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2008年6月22日 (日)

■一万年と二千年前から、純情は星を巡る。 -更新第136回-

どいつもこいつも、CO2CO2って騒ぎすぎ。
そんなことより大事なのは二酸化炭素だろ!
オイサン@文系です。

今日は、『マクロスF』の感想だけです。
今週、ちょっとモノ凄かったので。


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■■■━ 『マクロスF』第11話 ミッシング バースデイ ━■■■
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サテ、回を重ねるごとに
各方面から聞こえる絶賛のお声がどんどんどんどん大きくなっており、
早くも今世紀最高傑作(早いな)の呼び声も高い『マクロスFrontier』ですが。
今回のお話は、誕生日を迎えた主人公・アルトが、3つの選択─

  歌舞伎の大家である実父に勘当の許しを請い、舞台の世界へ戻るのか、
  ヒロインの一人・歌姫シェリルとともに、幼い頃からの自分の真実の夢である、
  「本物の空を飛ぶ」ことを追って別惑星へと赴くのか、
  もう一人のヒロインで、「親しい女友達」ランカのファーストライブを祝うのか─

を、迫られる話です。
で、お話の主役どころはアルトで、視点はランカを借りるところが多いので、
ランカに感情移入してしまいたいところなのですが、
(今回の)役どころとしては、一番地味なハズのシェリルさんの魅力の爆発ぶりが、まあすごい。
出番の数としては、断然ランカに分があるにもかかわらず、
シェリルの存在感の大きさはランカの比ではありません。

  もちろん、性的な意味で!

……と書けばオチにもなるのでしょうが、それがそうじゃないから捨て置けない。
ホントのホントに、人物的なすごさが鮮やかに描き出されていました。

さてそのシェリルさん、
『マクロス』には不可欠な「全銀河の歌姫」として登場し、当初はオイサンも、
「ああ、上から目線のライバル系キャラで、
 ランカの成長の踏み台くらいになるんだろうな」
と思っていまして、
お話の上での大きな役割としてそのポジションは今も変わっていないんでしょうけど、
ここまで雲の上のキャラクターになるとは思っていませんでした。

  ※ちょっと最初にオ断ワリしておきますが、
   以下の記事、別段、キャラとしてのシェリルさんに肩入れするモノではないので、
   まずちょっとその辺ご承知おいてから読んで下さい。
   イヤ別に今更、キャラにマジ惚れしたってオイサン恥ずかしくもなんともないんですけど、
   記事の意味合いを誤解されるとそれは悲しいのでね。

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■「当然よ。だって、私はシェリルだもの。」

………これは、決め台詞とばかりに作中でシェリルさんが口にするセリフです。
今回も、
「どうしたらそんなに自信家になれるのかね」
と言ったアルトに対して返す刀で使っていました。

これだけ聞けば、ただの天狗でワガママなアイドルの台詞です。
しかし回を重ねるにつれ、この言葉は凄みを増していくことになります。
それは、シェリルの立ち居振る舞いが、
その言葉にふさわしく、強い覚悟の上に成り立った、堂々たる女王のものだからです。

  今回の話でもそう。

ようやくアイドルデビューを果たしたランカは、
主演映画を成功させて忙しさを増していく日常の中で、
アルトに会うことも出来ず、思い悩んでいます。
シェリルはアイドルの先輩として、その思いをくみ取り、
励ますことさえします。
それが、同じくアルトを思う一人の女性としては
(もちろん同じ業界に身を置く商売敵としても)
ある意味敵に塩を送る行為であるにもかかわらず、です。

そんな中、アルトは、誕生日の日に冒頭で書いた3つの約束を持ちかけられ─
シェリルとの約束を優先しました。
これはどういうことなのか。

「ランカのアルトへの気持ちを知っていながら、
 おなじ誕生日にブッキングするなんて腹黒い!
 けしからん!!」

……と見る向きもあるでしょうが、オイサンはそうは思いません。
アルトはああいう人ですから、
ランカへの思いが、シェリルに対するものよりも優っていたなら、
素直にランカとの約束をとるでしょう。
もっと言えば、単純に「『誰との約束の優先するかどうか』という程度の、人物への思い」という意味であれば、
シェリルよりもランカの方が上のハズです。

  マこれはあくまでも、「アルトの自意識の下では」という注意書きがつきますが。
  無意識のもとでは、アルト自身シェリルに惹かれ始めてはいますが、
  その思いは、まだ本人で気付けるほど表面化していません。
  そこまでの描かれ方をしていません。

では、どうしてアルトがシェリルについて行ったのか。
それは、
「シェリルの用意したプレゼントが、アルトにとって一番魅力的だったから」
に他なりません。

  これはスゴイことです。

シェリルはこれまでのアルトとの交流の中で、
アルトの一番の夢、アルトが本当に欲しいものが、
「大気のある、本当の大空を飛ぶこと」だということを見抜いていたのでしょう。
そしてそれをエサにぶら下げて、男の子の純情を一本釣りにしたワケです。

つまりシェリルは、汚い手も使わず、ライバルに対して塩さえ送りつけながら、
自分はそれ以上の火力で以て圧倒して見せたわけです。
真っ向勝負、勝てばそれなりのリターンを獲得していく王道のスタイル。
だから勝ってもイヤミがない、すがすがしい。
見ていても納得がいく。
愉快、ツーカイ。
さすがは怪物ランドの女王様ですゲボハハハ。

