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2009年3月22日 (日)

■時にはじゃれあう仔犬のように -更新第192回-

さて、『アマガミ』。
なんだかんだで1周目、頑張ってクリアしました。
プレイ時間は……12、3時間くらいですかね。

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■絢辻さんシナリオ 感想
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ハッピーエンドのお相手は、前回での宣言通り、仮面優等生の絢辻さん。

□絢辻さん


色々と紆余曲折を経て、ランク「ナカヨシ」でのエンディングでした。

  『アマガミ』では、女性陣との関係に6つのランク、
    デアイ(出会い)・シリアイ(知り合い)・ソエン(疎遠)
    アコガレ(憧れ)・ナカヨシ(仲良し)
    スキ(好き)
  があり、物語はデアイから始まります。
  レベルは時間が経てば自動的に変化していき、
  最終的には「スキ」か「ナカヨシ」か「ソエン」に行きつきます。

今回はその中の「ナカヨシ」。
つまり上から2番目の関係でのエンディング、というわけです。

前回の記事で問題にしていた、絢辻さんの仮面優等生っぷりは
関係を深めていくにつれて徐々に曖昧なものになっていき、
最後には、今の絢辻さんが、腹黒い「裏」の顔なのか、優等生の「表」の顔なのか、
分からなくなるという流れで解決されていまして。

マなんというか、ガッツンと溜飲の下がる感じではないのですが、
一人の人格としてとても自然な落とし所になっていてビックリしました。
パンチは利いていませんが、リアリティはあって、説得力もある。
なかなか面白いことを考えなすった、というのが素直な感想です。

もちろん、反面では
「いわゆるギャルゲーっぽくはない」「煮え切らない」
という欠点を抱えることになりますが、オイサンは今のシナリオの方が好きです。

  マまだまだ1周目で、イベント的にも全然、数は見られていないので、
  どこかでパンチの利いたところも見られるのかもしれません。

ただ、結局は主人公とも懇ろになるのですが、
あそこまで完璧だった彼女が、この主人公の一体何を気に入ったのかは
全く分からず仕舞い。
ラストの告白シーンでも、
しおらしく主人公への慕情を吐露する絢辻さんの声を聞きながら、
いつ舌を出されるか、とハラハラしてしまいました。

そのくらい最後の最後まで、彼女の本心は闇の中で、
確信を持つに至らないシナリオ運びだった、というコトです。
なので、面白くはあったのですが、カタルシスには欠けました。

ドーッと泣けても良いエンディングでしたが、
「あああああ、騙されてたんじゃなかった、良かった!」
という安心感が先に立ってしまった感じです。

その他にも、煮え切らない点に

 ・結局、絢辻さんのヒミツ手帳にはどんなことが書いてあるのか?
 ・シナリオのクライマックスとなる
  「ツリー事件」の黒幕は誰で、どんなウラがあったのか?
  (大体想像はつくが)

等々については明言がなく、ちょっとアレです。
マこれらも、広大なイベントマップのどこかに埋もれているのかも?と期待したいところ。

あと、今回のは決してBestのENDではないはずなのに、
かなりBest気味のエピローグでして。
「これ以上、まだ上があんの?」というおかしな不安に苛まれてます。


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■主人公のモノスゴさ
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そんな裏と表の交錯する世界の中で、
ずっと平常心でいられる主人公を、オイサンは尊敬します。
「どうせどっちか分かンねえンだから、どっちでも一緒だ」
くらいの気持ちでいるんでしょうか、この主人公は。
心底スゲエと思います。

正直な話、主人公がどうして絢辻さんを好きになったのかも
ようワカランわけですが
(攻略しておいてなんですけども。前回オイサンの想像したような
エラそうなセリフは、案の定ありませんでした)。

絢辻さんの基本的な性格は、仮面を脱いだ瞬間とずっと同じで、
イケズもするし、高圧的なのは変わらないし、怖いときもある。
必ず、主人公の優位に立とうともする。

それに構えもせず、
翻弄されるときは普通に翻弄されるけれど、
自分のしたいようにするとき(大概はすけべえな企みですが)には突き進んで、
絢辻さんの優秀な頭脳を黙らせてしまう、
この男の器はただ事じゃありません。
「もしかして、こういうのを『包容力』っていうのか?」
と、おかしな勘ぐりをしてしまいました。

