在しないものを求め続けるには、
  そうやって、自分自身で、自分自身に対して
  証明し続けるしかないからです。
  全力で自分をブン殴り続けるしかないんです。

敢えて良い言葉で言い表すなら、「祈り」のようなものです。

  困ったことに、この御仁は真剣です。
  明日にはこのブログは、バチカンとメッカとエルサレムからのコメントで
  炎上していることでしょう。

言いたい奴は言うが良い、受けて立つ!
すみませんでした!!


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  ■第一部 その2■ 絢辻さんは優等生 ~本心は流れ星のように
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前回は、下記のリストのような流れで、
絢辻さんの学校生活についてシナリオを……というか、
絢辻さんのバックボーンについて、解読して参りました。

  ■絢辻さんに、猫は棲み憑く ~彼女が猫を飼ったわけ
     絢辻詞は、何故猫をかぶらなければならなかったか。

  ■鈴の音がきこえる ~サンタクロースの袋の中身
     クリスマス委員の顛末・絢辻さんシナリオの解説

  ■始まりに、二匹の猫。
     絢辻さんがかぶる、攻防二匹の猫と、その出自についての解読。

  ■猫いづる国の姫君
     「絢辻さん猫論」のまとめ・そして絢辻さんは猫を脱ぐ。

  ■絢辻さん、まっしぐら。
     絢辻さんのもとめるメリットとは何か。

  ■猫の瞳が見る夢は。
     絢辻さんがクラスメイトに向ける視線。

……うーむ、どこを見ても絢辻さん絢辻さんですね。
我ながら、異常だ。どうかしてるぜ。
もちろん今回も絢辻さんづくしです。

ボチボチ、他のキャラのシナリオも遊ばないといけないんですけどね。
なんか、隠しもいっぱいいるようですし。

今年一年は『アマガミ』一本でいけてしまいそうな予感です。
それでは2010年にお会いしましょう。

話が逸れました。
今回は、「猫をかぶって何が悪い」という類の話、そして
「猫と素と、そしてもう一人の絢辻さん」という二つに触れて、
学校編のシメとしたいと思います。



 ■猫パンチは∞の軌道



サテここまで、絢辻さんが聞いたらへそを曲げてしまいそうなくらい
「絢辻さんは猫をかぶっている」ことの説明をしてまいりました。

  ……どうでもいいけど「へそを曲げる」って凄い表現だな。
  最初に言ったヤツ、何見て思いついたんだ。
  へその専門家か?

自分の本音・本性をひた隠す。
そして、優等生。
この二つが並ぶ時、皆さんは実体験上、どんな感想をお持ちになりますかね。

……なんとなく、イヤな奴。怖い人。

そうですね。
大体の方はそう思うと思います。
本音を隠して点数を稼ごう、なんていうのは、実生活で目の前に現れられると、
ちょっとドキッとしてしまうタイプの人間です。

  まあ、程度の差はあるにせよ。
  全部が全部、本音のホンネで生きてる人なんてのは珍しいでしょうけど。

絢辻さん自身も、シナリオの中で主人公に向けておっしゃいます。

  「あなたって、本当に変な人ね。
   (絢辻さんの正体を知って)もっと極端に避けたりするものでしょ?
   私だったら絶対に近づかないもの。
   だって、そんな裏表の激しい人、何を考えてるか分からないじゃない。
   近づくメリットも見出せないしね。

   ……もういわ。さ、早く行きましょ。

……こういうコトをまた、自分でサラッと言ってしまう所がまた絢辻さんですけど。

  ちなみに最後の一行は全然要らないのですが、
  この「冷ややか優しい」な感じが大好きで書かずにいられませんでした。
  このブログは、1割の理性と8割の閃き・ときめきで出来ています。
  残りの1割はカリウムです。