この辺で一発シェリルさんにカカトでツッコんでもらいたいものです
嗚呼そこソコもっと踏んで。

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■「だって、私はシェリルだもの。」

……そうした今回の話の一連の流れを見ていて、
この台詞の持つ重みを、強く感じることが出来ました。

恐らくシェリルさんは、ただノホホンとして
全銀河のアイドルの座をキープしているのではないのでしょう。

頭を使い、カラダを磨き、心を砕いて
いかにして人の心を掴んでいくかを追求してきた結果としての「シェリル」の座。
自分の力で、「シェリル」というブランドを作り上げてきた故の自信、
自分のやり方・考え方の正しさを、
それこそ血の滲むような思いで証明し続けてきた、実績から出る自負。
それが集約されているのが、彼女のこの決め台詞なのだと感じました。

そして今回の話で、見事アルトを一本釣りに出来た・そうしたのも、
「人の心を掴むこと」に心を砕き続けてきた彼女のキャリアの賜物であり、
その分野において、今やイケイケの同業者であるランカには負けられぬ、
また一切の手加減もしない!
……という、なんとも彼女らしい宣戦布告であったのでしょう。
(宣戦布告というのであれば先週のキスシーンもそうですが、
あれは先輩から後輩への火付け行為の色合いの方が濃いでしょうからね)。

  こんな男前のヒロイン、オイサンずいぶん久しぶりに見た気がするよ。
  伊集院レイ以来じゃないかね。

なんとも鮮やかで、魅力あふれるヒロイン
「シェリル・ノーム」の人物像であることですよ。

  そして裏を返してさらに楽しみなのが、
  ここまでアルト関係では負けっぱなし、いいトコ引き分けのランカが
  どんな大化けをして、納得性のある挽回していくのかが、
  シナリオ屋さんの腕の見せ所ですな。
  ここまで尊大に描ききったシェリルを後半大まくりしてこそ、
  ランカの器のものすごさが際立つってモノですからね。

とはいえ、モノはあの『マクロス』ですから。
必ずしも真のヒロインがハッピーエンドを迎えるとは限りませんケドね。
そこはまあ、終わってみてのお楽しみってコトで。
言ってるイミが分からない人は、ちょっと歴史のお勉強をしましょうね。

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■「だって、俺は河森だもの。」

とまあ、ここまでシェリルさんベッタベタ褒めで来たので、
ヤッパリ
「なんだお前ただのシェリル好きだろ」
と言われそうですが、マ勿論決してキライじゃありませんけども、
そんなことよりも、
こういう人物像を、地味に地味に積み上げながら描ききった本作品のキャラ造形、
シナリオの妙味が、何とも言えず素晴らしいと、
昨今のアニメでは稀にも見ないものであるなと深く感嘆した次第なのでありますよ。

それにこの『マクロスF』という作品は、
なんというか、あまりに隙がない。
隙がないのに、肩の力が、すごく抜けているように見える。

  たとえて言うなら、
  「宮本武蔵を完全にコピーした世界のナベアツ」
  みたいに、オイサンには見えるのです。

まあそんなどうでもいい喩えは置いておくとして、
つまりは隙なく、娯楽に徹しているように見える、ということです。
「隙がない」と表わすと、一瞬コワイものを思い描いてしまう感じですが、
ディズニーランドのような隙のなさといいますか、
「どんどんビックリさせてやろうぜ、どんどん楽しませてやろうぜ!」
という意気込みの大きさが実に好ましい。

「娘フロ」とかいうOSTのタイトルのバカっぽさもそうであれば、
「シェリルとランカの歌、ゼントラ盛り!」というキャッチもバカ丸出し。

■『マクロスF』 1st Original Sound Track 「娘フロ(にゃんふろ)」 CM



ランカの中の人のデビューライブも近々催されるというし、
なんか、これだけ締まりのある、カッコイイ作品をこさえておきながら、
この力の抜けようななんなの?と小一時間質問攻めにしてみたくなる布陣です。

  生命の一大事にこそ、脱力─リラックスこそが求められる!
  それこそが消力(シャオリー)!!
  ……と、『バキ』にも書いていましたが、
  まさに郭 海皇ばりの攻めの消力。
  意味が分からない人はバキを読もう、是非読もう!
   

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今週のサービスカットのスーパーコンボ、
   シェリル+ナナセ 水着 → シェリル 下着
  → でっかいちっちゃい大尉 バトルスーツ(先端影付き)
  → でっかいちっちゃい大尉+キャサリン シャワー
  → シェリル 夢と希望のオッパイ
といい、
マ最近ちょっとメカ方面のサービスが足らん気もしますが、
来週その辺は解消されそうですし、
ホントにね、ホントに全く、一時も退屈させまいぞ!
とする作り手の執念を感じます。


あ、あと今週からエンディングが変わりましたけど、ちょっとビックリした。
何がって、てっきりランカ役の中島愛が歌ってるんだろうなと思ったのに、
坂本真綾が歌ってるみたいで、確認したらやっぱり中島愛だったので(ややこしい)。

マつまりは歌ってる時の中島愛が、坂本真綾にすごく似る時がある、
ってコトです。

一瞬ホントに坂本真綾かと思ったもの。
菅野ようこが喜んで曲を書きそうだ。


マそんな感じでオイサンでした。
ぅおぅもう2時じゃねえかよ。
こんだけ書くのに2時間半かかったってか。



マクロスF (フロンティア) O.S.T.1 娘フロ。 マクロスF (フロンティア) O.S.T.1 娘フロ。

アーティスト:菅野よう子,中島愛,シェリル・ノーム
starring May’n,坂本真綾
販売元:JVCエンタテインメント
発売日:2008/06/04




  

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