  説明がしがたいのですが、
  あの、かなり不思議な主人公像に仕上がっていると思います。
  ちょっと、珍しい。
  男らしさや積極性・力強さのかけらもないんですけど。
  一昔前の、パイオニアLDC製OVAの主人公に近い。

なんというか、ホント根っからの善人、なんでしょうね。
この御仁は。
……普段はエロっちいコトばっか考えてるみたいなんですけどね。


  ……。


ある時、ごく普通の会話モードを終えた後に、絢辻さんが
「こうして気楽に人と話せる日が来るなんて、夢にも思わなかった」
一言、言うのですが、このセリフを聞いた時に
オイサンすごく救われた気がしました。

  ああ、やっぱり仮面をかぶってるのは息が詰まるんだな、
  その息抜きに一役買えてるんだ、俺は。

……と思えると、とても嬉しい気持ちになると同時に、
主人公との一体感を得られた気がして、
このシナリオに最後まで付き合っても良いかな、という気分になれたのでした。

ウム。

……ワリと普通に、絢辻さんのことを気に入ってしまったのかもしれない。


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■システム1 行動マップについて
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新システム「行動マップ」での進行は上々。
革新的ではないかもしれませんが、とても良いと思います。

これまでのシリーズの伝統であった
  ・学校内の場所を移動
  ・キャラクターに出会えればイベント、出会えなければ空振り
  ・イベントが起これば好感度をためられる

というシステムをバッサリ簡略化して、
  ・誰との、どのイベントを見るか

というコトだけに特化しています。
イベントは選べば確実に発生する。そして、好感度もためられる。
そこまでは確実。
ただし、各イベントには
  ・何日から何日までの、どの時間帯(休み時間1・2、昼休み、放課後)に見られるか

が設定されていて、うまくスケジューリングしていかないと
他のキャラとのイベントがバッティングして見られなかったりします。

また、先のイベントは手元のイベントを消化していないと出現しなかったりするので、
うまくやりくりをしていかないと手詰まりになったりもする。

ゲームの質をガラっと変えてきたわけです。
そしてそれは成功していると思います。
素敵です。面白いです。
そしてこの改善が、会話モードの遊びやすさにバッチリ繋がっています。


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■システム2 会話モードについて
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前作『キミキス』で、オイサンが不満タラタラだった会話モードですが、
こちらも簡略化をしつつ、ゲーム性のアップをキチンとやって下さいました。
こちらも、とても良いと思います。

  前作の不満についてはこちらの記事でも見て戴くとして

今回も、まあ……
「女の子がどんな話をしたがっているか?」
を推測して、手持ちの話題の中からカードを切る、という方式は同じですが、
 ・話題のデッキを組むのではなく、固定の10個(実質9個)の話題が用意されている

という点で簡略化されている。
その分、ヒットする話題が会話のターンと相手のテンションでガンガン変わるという
複雑さもプラスされていますが、
今回、
  ・割とワンプレイの期間が長くなっているコト
  ・会話モード発生が運任せでなく、確実であるコト

が改善されているため、どの話題がヒットするのか?を見極めることが
随分やり易くなっています。

■会話モード


相変わらず、あからさまなヒント……というか、解答がバッチリ出てたりするのもご愛敬ですが、
今回は、これまでの会話の成功・失敗の履歴が残るのが親切。
また、ヒットした話題の並びから大体のアタリハズレを推測できるのは良いと思います。

……あの、正直、文句ないです。
ここまで、前作で「まずいなあ、ストレスだなあ」と思っていたことを
キレーにクリアして下さるというのは、本当に素晴らしいと思います。

そうでなくとも、
セーブ・ロードやプレイバック機能・メッセージスキップ機能が充実しているので
繰り返しプレイは苦にならず、
「繰り返してやれよ」
と言い張ることも出来たハズなのですが。
オイサンなんかは、あんまり繰り返し繰り返しやらされると
「ゲームの中とはいえ、一期一会感というか、刹那の情緒が失われる」
と感じてしまうクチなので……
この改善は非常にありがたいのです。
本当に、本当に素晴らしい。