確かに人の世では、裏表が激しいことは、道徳的に良いこととはされません。
ここから先は、「絢辻さんのネコ弁護」的な話になりますが、
私の「あ、やっぱこの人はすげえな」というものの見方です。
絢辻さんがキライな人も、ちょっとだけ、彼女のすごさを感じてみて下さい。

結局のところ、絢辻さんという人は
「学校活動や運営に、積極的に参加している」
だけの人です。
ただし、自分という刃のあまりに鋭利であるために、
人を傷つけ自分が傷つくことのないように、
二匹の猫で自分を厳重に梱包している、というだけの図式に、私には見えます。

振り返ってみてください。
絢辻さんが猫をかぶることで、実績以上のゲタを履くシーンがあったでしょうか。
かぶった猫の陰から陰湿なパンチを打って、無闇に人を傷つける場面が?

  あ、ここでいう「人」からは、悪意のある人と、
  ……悲しい哉、主人公も省かれますが。

そう、ないんです。
本編で描かれる、あれほどの継続的な信頼を得ていることが証明です。

これはある意味で異常なことです。
オイサン的には、これは絢辻さん自身の言う
「損得勘定にあわない行為」だとさえ思います。

猫をかぶる……というか、人前で自分を偽る人というのは、
普通、その影で
「等身大以上に自分を大きく見せて、
 本来の自分が得られるはずより以上のメリットを得る」
ことや、
「裏切ることで他者への攻撃をしやすくする」
ことを目的とします。
そういう「身の丈+αのメリット」くらいはないと、
猫をかぶることのリスクやストレスというのは割に合うシロモノではないからです。

絢辻さんの場合、猫をかぶってはいますが、
その実力と結果に嘘やインチキはありません。
絢辻さんの猫は、活動をやりやすくするためにこそあれ、
稼いだ点数でゲタをはいたり、
誰かに手心を加えてもらうような用途には出来ていません。

  多分、そんなグラついたゲタを一時履いたところで、
  それこそ「何の得にもならない」と考えているのでしょう。
  自分が必要としているなのは、あくまでも地力と実力だと、
  彼女の思想は徹底します。

より良い過程と結果を求め、
そしてその過程で、人も自分も傷つかないための猫。
さらに付け加えるなら、それによって自分に新たな課題をもたらすための猫です。

良い人を演じることで、絢辻さんの周りには人が集まりますが、
そこから発生する活動によって彼女のプライベートが相当に圧迫される様子が
本編では描かれています。
考えようによっては、その時間を自分の強化に回すことで、
……もっと単純な、絢辻さん個体としての学力や経歴的な意味では、
彼女はもっと上にいけた可能性すらあるように思います。

  プレイした方々には、心当たりがあると思いますが。

けれどもそれを毛嫌いせずに受け入れることで(コッソリ切れてたりはしますが)、
自分のキャパを広げることが、絢辻さんの考える「目標への近道」にほかなりません。

そのためには、多少忙しくても時間のやりくりを上手にして引受け、
出来るだけたくさんの出来事に触れて行きたいというのが、
シナリオを通して見られる彼女の姿勢です。

  恐らくその辺も、のべつ幕なし全部拾っているわけではなくて、
  あまりに計算に合わないコトや、
  自分の真の目的を阻害するような内容・分量のことは、
  うまくかわすか、周りに分散させているのでしょうが。
  そういう「全て抱え込んで自爆」系のミスをする人だとも思えません。

会話モードの片隅で絢辻ささんが言います。
「あなたは委員会活動はしてないの?
 ……そう。もったいないわね。
 その面倒の対価として、十分すぎるほど見返りがあるのに」
……正直、クラブとか委員会とか、
そういうものとの関わりを避け続けてきたオイサンには耳の痛いお言葉です。

学校の勉強、「目標」のための勉強、課外での活動、
それらのすべてに対し、
人と同じしかないハズの時間をやりくりして成果をあげる姿は尊敬に値するものです。

  いいですか、これを読んでくれてる若い人!
  「作り物のお話だから」じゃないんですよ!
  周りをよっく御覧なさい!
  いますよ!
  生身の人間でも、いるんです、世の中……否、
  そんなに範囲を広げなくったって、身近にいるはずです。
  あなたよりも、「時間の密度」の濃い人間が。

頭の良い人というのは、
基本的にポジティブで、且つ物事の価値を冷静に見極めている人なのだな、
ということを改めて思い知らされた思いです。
そしてその価値のためならば、犠牲を厭わず、
時間・体力・精神力、限りあるリソースをやりくりすることに心を砕くからこそ、
「頭のいい人」が出来上がるのかと。

「家族」の壁を超えるために「目標」を掲げ、
猫をかぶり、皮肉にもその「猫」と「目標」のための地力が、
彼女の学校生活を支えています。

偽りなしでは正常に生きられない絢辻さんの暮らしは、
強気で、ある種異常な人格に描かれることで緩和されてこそいますが
悲哀に満ちたものです。

  言い方を変えれば……

「家族」という重い枷すらバネに変え、
絢辻さんが見出したファイトスタイルは攻防一体の猫かぶり。
過剰とも思えるトレーニングに耐えた身心が繰り出す∞軌道の猫パンチ、
それは、渇望のデンプシー・ロールです。

精錬された基本こそが「目標」への最短距離だと知る彼女に、
ズルや迷いはありません。
全弾渾身、全てが致命打。

絢辻さんはよく、主人公のコトを「愚直だ」と愛おしげに嘲笑いますが、
自分がもっと愚直であることを多分知っているのだと、
オイサンには思えてなりません。

強いってなんなの、愛ってなんなのと、
独り自問のシャドウを繰り返す綾辻さんに、
ここじゃ、ここに打って来い!! と、
ミットを構えることが許されるのは、主人公だけなのです。

  はじめの一歩―The fighting! (78) (講談社コミックス―Shonen magazine comics (3742巻)) はじめの一歩―The fighting! (59) はじめの一歩―The fighting! (60) (少年マガジンコミックス) はじめの一歩―The fighting! (69) はじめの一歩―The fighting! (73) (講談社コミックス―Shonen magazine comics (3548巻))

是非、絢辻さんの真摯な思いを見届けて、
そして……幼い時代に彼女が犯した、たった一つの過ちをただしてあげて下さい。

聡明なはずの絢辻さんが犯した、唯一の過ちとは……
それは、次章以降でお話していきたいと思います。



 ■正四面体の流れ星



サテ……そろそろこの章も終りですが……
ちょっと上の方でオイサンが、
「猫の絢辻さん」と「スの絢辻さん」の外に、
「そしてさらに、もう一人の絢辻さん」
と書いたのを覚えておいででしょうか。

最後に、その最後の一人の絢辻さんのお話をして、この章を締めたいと思います。

まだ絢辻さんと「僕」が、まともに話をするようになって間もない頃。
会話モードの中で、こんなやりとりがあります。

 主人公 「絢辻さんは、どうしてクリスマス委員に立候補したの?」
 絢辻さん「だって、素敵なことじゃない。
      学校や、市のみんなに楽しんでもらうことの
      お手伝いが出来るなんて。

サテ、いかがでしょう。
そうですね。多分みなさんは、プレイし始めの頃のオイサンと
同じことを考えていると思います。

  ……いかにも、優等生的な答えだ。
    これは猫の絢辻さんだな?