欲を言うなら……『TLS』シリーズの伝統、「下校会話」を復活してもらいたかったです。


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■シナリオとシステムの齟齬
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ここからはちょっと苦言になるのですが。

途中までワリとイチャイチャ仲良くしていた女のコと、
あるタイミングで突然「ソエン」になってしまう矛盾……
これは、なんとか出来なかったものでしょうか。

今回、上記の「行動マップ」の中で普通のイベントをこなしていくと、
★マークを獲得できるイベントに行きあたります。
そこで★マークを獲得しておくと、
女のコとの関係レベルが変化するタイミングで、
より上位の(つまりイチャイチャな)関係になることができます。

  「デアイ」からは、
  ★を持っていない状態だと「シリアイ」へと関係が変化しますが、
  ★を持っていると「アコガレ」になれます。

  また、「シリアイ」からだと、
  ★を持っていれば「ナカヨシ」になれますが、
  ★を持っていないと「ソエン」になってしまいます。

  つまりこうです。
              ┌> スキ
              ★
      ┌> アコガレ┼> ナカヨシ
      ★      ★
   デアイ┴> シリアイ┴> ソエン

マ条件満たしてないんだから、しょうがないんじゃん?と
普通なら思うのですが、関係変化の直前まで、
ワリと普通にいちゃいちゃ出来てしまうからたちが悪い。

  今回の中盤での出来事です。

それまでワリと懇ろにしていた
梨穂子や薫のイベントが起きなくなったなあと思っていたら、
ある日突然にソエンになってしまってビックリ。

その後、隙間を埋める様に、トツゼン
"競泳水着の小悪魔"七咲 逢のイベントが起きるようになり、
本命の絢辻さんも音沙汰がなくなったので、
「このまま七咲としっぽりいくのかなあ?」
と思っていたら、七咲も突然ソエンに。

それと入れ替わりで絢辻さんが息を吹き返し、じわじわと
絢辻さんのハッピーエンドに入りましたとさ。
ビックリです。

  この辺り、たとえば、関係レベルが変化する時期を日数で固定するのではなく、
  キャラクターへのアクセスがなくなると、好感度が日を追って低下するようにして、
  好感度がある一定のラインを割るとソエンに移行する……
  というのではダメだったんでしょうか。

「昨日まで仲良しだったのに、今日から突然疎遠でなんだか気マズイ!」
という流れは、もの寂しいの通り越してなんだか滑稽で。
どうして主人公が肩身が狭そうで、
彼女らが冷たくするのか、納得がいきませんでした。

その後も、ソエンになった彼女らの、
なんとなく幸せなその後を見るだけのイベントが重層的に発生するので
傷口を抉られるようで……
……なかなか、辛かった……。

  梨穂子がアイドルになったり、
  森島先輩に年下のカレシが出来たり、
  ふかふかボディーの中田紗江がいきなり腐女子に転向したり(幸せ?)。

マこれらのイベントのおかげで、
後半も退屈せずに済んだワケですけど。

また、物語中盤以降、前半に比べて
イベント発生の頻度がガクンとペースダウンしてしまい、
やることのない時間帯が結構出てきてしまって途方に暮れたのですが……
これはやりよう次第でなんとかなるモンなんでしょうか。
うまくやったら中盤・後半も忙しく過ごせるのだろうか。


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■ジャック・ハンマーのアマガミ
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色々書いてきましたが、
昨今少ない、ゲーム性の高いギャルゲーとして、とても楽しい代物だと思います。
キャラクターの魅力も高いですし、
トチ狂ってエロっ気たっぷりのシナリオも、微笑ましいし、笑える。

キーレスポンスや設計面は文句なくユーザビリティが高いですし、
お勧めの逸品です!

  あ、ユーザビリティ面でヒトツだけ、
  行動マップの拡大・縮小が出来るとありがたかったです。

引き続き、色んなヒロインとイチャイチャしていきたい所存のオイサンでした。
はおはお。

あー、あとシナリオ面でも一点。
基本的に、エロっちさと合わせて「M度が高い」気がしたのですが……
これは、時代……なんですかね。
面白いからいいんですけど。


オイサンでした。
もっかいはおはお。

 

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