けれどもその考えは、話が進み、
また「ナカヨシ」「スキ」の両ルートを辿ることによって
面白い方向へと、どんどん覆されていくことは……
先の、「クラスメイトたちをどう見ているか」でもご説明した通り。

一緒に頑張ってくれた人々や、集まってくれた人たちの喜び、
そして自分が手がけてきたことへの愛おしさを、
彼女は隠しません。

上の会話で聞かせてくれたのは、
彼女の、偽らざる心からの気持ちだったというわけです。

  どうです、面白くないですか。

絢辻さんは、たまにそうやって、
オモテもウラも関係ない、境界を越えた本当の気持ちを
「どちらかの顔」に載せてさらりと見せてくれるのです。
それは一定しません。

表情や態度には、猫の絢辻さんとそうでない絢辻さんしかありません。
けれど、その中間にもう一人、共通の心にアクセスできる絢辻さんがいて、
普通ならばちょっとテレが入るようなことでも
二匹の猫の力を借りて、自然にするりと語ってくれる。

主人公……つまりそれは「僕(ら)」ですが……にとって一番嬉しいことは、
猫を脱いだ裏の顔を、ただ隠さず見せてくれることではなく、
オモテとウラの、両方にまたがるあいまいな境界を見せてくれること……
なのではないだろうかと、オイサンは思います。

そこにあるものこそが彼女の……というか、
あらゆる人が、そこに本当の本音を隠し持っていると思えるからです。

そうやって、あらゆる自分の中の境界を越え、
絢辻さんの本音は、まるで一条の流れ星のように飛び込んでくるのです。

では、その三つのうち、どれが本当の絢辻さんなんだろう……
と考えることは、もうナンセンスでしょう。

たとえるならば、それは正四面体。
投げられたそれはどの面も上を向くことなく、
クルクル、見方によって答えを変えます。
案外、持ちあげた時に見える底の面では……チロリと赤い舌を出しているのかもしれませんが。
そんな笑顔がまた……オイサンのハートをシビれさせるのです。

  オイサンのハートはどうでもいいですか。
  そうですね。
  でもそうなんですよ。

ちなみに、この傾向はメインシナリオよりも、
会話モードの方がより顕著に見られるような気がします。
色々試してみると面白そうです。


最後に、一つ。


シナリオ中、絢辻さんは三つの一人称を使います。
「あたし」と、「私(発音は「わたし」)」と、「わたし」。
「あたし」は猫をかぶっているときで、
「私/わたし」は、素の顔・裏の顔のとき……のようです。

うしろ二つは表記ゆれの可能性がありますが、
ちょっと見てみた感じ、
「私」は、素で落ち着いているとき、
「わたし」は、やはり素なんだけれど、取り乱しているとき
……のように感じました。

その絶対性は確認したわけではありませんが……
ちょっと、探ってみるのも面白いかもしれません。



 ■次回以降の予定!



さて、学校生活編はこれでおしまいです。
次回は、……マ今までのように間にいろいろ挟まったりすると思いますが、
絢辻さんの「目標」について、お話していきたいと思います。

とはいえ、これまでにも結構書いてきたように、
「目標」の具体的な内容は分かっていませんので、
「それがどんな形をしているのか」の推測、そして、
それを介した主人公との関わりを、細かなエピソードから読み解いていきたいと思います。


販促物に絢辻さんのイラストを見つけるだけで
胸がドキッとしてしまうオイサンでした。






 ◆『アマガミ』絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」 目次
    01 前口上
    02 序文・絢辻詞という「少女」
    03 第〇部 物語のアウトライン 

    04 第一部 学校生活編 PRE STORY (SS)
    05 第一部 学校生活編 その1
    06 第一部 学校生活編 その2

    07 第二部 「目標」編 PRE STORY (SS)
    08 第二部 「目標」編

    09 第三部 家族編 PRE STORY (SS)
    10 第三部 家族編

    11 第四部 手帳編 PRE STORY (SS)
    12 第四部 手帳編 その1
    13 第四部 手帳編 その2

    14 第五部 恋愛編 PRESTORY その1 その2 その3 (SS)
    15 第五部 恋愛編 その1 その2 その3
    16 第六部 終章 PRE STORY その1 (SS)

    ◎『アマガミ』 絢辻さん SS 目次リンク

 


 

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